【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴の組み合わせを有するディスプレイ・ユニットおよび請求項14に係る電気自転車によって達成される。
【0006】
電気自転車用の本発明に係るディスプレイ・ユニットは、保持組立体によって自転車のハンドルバーに取り付けられる。本発明に係るディスプレイ・ユニットは、保持組立体によって乗り手により近い、もしくは、より乗り手に対向する第1の装着位置(いわゆるコンパクト位置)、または、乗り手からより遠くにある第2の装着位置(いわゆる快適位置)に任意選択により装着可能である。したがって、ディスプレイ・ユニットは、異なるタイプの自転車にモジュラー式に装着可能である。さらなる締め付け要素を有することなく、乗り手の要求に対して適合することが可能である。具体的には、異なるシート位置およびハンドルバーに対して適合することが可能である。全体の長さが最小限に抑えられるため、第1の装着位置がコンパクトな自転車設計を可能にする。ディスプレイ・ユニットは、好ましくは、自転車の組み立て中に、自転車の第1または第2の装着位置に要求に応じて装着される。好ましくは、ディスプレイ・ユニットは、乗り手によって取り外すことはできない。
【0007】
本発明の特に好ましい実施形態では、第1の装着位置用の保持組立体は、第2の装着位置用の組立体に対して回転するようにディスプレイ・ユニット上に装着可能である。
【0008】
保持組立体に、少なくとも分かれてハンドルバーを囲んで係合する、平行に位置する2つの保持チークが設けられる場合、特に有利であることが判明している。
【0009】
好ましくは、1つの保持チークは、ステムの左に位置し、1つの保持チークはステムの右に位置する。その結果、ディスプレイ・ユニットのコンパクトで高強度の設置が達成される。
【0010】
保持チークは、ディスプレイ・ユニットに対して角度を付けて延びる。その結果、第1または任意選択による第2の装着位置は、回転される組立体内で達成される。
【0011】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、保持チークは、ディスプレイ・ユニット上に横方向に締め付けられる。好ましくは、保持チークは、ねじによって横方向に固定される。したがって、装着位置の選択は、保持チークの側部を選択することによって行われる。
【0012】
ディスプレイ・ユニットは、好ましくは、幅広形態で位置する略矩形のハウジングを有する。縁部領域内の乗り手に対向するハウジングの上側には、具体的には、面カットされた傾斜表面が設けられる。
【0013】
ディスプレイ・ユニットが幅広形態で位置する略矩形のディスプレイを有する場合、有利であることが判明している。ディスプレイは、好ましくは、ハウジングの縁部領域内に延び、狭い縁部のみが設けられる。その結果、ディスプレイ領域の最大限の使用ひいては乗り手にとって非常に良好な情報可能性が、提供される。
【0014】
ディスプレイの下方では、乗り手に対向するオン/オフ・キー・スイッチが、略中央に設けられ得る。スイッチは、好ましくは幅広形態に配設され、略矩形である。操作を容易にするために、スイッチの縁部が照明されてもよい。乗り手に対向するハウジングの上側には、好ましくは面カットされた傾斜表面が設けられるので、スイッチも乗り手の方向に人間工学的に傾斜する。
【0015】
本発明によれば、少なくとも1つの電気接続、具体的には、USB接続が、乗り手に対向するディスプレイ・ユニットの側に設けられ得る。接続は、ハウジングのアクセス開口部内に位置する。アクセス開口部は、カバー、具体的には、下方向に開くゴムカバーによって閉鎖可能である。ミニコネクタとは異なりアダプタを必要としないので、標準的なUSBソケットが特に好ましい。
【0016】
ディスプレイ・ユニットの特に好ましい実施形態では、ライン・コネクタ、好ましくはすべてのライン・コネクタ(ケーブル出口)が、乗り手から外方を向く側に設けられる。この場合、ライン・コネクタは、乗り手から外方を向くディスプレイ・ユニットの側に位置する。好ましくは、ライン・コネクタは、接続ソケットとして設計される。好ましくは、すべてのケーブルは、例えばHIGOプラグを介して差し込み可能である。
【0017】
ライン・コネクタは、好ましくは、傾斜して前方方向に角度を付けて延びるように角度を付けて位置する。その結果、ライン・コネクタは、プラグ装着用の従来の下方向または前方向のみに延びるコネクタと比べて、容易にアクセス可能であり、利用可能な設置空間が最適に使用される。
【0018】
ディスプレイ・ユニットを操作するために、好ましくは遠隔制御ユニット(遠隔)が設けられ、これは、ハンドルバー・グリップの領域内にディスプレイ・ユニットから離れて人間工学的に位置する。
【0019】
本発明の特に好ましい実施形態では、遠隔制御ユニットが、ディスプレイ用の支援レベルの選択のための支援選択キーと、ディスプレイ・ユニット上に示されるメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択のための少なくとも1つの入力デバイスとを有する。
【0020】
入力デバイスおよび支援選択キーが共通線に沿って位置する場合、特に有利であることが判明している。共通線は、人間工学的に弧状に多次元的に湾曲することができる。
【0021】
入力デバイスおよびキーは、好ましくは、これらが乗り手の親指によって人間工学的に動作可能であるようにして上下に位置する。支援選択キーおよび入力デバイスを操作するために、安全に係わる乗り手の手の再配置は、必要とされない。
【0022】
