特許第6965238号(P6965238)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイクテック アーゲーの特許一覧

特許6965238ディスプレイ・ユニットおよび電気自転車
<>
  • 特許6965238-ディスプレイ・ユニットおよび電気自転車 図000002
  • 特許6965238-ディスプレイ・ユニットおよび電気自転車 図000003
  • 特許6965238-ディスプレイ・ユニットおよび電気自転車 図000004
  • 特許6965238-ディスプレイ・ユニットおよび電気自転車 図000005
  • 特許6965238-ディスプレイ・ユニットおよび電気自転車 図000006
  • 特許6965238-ディスプレイ・ユニットおよび電気自転車 図000007
  • 特許6965238-ディスプレイ・ユニットおよび電気自転車 図000008
  • 特許6965238-ディスプレイ・ユニットおよび電気自転車 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965238
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】ディスプレイ・ユニットおよび電気自転車
(51)【国際特許分類】
   B62J 50/22 20200101AFI20211028BHJP
   B62M 6/80 20100101ALI20211028BHJP
   B62J 11/00 20200101ALI20211028BHJP
【FI】
   B62J50/22
   B62M6/80
   B62J11/00
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-510879(P2018-510879)
(86)(22)【出願日】2016年8月25日
(65)【公表番号】特表2018-525278(P2018-525278A)
(43)【公表日】2018年9月6日
(86)【国際出願番号】EP2016070082
(87)【国際公開番号】WO2017032833
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2019年8月23日
(31)【優先権主張番号】102015216188.9
(32)【優先日】2015年8月25日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102015216178.1
(32)【優先日】2015年8月25日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102015216186.2
(32)【優先日】2015年8月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517221055
【氏名又は名称】バイクテック アーゲー
【氏名又は名称原語表記】BIKETEC AG
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】イヴィカ ドゥーデヴィク
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス ビート シュトゥーダー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ウォルター スーター
(72)【発明者】
【氏名】ジーモン ランツ
(72)【発明者】
【氏名】ロビン ブードトリ
(72)【発明者】
【氏名】ティモ ヴォルク
(72)【発明者】
【氏名】オーマル アフザル
【審査官】 渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102007040738(DE,A1)
【文献】 独国実用新案第202012104592(DE,U1)
【文献】 特開2004−58993(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0170660(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0334874(US,A1)
【文献】 特開2001−26290(JP,A)
