(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
以下の式(II)の塩、
【化1】
式中、W
1およびW
2は、それぞれ同じまたは異なる非水素置換基であり、かかる非水素置換基はそれぞれ、ハロゲンからなる群から選択され、
R
1は、C
6−30アリール基であって、かかるC
6−30アリール基は、F、Cl、Br、I、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、2〜20個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルキニルからなる群から選択される1種以上の非水素置換基で置換されていてもよく、または非置換でもよく、
R
2は、C
6−30アリール基であって、かかるC
6−30アリール基は、F、Cl、Br、I、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、2〜20個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルキニルからなる群から選択される1種以上の非水素置換基で置換されていてもよく、または非置換でもよく、
Xは、
*−O−及び
*−O−C(=O)−(式中、
*は、R
2への結合点である)からなる群から選択される2価の連結基であり、
R
3は、フッ素化され得るC
1−C
10の2価の直鎖または分枝アルキル鎖からなる群から選択されるリンカーであり、
Zは、存在しないか、または
−O−CH2−C(=O)−O−C(CH3)3 およびヒドロキシル基からなる群から選択される非水素置換基であり、
Yは、カルボキシレートおよびスルホネートからなる群から選択されるアニオン性基であり、
nは、0または1であり、
M
+は、式(R
5)S
+(R
6)(R
7)のカチオン成分であり、式中、R
5、R
6、およびR
7は、C
6−C
30アリールであり、その各々が、F、Cl、Br、I、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、2〜20個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルキニルからなる群から選択される1種以上の非水素置換基で置換されていてもよく、任意に、R
5、R
6、およびR
7のうちの2つは、一緒になって環を形成してもよい。
【発明の概要】
【0005】
新規の塩およびそのような塩を含むフォトレジストが提供される。好ましい態様において、塩は光酸発生剤を含む酸発生剤として機能することができ、極端紫外線リソグラフィ用途に特に有用となり得る。
【0006】
好ましい塩は、1つ以上のTe原子を含む有機塩化合物を含む。
【0007】
より具体的には、第1の実施形態において、本発明の酸塩は、1つ以上のテルル(Te)原子を含むアニオン成分を含む。
【0008】
一態様において、好ましい塩は、1つ以上の2価のTe原子を含むアニオン成分を含むものを含む。
【0009】
別の態様において、好ましい塩は、1つ以上の4価のTe原子を含むアニオン成分を含むものを含む。
【0010】
またさらなる態様において、好ましい塩は、1)1つ以上の2価のTe原子および2)1つ以上の4価のTe原子を含むアニオン成分を含むものを含む。
【0011】
より特定の態様において、好ましい塩は、以下の式(I)のものを含む1つ以上の2価のTe原子を含み、
M
+(Z)
n−R
1−(Te)
y−R
2−X−R
3−Y(I)
式中、R
1は、C
6−C
30アリール、C
6−C
30ヘテロアリール、C
1−C
30アルキル、ヘテロ原子含有C
1−C
30アルキル、およびフルオロC
1−C
30アルキル等の非水素置換基であり、その各々が置換または非置換であってもよく、
R
2は、化学結合、またはC
6−C
30アリール、C
6−C
30ヘテロアリール、C
10−C
30アルキル、およびヘテロ原子含有C
1−C
30アルキル等の非水素置換基であり、その各々が置換または非置換であってもよく、任意にR
2およびR
1は、一緒に結合して、典型的には5〜約20環員を有する単一、多重または縮合環構造を形成することができ、
Xは、化学結合または2価の連結基であり、
R
3は、
フッ素化され得るC
1−C
10の2価の直鎖また
は分枝アルキル鎖等のリンカーであり、
Zは、存在しないか、または単原子、ヒドロキシル基
等の極性基、C
6−C
30アリール、C
6−C
30ヘテロアリール、C
1−C
30アルキル、およびヘテロ原子含有C
1−C
30アルキ
ルから選択される置換基である。Zは、任意に酸開裂性基または重合性基を含んでもよく、
Yは、カルボキシレート、スルホネート、スルファメート、スルホンアミドのアニオン、もしくはスルホンイミドのアニオン、または水酸化物(例えば、SO
3−、COO
−、NHSO3
−、またはHO
−)等のアニオン性基(負の荷電を含み得る)であり、
nは、0以上の整数であり、yは、1以上の整数であり、
M
+は、カチオン成分である。
【0012】
好ましい塩は、以下の式(II)のものを含む1つ以上の4価のTe原子を含み、
【0014】
式中、W
1およびW
2はそれぞれ、ハロゲン、任意に置換されたC
1−C
10アルキルスルホネート(Rが任意に置換されたC
1−10アルキルであるRSO
3)、任意に置換されたC
1−C
10フルオロアルキルスルホネート(R
