【文献】
SUPERFRUIT PROBIOTIC + PREBIOTIC ENHANCED BEVERAGE,GNPD MINTEL,2015年09月30日,http://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/3448303/from_search/dTVzilsVw9/?page=1,ACCESSION NO. 3448303
【文献】
Clinical and Experimental Immunology, 2011, Vol.165, pp.94-103
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する少なくとも1つの細菌株及びストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する少なくとも1つの細菌株を含む或いはそれらからなる混合物を含む組成物であって、運動後のパフォーマンスの低下を緩和又は低減又は排除するための組成物であり、ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する前記細菌株が、DSMZ InstituteにNo.DSM 16604で寄託されている細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03であり、ストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する前記細菌株が、DSMZ InstituteにNo.DSM 18616で寄託されている細菌株ストレプトコッカス・サーモフィルスFP4である、組成物。
細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベ及びストレプトコッカス・サーモフィルスが、1:1、又は2:1、又は3:1、又は4:1、又は1:2、又は1:3、又は1:4の質量比で存在する、請求項1又は2に記載の組成物。
細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03(DSM 16604)及びストレプトコッカス・サーモフィルスFP4(DSM 18616)が、好ましくは1:1の質量比で及び/又は好ましくは各菌株が5×109CFU/gの量で存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態を、例として、したがって本発明の範囲を限定することなく、以下に詳細に説明する。
【0015】
本発明との関連において、本発明の組成物とは、医薬組成物、医療機器用の組成物、補助製品用の組成物並びに食品組成物、栄養補助組成物及び機能性組成物を包含するよう意図される。
【0016】
本出願人は、筋損傷を招く可能性がある、運動後のスポーツパフォーマンス低下の緩和又は低減又は排除に使用するための、ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する少なくとも1つの細菌株及びストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する少なくとも1つの細菌株を含む或いはそれらからなる混合物を含む組成物を開発した。
【0017】
本発明の対象であるビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する細菌株は、適切なTh1/Th2比(バランス)を起こさせ且つ再確立するために、抗炎症効果プロ-Th2を発揮するインターロイキン10(IL-10)の合成を誘発するそれらの能力により選択される。
【0018】
本発明の対象であるストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する細菌株は、適切なTh1/Th2比(バランス)を起こさせ且つ再確立するために、ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する細菌株と共に、炎症誘発効果プロ-Th1を発揮するインターロイキン6(IL-6)の低減/減少を誘発するそれらの能力により選択される。
【0019】
本出願人は、ラクトバチルス属及びビフィドバクテリウム属に属する一部の種を正確に選択し、いくつかの試行の後に、ビフィドバクテリウム・ブレベ種及びストレプトコッカス・サーモフィルス種の検出に成功した。
【0020】
有利なことに、ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する多数の細菌株の中で、Anidral Srl社(現在Probiotical SpA社)によって2004年7月20日に寄託された細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03(DSM 16604)が抗炎症性サイトカインであるIL-10の増加を誘発する点で非常に興味深いことが示された。本発明の対象である選択されたビフィドバクテリウム・ブレベの細菌株、特に、細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03は、Tヘルパーリンパ球の顕著な増加及びTh2サイトカイン(IL-10及びIL-4)の分泌を誘発し、Th1/Th2バランスのTh2応答へのシフトに起因する、注目に値する抗炎症性も有する。
