(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上端部は前記貫通孔が前記アンカー本体ハウジングから外に出る上開口部を画定し、前記上開口部は前記長手方向に対して垂直の前記方向で測定された内径を画定し、前記内径は、前記第1の直径及び前記最小内径の両方よりも大きい、請求項3に記載の締結装置。
安定化機構を更に備え、前記安定化機構は、前記外面が前記内面と接触するように前記締結具が前記貫通孔内に挿入されると、前記安定化機構が前記締結具及び前記アンカー本体の相対的移動に抵抗する力を前記締結具に及ぼすように、前記貫通孔内に位置決めされるように構成されている、請求項1に記載の締結装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、特定の専門用語は、単に便宜上使用されるに過ぎず、限定ではない。「下」及び「上」なる語は、参照される図における方向を指定するものである。「近位に」及び「遠位に」という用語は、それぞれ、医療装置を使用する外科医に向かう、及びその外科医から離れる方向を指す。「前部」、「後部」、「上側」、「下側」という用語、及び関連する語及び/又は句は、参照する人体における好ましい位置及び方位を指定し、限定的であることを意味しない。専門用語には、前述で列記した語、その派生語、及び同様の意味を有する語が含まれる。
【0012】
本開示の態様は、図面を参照して詳細に説明されるが、特記しない限り、同様の参照番号は同様の要素を指す。以下の説明では、特定の専門用語は、単に便宜上使用されるに過ぎず、限定ではない。「複数」という用語は、本明細書で使用される際、2つ以上を意味する。構造体の「一部分」及び「少なくとも一部分」という用語は、構造体全体を含む。また、本開示において別々の実施形態の文脈において説明される本発明の特定の特徴を、単一の実施形態に組み合わせて備えてもよい。反対に、単一の実施形態の文脈において説明される本開示の種々の特徴を、個別又は任意の部分的組み合わせとして備えることも可能である。
【0013】
本明細書における、第2の構造体に沿って関節をなすか、あるいは第2の構造体に沿って重なる第1の構造体に対する参照は、第2の構造体に直接接触する第1の構造体を指し、中間構造体、又は第1の構造体と第2の構造体との間の面は除外されるものとする。
【0014】
図1及び2を参照すると、医療装置10は、細長い部材を患者の解剖学的構造の一部分に固定するように構成されている。例示の実施形態で示すように、医療装置10は、患者の椎骨、例えば、患者の椎骨の椎弓根又は外側塊に脊椎ロッド14を固定するように構成された締結装置12を含むことができる。締結装置12は、締結装置12が脊椎ロッド14を患者の椎骨の椎弓根に固定するように構成されている場合は、椎弓根スクリューと呼ばれる場合もある。本開示の一態様によれば、締結装置12は、脊椎ロッド14を受容するように構成されたアンカー本体16と、アンカー本体16に挿入されて患者の椎骨に固定されるように構成された締結具18と、を含む。
【0015】
締結装置12は、サドル20とキャップ22とを更に含むことができる。例示の実施形態で示すように、下記でより詳しく説明するとおり、サドル20は、締結具18及び脊椎ロッド14の両方と当接するように構成され、キャップ22は、脊椎ロッド14を締結装置12に固定するように構成される。
【0016】
本開示の一態様によれば、アンカー本体16は、上端部24と、上端部24から長手方向Lに離間した下端部26と、上端部24から下端部26まで延在するアンカー本体ハウジング28と、を含む。アンカー本体16は、アンカー本体ハウジング28を貫通して延在する貫通孔30を画定する。締結具18は、ヘッド32と、ヘッド32に対して遠位方向Dに延出するねじ付きシャフト34と、ヘッド32とねじ付きシャフト34との間を延在するネック36と、を含む。締結具18は、ねじ付きシャフト34が下端部26を通過してヘッド32が貫通孔30内に配置されるまで締結具18を長手方向Lに移動させることにより、アンカー本体16内に位置決めされるように構成される。
【0017】
締結装置12は、ヘッド32が貫通孔30内に配置された時に、締結具18がアンカー本体16に対して多軸方向に移動可能であるように構成される。ヘッド32が貫通孔30内に配置されたら、サドル20がヘッド32に接触するまでサドル20を長手方向Lに移動させることができる。サドル20がヘッド32に接触したら、続いて脊椎ロッド14がサドル20に接触するまで脊椎ロッド14を長手方向Lに移動させることができる。脊椎ロッド14がサドル20に接触したら、続いてキャップ22が脊椎ロッド14に接触するまでキャップ22を長手方向Lに移動させることができる。
【0018】
キャップ22としては、単一部品、又は例示の実施形態で示すように、例えば2つの部品などの複数の部品が挙げられ得る。キャップ22は、アンカー本体16の例えば雌ねじ山などのねじ山40に螺合するように構成された、例えば雄ねじ山などのねじ山38を含む。キャップ22は、ねじ山38がねじ山40と係合し、キャップ22がアンカー本体16に対して長手方向Lに移動するように、例えば長手方向Lに平行な軸などの軸を中心に第1の回転方向に回転される。一実施形態によれば、キャップ22は、トルク設定がキャップ22に適用されると、キャップ22が回転の第1の方向でこれ以上回転できなくなるまで回転され、それによって脊椎ロッド14を締結装置12に固定し、その結果、脊椎ロッド14及び締結装置12の相対的移動が制限、例えば妨げられ、それにより締結具18をアンカー本体16に固定し、その結果、締結具18及びアンカー本体16の相対的移動が制限、例えば妨げられるように、構成される。一実施形態によれば、トルク設定は、約2ニュートン−メートル(N−m)〜約3N−mである。
【0019】
図3〜5を参照すると、締結具18のヘッド32は外面42を含む。本開示の一態様によれば、外面42の部分44は、凸状であってもよく、第1の球体S1を画定してもよく、又はその両方であってもよい。第1の球体S1は第1の直径D1を画定する。本開示の一態様によれば、第1の直径D1は約4.5mm超であってもよい。本開示の別の態様によれば、第1の直径D1は約5.0mm超であってもよい。本開示の別の態様によれば、第1の直径D1は約5.0mm〜約8.0mmの範囲であってもよい。本開示の別の態様によれば、第1の直径D1は約6.0mmであってもよい。
