特許第6965251号(P6965251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エシコン エルエルシーの特許一覧

特許6965251デュアルモードエンドエフェクタと、横から装着されるクランプアームアセンブリとを備えた外科用器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965251
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】デュアルモードエンドエフェクタと、横から装着されるクランプアームアセンブリとを備えた外科用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
   A61B17/32 510
【請求項の数】15
【全頁数】89
(21)【出願番号】特願2018-539244(P2018-539244)
(86)(22)【出願日】2016年10月17日
(65)【公表番号】特表2018-532533(P2018-532533A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】US2016057277
(87)【国際公開番号】WO2017070031
(87)【国際公開日】20170427
【審査請求日】2019年10月17日
(31)【優先権主張番号】62/243,189
(32)【優先日】2015年10月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/363,411
(32)【優先日】2016年7月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/284,819
(32)【優先日】2016年10月4日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ブードロー・チャド・ピー
(72)【発明者】
【氏名】クラウダ・フィリップ・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】シュルテ・ジョン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ワイゼンバーグ・ザ・セカンド・ウィリアム・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ホーランド・ティモシー・エス
(72)【発明者】
【氏名】アッシャー・ライアン・エム
(72)【発明者】
【氏名】ミューレンカンプ・タイラー・シー
(72)【発明者】
【氏名】ブラック・ブライアン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】デンジンガー・クリステン・ジー
(72)【発明者】
【氏名】ベンチェック・エイミー・エル
【審査官】 小河 了一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−531970(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/062103(WO,A1)
【文献】 特開2010−264258(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0255130(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
(a)本体であって、導電体を含み、長手方向軸線を画定する、本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、
(c)ピボットアセンブリにおいて前記本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を前記超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な電極を備え、前記ピボットアセンブリにおいて、前記本体によって画定される前記長手方向軸線に対して横方向である経路に沿って前記本体に装着されかつ前記本体から取り外されるように構成されている、クランプアームと、
(d)前記ピボットアセンブリ内に配置される弾性部材であって、前記クランプアームの前記電極と前記本体の前記導電体との間に電気的連続性を提供するように構成されている、弾性部材と、を備える、外科用器具。
【請求項2】
前記超音波ブレードは、前記電極と協働して、前記クランプアームと前記超音波ブレードとの間に捕捉される組織にバイポーラRFエネルギーを印加するように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記クランプアームは組織挟持面を更に備え、前記組織挟持面は前記電極を越えて突き出し、そのため、前記電極が前記組織挟持面に対して凹んでいる、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項4】
熱シールドを更に備え、前記熱シールドは、前記超音波ブレードに向かって及び前記超音波ブレードから離れて移動可能であり、それによって前記超音波ブレードの一部を選択的に遮蔽し、前記熱シールドは、前記超音波ブレードの第1の外側部に近づくように構成され、前記クランプアームは、前記超音波ブレードの第2の外側部に近づくように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記本体は、複数の別個の電気的接点を備え、前記クランプアームは、複数の別個の電気的接点を備え、前記クランプアームの前記別個の電気的接点は、前記クランプアームが前記本体に対して枢動すると、前記本体の前記別個の電気的接点との電気的連続性を維持するように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記クランプアームは、前記クランプアームの前記別個の電気的接点と連通するデータ機能部を更に備え、前記本体の前記別個の電気的接点は、前記データ機能部から前記クランプアームの前記別個の電気的接点を介してデータを受信するように構成され、前記データ機能部は、EEPROMを備える、請求項に記載の外科用器具。
【請求項7】
制御モジュールを更に備え、前記本体は、前記制御モジュールと連通する閉鎖センサを含み、前記クランプアームは、前記クランプアームが前記本体に対して所定の閉鎖角度に到達したことに反応して前記閉鎖センサを作動させるように構成され、前記制御モジュールは、前記閉鎖センサの作動又は非作動に反応して動作のモードを選択するように動作可能である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項8】
起動ボタンを更に備え、前記起動ボタンは、操作者によって作動されるように配置され、前記制御モジュールは、前記閉鎖センサと前記起動ボタンとの同時作動に反応して、前記電極を通じて第1の電圧で前記RFエネルギーを印加するように構成されている、請求項7に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記制御モジュールは、前記閉鎖センサを作動させることなく前記起動ボタンの作動に反応して、前記電極を通じて前記RFエネルギーを印加するように構成されている、請求項8に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記制御モジュールは、前記閉鎖センサを作動させることなく前記起動ボタンの作動に反応して、前記電極を通じて前記RFエネルギーを印加せずにエラー表示を操作者に提供するように構成されている、請求項8に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記制御モジュールは、封止アルゴリズムが完了した後に、ユーザー通知を提供するように更に構成されている、請求項7に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記制御モジュールは、前記封止アルゴリズムが完了したという通知に先立って前記RFエネルギーがある持続期間中印加されているのに反応して、エラー通知を操作者に提供するように更に構成されている、請求項11に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記制御モジュールは、前記閉鎖センサを作動させることなく前記起動ボタンの作動に反応して、前記電極を通じて第2の電圧で前記RFエネルギーを印加するように構成され、前記第2の電圧は前記第1の電圧よりも高い、請求項8に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記ピボットアセンブリは、前記クランプアームが第1の可動域にわたって前記超音波ブレードに向かって枢動すると、前記本体に対する前記クランプアームの、固定軸線を中心とした枢動運動を提供するように構成され、前記ピボットアセンブリは、前記クランプアームが第2の可動域にわたって前記超音波ブレードに向かって枢動すると、前記本体に対する前記クランプアームの枢動運動と前記本体に対する前記クランプアームの並進運動との組み合わせを提供するように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記ピボットアセンブリは、第1のカムプロファイルと第2のカムプロファイルとを有するカム面を備え、前記第1のカムプロファイルは、前記クランプアームが前記第1の可動域にわたって前記超音波ブレードに向かって枢動すると、前記本体に対する前記クランプアームの、前記固定軸線を中心とした枢動運動を提供するように構成され、前記第2のカムプロファイルは、前記クランプアームが前記第2の可動域にわたって前記超音波ブレードに向かって枢動すると、前記本体に対する前記クランプアームの枢動運動と前記本体に対する前記クランプアームの並進運動との組み合わせを提供するように構成されている、請求項14に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、2016年7月18日出願の「Surgical Instrument with Dual Mode End Effector」と題された米国特許仮出願第62/363,411号に対する優先権を主張し、この開示は、本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本出願はまた、2015年10月19日出願の「Surgical Instrument with Dual Mode End Effector」と題された米国特許仮出願第62/243,189号に対する優先権を主張し、この開示は、本明細書に参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
様々な外科用器具が、組織を(例えば、組織細胞内のタンパク質を変性させることにより)切断及び/又は封止するために超音波周波で振動するブレード要素を有するエンドエフェクタを含む。これらの器具は、電力を超音波振動に変換する圧電素子を含んでおり、それらの振動は音波導波管に沿ってブレード要素に伝達される。切断及び凝固の精度は、外科医の技術によって、並びに電力レベル、ブレードエッジ、組織引張、及びブレード圧力を調節することによって、制御され得る。
【0004】
超音波外科用器具の例としては、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesが挙げられ、これらはいずれもEthicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製である。かかる装置及び関連する概念の更なる例は、以下の文献に開示されている:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月21日発行の「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第5,322,055号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年2月23日発行の「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」と題された米国特許第5,873,873号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1997年10月10日出願の「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」と題された米国特許第5,980,510号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年12月4日発行の「Blades with Functional Balance Asymmetries for use with Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第6,325,811号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月10日発行の「Blades with Functional Balance Asymmetries for Use with Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第6,773,444号、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号。
【0005】
超音波外科用器具のまた更なる例が、以下に開示されている:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年4月13日公開の「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」と題された米国特許出願公開第2006/0079874号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年8月16日公開の「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」と題された米国特許出願公開第2007/0191713号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月6日公開の「Ultrasonic Waveguide and Blade」と題された米国特許出願公開第2007/0282333号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月21日公開の「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」と題された米国特許出願公開第2008/0200940号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年4月23日公開の「Ergonomic Surgical Instruments」と題された米国特許出願公開第2009/0105750号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年3月18日公開の「Ultrasonic Device for Fingertip Control」と題された米国特許出願公開第2010/0069940号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年1月20日公開の「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許出願公開第2011/0015660号、及び、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年2月2日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」と題された米国特許出願公開第2012/0029546号。
【0006】
一部の超音波外科用器具は、以下の特許文献に開示されているもののようなコードレストランスデューサを含む場合がある:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年5月10日公開の「Recharge System for Medical Devices」と題された米国特許出願公開第2012/0112687号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年5月10日公開の「Surgical Instrument with Charging Devices」と題された米国特許出願公開第2012/0116265号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年11月5日出願の「Energy−Based Surgical Instruments」と題された米国特許出願第61/410,603号。
【0007】
加えて、一部の超音波外科用器具は、関節運動シャフト部分を含む場合がある。かかる超音波外科用器具の例は、以下の特許文献に開示されている:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年1月2日公開の「Surgical Instruments with Articulating Shafts」と題された米国特許出願公開第2014/0005701号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年4月24日公開の「Flexible Harmonic Waveguides/Blades for Surgical Instruments」と題された米国特許出願公開第2014/0114334号。
【0008】
一部の外科用器具及びシステムが作製され使用されてきたが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載される本発明を製造又は使用したものは存在しないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にその権利を特許請求する、特許請求の範囲によって完結するが、本技術は、以下の特定の実施例の説明を、添付図面と併せ読むことで、より良く理解されるものと考えられ、図面では、同様の参照符号は、同じ要素を特定する。
図1A】器具のエンドエフェクタが閉じた構成にある、例示的な外科用器具の斜視図を示す。
図1B】エンドエフェクタが開いた構成にある、図1Aの外科用器具の斜視図を示す。
図2A】閉じた構成にある図1Aのエンドエフェクタの拡大斜視図を示す。
図2B】開いた構成にある図1Aのエンドエフェクタの拡大斜視図を示す。
図3図1Aの器具の分解図を示す。
図4図1Aの器具のハンドルアセンブリの斜視図を示す。
図5図4のハンドルアセンブリの遠位端から分離された導波管及び熱シールドを図示する分解図を示す。
図6図1Aの器具の超音波ブレードの側面図を示す。
図7図6の超音波ブレードと、図5の熱シールドとの断面側面図を示す。
図8A】熱シールドが上方位置へ枢動された状態にある、図6の超音波ブレードと図5の熱シールドとの斜視図を示す。
図8B】熱シールドが下方位置へ枢動された状態にある、図6の超音波ブレードと図5の熱シールドとの斜視図を示す。
図9】熱シールドが下方位置にある、図6の超音波ブレードと図5の熱シールドとの別の斜視図を示す。
図10図1Aの器具のクランプアームの斜視図を示す。
図11図10のクランプアームの連結部品の分解図を示す。
図12図10のクランプアームのクランプパッドアセンブリの分解図を示す。
図13図11の連結部品の斜視図を示す。
図14図11の連結部品の一部の拡大分解図を示す。
図15図13の15−15線に沿った、図11の連結部品の断面図を示す。
図16図11の連結部品の一部の拡大斜視図を示す。
図17図4のハンドルアセンブリの連結部品の拡大斜視図を示す。
図18図17の連結部品の側面図を示す。
図19A】クランプアームがハンドルアセンブリから取り外された状態にある、図1Aの器具の斜視図を示す。
図19B】クランプアームがハンドルアセンブリと部分的に組み立てられた状態にある、図1Aの器具の斜視図を示す。
図19C】クランプアームがハンドルアセンブリと完全に組み立てられた状態にある、図1Aの器具の斜視図を示す。
図20図19Bの線20−20に沿った、図1Aの器具の部分断面図を示す。
図21図19Cの線21−21に沿った、図1Aの器具の部分断面図を示す。
図22A図10のクランプアームアセンブリが、図4のハンドルアセンブリに対して第1の枢動位置にある、図11の連結部品の一部の拡大斜視図を示す。
図22B図10のクランプアームアセンブリが、図4のハンドルアセンブリに対して第2の枢動位置にある、図11の連結部品の一部の拡大斜視図を示す。
図22C図10のクランプアームアセンブリが、図4のハンドルアセンブリに対して第3の枢動位置にある、図11の連結部品の一部の拡大斜視図を示す。
図23図19Cの線23−23に沿った、図1Aの器具の部分断面図を示す。
図24図1Aの器具に組み込まれた例示的な代替の連結アセンブリの斜視図を示す。
図25A】変形されたクランプアームがハンドルアセンブリに対して第1の横位置にある、図1Aの器具に組み込まれた図24の連結アセンブリの部分斜視図を示す。
図25B】変形されたクランプアームがハンドルアセンブリに対して第2の横位置にある、図1Aの器具に組み込まれた図24の連結アセンブリの部分斜視図を示す。
図25C】変形されたクランプアームがハンドルアセンブリに対して第3の横位置にある、図1Aの器具に組み込まれた図24の連結アセンブリの部分斜視図を示す。
図26A】クランプアームがハンドルアセンブリから分離された状態にある、例示的な代替の外科用器具の遠位部の側面図を示す。
図26B】クランプアームがハンドルアセンブリと第1の組付状態にある、図26Aの器具の遠位部の側面図を示す。
図26C】クランプアームがハンドルアセンブリと第2の組付状態にある、図26Aの器具の遠位部の側面図を示す。
図26D】クランプアームがハンドルアセンブリと第3の組付状態にある、図26Aの器具の遠位部の側面図を示す。
図26E】クランプアームがハンドルアセンブリと第4の組付状態にある、図26Aの器具の遠位部の側面図を示す。
図27A】ピボットキャップを省略し、かつクランプアームが閉じた位置にある、図26Aの器具の遠位部の側面図を示す。
図27B】ピボットキャップを省略し、かつクランプアームが、ロックによって制限されて第1の開いた位置にある、図26Aの器具の遠位部の側面図を示す。
図27C】ピボットキャップを省略し、かつ、ロックが反らされて、クランプが第1の開いた位置を越えて枢動するのを可能にした状態にある、図26Aの器具の遠位部の側面図を示す。
図27D】ピボットキャップを省略し、かつクランプアームが取り外し位置に枢動した状態にある、図26Aの器具の遠位部の側面図を示す。
図28A】ロックがロッキング位置にある、図26Aの器具のロッキングアセンブリの断面上面図を示す。
図28B】ロックが反らされてロック解除位置にある、図26Aの器具のロッキングアセンブリの断面上面図を示す。
図29】クランプアームがハンドルアセンブリから分離された状態にある、図26Aの器具の遠位部の斜視図を示す。
図30】クランプアームがハンドルアセンブリから分離された状態にある、図26Aの器具の遠位部の別の斜視図を示す。
図31】戻り止め機能部の係合を図示する、図26Aの器具の遠位部の断面斜視図を示す。
図32図1Aの器具の別の斜視図を示す。
図33】エンドエフェクタが閉じた形態にある、図1Aのエンドエフェクタの側面図を示す。
図34】エンドエフェクタが閉じた形態にある、図1Aのエンドエフェクタの遠位端の拡大側面図を示す。
図35図33の線35−35に沿った、図1Aのエンドエフェクタの断面図を示す。
図36A】クランプアームがハンドルアセンブリに対して第1の枢動位置にある、図11の連結機能部の一部の側面図を示す。
図36B】クランプアームがハンドルアセンブリに対して第2の枢動位置にある、図11の連結機能部の一部の側面図を示す。
図37】エンドエフェクタが開いた構成にある、本明細書に記載される外科用器具と共に用いるための別の例示的なエンドエフェクタの斜視図を示す。
図38】エンドエフェクタが閉じた構成にある、図37のエンドエフェクタの別の斜視図を示す。
図39図37のエンドエフェクタのクランプパッドアセンブリの分解図を示す。
図40図37のエンドエフェクタの断面図を示す。
図41】エンドエフェクタが開いた構成にある、本明細書に記載される外科用器具と共に用いるための別の例示的なエンドエフェクタの斜視図を示す。
図42】エンドエフェクタが閉じた構成にあり、かつエンドエフェクタの中間領域で取った、図41のエンドエフェクタの断面図を示す。
図43図41のエンドエフェクタのクランプパッドアセンブリの分解図を示す。
図44図41のエンドエフェクタの、エンドエフェクタの近位側領域で取った断面図を示す。
図45】エンドエフェクタが開いた構成にある、本明細書に記載される外科用器具と共に用いるための別の例示的なエンドエフェクタの斜視図を示す。
図46】エンドエフェクタが閉じた構成にある、図45のエンドエフェクタの別の斜視図を示す。
図47図45のエンドエフェクタのクランプパッドアセンブリの分解図を示す。
図48図45のエンドエフェクタの断面図を示す。
図49】エンドエフェクタが開いた構成にある、本明細書に記載される外科用器具と共に用いるための別の例示的なエンドエフェクタの斜視図を示す。
図50】エンドエフェクタが閉じた構成にある、図49のエンドエフェクタの別の斜視図を示す。
図51図49のエンドエフェクタのクランプパッドアセンブリの分解図を示す。
図52図49のエンドエフェクタの断面図を示す。
図53】エンドエフェクタが開いた構成にある、本明細書に記載される外科用器具と共に用いるための別の例示的なエンドエフェクタの斜視図を示す。
図54】エンドエフェクタが閉じた構成にある、図53のエンドエフェクタの別の斜視図を示す。
図55図53のエンドエフェクタのクランプパッドアセンブリの分解図を示す。
図56図53のエンドエフェクタの断面図を示す。
【0010】
図面は、限定することを決して意図するものではなく、本技術の様々な実施形態は、必ずしも図面に示されないものも含め、様々な他の方法で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付の図面は、本技術のいくつかの態様を示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するのに役立つものであるが、本技術は、図示される厳密な配置構成に限定されないと理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために用いられてはならない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本明細書に述べられる技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、他の異なる明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0012】
本明細書に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に述べられる他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も更に理解されよう。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して個別に考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適当な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0013】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、外科用器具の人間又はロボットの操作者に対して本明細書で定義される。「近位」という用語は、外科用器具の人間又はロボットの操作者により近く、かつ、外科用器具の外科手術用エンドエフェクタからより遠くに離れた要素の位置を指す。「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、外科用器具の人間又はロボットの操作者からより遠くに離れた要素の位置を指す。
【0014】
I.開腹外科手術用の例示的な超音波外科用器具
A.概要
図1A図3は、例示的な超音波外科用器具(100)を図示している。器具(100)の少なくとも一部分は、以下の教示の少なくとも一部分に従って構築され、かつ操作可能であり得る:米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,773,444号、同第6,783,524号、米国特許出願公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2009/0105750号、同第2010/0069940号、同第2011/0015660号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、同第2014/0005701号、同第2014/0114334号、米国特許出願第61/410,603号、及び/又は同第14/028,717号。前述の特許、特許出願公開、及び特許出願の各々の開示が参照により本明細書に組み込まれる。これら文献中に記載され、以下により詳細に記載されるように、器具(100)は、実質的に同時に、組織を切断し、組織(例えば、血管など)を封止又は溶接するように動作可能である。また、器具(100)が、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの種々の構造的及び機能的な類似性を有し得ることを理解されたい。更に、器具(100)は、本明細書で引用され、参照により本明細書に組み込まれる他の参考文献のうちのいずれかにおいて教示される装置と、様々な構造的及び機能的な類似性を有し得る。
【0015】
本明細書に引用される参考文献の教示と、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、器具(100)に関する以下の教示との間に何らかの重複が存在する範囲で、本明細書のいかなる記述も従来技術として認められたものであるとみなす意図はない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参考文献、並びにHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
【0016】
本実施例の器具(100)は、プラグ(10)、近位側ケーシング(20)、ハンドルアセンブリ(110)、シャフトアセンブリ(130)、ブレードアセンブリ(150)、クランプアームアセンブリ(200)、及びエンドエフェクタ(102)を備える。以下により詳細に説明するように、クランプアームアセンブリ(200)は、ハンドルアセンブリ(110)に対して選択的に取り付けられ、かつハンドルアセンブリ(110)から取り外され得る。クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に選択的に取り付けたりハンドルアセンブリ(110)から取り外したりする能力により、ハンドルアセンブリ(110)又はクランプアームアセンブリ(200)のいずれかの再利用の可能性という追加的な利益がもたらされ得る。
【0017】
ハンドルアセンブリ(110)は、本体(112)を備え、その本体(112)には、フィンガーグリップリング(24)と、本体(112)の上にあるボタン(280)と、フィンガーグリップリング(24)の遠位側にある一対のボタン(126)と、を含む。器具(100)はまた、本体(122)に向かって及び本体から離れる方向に枢動可能であるクランプアームアセンブリ(200)を含む。クランプアームアセンブリ(200)は、親指グリップリング(54)を有する本体(202)を含む。親指グリップリング(54)とフィンガーグリップリング(24)とが一緒になって、はさみグリップ型の構成が提供される。しかしながら、ピストルグリップ構成を含む(ただしこれに限定されない)様々な他の好適な構成が使用され得ることを理解されたい。
【0018】
シャフトアセンブリ(130)は、本体(112)から遠位方向に延出する外側シース(132)を備える。図2A〜2Bで最もよく分かるように、エンドエフェクタ(102)は、超音波ブレード(152)とクランプパッドアセンブリ(210)と、を備える。エンドエフェクタ(102)は、図2Aに図示されるような閉じた位置と、図2Bに示されるような開いた位置との間で移行するように動作可能である。超音波ブレード(152)は、外側シース(132)から遠位方向に延出する。以下により詳細に説明するように、超音波ブレード(142)は、ブレードアセンブリ(150)の一部である。
【0019】
クランプパッドアセンブリ(210)は、クランプアームアセンブリ(200)の一体型機能部である。クランプパッドアセンブリ(210)は、超音波ブレード(152)に面するクランプパッド(212)を含む。クランプパッドアセンブリ(210)は、連結アセンブリ(220)を介して外側シース(132)に枢動可能に連結されている。クランプパッドアセンブリ(210)は、連結アセンブリ(220)の遠位側に配置されている一方で、本体(202)及び親指グリップリング(154)は、連結アセンブリ(220)の近位側に配置されている。したがって、図1A〜2Bに図示されるように、親指グリップリング(54)がハンドルアセンブリ(110)の本体(112)に向かって及びその本体(112)から離れる方向に枢動することに基づいて、クランプパッドアセンブリ(210)は、超音波ブレード(152)に向かって及び超音波ブレード(152)から離れる方向に枢動可能である。それゆえ、操作者が親指グリップリング(54)を本体(112)に向かって握り締めることによって組織をクランプパッドアセンブリ(210)と超音波ブレード(142)との間に掴持して、組織を超音波ブレード(142)に対して圧縮し得るということを理解されたい。そのような圧縮時に超音波ブレード(142)が起動されると、クランプパッドアセンブリ(210)と超音波ブレード(142)とが協働して、圧縮された組織を切除及び/又は封止する。一部の変形例では、1つ又は2つ以上の弾性部材を用いて、クランプパッドアセンブリ(210)を、図1B及び2Bに図示される開いた位置に付勢する。あくまで一例として、そのような弾性部材は、板ばね、ねじりばね、及び/又は任意の他の好適な種類の弾性部材を含み得る。