fが、1つ以上のF原子を有する任意に置換されたC
1−10アルキルであるR
fSO
3)、任意に置換されたC
1−C
10フルオロアルキルカルボキシレート(R
fが、1つ上のF原子を有する任意に置換されたC
1−10アルキルであるR
fCO
2)、任意に置換されたC
1−C
10アルキルカルボキシレート(RCO
2)Rが任意にC
1−10アルキルである)等の同じまたは異なる非水素置換基であり、R
1、R
2、R
3、X、Y、Z、およびnは、上記の式(I)に定義されるとおりに同じであり、
M
+は、カチオン成分である。
【0015】
本発明の化合物(上記の式(I)および(II)の化合物を含む)において、カチオンM
+は、好適には、1つ以上のカチオン基(例えば、I
+、S
+、Se
+、Te
+)を含み得る無機または有機基であり得、より典型的には有機基である。好適な有機化合物は、1つ以上のカチオン基(例えば、I
+、S
+、Se
+、Te
+)を好適に含み得るC
1−30アルキル基等のフェニル含有アニオンおよび脂肪族アニオンを含む、芳香族および非芳香族基を含み得る。
【0016】
特定の好ましい態様において、式(I)または(II)中のカチオン成分M
+は、式(R
5)M
+(R
6)(R
7r)に対応し、式中、R
5、R
6、およびR
7は、C
6−C
30アリール、C
6−C
30ヘテロアリール、C
1−C
30アルキル、ヘテロ原子含有C
1−C
30アルキル、およびフルオロC
1−C
30アルキル等の同じまたは異なる非水素置換基であり、その各々が、置換または非置換であってもよく、任意に、R
5、R
6、およびR
7のうちの2つは、一緒になって環を形成してもよく、rは、0または1であり、M+は、S、Se、Te、またはIである。特定の好ましい態様では、その式において、r=1のとき、Mは、S、Se、またはTeであり、r=0のとき、Mは、Iである。
【0017】
ある特定の好ましい態様において、本発明の塩は、ポリマーに共有結合的に連結されてもよく、例えば、酸発生剤のアニオンもしくはカチオン成分のいずれかの1つが、ポリマーに共有結合的に連結されてもよく、またはアニオンおよびカチオン成分のそれぞれが、ポリマーに共有結合的に連結されてもよい。
【0018】
ある特定の好ましい態様において、本発明の塩は、不飽和基、例えば、アクリレート部分等の活性化ビニル基を含む炭素−炭素不飽和基等の重合性基を含み得る。そのような重合性基を反応させて、レジスト樹脂等の他の組成物成分に塩(例えば、酸発生剤として使用される)を共有結合的に連結させることができる。
【0019】
本発明の好ましいフォトレジストは、像形成に効果的な量の本明細書において開示される1つ以上の塩および好適なポリマー成分を含み得る。1つ以上の塩は、フォトレジスト組成物中の酸発生剤成分として好適に機能し得る。この実施形態において、レジストは、異なる塩化合物の混合物、典型的には2または3つの異なる塩化合物の混合物、より典型的には合計2つの異なる塩化合物からなる混合物を含み得る。
【0020】
本明細書において開示されるTe塩はまた、光活性化後により強い酸を生成する別の異なる酸発生剤と共にフォトレジスト組成物等の光分解性消光剤(PDQ)として使用され得、すなわちTe含有PDQである。
【0021】
PDQとして使用するために、Te塩は、比較的高いpKaを有するアニオン成分(例えば、0より大きいpKaを有するスルファメートまたは3より大きいpKaを有するカルボキシレート)を有し得る。本明細書において言及される場合、pKa値は、23℃の水溶液における値であり、実験的に測定され得る、または例えばAdvanced Chemistry Development(ACD)Labs Software Version11.02を使用して計算され得る。
【0022】
PDQとして使用される本発明の好ましい塩は、同じフォトレジスト組成物等の同じまたは隣接する組成物中に存在する異なる光酸発生剤化合物により生成されるものより、より弱い酸を生成する。したがって、理論に縛られることなく、露光されたフォトレジスト領域中の異なる光酸発生剤によって生成された強酸が未露光フォトレジスト領域に移動するにつれて、未露光領域においてより高いpKaを有する光分解性消光剤が露光領域から拡散した強酸を抑制する。これは未露光領域中の強酸の中和をもたらし、それによりリソグラフィの結果を改善することができる。
【0023】
したがって、特定の好ましい態様において、レジスト組成物のTe含有PDQの酸性成分は、同じフォトレジスト組成物中に存在する異なる光酸発生剤化合物の酸性成分から0.5、1、2、3、または4以上pKaが異なる。
【0024】
また、本発明のフォトレジスト組成物のレリーフ像(50nm未満または20nm未満の寸法を有するパターン化された線を含む)を形成するための方法も提供される。そのような方法は、例えば、a)本発明のフォトレジストのコーティング層を基板上に塗布すること、b)EUVを含む活性化放射線にフォトレジスト組成物層を露光すること、およびc)露光されたフォトレジスト組成物コーティング層を現像することを含んでもよい。
【0025】
また、本発明のフォトレジスト組成物がその上にコーティングされたマイクロエレクトロニクスウエハ等の基板も提供される。開示された方法によって形成された電子デバイスもまた提供される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書において言及される場合、酸発生剤は、活性化放射線、例えばEUV放射線、電子ビーム放射線、または他の放射源、例えば193nmの波長の放射等に暴露された際に酸を生成し得る。本明細書で言及されるような酸発生剤化合物はまた、光酸発生剤化合物と呼ぶことができる。