本発明の特に好ましい実施形態では、入力デバイスは、ジョイスティックとして構成される。その結果、ディスプレイ・ユニット上に示すメニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択は、好ましくは乗り手の親指によって、直感的に人間工学的に実施することができる。
【0023】
ジョイスティックは、好ましくは、4方向(上方向および下方向、左および右)すべてに移動可能であり、メニュー項目の選択/選択は、ジョイスティックにかかる圧力によって実施される(圧力機能)。メニュー項目のメニュー・ナビゲーションおよび選択は、多機能ジョイスティックを用いて実施されるので、さらなる作動要素は必要とされない。このため、遠隔制御ユニットは、かなりコンパクトで見た目が美しく構成される。ジョイスティックは、具体的には、曲線状コーナを有する矩形のバックライト・シンボルを有していてもよい。
【0024】
支援選択キーが互いに傾斜するように位置する場合、特に有利であることが判明している。この場合、支援レベルの選択は、乗り手の親指によって実施されてもよい。支援選択キーは、好ましくは凹面セクションを形成する。親指は、互いに上下に位置するキー間に載せることができるので、操作が直感的に実施され、支援レベルを増大させるための支援選択キーは、好ましくは、進行方向の前方に位置し、支援レベルを低減させるための支援選択キーは、進行方向の後方に位置する。
【0025】
さらに、支援選択キーが、乗り手の手に向けて傾斜することが好ましい。操作は、好ましくは乗り手の親指によって人間工学的に実施され得る。
【0026】
支援レベルを増大させるための支援選択キーは、好ましくは、プラスシンボルで示され、支援レベルを低減させるための支援選択キーは、好ましくは、マイナスシンボルで示される。このシンボルは、好ましくはバックライト付きであり、このため、視界が悪い状態でも認識可能である。
【0027】
製造技術および操作に関して、支援選択キーが、乗り手の手を向く自由作動セクションと、弾性的に装着された端部セクションとを有することが、有利であると判明している。
【0028】
本発明の好ましい実施形態によれば、光スイッチが、支援選択キー間の領域内で横方向にずらされる。好ましくは、光スイッチは、乗り手の手から離れる方向に支援選択キーの隣に位置する。光スイッチが支援選択キー間の中央に横方向にずらされて位置する場合、特に有利であることが判明している。
【0029】
好ましくは、光スイッチは、3つの機能を有し、その各々は、キーを押さえることによって順次起動される:キーを(2秒以上)押さえ続ける、点灯/消灯;キーを押す、すれ違いビーム;キーを2回押す、明るくする。その結果、有利には、点灯/低光/高光/消灯のための1つのキーが存在する。光スイッチは、バックライト光シンボルを有することができる。
【0030】
ギア付きモータの電子ギアシフトを有する電気自転車では、遠隔制御ユニットは、好ましくは、枢動軸に沿って、ギア選択のための中央に装着されたロッカ・スイッチを有する。本発明によれば、ロッカ・スイッチが2つの作動表面を有する場合、有利であり、第1の作動表面が、乗り手の手を向く側に位置し、第2の作動表面が、乗り手の手から外方を向く側に位置する。好ましくは、入力デバイス、支援選択キー、およびロッカ・スイッチは、共通線に沿って位置する。キーは、好ましくは、これらが乗り手の親指によって人間工学的に動作可能であるようにして上下に位置する。支援選択キーおよびロッカ・スイッチを作動させるために、安全に係わる乗り手の手の再配置は、必要とされない。
【0031】
遠隔制御ユニットの好ましい実施形態では、遠隔制御ユニットは、上側部分と、モジュラー式に交換可能な下側部分とを有し、ロッカ・スイッチは、下側部分に割り当てられる。このため、遠隔制御ユニットは、電気ギア付きモータを有する自転車および有さない自転車にモジュール式に適合可能である。この目的のために、クランプ半体として設計された下側部分は、ロッカ・スイッチを有してまたは有さずに装着される。上側部分および下側部分は、好ましくは、可撓性バンドによって電気的に接続される。
【0032】
ロッカ・スイッチは、好ましくは、略中央に位置する自動キーを有する。自動キーは、好ましくは、動かず、自動ギア選択、例えば、第1のギアおよび第2のギアを起動する。
【0033】
ハンドルバー・グリップ軸の方向に見ると、入力デバイス、支援選択キー、およびロッカ・スイッチは、好ましくは、凸状に弓状の共通線に沿って延び、その曲率曲線は、乗り手の親指の移動範囲に人間工学的に適合される。
【0034】
好ましくは、遠隔制御ユニットは、振動モータを有する。例えば、最も高い支援レベルに到達すると、短い振動によって合図され得る。さらに、切り替え操作が、短い振動によって提案され得る。好ましくは、ディスプレイ・ユニット上でギア提案が行われ、例えばディスプレイ上の上方向矢印はシフトアップを提案し、振動は、ディスプレイ・ユニットが新しい情報を表示していることを乗り手に通知する。
【0035】
本発明は、すべてのタイプの自転車、特にマウンテンバイク(ハードテイル設計またはフルサスペンション設計の両方)に広く使用可能であるが、他の自転車、例えばロードバイクフレーム、したがって最終的には結果として、ツーリングバイク、シティバイク、もしくはクロスバイク、または他の現代型の自転車に使用することもできる。そのコンパクトで魅力的な設計により、クラシック自転車および電気自転車の利点を大幅に組み合わせたバイクの構造を可能にする。
【0036】
さらに好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0037】
続いて、本発明の好ましい実施形態が、添付の図を参照してより詳細に説明される。この目的のために、以下の図が詳細に示される。