【文献】 特開2015−44463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 50/22
B62J 11/00
B62J 45/42
B62M 6/00
B62M 6/80
B62M 7/00
B62M 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持組立体によって電気自転車のハンドルバーに締め付けられ、前記保持組立体によって乗り手により近い第1の装着位置または乗り手からより遠くにある第2の装着位置に任意選択により装着可能な前記電気自転車用のディスプレイ・ユニットであって、
前記第1の装着位置用の前記保持組立体は、前記第2の装着位置用の前記保持組立体を反転させることによって装着可能であり、
前記保持組立体は、平行に位置するとともに前記電気自転車のハンドルバーに固定されるように構成される2つの保持チークを有し、
前記装着位置は、前記保持チークの側部の向きに応じて選択され
2つの前記保持チークのそれぞれが、第1の縁部と、該第1の縁部に対向する第2の縁部とを含み、
前記装着位置の選択は、前記第1の装着位置では前記第2の部が前記乗り手に対向し、前記第2の装着位置では前記第2の部が前記乗り手から離れる方向を向くように、そして、前記第1の装着位置と前記第2の装着位置の両方において、前記乗り手に対する前記ディスプレイ・ユニットの向きが維持されるように、各前記保持チークを装着することで行われ
2つの前記保持チークが、少なくとも部分的に前記ハンドルバーを囲んで係合し、前記ディスプレイ・ユニットに対して角度を付けて延びるディスプレイ・ユニット。
【請求項2】
1つの前記保持チークがステムの左に位置し、1つの前記保持チークが、前記ステムの右に位置する請求項に記載のディスプレイ・ユニット。
【請求項3】
前記保持チークが、ねじによって前記ディスプレイ・ユニットに横方向に取り付けられる、請求項1または2に記載のディスプレイ・ユニット。
【請求項4】
前記ディスプレイ・ユニットが、幅広形態に位置する略矩形のハウジングを有する請求項1からのいずれか一項に記載のディスプレイ・ユニット。
【請求項5】
前記ディスプレイ・ユニットが、幅広形態で位置する略矩形のディスプレイを有する請求項1からのいずれか一項に記載のディスプレイ・ユニット。
【請求項6】
前記ディスプレイの下方には、前記乗り手に対向するオン/オフ・キー・スイッチが、略中央に設けられる請求項に記載のディスプレイ・ユニット。
【請求項7】
少なくとも1つの電気接続が、前記乗り手に対向する前記ディスプレイ・ユニットの側に設けられる請求項1からのいずれか一項に記載のディスプレイ・ユニット。
【請求項8】
前記電気接続が、USBコネクタである、請求項に記載のディスプレイ・ユニット。
【請求項9】
前記ディスプレイ・ユニットのライン・コネクタが、前記乗り手から外方を向く側に設けられる請求項1からのいずれか一項に記載のディスプレイ・ユニット。
【請求項10】
前記ライン・コネクタが、傾斜して前方方向に角度を付けて延びるように角度を付けて位置する請求項に記載のディスプレイ・ユニット。
【請求項11】
前記ディスプレイ・ユニットを操作するための遠隔制御ユニットが設けられ、該遠隔制御ユニットが、ハンドルバーレバーの領域内に前記ディスプレイ・ユニットから離れて位置する請求項1から10のいずれか一項に記載のディスプレイ・ユニット。
【請求項12】
ディスプレイ・ユニットが、保持組立体によって電気自転車のハンドルバーに締め付けられ、前記ディスプレイ・ユニットが、前記保持組立体によって乗り手により近い第1の装着位置または乗り手からより遠くにある第2の装着位置に任意選択により装着可能である電気自転車であって、
前記第1の装着位置用の前記保持組立体は、前記第2の装着位置用の前記保持組立体を反転させることによって装着可能であり、
前記保持組立体は、平行に位置するとともに前記電気自転車のハンドルバーに固定されるように構成される2つの保持チークを有し、
前記装着位置は、前記保持チークの側部の向きに応じて選択され
2つの前記保持チークのそれぞれが、第1の縁部と、該第1の縁部に対向する第2の縁部とを含み、