【0028】
Te塩という用語は、1つ以上のTe原子を含む本明細書において開示される塩化合物を指す。
【0029】
また議論されるように、好ましいTe塩は、光活性であり、193nmおよびEUV放射線等のフォトリソグラフィ放射線と反応性であってもよい。そのような好ましいTe塩のうちの1つ以上は、フォトレジストの光活性成分として使用され得る。しかしながら、本発明はまた、他の態様において、そのような放射線に関しても含めて光活性でなくてもよく、または少なくとも直接的にもしくは別様に光活性レジスト成分として使用されなくてもよいTe塩を含む。
【0030】
好ましいTe塩化合物には、上記に定義される式(I)および(II)のものを含む。
【0031】
上記式(I)および(II)のものにおいて、好適な非水素置換基は、例えば、ハロ(F、Cl、Br、またはI);シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、任意に置換されたC1−20アルキル、任意に置換されたアルキル(例えば任意に置換されたC1−10アルキル)等の、任意に置換されたC1−20アルコキシ、アリール等の好ましくは2〜約20個の炭素原子を有する任意に置換されたアルケニルまたはアルキニル;好ましくは1〜約20個の炭素原子を有する任意に置換されたケトン;好ましくは1〜約20個の炭素原子を有する任意に置換されたアルキルチオ;好ましくは1〜約20個の炭素原子を有する任意に置換されたアルキルスルフィニル;好ましくは1〜約20個の炭素原子を有する任意に置換されたアルキルスルホニル;好ましくは1〜約20個の炭素原子を有する任意に置換されたカルボキシ(−COOR’等の基を含み、R’は、HまたはC
1−8アルキルであり、光酸と実質的に非反応性のエステルを含む);任意に置換されたベンジル等の任意に置換されたアルカリル、任意に置換されたフェニル、ナフチル、アセナフチル等の任意に置換された炭素環式アリール、またはピリジル、フラニル、ピロール、チオフェン、フラン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、フランザン、オキサジアゾール、チアジアゾール、ジチアゾール、テラゾール、ピラン、チオピラン、ジアジン、オキサジン、チアジン、ジオキシン、ジチン、およびトリアジン等の任意に置換されたヘテロ脂環式もしくはヘテロ芳香族基、ならびにそのような部分のうちの1つ以上を含むポリ芳香族基であってもよい。
【0032】
議論されたように、上記式のTe塩は、1つ以上の酸不安定基により、利用可能な位置で好適に置換されてもよい。好適な酸不安定基は、任意に置換されたエチルシクロペンチルエステル、メチルアダマンチルエステル、エチルアダマンチルエステル、t−ブチルエステル、フェニルエステル、ナフチルエステル、ならびにエトキシエチルエーテルおよびエステル等の酸不安定エステルおよびアセタールを含む様々な部分であってもよい。特定の好ましい態様において、本発明のTe塩は、1つまたは2つの共有結合的に連結した酸不安定基を含む。本明細書において言及される場合、酸不安定性部分または基(酸不安定性エステルおよびアセタールを含む)は、任意の放射線露光後の熱暴露を含む典型的なリソグラフィ処理の間、生成された酸(レジスト中の酸発生剤化合物由来)の存在下で反応を起こす。本明細書で言及される場合、酸不安定基はまた、光酸不安定基とも呼ぶことができる。
【0033】
本発明のTe塩は容易に調製され得る。例えば、以下の実施例に記載される合成を参照されたい。
【0034】
1つ以上の2価のテルル原子を含む好適なTe塩アニオン成分は、以下を含む。
【0036】
1つ以上の4価のテルル原子が以下を含む好適なTe塩アニオン成分。
【0038】
フォトレジスト組成物
上記に論じられるように、本明細書において開示されるTe塩は、ポジ型およびネガ型化学増幅型レジスト組成物の両方を含むフォトレジスト組成物中の放射線感受性成分として有用である。
【0039】
本発明のフォトレジストは、典型的には、本明細書において開示されるようなポリマーおよび1つ以上のTe塩を含む。好ましくは、ポリマーは、レジスト組成物にアルカリ性水溶液現像可能性を付与する官能基を有する。例えば、ヒドロキシルまたはカルボキシレート等の極性官能基、またはリソグラフィ処理の際にそのような極性部分を遊離させ得る酸不安定基を含むポリマーが好ましい。好ましくは、ポリマーは、レジストをアルカリ性水溶液で現像可能にするのに十分な量でレジスト組成物に使用される。
【0040】
本発明のTe塩はまた、フェノール、任意に置換されたナフチル、および任意に置換されたアントラセンを含む任意に置換されたフェニル等の、芳香族基を含有する繰り返し単位を含むポリマーと共に好適に使用される。任意に置換されたフェニル(フェノールを含む)含有ポリマーは、EUVおよび電子ビーム放射線で像形成されるものを含めて多くのレジスト系に特に適している。ポジ型レジストの場合、ポリマーはまた、酸不安定基を含む1つ以上の繰り返し単位を含有することが好ましい。例えば、任意に置換されたフェニルまたは他の芳香族基を含むポリマーの場合、ポリマーは、例えば、アクリレートまたはメタクリレート化合物のモノマーの、酸不安定エステルによる重合によって形成されるポリマー(例えば、t−ブチルアクリレートまたはt−ブチルメタクリレート)等、1つ以上の酸不安定部分を含有する繰り返し単位を含むことができる。そのようなモノマーは、任意にフェニル等の芳香族基、例えば、スチレンまたはビニルフェノールモノマーを含む1つ以上の他のモノマーと共重合されてもよい。