【0020】
外面42は、第1の球体S1の一部分を画定しない1つ以上の追加部分を含んでもよい。例示の実施形態で示すように、外面42は、部分44に対して遠位方向Dに配置された遠位部分46、若しくは部分44に対して遠位方向Dと反対の近位方向Pに配置された近位部分48、又は遠位部分46及び近位部分48の両方を含んでもよい。本開示の別の態様によれば、外面42の全体は、外面42が遠位部分46及び近位部分48を含まないように、部分44を含むことができる。
【0021】
締結具18のヘッド32は、締結具18が位置50から近位方向Pに位置するいかなる位置も含まないように位置50を画定してもよい。例示の実施形態で示すように、ヘッド32は駆動機構54を画定する上面52を含み、駆動機構54は、締結具18を回転させて締結具18を椎骨に固定する駆動力を受けるように構成される。本開示の一態様によれば、上面52上の任意の点が位置50を画定することができるように、上面52は実質的に平坦であってもよい。本開示の別の態様によれば、上面52の頂点が位置50を画定するように、上面52は、例えば湾曲するなどの非平坦であってもよい。
【0022】
本開示の一態様によれば、締結具18は、ヘッド32及びネック36の両方に沿って延在する面56を含んでもよい。例示の実施形態で示すように、面56が曲率半径Rを画定するように、面56は凹状であってもよい。一実施形態によれば、曲率半径Rは面56の全体に沿って一定であってもよい。例えば、面56は約0.25mm〜約2.0mmの曲率半径Rを画定してもよい。別の実施例によれば、面56は約0.4mm〜約1.0mmの曲率半径Rを画定してもよい。別の実施形態によれば、曲率半径Rは面56に沿って変化してもよい。別の実施形態によれば、面56は、面56が曲率半径Rを画定しないように、2つの直交する面を含んでもよい。
【0023】
締結具18のヘッド32とシャフト34との間の一部分、例えばネック36は、締結具18が荷重下で故障する可能性のある領域である。本開示の一態様によれば、凹状面56の曲率半径Rは、締結具18内に応力を分布させて、締結具18の有効強度を改善させることができる。例えば、第2の締結具18によって画定される第2の曲率半径よりも大きい第1の曲率半径Rを画定する第1の締結具18は、第1の締結具18における荷重下では、第2の締結具18よりも良好な応力分布をもたらすことができ、そのため第1の締結具18は第2の締結具18よりも高い有効強度を有することができる。
【0024】
本開示の一態様によれば、ネック36は、遠位方向Dに対して垂直の方向と、面56に対して遠位方向Dにある位置57と、の両方で測定され得る第2の直径D2を画定する。例示の実施形態で示すように、第2の直径D2は、遠位方向Dと、曲率半径Rを画定する面56の全体に対して遠位方向Dにある位置57と、の両方で測定され得る。遠位方向Dに離間した第1及び第2の位置における第2の直径D2が同じとなるように、第2の直径D2は一定であってよい。あるいは、第2の直径D2は、遠位方向D2に沿って変化(例えば減少)してもよい。
【0025】
本開示の別の態様によれば、第2の直径D2は約1.0mm〜約4.0mmの範囲であってもよい。本開示の別の態様によれば、第2の直径D2は約2.5mmであってもよい。締結具18は、第1の直径D1と第2の直径D2との比を定める。本開示の一態様によれば、第1の直径D1と第2の直径D2との比は約2対1〜約3対1の範囲である。
【0026】
締結具18は軸、例えば中心締結具軸58に沿って細長くてもよい。例示の実施形態で示すように、中心締結具軸58は遠位方向Dと平行である。本開示の一態様によれば、外面42の部分44は、外面42の部分44の他の全ての点に対して遠位方向に位置決めされた第1の点60を含んでもよく、面56は面56の他の全ての点に対して近位方向Pに位置決めされた第2の点62を含み、第1の点60は中心締結具軸58から遠位方向Dに対して垂直の方向で測定された第1の距離L1だけ離間し、第2の点62は中心締結具軸58から遠位方向Dに対して垂直の方向で測定された第2の距離L2だけ離間し、第1の距離L1は第2の距離L2よりも大きい。
【0027】
ヘッド32は、面56と外面42との間に延在する中間面64を含むことができる。本開示の一態様によれば、中間面64の少なくとも一部分は実質的に平坦で、かつ遠位方向Dに対して垂直であってもよい。
【0028】
締結具18は、全体が遠位方向Dと平行する平面P1内に位置し、かつ外面42の部分44と接する全ての線が、全体が平面P1内に位置し、かつ面56と接する全ての線に対して非共線的となるように構成することができる。例えば、全体が平面P1内に位置し、かつ部分44と接する線66は、全体が平面P1内に位置し、かつ面56と接する線68に対して共線的ではない。
【0029】
図6及び7を参照すると、アンカー本体16は、例えば脊椎ロッド14などの脊椎ロッドを受容するように構成された(
図1に示すとおり)ロッド受容チャネル69を画定することができる。ロッド受容チャネル69は、アンカー本体ハウジング28を貫いて延在し、ロッド受容チャネル69が、貫通孔30から、例えば垂直にオフセットされるように配向されてもよい。例示の実施形態で示すように、ロッド受容チャネル69はU字型のチャネルであってもよい。
【0030】
アンカー本体16は、貫通孔30の少なくとも一部分を画定する内面70を更に含んでもよい。本開示の一態様によれば、内面70の部分72は、凹状であってもよく、第2の球体S2を画定してもよく、又はその両方であってもよい。第2の球体S2は、第3の直径D3を画定する。本開示の一態様によれば、第3の直径D3は第1の直径D1と等しい。本開示の別の態様によれば、第3の直径D3は第1の直径D1よりも大きいか、あるいは小さいか、のいずれかである。
【0031】
内面70は、長手方向Lに対して垂直の方向と、長手方向Lに沿って測定した上端部24に対する位置74と比較して、長手方向Lに沿って測定した時に下端部26により近い位置74と、の両方で測定される最小内径D4を画定する。例示の実施形態で示すように、内面70が位置74から下端部26まで延在すると、内面70が中心アンカー本体軸76に対して半径方向外方にテーパ状となるように、位置74は、長手方向Lに沿って測定して下端部26から一定距離を離間してもよい。本開示の別の態様によれば、位置74は下端部26に位置していてもよい。一実施形態によれば、位置74は、部分72上のいかなる点も、位置74に対して長手方向L上に位置しないように、部分72上に配置されていてもよい。