【0021】
有利なことに、ストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する多数の細菌株の中で、Mofin Srl社によって2006年9月13日に寄託された細菌株ストレプトコッカス・サーモフィルスFP4(DSM 18616)が炎症性サイトカインであるIL-6の低減を誘発する点で非常に興味深いことが示された。本発明の対象である選択されたストレプトコッカス・サーモフィルスの細菌株、特に、ストレプトコッカス・サーモフィルスFP4 (DSM 18616)は、Th1/Th2バランスをTh1応答にシフトさせる、サイトカインTh1(IL-6)の分泌の顕著な低減を誘発する。
【0022】
有利なことに、細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03(DSM 16604)及び細菌株ストレプトコッカス・サーモフィルスFP4(DSM 18616)を含むか、或いはそれからなる混合物を含む本発明の組成物の補給は、炎症反応を減じることにより炎症を低減すること及び運動後のパフォーマンスの低下を緩和することが可能である。2つの細菌株は、混合物中に1:1、又は2:1、又は3:1、又は4:1、又は1:2、又は1:3、又は1:4の質量比で存在する。
【0023】
本発明の組成物は、添加剤、矯味矯臭剤、pH安定剤及び賦形剤又は医薬品若しくは食品グレードの成分を更に含むことができる。
【0024】
細菌株は、例えば腸レベルでの、摂取及び吸収の両方に有利に働くように、脂質層、例えば植物性脂質層でコーティング、カプセル化又はフィルム被覆することができる。ビフィドバクテリウム・ブレベ種及びストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する前記細菌株は、本発明による組成物の総質量に対して、1×10
6〜1×10
11CFU/g、好ましくは1×10
7〜1×10
10CFU/g、更に好ましくは1×10
8〜1×10
9CFU/gの濃度で存在する。
【0025】
本発明の対象は、細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03(DSM 16604)及びストレプトコッカス・サーモフィルスFP4(DSM 18616)を、1:1の質量比で含むか、或いはそれからなる組成物である。
【0026】
有利なことに、本発明の組成物は、筋線維を損傷する長期間の運動の場合に効果的に使用される。
【0027】
有利なことに、前記組成物は、治療的に使用できる、即ち、筋傷害を経験した又はそのリスクがある対象において治療的に使用できるか、或いは非治療的に使用できる、即ち、特定の病態を患っておらず且つそれに罹患する特定のリスクがない対象のために非治療的に使用できる。
【0028】
本発明の対象は、筋傷害さえも引き起こし得る、運動後のパフォーマンスの低下を緩和又は低減又は排除するための、ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する少なくとも1つの細菌株及びストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する少なくとも1つの細菌株を含む或いはそれらからなる混合物を含む組成物の非治療的使用であって、筋損傷も惹起し得る運動を行った対象への前記組成物の経口投与を含む、使用である。
【0029】
有利なことに、前記使用は非治療的目的であり、即ち、特に筋系を冒す疾患又は障害の、このような疾患若しくは障害を患っている及び/又はそれに罹患するリスクがある対象における治療的又は予防的処置には関係しない。
【0030】
本発明による使用における好ましい一実施形態において、組成物は、DSMZ InstituteにNo.DSM 16604で寄託されている細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03である、ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する細菌株、及び/又はDSMZ InstituteにNo.DSM 18616で寄託されている細菌株ストレプトコッカス・サーモフィルスFP4である、ストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する細菌株を含む。
【0031】
本発明による使用における好ましい一実施形態において、組成物は、ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する細菌株、例えば、DSMZ InstituteにNo.DSM 16604で寄託されている細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03、及びストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する細菌株、例えば、DSMZ InstituteにNo.DSM 18616で寄託されている細菌株ストレプトコッカス・サーモフィルスFP4を含み、これらは、1×10
6〜1×10
11CFU/g、好ましくは1×10
7〜1×10
10CFU/g、更に好ましくは1×10
8〜1×10
9CFU/gの濃度で存在する。
【0032】
