特許第6965239号(P6965239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965239
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】回転質量を有する振動吸収器
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/02 20060101AFI20211028BHJP
   F16F 15/03 20060101ALI20211028BHJP
   F03G 7/08 20060101ALN20211028BHJP
【FI】
   F16F15/02 C
   F16F15/03 Z
   F16F15/02 K
   !F03G7/08 Z
【請求項の数】24
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-510955(P2018-510955)
(86)(22)【出願日】2016年8月23日
(65)【公表番号】特表2018-529901(P2018-529901A)
(43)【公表日】2018年10月11日
(86)【国際出願番号】EP2016001421
(87)【国際公開番号】WO2017036581
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2019年7月8日
(31)【優先権主張番号】15002549.2
(32)【優先日】2015年8月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516109174
【氏名又は名称】エフエム・エネルギー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミトゥシュ、フランツ
【審査官】 鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−053681(JP,A)
【文献】 特開平08−063041(JP,A)
【文献】 実開平04−101838(JP,U)
【文献】 特開平04−161678(JP,A)
【文献】 特開平09−053682(JP,A)
【文献】 特開平03−033524(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02746483(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/00− 15/36
F16F 7/10
F03G 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動吸収器なしの共振周波数の値に対して最大30%変更できるようにすることで、風力タービンまたは設備、建造物および機械の共振周波数を干渉周波数に可変的に一致させることができる振動吸収器であって、
走行ギア(1)と、アブソーバ主質量(1.1)(30.6)と、保持構造(3)に取り付けられるか又はその一部である走行装置(7)と、を具備し、
前記アブソーバ主質量(1.1)(30.6)は、前記走行ギア(1)上に取り付けられるか、または前記走行ギアと一体化された前記走行ギアの一部であり、前記走行装置(7)は、少なくともその中央領域において、凹状にかつ円形に湾曲しており、走行ホイールまたはローラ(1.2)(1.7)(70.2)(70.3)によって振動力に応じて移動を開始し、かつ前記走行装置の走行レール(4)または走行管(70)上を前記アブソーバ主質量が走行することによって、前記走行ギア(1)または前記アブソーバ質量(1.1) (30.6)を前記走行装置(7)上の中心位置または頂点位置から外れて移動および変位させることができ、
前記走行ギア(1)または前記アブソーバ主質量(1.1)(30.6)は、フライホイール(1.5)と、直径および半径方向の変位が可変である1つまたは複数の質量ディスクの可変回転質量(1.6)と、前記アブソーバ主質量と一緒に移動する前記走行装置の円形軌道の面に直交する回転軸と、を含む少なくとも1つの従動で、円盤状で、かつ回転対称の回転質量コンポーネント(1.5)(1.6)を備えており、その回転方向が本質的に前記走行装置に沿って移動した前記走行ギアのそれぞれの方向に対応し、
前記少なくとも1つの回転質量コンポーネントは前記走行装置(7)の走行レール(4)または走行管(70)上を走行する少なくとも1つの駆動ホイール(1.3)を介して駆動され、前記少なくとも1つの駆動ホイール(1.3)および前記走行レール(4)または前記走行管(70)は相互接触する場合においてホイールスピンを回避するのに十分な摩擦をもたらす材料でそれぞれ作られ、かつ前記可変回転質量(1.6)は前記アブソーバ主質量(1.1)(30.6)の1%〜30%に対応することを特徴とする振動吸収器。
【請求項2】
前記走行装置(7)は、少なくとも1つの対応する形状の走行レール(4)または少なくとも1つの対応する形状の丸い走行管(70)を有することを特徴とする請求項1に記載の振動吸収器。
【請求項3】
前記走行装置(7)は、前記走行ギア(1)の移動方向と平行に走る少なくとも2本の走行レール(4)を有し、
前記走行レールが同一または異なる曲率半径を有することを特徴とする請求項2に記載の振動吸収器。
【請求項4】
少なくとも2つの走行ホイールまたは走行ローラ(1,2)上で前記アブソーバ主質量(1.1)(30.6)を前後に動かすか、または湾曲した前記走行装置上で前記アブソーバ主質量(1.1)(30.6)を前後に動かすことができることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項5】
2つの前記走行ホイールまたは前記走行ローラ(1.2)上で、または、まったく同一の走行レール(4)上で、または、まったく同一の走行管(70)上で、前記走行ギア(1)または前記アブソーバ主質量(1.1)(30.6)を動かすことができることを特徴とする請求項4に記載の振動吸収器。
【請求項6】
前記走行ホイールまたは前記走行ローラ(1.2)(1.3)(1.7)(70.1)(70.2)(70.3)(80.3)(90)は同じまたは異なる大きさであり、前記少なくとも2つの前記走行レールが同一または異なる曲率半径を有することを特徴とする請求項4または5のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項7】
前記フライホイール(1.5)は、駆動軸またはシャフトおよび前記回転質量コンポーネントの1つまたは複数の質量ディスク(1.6)をもち、前記質量ディスク(1.6)は前記フライホイールの前記駆動軸または前記シャフトに押し付けることができることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項8】
1つまたは複数の前記質量ディスクが半径方向外側と内側に変位可能であることを特徴とする請求項7に記載の振動吸収器。
【請求項9】
機械式、電磁式、または磁気式であって、前記回転質量コンポーネント(1.5)(1.6)を保持または解放するパーキングブレーキ(2)を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項10】
前記駆動ホイール(1.3)は、自由走行する前記走行ホイール(1.2)とは異なる前記走行レール(4)上を走行することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項11】
回転速度が前記駆動ホイールの回転速度よりも大きくなるように、前記駆動ホイール(1.3)と前記回転質量コンポーネント(1.5)(1.6)との間にギアボックスを設けることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項12】
前記回転質量コンポーネント(1.5)(1.6)の前記駆動ホイール(1.3)および前記フライホイール(1.5)または前記フライホイール(1.5)自体は、モータによって能動的に駆動されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項13】
前記走行装置(7)は少なくとも1つの対応する形状の走行レール(4)を有し、かつ、前記走行レールおよび前記走行ホイールまたは前記走行ローラ(1.2)(1.3)(1.7)(70.1)(70.2)(70.3)(80.3)(90)の少なくとも1つの走行面は、摩擦力を増加させるコーティング、被覆または表面構造を有する、ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項14】
少なくとも1つの前記走行レール(4)および少なくとも1つの前記走行ホイールの走行面の前記コーティング、被覆または表面構造は、互いに係合する歯またはカム輪郭の形態であることを特徴とする請求項13に記載の振動吸収器。
【請求項15】
振動を減衰するための追加装置をさらに有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項16】
前記追加装置は渦電流ダンパーであり、少なくとも1つの走行レール(4)と組み合わされた前記回転質量コンポーネントおよび/または前記走行ホイールまたは前記走行ローラの領域に収容されて効果的にはたらくことを特徴とする請求項15に記載の振動吸収器。
【請求項17】
前記アブソーバ主質量(1.1)および前記回転質量(1.6)を有する前記走行ギア(1)の回転を防ぐために、前記走行装置(7)の端部に衝突する端部位置ダンパーとしての摩擦ダンパー(20) (20.1)(20.2)(20.3)(20.4)(20.5)をさらに有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項18】
前記走行装置(7)の曲率半径は、前記中央部の領域よりも前記端部のほうで小さいことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項19】
