特許第6965263号(P6965263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6965263管状の音響導波管セグメントを備えた超音波外科器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965263
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】管状の音響導波管セグメントを備えた超音波外科器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
   A61B17/32 510
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-550660(P2018-550660)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
(65)【公表番号】特表2019-502512(P2019-502512A)
(43)【公表日】2019年1月31日
(86)【国際出願番号】US2016066473
(87)【国際公開番号】WO2017112473
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年12月13日
(31)【優先権主張番号】14/976,047
(32)【優先日】2015年12月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハウザー・ケビン・エル
【審査官】 安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−545536(JP,A)
【文献】 特表2010−535088(JP,A)
【文献】 特開平09−038099(JP,A)
【文献】 特表2001−502216(JP,A)
【文献】 特表2007−510507(JP,A)
【文献】 特表2015−516231(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/164193(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0320437(US,A1)
【文献】 特開2005−066316(JP,A)
【文献】 特開2008−289876(JP,A)
【文献】 特表2009−511206(JP,A)
【文献】 米国特許第05358505(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00−17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延在し、音響導波管を備えるシャフトアセンブリと、
(d)前記音響導波管と音響的に連通している超音波ブレードを備えるエンドエフェクタと、を備え、前記超音波ブレードが、ある材料又は材料の組み合わせでできた中実のコアシャフトによって画成され、
前記音響導波管の少なくとも一部が、前記中実のコアシャフトに連結された中空の管状部材を含み、
前記中空の管状部材が、複数の長手方向に離間配置された環状溝部を含む、超音波器具。
【請求項2】
前記中空の管状部材が、前記超音波ブレードに着脱可能に連結されている、請求項1に記載の超音波器具。
【請求項3】
前記中空の管状部材及び前記超音波ブレードが、互いに着脱可能に連結されたときに接合部を画成し、前記接合部が、前記音響導波管を通して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置する、請求項2に記載の超音波器具。
【請求項4】
前記中空の管状部材に対して近位に位置付けられた接続部分を更に備え、前記接続部分が、前記音響導波管をトランスデューサに音響的に連結するように構成されている、請求項2に記載の超音波器具。
【請求項5】
前記接続部分が、前記中空の管状部材に着脱可能に連結されている、請求項4に記載の超音波器具。
【請求項6】
前記接続部分及び前記超音波ブレードが各々、対向する端部で前記中空の管状部材にネジ止めにより連結されている、請求項5に記載の超音波器具。
【請求項7】
前記接続部分が第1の雄ネジ付き部分を画成し、前記超音波ブレードが第2の雄ネジ付き部分を画成し、前記中空の管状部材が、その第1の端部で第1の雌ネジ付き部分を画成し、前記中空の管状部材が、その第2の端部で第2の雌ネジ付き部分を画成し、前記第1の雄ネジ付き部分が、前記第1の雌ネジ付き部分をネジ止めにより係合するように構成され、前記第2の雄ネジ付き部分が、前記第2の雌ネジ付き部分をネジ止めにより係合するように構成されている、請求項6に記載の超音波器具。
【請求項8】
前記ネジ付き部分のうちの少なくとも1つが、前記音響導波管を通して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに位置付けられている、請求項7に記載の超音波器具。
【請求項9】
前記中空の管状部材が第1の端部及び第2の端部を含み、前記中空の管状部材が、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する連続的な管腔を画成する、請求項1に記載の超音波器具。
【請求項10】
前記複数の長手方向に離間配置された環状溝部が、第1の環状溝部及び第2の環状溝部を含み、前記1の環状溝部の前記長手方向に沿った長さが、前記2の環状溝部の前記長手方向に沿った長さよりも長い、請求項1に記載の超音波器具。
【請求項11】
前記音響導波管が、長手方向に離間配置された複数の対向するノッチを含む、請求項1に記載の超音波器具。
【請求項12】
前記エンドエフェクタがクランプアームを更に備え、前記クランプアームが、前記超音波ブレードに対して枢動して、前記クランプアームと前記超音波ブレードとの間に組織をクランプするように構成されている、請求項1に記載の超音波器具。
【請求項13】
トランスデューサを更に備え、前記トランスデューサが、電力を超音波振動に変換するように構成され、前記超音波ブレードが、前記中空の管状部材を介して前記ランスデューサと音響的に連通するように構成され、それにより前記ランスデューサが、前記超音波ブレードを駆動して超音波振動させるように動作可能となっている、請求項1に記載の超音波器具。
【請求項14】
前記中空の管状部材がチタンを含む、請求項1に記載の超音波器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々な外科器具が、組織を(例えば、組織細胞内のタンパク質を変性させることにより)切断及び/又は封止するために超音波周波で振動するブレード要素を有するエンドエフェクタを含む。これらの器具は、電力を超音波振動に変換する1つ又は2つ以上の圧電要素を含んでおり、これらの振動は、音響導波管に沿ってブレード要素に伝達される。切断及び凝固の精度は、操作者の技術によって、並びに電力レベル、ブレード縁角度、組織引張、及びブレード圧力を調節することによって、制御され得る。
【0002】