【0032】
アンカー本体16は、最小内径D4よりも大きい内径D5を画定する。本開示の一態様によれば、内径D5は、部分72から長手方向Lと反対の方向に離間した位置で、内面70によって画定され得る。本開示の別の態様によれば、内径D5は上端部24によって画定され得る。本開示の一態様によれば、内径D5は、アンカー本体16の最大内径であってもよい。
【0033】
本開示の一態様によれば、上端部24が、貫通孔30が長手方向Lと反対の方向でアンカー本体ハウジング28から外に出る上開口部78を画定するか、下端部26が、貫通孔30が長手方向Lでアンカー本体ハウジング28から外に出る下開口部80を画定するか、又はその両方である。例示の実施形態で示すように、アンカー本体16は、平面P2(ページの内外に延びる線で示す)を画定してもよい。平面P2は、下開口部80の全体を含んでもよく、長手方向Lに対して垂直であってもよく、又はその両方であってもよい。
【0034】
図8及び
図9を参照すると、締結装置12は組み立てられた構成を定め、ここでは、締結具18がアンカー本体16に対して移動可能であるように、外面42の部分44が内面70の部分72に沿って重なる(2つ以上の点で接触する)。部分44と部分72との接触部は、円、円の一部分、球体の一部分、又はこれらの任意の組み合わせを画定することができる。本開示の一態様によれば、締結装置12が組み立てられた構成にある時、中心締結具軸58と中心アンカー本体軸76とが互いにオフセットされ得る角度を全て含む角形成円錐(cone of angulation)を締結装置12が画定するように、締結具18はアンカー本体16に対して多軸方向に移動可能である。角形成円錐は、最大角α(アルファ)によって画定することができ、例えば角形成円錐は最大角α(アルファ)の2倍であってもよい。
【0035】
最大角α(アルファ)は、面56の全体から遠位方向Dに離間した位置でアンカー本体16がネック36に当接して、その結果、少なくとも1つの方向で締結具18のアンカー本体16に対する移動が阻止された時に、中心締結具軸58と中心アンカー本体軸76との間で測定される。本開示の一態様によれば、最大角α(アルファ)は約45度よりも大きい。本開示の別の態様によれば、最大角α(アルファ)は約50度よりも大きい。本開示の別の態様によれば、最大角α(アルファ)は約50度〜約60度である。例えば、締結装置12は、最大角α(アルファ)が約50度の頚椎締結装置として構成することができる。別の例では、締結装置12は、最大角α(アルファ)が約30度の腰椎締結装置として構成することができる。
【0036】
図8に示すように、締結装置12がこの構成である時は、中心締結具軸58と中心アンカー本体軸76とは平行、例えば共線的であってもよい。
図9に示すように、締結装置12がこの構成である時は、中心締結具軸58と中心アンカー本体軸76とは、例えば最大角α(アルファ)、又は最大角α(アルファ)未満の任意の角度で角度オフセットされてもよい。
【0037】
図5、7及び8を参照すると、第1の直径D1は最小内径D4よりも大きいため、外面42の部分44が内面70の部分72に沿って重なるように、締結具18のヘッド32を長手方向Lと反対の方向に沿って貫通孔30に挿入することはできない。その代わり、内径D5は第1の直径D1よりも大きいため、外面42の部分44が内面70の部分72に沿って重なるように、締結具18を長手方向Lに沿って貫通孔30に挿入するように構成することができる。このように、締結装置12は、ボトムローディング(又はポップオン)締結装置とは対照的な、トップローディング締結装置として説明することができる。トップローディング締結装置として構成された締結装置12は、第1の直径D1の寸法及び第2の直径D2の寸法を、同等のボトムローディングねじにおける場合よりも大きく維持することができ、その結果、締結装置12、具体的には締結具18の強度を改善することができる。
【0038】
図9を参照すると、本開示の一実施形態によれば、締結装置12は、位置50が上端部24から長手方向Lに沿って測定した第3の距離L3に配置され、下端部26が上端部24から長手方向Lに沿って測定した第4の距離L4に配置され、第3の距離L3が第4の距離L4よりも大きい構成を定める。本開示の一態様によれば、締結装置12は、位置50が平面P2に対して長手方向Lに離間した構成を定める。
【0039】
本開示の一態様によれば、締結装置12は、外面42の部分44が内面70の部分72に沿って重なり、かつアンカー本体16が、面56の全体から遠位方向Dに離間された位置57でネック36と当接し、その結果、少なくとも1つの方向で締結具18のアンカー本体16に対する移動が阻止される構成(本明細書では最大角度構成と称される)を定める。
【0040】
図8及び9を参照すると、サドル20を締結具18に当接させた締結装置12が図示され、脊椎ロッド14及びキャップ22は示されない。
図8及び9の描写は、サドル20と、キャップ22と、脊椎ロッド14と、の任意の組み合わせを有しても有さなくてもよい締結装置12に該当する。
【0041】
例示の実施形態に示すように、締結装置12が最大角度構成にある時、面56とアンカー本体16との間に隙間84が画定される。隙間84は、長手方向L及び長手方向Lと反対の方向の両方で包囲されている。本開示の一態様によれば、締結装置が最大角度構成にある時、長手方向Lに対して垂直の平面で測定したアンカー本体16と締結具18との間の全ての接触点を含む接触領域は、完全な円よりも小さい円の一部分を画定する。
【0042】
図4及び9を参照すると、本開示の一実施形態によれば、第2の直径D2を最大化することで締結具18の強度を改善することができる。しかしながら、締結具18の他の寸法、例えば第1の直径D1を変えずに第2の直径D2の寸法を増やすと、締結装置12の最大角α(アルファ)がより小さくなる場合がある。したがって、第1の直径D1と第2の直径D2との比を維持しながら第2の直径D2を最大化することで、締結具18の強度を改善し、締結装置12の最大角α(アルファ)を増大することができる。本開示の一態様によれば、締結具18の強度は、曲率半径Rの寸法を増やすことによって改善することができる。曲率半径Rの寸法を増やすと、ヘッド32とねじ付きシャフト34との間の領域に存在する材料を減らすことができるが、曲率半径が大きいと、ヘッド32とねじ付きシャフト34との間の領域内の応力集中が低下して、その結果、締結具18の強度を改善させることができる。