【0020】
図3を参照すると、超音波トランスデューサアセンブリ(30)が、近位側ケーシング(20)、及びハンドルアセンブリ(110)の本体(112)内に収容されている。トランスデューサアセンブリ(30)は、プラグ(10)を介してジェネレータ(5)に連結されている。トランスデューサアセンブリ(30)はジェネレータ(5)から電力を受信して、圧電原理によってその電力を超音波振動に変換する。ジェネレータ(5)は、トランスデューサアセンブリ(30)による超音波振動の生成に特に適したトランスデューサアセンブリ(30)に電力プロファイルを提供するように構成された電源及び制御モジュールを含み得る。ジェネレータ(5)はまた、エンドエフェクタ(102)がRF電気外科用エネルギーを組織に印加するのを可能にする電力プロファイルを提供するように構成され得る。
【0021】
あくまで一例として、ジェネレータ(5)としては、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN 300が挙げられ得る。追加的に又は代替的に、ジェネレータ(図示せず)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月14日公開の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題された米国特許出願公開第2011/0087212号の教示の少なくとも一部に従って構築され得る。また、ジェネレータ(5)の機能性の少なくとも一部をハンドルアセンブリ(110)に組み込むことができ、またハンドルアセンブリ(110)は、電池又は他の内蔵電源を更に含み得、その結果プラグ(10)が省略されることも理解されたい。ジェネレータ(5)が取り得る更に他の好適な形態、並びにジェネレータ(5)が提供し得る種々の特徴及び動作性は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0022】
トランスデューサアセンブリ(30)によって発生される超音波振動は、音波導波管(154)に沿って伝達される。導波管(154)は、機械的かつ音響的にトランスデューサアセンブリ(30)に連結される。導波管(154)は、シャフトアセンブリ(130)を通って延びて超音波ブレード(152)に到達する。導波管(154)はシャフトアセンブリ(130)内に、位置決めピン(134、136)を介して固定されるが、それについては以下により詳細に説明する。ピン(134、136)は、導波管(154)を通して伝達される共振超音波振動に関連付けけられたノードに対応する導波管(154)の長さに沿った位置に位置している。既に述べたように、超音波ブレード(152)が起動状態にある(すなわち、超音波振動している)とき、超音波ブレード(152)は、特に、組織がクランプパッド(212)と超音波ブレード(142)との間に挟持されているときに、その組織を効果的に切開して封止するように動作可能である。導波管(154)が、導波管(154)を通して伝達される機械的振動を増幅するように構成され得ることを理解されたい。更に、導波管(154)は、長手方向の振動の利得を導波管(154)に沿って制御するように動作可能な特徴部、及び/又は導波管(154)をシステムの共振周波数に同調させる特徴部を含み得る。
【0023】
本例では、組織による負荷が音響アセンブリに加えられていないときに、音響アセンブリを好ましい共振周波数fに同調させるために、超音波ブレード(152)の遠位端は、導波管(154)を通して伝達される共振超音波振動と関連付けられたアンチノードに対応する位置に位置している。トランスデューサアセンブリ(30)が通電されると、超音波ブレード(152)の遠位端は、例えば、ピーク間で約10〜500マイクロメートル、場合によっては、例えば、55.5kHzの所定の振動周波数fにて約20〜約200マイクロメートルの範囲の範囲で長手方向に移動するように構成されている。本実施例のトランスデューサアセンブリ(30)が起動すると、これらの機械的振動が導波管を通して超音波ブレード(152)に伝達され、それによって共振超音波周波数で超音波ブレード(152)の振動を提供する。したがって、組織が超音波ブレード(152)とクランプパッド(212)との間に固定されると、超音波ブレード(152)の超音波振動が組織を切断するのと同時に隣接組織細胞内のタンパク質を変性させることによって、比較的少量の熱分散しか伴わない凝固効果がもたらされ得る。いくつかの変形例では、超音波ブレード(152)及び/又はクランプパッド(212)を通して電流もまた提供して、組織を封止してもよい。
【0024】
以下により詳細に説明するように、器具(100)はまた、エンドエフェクタ(102)を介して手術部位に高周波(RF)エネルギーを提供するように構成される。あくまでも一例として、操作者は、超音波ブレード(152)とクランプパッド(212)との間に捕捉されている組織を切断するために、超音波ブレード(152)からの超音波エネルギーの使用に主として依存し得る。操作者は、切断された組織を封止するために、エンドエフェクタ(102)からのRFエネルギーの使用に更に依存し得る。言うまでもなく、ブレード(152)からの超音波エネルギーが、ある程度組織を封止し、そのためエンドエフェクタ(102)からのRFエネルギーが、超音波エネルギーによって既にもたらされているであろう封止を補い得るということが理解されるであろう。また、操作者が、超音波エネルギーを組織に印加することもなくRFエネルギーのみを組織に印加するために、エンドエフェクタ(102)を用いることを単に望む場合があり得るということも理解されるであろう。本明細書における説明から理解されるであろうように、器具(100)一部の変形例は、上記の種類の機能のすべてを提供することが可能である。
【0025】
操作者は、ボタン(126)を起動させてトランスデューサアセンブリ(30)を選択的に起動させ、それによって超音波ブレード(152)を起動させ得る。本実施例では、2つのボタン(126)が提供されている。一部の変形例では、1つのボタン(126)が、超音波ブレード(152)を第1の電力プロファイル(例えば、第1の周波数及び/又は第1の振幅)で起動させるために提供され、別の1つのボタン(126)が、超音波ブレード(152)を第2の電力プロファイル(例えば、第2の周波数及び/又は第2の振幅)で起動させるために提供される。一部の他の変形例では、1つのボタン(126)が超音波ブレード(152)を超音波エネルギーで起動させるために提供され、別のボタン(126)が、エンドエフェクタ(102)をRFエネルギーで起動させるために提供される。任意の他の好適な数のボタン並びに/あるいは選択可能な電力レベル及び/又は電力の様式が提供され得ることを理解されたい。例えば、トランスデューサアセンブリ(30)を選択的に起動させるために、フットペダルを提供してもよい。
【0026】
本実施例のボタン(126)は、操作者が片手で器具(100)を容易かつ完全に操作できるように配置されている。例えば、操作者は、親指グリップリング(54)に親指を配置し、フィンガーグリップリング(124)に薬指を配置し、本体(112)の周りに中指を配置し、人差し指を用いてボタン(126)を操作してもよい。言うまでもなく、他の任意の好適な技法を用いて器具(100)を把持及び操作してもよく、ボタン(126)は、他の任意の好適な位置に位置してもよい。
【0027】
器具(100)の前述の構成要素及び動作性は、単に例示的なものである。本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろうように、器具(100)は様々な他の方法で構成され得る。あくまで一例として、器具(100)の少なくとも一部は、以下の特許文献(その開示内容のすべてが参照により本明細書に組み込まれる)のいずれかの教示の少なくとも一部に従って構築され、かつ/又は動作可能であってもよい:米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,783,524号、米国特許出願公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2010/0069940号、同第2011/0015660号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、同第2014/0005701号、同第2014/0114334号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年3月19日公開の「Alignment Features for Ultrasonic Surgical Instrument」と題された米国特許出願公開第2015/0080925号。器具(100)の、更なる単に例示的な特徴及び変形形態を以下により詳細に説明する。以下に説明する変形形態は、とりわけ、上述の器具(100)、及び本明細書に引用された参考文献のいずれかに記載される器具のうちの任意のものに、容易に組み込まれ得るということを理解されたい。
【0028】
B.例示的なブレードアセンブリ
図4は、近位側ケーシング(20)、ハンドルアセンブリ(110)、シャフトアセンブリ(130)、及びブレードアセンブリ(150)を、クランプアームアセンブリ(200)が取り外された状態で示している。上記のとおり、器具(100)の特定の特徴部が再利用可能であり得る一方で、器具(100)の他の特徴部が廃棄されるように、器具(100)の残りの部分から選択的に取り外すことができるクランプアームアセンブリ(200)を有することは有益となり得る。そのような場合には、器具(100)の再利用可能な特徴部は、洗浄されかつ滅菌されなければならない。洗浄及び滅菌を必要とする器具(100)の領域に容易にアクセスできるようにすることによって、次回の外科手術に向けて完全に洗浄することを保証し得る。
【0029】
図5は、ブレードアセンブリ(150)のより詳細な図を示す。ブレードアセンブリ(150)は、超音波ブレード(152)と、音波導波管(154)と、熱シールド(170)と、を含む。以下により詳細に説明するように、熱シールド(170)は、ロック解除位置からロック位置へと枢動可能である。図5にも図示されているように、チューブ(138)は、外側シース(132)の遠位端から遠位方向に突き出している。
【0030】
超音波ブレード(152)は、音波導波管(154)に一体的に接続されている。音波導波管(154)は、近位端(158)と、遠位端(156)と、近位封止部(160)と、遠位封止部(162)とを、含む。上記のとおり、音波導波管(154)は、超音波振動をトランスデューサアセンブリ(30)から超音波ブレード(152)に伝達する。音波導波管(154)は、シャフトアセンブリ(130)内、より具体的にはシャフトアセンブリ(130)のチューブ(138)内に収容されている。近位封止部(160)と遠位封止部(162)とはそれぞれ、導波管(154)を通して伝達される共振超音波振動に関連付けられたそれぞれのノードに対応する導波管(154)の長さに沿ったそれぞれの位置に位置している。
【0031】
近位封止部(160)及び遠位封止部(162)は、チューブ(138)の内側に当接するようなサイズになっている。近位封止部(160)及び遠位封止部(162)は、共振超音波振動に関連付けられたノードに対応する導波管(154)の長さに沿って配置されているので、チューブ(138)と封止部(160、162)との間に接触があっても、それが、導波管(154)を通しての超音波振動の伝達に影響を及ぼさない場合があり得る。遠位封止部(162)とチューブ(138)との相互作用により、流体がチューブ(138)内を、遠位封止部(162)に対して近位方向に移動するのが妨げられ得る。
【0032】
図6に図示されているように、遠位封止部(162)は、上側ロック形成部(164)及び下側ロック形成部(166)を含み、それらは位置決めピン(134、136)を受容するようなサイズになっている。一部の変形例では、ロック形成部(164、166)は両方とも、遠位封止部(162)の外周部の周りに延びる、単一の環状凹部によって画定される。一部の他の変形例では、ロック特徴部(164、166)は、別個の波形部又は凹部として、遠位封止部(162)内に形成される。図5で分かるように、外側シース(132)は、上側及び下側ピン穴(140、142)を含むが、それらのピン穴(140、142)も、位置決めピン(134、136)を受容するようなサイズになっている。
【0033】
遠位封止部(162)は、導波管(154)がハンドルアセンブリ(110)内に完全に着座したときに、上側及び下側ロック形成部(164、166)がそれぞれ、上側及び下側ピン穴(140、142)と長手方向に整列されるように、導波管(154)に沿って位置する。加えて、図7に図示されているように、チューブ(138)は、外側シース(132)内に位置するスロット(148)を含む。スロット(148)は、外側シース(132)の上側及び下側ピン穴(140、142)と整列されるように配置される。スロット(148)はまた、位置決めピン(134、136)を受容するようなサイズになっており、かつチューブ(130)の長さに沿って位置している。したがって、音波導波管(154)がチューブ(138)内に収容され、ハンドルアセンブリ(110)内に完全に着座したとき、位置決めピン(134、136)が上側及び下側ピン穴(140、142)の中に挿入され、それによってチューブ(138)のスロット(148)に入り、上側位置決め特徴部(164)と下側位置決め特徴部(166)それぞれとの接触をなし得る。上側の位置決め特徴部(164)と位置決めピン(134)との間の接触、及び下側位置決め特徴部(166)と位置決めピン(136)との間の接触により、音波導波管(154)には摩擦によるブレーキ力が付与される。この摩擦によるブレーキ力は、音波導波管(154)がそれ自身の長手方向軸線を中心に回転するのを防ぐと共に、外側シース(132)に対して長手方向に摺動するのを防ぐ。つまり、位置決めピン(134、136)と位置決め特徴部(164、166)との間の相互作用は、音波導波管(154)が外側シース(132)に対して固定された状態に維持するのを助け得る。位置決め特徴部(164、166)と位置決めピン(134、136)とはまた、位置決め特徴部(164、166)が超音波ブレード(152)の遠位先端の近くに配置されているので、超音波ブレード(152)とクランプアームアセンブリ(200)との間の公差スタックを減らす助けとなり得る。
【0034】
図5及び8A〜9は、本実施例の熱シールド(170)を示している。上記のとおり、熱シールド(170)は、ロック解除位置(図8A)とロック位置(図8B)との間で枢動可能である。熱シールド(170)は、一対のばねロック(172)と、一対の連結穴(174)と、超音波ブレード(152)の一部を覆うようなサイズの細長い本体(175)と、その細長い本体(175)に沿って位置する複数のアパーチャ(176)と、遠位側バンパー(178)と、を含む。熱シールド(170)は、抽出された金属であり得る。本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであろうように、熱シールド(170)はまた、例えばシリコーン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び/又は任意の他の好適な材料のような、非粘着性で非導電性のコーティングでコーティングされ得る。ブレードアセンブリ(150)は複数回使用され得るので、熱シールド(170)は、複数回使用、取扱い、及び洗浄に耐え得るような耐久性のあるものであり得る。あくまでも一例として、熱シールド(170)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月28日公開の「Shielding Features for Ultrasonic Blade of a Surgical Instrument」と題された米国特許出願公開第2015/0148833号の教示の少なくとも一部に従って構築され得る。
【0035】
連結穴(174)は、上側ピン穴(140)の外側に整列されるように離間配置される。連結穴(174)はまた、位置決めピン(134)を受容するようなサイズである。連結穴(174)がピン穴(140)と整列されると、位置決めピン(134)が連結穴(174)と上側ピン穴(140)を通して移動し、それによって熱シールド(170)を外側シース(132)に回転可能に連結し得る。したがって、組み立てられると、図8A〜8Bに示されているシリーズに図示されているように、熱シールド(170)は、位置決めピン(134)によって画定される軸線を中心として回転し得る。
【0036】
図8Aに図示されているように、熱シールド(170)がロック解除位置にあるとき、細長い本体(175)は、外側シース(132)によって画定される長手方向軸線に対して実質的に垂直であり得る。熱シールド(170)がロック解除位置にある間は、さもなければ熱シールド(170)によって覆われるであろう、超音波ブレード(152)及び導波管(154)の洗浄部分へのアクセスが提供される。加えて、チューブ(138)も、導波管(154)の洗浄のために更なるアクセスを提供するアクセス穴(144)を画定する。図8Bに図示されているように、熱シールド(170)がロック位置にあるとき、熱シールド(170)は、超音波ブレード(152)が、目的の組織以外の組織に意図せず接触するのを防ぎ得る。アパーチャ(176)は、望ましくない流体及び組織を熱シールド(170)及び超音波ブレード(152)領域から逃がすのを可能にして、起動された超音波ブレード(152)の振動を妨げないようにし得る。
【0037】
上述のように、熱シールド(170)は一対のばねロック(172)を含む。ばねロック(172)は、図8Bに図示されているように熱シールド(170)がロック位置に向かって枢動したときに、チューブ(138)と係合するようなサイズになっている。ばねロック(174)は弾力的であり、かつ、熱シールド(170)が超音波ブレード(152)に向かって枢動する間、チューブ(138)のプロファイルに沿って曲がることが可能である。ばねロック(172)はまた、熱シールド(170)がロック位置にある間、ロッキングスロット(146)に入るような寸法になっている。言い換えると、ばねロック(172)の弾性的な性質により、ロッキングスロット(146)に入ることによってばねロック(172)がチューブ(138)のプロファイルと係合しなくなると、ばねロック(172)が自らの自然な位置に戻ることを可能にする。ばねロック(172)がチューブ(138)のロッキングスロット(146)と係合することによってその自然な位置に入ると、ばねロック(172)と、ロッキングスロット(146)を画定するチューブ(138)の縁部との間の係合が、チューブ(138)に対する熱シールド(170)の回転位置を維持する。したがって、熱シールド(170)がロック位置にあるとき、熱シールド(170)はブレードアセンブリ(150)の残りの部分に対して実質的に固定され得る。ばねロック(172)の弾性的な性質により、操作者は、ばねロック(172)をロッキングスロット(146)から出すように偏向させるのに十分な力で、熱シールド(170)を超音波ブレード(152)から離れる方向に回転させ、それによりばねロック(172)をチューブ(138)から連結解除し得る。ばねロック(172)は外向きに曲がり、熱シールド(170)が完全にロック解除位置に更に枢動されるまで、チューブ(138)のプロファイルに一致する。
【0038】
図9で最もよく分かるように、熱シールド(170)はまた、遠位側バンパー(178)を含む。本実施例では、遠位側バンパー(178)は、電気的に絶縁性の材料から形成される。あくまでも一例として、遠位側バンパー(178)は、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであろうように、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び/又は任意の他の好適な材料(複数可)から構成され得る。遠位側バンパー(178)は、熱シールド(170)の遠位端にある所定の位置に押し込まれ得るか、又は任意の他の好適な機能部又は技法を用いて熱シールド(170)の遠位端に取り付けられ得る。
【0039】
超音波ブレード(152)が使用中であるとき、超音波ブレード(152)は、組織との接触によってもたらされる力に反応して、長手方向軸線から横方向に離れる方向に偏向され得る。そのような偏向により、ブレード(152)を、熱シールド(170)と接触するように付勢し得る。熱シールド(170)が金属製の物質から作られ、以下に説明するように器具(100)がRFエネルギーを手術部位に提供するように構成されている場合、RFエネルギーを手術部位に提供する回路にショートが発生し得る。そのため遠位側バンパー(178)は、超音波ブレード(152)が接触するのに安全な接触面を提供し、そのためブレード(152)が、遠位側バンパー(178)にちょうど接触するだけでなく熱シールド(170)内の金属材料に対して撓曲する場合、送達されたRFエネルギーの短絡が防止され得る。
【0040】
C.例示的なクランプアームアセンブリ
図10及び11は、クランプアームアセンブリ(200)をより詳しく示している。分かるように、クランプアームアセンブリ(200)は、本体(202)と、クランプパッドアセンブリ(210)と、連結アセンブリ(220)と、データ通信アセンブリ(240)と、を備える。本体(202)は一般に、グリップ(54)から延出して、ハンドルアセンブリ(110)に取り付け可能なレバーを提供し、そのレバーはエンドエフェクタ(102)を起動するのを助ける。本体(202)は一般に、構造的コア(204)を備え、その構造的コア(204)はプラスチック製又はゴム製の、オーバーモールドされた外部部分(206)を有する。以下により詳細に説明するように、構造的コア(204)は、一般的に導電性の材料を含み、その材料は、RFエネルギーが構造的コア(204)を通して移送するのに好適なものである。このように、コア(204)は構造的な支持に加えて、電気的連続性のための経路を提供する。また以下により詳細に説明するように、構造的コア(204)の材料は、少なくとも幾分かの弾性特性を示しつつ、クランプアームアセンブリ(200)に構造的な剛性を提供するように構成されている。対称的に、外部部分(206)は構造的コア(204)を電気的に絶縁し、それによってRF電気エネルギーを、一定の、所定のエネルギー経路内に封じ込める。
【0041】
図11で最もよく分かるように、構造的コア(204)は、2つのブラケット開口部(205)と、単一の連結開口部(208)と、単一のデータ通信チャネル(209)と、を含む。以下により詳細に説明するように、ブラケット開口部(205)は、連結アセンブリ(220)を構造的コア(204)に固定できるように、連結アセンブリ(220)の少なくとも一部に構造的コア(204)を貫通させることを可能にする。同様に、連結開口部(208)は、ハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部に構造的コア(204)を通して延在させて、連結アセンブリ(220)の少なくとも一部と係合させることを可能にするように構成されている。また以下により詳細に説明するように、データ通信チャネル(209)は、データ通信アセンブリ(240)の少なくとも一部に、構造的コア(204)を貫通させて、ハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部と通信することを可能にする。
【0042】
図11で最もよく分かるように、外部部分(206)は、外部部分(206)から選択的に取り外し可能である取り外し可能なカバー(207)を含む。カバー(207)は、操作者に連結アセンブリ(220)及びデータ通信アセンブリ(240)へのアクセスを提供するために、構造的コア(204)の少なくとも一部を覆ったり、覆いを外したりするように構成されている。一部の実施例では、そのようなアクセスは組立の目的には望ましいものであり得る。本実施例のカバー(207)は一般に、圧入によって外部部分(206)に固定できる。図示されてはいないが、一部の実施例では、カバー(207)は、止め金、戻り止め、ツメ、及び/又はカバー(207)を外部部分(206)に固定するために用いられ得る他の機能部を含むことを理解されたい。言うまでもなく、本明細書における教示を鑑みれば当業者には明らかであろうように、任意の他の好適な取付機能部が用いられ得る。
【0043】
1.例示的なクランプパッドアセンブリ
図12には、クランプパッドアセンブリ(210)がより詳しく図示されている。分かるように、クランプパッドアセンブリ(210)は、クランプパッド(212)と、電極(218)と、を備える。クランプパッド(212)は、単一の、概ね均質な絶縁材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ゴム、及び/又は他の類似の絶縁材料を含む。クランプパッド(212)は、つかみ部(213)と、位置決め部(216)と、を備える。つかみ部(213)は、組織を把持し、かつその組織がクランプパッドアセンブリ(210)と超音波ブレード(152)との間に挟持されているときに、その組織を適所に保持するように構成されている。本実施例では、つかみ部(213)は、リブ又は歯の繰り返しパターンを含み、つかみ部(213)の把持能力を高めている。他の実施例では、つかみ部(213)は、例えば、刻み付け、凹凸表面パターン、又は任意の他の一般的に粗い表面のような、把持能力を高めるための多くの他の機能部を備える。更に他の実施例では、つかみ部(213)は、把持能力を高めるための特にこれといった機能部を有することなく単に平坦な面を備える。
【0044】
つかみ部(213)は、クランプパッド(212)の外側横縁部の内側で終端する。これにより、ショルダー(214)がクランプパッド(212)内に画定される。以下により詳細に記載するように、ショルダー(214)は一般に、クランプパッド(212)を、電極(218)を介して本体(202)内に維持するように構成されている。
【0045】
位置決め部(216)は、クランプパッド(212)の近位端においてクランプパッド(212)内に画定される。位置決め部(216)は、つかみ部(213)の上方で上方向に延び、窪みのある上面(217)を有する。以下により詳細に説明するように、位置決め部(216)は一般に、ブレード(152)を上面(217)内に受容することによって、挟持中に、クランプパッド(212)とブレード(152)との間の相対的位置を維持するように構成されている。したがって、上面(217)がブレード(152)を受容するように構成されるように、上面(217)は、ブレード(152)の曲率に概ね対応することを理解されたい。
【0046】
電極(218)は、比較的剛性のある導電性材料の、比較的薄い単一ストリップを含む。一部の実施例では、電極(218)は、例えば銅、金、鋼、アルミニウム、銀等の導電性の金属を含む。更に他の実施例では、電極(218)は、例えば導電性ポリマー、シリサイド、グラファイト等の導電性の非金属材料を含む。電極(218)の厚さは一般的に、クランプパッド(212)のつかみ部(213)よりも薄く、つかみ部(213)は、電極(218)の上面から上方に突き出している。しかしながら、電極(218)はそれでもなお一般的に、好適な程度の構造的な剛性を維持するのに十分な厚さを有しているが、これについては以下により詳細に説明する。
【0047】
電極(218)の具体的な形状は、クランプパッド(212)の形状に概ね対応している。特に、電極(218)は一般に、クランプパッド(212)の外形と類似した形状を画定する。電極(218)は、その内部に開口部(219)を更に画定する。開口部(219)は、内部を通ってクランプパッド(212)のつかみ部(213)を受容するように構成され、そのため電極(218)は、クランプパッド(212)のショルダー(214)と係合するように構成されている。
【0048】
クランプパッドアセンブリ(210)が組み立てられるとき、クランプパッド(212)がまず、本体(202)の遠位端に画定されたクランプパッド受容チャネル(208)内に挿入される。次に電極(218)がクランプパッド(212)上に差し込まれ、電極(218)がクランプパッド(212)のショルダー(214)上に着座し、かつクランプパッド(212)のつかみ部(213)が開口部(219)を通して突き出すようになっている。次に電極(218)が、抵抗溶接されるか又は他の方法によって本体(202)に固定される。本実施例では、電極(218)は、電極(218)の近位端及び遠位端において本体(202)の構造的コア(204)に所定位置で抵抗溶接される。他の実施例では、電極(218)は、電極(218)の遠位端及び近位端で溶接されるのに加えて又はその代わりに、任意の他の好適な場所で抵抗溶接される。更に他の実施例では、抵抗溶接が完全に省略され、電極(218)は、例えば他の溶接加工及び/又は接着剤結合等のような任意の他の好適な手段によって本体(202)に固定される。電極(218)が本体(202)に固定されると、電極(218)はまた、電極(218)とクランプパッド(212)のショルダー(214)との間の係合によって、クランプパッド(212)を本体(202)に連結することを理解されたい。したがって、電極(218)の厚さは一般に、クランプパッド(212)を本体(202)に連結するのに十分な剛性を提供するのに十分な程度に厚い。
【0049】
電極(218)は、ブレード(152)と協働して、クランプパッドアセンブリ(210)とブレード(152)との間に捕捉されている組織に双極性のRF電気外科用エネルギーを提供するように構成されている。特に、電極(218)はRFエネルギーによって起動され、ブレード(152)がRFエネルギーのためのリターン経路を提供する。そのため、本実施例ではブレード(152)が、2つの異なる役割、すなわち、超音波エネルギーをブレード(152)と接触している組織に印加するという1つの役割と、電極(218)と協働して、双極性RFエネルギーをクランプパッドアセンブリ(210)とブレード(152)との間に捕捉されている組織に提供するという別の役割とを果たすことが可能であるということを理解されたい。一部の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが同時に印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが自動的に交互に印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが、単純なシリーズ(例えば、最初に超音波エネルギー、次にRFエネルギー)で印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとは、独立して選択的に印加される(例えば、1つのボタン(126)が超音波エネルギーを起動させ、他のボタンがRFエネルギーを起動させる)。RFエネルギーを電極(218)とブレード(152)とを通して伝達するために用いられ得る様々な好適な機能部については、以下により詳細に説明する。RFエネルギーを電極(218)とブレード(152)とを通して伝達するために用いられ得る他の好適な機能部は、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0050】
本実施例では、電極(218)が一般的に、クランプパッド(212)のつかみ部(213)よりも薄いので、つかみ部(213)は一般的に電極(218)から上方向に突き出して、エンドエフェクタ(102)が閉じた構成にあるときに、ブレード(152)が電極(218)に直接接触するのを防ぐ。したがって、電極(218)は一般的に、ブレード(152)に物理的に接触するようには構成されていないことを理解されたい。しかしながら、以下により詳細に説明するように、RFエネルギーに対する電気的連続性は、器具(100)を用いて患者の組織が切断及び/又は封止されるとき、電流を患者の組織に通過させることによって一般的に実現され、一部の変形例では、この電流は、電極(218)とブレード(152)Tの間を流れる。
【0051】
2.例示的な連結アセンブリ
図13〜16は、連結アセンブリ(220)をより詳細に示している。図14で最もよく分かるように、連結アセンブリ(220)は、連結プレート(222)と、保持ブラケット(230)と、を備える。連結プレート(222)は一般的に、ハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部を受容して、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に選択的に連結するように構成されている。「連結する」という用語は、本明細書で用いられる場合には、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に、少なくとも1つの軸線に関して固定的に固定することを包含することを理解されたい。例えば、以下により詳細に説明するように、本実施例では、クランプアームアセンブリ(200)は、クランプアームアセンブリ(200)の横方向運動がハンドルアセンブリ(110)に対して制限されるように、ハンドルアセンブリ(110)に連結可能である。しかしながら、また以下により詳細に説明するように、連結アセンブリ(220)は、クランプアームアセンブリ(200)のハンドルアセンブリ(110)に対する少なくともいくらかの長手方向運動及び回転運動を可能にするように構成されている。
【0052】