超音波外科器具の実施例としては、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesが挙げられ、これらはいずれもEthicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製である。かかるデバイス及び関連する概念の更なる実施例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月21日発行の「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第5,322,055号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年2月23日発行の「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」と題された米国特許第5,873,873号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年11月9日発行の「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」と題された米国特許第5,980,510号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年9月4日発行の「Method of Balancing Asymmetric Ultrasonic Surgical Blades」と題された米国特許第6,283,981号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年10月30日発行の「Curved Ultrasonic Blade having a Trapezoidal Cross Section」と題された米国特許第6,309,400号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年12月4日発行の「Blades with Functional Balance Asymmetries for use with Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第6,325,811号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年7月23日発行の「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」と題された米国特許第6,423,082号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月10日発行の「Blades with Functional Balance Asymmetries for Use with Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第6,773,444号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年11月15日発行の「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」と題された米国特許第8,057,498号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年6月11日発行の「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第8,461,744号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月26日発行の「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」と題された米国特許第8,591,536号、及び、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年1月7日発行の「Ergonomic Surgical Instruments」と題された米国特許第8,623,027号に開示されている。
【0003】
超音波外科器具のまた更なる実施例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月9日発行の「Combination Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」と題された米国特許第7,544,200号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年8月16日公開の「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」と題された米国特許出願公開第2007/0191713号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月6日公開の「Ultrasonic Waveguide and Blade」と題された米国特許出願公開第2007/0282333号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月21日公開の「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」と題された米国特許出願公開第2008/0200940号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年9月25日公開の「Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許出願公開第2008/0234710号、及び、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年3月18日公開の「Ultrasonic Device for Fingertip Control」と題された米国特許出願公開第2010/0069940号に開示されている。
【0004】
一部の超音波外科器具は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年5月10日公開の「Recharge System for Medical Devices」と題された米国特許出願公開第2012/0112687号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年5月10日公開の「Surgical Instrument with Charging Devices」と題された米国特許出願公開第2012/0116265号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年11月5日出願の「Energy−Based Surgical Instruments」と題された米国特許出願公開第61/410,603号に開示されているもののようなコードレストランスデューサを備え得る。
【0005】
更に、いくつかの超音波外科器具は、関節運動シャフト部分を含み得る。かかる超音波外科器具の実施例は、以下の特許文献に開示されている:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年1月2日公開の、「Surgical Instruments with Articulating Shafts」と題された米国特許出願公開第2014/0005701号、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年4月24日公開の「Flexible Harmonic Waveguides/Blades for Surgical Instruments」と題された米国特許出願公開第2014/0114334号に開示されている。
【0006】