【0043】
更に、例示の実施形態で示す締結装置12においては、外面42の部分44は、内面70の部分72に沿って関節をなすか、あるいは内面70の部分72に沿って重なり、その結果、部分44が部分72と直接接触する。例示の実施形態によれば、締結装置は、部分44と部分72との間にコレット又は他の中間構造体を含まなくてもよい。所定の寸法の貫通孔30内にコレット又は他の中間構造体を配置して含むと、その結果、コレット又は他の中間構造体を含まない締結装置12と併用するために構成された締結具18の第1の直径D1よりも小さい第1の直径D1を有する締結具を用いることになる。そのため、部分44と部分72との間にコレット又は他の中間構造体を含まない締結装置12は、締結装置12と併用するために構成された締結具18の強度を改善することができる。
【0044】
図1〜9を参照すると、締結装置12を作製する方法は、ねじ付きシャフト34がアンカー本体16の下開口部80を通るように、締結具18をアンカー本体16に挿入する工程を含むことができる。締結装置12を製造する方法は、サドル20をアンカー本体16に挿入する工程、脊椎ロッド14をアンカー本体16に挿入する工程、キャップ22をアンカー本体16に挿入する工程、又はこれらの任意の組み合わせを更に含むことができる。
【0045】
締結装置12を製造する方法は、キャップ22を締め付ける工程を更に含むことができる。本開示の一態様によれば、締結装置12は、締結具18をアンカー本体16に挿入する工程が終わってから締め付け工程の前に、締結具18が貫通孔30内でアンカー本体16に対して、またその逆も同様に、自由に移動できるように構成される。自由に移動可能な締結具18は、アンカー本体16に対して長手方向Lに沿って並進可能な締結具18、若しくはアンカー本体16に対して多軸方向に回転可能な締結具18、又はその両方を含む。
【0046】
図10及び
図11を参照すると、貫通孔30内でアンカー本体16に対して自由に移動可能な締結具18は、締結具18を孔30に挿入する間、締結具18に対するアンカー本体16の不要な移動を生じさせる場合がある。
図10の例示的な実施形態で示すように、挿入する間、締結具18及びアンカー本体16は長手方向Lに対してオフセットされる場合があり、例えば、中心締結具軸58と中心アンカー本体軸76とは角度β(ベータ)だけ角度オフセットされる場合がある。中心締結具軸58と中心アンカー本体軸76との角度オフセットは、
図11に示すように、アンカー本体16を締結具18に対して移動させるのに十分な重力などの力を、例えば締結具18のネック36がアンカー本体16と接触するまでアンカー本体16上にもたらすことができる。
【0047】
図12〜17を参照すると、締結装置12は、締結具18がアンカー本体16に挿入されてから、キャップ22が貫通孔30に挿入されてキャップ22が脊椎ロッド14に当接する前に、例えば力を加えることにより、アンカー本体16及び締結具18の相対的移動を制限するように構成された付勢部材102を含むことができる。
【0048】
付勢部材102は、アンカー本体16に対する付勢部材102の移動が、例えば中心アンカー本体軸76と平行の方向などの方向で制限されるようにアンカー本体16の凹部106内に配置されてもよい。付勢部材102は、更に、締結具18の外面42上に力を加えるように構成することができる。例示の実施形態で示すように、付勢部材102はスプリットリングであってもよい。別の実施形態によれば、付勢部材102は、多角形などであるがこれに限定されない非円形であってもよい。例示の実施形態で示すように、凹部106はアンカー本体16によって画定することができる。
【0049】
本開示の一態様によれば、付勢部材102は、中心アンカー本体軸76に対して半径方向に広がるように構成されてもよい。例えば、締結具18が貫通孔30に挿入される前に、付勢部材102は、第1の寸法を有する内径D6を画定する。付勢部材102は、締結具18が貫通孔30に挿入されて締結具の外面42が付勢部材102に接触すると広がるように構成することができる。一旦、締結具18が完全に貫通孔30内に置かれて、外面42が内面70に当接するために、ファスナー18がアンカー本体18に対して長手方向Lにこれ以上移動できなくなると、内径D6は第1の寸法よりも大きい第2の寸法を有する。付勢部材102は、内径D6の寸法が増えることによって、締結具18の外面44に力が加えられるように構成される。本開示の一態様によれば、締結装置12は、中心アンカー本体軸76に対して実質的に垂直の方向に、付勢部材102が外面42に力を加えるように構成される。
【0050】
図13を参照すると、付勢部材102は内面112及び外面114を含む。例示の実施形態で示すように、内面112は、付勢部材100を貫いて延在する貫通孔115を画定する。内面112は、円の少なくとも一部分、例えば半分超を画定することができる。内面112によって少なくとも一部分が画定される円は、中心116を含むことができる。内径D6は、内面112上の第1の点から中心116を通り、第1の点から離間した内面112上の第2の点まで直線に沿って測定される。
【0051】
付勢部材102は、外面114上の第1の点から中心116を通り、外面114上の第1の点から離間した外面114上の第2の点まで直線に沿って測定される外径D7を更に画定することができる。外径D7は内径D6よりも大きい。
【0052】
図14を参照すると、アンカー本体16の内面70は凹部106を画定する。凹部106は、アンカー本体16の内面70内で半径方向に延在して、底面118で終端する。凹部106は、更に、凹部106が凹部高さRHを画定するように、アンカー本体16の内面70内を延在する。凹部高さRHは、中心アンカー本体軸76と平行の直線に沿って凹部上面120から凹部下面122まで測定される。アンカー本体16は、中心アンカー本体軸76に対して垂直の直線に沿って、底面118上の第1の点から、中心アンカー本体軸76を通り、第1の点から離間した底面118上の第2の点まで測定される内径D8を画定する。
【0053】