本発明による使用における好ましい一実施形態において、組成物は、ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する細菌株、例えば、DSMZ InstituteにNo.DSM 16604で寄託されている細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03、及びストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する細菌株、例えば、DSMZ InstituteにNo.DSM 18616で寄託されている細菌株ストレプトコッカス・サーモフィルスFP4を含み、これらは、1:1、又は2:1、又は3:1、又は4:1、又は1:2、又は1:3、又は1:4、好ましくは1:1の質量比で存在する。
【0033】
好ましい一実施形態において、前記細菌株はカプセル化された形態である、即ち、少なくとも1層の脂質層がコーティングされている。非限定的な一例として、前記脂質層は、植物起源のものであることができ且つ/又は40℃から60℃の融点を有することができる。
【0034】
本発明による使用における好ましい一実施形態において、組成物は、細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03(DSM 16604)及びストレプトコッカス・サーモフィルスFP4(DSM 18616)を含み、前記菌株は、より好ましくは1:1の質量比であり、より好ましくは前述の脂質層でコーティングされている。
【0035】
本発明による使用における好ましい一実施形態において、組成物は、トレーニング及びスポーツの実践中の運動を有利に向上させる。
【0036】
本発明による使用における好ましい一実施形態において、運動は、筋線維及び/又は筋系全般を損傷する労作をもたらす、激しく長期間のスポーツ活動である。
【0037】
或いは、組成物は、治療的に使用でき、即ち、筋組織を損傷する潜在的可能性がある労作を行った対象において、筋損傷を軽減又は予防するために治療的に使用できる。
【0038】
本発明の対象は、ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する少なくとも1つの細菌株及びストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する少なくとも1つの細菌株を含む或いはそれらからなる混合物を含む組成物であって、筋肉痛、筋痛、筋炎、筋疲労及び/又は筋変性の治療的及び/又は予防的処置における、欠乏対象における筋エネルギー量の増加又はミトコンドリア機能の改善での使用のための組成物である。
【0039】
本発明による使用のための組成物における好ましい一実施形態において、ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する前記細菌株は、DSMZ InstituteにNo.DSM 16604で寄託されている細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03であり、且つ/又はストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する前記細菌株は、DSMZ InstituteにNo.DSM 18616で寄託されている細菌株ストレプトコッカス・サーモフィルスFP4である。
【0040】
本発明による使用のための組成物における好ましい一実施形態において、ビフィドバクテリウム・ブレベ種及びストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する前記細菌株は、1×10
6〜1×10
11CFU/g、好ましくは1×10
7〜1×10
10CFU/g、更に好ましくは1×10
8〜1×10
9CFU/gの濃度で存在する。
【0041】
本発明による使用のための組成物における好ましい一実施形態において、前記細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベ及びストレプトコッカス・サーモフィルスは、1:1、又は2:1、又は3:1、又は4:1、又は1:2、又は1:3、又は1:4の質量比で存在する。
【0042】
好ましい一実施形態において、前記細菌株はカプセル化された形態である、即ち、少なくとも1層の脂質層がコーティングされている。非限定的な一例として、前記脂質層は、植物起源のものであることができ且つ/又は40℃から60℃の融点を有することができる。
【0043】
本発明による使用のための組成物における好ましい一実施形態において、前記細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03(DSM 16604)及びストレプトコッカス・サーモフィルスFP4(DSM 18616)は、好ましくは1:1の質量比であり、より好ましくは前述の脂質層でコーティングされている。
【0044】
好ましい一実施形態において、本発明による使用のための前記組成物は、免疫系による全免疫反応を向上させる。
【0045】
好ましい一実施形態において、本発明による使用のための前記組成物は、免疫系による全炎症反応を低減する。
【0046】
好ましい一実施形態において、本発明による使用のための前記組成物は、Th1/Th2バランスをTh2応答にシフト可能である。