前記装着位置の選択は、前記第1の装着位置では前記第2の部が前記乗り手に対向し、前記第2の装着位置では前記第2の部が前記乗り手から離れる方向を向くように、そして、前記第1の装着位置と前記第2の装着位置の両方において、前記乗り手に対する前記ディスプレイ・ユニットの向きが維持されるように、各前記保持チークを装着することで行われ
2つの前記保持チークが、少なくとも部分的に前記ハンドルバーを囲んで係合し、前記ディスプレイ・ユニットに対して角度を付けて延びる電気自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに係るディスプレイ・ユニットおよび請求項14のプリアンブルに係る電気自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
電動アシスト自転車またはeバイクなどの電気自転車は、使いやすく、無公害の輸送手段として大変人気がある。さまざまな応用分野に対して、個々に適したタイプの自転車が利用可能である。これらは、とりわけ、道路またはなだらかな地形におけるレジャー時の使用または通勤に合わせて最適化された自転車(例えば、シティバイクまたはツーリングバイク)およびオフロードでの使用、特に山地形に合わせたさまざまな設計で開発されているeマウンテンバイク(E−MTB)を含む。電気自転車は、乗り手に大きな負担をかけることなく作動半径を増大させ、平均運転速度を増大させる可能性を提供する。
【0003】
駆動ユニットおよび電池ユニットに加えて、ディスプレイ・ユニットおよびディスプレイ・ユニット用の遠隔制御ユニットも有する電気自転車が、先行技術から知られている。そのようなディスプレイ・ユニットの欠点は、これらが、自転車のハンドルバー上の設置位置にしか設置できないことである。したがって、ディスプレイ・ユニットは、異なる自転車形状および乗り手の好みに適合できない。したがって、その都度毎に修正された取付具が必要とされるため、異なるタイプの自転車上に装着することができるディスプレイ・ユニットを含むモジュールの概念は、可能ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、本発明の目的は、電動機動性を運動系およびライフスタイル志向のサイクリストの要求に合わせる新規のディスプレイ・ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴の組み合わせを有するディスプレイ・ユニットおよび請求項14に係る電気自転車によって達成される。
【0006】
電気自転車用の本発明に係るディスプレイ・ユニットは、保持組立体によって自転車のハンドルバーに取り付けられる。本発明に係るディスプレイ・ユニットは、保持組立体によって乗り手により近い、もしくは、より乗り手に対向する第1の装着位置(いわゆるコンパクト位置)、または、乗り手からより遠くにある第2の装着位置(いわゆる快適位置)に任意選択により装着可能である。したがって、ディスプレイ・ユニットは、異なるタイプの自転車にモジュラー式に装着可能である。さらなる締め付け要素を有することなく、乗り手の要求に対して適合することが可能である。具体的には、異なるシート位置およびハンドルバーに対して適合することが可能である。全体の長さが最小限に抑えられるため、第1の装着位置がコンパクトな自転車設計を可能にする。ディスプレイ・ユニットは、好ましくは、自転車の組み立て中に、自転車の第1または第2の装着位置に要求に応じて装着される。好ましくは、ディスプレイ・ユニットは、乗り手によって取り外すことはできない。
【0007】
本発明の特に好ましい実施形態では、第1の装着位置用の保持組立体は、第2の装着位置用の組立体に対して回転するようにディスプレイ・ユニット上に装着可能である。
【0008】
保持組立体に、少なくとも分かれてハンドルバーを囲んで係合する、平行に位置する2つの保持チークが設けられる場合、特に有利であることが判明している。
【0009】
好ましくは、1つの保持チークは、ステムの左に位置し、1つの保持チークはステムの右に位置する。その結果、ディスプレイ・ユニットのコンパクトで高強度の設置が達成される。
【0010】
保持チークは、ディスプレイ・ユニットに対して角度を付けて延びる。その結果、第1または任意選択による第2の装着位置は、回転される組立体内で達成される。
