(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965229
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】気体微粒子検出装置
(51)【国際特許分類】
G01N 15/06 20060101AFI20211028BHJP
G01N 15/14 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
G01N15/06 D
G01N15/06 C
G01N15/14 F
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-212239(P2018-212239)
(22)【出願日】2018年11月12日
(65)【公開番号】特開2019-109225(P2019-109225A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2020年5月28日
(31)【優先権主張番号】106144158
(32)【優先日】2017年12月15日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】106144159
(32)【優先日】2017年12月15日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】107101332
(32)【優先日】2018年1月12日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】107130415
(32)【優先日】2018年8月30日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508252837
【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】莫皓然
(72)【発明者】
【氏名】陳世昌
(72)【発明者】
【氏名】廖家▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】韓永隆
(72)【発明者】
【氏名】黄啓峰
(72)【発明者】
【氏名】蔡長諺
(72)【発明者】
【氏名】李秋霖
(72)【発明者】
【氏名】陳宣▲カイ▼
(72)【発明者】
【氏名】李偉銘
【審査官】
外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0250606(US,A1)
【文献】
特開2011−027079(JP,A)
【文献】
特表2010−515855(JP,A)
【文献】
特開2017−010030(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0153884(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/06
G01N 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の浮遊微粒子の濃度を検出する気体微粒子検出装置であって、
前記気体微粒子検出装置は、気体伝送アクチュエータ、微粒子センサ、及びレーザモジュールを含み、
前記微粒子センサは、前記気体伝送アクチュエータの気体排出方向に対応して設けられ、前記微粒子センサの表面は、前記気体伝送アクチュエータの気体排出方向に対向しており、
前記レーザモジュールは、前記気体伝送アクチュエータと前記微粒子センサとの間に設けられ、前記レーザモジュールがレーザ光線を前記気体伝送アクチュエータと前記微粒子センサとの間に発し、
前記気体伝送アクチュエータと前記微粒子センサとの間で流通する気体がレーザ光線により照射され、前記微粒子センサが前記気体中の浮遊微粒子のサイズを分析し、前記気体中の浮遊微粒子の濃度を算出し、前記気体伝送アクチュエータは、前記気体を高速に噴出し、前記微粒子センサの表面に対して清掃作業を行い、前記微粒子センサの表面に付着された浮遊微粒子を除去することで、前記微粒子センサの毎回の検出の正確度を維持させることができることを特徴とする気体微粒子検出装置。
【請求項2】
前記気体伝送アクチュエータと前記微粒子センサとの間に設けられる光機構を更に含み、
前記光機構は、気体流路、光線通路、光源設置溝及び収納溝を有し、
前記光線通路は、前記気体流路に連通し、前記レーザモジュールが前記光源設置溝内に設けられることで、前記気体流路を通過する気体を照射するように、前記レーザモジュールが前記光線通路に対してレーザ光線を発し、
前記収納溝は、前記気体伝送アクチュエータを収納し、
前記微粒子センサは、前記気体流路中に設けられ、前記気体流路の前記気体伝送アクチュエータから離れる一端に設けられ、レーザ光線が前記気体流路中の前記気体を照射して浮遊微粒子が生成した散乱光点を検出することで、前記気体中に含まれる浮遊微粒子のサイズ及び浮遊微粒子の濃度を検出して算出することを特徴とする請求項1に記載の気体微粒子検出装置。
【請求項3】
前記気体伝送アクチュエータは、噴気孔板、キャビティフレーム、アクチュエータ、絶縁フレーム、及び導電フレームを含み、
前記噴気孔板は、複数の接続部材、浮遊片及び中空穴を含み、前記浮遊片が湾曲振動可能であり、前記噴気孔板が前記複数の接続部材を介して前記収納溝中に位置決めして固設されることで、前記噴気孔板と前記収納溝の底面との間に気流チャンバーが形成され、且つ前記複数の接続部材、前記浮遊片及び前記収納溝の間に少なくとも一つの隙間が形成され、
前記キャビティフレームは、前記浮遊片上に重ねて設置され、
