(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るシャッター装置1の概略図である。
図1では、シャッター装置1を裏側(例えば、室内側)から見た様子が示されている。
【0021】
まず、シャッター装置1の全体構成について説明する。本実施形態のシャッター装置1は、ガイドレール11と、シャッターカーテン12と、ケース20と、連動中継器21と、巻取装置13と、駆動装置14と、制御盤15と、操作装置16と、報知装置17と、を含んで構成される。
【0022】
ガイドレール11は、シャッターカーテン12の左右それぞれに配置される。ガイドレール11は、横断面が略U字状に形成されており、U字の内側に相当する部分で昇降するシャッターカーテン12の左右端部をガイドする。
【0023】
シャッターカーテン12は、複数のスラット121が上下方向に連設されて構成される。シャッターカーテン12がガイドレール11に案内されながら上昇/降下することにより、建物開口部の開放/閉鎖が行われる。
【0024】
シャッターカーテン12の下端部には安全装置120が配置される。安全装置120は、シャッターカーテン12の下端部が物体に接触したことを検知したときにシャッターカーテン12の移動を停止するためのものである。
【0025】
本実施形態の安全装置120は、左右方向に細長い長尺の本体部123と、本体部123の下部に配置される接触部124と、接触部124が本体部123に押し込まれたことを検知するスイッチ部125と、スイッチ部125の検知信号を制御盤15に送信するケーブル126と、を備える。制御盤15は、安全装置120の検知信号に基づいても駆動装置14の駆動制御を行う。
【0026】
制御盤15は、シャッターカーテン12の降下中に、安全装置120によってシャッターカーテン12の下端部が物体(又は床面)に接触したことを安全装置120によって検知すると、駆動装置14の駆動を停止する制御を行う。
【0027】
ケース20は、シャッターカーテン12を巻き取る巻取装置13等を収容する。ケース20の下方にまぐさ部60が配置される。連動中継器21は、感知器等の信号を図示せぬ連動制御器を経由してシャッターカーテン12が全閉するまで自動閉鎖装置150に電源を供給する。
【0028】
巻取装置13は、シャッターカーテン12の巻取/繰出を行う装置である。
図2は、巻取装置13及びその近傍の様子を示す側面図であり、ケース20等の一部の構成の図示を省略している。
【0029】
巻取装置13は、駆動装置14によって回転駆動される巻取シャフト131と、シャッターカーテン12を巻取可能な巻取ドラム132と、を備える。
【0030】
シャッター装置1の左右には軸受ブラケット135が配置されており、該軸受ブラケット135に巻取ドラム132とベアリング(図示省略)を介して巻取シャフト131が回転可能に支持される。巻取ドラム132は、その軸心が巻取シャフト131の軸心に一致しており、巻取シャフト131と一体的に回転する。巻取ドラム132の周面には、シャッターカーテン12の上端部が固定される。なお、
図2中の符号136は、スラット121(シャッターカーテン12)を巻取シャフト131に全て巻き取った状態(最大巻径)を示す線である。
【0031】
巻取シャフト131が所定方向(巻取方向は、
図2でいう時計回り方向である。)に回転するとシャッターカーテン12が巻取ドラム132に巻き取られ、建物開口部が開放される。巻取シャフト131が所定方向と逆向きに回転するとシャッターカーテン12が巻取ドラム132から繰り出され、最終的に開口部が閉鎖される。
【0032】
駆動装置14は、開閉機としてのモータ(駆動部)141と、モータ141の回転力を巻取シャフト131に機械的に伝達する伝達機構143と、を備える。モータ141近傍には、巻取動作及び繰出動作の終了を検知するためのリミットスイッチ151が配置されており、当該センサの検知信号は制御盤15に送信される。
【0033】
伝達機構143は、モータ141の出力軸に接続されるモータ側スプロケット144と、巻取シャフト131に接続される巻取側スプロケット145と、モータ側スプロケット144及び巻取側スプロケット145に巻き回されるローラチェーン146と、を備える。モータ141の回転力は、モータ側スプロケット144、ローラチェーン146、巻取側スプロケット145を介して巻取シャフト131に伝達される。