【0041】
そのようなポリマーの形成に使用される好ましいモノマーは、下記式(V)を有する酸不安定性モノマー、式(VI)のラクトン含有モノマー、アルカリ性現像剤への溶解速度を調整するための式(VII)の塩基可溶性モノマー、および式(VIII)の光酸発生モノマー、または上記モノマーの少なくとも1つを含む組み合わせを含み、
【0043】
式中、各R
aは、独立して、H、F、−CN、C
1−10アルキル、またはC
1−10フルオロアルキルである。式(V)の酸脱保護可能なモノマーにおいて、R
bは、独立して、C
1−20アルキル、C
3−20シクロアルキル、C
6−20アリールまたはC
7−20アラルキルであり、各R
bは、別個であるか、1つのR
bが隣接するR
bに結合して環状構造を形成する。式(VI)のラクトン含有モノマーにおいて、Lは、単環式、多環式または縮合多環式C
4−20ラクトン含有基である。式(VII)の塩基可溶化モノマーにおいて、Wは、12以下のpKaを有するハロゲン化または非ハロゲン化芳香族または非芳香族C
2−50ヒドロキシル含有有機基である。式(VIII)の光酸発生モノマーにおいて、Qは、エステル含有または非エステル含有およびフッ素化または非フッ素化であり、C
1−20アルキル、C
3−20シクロアルキル、C
6−20アリールまたはC
7−
20アラルキルであり、Aは、エステル含有または非エステル含有およびフッ素化または非フッ素化であり、C
1−20アルキル、C
3−20シクロアルキル、C
6−20アリール、またはC
7−20アラルキルであり、Z
−は、カルボキシレート、スルホネート、スルホンアミドのアニオン、またはスルホンイミドのアニオンを含むアニオン性部分であり、G
+は、スルホニウムまたはヨードニウムカチオンである。
【0044】
例示的な酸不安定性モノマーは、これらに限定されないが、
【0046】
または上記の少なくとも1つを含む組み合わせを含み、式中、R
aは、H、F、−CN、C
1−6アルキル、またはC
1−6フルオロアルキルである。
【0047】
好適なラクトンモノマーは、以下の式(IX)のモノマーであってもよく、
【0049】
式中、R
aは、H、F、−CN、C
1−6アルキル、またはC
1−6フルオロアルキルであり、Rは、C
1−10アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、wは、0から5の整数である。式(IX)において、Rは、ラクトン環に直接結合しているか、またはラクトン環および/もしくは1つ以上のR基に共通して結合しており、エステル部分はラクトン環に直接またはRを介して間接的に結合している。
【0052】
または上記モノマーの少なくとも1つを含む組み合わせを含み、式中、R
aは、H、F、−CN、C
1−10アルキル、またはC
1−10フルオロアルキルである。
【0053】
好適な塩基可溶性モノマーは、以下の式(X)のモノマーであってもよく、
【0055】
式中、各R
aは、独立してH、F、−CN、C
1−10アルキルまたはC
1−10フルオロアルキルであり、Aは、ヒドロキシル含有または非ヒドロキシル含有、エステル含有または非エステル含有、フッ素化または非フッ素化C
1−20アルキレン、C
3−20シクロアルキレン、C
6−20アリーレンまたはC
7−20アラルキレンであり、xは0から4の整数であり、xが0である場合、Aはヒドロキシル含有C
6−20アリーレンである。
【0056】
例示的な塩基可溶性モノマーは、以下の構造:
【0058】
または上記の少なくとも1つを含む組み合わせを含み、式中、R
aは、H、F、−CN、C
1−6アルキル、またはC
1−6フルオロアルキルである。
【0059】
好ましい光酸発生モノマーは、式(XI)または(XII)のモノマーを含む。
【0061】
式中、各R
aは、独立して、H、F、−CN、C
1−6アルキルまたはC
1−6フルオロアルキルであり、Aはフッ素置換C
1−30アルキレン基、フッ素置換C
3−30シクロアルキレン基、フッ素置換C
6−30アリーレン基、またはフッ素置換C
7−30アルキレン−アリーレン基であり、G
+は、スルホニウムまたはヨードニウムカチオンである。
【0062】
好ましくは、式(XI)および(XII)中、Aは、−[(C(R
1)
2)
xC(=O)O]
b−C((R
2)
2)
y(CF
2)
z−基、またはo−、m−もしくはp−置換−C
6F
4−基であり、各R
1およびR
2は、それぞれ独立して、H、F、−CN、C
1−6フルオロアルキル、またはC
1−6アルキルであり、bは、0または1であり、xは、1から10の整数であり、yおよびzは、独立して、0から10の整数であり、y+zの合計は、少なくとも1である。
【0063】
例示的な好ましい光酸発生モノマーは、
【0065】
または上記の少なくとも1つを含む組み合わせを含み、式中、各R
aは、独立して、H、F、−CN、C
1−6アルキル、またはC
1−6フルオロアルキルであり、kは、好適には0から5の整数であり、G
+は、スルホニウムまたはヨードニウムカチオンである。
【0066】