アンカー本体16は、中心アンカー本体軸76に対して垂直の直線に沿って、凹部から長手方向Lと反対の方向にオフセットされた内面70上の第1の点から、中心アンカー本体軸76を通り、第1の点から離間した内面70上の第2の点まで測定される内径D9を更に画定する。アンカー本体16は、中心アンカー本体軸76に対して垂直の直線に沿って、凹部から長手方向Lにオフセットされた内面70の部分86上の第1の点から、中心アンカー本体軸76を通り、第1の点から離間した内面70の部分86上の第2の点まで測定される内径D10を更に画定する。本開示の一態様によれば、内径D8は、内径D9及び内径D10のどちらよりも大きい。例示の実施形態で示すように、部分86は湾曲して、直径を有する球体の一部分を画定することができる。
【0054】
図12〜15を参照すると、付勢部材102は、締結具18が内面112と当接しておらず、アンカー本体16が外面114と当接していない時に非付勢状態を含む。付勢部材102は、締結具18が内面112と当接しているか、アンカー本体16が外面114と当接しているか、又はその両方の時に付勢状態を更に含む。締結装置12は、付勢部材102が凹部106内に位置付けられるように構成されてもよい。
図15に示すように、本開示の一態様によれば、付勢部材102は、凹部106内に位置付けられている時は非付勢状態となるように構成され、凹部106は付勢部材102を凹部106内に保持するように構成される。
【0055】
例示の実施形態で示すように、締結装置12は、非付勢状態で、内径D6が内径D9及び内径D10のどちらよりも小さく、外径D7が内径D9及び内径D10のどちらよりも大きく、内径D8が外径D7よりも大きくなるように構成することができる。付勢部材102は、非付勢状態では凹部106内に配置され、その結果、長手方向Lに沿って凹部の外に出る付勢部材102の移動が、上面120及び下面122によって阻止される。凹部106は、付勢部材102が底面118の方に半径方向に広がるための空間を更に提供する。
【0056】
付勢部材102は、上面130と、上面130と反対の底面132と、を更に含むことができる。例示の実施形態で示すように、底面132は、長手方向Lに面し、上面130は長手方向Lと反対の方向に面する。付勢部材102は、1つ以上のテーパ面134を更に含むことができる。1つ以上のテーパ面134は、上面130と内面112との間を延在する第1のテーパ面134’、下面132と内面112との間を延在する第2のテーパ面134”、又はその両方を含むことができる。1つ以上のテーパ面134は、直線状であってもよく、曲線状であってもよく、又は部分的に直線状であり、部分的に曲線状であってもよい。1つ以上のテーパ面134は、例えば、1つ以上のテーパ面134を含まない付勢部材102と比べて必要な力の量を低下させることにより、締結具18を貫通孔115に容易に進入させることを可能にするように構成される。
【0057】
図16を参照すると、締結具18は、貫通孔30に挿入されると、ねじ付きシャフト34が下開口部80を通って延在し、外面42が内面112と当接し、それにより付勢部材102が付勢状態へと移行するように構成される。締結装置12は、外面42が内面70の部分86に当接する完全取り付け構成を画定することができる。締結装置12が完全取り付け構成にあると、付勢部材102は締結具18に対して力を加え、その力が締結具18及びアンカー本体16の移動に抵抗する。
【0058】
締結具18及びアンカー本体16の長手方向Lに沿った相対的移動は、上面120又は下面122のいずれかに当接する締結具18に半径方向内向きの力を及ぼす付勢部材102によって抵抗される。締結具18及びアンカー本体16の、例えば多軸回転などの相対的回転は、付勢部材102が締結具18に及ぼす半径方向内向きの力から生じる抵抗力又は摩擦推力によって抵抗される。
【0059】
本開示の一態様によれば、締結具18は、中心締結具軸58に対して垂直の直線に沿って外面42上の第1の点から、中心締結具軸58を通り、外面42上の第2の点まで測定して、ヘッド32上の他のいかなる位置よりも大きい最大幅位置136を画定する。締結装置12は、中心締結具軸58が中心アンカー本体軸76と平行する完全取り付け構成にある時に、付勢部材102が、遠位方向Dで最大幅位置136と整列する位置で外面42と当接するように構成することができる。
【0060】
別の実施形態によれば、締結装置12は、中心締結具軸58が中心アンカー本体軸76と平行する完全取り付け構成にある時に、付勢部材102が、最大幅位置136から遠位方向Dに離間されるか、又は最大幅位置136から近位方向Pに離間されるか、のいずれかの位置で外面42と当接するように構成することができる。
【0061】
締結装置12を製造する方法は、外面42が内面70の部分86と当接するまで、締結具18を付勢部材102に挿入する工程を含むことができる。締結具18を付勢部材102に挿入する上記の工程は、付勢部材102を内径D6が大きくなるように半径方向に広げる工程を含んでもよい。締結具18を付勢部材102に挿入する上記の工程は、付勢部材102を半径方向に広げる工程の後に、内径D6が小さくなるように付勢部材102を半径方向に縮める工程を更に含んでもよい。
【0062】
図17を参照すると、付勢部材102は、締結具18及びアンカー本体16の不要な相対的移動に抵抗するが、締結具18及びアンカー本体16の必要な相対的移動は可能にするように構成される。使用時に締結具18が完全取り付け構成にある時は、例えば、締結具18及びアンカー本体16のうちの少なくとも1つを操作する外科医によって、アンカー本体16をファスナー18に対して相対的に移動させることができる。更に、締結具18が完全取り付け構成にある時、付勢部材102は、中心締結具軸58が中心アンカー本体軸76から角度β(ベータ)だけ角度オフセットした時に、例えばアンカー本体16に作用する重力により締結具18に対するアンカー本体16の相対的移動を防ぐ。本開示の一態様によれば、角度β(ベータ)は、0度と最大角α(アルファ)との間であってもよい。
【0063】
図12〜17に示す付勢部材102の描写は、
図1〜11に示す実施形態にも該当する。また、
図1〜11に示す実施形態の描写は、
図12〜17に示す実施形態に適用可能である。
【0064】
