(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965235
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】有機電界発光ダイオード基板及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
H05B 33/04 20060101AFI20211028BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20211028BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20211028BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20211028BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20211028BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20211028BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20211028BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
H05B33/04
H05B33/14 A
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
H05B33/10
H01L27/32
G09F9/30 336
G09F9/30 365
G09F9/30 309
G09F9/00 338
G09F9/00 366A
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-500707(P2018-500707)
(86)(22)【出願日】2017年5月24日
(65)【公表番号】特表2019-521466(P2019-521466A)
(43)【公表日】2019年7月25日
(86)【国際出願番号】CN2017085700
(87)【国際公開番号】WO2018006662
(87)【国際公開日】20180111
【審査請求日】2020年3月4日
(31)【優先権主張番号】201610532406.3
(32)【優先日】2016年7月7日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲維▼
【審査官】
小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−050245(JP,A)
【文献】
特開2013−239138(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/098268(WO,A1)
【文献】
特開2013−031794(JP,A)
【文献】
特開2011−039759(JP,A)
【文献】
特開2015−198138(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/114404(WO,A1)
【文献】
韓国公開特許第10−2011−0020049(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50 − 51/56
H01L 27/32
H05B 33/00 − 33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベース上に設けられた有機電界発光ユニットと、
前記有機電界発光ユニット上に設けられたフィルムパッケージ層と、
前記フィルムパッケージ層に設けられた複数の第1の電極と複数の第2の電極と、を有し、
前記フィルムパッケージ層は、前記有機電界発光ユニット上に前記ベースから離れるように交互に積層されたN個の無機膜層とN個の有機膜層とを備え、Nは2以上の整数であり、
前記複数の第1の電極は前記N個の有機膜層のうちの1つの有機膜層に埋め込まれ、前記複数の第2の電極は前記N個の有機膜層のうちのもう1つの有機膜層に埋め込まれ、前記無機膜層の少なくとも1つが、前記N個の有機膜層のうちのもう1つの有機膜層と前記N個の有機膜層のうちの1つの有機膜層との間に配置される、有機電界発光ダイオード基板。
【請求項2】
前記1つの有機膜層には複数本の第1の溝が設けられ、前記もう1つの有機膜層には複数本の第2の溝が設けられ、複数本の前記第1の溝と複数本の前記第2の溝は前記ベースでの正投影が交差するように設けられ、
前記第1の溝の各々に前記複数の第1の電極の1つが充填され、前記第2の溝の各々に前記複数の第2の電極の1つが充填された、請求項1に記載の有機電界発光ダイオード基板。
【請求項3】