前記走行ギア(1)または前記アブソーバ主質量(1.1)の一端にバネ装置(60.4)が取り付けられ、前記バネ装置の他端は減衰されるべき前記設備に接続されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項20】
移動方向に平行に走行する2つの同一または異なる湾曲した走行レール(4)と、前記走行レールのうちの第1の走行レール(4)上を自由に走行する2つの走行ホイール(1.2)と、前記走行レールのうちの第2の走行レール(4)上に配置され、少なくとも1つの前記質量ディスクの円盤形状での回転質量(1.6)を有する外向きのフライホイール(1.5)に接続された駆動ホイール(1.3)と、を具備する走行装置(7)を有し、
前記駆動ホイールおよび前記走行ホイールならびに前記アブソーバ主質量は、前記走行ギア(1)の一部であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項21】
(i)丸い管(70)を含む走行装置と、
(ii)互いに前後に配置され、それぞれが回転質量コンポーネント(1.5)(1.6)を駆動する2つの駆動ホイール(70.1)と、
(iii)互いに前後に配置され、前記駆動ホイール(70.1)に対向して配置された2つの更なる走行ホイール(70.2)と、
(iv)前記駆動ホイールの面に直交して配置され、少なくとも2つの対向する支持横ホイールと、を具備し、
全ての前記ホイールが前記丸い管の湾曲に応じて凹面状に形成された走行面を有し、これらの面で前記丸い管を前後に移動させることができ、前記アブソーバ主質量(1.1)を含む前記丸い管上の前記走行ギア(1)の機能的に完全な移動が保証されるように、前記ホイールとそれらの軸受とが構成されていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の振動吸収器。
【請求項22】
2つ以上の振動吸収器であって、前記2つ以上の振動吸収器は、2つ以上の異なる方向からの励起振動を減衰させるためのそれらの走行装置の位置合わせに関して異なる方向に配置されていることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載の2つ以上の振動吸収器。
【請求項23】
2つ以上の振動吸収器であって、
前記2つ以上の振動吸収器は異なるアブソーバ主質量(1.1)および回転質量(1.6)を有し、および/または前記走行装置(7)の異なる曲率半径を有する、ことを特徴とする請求項22に記載の2つ以上の振動吸収器。
【請求項24】
請求項1乃至23のいずれか1項に記載の少なくとも1つの振動吸収器を有する風力タービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば風力タービンまたは他の背の高いスリムな建造物または設備で発生する可能性のある、好ましくは<1Hz、好ましくは<0.5Hz、特に<0.25Hzの固有周波数を有する建造物または機械設備の振動を減衰する新規な振動吸収器に関する。特に、本発明は、それ自身で固定され、振り子質量に類似するか又は同様の軌道に沿って移動する主本体のほかに、実質的により小さい、可変に調整可能な回転フライホイール質量を有し、軌道上の主本体質量、およびそれを用いて振動吸収器の周波数を細かく調整または適合させることができる。さらに、本発明は、異なる振動特性を有するこの種の振動吸収器の配置または組合せ、特に風力タービンにおいての利用、および最終的には、この種の振動吸収器および振動吸収器アレンジメントを含む風力タービン自体に関する。
【背景技術】
【0002】
背の高いスリムな建造物および設備は、疲労プロセスの損傷または予見を生じさせないために技術的手段によって考慮されなければならない特定の振動条件にさらされる。これは、特に近年の急速な技術開発のために、条件がより厳しい場所、例えば岸から離れた沖合や高所で使用される風力タービンにも適用され、そこではより良い風の条件を利用するために、これまで以上にさらに高いタワーとなる。そのような風力タービンは、風、波、天候、および運転のために、それらに作用する力に耐えなければならず、その設置場所として異なる箇所に異なる範囲に設置される。特に振動力は、設備の動作と安全を危険にさらす可能性がある。そのため、これらの設備で発生する振動を技術的対策によって具体的かつ効果的に減衰させる必要がある。これは、様々な異なる使用分野に応じて種々の設計の振動吸収器または振動減衰器を利用して行われる。
【0003】
このように、例えば臨界振動がいわゆるカルマン渦励振の問題のみを示す設備が存在する。回転するロータは一般に非常に良好な風力タービンの減衰を行うので、この種の渦は設備の停止時においてのみ生じる。設備停止時に風を横切るロータブレードの減衰のために、この種の装置は長手方向にのみ励起され得る。カルマン渦励振は風向に対して90°の向きに発生するため、この場合は横方向のみ、より正確には風向に従わない場合にのみ発生する。このように、この種の設備では、振動吸収器が設備停止時にのみ作動すれば十分である。
【0004】
もちろん、風力タービンは、稼動中においてもロータ軸に対して横方向に振動する。この方向では、ロータによる減衰が非常に小さいので、特に非常に高い塔の場合には、振動吸収器による横方向への追加の減衰もまた必要となる。
【0005】
さらに、海上に建設され、波の励振によってあらゆる方向に振動するように励振される設備が存在する。運転中に、風によって軸方向にのみ減衰されるロータのために、このような設備は、特に、風向きに対して直交する方向に移動する波に対して反応する。従って、ロータ軸に対して横方向に作用する振動吸収装置も、装置の作動中において必要になる。このような装置も静止状態で全方向に励振されるため、ロータ方向およびロータ方向に対して横方向に作用する振動吸収器も場合によっては必要とされる。
【0006】
さらに、ロータの回転によって励起される励起が存在する。これらは、一方では、ロータが塔の共振周波数を通過する際にロータによって起こされる励振である。同様に、塔は、塔の共振周波数に近い回転子周波数によって励起される。
【0007】
このように励振周波数に応じて振動吸収器には多くの異なる課題がある。ここでは、(i)停止時の軸方向の振動吸収器、(ii)停止時の横方向の振動吸収器、(iii)停止時の水平面内の振動吸収器、および(iv)停止時および動作中の水平面内の振動吸収器を含む。ほとんどの干渉力は設備のタワーにも作用するが、一般に1Hz以下の低い共振周波数で振動することが一般的である。この理由から、従来技術では、振動減衰のために、タワーに吊り下げられた振り子式振動吸収器がしばしば採用されている。
【0008】
風力タービン用の振り子式振動吸収器は、例えば、欧州特許1008747号公報または国際公開2009/068599号公報に記載されている。ここでは古典的な振り子が用いられているが、これらはタワーのなかで動きやすい小さなスペースのために小さなスイング距離でのみ動けるようになっており、対応する共振周波数に影響を及ぼすことができるようにするためには、必要とされる振動吸収器の質量がかなり大きくなければならないという結果を招来する。これに対処するために、省スペースの解決策が提案されている。
【0009】
特開平08−200438号公報には、真円の半径に対応する振り子ロッドまたは振り子ケーブルを仮想振り子の質量のように質量を事実上移動させ、内側に凹形に湾曲した円形の軌道上を転動可能なローラが取り付けられた振動吸収質量を有する振動吸収器が開示されている。共振周波数に対する粗調整は、システムの粗い構成(質量、レール寸法、長さなど)によって規定されるが、このシステムにおける共振周波数の微調整は、レールの曲率を変更することによってのみ行うことができる。これは技術的に非常に複雑であり、場合によっては技術的に全く不可能である。
【0010】
欧州公開2746483号公報は、風力タービン用として振り子運動に基づくローラ式振動吸収器を提示している。この振動吸収器は、必要に応じて可変の振動吸収質量を、復元力、特にばね力によってホイール/レール構成上の中心位置から移動させることができる。このフレームにおいて提案された高さ調整は、周囲のフレームワーク内に振動吸収体質量/レール構成が配置され、高さ調整が仮想振り子の長さの物理的変化を引き起こすために、周波数の所望の微調整を提供するものである。しかしながら、この振動吸収器は、装置全体が比較的かさばったものであるため、風力タービンの一部の領域では依然としてスペースの問題があり、また風力タービンの場合には約500〜5000kgにも及ぶ重い振動吸収体の質量を上げたり下げたりして周波数の変化または適応を引き起こすという事実から離れて課題解決を達成することは非常に困難である。
【0011】
本発明の目的は、制限された利用可能な空間に適しており、要求を満たす、風力タービンまたは同様の背の高いスリムな設備または建造物において、特に5Hz未満、特に1Hz未満の共振周波数を減衰させるための振動吸収器を提供することにある。
【0012】