本実施例の連結プレート(222)は、複数の内向きに延出する連結アーム(228)を有する概ね矩形のベース(224)を備える。連結プレート(222)は、一般的に一体型の部品として示されているが、他の実施例では、連結プレート(222)は複数の別個の部品のアセンブリからなることを理解されたい。連結プレート(222)が単一の一体型部品又は複数の別個の部品からなるかに関わらず、連結プレート(222)は一般的に、導電性金属材料又は導電性非金属材料から構成されることを理解されたい。以下により詳細に説明するように、連結プレート(222)は一般的に、電気的RFエネルギーを、ハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部から本体(202)の構造的コア(204)に移送するように構成されている。
【0053】
連結プレート(222)のベース(224)は、一対のブラケット開口部(225)と単一のアーム開口部(226)とを画定する。以下により詳細に説明するように、ブラケット開口部(225)は一般的に、保持ブラケット(230)と連結プレート(222)とを本体(202)の構造的コア(204)に固定できるように、保持ブラケット(230)の少なくとも一部を受容するように構成されている。また以下により詳細に説明するように、アーム開口部(226)は、ハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部がベース(224)を通って延出して連結アーム(228)と係合し得るように、連結アーム(228)を受容するようなサイズになっている。
【0054】
本実施例の連結アーム(228)は、2つの連結アーム(228)を備えるが、他の実施例では、任意の好適な数の連結アーム(228)が用いられる。各連結アーム(228)は、ベース(224)の反対側からベース(224)のアーム開口部(226)の中に内側方向に延びる。しかしながら、各アーム(228)は隣接するアームまでずっと延びる手前で止まり、それによってアーム開口部(226)の少なくとも一部が開放状態に残されている。以下により詳細に説明するように、アーム開口部(226)のこの部分は、ハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部がアーム(228)と係合するように、ハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部がベース(224)を通って、かつアーム(228)を通過して延びるのを可能にするように構成されている。
【0055】
各連結アーム(228)は、ベース(224)から横方向にオフセットされている。本実施例では、この構造体は、各連結アーム(228)をベース(224)から横方向に離れる方向に配置するように、ベース(224)内の屈曲部と各アーム(228)を打ち抜き加工することによって形成される。以下により詳細に説明するように、アーム(228)のこの機能部は、ハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部がアーム(228)と係合するときに、ハンドルアセンブリ(110)を好適に整列させるように構成されている。加えて、本実施例の各連結アーム(228)は、弾性を有するように構成されている。また以下により詳細に説明するように、アーム(228)のこの弾性機能部は、ばねのような特性をアーム(228)に提供して、横断面に沿ったハンドルアセンブリ(110)とクランプアームアセンブリ(200)との間の整列を更に促す。
【0056】
保持ブラケット(230)は、ベース部(232)と、一対の保持スタッド(238)と、を備える。ベース部(232)は、概ね三角形のプレートを含むが、任意の他の好適な形状が他の実施例で用いられてもよい。ベース部(232)は、複数のデータ通信開口部(233)と、単一の連結開口部(234)と、を更に含む。本実施例のベース部(232)は、3つの別個のデータ通信開口部(233)を画定するが、他の実施例では、任意の他の好適な数のデータ通信開口部(233)がベース部(232)に画定されてもよい。以下により詳細に説明するように、データ通信開口部(233)は、データ通信アセンブリ(240)の少なくとも一部が保持ブラケット(230)を通って延びて、ハンドルアセンブリ(110)と連通するのを可能にするように構成されている。
【0057】
連結開口部(234)は、ベース部(232)内の中央に配設されている。以下により詳細に説明するように、連結開口部(234)は、ハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部がベース部(232)を貫通して連結プレート(222)と係合するのを可能にするようなサイズになっている。また以下により詳細に説明するように、連結開口部(234)は、本体(202)の構造的コア(204)にある対応する開口部(208)と整列され、ハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部がベース部(232)を貫通して連結プレート(222)と係合するのを更に可能にするように更に構成されている。
【0058】
ベース部(232)は、複数の整列特徴部(235、236)を更に含む。各整列特徴部(235、236)は、横方向に延出する円筒形の突起を備える。整列機能部(235、236)は一般に、ベース部(232)をクランプアームアセンブリ(200)に対して配置するように構成されている。例えば、整列機能部(235、236)は、データ通信アセンブリ(240)をベース部(232)に対して配置する、一対のデータ通信整列機能部(235)を含む。同様に、整列機能部(235、236)は、ベース部(232)を本体(202)の構造的コア(204)に対して配置する、単一のベース整列機能部(236)を更に含む。図示されてはいないが、各整列機能部(235、236)はそれぞれ、データ通信アセンブリ(240)及び構造的コア(204)の対応する穴又は開口部(図示せず)と係合するように構成されていることを理解されたい。
【0059】
保持スタッド(238)は、概ね円筒形状を有し、ベース部(232)から横方向に延出する。各保持スタッド(238)は、各保持スタッド(238)の横方向端部上に配設された保持機能部(239)を備える。各保持機能部(239)は、概ね円筒形状であり、かつ各保持スタッド(238)の直径よりも大きな直径を有する頭部として形成される。理解されるように、保持機能部(239)は一般的に、保持ブラケット(230)をクランプアームアセンブリ(200)に固定し、更にベース部(232)をクランプアームアセンブリ(200)に固定するように構成されている。
【0060】
図15で最もよく分かるように、クランプアームアセンブリ(200)が完全に組み立てられたとき、保持スタッド(238)は、構造的コア(204)のブラケット開口部(205)と、連結プレート(222)のブラケット開口部(225)とを通って延びる。本実施例では、本体(202)の外部部分(206)がまた、保持スタッド(238)を取り囲むように構造的コア(204)のブラケット開口部(205)内にオーバーモールドされているが、そのような構成はあくまでも任意選択可能なものである。
【0061】
連結プレート(222)は、保持ブラケット(230)に、同様に構造的コア(204)に、保持スタッド(238)によって固定的に固定される。特に、保持スタッド(238)は、構造的コア(204)のブラケット開口部(205)と連結プレート(222)のブラケット開口部(225)とを通って延びる。保持ブラケット(230)の位置を維持するため、本体(202)の外部部分(206)が、保持スタッド(238)の幾何学的形状に対応する形状内にオーバーモールドされる。次いで連結プレート(222)の位置決めは、本体(202)及び保持ブラケット(230)に対して、本体(202)の外部部分(206)と保持スタッド(238)との間の圧縮嵌めによって維持される。図15は、連結プレート(222)と保持ブラケット(230)とを構造的コア(204)に固定するための1つの単に例示的な構成を示しているにすぎないが、他の実施例では、多くの代替的構成が用いられることを理解されたい。例えば、一部の実施例では、保持スタッド(238)は、外部部分(206)なしでブラケット開口部(205、225)を通って延び、ねじ、ワッシャー、ボルト、及び/又は他の取り付け機能部を介して連結プレート(222)に直接接続される。言うまでもなく、連結プレート(222)と保持ブラケット(230)とを構造的コア(204)に固定するための他の好適な構成が、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0062】
図15に図示されている構成では、連結プレート(222)は、本体(202)の構造的コア(204)に直接、物理的に接触している。構造的コア(204)と連結プレート(222)とは共に導電体であるため、連結プレート(222)が構造的コア(204)と電気的に通信しているということを理解されたい。以下により詳細に説明するように、このことは、電気的RFエネルギーがハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部から電極(218)に、連結プレート(222)及び構造的コア(204)を介して伝達されるのを可能にする。
【0063】
3.例示的なデータ転送アセンブリ
図13及び図14は、データ通信アセンブリ(240)をより詳細に示している。図14で最もよく分かるように、データ通信アセンブリ(240)は、複数の電気的コネクタ(242)と、プリント回路基板(246)と、電気回路(248)と、を備える。本実施例のデータ通信アセンブリ(240)は、3つの電気的コネクタ(242)を備えているが、他の実施例では、任意の好適な数の電気的コネクタ(242)を用いることができる。本実施例の各電気的コネクタ(242)は一般的に、ポゴピン式のコネクタとして構成される。特に、各電気的コネクタ(242)は、バレル(243)と、各バレル(243)から突き出しているボール(244)と、を備える。言うまでもなく、コネクタ(242)は、任意の他の好適な形態を取ってもよい。
【0064】
バレル(243)はプリント回路基板(246)に取り付けられて、電気的コネクタ(242)とプリント回路基板(246)との間に電気的連通を提供する。図示されてはいないが、各バレル(243)はまた、各バレル(243)内に配置されたばねのような1つ又は2つ以上の弾性機能部を含むことを理解されたい。各ボール(244)は、各バレル(243)から突き出し、1つ又は2つ以上の弾性機能部によって適所に保持される。各ボール(244)は、バレル(243)を通してプリント回路基板(246)に電流を伝達するための電気的接点として動作するように構成されている。加えて、バレル(243)の1つ又は2つ以上の弾性機能部により、各ボール(244)は、所定の移動範囲を通して移動し、対応する電気的接点との電気的連続性をなお維持しつつ、ボール(244)のいくらかの運動を可能にするように構成されている。以下により詳細に説明するように、各電気的コネクタ(242)は一般に、本体(202)の構造的コア(204)を貫通し、ハンドルアセンブリ(110)とクランプアームアセンブリ(200)との間にデータ通信を提供するように構成されている。
【0065】
プリント回路基板(246)は、電気的コネクタ(242)から電気回路(248)に電流を伝達する。このように、電気回路(248)は、プリント回路基板(246)を介して電気的コネクタ(242)と電気的に通信して、データを送信及び/又は受信する。本実施例では、電気回路(248)は、少なくとも、不揮発性メモリチップと、例えば集積回路のような他の演算コンポーネントと、を含む。以下により詳細に説明するように、電気回路(248)は一般的に、クランプアームアセンブリ(200)に関する様々なタイプのデータを、ハンドルアセンブリ(110)を介してジェネレータ(5)に提供するように構成されている。
【0066】
図15で最もよく分かるように、クランプアームアセンブリ(200)が完全に組み立てられると、データ通信アセンブリ(240)が本体(202)を通って延び、本体(202)から横方向に突き出す。特に、各電気的コネクタ(242)の各ボール(244)が弾性的に付勢されて、少なくとも部分的に、本体(202)を貫通して、連結プレート(222)と反対側から横方向に突き出す。本実施例では、ボール(244)が突き出す特定量は、各ボール(244)の所定の可動域に概ね等しいものとなっているが、他の実施例では、突き出し量は様々に異なっている。以下により詳細に説明するように、ボール(244)は一般的に、本体(202)から突き出して、データ通信アセンブリ(240)とハンドルアセンブリ(110)との間に電気的連続性を提供する。
【0067】
図16は、本体(202)を通して突き出しているボール(244)の別の図を示す。分かるように、本体(202)の外側には、保持ブラケット(230)を覆うシール(249)が備えられている。本実施例のシール(249)は本体(202)の上にオーバーモールドされているが、他の実施例では、多くの他の取付手段が用いられて、シール(249)を本体(202)に固定する。シール(249)は、クランプアームアセンブリ(200)の外側とデータ通信アセンブリ(240)との間に流体封止を提供するように構成されている。これにより、外科手術中に遭遇する、データ通信アセンブリ(240)の構成部品(例えば、電気回路(248))に害を与える恐れのある様々な流体が、データ通信アセンブリ(240)に侵入するのが防止される。
【0068】
D.ハンドルアセンブリのクランプアームアセンブリとの例示的な連結
図17及び図18は、一般的にクランプアームアセンブリ(200)と選択的に連結するように構成されている、ハンドルアセンブリ(110)の連結アセンブリ(250)を示す。特に、連結アセンブリ(250)は、取付部材(252)と、複数の電気的接点(266)と、を含む。取付部材(252)は、ベース(253)と、取付部(254)と、を備える。ベース(253)は、概ね円筒形状であり、ハンドルアセンブリ(110)の内側から横方向に延びる。ベース(253)の最も横方向にある端部において、ベース(253)の外径は狭まって、概ね円形のチャネル(256)を、ベースと取付部(254)との間に画定する。
【0069】
本実施例の取付部(254)は、ベース(253)と一体構造のものであり、そのためベース(253)と取付部(254)は単一部品から形成されている。言うまでもなく、他の実施例では、取付部(254)は、ベース(253)に固定されるか又は他の方法で締結される別個の部品である。取付部(254)は、ベース(253)の横方向に、チャネル(256)に隣接して配設されている。取付部(254)は、取付部(254)の両側に2つの平坦部(258)を有する概ね円盤形状である。以下により詳細に説明するように、平坦部(258)は一般的に、クランプアームアセンブリ(200)の連結プレート(222)と選択的に係合するように構成されている。
【0070】
図18で最もよく分かるように、取付部(254)は、第1の並進機能部(260)と第2の並進機能部(262)と、を更に含む。並機能部(260、262)は、取付部(254)の外側に沿って横断方向に延びる。対応する第1の並進機能部(261)と第2の並進機能部(263)とが同様にベース(253)に関連付けられ、そのため、ベース(253)もまた、ベース(253)の外側に沿って横断方向に延びる並進機能部(261、263)を含む。以下により詳細に説明するように、並進機能部(260、261、262、263)は、クランプアームアセンブリ(200)がハンドルアセンブリ(110)に対して枢動すると、クランプアームアセンブリ(200)の本体(206)にある対応する突出部(201)(図16に図示)との相互作用によって、ハンドルアセンブリ(110)に対してクランプアームアセンブリ(200)を並進させるように構成されている。
【0071】
図18はまた、電気的接点(266)を示している。分かるように、ハンドルアセンブリ(110)の連結アセンブリ(250)は、3つの別個の電気的接点(266)を含む。理解されるように、電気的接点(266)は、電流が電気的接点(266)と電気的コネクタ(242)との間に伝達され得るように、データ通信アセンブリ(240)の電気的コネクタ(242)に対応するように構成されている。本実施例では、電気的接点(266)は互いに、円弧に沿って所定の角距離で離間されている。各電気的接点(266)は一般的に、ハンドルアセンブリ(110)の外側と同一面上に配置されている。あるいは、一部の実施例では、各電気的接点(266)は、ハンドルアセンブリ(110)の外面よりわずかに下に窪んだように配置される。電気的接点(266)の具体的な配置に関わらず、電気的接点(266)は一般的に、クランプアームアセンブリ(200)からジェネレータ(5)に電気的信号を伝達するためにハンドルアセンブリ(110)の内側と連通していることを理解されたい。
【0072】
1.クランプアームアセンブリをハンドルアセンブリと連結するための例示的な手順
図19A図21は、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に連結するための例示的な手順を示している。図19Aで最もよく分かるように、取り外されたクランプアームアセンブリ(200)は最初、クランプアームアセンブリ(200)の長手方向軸線が、ハンドルアセンブリ(110)の長手方向軸線に対して90°の角度をなすように配置されるように、ハンドルアセンブリ(110)に対して配置されている。開口部(208)は、取付部材(252)と同軸状に整列され、クランプアームアセンブリ(200)は、ハンドルアセンブリ(110)から横方向に離間されている。
【0073】
ひとたびクランプアームアセンブリ(200)が図19Aに図示されているように配置されると、操作者は、クランプアームアセンブリ(200)のハンドルアセンブリ(110)への取り付けを開始し得る。図19Bに図示されているように、クランプアームアセンブリ(200)が操作者によって、開口部(208)と取付部材(252)とによって共有されている軸線に沿って横方向に移動されて、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に接触させる。クランプアームアセンブリ(200)とハンドルアセンブリ(110)とが互いに接触されると、ハンドルアセンブリ(110)の取付部材(252)は、クランプアームアセンブリ(200)の開口部(208)を通して、図20に図示されている位置に導かれる。
【0074】
図20で分かるように、クランプアームアセンブリ(200)が図19Bに図示される位置にあるときにハンドルアセンブリ(110)に接触すると、ハンドルアセンブリ(110)の取付部材(252)は、クランプアームアセンブリ(200)の本体(202)を貫通する。図20からも分かるように、クランプアームアセンブリ(200)が図19Bに図示されている位置にあるとき、取付部(254)の平坦部(258)は、連結プレート(222)の連結アーム(228)と整列され、そのため取付部(254)が、連結プレート(222)のアーム開口部(226)を貫通するように整列される。取付部材(252)が図20に図示されている位置にあるとき、取付部(254)はそれに対応して連結アーム(228)の横方向に配設されて、取付部(254)のチャネル(256)が連結アーム(228)と横方向に整列されるようになることを理解されたい。
【0075】
取付部材(252)が、図20に図示されているように、クランプアームアセンブリ(200)に対して好適な位置に配置されると、操作者は、開口部(208)と取付部材(252)とによって共有されている軸線を中心としてハンドルアセンブリ(110)に対してクランプアームアセンブリ(200)を回転又は枢動させて、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に選択的に連結し得る。特に、対応する図19C及び図21から分かるように、クランプアームアセンブリ(200)が回転されると、連結アーム(228)がそれに対応して取付部材(252)に対して回転して、そのため取付部(254)の平坦部(258)が連結アーム(228)との整列から外れて移動する。平坦部(258)が連結アーム(228)との整列から外れると、取付部(254)が連結アーム(228)と係合して、それによってクランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に連結させる。連結アーム(228)の自由端部は、ベース(253)と取付部(254)との間のチャネル(256)内に捕捉される。図示されてはいないが、一部の実施例では、取付部(254)は、面取り部、フィレット、及び/又は取付部(254)と連結アーム(228)との間の係合を促すように構成されている他の機能部を含むとを理解されたい。
【0076】
操作者が、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に正常に連結されると、後述のように、器具(100)は操作者によって、組織を切断及び/又は封止するために用いられ得る。使用中はいつでも、操作者は、図19Bに図示されている、ハンドルアセンブリ(110)に対する位置(例えば、ハンドルアセンブリ(110)に対して垂直に配向された位置)にクランプアームアセンブリ(200)を戻すことによって、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)から連結解除し得ることを理解されたい。図19B及び図20に図示されている角位置とは違う角位置で、クランプアームアセンブリ(200)がハンドルアセンブリ(110)に連結されている間、クランプアームアセンブリ(200)のハンドルアセンブリ(110)に対する横方向運動は一般的に制限されるが、回転運動及び少なくとも幾分かの並進は許容される。クランプアームアセンブリ(200)の横方向運動は一般的に制限されているが、連結アーム(228)の弾性的な性質によって、少なくとも幾分かの横方向運動が許容され得ることを理解されたい。言うまでもなく、一部の実施例では、多少弾力性のクランプアーム(228)を提供することによって、そのような運動の特定量が変化する。クランプアームアセンブリ(200)の大きな横方向運動は一般的に望ましくないものの、一部の実施例では、器具内の公差の変動に対処するためには、幾分か、最小限の横方向運動は望ましい場合があり得る。
【0077】
2.クランプアームアセンブリとハンドルアセンブリとの間の例示的なデータの転送
図22A図22Cは、クランプアームアセンブリ(200)のデータ通信アセンブリ(240)とハンドルアセンブリ(110)の電気的接点(266)との間の、例示的な動作モードを図示している。図22Aは、エンドエフェクタ(102)が閉じた構成にあるとき(例えば、図1A及び図2Aに図示されているような)の、データ通信アセンブリ(240)の電気的接点(266)に対する位置に対応している。分かるように、エンドエフェクタ(102)が閉じた構成にあるとき、クランプアームアセンブリ(200)は、データ通信アセンブリ(240)の各電気的コネクタ(242)が、ハンドルアセンブリ(110)の各対応する電気的接点(266)の最も遠位側の部分と電気的に通信するように駆動される。したがって、エンドエフェクタ(102)が閉じた構成にあるとき、クランプアームアセンブリ(200)の電気的コネクタ(242)とハンドルアセンブリ(110)の電気的接点(266)との間に電気的連続性がある。
【0078】
図22Bは、エンドエフェクタ(102)が開いた構成(例えば、図1B及び図2Bにおいて図示されているような)にあるときの、データ通信アセンブリ(240)の電気的接点(266)に対する位置に対応している。分かるように、エンドエフェクタ(102)が開いた構成にあるとき、クランプアームアセンブリ(200)は、データ通信アセンブリ(240)の各電気的コネクタ(242)が、ハンドルアセンブリ(110)の各対応する電気的接点(266)の最も近位側の部分と電気的に通信するように駆動される。したがって、エンドエフェクタ(102)が開いた構成にあるとき(及び、開いた構成と閉じた構成との間の枢動状態)、電気的連続性はクランプアームアセンブリ(200)の電気的コネクタ(242)とハンドルアセンブリ(110)の電気的接点(266)との間に残る。本実施例では、エンドエフェクタ(102)の「開いた位置」は、外科手術中のエンドエフェクタ(102)の最大推奨開口部に対応することを理解されたい。これは本明細書では、最大推奨構成として記載されているが、エンドエフェクタ(102)は任意選択的に、より大きな距離で開かれ得る(特に、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)から結合解除するため)ことを理解されたい。以下により詳細に説明するように、一部の実施例では、エンドエフェクタ(102)又は器具(10)の他の構成部品は、操作者に、戻り止め、又は適切に開いた構成にあると警告するのに好適な他の機能部を含む。
【0079】
図22Cは、エンドエフェクタ(102)が、問題のある構成にあるとき、すなわちクランプアームアセンブリ(200)が、上述の適切な開いた構成を越えて開いている場合の、データ通信アセンブリ(240)の電気的接点(266)に対する位置に対応する。分かるように、エンドエフェクタ(102)が問題のある構成にあるとき、クランプアームアセンブリ(200)は、データ通信アセンブリ(240)の各電気的コネクタ(242)が、各対応するハンドルアセンブリ(110)の電気的接点(266)に対して開放回路状態にあるように枢動される。したがって、エンドエフェクタ(102)が問題のある構成にあるとき、クランプアームアセンブリ(200)の電気的コネクタ(242)とハンドルアセンブリ(110)の電気的接点(266)との間の電気的連続性が失われる。本実施例では、この状態は、エンドエフェクタ(102)が望ましくない範囲に開かれているという信号をジェネレータ(5)に送る。一部の実施例では、これは、警報、又は器具(10)の自動停止をトリがする。加えて、このような状態は、一部の実施例では、例えば、クランプアームアセンブリ(200)がハンドルアセンブリ(110)に適切に連結されていないなどのエラー状態を示すために用いられ得る。また更なる実施例では、このような状態は、ジェネレータ(5)に、クランプアームアセンブリ(200)が外科手術に用いられていること示すよう、クランプアームアセンブリ(200)を取り外しを示すように用いられ得る。このような事象は次に、電気回路(248)の不揮発性メモリに保存され、クランプアームアセンブリ(200)を他の器具(10)又は同一の器具(10)と共に再利用するのを防ぎ得る。言うまでもなく、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであると思われるように、そのような状態の任意の他の好適な使用法が提供され得る。
【0080】
3.ハンドルアセンブリからクランプアームアセンブリへの例示的なRFエネルギー移送
図23は、連結アセンブリ(220)用の例示的な電流路を図示している。分かるように、本体(202)の構造的コア(204)は、本体(202)を通って、本体(202)の遠位端まで延びる。図示されてはいないが、上述のように、本体(202)の遠位端では、構造的コア(204)が電極(218)に、抵抗溶接によって連結されていることを理解されたい。そのため、構造的コア(204)は、電極(218)と電気的に通信するように構成されている。
【0081】
上記のとおり、連結アセンブリ(220)の連結プレート(222)は、本体(202)に固定されて、構造的コア(204)と電気的に通信する。そのため、連結プレート(222)は、構造的コア(204)を介して電極(218)と電気的に通信するように構成されている。また上述のように、連結アセンブリ(250)の取付部材(252)も、連結プレート(222)と電気的に通信する。このように、取付部材(252)と連結プレート(222)との間の機械的連結はまた、クランプアームアセンブリ(200)とハンドルアセンブリ(110)との間の電気的連結ももたらす。連結プレート(222)が電極(218)と電気的に通信するように構成されているので、取付部材(252)と連結プレート(222)との間の電気的連結は、ハンドルアセンブリ(110)と電極(218)との間の電気的連通を可能にするように構成されている。
【0082】
ハンドルアセンブリ(110)の取付部材(252)は、接点(270)を介してジェネレータ(5)と電気的に通信している。特に、接点(270)は、ハンドルアセンブリ(110)を通って長手方向に延び、取付部材(252)に電気的に連結されるように構成されている。一部の実施例では、接点(270)は、1つ又は2つ以上の電気的トレースが配設されたプリント回路基板を備える。そのような実施例では、少なくとも1つのトレースが取付部材(252)に連結(例えば、半田付け)されて、取付部材(252)と電気的に通信する。一部の他の実施例では、接点(270)は、ワイヤとして単純に構成されている。
【0083】
図示されてはいないが、接点(270)は、ハンドルアセンブリ(110)の電気的接点(266)と電気的に通信する、1つ又は2つ以上の別個の導電体も含むことを理解されたい。そのような導電体は同様に、ハンドルアセンブリ(110)の内部を通って延び、電気的接点(266)とジェネレータ(5)との間の電気的連通を提供する。接点(270)と電気的接点(266)との間の電気的連通は一般的に、データ通信アセンブリ(240)がデータをジェネレータ(5)に伝達することを可能にするように構成されている。あくまでも一例として、クランプパッドアセンブリ(210)は、クランプパッドアセンブリ(210)及び/又は組織の特性を感知するように動作可能である1つ又は2つ以上のセンサを備え得るが、そのような1つ又は2つ以上のセンサからのデータは、接点(270)及び電気的接点(266)を介してジェネレータ(5)に伝達され得る。追加的に又は代替的に、クランプパッドアセンブリ(210)は、接点(266)と連通し、ジェネレータ(5)が、クランプアームアセンブリ(200)が1回しか使用されていないと判定するのを可能にするEEPROM又は類似の装置を備え得る(例えば、ジェネレータ(5)が、EEPROMから接点(270)及び電気的接点(266)を介して伝達されたデータに基づいて、クランプアームアセンブリ(200)が既に使用されていると判定したとき、ジェネレータ(5)は、機能を使用不可能にし、かつ/又はエラーメッセージを提供し得る)。加えて、一部の実施例では、少なくとも1つの電気的接点(266)が、電極(218)、構造的コア(204)、連結プレート(222)、及び取付部材(252)の電気通信経路を有するブリッジ回路を形成するように構成されている。そのような実施例では、この回路は望ましい場合があるが、それはそのようなブリッジ回路は、組織が現れて、ブレード(152)と電極(218)との間のRFエネルギー回路を完成させる前に、RFエネルギー回路の経路を完成させるのに好適な電気的連続性が存在するときをジェネレータ(5)が検出することを可能にし得るためである。
【0084】
E.例示的な代替の連結アセンブリ
図24は、器具(10)のクランプアームアセンブリ(200)内に容易に組み込まれ得る、例示的な代替の連結アセンブリ(320)を図示している。本明細書において特に断らない限り、連結アセンブリ(320)は、上述の連結アセンブリ(220)と実質的に同じものであるとことを理解されたい。例えば、連結アセンブリ(220)の場合と同様に、連結アセンブリ(320)は、連結プレート(322)と、保持ブラケット(330)と、を備える。保持ブラケット(330)は、上述の保持ブラケット(230)と実質的に同じであるため、保持ブラケットの具体的な詳細は、本明細書においては繰り返さない。
【0085】
連結プレート(322)は、連結プレート(222)と同様に、ハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部を受容して、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に選択的に連結するように一般的に構成されている。本実施例の連結プレート(322)は、概ね矩形のベース(324)を備える。連結プレート(222)と同様に、連結プレート(322)は一般的に、導電性金属材料又は導電性非金属材料から構成される。
【0086】
連結プレート(322)のベース(324)は、一対のブラケット開口部(325)と単一のばね開口部(326)とを画定する。上述のブラケット開口部(225)の場合と同様に、ブラケット開口部(325)は一般的に、保持ブラケット(330)と連結プレート(322)とを本体(202)の構造的コア(204)に固定できるように、保持ブラケット(330)の少なくとも一部を受容するように構成されている。上述のアーム開口部(226)と同様に、ばね開口部(326)は、ハンドルアセンブリ(110)の少なくとも一部がベース(224)を通って延び得るようなサイズになっている。
【0087】
しかしながら、上述のアーム開口部(226)とは異なり、ばね開口部(326)は、連結アーム(228)が本実施例では省略されているため、連結アーム(228)と類似のいかなる構造用のサイズにはなっていない。その代わりに、以下により詳細に説明するように、連結アーム(228)の機能的な機能部は、ばね部材(328)によって置き換えられている。
【0088】
ばね部材(328)は、弾性及び導電性特性を有する円筒形のワイヤを備える。以下により詳細に説明するように、ばね部材(328)は一般的に、図24に図示されている構成に向かって弾性的に付勢されるように構成されているだけでなく、ハンドルアセンブリ(110)との連結に反応して弾性的に変形可能であるようにも構成されている。あくまでも一例として、円筒形のワイヤの、あくまでも例示的ないくつかの材料としては、鋼、アルミニウム、銅、金、又はアルミニウムのような金属が挙げられる。あるいは、一部の実施例では、ばね部材(328)は、弾性特性を有する非金属導電体を備える。どのような材料であれ、ばね部材(328)は、上述の連結アーム(228)と似た構成に折り曲げられる。しかしながら、ばね部材(328)はまた、追加の弾性特性を得るために、少なくとも1つのコイルを形成する。図示されてはいないが、一部の実施例では、ベース(324)は、ばね部材(328)を図24に図示されている位置に保持するための突出部又はその他の機能部を含むことを理解されたい。