前記ベース上に設けられ、前記有機電界発光ユニットを限定する画素限定層をさらに有し、
前記画素限定層の前記ベースでの正投影が、前記複数の第1の電極の前記ベースでの正投影を完全に覆う、請求項1に記載の有機電界発光ダイオード基板。
【請求項4】
前記有機電界発光ユニットは、アノード層、発光層、カソード層を備え、
前記アノード層はベースの上方に設けられ、前記画素限定層は前記アノード層の上方に設けられ、前記アノード層の部分を露出する開口を備え、前記発光層は前記画素限定層の開口内に設けられ、前記開口により露出された前記アノード層の部分に位置し、前記カソード層は前記画素限定層と前記発光層の上方に設けられ、
又は、前記カソード層はベースの上方に設けられ、前記画素限定層は前記カソード層の上方に設けられ、前記カソード層の部分を露出する開口領域を備え、前記発光層は前記画素限定層の開口領域に設けられ、前記開口領域により露出された前記カソード層の部分に位置し、前記アノード層は前記画素限定層と前記発光層の上方に設けられた、請求項3に記載の有機電界発光ダイオード基板。
【請求項5】
隣接する2つの前記第2の電極の間の水平方向の距離は100〜2000μmである、請求項1に記載の有機電界発光ダイオード基板。
【請求項6】
前記第1の溝と前記第2の溝の幅はいずれも3〜20μmである、請求項2に記載の有機電界発光ダイオード基板。
【請求項7】
前記第1の溝と前記第2の溝の深さはいずれも1〜5μmである、請求項2に記載の有機電界発光ダイオード基板。
【請求項8】
前記第1の電極と前記第2の電極は、銀、金、銅、アルミニウムのいずれか1種あるいは2種以上を含む、請求項1に記載の有機電界発光ダイオード基板。
【請求項9】
前記有機膜層の厚さは3〜12μmである、請求項1に記載の有機電界発光ダイオード基板。
【請求項10】
前記無機膜層の厚さは0.2〜1.0μmである、請求項1に記載の有機電界発光ダイオード基板。
【請求項11】
前記Nは3以上であり、前記N個の無機膜層とN個の有機膜層は、前記ベースから離れるように1からNの順序で前記有機電界発光ユニット上に交互に積層され、前記第1の電極はN−1個目の有機膜層に設けられ、前記第2の電極はN個目の有機膜層に設けられた、請求項1に記載の有機電界発光ダイオード基板。
【請求項12】
前記N個の無機膜層とN個の有機膜層は、前記ベースから離れるように1からNの順序で前記有機電界発光ユニット上に交互に積層され、前記有機電界発光ダイオード基板は、N個目の有機膜層上に設けられた保護層をさらに有する、請求項1に記載の有機電界発光ダイオード基板。
【請求項13】
前記保護層は無機膜層又は有機膜層である、請求項12に記載の有機電界発光ダイオード基板。
【請求項14】
ベース上に有機電界発光ユニットと画素限定層を形成するステップと、
前記有機電界発光ユニット上にフィルムパッケージ層及び前記フィルムパッケージ層に位置する複数の第1の電極と複数の第2の電極を形成するステップと、を含み
フィルムパッケージ層及び複数の第1の電極と複数の第2の電極を形成する前記ステップは、
前記有機電界発光ユニット上に前記ベースから離れて交互に積層するようにN個の無機膜層とN個の有機膜層を形成することと、
前記N個の有機膜層のうちの1つを形成した後、かつ前記N個の無機膜層のうちの前記1つの有機膜層に直接積層される1つの無機膜層を形成する前に、前記1つの有機膜層に複数本の第1の溝を形成し、前記第1の溝の各々に前記複数の第1の電極の1つを形成することと、
前記N個の有機膜層のうちのもう1つの有機膜層を形成した後、かつ前記N個の無機膜層のうちの前記もう1つの有機膜層に直接積層されるもう1つの無機膜層を形成する前に、前記もう1つの有機膜層に複数本の第2の溝を形成し、前記ベースでの正投影が交差するように複数本の前記第1の溝と複数本の前記第2の溝を設け、前記第2の溝の各々に第2の電極の1つを形成することと、を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の有機電界発光ダイオード基板の製造方法。
【請求項15】
前記有機膜層の形成は、インクジェット記録方式で有機膜層を形成することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
有機膜層に複数本の第1の溝を形成する前記ステップは、
前記有機膜層の前記ベースから離れている表面をインプリントすることで有機膜層に前記複数本の第1の溝を形成することを含み、
有機膜層に複数本の第2の溝を形成する前記ステップは、
前記有機膜層の前記ベースから離れている表面をインプリントすることで有機膜層に前記複数本の第2の溝を形成することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記インプリントはN2又は真空環境下で行う、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の溝に第1の電極を形成する前記ステップは、