【0047】
本発明の対象は、以下の好ましい実施形態(PE1-10)である:
PE1. ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する少なくとも1つの細菌株及びストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する少なくとも1つの細菌株を含む或いはそれらからなる混合物を含む組成物であって、筋肉損傷性運動後のパフォーマンス低下の緩和又は低減又は排除に使用するための組成物。
PE2. ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する前記細菌株が、DSMZ InstituteにNo.DSM 16604で寄託されている細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03である、PE1に記載の使用のための組成物。
PE3. ストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する前記細菌株が、DSMZ InstituteにNo.DSM 18616で寄託されている細菌株ストレプトコッカス・サーモフィルスFP4である、PE1又は2に記載の使用のための組成物。
PE4. 運動が、筋線維及び/又は筋系全般を損傷する労作をもたらす、激しく長期間のスポーツ活動である、PE1から3のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
PE5. ビフィドバクテリウム・ブレベ種及びストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する細菌株が、1×10
6〜1×10
11CFU/g、好ましくは1×10
7〜1×10
10CFU/g、更に好ましくは1×10
8〜1×10
9CFU/gの濃度で存在する、PE1から4のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
PE6. 細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03(DSM 16604)及びストレプトコッカス・サーモフィルスFP4(DSM 18616)が、1:1、又は2:1、又は3:1、又は4:1、又は1:2、又は1:3、又は1:4の質量比で存在する、PE1から5のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
PE7. 免疫系による全免疫反応を向上させる、PE1から6のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
PE8. 免疫系による全炎症反応を低減する、PE1から6のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
PE9. トレーニング及びスポーツの実践中の運動を改善する、PE1から6のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
PE10. Th1/Th2バランスをTh2応答にシフト可能である、PE1から6のいずれか1つに記載の使用のための組成物。
【0048】
本発明の実際的な実施形態を説明するために以下の実施例を提供するが、これらが本発明の趣旨を限定することを望むものではない。
【0049】
実験部
1.概要
筋肉損傷性運動の激しい期間後の炎症反応とその後のパフォーマンスに対する、細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03(DSM 16604)及びストレプトコッカス・サーモフィルスFP4(DSM 18616)をベースとする混合物を含む本発明の組成物の効果を判定するために、反復無作為化二重盲検プラセボ対照二元測定を使用した。本発明による組成物は炎症を低減し、トレーニングへのより大きい適応及びスポーツパフォーマンスのその後の増加を可能にする。筋肉損傷性運動の激しい期間後の炎症と筋肉パフォーマンスに対する、前記組成物の摂取効果を研究した。
【0050】
肘屈筋を損傷する運動を行う前に(21日間)、カプセル化された形態の細菌株を含む組成物を毎日摂取した、筋肉トレーニングを受けた16才健常男性(25才±4才、177.9±8.5cm、81.1±10.3kg)に対して、無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー法を適用した。前記組成物は、ビフィドバクテリウム・ブレベBR03(DSMZ 16604) 5×10
9CFU/g及びストレプトコッカス・サーモフィルスFP4(DSMZ 18616) 5×10
9CFU/g(PRO)又はプラセボ(PLA)を含有するものであった。
【0051】
肘屈筋のパフォーマンス及び炎症マーカー(インターロイキン-6)を、筋肉損傷性運動の前後に測定した。21日間のウォッシュアウト期間により、条件を隔てた。結果を定義するための標準化された大きさベースの推定を使用した。
【0052】
目的の従属変数に対する治療及び時間の両方の効果を、混合モデルANOVAにより、SPSS V.22(IBM Corporation社;Armonk、NY)を用いて評価した。大きさベースの推定のためのアプローチを使用した。このアプローチにより、考慮される結果の最小有意変化に対する精度(信頼区間の幅)に関連する大きな標本の影響の程度の推定に関する問題を解決することが可能になる。
