(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記袋を高さ方向に移動させることによって、前記袋の前記保持予定箇所の高さ方向位置と前記保持部材の高さ方向位置とを相互に対応させる請求項1に記載の袋搬送方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1のモード]
次に、
図1〜27を参照し、本発明に係る袋の供給方法及び装置のいくつかの実施形態について、詳細に説明する。
[搬送部(搬送手段)が間欠搬送タイプの例]
図1〜11に、本発明に係る袋の供給方法及び装置の一実施形態(間欠搬送タイプ)を示す。
図1及び
図2に示すように、袋の供給装置1が真空包装機2の近傍に設置されている。
真空包装機2は、例えば特開2013−244967号公報に記載されているものと同様で、回転及び停止を一定のテンポで繰り返しながら間欠回転(
図1において時計方向に回転)するテーブル3と、テーブル3の周囲に等角度間隔で設置された複数個(この例では10個)の真空チャンバー4を備える。各真空チャンバー4はテーブル3に固定されたチャンバー本体5と、各チャンバー本体5に対し開閉自在に設置されたチャンバー蓋6からなる。
【0016】
チャンバー本体5は、テーブル3の周囲に開口を外側方向に向けて放射状に等間隔で取り付けられている。特開2013−244967号公報に記載されているように、チャンバー蓋6は、チャンバー本体5の開口に対し開閉機構7(
図2参照)により開閉され、閉じたときチャンバー本体5とその開口周縁部で密着して真空チャンバー4を構成する。
図2に示すように、真空チャンバー4内には、袋Bのシール予定部のやや下を把持するグリッパー8(詳しくは例えば特許第2538473号公報参照)や、エアシリンダ9によって進退する受台11(チャンバー本体5側)と図示しないヒータ(チャンバー蓋6側)からなるシール装置が設置されている。チャンバー本体5には、減圧機構として真空ポンプ及び切替弁と接続された真空配管(真空配管の一部が
図1に12で示されている)が連結され、チャンバー本体5とチャンバー蓋6との密着部(チャンバー蓋6の開口周縁部)に、図示しないパッキンがその全周にわたって設置されている。
【0017】
真空チャンバー4は、テーブル3の間欠回転に伴い水平な円形の移動経路上を間欠移動し(
図1においてテーブル3上に記載した符号S1〜S10は停止位置を示す)、テーブル3が一回転する間に、固形物が充填され袋口が未シールの袋Bの受け入れ(グリッパー8による袋Bの把持)、チャンバー蓋6の閉鎖、真空チャンバー4内での減圧処理及び袋口のシール等の各種包装処理工程が順次行われる。袋口のシール後、真空チャンバー4内が大気圧に戻され、チャンバー蓋6が開き、グリッパー8が開いて袋Bがコンベア13上に落下し、機外に搬出される。
図1及び2において、符号「14」は真空包装機2の架台を示し、符号「15」は袋の供給装置1及び真空包装機2等の作動を制御する制御装置を示す。
【0018】
図2に示すように、真空包装機2と供給装置1の間に袋の受け渡し装置16が配置されている。受け渡し装置16は、供給装置1から袋Bを受け取り、この袋Bを水平移動させて真空包装機2のグリッパー8に引き渡すもので、図示しない駆動源により水平面内で所定距離を直線的に往復動するスライド部材17と、スライド部材17に設置されたチャック18を含む。チャック18はスライド部材17に固定された固定側チャック18aと、スライド部材17に回転自在に支持された軸19に固定された可動側チャック18bからなる(
図5参照)。受け渡し装置16はさらに、スライド部材17に設置されたエアシリンダ20を含み、エアシリンダ20のピストンロッド20aの先端が、軸19に固定されたレバー21に連結している。エアシリンダ20が作動(ピストンロッド20aが伸縮)するとチャック18が開閉し、スライド部材17が往復動すると、チャック18が水平な直線的移動経路(チャック18に把持された袋Bの移動経路でもある)に沿って、待機位置(
図11に実線で示す)と前進位置(
図11に2点鎖線で示す)の間で往復動する。
【0019】
供給装置1は、搬送部(搬送手段;ベルトコンベア22)、袋移動部(袋移動手段)23、検出部(検出手段;センサー24)、袋案内部(袋案内手段)25、及び前記制御装置15からなる。
ベルトコンベア22は架台26上に設置され、搬送面が水平で、
図3に示す駆動源(第1サーボモータ27)により被搬送物(袋B)を直線的な搬送経路に沿って間欠搬送する。ベルトコンベア22のベルト28の表面には、仕切り板29(
図3、4参照)が等間隔(基本的に1回の間欠搬送距離に等しい)で固定されている。
図1において、ベルトコンベア22は停止状態であり、袋Bがほぼ等間隔で載せられている。袋Bは、作業者31が空袋に固形物32(
図4参照)を充填してベルトコンベア22上に載せたもので、仕切り板29が袋Bを載せる位置の目安とされている。ベルトコンベア22上に載せられた袋Bは袋口がシールされておらず、袋口が真空包装機2の側に向けられ、幅方向(袋口端縁Beに沿った方向又は袋の側縁部Baに対し垂直な方向)がベルトコンベア22の搬送方向に対しほぼ平行とされ、
図3に示すように、先端部(袋口近傍)がベルト28の外にはみ出している。この例では、袋Bのベルトコンベア22上における最後の停止位置が、袋取り出し位置(袋Bの両側縁部Ba、Baが袋移動部23の後述する一対の挟持部材37、37により挟持される位置)として設定されている。袋Bの前記取り出し位置を
図1に符号Paで示す。
ベルトコンベア22のフレーム33に、ベルト28(上面側)を水平に保つ受台34と、ベルト28からはみ出した袋Bの先端部(袋口付近)を支持する支持板35が設置されている。
【0020】
供給装置1において、1つの鉛直面が基準面N(
図1参照)として設定され、ベルトコンベア22の搬送経路は基準面Nに対し垂直とされている。
センサー24は、特に
図3及び4に示すように、この例では前記搬送経路上における袋Bの最後の停止位置(袋取り出し位置Pa)とその前の停止位置の間に設置され、搬送される袋Bの袋口付近の袋幅(搬送経路に平行な方向に計測される袋幅)とその中心の位置情報を検出する役割を有する。より具体的には、センサー24は、袋Bの前方側の側縁部Baが検出位置(センサー24の直下位置)に進入したこと(検知信号ON)、及び後方側の側縁部Baが前記検出位置を通過したこと(検知信号OFF)を検知し、その検知信号と、検知信号のON−OFF時の第1サーボモータ27の回転位置に基づいて、制御装置15により前記袋幅とその中心の位置情報が計算(検出)される。なお、センサー24により検出される袋Bの袋幅のことを、以下、被検出袋幅という。
【0021】
袋Bの被検出袋幅は見かけ上の袋幅(袋Bを平面視したときの袋幅)であり、同じく前記被検出袋幅の中心は見かけ上の袋幅の中心である。固形物32が充填された袋Bは厚み方向に膨らんでおり、見かけ上の袋幅は公称幅(固形物が充填されていない袋の名目上の幅)より小さく、袋ごとにばらつくことが多いため、袋Bの見かけ上の袋幅とその中心の位置情報は袋ごとに検出する必要がある。
制御装置15は、袋Bの被検出袋幅(搬送経路に平行な方向に計測される袋幅)の中心の位置情報に基づき、前記中心から前記基準面Nまでの距離を算出し、算出した前記距離に基づき第1サーボモータ27を制御してベルトコンベア22の間欠搬送距離を調整し、前記取り出し位置Paに停止した袋Bの被検出袋幅の中心を基準面N上に位置させる。
なお、センサー24として、例えば光電センサーやCCD(Charge−Coupled Device)イメージセンサーを用いることができる。
【0022】
袋移動部23は、袋Bを前記搬送経路上の取り出し位置Paから引き渡し位置Pb(袋Bが袋受け渡し装置16のチャック18に把持される位置)に移動させるもので、特に
図5及び6に示すように、基準面Nに対し垂直な軸Oを中心に略90°の範囲を揺動する一対の揺動アーム36、36と、各揺動アーム36の先端部に設置された挟持部材37と、一対の揺動アーム36、36(一対の挟持部材37、37)の間隔を広げ又は狭める第2サーボモータ38を備える。一対の挟持部材37、37の並び方向は、前記搬送経路に対し平行である。
【0023】
袋移動部23の具体的構造を説明すると、架台26上に門型のスタンド39が設置され、スタンド39の脚部39aに設置されたブラケット41に往復駆動モータ42が固定され、この往復駆動モータ42の回転軸43(その中心が軸O)にフレーム44が固定され、フレーム44にねじ軸45の両端が回転自在に支持されている。ねじ軸45は左右に互いに逆向きにねじ切りされたねじ部45a、45bを有し、ねじ軸45の中央部にプーリ46が固定されている。また、フレーム44には前記第2サーボモータ38が設置され、第2サーボモータ38の回転軸に固定された駆動プーリ47と前記プーリ46の間にベルト48が張架されている。
各揺動アーム36は、基部にねじ軸45のねじ部45a(45b)に螺合する雌ねじ部36a(36b)と、往復駆動モータ42の回転軸43が貫通する穴36cが形成され、各揺動アーム36の先端部に前記挟持部材37が設置されている。各挟持部材37は、両開き式の挟持部37aと挟持部37aを開閉させるエアシリンダ37bからなる。閉じた状態の挟持部37aを
図6及び7に実線で示し、開いた状態の挟持部37aを
図7に2点鎖線で示す。
【0024】
第2サーボモータ38が作動すると、一対の揺動アーム36、36が基準面Nを挟んで対称的に接近し又は離隔し、それに伴い、一対の挟持部材37、37が基準面Nを挟んで対称的に(前記搬送経路に対し平行に)接近し又は離隔する(一対の挟持部材37、37の間隔が狭まり又は広がる)。
回転軸43は往復駆動モータ42により90°の角度範囲で往復回転する。それに伴い、一対の揺動アーム36、36が、前記軸Oを中心として鉛直姿勢(
図5参照)と水平姿勢(
図2参照)の間で90°の角度範囲で揺動し、各揺動アーム36の先端部に設置された挟持部材37も前記軸Oを中心として、前記取り出し位置Paと引き渡し位置Pbの間で90°の角度範囲で揺動する。挟持部材37の挟持面は、前記取り出し位置Paにおいて水平となり、前記引き渡し位置において鉛直となる。一対の挟持部材37、37が前記取り出し位置Paから引き渡し位置Pbへ移動するとき、一対の挟持部材37、37の中心の軌跡(一対の挟持部材37、37の移動経路)は、常に基準面N上に位置する。
なお、取り出し位置Paは、前記搬送経路上の袋Bの位置であり、同時に、前記移動経路上の一対の挟持部材37、37の位置(袋Bを挟持する位置)でもある。また、引き渡し位置Pbは、前記移動経路上の袋Bの位置であり、同時に、前記移動経路上の一対の挟持部材37、37の位置でもある。
【0025】
制御装置15は、袋Bの被検出袋幅(前記搬送経路に平行な方向に計測される袋幅)に基づき、前記第2サーボモータ38を制御して、前記取り出し位置Paにおける前記一対の挟持部材37、37の間隔を袋Bの被検出袋幅に対応して調整し(袋Bの被検出袋幅が大きいほど、一対の挟持部材37、37の間隔を大きくする)、袋Bの両側縁部Ba、Baの適正位置を対称的に挟持できるようにする。