いくつかの器具は、組織に高周波(radiofrequency、RF)電気外科エネルギーを印加することによって組織を封止するように動作可能である。RFエネルギーを組織に印加することによって組織を封着するように動作可能である外科器具の実施例は、Ethicon Endo−Surgery Inc.(Cincinnati,Ohio)によるENSEAL(登録商標)Tissue Sealing Deviceである。かかる装置及び関連する概念の更なる実施例は、以下の文献に開示されている:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年12月31日発行の「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」と題された米国特許第6,500,176号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年9月26日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,112,201号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年10月24日発行の「Electrosurgical Working End for Controlled Energy Delivery」と題された米国特許第7,125,409号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年1月30日発行の「Electrosurgical Probe and Method of Use」と題された米国特許第7,169,146号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月6日発行の「Electrosurgical Jaw Structure for Controlled Energy Delivery」と題された米国特許第7,186,253号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月13日発行の「Electrosurgical Instrument」と題された米国特許第7,189,233号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年5月22日発行の「Surgical Sealing Surfaces and Methods of Use」と題された米国特許第7,220,951号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月18日発行の「Polymer Compositions Exhibiting a PTC Property and Methods of Fabrication」と題された米国特許第7,309,849号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月25日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,311,709号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年4月8日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,354,440号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年6月3日発行の「Electrosurgical Instrument」と題された米国特許第7,381,209号。
【0007】
いくつかの器具は、組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーの両方を印加可能である。かかる器具の実施例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許出願公開第2015/0141981号、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月4日発行の「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」と題された米国特許第8,663,220号に記載されている。
【0008】
いくつかの外科器具及びシステムが作製され使用されてきたが、本発明者らよりも以前に、添付の「特許請求の範囲」に記載する本発明を作製又は使用したものは存在しないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にその権利を特許請求する、「特許請求の範囲」によって完結するが、本技術は、以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことで、より良く理解されるものと考えられ、図面では、同様の参照符号は、同じ要素を特定する。
図1】例示的な外科器具の概略ブロック図を示す。
図2図1の器具がとり得る例示的な形態の側面図を示す。
図3図2の器具に組み込まれ得る例示的な代替の音響導波管を示す。
図4A図3の導波管の近位部分の組み立てられていない詳細な図を示す。
図4B図4Aに示す導波管の近位部分の組み立てられた詳細な図を示す。
図5A図3の導波管の遠位部分の組み立てられていない詳細な図を示す。
図5B図5Aに示す導波管の遠位部分の組み立てられた詳細な図を示す。
図6図4Aの線6−6に沿って切り取った、図3の導波管の断面図を示す。
図7図5Aの線7−7に沿って切り取った、図3の導波管の断面図を示す。
【0010】
図面は、いかなる様式でも限定することを意図するものではなく、本技術の様々な実施形態は、必ずしも図面に示されないものも含め、様々な他の方法で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す添付の図面は、本技術のいくつかの態様を示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するのに役立つものであるが、本技術は、図示される厳密な配置構成に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために用いられてはならない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本明細書に述べられる技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、他の異なる明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0012】
本明細書に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に述べられる他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も更に理解されよう。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して個別に考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適当な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0013】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、外科器具の人間又はロボットの操作者に対して本明細書で定義される。「近位」という用語は、外科器具の人間又はロボットの操作者により近く、かつ、外科器具の外科用エンドエフェクタからより遠くに離れた要素の位置を指す。「遠位」という用語は、外科器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、外科器具の人間又はロボットの操作者からより遠くに離れた要素の位置を指す。
【0014】
I.例示的な超音波外科システムの概説
図1は、例示的な外科システム(10)の構成要素を図形的ブロック形態で示したものである。示されるように、システム(10)は、超音波ジェネレータ(12)及び超音波外科器具(20)を備える。以下でより詳細に記載されるように、器具(20)は、超音波振動エネルギーを使用して、実質的に同時に、組織を切開し、組織(例えば、血管など)を封着又は接合するように動作可能である。ジェネレータ(12)及び器具(20)は、ケーブル(14)を介して一緒に連結されている。ケーブル(14)は、複数の導線を備えてもよく、ジェネレータ(12)から器具(20)への一方向の電気的導通、及び/又はジェネレータ(12)と器具(20)との間の双方向の電気的導通を与えることができる。あくまで一実施例として、ケーブル(14)は、外科器具(20)への電力のための「熱」線、アース線、及び外科器具(20)から超音波ジェネレータ(12)に信号を送信するための信号線を備えてもよく、シールドが3本の導線を覆っている。いくつかの変形形態において、別個の起動電圧に対して別個の「熱」線が使用される(例えば、第1の起動電圧に対して1本の「熱」線が使用され、第2の起動電圧に対して別の「熱」線が使用されるか、又はこれらの導線間で要求される出力に比例した可変電圧が使用される、など)。当然のことながら、任意のその他の好適な数又は構成の導線が使用されてもよい。ケーブル(14)が単に省略され得るように、システム(10)のいくつかの変形例が、ジェネレータ(12)を器具(20)内に組み込むことができることも理解されたい。