【0034】
制御盤15は、操作装置16から入力される信号に基づいてモータ141の駆動を制御する制御回路を有する。また、制御盤15は、シャッター装置1の制御の他にシャッター装置1の異常により検知信号を出力させたり、警報信号を出力させたりする回路も併せ持っている。通常時の巻取動作や繰出動作を終了するタイミングは、上述のモータ141に付属しているリミットスイッチ151の検知信号に基づいて制御盤15が制御する(
図1参照)。
【0035】
操作装置16は、制御盤15に電気的に接続される。制御盤15は、操作装置16の操作信号に基づいてシャッターカーテン12を動作させる制御を行う。
【0036】
報知装置17は、シャッター装置1の異常を使用者や作業者に報知するための手段である。本実施形態の報知装置17は、電源が入っていることを示す電源灯171、シャッター装置1が異常状態であることを示す警告灯172、シャッター装置1が異常状態になる兆候を示す注意灯173、コード断線が生じていることを示すコード断線灯174、シャッター装置1が操作可能であることを示す操作可否灯175と、を備える。
【0037】
また、シャッター装置1は、シャッターカーテン12の過巻き及び過降下を防止するための構成として、まぐさ60の内側に配置される光検知センサ30と、シャッターカーテン12の裏側下部に固定される過巻き用反射板31及び過巻き用反射板32と、シャッターカーテン12の裏側上部に固定される過降下用反射板41及び過降下用反射板42と、を更に備える。
【0038】
光検知センサ30は、ビームを照射する機能とビームの受光を検知する機能を有する投受光器である。光検知センサ30は、まぐさ60の一部を構成する金属製のフレーム40に固定される。
【0039】
フレーム40は、巻取ドラム132に近接配置されており、当該巻取ドラム132の下方に位置している。光検知センサ30は、このフレーム40の上面にベースプレート50及びセンサ保持具52を介して固定されており、まぐさ60の内側に位置する。
【0040】
図3は、本実施形態のベースプレート50及びセンサ保持具52によって保持される光検知センサの正面図である。
図4は、本実施形態のベースプレート50及びセンサ保持具52によって光検知センサの平面図である。
【0041】
図3及び
図4に示すベースプレート50は、金属製の板状部材をL字に折り曲げて形成された金具である。ベースプレート50において、シャッターカーテン12の裏側に対向する平面部分に縦長の貫通孔51が左右に並んで2箇所形成される。2つの貫通孔51を利用してセンサ保持具52がネジ等の締結部材によってベースプレート50に固定される。また、ベースプレート50の光検知センサ30を取り付ける側の反対側には支持板53が固定される。ベースプレート50の底面において、支持板53の両側には取付孔54がそれぞれ形成され、当該取付孔54を利用してネジ等の締結部材によってベースプレート50がフレーム40に締結される。
【0042】
センサ保持具52は、投受光面(投光部及び受光部)30aを水平方向に向けた姿勢で光検知センサ30を保持する。また、ベースプレート50に形成される縦長の貫通孔51により、センサ保持具52の高さを調節することができる。
【0043】
ベースプレート50及びセンサ保持具52により、光検知センサ30の投受光面30aはシャッターカーテン12の裏側に対向する。
【0044】
図5は、本実施形態のシャッターカーテン12の裏側下部に固定された過巻き用反射板31及び過巻き用反射板32を示す図である。
図5に示すように、過巻き用反射板31は座板122に固定される。過巻き用反射板31は、座板122の水平方向を向く面(室内側の見付面)に接着固定される。過巻き用反射板31は接着面を有する薄膜のシール部材である。
【0045】
過巻き用反射板31の設置場所は、シャッターカーテン12の過巻きが生じる位置と光検知センサ30の高さに基づいて設定される。例えば、シャッターカーテン12の巻取動作中に過巻き用反射板31が光検知センサ30の高さに位置したときに過巻きが生じ始めている又は過巻きが生じる直前と判断できる位置が設置場所となる。
【0046】