また、制御装置15は、一対の挟持部材37、37(袋B)が前記移動経路に沿って前記取り出し位置Paから引き渡し位置Pbへ移動中、又は前記引き渡し位置Pbに到達した後、前記第2サーボモータ38を制御して、袋Bの前記公称幅に応じて一対の挟持部材37、37の間隔を広げ、袋Bの袋口を緊張させる。
図7は、前記引き渡し位置Pbにおいて一対の挟持部材37、37の間隔が広がり、袋Bの袋口が緊張して閉じた状態を示す。
【0026】
袋案内部25は、一対の挟持部材37、37の前記移動経路(この移動経路は袋Bの移動経路ということもできる)の下に前記移動経路に沿って配置された、袋Bが接触する接触部材を備える。この接触部材は、
図2、3及び5に示すように、基準面Nに対し垂直な回転軸を中心として回転自在に設置された複数個のローラ49からなる。架台26上に支持台51が設置され、支持台51上にフレーム52が設置され、このフレーム52に複数個のローラ49が前記動経路に沿って一列に設置されている。
袋Bが一対の挟持部材37、37に両側縁部を挟持されて、ベルトコンベア22の前記搬送経路上の取り出し位置Paから前記引き渡し位置Pbに向け、前記移動経路に沿って移動する間、袋Bがローラ49に接触し(
図9参照)、これにより移動中の袋Bの揺れを防止して、受け渡し装置16へ確実かつ安定的に袋Bを引き渡すことができる。
【0027】
続いて、上記供給装置1、受け渡し装置16及び真空包装機2の作動形態(特に供給装置1の作動形態)の一例を、さらに
図8〜11を参照して、経時的に説明する。
(1)
図1及び3に示すように、作業者31が袋Bに固形物32を充填し、袋Bの幅方向(袋口端縁Beに沿った方向)をベルトコンベア22の搬送方向にほぼ平行に向け、ベルトコンベア22の上にほぼ等間隔で載せる。このとき、袋Bの一方の側縁部Baを仕切り板29に接触させると、袋Bの幅方向を正確に前記搬送方向に向け、かつ等間隔でベルトコンベア22上に複数の袋Bを載せやすい。
図3に示すように、袋Bの上部(袋口付近)はベルト28の端からはみ出し、支持板35上に載っている。
(2)センサー24により、センサー24の下(ベルトコンベア22の搬送経路上の最後の停止位置(取り出し位置Pa)とその前の停止位置の間)を搬送される袋Bの袋口付近の幅(被検出袋幅)とその中心の位置情報を検出する。
ほぼ同じタイミングで、袋移動部23の一対の揺動アーム36、36が下方に揺動を開始し、一対の挟持部材37、37がベルトコンベア22の搬送経路上の取り出し位置に向けて移動する。このとき、一対の挟持部材37、37の挟持部37a、37aは開いている。
【0028】
(3)制御装置15が、袋Bの被検出袋幅の中心の位置情報に基づき、第1サーボモータ27を制御してベルトコンベア22の間欠搬送距離を調整し、ベルトコンベア22が次に停止したとき、前記取り出し位置Paに停止した袋Bの被検出袋幅の中心を基準面N上に位置させる(
図3参照)。言い換えれば、袋Bの被検出袋幅の中心が基準面N上に位置したときベルトコンベア22を停止させる。
また、制御装置15は、検出された袋Bの被検出袋幅に基づき、第2サーボモータ38を制御して、前記取り出し位置における一対の挟持部材37、37の間隔を袋Bの被検出袋幅に対応して調整する。一対の挟持部材37、37の間隔の調整は、一対の挟持部材37、37が前記移動経路上を前記取り出し位置Paに向けて移動中に行われ、一対の挟持部材37、37が前記取り出し位置Paに到達した時には完了していることが好ましい。
【0029】
(4)一対の挟持部材37、37が前記取り出し位置Paに到達すると、一対の挟持部材37、37のエアシリンダ37bが作動して挟持部37a、37aが閉じ、前記取り出し位置Paに停止した袋Bの両側縁部Ba、Baを挟持する(
図8参照)。続いて往復駆動モータ42が作動し、鉛直姿勢であった一対の揺動アーム36、36が上方に揺動を開始し、それに伴い、一対の挟持部材37、37及び袋Bが前記移動経路に沿って前記引き渡し位置Pbに向けて移動する(
図9参照)。この移動の過程で、袋Bが袋案内部25の接触部材(ローラ49)に接触し支持される。また、この移動の過程で、一対の挟持部材37、37に挟持された袋Bは水平姿勢から垂直姿勢(袋口が上を向いた状態)に変更される。
(5)一対の揺動アーム36、36が水平姿勢になったとき、一対の挟持部材37、37及び袋Bが前記移動経路の終点(前記引き渡し位置Pb)に到達し、一対の挟持部材37、37に挟持された袋Bは垂直姿勢となる(
図10参照)。
【0030】
(6)一対の挟持部材37、37(袋B)が前記移動経路に沿って前記取り出し位置Paから引き渡し位置Pbへ移動中に、好ましくは、制御装置15が第2サーボモータ38を制御して、袋Bの公称幅に応じて一対の挟持部材37、37の間隔を広げ、袋Bの袋口を緊張させる。この工程は、一対の挟持部材37、37(袋B)が前記引き渡し位置Pbに到達した後、行われてもよい。
なお、上記のように袋Bの公称幅に応じて一対の挟持部材37、37の間隔を広げる代わりに、一対の挟持部材37、37の間隔を広げる際に第2サーボモータ38に掛かるトルクを検出し、前記トルクが所定値に達したとき第2サーボモータ38の作動を停止させるようにしてもよい。
【0031】
(7)一対の挟持部材37、37(袋B)が前記移動経路の終点(前記引き渡し位置Pb)に到達すると、その位置(前記待機位置)で開いていた受け渡し装置16のエアシリンダ20が作動し、チャック18が閉じて袋Bの上端部(袋口)を把持する(
図11参照)。次いで袋Bの両側縁部Ba、Baを挟持していた一対の挟持部材37、37が開いて袋Bを解放し、往復駆動モータ42が逆に作動して一対の揺動アーム36、36が下方に揺動し、一対の挟持部材37、37が前記移動経路に沿って前記取り出し位置Paに向けて移動する。
(8)
図11に2点鎖線で描かれているように、受け渡し装置16のスライド部材17が前進してチャック18及び袋Bが前記待機位置から前進位置に向けて移動(前進)する。
【0032】
(9)チャック18及び袋Bが前記前進位置に到達したとき、停止位置S1(
図1参照)に停止した真空チャンバー4のグリッパー8が閉じて袋Bの上端部(ただし、チャック18が把持している箇所の直下)を把持し、次いでチャック18が開いて袋Bを解放する。袋Bを解放したチャック18は前記待機位置に向けて移動(後退)する。
(10)真空チャンバー4のグリッパー8に把持された袋Bは、真空チャンバー4の間欠移動に伴い真空チャンバー4内で所定の減圧処理及び袋口のシール等の包装処理を受ける。真空チャンバー4が停止位置S8に停止し、グリッパー8が開くと、袋B(製品)はコンベア13上に落下する。
【0033】
[搬送部が連続搬送タイプの例]
次に、
図12及び13A〜13Bを参照して、本発明に係る袋の供給方法及び装置の別の実施形態(連続搬送タイプ)について説明する。
図12及び13A〜13Bにおいて、
図1〜11と実質的に同じ部位には同じ番号を付与している。
図12及び13A〜13Bに示す供給装置1Aは、ベルトコンベア22が袋Bを一定速度で連続搬送する点で、
図1〜11に示す供給装置1と異なる。ベルトコンベア22による連続搬送に対応するため、供給装置1Aでは、一対の揺動アーム36、36がそれぞれ別の第2サーボモータ38、38により独立して基準面Nに対し垂直に移動可能とされている。具体的には、
図12に示すように、逆向きにねじ切りされた2つのねじ軸53、54がフレーム44に支持され、ねじ軸53、54にそれぞれ揺動アーム36の基部が螺合し、各ねじ軸53、54の端部にプーリ55、56が固定されている。各プーリ55、56は、供給装置1のプーリ46と同様に、それぞれベルト及び駆動プーリ(図示せず)を介して、それぞれ別の第2サーボモータ38、38に連結されている。第2サーボモータ38、38が作動すると、プーリ55、56、ねじ軸53、54及び揺動アーム36、36を介して、各挟持部材37が前記搬送経路に平行に移動する。
なお、ベルトコンベア22により袋Bを連続搬送する場合、ベルトコンベア22の加減速に伴う慣性力が袋Bに作用しないため、間欠搬送の場合に比べて、搬送中に袋Bの姿勢(特に袋口の開口状態)の変動が生じにくいという利点がある。
【0034】
続いて、上記供給装置1Aの作動形態の一例を、
図12及び13A〜13Bを参照し、主として供給装置1との相違点に着目して説明する。
(1)一対の揺動アーム36、36が下方の揺動端に達したとき、一対の挟持部材37、37はベルトコンベア22上の袋Bの上流側と下流側に位置する(
図13A参照)。このときの一対の挟持部材37、37の間隔及びベルトコンベア22の搬送方向に沿った各挟持部材37の位置は、例えば袋Bの公称幅に応じて予め設定されていた間隔及び位置とされる。このときの一対の挟持部材37、37の間隔及び各挟持部材37、37の位置が、前記設定された間隔及び位置となるように、2つの第2サーボモータ38、38の作動が制御装置15により制御されている。
【0035】
(2)ベルトコンベア22上の袋Bの被検出袋幅の中心が基準面Nの所定距離上流側に設定された位置(追従開始位置)Sに達すると、2つの第2サーボモータ38、38が作動し、一対の挟持部材37、37が袋Bの上流側と下流側で、連続搬送される袋Bに追従して移動するとともに、互いの間隔を次第に狭める。袋Bの被検出袋幅の中心が前記追従開始位置Sに達するタイミングは、センサー24により検出された袋Bの被検出袋幅の中心の位置情報及びベルトコンベア22の速度に基づき、制御装置15により計算される。そして、袋Bがベルトコンベア22の前記搬送経路上の取り出し位置Paに到達し、袋Bの被検出袋幅の中心が基準面Nの位置に達したとき(
図13B参照)、一対の挟持部材37、37の移動が停止する。このとき同時にエアシリンダ37b、37bが作動して挟持部37a、37aが閉じ、袋Bの両側縁部Ba、Baを挟持する。
【0036】
袋Bの被検出袋幅の中心が基準面Nの位置に達したとき(一対の挟持部材37、37が停止したとき)、一対の挟持部材37、37の中心が基準面N上に位置し、かつ一対の挟持部材37、37の間隔が袋Bの被検出袋幅に応じた適正な値に調整されている必要がある。このため、制御装置15は、袋Bの被検出袋幅とその中心の位置情報及びベルトコンベア22の速度に基づき、一対の挟持部材37、37が袋Bに追従して移動を開始してから袋Bの被検出袋幅の中心が基準面Nの位置に達する(各挟持部材37が停止する)までの挟持部材37、37の移動速度、及び袋Bの被検出袋幅の中心が基準面Nの位置に達したとき(各挟持部材37が停止したとき)の一対の挟持部材37、37の位置を計算する。制御装置15は、その計算結果に基づいて2つの第2サーボモータ38、38を制御し、上記のとおり、袋Bの被検出袋幅の中心が基準面Nの位置に達した(一対の挟持部材37、37が停止した)とき、一対の挟持部材37、37の中心を基準面N上に位置させるとともに、一対の挟持部材37、37の間隔を袋Bの被検出袋幅に応じた適正な値とする。
【0037】
(3)一対の挟持部材37、37が前記取り出し位置Paに到達すると、往復駆動モータ42が作動し、鉛直姿勢であった一対の揺動アーム36、36が上方に揺動を開始し、それに伴い、一対の挟持部材37、37及び袋Bが前記移動経路に沿って前記引き渡し位置Pbに向けて移動する。