【0011】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、保持チークは、ディスプレイ・ユニット上に横方向に締め付けられる。好ましくは、保持チークは、ねじによって横方向に固定される。したがって、装着位置の選択は、保持チークの側部を選択することによって行われる。
【0012】
ディスプレイ・ユニットは、好ましくは、幅広形態で位置する略矩形のハウジングを有する。縁部領域内の乗り手に対向するハウジングの上側には、具体的には、面カットされた傾斜表面が設けられる。
【0013】
ディスプレイ・ユニットが幅広形態で位置する略矩形のディスプレイを有する場合、有利であることが判明している。ディスプレイは、好ましくは、ハウジングの縁部領域内に延び、狭い縁部のみが設けられる。その結果、ディスプレイ領域の最大限の使用ひいては乗り手にとって非常に良好な情報可能性が、提供される。
【0014】
ディスプレイの下方では、乗り手に対向するオン/オフ・キー・スイッチが、略中央に設けられ得る。スイッチは、好ましくは幅広形態に配設され、略矩形である。操作を容易にするために、スイッチの縁部が照明されてもよい。乗り手に対向するハウジングの上側には、好ましくは面カットされた傾斜表面が設けられるので、スイッチも乗り手の方向に人間工学的に傾斜する。
【0015】
本発明によれば、少なくとも1つの電気接続、具体的には、USB接続が、乗り手に対向するディスプレイ・ユニットの側に設けられ得る。接続は、ハウジングのアクセス開口部内に位置する。アクセス開口部は、カバー、具体的には、下方向に開くゴムカバーによって閉鎖可能である。ミニコネクタとは異なりアダプタを必要としないので、標準的なUSBソケットが特に好ましい。
【0016】
ディスプレイ・ユニットの特に好ましい実施形態では、ライン・コネクタ、好ましくはすべてのライン・コネクタ(ケーブル出口)が、乗り手から外方を向く側に設けられる。この場合、ライン・コネクタは、乗り手から外方を向くディスプレイ・ユニットの側に位置する。好ましくは、ライン・コネクタは、接続ソケットとして設計される。好ましくは、すべてのケーブルは、例えばHIGOプラグを介して差し込み可能である。
【0017】
ライン・コネクタは、好ましくは、傾斜して前方方向に角度を付けて延びるように角度を付けて位置する。その結果、ライン・コネクタは、プラグ装着用の従来の下方向または前方向のみに延びるコネクタと比べて、容易にアクセス可能であり、利用可能な設置空間が最適に使用される。
【0018】
ディスプレイ・ユニットを操作するために、好ましくは遠隔制御ユニット(遠隔)が設けられ、これは、ハンドルバー・グリップの領域内にディスプレイ・ユニットから離れて人間工学的に位置する。
【0019】
本発明の特に好ましい実施形態では、遠隔制御ユニットが、ディスプレイ用の支援レベルの選択のための支援選択キーと、ディスプレイ・ユニット上に示されるメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のための少なくとも1つの入力デバイスとを有する。
【0020】
入力デバイスおよび支援選択キーが共通線に沿って位置する場合、特に有利であることが判明している。共通線は、人間工学的に弧状に多次元的に湾曲することができる。
【0021】
入力デバイスおよびキーは、好ましくは、これらが乗り手の親指によって人間工学的に動作可能であるようにして上下に位置する。支援選択キーおよび入力デバイスを操作するために、安全に係わる乗り手の手の再配置は、必要とされない。
【0022】
本発明の特に好ましい実施形態では、入力デバイスは、ジョイスティックとして構成される。その結果、ディスプレイ・ユニット上に示すメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択は、好ましくは乗り手の親指によって、直感的に人間工学的に実施することができる。
【0023】
ジョイスティックは、好ましくは、4方向(上方向および下方向、左および右)すべてに移動可能であり、メニュー項目の選択/選択は、ジョイスティックにかかる圧力によって実施される(圧力機能)。メニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択は、多機能ジョイスティックを用いて実施されるので、さらなる作動要素は必要とされない。このため、遠隔制御ユニットは、かなりコンパクトで見た目が美しく構成される。ジョイスティックは、具体的には、曲線状コーナを有する矩形のバックライト・シンボルを有していてもよい。