インクジェット記録方式で第1の溝にナノ金属粒子インクを記録することと、
光子焼結又はレーザパルス焼結方式でナノ金属粒子に対し導電化処理を行って第1の電極を形成することと、を含み、
前記第2の溝に第2の電極を形成する前記ステップは、
インクジェット記録方式で第2の溝にナノ金属粒子インクを記録することと、
光子焼結又はレーザパルス焼結方式でナノ金属粒子に対し導電化処理を行って第2の電極を形成することと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の有機電界発光ダイオード基板を有する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示技術分野に属し、具体的には有機電界発光ダイオード基板及びその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光電表示技術分野において、有機電界発光素子(Organic Light Emitting Diode、略称OLED)は、自己発光、高輝度、高コントラスト、超薄、低消費電力、広視野角及び広範囲の動作温度など様々な利点を有し、広く応用が可能である先進的な新型フラットパネル表示装置である。
【0003】
しかし、有機材料固有の特性のため、有機電界発光素子は水を含む酸素を吸収し易く、水を含む酸素が侵食すると極めて消耗、劣化し易く、素子寿命に大きく影響することから、OLED素子のパッケージに対する要求は高い。
【0004】
現在、従来のガラスカバー又は金属カバー及び乾燥シートのパッケージ、面パッケージ(Face Encapsulation)、溶接パッケージ(Frit Encapsulation)、フィルムパッケージ(TFE,Thin Film Encapsulation)などを含むOLED素子のパッケージ技術も日々成熟している。なかでも、フィルムパッケージ技術は、素子の重量や厚さの減少、パッケージ部品の減少、パッケージコストの低減、パッケージ縁辺幅の減少、表示死角解消及び折り曲げ可能な湾曲性などの方面において際立った利点を有する。
【0005】
一方、タッチ機能付きOLED基板においては、通常、OLED素子を形成した基板にタッチ電極と感知電極をさらに設ける必要がある。従来のタッチOLED基板は集積度が低く、厚さが大きく、表示パネルの薄型化及び軽量化の妨げになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は従来技術における問題点の1つを少なくとも一部解決するものであり、統合性が高く、機能が多い有機電界発光ダイオード基板及びその製造方法、表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの方面において、本発明は、ベースと、前記ベース上に設けられた有機電界発光ユニットと、前記有機電界発光ユニット上に設けられたフィルムパッケージ層と、前記フィルムパッケージ層に設けられた複数の第1の電極と複数の第2の電極と、を有し、前記フィルムパッケージ層は、前記有機電界発光ユニット上に前記ベースから離れるように交互に積層されたN個の無機膜層とN個の有機膜層とを備え、Nは2以上の整数であり、前記N個の有機膜層は各々が前記N個の無機膜層のうちの1つに積層され、前記複数の第1の電極は前記N個の有機膜層のうちの1つの有機膜層に埋め込まれ、前記複数の第2の電極は前記N個の有機膜層のうちのもう1つの有機膜層に埋め込まれた有機電界発光ダイオード基板を提供する。
【0008】
任意で、前記1つの有機膜層には複数本の第1の溝が設けられ、前記もう1つの有機膜層には複数本の第2の溝が設けられ、複数本の前記第1の溝と複数本の前記第2の溝は前記ベースでの正投影が交差するように設けられ、前記第1の溝の各々に前記複数の第1の電極の1つが充填され、前記第2の溝の各々に前記複数の第2の電極の1つが充填されてもよい。
【0009】
任意で、前記有機電界発光ユニットは前記ベース上に設けられ、前記有機電界発光ユニットを限定する画素限定層をさらに有し、前記画素限定層の前記ベースでの正投影が、前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極の前記ベースでの正投影を完全に覆ってもよい。
【0010】
任意で、前記有機電界発光ユニットは、アノード層、発光層、カソード層をさらに有し、
前記アノード層はベースの上方に設けられ、前記画素限定層は前記アノード層の上方に設けられ、前記アノード層の部分を露出する開口を備え、前記発光層は前記画素限定層の開口内に設けられ、前記開口により露出された前記アノード層の部分に位置し、前記カソード層は前記画素限定層と前記発光層の上方に設けられ、