【0015】
単なる一実施例として、ジェネレータ(12)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN04、GEN11、又はGEN300を含み得る。更に又は代替として、ジェネレータ(12)は、2011年4月14日公開の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題された米国特許出願公開第2011/0087212号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。代替的に、任意の他の好適なジェネレータ(12)が使用されてもよい。以下でより詳細に記載されるように、ジェネレータ(12)は、電力を器具(20)に供給して超音波外科手術を行うように動作可能である。
【0016】
器具(20)は、外科手術中にオペレータの片手(又は両手)で握られ、かつ当該オペレータの片手(又は両手)で操作されるように構成されたハンドピース(22)を含む。例えば、いくつかの変形例では、ハンドピース(22)は、オペレータによって鉛筆のように握られ得る。他のいくつかの変形例では、ハンドピース(22)は、オペレータによって鉛筆のように握られ得るハサミグリップを含んでもよい。他のいくつかの変形例では、ハンドピース(22)は、オペレータによってピストルのように握られ得るピストルグリップを含んでもよい。ハンドピース(22)が他の任意の好適な握り方で握られるように構成されてもよいことは言うまでもない。更に、器具(20)のいくつかの変形例では、ハンドピース(22)の代わりに、器具を(例えば、遠隔制御などを介して)動作させるように構成されたロボット外科システムに連結された本体を使用することができる。本実施例では、ブレード(24)がハンドピース(22)から遠位に延在している。ハンドピース(22)は、超音波トランスデューサ(26)、及び超音波トランスデューサ(26)をブレード(24)と連結する超音波導波管(28)を含む。超音波トランスデューサ(26)は、ケーブル(14)を介してジェネレータ(12)から電力を受け取る。超音波トランスデューサ(26)は、その圧電特性により、かかる電力を超音波振動エネルギーに変換するように動作可能である。
【0017】
超音波導波管(28)は、可撓性、半可撓性、剛性のものであってもよいか、又は任意の他の好適な性質を有してもよい。上述のように、超音波トランスデューサ(26)は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)と一体的に連結されている。具体的には、超音波トランスデューサ(26)が超音波周波数で振動するように起動している場合、かかる振動は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)に伝達されて、ブレード(24)も超音波周波数で振動することになる。ブレード(24)が起動状態である(すなわち、超音波的に振動している)場合、ブレード(24)は、組織を効果的に切断し、組織を封着するように動作可能である。したがって、超音波トランスデューサ(26)、超音波導波管(28)、及びブレード(24)は、ジェネレータ(12)によって電力供給される際に外科手術を行うための超音波エネルギーを供給する音響アセンブリを一緒に形成する。ハンドピース(22)は、トランスデューサ(26)、超音波導波管(28)、及びブレード(24)によって形成される音響アセンブリの振動からオペレータを実質的に隔離するように構成されている。
【0018】
いくつかの変形例において、超音波導波管(28)は、超音波導波管(28)を介してブレード(24)に伝達される機械的振動を増幅してもよい。超音波導波管(28)は、超音波導波管(28)に沿った長手方向振動の利得を制御するための特徴部、及び/又は超音波導波管(28)をシステム(10)の共振周波数と同調させるための特徴部を更に有してもよい。例えば、超音波導波管(28)は、ほぼ均一な断面などの任意の好適な断面寸法/構成を有してもよく、様々な部分で先細になっていてもよく、その全長に沿って先細になっていてもよく、又は任意の他の好適な構成を有してもよい。超音波導波管(28)は、例えば、システムの波長の1/2の整数倍にほぼ等しい長さ(nλ/2)を有してもよい。超音波導波管(28)及びブレード(24)は、チタン合金(すなわち、Ti−6Al−4V)、アルミニウム合金、サファイア、ステンレス鋼、又は任意の他の音響的に適合した材料若しくは材料の組み合わせなどの、超音波エネルギーを効率的に伝搬する材料又は材料の組み合わせから構築されたソリッドコアシャフトから製作されてもよい。本実施例では、導波管(28)は単一構成要素である。
【0019】
本実施例では、ブレード(24)の遠位端は、組織による負荷が音響アセンブリに加えられていないとき、好ましい共振周波数fに音響アセンブリを同調させるために、導波管(28)を介して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に(すなわち、音響アンチノードに)位置する。トランスデューサ(26)が通電されると、ブレード(24)の遠位端は、例えば、ピーク間で約10〜500マイクロメートル、場合によっては、例えば、55.5kHzの所定の振動周波数fにて約20〜約200マイクロメートルの範囲で長手方向に移動するように構成されている。本実施例のトランスデューサ(26)が起動しているとき、これらの機械的な振動は、ブレード(24)に到達するように導波管(28)を介して伝達され、それにより共振超音波周波数でブレード(24)の振動をもたらす。このため、ブレード(24)の超音波振動が、組織の切断と隣接した組織細胞内のタンパク質の変性とを同時に行い、それにより比較的少ない熱拡散で凝固効果を提供することができる。いくつかの変形例において、組織を焼灼するために、電流もまたブレード(24)を介して提供されてもよい。
【0020】
あくまで一実施例として、超音波導波管(28)及びブレード(24)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により製品コードSNGHK及びSNGCBとして販売されている構成要素を備えてもよい。あくまで更なる一実施例として、超音波導波管(28)及び/又はブレード(24)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年7月23日発行の「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」と題された米国特許第6,423,082号の教示に従って構築されてもよく、動作可能であり得る。別のあくまで例示的な実施例として、超音波導波管(28)及び/又はブレード(24)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月28日発行の「Ultrasonic Scalpel Blade and Methods of Application」と題された米国特許第5,324,299号の教示に従って構築されてもよく、動作可能であり得る。超音波導波管(28)及びブレード(24)の他の好適な特性及び形態が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0021】