【0089】
本実施例はまた、ハンドルアセンブリ(110)に関連付けられた代替の連結アセンブリ(350)を含む。本明細書において特に明記しない限り、本実施例の連結アセンブリ(350)は、上述の連結アセンブリ(250)と実質的に同じであることを理解されたい。例えば、連結アセンブリ(250)と同様に、本実施例の連結アセンブリ(350)は、取付部材(352)と、複数の電気的接点(図示せず)と、を含む。この電気的接点は、上述の電気的接点(266)と実質的に同じものであり、そのため、この電気的接点については本明細書において更に詳細に説明されない。
【0090】
上述の取付部材(252)と同様に、本実施例の取付部材(352)は、ベース(図示せず)と、取付部(354)と、を備える。ベース(353)は、上述のベース(253)と実質的に同じに構成されており、そのため、ベース(253)の具体的な詳細については本明細書において更に詳細に説明しない。ベース(353)の最も横方向にある端部で、ベースの外径は狭まって、ベース(353)と取付部(354)との間に概ね円形のチャネル(356)を画定する。以下により詳細に説明するように、チャネル(356)は、ばね部材(328)を受容し、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に連結するように構成されている。
【0091】
本実施例の取付部(354)は、ベース(353)と一体構造のものであり、そのためベース(353)と取付部(354)は単一の部品から形成されている。取付部(354)は、ベース(353)の横方向に、チャネル(356)に隣接して配設されている。取付部(354)は概ね円筒形状である。しかしながら、上述の取付部(254)とは異なり、取付部(354)からは平坦部(258)と類似の構造体が省略されている。その代わりに、取付部(354)は、環状に面取りされた横方向端部(358)を有する概ね円形の形状である。以下により詳細に説明するように、面取りされた横方向端部(358)は一般的に、クランプアームアセンブリ(200)がハンドルアセンブリ(110)に差し込まれると、ばね部材(328)が外側に変形するのを促すように構成されている。
【0092】
図25A図25Cは、連結アセンブリ(320、350)をそれぞれ備えるときに、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に取り付けるための例示的な動作を示す。この連結の手順は、本明細書において特に明記しない限り、連結アセンブリ(220、250)に関する上述の手順と概ね実質的に類似のものであるということを理解されたい。例えば、図25Aに図示されているように、また、同様に上述したように、クランプアームアセンブリ(200)をまずハンドルアセンブリ(110)に対して垂直に配向され、かつハンドルアセンブリ(110)から横方向にオフセットされる。しかしながら、上述の連結アセンブリ(220)の場合とは異なり、連結アセンブリ(320は、図25Aに図示されている段階では、ハンドルアセンブリ(110)に対して多くの他の代替的な角位置に配向され得ることを理解されたい。特に、取付部(354)は、概ね円筒形状であり、ばね部材(328)は一般的に変形可能であるので、ばね部材(328)は、取付部(354)の周りの任意の好適な角位置で取付部(354)と係合し得る(ただし、クランプアームアセンブリ(200)とハンドルアセンブリ(110)とは、取付部(354)の長手方向に沿って横方向に整列されたままである)。
【0093】
クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に連結するために、操作者は、図25Bに図示されているように、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に向かって横断方向に、取付部(354)の長手方向軸線に沿って並進させるだけである。この並進により、取付部(354)の面取りされた横方向端部(358)が連結アセンブリ(320)のばね部材(328)と係合する。図25Bに図示されているようにクランプアームアセンブリ(200)が並進されると面取りされた横方向端部(358)とばね部材(328)との間の係合は、ばね部材(328)を外側に変形させる。ばね部材(328)は、ばね部材(328)が取付部(354)を通り過ぎるまで外側に変形し続ける。
【0094】
ばね部材(328)が取付部(354)を越えて移動されると、ばね部材(328)はチャネル(356)に入り、図25Cに図示されているように、その元の位置に弾性的に回帰する。ばね部材(328)がその元の位置に回帰すると、クランプアームアセンブリ(200)がハンドルアセンブリ(110)に連結されて、器具(10)は本明細書に記載したように操作者によって用いられ得る。操作者が、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)から連結解除したい場合、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)から横断方向に、ばね部材(328)を外側に変形させるのに十分な力で引っ張るだけで、ばね部材(328)をチャネル(356)から取り外せる。
【0095】
F.例示的な代替のクランプアームアセンブリ
図26A〜31は、代替的シャフトアセンブリ(530)とブレードアセンブリ(550)とに接続される代替のクランプアームアセンブリ(400)を図示している。クランプアームアセンブリ(400)、シャフトアセンブリ(530)、及びブレードアセンブリ(550)は、以下に説明される相違点を除いて、上記のクランプアームアセンブリ(200)、シャフトアセンブリ(130)、及びブレードアセンブリ(150)と実質的に同じものであることを理解されたい。したがって、クランプアームアセンブリ(400)、シャフトアセンブリ(530)、及びブレードアセンブリ(550)は、器具(100)におけるクランプアセンブリ(200)、シャフトアセンブリ(130)、及びブレードアセンブリ(150)を置換し得るとことを理解されたい。
【0096】
シャフトアセンブリ(530)は、外側シース(532)と、外側シース(532)から横方向に延びるTナット(502)と、を含む。Tナット(502)は、クランプアームアセンブリ(400)を受容するような寸法になっており、以下により詳細に説明するように、クランプアームアセンブリ(400)は、Tナット(502)によって画定される軸線を中心として回転するように構成されている。
【0097】
クランプアームアセンブリ(400)は、本体(402)と、連結アセンブリ(420)と、クランプパッドアセンブリ(410)と、を含む。本体(402)とクランプパッドアセンブリ(410)とは、上述の本体(202)とクランプパッドアセンブリ(210)とに実質的に類似のものである。連結アセンブリ(420)は、以下に説明する相違点を除いて、上述の連結アセンブリ(220)と実質的に類似のものである。
【0098】
連結アセンブリ(420)は、ピボットベース(430)と、ピボットロック(440)と、ピボットキャップ(460)と、を含む。ピボットベース(430)は、ピボットロック(440)を受容するための凹部(432)と、ピボットキャップ(460)と、一対の突出部(434)と、Tナット(502)を受容するための細長い開口部(436)と、を含む。ピボットロック(440)は、一対の連結開口部(442)と、弾性ロック(444)と、Tナット(502)を受容するための細長い開口部(446)と、を含む。ピボットキャップ(460)は、ロック解除機能部(464)と、Tナット(502)を受容するための細長い開口部(466)と、を含む。連結アセンブリ(420)は、ピボットベース(430)と、ピボットロック(440)と、ピボットキャップ(460)との3つの個別のピースを有するように図示されているが、その代わりに連結アセンブリ(420)が単一のピース、2つのピース、4つのピース、又はそれより多くのピースから形成され得ることも考えられる。
【0099】
図26A図26Bに図示されているように、クランプアームアセンブリ(400)の本体(402)はまず、Tナット(502)が相補的開口部(436、446、466)と整列されるように、外側シース(532)に対して垂直に配向され、かつ外側シース(532)から横方向にオフセットされている。図26Bに図示されているように、ピボットベース(430)は次に、外側シース(532)に向かって横断方向に並進され、そのためTナット(502)が相補的開口部(436)の中に挿入される。図26Cに図示されているように、ピボットロック(440)は次に、ピボットベース(430)に向かって横断方向に並進され、そのため突出部(434)と連結開口部(442)とが噛み合う。この時点で、ピボットロック(440)は凹部(432)領域内中に固定され、Tナット(502)も相補的開口部(446)内に挿入されている。次に、図26Dに図示されているように、ピボットキャップ(460)が、ピボットベース(430)とピボットロック(440)の両方の上の位置に横断方向に並進され、そのため相補的開口部(460)がTナット(502)と整列される。ピボットキャップ(460)は、スナップ嵌め、又は本明細書における教示を鑑みれば当該技術分野では周知の任意の他の好適な手段によって、ピボットベース(430)に固定され得る。
【0100】
図26A〜26Dには、ピボットベース(430)と、ピボットロック(440)と、ピボットキャップ(460)とがそれぞれ、シャフトアセンブリ(530)に別々に装着されているように図示されているが、連結アセンブリ(420)をシャフトアセンブリ(530)と共に組み立てるのに先立って、ピボットロック(440)とピボットキャップ(460)とがピボットベース(430)上に予め装着されてもよいことを理解されたい。したがって、図26A図26Cに図示されているシリーズは、クランプアームアセンブリ(400)をどのようにして外側シース(532)に固定され得るかを表す網羅的な表現として見られるべきではない。その代わりに、図26A図26Cに図示されているシリーズは、連結アセンブリ(420)の構成部品間の関係を単に示すものとして見ることもできる。
【0101】
図26Eに図示されているように、Tナット(502)が相補的開口部(436、446)に挿入されると、本体(402)はシャフトアセンブリ(530)に向かって回転され得る。Tナット(502)と相補的開口部(436、446)とがもはや整列されていないので、連結アセンブリ(420)は今やTナット(502)を介してシャフトアセンブリ(530)に回転可能に連結され、そのためTナット(502)によって、クランプアームアセンブリ(400)がTナット(502)の長手方向軸線に沿って横方向に移動するのが防止される。しかしながら、この時点では、クランプアームアセンブリ(400)は、Tナット(502)によって画定される軸線を中心として回転し、クランプパッドアセンブリ(410)をブレードアセンブリ(550)に対して開閉し得る。クランプアームアセンブリ(400)とシャフトアセンブリ(500)とは、図26A〜26Dに図示されているように、Tナット(502)と相補的開口部(436、446、466)とが整列されているときにのみ連結を解除され得る。
【0102】
クランプアームアセンブリ(400)が図26Dに図示されている位置から図26Eに図示されている位置に回転されたとき、Tナット(502)の下面が弾性ロック(444)の上面と接触し、それによって弾性ロック(444)が凹部(432)に向かって屈曲されることを理解されたい。Tナット(502)の下面がもはや弾性ロック(444)の上面と係合しなくなると、弾性ロック(444)は、図28Aに図示されているように、その自然な位置にばねによって戻る。
【0103】
弾性ロック(444)は、ピボットロック(440)の残りの部分から外側に、ピボットキャップ(460)に向かって延出する。図27A〜27Bに図示されているように、弾性ロック(444)はその自然な位置において、クランプアームアセンブリ(400)が、所定のロック角まで回転される場合にTナット(502)と係合し得る。Tナット(502)は、外側シース(532)に対してそれ自身の長手方向軸線周りに回転可能に固定される。したがって、弾性ロック(444)がその自然な位置にあるとき、Tナット(502)と弾性ロック(444)との相互作用によって、クランプアームアセンブリ(400)の回転が制限される。弾性ロック(444)はこのようにして、クランプパッドアセンブリ(410)がブレードアセンブリ(550)から離れる方向に枢動し得る角度を制限する。
【0104】
ピボットキャップ(460)は、ロック解除機能部(464)を含む。ロック解除機能部(464)はまた弾性的であるが、図28Aに図示されているように、ピボットキャップ(460)の残りの部分と整列される位置に向かって付勢されている。図28Aから図28Bへの並進に図示されているように、操作者はロック解除機能部(464)をピボットロック(440)に向かって押すことによって、ロック解除機能部(464)を弾性ロック(444)と係合させ得る。このようにして、弾性ロック(444)次に、ピボットロック(440)の残りの部分と整列されるように屈曲する。弾性ロック(444)がピボットロック(440)の残りの部分と整列されると、弾性ロック(444)はもはや、Tナット(502)と係合するようには位置しておらず、それゆえ操作者はクランプアームアセンブリ(400)を、所定のロック角を越えて回転させ得る。図27Cに図示されているように、Tナット(502)の頭部の底面がここで、弾性ロック(444)の上面と係合し得る。この時点で、Tナット(502)と弾性ロック(444)とはもはやクランプアームアセンブリ(400)の回転角度を制約しない場合があり得る。したがって、クランプアームアセンブリ(400)は、図27Dに図示されている位置にまで回転され得るが、そこではTナット(502)が相補的開口部(436、446、466)と整列されている。次にクランプアームアセンブリ(400)は、クランプアームアセンブリ(400)を、シャフトアセンブリ(530)から横方向に離れる方向に、Tナット(502)の長手方向軸線に沿って引っ張ることによって、シャフトアセンブリ(530)から取り外され得る。
【0105】
一部の例では、所定のロック角を有する代わりに、クランプアームアセンブリ(400)がシャフトアセンブリ(530)に対して所定の角を超えて回転されたことをユーザーに示す、触覚的なフィードバックを操作者に提供することが望ましい場合があり得る。このように、ユーザーは、クランプパッドアセンブリ(410)とブレードアセンブリ(550)との間に形成される角について、必ずしも制限されない場合があり得る。そのような例では、図29及び図31に図示されているように、クランプアームアセンブリ(400)は、凹部(414)からわずかに突き出している、弾性的、片持ち式の戻り止め(412)を含み得る。片持ち式の戻り止め(412)は、図30及び図31に図示されているように、外側シース(532)内に横方向に形成された弓状スロット(534)内に整列されるように配置され得る。図31に図示されているように、片持ち式の戻り止め(412)は、クランプアームアセンブリ(400)の内部の面(404)からわずかに突き出すように、弾性的に付勢され、そのため片持ち式の戻り止め(412)の端部は、スロット(534)内に置かれている。クランプアームアセンブリ(400)が所定の角を超えて枢動すると、片持ち式の戻り止め(412)の端部がスロット(534)の端部と接触し、それによって操作者に、クランプアームアセンブリ(400)が所定の角を超えて回転されたことを示す、(例えば、クランプアームアセンブリ(400)のシャフトアセンブリ(530)に対する更なる枢動運動対してある程度の抵抗を提供することによって)触覚的なフィードバックを提供する。一部の例では、凹部(414)は、片持ち式の戻り止め(412)が、完全に反って凹部(414)の中に入り、操作者は戻り止め(412)を完全に反らせて凹部(414)の中に入らせるのに必要となる追加的な力に打ち勝たなければならないものの、操作者が、クランプアームアセンブリ(400)を所定の角度を超えてシャフトアセンブリ(530)に対して枢動させ続けることを可能にする。
【0106】
G.器具の例示的な使用法
図32図35は、外科手術中の器具(10)の例示的な使用法を図示している。そのような手術に先立って、操作者は、上述の手順及び方法を用いて、クランプアームアセンブリ(200)をハンドルアセンブリ(110)に連結し得ることを理解されたい。図32で分かるように、操作者は、組織をクランプパッドアセンブリ(210)とブレード(152)との間に捕捉した状態で、クランプアームアセンブリ(200)を、図1Bに示される位置から図32に示される位置に枢動することによって、エンドエフェクタ(102)を締め得る。次にエンドエフェクタ(102)は、それぞれ超音波エネルギーとRFエネルギーとの組み合わせを用いて、組織を切断及び/又は封止し得る。
【0107】
上記のとおり、ボタン(280)が、ハンドルアセンブリ(110)の近位端の近くに配設されている。特に、ボタン(280)は、グリップ(54)に隣接した位置に配設されている。ボタン(280)は、操作者によってクランプアームアセンブリ(200)に所定量の挟持力が加えられた後に起動されるように構成されている。例えば、図32に図示されているように、好適な量の挟持力が印加されるときに、クランプアームアセンブリ(200)がわずかに反るようになっている。そのような反りの結果、グリップ(54)の下側がボタン(280)に接触して、ボタン(280)を作動させる。
【0108】
ボタン(280)が作動されたとき、好適な量の挟持力が加えられたという信号がジェネレータ(5)に送られる。本実施例では、ボタン(280)からジェネレータ(5)への信号により、ジェネレータ(5)は、封止アルゴリズムを開始するか(ボタン(126)のうちの1つが既に作動中である場合)、又は封止アルゴリズムの開始を可能にする(封止アルゴリズムはその後、ボタン(126)の作動に反応して開始される)。上記のとおり、ボタン(280)の作動により、クランプアームアセンブリ(200)が完全に圧縮されて、適切な力が組織に加えられて、封止アルゴリズムの実行中に適正な封止が実現されることをユーザーに知らせることができる。一部の手術では、組織及び/又は脈管に十分な熱と圧力とが加えられている場合に、望ましい品質の封止が最良に実現される。組織への十分な熱と圧力が望ましいかかる実施例では、そのような十分な圧力がなければ、封止が危うくなる場合がある。ボタン(280)が押されていない又は起動されておらず、ボタン(126)のうちの1つが組織を封止するために作動される1つの実施例では、ユーザーは、封止のためのRFエネルギーが組織に加えられたときに、適正な封止のために組織にかけられる適切な力が得られないことを理解し得る。同様に、組織を封止するためにRFエネルギーが印加されている間ずっと、適切な量の力が組織に対して維持されたかどうかを理解するため、封止のアクションを通じて、ボタン(280)の作動がモニターされ得る。以下の実施例は、いかにしてジェネレータ(5)が、ボタン(280)の作動とボタン(126)のうちの1つの作動との組み合わせに対して反応し得るかのいくつかの可能なシナリオを表す。以下の例はあくまで例示的なものにすぎない点は理解されるべきである。
【0109】
第1の例示的なシナリオでは、ボタン(126)とボタン(280)の両方が作動される。本実施例では、ボタン(126)とボタン(280)との作動により、RFエネルギーが提供されるが、調波エネルギーが提供されないか又は低調波エネルギーが提供される封止のみモードが開始される。この条件は、ジェネレータ(5)に対して、組織を好適に封止するために必要なすべての条件の存在を示す。したがって、ジェネレータ(5)は封止アルゴリズムを開始して、超音波エネルギーを印加するかしないかに関わらず、クランプパッドアセンブリ(210)とブレード(152)との間に捕捉される任意の組織に対してRFエネルギーを印加する。一部の他の実施例では、超音波エネルギーのみが封止のために使用され得るが、他の実施例では、RFエネルギーのみが封止のために使用され得る。本実施例では、封止アルゴリズムが完了すると、終了音若しくは封止完了音、又は他の聴覚的若しくは視覚的なインジケータが、ジェネレータ(5)によって提供され得る。封止アルゴリズムの完了は、インピーダンスについてある閾値に到達することをもって、規定され得る。本実施例では終了音が提供され得るが、終了音が出ても、RFエネルギーの印加は終了されない。逆に、本実施例では、ボタン(126)とボタン(280)とが引き続き作動されている限り、終了音の後でもRFエネルギーは継続する。本実施例では、RF封止が所定の時間よりも長い時間がかかる場合、タイマーも提供され得、エラー音が発生されて、組織及び/又は脈管を解放しかつ再度把持するように操作者に伝える。
【0110】
第2の例示的なシナリオでは、ボタン(280)は起動されず、ボタン(126)が起動される。本実施例では、このアクションにより、正常な又は高電圧でRFエネルギーが提供され、調波エネルギーは提供されないか、又は低調波エネルギーが提供される、スポット凝固モードが開始される。このシナリオでは、超音波エネルギーを印加するかしないかに関わらず、ジェネレータ(5)は、クランプパッドアセンブリ(210)とブレード(152)との間に捕捉された組織に、RFエネルギーを印加するための凝固アルゴリズムを開始する。しかしながら、操作者に対して、終了音又はその他の指示は提供されない。同様に、エラー音も操作者に提供されない。その代わりに、ボタン(126)が起動される限り凝固アルゴリズムは実行され続けるので、操作者は、時間切れ又はRFエネルギー印加の中断なしでスポット凝固を実行可能である。このようにして、クランプアセンブリ(200)はわずかに開くか、又は広がって、スポット凝固又はサイド凝固を助けることができる。
【0111】
第3の例示的なシナリオでは、ボタン(126)が起動されるがボタン(280)が起動されない場合、ジェネレータ(5)は、タッチアップアルゴリズムを起動させる。タッチアップアルゴリズムが起動されるとき、クランプパッドアセンブリ(210)とブレード(152)との間に捕捉され得る任意の過剰な組織を焼灼するために高電圧がRF回路に印加される。
【0112】
第4の例示的なシナリオでは、ボタン(126)が起動されるが、ボタン(280)が起動されない場合、ジェネレータ(5)はRF回路に電圧を印加しない。その代わりに、ジェネレータ(5)は操作者に対して、エラー音、又はエラーの発生を示す他の聴覚的若しくは視覚的インジケータを発する。
【0113】
第5の例示的なシナリオでは、ボタン(126)とボタン(280)が両方とも作動され、ジェネレータ(5)は、RFエネルギーが提供され、封止のために調波エネルギーの増加がもたらされる封止アルゴリズムを開始する。したがって、本実施例では、ボタン(126)だけを押すと、RFエネルギーが提供され、かつ/又は調波エネルギーは提供されないか、若しくは低調波エネルギーが提供されるが、両方のボタン(126)及びボタン(280)が押されるか又は作動されると、封止のために調波エネルギーの増加がもたらされる。本実施例では、封止アルゴリズムが完了すると、終了音若しくは封止完了音、又は他の聴覚的若しくは視覚的なインジケータが、ジェネレータ(5)によって提供され得る。封止アルゴリズムの完了は、インピーダンスについてある閾値に到達することをもって、規定され得る。本実施例では終了音が提供され得るが、ボタン(126)とボタン(280)とが引き続き作動されている限り、RFエネルギーと増加した調波エネルギーとは終了音後でも継続する。本実施例では、封止が所定の時間よりも長い時間がかかる場合、タイマーも提供され得、エラー音が発生されて、組織及び/又は脈管を解放しかつ再度把持するように操作者に伝える。両方のボタン(126、280)を作動させることにより、調波エネルギーが増加される他の実施例では、終了音発生後、操作者によって、解放及び再把持工程が実行されるまで、RFエネルギーと調波エネルギーの一方又は両方が停止され得る。
【0114】
一部の実施例では、ボタン(280)は省略される。ボタン(280)が省略されている実施例では、封止の品質は一般に、エンドエフェクタ(102)を介して組織に印加される力に関連し得るため、エンドエフェクタ(102)を通じて組織に印加される力を感知することがなおも望ましい場合があり得る。ボタン(280)に加えてあるいはそれに代えて、組織のインピーダンスをジェネレータ(5)によって測定し、組織に適切な力が加えられているかどうかを判定してもよい。特に、一部の実施例では、ジェネレータ(5)は、電極(218)とブレード(152)との間に捕捉される組織のインピーダンスを、試験電圧を電極(218)とブレード(152)とを介して印加することによって測定するように構成されている。ジェネレータ(5)が、ある所定の範囲内の高調波インピーダンスを測定したとき、ジェネレータ(5)は、好適な量の力がクランプパッドアセンブリ(210)とブレード(152)との間に捕捉される組織に印加されていると判定し、それによって力インジケータを肯定的に起動させる。
【0115】
ボタン(280)に関して同様に上述したように、ジェネレータ(5)は、同様に様々なアルゴリズムを起動させることによって、高調波インピーダンスの測定値に反応し得る。例えば、ボタン(280)が省略されている構成では、力インジケータの肯定的な起動は、ボタン(280)が存在している上記のシナリオにおいて説明したような、ボタン(280)の起動に相当すると考えられ得、ジェネレータ(5)は上述の方法と同じように反応するように構成され得る。例えば、第1の例示的なシナリオでは、ボタン(126)が、力インジケータが起動されるのと共に起動される(例えば、高調波インピーダンスが、ブレード(152)が挟持負荷の下にあることを示し、それによってクランプパッドアセンブリ(210)による挟持力を示す)場合、ジェネレータ(5)は、上述したように、封止アルゴリズムを起動させることによって反応する。
【0116】
第2の例示的なシナリオでは、ボタン(126)が、対応する力インジケータの起動なしで起動される場合(例えば、高調波インピーダンスは、ブレード(152)が挟持負荷の下にあることを示さず、それによってクランプパッドアセンブリ(210)によって挟持力が加えられていないか、又は充分な挟持力が加えられていないと示している)場合、上述したように、ジェネレータ(5)はなお凝固アルゴリズムを開始し得る。
【0117】
第3の例示的なシナリオでは、ボタン(126)が力インジケータの起動なしで起動された場合、ジェネレータ(5)はタッチアップアルゴリズムを起動させる。タッチアップアルゴリズムが起動されるとき、クランプパッドアセンブリ(210)とブレード(152)との間に捕捉され得る任意の過剰な組織を焼灼するために高電圧がRF回路に印加される。
【0118】
第4の例示的なシナリオでは、ボタン(126)が力インジケータの起動なしで起動された場合、ジェネレータ(5)はRF回路に電圧を印加しない。その代わりに、ジェネレータ(5)は操作者に対して、エラー音、又はエラーの発生を示す他の聴覚的若しくは視覚的インジケータを発する。
【0119】
第5の例示的なシナリオでは、ボタン(126)と力インジケータは両方とも起動され、ジェネレータ(5)は、RFエネルギーが提供され、封止のために調波エネルギーの増加がもたらされる封止アルゴリズムを開始する。したがって、本実施例では、ボタン(126)だけを押すことで、RFエネルギーが提供され、かつ/又は調波エネルギーは提供されないか、若しくは低調波エネルギーが提供されるが、ボタン(126)を押すか又は起動させたときに、力インジケータもまた起動させると、封止のために増加した調波エネルギーが提供される。本実施例では、封止アルゴリズムが完了すると、終了音若しくは封止完了音、又は他の聴覚的若しくは視覚的なインジケータが、ジェネレータ(5)によって提供され得る。封止アルゴリズムの完了は、インピーダンスについてある閾値に到達することをもって、規定され得る。本実施例では終了音が提供され得るが、ボタン(126)と力インジケータとが起動され続けている限り、RFエネルギーと増加した調波エネルギーとは終了音の後にも継続する。本実施例では、封止が所定の時間よりも長い時間がかかる場合、タイマーも提供され得、エラー音が発生されて、組織及び/又は脈管を解放しかつ再度把持するように操作者に伝える。終了音の後に、ボタン(126)と力インジケータとの両方の起動に反応して調波エネルギーが増加される他の実施例では、操作者によって解放又は再担持工程が実行されるまで、RFエネルギーと調波エネルギーの一方又は両方が停止され得る。
【0120】
図33図35は、器具(100)が用いられるときの、クランプパッドアセンブリ(210)の様々な機能部の使用法を示す。図33及び図34で分かるように、エンドエフェクタ(102)が閉じられたとき、クランプパッドアセンブリ(210)は、組織をブレード(150)に対して圧縮し、それによってブレード(150)が超音波エネルギーで起動されるときに組織を切断するように配置されている。クランプパッド(212)は、エンドエフェクタ(102)の遠位端の手前で止まっている。しかも、ブレード(152)の遠位端の下側は凹んでいる。クランプパッド(212)が遠位端の手前で止まり、ブレード(152)の遠位端が凹んでいるというこの組み合わせにより、エンドエフェクタ(102)の遠位端に非切断領域(286)が形成される。このように、組織がブレード(150)とクランプパッド(212)との間に比較的高い圧力で圧縮され得る一方で、組織は、非切断領域(286)において比較的低い圧力で圧縮される。本実施例では、エンドエフェクタ(102)は、非切断領域(286)の隙間が、ブレード(150)が、組織を超音波によって切断するために、クランプアームアセンブリ(210)と共に組織の十分な圧縮を実現するのを妨げるようなサイズであるように構成されている。言い換えると、本実施例ではブレード(150)が超音波的に起動されても、非切断領域(286)に捕捉されている組織はブレード(150)によって切断されない。
【0121】
ブレード(150)は、非切断領域(286)に捕捉されている組織に対して、超音波エネルギーを意味があるようには印加しないが(すなわち、組織を切断するために十分な意味があるわけではない)、非切断領域(286)に関連付けられたブレード(150)のこの遠位側領域はなお、エンドエフェクタ(102)を通して伝達されるRFエネルギーのための戻り経路を提供するという目的を果たすことができる。上記のとおり、電極(218)は、クランプパッド(212)の遠位端の周りを包むのを含めて、クランプパッド(212)の外周を概ね囲んでいる。電極(218)がクランプパッド(212)の外周を囲んでいるので、電極(218)の少なくとも一部は、エンドエフェクタ(102)内を非切断領域(286)へと、クランプパッド(212)の遠位側に延びることを理解されたい。したがって、組織がクランプパッドアセンブリ(210)とブレード(150)との間に捕捉されるとき、非切断領域(286)内に配設された組織の領域は、RFエネルギーを介して封止されるのみであり、超音波エネルギーによって切断されない。その結果、これは一般的に、いずれの切断線よりも先行する封止部を有する任意の切断された組織が得られる結果をもたらす。一部の実施例では、このような特徴は、組織の切断作業により、組織内に意図しない任意の開口部が作り出されるのを防ぐために望ましい場合があり得る。
【0122】
図35は、エンドエフェクタ(102)によって切断及び/又は封止のシーケンスが実施されている間の、クランプパッド(212)の位置決め部(216)の動作を図示している。上記のとおり、位置決め部(216)は、つかみ部(213)の上方で上方向に延び、窪みのある上面(217)を有する。図35で分かるように、エンドエフェクタ(102)が閉じた構成にあるとき、位置決め部(216)の凹みのある上面(217)がブレード(152)を受容する。ブレード(152)が位置決め部(216)の上面(217)内に受容されるとき、上面(217)とブレード(152)とが協働で相互作用して互いに対して位置を定めて、そのため、ブレードのエンドエフェクタ(102)が閉じた構成に至ると、上面(217)とブレード(152)とが協働して、ブレード(152)及びクランプアームアセンブリ(212)を互いに対して整列されるように導く。このように、上面(217)は、ブレード(152)とクランプパッド(212)とが、互いに対して概ね整列されるのを確保している。
【0123】
H.例示的な並進ピボット
上記のように、並進機能部(260、261、262、263)は、クランプアームアセンブリ(200)の本体(206)の対応する突出部(201)(図16に図示)との相互作用によって、クランプアームアセンブリ(200)がハンドルアセンブリ(110)に対して枢動すると、クランプアームアセンブリ(200)を並進させるように構成されている。図36A及び図36Bに図示されているように、クランプアームアセンブリ(200)の突出部(201)は、取付部(254)とベース(253)との外側に接触するような寸法になっている。具体的には、突出部(201)は、クランプアームアセンブリ(200)がハンドルアセンブリ(110)に対して枢動すると、並進機能部(260、261、262、263)に接触するような寸法になっている。並進機能部(260、261、262、263)の幾何学的形状は、エンドエフェクタ(102)が開いた位置に並進したときに、突出部(201)、結果としてクランプアームアセンブリ(200)を、ハンドルアセンブリ(110)に対して遠位方向かつ下方向に押しやる。逆に、並進機能部(260、261、262、263)の幾何学的形状は、エンドエフェクタ(102)が閉じた位置に並進したときに、突出部(201)、結果としてクランプアームアセンブリ(200)を、ハンドルアセンブリ(110)に対して近位方向かつ上方向に押しやる。
【0124】