前述の説明は、開示されたシステム及び技術の実施例を提供することが理解されよう。しかしながら、本開示の他の実装は、前述の実施例とは詳細が異なり得ると考えられる。本開示又はその実施例に対する全ての言及は、その時点で論議されている特定の実施例を参照することを意図しており、より一般的に開示の範囲に関するいかなる限定を示唆することも意図するものではない。特定の特徴に関する区別及び否定の文言は全て、それらの特徴に対する優先度の欠如を示すことを意図しているが、他に指示がない限り、本開示の全範囲からこれらが完全に除外されるものではない。
【0065】
本明細書における値の範囲の記載は、本明細書中で別段の指示がない限り、明記された範囲の上限及び下限を含む範囲内に含まれた個々の値を個別に引用することを省略する方法としての役割を果たすことのみが意図されており、個々の値は本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で他に指示されない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施され得る。
【0066】
以上、本開示を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本明細書において様々な変更、代用、及び改変を行い得る点を理解されたい。更に、本開示の範囲は、明細書に述べられる特定の実施形態に限定されるものではない。本発明の開示から当業者には容易に理解されるように、本明細書に述べられる対応する実施形態と実質的に同じ機能を行うか、又は実質的に同じ結果を実現する、現時点で存在するか又は将来的に開発されるプロセス、機械、製法、組成物、手段、方法、又は工程を本開示に基づいて利用することが可能である。
【0067】
〔実施の態様〕
(1) 脊椎ロッドを骨に固定するように構成された締結装置であって、前記締結装置は、
アンカー本体ハウジングを含むアンカー本体であって、前記アンカー本体は前記アンカー本体ハウジングを貫いて延在する貫通孔を画定し、前記アンカー本体は、前記脊椎ロッドを受容するように構成され、かつ前記貫通孔に対してオフセットされたロッド受容チャネルを更に画定し、前記アンカー本体は上端部、下端部、及び内面を更に含み、前記内面は前記貫通孔の少なくとも一部分を画定する、アンカー本体と、
ヘッド、前記ヘッドに対して遠位方向に延出するねじ付きシャフト、及び前記ヘッドと前記ねじ付きシャフトとの間を延在するネックを含む締結具であって、前記ヘッドは、前記締結具ヘッドが前記貫通孔に挿入されると前記内面に沿って関節をなすように構成された外面を含み、前記外面の少なくとも一部分は凸状であって球体の一部分を画定し、前記球体は第1の直径を画定し、前記締結具は前記ヘッドと前記ネックとの両方に沿って延在する凹状面を含み、前記ネックは、1)前記遠位方向に対して垂直の方向で、かつ2)前記凹状面全体の前記遠位方向に離間した位置で測定される第2の直径を画定する、締結具と、を備え、
前記締結具は、前記第1の直径と前記第2の直径との比を約2対1〜約3対1の範囲で定める、締結装置。
(2) 前記締結具は前記遠位方向と平行する中心軸に沿って細長く、
前記外面の前記一部分は、前記外面の前記一部分の他の全ての点に対して前記遠位方向に位置決めされた第1の点を含み、
前記凹状面は、前記凹状面の他の全ての点に対して前記遠位方向と反対の近位方向に位置決めされた第2の点を含み、
前記第1の点は前記遠位方向に対して垂直の方向で測定された第1の距離だけ前記中心軸から離間し、前記第2の点は前記遠位方向に対して垂直の方向で測定された第2の距離だけ前記中心軸から離間し、前記第1の距離は前記第2の距離よりも大きい、実施態様1に記載の締結装置。
(3) 前記位置は第1の位置であり、前記貫通孔は長手方向に前記上端部から遠ざかりかつ前記下端部に向かって延在し、前記内面は、1)前記内面上にある第2の位置で測定され、かつ2)前記長手方向に対して垂直の方向で測定される最小内径を画定し、前記第2の位置は前記長手方向に沿って測定された場合に、前記第2の位置が前記長手方向に沿って測定された場合に前記上端部に対するよりも、前記下端部に近い、実施態様1に記載の締結装置。
(4) 前記下端部は前記貫通孔が前記アンカー本体ハウジングから外に出る下開口部を画定し、前記アンカー本体は前記下開口部の全体を含む平面を画定し、前記締結具の前記ヘッドは第3の位置を画定した結果、前記締結具は前記第3の位置から前記遠位方向と反対の近位方向に配置された位置を全く含まず、前記締結装置は、前記第3の位置が前記上端部から第1の距離に配置され、前記下端部が前記上端部から第2の距離に配置され、前記第1の距離及び前記第2の距離がそれぞれ前記長手方向に沿って測定され、前記第1の距離が前記第2の距離よりも大きい構成を定める、実施態様3に記載の締結装置。
(5) 前記第1の直径は前記最小内径よりも大きい、実施態様3に記載の締結装置。
【0068】
(6) 前記上端部は前記貫通孔が前記アンカー本体ハウジングから外に出る上開口部を画定し、前記上開口部は前記長手方向に対して垂直の前記方向で測定された内径を画定し、前記内径は、前記第1の直径及び前記最小内径の両方よりも大きい、実施態様5に記載の締結装置。
(7) 1)全体が前記遠位方向と平行する平面内に位置し、かつ2)前記外面の前記一部分と接する全ての線は、1)全体が前記平面内に位置し、かつ2)前記凹状面と接する全ての線に対して非共線的である、実施態様1に記載の締結装置。
(8) 安定化機構を更に備え、前記安定化機構は、前記外面が前記内面と接触するように前記締結具が前記貫通孔内に挿入されると、前記安定化機構が前記締結具及び前記アンカー本体の相対的移動に抵抗する力を前記締結具に及ぼすように、前記貫通孔内に位置決めされるように構成されている、実施態様1に記載の締結装置。
(9) 前記安定化機構は、付勢部材を含み、前記付勢部材は、前記締結具の前記ヘッドが前記付勢部材に接触すると広がって、その結果、前記広がった付勢部材が前記締結具の前記外面に前記力を及ぼすように構成された、実施態様8に記載の締結装置。
(10) 前記アンカー本体は前記付勢部材を受容するように構成された凹部を画定し、その結果、前記付勢部材が前記凹部内に捕捉されている、実施態様9に記載の締結装置。
【0069】
(11) 脊椎ロッドを骨に固定するように構成された締結装置であって、前記締結装置は、
アンカー本体ハウジングを含むアンカー本体であって、前記アンカー本体は前記アンカー本体ハウジングを貫いて延在する貫通孔を画定し、前記アンカー本体は、前記脊椎ロッドを受容するように構成され、かつ前記貫通孔に対してオフセットされたロッド受容チャネルを更に画定し、前記アンカー本体は上端部、下端部、及び前記貫通孔の少なくとも一部分を画定する内面を更に含み、前記内面の少なくとも一部分は第1の球体の一部分を画定する、アンカー本体と、