前記アクチュエータは、前記キャビティフレーム上に重ねて設置され、電圧を印加することにより往復式の湾曲振動を行い、
前記絶縁フレームは、前記アクチュエータ上に重ねて設置され、
前記導電フレームは、前記絶縁フレーム上に重ねて設置され、
前記アクチュエータ、前記キャビティフレーム及び前記浮遊片の間に共振チャンバーが形成され、前記アクチュエータを駆動することにより前記噴気孔板を連動して共振を発生させ、前記噴気孔板の前記浮遊片が往復に振動して移動することで、前記気体が前記少なくとも一つの隙間により前記気流チャンバーに進入されて前記気体流路中に排出され、前記光機構の前記収納溝が複数の固定溝を有し、前記複数の接続部材が固定部及び接続部を有し、前記固定部と前記固定溝の形状上が対応し、前記接続部が前記浮遊片と前記固定部との間に接続され、前記接続部が前記浮遊片が往復に湾曲振動を行うように、前記浮遊片を弾性支持することを特徴とする請求項2に記載の気体微粒子検出装置。
【請求項4】
前記アクチュエータは、圧電積載板、調整共振板、及び圧電片を含み、
前記圧電積載板は、前記キャビティフレーム上に重ねて設置され、
前記調整共振板は、前記圧電積載板上に重ねて設置され、
前記圧電片は、前記調整共振板に重ねて設置され、電圧を印加して前記圧電積載板及び調整共振板を駆動して往復式の湾曲振動を発生させ、
前記調整共振板の厚さが前記圧電積載板の厚さより大きいことを特徴とする請求項3に記載の気体微粒子検出装置。
【請求項5】
前記気体伝送アクチュエータは、気体進入板、共振片、及び圧電アクチュエータを含み、
前記気体進入板は、少なくとも一つの気体進入孔、前記気体進入孔の位置に対応する少なくとも一つの気体ガイド溝及び合流チャンバーを有し、前記気体進入孔が前記気体を導入し、前記気体ガイド溝が気体進入孔により導入される前記気体を前記合流チャンバーに導き、
前記共振片は、前記合流チャンバーの位置に対応する中空孔、及び前記中空孔の周囲を囲む可動部を有し、
前記圧電アクチュエータは、前記共振片の位置と対応して設けられ、前記共振片と前記圧電アクチュエータとの間にチャンバー空間が形成され、前記圧電アクチュエータが駆動されると、前記気体が、前記気体進入板の前記気体進入孔により導入され、前記気体ガイド溝により前記合流チャンバーに集合され、前記共振片の前記中空孔を通過して、前記圧電アクチュエータと前記共振片の前記可動部が共振を発生させて前記気体を伝送し、
前記気体進入板、前記共振片及び前記圧電アクチュエータが順次に重ねて設置されることを特徴とする請求項1に記載の気体微粒子検出装置。
【請求項6】
前記圧電アクチュエータは、浮遊板、外枠、少なくとも一つの架台、及び圧電素子を含み、
前記浮遊板は、正方形であり、且つ湾曲振動可能であり、
前記外枠は、前記浮遊板の外側に周設され、
前記少なくとも一つの架台は、前記浮遊板と前記外枠との間に接続されて弾性支持を提供し、
前記圧電素子は、辺長を有し、前記辺長が前記浮遊板の辺長より小さいか等しく、且つ前記圧電素子が前記浮遊板の表面に貼り付けられ、電圧を印加されて前記浮遊板の湾曲振動を駆動することを特徴とする請求項5に記載の気体微粒子検出装置。
【請求項7】
前記微粒子センサが検出した浮遊微粒子は、PM2.5浮遊微粒子、PM10浮遊微粒子のうちの一つであり、またはPM2.5浮遊微粒子及びPM10浮遊微粒子の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の気体微粒子検出装置。
【請求項8】
ケースを更に含み、
前記ケースは、気体進入口、気体排出口、及び前記ケースの内部に設けられるチャンバーを有し、前記チャンバーが前記気体進入口と前記気体排出口とを連通し、
前記光機構は、前記チャンバー内に設けられ、前記光機構の前記気体流路が前記ケースの前記気体進入口と前記気体排出口とを連通し、
前記気体伝送アクチュエータは、前記ケースの前記気体進入口の位置に対応して設けられ、駆動されて前記気体が前記気体進入口により導入され、前記気体排出口により前記ケースの外部に導出されるように導き、
気体センサは、前記ケース内に設けられ、前記気体進入口により導入される前記気体を検出して前記気体中の特定気体成分の含有量を検出することを特徴とする請求項2に記載の気体微粒子検出装置。
【請求項9】
前記気体センサは、酸素センサ、一酸化炭素センサ、二酸化炭素センサ、揮発性有機物センサ、細菌センサ、ウイルスセンサ及び微生物センサからなる群から選択される少なくとも一つであり、又は、これらの組み合わせであることを特徴とする請求項8に記載の気体微粒子検出装置。
【請求項10】
駆動回路モジュールを更に含み、
前記駆動回路モジュールは、プロセッサ及び伝送モジュールを含み、前記伝送モジュールが有線伝送モジュール及び無線伝送モジュールのうちの少なくとも一つであり、前記プロセッサが前記気体伝送アクチュエータ、前記レーザモジュール及び前記微粒子センサを駆動し、前記微粒子センサの検出結果に対して分析を行って検出数値に転換し、前記伝送モジュールが前記検出数値を外部接続装置に送信することで、前記外部接続装置が前記検出数値及び通報を表示することを特徴とする請求項1に記載の気体微粒子検出装置。
【請求項11】
前記外部接続装置は、クラウドシステム、携帯可能な装置、コンピュータシステムからなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項10に記載の気体微粒子検出装置。
【請求項12】
空気中の浮遊微粒子の濃度を検出する気体微粒子検出装置であって、
前記気体微粒子検出装置は、少なくとも一つの気体伝送アクチュエータ、少なくとも一つの微粒子センサ、少なくとも一つのレーザモジュールを含み、