(4)供給装置1Aのそれ以降の作動形態は、供給装置1と同じである。
【0038】
続いて、上記供給装置1Aの作動形態の他の例を、
図14A〜14Cを参照して説明する。
この例では、ベルトコンベア22上の袋Bの被検出袋幅の中心が基準面Nの位置に達したとき、一対の挟持部材37、37の移動を停止させない点で、作動形態が上記の例と異なる。この作動形態を一部簡略化して説明すると、以下のとおり。
(1)一対の揺動アーム36、36が下方の揺動端に達したとき、一対の挟持部材37、37はベルトコンベア22上の袋Bの上流側と下流側に位置する(
図14A参照)。
(2)ベルトコンベア22上の袋Bの被検出袋幅の中心が追従開始位置Sに達すると、第2サーボモータ38、38が作動し、一対の挟持部材37、37が袋Bの上流側と下流側で、連続搬送される袋Bに追従して移動するとともに、互いの間隔を次第に狭める。続いて袋Bの被検出袋幅の中心が基準面Nの位置に達したとき(
図14B参照)、エアシリンダ37b、37bが作動して挟持部37a、37aが閉じ、袋Bの両側縁部Ba、Baを挟持する。
【0039】
(3)挟持部材37、37が袋Bの両側縁部Ba、Baを挟持すると、往復駆動モータ42が作動し、鉛直姿勢であった一対の揺動アーム36、36が所定の移動経路に沿って上方に揺動を開始し、それに伴い、一対の挟持部材37、37が前記引き渡し位置Pbに向けて移動し、袋Bがベルトコンベア22上から引き出される。一方、第2サーボモータ38、38は作動を続け、一対の挟持部材37、37は一定の間隔を保ったまま、ベルトコンベア22上の袋Bに追従し、袋Bと同速で下流側に移動する。
(4)ベルトコンベア22上の袋Bの被検出袋幅の中心が基準面Nの所定距離下流側に設定された位置(追従終了位置)Tに達したとき、同時に一対の挟持部材37、37の中心が前記位置Tに達し(
図14C参照)、第2サーボモータ38、38が停止する。この時点で、袋Bがベルトコンベア22上から完全に引き出されていることが好ましい。
この作動形態であれば、袋Bと一対の挟持部材37、37の前記搬送経路に沿った移動が同速で行われるため、袋Bがベルトコンベア22上から引き出されるとき、袋Bがベルトコンベア22との間の摩擦力によりベルトコンベア22の搬送方向に引きずられずに済む。このため、袋Bに擦り傷が付いたり、袋Bが一対の挟持部材37、37から外れるおそれがない。
【0040】
[搬送部が連続搬送タイプの例]
次に、
図15(及び
図14A〜14C)を参照して、本発明に係る袋の供給方法及び装置のさらに別の実施形態(連続搬送タイプ)について説明する。
図15において、
図1〜11と実質的に同じ部位には同じ番号を付与している。
図15に示す供給装置1Bは、先に述べた供給装置1Aと同じく、ベルトコンベア22が袋Bを一定速度で連続搬送する点で
図1〜11に示す供給装置1と異なる。ベルトコンベア22による連続搬送に対応するため、供給装置1Bでは、袋移動部23及び袋案内部25が追従移動機構57上に設置され、ベルトコンベア22の搬送経路に沿って往復移動可能とされている。
【0041】
図15に示すように、追従移動機構57は、架台26上に固定されたボックス58、ボックス58の上面に沿って移動可能に設置された移動体59、移動体59の下部に固定されボックス58内に配置された螺合部材61、及びボックス58内に固定された第3サーボモータ62からなる。移動体59上に、袋移動部23のスタンド39の脚部39a及び袋案内部25の支持台51が固定されている。
第3サーボモータ62はボックス58内に配置された回転軸63を有し、回転軸63にはねじ部が形成され、前記ねじ部が螺合部材61に形成された雌ねじに螺合している。第3サーボモータ62が作動して回転軸63が回転すると、袋移動部23及び袋案内部25が前記搬送経路に沿って(前記搬送経路に平行な方向に)移動する。なお、供給装置1Bにおいて、袋移動部23及び袋案内部25は、実質的に供給装置1のものと同じである。
【0042】
上記供給装置1Bは、供給装置1Aと同様の作動形態(
図13A〜
図13B及び14A〜14C参照)をとることができる。以下、上記供給装置1Bの作動形態の一例を、
図15(及び
図14A〜14C)を参照して説明する。
(1)一対の揺動アーム36、36が下方の揺動端に達したとき、袋移動部23はベルトコンベア22の搬送方向に沿った所定位置(往動開始位置)に位置し、挟持部材37、37はベルトコンベア22上の袋Bの上流側と下流側に位置する(
図14A参照)。このときの一対の挟持部材37、37の間隔及び各挟持部材37の位置(袋移動部23の位置)は、例えば袋Bの公称幅に応じて予め設定されていた間隔及び位置とされる。制御装置15は、このときの一対の挟持部材37、37の間隔及び位置が、前記設定された間隔及び位置となるように、第2サーボモータ38及び第3サーボモータ62の作動を制御する。
【0043】
(2)ベルトコンベア22上の袋Bの被検出袋幅の中心が追従開始位置Sに達すると、第2サーボモータ38及び第3サーボモータ62が作動し、一対の挟持部材37、37が袋Bの上流側と下流側で、連続搬送される袋Bに追従して前記搬送経路に平行に移動するとともに、互いの間隔を次第に狭める。続いて袋Bの被検出袋幅の中心が基準面Nの位置に達したとき(
図14B参照)、エアシリンダ37b、37bが作動して挟持部37a、37aが閉じ、袋Bの両側縁部Ba、Baを挟持し、同時に第2サーボモータ38が停止する。このとき、一対の挟持部材37、37の中心も基準面N上に位置し、かつ一対の挟持部材37、37の間隔が袋Bの被検出袋幅に応じた適正な値に調整されている必要がある。
(3)挟持部材37、37が袋Bの両側縁部Ba、Baを挟持すると、往復駆動モータ42が作動し、鉛直姿勢であった一対の揺動アーム36、36が所定の移動経路に沿って上方に揺動を開始し、それに伴い、一対の挟持部材37、37が前記引き渡し位置Pbに向けて移動し、袋Bがベルトコンベア22上から引き出される。一方、第3サーボモータ62は作動を続け、一対の挟持部材37、37は袋Bの両側縁部Ba、Baを挟持したまま、ベルトコンベア22上の袋Bに追従し、袋Bと同速で下流側に移動する。
【0044】
(4)ベルトコンベア22上の袋Bの被検出袋幅の中心が基準面Nの所定距離下流側に設定された位置(追従終了位置)Tに達したとき、同時に一対の挟持部材37、37の中心が前記位置Tに達し(
図14C参照)、第3サーボモータ62が停止して袋移動部23(一対の挟持部材37、37)の移動が停止する。この時点で、袋Bがベルトコンベア22上から完全に引き出されていることが好ましい。
【0045】
[袋移動部が一対の挟持部材の並び方向調整機能を有する例]
搬送部(ベルトコンベア22)上に置かれた袋Bは、その幅方向(袋口端縁Beに沿った方向)がベルトコンベア22の搬送経路に対し平行であることが望ましいが、場合によっては、
図16に示すように、前記幅方向が前記搬送経路に対し傾斜(傾斜角度θ)することがある。このように傾斜角度θを有する袋Bの左右の側縁部Ba、Baを、並び方向が前記搬送経路に対し平行な一対の挟持部材37、37(
図1〜15に示す供給装置1、1A、1Bにおける袋移動部23の挟持部材37、37)で挟持すると、左右で挟持位置に上下方向のずれが生じる(袋口端縁Beから挟持位置までの距離が左右で異なる)。そのため、一対の挟持部材37、37及び袋Bが前記移動経路に沿って引き渡し位置Pb(
図10参照)に到達し、袋Bが垂直姿勢に変更されたとき、袋Bの袋口端縁Beは水平面に対し傾斜(傾斜角度θ)した状態となる。この袋Bが、受け渡し装置16を介して、真空包装機2のグリッパー8に把持されたときも、袋Bの袋口端縁Beは水平面に対して傾斜した状態のままであり、その状態で真空チャンバー4内において袋口のシールが行われるので、袋口のシールは斜めシールとなり、傾斜角度θが大きい場合は袋の美観が損なわれ、シール強度の低下も生じ得る。
【0046】
以下、
図16〜19Cを参照して、本発明に係る袋の供給方法及び装置のさらに別の実施形態(間欠搬送タイプで、袋移動部が一対の挟持部材の並び方向調整機能を有する例)について説明する。
図16及び17に示す供給装置1Cは、ベルトコンベア22上に載せられた袋Bの幅方向(袋口端縁Beに沿った方向)がベルトコンベア22の搬送経路に対し傾斜している場合であっても、前記取り出し位置Paに到達した袋Bの両側縁部Ba、Baを一対の挟持部材37、37により適正に挟持でき、かつ引き渡し位置Pbに移動して垂直姿勢に変更された袋Bの袋口端縁Beを略水平にすることができる。
図16〜19Cにおいて、
図1〜11と実質的に同じ部位には同じ番号を付与している。
【0047】
供給装置1Cは、
図1〜11に示す供給装置1とは、主として次の4点で異なり、その他の点で実質的に同じである。
(1)袋移動部23において一対の挟持部材37、37が、基準面N上に位置する軸Cを中心に揺動可能に支持されている。
(2)袋移動部23に、一対の挟持部材37、37を前記軸Cを中心として揺動させる駆動源として第4サーボモータ65が設置されている。
(3)センサー24がベルトコンベア22上の袋Bの傾斜角度(袋口端縁Beの前記搬送経路に対する傾斜角度θ)を測定する。
(4)制御装置15が、センサー24により検出された傾斜角度θに基づき、後述する第4サーボモータ65を制御し、一対の挟持部材37、37を前記軸Cを中心として揺動させて一対の挟持部材37、37の並び方向を調整し、それにより両側縁部Ba、Baの挟持位置を適正とする。
【0048】
供給装置1Cにおける袋移動部23(
図17参照)の具体的構造を説明すると、架台26(
図5参照)上に門型のスタンド39が設置され、スタンド39に設置された一対のブラケット41、41の一方に往復駆動モータ42が固定され、往復駆動モータ42の回転軸43(中心が前記軸O)の先端に保持部材66の一側が固定されている。前記一対のブラケット41、41の他方に前記回転軸43と同軸の支持軸67の一端が回転自在に支持され、支持軸67の他端に前記保持部材66の他側が固定されている。前記第4サーボモータ65は前記保持部材66に固定され、その回転軸68(中心が軸C)は保持部材66の中心を貫通し、その先端がフレーム44に固定されている。前記軸Cは、基準面N上に位置し、軸Oと直交し、挟持部材37(挟持部37a)の挟持面に対し垂直で、かつ一対の挟持部材37、37の中心を通る。
【0049】
フレーム44にねじ軸45の両端が回転自在に支持されるとともに、支持軸69の両端が固定されている。ねじ軸45は左右に互いに逆向きにねじ切りされたねじ部45a、45bを有し、中央部にプーリ46が固定されている。
図1〜11に示す供給装置1と同様に、フレーム44には第2サーボモータ38(
図5参照)が設置され、第2サーボモータ38が回転すると、その駆動力が前記プーリ46に伝達されてねじ軸45が回転する。