【0024】
支援選択キーが互いに傾斜するように位置する場合、特に有利であることが判明している。この場合、支援レベルの選択は、乗り手の親指によって実施されてもよい。支援選択キーは、好ましくは凹面セクションを形成する。親指は、互いに上下に位置するキー間に載せることができるので、操作が直感的に実施され、支援レベルを増大させるための支援選択キーは、好ましくは、進行方向の前方に位置し、支援レベルを低減させるための支援選択キーは、進行方向の後方に位置する。
【0025】
さらに、支援選択キーが、乗り手の手に向けて傾斜することが好ましい。操作は、好ましくは乗り手の親指によって人間工学的に実施され得る。
【0026】
支援レベルを増大させるための支援選択キーは、好ましくは、プラスシンボルで示され、支援レベルを低減させるための支援選択キーは、好ましくは、マイナスシンボルで示される。このシンボルは、好ましくはバックライト付きであり、このため、視界が悪い状態でも認識可能である。
【0027】
製造技術および操作に関して、支援選択キーが、乗り手の手を向く自由作動セクションと、弾性的に装着された端部セクションとを有することが、有利であると判明している。
【0028】
本発明の好ましい実施形態によれば、光スイッチが、支援選択キー間の領域内で横方向にずらされる。好ましくは、光スイッチは、乗り手の手から離れる方向に支援選択キーの隣に位置する。光スイッチが支援選択キー間の中央に横方向にずらされて位置する場合、特に有利であることが判明している。
【0029】
好ましくは、光スイッチは、3つの機能を有し、その各々は、キーを押さえることによって順次起動される:キーを(2秒以上)押さえ続ける、点灯/消灯;キーを押す、すれ違いビーム;キーを2回押す、明るくする。その結果、有利には、点灯/低光/高光/消灯のための1つのキーが存在する。光スイッチは、バックライト光シンボルを有することができる。
【0030】
ギア付きモータの電子ギアシフトを有する電気自転車では、遠隔制御ユニットは、好ましくは、枢動軸に沿って、ギア選択のための中央に装着されたロッカ・スイッチを有する。本発明によれば、ロッカ・スイッチが2つの作動表面を有する場合、有利であり、第1の作動表面が、乗り手の手を向く側に位置し、第2の作動表面が、乗り手の手から外方を向く側に位置する。好ましくは、入力デバイス、支援選択キー、およびロッカ・スイッチは、共通線に沿って位置する。キーは、好ましくは、これらが乗り手の親指によって人間工学的に動作可能であるようにして上下に位置する。支援選択キーおよびロッカ・スイッチを作動させるために、安全に係わる乗り手の手の再配置は、必要とされない。
【0031】
遠隔制御ユニットの好ましい実施形態では、遠隔制御ユニットは、上側部分と、モジュラー式に交換可能な下側部分とを有し、ロッカ・スイッチは、下側部分に割り当てられる。このため、遠隔制御ユニットは、電気ギア付きモータを有する自転車および有さない自転車にモジュール式に適合可能である。この目的のために、クランプ半体として設計された下側部分は、ロッカ・スイッチを有してまたは有さずに装着される。上側部分および下側部分は、好ましくは、可撓性バンドによって電気的に接続される。
【0032】
ロッカ・スイッチは、好ましくは、略中央に位置する自動キーを有する。自動キーは、好ましくは、動かず、自動ギア選択、例えば、第1のギアおよび第2のギアを起動する。
【0033】
ハンドルバー・グリップ軸の方向に見ると、入力デバイス、支援選択キー、およびロッカ・スイッチは、好ましくは、凸状に弓状の共通線に沿って延び、その曲率曲線は、乗り手の親指の移動範囲に人間工学的に適合される。
【0034】
好ましくは、遠隔制御ユニットは、振動モータを有する。例えば、最も高い支援レベルに到達すると、短い振動によって合図され得る。さらに、切り替え操作が、短い振動によって提案され得る。好ましくは、ディスプレイ・ユニット上でギア提案が行われ、例えばディスプレイ上の上方向矢印はシフトアップを提案し、振動は、ディスプレイ・ユニットが新しい情報を表示していることを乗り手に通知する。
【0035】