前記少なくとも一つの微粒子センサは、前記気体伝送アクチュエータの気体排出方向に対応して設けられ、前記微粒子センサの表面は、前記気体伝送アクチュエータの気体排出方向に対向しており、
前記少なくとも一つのレーザモジュールは、前記気体伝送アクチュエータと前記微粒子センサとの間に設けられ、前記レーザモジュールが前記気体伝送アクチュエータと前記微粒子センサとの間にレーザ光線を発し、
前記少なくとも一つの気体伝送アクチュエータと前記微粒子センサとの間で流通する気体がレーザ光線により照射され、前記微粒子センサで前記気体中の浮遊微粒子のサイズを分析し、前記気体中の浮遊微粒子の濃度を算出し、前記気体伝送アクチュエータは、前記気体を高速に噴出し、前記微粒子センサの表面に対して清掃作業を行い、前記微粒子センサの表面に付着された浮遊微粒子を除去することで、前記微粒子センサの毎回の検出の正確度を維持させることができることを特徴とする気体微粒子検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体微粒子検出装置に関し、特にその中に含まれる微粒子センサに対して自動的に清掃作業を行うことができる気体微粒子検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、我が国と周辺領域の空気汚染問題がだんだん深刻になり、特に浮遊微粒子(PM2.5)の濃度数値が非常に高く、空気中の浮遊微粒子の濃度の監視測定が重要視されてきており、各種の測定装置も開発されている。現在、浮遊微粒子濃度の検出に用いられる市販の気体微粒子検出装置の作動原理は、赤外線又はレーザ線の光線を気体経路の気体に照射し、光線が気体中の浮遊微粒子に当たると散乱が生じ、検測により、当該散乱された光線を収集すると、ミー散乱理論(Mie scattering theory)に基づいて浮遊微粒子の粒子径と単位空間中の異なる粒子径の浮遊微粒子数を算出することができる。
【0003】
しかし、気体微粒子の検出において、外部の気体経路に連通し、且つ散乱光線を検測する微粒子センサも気体経路中に設けられているため、外部からの汚染物が微粒子センサに付着しやすいので、散乱光線に対する検測に影響するため、算出結果に誤差が生じる。上記の問題点について、今の解決方法としては、ソフトウェアの運算方式により補償計算を行うが、実際の応用において外部空気中の浮遊微粒子は、時間の経過に伴って固定値を維持しないため、修正後の検出値を補償計算することは、依然実際の結果とずれがあった。従って、浮遊微粒子の濃度を検出する気体微粒子検出装置を使用する時に、その微粒子センサが外部から進入する浮遊微粒子に遮断されて汚染を受ける問題は解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、自動清掃機能を有し、空気中の浮遊微粒子の濃度を検出し、且つ自動的に微粒子センサに対して清掃作業を行うことで、空気中の汚染物が微粒子センサに付着することを防止して検出結果に誤差が生じることを回避することができる気体微粒子検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例により提供される気体微粒子検出装置は、空気中の浮遊微粒子の濃度を検出する気体微粒子検出装置であって、気体微粒子検出装置は、気体伝送アクチュエータ、微粒子センサ、及びレーザモジュールを含み、微粒子センサは、気体伝送アクチュエータの位置に対応して設けられ、レーザモジュールは、気体伝送アクチュエータと微粒子センサとの間に設けられ、レーザモジュールは、レーザ光線を気体伝送アクチュエータと微粒子センサとの間に発し、気体伝送アクチュエータと微粒子センサとの間で流通する気体がレーザ光線により照射され、微粒子センサが気体中の浮遊微粒子のサイズを分析し、気体中の浮遊微粒子の濃度を算出する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の気体微粒子検出装置の第1実施例に係る断面概略図である。
【
図2】本発明の第1実施例の収納溝及び気体伝送アクチュエータを示す立体構造概略図である。
【
図3A】本発明の第1実施例に係る気体伝送アクチュエータを上方から見た時の立体分解概略図である。
【
図3B】本発明の第1実施例に係る気体伝送アクチュエータを下方から見た時の立体分解概略図である。
【
図4】本発明の第1実施例に係る収納溝の立体構造概略図である。
【
図5】本発明の第1実施例に係る噴気孔板の平面視構造概略図である。
【
図6A】
図6Aは、
図2の第1実施例におけるA-A断面から見た時の断面概略図である。
【
図6B】本発明の第1実施例に係る気体伝送アクチュエータの作動概略図である。
【
図6C】本発明の第1実施例に係る気体伝送アクチュエータの作動概略図である。
【
図7】本発明の気体微粒子検出装置の第2実施例の断面概略図である。
【
図8A】本発明の第2実施例の気体伝送アクチュエータを上方から見た時の立体分解概略図である。
【
図8B】本発明の第2実施例の気体伝送アクチュエータを下方から見た時の立体分解概略図である。
【
図9A】本発明の第2実施例に係る気体伝送アクチュエータの断面概略図である。
【
図9B】本発明の他の実施例に係る気体伝送アクチュエータの断面概略図である。
【
図9C】本発明の第2実施例に係る気体伝送アクチュエータの作動概略図である。
【
図9D】本発明の第2実施例に係る気体伝送アクチュエータの作動概略図である。
【
図9E】本発明の第2実施例に係る気体伝送アクチュエータの作動概略図である。
【
図10】本発明の気体微粒子検出装置の第3実施例の断面概略図である。
【