各揺動アーム36には、基部にねじ軸45のねじ部45a(45b)に螺合する雌ねじ部36a(36b)と、支持軸69が貫通する穴36cが形成され、各揺動アーム36の先端部に前記挟持部材37が設置されている。支持軸69は、ねじ軸45が回転することに伴う揺動アーム36の共回りを防止する機能を有する。各挟持部材37は、両開き式の挟持部37aと挟持部37aを開閉させるエアシリンダ37bからなる。
【0050】
第2サーボモータ38(
図5参照)が作動すると、ねじ軸45が回転し、一対の揺動アーム36、36が基準面Nを挟んで接近し又は離隔し、それに伴い、一対の挟持部材37、37が基準面Nを挟んで接近し又は離隔する(一対の挟持部材37、37の間隔が狭まり又は広がる)。
回転軸43は往復駆動モータ42により90°の角度範囲で往復回転する。それに伴い、
図1〜11に示す供給装置1と同様に、一対の揺動アーム36、36が、前記軸Oを中心として鉛直姿勢と水平姿勢の間で90°の角度範囲で揺動し、各揺動アーム36の先端部に設置された挟持部材37も軸Oを中心として、前記取り出し位置Paと引き渡し位置Pbの間で90°の角度範囲で揺動する。
第4サーボモータ65が作動すると、回転軸68及びフレーム44が回転し、それに伴い、一対の挟持部材37、37が軸Cを中心として所定角度揺動し、これにより、前記一対の挟持部材の並び方向が調整される。
【0051】
センサー24は、ベルトコンベア22上を搬送される袋Bの袋口付近における前記搬送方向に平行な方向の袋幅(被検出袋幅)とその中心の位置情報を検出する機能のほか、袋Bの傾斜角度(袋口端縁Beの前記搬送経路に対する傾斜角度θ)を検出する機能を有する。
制御装置15(
図1参照)は、
図1〜11に示す供給装置1と同様に、袋Bの被検出袋幅の中心の位置情報に基づき、第1サーボモータ27を制御してベルトコンベア22の間欠搬送距離を調整し、前記取り出し位置Paに停止した袋Bの被検出袋幅の中心を基準面N上に位置させる。また、制御装置15は、センサー24により検出された袋Bの被検出袋幅及び前記傾斜角度θに基づき、袋Bの幅方向(袋口端縁Beに平行な方向)の袋幅を算出し(前記被検出袋幅をDとしたとき、幅方向の袋幅は近似的にD×cosθで算出できる)、算出された前記袋幅に対応して第2サーボモータ38を制御し、前記一対の挟持部材37、37の間隔を調整する。
その上でさらに、制御装置15は、傾斜角度θに基づき、第4サーボモータ65を制御して、一対の挟持部材37、37を軸Cを中心として基準位置から角度η(=θ)だけ揺動させ、一対の挟持部材37、37の並び方向を調整する。これにより、揺動アーム36、36が垂直姿勢となり一対の挟持部材37、37が前記取り出し位置Paにきたとき、
図16に示すように、一対の挟持部材37、37の並び方向(一対の挟持部材37、37の挟持部37a、37a同士を結ぶラインL参照)は水平面内で前記搬送経路に対し傾斜し、その傾斜角度はηとなる。なお、前記基準位置とは、一対の挟持部材37、37の並び方向が前記搬送経路に対し平行(η=0)であるときの、前記一対の挟持部材37、37の位置を意味する。
【0052】
η=θのとき、前記取り出し位置Paにおいて、前記ラインL(一対の挟持部材37、37の並び方向)と袋Bの袋口端縁Beは互いに平行となる。従って、前記取り出し位置Paにおいて一対の挟持部材37、37が袋Bの両側縁部Ba、Baを挟持したとき、
図16から明らかなとおり、その挟持箇所を左右で揃える(袋口端縁Beから挟持位置までの距離が左右で一致)ことができる。
続いて、一対の挟持部材37、37が前記移動経路を前記引き渡し位置Pb(
図10参照)に移動する間、又は前記引き渡し位置Pbに達した後、第4サーボモータ65は逆に作動し、一対の挟持部材37、37を軸Cを中心として逆方向に角度η(=θ)だけ揺動させ、前記基準位置に復帰させる。これにより、前記引き渡し位置Pbにおいて、一対の挟持部材37、37に両側縁部Ba、Baを挟持された袋Bの袋口端縁
Beを水平とすることができる。
【0053】
第4サーボモータ65の作動に伴う前記移動経路上での前記軸Cを中心とする一対の挟持部材37、37の往復揺動の一例について、
図18A〜19Cを参照して、時系列的により詳細に説明する。なお、
図18A〜19Cは簡略図であり、一部の図示が省略されている。
(1)
図18Aは、挟持部材37、37が前記移動経路の終点(引き渡し位置Pb)で開き、袋Bを解放した時点の挟持部材37、37の状態を示す。この時点で、挟持部材37、37は前記基準位置に位置する。続いて、一対の挟持部材37、37の間隔が、センサー24により検出された袋Bの被検出袋幅(前記搬送経路に平行な方向に計測される袋幅)に対応して調整される。
【0054】
(2)
図18Bは、センサー24により検出された袋の傾斜角度(θ)に応じて、第4サーボモータ65が作動し、フレーム44及び揺動アーム36、36と共に一対の挟持部材37、37が、軸Cを中心として前記基準位置から所定角度(η=θ)揺動した状態を示す。
(3)
図18Cは、往復駆動モータ42が作動して、一対の揺動アーム36、36が水平姿勢から垂直姿勢へと揺動し、一対の挟持部材37、37が下方の取り出し位置Paに到達したときの一対の挟持部材37、37の状態を示す。一対の挟持部材37、37は、前記搬送経路に対し角度η(η=θ)だけ傾斜している。この時点で、袋Bは取り出し位置Paに停止している。なお、この例では、一対の挟持部材37、37の角度ηの揺動が、前記引き渡し位置Pbで行われているが、この揺動は一対の挟持部材37、37が前記取り出し位置Paに到達するまでの移動経路上、又は前記取り出し位置Paに到達してから行われてもよい。
【0055】
(4)
図19Aは、前記取り出し位置Paにおいて一対の挟持部材37、37が閉じ、袋B(図示省略)の両側縁部Ba、Baを挟持した時点の一対の挟持部材37、37の状態を示す。一対の挟持部材37、37の並び方向は、水平面内で前記搬送経路に対し角度η(=θ)だけ傾斜している(
図16参照)。一対の挟持部材37、37が閉じて袋Bの両側縁部Ba、Baを挟持するまでに、一対の挟持部材37、37の間隔が、袋Bの幅方向(袋口端縁Beに平行な方向)の袋幅に対応して調整される。
(5)
図19Bは、往復駆動モータ42が作動し、一対の揺動アーム36、36が垂直姿勢から水平姿勢へと揺動し、一対の挟持部材37、37が上方の引き渡し位置Pb(
図10参照)に到達したときの一対の挟持部材37、37の状態を示す。この時点で、一対の挟持部材37、37は所定角度(η=θ)揺動した状態を保っている。
(6)
図19Cは、第4サーボモータ65が逆に作動し、フレーム44及び揺動アーム36、36と共に一対の挟持部材37、37が軸Cを中心として所定角度(η)逆方向に揺動し、前記基準位置に戻った状態を示す。この時点で、一対の挟持部材37、37に両側縁を挟持された袋B(図示省略)の袋口端縁
Beが水平となる。なお、この例では、一対の挟持部材37、37の逆方向の揺動が、前記引き渡し位置Pbで行われているが、この揺動は一対の挟持部材37、37が前記引き渡し位置Pbに到達するまでの移動経路上、又は前記引き渡し位置Pbに到達後に行われてもよい。
【0056】
[袋移動部が一対の挟持部材の並び方向調整機能を有する他の例]
搬送部(ベルトコンベア22)上に載せた袋Bは、ベルトコンベア22の搬送経路に対し垂直方向において一定位置(以下、縦方向基準位置という)に位置することが好ましい。袋Bを載せた位置が、前記縦方向基準位置から前記搬送経路に対し垂直方向にずれていると、前記取り出し位置において一対の挟持部材37、37が袋Bの両側縁部Ba、Baを挟持したとき、その挟持位置が適正位置から袋Bの長手方向(袋口端縁Beに対し垂直方向)にずれる。この挟持位置のずれは、一対の挟持部材37、37から、受け渡し装置16を介して真空包装機2のグリッパー8へも受け継がれる。そして、そのまま真空チャンバー4内において袋口のシールが行われるため、袋口のシール位置が適正位置からずれ、そのずれ量が大きい場合は、袋の美観が損なわれ、シール強度の低下も生じ得る。
【0057】
以下、
図20〜26を参照して、本発明に係る袋の供給方法及び装置のさらに別の実施形態(間欠搬送タイプ、袋移動部が一対の挟持部材の並び方向調整機能を有する例)について説明する。
図20に示す供給装置1Dは、供給装置1Cと同様に、袋移動部23が一対の挟持部材37、37の並び方向を調整する機能を有する。また、供給装置1Dは、ベルトコンベア22上に載せた袋Bの位置が前記縦方向基準位置から搬送経路に対し垂直方向にずれている場合でも、ベルトコンベア22上でそのずれを修正して、前記取り出し位置Paに到達した袋Bの両側縁部Ba、Baの適正位置を一対の挟持部材37、37により挟持できる。
【0058】
供給装置1Dにおいて、袋移動部23は供給装置1Cのものと同じである。そして、供給装置1Dは、供給装置1Cとは、主として次の3点で異なり、その他の点で実質的に同じである。
(1)ベルトコンベア22が、搬送経路の上流側から下流側に直列に配置された3つのサブコンベア22a、22b、22cからなる。サブコンベア22a、22b、22cは、いずれも間欠搬送タイプであり、それぞれ駆動源としてサーボモータ27a、27b、27cを備える。サブコンベア22bは、サーボモータ71(
図26参照)が作動することにより、水平面内で搬送経路に対し垂直な方向に移動可能である。
【0059】
(2)ベルトコンベア22(22a、22b、22c)の搬送経路の上流側から下流側に沿って、3つのセンサー24a、24b、24cが配置されている。センサー24aは、サブコンベア22a上の袋Bの袋口付近の袋幅(搬送経路に平行な方向に計測される袋幅(=被検出袋幅))及びその中心の位置情報を検出する。センサー24bは、サブコンベア22b上の袋Bの袋口端縁Beの位置情報(前記縦方向基準位置からのずれ量)を検出する。センサー24cは、サブコンベア22b上の袋Bの傾斜角度(袋口端縁Beの前記搬送経路に対する傾斜角度θ)を検出する。
(3)制御装置15がセンサー24bの検出結果に基づき、サーボモータ71を制御し、サブコンベア22bを前記搬送経路に垂直な方向に移動させ、前記ずれ量を修正する(袋Bの位置を前記縦方向基準位置に移す)。
【0060】
サブコンベア22bの具体的構造を、
図26を参照して説明する。供給装置1Dの架台26(
図2参照)上に一対のスタンド72、72が2組立設し、各組のスタンド72、72にガイド部材73の両端が固定されている。ガイド部材73は、水平面内にあり、長手方向がサブコンベア22bの搬送経路に対し垂直とされている。サブコンベア22bのフレーム74に4個のスライドブロック75が固定され、2個ずつのスライドブロック75が各ガイド部材73に摺動自在に嵌っている。また、架台26上のスタンド76に前記サーボモータ71が設置され、その回転軸にレバー77の一端が固定され、レバー77の他端が連結ロッド78の一端に連結されている。一方のフレーム74にブロック79が固定され、ブロック79に連結ロッド78の他端が連結されている。
サーボモータ71が作動すると、レバー77が回転し、連結ロッド78を介してフレーム74(サブコンベア22b)がガイド部材73の軸方向(前記搬送経路に垂直な方向)に移動する。
【0061】
以下、
図20〜25を参照して、供給装置1Dの作動の一例について、時系列的により詳細に説明する。
(1)