過巻き用反射板32は、スラット121の凹部121bの内側に位置する。本実施形態では、座板122は、スラット121の裏面に沿って上側に延びる延出片122aを有しており、当該延出片122aの水平方向を向く面(室内側の見付面)に過巻き用反射板32が接着固定される。過巻き用反射板32は、適宜の材料によって構成される板状部材である。過巻き用反射板32は、延出片122aに固定された状態においても、スラット121の凹部121bの内側に納まる厚みのものが用いられる。
【0047】
過巻き用反射板32の設置場所は、巻取動作中にシャッターカーテン12の過巻きが生じる位置よりも前段階で光検知センサ30に検知される位置である。例えば、シャッターカーテン12の巻取動作中に過巻き用反射板32が光検知センサ30の高さに位置したときに過巻きが生じる前段階と判断できる位置が設置場所であり、過巻き用反射板32は、過巻き用反射板31の上方に位置する。従って、巻取動作中に過巻きが生じるときは、過巻き用反射板31よりも過巻き用反射板32が先に光検知センサ30の高さにくることになる。
【0048】
過巻き用反射板31は、過巻き用反射板32に対して相対的に過巻き状態の蓋然性が高い状態を検知できる位置に設置されている。また、
図1に示すように、全体から見れば過巻き用反射板31及び過巻き用反射板32は、シャッターカーテン12の下端部に位置している。
【0049】
図6は、本実施形態の光検知センサ30による過巻き検知を段階的に示す図である。
図6(a)では、過巻き用反射板31及び過巻き用反射板32の何れも、光検知センサ30よりも下側に位置する状態が示されている。
図6(a)の状態から巻取動作が進行し、
図6(b)に示すように、シャッターカーテン12に固定された過巻き用反射板32の位置が光検知センサ30の高さまで上昇すると、光検知センサ30の照射したビームが過巻き用反射板32で反射し、光検知センサ30に戻る状態となる。そして、光検知センサ30の検知信号(第1の検知信号)が制御盤15に送信される。
【0050】
図6(b)の状態から巻取動作が進行し、
図6(c)に示すように、シャッターカーテン12に固定された過巻き用反射板32の位置が光検知センサ30の高さまで上昇すると、光検知センサ30の照射したビームが第1過巻き用反射板32で反射し、光検知センサ30に戻る状態となる。これによって光検知センサ30の第2の検知信号が制御盤15に送信される。そして、光検知センサ30の検知信号(第2の検知信号)が制御盤15に送信される。
図6(c)の状態で検知された検知信号の方が、
図6(b)の状態で検知信号に比べて過巻きの蓋然性が高い状態を示すことになる。
【0051】
図7は、本実施形態のシャッターカーテン12の裏側上部に固定された過降下用反射板41及び過降下用反射板42を示す図である。
図7に示すように、スラット121の上下の端部は、連接されるスラット121が互いに嵌合される連結部121aとなっており、上下の連結部121aの間には室外側に凹む凹部121bが形成されている。過降下用反射板41及び過降下用反射板42は、何れもスラット121の凹部121bの内側に配置されている。過降下用反射板41が固定されるスラット121は、過降下用反射板42が固定されるスラット121の上部に連結されるものであり、過降下用反射板41が過降下用反射板42の上方に位置している。
【0052】
過降下用反射板41の設置場所は、シャッターカーテン12の過降下が生じる位置と光検知センサ30の高さに基づいて設定される。例えば、シャッターカーテン12の降下動作中に過降下用反射板41が光検知センサ30の高さまで下降したときに、既にシャッターカーテン12の下端部が地面又は床面に接地しており、過降下が生じ始めている又は生じ始める直前の段階と判断できる位置が設置場所となる。
【0053】
過降下用反射板42の設置場所は、降下動作中にシャッターカーテン12の過降下が生じる位置よりも前段階で光検知センサ30に検知される位置である。例えば、シャッターカーテン12の降下動作中に過降下用反射板42が光検知センサ30の高さに位置したときに過降下が生じる前段階と判断できる位置が設置場所であり、過降下用反射板42は、過降下用反射板41の下方に位置する。従って、降下動作中に過降下が生じるときは、過降下用反射板41よりも過降下用反射板42が先に光検知センサ30の高さにくることになる。
【0054】
本実施形態では、過降下用反射板41及び過降下用反射板42は、何れも閉鎖位置にあるシャッターカーテン12の裏側における上部に位置する。
【0055】