本発明は、すべてのタイプの自転車、特にマウンテンバイク(ハードテイル設計またはフルサスペンション設計の両方)に広く使用可能であるが、他の自転車、例えばロードバイクフレーム、したがって最終的には結果として、ツーリングバイク、シティバイク、もしくはクロスバイク、または他の現代型の自転車に使用することもできる。そのコンパクトで魅力的な設計により、クラシック自転車および電気自転車の利点を大幅に組み合わせたバイクの構造を可能にする。
【0036】
さらに好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0037】
続いて、本発明の好ましい実施形態が、添付の図を参照してより詳細に説明される。この目的のために、以下の図が詳細に示される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明による電気自転車の側面図である。
図2】ハンドルバーの領域内の図1からの電気自転車の詳細図である。
図3】第1の装着位置にあるディスプレイ・ユニットの側面図である。
図4】第2の装着位置にあるディスプレイ・ユニットの側面図である。
図5】装着されたディスプレイ・ユニットの詳細図である。
図6】装着されたディスプレイ・ユニットの第2の詳細図である。
図7】装着されたディスプレイ・ユニットの別の詳細図である。
図8】設置されたディスプレイ・ユニットの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、本発明による電気自転車1の側面図を示し、電気自転車1は、ダイアモンドフレームとして構成された例となる自転車フレーム2を有し、ダウン・チューブ4と、トップ・チューブ6と、シート・チューブ8と、ヘッド・チューブ10と、駆動ユニット14用の駆動キャリア12と、シート支柱16および下側支柱18と、電池ユニット20とを有する。
【0040】
具体的には、ハンドルバー22の領域内の図1からの電気自転車1の詳細な図を示す図2からわかるように、ハンドルバー22上の中央に位置するディスプレイ・ユニット24および遠隔制御ユニット26が設けられる。遠隔制御ユニット26は、左ハンドルバー・レバー28の領域内にディスプレイ・ユニット24から離れて位置し、モータ支援レベルの選択のための2つの支援選択キー30、32と、ディスプレイ・ユニット24上に表示されたメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のためのジョイスティック34として設計された入力デバイスとを有する。さらに、遠隔制御ユニット26は、光スイッチ36を有する。
【0041】
具体的には、ハンドルバー22上のディスプレイ・ユニット24の側面図を示す図3および4に示されるように、ディスプレイ・ユニット24は、保持組立体38によって自転車のハンドルバー22に取り付けられる。ディスプレイ・ユニット24は、保持組立体38によって、任意選択により、図3に従い、乗り手により近い第1の装着位置(コンパクト位置)、または図4に従い、乗り手からより外方の第2の装着位置(快適位置)に装着可能である。この目的のために、第1の装着位置用の保持組立体38は、第2の装着位置用の組立体に対して回転するように装着可能である。したがって、ディスプレイ・ユニットは、異なるタイプの自転車にモジュラー式に装着可能である。さらなる締め付け要素を有することなく、乗り手の要求に対して適合することが可能である。異なるシートおよびハンドルバー位置に対して適合することが可能である。自転車を組み立てるとき、ディスプレイ・ユニット24は、好ましくは、自転車上の第1または第2の装着位置に要求に応じて装着される。
【0042】
装着されたディスプレイ・ユニット24の詳細な図を示す図5から8によれば、保持配置38が、第1の締め付けセクションを使用してカフスのようなやり方でハンドルバー22を抱き込み、クランプねじ44によってハンドルバーに固定可能である、平行に位置する2つの保持チーク40、42を有する場合、特に有利であることが判明している。保持チーク40、42は、ディスプレイ・ユニット24に対して角度を付けて、約30°から60°の範囲内、好ましくは約45°の角度αを有して延びる。締め付けセクションは、実質的には円形および環状のように構成される。1つの保持チーク40は、ステム46の左に固定され、1つの保持チーク42は、ステム46の右に固定される。その結果、ディスプレイ・ユニット24のコンパクトなモジュラー設置が達成される。
【0043】