図20において、ベルトコンベア22(22a、22b、22c)が作動し、袋Bはサブコンベア22aにより搬送されている。袋Bはベルトコンベア22の搬送経路に対し傾斜し、かつ前記搬送経路に対し垂直方向の位置が前記縦方向基準位置からずれている。
(2)
図21に示すように、サブコンベア22a上の袋Bは、センサー24aにより、前記搬送経路に平行な方向の袋幅(=被検出袋幅D)及びその中心Pの位置情報が検出される。続いて、袋Bはサブコンベア22bに乗り移る。
(3)サブコンベア22b上に、袋Bの最後の停止位置(袋取り出し位置Pa)の1つ前の停止位置が設定され、かつその停止位置において基準面Nに対し平行な1つの鉛直面が基準面Mとして設定されている。制御装置15が、袋Bの被検出袋幅Dの中心Pの位置情報に基づき、サーボモータ27bを制御してサブコンベア22bの間欠搬送距離を調整し、サブコンベア22bが次に停止したとき、サブコンベア22b上の前記停止位置に停止した袋Bの前記中心Pを基準面M上に位置させる(
図22参照)。言い換えれば、袋Bの被検出袋幅Dの中心Pが基準面M上に位置したときサブコンベア22bを停止させる。
【0062】
(4)センサー24bは、基準面M上の特定位置Qにおいて袋Bの袋面(袋口端縁Beを含む)を検出し、その検出結果に基づき、制御装置15がサーボモータ71の作動を制御する。具体的には、袋Bがサブコンベア22b上の停止位置に停止したとき、センサー24bが前記特定位置Qにおいて袋口端縁Beを検出した場合、制御装置15は袋Bが前記縦方向基準位置に位置すると判定し、サーボモータ71を作動させない。その他の場合は、制御装置15は袋Bが前記縦方向基準位置からずれていると判定し、サーボモータ71を作動させてサブコンベア22bを前記搬送方向に対し垂直に移動させ、センサー24bが前記特定位置において袋口端縁Beを検出した時点(袋Bが前記縦方向基準位置に達した時点)で、サーボモータ71を停止させる。
図22の例では、センサー24bは前記特定位置Qにおいて袋面を全く検出しない。この場合、制御装置15は袋Bが前記縦方向基準位置より袋底側にずれていると判定し、サブコンベア22bを袋口側に移動させ(
図23参照)、センサー24bが前記特定位置Qにおいて袋口端縁Beを検出した時点(袋Bが前記縦方向基準位置に達した時点)で、サーボモータ71(サブコンベア22b)を停止させる。
なお、
図23の拡大図に示すように、基準面Mと袋口端縁Beが交わる箇所(特定位置Q)は、袋Bの幅方向の中心(袋口端縁Beの中心)Rとは、前記搬送経路に対し平行方向だけでなく、垂直方向にも少しずれている。従って、袋Bが傾斜している場合、袋Bは厳密に前記縦方向基準位置に位置するとはいえないが、近似的には前記縦方向基準位置に位置するということができる。
【0063】
(5)ベルトコンベア22(サブコンベア22a、22b、22c)が作動し、袋Bがサブコンベア22b上を移動する間に、センサー24cにより、袋Bの傾斜角度(袋口端縁Beの前記搬送経路に対する傾斜角度)θが検出される。具体的には、センサー24cにより袋Bの袋口端縁Beの両端の位置を検出し、その結果に基づき、制御装置15が傾斜角度θを算出する。続いて、袋Bはサブコンベア22bからサブコンベア22cに移り、次の停止位置(取り出し位置Pa)に搬送され、袋Bはそこで停止する(
図24参照)。このとき、袋Bの前記被検出袋幅Dの中心Pが基準面N上に位置するように、制御装置15によりサブコンベア22b、22cの作動が制御される。なお、取り出し位置Paに停止した袋Bの前記被検出袋幅Dの中心Pは、前記軸Cから少しずれている。前記軸Cと前記中心Pのずれは、サブコンベア22aに置かれた袋Bの位置と前記縦方向基準位置とのずれが大きいほど大きくなる。
袋Bが取り出し位置Paに停止後、一対の挟持部材37、37が取り出し位置Paに到達する。この時点で、一対の挟持部材37、37は基準位置にあり、並び方向が前記搬送経路に対し平行である。
【0064】
(6)センサー24により検出された袋Bの傾斜角度(θ)に応じて、第4サーボモータ65(
図17参照)が作動し、一対の挟持部材37、37が、軸Cを中心として前記基準位置から角度η(=θ)だけ揺動し、その並び方向が袋Bの袋口端縁Beと平行になり、続いて一対の挟持部材37、37が閉じ、袋Bの両側縁部Ba、Baを挟持する(
図25参照)。なお、袋Bの前記被検出袋幅Dの中心Pと一対の挟持部材37、37の軸Cが少しずれていることにより、袋Bの幅方向(袋口端縁Beの方向)の中心が、厳密に一対の挟持部材37、37の中心(軸C)に一致するとはいえないが、近似的には一致すると見て差し支えない。
以後の一対の挟持部材37、37の動きは、供給装置1Cにおける一対の挟持部材37、37と同じである。
【0065】
[袋移動部が一対の挟持部材の並び方向調整機能を有するさらに他の例]
次に、
図27を参照して、間欠搬送タイプで、袋移動部が一対の挟持部材の並び方向調整機能を有する他の例を説明する。
図27に示す供給装置1Eは、供給装置1Dとは、主として次の2点で異なり、その他の点で実質的に同じである。
(1)センサー24がサブコンベア22aの上方に設置された1つのカメラ(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー等)からなる。センサー24(カメラ)は、サブコンベア22a上の停止位置において袋B上の特定位置S(袋Bの袋口端縁Beを垂直に2等分する直線T上において、袋口端縁から所定距離dだけ離れた地点)の位置情報と、袋Bの傾斜角度(袋口端縁Beの前記搬送経路に対する傾斜角度)θを検出する。前記距離dは、真空チャンバー4内で行われる袋口のシールが適正位置で行われるように、袋の種類(サイズ等)ごとに設定される。
(2)制御装置15が、ベルトコンベア22(22a、22b、22c)のサーボモータ27a、27b、27c、71を制御し、袋Bがサブコンベア22c上の停止位置(取り出し位置Pa)に停止したとき、サブコンベア22c上の袋Bの特定位置Sを前記軸Cに一致させる。
【0066】
以下、
図27を参照して、供給装置1Eの作動の一例について、時系列的に簡単に説明する。
(1)
図27において、袋Bはサブコンベア22a上の停止位置で停止し、そのときカメラ(センサー24)により袋B上の特定位置Sの位置情報及び傾斜角度θが検出される。また、特定位置Sの位置情報に基づき、特定位置Sと前記軸Cの間のずれ量t(前記搬送経路に垂直方向のずれ量)が算出される。
(2)ベルトコンベア22(サブコンベア22a、22b、22c)が作動して袋Bはサブコンベア22bに移り、次にサブコンベア22b上に設定された停止位置に停止する。
(3)前記ずれ量tに基づき、制御装置15がサーボモータ71を制御し、前記ずれ量tがゼロになるように、サブコンベア22bを前記搬送経路に対し垂直方向に移動させる。当初からt=0の場合は、袋Bが前記縦方向基準位置にあると判定し、前記サーボモータ71を作動させない。
【0067】
(4)続いてベルトコンベア22(サブコンベア22a、22b、22c)が作動し、袋Bがサブコンベア22cに移り、次の停止位置(取り出し位置Pa)に搬送され、袋Bはそこで停止する。このとき、袋Bの前記特定位置Sが基準面N上に位置するように、制御装置15がサブコンベア22b、22cのサーボモータ27b、27cを制御して、サブコンベア22b、22cの間欠搬送距離を調整する。特定位置Sと軸Cの間のずれ量tは、サブコンベア22b上においてゼロになっている(袋Bが前記縦方向基準位置に位置する)から、結局、取り出し位置Paにおいて特定位置Sが軸C上に位置する。
袋Bが取り出し位置Paに停止後、一対の挟持部材37、37が取り出し位置Paに到達する。このとき一対の挟持部材37、37は前記基準位置にあり、並び方向が前記搬送経路に対し平行である。
以後の一対の挟持部材37、37の動きは、供給装置1Dにおける一対の挟持部材37、37と同じである。
【0068】
[袋の傾斜角度の求め方]
次に、袋Bの傾斜角度θの求め方の一例について説明する。なお傾斜角度θの求め方は以下の例に限定されず、任意の方法によって傾斜角度θを求めることができる。
【0069】
図28〜
図30は、袋Bの傾斜角度θの求め方の一例を説明する図である。
【0070】
袋Bはベルトコンベア22によって搬送方向D1に搬送される。本例では、少なくとも、袋Bの傾きを検出する処理の開始から完了までの間は、袋Bは停止することなく一定速度で搬送方向D1に搬送される。この傾き検出処理は、袋Bが取り出し位置Paに到達する前に行われるが、その傾き検出処理の具体的な実施位置は特に限定されない。
図28〜
図30に示す例では、袋Bがサブコンベア22b(
図20等参照)によって搬送されている間に、その傾き検出処理が行われる。
【0071】
図28に示すように、袋Bの搬送中に袋検出センサー101によって袋Bの下流側端部(すなわち進行方向側の端部)が検出されるのと同時的に、第1口部位置検出センサー102によって袋Bの口部(すなわち袋口)B1の端位置までの第1距離V1が検出される。第1口部位置検出センサー102は、袋Bの搬送方向D1に関して袋検出センサー101よりも上流側に配置され、搬送方向D1と直角を成す水平方向(以下「縦水平方向D2」とも呼ぶ)に関して予め定められた第1基準位置Pr1から、縦水平方向D2に延びかつ第1基準位置Pr1を通る第1基準軸線Ar1上における、袋Bの口部B1の端位置(以下「第1口部端位置PB1」とも呼ぶ)までの第1距離V1を取得する。
【0072】
そして袋Bが搬送方向D1に更に搬送される。そして
図29に示すように、袋Bの搬送中に袋検出センサー101によって袋Bの上流側端部が検出されるのと同時的に、第2口部位置検出センサー103によって袋Bの口部B1の端位置までの第2距離V2が検出される。第2口部位置検出センサー103は、袋Bの搬送方向D1に関して袋検出センサー101よりも下流側に配置され、縦水平方向D2に関して予め定められた第2基準位置Pr2から、縦水平方向D2に延びかつ第2基準位置Pr2を通る第2基準軸線Ar2上における、袋Bの口部B1の端位置(以下「第2口部端位置PB2」とも呼ぶ)までの第2距離V2を取得する。なお第1基準位置Pr1及び第2基準位置Pr2は、搬送方向D1に関して互いに異なる位置であるが、縦水平方向D2に関しては互いに同じ位置である。
【0073】
そして、搬送方向D1に関する第1基準位置Pr1と第2基準位置Pr2との間の第3距離V3(
図30参照)が取得される。第3距離V3は、基本的には固定値であり、第1口部位置検出センサー102と第2口部位置検出センサー103との間の搬送方向D1への距離に対応し、予め設定された値である。また、袋検出センサー101によって袋Bの下流側端部が検出されてから上流側端部が検出されるまでの間における、袋Bの搬送速度と時間とが取得され、これらの搬送速度及び時間に基づいて袋Bの移動距離である第4距離V4が取得される。
【0074】
そして「第1距離V1−第2距離V2」に基づいて、第1口部端位置PB1と第2口部端位置PB2との間の縦水平方向D2に関する距離が取得される。また「V4−V3」に基づいて、第1口部端位置PB1と第2口部端位置PB2との間の搬送方向D1に関する距離が取得される。