言い換えると、並進機能部(260、261、262、263)は、突出部(201)が取付部(254)及びベース(253)を中心として枢動すると、カム機能部として動作する。このことは、クランプアームが、エンドエフェクタ(102)によって把持された組織を、エンドエフェクタ(102)が閉じるとき、にミルキング効果を防ぐためにハンドルアセンブリ(110)に向かって引き戻すのを可能にし得る。これはまた、組織の「タグ」(例えば、組織の平らだが切断されていない領域)の発生を減らすことも可能である。これはまた、クランプアームアセンブリ(200)が並進せずに単に枢動する場合と比べてよりタイトな許容誤差で、クランプアームアセンブリ(200)が旋回して所定の位置にロックされるのを可能にし得る。よりタイトな許容誤差は、クランプアームアセンブリ(200)が閉じた位置に回転すると、クランプアームアセンブリ(200)が取付部(254)及びベース(253)に対して締め付けられることによって起こり得る。この締め付けによって、前後のずれが減少し得る。
【0125】
II.例示的な代替のエンドエフェクタ
A.概要
図37図56は、器具(100)を含む、本明細書に記載されている任意の器具と共に用いられ得る、他の例示的なエンドエフェクタを図示している。この点で、以下に説明するエンドエフェクタのクランプパッドアセンブリは、クランプアームアセンブリ(200、400)を含む、上述のクランプアームアセンブリの任意のものに容易に代用され得るものである。同様に、以下に説明するエンドエフェクタのブレードアセンブリは、ブレード(152)及びブレードアセンブリ(550)を含む、上述のブレード又はブレードアセンブリの任意のものに代用され得るものである。以下に説明する例示的なエンドエフェクタの各々は、導波管と一体に形成される超音波ブレードを備える。
【0126】
図37図56には図示されていないが、以下に説明するエンドエフェクタの各々はまた、上述の熱シールド(170)と類似の熱シールドを含み得るということを理解されたい。言うまでもなく、熱シールドはすべての変形例で必要と言うわけではないので、所望であれば、以下に説明するエンドエフェクタから省略し得る。以下に説明する例示的なエンドエフェクタのクランプパッドアセンブリの各々は、クランプパッドと電極とを更に備える。使用中、図37図56に図示され、更に以下で説明される例示的なエンドエフェクタはすべて、上述したように、超音波切断、超音波封止、及びRF電気外科的封止を提供することが可能である。以下に説明する例示的なエンドエフェクタは、代替の特徴を示し、少なくともそのうちのいくつかは、代替のブレード形状、電極オフセット、及びクランプパッドの設計を含む。これらの及びその他の詳細は、以下のセクション及びパラグラフにより詳細に説明される。
【0127】
B.近位側パッドバンパーを有する平坦ブレード
図37図40は、導波管(4154)と接続された超音波ブレード(4152)と、クランプパッド(4212)及び電極(4218)を含むクランプパッドアセンブリ(4210)とを備えるエンドエフェクタ(4102)を図示している。導波管(4154)は、導波管(154)と同じ又は同様の方法で、上記の器具の様々なシャフトアセンブリと接続可能である。ブレード(4152)は、切断及び封止用の平坦面(4153)を有して構成されている。ブレード(4152)はまた、図示されているように、弓状形状と、鈍い遠位端(4155)とを有して構成されている。上述したように、ブレード(4152)の、平坦面(4153)と反対の側は、他の変形例に関して図示され、上に記載されているように、熱シールドによって保護されていてよい。
【0128】
クランプパッドアセンブリ(4210)は、上記の器具の様々なクランプアームアセンブリの1つと接続可能である。例えば、クランプパッドアセンブリ(4210)は、クランプパッドアセンブリ(210)がクランプアームアセンブリ(200)と接続されるのと同じ又は類似の方法で、クランプアームアセンブリ(200)と接続可能である。クランプパッドアセンブリ(4210)を本明細書に記載される様々なクランプアームアセンブリ(クランプアームアセンブリ(200、400、1200、2200、3200)を含むがこれらに限られない)と接続する他の方法については、本明細書における教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0129】
図39は、クランプパッドアセンブリ(4210)をより詳しく図示している。分かるように、クランプパッドアセンブリ(4210)は、クランプパッド(4212)と電極(4218)とを備える。クランプパッド(4212)は単一の、概ね均質な絶縁材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ゴム、及び/又は他の類似の絶縁材料を含む。クランプパッド(4212)の具体的な形状は、ブレード(4152)の形状に概ね対応している。特に、クランプパッド(4212)は一般に、ブレード(4152)の外形と類似した形状を画定する。クランプパッド(4212)は、組織を把持し、かつ、その組織がクランプパッドアセンブリ(4210)と超音波ブレード(4152)との間に挟持されているとき、その組織を適所に保持するように構成されているつかみ部(4213)を備える。本実施例では、つかみ部(4213)は、リブ又は歯の繰り返しパターンを含み、つかみ部(4213)の把持能力を高めている。他の実施例では、つかみ部(4213)は、例えば、刻み付け、凹凸表面パターン、又は任意の他の一般的に粗い表面のような、把持能力を高めるための多くの他の機能部を備えている。更に他の実施例では、つかみ部(4213)は、把持能力を高めるための特にこれといった機能部を有することなく単に平坦な面を備える。つかみ部(4213)は、クランプパッド(4212)の外側横縁部の内側で終端している。これにより、ショルダー(4214)がクランプパッド(4212)に画定され、以下に更に記載されるように、そのショルダー(4212)は一般的に、クランプパッド(4212)を、電極(4218)を介してクランプアームアセンブリ内に保持するように構成されている。
【0130】
クランプパッド(4212)はまた、クランプパッド(4212)の近位端においてクランプパッド(4212)内に画定されるパッドバンパー(4216)を備える。パッドバンパー(4216)は一般的に、挟持の間、クランプパッド(4212)とブレード(4152)との間の相対的位置付けを維持し、それによって、ブレード(4152)と電極(4218)との間の間隔を維持するための非導電性の、隙間設定機能部として動作するように構成されている。パッドバンパー(4216)は、ブレード(4152)の面(4153)と接触するように構成された第1の面(4217)を備える。図示されている変形例では、パッドバンパー(4216)の第1の面(4217)は平坦であり、ブレード(4152)の面(4153)の平坦なプロファイルに対応している。したがって、第1の面(4217)のプロファイルは、接触の起こる場所でのブレード(4152)のプロファイルに概ね対応し、そのため第1の面(4217)がブレード(4152)を受容するように構成されているとを理解されたい。
【0131】
エンドエフェクタ(4102)が組み立てられた状態にあるとき、パッドバンパー(4216)が、ブレード(4152)の平坦面(4153)に向かって、電極(4218)よりも更に延びる。この構成では、エンドエフェクタ(4102)が、図38及び図40に図示されているように、閉じた位置にあるとき、パッドバンパー(4216)は、スペーサーとして動作し、すなわち、RF電気外科封止を提供するためにRF電気外科用エネルギーが用いられるとき、電極(4218)がブレード(4152)と接触するのを防止し、それによって短絡を防止するためのある間隔を提供する。パッドバンパー(4216)は、クランプパッド(4212)の幅に一致する幅を有する。したがって本変形例では、パッドバンパー(4216)は、クランプパッド(4212)の残りの部分に沿って延びるショルダー(4214)と類似のショルダー部を含まない。
【0132】
電極(4218)は、比較的剛性のある導電性材料の、比較的薄い単一ストリップを含む。一部の実施例では、電極(4218)は、例えば銅、金、鋼、アルミニウム、銀等の導電性の金属を含む。更に他の実施例では、電極(4218)は、例えば導電性ポリマー、シリサイド、グラファイト等の導電性の非金属材料を含む。電極(4218)の厚さは一般的に、クランプパッド(4212)のつかみ部(4213)よりも薄く、そのためつかみ部(4213)は、ブレード(4152)に面する電極(4218)の面を越えて堂々と突き出す。しかしながら、電極(4218)はそれでもなお一般的に、好適な程度の構造的な剛性を維持するのに十分な厚さを有している。電極(4218)の具体的な形状は、クランプパッド(4212)の形状に概ね対応する。特に、電極(4218)は一般に、クランプパッド(4212)の外形と類似した形状を画定する。電極(4218)は、その内部に開口部(4219)を更に画定する。開口部(4219)は、内部を通ってクランプパッド(4212)のつかみ部(4213)を受容するように構成され、そのため電極(4218)は、クランプパッド(4212)のショルダー(4214)と係合するように構成されている。図37図40に図示されている例では、エンドエフェクタ(4102)が閉じた位置又は挟持位置にあるとき、電極(4218)の組織接触面(4221)は、ブレード(4152)の平坦面(4153)に対して概ね平行に配向されている。
【0133】
クランプパッドアセンブリ(4210)が組み立てられるとき、クランプパッド(4212)がまず、クランプアームアセンブリのクランプパッド受容チャネル、例えば、クランプアームアセンブリ(200)の受容チャネル(208)の中に挿入される。上記のとおり、クランプパッド受容チャネル(208)は、本体(202)の遠位端に画定されている。次に電極(4218)がクランプパッド(4212)上に差し込まれ、電極(4218)がクランプパッド(4212)のショルダー(4214)上に着座し、かつクランプパッド(4212)のつかみ部(4213)が開口部(4219)を通して突き出すようになっている。次に電極(4218)が、抵抗溶接されるか又は他の方法によって本体(202)に固定される。本実施例では、電極(4218)は、電極(4218)の近位端及び遠位端において本体(202)の構造的コア(204)に所定位置で抵抗溶接される。
【0134】
他の実施例では、電極(4218)は、電極(4218)の遠位端及び近位端で溶接されるのに加えて又はその代わりに、任意の他の好適な場所で抵抗溶接される。更に他の実施例では、抵抗溶接が完全に省略され、電極(4218)は、例えば他の溶接加工及び/又は接着剤結合等のような任意の他の好適な手段によって本体(202)に固定される。電極(4218)が本体(202)に固定されると、電極(4218)はまた、電極(4218)とクランプパッド(4212)のショルダー(4214)との間の係合によって、クランプパッド(4212)を本体(202)に連結することを理解されたい。したがって、電極(4218)の厚さは一般に、クランプパッド(4212)を本体(202)に連結するのに十分な剛性を提供するのに十分な程度に厚くなっている。他の変形例では、本明細書の教示に鑑みて、当業者には理解されるであろうように、クランプパッドアセンブリ(4210)は、他のクランプアームアセンブリ(400、1200、2200、3200)と共に組み立てられ得る。
【0135】
電極(4218)は、ブレード(4152)と協働して、クランプパッドアセンブリ(4210)とブレード(4152)との間に捕捉されている組織に双極性のRF電気外科用エネルギーを提供するように構成されている。特に、電極(4218)はRFエネルギーによって起動され、ブレード(4152)がRFエネルギーのためのリターン経路を提供する。そのため、本実施例ではブレード(4152)が、2つの異なる役割、すなわち、超音波エネルギーをブレード(4152)と接触している組織に印加するという1つ目の役割と、電極(4218)と協働して、クランプパッドアセンブリ(4210)とブレード(4152)との間に捕捉されている組織に双極性RFエネルギーを提供するという別の役割とを果たすことが可能であることを理解されたい。
【0136】
一部の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが同時に印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが自動的に交互に印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが、単純なシリーズ(例えば、最初に超音波エネルギー、次にRFエネルギー)で印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとは選択的に、独立して印加される。RFエネルギーを電極(4218)とブレード(4152)とを通して伝達するために用いられ得る他の好適な機能部は、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0137】
本実施例では、電極(4218)は一般的に、クランプパッド(4212)のつかみ部(4213)よりも薄いので、つかみ部(4213)は一般的に、エンドエフェクタ(4102)が閉じた構成又は挟持構成にあるとき、ブレード(4152)が電極(4218)に直接接触するのを防ぐように、電極(4218)のブレード(4152)に面する面(4221)から堂々と突き出す。したがって、電極(4218)は一般的に、ブレード(4152)に物理的に接触するようには構成されていないことを理解されたい。しかしながら、上記のとおり、RFエネルギーに対する電気的連続性は、患者の組織が切断及び/又は封止されるとき、電流を患者の組織に通過させることによって一般的に実現され、一部の変形例では、この電流は、電極(4218)とブレード(4152)との間を流れる。この点に関して、エンドエフェクタ(4102)は、RF電気外科用エネルギーを用いたときの短絡を防ぐために、導電性のブレード(4152)と電極(4218)との間の接触を防止するための間隔を提供する多くの機能部を備える。上述したように、そのような機能部の1つがつかみ部(4213)であり、そのような機能部のもう1つがパッドバンパー(4216)である。
【0138】
パッドバンパー(4216)の位置は、上述したように、クランプパッド(4212)に沿って近位側に位置付けられている。更に、かつまた上記のとおり、クランプアームアセンブリの枢動動作は、クランプパッドアセンブリ(4210)の近位側にある枢動位置で提供される。したがって、エンドエフェクタ(4102)が挟持のために閉じた位置に移動するとき、パッドバンパー(4216)は、つかみ部(4213)より前にブレード(4152)の表面(4153)に接触して、ブレード(4152)と電極(4218)との間の接触を防ぐ。このようにしてパッドバンパー(4216)は、RF電気外科用エネルギーを用いたときの短絡を防ぐ。
【0139】
加えて、パッドバンパー(4216)のサイズは、つかみ部(4213)と比べて、より幅広でかつクランプパッド(4212)に沿った単位長さ当たりの表面積が一般的に広いことによって、クランプパッド(4212)の実質的により広いエリアがブレード(4152)と接触するのが可能になっている。このより広いエリアが、パッドバンパー(4216)が近位側に位置していることと組み合わされて、ブレード(4152)の変位量をより少なくするのと、パッドバンパー(4216)がブレード(4152)に接触する位置での熱の蓄積を減らすのに寄与し得る。このことにより、クランプパッド(4212)のパッド材料の流れとクランプパッド(4212)の反りとが減り、そのためクランプパッド(4212)の摩滅が減り、クランプパッド(4212)の寿命又は使用サイクルが長くなる。
【0140】
図示されている変形例に示されているように、電極(4218)は、パッドバンパー(4216)に沿って近位方向に延びる。しかしながら、パッドバンパー(4216)に沿ったこのエリアでの電極(4218)の幅は、ショルダー(4214)が存在するつかみ部(4213)に沿ったエリアでの電極(4218)の幅と比べてより狭い。切断及び封止の品質と完全性とを維持するため、パッドバンパー(4216)と、それに伴うパッドバンパー(4216)に沿った幅の狭い電極(4218)とは、組織止め(290、1290、1296、2290、2296)の近位側に配置される。この構成では、組織は、パッドバンパー(4216)が位置する近位側領域に入り込むのを防止されている。したがって、組織の切断と封止はパッドバンパー(4216)領域に沿って行われる必要はなく、その代わりにクランプパッド(4212)のつかみ部(4213)とブレード(4152)との間のエリアに留保される。本明細書における教示を鑑みれば、電極(4218)とブレード(4152)との間の短絡を防ぐために離間機能部を提供しつつ、許容可能な切断性及び封止性を実現するパッドバンパー(4216)を組織止め(290、1290、1296、2290、2296)に対して位置決めする様々な方法については、当業者には明らかであろう。
【0141】
図38及び40を参照すると、図示されている変形例においては、電極(4218)はブレード(4152)に対してオフセットしていない。一般的に、電極のオフセットは、エンドエフェクタの外形図からのブレードの横縁部を越えての電極の重なりの量を表す。このように、電極(4218)に対してオフセットがない本実施例では、電極(4218)の幅は、その長さに沿ったブレード(4152)の幅に従い、そのため電極(4218)がブレード(4152)の側縁部に対して突き出し(正のオフセット)たり後退(負のオフセット)したりすることはない。以下に更に説明するように、その一部が、平坦なブレードを有するエンドエフェクタを含み得る他の変形例では、電極(4218)は、ブレード(4152)に対するオフセット、例えば、ブレード(4152)の長さに沿って、電極(4218)がブレード(4152)から各側部で突き出す、正のオフセットのようなオフセットがあるように構成され得る。
【0142】
電極幅が各側部で平坦なブレードの縁部又は側面を越えて延びる、正のオフセットを有する電極を有する平坦なブレードの一部の変形例では、オフセットした電極を有しない類似のエンドエフェクタに対して止血の改善が観察され得る。性能を検討するにあたり、オフセット無し平坦ブレードを有するエンドエフェクタと、オフセット付き平坦ブレードを有するエンドエフェクタとの両方を用いて以前封止した組織から、破裂圧力のデータを収集し得る。あくまでも一例として、束状構造、大頸動脈、及び甲状頸動脈の3つの組織タイプが検討され得る。これら3つすべての組織タイプに対して、平均破裂圧力は、平坦ブレードとオフセット電極とを有するエンドエフェクタを用いた場合に増加し得る。記録される破裂圧力は、以前封止された組織が漏れを起こした圧力であり得る。したがって、破裂圧力がより高いということは、封止がより強力であることを示すものであろう。あくまでも一例として、組織束の場合、一部の実施例では、オフセット付き平坦ブレードは、オフセット無し平坦ブレードに対して約9%の破裂圧力の改善を示し得る。大頸動脈の場合、一部の実施例では、約11%の破裂圧力の改善が観察され得る。甲状頸動脈の場合、一部の実施例では、約25%の破裂圧力の改善が観察され得る。
【0143】
C.近位側パッドバンパーを有する丸みのあるブレード
図41図44は、導波管(5154)と接続された超音波ブレード(5152)と、クランプパッド(5212)及び電極(5218)を含むクランプパッドアセンブリ(5210)とを備えるエンドエフェクタ(5102)を図示している。導波管(5154)は、導波管(154)と同じ又は同様の方法で、上記の器具の様々なシャフトアセンブリと接続可能である。ブレード(5152)は、切断及び封止のための丸みのある上面(5153)と、その各側部に平坦な側面(5156)と、丸みのある下面(5157)とを有して構成されている。ブレード(5152)はまた、図示されているように、弓状形状と、鈍い遠位端(5155)とを有して構成されている。上述したように、ブレード(5152)の下面(5157)は、他の変形例に関して図示され、上に記載されているように、熱シールドによって保護されていてよい。
【0144】
クランプパッドアセンブリ(5210)は、上記の器具の様々なクランプアームアセンブリの1つと接続可能である。例えば、クランプパッドアセンブリ(5210)は、クランプパッドアセンブリ(210)がクランプアームアセンブリ(200)と接続されるのと同じ又は類似の方法で、クランプアームアセンブリ(200)と接続可能である。クランプパッドアセンブリ(5210)を本明細書に記載される様々なクランプアームアセンブリ(クランプアームアセンブリ(200、400、1200、2200、3200)を含むがこれらに限られない)と接続し得る他の方法については、本明細書における教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0145】
図43は、クランプパッドアセンブリ(5210)をより詳しく図示している。分かるように、クランプパッドアセンブリ(5210)は、クランプパッド(5212)と、電極(5218)と、を備える。クランプパッド(5212)は、単一の、概ね均質な絶縁材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ゴム、及び/又は他の類似の絶縁材料を含む。クランプパッド(5212)の具体的な形状は、ブレード(5152)の形状に概ね対応する。特に、クランプパッド(5212)は一般に、ブレード(5152)の外形と類似した形状を画定する。クランプパッド(5212)は、組織を把持し、かつ、その組織がクランプパッドアセンブリ(5210)と超音波ブレード(5152)との間に挟持されているとき、その組織を適所に保持するように構成されているつかみ部(5213)を備える。
【0146】
本実施例では、つかみ部(5213)は、リブ又は歯の繰り返しパターンを含み、つかみ部(5213)の把持能力を高めている。他の実施例では、つかみ部(5213)は、例えば、刻み付け、凹凸表面パターン、又は任意の他の一般的に粗い表面のような、把持能力を高めるための多くの他の機能部を備えている。更に他の実施例では、つかみ部(5213)は、把持能力を高めるための特にこれといった機能部を有することなく単に平坦な面を備える。つかみ部(5213)は、クランプパッド(5212)の外側横縁部の内側で終端している。これにより、ショルダー(5214)がクランプパッド(5212)に画定され、以下に更に記載するように、そのショルダー(5212)は一般的に、クランプパッド(5212)を、電極(5218)を介してクランプアームアセンブリ内に保持するように構成されている。
【0147】
クランプパッド(5212)はまた、クランプパッド(5212)の近位端においてクランプパッド(5212)内に画定されるパッドバンパー(5216)を備える。パッドバンパー(5216)は一般的に、挟持の間、クランプパッド(5212)とブレード(5152)との間の相対的位置付けを維持し、それによって、ブレード(5152)と電極(5218)との間の間隔を維持するための非導電性の、隙間設定機能部として動作するように構成されている。パッドバンパー(5216)は、ブレード(5152)の面(5153)と接触するように構成された第1の面(5217)を備える。図示されている変形例では、パッドバンパー(5216)の第1の面(5217)は湾曲しており、ブレード(5152)の丸みのある上面(5153)の湾曲したプロファイルに対応する。したがって、第1の面(5217)のプロファイルは、接触の起こる場所でのブレード(5152)のプロファイルに概ね対応し、そのため第1の面(5217)がブレード(5152)を受容するように構成されていることを理解されたい。
【0148】
図示されている変形例に示されているように、パッドバンパー(5216)は、パッドバンパー(5216)の各長手方向側部に平坦なショルダー(5215)を更に備える。エンドエフェクタ(5102)が組み立てられた状態にあるとき、パッドバンパー(5216)が、ブレード(5152)の丸みのある上面(5153)に向かって、電極(5218)よりも更に延びる。この構成では、エンドエフェクタ(5102)が、図42及び図44に図示されているように、閉じた位置にあるとき、パッドバンパー(5216)は、スペーサーとして動作し、すなわち、RF電気外科封止を提供するためにRF電気外科用エネルギーが用いられるときに、電極(5218)がブレード(5152)と接触するのを防止し、それによって短絡を防止するためのある間隔又は隙間を設定する機能を提供する。パッドバンパー(5216)は、クランプパッド(5212)の幅に一致する幅を有する。本変形例では、パッドバンパー(5216)の各長手方向側部に沿って延びるショルダー(5215)が、クランプパッド(5212)の残りの部分に沿って延びるショルダー(5214)とは別個の平面に沿って配置されている。
【0149】
電極(5218)は、比較的剛性のある導電性材料の、比較的薄い単一ストリップを含む。一部の実施例では、電極(5218)は、例えば銅、金、鋼、アルミニウム、銀等の導電性の金属を含む。更に他の実施例では、電極(5218)は、例えば導電性ポリマー、シリサイド、グラファイト等の導電性の非金属材料を含む。電極(5218)の厚さは一般的に、クランプパッド(5212)のつかみ部(5213)よりも薄く、そのためつかみ部(5213)は、ブレード(5152)に面する電極(5218)の表面を越えて堂々と突き出す。しかしながら、電極(5218)はそれでもなお一般的に、好適な程度の構造的な剛性を維持するのに十分な厚さを有している。電極(5218)の具体的な形状は、クランプパッド(5212)の形状に概ね対応する。特に、電極(5218)は一般に、クランプパッド(5212)の外形と類似した形状を画定する。電極(5218)は、その内部に開口部(5219)を更に画定する。開口部(5219)は、内部を通ってクランプパッド(5212)のつかみ部(5213)を受容するように構成され、そのため電極(5218)は、クランプパッド(5212)のショルダー(5214)と係合するように構成されている。
【0150】
図40図44に図示されている変形例では、エンドエフェクタ(5102)が閉じた位置又は挟持位置にあるとき、電極(5218)の組織接触面(5221)は、ブレード(5152)を通して延びる長手方向軸線に概ね面するように配向されている。このように、面(5221)は、ブレード(45152)の丸みのある上面(5153)に面している。本実施例では、面(5221)が平坦である一方、上面(5153)には丸みがある。この構成では、電極(5218)の面(5221)とブレード(5152)の上面(5153)との間の隙間が、電極(5218)の長手方向中央線に沿って最小になっている。一部の他の変形例では、面(5221)は、丸みのある上面(5153)に一致する曲率を有し、そのため面(5221)と上面(5153)との間の隙間は、ブレード(5152)と電極(5218)との長さ方向に沿って一定である。
【0151】
クランプパッドアセンブリ(5210)が組み立てられるとき、クランプパッド(5212)がまず、クランプアームアセンブリのクランプパッド受容チャネル、例えば、クランプアームアセンブリ(200)の受容チャネル(208)の中に挿入される。上記のとおり、クランプパッド受容チャネル(208)は、本体(202)の遠位端に画定されている。次に電極(5218)がクランプパッド(5212)上に差し込まれ、電極(5218)がクランプパッド(5212)のショルダー(5214)上に着座し、かつクランプパッド(5212)のつかみ部(5213)が開口部(5219)を通して突き出すようになっている。次に電極(5218)が、抵抗溶接されるか又は他の方法によって本体(202)に固定される。本実施例では、電極(5218)は、電極(5218)の近位端及び遠位端において本体(202)の構造的コア(204)に所定位置で抵抗溶接定される。
【0152】
他の実施例では、電極(5218)は、電極(5218)の遠位端及び近位端で溶接されるのに加えて又はその代わりに、任意の他の好適な場所で抵抗溶接される。更に他の実施例では、抵抗溶接が完全に省略され、電極(5218)は、例えば他の溶接加工及び/又は接着剤結合等のような任意の他の好適な手段によって本体(202)に固定される。電極(5218)が本体(202)に固定されると、電極(5218)はまた、電極(5218)とクランプパッド(5212)のショルダー(5214)との間の係合によって、クランプパッド(5212)を本体(202)に連結することを理解されたい。したがって、電極(5218)の厚さは一般に、クランプパッド(5212)を本体(202)に連結するのに十分な剛性を提供するのに十分な程度に厚い。他の変形例では、本明細書の教示に鑑みて、当業者には理解されるであろうように、クランプパッドアセンブリ(5210)は、他のクランプアームアセンブリ(400、1200、2200、3200)と共に組み立てられ得る。
【0153】
電極(5218)は、ブレード(5152)と協働して、クランプパッドアセンブリ(5210)とブレード(5152)との間に捕捉されている組織に双極性のRF電気外科用エネルギーを提供するように構成されている。特に、電極(5218)はRFエネルギーによって起動され、ブレード(5152)がRFエネルギーのためのリターン経路を提供する。そのため、本実施例ではブレード(5152)が、2つの異なる役割、すなわち、超音波エネルギーをブレード(5152)と接触している組織に印加するという1つ目の役割と、電極(5218)と協働して、クランプパッドアセンブリ(5210)とブレード(5152)との間に捕捉されている組織に双極性RFエネルギーを提供するという別の役割とを果たすことが可能であることを理解されたい。
【0154】
一部の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが同時に印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが自動的に交互に印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが、単純なシリーズ(例えば、最初に超音波エネルギー、次にRFエネルギー)で印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとは選択的に、独立して印加される。RFエネルギーを電極(5218)とブレード(5152)とを通して伝達するために用いられ得る他の好適な形成部は、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0155】
本実施例では、電極(5218)は一般的に、クランプパッド(5212)のつかみ部(5213)よりも薄いので、つかみ部(5213)は一般的に、エンドエフェクタ(5102)が閉じた構成又は挟持構成にあるとき、ブレード(5152)が電極(5218)に直接接触するのを防ぐように、電極(5218)のブレード(5152)に面する面(5221)から堂々と突き出る。したがって、電極(5218)は一般的に、ブレード(5152)に物理的に接触するようには構成されていないことを理解されたい。しかしながら、上記のとおり、RFエネルギーに対する電気的連続性は、患者の組織が切断及び/又は封止されるとき、電流を患者の組織に通過させることによって一般的に実現され、一部の変形例では、この電流は、電極(5218)とブレード(5152)との間を流れる。この点に関して、エンドエフェクタ(5102)は、RF電気外科用エネルギーを用いたときの短絡を防ぐために、導電性のブレード(5152)と電極(5218)との間の接触を防止するための間隔を提供する多くの機能部を備える。上述したように、そのような機能部の1つがつかみ部(5213)であり、そのような機能部のもう1つがパッドバンパー(5216)である。
【0156】
パッドバンパー(5216)の位置は、上述したように、クランプパッド(5212)に沿って近位側に位置付けられている。更に、かつまた上記のとおり、クランプアームアセンブリの枢動動作は、クランプパッドアセンブリ(5210)の近位側にある枢動位置で提供される。したがって、器具が挟持のために閉じた位置に移動するとき、パッドバンパー(5216)は、つかみ部(5213)より前にブレード(5152)の面(5153)に接触して、ブレード(5152)と電極(5218)との間の接触を防ぐ。このようにしてパッドバンパー(5216)は、RF電気外科用エネルギーを用いたときの短絡を防ぐ。
【0157】
加えて、パッドバンパー(5216)のサイズは、つかみ部(5213)と比べて、より幅広でかつクランプパッド(5212)に沿った単位長さ当たりの表面積が一般的に広いことによって、クランプパッド(5212)の実質的により広いエリアがブレード(5152)と接触するのが可能になっている。このより広いエリアが、パッドバンパー(5216)が近位側に位置していることと組み合わされて、ブレード(5152)の変位量をより少なくするのと、パッドバンパー(5216)がブレード(5152)に接触する位置での熱の蓄積を減らすのに寄与し得る。このことにより、クランプパッド(5212)のパッド材料の流れとクランプパッド(5212)の反りとが減り、そのためクランプパッド(5212)の摩滅が減り、クランプパッド(5212)の寿命又は使用サイクルが長くなる。
【0158】
図示されている変形例に示されているように、電極(5218)は、パッドバンパー(5216)に沿って近位方向に延びる。しかしながら、パッドバンパー(5216)に沿ったこのエリアでの電極(5218)の幅は、ショルダー(5214)が存在するつかみ部(5213)に沿ったエリアでの電極(5218)の幅と比べてより狭い。切断及び封止の品質と完全性とを維持するため、パッドバンパー(5216)と、それに伴うパッドバンパー(5216)に沿った幅の狭い電極(5218)とは、組織止め(290、1290、1296、2290、2296)の近位側に配置される。この構成では、組織は、パッドバンパー(5216)が位置する近位側領域に入り込むのを防止されている。したがって、組織の切断と封止はパッドバンパー(5216)領域に沿って行われる必要はなく、その代わりにクランプパッド(5212)のつかみ部(5213)とブレード(5152)との間のエリアに留保される。本明細書における教示を鑑みれば、電極(5218)とブレード(5152)との間の短絡を防ぐために離間機能部を提供しつつ、許容可能な切断性及び封止性を実現するパッドバンパー(5216)を組織止め(290、1290、1296、2290、2296)に対して位置決めする様々な方法については、当業者には明らかであろう。