図11】本発明の気体微粒子検出装置の第4実施例の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の特徴及び利点を示す典型的な実施例を詳しく説明する。理解されるべきであることは、本発明の異なる態様には様々な変化があり、何れも本発明の範囲に含まれ、それについての説明及び図面は本質的に説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。
【0008】
図1を参照されたい。本発明は、気体微粒子検出装置を提供し、前記気体微粒子検出装置は、少なくとも一つの気体伝送アクチュエータ1、少なくとも一つのレーザモジュール2及び少なくとも一つの微粒子センサ3を含み、レーザ光線で前記気体伝送アクチュエータと前記微粒子センサとの間で流通する気体を照射し、前記微粒子センサを利用して前記気体中の浮遊微粒子のサイズを分析し、前記気体中の浮遊微粒子の濃度を算出する。前述した素子の数については、例として一つを使用する例を挙げるが、これに限らない。気体伝送アクチュエータ1、レーザモジュール2、微粒子センサ3は、複数の組み合わせであってもよい。
【0009】
本発明によれば、空気中の浮遊微粒子の濃度を検出するための気体微粒子検出装置を提供しており、浮遊微粒子は、PM2.5浮遊微粒子又はPM10浮遊微粒子であってよい。
図1を参照すると、第1実施例において、気体微粒子検出装置100は、気体伝送アクチュエータ1、レーザモジュール2、微粒子センサ3、光機構4及び駆動回路モジュール5を含む。光機構4は、気体伝送アクチュエータ1と微粒子センサ3との間に設けられる実体部材であり、その内部に光線通路41及び気体流路42を有する。好ましくは、気体流路42は直線構造の通路であるが、これに限らない。光線通路41は直線通路であり、且つ気体流路42と連通する。本実施例において、気体流路42と光線通路41とはお互い垂直するように設けられる。本実施例において、光機構4は、光源設置溝43及び収納溝44を更に有する。光源設置溝43は、光線通路41の一端に設けられ、収納溝44は、気体流路42の一端に設けられる。光源設置溝43及び収納溝44は、四角形、円形、橢円形、三角形及び多角形のうちの一つである。
【0010】
気体伝送アクチュエータ1は、光機構4の気体流路42の一端に設けられ、駆動及び気体の導入に用いられる。本実施例において、気体伝送アクチュエータ1は、光機構4の収納溝44中に固設されるが、これに限らない。
【0011】
レーザモジュール2は、光機構4の光源設置溝43中に設けられてレーザ光線を発し、レーザ光線は光線通路41を通過し、気体流路42を照射する。これにより、レーザモジュール2から発したレーザ光線が気体流路42を通過する時に、気体流路42中で流通する気体を照射するようになる。
【0012】
微粒子センサ3は、気体流路42における収納溝44から離れる一端に設けられ、気体中の浮遊微粒子がレーザ光線により照射されて生成された散乱の光点を検出し、これによって、空気中の浮遊微粒子のサイズを検測し、浮遊微粒子の濃度を算出する。
【0013】
図1を参照すると、本実施例において、駆動回路モジュール5は、伝送モジュール(図示せず)及びプロセッサ(図示せず)を含む。プロセッサは、気体伝送アクチュエータ1、レーザモジュール2及び微粒子センサ3を駆動し、微粒子センサ3が検出した結果に対する分析運算及び保存に用いられる。プロセッサが気体伝送アクチュエータ1、レーザモジュール2及び微粒子センサ3を駆動すると、気体伝送アクチュエータ1は、空気を気体流路42中に進入するように導き、気体流路42中の気体は、レーザモジュール2が発したレーザ光線により照射され、これによって、微粒子センサ3が、気体流路42中の気体の浮遊微粒子が照射されて散乱した光点を検出し、検出結果をプロセッサに送信する。プロセッサは、前記検出結果に基づいて空気中の浮遊微粒子のサイズを分析し、浮遊微粒子の濃度を算出することで、分析を行い、検出数値を得て保存する。次に、プロセッサが保存した検出数値は、伝送モジュールにより外部接続装置(図示せず)に送信されるが、外部接続装置は、検出数値の表示及びアラームの通知のために、クラウドシステム、携帯可能な装置、コンピュータシステム及び表示装置等のうちの一つであってもよい。
【0014】
気体微粒子検出装置100の検出過程中又は所定の時間点において、プロセッサは、外部気体が気体伝送アクチュエータ1中に導入されるように、気体伝送アクチュエータ1を駆動し、気体伝送アクチュエータ1を介して気体を気体流路42に高速に噴出することで、微粒子センサ3の表面に付着された浮遊微粒子に対して清掃作業を行い、これにより、微粒子センサ3の正確度を維持させる。前述の所定の時間点は、毎回気体検出作業を行う前であってもよく、又は固定時間間隔を有する複数の所定の時間点 (例えば、三分毎に清掃を自動的に行う)であってもよく、使用者の手動操作で制御されてもよく、又はソフトウェアを利用して即時に数値を検出して計算することで動態的に決定してもよいが、これに限らない。
【0015】
また、前述の伝送モジュールは、有線伝送又は無線伝送を介して外部接続装置に接続されてもよく、有線伝送方式は、USB、mini-USB、micro-USB等のうちの一つの有線伝送モジュールであり、無線伝送方式は、Wi-Fiモジュール、ブルートゥースモジュール、無線周波数識別モジュール及び近距離通信モジュール等のうちの一つの無線伝送モジュールである。
【0016】
図2、
図3A及び
図3Bを同時に参照されたい。本発明の第1実施例において、気体伝送アクチュエータ1は、微小化された気体伝送構造であり、気体を高速且つ大量に伝送する。気体伝送アクチュエータ1は、噴気孔板11、キャビティフレーム12、アクチュエータ13、絶縁フレーム14及び導電フレーム15等の素子が順次に対応して重ねて設置される。
【0017】