図30からも明らかなように、袋Bの傾斜角度θは「tanθ=(V1−V2)/(V4−V3)」を満たすため、「θ=arctan{(V1−V2)/(V4−V3)}」(逆三角関数)から袋の傾斜角度θを取得することができる。
【0075】
なお袋検出センサー101、第1口部位置検出センサー102及び第2口部位置検出センサー103は、任意のセンサーによって実現可能である。例えば袋検出センサー101は、発光素子及び受光素子を組み合わせたフォトセンサーによって実現可能である。発光素子と受光素子との間に袋Bが進入し、発光素子からの光が袋Bによって遮られて受光素子で検知されなくなったタイミング(すなわち検知オンから検知オフに切り替わるタイミング)に基づいて、袋Bの下流側端部が検出されてもよい。また、発光素子と受光素子との間から袋Bが存在しなくなり、発光素子からの光が袋Bによって遮られず受光素子で検知されるタイミング(すなわち検知オフから検知オンに切り替わるタイミング)に基づいて、袋Bの上流側端部が検出されてもよい。同様に、第1口部位置検出センサー102及び第2口部位置検出センサー103もフォトセンサーによって実現可能であり、例えば株式会社キーエンス製のCCD透過型デジタルレーザセンサー(IGシリーズ)が、第1口部位置検出センサー102及び第2口部位置検出センサー103として好適に用いられうる。
【0076】
上述の傾斜角度θの検出は任意のデバイスによって実行可能であり、例えば制御デバイス(例えば制御装置15)によって実行可能である。そのような制御デバイスは、袋検出センサー101、第1口部位置検出センサー102及び第2口部位置検出センサー103の検出結果を取得するとともに、搬送方向D1に関する第1基準位置Pr1と第2基準位置Pr2との間の第3距離V3(固定値)と、袋Bの搬送速度及び搬送時間と、を取得してもよい。この場合、制御デバイスは、上述の関係に基づいて袋Bの傾斜角度θを取得することができる。
【0077】
[第2のモード]
次に、本発明の第2のモードに係る装置及び方法について説明する。
【0078】
本モードの一実施形態に係る袋搬送方法は、袋Bを取り出しエリア(「取り出し位置Pa」参照)に配置する工程と、袋Bの保持予定箇所(袋Bの両側縁部Ba参照)を保持部材(「挟持部材37」参照)によって保持する工程と、袋Bを取り出しエリアから引き渡しエリア(「引き渡し位置Pb」参照)に移送する工程と、を含む。袋Bは間欠的に搬送されてもよいし、連続的に搬送されてもよいし、不規則的に搬送されてもよい。取り出しエリアは、袋Bの搬送経路(特にベルトコンベア22が袋Bを搬送する経路)における特定のエリアであり、袋Bが間欠的に搬送される場合には特定の位置に定められる。袋Bが連続的に搬送される場合、取り出しエリア内を袋Bが移動している間に、挟持部材37によって袋Bの保持予定箇所が保持され、引き渡しエリアに向けて袋Bが移送される。
【0079】
取り出しエリアには、内容物(固形物32)が収容され口部B1がシールされていない袋Bが、実質的に水平姿勢(横に寝かされた姿勢)で配置される。水平姿勢の袋Bは、袋Bに収容される内容物に応じて厚み(すなわち高さ方向サイズ)が可変である。典型的には、水平姿勢の袋Bが支持面に置かれる場合、袋Bのうち口部B1と底部との間に延在する側面部が支持面と接触し、口部B1及び底部は水平方向に離れた位置に配置される。
【0080】
本実施形態では、袋Bの保持予定箇所の高さ方向位置と保持部材の高さ方向位置とが相互に対応させられる。高さ方向は、鉛直方向(重力方向)と平行な方向と一致し、水平方向と直角を成す。そして袋Bの保持予定箇所の高さ方向位置と保持部材の高さ方向位置とが相互に対応した状態で、取り出しエリアに配置された袋Bの保持予定箇所が保持部材によって保持される。そして、袋Bの保持予定箇所を保持部材によって保持しつつ当該保持部材を移動させることで、袋Bが取り出しエリアから引き渡しエリアに移送される。すなわち、取り出しエリアに配置されている袋Bの保持予定箇所を保持部材によって保持した後、保持部材を移動させることで、袋Bを取り出しエリアから引き渡しエリアに移送することができる。
【0081】
このような袋搬送方法を実施する供給装置1(袋搬送装置)は、例えば、内容物が収容され口部B1がシールされていない袋Bを実質的に水平姿勢で取り出しエリアに配置する第1搬送ユニット(例えば上述のベルトコンベア22)と、取り出しエリアに配置されている袋Bの保持予定箇所を保持する保持部材(例えば上述の挟持部材37)と、保持部材が袋Bの保持予定箇所を保持する前に、保持予定箇所と保持部材との間の高さ方向に関する相対位置を調整する昇降機構と、取り出しエリアに配置されている袋Bの保持予定箇所を保持部材によって保持した後、保持部材を移動させて袋Bを取り出しエリアから引き渡しエリアに移送する移送機構(例えば上述の袋移動部23)と、を備える。
【0082】
昇降機構は、袋Bの保持予定箇所の高さ方向位置と保持部材の高さ方向位置とが相互に対応した状態で袋Bが取り出しエリアに配置されるように、袋Bの保持予定箇所と保持部材との間の高さ方向に関する相対位置を調整する。袋Bの保持予定箇所と保持部材との間の高さ方向に関する相対位置を調整する具体的な方法は限定されず、袋Bの保持予定箇所の高さ方向位置が調節されてもよいし、保持部材の高さ方向位置が調節されてもよい。以下では、袋Bを高さ方向に移動させることによって、袋Bの保持予定箇所の高さ方向位置と保持部材の高さ方向位置とを相互に対応させる方法の一例を説明する。
【0083】
以下に説明する袋搬送方法及び袋搬送装置は、上述の
図20〜26に示す実施形態に係る供給装置1D(特にベルトコンベア22等)に基づく方法及び装置であり、上述の供給装置1Dと同様の構成及び作用については詳細な説明を省略する。なお、以下に説明する袋搬送方法及び袋搬送装置では、上述の
図20〜26に示す供給装置1Dで行われる「袋Bの傾斜(傾斜角度θ)を是正する処理」は行われてもよいし、行われなくてもよい。したがって以下に説明する袋搬送装置は、上述の
図20〜26に示す供給装置1Dが具備する全ての要素を、備えている必要はない。
【0084】
図31は、第2のモードの一実施形態に係る袋搬送装置201におけるベルトコンベア22のサブコンベア22c(
図20参照)の平面図である。
図32は、サブコンベア22cの正面図である(
図31に示す矢印「XXXII」参照)。なお
図32では、昇降機構220(昇降駆動部221、第1取り付け部222及びベルトコンベア22)及びサーボモータ27cの図示は省略されている。
図33は、
図31に示す断面線XXXIII−XXXIIIに沿った袋搬送装置201の断面の側方図である。
【0085】
本実施形態においても、内容物である固形物32が投入され、かつ、口部B1がまだシールされていない状態の袋B(包装袋)が、ベルトコンベア22によって、取り出し位置Paに向けて搬送される。その搬送時、各袋Bの両側縁部Baは搬送方向D1に離間して配置され、口部B1及び底部は縦水平方向D2に離間して配置される。そのような袋Bの搬送において、取り出し位置Paに配置された袋Bの側縁部Baにおいて十分な大きさの把持領域を確保し、その側縁部Baが折れ曲がらないように一対の挟持部材37が袋Bの両側縁部Baを的確に把持し、取り出し位置Paから引き渡し位置Pbまで袋Bを移送する。
【0086】
本実施形態のベルトコンベア22は、
図20等に示すベルトコンベア22と同様に、サブコンベア22a、サブコンベア22b及びサブコンベア22cを含み、サブコンベア22c上に設定される取り出し位置Paに向けて、袋Bを間欠的に搬送方向D1へ搬送する。サブコンベア22cは、無端状の第1搬送ベルト205と、第1搬送ベルト205が掛け渡される第1回転体207及び第2回転体209とを有する。第1搬送ベルト205は、例えばウレタン等の弾性部材によって構成可能であり、弾性を有しており及び/又は遊びを有する。第1回転体207は第1支持軸206と一体的に回転するように設けられ、第2回転体209はベアリング介して第2支持軸208により回転自在に支持されている。第1支持軸206は、ベアリングを介してフレーム210(特に側面部210b)に対して軸回転可能に支持されており、第1支持軸206の一端がサーボモータ27cの出力軸に固定されている。なお
図31において、フレーム210の側面部210bの輪郭の一部が点線で表されている。
【0087】
第1支持軸206及びサーボモータ27cの出力軸は、縦水平方向D2に延びる共通の中心軸を有し、サーボモータ27cの出力軸が回転することによって第1支持軸206及び第1回転体207がその中心軸を中心に回転する。第2支持軸208はフレーム210(特に側面部210b)に固定されており、第2回転体209は第2支持軸208を中心に軸回転自在に設けられている。このような構成を有するサブコンベア22cでは、サーボモータ27cの出力軸が間欠的に軸回転することにより、第1支持軸206及び第1回転体207を介して回転動力が第1搬送ベルト205に伝えられ、第1搬送ベルト205は搬送方向D1へ間欠的に走行する。
【0088】
フレーム210は、水平方向(すなわち搬送方向D1及び縦水平方向D2)に延在する上面部210aと、上面部210aから鉛直方向(下向き)に延在する側面部210bと、側面部210bから更に鉛直方向(下向き)に延在する脚部210cとを有する。第1搬送ベルト205のうち袋Bが配置される部分(載置面)は、上面部210aの上方に位置する。図示の上面部210aには2つのプレート孔211が形成されている。それぞれのプレート孔211は、後述の2つの昇降部226に対応する位置に設けられている。これらの昇降部226は、昇降する際に対応のプレート孔211を通過し、フレーム210(上面部210a)とは衝突しない。第1搬送ベルト205のうち取り出し位置Paに配置された袋Bと接触する部分は、2つのプレート孔211及び2つの昇降部226を覆うように配置される。各脚部210cは側面部210b及び架台202に固定され、サブコンベア22c及び昇降機構220等がフレーム210を介して架台202により支持されている。
【0089】
そして図示の袋搬送装置201では、サブコンベア22cとともに昇降機構220が設けられており、この昇降機構220によって、第1搬送ベルト205上の袋Bの保持予定箇所の高さ方向位置が調節される。
【0090】
昇降機構220は、
図33に示すように、第1取り付け部222及び第2取り付け部223を介してフレーム210(側面部210b)に固定的に取り付けられた昇降駆動部221と、昇降駆動部221によって昇降させられる昇降レバー224と、を備える。図示の昇降駆動部221はエアシリンダによって構成されている。昇降駆動部221の本体部(以下「駆動本体部221b」とも称する)は、第1取り付け部222に対して回転自在に連結されている。昇降駆動部221の軸部(以下「駆動軸部221a」とも称する)は、昇降レバー224の一端部に対して回転自在に連結されている。第1取り付け部222は、第2取り付け部223に対して固定的に取り付けられ、第2取り付け部223はフレーム210(側面部210b)に対して固定的に取り付けられている。フレーム210(側面部210b)には、更に昇降支持体225及びサーボモータ27cが固定的に取り付けられている。第2取り付け部223には更に第3取り付け部228が固定的に取り付けられており、第3取り付け部228にはストッパー227が固定されている。