本実施例のハンドピース(22)はまた、制御セレクタ(30)及び作動スイッチ(32)も含み、これらはそれぞれ回路基板(34)と通信している。あくまで一実施例として、回路基板(34)は、従来の回路基板、フレックス回路、リジッドフレックス回路を備えてもよく、又は任意の他の好適な構造を有してもよい。制御セレクタ(30)及び起動スイッチ(32)は、1つ若しくは2つ以上の導線、回路基板若しくはフレックス回路に形成された配線を介して、及び/又は任意の他の好適な方法で、回路基板(34)と通信することができる。回路基板(34)は、ケーブル(14)と連結されており、ケーブル(14)は、次いで、ジェネレータ(12)内の制御回路(16)と連結されている。起動スイッチ(32)は、超音波トランスデューサ(26)への電源を選択的に起動するように動作可能である。特に、スイッチ(32)が起動すると、かかる起動によってケーブル(14)を介して超音波トランスデューサ(26)に適切な電力が伝達される。あくまで一実施例として、起動スイッチ(32)は、本明細書で引用される様々な参照文献の教示のうちのいずれかに従って構築されてもよい。起動スイッチ(32)がとり得る他の様々な形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0022】
本実施例では、外科システム(10)は、少なくとも2つの異なるレベル又は種類の超音波エネルギー(例えば、異なる周波数及び/又は振幅など)をブレード(24)において供給するように動作可能である。そのために、制御セレクタ(30)は、操作者が所望のレベル/振幅の超音波エネルギーを選択することができるように動作可能である。あくまで一実施例として、制御セレクタ(30)は、本明細書で引用される様々な参照文献の教示のうちのいずれかに従って構築されてもよい。制御セレクタ(30)がとり得る他の様々な形態は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。いくつかの変形例において、操作者が制御セレクタ(30)によって選択を行う場合、操作者の選択は、ケーブル(14)を介してジェネレータ(12)の制御回路(16)に戻して伝達され、これに従って、次回操作者が起動スイッチ(32)を作動させるときに、制御回路(16)がジェネレータ(12)から伝達される電力を調節する。
【0023】
ブレード(24)において供給される超音波エネルギーのレベル/振幅は、ジェネレータ(12)からケーブル(14)を介して器具(20)に伝達される電力の特性の関数であり得ることを理解されたい。したがって、ジェネレータ(12)の制御回路(16)は、制御セレクタ(30)を通じて選択された超音波エネルギーのレベル/振幅又は種類に関連した特性を有する電力を(ケーブル(14)を介して)供給することができる。したがって、ジェネレータ(12)は、制御セレクタ(30)を介して操作者によって行われる選択に基づいて異なる種類又は程度の電力を超音波トランスデューサ(26)に伝達するように動作可能であり得る。具体的には、かつあくまで一実施例として、ジェネレータ(12)は、印加される信号の電圧及び/又は電流を増大させて、音響アセンブリの長手方向振幅を増大させることができる。あくまで例示的な一実施例として、ジェネレータ(12)は、それぞれ、約50マイクロメートル及び約90マイクロメートルのブレード(24)の振動共振振幅に対応し得る「レベル1」と「レベル5」との間の選択可能性を提供することができる。制御回路(16)が構成され得る様々な方法は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。制御セレクタ(30)及び起動スイッチ(32)の代わりに、2つ又は3つ以上の起動スイッチ(32)が使用され得ることも理解されたい。いくつかのかかる変形例では、ある起動スイッチ(32)は、ある電力レベル/種類でブレード(24)を起動させるように動作可能である一方で、別の起動スイッチ(32)は、別の電力レベル/種類などでブレード(24)を起動させるように動作可能である。
【0024】
いくつかの代替変形例では、制御回路(16)はハンドピース(22)内に位置する。例えば、いくつかのかかる変形例では、ジェネレータ(12)は1つのタイプの電力のみ(例えば、利用可能な1つの電圧及び/又は電流のみ)をハンドピース(22)に送信し、ハンドピース(22)内の制御回路(16)は、電力が超音波トランスデューサ(26)に到達する前に、制御セレクタ(30)を介してオペレータによって行われる選択に従って電力(例えば、電力の電圧)を修正するように動作可能である。更に、ジェネレータ(12)は、外科システム(10)の他のすべての構成要素と共にハンドピース(22)内に組み込まれてもよい。例えば、1つ又は2つ以上の電池(図示せず)又は他の携帯型電源がハンドピース(22)内に設けられてもよい。図1に示される構成要素が再配置されるか、又は他の方法で構成若しくは修正され得る更なる他の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。
【0025】
II.例示的な超音波外科器具の概要
以下の考察は、器具(20)の様々な例示的な構成要素及び構成に関するものである。以下に記載される器具(20)の様々な実施例を、上述の外科システム(10)に容易に組み込むことができることを理解されたい。また、前述した器具(20)の種々の構成要素及び動作性が、後述する器具(110)の例示的な変形例内に容易に組み込まれ得ることも理解されたい。上記及び下記の教示を組み合わせ得る様々な好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかになるであろう。また、以下の教示が、本明細書で引用される参考文献の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることも理解されたい。
【0026】
図2は、例示的な超音波外科器具(110)を示す。器具(110)の少なくとも一部は、米国特許第5,322,055号、米国特許第5,873,873号、米国特許第5,980,510号、米国特許第6,325,811号、米国特許第6,773,444号、米国特許第6,783,524号、米国特許第8,461,744号、米国特許出願公開第2009/0105750号、米国特許第7,544,200号、米国特許出願公開第2007/0191713号、米国特許出願公開第2007/0282333号、米国特許出願公開第2008/0200940号、米国特許出願公開第2010/0069940号、米国特許出願公開第2012/0112687号、米国特許出願公開第2012/0116265号、米国特許出願公開第2014/0005701号、米国特許出願公開第2014/0114334号、米国特許出願公開第14/028,717号、及び/又は米国特許出願公開第61/410,603号の教示の少なくとも一部に従って構築され、動作可能であり得る。前述の特許、特許出願公開、及び特許出願の各々の開示が参照により本明細書に組み込まれる。その中に記載され、以下により詳細に記載されるように、器具(110)は、組織を切断し、組織を封着又は接合することを実質的に同時に行うように動作可能である。また、器具(110)が、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの種々の構造的及び機能的な類似性を有し得ることも理解されたい。更に、器具(110)は、本明細書で引用され、参照により本明細書に組み込まれる他の参考文献のうちのいずれかにおいて教示される装置の種々の構造的及び機能的な類似性を有し得る。
【0027】
本明細書に引用される参考文献の教示と、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、器具(110)に関する以下の教示との間に何らかの重複が存在する範囲で、本明細書のいかなる記述も従来技術として認められたものであるとみなす意図はない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参考文献、並びにHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