【0053】
結果は有利なことに、ビフィドバクテリウム・ブレベBR03(DSMZ 16604) 5×10
9CFU/g及びストレプトコッカス・サーモフィルスFP4(DSMZ 18616) 5×10
9CFU/gを含有する、細菌株がカプセル化された形態(菌株は、40〜60℃の融点を有する植物起源の単一脂質コーティングがコーティングされている)の、本発明の対象である組成物を摂取すると、平均ピークトルクによって測定される、運動後24時間(効果量[ES]=0.3)、48時間(ES=0.5)及び72時間(ES=0.3)におけるパフォーマンスの低下が緩和されたことを示している。前記組成物は、全抗炎症効果(ES=0.5)を示した。
【0054】
有利なことに、前記試験組成物の補給は、筋肉損傷性運動の激しい期間後のパフォーマンスの低下及びその後の炎症を緩和する。本発明の組成物は、筋肉損傷性運動の激しい期間後に典型的に観察される、運動後のパフォーマンスの低下を緩和又は低減又は排除すること並びに関連炎症反応を減少させることが可能であり、これらはインターロイキン-6(IL-6)によって測定される。
【0055】
2.対象
この研究の組み入れ基準は以下を含むものであった:(1)試験前の1年間、体系的な筋肉トレーニングに参加していること;(2)試験前の6週間は、栄養補助製品又はエルゴジェニックエイドを控えていること;及び(3)前月は、抗炎症薬を控えていること。
【0056】
この研究は、ヘルシンキ宣言のガイドラインに従って実施され、ClinicalTrials.gov:NCT02520583に登録されたものである。
【0057】
ヒト対象を含む全ての手順は、Texas Christian UniversityのInstitutional Review Boardによって、研究へのヒト対象の使用が承認されたものである(プロトコールNo.1501-009-1502)。対象は全て、同意書を提示した。
【0058】
3.実験的プロトコール
筋損傷を伴うトレーニングセッション後の、その後のパフォーマンス及び急性炎症反応に対する、プロバイオティクス菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03及びストレプトコッカス・サーモフィルスFP4の1回目の投与の効果を判定するための無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー研究設計を使用した。実験的試験の前に、基礎血液試料を空腹対象から採取してから、補助製品として、先行する投薬レジメン研究に基づき、ストレプトコッカス・サーモフィルスFP4(DSMZ 18616)の生細胞50億(AFU)とビフィドバクテリウム・ブレベBR03(DSMZ 16604)の生細胞50億(AFU)(Probiotical S.p.A.社、Novara、Italy;Probiotic)の混合物を含むプロバイオティクス組成物、又はプラセボのいずれかを21日間経口摂取するように無作為に割り付けた。
【0059】
この研究の材料は、Biolab Research S.r.l.社(Novara、イタリア)によって、フローサイトメトリー(ISO 19344:2015 IDF 232:2015によって標準化され、Accredia(ローマ、イタリア)によって認証されたBiolab Research法612-04、生細胞100億超)及びプレートカウント法(Biolab Research法031-08、100億CFU超)で分析し、標的細胞の数を確認した。
【0060】
実験的試験の少なくとも72時間前に、対象を、実験的評価(等尺性強度)の手順に慣れさせた。
【0061】
1回目の実験的試験は、プロバイオティクス又はプラセボの投与開始の少なくとも21日後に開始した。対象には、試験前72時間はあらゆる非日常的な生活活動を控えるように指示した。
【0062】
更に、対象には、研究手順を妨げる可能性のあるあらゆる食物を控えるように指示した。実験的試験の日に、少なくとも8時間絶食している対象を、複数回の採血を可能にする手段としてカテーテルを挿入するために仰臥位に寝かせた。基礎血液試料を採取後、ウォーミングアップ前に対象の上腕周囲、可動域及び疼痛を評価し、続いて等尺性強度を決定した。
【0063】
次いで、対象は、筋損傷を引き起こすことが知られている肘屈筋の伸張性運動のセッションを行った。最初の肢は無作為に選択した。伸張性運動の直後に、第2の血液試料を採取し、等尺性強度を再び決定した。したがって、対象は60分間仰臥位に寝かせた。血液試料は、伸張性運動のセッションの30分後及び60分後に得た。運動の1時間後に、上腕周囲、可動域及び疼痛を再び評価した。
【0064】
対象を伸張性運動のセッションの24時間後、48時間後及び72時間後に採血並びに上腕周囲、可動域及び疼痛の評価、それに続く等尺性強度の決定のために再検査した。21日間のウォッシュアウト後、対象は、対側肢を使用して、以前に摂取したものに代わる補助製品(即ち、以前にプラセボを投与された者は、第2のセッションでプロバイオティクスを摂取し、逆の場合も同じとした)を投与する実験的プロトコールを繰り返した。
【0065】
3.1等尺性ピーク