この目的は、以下に記載された振動吸収器の記述説明および特許請求の範囲の記載によって達成される。ここで、本発明の振動吸収器は、その全体的な新規概念のために様々な実施形態で利用可能であり、風力タービンまたは同様の設備で発生する上記で簡単に要約した低周波振動事象の大部分を連続的に正常に減衰させるか、または完全に除去することが可能となることが見出されている。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、干渉周波数に可変に適合させることができ、特に、風力タービンまたは類似の振動特性を有する設備または機械、または背の高いスリムな建造物に適する振動吸収器であって、走行ギア(1)と、アブソーバ主質量(1.1)と、保持構造(3)に取り付けられるか又はその一部である走行装置(7)と、を具備し、前記アブソーバ主質量が走行ギアに取り付けられているか又はその一体部分であり、前記走行装置は、少なくともその中央領域において凹状にかつ円形に湾曲しており、走行ギア(1)またはアブソーバ主質量(1.1)は、ホイールまたはローラによってか、または非接触で振動力に応じて運動を開始し、かつ前記走行装置の方向に有効であるようにすることによって、前記走行装置の凹面側の中心位置または頂点位置から外れて移動および変位させることができ、本発明において、前記走行ギア(1)または前記アブソーバ主質量(1.1)(30.6)は、前記アブソーバ主質量と一緒に移動する前記走行装置の円形軌道の面に直交する回転軸を有する少なくとも1つの従動のディスク形状の回転対称の回転質量コンポーネント(1.5)(1.6)(30.7)(30.8)を有し、回転方向が前記走行装置に沿って移動した前記走行ギアのそれぞれの方向に本質的に対応し、少なくとも1つの前記回転質量コンポーネントは、回転質量の直径に応じて、前記アブソーバ主質量の1%〜30%に対応する可変回転質量(1.6)(30.7)(30.8)を有する。
【0014】
この種の振動吸収器の使用は、本発明によれば、選択された回転質量または慣性モーメントおよびこの回転質量の他の設計的特徴に依存して、共振振動の周波数変化を30%まで、好ましくは20%まで、特に10%または15%まで達成することを可能とする。
【0015】
本発明によれば、走行装置(7)は、少なくとも1つ、好ましくは2つまたは3つの対応する形状の走行レール(4)または走行管(70)を含み、走行ギア(1)は、選択された方向(力の作用方向に依存する)で直線的に移動することができる2つの質量を含み、走行ギアは、レール上を走行する対応するホイールまたはローラ(1.2)が取り付けられており、これらのホイールまたはローラは好ましくは走行ギアの運動方向に平行に配置されている。
【0016】
本発明による振動吸収器のための走行ギアは、原理的には磁気的に取り付けられてもよく、その結果、ローラもまた省略され得るか、またはローラは磁石システムの故障の場合にのみ必要とされる。回転モーメントは磁石システムを備えた駆動ローラを介して伝達することができないため、歯付きラックまたはプルチェーンなどの追加システムが必要になる。歯付きラックまたはプルチェーンでは、摩擦力に依存しない、非常に高いトルクをフライホイールに伝達することができる。接触力とは無関係にトルクを伝達するより小さい駆動ピニオンのために、追加の増速機を用いなくてもフライホイールのより大きな回転速度を達成することができる。つまり、より小さな回転質量が必要とされるか、またはより広い周波数調整範囲が可能である。
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの第3のホイールが移動方向に平行に走る第2のレール上に配置される一方で、他方の後方に配置された少なくとも2つの走行ホイール(1.2)(80.3)(91)がシャフトを介して接続される回転質量コンポーネント(1.5)(1.6)のためのホイール(1.3)を含む。
【0018】
あるいは、走行装置(7)は、走行レール(4)の代わりに、管の周りに分布された少なくとも3つ、好ましくは4つのホイールまたはローラを備えた走行装置が移動する丸い走行管(70)を有し、ホイールまたはローラは走行管(丸チューブ)の外形に対応する凹状の走行面を有し、それによってホイールが滑り落ちることが防止される。この実施形態では、ホイールは、特に、対応する張力手段によって達成され得る一定の接触圧力で、走行管に押し付けられるべきである。また、特に、利用可能な空間がごくわずかである場合に適したこの代替実施形態では、ホイールの少なくとも1つが駆動ホイールであり、駆動ホイールは駆動軸を介して回転質量コンポーネントに接続されている。
【0019】
本発明のさらなる実施形態では、回転質量を有する走行ギアの確実な案内および支持のために、必要なスペースがあれば、さらなるレール(5)またはさらに別のチューブ管を設けることが可能であり、支持ホイールが走行レール(4)の上方又は下方に配置され、好ましくは上方に配置され、走行ホイールに連結された支持ホイールが走行可能である。しかしながら、走行レール(4)はL要素として設計されてもよく、その上に走行ホイール(1.3)がそれ自身を支えることができる垂直面、好ましくは低摩擦の垂直面を備えてもよい。しかし、水平走行レール(4)は、それから分離され、かつそれに対して直交して配置される支持およびガイドレール(5)(80.5)を含む。
【0020】
走行装置の支持および確実な保持のために、同じ走行レール上または同じ走行チューブ上で、好ましくは走行ホイール(1.2)(1.3)の車軸に直交して転動する付加的な横方向支持ホイールまたはローラ(1.7)が存在してもよく、側部で装置を支持する。
【0021】
上述したように、本発明による吸収装置の走行装置は、少なくとも中央領域に、好ましくは湾曲した形状を有しており、好ましくは湾曲したレールまたは走行チューブの形態であり、走行する歯車(1)であり、実質的に円形状に対応する。走行装置は、実質的に線形であってもよく、特に双曲線形状を有していてもよい。また、走行プロファイルは、中央領域とは異なる半径を有する円形であってもよい。また、走行装置は、異なる曲率を有する走行レールまたは走行管を有することが可能である。これは、例えば振動吸収器の周波数調整にさらに影響を及ぼすために、異なるサイズのホイールを走行および/または駆動する場合に有利であり、必要でさえある。
【0022】
走行装置の長さは、吸収器の主質量と回転質量とを有する走行ギアが転がりによって移動することが可能であり、設置スペースの必要性に適合させることができる。風力タービンの場合、2m〜約5mの長さが最適であり、好ましくは3〜4mの間であることが判明している。他の2つの寸法は、かなり小さくなることがある。このサイズの吸収体の回転質量の直径は、約0.25m〜0.75mの間で選択することができるが、0.75mより大きい(>0.75m)直径を採用することもできる。このような寸法を有する振動吸収器は、原理的には、風力タービンのタワーだけでなく、ゴンドラ(吊りかご)の内側または外側のいずれにも設置することができる。
【0023】
一般に、本発明によれば、走行ギアは、複数の駆動ホイール(1.3)、ひいては複数の回転フライホイール質量を、2つのフライホイール質量または回転質量コンポーネントに適合させることが可能である。走行レールまたは走行チューブ上で回転する駆動ホイールのサイズまたは直径の変化によって、ホイールの回転速度、それに接続されたフライホイールおよび回転質量の回転速度にも影響を与えることができ、その結果、吸収器の周波数を変化させることができる。
【0024】
本発明によれば、フライホイールの回転速度をギアボックス(10.1)の設置によって駆動輪と比較して倍数だけ増加させることも可能である。
【0025】
したがって、本発明は、駆動ホイール(1.3)と回転質量ユニット(1.5)(1.6)(30.7)(30.8)との間にギアボックスが設置されている対応する振動吸収装置にも関連しており、それにより回転質量の回転速度は駆動ホイールの回転速度よりも大きくなる。さらに、モータによって駆動ホイール(1.3)、したがって回転質量体のフライホイール(1.5)またはフライホイール(1.5)自体を能動的に駆動することも可能である。
【0026】
本発明による回転質量ユニットの移動中に加えられる力は、ローラまたはホイールの摩擦によって走行装置(レールまたはチューブ)に伝達される。したがって、特に湿った、油状の又は凍った走行装置または氷結した、湿った又は油状のホイールまたはローラの場合、ホイール、特に駆動ホイールが走行レールまたは走行管上を回転するか又は滑ることがある。したがって、ダンパーの可能な限り最大の減衰および周波数調整は、回転フライホイール質量によって制限される。これは、以下の実施形態により本発明に従って防止することができる:(i)ローラ/ホイール、特に駆動ホイールは、走行装置に対して高い摩擦値を有する材料で作られているか、(ii)駆動ホイールは、装置の回転特性に決定的に影響を与えないように、走行装置に対して引っ張られてもよい。(iii)レールまたはチューブの走行面は、対応するホイールまたはローラが走行する歯付きベルト輪郭を有し、走行面自体が対応するプロファイルを有しており、ホイールまたはローラの歯が走行装置の走行面の歯に嵌合するようにする。
【0027】
本発明によれば、回転質量はフライホイール(1.5)(10.3)を含み、好ましくはプラスチックまたはアルミニウムのような軽量の材料で構成され、中央シャフトまたはホイールを有し、ドライブホイールを介して片側にギアを動かす。フライホイールと同じ方向に回転する回転質量(1.6)は、反対側に位置する。フライホイールの軸またはシャフト、すなわち回転質量の軸は、ホイールの平面がレールまたは走行管上の他の走行ホイールと実質的に平行に配置されるように方向付けられ、その結果、最適な場合には、回転質量の回転方向は、走行装置の方向、したがって走行ギアの方向に対応する。
【0028】
回転質量は、1つの質量ディスクだけでなく、必要な周波数適応に従ってシャフトまたは車軸に取り付けられた複数のディスクから構成されてもよい。
【0029】
一般に、周波数は、とりわけ、フライホイール上の以下の措置によって変更することができる。(i)質量の大きさ、(ii)質量の位置または車軸上の質量の重心、(iii)回転構成要素の直径に対する質量または質量重心の位置、および(iv)走行中の装置の長さおよび曲率。
【0030】
本発明の好ましい実施形態によれば、質量体(10.4)の重心は、質量体の慣性モーメントの変化を導く変位装置(10.4.1)によって半径方向内側または外側に変位する共振周波数が影響を受けることを可能にする。より単純な変形例では、より大きいまたはより小さい直径(同じ全回転質量を有する)の質量ディスクを、簡単にフライホイールに取り付けることができる。
【0031】