【0159】
ブレード(5152)の例示的な製造プロセスでは、真っ直ぐなロッド、例えば、チタン製のロッドが、所望の直径を有するようにターニング加工される。次に、2つの平坦な面(5156)が、ブレード(5152)にミリング加工される。次に、ブレード(5152)を、例えば、マンドレルを用いて、所望の曲線に曲げる。ブレード(5152)を製造するための他の方法については、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0160】
図42及び44を参照すると、図示されている変形例においては、電極(5218)はブレード(5152)に対してオフセットしていない。一般的に、電極のオフセットは、エンドエフェクタの外形図からのブレードの横縁部を越えての電極の重なりの量を表す。このように、電極(5218)に対してオフセットがない本実施例では、電極(5218)の幅は、その全長に沿ったブレード(5152)の幅に従い、そのため電極(5218)がブレード(5152)の横縁部に対して突き出し(正のオフセット)たり後退(負のオフセット)したりすることはない。以下に更に説明するように、その一部が、丸みのあるブレードを有するエンドエフェクタを含み得る他の変形例では、電極(5218)は、ブレード(5152)に対するオフセット、例えば、ブレード(5152)の長さに沿って、電極(5218)がブレード(5152)から各側部で突き出す、正のオフセットのようなオフセットがあるように構成され得る。
【0161】
電極幅が平坦なブレードの縁部又は側面を各側部で約0.5mm(0.02インチ)を越えて延びる、約0.5mm(0.02インチ)の正のオフセットを有する電極を有する丸みのあるブレードの一部の変形例では、オフセットした電極を有しない類似のエンドエフェクタに対して止血の改善が観察され得る。性能を検討するにあたり、オフセット無しの丸みのあるブレードを有するエンドエフェクタと、約0.5mm(0.02インチ)オフセットした丸みのあるブレードを有するエンドエフェクタとを用いて、以前封止した組織から、破裂圧力のデータを収集し得る。あくまでも一例として、束状構造、大頸動脈、及び甲状頸動脈の3つの組織タイプが検討され得る。これらの3つすべての組織タイプに対して、平均破裂圧力は、丸みのあるブレードと、約0.5mm(0.02インチ)オフセットした電極とを有するエンドエフェクタを用いたときに増加し得る。記録される破裂圧力は、以前封止された組織が漏れを起こした圧力であり得る。したがって、破裂圧力がより高いということは、封止がより強力であること示すものであろう。あくまでも一例として、組織束の場合、オフセットのない丸みのあるブレードでの破裂圧力は、約109kPa(817mmHg)であり得るが、約0.5mm(0.02インチ)のオフセットを有する丸みのあるブレードでの破裂圧力は、約147.12kPa(1103.5mmHg)であり得るので、約35%の向上となる。大頸動脈の場合、オフセットのない丸みのあるブレードでの破裂圧力は、約119.4kPa(895.5mmHg)であり得るが、約0.5mm(0.02インチ)のオフセットを有する丸みのあるブレードでの破裂圧力は、約190.7kPa(1430mmHg)であり得るので、約60%の向上となる。甲状頸動脈の場合、オフセットのない丸みのあるブレードでの破裂圧力は、約103.3kPa(774.5mmHg)であり得るが、約0.5mm(0.02インチ)のオフセットを有する丸みのあるブレードでの破裂圧力は、約158kPa(1182.5mmHg)であり得るので、約53%の向上となる。この試験では、結果は、すべての検査された組織タイプについて統計的に有意であり得る。
【0162】
ブレードの幾何学的形状の影響の比較において、上述の平坦なブレードと本明細書で述べた丸みのあるブレードとを比較する、破裂圧力データの調査は一般的に、平坦なブレードによる封止部は、丸みのあるブレードによる封止部と比べて、より高い破裂圧力を有することを示し得る。このことは、オフセットのある電極のサブセットと、オフセットのない電極のサブセットの両方について、オフセットのある電極を有する丸みのあるブレードは、オフセットのある電極を有する平坦なブレードと比べて、甲状頸動脈の場合により高い破裂圧力を有し得るということを除いて、すべての組織タイプにわたって当てはまり得る。
【0163】
D.傾斜ブレード
図45図48は、導波管(6154)と接続された超音波ブレード(6152)と、クランプパッド(6212)及び電極(6218)を含むクランプパッドアセンブリ(6210)とを備えるエンドエフェクタ(6102)を図示している。導波管(6154)は、導波管(154)と同じ又は同様の方法で、上記の器具の様々なシャフトアセンブリと接続可能である。ブレード(6152)は、切断及び封止のための傾斜上面(6153)と、各側部に平坦な側面(6156)と、平坦な下面(6157)とを有して構成されている。
【0164】
本実施例では、上面(6153)の断面における外形は、上下を逆さまにしたV字形を有する。傾斜上面(6153)は、第1の部分(6158)と、第2の部分(6159)と、ピーク(6160)と、を備える。本実施例では、ピーク(6160)に対する接線と、第1の部分(6158)に対する接線とが交差して、約30°の角度をなしている。同様に、ピーク(6160)に対する接線と、第2の部分(6159)に対する接線とが交差して、約30°の角度をなしている。他の変形例では、これらの接線によって形成される角度は、より大きくてもより小さくてもよい。ブレード(6152)はまた、図示されているように、弓状形状と、鈍い遠位端(6155)とを有して構成されている。上述したように、ブレード(6152)の下面(6157)は、他の変形例に関して図示され、上に記載されているように、熱シールドによって保護されていてよい。
【0165】
クランプパッドアセンブリ(6210)は、上記の器具の様々なクランプアームアセンブリの1つと接続可能である。例えば、クランプパッドアセンブリ(6210)は、クランプパッドアセンブリ(210)がクランプアームアセンブリ(200)と接続されるのと同じ又は類似の方法で、クランプアームアセンブリ(200)と接続可能である。クランプパッドアセンブリ(6210)を本明細書に記載される様々なクランプアームアセンブリ(クランプアームアセンブリ(200、400、1200、2200、3200)を含むがこれらに限られない)と接続する他の方法については、本明細書における教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0166】
図47は、クランプパッドアセンブリ(6210)をより詳しく図示している。分かるように、クランプパッドアセンブリ(6210)は、クランプパッド(6212)と、電極(6218)と、を備える。クランプパッド(6212)は、単一の、概ね均質な絶縁材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ゴム、及び/又は他の類似の絶縁材料を含む。クランプパッド(6212)の具体的な形状は、ブレード(6152)の形状に概ね対応する。特に、クランプパッド(6212)は一般に、ブレード(6152)の外形と類似した形状を画定する。図示されている変形例では、ブレード(6152)とクランプパッド(6212)とは、近位側に延びるにつれて幅が広がっている。
【0167】
クランプパッド(6212)は、組織を把持し、かつ、その組織がクランプパッドアセンブリ(6210)と超音波ブレード(6152)との間に挟持されているとき、その組織を適所に保持するように構成されているつかみ部(6213)を備える。本実施例では、つかみ部(6213)は、リブ又は歯の繰り返しパターンを含み、つかみ部(6213)の把持能力を高めている。他の実施例では、つかみ部(6213)は、例えば、刻み付け、凹凸表面パターン、又は任意の他の一般的に粗い表面のような、把持能力を高めるための多くの他の機能部を備えている。更に他の実施例では、つかみ部(6213)は、把持能力を高めるための特にこれといった機能部を有することなく単に平坦な面を備える。つかみ部(6213)は、クランプパッド(6212)の外側横縁部の内側で終端している。これにより、ショルダー(6214)がクランプパッド(6212)に画定され、以下に更に記載するように、そのショルダー(6212)は一般的に、クランプパッド(6212)を、電極(6218)を介してクランプアームアセンブリ内に保持するように構成されている。本実施例では、クランプパッド(6212)のつかみ部(6213)は、クランプパッド(6212)が近位方向に延びるにつれて幅が広がっている。
【0168】
図示されている変形例では、上記のように、クランプパッド(6212)にはパッドバンパーが省略されている。しかしながら、他の変形例では、上記のように、クランプパッド(6212)はパッドバンパーを備える。本明細書における教示を鑑みれば、クランプパッド(6212)とエンドエフェクタ(6102)とを変形させてパッドバンパーを含むようにさせる様々な方法が、当業者には明らかであろう。
【0169】
電極(6218)は、比較的剛性のある導電性材料の、比較的薄い単一ストリップを含む。一部の実施例では、電極(6218)は、例えば銅、金、鋼、アルミニウム、銀等の導電性の金属を含む。更に他の実施例では、電極(6218)は、例えば導電性ポリマー、シリサイド、グラファイト等の導電性の非金属材料を含む。電極(6218)の厚さは一般的に、クランプパッド(6212)のつかみ部(6213)よりも薄く、そのためつかみ部(6213)は、電極(6218)の、ブレード(6152)に面する面を越えて突き出す。しかしながら、電極(6218)はそれでもなお一般的に、好適な程度の構造的な剛性を維持するのに十分な厚さを有している。
【0170】
電極(6218)の具体的な形状は、クランプパッド(6212)の形状に概ね対応する。特に、電極(6218)は一般に、クランプパッド(6212)の外形と類似した形状を画定する。電極(6218)は、その内部に開口部(6219)を更に画定する。開口部(6219)は、内部を通ってクランプパッド(6212)のつかみ部(6213)を受容するように構成され、そのため電極(6218)は、クランプパッド(6212)のショルダー(6214)と係合するように構成されている。図45図48に図示されている変形例では、エンドエフェクタ(6102)が閉じた位置又は挟持位置にあるとき、電極(6218)の組織接触面(6221)は、ブレード(6152)の傾斜上面(6153)の第1及び第2の部分(6158、6159)に対して概ね平行に配向されている。
【0171】
クランプパッドアセンブリ(6210)が組み立てられるとき、クランプパッド(6212)がまず、クランプアームアセンブリのクランプパッド受容チャネル、例えば、クランプアームアセンブリ(200)の受容チャネル(208)の中に挿入される。上記のとおり、クランプパッド受容チャネル(208)は、本体(202)の遠位端に画定されている。次に電極(6218)がクランプパッド(6212)上に差し込まれ、電極(6218)がクランプパッド(6212)のショルダー(6214)上に着座し、かつクランプパッド(6212)のつかみ部(6213)が開口部(6219)を通して突き出すようになっている。次に電極(6218)が、抵抗溶接されるか又は他の方法によって本体(202)に固定される。本実施例では、電極(6218)は、電極(6218)の近位端及び遠位端において本体(202)の構造的コア(204)に所定位置で抵抗溶接される。
【0172】
他の実施例では、電極(6218)は、電極(6218)の遠位端及び近位端で溶接されるのに加えて又はその代わりに、任意の他の好適な場所で抵抗溶接される。更に他の実施例では、抵抗溶接が完全に省略され、電極(6218)は、例えば他の溶接加工及び/又は接着剤結合等のような任意の他の好適な手段によって本体(202)に固定される。電極(6218)が本体(202)に固定されると、電極(6218)はまた、電極(6218)とクランプパッド(6212)のショルダー(6214)との間の係合によって、クランプパッド(6212)を本体(202)に連結することを理解されたい。したがって、電極(6218)の厚さは一般に、クランプパッド(6212)を本体(202)に連結するのに十分な剛性を提供するのに十分な程度に厚くなっている。他の変形例では、本明細書の教示に鑑みて、当業者には理解されるであろうように、クランプパッドアセンブリ(6210)は、他のクランプアームアセンブリ(400、1200、2200、3200)と共に組み立てられ得る。
【0173】
電極(6218)は、ブレード(6152)と協働して、クランプパッドアセンブリ(6210)とブレード(6152)との間に捕捉されている組織に双極性のRF電気外科用エネルギーを提供するように構成されている。特に、電極(6218)はRFエネルギーによって起動され、ブレード(6152)がRFエネルギーのためのリターン経路を提供する。そのため、本実施例ではブレード(6152)が、2つの異なる役割、すなわち、超音波エネルギーをブレード(6152)と接触している組織に印加するという1つ目の役割と、電極(6218)と協働して、クランプパッドアセンブリ(6210)とブレード(6152)との間に捕捉されている組織に双極性RFエネルギーを提供するという別の1つの役割とを果たすことが可能であることを理解されたい。
【0174】
一部の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが同時に印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが自動的に交互に印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが、単純なシリーズ(例えば、最初に超音波エネルギー、次にRFエネルギー)で印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとは選択的に、独立して印加される。RFエネルギーを電極(6218)とブレード(6152)とを通して伝達するために用いられ得る他の好適な機能部は、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0175】
本実施例では、電極(6218)は一般的に、クランプパッド(6212)のつかみ部(6213)よりも薄いので、つかみ部(6213)は一般的に、エンドエフェクタ(6102)が閉じた構成又は挟持構成にあるとき、ブレード(6152)が電極(6218)に直接接触するのを防ぐように、電極(6218)のブレード(6152)に面する面(6221)から堂々と突き出す。したがって、電極(6218)は一般的に、ブレード(6152)に物理的に接触するようには構成されていないことを理解されたい。しかしながら、上記のとおり、RFエネルギーに対する電気的連続性は、患者の組織が切断及び/又は封止されるとき、電流を患者の組織に通過させることによって一般的に実現され、一部の変形例では、この電流は、電極(6218)とブレード(6152)との間を流れる。この点に関して、エンドエフェクタ(6102)は、RF電気外科用エネルギーを用いたときの短絡を防ぐために、導電性のブレード(6152)と電極(6218)との間の接触を防止するための間隔を提供する機能部を備える。
【0176】
上述したように、クランプパッド(6212)は近位側に延びるにつれて幅が広くなっている。更に、かつまた上記のとおり、クランプアームアセンブリの枢動動作は、クランプパッドアセンブリ(6210)の近位側にある枢動位置で提供される。したがって、器具が挟持のために閉じた位置に移動するとき、クランプパッド(6212)のつかみ部(6213)の最も幅の広い部分が、ブレード(6152)の面(6153)と、つかみ部(6213)のより狭い遠位側領域よりも前に接触する。この構成は、クランプパッド(6212)のブレード(6152)との整列を促し、かつまた、ブレード(6152)との適切な接触を促して、ブレード(6152)と電極(6218)との間の接触を防止する。このようにこの構成は、RF電気外科用エネルギーを用いたときの短絡を防ぐ。
【0177】
加えて、クランプパッド(6212)の近位側領域がより幅広で、かつ、この近位側領域が、より幅の狭い遠位側領域と比べて単位長さ当たりの表面積が一般的に広いことによって、クランプパッド(6212)の実質的により広いエリアがブレード(6152)と接触するのが可能になっている。このより広いエリアとそれが近位側に位置していることは、ブレード(6152)の変位量が小さくなることと、クランプパッド(6212)の近位側領域がブレード(6152)に接触する場所での熱の蓄積が減少することとに寄与し得る。このことにより、クランプパッド(6212)のパッド材料の流れとクランプパッド(6212)の反りとが減り、そのためクランプパッド(6212)の摩滅が減り、クランプパッド(6212)の寿命又は使用サイクルが長くなる。
【0178】
本実施例では、クランプパッド(6212)が近位側に延びるにつれてその幅が広がるが、別の変形例では、クランプパッド(6212)は一定の幅を有し、つかみ部(6213)が近位側に延びるにつれてつかみ部(6213)の幅が広がっている。そのような実施例では、ショルダー(6214)がクランプパッド(6212)に沿って近位側に延びるにつれて、ショルダー(6214)の幅が狭くなり、電極(6218)も、クランプパッド(6212)に沿って近位側に延びるにつれて、その幅が狭くなっている。切断及び封止の品質と完全性とを維持するため、つかみ部(6213)の近位側領域と、それに伴うそれに沿った幅の狭い電極(6218)とは、組織止め(290、1290、1296、2290、2296)の近位側に配置される。この構成では、組織は、電極(6218)の幅が狭くなる近位側領域に入り込むのを防止されている。したがって、組織の切断及び封止は、クランプパッド(6212)の最も近位側の領域に沿って行われる必要はなく、その代わりに、つかみ部(6213)とブレード(6152)との間のクランプパッド(6212)の残りの領域に留保される。本明細書における教示を鑑みれば、電極(6218)とブレード(6152)との間の短絡防ぐために離間機能部を提供しつつ、許容可能な切断性及び封止性を実現するクランプパッド(6212)を組織止め(290、1290、1296、2290、2296)に対して位置決めする様々な方法については、当業者には明らかであろう。
【0179】
図46及び48を参照すると、図示されている変形例において、電極(6218)はブレード(6152)に対してオフセットしていない。したがって、電極(6218)の幅は、その長さに沿ってブレード(6152)の幅に従い、そのため電極(6218)がブレード(6152)の平坦な側面(6156)に対して突き出し(正のオフセット)たり後退(負のオフセット)したりすることはない。その一部が、傾斜ブレードを有するエンドエフェクタを含み得る他の変形例では、電極(6218)は、ブレード(6152)に対するオフセット、例えば、ブレード(6152)の長さに沿って電極(6218)がブレード(6152)から各側部で突き出す、正のオフセットのようなオフセットがあるように構成され得る。
【0180】
E.オフセットした電極と近位側パッドバンパーとを有する代替の傾斜ブレード
図49図52は、導波管(7154)と接続された超音波ブレード(7152)と、クランプパッド(7212)及び電極(7218)を含むクランプパッドアセンブリ(7210)とを備えるエンドエフェクタ(7102)を図示している。導波管(7154)は、導波管(154)と同じ又は同様の方法で、上記の器具の様々なシャフトアセンブリと接続可能である。ブレード(7152)は、切断及び封止のための傾斜上面(7153)と、各側部に平坦な側面(7156)と、平坦な下面(7157)とを有して構成されている。
【0181】
本実施例では、上面(7153)の断面における外形は、上下を逆さまにしたV字形を有する。傾斜上面(7153)は、第1の部分(7158)と、第2の部分(7159)と、ピーク(7160)と、を備える。本実施例では、ピーク(7160)に対する接線と、第1の部分(7158)に対する接線とが交差して、約15°の角度をなしている。同様に、ピーク(7160)に対する接線と、第2の部分(7159)に対する接線とが交差して、約15°の角度をなしている。他の変形例では、これらの接線によって形成される角度は、より大きくてもより小さくてもよい。ブレード(7152)はまた、図示されているように、弓状形状と、鈍い遠位端(7155)とを有して構成されている。上述したように、ブレード(7152)の下面(7157)は、他の変形例に関して図示され、上に記載されているように、熱シールドによって保護されていてよい。
【0182】
クランプパッドアセンブリ(7210)は、上記の器具の様々なクランプアームアセンブリの1つと接続可能である。例えば、クランプパッドアセンブリ(7210)は、クランプパッドアセンブリ(210)がクランプアームアセンブリ(200)と接続されるのと同じ又は類似の方法で、クランプアームアセンブリ(200)と接続可能である。クランプパッドアセンブリ(7210)を本明細書に記載される様々なクランプアームアセンブリ(クランプアームアセンブリ(200、400、1200、2200、3200)を含むがこれらに限られない)と接続し得る他の方法については、本明細書における教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0183】
図51は、クランプパッドアセンブリ(7210)をより詳しく図示している。分かるように、クランプパッドアセンブリ(7210)は、クランプパッド(7212)と、電極(7218)と、を備える。クランプパッド(7212)は、単一の、概ね均質な絶縁材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ゴム、及び/又は他の類似の絶縁材料を含む。クランプパッド(7212)の具体的な形状は、ブレード(7152)の形状に概ね対応する。特に、クランプパッド(7212)は一般に、ブレード(7152)の外形と類似した形状を画定する。図示されている変形例では、ブレード(7152)とクランプパッド(7212)とは、近位側に延びるにつれて幅が広がっている。クランプパッド(7212)は、組織を把持し、かつ、その組織がクランプパッドアセンブリ(7210)と超音波ブレード(7152)との間に挟持されているとき、その組織を適所に保持するように構成されているつかみ部(7213)を備える。本実施例では、つかみ部(7213)は、リブ又は歯の繰り返しパターンを含み、つかみ部(7213)の把持能力を高めている。
【0184】
他の実施例では、つかみ部(7213)は、例えば、刻み付け、凹凸表面パターン、又は任意の他の一般的に粗い表面のような、把持能力を高めるための多くの他の機能部を備えている。更に他の実施例では、つかみ部(7213)は、把持能力を高めるための特にこれといった機能部を有することなく単に平坦な面を備える。つかみ部(7213)は、クランプパッド(7212)の外側横縁部の内側で終端している。これにより、ショルダー(7214)がクランプパッド(7212)に画定され、以下に更に記載するように、そのショルダー(7212)は一般的に、クランプパッド(7212)を、電極(7218)を介してクランプアームアセンブリ内に保持するように構成されている。本実施例では、クランプパッド(7212)のつかみ部(7213)は、クランプパッド(7212)が近位方向に延びるにつれて幅が広がっている。
【0185】
クランプパッド(7212)はまた、クランプパッド(7212)の近位端においてクランプパッド(7212)内に画定されるパッドバンパー(7216)を備える。パッドバンパー(7216)は一般的に、挟持の間、クランプパッド(7212)とブレード(7152)との間の相対的位置付けを維持し、それによって、ブレード(7152)と電極(7218)との間の間隔を維持するための非導電性の、隙間設定機能部として動作するように構成されている。パッドバンパー(7216)は、ブレード(7152)の面(7153)と接触するように構成されている第1の面(7217)を備える。図示されている変形例では、パッドバンパー(7216)の第1の面(7217)は角度付けされおり、ブレード(7152)の上面(7153)の傾斜プロファイルに対応する。したがって、第1の面(7217)のプロファイルは、接触の起こる場所でのブレード(7152)のプロファイルに概ね対応し、そのため第1の面(7217)がブレード(7152)を受容するように構成されていることを理解されたい。
【0186】
パッドバンパー(7216)は、クランプパッド(7212)の幅に一致する幅を有する。図示されている変形例に示されているように、ショルダー(7214)は、パッドバンパー(7216)に隣接して終端し、同様に電極(7218)もパッドバンパー(7216)において終端する。エンドエフェクタ(7102)が組み立てられた状態にあるとき、パッドバンパー(7216)が、ブレード(7152)の傾斜上面(7153)に向かって、電極(7218)よりも更に延びる。この構成では、エンドエフェクタ(7102)が、図50及び図52に図示されているように、閉じた位置にあるとき、パッドバンパー(7216)は、スペーサーとして動作し、すなわち、RF電気外科封止を提供するためにRF電気外科用エネルギーが用いられるときに、電極(7218)がブレード(7152)と接触するのを防止し、それによって短絡を防止するためのある間隔又は隙間を設定する機能を提供する。
【0187】
電極(7218)は、比較的剛性のある導電性材料の、比較的薄い単一ストリップを含む。一部の実施例では、電極(7218)は、例えば銅、金、鋼、アルミニウム、銀等の導電性の金属を含む。更に他の実施例では、電極(7218)は、例えば導電性ポリマー、シリサイド、グラファイト等の導電性の非金属材料を含む。電極(7218)の厚さは一般的に、クランプパッド(7212)のつかみ部(7213)よりも薄く、そのためつかみ部(7213)は、電極(7218)の、ブレード(7152)に面する面を越えて突き出す。しかしながら、電極(7218)はそれでもなお一般的に、好適な程度の構造的な剛性を維持するのに十分な厚さを有している。
【0188】
電極(7218)の具体的な形状は、クランプパッド(7212)の形状に概ね対応する。特に、電極(7218)は一般に、クランプパッドバンパー(7216)を除く、クランプパッド(7212)の外形と類似した形状を画定する。電極(7218)は、その内部に開口部(7219)を更に画定する。開口部(7219)は、内部を通ってクランプパッド(7212)のつかみ部(7213)を受容するように構成され、そのため電極(7218)は、クランプパッド(7212)のショルダー(7214)と係合するように構成されている。図49図52に図示されている例では、エンドエフェクタ(7102)は閉じた位置又は挟持位置にある場合、電極(7218)の組織接触面(7221)は、ブレード(7152)の傾斜上面(7153)の第1及び第2の部分(7158、7159)に対して概ね平行に向けられている。
【0189】
クランプパッドアセンブリ(7210)が組み立てられる場合、クランプパッド(7212)がまず、クランプアームアセンブリのクランプパッド受容チャネル、例えば、クランプアームアセンブリ(200)の受容チャネル(208)の中に挿入される。上記のとおり、クランプパッド受容チャネル(208)は、本体(202)の遠位端に画定されている。次に電極(7218)がクランプパッド(7212)上に差し込まれ、電極(7218)がクランプパッド(7212)のショルダー(7214)上に着座し、かつクランプパッド(7212)のつかみ部(7213)が開口部(7219)を通して突き出すようになっている。次に電極(7218)が、抵抗溶接されるか又は他の方法によって本体(202)に固定される。本実施例では、電極(7218)は、電極(7218)の近位端及び遠位端で本体(202)の構造的コア(204)に抵抗溶接で固定される。
【0190】
他の実施例では、電極(7218)は、電極(7218)の遠位端及び近位端で溶接されるのに加えて又はその代わりに、任意の他の好適な場所で抵抗溶接される。更に他の実施例では、抵抗溶接が完全に省略され、電極(7218)は本体(202)に、例えば他の溶接加工及び/又は接着剤結合等のような任意の他の好適な手段によって固定される。電極(7218)が本体(202)に固定されると、電極(7218)はまた、電極(7218)とクランプパッド(7212)のショルダー(7214)との間の係合によって、クランプパッド(7212)を本体(202)に連結することを理解されたい。したがって、電極(7218)の厚さは一般に、クランプパッド(7212)を本体(202)に連結するのに十分な剛性を提供するのに十分な程度に厚い。他の変形例では、本明細書の教示に鑑みて、当業者には理解されるであろうように、クランプパッドアセンブリ(7210)は、他のクランプアームアセンブリ(400、1200、2200、3200)と共に組み立てられ得る。
【0191】
電極(7218)は、ブレード(7152)と協働して、クランプパッドアセンブリ(7210)とブレード(7152)との間に捕捉されている組織に双極性のRF電気外科用エネルギーを提供するように構成されている。特に、電極(7218)はRFエネルギーによって起動され、ブレード(7152)がRFエネルギーのためのリターン経路を提供する。そのため、本実施例ではブレード(7152)が、2つの異なる役割、すなわち、超音波エネルギーをブレード(7152)と接触している組織に印加するという1つ目の役割と、電極(7218)と協働して、クランプパッドアセンブリ(7210)とブレード(7152)との間に捕捉されている組織に双極性RFエネルギーを提供するという別の1つの役割とを果たすことが可能であることを理解されたい。
【0192】
一部の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが同時に印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが自動的に交互に印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが、単純なシリーズ(例えば、最初に超音波エネルギー、次にRFエネルギー)で印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとは選択的に、独立して印加される。RFエネルギーを電極(7218)とブレード(7152)とを通して伝達するために用いられ得る他の好適な機能部は、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0193】
本実施例では、電極(7218)は一般的に、クランプパッド(7212)のつかみ部(7213)よりも薄いので、つかみ部(7213)は一般的に、エンドエフェクタ(7102)が閉じた構成又は挟持構成にあるとき、ブレード(7152)が電極(7218)に直接接触するのを防ぐように、電極(7218)のブレード(7152)に面する面(7221)から堂々と突き出す。したがって、電極(7218)は一般的に、ブレード(7152)に物理的に接触するようには構成されていないことを理解されたい。しかしながら、上記のとおり、RFエネルギーに対する電気的連続性は、患者の組織が切断及び/又は封止されるとき、電流を患者の組織に通過させることによって一般的に実現され、かつ一部の変形例では、この電流は、電極(7218)とブレード(7152)との間を流れる。この点に関して、エンドエフェクタ(7102)は、RF電気外科用エネルギーを用いたときの短絡を防ぐために、導電性のブレード(7152)と電極(7218)との間の接触を防止するための間隔を提供する多くの機能部を備える。上述したように、そのような機能部の1つがつかみ部(7213)であり、そのような機能部のもう1つがパッドバンパー(7216)である。
【0194】
パッドバンパー(7216)の位置は、上述したように、クランプパッド(7212)に沿って近位側に位置付けられている。更に、かつまた上記のとおり、クランプアームアセンブリの枢動動作は、クランプパッドアセンブリ(7210)の近位側にある枢動位置で提供される。したがって、器具が挟持のために閉じた位置に移動するとき、パッドバンパー(7216)は、つかみ部(7213)より前にブレード(7152)の面(7153)に接触して、ブレード(7152)と電極(7218)との間の接触を防ぎ、それによって、RF電気外科用エネルギーを用いたときの短絡を防ぐ。加えて、パッドバンパー(7216)のサイズは、つかみ部(7213)と比べて、より幅広でかつクランプパッド(7212)に沿った単位長さ当たりの表面積が一般的に広いことによって、クランプパッド(7212)の実質的により広いエリアがブレード(7152)と接触するのが可能になっている。このより広いエリアが、パッドバンパー(7216)が近位側に位置していることと組み合わされて、ブレード(7152)の変位量をより少なくするのと、パッドバンパー(7216)がブレード(7152)に接触する位置での熱の蓄積を減らすのに寄与し得る。このことにより、クランプパッド(7212)のパッド材料の流れとクランプパッド(7212)の反りとが減り、そのためクランプパッド(7212)の摩滅が減り、クランプパッド(7212)の寿命又は使用サイクルが長くなる。
【0195】
図示されている変形例に示されているように、電極(7218)は、つかみ部(7213)の長さにわたってクランプパッド(7212)に沿って近位方向に延びる。しかしながら、電極(7218)はパッドバンパー(7216)で終端しており、したがって、パッドバンパー(7216)に沿ったエリア内には存在していない。切断及び封止の品質と完全性とを維持するため、パッドバンパー(7216)が、組織止め(290、1290、1296、2290、2296)の近位側に配置されている。この構成では、組織は、パッドバンパー(7216)が位置する近位側領域に入り込むのを防止されている。したがって、組織の切断及び封止はパッドバンパー(7216)領域に沿って行われる必要はなく、その代わりにクランプパッド(7212)のつかみ部(7213)とブレード(7152)との間のエリアに留保される。本明細書における教示を鑑みれば、電極(7218)とブレード(7152)との間の短絡を防ぐために離間機能部を提供しつつ、許容可能な切断性及び封止性を実現するパッドバンパー(7216)を組織止め(290、1290、1296、2290、2296)に対して位置決めする様々な方法については、当業者には明らかであろう。