図4を参照すると、収納溝44は、噴気孔板11を係止して固定するための複数の固定溝441を有する。本実施例において、固定溝441の数は4つであり、それぞれ収納溝44の4つの角に対応して設けられ、且つL字形の凹溝であるが、これに限らない。その数、凹溝様態は、実際の必要に応じて任意に変更可能である。収納溝44の一側辺には、第1凹溝442及び第2凹溝443が設けられる。
【0018】
図5、
図3A、
図3B及び
図4を同時に参照すると、噴気孔板11は、可撓性を有する材料からなり、浮遊片110、中空穴111及び複数の接続部材112を有する。浮遊片110は、湾曲振動可能な板状の構造であり、その形状及び寸法は、収納溝44の内縁におおよそ対応するが、これに限らない。浮遊片110の形状も、四角形、圓形、橢圓形、三角形及び多角形のうちの一つであってもよい。中空穴111は、気体を流通させるように、浮遊片110の中心を貫通する。本実施例において、接続部材112の数は、4つであるが、これに限らない。その数及び形態は主に、固定溝441に対応する。各接続部材112及び対応する固定溝441は、係合構造を形成することで、お互いに係止し、固定するが、実施形態は、実際の必要に応じて変更することができる。
【0019】
例えば、
図4及び第5に示すように、各接続部材112は、固定部1121及び接続部1122を有し、固定部1121と固定溝441の形状は共にL字形をなしてお互いに対応することで、組み合わせられるようになっている。すなわち、固定部1121は、L字形の実体構造であり、固定溝441は、L字形の凹溝である。固定部1121が対応する固定溝441中に覆設された場合、両者はお互い係合されて結合されることで、噴気孔板11を収納溝44中に配置させる。当該係合構造の設計は、水平方向において位置決め効果を奏し、噴気孔板11と収納溝44との接続強度を向上させる。更に、組み立て過程において、当該係合構造の設計は、噴気孔板11が快速且つ正確に収納溝44中に位置決められるようにし、軽薄且つ簡単で、組み立てやすく、正確な位置決めが容易になるなどの利点がある。同時に、弾性を有するストリップ状構造である接続部材112の接続部1122が浮遊片110と固定部1121との間に接続され、浮遊片110が往復に湾曲振動を行うようになっている。
【0020】
図3A、
図3B及び
図6Aを同時に参照すると、複数の接続部材112は浮遊片110と収納溝44の内縁との間に気体流通のための複数の隙間113を画定する。キャビティフレーム12は、四角形の中空構造であってよく、噴気孔板11の浮遊片110上に重ねて設置される。アクチュエータ13は、中空構造を覆うように、キャビティフレーム12上に重ねて設置され、噴気孔板11、キャビティフレーム12及びアクチュエータ13により共振チャンバー16を形成する。アクチュエータ13は、圧電積載板131、調整共振板132及び圧電片133から構成され、圧電積載板131は、金属板であってよく、その周縁は、延伸して第1導電ピン1311を形成して電流を受ける。調整共振板132は、同様に金屬板であってよく、圧電積載板131の噴気孔板11から離れる表面に付着される。圧電片133は、圧電材料からなる板状物であり、調整共振板132上に重ねて設置される。圧電片133が通電されると、圧電効果により変形され、且つ特定の振動周波数の範囲内で、圧電積載板131を連動して往復に振動を行う。調整共振板132は、圧電片133と圧電積載板131との間に位置され、両者の間の緩衝物として、圧電積載板131の振動周波数を調整することができる。基本的に、調整共振板132の厚さは、圧電積載板131の厚さより大きく、且つ調整共振板132の厚さは変更可能であり、これにより、アクチュエータ13の振動周波数を調整することができる。
【0021】
図2、
図3A及び
図3Bを参照すると、絶縁フレーム14と導電フレーム15は、アクチュエータ13上に順次に重ねて設置され、導電フレーム15の外縁から第2導電ピン151が張り出され、内縁から湾曲状の電極152が張り出され、電極152は、アクチュエータ13の圧電片133に電気的に接続される。圧電積載板131の第1導電ピン1311及び導電フレーム15の第2導電ピン151は、それぞれ収納溝44の第1凹溝442及び第2凹溝443から外に張り出されることで、外部の電流に接続して圧電積載板131、調整共振板132、圧電片133及び導電フレーム15が共同回路を形成する。そして、導電フレーム15と圧電積載板131との間に設けられる絶縁フレーム14を介して導電フレーム15と圧電積載板131との間の直接的な電気的接続による短絡を回避することができる。
【0022】
図6Aを参照すると、気体伝送アクチュエータ1は初期状態にある。噴気孔板11、キャビティフレーム12、アクチュエータ13、絶縁フレーム14及び導電フレーム15は、順次に対応して収納溝44上に重ねて設置されて本実施例に係る気体伝送アクチュエータ1を構成する。本実施例において、噴気孔板11と収納溝44の底面との間に気流チャンバー17を形成する。気流チャンバー17は、噴気孔板11の中空穴111を介してアクチュエータ13、キャビティフレーム12及び浮遊片110の間の共振チャンバー16に連通する。共振チャンバー16中の気体の振動周波数を制御することで、それと浮遊片110の振動周波数がほぼ同一になり、共振チャンバー16と浮遊片110とがヘルムホルツ共鳴(Helmholtzresonance)を発生させ、気体の伝送効率を向上させる。
【0023】
次に、
図6Bに示すように、圧電片133が収納溝44の底面から離れる方向に振動する時に、噴気孔板11の浮遊片110を連動して収納溝44の底面から離れる方向に振動して、気流チャンバー17の体積が急に拡張することにより、気流チャンバー17中の圧力が降下する。気流チャンバー17の負圧は、外部の大気気体を複数の隙間113から流入するように吸引し、中空穴111により共振チャンバー16に進入することで、共振チャンバー16中に気圧が増加して圧力勾配を生成する。