本発明のさらなる実施形態では、質量フライホイールによる減衰に加えて、システムの追加の減衰が可能である。このように、例えば、それ自体公知の渦流原理によって、(i)フライホイールの回転領域で減衰を達成することができ、または(ii)以下に詳細に説明するように、レール/チューブ配置(アレンジメント)に関連して走行ホイールの領域で減衰を達成することができる。
【0032】
本発明による吸収器の好ましい実施形態は、(i)移動方向に平行に走る2つの走行レール(4)を含む走行装置(7)であって、(ii)第1走行レール(4)上を自由に走行する2つの自由走行ホイール(1.2)と、(iii)前記第2の走行レール(4)に対向配置される2つの自由走行ホイールと、(iv)少なくとも1つの質量ディスク(1.6)を有する外向きフライホイール(1.5)に接続され、駆動ホイールおよび走行ホイールならびにアブソーバ主質量は前記走行ギア(1)の一部である。
【0033】
本発明による吸収器の他の実施形態は、
(i)丸チューブ(70)を含む走行装置と、
(ii)それぞれが回転質量コンポーネント(1.5)(1.6)を駆動する、前後に配置された2つの駆動ホイール(70.1)と、
(iii)駆動ホイール(70.1)に対向して配置された2つの更なる走行ホイール(70.2)と、
(iv)駆動ホイールの面に対して直交して配置された少なくとも2つの対向する支持横ホイールと、を具備し、
全てのホイールに設けられ、チューブの湾曲に応じて凹面状に形成された走行面を有し、これによりチューブ上を前後に移動することができ、対応するテンション手段によってホイールとそれらの軸受が互いに張力をかけられている場合には、アブソーバ主質量(1.1)を含むチューブ上の走行ギア(1)の機能的に完全な移動が保証される。
【0034】
本発明の吸収器は、1つの振動方向、すなわち直線的な態様でのみ有効であるので、平面内の振動に対して異なる方向、好ましくは90°互いに有効な少なくとも2つの振動吸収器を設けることが必要になる。したがって、本発明は、2つ以上の異なる方向からの励起振動を減衰させるための、本発明の2つ以上のアブソーバを備える振動吸収器アレンジメントにも関し、少なくとも2つの振動吸収器が、減衰される設備において、それらの走行方向の整列(アライメント)に関して異なる方向に配置される。この種の装置の好ましい実施形態では、本発明の2つの振動吸収器は、互いに物理的に結合されているか、または互いに接続されている。
【0035】
また、本発明は、以下の特徴を含む2つの異なる方向からの励起振動を減衰させるための対応する振動吸収器にも関連しており、
(i)走行/保持装置(30.4)上を移動する走行ギア(30.5)とアブソーバ主質量(30.6)と回転質量(30.8)とを有する請求項1〜29のいずれか1項に記載の第1の下部振動吸収器と、
(ii)走行/保持装置(30.3)上を移動するが、それ自体のアブソーバ主質量を有さない走行ギア(30.1)および回転質量(30.7)を有する、請求項1乃至29のいずれか1項に記載の第2上部振動吸収器と、を具備し、
下部振動吸収器と上部振動吸収器とは、それらの走行装置に対して互いに対して角度を形成し、第1の下部振動吸収装置は、その走行/保持装置に取り付けられた接続要素(30.2)によって第2の上部振動吸収器の走行ギア(30.1)に接続され、この上部走行ギア(30.1)に自由に吊り下げられ、2つの異なる方向に発生する有効干渉振動に応じて、アブソーバ主質量(30.6)を含む前記下部振動吸収器は、後者の前記上部振動吸収器とともに上部振動吸収器の走行装置(30.3)の方向に移動され、同時に、同じ前記アブソーバ主質量(30.6)を含む下部振動吸収器の走行ギア(30.5)は、それ自身の異なる走行装置(30.4)の方向に移動されることができる。
【0036】
本発明の振動吸収器および振動吸収器アレンジメントは、5Hz未満、特に1Hz未満(< 1 Hz)、特に0.5Hz未満(< 0.5 Hz)、好ましくは0.1〜0.25Hzの間の周波数の振動を減衰させるのに非常に適している。また、本発明は、5Hzと0.1Hzとの間、好ましくは0.25Hzから1Hzまでの間の干渉振動(interfering vibrations)を減衰させるための対応する振動吸収器または振動吸収器アレンジメントにも関するものである。周波数は、約10〜35%、特に約20〜30%の範囲で変更することができ、周波数調整を非常に正確かつ小さなステップで実行することが可能である。この周波数の調整または特定の振動条件へのその適合は、例えば、特開平8−200438号公報または欧州公開2746483号公報から知られている従来の振動吸収器(アブソーバ)よりも、著しく簡単かつ正確に行うことができる。さらに、設置場所として非常に幅広い場所(ゴンドラ、タワー)を選択でき、様々な場所に簡単に設置することができる。対応する周波数変化は、揺動主質量の約1/20〜1/4、好ましくは約1/10の小さな質量しか必要とせず、これは従来技術の同等の振動吸収器に比べて著しい利点である。
【0037】
したがって、走行装置の長さが2.5m〜3.5mの場合には、回転質量が約65kg、直径が0.25mの場合、揺動主質量250kgの周波数を20〜30%変化させることができる。同じ効果は、0.5mの回転質量の直径の場合には約15kgの回転質量を必要とし、また0.75mの直径の場合には約7kgの回転質量しか必要としない。また、揺動(スイング)主質量500kgの周波数は、走行装置の長さが2.5m〜3.5mの場合には、回転質量が約130kgであり、直径が0.25mであり、20〜30%の変更が可能である。同じ効果は、0.5mの回転質量の直径の場合には約30kgの回転質量を必要とし、また0.75mの直径の場合には約15kgの回転質量しか必要としない。
【0038】
さらに、揺動主質量1000kgの周波数は、走行装置の長さが2.5m〜3.5mの場合には、回転質量が約250kgであり、直径が0.25mであり、20〜30%の変更が可能である。同じ効果は、0.5mの回転質量の直径の場合には約65kgの回転質量を必要とし、0.75mの直径の場合には約30kgの回転質量しか必要としない。
【0039】
最後に、排出(エミッション)は、少なくとも1つの振動アブソーバまたは少なくとも1つの振動アブソーバの配置を有する風力タービンにも関連する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1の(a)は円弧状の走行軌道上を転動する可動部全体から構成されるローラーアブソーバが片側で振り子状に振り子と同様に円運動を行う状態を示す正面図、図1の(b)はローラーアブソーバを示す背面図、図1の(c)はローラーアブソーバを示す斜視図である。
図2図2は、本発明のローラーアブソーバを側方から見て示す図である。
図3図3の(a)は本発明のローラーアブソーバの主要部を示す正面図、図3の(b)は本発明のローラーアブソーバの主要部を示す斜視図、図3の(c)は本発明のローラーアブソーバの全体概要を示す正面図である。
図4(a)(b)】図4の(a)はローラーアブソーバの概要を示す正面図、図4の(b)はローラーアブソーバの概要を示す背面図である。
図4(c)(d)】図4の(c)はギアボックスを有するローラーアブソーバの主要部を示す横断面図、図4の(d)はギアボックスを有するローラーアブソーバの主要部を切り欠いて示す部分断面斜視図である。
図5図5の(a)は他の実施形態に係る摩擦ダンパーの全体の概要を示す正面図、図5の(b)は図5(a)のA部を拡大して示す部分拡大図である。
図6図6の(a)は図5(a)のB部を拡大して示す部分拡大図、図6の(b)は摩擦ダンパーの主要部を示す斜視図である。
図7図7は、漸進カーブを有する走行軌道を示す図である。
図8(a)(c)】図8の(a)は、2つの走行装置/保持装置が90°の角度で交差して配置された複合振動吸収装置のシステムを示す平面図、図8の(c)は複合振動吸収装置の主要部を拡大して示す部分拡大図である。
図8(b)(d)】図8の(b)は複合振動吸収装置の全体概要を示す斜視図、図8の(d)は複合振動吸収装置の全体概要を示す斜視図である。
図9(a)(c)(b)】図9の(a)は、振動吸収装置の主要部を示す平面図、図9の(b)は磁気ダンパー/渦電流ダンパーの磁石配列を示す図、図9の(c)は振動吸収装置の主要部を示す正面図である。
図9(d)(e)】図9の(d)は図9の(c)のA-A線のところで切断した振動吸収装置の主要部を示す拡大断面図、図9の(e)はフライホイールに取り付けられたエアギャップ調整装置を拡大して示す図である。
図10(a)(b)】図10の(a)はコンパクト設計された実施形態の振動吸収装置を示す内部透視断面図、図10の(b)は他の実施形態の振動吸収装置を示す内部透視断面図である。
図10(c)(d)】図10の(c)はさらに他の実施形態の振動吸収装置を示す内部透視断面図、図10の(d)はまたさらに他の実施形態の振動吸収装置を示す内部透視断面図である。
図11図11の(a)はタワー内に個別に設けられた複数のリニアアブソーバを示す平面図、図11の(b)はタワー内に個別に設けられた複数のリニアアブソーバを示す斜視図である。
図12図12は、垂直ばねを付加した他の実施形態の振動吸収装置を示す図である。
図13図13は、丸い走行管と2つの回転質量体などを備える走行装置を有する他の実施形態の振動吸収装置を示す図である。
図14図14は、変形例の走行装置を有する更なる他の実施形態の振動吸収装置を示す図である。
図15図15は、揺動質量の最大撓み領域における対応する配置を示す図である。
図16図16は、振動システムの小さな動きまたは中央位置を通過する場合の配置を示す図である。
図17図17は、ホイールロールと走行レールとの歯の噛み合い部分を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
ここに記載された吸収装置システムの基本的な考え方は、大きなスイング距離によって小さな質量を容易にする。従来のタワーの振動吸収装置は約300〜500mmの揺動変位しか達成しないが、本発明の吸収装置では3000〜5000mmを超える揺動距離を達成することができる。
【0042】