【0196】
図50及び52を参照すると、図示されている変形例において、電極(7218)はブレード(7152)に対して正のオフセットを有する。したがって、電極(7218)の幅は、その長さに沿ってブレード(7152)の幅を超えて延び、そのため電極(7218)がブレード(7152)の平坦な側面(7156)に対して突き出し(正のオフセット)ている。本実施例では、ブレード(7152)の各側部に沿ったブレード(7152)に対する電極(7218)の突き出し量が約0.5mm(0.02インチ)となるように、オフセットは約0.5mm(0.02インチ)である。その一部が、傾斜ブレードを有するエンドエフェクタを含み得る他の変形例では、電極(7218)は、ブレード(7152)に対するオフセットがより大きいか、より小さいか、又はゼロであるように構成され得る。
【0197】
F.オフセットした電極と近位側パッドバンパーとを有する隆起のあるブレード
図53図56は、導波管(8154)と接続された超音波ブレード(8152)と、クランプパッド(8212)及び電極(8218)を含むクランプパッドアセンブリ(8210)とを備えるエンドエフェクタ(8102)を図示している。導波管(8154)は、導波管(154)と同じ又は同様の方法で、上記の器具の様々なシャフトアセンブリと接続可能である。
【0198】
ブレード(8152)は、切断及び封止用の平坦面(8158)によって囲まれた隆起した面(8153)を有して構成されている。隆起した面(8153)は、ブレード(8152)の長さに沿って略中央に位置している。隆起した面(8153)は、上平坦面(8159)と、傾斜した側面(8160)と、を備える。ブレード(8152)はまた、図示されているように、弓状形状と、鈍い遠位端(8155)とを有して構成されている。上述したように、ブレード(8152)の、隆起した面(8153)と平坦面(8158)との反対側は、他の変形例に関して図示され、上に記載されているように、熱シールドによって保護されていてよい。
【0199】
クランプパッドアセンブリ(8210)は、上記の器具の様々なクランプアームアセンブリの1つと接続可能である。例えば、クランプパッドアセンブリ(8210)は、クランプパッドアセンブリ(210)がクランプアームアセンブリ(200)と接続されるのと同じ又は類似の方法で、クランプアームアセンブリ(200)と接続可能である。クランプパッドアセンブリ(8210)を本明細書に記載される様々なクランプアームアセンブリ(クランプアームアセンブリ(200、400、1200、2200、3200)を含むがこれらに限られない)と接続し得る他の方法については、本明細書における教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0200】
図55は、クランプパッドアセンブリ(8210)をより詳しく図示している。分かるように、クランプパッドアセンブリ(8210)は、クランプパッド(8212)と、電極(8218)と、を備える。クランプパッド(8212)は、単一の、概ね均質な絶縁材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ゴム、及び/又は他の類似の絶縁材料を含む。クランプパッド(8212)の具体的な形状は、ブレード(8152)の形状に概ね対応する。特に、クランプパッド(8212)は一般に、ブレード(8152)の外形と類似した形状を画定する。クランプパッド(8212)は、組織を把持し、かつ、その組織がクランプパッドアセンブリ(8210)と超音波ブレード(8152)との間に挟持されているとき、その組織を適所に保持するように構成されているつかみ部(8213)を備える。
【0201】
本実施例では、つかみ部(8213)は、リブ又は歯の繰り返しパターンを含み、つかみ部(8213)の把持能力を高めている。他の実施例では、つかみ部(8213)は、例えば、刻み付け、凹凸表面パターン、又は任意の他の一般的に粗い表面のような、把持能力を高めるための多くの他の機能部を備えている。更に他の実施例では、つかみ部(8213)は、把持能力を高めるための特にこれといった機能部を有することなく単に平坦な面を備える。つかみ部(8213)は、クランプパッド(8212)の外側横縁部の内側で終端する。これにより、ショルダー(8214)がクランプパッド(8212)に画定され、以下に更に記載するように、そのショルダー(8212)は一般的に、クランプパッド(8212)を、電極(8218)を介してクランプアームアセンブリ内に保持するように構成されている。
【0202】
クランプパッド(8212)はまた、クランプパッド(8212)の近位端においてクランプパッド(8212)内に画定されるパッドバンパー(8216)を備える。パッドバンパー(8216)は一般的に、挟持の間、クランプパッド(8212)とブレード(8152)との間の相対的位置付けを維持し、それによって、ブレード(8152)と電極(8218)との間の間隔を維持するための非導電性の、隙間設定機能部として動作するように構成されている。パッドバンパー(8216)は、ブレード(8152)の隆起した面(8153)と平坦面(8158)とに接触するように構成された第1の面(8217)を備える。図示されている例では、パッドバンパー(8216)の第1の面(8217)は、凹部(8222)を備え、その凹部(8222)は、隆起した面(8153)の近位側領域が凹部(8219)内に嵌まるように、ブレード(8152)の隆起した面(8153)に対応する。したがって、第1の面(8217)のプロファイルは、接触の起こる場所でのブレード(8152)のプロファイルに概ね対応し、そのため第1の面(8217)がブレード(8152)を受容するように構成されていることを理解されたい。
【0203】
パッドバンパー(8216)は、クランプパッド(8212)の幅に一致する幅を有する。図示されている変形例に示されているように、ショルダー(8214)は、パッドバンパー(8216)に隣接して終端し、同様に電極(8218)もパッドバンパー(8216)において終端する。エンドエフェクタ(8102)が組み立てられた状態にあるとき、パッドバンパー(8216)が、ブレード(8152)の隆起した面(8153)及び平坦面(8158)に向かって、電極(8218)よりも更に延びる。この構成では、エンドエフェクタ(8102)が、図71及び図73に図示されているように、閉じた位置にあるとき、パッドバンパー(8216)は、スペーサーとして動作し、すなわち、RF電気外科封止を提供するためにRF電気外科用エネルギーが用いられるとき、電極(8218)がブレード(8152)と接触するのを防止し、それによって短絡を防止するためのある間隔を提供する。
【0204】
電極(8218)は、比較的剛性のある導電性材料の、比較的薄い単一ストリップを含む。一部の実施例では、電極(8218)は、例えば銅、金、鋼、アルミニウム、銀等の導電性の金属を含む。更に他の実施例では、電極(8218)は、例えば導電性ポリマー、シリサイド、グラファイト等の導電性の非金属材料を含む。電極(8218)の厚さは一般的に、クランプパッド(8212)のつかみ部(8213)よりも薄く、つかみ部(8213)は、電極(8218)の、ブレード(8152)に面する面を越えて突き出す。しかしながら、電極(8218)はそれでもなお一般的に、好適な程度の構造的な剛性を維持するのに十分な厚さを有している。
【0205】
電極(8218)の具体的な形状は、クランプパッド(8212)の形状に概ね対応する。特に、電極(8218)は一般に、クランプパッドバンパー(8216)を除く、クランプパッド(8212)の外形と類似した形状を画定する。電極(8218)は、その内部に開口部(8219)を更に画定する。開口部(8219)は、内部を通ってクランプパッド(8212)のつかみ部(8213)を受容するように構成され、そのため電極(8218)は、クランプパッド(8212)のショルダー(8214)と係合するように構成されている。図70図73に図示されている変形例では、エンドエフェクタ(8102)が閉じた位置又は挟持位置にあるとき、電極(8218)の組織接触面(8221)は、隆起した面(8153)の上平坦面(8159)とブレード(8152)の平坦面(8158)に対して概ね平行に配向されている。
【0206】
クランプパッドアセンブリ(8210)が組み立てられるとき、クランプパッド(8212)がまず、クランプアームアセンブリのクランプパッド受容チャネル、例えば、クランプアームアセンブリ(200)の受容チャネル(208)の中に挿入される。上記のとおり、クランプパッド受容チャネル(208)は、本体(202)の遠位端に画定されている。次に電極(8218)がクランプパッド(8212)上に差し込まれ、電極(8218)がクランプパッド(8212)のショルダー(8214)上に着座し、かつクランプパッド(8212)のつかみ部(8213)が開口部(8219)を通して突き出すようになっている。次に電極(8218)が、抵抗溶接されるか又は他の方法によって本体(202)に固定される。本実施例では、電極(8218)は、電極(8218)の近位端及び遠位端において本体(202)の構造的コア(204)に所定位置で抵抗溶接される。他の実施例では、電極(8218)は、電極(8218)の遠位端及び近位端で溶接されるのに加えて又はその代わりに、任意の他の好適な場所で抵抗溶接される。更に他の実施例では、抵抗溶接が完全に省略され、電極(8218)は、例えば他の溶接加工及び/又は接着剤結合等のような任意の他の好適な手段によって本体(202)に固定される。
【0207】
電極(8218)が本体(202)に固定されると、電極(8218)はまた、電極(8218)とクランプパッド(8212)のショルダー(8214)との間の係合によって、クランプパッド(8212)を本体(202)に連結するということを理解されたい。したがって、電極(8218)の厚さは一般に、クランプパッド(8212)を本体(202)に連結するのに十分な剛性を提供するのに十分な程度に厚い。他の変形例では、本明細書の教示に鑑みて、当業者には理解されるであろうように、クランプパッドアセンブリ(8210)は、他のクランプアームアセンブリ(400、1200、2200、3200)と共に組み立てられ得る。
【0208】
電極(8218)は、ブレード(8152)と協働して、クランプパッドアセンブリ(8210)とブレード(8152)との間に捕捉されている組織に双極性のRF電気外科用エネルギーを提供するように構成されている。特に、電極(8218)はRFエネルギーによって起動され、ブレード(8152)がRFエネルギーのためのリターン経路を提供する。そのため、本実施例ではブレード(8152)が、2つの異なる役割、すなわち、超音波エネルギーをブレード(8152)と接触している組織に印加するという1つ目の役割と、電極(8218)と協働して、クランプパッドアセンブリ(8210)とブレード(8152)との間に捕捉されている組織に双極性RFエネルギーを提供するという別の1つの役割とを果たすことが可能であることを理解されたい。
【0209】
一部の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが同時に印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが自動的に交互に印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとが、単純なシリーズ(例えば、最初に超音波エネルギー、次にRFエネルギー)で印加される。一部の他の変形例では、超音波エネルギーとRFエネルギーとは選択的に、独立して印加される。RFエネルギーを電極(8218)とブレード(8152)とを通して伝達するために用いられ得る他の好適な機能部は、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0210】
本実施例では、電極(8218)は一般的に、クランプパッド(8212)のつかみ部(8213)よりも薄いので、つかみ部(8213)は一般的に、エンドエフェクタ(8102)が閉じた構成又は挟持構成にあるとき、ブレード(8152)が電極(8218)に直接接触するのを防ぐように、電極(8218)のブレード(8152)に面する面(8221)から堂々と突き出す。したがって、電極(8218)は一般的に、ブレード(8152)に物理的に接触するようには構成されていないことを理解されたい。しかしながら、上記のとおり、RFエネルギーに対する電気的連続性は、患者の組織が切断及び/又は封止されるとき、電流を患者の組織に通過させることによって一般的に実現され、かつ一部の変形例では、この電流は、電極(8218)とブレード(8152)との間を流れる。この点に関して、エンドエフェクタ(8102)は、RF電気外科用エネルギーを用いたときの短絡を防ぐために、導電性のブレード(8152)と電極(8218)との間の接触を防止するための間隔を提供する多くの機能部を備える。上述したように、そのような機能部の1つがつかみ部(8213)であり、そのような機能部のもう1つがパッドバンパー(8216)である。
【0211】
パッドバンパー(8216)の位置は、上述したように、クランプパッド(8212)に沿って近位側に位置付けられている。更に、かつまた上記のとおり、クランプアームアセンブリの枢動動作は、クランプパッドアセンブリ(8210)の近位側にある枢動位置で提供される。したがって、器具が挟持のために閉じた位置に移動するとき、パッドバンパー(8216)は、つかみ部(8213)より前にブレード(8152)の面(8153)に接触して、ブレード(8152)と電極(8218)との間の接触を防ぐ。このようにしてパッドバンパー(8216)は、RF電気外科用エネルギーを用いたときの短絡を防ぐ。
【0212】
加えて、パッドバンパー(8216)のサイズは、つかみ部(8213)と比べて、より幅広でかつクランプパッド(8212)に沿った単位長さ当たりの表面積が一般的に広いことによって、クランプパッド(8212)の実質的により広いエリアがブレード(8152)と接触するのが可能になっている。このより広いエリアが、パッドバンパー(8216)が近位側に位置していることと組み合わされて、ブレード(8152)の変位量をより少なくするのと、パッドバンパー(8216)がブレード(8152)に接触する位置での熱の蓄積を減らすのに寄与し得る。このことにより、クランプパッド(8212)のパッド材料の流れとクランプパッド(8212)の反りとが減り、そのためクランプパッド(8212)の摩滅が減り、クランプパッド(8212)の寿命又は使用サイクルが長くなる。
【0213】
図示されている変形例に示されているように、電極(8218)は、つかみ部(8213)の長さにわたってクランプパッド(8212)に沿って近位方向に延びる。しかしながら、電極(8218)はパッドバンパー(8216)で終端しており、したがって、パッドバンパー(8216)に沿ったエリア内には存在していない。切断及び封止の品質と完全性とを維持するため、パッドバンパー(8216)が、組織止め(290、1290、1296、2290、2296)よりも近位側に配置されている。この構成では、組織は、パッドバンパー(8216)が位置する近位側領域に入り込むのを防止されている。したがって、組織の切断及び封止はパッドバンパー(8216)領域に沿って行われる必要はなく、その代わりにクランプパッド(8212)のつかみ部(8213)とブレード(8152)との間のエリアに留保される。本明細書における教示を鑑みれば、電極(8218)とブレード(8152)との間の短絡を防ぐために離間機能部を提供しつつ、許容可能な切断性及び封止性を実現するパッドバンパー(8216)を組織止め(290、1290、1296、2290、2296)に対して位置決めする様々な方法については、当業者には明らかであろう。
【0214】
図54及び56を参照すると、図示されている変形例において、電極(8218)はブレード(8152)に対して正のオフセットを有する。したがって、電極(8218)の幅は、その長さに沿ってブレード(8152)の幅を超えて延び、そのため電極(8218)がブレード(8152)の平坦な側面(8156)に対して突き出し(正のオフセット)ている。本実施例では、ブレード(8152)の各側部に沿ったブレード(8152)に対する電極(8218)の突き出し量が約0.5mm(0.02インチ)となるように、オフセットは約0.5mm(0.02インチ)である。その一部が、平坦面によって囲まれた隆起した面を有するブレードを有するエンドエフェクタを含み得る他の変形例では、電極(8218)は、ブレード(8152)に対するオフセットが、より大きいか、より小さいか、又はゼロであるように構成され得る。
【0215】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得るいずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではないことを理解されたい。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は単なる例証目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、多くの他の方法で配置及び適用され得ることが企図される。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例で言及される特定の特徴を省略してもよいことも企図される。したがって、本発明者によって、又は本発明者の関係者たる継承者によって、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる特徴は、特許性に関連するいずれの理由によって追加されたものとしても仮定されるべきではない。
【実施例】
【0216】
(実施例1)
外科用器具であって、(a)本体であって、導電体を含む、本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な電極を備える、クランプアームと、(d)ピボットアセンブリ内に配置される弾性部材であって、クランプアームの電極と本体の導電体との間に電気的連続性を提供するように構成されている、弾性部材と、を備える、外科用器具。
【0217】
(実施例2)
クランプアームは本体から取り外し可能である、実施例1に記載の外科用器具。
【0218】
(実施例3)
クランプアームは、導電性プレートを更に備え、導電性プレートは、電極と弾性部材との間の電気的連続性のための経路を提供する、実施例1〜2のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0219】
(実施例4)
導電体は、超音波ブレードの近位部分の周りに延びる導電性部材を備え、弾性部材は、導電性部材に対して弾性的に当接するように構成されている、実施例1〜3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0220】
(実施例5)
導電性部材はチューブを備える、実施例4に記載の外科用器具。
【0221】
(実施例6)
弾性部材はばねアームを備える、実施例1〜5のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0222】
(実施例7)
導電体はRfエネルギー伝達源と連通する、実施例1〜6のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0223】
(実施例8)
超音波ブレードは、電極と協働して、クランプアームと超音波ブレードとの間に捕捉される組織にバイポーラRFエネルギーを印加するように構成されている、実施例1〜7のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0224】
(実施例9)
組織挟持面を更に備え、組織挟持面は電極を越えて突き出し、そのため、電極が組織挟持面に対して凹んでいる、実施例1〜8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0225】
(実施例10)
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、(i)組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な電極と、(ii)組織挟持機能部と、を備え、組織挟持機能部は、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように構成され、電極は、組織挟持機能部の位置をクランプアーム内に固定するように更に構成されている、クランプアームと、を備える、外科用器具。
【0226】
(実施例11)
組織挟持機能部は組織挟持面を更に備え、組織挟持面は電極を越えて突き出し、そのため、電極が組織挟持面に対して凹んでいる、実施例10に記載の外科用器具。
【0227】
(実施例12)
組織挟持機能部は、ポリテトラフルオロエチレンを含む、実施例10〜11のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0228】
(実施例13)
クランプアームは、空洞を更に画定し、組織挟持機能部の少なくとも一部はその空洞内に配置されている、実施例10〜12のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0229】
(実施例14)
実施例1〜9のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具と組み合わされている、実施例10〜13のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0230】
(実施例15)
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能である、クランプアームと、(d)熱シールドであって、超音波ブレードに向かって及び超音波ブレードから離れて移動可能であり、それによって超音波ブレードの一部を選択的に遮蔽する、熱シールドと、を備える、外科用器具。
【0231】
(実施例16)
熱シールドは、超音波ブレードに向かって及び超音波ブレードから離れて枢動するように構成されている、実施例15に記載の外科用器具。
【0232】
(実施例17)
熱シールドは、第1の平面に沿って、超音波ブレードに向かって及び超音波ブレードから離れて枢動可能であり、クランプアームは、第1の平面に沿って、超音波ブレードに向かって及び超音波ブレードから離れて枢動可能である、実施例16に記載の外科用器具。
【0233】
(実施例18)
熱シールドは、超音波ブレードの第1の外側部に近づくように構成され、クランプアームは、超音波ブレードの第2の外側部に近づくように構成されている、実施例15〜17のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0234】
(実施例19)
第2の外側部は、第1の外側部と反対である、実施例18に記載の外科用器具。
【0235】
(実施例20)
熱シールドの少なくとも一部は、低摩擦材料を含む、実施例15〜19のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0236】
(実施例21)
低摩擦材料は、ポリテトラフルオロエチレンを含む、実施例20に記載の外科用器具。
【0237】
(実施例22)
熱シールドは、突起を含む遠位端を有し、突起は、超音波ブレードと係合し、それによって、熱シールドの残りの部分を超音波ブレードから離れて離間させるように構成されている、実施例15〜21のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0238】
(実施例23)
突起は、低摩擦材料を含む、実施例22に記載の外科用器具。
【0239】
(実施例24)
低摩擦材料は、ポリテトラフルオロエチレンを含む、実施例23に記載の外科用器具。
【0240】
(実施例25)
熱シールドは、複数の排水開口部を画定する、実施例15〜24のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0241】
(実施例26)
実施例1〜14のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具と組み合わされている、実施例15〜25のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0242】
(実施例27)
外科用器具であって、(a)本体であって、導電体を含み、その導電体は連結ポストを備える、本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)連結ポストに枢動可能に連結されたクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な電極を備え、電極は、連結ポストを通じて電気エネルギーを受容するように構成されている、クランプアームと、を備える、外科用器具。
【0243】
(実施例28)
連結ポストはT字形状を有する、実施例27に記載の外科用器具。
【0244】
(実施例29)
T字形状は、クランプアームが本体に対して取り外し角度で配向されている場合に、クランプアームが連結ポストから取り外されるのを可能にするように構成され、T字形状は、クランプアームが取り外し角度で配向されていない場合に、クランプアームを本体に枢動可能に固定するように構成されている、実施例28に記載の外科用器具。
【0245】
(実施例30)
クランプアームは、クランプアームを連結ポストに枢動可能に固定するように構成された、弾性的に付勢されたロック機能部を更に備える、実施例27〜29のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0246】
(実施例31)
弾性的に付勢されたロック機能部は、連結ポストから電極への電気通信のための経路を提供するように構成されている、実施例30に記載の外科用器具。
【0247】
(実施例32)
外科用器具であって、(a)本体であって、閉鎖センサを含む、本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能である電極を備え、クランプアームが本体に対して所定の閉鎖角度に到達したことに反応して閉鎖センサを作動させるように構成されている、クランプアームと、(d)閉鎖センサと連通状態する制御モジュールであって、閉鎖センサの作動又は非作動に反応して、動作のモードを選択するように動作可能である、制御モジュールと、を備える、外科用器具。
【0248】
(実施例33)
起動ボタンを更に備え、起動ボタンは、操作者によって作動されるように配置され、制御モジュールは、閉鎖センサと起動ボタンとの同時作動に反応して、電極を通じて第1の電圧のRFエネルギーを印加するように構成されている、実施例32に記載の外科用器具。
【0249】
(実施例34)
制御モジュールは、封止アルゴリズムが完了した後に、ユーザー通知を提供するように更に構成されている、実施例33に記載の外科用器具。
【0250】
(実施例35)
制御モジュールは、封止アルゴリズムが完了したという通知に先立ってRFエネルギーがある持続期間中印加されているのに反応して、エラー通知を操作者に提供するように更に構成されている、実施例33〜34のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0251】
(実施例36)
制御モジュールは、閉鎖センサを作動させることなく起動ボタンの作動に反応して、電極を通じてRFエネルギーを印加するように構成されている、実施例34〜35のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0252】
(実施例37)
制御モジュールは、閉鎖センサを作動させることなく起動ボタンの作動に反応して、電極を通じて第2の電圧でRFエネルギーを印加するように構成され、第2の電圧は第1の電圧よりも高い、実施例34〜36のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0253】
(実施例38)
制御モジュールは、閉鎖センサを作動させることなく起動ボタンの作動に反応して、電極を通じてRFエネルギーを印加せずにエラー表示を操作者に提供するように構成されている、実施例34〜35のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0254】
(実施例39)
実施例1〜41のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具と組み合わされている、実施例33〜38のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0255】
(実施例40)
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な電極を備える、クランプアームと、(d)センサであって、超音波ブレードが組織と係合しているかどうかを判定するように動作可能である、センサと、(e)センサと連通する制御モジュールであって、センサの作動又は非作動に反応して動作のモードを選択するように動作可能である、制御モジュールと、を備える、外科用器具。
【0256】
(実施例41)
センサは、高調波インピーダンスセンサを含む、実施例40に記載の外科用器具。
【0257】
(実施例42)
起動ボタンを更に備え、起動ボタンは、操作者によって作動されるように配置され、制御モジュールは、起動ボタンの作動に反応して、電極を通じて第1の電圧でRFエネルギーを印加するように構成されている一方で、センサは、超音波ブレードが組織と係合していることを示す、実施例40〜41のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0258】
(実施例43)
制御モジュールは、封止アルゴリズムが完了した後に、ユーザー通知を提供するように更に構成されている、実施例42に記載の外科用器具。
【0259】
(実施例44)
制御モジュールは、封止アルゴリズムが完了したという通知に先立ってRFエネルギーがある持続期間中印加されているのに反応して、エラー通知を操作者に提供するように更に構成されている、実施例43に記載の外科用器具。
【0260】
(実施例45)
制御モジュールは、センサが超音波ブレードが組織と係合していることを示すことなく起動ボタンの作動に反応して、電極を通じてRFエネルギーを印加するように構成されている、実施例42〜44のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0261】
(実施例46)
制御モジュールは、センサが超音波ブレードが組織と係合していることを示すことなく起動ボタンの作動に反応して、電極を通じて第2の電圧でRFエネルギーを印加するように更に構成され、第2の電圧は第1の電圧よりも高い、実施例42〜45のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0262】
(実施例47)
制御モジュールは、センサが超音波ブレードが組織と係合していることを示すことなく起動ボタンの作動に反応して、電極を通じてRFエネルギーを印加せずに、エラー表示を操作者に提供するように更に構成されている、実施例42〜44のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0263】
(実施例48)
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)クランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能である、クランプアームと、(d)ピボットアセンブリと、を備え、クランプアームは、ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結され、ピボットアセンブリは、クランプアームが第1の可動域にわたって超音波ブレードに向かって枢動すると、本体に対するクランプアームの、固定軸線を中心とした枢動運動を提供するように構成され、ピボットアセンブリは、クランプアームが第2の可動域にわたって超音波ブレードに向かって枢動すると、本体に対するクランプアームの枢動運動と本体に対するクランプアームの並進運動との組み合わせを提供するように構成されている、外科用器具。
【0264】
(実施例49)
ピボットアセンブリは、第1のカムプロファイルと第2のカムプロファイルとを有するカム面を備え、第1のカムプロファイルは、クランプアームが第1の可動域にわたって超音波ブレードに向かって枢動すると、本体に対するクランプアームの、固定軸線を中心とした枢動運動を提供するように構成され、第2のカムプロファイルは、クランプアームが第2の可動域にわたって超音波ブレードに向かって枢動すると、本体に対するクランプアームの枢動運動と本体に対するクランプアームの並進運動との組み合わせを提供するように構成されている、実施例48に記載の外科用器具。
【0265】
(実施例50)
ピボットアセンブリは、クランプアームが第2の可動域にわたって超音波ブレードに向かって枢動すると、本体に対するクランプアームの枢動運動と本体に対するクランプアームの近位方向への並進との組み合わせを提供するように構成されている、実施例48〜49のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0266】
(実施例51)
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能である、クランプアームと、(d)本体を通って延在する音波導波管であって、超音波ブレードが音波導波管の遠位端に位置している、音波導波管と、(e)音波導波管の遠位部と本体との間に挿入されるシールと、を備え、シールは、本体の機能部と協働して、本体に対する超音波ブレードの回転又は並進のうちの一方又は両方を防ぐように構成されている、外科用器具。