【0091】
ストッパー227は、高さ方向に関して駆動軸部221aと対向する位置に設けられており、駆動軸部221aと接触することによって駆動本体部221bからの駆動軸部221aの突出量を制限する。すなわちストッパー227は、駆動本体部221bからの駆動軸部221aの最大突出量を定める。なおストッパー227の高さ方向位置は可変である。図示の例では、ストッパー227がボルトによって構成され、ねじ係合を介してストッパー227が第3取り付け部228に取り付けられている。第3取り付け部228に対するストッパー227のねじ回転量に応じて、ストッパー227(特に頭部)の高さ方向位置を変えることが可能である。ストッパー227の高さ方向位置は、作業者によって適宜変えられる。作業者は、袋Bのサイズ、袋Bに収容される内容物(固形物32)の特徴(例えば数量、体積及び/又は形状)及び第1搬送ベルト205の高さ方向位置等に応じて、ストッパー227の高さ方向位置を調整することが可能である。なお、ストッパー227の高さ方向位置を調整する方法は限定されず、例えば第2取り付け部223に対する第3取り付け部228の取り付け位置を変えることによってストッパー227の高さ方向位置を調整してもよい。
【0092】
昇降レバー224は、
図31に示すように、縦水平方向D2に延在する第1レバー部224aと、搬送方向D1に延在する第2レバー部224bとを有する。第2レバー部224bは、第1レバー部224aの一方の端部に位置しており、第1レバー部224aと一体的に設けられている。また第2レバー部224bの両端部の各々には昇降部226が固定されている。図示の第1レバー部224aは、第2レバー部224bの中心部に接続しており、搬送方向D1に関し、一方の昇降部226が
第2レバー部224bの一方側に配置され、他方の昇降部226が
第2レバー部224bの他方側に配置される。なお第1レバー部224aは、第2取り付け部223及びフレーム210(側面部210b)を貫通して延在する。
【0093】
このように昇降部226は、昇降レバー224のうちの一方側部分(すなわち第2レバー部224b)に設けられる。一方、
図33に示すように、昇降レバー224のうちの他方側部分(すなわち第1レバー部224a)には、第1連結軸229aを介して駆動軸部221aが回転自在に連結されている。また昇降レバー224のうちの中間部分(すなわち第1レバー部224aのうちの昇降部226と駆動軸部221aとの間に位置する部分)は、第2連結軸229bを介して昇降支持体225により回転自在に支持されている。したがって昇降レバー224は梃子構造を有し、駆動軸部221aが連結される部分が力点として働き、昇降支持体225により支持される部分が支点として働き、昇降部226が設けられる部分が作用点として働く。このように昇降レバー224は、駆動軸部221aの突出量に応じて第2連結軸229bを中心に揺動する。例えば駆動本体部221bからの駆動軸部221aの突出量が比較的小さい場合、駆動軸部221aはストッパー227から離間し、昇降部226は比較的下方の位置に配置される。一方、駆動本体部221bからの駆動軸部221aの突出量が比較的大きい場合、駆動軸部221aはストッパー227に近づき、昇降部226は比較的上方の位置に配置される。
【0094】
より具体的には、駆動本体部221bからの駆動軸部221aの突出量が最も小さい場合(
図33参照)、昇降部226は上面部210aよりも下方に配置され、昇降部226は第1搬送ベルト205から離れた位置に配置される。この場合、第1搬送ベルト205は、昇降部226によって押圧されることなく、一様に水平方向へ延在する。一方、駆動本体部221bからの駆動軸部221aの突出量が最も大きい場合(すなわち駆動軸部221aがストッパー227に接触する場合)、各昇降部226は対応のプレート孔211を貫通し、各昇降部226の先端部は第1搬送ベルト205の下面に接触し、各昇降部226は第1搬送ベルト205を局所的に上方へ押し上げて保持する。第1搬送ベルト205は、弾性を有しており及び/又は遊びを有するので、高さ方向に関する力が局所的に加えられた場合には、その力が加えられた箇所及びその周辺近傍箇所のみを高さ方向に変動させることが可能である。
【0095】
なお本実施形態において、上述のサーボモータ27c及び昇降駆動部221は制御デバイス(例えば制御装置15)によって制御される。
【0096】
上述のように、ベルトコンベア22(第1搬送ユニット)のサブコンベア22cは、取り出し位置Pa(取り出しエリア)に配置された袋Bが水平姿勢で載せられる第1搬送ベルト205を有する。第1搬送ベルト205は、取り出し位置Pa(取り出しエリア)に配置された袋Bが載せられる載置面を有する。そして昇降機構220は、ベルトコンベア22(第1搬送ベルト205)の載置面の高さ方向位置を調整する。すなわち本実施形態の昇降機構220は、第1搬送ベルト205に対して直接的且つ局所的に力を作用させて第1搬送ベルト205を高さ方向に動かす昇降駆動部221、昇降レバー224及び昇降部226(ベルト駆動部)を有する。
【0097】
図34は、袋Bの保持予定箇所B2の高さ方向位置が調整される前における、サブコンベア22cの断面の側方図である。
図35は、袋Bの保持予定箇所B2の高さ方向位置が調整された後における、サブコンベア22cの断面の側方図である。
図36は、袋Bの保持予定箇所B2の高さ方向位置が調整される前における、サブコンベア22cの正面図である。
図37は、袋Bの保持予定箇所B2の高さ方向位置が調整された後における、サブコンベア22cの正面図である。なお
図36及び
図37では、サブコンベア22bの一部の図示が省略されている。
【0098】
本実施形態のサブコンベア22bは、
図20等に示す上述の実施形態と同様に構成される。すなわち、サブコンベア22b(第2搬送ユニット)は、サブコンベア22c(第1搬送ユニット)よりも上流側に設けられ、袋Bが載せられる第2搬送ベルト253を有し、当該袋Bを水平姿勢で搬送方向D1に搬送する。第2搬送ベルト253は、無端状に形成され、第3支持軸251と一体的に回転する第3回転体252に掛け渡されている。第3支持軸251はサーボモータ27b(
図20等参照)によって軸回転される。サブコンベア22bによって搬送される袋Bは、第2搬送ベルト253の出口側端部242から第1搬送ベルト205の入口側端部241に受け渡される。第3支持軸251、第3回転体252、第2支持軸208及び第2回転体209は、高さ方向に関して固定的に設けられており、高さ方向に昇降しない。第2搬送ベルト253の出口側端部242と第1搬送ベルト205の入口側端部241とは、高さ方向に関して相互に対応する位置(例えば同じ高さ方向位置)に配置されており、袋Bは第2搬送ベルト253上から第1搬送ベルト205上にスムーズに受け渡される。
【0099】
駆動本体部221bからの駆動軸部221aの突出量が最小突出量の場合、
図34及び
図36に示すように昇降部226は第1搬送ベルト205に接触することなく、上面部210aの下方に配置される。したがってサブコンベア22cの第1搬送ベルト205は、上面部210aとほぼ平行に概ね水平方向に延在し、袋Bは水平姿勢で第1搬送ベルト205上に載せられる。この場合、固形物32(内容物)が収容された袋Bの保持予定箇所B2(本実施形態では口部B1に近い位置における両側縁部Ba)の高さ方向位置は調整されておらず、
図34に示すように、保持予定箇所B2の高さ方向位置は、挟持部材37(特に挟持面240)の高さ方向位置と一致しない。
【0100】
一方、駆動本体部221bからの駆動軸部221aの突出量が最大突出量の場合、
図35及び
図37に示すように昇降部226は第1搬送ベルト205を下方から押圧し、第1搬送ベルト205及び袋Bを上方に押し上げる。これにより袋Bの保持予定箇所B2の高さ方向位置を、挟持部材37の挟持面240の高さ方向位置に対応させることができる。したがって挟持部材37は、高さ方向位置が調整された保持予定箇所B2を安定的に保持することができる。この場合、保持予定箇所B2の高さ方向位置は挟持面240の高さ方向位置と一致していることが好ましいが、必ずしも完全に一致している必要はなく、挟持部材37が保持予定箇所B2を精度良く把持可能な程度に、保持予定箇所B2の高さ方向位置が挟持面240の高さ方向位置に近ければよい。特に、保持予定箇所B2の高さ方向位置を調整する際に袋Bの全体が傾斜させられる場合、袋Bの保持予定箇所B2(側縁部Ba)が高さ方向に傾きつつ延在するため、保持予定箇所B2の全体の高さ方向位置を挟持面240の高さ方向位置と完全に一致させることは難しい。そのような場合であっても、保持予定箇所B2の高さ方向位置を挟持面240の高さ方向位置に概ね一致させることで、挟持部材37は袋Bを安定的に把持することが可能である。
【0101】
本実施形態では、昇降部226が第1搬送ベルト205を押し上げる際に、第1搬送ベルト205は局所的に押し上げられる。これにより、第1搬送ベルト205の入口側端部241の高さ方向位置及び第2搬送ベルト253の出口側端部242の高さ方向位置は、実質的に全く変わらない又は殆ど変わらない(
図37の符号「A1」参照)。これにより、第2搬送ベルト253の出口側端部242と第1搬送ベルト205の入口側端部241との間に段差が生じることを防ぐことができる。したがって、昇降部226によって第1搬送ベルト205が押し上げられても、第2搬送ベルト253の出口側端部242と第1搬送ベルト205の入口側端部241とは、高さ方向に関して相互に対応する位置に配置される。そのため、昇降部226によって第1搬送ベルト205が押し上げられている状態でも、第2搬送ベルト253から入口側端部241に新たな袋Bを適切に受け渡すことが可能である。
【0102】
なお、袋Bの保持予定箇所B2と挟持部材37との間の高さ方向に関する相対位置を調整する際に、第1搬送ベルト205の入口側端部241及び第2搬送ベルト253の出口側端部242は、高さ方向に関して相互に対応しない位置に配置されてもよい。ただしこの場合、少なくとも袋Bが第2搬送ベルト253の出口側端部242から第1搬送ベルト205の入口側端部241に受け渡される間は、第2搬送ベルト253の出口側端部242と第1搬送ベルト205の入口側端部241とは、高さ方向に関して相互に対応する位置に配置されることが好ましい。
【0103】
また袋Bの保持予定箇所B2と挟持部材37との間の高さ方向に関する相対位置を調整するタイミングは限定されない。典型的には、袋Bが取り出し位置Pa(取り出しエリア)に配置されている状態で、そのような高さ方向に関する相対位置の調整を行うことが可能であるが、袋Bが取り出し位置Pa(取り出しエリア)に配置される前に、そのような高さ方向に関する相対位置の調整が行われてもよい。例えば、ベルトコンベア22(本実施形態ではサブコンベア22c)によって袋Bが搬送されている間に、当該袋Bの保持予定箇所B2の高さ方向位置が調整されてもよい。この高さ方向に関する相対位置の調整を行うタイミングは、昇降機構220(昇降駆動部221)を制御する制御デバイス(例えば制御装置15)によって調整される。