図6Cに示すように、圧電片133が噴気孔板11の浮遊片110を連動して収納溝44の底面に向けて振動する時に、共振チャンバー16中の気体が中空穴111から快速に流出され、気流チャンバー17中の気体を圧迫し、集合後の気体がベルヌーイの定理に近い理想気体状態で快速且つ大量に噴出され、且つ微粒子センサ3を流過した後に排出(
図1を参照)される。慣性の法則に基づいて、排気後の共振チャンバー16の内部気圧が平衡気圧より低いので、気体が再び共振チャンバー16中に進入ように導く。圧電片133が往復に振動し、共振チャンバー16中の気体の振動周波数が圧電片133の振動周波数とほぼ同一になるように制御することで、ヘルムホルツ共鳴を発生させ、気体の快速に且つ大量の伝送を実現する。
【0024】
図7、
図8A、
図8B及び
図9Aを参照すると、本発明の第2実施例において、気体微粒子検出装置100'の構造と第1実施例の気体微粒子検出装置100の構造は大抵同様であるが、相違点は気体伝送アクチュエータ1'である。第2実施例において、気体伝送アクチュエータ1'は、気体進入板11'、共振片12'、圧電アクチュエータ13'、第1絶縁片14'、導電片15'及び第2絶縁片16'を含む。気体進入板11'、共振片12'、圧電アクチュエータ13'、第1絶縁片14'、導電片15'及び第2絶縁片16'は、順次に重ねて設置されて組み合わせられる。
【0025】
本実施例において、気体進入板11'は、少なくとも一つの気体進入孔11a'、少なくとも一つの気体ガイド溝 11b'及び合流チャンバー11c'を有する。気体ガイド溝 11b'は、気体進入孔11a'に対応して設けられる。気体進入孔11a'は気体を導入し、気体ガイド溝 11b'は、気体進入孔11a'から導入された気体を合流チャンバー11c'に流れるように導く。共振片12'は、中空孔12a'、可動部12b'及び固定部12c'を有する。中空孔12a'は、気体進入板11'の合流チャンバー11c'に対応して設けられる。可動部12b'は、中空孔12a'を取り囲んで設けられ、固定部12c'は、可動部12b'の外周に設けられる。共振片12'と圧電アクチュエータ13'との間に、チャンバー空間17'が形成される。そのため、圧電アクチュエータ13'が駆動されると、気体は、気体進入板11'の気体進入孔11a'から導入され、気体ガイド溝 11b'を経由して合流チャンバー11c'に集合される。次に、気体は、共振片12'の中空孔12a'により、圧電アクチュエータ13'と共振片12'の可動部12b'とが共振を発生させるようにし、気体を伝送する。
【0026】
図7、
図8A、
図8B及び
図9Aを参照すると、圧電アクチュエータ13'は、浮遊板13a'、外枠13b'、少なくとも一つの架台13c'及び圧電素子13d'を含む。本実施例において、浮遊板13a'は、正方形であり、湾曲振動可能であるが、これに限らない。浮遊板13a'は、凸部13f'を有する。本実施例において、浮遊板13a'が正方形である設計とする理由は、円形にする設計に比較して、正方形の浮遊板13a'の構造は、明らかに節電することができる利点があるからである。共振周波数下で操作する容量性負荷について、その消費電力は、共振周波数の上昇に伴って増加するが、正方形の浮遊板13a'の共振周波数が円形の浮遊板より低いため、消費電力も相対的に低い。しかし、他の実施例において、浮遊板の13a'の形状は、実際の必要に応じて変更可能である。外枠13b'は、浮遊板13a'の外側に周設される。架台13c'は、浮遊板13a'と外枠13b'との間に接続されることで、浮遊板13a'を弾性支持する支持力を提供する。圧電素子13d'は、辺長を有するが、浮遊板13a'の辺長より小さいか等しい。また、圧電素子13d'は、駆動電圧を印加して浮遊板13a'の湾曲振動を駆動するように、浮遊板13a'の表面に貼り付けられる。浮遊板13a'、外枠13b'と架台13c'の間に、気体を通過させるための少なくとも一つの間隙13e'を形成する。凸部13f'は、浮遊片13a'の他の表面に凸設される。本実施例において、浮遊板13a'及び凸部13f'は、エッチング工程で制作される一体成形構造であるが、これに限らない。
【0027】
図9Aを参照すると、本実施例において、チャンバー空間17'は、共振片12'と圧電アクチュエータ13'の外枠13b'との間に形成された間隙に材質(例えば、導電性接着剤を挙げられるが、これに限らない)を充填することで形成され、共振片12'と浮遊板13a'との間で一定の深度を維持し、気体がより快速に流動するように導くようにする。そして、浮遊板13a'と共振片12'とが適切な距離を維持することで、お互いの接触や干渉を減少し、騒音の発生も減少させることができる。他の実施例において、圧電アクチュエータ13'の外枠13b'の高さを増加することにより、共振片12'と圧電アクチュエータ13'の外枠13b'との間にある間隙に充填される導電性接着剤の厚さを減少させることができる。これにより、浮遊板13a'と共振片12'との距離を適切に維持した状態において、気体伝送アクチュエータ1'の全体的な組み立てが熱圧温度及び冷却温度によって充填した導電性接着剤の厚さに影響を与えず、導電性接着剤が熱膨脹と冷収縮によって組み立て完了後のチャンバー空間17'の実際のサイズへ与える影響を回避することができる。
【0028】