好ましい光酸発生モノマーは、スルホニウムまたはヨードニウムカチオンを含み得る。好ましくは、式(IV)中、G
+は式(XIII)のものである。
【0068】
式中、Xは、SまたはIであり、各R
0は、ハロゲン化または非ハロゲン化であり、独立して、C
1−30アルキル基;多環式もしくは単環式C
3−30シクロアルキル基;多環式もしくは単環式C
4−30アリール基;または上記の少なくとも1つを含む組み合わせであり、XがSである場合、R
0基の1つは、単結合によって1つの隣接するR
0基に任意に結合し、aは、2もしくは3であり、XがIである場合、aは2であり、または、XがSである場合、aは3である。
【0069】
例示的な酸生成モノマーは、以下の式を有するモノマーを含む。
【0071】
式中、R
aは、H、F、−CN、C
1−6アルキル、またはC
1−6フルオロアルキルである。
【0072】
本発明のポジ型化学増幅型フォトレジストにおいて使用するための酸不安定性脱保護基を有する特に好適なポリマーは、欧州特許出願第0829766A2号(アセタールおよびケタールポリマーを有するポリマー)ならびに欧州特許出願第EP0783136A2号1)スチレン;2)ヒドロキシスチレン;および3)酸不安定基、特にアルキルアクリレート酸不安定基の単位を含むターポリマーおよび他のコポリマーにおいて開示されている。
【0073】
本発明のフォトレジストにおいて使用するためのポリマーは、好適には、分子量および多分散性が広範囲に変動し得る。好適なポリマーは、約3以下の分子量分布、より典型的には約2以下の分子量分布を有する、約1,000〜約50,000、より典型的には約2,000〜約30,000のM
wを有するものを含む。
【0074】
本発明のフォトレジストはまた、他の材料を含んでもよい。例えば、他の任意の添加剤は、化学線および造影剤、条線防止剤、可塑剤、速度向上剤、増感剤、光分解性塩基等を含む。そのような任意の添加剤は、典型的には、フォトレジスト組成物中に低濃度で存在する。
【0075】
塩基性材料、好ましくは光分解性カチオンのカルボン酸塩またはスルホン酸塩を含むことにより、酸分解性基からの酸を中和するための機構がもたらされ、光生成酸の拡散が制限され、それによりフォトレジストのコントラストが改善される。
【0076】
光分解性塩基は、光分解性カチオンを含み、好ましくは、弱(pKa>2)酸、例えばC
1−20カルボン酸等のアニオンと対になる酸発生化合物の調製にも有用であるものを含む。例示的なそのようなカルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、コハク酸、シクロヘキシルカルボン酸、安息香酸、サリチル酸および他のそのようなカルボン酸を含む。
【0077】
代替的には、または加えて、他の添加剤は、例えば、水酸化物、カルボキシレート、アミン、イミン、およびアミドに基づくもの等の非光分解性塩基である消光剤を含み得る。好ましくは、そのような消光剤は、C
1−30有機アミン、イミン、もしくはアミドを含むか、あるいは強塩基(例えば、水酸化物もしくはアルコキシド)または弱塩基(例えば、カルボキシレート)のC
1−30四級アンモニウム塩であってもよい。例示的な消光剤は、アミン、例えばトリプロピルアミン、ドデシルアミン、1,1’,1’’−ニトリロトリプロパン−2−オール、1,1’,1’’,1’’’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザントリイル))テトラプロパン−2−オール;アリールアミン、例えばジフェニルアミン、トリフェニルアミン、アミノフェノール、および2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、トレーガー塩基、ヒンダードアミン、例えばジアザビシクロウンデセン(DBU)もしくはジアザビシクロノネン(DBN)、または四級アルキルアンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)もしくはテトラブチルアンモニウムラクテートを含むイオン性消光剤を含む。
【0078】
界面活性剤は、フッ素化および非フッ素化界面活性剤を含み、好ましくは非イオン性である。例示的なフッ素化非イオン性界面活性剤は、3M Corporationから入手可能なFC−4430およびFC−4432界面活性剤等のパーフルオロC
4界面活性剤、OmnovaからのPOLYFOX PF−636、PF−6320、PF−656、およびPF−6520フルオロ界面活性剤等のフルオロジオールを含む。
【0079】
フォトレジストは、フォトレジストにおいて使用される成分を溶解、分配、およびコーティングするために一般的に好適な溶媒をさらに含む。例示的な溶媒は、アニソール、乳酸エチル、1−メトキシ−2−プロパノールおよび1−エトキシ−2−プロパノールを含むアルコール、n−ブチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、メトキシエトキシプロピオネート、エトキシエトキシプロピオネートを含むエステル、シクロヘキサノンおよび2−ヘプタノンを含むケトン、ならびに上記溶媒の少なくとも1つを含む組み合わせを含む。
【0080】