【0028】
本実施例の器具(110)は、ハンドルアセンブリ(120)と、シャフトアセンブリ(130)と、エンドエフェクタ(140)とを備える。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)と、一対のボタン(126)と、を含む本体(22)を備える。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)に向かうように、またそれから離れるように枢動可能なトリガ(128)を更に含む。しかしながら、はさみグリップ構成などが挙げられるがこれに限定されない、種々の他の好適な構成が使用され得ることを理解されたい。エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(160)と、枢動クランプアーム(144)と、を含む。超音波ブレード(160)は、上述の超音波ブレード(24)と同様に構成され、動作可能であり得る。
【0029】
クランプアーム(144)は、シャフトアセンブリ(130)を形成する内側管及び外側管に枢動可能に連結されている。かかる内側管及び外側管の構成は、本明細書に引用される種々の参考文献の教示に従って構成され得る。クランプアーム(144)は、トリガ(128)と更に連結されている。トリガ(128)は、シャフトアセンブリ(130)の管のうちの一方を、シャフトアセンブリ(130)の他方の管が静止してとどまる間に、長手方向に駆動するように動作可能である。シャフトアセンブリ(130)の管間のこの相対的な長手方向の移動は、クランプアーム(144)の枢軸運動をもたらす。クランプアーム(144)は、したがって、ピストルグリップ(124)に向かってのトリガ(128)の枢動に応答して、超音波ブレード(160)に向かって枢動可能であり、また、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)から離れるようなトリガ(128)の枢動に応答して、超音波ブレード(160)から離れるように枢動可能である。クランプアーム(144)はそれによって、超音波ブレード(160)と協働して組織を把持及び解放するように動作可能であり、また、クランプアーム(144)は、超音波ブレード(160)に対して組織を圧迫して、それによって超音波ブレード(160)から組織への超音波振動の伝達を向上させるように更に動作可能である。本明細書の教示を考慮すれば、クランプアーム(144)をトリガ(128)と連結させ得る様々な好適な手段が当業者に明らかであろう。いくつかの変形例では、1つ又は2つ以上の弾性部材が、クランプアーム(144)及び/又はトリガ(128)を図2に示す開位置に付勢するために使用される。
【0030】
超音波トランスデューサアセンブリ(112)は、ハンドルアセンブリ(120)の本体(122)から近位に延在する。トランスデューサアセンブリ(112)は、上述のトランスデューサ(26)と同様に構成され、動作可能であり得る。トランスデューサアセンブリ(112)は、ケーブル(114)を介してジェネレータ(116)に連結される。トランスデューサアセンブリ(112)は、ジェネレータ(116)から電力を受信して、圧電原理によってその電力を超音波振動に変換することを理解されたい。ジェネレータ(116)は、上述のジェネレータ(12)と同様に構成され、動作可能であり得る。ジェネレータ(116)は、したがって、電源、及びトランスデューサアセンブリ(112)による超音波振動の生成に特に適した電力プロフィールをトランスデューサアセンブリ(112)に提供するように構成されている制御モジュールを含み得る。更に、ジェネレータ(116)の機能の少なくとも一部がハンドルアセンブリ(120)に組み込まれていてもよく、またハンドルアセンブリ(120)は更に電池又は他の搭載された電源を含んで、その結果ケーブル(114)を省略してよいことも理解されたい。ジェネレータ(116)がとり得る更に他の好適な形態、並びにジェネレータ(116)が提供し得る種々の機能及び動作性が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0031】
図2に示すように、ボタン(126)のうちの一方は、「封止」モードに関連付けられ得、それにより、ボタン(126)のうちのこの特定のボタンの作動は、組織がクランプアーム(144)とブレード(160)との間にクランプされるときに、組織の封止のみを行い、組織の切断は行わないようになっている。特に、ボタン(136)のうちの第1のボタンの起動は、比較的低い振幅での超音波ブレード(160)の振動を引き起こし得る。同様に、更なる実施例として、ボタン(126)のうちの他方は、「切断及び封止」モードに関連付けられ得、それにより、ボタン(126)のうちのこの特定のボタンの作動は、組織がクランプアーム(44)とブレード(160)との間にクランプされているときに、組織を封止及び切断し得る。特に、ボタン(136)のうちの第2のボタンの起動は、比較的高い振幅での超音波ブレード(160)の振動を引き起こし得る。ボタン(126)に関連付けられ得る他の好適な動作モードが、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0032】
いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(140)は、クランプアーム(144)とブレード(160)との間に捕捉された組織に高周波(RF)電気外科エネルギーを印加するように更に動作可能である。単なる実施例として、エンドエフェクタ(140)は、患者に固定される従来の接地パッドと協働する単一電極を含み得、それにより、エンドエフェクタ(140)が組織に単極RF電気外科エネルギーを印加するようになっている。別の単なる例示的な実施例として、クランプアーム(144)は、組織に双極RF電気外科エネルギーを印加するように動作可能な2つの電極を含み得る。更に別の単なる例示的な実施例として、クランプアーム(144)は、単一電極を含み得、超音波ブレード(160)は、帰還路として機能し得、それにより、超音波ブレード(160)がクランプアーム(144)の電極と協働して、組織に双極RF電気外科エネルギーを印加するようになっている。上記に加えて又は上記の代替として、エンドエフェクタ(140)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月4日発行の「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」と題された米国特許第8,663,220号の教示の少なくとも一部に従って構築され、動作可能であり得る。本明細書の教示を考慮することで、他の好適な配置が、当業者に明らかになるであろう。
【0033】