又は、前記カソード層はベースの上方に設けられ、前記画素限定層は前記カソード層の上方に設けられ、前記カソード層の部分を露出する開口領域を備え、前記発光層は前記画素限定層の開口領域に設けられ、前記開口領域により露出された前記カソード層の部分に位置し、前記アノード層は前記画素限定層と前記発光層の上方に設けられてもよい。
【0011】
任意で、隣接する2つの前記第2の電極の間の水平方向の距離は100〜2000μmであってもよい。
【0012】
任意で、前記第1の溝と前記第2の溝の幅はいずれも3〜20μmであってもよい。
【0013】
任意で、前記第1の溝と前記第2の溝の深さはいずれも1〜5μmであってもよい。
【0014】
任意で、前記第1の電極と前記第2の電極は、銀、金、銅、アルミニウムのいずれか1種あるいは2種以上を含んでもよい。
【0015】
任意で、前記有機膜層の厚さは3〜12μmであってもよい。
【0016】
任意で、前記無機膜層の厚さは0.2〜1.0μmであってもよい。
【0017】
任意で、前記Nは3以上であり、前記N個の無機膜層とN個の有機膜層は、前記ベースから離れるように1からNの順序で前記有機電界発光ユニット上に交互に積層され、前記第1の電極はN−1個目の有機膜層に設けられ、前記第2の電極はN個目の有機膜層に設けられてもよい。
【0018】
任意で、前記N個の無機膜層とN個の有機膜層は、前記ベースから離れるように1からNの順序で前記有機電界発光ユニット上に交互に積層され、前記有機電界発光ダイオード基板は、N個目の有機膜層上に設けられた保護層をさらに有してもよい。
【0019】
任意で、前記保護層は無機膜層又は有機膜層であってもよい。
【0020】
ある側面において、本発明は、
ベース上に有機電界発光ユニットと画素限定層を形成するステップと、
前記有機電界発光ユニット上にフィルムパッケージ層及び、前記フィルムパッケージ層に位置する複数の第1の電極と複数の第2の電極を形成するステップと、を含み、
フィルムパッケージ層及び複数の第1の電極と複数の第2の電極を形成する前記ステップは、
前記有機電界発光ユニット上に前記ベースから離れて交互に積層するようにN個の無機膜層とN個の有機膜層を形成することと、
前記N個の有機膜層のうちの1つを形成した後、かつ前記N個の無機膜層のうちの前記1つの有機膜層に直接積層される1つの無機膜層を形成する前に、前記1つの有機膜層に複数本の第1の溝を形成し、前記第1の溝の各々に前記複数の第1の電極の1つを形成することと、
前記N個の有機膜層のうちのもう1つの有機膜層を形成した後、かつ前記N個の無機膜層のうちの前記もう1つの有機膜層に直接積層されるもう1つの無機膜層を形成する前に、前記もう1つの有機膜層に複数本の第2の溝を形成し、前記ベースでの正投影が交差するように複数本の前記第1の溝と複数本の前記第2の溝を設け、前記第2の溝の各々に第2の電極の1つを形成することと、を含む、有機電界発光ダイオード基板の製造方法を提供する。
【0021】
任意で、前記有機膜層の形成は、インクジェット記録方式で有機膜層を形成することを含んでもよい。
【0022】
任意で、有機膜層に複数本の第1の溝を形成する前記ステップは、
前記有機膜層の前記ベースから離れている表面をインプリントすることで有機膜層に前記複数本の第1の溝を形成することを含み、
有機膜層に複数本の第2の溝を形成する前記ステップは、
前記有機膜層の前記ベースから離れている表面をインプリントすることで有機膜層に前記複数本の第2の溝を形成することを含んでもよい。
【0023】
任意で、前記インプリントはN
2又は真空環境下で行ってもよい。
【0024】
任意で、前記第1の溝に第1の電極を形成する前記ステップは、
インクジェット記録方式で第1の溝にナノ金属粒子インクを記録することと、
光子焼結又はレーザパルス焼結方式でナノ金属粒子に対し導電化処理を行って第1の電極を形成することと、を含み、
前記第2の溝に第2の電極を形成する前記ステップは、
インクジェット記録方式で第2の溝にナノ金属粒子インクを記録することと、
光子焼結又はレーザパルス焼結方式でナノ金属粒子に対し導電化処理を行って第2の電極を形成することと、を含んでもよい。
【0025】
他の側面において、本発明は、上記の有機電界発光ダイオード基板を有する表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の構造を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の第1の溝を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の第2の溝を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の第1の電極と第2の電極の交差で限定するグリッドパターンを示す模式図である。
【
図5】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の製造方法を示すフロー図である。
【