【0104】
以上説明したように本実施形態によれば、袋Bの保持予定箇所B2を挟持部材37によって把持する際に、挟持部材37と保持予定箇所B2との間の高さ方向に関する位置ずれ量を低減することができる。これにより、取り出し位置Paに配置された袋Bにおいて、挟持部材37により適切に把持可能な大きさを有する保持予定箇所B2を確保できる。したがって挟持部材37は確実かつ安定的に保持予定箇所B2を把持することができ、保持予定箇所B2が折られたり袋Bに皺が発生したりすることを防ぐことができる。
【0105】
また、袋Bの保持予定箇所B2と挟持部材37との間の高さ方向に関する相対位置を調整する際に、袋Bの高さ方向位置を変えることによって、挟持部材37の高さ方向位置を変える必要がなく、挟持部材37を高さ方向に昇降させるための特別な機構も不要である。挟持部材37を高さ方向に昇降させる機構は、装置構成を複雑化及び大型化させる傾向がある。また挟持部材37は、上述のように、袋Bを取り出し位置Paから引き渡し位置Pbに移動させるために往復揺動する部材である。そのような挟持部材37を更に昇降機構によって高さ方向に昇降させると、更なる負荷が挟持部材37に加えられる。一方、挟持部材37を昇降させない本実施形態の装置及び方法によれば、装置の大型化及び複雑化を防ぐことができるとともに、挟持部材37に加えられる負荷を軽減できる。
【0106】
また本実施形態によれば、第1搬送ベルト205及び袋B(保持予定箇所B2)を昇降させても、サブコンベア22b(第2搬送ベルト253)とサブコンベア22c(第1搬送ベルト205)との間で袋Bの受け渡しを阻害するような段差が生じない。すなわちベルト駆動部(昇降駆動部221、昇降レバー224及び昇降部226)は、第1搬送ベルト205を局所的に高さ方向に動かし、第2搬送ベルト253の出口側端部242及び第1搬送ベルト205の入口側端部241を高さ方向に関して相互に対応する位置に配置しつつ、保持予定箇所B2の高さ方向位置と挟持部材37の高さ方向位置とを相互に対応させる。したがって、昇降機構220によって第1搬送ベルト205及び袋Bが持ち上げられている間も、サブコンベア22c(第1搬送ベルト205)はサブコンベア22b(第2搬送ベルト253)から新たな袋Bを受け取ることが可能である。そのため、袋Bの保持予定箇所B2と挟持部材37との間の高さ方向に関する相対位置を調整する前、そのような調整が行われている間、及びそのような調整が行われた後であっても、ベルトコンベア22(サブコンベア22a、22b、22c)は、上流側で袋Bを停滞させることなく取り出し位置Paに向けて袋Bを次々と送ることができる。これにより、袋搬送装置201における単位時間当たりの袋Bの搬送数(処理能力)の低減を抑制できる。
【0107】
[変形例]
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されず、各種変形が加えられてもよい。
【0108】
例えば、上述の
図31〜
図37に示す実施形態では、袋Bの保持予定箇所B2と挟持部材37との間の高さ方向に関する相対位置を調整するために、袋B(特に保持予定箇所B2)を高さ方向に移動させているが、挟持部材37を高さ方向に移動させてもよい。
【0109】
図38は、昇降機構220の一変形例を示す供給装置1の側面図である。
図38において、上述の
図5に示す供給装置1と同一又は類似の要素には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図38に示す供給装置1では、挟持部材37の高さ方向位置を変えることによって、袋Bの保持予定箇所B2と挟持部材37との間の高さ方向に関する相対位置が調整される。具体的には、挟持部材37を支持する揺動アーム36が、ボルト支持部271と、ボルト支持部271に形成された貫通孔に対してねじ係合する調整ボルト272とを含む。挟持部材37は、他の部材を介して調整ボルト272の一端側に固定的に接続されており、ボルト支持部271からの調整ボルト272の突出量に応じて、軸Oと挟持部材37との間の距離は可変である。
【0110】
ボルト支持部271及び調整ボルト272を含む揺動アーム36は、上述のように、軸Oを中心に90°の角度範囲で揺動して鉛直姿勢及び水平姿勢をとる。揺動アーム36が
図38に示すように鉛直姿勢をとる場合、ボルト支持部271は水平方向に延在し、調整ボルト272はボルト支持部271の貫通孔を貫通しつつ鉛直方向に延在し、ボルト支持部271からの調整ボルト272の突出量に応じて挟持部材37の高さ方向位置が定まる。この鉛直姿勢において、ボルト支持部271から下方(鉛直方向)に突出する調整ボルト272の長さは、ボルト支持部271の貫通孔に対する調整ボルト272のねじ部分の回転量に応じて調節可能である。したがって、作業者がボルト支持部271に対し調整ボルト272を回転させて軸Oと挟持部材37との間の距離(すなわち鉛直姿勢における挟持部材37の高さ方向位置)を調節することにより、袋Bの保持予定箇所B2と挟持部材37との間の高さ方向に関する相対位置を調整することが可能である。
【0111】
また袋Bの保持予定箇所B2と挟持部材37との間の高さ方向に関する相対位置を調整するために、上述の
図31〜
図37に示す実施形態では袋B及び第1搬送ベルト205を局所的に高さ方向へ移動させているが、袋Bの全体及び第1搬送ベルト205の全体を高さ方向に移動させてもよい。この場合、袋Bの水平姿勢を維持しつつ、袋Bの保持予定箇所B2を所望の高さ方向位置に配置することができ、挟持部材37によってより確実且つより安定的に保持予定箇所B2を把持することが可能である。なお袋Bの全体及び第1搬送ベルト205の全体を移動させる方法は限定されない。例えばフレーム210の脚部210cの高さ方向の長さを調節することによって、サブコンベア22cの全体の高さ方向位置を調整してもよい。その場合、サブコンベア22cだけではなく、ベルトコンベア22(サブコンベア22a、22b、22c)の全体を高さ方向に移動させてもよい。
【0112】
また上述の
図31〜
図37に示す実施形態において、ベルトコンベア22は袋Bを間欠的に搬送しているが、袋Bを間欠停止させることなく連続的に搬送してもよい。その場合、袋Bが搬送されている間に、袋Bの保持予定箇所B2と挟持部材37との間の高さ方向に関する相対位置が調整される。
【0113】
また上述の
図31〜
図37に示す実施形態では、ベルトコンベア22が袋Bの幅方向(すなわち袋Bの側縁部Baが並ぶ方向)に袋Bを搬送しているが、ベルトコンベア22によって搬送される袋Bの向き及び姿勢は限定されない。例えば、ベルトコンベア22は袋Bの長手方向(すなわち袋Bの口部B1及び底部が並ぶ方向)に袋Bを搬送してもよく、袋Bの口部B1が搬送方向D1(取り出し位置Pa側)に向けられてもよいし、袋Bの底部が搬送方向D1(取り出し位置Pa側)に向けられてもよい。この場合、挟持部材37によって把持される袋Bの保持予定箇所B2は、袋Bの側縁部Baであってもよいし、袋Bの他の部分(例えば口部B1及び底部)であってもよい。
【0114】
また袋Bに収容される内容物は固形物32には限定されない。例えば、液状物等が充填された軟質の1つ又は複数の包装体(例えばパウチ)が袋Bに収容されてもよい。
【0115】
また上述の
図31〜
図37に示す実施形態では、袋Bの保持予定箇所B2と挟持部材37との間の高さ方向に関する相対位置の調整を作業者が手動的に行っているが、そのような調整を自動化してもよい。例えば
図39に示すように、袋搬送装置201は、センサー281、制御デバイス282及び相対位置調整機構283を備えてもよい。
【0116】
センサー281は、袋Bの保持予定箇所B2の高さ方向位置と挟持部材37の高さ方向位置との間のずれ量を直接的又は間接的に検出する。例えば、取り出し位置Paに配置される袋Bの保持予定箇所B2の高さ方向位置や挟持部材37の高さ方向位置を検出可能なフォトセンサーや画像センサー(カメラ)を、センサー281として使用することが可能である。なお袋Bの保持予定箇所B2の高さ方向位置を検出する場合、センサー281は、袋Bが取り出し位置Paに配置された状態で検出を行ってもよいし、取り出し位置Paよりも上流側位置(例えばサブコンベア22a、22b)に袋Bが位置する状態で検出を行ってもよいが、取り出し位置Paに近い位置で検出を行うことが好ましい。したがってセンサー281は、例えばサブコンベア22cに対応する位置やサブコンベア22bに対応する位置に設置可能である。
【0117】
制御デバイス282は、例えば制御装置15によって構成可能であり、センサー281からの検出信号に応じて、相対位置調整機構283に駆動信号を送信する。制御デバイス282は、センサー281の検出信号から導出される「袋Bの保持予定箇所B2の高さ方向位置と挟持部材37の高さ方向位置との間のずれ量」に基づいて、袋Bの保持予定箇所B2及び/又は挟持部材37の高さ方向への移動量を取得する。そのようなずれ量は制御デバイス282によって導出されてもよいし、そのようなずれ量を直接的に示す検出信号が制御デバイス282に入力されてもよい。例えば、センサー281として画像センサーが使われる場合、制御デバイス282はセンサー281が取得した画像データの画像処理を行うことで、袋Bの保持予定箇所B2の高さ方向位置と挟持部材37の高さ方向位置との間のずれ量を求めることが可能である。
【0118】
相対位置調整機構283は、制御デバイス282からの駆動信号に基づいて、袋Bの保持予定箇所B2及び/又は挟持部材37を移動させる。例えば
図33に示す昇降機構220のように、ストッパー227(特に頭部)の高さ方向位置を調節して袋Bの保持予定箇所B2の高さ方向位置を調整する場合、相対位置調整機構283は、ストッパー227の高さ方向位置を調整するデバイス(図示省略)によって構成される。そのような相対位置調整機構283は、例えば第3取り付け部228に対するストッパー227のねじ回転量を調節可能なデバイス、或いは第2取り付け部223に対する第3取り付け部228の取り付け位置(特に高さ方向位置)を調節可能なデバイスによって構成可能である。また
図38に示す昇降機構220のように、揺動アーム36の高さ方向の長さを調節することによって挟持部材37の高さ方向位置を調整する場合、相対位置調整機構283は、揺動アーム36の長手方向の長さ(例えばボルト支持部271の貫通孔に対する調整ボルト272のねじ回転量)を調節するデバイス(図示省略)によって構成される。
【0119】
また、本発明によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本発明の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書、要約書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。