器具(110)は、エンドエフェクタ(140)を介して組織に超音波エネルギーのみを、エンドエフェクタ(140)を介して組織にRF電気外科エネルギーのみを、又はエンドエフェクタ(140)を介して組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーの何らかの組み合わせを選択的に印加する、種々の方法を操作者に提供し得る。エンドエフェクタ(140)が組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーの組み合わせを印加するように動作可能な変形例では、エンドエフェクタ(140)は、組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーを同時に印加するように構成され得る。更に又は代替として、エンドエフェクタ(140)が組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーの組み合わせを印加するように動作可能な変形例では、エンドエフェクタ(140)は、組織に超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーを順次に印加するように構成され得る。かかる順序は、所定であってもよく、又は検知された組織状態(例えば、組織温度、密度、厚さなど)に基づいてもよい。使用され得る種々の好適な制御アルゴリズムは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許出願公開第2015/0141981号に開示されている。また、超音波エネルギー及びRF電気外科エネルギーの制御は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月4日発行の「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」と題された米国特許第8,663,220号の教示の少なくとも一部に従って提供されてもよいことも理解されたい。
【0034】
III.例示的な代替の導波管
従来の導波管(28)が、材料の中実のコアで形成されてもよい。この構築は、表面特徴が旋盤加工又は/及び粉砕加工を用いて形成されることを必要とし得、これは廃棄材料をもたらし得る。時間のかかる製造過程をもたらすことに加えて、これはまた、形成過程中に材料のブロックから除去される材料の損失の点で費用もかかり得る。したがって、導波管(28)がより効率的に形成されることを可能にして、製造過程中に損失し得る材料の量を低減する導波管(28)の構築を提供することが望ましくあり得る。
【0035】
図3図5Bは、器具(20、110)に、特に器具(20、110)の音響ドライブトレーンに容易に組み込まれ得る、例示的な代替の導波管(228)を示す。導波管(228)は、したがって、導波管(28)がとり得る代替の形態を表す。本実施例の導波管(228)は、特に組織がブレード(260)と、エンドエフェクタの別の部分、例えばエンドエフェクタ(140)のクランプアーム(144)との間で圧迫されているときに、組織を効果的に切り通して封止するために、超音波周波数で振動するように動作可能である、ブレード(260)を含む。導波管(228)の近位端は、ブレード(260)を介して組織に最終的に印加される超音波振動を受けるためにトランスデューサアセンブリ(112)に連結されてもよいことを理解されたい。示されるように、中実の一体型部材ではなく、この実施例の導波管(228)は、近位部分(230)と、中間部分(232)と、遠位部分(234)とを含む。下記により詳細に考察されるように、中間部分(232)は、近位部分(230)及び遠位部分(234)に着脱可能に連結されて導波管(228)を形成するように構成されている。
【0036】
本実施例では、近位部分(230)及び遠位部分(234)は、導波管(28)に実質的に対応して構成されている。すなわち、近位部分及び遠位部分(230、234)は、ある材料又は材料の組み合わせから構築される中実のコアシャフト部材である。しかしながら、示されるように、中間部分(232)は、材料又は材料の組み合わせでできた中空管から構築される。特に、図6図7において最も良く分かるように、中間部分(232)は、中間部分(232)の第1の近位端(238)と第2の遠位端(240)との間に連続的に延在する管腔(236)を含む管状部材である。したがって、示される実施例では、中間部分(232)は、近位部分及び遠位部分(230、234)よりも平均密度が低い。管腔(236)は、第1の端部(238)の第1の雌ネジ付き部分(242)(図4Aに見られる)、及び第2の端部(240)の第2の雌ネジ付き部分(244)(図5Aに見られる)を含む。図4Aに示すように、近位部分(230)は、第1の雄ネジ付き部分(246)、及び第1の雄ネジ付き部分(246)に隣接する接触面(248)を含む。換言すると、第1の雄ネジ付き部分(246)は、本質的に、接触面(248)を画成する近位部分(230)の側面から遠位に延在している。同様に、図5Aに示すように、遠位部分(234)は、第2の雄ネジ付き部分(250)、及び雄ネジ付き部分(250)に隣接する接触面(252)を含む。換言すると、第2の雄ネジ付き部分(250)は、接触面(252)を画成する遠位部分(234)の側面から近位に延在している。
【0037】
図4B及び図5Bに示すように、導波管(228)を組み立てるために、第1の雄ネジ付き部分(246)は、接触面(248)が中間部分(232)の第1の端部(238)に当接するまで、第1の雌ネジ付き部分(242)とネジ止めにより係合され得る。したがって、本実施例では、近位部分と中間部分(230、232)との間の接合部(254)に間隙が存在しない。図5Bに示すように、第2の雄ネジ付き部分(250)は、接触面(252)が中間部分(232)の第2の端部(240)に当接するまで、第2の雌ネジ付き部分(244)とネジ止めにより係合され得る。したがって、本実施例では、中間部分と遠位部分(232、234)との間の接合部(256)に間隙が存在しない。
【0038】
代替例では、ネジ止めにより係合されるのではなく、近位部分及び中間部分(230、232)並びに/又は中間部及び遠位部分(232、234)は、圧入などの別の様式で互いに連結するように構成されてもよい。近位部分及び中間部分(230、232)並びに中間部及び遠位部分(232、234)を機械的に連結する他の好適な様式が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。更に、本実施例では、互いに連結されたときに近位部分と中間部分と(230、232)の間の接合部(254)に間隙が存在しないが、他の実施例では、それらの間に間隙が存在してもよい。同様に、他の実施例では、互いに連結されたときに中間部分と遠位部分と(232、234)の間の接合部に間隙が存在してもよい。更に別の単なる例示的な代替的では、第1の雄ネジ付き部分(246)の遠位端は、第1の雌ネジ付き部分(242)における空洞の遠位端に係合することにより、超音波振動を伝達する当接面を形成し、それにより、第1の端部(238)及び接触面(248)が互いに接触しないようになっている。近位、中間、及び遠位部分(230、232、234)の他の好適な構成が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0039】
本実施例では、この音響ドライブトレーンは、トランスデューサアセンブリ(112)と、音響導波管(228)とを含む。導波管(280)がトランスデューサアセンブリ(112)と機械的かつ音響的に連結され得る種々の好適な方法が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。トランスデューサアセンブリ(112)は、導波管(280)のホーン(図示せず)に近位して位置する、1組の圧電ディスク(図示せず)を含む。圧電ディスクは、電力を超音波振動に変換するように動作可能であり、この超音波振動が次いで、導波管(280)の近位、中間、及び遠位部分(230、232、234)に沿ってブレード(260)に伝達される。単なる実施例として、音響ドライブトレーンのこの部分は、本明細書に引用される種々の参考文献の種々の教示に従って動作可能であり得る。
【0040】
導波管(228)は、導波管(228)を通して伝達される機械的振動を増幅するように構成され得ることを理解されたい。更に、導波管(228)は、導波管(228)に沿った長手方向の振動の利得を制御するように動作可能な特徴部、及び/又は導波管(228)をシステムの共振周波数に同調させる特徴部を含み得る。例えば、図3に示すように、導波管(228)は、長手方向に離間配置された複数の環状溝部(258a、258b、258c、258d、258e)を含む。示される実施例では、溝(258a)は、溝(258d)よりも長い長さを有し、溝(258d)は、溝(258b、258c、258e)よりも長い長さを有する。導波管(228)は、長手方向に離間配置された対向する一対のノッチ(260a)を更に含む。最も近位の一対のノッチ(260a)は、最も近位の溝(258c)に隣接して位置付けられ、最も遠位の一対のノッチ(260b)は、最も遠位の溝(258c)に位置付けられている。示されるように、導波管(228)は、別の対向する一対のノッチ(260b)を更に含み、これらの各々が溝(258c)の間に延在する。溝(258a、258b、258c、258d、258e)及びノッチ(260a、260b)は、少なくとも部分的には、導波管(228)の振動特性の制御を補助するために設けられている。