図6】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の製造方法におけるステップ一を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の製造方法におけるステップ二を示す模式図である。
【
図8】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の製造方法におけるステップ三を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の製造方法におけるステップ四を示す模式図である。
【
図10】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の製造方法におけるステップ五を示す模式図である。
【
図11】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の製造方法におけるステップ六を示す模式図である。
【
図12】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の製造方法におけるステップ七を示す模式図である。
【
図13】本発明の実施例に係る有機電界発光ダイオード基板の製造方法におけるステップ八を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の技術案を当業者がより良く理解できるように、以下では、図面及び実施形態を参照しながら本発明について詳細に説明する。
【0028】
ある側面において、本発明の実施例は有機電界発光ダイオード基板を提供する。
図1〜3を参照すると、有機電界発光ダイオード基板は、ベース1と、ベース1上に設けられた有機電界発光ユニット2と、有機電界発光ユニット2上に設けられたフィルムパッケージ層と、フィルムパッケージ層に設けられた複数の第1の電極5と複数の第2の電極6と、を有する。フィルムパッケージ層は、有機電界発光ユニット2上にベース1から離れるように交互に積層されたN個の無機膜層3とN個の有機膜層4とを備え、Nは2以上の整数であり、N個の有機膜層4の各々がN個の無機膜層3のうちの1つに積層される。複数の第1の電極5は1つの有機膜層4に埋め込まれ、複数の第2の電極6はもう1つの有機膜層4に埋め込まれる。ここで、フィルムパッケージ層は有機電界発光ユニット2を覆うことによって、有機電界発光ユニット2をベース1上にパッケージする。任意で、無機膜層3は、水、酸素などによる有機電界発光ユニット2の汚染を遮断する遮断層であり、有機膜層4は平坦面を提供する平坦層であってもよい。特に、多層有機膜層4における任意の2層を選択して、そのうちの一方の層に複数本の第1の溝8を設け、他方の層に複数本の第2の溝9を設け、且つ前記ベース1での正投影が交差するように複数本の第1の溝8と複数本の第2の溝8を設け、第1の溝8の各々に複数の第1の電極5の1つを充填し、第2の溝9の各々に前記複数の第2の電極6の1つを充填する。
【0029】
第1の電極5と第2の電極6のうち、一方をタッチ電極としてもよく、他方を感知電極としてもよいということが理解できる。言い換えれば、本実施例の有機電界発光ダイオード基板では、従来のタッチ基板におけるタッチ電極と感知電極を従来の有機電界発光ダイオード基板のフィルムパッケージ層に集積することで、有機電界発光ダイオード基板の統合性を向上させ、その機能を多くすると同時に、タッチ電極と感知電極をフィルムパッケージのための有機膜層4の溝に設けることによって、タッチ機能を実現しながらも有機電界発光ダイオード基板の厚さがそれ以上増えていない。
【0030】
ここで、上記の第1の溝8と第2の溝9はストライプ構造であることが好ましいが、もちろん、パルス、正弦波、鋸波などの他の形状を用いてもよい。
【0031】
なお、本発明の実施例では、第1の溝8の各々が行方向に延び、第2の溝9の各々が列方向に延びる場合を例に、本発明実施例の有機電界発光ダイオード基板について説明するが、これは本発明を限定するものではなく、ベース1での正投影が交差するように第1の溝8と第2の溝9(言い換えれば、第1の電極5と第2の電極6)を確実に設置できればよい。
【0032】
ここで、トップエミッション型の有機電界発光ユニット2は、通常、ベース1上に(製造手順により)順に設けられたアノード層、画素限定層21、発光層(画素限定層21の開口に設けられ、かつ前記開口により露出されたアノード層上に位置する)、カソード層を有する。これに対し、ボトムエミッション型の有機電界発光ユニット2は、通常、ベース1上に(製造手順により)順に設けられたカソード層、画素限定層21、発光層(画素限定層21の開口に設けられ、かつ前記開口により露出されたカソード層上に位置する)、アノード層を有するということが当業者に理解される。本実施例では、画素限定層21に対応する位置に第1の電極5と第2の電極6を設けることが好ましい。即ち、画素限定層21のベース1での正投影が、複数の第1の電極5と複数の第2の電極6のベース1での正投影を完全に覆う。