これは、スイング距離の約10倍の間、必要な質量を約1/10に減らすことができ、これはそれ自体利点であることを意味する。しかしながら、そのような軽量吸収器は、非常に正確な比率で塔の共振周波数に適合させなければならない。これは記載された本発明によって可能である。
【0043】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。以下の参照番号は、本明細書および上記の一般的な説明および請求項において用いられる。
【0044】
図1図3に、本発明のローラーアブソーバを様々な配置および位置から示している。
【0045】
図1の(a)〜(c)は、片側に振れた振り子と同様に、円弧状の走行軌道上を転がり、したがって円運動を動かす可動部全体からなるローラーアブソーバをそれぞれ示す図である。可動走行ギア(1)は、少なくとも3本の走行ローラ上を移動する。側方支持のために、横方向支持ローラ(1.7)が設置される(図3)。走行レール(4)は保持構造(3)に接続されている。調整のために穴を設けてもよい。走行ローラによって駆動される回転質量体(フライホイール)(1.5)が少なくとも1つの走行ローラに取り付けられている。可動部(1)が移動方向(1.8)に円運動すると、フライホイールは方向(1.9)に回転する。フライホイールの回転質量は、アブソーバの共振周波数に影響する。従って、異なるフライホイール質量は、アブソーバの共振周波数が必要な値に正確に調整されることを可能にする。
【0046】
使用目的によっては、設置作業中に吸収塔を固定する必要がある。機械的システムの他に、これは電磁ブレーキによって行うことができる。本発明のさらなる実施形態では、振動吸収装置はパーキングブレーキ(2)を備える。この場合に、パーキングブレーキは、設置の停止時に解除されることが保証される。この目的のために、電磁石(2.1)は、軸方向に移動することができるように、少なくとも1つまたはいくつかの板バネに取り付けられている。磁石は電流が流れていない限り、板ばね(2.2)によって保持される。電流が充電されている場合、磁石はフライホイールディスクに向かって移動し、フライホイールディスクを制動する。フライホイールディスクは、アブソーバ自体よりも高速であり、外径に対する部分力が小さいので、比較的小さな磁石で制動には十分である。あるいは、磁石は、他の可動部品(1)上の保持構造としても作用することができる。
【0047】
フライホイール質量の大きさは、質量の増加とともに、質量が作用する半径の増加と共に増加する。フライホイール質量の増加と回転速度の二乗の増加に伴い、アブソーバ周波数への影響が増加する。第1のアプローチでは、可能な限り大きなフライホイールが最小の可能なローラで駆動されるので、フライホイール質量、特に回転速度は可能な限り大きい。
【0048】
アブソーバの共振周波数の調整は、多かれ少なかれ質量をフライホイールに取り付けることによって行われる。同時に、フライホイール質量(1.6)を半径方向に変位させることによって共振周波数に影響を与えることも可能である。ホイールの摩擦は、対応する加速度で質量を駆動するのに十分な大きさであることが重要である。ここでは、三輪配置の場合において、フライホイール質量が3つのホイールのうちの1つに取り付けられ、フライホイール質量の半分が1つのホイールに作用することが有利である。同時に、この駆動ホイール(1.3)の負荷は、フライホイール質量が増加するにつれて増加し、同時に一定の摩擦係数でより大きなフライホイール質量を駆動するのに役立つ。この方法では、アブソーバの共振周波数を10〜30%調整することができる。
【0049】
フライホイール質量(1.6)の慣性モーメントは、質量×距離の二乗[kg × mm 2]で定義される。駆動ホイールとレールとの間の可能な摩擦値と揺動質量とに依存する最大駆動力により、最大フライホイールモーメント、ひいてはフライホイール(1.5)のフライホイール質量(1.6)のサイズが制限される。より大きな半径をもつ駆動ホイールは、対応するより大きいフライホイールモーメントで駆動することもできるが、結果としてより低い回転速度をもたらすことになる。例えば、駆動ホイールの半径が100mmである0.25Hz吸収装置の場合、約5000kg × mm 2の合計回転質量(1.6)がアブソーバ主質量(1.1)キログラム当たりに駆動され、駆動ホイール(1.3)にかかる荷重の半分で説明される。したがって、周波数は、10〜30%、特に約20%の影響を受けることができる。例えば450mmのフライホイール質量の直径の場合、これはアブソーバ重量の約0.1kg/kgの回転質量を与える。これは、例えば20%の周波数調整の場合に、アブソーバ主質量(1.1)の約10%が直径450mmの回転質量(1.6)として回転する必要があることを意味する。揺動する主質量(1.1)の重心が駆動ホイールの方向に変位することにより、駆動ホイール(1.3)の荷重、ひいては可能なフライホイール質量が増大する。駆動ホイールとレールとの間のより高い摩擦値は、同様に、可能な周波数スプレッドに対して実用的なプラスの効果を有する。同じ設計のタワーの通常の周波数偏差の適応には±5%の調整範囲で十分であるので、システムで達成することができる可能な調整は十分に尽くされたものではない。
【0050】
フライホイール(1.5)の質量は、駆動ホイール(1.3)とレール/チューブとの間の摩擦によって駆動されなければならないが、調整範囲に大きく寄与しない固定量である。従って、フライホイール(1.5)の回転質量(1.6)はできるだけ小さくすべきである。フライホイール(1.5)は、好ましくは軽金属またはプラスチックから作られ、可能な限り最大の調整範囲で使用される。駆動ホイールを直接的または間接的にポジティブ駆動する歯付きラック、チェーンまたは歯付ベルトを使用することによって、調整範囲をさらに拡大することができる。
【0051】
さらなる可能性は、図4に示すように、ギアボックス(10.1)を使用することであり、これを使用すると回転フライホイール質量(1.6)の回転速度が可能な限り高くなる。これにより、高速回転に起因して可変回転質量をより低くすることが可能になる。よって、例えば伝達比が5の場合には、52=25倍の効果を与える。すなわち、フライホイールが取り付けられていない同径のディスクに必要とされる質量の25分の1の質量しか必要とされない。可変質量は、簡単な調整装置(10.4.1)を用いて半径または直径で変位させることができる。高速回転システムの場合に、比較的小さな磁気トーション・ブレーキ(10.2)を使用することはもちろん可能である。また、電動機を組み込むことによってアブソーバが作動するように設計することも容易にできる。10〜20%の周波数調整のためには、揺動質量の約1〜2%のみが、伝達比5およびフライホイール直径、例えば200mmで必要とされるであろう。ギアボックスは維持されなければならない追加部品であるため、単純なフライホイールディスクは、共振周波数を設定するのに必要なフライホイール質量が大きいにもかかわらず、単純な設計と大幅なメンテナンスコストの利点を有する。
【0052】
異常な作用によって引き起こされる振動や衝撃は、一般的な操作で通常よりも大きく振動吸収システムに負荷をかけることがある。このため、振動アブソーバは、定常運転中において通常の場合よりも大きく偏向するおそれがある。アブソーバの衝撃を防止するために、従来の端部位置ダンパーを用いることができる。アブソーバの大きな揺動のより大きな減衰に関連する本発明による簡単なさらなる実施形態は、図5図6に示される摩擦ダンパー(20)であり、これはアブソーバの大きなたわみの場合にのみ有効となる。この摩擦ダンパーは、例えばジョイント(20.4)に取り付けられ、当り止め(20.5)によって下方に傾動するのを防止されたレバー(20.1)を備える。レバーは、比較的大きな振幅の場合には少なくとも1つのホイール上を摺動し、後者の場合にはブレーキを掛ける追加の摩擦ライニングを備えることができる。距離が増すにつれて、幾何学的条件と質量(20.2)の影響により、レバーのホイールへの接触力、ひいては摩擦が増大する。したがって、漸進的な減衰が可能である。質量(20.2)がレバーの長手方向軸上で変位することができるという事実は、このシステムの減衰を要件に適合させることを可能にする。レバーは、レバーが近づくときにギャップ(20.6)が依然存在し、レバーへのローラの進入が連続的に行われるように、当り止め(20.5)によって設定される。
【0053】
穏やかなまたは制御可能な端部停止(エンドストップ)を達成するさらなる可能性は、図7に従うより急になる上向き曲率(21)を有する走行レール(4)の形成である。原理的には、理論的に最適な形状が転がり輪曲線(サイクロイド)によって記述されている、任意の曲線走行または転がりを保証する任意の曲線プロファイルを達成することができる。しかし、これは、提案された転がり半径の場合の円形軌跡に非常に類似している。直線および曲線要素からなる曲線プロファイルも使用することができる。
【0054】
ここに記載された振動アブソーバは、一方向に、すなわち直線的にのみ作動する。揺動構成要素の平面全体でアブソーバを動作させることができるようにするために、一方では、異なる方向(2つのアブソーバの場合には90°)で複数の別個のアブソーバ(少なくとも2つ)を操作し、それらを異なる方法で配置する可能性がある。図8は、例えば2つの走行装置/保持装置が好ましくは90°の角度で交差して配置された複合振動アブソーバのシステムを示す。この構造は、湾曲した走行レール(30.3)が追加の主質量無しでただ1つの走行ギア(30.1)を有するようなものである。フライホイール(30.7)もこの走行装置に取り付けられている。走行ギアは、接続要素(30.2)によって保持構造のボトム(30.4)にトップ(30.1)で接続されている。主質量がボトム(30.6)にある走行ギア(30.5)がこの保持構造(30.4)上を走行する。したがって、ボトムでの質量(30.6)は両方向に作用する。前回の低共振周波数、したがって相対的に小さな力のために、接続要素(30.2)を備えたこの種のシステムは、十分に安定するように構成することができる。安定性のためには、例えばボックスプロファイルなどの安定したプロファイルを使用することが重要である。