肘屈筋の最大随意等尺性ピークトルクを、等速性筋力測定器(Biodex System 3、Shirley、NY、USA)で90°の関節角度で測定した。最大等尺性トルクを決定する前に、対象は、2つの異なる速度(それぞれ90°s
-1及び60°s
-1)で60°から180°への3回反復の2セットのウォーミングアップを行い、セット間に30秒間休息した。次いで、対象は、試験間の30秒間の休息によって隔てられる、それぞれ4秒間の、肘屈筋の最大等尺性トルクの試験を2回行った。最大労作の達成を励ますために、運動の全体を通じて、口頭による励ましと力のリアルタイム表示を行った。
【0066】
3.2伸張性運動プロトコール
ウォーミングアップ及び等尺性強度の決定に続いて、対象は、30°s
-1の速度で10回の最大伸張性収縮(強制伸展)を5セット行った。60°から180°への強制伸張性収縮の終了毎に、研究スタッフは腕を10°s
-1(12秒)の速度で出発位置に戻し、対象が求心性収縮を行わないようにした。セットは1分間隔とし、運動全体にわたって対象を励ました。同一対象を含む全ての研究には、同一研究技術者を割り当てた。
【0067】
3.3血液検査
伸張性運動セッションの日に、カテーテルを挿入するために、対象を仰臥位に寝かせた。その領域を標準採血法に従って滅菌し、カテーテル(BD Biosciences社、サンノゼ、CA、USA)を前肘静脈に挿入し、複数回の採血のためにキャップした。カテーテルは、採血部位に注入される0.9%塩化ナトリウム(G-Biosciences社、St. Louis、MO、USA)を2〜3mlを流すことによって開存性に保った。
【0068】
カテーテルからの各採血前に、廃棄すべき試料を採取するために、3mL Vacutainer(BD Biosciences社、San Jose、CA、USA)を使用した。血液試料は、伸張性運動セッションのパフォーマンスの前であって、試験組成物の投与開始前及び21日後に得る。その後、血液は、運動直後並びに30分後及び60分後に採取した。血液試料は、運動後24時間、48時間及び72時間にも採取した。血液試料は、10mL EDTAチューブ(BD Biosciences社、San Jose、CA、USA)中に収集した。
【0069】
血液試料を、収集から30分までに冷却遠心機(4℃)中で2000×gで20分間遠心分離した。次いで、血漿アリコートを直ちに移して、更なる分析まで-80℃で凍結させた。血漿試料は、ヒトIL-6高感度ELISA Kit(R&D Systems社、Minneapolis、MN、USA)を用いてIL-6濃度について分析した。この試験の検出範囲は、0.156pg.mL
1〜10pg.mL
1であった。各試験のアッセイ間及びアッセイ内変動係数は10%未満であった。
【0070】
3.4データの提示及び変換
生データは、平均及び標準偏差として提示する。視覚的アナログ尺度データ以外のデータは全て、誤差の不均一性に対処するために、分析前に対数変換した。治療効果及び結果に対する治療×時間を、混合モデル分散分析(Proc Mixed、SAS 9.4、Cary、NC、USA)によって、主題項目をランダム効果として評価した。対数変換分析の推定値を、逆ログ変換最小二乗平均又は調整幾何平均として、不確かさ(90%信頼区間、CI)と共に示した。
【0071】
3.5統計的推定
推定に関しては、大きさベースのアプローチを使用した。実験的モデルにおけるパフォーマンスを実際のパフォーマンス力に数値変換することは知られていないが、等尺性トルクを原理証明を検討するための研究設計とした。したがって、最小の標準化差異を、主要な及び関連する機構的結果に関する最小の主変化と考えた。この場合、最小変化の大きさ閾値は、Glassのd 標準化差異(0.2×対照条件のベースラインSD)であった。
【0072】
コントラストが相対閾値より少なくとも大きい尤度は、低尤度の場合25%〜75%、確からしい場合75%〜95%、非常に確からしい場合95%〜99.5%、ほとんど確実な場合99.5%超であった。信頼区間(IC)の大半(>50%)が正と負の実体の閾値間で起こった場合、その効果は些細である(無視できる)とスコア化された。有益である、些細である及び有害であるという用語は、最小効果閾値に対して方向性が最も確からしい結果に関連する。不明という用語は、尤度が利益及び損傷の両方について5%より大きい結果に関連する。
【0073】
3.6等尺性ピークトルク
21日間の補給後、平均ピークトルクは、プロバイオティクス後はプラセボに比較して有意に低かった(13.8%; 90% CI 25.4、3.3%)(
図5a)。いずれの条件下においても、運動後にパフォーマンスの低下が観察された。これは、損傷を誘発するプロトコールの有効性を証明している。
【0074】
本発明による組成物の投与は、有害な身体活動後24時間及び72時間における最大平均等尺性トルクの発生を運動前と比較して有意に向上させた(
図5b、プロバイオティックス-プラセボ効果及び90% CI、有益/些細/無害の尤度%:
24時間、11% 90% CI 17.4%、92.5/7.4/048;
48時間、12% 90% CI 19.55%、96.5/3.5/0;
72時間、8% 90% CI 15.0%、77.3/22.4/0.3)。
【0075】
図5aは、運動の伸張性負荷の前及び運動の伸張性負荷後72時間の間における、平均等尺性ピークトルクに対するプロバイオティクス及びプラセボの21日間投与の効果を示している。