図9Bを参照すると、他の実施例において、浮遊板13a'は、スタンピングで成形されることができ、浮遊板13a'が外にある程度の距離を延伸するが、延伸する距離は、架台13c'が浮遊板13a'と外枠13b'との間に成形された距離により調整することができ、浮遊板13a'上の凸部13f'の表面と外枠13b'の表面が共平面に形成しないようにする。すなわち、凸部13f'の表面が外枠13b'の表面より低くなる。外枠13b'の組み立て表面に少量の充填材質(例えば導電性接着剤)を塗布し、熱圧方式により圧電アクチュエータ13'を共振片12'の固定部12c'に貼合することで、圧電アクチュエータ13'が共振片12'と結合されて組み立てられる。このように、前記圧電アクチュエータ13'の浮遊板13a'を直接にスタンピング成形でチャンバー空間17'を構成することで、所望するチャンバー空間17'が、圧電アクチュエータ13'の浮遊板13a'のスタンピング成形の距離を調整することにより完成され、チャンバー空間17'を調整する構造を有効に簡略化するとともに、工程の簡略化及び工程時間の短縮などの利点もある。 """"""""''
【0029】
図8A及び8Bを参照すると、本実施例において、第1絶縁片14'、導電片15'及び第2絶縁片16'は、ともにフレームタイプの薄型片状であるが、これに限らない。気体進入板11'、共振片12'、圧電アクチュエータ13'、第1絶縁片14'、導電片15'及び第2絶縁片16'は、ともに微小電気機械(MEMS)の表面マイクロマシニング技術工程により、気体伝送アクチュエータ1'の体積を縮小させ、微小電気機械システムの気体伝送アクチュエータ1'を構成する。
【0030】
図9Cを参照すると、圧電アクチュエータ13'の作動フローにおいて、圧電アクチュエータ13'の圧電素子13d'は、駆動電圧が印加されると変形し、浮遊板13a'が気体進入板11'から離れる方向に移動するように連動する。この時に、チャンバー空間17'の容積が高められ、チャンバー空間17'中において負圧が形成され、合流チャンバー11c'中の気体がチャンバー空間17'中に進入するように吸引される。同時に、共振片12'に共振が発生されて気体進入板11'から離れる方向に同期移動し、合流チャンバー11c'の容積の増加に繋がる。また、合流チャンバー11c'中の気体がチャンバー空間17'に進入するため、合流チャンバー11c'の内部も負圧状態になり、気体進入口11a'及び気体ガイド溝 11b'を通じて気体を合流チャンバー11c'中に進入するように吸引する。
【0031】
次に、
図9Dに示すように、圧電素子13d'は、浮遊板13a'を連動して気体進入板11'に向けて移動してチャンバー空間17'を圧縮する。同様に、共振片12'が浮遊板13a'により駆動され、共振を発生させて気体進入板11'に向けて移動し、チャンバー空間17'中の気体が同期圧迫されることで間隙13e'を通じて伝送され、気体を伝送する効果を達成する。
【0032】
図9Eに示すように、浮遊板13a'が連動されて圧電素子13d'により連動されていない状態に回復した場合、共振片12'も同時に連動されて気体進入板11'から離れる方向に移動する。この時の共振片12'は、チャンバー空間17'中の気体を圧縮して間隙13e'に移動させ、且つ合流チャンバー11c'中の容積を増加させることで、気体が持続的に気体進入孔11a'及び気体ガイド溝 11b'により合流チャンバー11c'中に集合する。前述の
図9C〜
図9Eに示した気体伝送アクチュエータ1'作動ステップを繰り返すことで、気体伝送アクチュエータ1'は、気体の連続的な高速流動が可能とし、気体伝送アクチュエータ1'が気体の伝送及び出力操作を実現する。
【0033】
次に、
図8A及び
図8Bを参照すると、導電片15'の外縁から導電ピン151'が張り出され、内縁から湾曲状の電極152'が張り出され、電極152'は、圧電アクチュエータ13'の圧電素子13d'に電気的に接続される。導電片15'の導電ピン151'は、外部電流に接続されることで、圧電アクチュエータ13'の圧電素子13d'を駆動する。そして、第1絶縁片14'及び第2絶縁片16'の設置により、短絡の発生を回避することができる。
【0034】
図10を参照すると、本発明の第3実施例において、本発明により提供される気体微粒子検出装置100''は、その構造が第1実施例に係る気体微粒子検出装置100及び第2実施例に係る気体微粒子検出装置100'とほぼ同じであるが、相違点は、気体微粒子検出装置100''がケース6''を更に含むことと、駆動回路モジュール5''が含む伝送モジュール51''の設置位置である。本実施例において、気体伝送アクチュエータ1''の構造は、第1実施例の気体伝送アクチュエータ1と同様であってもよく、第2実施例の気体伝送アクチュエータ1'とも同様であってもよいが、これに限らない。ケース6''は、気体進入口6a''、気体排出口6b''及びケース6''の形成されるチャンバー6c''を有する。気体進入口6a''及び気体排出口6b''は、チャンバー6c''とケース6''の外部とを連通することで、空気が気体進入口6a''によりチャンバー6c''中に進入され、気体排出口6b''によりケース6''の外部に排出される。気体伝送アクチュエータ1''、レーザモジュール2、微粒子センサ3及び光機構4は、ともにチャンバー6c''中に設けられ、且つ気体伝送アクチュエータ1''は、気体進入口6a''に近づくように設けられることで、気体が気体進入口6a''により導入されるように導く。そして、本実施例において、駆動回路モジュール5''の伝送モジュール51''は、ケース6''の外側に設けられることで、検出データを外部接続装置に送信する。これにより、ケース6''の設置が信号伝送の品質に対する干渉を回避することができる。
【0035】