【0055】
既に述べたように、アブソーバの動きと平行に走る走行レール/走行管の半径は異なっていてもよい。走行レールの異なる半径は、異なる周波数を異なる方向に設定することを可能にする。図示されている無歯車フライホイール質量に加えて、もちろん既に説明したギアボックスを使用することができるので、対応するより低いフライホイール質量を採用することも可能である。
【0056】
本発明のアブソーバは、細長いが、かなりコンパクトな設計のために、これまで使用されてきた古典的な振り子アブソーバとは対照的に、減衰される設備におけるアブソーバの配置および配置のための新しい可能性が存在する(図10)。よって、第1のタワー共振周波数を減衰させる最大の効果が達成されるためには、アブソーバをできるだけ風力タービンの頂部に向けて設置すればよいことは明らかである。したがって、軸方向に作用するアブソーバは、ゴンドラの上部領域に配置することができる。空間条件に応じて、本発明によれば、1つのアブソーバを中心に、1つのアブソーバを偏心的に、または複数のアブソーバ(50.1)を使用することが可能である。アブソーバ(50.2)は、発電機ゴンドラ(ジェネレータ・ナセル)上に設置することもできる。さらに、アブソーバは、ゴンドラ上で開いた状態で外部に出ることができる。理想的には、ゴンドラ上に配置する場合にはハウジングが設けられる。現今のゴンドラは4m以上の幅を持っているので、ゴンドラの横方向にもアブソーバを設置することが可能である。これはまた、本発明による1つのアブソーバをゴンドラに対して横方向に取り付け、かつもう1つのアブソーバをゴンドラ(50.4)に対して長手方向に取り付けることが可能であり、あるいは、ゴンドラ(50.6)の横方向にアブソーバを取り付けるか、またはゴンドラ(50.7)の横方向にもアブソーバを取り付けることが可能である。また、ゴンドラ内にまたはゴンドラ上に十字配置(30)の本発明のアブソーバ配置(アブソーバ・アレンジメント)を取り付けることも可能である。
【0057】
また、本発明のアブソーバは、5Hz以下、特に1Hz以下の低周波振動を減衰させるために、風力タービンのタワーまたは対応する背の高いスリムな建物に設置するのに非常に適している。タワーは方向に依存しないため、タワー内の2つの方向の各々に対して1つのアブソーバがすべての場合で設けられなければならない。これは飛行機で行うことができる。しかしながら、風力タービンのタワーには、かなりのスペースを必要とする更なる技術的な付属品が一般的に必要になるために、図11に示すように、本発明の個々のリニアアブソーバは、十分なスペースが存在するタワー内部の方向および高さにオフセットして設置することができる。
【0058】
本発明の他の実施形態では、アブソーバは、図12に示すように、周波数にさらに影響を与えることを可能にする垂直ばねを付加的に備えている。
【0059】
この目的を達成するために、垂直方向に作用するバネ(60.4)が、例えばケーブルを介して、アブソーバおよび建造物/タワー基部に、または壁に取り付けまたはクランプされ、スプリングケーブルの長さは、スイング距離の長さの少なくとも2倍にする必要がある。長さ調節可能な鋼スプリング(60.4)は、アブソーバの周波数に影響を及ぼす程度に大きくまたは弱く張力をかけることができる。また、フライホイールディスクを介した周波数調整と、引張ばねによる周波数調整とを組み合わせることも可能である。
【0060】
図13および図14に示す本発明の振動アブソーバは、走行レール装置の代わりに、走行装置として、走行ギアを備えた丸い走行管と、特定の場合には2つの回転質量(1.5)、走行ホイール(70.1)(70.2)および支持ホイール(70.3)を含む。
【0061】
本発明のアブソーバは、上述したように、追加的に減衰させることもでき、必要な比較的小さなダンパー質量のために、それに対応して低い減衰値が必要とされる。
【0062】
本発明によれば、以下の代替案を実現することができる。
【0063】
- 減衰材による追加の減衰: 走行ローラ(1.2)と駆動ホイール(1.3)は減衰材で作製することができる。これらは、例えば、ポリウレタン及びあらゆる種類のエラストマーなどのプラスチックとすることができる。減衰走行ローラを有するシステムは、20℃を超える温度変化が生じない用途に使用することができる。しかしながら、プラスチックまたはエラストマーによる減衰弾性ローラは温度に依存するので、走行ローラは可能な限り低い減衰で使用され、減衰は温度に影響を与えない追加の要素によって達成される。しかし、駆動ホイール(1.3)に関しては、これがレールまたは走行管上で滑ることを防止するために、例えば、高ショア(硬さ)のポリウレタンのような、より大きな摩擦係数を有する材料が用いられる。同時に、駆動ホイールは重量分布のために最大の駆動力を有する。自由に回転する走行ホイール(1.2)および横支持ローラ(1.7)は、低摩擦値の材料(テフロン(登録商標)、ポリエステル、鋼)で使用される。この組み合わせにより、ローリング抵抗によって温度依存性の減衰が比較的少なくなる。したがって、必要な減衰のより大きな割合は、温度に依存しない追加のダンパーによって達成することができる。
【0064】
- フライホイールの回転領域における追加の減衰(図9):
(a)ここでの簡単な方法は、円筒形空洞を有するフライホイールを設計し、空洞内で回転するコンポーネント(砂、鋼球、液体)による減衰を達成することである。
【0065】
(b)従来技術からそれ自体が知られているように、渦電流ダンパーの使用によって、より手際のよい方法が得られる。
【0066】
この目的のために、フライホイールは、例えば、フライホイールが外径に永久磁石(40.2)で取り付けられるか、同時に、例えばアルミニウムまたは銅(40.3)でつくられた導電性ディスクが、例えば振動塊の一部である回転しない非回転鋼板に取り付けられる(図9)。しかし、逆に、回転フライホイールそれ自体をアルミニウムまたは銅または対応する合金で作製し、かつ、例えばフライホイールと回転質量との間に設けられる固定された非回転プレートの外周に磁石を外径にまたは円形に取り付けることも可能である。アルミニウム板上を磁石の通路が通り越すか、またはその逆の(磁石上をアルミニウムの通路が通り越す)ために、抵抗モーメントが達成され、温度に依存しない減衰が生じる。このようなシステムの減衰は、可能な限り正確に設定する必要がある。これを達成するために、本発明の更なる実施形態では、駆動軸(1.10)上に配置された調整装置(40.4)が、フライホイール(1.5)を軸方向に変位させることができ、かつエアギャップ(40.6)を正確な減衰設定のために変更することができる。
【0067】
(c)減衰を達成する更なる可能性は、同様に端部に向かって幅拡がりになる固定されたアルミニウム板の前方を走行するフライホイール上の磁石である。ますます幅広になるアルミニウム板では、磁石で覆われる面積が大きくなり、減衰が増加する。これは、スイング経路の終端において漸進的な減衰をもたらす。
【0068】
- 走行ホイールの領域における追加の減衰 - レール配置(図15図16):
アブソーバ質量のスイング軌道上の可変減衰を容易にするために、走行ホイール(1.2)(1.3)を介して渦電流減衰を達成することもできる。この場合に、永久磁石(80.4)は、好ましくは、前記ホイール(80.3)(1.2)(1.3)の1つまたはそれ以上の部分に配置され、それらと共に回転する。ホイールは、制動または減衰渦電流が発生する間に、好ましくはアルミニウム、銅、またはそれらの合金でつくられた導体板(80.1,80.2)を通り越して平行に配置される。導体板は、支持板または支持レール(80.5)(5)、または走行レール(4)の対応する配置部分に取り付けることができるが、前記支持レールを形成する独立の部品であってもよい。
【0069】
さらなる実施形態では、図15図16に示すように、導体板は幅が等しくなく、走行レール装置(80.1)の端部が中心部(80.2)よりも幅広である。このため、運動のより大きな減衰は、中心部を通過するときよりもスイング軌道の終端で生じる。この可変減衰の利点は、アブソーバの揺動振幅が増加すると減衰が増加することである。これは、特に、風力タービンのタワーの間欠的な負荷の場合に有利である。逆に、この配置構成では、振幅が小さい領域、すなわち振動アブソーバの中心位置から僅かに偏向が小さい場合にはわずかな付加的な減衰しか生じず、非常に小さいタワーの動きの場合でも走行ローラ/走行ホイールを動かすことができる。このようにして、軸受装置の静止摩耗に対抗する非常に小さなタワーの動きまたは振動の場合であっても、ホイール軸受グリースの連続的な分配が達成される。図15に、揺動質量の最大撓み領域における対応する配置構成を示す。図16に、振動システムの小さな動きまたは中央位置を通過する場合の配置構成を示す。
【0070】
- ギアボックスを有する高速走行システムの場合、従来技術による制動磁石も本発明に従って使用することができる。これらは、同時にブレーキとして使用されてもよい。電気モータをブレーキとして使用することも可能である。このタイプの振動吸収装置もこれらによって能動的に駆動することができる。
【0071】
本発明装置の走行ホイールまたは駆動ホイールは、ある条件のもとで回転または滑動することが本発明の実際の適用の過程で示されている。
【0072】
これは特に、氷の形成(氷結)、湿度/湿気、または環境への影響による据え付けの汚れまたは潤滑剤の漏れの場合に当てはまる。本発明のさらなる実施形態(図17)では、少なくともいくつかのホイールおよび走行レールの走行面は、温度依存性の低い膨張係数を有する剛性プラスチックで被覆されているか、あるいは好ましくは平坦な接触面(93)を有するカムを備えた歯付き輪郭または歯付きベルト輪郭(91)(92)を有する。歯付き輪郭(プロファイル)それ自体は、ホイール/ローラおよび走行レールが被覆されている対応する適切なプラスチックから作製されてもよく、またはそれ自体が表面構造として形成されてもよい。この種のプロファイルは、前記平坦な接触面のために、比較的大きな垂直方向の力を吸収することができる従来の歯よりも有利である。同時に、カムはトルクの摩擦係合伝達を確実にする。本実施形態では、摩擦増大プロファイルは、ホイール/ローラのうちのいくつかにのみ適用されてもよいが、少なくとも駆動ホイール(1.3)に存在することが好ましい。