そのようなフォトレジストは、固体の総重量を基準として50〜99重量%、具体的には55〜95重量%、より具体的には60〜90重量%、さらにより具体的には65〜90の量のコポリマーを含んでもよい。利用される場合、光分解性基剤は、固体の総重量を基準として0.01〜5重量%、具体的には0.1〜4重量%、さらにより具体的には0.2〜3重量%の量でフォトレジスト中に存在してもよい。界面活性剤は、固体の総重量を基準として0.01〜5重量%、具体的には0.1〜4重量%、さらにより具体的には0.2〜3重量%の量で含まれてもよい。消光剤は、例えば、固体の総重量を基準として0.03〜5重量%の比較的少量で含まれてもよい。他の添加剤は、固体の総重量を基準として30重量%以下、具体的には20重量%以下、より具体的には10重量%以下の量で含まれてもよい。フォトレジスト組成物の全固体含量は、固体および溶媒の総重量を基準として0.5〜50重量%、具体的には1〜45重量%、より具体的には2〜40重量%、さらにより具体的には5〜30重量%であってもよい。光酸発生剤として使用される場合、Te塩化合物は、レジストのコーティング層中に潜像を生成し得るために十分な量で存在すべきである。より具体的には、1つ以上のTe塩化合物は、好適には、レジストの全固体の約1〜50重量パーセントの量で存在する。固体は、コポリマー、光分解性塩基、消光剤、界面活性剤、添加された任意のPAG、および溶媒を除くあらゆる任意選択的な添加剤を含むことが理解されるだろう。
【0081】
コーティングされた基板は、レジストのコーティング層中に潜像を生成し得るために十分な量で存在すべきである酸発生剤化合物(本明細書において開示されるようなTe塩であってもよい)を含むフォトレジストから形成されてもよい。そのようなコーティングされた基板は、(a)基板の表面上にパターン化される1つ以上の層を有する基板と、(b)パターン化される1つ以上の層にわたる1つ以上のTe塩を含むフォトレジスト組成物の層とを含む。EUVまたは電子ビーム像形成の場合、フォトレジストは、例えば酸発生剤化合物として機能し得る1つ以上のTe塩が、レジストの全固体の5〜10から約65重量パーセントを含む場合、比較的高い含有量のTe塩を好適に有し得る。典型的には、より少量の光活性成分が、化学増幅型レジストに好適である。
【0082】
本発明のフォトレジストは、一般に、本発明の1つ以上のTe塩がフォトレジストに含まれ、特定の態様においては、そのようなフォトレジストの配合に使用される従来の光活性化合物の代わりに使用されることを除いて、既知の手順に従って調製される。本発明のフォトレジストは、既知の手順に従って使用することができる。
【0083】
基板は、任意の寸法および形状のものであってもよく、好ましくは、フォトリソグラフィに有用なもの、例えば、シリコン、二酸化シリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、歪みシリコン、ヒ化ガリウム、窒化シリコンでコーティングされたものを含むコーティングされた基板、オキシ窒化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、酸化ハフニウム等の超薄型ゲート酸化物、チタン、タンタル、銅、アルミニウム、タングステン、それらの合金でコーティングされたものを含む金属または金属コーティング基板、およびそれらの組み合わせである。好ましくは、本明細書における基板の表面は、例えば、半導体製造のための基板上の1つ以上のゲートレベル層または他の限界寸法層を含む、パターン化される限界寸法層を含む。そのような基板は、好ましくは、例えば20cm、30cm、またはそれを超える直径等の寸法、またはウエハ製造生産に有用な他の寸法を有する円形ウエハとして形成されたシリコン、SOI、歪みシリコン、および他のそのような基板材料を含み得る。
【0084】
さらに、電子デバイスを形成する方法は、(a)基板の表面上を含むフォトレジスト組成物の層を塗布することと、(b)フォトレジスト組成物層を活性化放射線にパターン状に露光することと、(c)露光されたフォトレジスト組成物層を現像して、レジストレリーフ像を提供することとを含む。
【0085】
塗布は、スピンコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、ドクターブレード等を含む任意の好適な方法によって達成され得る。フォトレジストの層を塗布することは、好ましくは、フォトレジストが回転するウエハ上に分配されるコーティングトラックを使用して、溶媒中のフォトレジストをスピンコーティングすることにより達成される。分注の間、ウエハは、4000rpmまで、好ましくは約500〜3000rpm、より好ましくは1,000〜2,500rpmの速度で回転させることができる。コーティングされたウエハを回転させて溶媒を除去し、ホットプレート上で焼成してフィルムから残留溶媒および自由体積を除去し、均一に緻密化する。
【0086】
次いで、ステッパ等の露光ツールを使用してパターン状に露光が行われるが、フィルムは、パターンマスクを介して照射され、それによりパターン状に露光される。この方法は、好ましくは、極端紫外線(EUV)または電子ビーム放射を含む高解像度を可能とする波長で活性化放射線を生成する高度な露光ツールを使用する。活性化放射線を使用した露光は、露光された領域のPAGを分解し、酸および分解副生成物を生成すること、また次いで酸がポリマー中で化学変化を起こす(酸感受性基を脱ブロックして塩基可溶性基を生成する、または代替として露光領域における架橋反応を触媒する)ことが理解されるであろう。そのような露光ツールの解像度は、30nm未満となり得る。
【0087】