保持チーク40、42は、ディスプレイ・ユニット24において横方向に位置決めされ、ねじ(図示せず)によって横方向に固定される。したがって、装着位置の選択は、保持チーク40、42の側部を選択することによって行われる。
【0044】
図8によれば、ディスプレイ・ユニット24は、幅広形態に位置する、略矩形のハウジング48を有する。乗り手に対向する上側ハウジング側50が、面カットされた、円周方向に傾斜する表面52を有して設けられる。傾斜表面52の推移は、乗り手を向く側の方が、ディスプレイ・ユニット24の側部よりも広く、これらは、乗り手から外方を向く側の側部よりも広い。ディスプレイ・ユニット24は、中央に位置する幅広形態の矩形ディスプレイ54を有する。ディスプレイ54は、好ましくは、ハウジング48の面カットされた縁部領域内に延び、相対的に狭い縁部のみが設けられる。その結果、ディスプレイ領域の最大限の使用ひいては乗り手にとって非常に良好な情報可能性が提供される。
【0045】
ディスプレイの下方には、乗り手に対向するオン/オフ・キー・スイッチ56が、略中央に設けられ得る。スイッチ56は、幅広形態の略矩形を有する。操作を容易にするために、スイッチ56の縁部はバックライト付きである。乗り手を向くハウジングの上側50には、傾斜表面が面カットされて設けられ、それにより、スイッチ56は、乗り手の方向に人間工学的に傾斜される。
【0046】
乗り手に対向するディスプレイ・ユニット24の側には、標準的なUSB接続として構成された電気接続が、中央に設けられる。接続は、アクセス開口部58内に位置する。アクセス開口部58は、下方向に開くゴムカバーとして構成された閉鎖可能なカバー60によって覆われる。
【0047】
具体的には、図4および図6から分かるように、ディスプレイ・ユニット24のすべてのライン・コネクタ62は、乗り手から外方を向く側に設けられる。ライン・コネクタ62は、接続ソケットとして構成される。すべてのケーブルは、例えばHIGOプラグを介して差し込み可能である。ライン・コネクタ62は、角度を付けて位置し、それにより、これらは、傾斜して前方向に角度を付けて延びる。この場合、好ましい角度範囲は、約10°から60°の範囲内、好ましくは約30°の角度βを含む。その結果、プラグ装着用の従来の下方向または前方向のみに延びるコネクタと比較して、ライン・コネクタ62は、容易にアクセス可能であり、利用可能な設置空間が最適に使用される。
【0048】
本発明は、すべてのタイプの自転車、特にマウンテンバイク(ハードテイル設計またはフルサスペンション設計の両方)に使用可能であるが、他の自転車、例えばロードバイクフレーム、したがって最終的には結果として、ツーリングバイク、シティバイク、もしくはクロスバイク、または他の現代型の自転車に使用することもできる。そのコンパクトで魅力的な設計により、クラシック自転車および電気自転車の利点を大きく組み合わせたバイクの構造を可能にする。
【0049】
本発明の実施形態は、図面に示され上記で説明したような例には限定されないが、当業者によって複数の変形例において可能である。
【0050】
保持組立体38によって自転車1のハンドルバー22に取り付けられる電気自転車1用のディスプレイ・ユニット24が開示される。本発明によれば、ディスプレイ・ユニット24は、保持組立体38によって、任意選択により、乗り手により近い第1の装着位置、または、乗り手からより遠くにある第2の装着位置に装着可能である。さらに、そのようなディスプレイ・ユニット24を有する電気自転車1が開示される。
【符号の説明】
【0051】
1 電気自転車
2 自転車フレーム
4 ダウン・チューブ
6 トップ・チューブ
8 シート・チューブ
10 ヘッド・チューブ
12 駆動キャリア
14 駆動ユニット
16 シート支柱
18 下側支柱
20 電池ユニット
22 ハンドルバー
24 ディスプレイ・ユニット
26 遠隔制御ユニット
28 左ハンドルバー・グリップ
30 支援選択キー
32 支援選択キー
34 ジョイスティック
36 光スイッチ
38 保持組立体
40 保持チーク
42 保持チーク
44 クランプねじ
46 ステム
48 ハウジング
50 ハウジングの上側
52 傾斜表面
54 ディスプレイ
56 オン/オフ・キー・スイッチ
58 アクセス開口部
60 カバー
62 ライン・コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8