図8は、本実施形態の光検知センサ30による過降下検知を段階的に示す図である。
図8(a)では、過降下用反射板41及び過降下用反射板42の何れも、光検知センサ30よりも上側に位置する状態が示されている。
図8(a)の状態から降下動作が進行し、
図8(b)に示すように、シャッターカーテン12に固定された過降下用反射板42の位置が光検知センサ30の高さまで下降すると、光検知センサ30の照射したビームが過巻き用反射板32で反射し、光検知センサ30に戻る状態となる。そして、光検知センサ30の検知信号(第1の検知信号)が制御盤15に送信される。
【0056】
図8(b)の状態から巻取動作が進行し、
図8(c)に示すように、シャッターカーテン12に固定された過巻き用反射板32の位置が光検知センサ30の高さまで下降すると、光検知センサ30の照射したビームが第1過巻き用反射板32で反射し、光検知センサ30に戻る状態となる。これによって光検知センサ30の第2の検知信号が制御盤15に送信される。そして、光検知センサ30の検知信号(第2の検知信号)が制御盤15に送信される。
図8(c)の状態で検知された検知信号の方が、
図8(b)の状態で検知信号に比べて過巻きの蓋然性が高い状態を示すことになる。
【0057】
図9は、本実施形態のシャッター装置1の電気的な構成の一部を示すブロック図である。制御盤15による過巻き又は過降下の検知の流れについて説明する。制御盤15は、第1の検知信号を受信すると、報知装置17を制御して注意灯173を点灯する。
【0058】
制御盤15は、過巻き又は過降下の異常の程度を段階的に判定するため、第1の検知信号を受信してから第2の検知信号を受信するまでの時間をカウンタ35によって計測する。なお、カウンタ35の配置場所は特に限定されるわけではなく、例えば、光検知センサ30自体がその機能を有する構成としてもよいし、制御盤15に内蔵する機能としてもよい。
【0059】
本実施形態のシャッター装置1には、第1の検知信号を検知してから第2の検知信号を検知するまでの時間に基づいて異常の程度を判断する基準時間が設定されている。基準時間は、シャッターカーテン12の移動速度や光検知センサ30、過巻き用反射板31、過巻き用反射板32、過降下用反射板41及び過降下用反射板42の配置位置等に基づいて予め設定される。
【0060】
制御盤15は、第1の検知信号を検知してから第2の検知信号を検知するまでの時間が基準時間内から否かに基づいて異常の程度を判定する。第1の検知信号を受信してから第2の検知信号を受信するまでの計測時間が基準時間内の場合は移動量が想定の範囲より大きく異常の程度が高いと判断できる。本実施形態では、計測時間が基準時間内の場合、制御盤15はモータ141の駆動を停止する制御を行うとともに報知装置17を制御して注意灯173を消灯するとともに警告灯172を点灯する。
【0061】
第1の検知信号を受信してから第2の検知信号を受信するまでの計測時間が基準時間を超えた場合は移動量が許容範囲であるが、シャッターカーテン12の位置が過巻き又は過降下の位置に差し掛かっているおそれがあるものの、異常の程度は相対的に低い状態である。本実施形態では、計測時間が基準時間を超えた場合、注意灯173の点灯が維持される。
【0062】
なお、制御盤15は、モータ141の回転方向に基づいて検知信号が過巻きを検知しているのか過降下を検知しているのかを区別することも可能である。従って、過巻き又は過降下を区別して報知装置17がユーザに報知を行う構成としてもよい。
【0063】
上記実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
シャッター装置1は、シャッターカーテン12と、シャッターカーテン12を巻取可能な巻取ドラム132と、巻取ドラム132を回転駆動してシャッターカーテン12を巻取又は繰出するモータ141と、巻取ドラム132の近傍(近接)に配置されるフレーム40に固定され、投受光面30aを有する光検知センサ30と、シャッターカーテン12の下部(戸先側近傍)に配置される過巻き用反射板31,32と、シャッターカーテン12の上部(巻取ドラム132近傍)に配置される過降下用反射板41,42と、過巻き用反射板31,32又は過降下用反射板41,42によって反射された光を光検知センサ30が検知した検知信号に基づいて異常の発生を判定する制御盤15と、を備える。
【0064】