次いで、フィルムの露光部分を選択的に除去する(フォトレジストがポジ型である場合)か、またはフィルムの非露光部分を除去する(フォトレジストが露光された領域で架橋可能である、すなわちネガ型である場合)ことができる、好適な現像剤で処理することによって、露光されたフォトレジスト層の現像を達成することができる。好ましくは、フォトレジストは、酸感受性(脱保護性)基を有するポリマーをベースとするポジ型であり、現像剤は、好ましくは金属イオン不含水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液、例えば0.26N水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液である。現像によってパターンが形成される。
【0088】
さらに、ポジ型レジストの場合、ネガ型現像用の好適な非極性溶媒による処理によって、非露光領域を選択的に除去することができる。ポジ型フォトレジストのネガ型現像のための好適な手順については、U.S.2011/0294069を参照されたい。ネガ型現像用の典型的な非極性溶媒は、有機現像剤、例えばケトン、エステル、炭化水素、およびそれらの混合物、例えばアセトン、2−ヘキサノン、酢酸メチル、酢酸ブチル、およびテトラヒドロフランから選択される溶媒である。
【0089】
フォトレジストは、1つ以上のそのようなパターン形成プロセスで使用される場合、メモリデバイス、プロセッサチップ(CPUの)、グラフィックスチップ、および他のそのようなデバイス等の電子およびオプトエレクトロニクスデバイスを製造するために使用され得る。
【0090】
以下の非限定的な実施例は、本発明を例示するものである。
【0091】
実施例1:Te塩合成
実施例1A:TPS DPTe−TFPS(8)と称するTe塩(光酸発生剤)化合物の合成のための反応工程は、スキーム1に示される。4−(フェニルテルロ)フェノール(5)の合成は、C.PrasadらのJournal of Organic Chemistry,78(4),1434−1443;2013によって説明される。塩4を次のように調製する:200mLのエタノール中の5−ブロモ−4,4,5,5−テトラフルオロペンタン酸(35g)の溶液に、p−トルエンスルホン酸(0.3g)を添加し、混合物を還流で6時間加熱した。混合物を室温に冷却し、溶媒を完全に除去して5−ブロモ−4,4,5,5−テトラフルオロペンタン酸エチルエステル(2)を生成し、これをさらに精製することなく次の工程で使用する。150mLのアセトニトリル中の化合物2の溶液に、48.0gの二チオン酸ナトリウム、34.0gの炭酸水素ナトリウム、および150mLの水からなる溶液を添加する。得られた混合物を70℃で16時間撹拌し、次いで室温に冷却する。放置すると、混合物は水相と有機(アセトニトリル)相の2つの相に分離される。有機相を分離し、30%過酸化水素水溶液20gと混合し、混合物を室温で48時間撹拌する。過剰な過酸化水素は、亜硫酸ナトリウムの添加によって中和される。次いで、溶媒アセトニトリルを減圧下で除去して塩3を生成する。100mlの水中の塩3の溶液に5gの水酸化ナトリウムを添加し、混合物を4時間還流し、室温に冷却し、1N HClの水溶液でpH=2になるまで酸性化する。水を、減圧下で完全に除去する。得られた残渣を、アセトニトリルに懸濁し、濾過して無機物を除去し、アセトニトリルを、減圧下で完全に除去して最終生成物4を生成する(収量:13.5g)。50mLのアセトニトリル中の塩4(5.0g、16.8mmol)の溶液に、2.93g(18.1mmol)の1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)を添加する。混合物を、室温で1時間撹拌する。4−(フェニルテルロ)フェノール(5.40g、18.13mmol)を一度に添加する。混合物を、70℃で6時間撹拌し、室温に冷却し、濾過して不溶性塩を除去する。濾液を濃縮して粗塩6を生成する。塩6および臭化トリフェニルスルホニウム(6.20g、18.10)を、100mLのジクロロメタンおよび100mLの水と混合し、混合物を、室温で16時間撹拌する。有機相を分離し、100mLの脱イオン水で2回洗浄する。有機相からの溶媒を低減下で完全に除去して、Te塩(光酸発生剤)化合物TPS DPTe−TFPS(8)を生成する。
【0093】
スキーム1
実施例1B:TPS TBPTeP−TFBS(13)と称するTe塩(光酸発生剤化合物)の合成のための反応工程は、以下のスキーム2に示される。ビス(4−ヒドロキシフェニル)テルリド(9)の合成は、S.ZhangらのTetrahedron Letters,54(20),2452−2454;2013によって説明される。75mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の化合物9(10.0g、31.80mmol)の溶液に、クロロ酢酸tert−ブチルエステル(4.80g、3.90mmol)および炭酸カリウム4.40gを添加する。混合物を不活性雰囲気下で、80℃で6時間撹拌し、室温に冷却し、150mLの水に注いで残渣を生成し、望ましい生成物11および他の有機成分の混合物を含む。生成物11を、カラムクロマトグラフィーによって他の成分から分離する。50mLのアセトニトリル中の塩4(2.50g、8.4mmol)の溶液に、1,1’―カルボニルジイミダゾール(CDI)1.47g(9.0mmol)を添加する。混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで化合物11(3.80g、9.05mmol)を一度に添加する。混合物を、70℃で6時間撹拌し、室温に冷却し、濾過して不溶性塩を除去する。濾液を濃縮して粗製塩12を生成する。塩12および臭化トリフェニルスルホニウム(3.09g、9.0)を、100mLのジクロロメタンおよび100mLの水と混合し、混合物を室温で16時間撹拌する。有機相を分離し、100mLの脱イオン水で2回洗浄する。有機相からの溶媒を低減下で完全に除去して、Te塩(光酸発生剤化合物)TPS TBPTeP−TFBS(13)を生成する。