ヘッド、前記ヘッドに対して遠位方向に延出するねじ付きシャフト、及び前記ヘッドと前記ねじ付きシャフトとの間を延在するネックを含む締結具であって、前記ヘッドは外面を含み、前記外面の少なくとも一部分は第2の球体の一部分を画定し、前記ヘッドは、前記ヘッドと前記ネックとの両方に沿って延在する前記締結具の凹状面を更に含む、締結具と、を備え、
前記締結装置は、1)前記外面の前記一部分が前記内面の前記一部分に沿って重なり、かつ2)前記凹状面の全体から前記遠位方向に離間した位置で前記アンカー本体が前記ネックに当接して、その結果、少なくとも1つの方向で前記締結具の前記アンカー本体に対する移動が阻止された構成を定める、締結装置。
(12) 前記締結具は前記遠位方向と平行する中心軸に沿って細長く、
前記外面の前記一部分は、前記外面の前記一部分の他の全ての点に対して前記遠位方向に位置決めされた第1の点を含み、
前記凹状面は、前記凹状面の他の全ての点に対して前記遠位方向と反対の近位方向に位置決めされた第2の点を含み、
前記第1の点は前記遠位方向に対して垂直の方向で測定された第1の距離だけ前記中心軸から離間し、前記第2の点は前記遠位方向に対して垂直の方向で測定された第2の距離だけ前記中心軸から離間し、前記第1の距離は前記第2の距離よりも大きい、実施態様11に記載の締結装置。
(13) 前記締結具は前記遠位方向と平行する中心締結具軸に沿って細長く、前記第2の球体は第1の直径を画定し、前記ネックは、前記中心締結具軸に対して垂直であり、かつ前記位置と交差する平面で測定された第2の直径を画定し、前記締結具は、前記第1の直径と前記第2の直径との比を約2対1〜約3対1の範囲で定める、実施態様11に記載の締結装置。
(14) 前記貫通孔は長手方向に前記上端部から遠ざかりかつ前記下端部に向かって延在し、前記内面の前記一部分は前記長手方向に沿って測定された場合に、前記内面の前記一部分が前記長手方向に沿って測定された場合に前記上端部に対するよりも、前記下端部に近い、実施態様11に記載の締結装置。
(15) 前記下端部は前記貫通孔が前記アンカー本体ハウジングから外に出る下開口部を画定し、前記位置は第1の位置であり、前記アンカー本体は前記下開口部の全体を含む平面を画定し、前記締結具の前記ヘッドは第2の位置を画定し、その結果、前記締結具は、前記第2の位置から前記遠位方向と反対の近位方向に配置された位置を全く含まず、前記締結装置が前記構成である時は、前記第2の位置は前記上端部から第1の距離に配置され、前記下端部は前記上端部から第2の距離に配置され、前記第1の距離及び前記第2の距離はそれぞれ前記長手方向に沿って測定され、前記第1の距離は前記第2の距離よりも大きい、実施態様14に記載の締結装置。
【0070】
(16) 前記第2の球体は第1の直径を画定し、前記位置は第1の位置であり、前記内面は、1)前記内面上にある第2の位置で測定され、かつ2)前記長手方向に対して垂直の方向で測定される最小内径を画定し、前記第1の直径は前記最小内径よりも大きい、実施態様14に記載の締結装置。
(17) 前記上端部は前記貫通孔が前記アンカー本体ハウジングから外に出る上開口部を画定し、前記上開口部は前記長手方向に対して垂直の前記方向で測定された内径を画定し、前記内径は前記第1の直径及び前記第2の直径の両方よりも大きい、実施態様16に記載の締結装置。
(18) 前記締結具は前記遠位方向と平行する中心締結具軸に沿って細長く、前記貫通孔は中心穴軸に沿った長手方向に前記上端部から遠ざかりかつ前記下端部に向かって延在し、前記締結装置が前記構成である時は、前記中心締結具軸は、45度を超える角度で前記中心穴軸から角度を付けてオフセットされる、実施態様11に記載の締結装置。
(19) 1)全体が前記遠位方向と平行する平面内に位置し、かつ2)前記外面の前記一部分と接する全ての線は、1)全体が前記平面内に位置し、かつ2)前記凹状面と接する全ての線に対して非共線的である、実施態様11に記載の締結装置。
(20) 安定化機構を更に備え、前記安定化機構は、前記外面が前記内面と接触するように前記締結具が前記貫通孔内に挿入されると、前記安定化機構が前記締結具及び前記アンカー本体の相対的移動に抵抗する力を前記締結具に及ぼすように、前記貫通孔内に位置決めされるように構成されている、実施態様11に記載の締結装置。
【0071】
(21) 前記安定化機構は、付勢部材を含み、前記付勢部材は、前記締結具の前記ヘッドが前記付勢部材に接触すると広がって、その結果、前記広がった付勢部材が前記締結具の前記外面に前記力を及ぼすように構成された、実施態様20に記載の締結装置。
(22) 前記アンカー本体は前記付勢部材を受容するように構成された凹部を画定し、その結果、前記付勢部材が前記凹部内に捕捉されている、実施態様21に記載の締結装置。
(23) 脊椎ロッドを骨に固定するように構成された締結装置であって、前記締結装置は、
アンカー本体ハウジングを含むアンカー本体であって、前記アンカー本体は前記アンカー本体ハウジングを貫いて延在する貫通孔を画定し、前記アンカー本体は、前記脊椎ロッドを受容するように構成され、かつ前記貫通孔に対してオフセットされたロッド受容チャネルを更に画定し、前記アンカー本体は上端部、下端部、及び内面を更に含み、前記内面は前記貫通孔の少なくとも一部分を画定する、アンカー本体と、
ヘッド、前記ヘッドに対して遠位方向に延出するねじ付きシャフト、及び前記ヘッドと前記ねじ付きシャフトとの間を延在するネックを含む締結具であって、前記ヘッドは凸状の外面を含み、前記凸状の外面の一部分は、前記締結具ヘッドが前記貫通孔内に配置されると、球体の一部分を画定して、かつ前記内面に沿って関節をなすように構成され、前記締結具は前記ヘッドと前記ネックとの両方に沿って延在する凹状面を含む、締結具と、を備え、
前記締結具は、1)全体が前記遠位方向と平行する平面内に位置し、かつ2)前記凸状の外面の前記一部分と接する全ての線が、1)全体が前記平面内に位置し、かつ2)前記凹状面と接する全ての線に対して非共線的となるように構成されている、締結装置。
(24) 前記貫通孔は長手方向に前記上端部から遠ざかりかつ前記下端部に向かって延在し、前記内面は前記内面上のアンカー位置で最小内径を画定し、その結果、前記アンカー位置は前記長手方向に沿って測定された場合に、前記アンカー位置が前記長手方向に沿って測定された場合に前記上端部に対するよりも、前記下端部に近くなる、実施態様23に記載の締結装置。