【0033】
上記のように設置する理由であるが、フェンスでもある画素限定層21が、各画素における発光層の位置を限定するものであり、発光層もちょうど画層位置を表示するものであるため、画素限定層21に対応する位置に第1の電極5と第2の電極6を設ければ、発光層が遮断されず、画素の開口率にも影響しないためである。
【0034】
任意で、
図4に示すように、本実施例では複数本の第1の電極5と複数本の第2の電極6は交差するように設け(グリッドパターンを限定する)、ここで、隣接する任意の2つの第2の電極6の間の水平方向における距離Pが100〜2000μmであってもよい。任意で、Pは300〜1000μmであってもよい。また、この距離値は有機電界発光ユニット2の整数倍であってもよい。第1の電極5の幅が第1の溝8の幅に制限され、第2の電極6の幅が第2の溝9に制限されるということが理解できる。
【0035】
ここで、有機膜層4の厚さは3μmより大きく、例えば、3〜12μmであり、さらに4〜8μmである。無機膜層3は有機膜層4より薄いことが求められ、厚さが0.2〜1.0μmであってもよい。
【0036】
ここで、第1の溝8と第2の溝9の幅はいずれも3〜20μm、例えば、3〜10μmであってもよく、第1の溝8と第2の溝9の深さはいずれも1〜5μm、例えば、2〜4μmであってもよい。
【0037】
ここで、1の電極5と第2の電極6はそれぞれ銀、金、銅、アルミニウムのいずれか1種あるいは2種以上を含んでもよい。例えば、第1の電極5と第2の電極6は銀で製造される。もちろん、第1の電極5と第2の電極6の材料が確実に導電金属であれさえすればよい。
【0038】
ここで、本発明の実施例の有機電界発光ダイオード基板では、N個の無機膜層3とN個の有機膜層4は、ベース1から離れるように1からNの順序で有機電界発光ユニット2上に積層され、有機電界発光ダイオード基板は、N個目の有機膜層4上に設けられる保護層7をさらに有する。
【0039】
任意で、保護層7は外部の水、酸素などの汚染物による有機電界発光ユニット2の汚染を遮断する無機膜層3であってもよく、代替的には、この保護層7は平坦面を提供する有機膜層4であってもよい。
【0040】
一例において、N個の無機膜層3とN個の有機膜層4は、ベース1から離れるように1からNの順序で前記有機電界発光ユニット上に交互に積層され、Nは3以上の整数である。このとき、第1の溝8はN−1個目の有機膜層4上に設けられ、第2の溝9はN個目の有機膜層4上に設けられる。N=3を例にすると、第1の溝8は第2の有機膜層4上に設けられ、第2の溝9は第3個の有機膜層4上に設けられる。
【0041】
上記のように設置する理由であるが、第1の溝8と第2の溝9に導電金属を充填して第1の電極5と第2の電極6をそれぞれ形成する必要があり、導電金属が有機電界発光ユニット2から近すぎると、導電金属に信号を入力するとき、有機電界発光ユニット2の表示に影響を及ぼしてしまうため、有機電界発光ユニット2から離れた有機膜層4に溝を設けたものである。同時に、N−1個目の有機膜層4に第1の溝8を設けて、N個目の有機膜層4に第2の溝9を設ける選択をすることで、さらに第1の電極5と第2の電極6の距離が確実に最も近くなることから両者間で形成される容量値が大きくなり、ひいては有機電界発光ダイオード基板のタッチ感度が高まる。
【0042】
他の側面において、本発明の実施例では有機電界発光ダイオード基板の製造方法を提供し、有機電界発光ダイオード基板は実施例1の有機電界発光ダイオード基板であってもよい。
図5〜13を参照しながら、N=2を例に本発明実施例の製造方法について説明する。この方法は具体的に以下のステップを含む。
【0043】
ステップ一では、
図6に示すように、ベース1上に有機電界発光ユニット2と画素限定層21を形成する(トップエミッション型の有機電界発光ユニットを例に説明する)。
【0044】
具体的には、ステップ一は、1)ベース1上に陽極導電性膜をスパッタリングして、アノード層を含むパターンをパターニングにより形成することと、2)アノード層が形成されたベース1上に、画素限定層21を含むパターンをパターニングにより形成することと、3)画素限定層21が形成されたベース1上に、真空蒸着法により画素限定層21の開口に発光層を形成することと、4)発光層が形成されたベース1上に、真空蒸着法によりカソード層を形成することと、を含んでもよい。これをもって、本実施例の有機電界発光ユニット2の製造が完了する。もちろん、有機電界発光ユニット2を製造するにあたり、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層などの機能膜層を製造するステップをさらに含んでもよいが、ここでは詳述しない。
【0045】
ステップ二では、