【0073】
図17に示す実施形態では、ホイールは歯に全荷重をかけて転動する。
【0074】
あるいは、従来の走行ホイール(歯形なし)は、軸方向に配置された歯付きホイールに接続されてもよく、この歯付きホイールは、走行レールと同じ半径を有し、走行レールに沿って配置された歯付きラック上を転動する。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 干渉周波数に合わせて可変であり、同様の振動特性を有する風力タービンまたは設備、建造物および機械に用いることができる振動吸収器であって、
走行ギア(1)と、アブソーバ主質量(1.1)と、保持構造(3)に取り付けられるか又はその一部である走行装置(7)と、を具備し、
前記アブソーバ主質量は、前記走行ギア上に取り付けられるか、または前記走行ギアと一体化された前記走行ギアの一部であり、前記走行装置は、少なくともその中央領域において、凹状にかつ円形に湾曲しており、ホイールまたはローラ(1.2)(1.3)(1.7)(70.1)(70.2)(70.3)によってか、または非接触で振動力に応じて運動を開始し、かつ前記走行装置の方向に有効であるようにすることによって、前記走行ギア(1)または前記アブソーバ質量(1.1)を前記走行装置上の中心位置または頂点位置から外れて移動および変位させることができ、
前記走行ギア(1)または前記アブソーバ主質量(1.1)(30.6)は、前記アブソーバ主質量と一緒に移動する前記走行装置の円形軌道の面に直交する回転軸を有する少なくとも1つの従動のディスク形状の回転対称の回転質量コンポーネント(1.5)(1.6)(30.7)(30.8)を有し、回転方向が前記走行装置に沿って移動した前記走行ギアのそれぞれの方向に本質的に対応し、
少なくとも1つの前記回転質量コンポーネントは、回転質量の直径に応じて、前記アブソーバ主質量の1%〜30%に対応する可変回転質量(1.6)を有することを特徴とする振動吸収器。
[2] 前記走行装置(7)は、少なくとも1つの対応する形状の走行レール(4)または少なくとも1つの対応する形状の丸い走行管(70)を有することを特徴とする[1]に記載の振動吸収器。
[3] 前記走行装置(7)は、前記走行ギア(1)の移動方向と平行に走る少なくとも2本の走行レール(4)を有し、前記走行レールが同一または異なる曲率半径を有することを特徴とする[2]に記載の振動吸収器。
[4] 少なくとも2つの走行ホイールまたは走行ローラ(1,2)上で前記アブソーバ主質量(1.1)(30.6)を前後に動かすか、または湾曲した前記走行装置上で前記アブソーバ主質量(1.1)(30.6)を磁気的に前後に動かすことができることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[5] 2つの前記走行ホイールまたは前記走行ローラ(1.2)上で、または、まったく同一の走行レール(4)上で、または、まったく同一の走行管(70)上で、前記走行ギア(1)または前記アブソーバ主質量(1.1)(30.6)を動かすことができることを特徴とする[4]に記載の振動吸収器。
[6] 前記走行ホイールまたは前記走行ローラ(1.2)(1.3)(1.7)(70.1)(70.2)(70.3)(80.3)(90)は同じまたは異なる大きさであり、前記少なくとも2つの前記走行レールが同一または異なる曲率半径を有することを特徴とする[4]または[5]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[7] 前記回転質量コンポーネントは、本質的に駆動軸またはシャフトおよび1つまたは複数の質量ディスク(1.6)をもつフライホイール(1.5)(10.3)からなり、前記質量ディスクを前記フライホイールの軸またはシャフトに押し付けることができることを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[8] 個々の前記質量ディスクが半径方向外側と内側に変位可能であることを特徴とする[7]に記載の振動吸収器。
[9] 前記質量ディスク(1.6)の径を変化させることができるか、または、前記回転質量の質量重心を半径方向に変化させることができるか、または、異なる径の前記質量ディスク(1.6)が用いられる装置(10.4)を有することを特徴とする[7]または[8]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[10] 機械式、電磁式、または磁気式であって、前記回転質量コンポーネント(1.5)(1.6)(30.7)(30.8)を保持または解放するパーキングブレーキ(2)を有することを特徴とする[1]乃至[9]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[11] 前記回転質量コンポーネント(1.5)(1.6)(30.7)(30.8)は、少なくとも1つの駆動ホイール(1.3)を介して駆動されることを特徴とする[1]乃至[10]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[12] 前記駆動ホイール(1.3)は、前記走行レール(4)または前記走行装置の走行管(70)上を走行することを特徴とする[11]に記載の振動吸収器。
[13] 前記駆動ホイール(1.3)は、自由走行する前記走行ホイール(1.2)よりも前記走行装置の異なる走行レール(4)上を走行することを特徴とする[12]に記載の振動吸収器。
[14] 前記駆動ホイール(1.3)は、自由走行する前記走行ホイール(1.2)と同じ前記走行装置の前記走行管(70)上を走行することを特徴とする[12]に記載の振動吸収器。
[15] 前記駆動ホイール(1.3)は、同一の、より高いまたはより低い回転速度、および/または前記走行ホイール(1.2)と同一またはより大きな直径を有することを特徴とする[11]乃至[14]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[16] 前記駆動ホイール(1.3)は、(i)前記走行装置の材料に対して高い摩擦係数を有するか、または(ii)摩擦を増加させるために引張手段によって前記走行装置に張力をかけることを特徴とする[11]乃至[15]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[17] 回転速度が前記駆動ホイールの回転速度よりも大きくなるように、前記駆動ホイール(1.3)と回転質量ユニット(1.5)(1.6)(30.7)(30.8)との間にギアボックスを設けることを特徴とする[11]乃至[16]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[18] 前記回転質量コンポーネントの前記駆動ホイール(1.3)およびフライホイール(1.5)または前記フライホイール(1.5)自体は、モータによって能動的に駆動されることを特徴とする[11]乃至[17]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[19] 前記走行装置(7)は少なくとも1つの対応する形状の走行レール(4)を有し、かつ、前記走行レールおよび前記走行ホイールまたは前記走行ローラ(1.2)(1.3)(1.7)(70.1)(70.2)(70.3)(80.3)(90)の少なくとも1つの走行面は、摩擦力を増加させるコーティング、被覆または表面構造を有する、ことを特徴とする[1]乃至[18]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[20] 少なくとも1つの前記走行レール(4)および少なくとも1つの前記走行ホイールの走行面の前記コーティング、被覆または表面構造は、互いに係合する歯またはカム輪郭の形態であることを特徴とする[19]に記載の振動吸収器。
[21] 振動を減衰するための追加装置をさらに有することを特徴とする[1]乃至[20]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[22] 前記追加装置は渦電流ダンパーであり、少なくとも1つの走行レール(4)と組み合わされた前記回転質量コンポーネントおよび/または前記走行ホイールまたは前記走行ローラの領域に収容されて効果的にはたらくことを特徴とする[21]に記載の振動吸収器。
[23] 前記渦電流ダンパー(40)は、回転質量構成要素内に収容され、永久磁石と導電性ディスク(40.3)とからなる磁石配列(40.2)を含み、導体ディスクおよび磁石配列が互いに対向して配置され固定される調整装置(40.4)によって調節可能なエアギャップによって分離された、前記フライホイール(1.5)または前記回転質量(1.6)(30.7)(30.8)の回転によって互いに移動できるようになっていることを特徴とする[22]に記載の振動吸収器。
[24] (a)前記磁石配列(40.2)が前記フライホイール(1.5)の周縁に配置され、前記導体ディスク(40.3)が磁石配列と前記回転質量(1.6)(30.7)(30.8)との間に固定された状態で取り付けられているか、または(b)前記フライホイール(1.5)に電気的に回転する前記導体ディスク(40.3)が設けられているか、またはそれ自体が導体ディスクであり、前記フライホイール(1.5)と前記回転質量(1.6)(30.7)(30.8)との間に位置する非共回転板に反対側の永久磁石の前記磁石配列が配置されている、ことを特徴とする[23]に記載の振動吸収器。