【0267】
(実施例52)
シールは平面部を備え、平面部は、本体の機能部と係合して、本体に対する超音波ブレードの回転又は並進のうちの一方又は両方を防ぐように構成されている、実施例51に記載の外科用器具。
【0268】
(実施例53)
本体の機能部はピンを備え、ピンは、音波導波管に対して横断方向に配向されている、実施例51〜52のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0269】
(実施例54)
シールはエラストマー材料を含む、実施例51〜53のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0270】
(実施例55)
外科用器具であって、(a)本体であって、複数の別個の電気的接点を備える、本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、複数の別個の電気的接点を備え、クランプアームの別個の電気的接点は、クランプアームが本体に対して枢動すると本体の別個の電気的接点との電気的連続性を維持するように構成されている、クランプアームと、を備える、外科用器具。
【0271】
(実施例56)
本体の別個の電気的接点又はクランプアームの別個の電気的接点の一方はばね付勢されて、本体の別個の電気的接点又はクランプアームの別個の電気的接点の他方との接触を維持する、実施例55に記載の外科用器具。
【0272】
(実施例57)
本体の別個の電気的接点及びクランプアームの別個の電気的接点を、密封シールするように構成されたシールを更に備える、実施例55〜56のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0273】
(実施例58)
クランプアームは、クランプアームの別個の電気的接点と連通するデータ機能部を更に備え、本体の別個の電気的接点は、データ機能部からクランプアームの別個の電気的接点を介してデータを受信するように構成されている、実施例55〜57のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0274】
(実施例59)
データ機能部は、センサを備える、実施例58に記載の外科用器具。
【0275】
(実施例60)
データ機能部は、EEPROMを備える、実施例58〜59のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0276】
(実施例61)
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能であり、近位側領域と遠位側領域とを有する組織係合面を有し、近位側領域は、遠位側領域に対して凹んでいる、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、超音波ブレードの組織係合面の近位側領域は、クランプアームと超音波ブレードの組織係合面との間で圧縮される組織を超音波切断するように構成されており、超音波ブレードの組織係合面の遠位側領域は、クランプアームと超音波ブレードの組織係合面との間で圧縮される組織を超音波切断するように構成されていない、クランプアームと、を備える、外科用器具。
【0277】
(実施例62)
クランプアームは電極を備え、電極は組織にRFエネルギーを印加するように動作可能である、実施例61に記載の外科用器具。
【0278】
(実施例63)
超音波ブレードは、電極と協働して、組織係合面と電極との間に捕捉される組織にバイポーラRFエネルギーを印加するように構成されている、実施例62に記載の外科用器具。
【0279】
(実施例64)
超音波ブレードの組織係合面の遠位側領域は、電極と協働して、超音波ブレードの組織係合面の遠位側領域と電極との間に捕捉される組織を、RFエネルギーによって封止するように構成されている、実施例63に記載の外科用器具。
【0280】
(実施例65)
外科用器であって、(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、(i)組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な電極と、(ii)組織挟持機能部であって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように構成されている、組織挟持機能部と、(iii)隙間設定機能部であって、非導電性材料を含み、かつ器具が挟持位置にあるときに、電極と超音波ブレードとの間にスペースを維持するように構成されている、隙間設定機能部と、を備える、クランプアームと、を備える、外科用器具。
【0281】
(実施例66)
電極は、組織挟持機能部の位置をクランプアーム内に固定するように更に構成されている、実施例65に記載の外科用器具。
【0282】
(実施例67)
隙間設定機能部は、クランプパッドバンパーを備える、実施例65〜66のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0283】
(実施例68)
クランプパッドバンパーは、組織挟持機能部と比べて、単位長さ当たりの表面積がより広い、実施例67に記載の外科用器具。
【0284】
(実施例69)
(d)クランプアームに向かって延びる第1の組織止め機能部と、(e)クランプアームから離れて延びる第2の組織止め機能部と、を更に備え、第2の組織止め機能部は、クランプアームと共に枢動するように構成されており、第1及び第2の組織止め機能部は、超音波ブレードとクランプアームとの近位側領域への、組織の通路を制限するように構成されている、実施例65〜68のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0285】
(実施例70)
隙間設定機能部は、第1及び第2の組織止めの近位側に配置されている、実施例65〜69のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0286】
(実施例71)
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、(i)組織挟持機能部であって、組織を超音波ブレードに対して圧縮させるように構成されている、組織挟持機能部と、(ii)組織にRFエネルギーを印加するように動作可能である電極であって、超音波ブレードに対してオフセットしている、電極と、を備える、クランプアームと、を備える、外科用器具。
【0287】
(実施例72)
電極は、超音波ブレードに対して、正のオフセットを有する、実施例71に記載の外科用器具。
【0288】
(実施例73)
電極は、約0.5mm(0.02インチ)のオフセットを有する、実施例71〜72のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0289】
(実施例74)
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能であり、超音波切断と超音波封止との用途向けに構成された平坦面を備える、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能である電極を備える、クランプアームと、を備える、外科用器具。
【0290】
(実施例75)
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能であり、超音波切断と超音波封止との用途向けに構成された丸みのある面を備える、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能である電極を備える、クランプアームと、を備える、外科用器具。
【0291】
(実施例76)
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能であり、超音波切断と超音波封止との用途向けに構成された傾斜面を備える、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能である電極を備える、クランプアームと、を備える、外科用器具。
【0292】
(実施例77)
傾斜面は、約30°の角を備える、実施例76に記載の外科用器具。
【0293】
(実施例78)
傾斜面は、約15°の角を備える、実施例76に記載の外科用器具。
【0294】
(実施例79)
外科用器具であって、(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能であり、超音波切断と超音波封止との用途向けに構成された平坦面によって囲まれている隆起した面を備える、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能である電極を備える、クランプアームと、を備える、外科用器具。
【0295】
(実施例80)
外科用器具であって、(a)本体であって、導電体を含み、長手方向軸線を画定する、本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)ピボットアセンブリにおいて本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な電極を備え、ピボットアセンブリにおいて、本体によって画定される長手方向軸線に対して横方向である経路に沿って本体に装着されかつ本体から取り外されるように構成されている、クランプアームと、(d)ピボットアセンブリ内に配置される弾性部材であって、クランプアームの電極と本体の導電体との間に電気的連続性を提供するように構成されている、弾性部材と、を備える、外科用器具。
【0296】
(実施例81)
超音波ブレードは、電極と協働して、クランプアームと超音波ブレードとの間に捕捉される組織にバイポーラRFエネルギーを印加するように構成されている、実施例80に記載の外科用器具。
【0297】
(実施例82)
クランプアームは組織挟持面を更に備え、組織挟持面が電極を越えて突き出し、そのため、電極が組織挟持面に対して凹んでいる、実施例80〜81のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0298】
(実施例83)
熱シールドを更に備え、熱シールドは、超音波ブレードに向かって及び超音波ブレードから離れて移動可能であり、それによって超音波ブレードの一部を選択的に遮蔽し、熱シールドは、超音波ブレードの第1の外側部に近づくように構成され、クランプアームは、超音波ブレードの第2の外側部に近づくように構成されている、実施例80〜82のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0299】
(実施例84)
本体は、複数の別個の電気的接点を備え、クランプアームは、複数の別個の電気的接点を備え、クランプアームの別個の電気的接点は、クランプアームが本体に対して枢動すると、本体の別個の電気的接点との電気的連続性を維持するように構成されている、実施例80〜83のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0300】
(実施例85)
クランプアームは、クランプアームの別個の電気的接点と連通するデータ機能部を更に備え、本体の別個の電気的接点は、データ機能部からクランプアームの別個の電気的接点を介してデータを受信するように構成され、データ機能部は、EEPROMを備える、実施例80〜84のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0301】
(実施例86)
制御モジュールを更に備え、本体は、制御モジュールと連通する閉鎖センサを含み、クランプアームは、クランプアームが本体に対して所定の閉鎖角度に到達したことに反応して閉鎖センサを作動させるように構成され、制御モジュールは、閉鎖センサの作動又は非作動に反応して動作のモードを選択するように動作可能である、実施例80〜85のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0302】
(実施例87)
起動ボタンを更に備え、起動ボタンは、操作者によって作動されるように配置され、制御モジュールは、閉鎖センサと起動ボタンとの同時作動に反応して、電極を通じて第1の電圧でRFエネルギーを印加するように構成されている、実施例86に記載の外科用器具。
【0303】
(実施例88)
制御モジュールは、閉鎖センサを作動させることなく起動ボタンの作動に反応して、電極を通じてRFエネルギーを印加するように構成されている、実施例87に記載の外科用器具。
【0304】
(実施例89)
制御モジュールは、閉鎖センサを作動させることなく起動ボタンの作動に反応して、電極を通じてRFエネルギーを印加せずにエラー表示を操作者に提供するように構成されている、実施例87に記載の外科用器具。
【0305】
(実施例90)
制御モジュールは、封止アルゴリズムが完了した後に、ユーザー通知を提供するように更に構成されている、実施例86〜89のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0306】
(実施例91)
制御モジュールは、封止アルゴリズムが完了したという通知に先立ってRFエネルギーがある持続期間中印加されているのに反応して、エラー通知を操作者に提供するように更に構成されている、実施例86〜90のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0307】
(実施例92)
制御モジュールは、閉鎖センサを作動させることなく起動ボタンの作動に反応して、電極を通じて第2の電圧でRFエネルギーを印加するように構成され、第2の電圧は第1の電圧よりも高い、実施例86〜91のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0308】
(実施例93)
ピボットアセンブリは、クランプアームが第1の可動域にわたって超音波ブレードに向かって枢動すると、本体に対するクランプアームの、固定軸線を中心とした枢動運動を提供するように構成され、ピボットアセンブリは、クランプアームが第2の可動域にわたって超音波ブレードに向かって枢動すると、本体に対するクランプアームの枢動運動と本体に対するクランプアームの並進運動との組み合わせを提供するように構成されている、実施例80〜92のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0309】
(実施例94)
ピボットアセンブリは、第1カムプロファイルと第2のカムプロファイルとを有するカム面を備え、第1のカムプロファイルは、クランプアームが第1の可動域にわたって超音波ブレードに向かって枢動すると、本体に対するクランプアームの、固定軸線を中心とした枢動運動を提供するように構成され、第2のカムプロファイルは、クランプアームが第2の可動域にわたって超音波ブレードに向かって枢動すると、本体に対するクランプアームの枢動運動と本体に対するクランプアームの並進運動との組み合わせを提供するように構成されている、実施例93に記載の外科用器具。
【0310】
(実施例95)
外科用器具であって、(a)本体であって、第1の長手方向軸線を画定し、導電体を含み、導電体は、連結ポストを備え、連結ポストは、第2の長手方向軸線を画定し、第2の長手方向軸線は、第1の長手方向軸線に対して横方向である、本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)連結ポストに枢動可能に連結されたクランプアームであって、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な電極を備え、電極は、連結ポストを通じて電気エネルギーを受容するように構成され、クランプアームは、第2の長手方向軸線を中心として枢動するように構成され、第2の長手方向軸線に沿って並進するように更に構成されている、クランプアームと、を備える、外科用器具。
【0311】
(実施例96)
連結ポストはT字形状を有し、T字形状は、クランプアームが本体に対して、取り外し角度で配向されている場合に、クランプアームが連結ポストから取り外されるのを可能にするように構成され、T字形状は、クランプアームが取り外し角度で配向されていない場合に、クランプアームを本体に枢動可能に固定するように構成されている、実施例95に記載の外科用器具。
【0312】
(実施例97)
クランプアームは、クランプアームを連結ポストに枢動可能に固定するように構成された、弾性的に付勢されたロック機能部を更に備える、実施例95に記載の外科用器具。
【0313】
(実施例98)
弾性的に付勢されたロック機能部は、連結ポストから電極への電気通信のための経路を提供するように構成されている、実施例95に記載の外科用器具。
【0314】
(実施例99)
外科用器具であって、(a)本体であって、長手方向軸線を画定し、ピボットポストを画定する、本体と、(b)本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、(c)クランプアームと、を備え、クランプアームは、ピボットポストを受容するように構成されたピボット開口部を画定し、クランプアームは、組織を超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、クランプアームは、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な電極を備え、クランプアームは、クランプアームが本体に対して第1の角度配向にある場合に、本体によって画定された長手方向軸線に対して横方向である経路に沿ってピボットポストに装着されかつピボットポストから取り外されるように構成され、ピボットポストは、クランプアームが、本体に対して、第1の角度方向を除く既定の角度配向の範囲内にある場合に、クランプアームを本体に枢動可能に固定するように構成され、クランプアームは、ピボットポストを中心として、既定の角度方向の範囲内で枢動するように構成されている、外科用器具。
【0315】
IV.その他
本明細書における様々な教示は、本出願と同日に出願された、「Surgical Instrument with Dual Mode End Effector and Compound Lever with Detents」と題された米国特許出願第[代理人整理番号第END7873USNP1.0640695]号(その開示は参照により、本明細書に組み込まれる)の様々な教示と容易に組み合わされ得ることを理解されたい。本明細書における教示を、米国特許出願第[代理人整理番号第END7873USNP1.0640695]号の教示と組み合わせ得る様々な好適な方法が、当業者には明らかであろう。
【0316】
本明細書における様々な教示は、本出願と同日に出願された、「Surgical Instrument with Dual Mode End Effector and Modular Clamp Arm Assembly」と題された米国特許出願第[代理人整理番号第END7873USNP2.0640697]号(その開示は参照により、本明細書に組み込まれる)の様々な教示と容易に組み合わされ得ることを理解されたい。本明細書における教示を、米国特許出願第[代理人整理番号第END7873USNP2.0640697]号の教示と組み合わせ得る様々な好適な方法が、当業者には明らかであろう。
【0317】
上記の様々な器具は、様々な種類の外科手術において用いられ得る。あくまでも一例として、上記の器具は、肝臓切除術、直腸結腸手術、婦人科外科手術、及び/又は様々な他の種類の外科手術を実施するために用いられ得る。上記の器具が用いられ得る様々な他の種類の手術及び方法については、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0318】
本明細書に記載される器具のいずれの変形例も、本明細書で上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、様々な他の特徴を含んでもよいことを理解されたい。あくまで一例として、本明細書に記載される器具のいずれもが、本明細書において、参照することにより組み込まれる様々な参考文献のいずれかで開示される様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むこともできる。本明細書の教示は、本明細書の引用文献のいずれかの教示と多数の方法で容易に組み合わせ得るため、本明細書の教示は、本明細書の他の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得ることが理解されよう。本明細書の教示が組み込まれ得る他の種類の器具が、当業者には明らかであろう。
【0319】
参照により本明細書に援用されると言及されたいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、援用された内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に援用されることを認識されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に援用されるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に援用されるものとするが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ援用されるものとする。
【0320】
上述の装置の変形例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び処置での用途も有することができる。あくまでも一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット手術システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者には明らかとなることであるが、本明細書の様々な教示は、2004年8月31日公開の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれる)の様々な教示と容易に組み合わされ得る。
【0321】
上述の変形例は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、あるいは、それらは、複数回使用されるように設計されてもよい。いずれか又は両方の場合において、様々な変形例は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部分の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形例は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部品分又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外してもよい。特定の部分の洗浄及び/又は交換に際して、装置のいくつかの変形例を、再調整用の施設において、又は手術の直前に使用者によって、その後の使用のために再組み立てされてもよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを認識するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて本発明の範囲内にある。
【0322】
あくまで一例として、本明細書に記載される変形例は、手術の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖及び密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置くことができる。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管することができる。装置はまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の他の任意の技術を用いて滅菌され得る。
【0323】
以上、本発明の様々な実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上述の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解されたい。
【0324】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
(a)本体であって、導電体を含み、長手方向軸線を画定する、本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、
(c)ピボットアセンブリにおいて前記本体に枢動可能に連結されるクランプアームであって、組織を前記超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な電極を備え、前記ピボットアセンブリにおいて、前記本体によって画定される前記長手方向軸線に対して横方向である経路に沿って前記本体に装着されかつ前記本体から取り外されるように構成されている、クランプアームと、
(d)前記ピボットアセンブリ内に配置される弾性部材であって、前記クランプアームの前記電極と前記本体の前記導電体との間に電気的連続性を提供するように構成されている、弾性部材と、を備える、外科用器具。
(2) 前記超音波ブレードは、前記電極と協働して、前記クランプアームと前記超音波ブレードとの間に捕捉される組織にバイポーラRFエネルギーを印加するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記クランプアームは組織挟持面を更に備え、前記組織挟持面は前記電極を越えて突き出し、そのため、前記電極が前記組織挟持面に対して凹んでいる、実施態様1に記載の外科用器具。
(4) 熱シールドを更に備え、前記熱シールドは、前記超音波ブレードに向かって及び前記超音波ブレードから離れて移動可能であり、それによって前記超音波ブレードの一部を選択的に遮蔽し、前記熱シールドは、前記超音波ブレードの第1の外側部に近づくように構成され、前記クランプアームは、前記超音波ブレードの第2の外側部に近づくように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記本体は、複数の別個の電気的接点を備え、前記クランプアームは、複数の別個の電気的接点を備え、前記クランプアームの前記別個の電気的接点は、前記クランプアームが前記本体に対して枢動すると、前記本体の前記別個の電気的接点との電気的連続性を維持するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
【0325】
(6) 前記クランプアームは、前記クランプアームの前記別個の電気的接点と連通するデータ機能部を更に備え、前記本体の前記別個の電気的接点は、前記データ機能部から前記クランプアームの前記別個の電気的接点を介してデータを受信するように構成され、前記データ機能部は、EEPROMを備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 制御モジュールを更に備え、前記本体は、前記制御モジュールと連通する閉鎖センサを含み、前記クランプアームは、前記クランプアームが前記本体に対して所定の閉鎖角度に到達したことに反応して前記閉鎖センサを作動させるように構成され、前記制御モジュールは、前記閉鎖センサの作動又は非作動に反応して動作のモードを選択するように動作可能である、実施態様1に記載の外科用器具。
(8) 起動ボタンを更に備え、前記起動ボタンは、操作者によって作動されるように配置され、前記制御モジュールは、前記閉鎖センサと前記起動ボタンとの同時作動に反応して、前記電極を通じて第1の電圧でRFエネルギーを印加するように構成されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記制御モジュールは、前記閉鎖センサを作動させることなく前記起動ボタンの作動に反応して、前記電極を通じてRFエネルギーを印加するように構成されている、実施態様8に記載の外科用器具。
(10) 前記制御モジュールは、前記閉鎖センサを作動させることなく前記起動ボタンの作動に反応して、前記電極を通じてRFエネルギーを印加せずにエラー表示を操作者に提供するように構成されている、実施態様8に記載の外科用器具。
【0326】
(11) 前記制御モジュールは、封止アルゴリズムが完了した後に、ユーザー通知を提供するように更に構成されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(12) 前記制御モジュールは、前記封止アルゴリズムが完了したという通知に先立って前記RFエネルギーがある持続期間中印加されているのに反応して、エラー通知を操作者に提供するように更に構成されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(13) 前記制御モジュールは、前記閉鎖センサを作動させることなく前記起動ボタンの作動に反応して、前記電極を通じて第2の電圧でRFエネルギーを印加するように構成され、前記第2の電圧は前記第1の電圧よりも高い、実施態様7に記載の外科用器具。
(14) 前記ピボットアセンブリは、前記クランプアームが第1の可動域にわたって前記超音波ブレードに向かって枢動すると、前記本体に対する前記クランプアームの、固定軸線を中心とした枢動運動を提供するように構成され、前記ピボットアセンブリは、前記クランプアームが第2の可動域にわたって前記超音波ブレードに向かって枢動すると、前記本体に対する前記クランプアームの枢動運動と前記本体に対する前記クランプアームの並進運動との組み合わせを提供するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(15) 前記ピボットアセンブリは、第1のカムプロファイルと第2のカムプロファイルとを有するカム面を備え、前記第1のカムプロファイルは、前記クランプアームが前記第1の可動域にわたって前記超音波ブレードに向かって枢動すると、前記本体に対する前記クランプアームの、固定軸線を中心とした枢動運動を提供するように構成され、前記第2のカムプロファイルは、前記クランプアームが前記第2の可動域にわたって前記超音波ブレードに向かって枢動すると、前記本体に対する前記クランプアームの枢動運動と前記本体に対する前記クランプアームの並進運動との組み合わせを提供するように構成されている、実施態様14に記載の外科用器具。
【0327】
(16) 外科用器具であって、
(a)本体であって、第1の長手方向軸線を画定し、導電体を含み、前記導電体は、連結ポストを備え、前記連結ポストは、第2の長手方向軸線を画定し、前記第2の長手方向軸線は、前記第1の長手方向軸線に対して横方向である、本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、
(c)前記連結ポストに枢動可能に連結されたクランプアームであって、組織を前記超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な電極を備え、前記電極は、前記連結ポストを通じて電気エネルギーを受容するように構成され、前記クランプアームは、前記第2の長手方向軸線を中心として枢動するように構成され、前記第2の長手方向軸線に沿って並進するように更に構成されている、クランプアームと、を備える、外科用器具。
(17) 前記連結ポストはT字形状を有し、前記T字形状は、前記クランプアームが前記本体に対して取り外し角度で配向されている場合に、前記クランプアームが前記連結ポストから取り外されるのを可能にするように構成され、前記T字形状は、前記クランプアームが前記取り外し角度で配向されていない場合に、前記クランプアームを前記本体に枢動可能に固定するように構成されている、実施態様16に記載の外科用器具。
(18) 前記クランプアームは、前記クランプアームを前記連結ポストに枢動可能に固定するように構成された、弾性的に付勢されたロック機能部を更に備える、実施態様16に記載の外科用器具。
(19) 前記弾性的に付勢されたロック機能部は、前記連結ポストから前記電極への電気通信のための経路を提供するように構成されている、実施態様16に記載の外科用器具。
(20) 外科用器具であって、
(a)本体であって、長手方向軸線を画定し、ピボットポストを画定する、本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延出する超音波ブレードであって、組織に超音波エネルギーを印加するように動作可能である、超音波ブレードと、
(c)クランプアームであって、前記ピボットポストを受容するように構成されたピボット開口部を画定し、組織を前記超音波ブレードに対して圧縮するように動作可能であり、組織にRFエネルギーを印加するように動作可能な電極を備える、クランプアームと、を備え、
前記クランプアームは、前記クランプアームが前記本体に対して第1の角度配向にある場合に、前記本体によって画定された前記長手方向軸線に対して横方向である経路に沿って前記ピボットポストに装着されかつ前記ピボットポストから取り外されるように構成され、
前記ピボットポストは、前記クランプアームが、前記本体に対して、前記第1の角度配向を除く既定の角度配向の範囲内にある場合に、前記クランプアームを前記本体に枢動可能に固定するように構成され、
前記クランプアームは、前記ピボットポストを中心として、前記既定の角度配向の範囲内で枢動するように構成されている、外科用器具。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図20
図21
図22A
図22B
図22C
図23
図24
図25A
図25B
図25C
図26A
図26B
図26C
図26D
図26E
図27A
図27B
図27C
図27D
図28A
図28B
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36A
図36B
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56