図5bは、基礎値(伸張性運動前)に対して調整されたスコアでの、プロバイオティクスとプラセボの差を示している。
図5aのデータは、生の平均値及びSDである。
図5bのデータは、プラセボの百分率としてのプロバイオティクス-プラセボ効果、及び混合モデル分散分析に由来する90%信頼区間である。
【0076】
水平な点線は、標準化差異の最小閾値(+4.5%)であり、一方、実質的な変化の尤度は、**=確からしい;***=非常に確からしいによって表されるコントラストよりも上に含まれ;星のない結果は不確定又は不明である。
【0077】
4.考察
本研究の主な知見は、本発明によるプロバイオティクスの21日間投与は、筋肉損傷を引き起こす又は引き起こす可能性がある運動セッション後のパフォーマンス低下を緩和することであった。
【0078】
本発明によるプロバイオティクスの投与は、プラセボと比較して大きい休息時の腕角度をもたらす。本発明によるプレバイオティクスの投与は、24時間及び48時間においてプラセボと比較して休息時の腕角度を実際に増加させることが実証された。
【0079】
本発明によるプロバイオティクスの21日間の投与後にIL-6濃度は減少するが、プラセボでの増加は観察されなかった。
【0080】
本研究のデータから、タンパク質の同時投与を行わないプレバイオティクスの投与により、伸展の伸張性収縮後数日の回復日の間においてプラセボと比較して大きい等尺性ピークトルクが観察されたので、筋肉パフォーマンスの低下は緩和されることがわかる。したがって、本発明による組成物により、プレバイオティクスの投与単独で筋肉パフォーマンスの低下が緩和されることが初めて示されたことになる。
【0081】
図1、2、3及び4に具体的に言及する。
【0082】
肘の等尺性屈曲中における、ピークトルク(
図1)、平均ピークトルク(
図2)、及び体重に対する平均ピークトルク(
図3)の変化百分率を以下に示す。最小実質的変化の閾値は、ベースラインSD
between×0.2として算出した。尤度は、プラセボ(PLA)に対する記号(+)の出現の増加として示されている:+ 可能性がある、++ 確からしい、+++ 非常に確からしい、++++ 最高尤度。データは全て、平均値である。
【0083】
力を発生する能力の約30%の低減は、必要な応答の刺激における、筋肉を損傷するプロトコールの有効性を明確に示している。試験組成物の補給(p=0.199)は、筋肉損傷性運動後、強度が強い運動期間の24時間後に観察されるパフォーマンスの低下を緩和した(
図1)。平均ピークトルクの場合、24時間(p=0.111)、48時間(p=0.046)及び72時間(p=0.194)における有益性が観察された。同様に、体重に対する平均ピークトルクは、24時間(p=0.117)、48時間(p=0.050)及び72時間(p=0.198)において試験組成物の補給による有益性を示した。
【0084】
炎症は、筋肉損傷性運動の激しい期間後におけるIL-6の変化によって評価した。しかし、試験組成物は全炎症反応を減少させる効果を有するので、IL-6を補給期間前のベースラインにおいて検討した。実際に、前記プロバイオティクス細菌株が補給された対象におけるベースラインからの変化百分率(-10%)が、プラセボ後の増加(24%)と比較して減少したことからわかるように、細菌株ビフィドバクテリウム・ブレベBR03(DSMZ 16604)及びストレプトコッカス・サーモフィルスFP4(DSMZ 18616)の補給は、IL-6に対する低減効果を示した。更に、プラセボとプロバイオティクスとの、IL-6の変化百分率の差(コントラスト)は、筋肉損傷性運動後30分(p=0.054)、60分(p=0.056)及び48時間(p=0.124)では確からしかったが、24時間後では恐らくもっと低かった(p=0.015)。
【0085】
5.結論
健常対象及び筋肉トレーニングを受けた対象における、本発明によるプロバイオティクスの21日間投与により、筋肉損傷性運動セッション後のパフォーマンス及び可動域の低下が緩和される。これらのデータは、トレーニングを受けていない又は十分なトレーニングを受けていない対象においても、本発明によるプロバイオティクスの経口投与が、激しい身体的労作後におけるパフォーマンスの回復に役立ち得ることを示唆している。
【0086】
前記から、結果として、ビフィドバクテリウム・ブレベ種に属する少なくとも1つの細菌株及びストレプトコッカス・サーモフィルス種に属する少なくとも1つの細菌株を含む或いはそれらからなる混合物を含む本発明の組成物は、筋肉損傷性運動後に観察されるパフォーマンスの低下を緩和する。この効果は、補給後のIL-6の低下によって確認されるように、全炎症の低減による。
【0087】
パフォーマンスの観点から、高レベルトレーニング期間に参加する選手は、感染に対抗する免疫系の能力を低下させることが知られている。本発明の組成物の補給は有利なことに、1)全免疫反応の改善、したがって、2)トレーニング中におけるパフォーマンスの向上につながり、それによって3)競技中により良好なパフォーマンスを得ることができる。更に、このパイロット研究に示されるように、本発明の対象である選択された細菌株の補給により全炎症反応を低減できるので、得られた結果は更なる健康及びプラス効果を伴う。高IL-6は、肥満関連疾患においても起こることが知られている慢性炎症状態下で認められる。