気体伝送アクチュエータ1''が駆動されると、気体伝送アクチュエータ1''は、空気を吸引し始めて気体進入口6a''により光機構4の気体流路42中に進入させ、気体流路42中に進入した気体は、レーザモジュール2が発した光線通路41を通過するレーザ光線で照射され、レーザ光線が気体中の浮遊微粒子に当たると、複数の光点が生成され、微粒子センサ3が前記複数の光点を受信し、検出結果をプロセッサに送信する。プロセッサは、光点の数、強度に基づいて空気中の浮遊微粒子のサイズ、濃度を算出し、これにより検出数値を算出して保存する。次に、プロセッサが保存した検出数値は、伝送モジュール51''により外部接続装置に送信される。
【0036】
図11を参照すると、本発明の第4実施例において、本発明により提供される気体微粒子検出装置100'''は、その構造が第1、第2及び第3実施例に係る気体微粒子検出装置100、100'、100''とほぼ同じであるが、相違点は、気体微粒子検出装置100'''が電池モジュール7及び気体センサ8を更に含むことと、ケース6'''の構造及び駆動回路モジュール5'''の配置位置である。本実施例において、気体伝送アクチュエータ1'''の構造は、第1実施例に係る気体伝送アクチュエータ1と同様であってもよいが、第2実施例に係る気体伝送アクチュエータ1'と同様であってもよい。ケース6'''は、複数の気体進入口6a'''を有し、それぞれケース6'''の相対する兩側に設けられる。気体伝送アクチュエータ1'''、レーザモジュール2、微粒子センサ3及び光機構4は、気体進入口6a'''の間に設けられる。本実施例において、気体センサ8は、ケース6'''内に設けられてケース6'''のそのうち一つの気体進入口6a'''に近づくようにすることで、空気が気体進入口6a'''により進入された後に即時に空気中の特定気体の成分の含有量を検出する。なお、気体センサ8は、酸素センサ、一酸化炭素センサ、二酸化炭素センサからなる群から選択される一つであってもよく、これらの組み合わせでもよいが、揮発性有機物センサ、細菌センサ、ウイルスセンサ及び微生物センサからなる群から選択される一つであってもよく、これらの組み合わせでもよい。本実施例において、駆動回路モジュール5'''の伝送モジュール51'''及びプロセッサ52'''は、ケース6'''のチャンバー6c'''内に相隣して設けられる。電池モジュール7は、チャンバー6c'''内に設けられ、チャンバー6c'''の気体排出口6b'''から離れる一側に位置する。電池モジュール7は、外部の給電装置に接続され(図示せず)、外部の給電装置からの電力を受け取って貯蔵するとともに、電力を提供し、電力を気体伝送アクチュエータ1'''、レーザモジュール2、微粒子センサ3及び気体センサ8に出力する。外部の給電装置は、有線伝導により電力を電池モジュール7に伝送してもよく、無線伝導により電力を電池モジュール7に伝送してもよいが、これに限らない。
【0037】
プロセッサ52'''が気体伝送アクチュエータ1'''を駆動すると、気体伝送アクチュエータ1'''は、空気を吸引し始めて気体進入口6a'''により光機構4の気体流路42中に進入させ、空気中の浮遊微粒子を検出する前に、気体進入口6a'''に隣接する気体センサ8が気体進入口6a'''から進入する空気を検出し、検出結果をプロセッサ52'''に送信する。
【0038】
以上によると、本発明により提供される気体微粒子検出装置は、それぞれ気体センサ及微粒子センサを有し、気体伝送アクチュエータを利用して空気を気体微粒子検出装置の外部から吸引して気体進入口から進入され、気体センサで気体進入口から進入されて気体流路に流れる空気中の特定の気体成分の含有量を検出し、その後、気体を気体流路に転送し、レーザモジュールが発するレーザ光線を気体中の浮遊微粒子に照射して、光線が浮遊微粒子に当たると多くの光点が生成され、微粒子センサにより複数の光点を受け入れ、複数の光点の数、強度により空気中の浮遊微粒子PM2.5あるいはPM10の濃度を算出する。そして、気体伝送アクチュエータを利用して微粒子センサに対して清掃作業を行うことで、多くの浮遊微粒子が微粒子センサに沈積することによる検出正確度の降下を回避することができる。
【0039】
当業者であれば、本発明の範囲内で変更や修正を加えることができ、いずれも特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
100、100'、100''、100''':気体微粒子検出装置
1、1'、1''、1''':気体伝送アクチュエータ
11:噴気孔板
110:浮遊片
111:中空穴
112:接続部材
1121:固定部
1122:接続部
113:隙間
12:キャビティフレーム
13:アクチュエータ
131:圧電積載板
1311:第1導電ピン
132:調整共振板
133:圧電片
14:絶縁フレーム
15:導電フレーム
151:第2導電ピン
152、152':電極
16:共振チャンバー
17:気流チャンバー
11':気体進入板
11a':気体進入孔
11b':気体ガイド溝
11c':合流チャンバー
12':共振片
12a':中空孔
12b':可動部
12c':固定部
13':圧電アクチュエータ
13a':浮遊板
13b':外枠
13c':架台
13d':圧電素子
13e':間隙
13f':凸部
14':第1絶縁片
15':導電片
151':導電ピン
16':第2絶縁片
17':チャンバー空間
2:レーザモジュール
3:微粒子センサ
4:光機構
41:光線通路
42:気体流路
43:光源設置溝
44:収納溝
441:固定溝
442:第1凹溝
443:第2凹溝
5、5''、5''':駆動回路モジュール
51''、51''':伝送モジュール
52''':プロセッサ
6''、6''':ケース
6a''、6a''':気体進入口
6b''、6b''':気体排出口
6c''、6c''':チャンバー
7:電池モジュール
8:気体センサ