これにより、機械的な構成を別途追加することなく、シンプルな構成で過巻き及び過降下の両方を検知することができる。モータ141のリミットスイッチ151が故障していたとしても、ユーザに負担をかけずにシャッターカーテン12の実際の動作を検知する光検知センサ30によって過巻き及び過降下を確実に検知でき、不具合や故障の発生を確実に防止できる。
【0065】
また、本実施形態では、過巻き用反射板31,32及び過降下用反射板41,42は、何れも、シャッターカーテン12の裏側に上下に並んで(間隔をあけて)2つ以上配置され、制御盤15は、光検知センサ30によって複数回検知される検知信号に基づいて異常の程度を区別して判定する。
【0066】
これにより、過巻き及び過降下を段階的に検知することが可能となり、異常の程度に応じて適切な対応を行うことができる。また、現段階では緊急停止する必要がないものの放置すれば故障原因となるような異常の兆候を検知できるので、故障原因を確実に除去できるとともに、過巻きや過降下に起因する効率性の低下に対して早い段階で対応できる。
【0067】
また、本実施形態では、制御盤15は、光検知センサ30が第1の検知信号を受信してから基準時間内に第2の検知信号を受信するとモータ141の駆動を停止する。
【0068】
これにより、異常が生じている蓋然性が高いシャッターカーテン12の早い挙動に基づいてシャッターカーテン12の動作が停止されるので、より安全側でシャッターカーテン12の過巻き及び過降下を防止することができる。
【0069】
また、本実施形態では、シャッター装置1は、注意情報及び警告情報を区別して報知可能な報知装置17を更に備える。制御盤15は、光検知センサ30が第1の検知信号を受信すると報知装置17によって注意情報を報知し、第1の検知信号を受信してから第2の検知信号を受信するまでの時間が基準時間内の場合は警告情報を報知し、基準時間を超えた場合は注意情報の報知を維持する制御を行う。
【0070】
これにより、ユーザがシャッター装置1の異常の程度を速やかに把握でき、適切かつ迅速な対応が行われることになる。例えば、シャッターカーテン12の動作を緊急停止する程ではないものの、異常が今後生じるおそれがある注意状態を注意情報によって把握したユーザやメンテナンス作業員が即座に対応を行うことで不具合や故障の発生を事前に防止できる。また、警告情報が報知されることによって即座にメンテナンス作業員等に連絡することもでき、復旧に必要な時間も短縮することができる。
【0071】
また、本実施形態では、シャッターカーテン12は、上下それぞれに連結部121aが形成されるスラット121が上下に連設されて構成され、スラット121の裏側における上下の連結部121aの間には凹部121bが形成され、過巻き用反射板31,32及び過降下用反射板41,42の少なくとも何れか一部は、凹部121bの内側に固定される。
【0072】
これにより、スラット121の凹部121bの内側に過巻き用反射板31,32及び過降下用反射板41,42が納まるので、巻取中や繰出中に巻取ドラム132の巻付面(シャッターカーテン12の表面)に過巻き用反射板31,32及び過降下用反射板41,42が干渉する事態の発生を防止できる。
【0073】
また、本実施形態では、凹部121bの内側に固定される過巻き用反射板31,32又は過降下用反射板41,42の厚みが、凹部121bの深さよりも薄く形成される。
【0074】
これにより、シャッターカーテン12が巻取ドラム132に巻き取られている状態で過巻き用反射板31,32及び過降下用反射板41,42が巻取ドラム132の巻付面(シャッターカーテン12の表面)に接触しなくなり、過巻き用反射板31,32及び過降下用反射板41,42の脱落をより確実に防止することができる。
【0075】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
図10は、変形例の光検知センサ30による過巻き検知を段階的に示す図である。
図10(a)は、過巻き用反射板231及び過巻き用反射板232の何れも、光検知センサ30よりも下側に位置し、検知信号が出力されない状態を示す。
図10(b)は、過巻き用反射板232の位置が光検知センサ30の高さまで上昇し、第1の検知信号が出力される状態を示す。
図10(c)は、過巻き用反射板231の位置が光検知センサ30の高さまで上昇し、第2の検知信号が出力される状態を示す。
【0076】