【0095】
スキーム2
実施例1C:TPS HPTePAc(16)と称するTe塩(光酸発生剤化合物)の合成のための反応工程は、以下のスキーム3に示される。化合物11の合成は、上記の実施例1Bに説明される。100mLのジクロロメタン中の10gの化合物11(23.4mmol)の溶液に添加し、ジオキサン中の4MのHCl溶液10mLで処理する。混合物を、室温で16時間撹拌する。溶媒を反応混合物から除去して、化合物14を生成する。50mLの水および50mLのメタノール中の化合物14の懸濁液を、1N水酸化ナトリウム水溶液でpH=11になるまで処理して、塩の水溶液15を生成する。臭化トリフェニルスルホニウム(8.0g、23.3mmol)を15の溶液に添加し、混合物を室温で16時間撹拌する。溶媒を、減圧下で完全に除去して粗光活性化合物TPS HPTePAc(16)を生成する。16の精製は、シリカゲルカラムを完全に通過させることを介して達成される。
【0097】
スキーム3:
実施例1D:TPS DPDITe−TFPS(16)と称するTe塩(光酸発生剤化合物)の合成は、以下のスキーム4に示される。ジエチルエーテル(10mL)中のヨウ素(2.0g、7.9mmol)の溶液を、エタノール(25mL)中の化合物8(6.3g、7.9mmol)の溶液に撹拌しながら添加する。生成物を単離し、乾燥させる。
【0099】
スキーム4
実施例1E:BTPS DPTe−BTPrS(19)と称するTe塩(光活性化合物)の合成は、以下のスキーム5に示される。塩18の合成は、Kanda T.のJ.Org.Chem.1999,64,8161−8169によって説明される。30mLのジクロロメタンおよび30mLの水の混合物中の塩18(1.0g、1.66mmol)および臭化トリフェニルスルホニウム(1.14g、3.32mmol)からなる溶液を、室温で16時間撹拌する。有機相を分離し、25mLの脱イオン水で5回洗浄し、濃縮し、ヘプタンに注ぎ、化合物BTPS DPTe−BTPrS(19)を得る。
【0101】
スキーム5
実施例1F:BTPS DPTe−BTFBS(22)と称するTe塩(光活性化合物)の合成は、以下のスキーム6に示される。化合物20の合成は、Coleyらの米国特許出願公開第US2012/0172555A1号に記載されている。18の調製のための同様の手順を塩21の調製に使用する。15mLのジクロロメタンおよび15mLの水の混合物中の塩21(1.0g、1.29mmol)および臭化トリフェニルスルホニウム(0.88g、2.58mmol)からなる溶液を、室温で16時間撹拌する。有機相を分離し、20mLの脱イオン水で5回洗浄し、濃縮し、ヘプタンに注ぎ、化合物BTPS DPTe−BTFB(22)を得る。
【0103】
スキーム6
実施例2:EUV透過率計算
EUV放射線でのフィルム吸収に対する新たな塩の使用の効果は、透過率計算データによって例示される。組成物の実施例から作製されたフィルムのEUV露光(13.5nm)での透過率は、計算された組成物分子式を入力し、1.20g/cm
3のフィルム密度および60nmのフィルム厚を仮定することにより、ローレンス・バークレー国立研究所のX線光学センターのウェブサイトから計算された。
【0104】
PAG化合物TPS Tf、TPS DPTe−TFPS、およびTPS DPDITe−TFPS(化20に示される)の各々からなるフィルムの計算された透過率%を、フィルム密度が1g/cm
3であると仮定して、60nmのフィルム厚を計算した。TPS Tfからなるフィルムの透過率は、77.4%であり、TPS DPTe−TFPSからなるフィルムの透過率は、72.70%であり、TPS DPDITe−TFPSからなるフィルムの透過率は、67.0%である。これらのデータは、テルル含有PAG化合物のPAG吸収の著しい増加を確認する。
【0105】
以下の表1は、ベースポリマーP1(スキーム5に示される)およびTe塩を含む組成物の計算された透過率%を示す。比較組成物C1〜C4は、ポリマーP1および光酸発生剤トリフェニルスルホニウムトリフレート(TPS Tf)を、それぞれ5モル%、10モル%、または15モル%で含む。本発明の組成物I1〜I3は、ポリマーP1および光酸発生剤TPS DPTe−TFPSを、それぞれ5、10モル%、または15モル%で含む。本発明の組成物I4〜I6は、ポリマーP1および光酸発生剤TPS DPDITe−TFPSを、それぞれ5、10モル%、および15モル%で含む。表2から分かるように、より低い透過率および定義による増加された吸光度は、本発明の実施例を含む配合物のために得られる。興味深いことに、PAG TPS Tfを含む比較配合の透過率は、PAG負荷量によって影響されない。しかしながら、本発明のPAGを含む透過配合I1〜I6は、PAG負荷の増加と共に減少する。