[25] 前記渦電流ダンパー(80)は、少なくとも1つの前記走行レール(4)と組み合わせて少なくとも1つの前記走行ホイール(80.3)の領域に収容され、かつ、前記走行レールに沿うか、または前記支持板(80.5)に沿う導体板(80.1)(80.2)を有し、永久磁石からなる前記磁石装置(80.4)は、平行配置された前記導体板(80.1)(80.2)に沿う前記走行レール上の前記走行ホイールの転動時に渦電流減衰が生じるように、少なくとも1つの前記走行ホイール(80.3)に取り付けられている、ことを特徴とする[22]に記載の振動吸収器。
[26] 前記走行板(80)は、前記走行レールの2つの端部(80.1)の領域において前記走行レールの中心部(80.2)よりも幅広となるように、前記走行レール(4)上の走行ホイール(80.3)の走行経路に沿って設計され、これにより前記走行ギア(1)および前記ダンパー主質量(1.1)が通過する際に、前記2つの端部領域よりも湾曲した前記走行レールの中心部の領域のほうが渦電流減衰が少なくなることを特徴とする[25]に記載の振動吸収器。
[27] 前記主質量(1.1)および前記回転質量(1.6)を有する前記走行ギア(1)の回転を防ぐために、前記走行装置(7)の端部に衝突する端部位置ダンパーとしての摩擦ダンパー(20) (20.1)(20.2)(20.3)(20.4)(20.5)をさらに有することを特徴とする[1]乃至[26]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[28] 前記走行装置(7)の湾曲半径は、前記端部のほうが前記中央部の領域よりも小さいことを特徴とする[1]乃至[27]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[29] 前記走行ギア(1)または前記ダンパー質量(1.1)の一端にバネ装置(60.4)が取り付けられ、前記バネ装置の他端は減衰されるべき前記設備に接続されていることを特徴とする[1]乃至[28]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[30] 移動方向に平行に走行する2つの同一または異なる湾曲した走行レール(4)と、前記走行レールのうちの第1の走行レール(4)上を自由に走行する2つの走行ホイール(1.2)と、前記走行レールのうちの第2の走行レール(4)上に配置され、少なくとも1つの質量ディスク(1.6)を有する外向きのフライホイール(1.5)に接続された駆動ホイール(1.3)と、を具備する走行装置(7)を有し、前記駆動ホイールおよび前記走行ホイールならびに前記アブソーバ主質量は、前記走行ギア(1)の一部であることを特徴とする[1]乃至[29]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[31] (i)丸い管(70)を含む走行装置と、(ii)互いに前後に配置され、それぞれが回転質量コンポーネント(1.5)(1.6)を駆動する2つの駆動ホイール(70.1)と、(iii)互いに前後に配置され、前記駆動ホイール(70.1)に対向して配置された2つの更なる走行ホイール(70.2)と、(iv)前記駆動ホイールの面に直交して配置され、少なくとも2つの対向する支持横ホイールと、を具備し、 全ての前記ホイールが前記丸い管の湾曲に応じて凹面状に形成された走行面を有し、これらの面で前記丸い管を前後に移動させることができ、前記アブソーバ主質量(1.1)を含む前記丸い管上の前記走行ギア(1)の機能的に完全な移動が保証されるように、対応する張力手段により前記ホイールとそれらの軸受とが互いに対向して引っ張り合う、ことを特徴とする[1]乃至[29]のいずれか1に記載の振動吸収器。
[32] 2つの異なる方向からの振動の励振を減衰させるための振動吸収器アレンジメントであって、(i) 走行ギア(30.5)と、走行/保持装置(30.4)上を移動するアブソーバ主質量(30.6)および回転質量(30.8)を有する[1]乃至[31]のいずれか1に記載の第1の下部振動吸収器と、(ii) 走行/保持装置(30.3)上を移動するが、それ自身のアブソーバ主質量を有さない走行ギア(30.1)および回転質量(30.7)を有する[1]乃至[31]のいずれか1に記載の第2の上部振動吸収器と、を具備し、 前記下部振動吸収器と前記上部振動吸収器とは、それらの走行装置に対して互いに対して角度を形成し、前記第1の下部振動吸収器は、その走行/保持装置に取り付けられた接続要素(30.2)によって前記第2の上部振動吸収器の走行ギア(30.1)に接続され、この上部走行ギア(30.1)に自由に吊り下げられ、2つの異なる方向に発生する有効干渉振動に応じて、前記下部振動吸収器は、前記上部振動吸収器の走行装置(30.3)の方向にアブソーバ主質量(30.6)を含む前記上部振動吸収器とともに移動される一方で、同じ前記アブソーバ主質量(30.6)を含む下部振動吸収器の走行ギア(30.5)は、それ自身の異なる走行装置(30.4)の方向に同時に移動されることができる、ことを特徴とする[1]乃至[31]のいずれか1に記載の振動吸収器アレンジメント。
[33] 2つ以上の異なる方向からの励起振動を減衰させるための振動吸収器アレンジメントであって、少なくとも2つの振動ダンパーが、それらの走行装置のアライメントに関して異なる方向に配置されている、[1]乃至[31]のいずれか1に記載の2つ以上の振動ダンパーを備える、ことを特徴とする[1]乃至[31]のいずれか1に記載の振動吸収器アレンジメント。
[34] 個別に配置された振動吸収器は、異なる方向依存の干渉周波数を減衰させるために、異なる吸収装置質量(1.1)(1.6)および/または走行装置(7)の異なる曲率半径を有する、ことを特徴とする[32]または[33]のいずれか1に記載の振動吸収器アレンジメント。
[35] [1]乃至[34]のいずれか1に記載の振動吸収器または振動吸収器アレンジメントの使用であって、周波数を初期値に対して30%まで適合させることによって0.5〜1Hz未満の干渉振動を減衰させる方法。
[36] [1]乃至[34]のいずれか1に記載の少なくとも1つの振動吸収器または振動吸収器アレンジメントを有する風力タービン。
【符号の説明】
【0075】
1…可動部全体/走行ギア、1.1…アブソーバ主質量、
1.2…走行ホイール、フリーロール、1.3…駆動ホイール、1.4…駆動ホイール支持装置、
1.5…フライホイール(回転質量なし)、1.6…フライホイール/回転質量の可変質量、
1.7…横支持ローラ、1.8…アブソーバ移動方向、1.9…フライホイール移動方向、
1.10…駆動軸、
2…駐車ブレーキ、2.1…駐車ブレーキ用磁石、
2.2…駐車ブレーキの磁石誘導のための板ばね、3…保持構造、4…走行レール、
5…対向走行レール/ガイドレール/支持レール/保持装置走行装置、
6…走行レールの端部曲がり、
7…走行装置(走行レール、走行チューブ、非接触磁石システム)、
10…ハウジング付き可動部品、10.1…ギアボックス、10.2…従来の磁気ブレーキ、
10.3…高速回転ホイール、
10.4…半径内で変位可能な質量、10.4.1…変位ユニット、
10.5…ローラーダンパー用ハウジング、
20…摩擦ダンパー、20.1…摩擦ダンパー用レバー、20.2…質量、変位可能、
20.3…摩擦ライニング、20.4…ジョイント、20.5…当り止め、20.6…起動ギャップ、
21…漸進カーブをもつ走行軌道、
30…十字配置、30.1…走行ギアトップ、
30.2…走行ギアの頂部と保持構造の底部との間の接続要素、
30.3…保持構造トップ、30.4…保持構造ボトム、
30.5…走行ギアボトム、30.6…質量ボトム、
30.7…フライホイール質量トップ、30.8…フライホイール質量ボトム、
40…磁気ダンパー/渦電流ダンパー、40.1…配置された磁石をもつフライホイール、
40.2…磁石配列、40.3…アルミニウムまたは銅のディスク、
40.4…エアギャップの最適な減衰調整のための調整装置、
40.5…鋼板、40.6…エアギャップ、
50…ゴンドラ(吊りかご)の位置付け、50.1…配置ゴンドラトップ(長手方向)、
50.2…ゴンドラ屋根上の配置(長手方向)、
50.3…ゴンドラ屋根(長手方向)のハウジングとの配置、
50.4…ゴンドラとゴンドラ屋根の横方向の配置、
50.5…ゴンドラ内およびその上の配置、
50.6…横置きゴンドラ屋根トップ、
50.7…横置きゴンドラ屋根内、
60…タワー内の配置、60.1…アブソーバトップ、60.2…アブソーバボトム、
60.3…タワーアタッチメント、
60.4…付加的な引張りばねによる周波数調整、60.5…ケーブル、
70…丸い走行管、
70.1…ローラートップ(駆動ローラ)、70.2…ローラーボトム、
70.3…横ローラ、
80…磁気ダンパー/渦電流ダンパー、
80.1…走行レールの端部領域の幅に設けられた、例えばL字形の走行レール(4)または案内レール(5)のホイールガイドに沿って設けられた、例えばアルミニウムまたは銅製の導体板、
80.2…(例えば、走行レールの中央部のアルミニウムまたは銅 - より狭い領域)からL字形の走行レール(4)または案内レール(5)のホイール案内に沿って形成された導体板、
80.3…支持プレート(80.5)に沿った走行ホイール(1.2)(または駆動ホイール(1.3))、
80.4…走行ホイール/駆動ホイールまわりの半径方向の磁石配列、
80.5…支持プレート(80.1,80.2)が取り付けられた支持プレート、
91…走行ホイール/走行面上の歯形を持つ駆動ホイール、
92…走行レール/走行ローラ上のベルトプロファイル/層(4)、
93…走行ホイールのフラットフットプリント歯付きベルト輪郭または歯付き輪郭。
図1
図2
図3
図4(a)(b)】
図4(c)(d)】
図5
図6
図7
図8(a)(c)】
図8(b)(d)】
図9(a)(c)(b)】
図9(d)(e)】
図10(a)(b)】
図10(c)(d)】
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17