(25) 前記下端部は前記貫通孔が前記アンカー本体ハウジングから外に出る下開口部を画定し、前記アンカー本体は前記下開口部の全体を含む平面を画定し、前記締結具の前記ヘッドは締結具位置を画定して、その結果、前記締結具は前記締結具位置から前記遠位方向と反対の近位方向に配置された位置を全く含まず、前記締結装置は、前記締結具位置が前記上端部から第1の距離に配置され、前記下端部が前記上端部から第2の距離に配置され、前記第1の距離及び前記第2の距離がそれぞれ前記長手方向に沿って測定され、前記第1の距離が前記第2の距離よりも大きい構成を定める、実施態様23に記載の締結装置。
【0072】
(26) 前記球体は第1の直径を画定し、前記貫通孔は中心アンカー本体軸に沿って延在し、前記内面は、1)前記内面上の位置で測定され、かつ2)前記中心アンカー本体軸に対して垂直の方向で測定される最小内径を画定し、前記第1の直径は前記最小内径よりも大きい、実施態様23に記載の締結装置。
(27) 安定化機構を更に備え、前記安定化機構は、前記外面が前記内面と接触するように前記締結具が前記貫通孔内に挿入されると、前記安定化機構が前記締結具及び前記アンカー本体の相対的移動に抵抗する力を前記締結具に及ぼすように、前記貫通孔内に位置決めされるように構成されている、実施態様23に記載の締結装置。
(28) 前記安定化機構は、付勢部材を含み、前記付勢部材は、前記締結具の前記ヘッドが前記付勢部材に接触すると広がって、その結果、前記広がった付勢部材が前記締結具の前記外面に前記力を及ぼすように構成された、実施態様27に記載の締結装置。
(29) 前記アンカー本体は前記付勢部材を受容するように構成された凹部を画定し、その結果、前記付勢部材が前記凹部内に捕捉されている、実施態様28に記載の締結装置。
(30) 脊椎ロッドを骨に固定するように構成された締結装置であって、前記締結装置は、
アンカー本体ハウジング及び中心軸を含むアンカー本体であって、前記アンカー本体は前記中心軸に沿って前記アンカー本体ハウジングを貫いて延在する貫通孔を画定し、前記アンカー本体は、前記脊椎ロッドを受容するように構成され、かつ前記貫通孔に対してオフセットされたロッド受容チャネルを更に画定し、前記アンカー本体は上端部、前記上端部から第1の方向に離間した下端部、及び前記貫通孔の少なくとも一部分を画定する内面を更に含み、前記内面は、1)湾曲して、第1の直径を有する球体の一部分を画定する第1の部分と、2)円筒形であって、前記第1の直径以上である第2の直径を画定する第2の部分と、3)前記第1の直径及び前記第2の直径の両方よりも大きい第3の直径を画定する第3の部分と、を含み、前記第1の部分は前記第1の方向に関して、前記第3の部分が前記第1の方向に関して前記下端部に対するよりも、前記下端部に近く、前記第3の部分は前記第1の方向に関して、前記第2の部分が前記第1の方向に関して前記下端部に対するよりも、前記下端部に近い、アンカー本体と、
ヘッド及び前記ヘッドに対して延出するねじ付きシャフトを含む締結具であって、前記ヘッドは、前記締結具ヘッドが前記貫通孔内に挿入されると、前記内面の前記第1の部分に沿って関節をなすように構成された外面を含む、締結具と、を備える、締結装置。
【0073】
(31) 付勢部材を更に備え、前記付勢部材は、前記付勢部材が前記第1の方向に対して垂直の第2の方向に沿って前記第3の部分と整列するように、前記貫通孔内に挿入されて配置されるように構成された、実施態様30に記載の締結装置。
(32) 前記付勢部材は、前記貫通孔内に挿入されると前記中心軸に面する内面を含むスプリットリングであり、前記スプリットリングは、前記内面上の第1の点から、前記中心軸を通って、前記内面上の第2の点まで、前記第2の方向で測定される第4の直径を画定し、前記スプリットリングが非付勢状態である時は、前記第4の直径は、前記第1の直径、前記第2の直径、及び前記第3の直径のそれぞれよりも小さい、実施態様31に記載の締結装置。
(33) 前記スプリットリングは、前記スプリットリングが前記貫通孔内に挿入されると前記中心軸の反対に面する外面を含み、前記スプリットリングは、前記外面上の第1の点から、前記中心軸を通って、前記外面上の第2の点まで、前記第2の方向で測定される第5の直径を画定し、前記スプリットリングが非付勢状態である時は、前記第5の直径は、1)前記第1の直径よりも大きく、2)前記第2の直径よりも大きく、3)前記第3の直径よりも小さい、実施態様32に記載の締結装置。
(34) 前記球体は第1の球体であり、前記ねじ付きシャフトは前記ヘッドに対して遠位方向に延出し、前記締結具は前記ヘッドと前記ねじ付きシャフトとの間を延在するネックを含み、前記外面の少なくとも一部分は凸状であって第2の球体の一部分を画定し、前記第2の球体は第1の締結具の直径を画定し、前記締結具は前記ヘッドと前記ネックとの両方に沿って延在する凹状面を含み、前記ネックは、1)前記遠位方向に対して垂直の方向で、かつ2)前記凹状面全体の前記遠位方向に離間した位置で測定される第2の締結具の直径を画定し、前記締結具は、前記第1の締結具の直径と前記第2の締結具の直径との比を約2対1〜約3対1の範囲で定める、実施態様30に記載の締結装置。
(35) 前記締結具は前記遠位方向と平行する中心軸に沿って細長く、
前記外面の前記一部分は、前記外面の前記一部分の他の全ての点に対して前記遠位方向に位置決めされた第1の点を含み、
前記凹状面は、前記凹状面の他の全ての点に対して前記遠位方向と反対の近位方向に位置決めされた第2の点を含み、
前記第1の点は前記遠位方向に対して垂直の方向で測定された第1の距離だけ前記中心軸から離間し、前記第2の点は前記遠位方向に対して垂直の方向で測定された第2の距離だけ前記中心軸から離間し、前記第1の距離は前記第2の距離よりも大きい、実施態様34に記載の締結装置。
【0074】
(36) 前記位置は第1の位置であり、前記貫通孔は長手方向に前記上端部から遠ざかりかつ前記下端部に向かって延在し、前記内面は、1)前記内面上にある第2の位置で測定され、かつ2)前記長手方向に対して垂直の方向で測定される最小内径を画定し、前記第2の位置は前記長手方向に沿って測定された場合に、前記第2の位置が前記長手方向に沿って測定された場合に前記上端部に対するよりも、前記下端部に近い、実施態様35に記載の締結装置。