図10(a)〜(c)に示すように、変形例の光検知センサ30は、断面形状が略C字状のベースプレート250によって保持される。ベースプレート250は、C字の開口側がシャッターカーテン12の裏側に対向するようにフレーム40に固定される。また、巻き用反射板231及び過巻き用反射板232は、何れもシール状の反射板である。
【0077】
変形例の光検知センサ30は、上記実施形態のベースプレート50に保持される光検知センサ30よりも低い位置で保持される。
図10(c)に示すように、光検知センサ30の位置に対応して第2の検知信号を出力させる過巻き用反射板231は座板122よりも低い安全装置120の本体部123の見付面に配置される。また、
図10(b)に示すように、第1の検知信号を出力させる過巻き用反射板232は座板122に配置される。
【0078】
図11は、変形例の光検知センサ30による過降下検知を段階的に示す図である。
図11(a)は、過降下用反射板241及び過降下用反射板242の何れも、光検知センサ30よりも上側に位置し、検知信号が出力されない状態を示す。
図11(b)は、過降下用反射板242の位置が光検知センサ30の高さまで下降し、第1の検知信号が出力される状態を示す。
図11(c)は、過降下用反射板241の位置が光検知センサ30の高さまで下降し、第2の検知信号が出力される状態を示す。
【0079】
過降下用反射板241及び過降下用反射板242は、何れもシール状の反射板である。
変形例の過降下用反射板241及び過降下用反射板242は、上記実施形態に比べて光検知センサ30の位置が低いため、過降下用反射板41及び過降下用反射板42よりも下側に固定される。
【0080】
このように、光検知センサ30の検知位置は、事情に応じて柔軟に変更することができる。また、過巻き用反射板231、過巻き用反射板232、過降下用反射板241及び過降下用反射板242の固定位置も、光検知センサ30の位置に応じて柔軟に変更することができる。
【0081】
以上、本発明の好ましい実施形態及び変形例について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態では、過巻き用反射部材及び過降下用反射部材の両方が上下方向に2箇所配置される構成であるが、過巻き用反射部材及び過降下用反射部材の何れにおいても3箇所以上配置する構成としてもよいし、過巻き用反射部材及び過降下用反射部材がそれぞれ1箇所ずつ配置する構成としてもよい。
【0082】
上記実施形態では、板状の過巻き用反射部材(過巻き用反射板32)とシール状の過巻き用反射部材(過巻き用反射板31)の異なるタイプの反射板が組み合わされているが、何れも板状の過巻き用反射部材を用いてもよいし、何れもシール状の過巻き用反射部材の用いてもよい。過降下用反射部材(過降下用反射板41,42)についても同等であり、何れも板状の過降下用反射部材を用いてもよいし、何れもシール状の過降下用反射部材の用いてもよい。
【0083】
上記実施形態では、過巻き用反射板31,32及び過降下用反射板41,42の何れについても上下方向に並んで配置される構成であるが、この構成に限定されない。過巻き用反射板31,32、過降下用反射板41,42又はその両方について、反射板を左右横並びに配置するとともに反射板の位置にあわせて光検知センサ30を左右に並んで配置する構成としてもよい。
【0084】
上記実施形態では、制御盤15、操作装置16及び報知装置17の配置場所は、ガイドレール11や巻取装置13等の近傍であってもよいし、シャッターカーテン12から離れた同一施設内の集中管理室や施設から地理的に離れた遠隔監視室等であってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、報知装置17は、複数の表示灯(電源灯171、警告灯172、注意灯173、コード断線灯174)によってシャッター装置1の状態を報知する構成であるが、この構成に限定されない。例えば、ブザーやスピーカー等の発音装置、画像を表示する表示装置、又はこれらの組み合わせによって報知装置を構成してもよい。
【0086】
また、上記実施形態で説明したシャッター装置1は、防火シャッターであるが、防火シャッターだけではなく、日常開閉する管理用シャッターに適用することができる。また、鉛直上下の開閉ではなく、水平方向に開閉するシャッターにも適用することができる。