図7に示すように、ステップ一を終えたベース1上に第1層の無機膜層3−1を形成する。
【0046】
具体的には、ステップ二は、反応性スパッタリングにより、真空環境下のアルゴン酸素混合雰囲気中でスパッタリングし、第1層の無機膜層3−1を形成することを含んでよい。この第1層の無機膜層3−1は有機電界発光ユニット2を覆って、水、酸素などが有機電界発光ユニット2に侵入し、有機電界発光ユニット2の使用寿命に影響するのを防ぐ。
【0047】
ステップ三では、
図8に示すように、ステップ二を終えたベース1上に第1層の有機膜層4−1を形成し、第1層の有機膜層4−1の表面に第1の溝8を形成する。
【0048】
具体的には、ステップ三は、まず、インクジェット記録(IJP)により第1層の有機膜層4−1を形成し、次に、ベース1から離れた第1層の有機膜層4−1の表面をインプリントすることで有機膜層4−1に第1の溝8を形成することを含んでもよい。ここで、第1層の有機膜層4−1の表面に対するインプリントは、N
2又は真空環境下で行うことができ、例えば、N
2環境下でインプリントを完成させてもよい。
【0049】
ステップ四では、
図9に示すように、第1の溝8に第1の電極5を形成する。
【0050】
具体的には、ステップ四は、まず、インクジェット記録により第1の溝8にナノ金属粒子インク(特にナノ銀粒子インクが好ましい)を記録し、その後、光子焼結又はレーザパルス焼結によりナノ金属粒子に対して導電化処理を行い、第1の電極5を形成することを含んでもよい。なお、焼結では第1の溝8の内部に限りナノ金属粒子インクが焼結高温化し、この膜層の下方の有機電界発光ユニット2の製造プロセスに影響しない。
【0051】
ステップ五では、
図10に示すように、ステップ二と同様、ステップ四を終えたベース1上に第2層の無機膜層3−2を形成する。
【0052】
ステップ六では、
図11に示すように、ステップ四と同様、ステップ五を終えたベース1に第2層の有機膜層4−2を形成し、第2層の有機膜層4−2に第2の溝9を形成する。ここで、第2の溝9を形成する方法は第1の溝8を形成する方法と同一であって、形成された第2の溝9の延在方向が第1の溝8の延在方向のみにおいて相違し、両者は交差するように設置される。
【0053】
ステップ七では、
図12に示すように、第2の溝9に第2の電極6を形成する。ここで、このステップにおいて第2の電極6を形成する方法は第1の電極5を形成する方法と同一であり、ここでは繰り返さない。
【0054】
もちろん、ステップ七の後、
図13に示すように、有機電界発光ダイオード基板の設計需要に応じて、第2の電極6が形成されたベース1上に保護層7を形成することもできる(ステップ八)。ここで、この保護層7は外部の水、酸素などの汚染物による汚染を遮断する第3層の無機膜層3であり、又は、この保護層7はこの基板を平坦化処理する第3層の有機膜層4であってもよい。
【0055】
これをもって、本実施例における有機電界発光ダイオード基板の製造が完了する。上記は、有機電界発光ダイオード基板に2組のフィルムを含むことを例に説明したものに過ぎない。同様に、Nが3以上の整数の場合、即ち、有機電界発光ダイオード基板に3つ以上のフィルムグループを含む場合も製造方法は上記の方法とほぼ同一であって、任意の有機膜層4に第1の溝8を形成し、第1の溝8に第1の電極5を形成することを選択し、もう1つの有機膜層4に第2の溝9を形成し、第2の溝9に第2の電極6を形成することを選択することができる。ここで、第1の溝8が形成される有機膜層4はN−1層目の有機膜層であってもよく、第2の溝9が形成される有機膜層4はN層目の有機膜層であってもよい。
【0056】
他の側面において、本発明の実施例では、上記の有機電界発光ダイオード基板を有する表示装置を提供しており、それ故、本実施例の表示装置は集積度が高く、機能が多くなっている上、フレキシブル表示に応用できる。
【0057】
この表示装置は、電子ペーパ、OLEDパネル、携帯電話、タブレットパソコン、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、カーナビなどの表示機能を有する如何なる製品又は部品であってもよい。
【0058】
前述した実施形態は、本発明の原理を説明するための例示的な実施形態に過ぎず、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。なお、当業者は、本発明の精神および実質を逸脱せずに種々の変形及び改良を行うことが可能であり、これらの変形や改良も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1 ベース
2 有機電界発光ユニット
3 無機膜層
4 有機膜層
5 第1の電極
6 第2の電極
7 保護層
8 第1の溝
9 第2の溝
21 画素限定層
3−1 第1層の無機膜層
3−2 第2層の無機膜層
4−1 第1層の有機膜層
4−2 第2層の有機膜層
P グリッドの長さ。