【0041】
導波管(228)は、フランジ(262)を更に含む。フランジ(262)は、環状エラストマー封止部(図示せず)を受容するように構成されている。エラストマー封止部は、シャフトアセンブリ(130)を通って延在する内側管(図示せず)の内壁に係合し得、それにより、封止部及びフランジ(262)が協働して、導波管(228)に構造的支持を提供し得るようになっている。換言すると、封止部及びフランジ(262)は協働して、導波管(228)が、特にブレード(260)が組織に押し付けられることにより横方向の負荷を受けるときに、内側管内で横方向に望ましくなくたわむのを防止し得る。したがって、封止部及びフランジ(262)は協働して、導波管(228)が内側管に接触するのを防止する。導波管(228)は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう構成に従って、同じ目的で導波管(228)の長さに沿って離間配置された一連のエラストマー封止部を含み得ることを理解されたい。
【0042】
本実施例では、ブレード(260)の遠位端は、音響アセンブリが組織によって負荷をかけられていないときに音響アセンブリを好ましい共振周波数fに同調させるために、導波管(228)の近位、中間、及び遠位部分(230、232、234)を通して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置する。更に、各接合部(254、256)は、導波管(228)を通して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに一致する位置に位置する。いくつかの実施例では、1つ又は2つ以上のスレッド(240、244、246、250)が、導波管(228)を通して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置してもよい。しかしながら、他の実施例では、接合部(254、256)及び/又はスレッド(240、244、246、250)が、導波管(228)を通して伝達される共振超音波振動に関連するノードに対応する位置にあってもよい。接合部(254、256)とは異なり、フランジ(262)は、導波管(228)を通して伝達される共振超音波振動に関連するノードに一致する位置に位置する。
【0043】
トランスデューサアセンブリ(112)が通電されると、ブレード(260)の遠位端は、例えば、55.5kHzの所定の振動周波数fで、例えば、ピーク間で約10〜500マイクロメートルの範囲、いくつかの実例では約20〜約200マイクロメートルの範囲で、長手方向に運動するように構成されている。本実施例のトランスデューサアセンブリ(112)が起動されると、これらの機械的な振動は、導波管(228)の各部分(230、232、234)を通してブレード(260)に伝達され、それによって共振超音波周波数でのブレード(260)の振動をもたらす。このため、組織がブレード(260)クランプアーム(144)のクランプパッド間に固定されるとき、例えば、ブレード(260)の超音波振動は、組織の切断と、隣接した組織細胞内のタンパク質の変性とを同時に行い、それによって比較的小さい熱拡散で凝固効果がもたらされ得る。いくつかの変形例では、同じく組織を焼灼するために、電流もまたブレード(260)及びクランプアーム(144)を通して提供され得る。音響伝達アセンブリ及びトランスデューサアセンブリ(112)のいくつかの構成を説明したが、音響伝達アセンブリ及びトランスデューサアセンブリ(112)の更に他の好適な構成が、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。同様に、導波管(228)が構成され得る種々の好適な方法が、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0044】
ブレード(260)を含む、近位部分及び遠位部分(230、234)は、チタン合金(すなわち、Ti−6Al−4V)、アルミニウム合金、サファイア、ステンレス鋼、若しくは任意の他の音響的に適合性の材料又は材料の組み合わせなどの、超音波エネルギーを効率的に伝搬する材料又は材料の組み合わせから構築された中実のコアシャフトから製作されてもよい。本実施例において、上述のように、中間部分(232)は、いくつかの変形例においてチタンで構築され得る中空管を含む。しかしながら、他の実施例では、中間部分(232)は、アルミニウム合金、ステンレス鋼、若しくは任意の他の音響的に適合性の材料又は材料の組み合わせなどの、超音波エネルギーを効率的に伝播させるが、近位部分及び遠位部分(230、234)の材料とは異なる材料又は材料の組み合わせから構築されてもよい。
【0045】
溝(258a、258b、258c、258d、258e)及びノッチ(260a、260b)などの、導波管(228)の種々の特徴部が、任意の好適な成形技法を用いて導波管(228)に圧延、プレス、又は付与されてもよい。中間部分(232)の管状構築は、溝(258a、258b、258c、258d、258e)及びノッチ(260a、260b)などの構造的特徴部の形成を、中間部分(232)が中実のコア材料で構築される変形例におけるかかる特徴部の形成の場合よりも、より容易かつより効率的にし得ることを理解されたい。特に、中間部分(232)の中空の性質は、材料変形のための余裕を提供し、中間部分(232)が中実のコアを有する設定では実行不可能であろう、プレスなどの技法の使用を容易にする。これらの追加の技法は、廃棄を減らし得、導波管(228)を形成する過程に対する効率を更に高め得る。これらの追加の技法はまた、特に、中間部分(232)が近位部分及び遠位部分(230、234)と同じ材料(複数可)で作製される必要がないため、中間部分(232)が、中実のコアを有する導波管(28)を形成するために使用され得る材料よりも安価な材料で形成されることを可能にし得る。
【0046】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得るいずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではない点は理解されるべきである。一切の放棄を意図するものではない。以下の実施例は単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してもよいことも企図される。したがって、本発明者によって、又は本発明者の利益となる継承者によって、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる特徴は、特許性に関連するいずれの理由によって追加されたものとしても仮定されるべきではない。
【実施例】
【0047】
(実施例1)
(a)本体と、(b)本体から遠位に延在し、音響導波管を備えるシャフトアセンブリと、(d)音響導波管と音響的に連通している超音波ブレードを備えるエンドエフェクタと、を備え、超音波ブレードが、ある材料又は材料の組み合わせでできた中実のコアシャフトによって画成され、音響導波管の少なくとも一部が、中実のコアシャフトに連結された中空の管状部材を含む、超音波器具。
【0048】
(実施例2)
中空の管状部材が、超音波ブレードに着脱可能に連結されている、実施例1に記載の超音波器具。
【0049】
(実施例3)
中空の管状部材及び超音波ブレードが、互いに着脱可能に連結されたときに接合部を画成し、接合部が、導波管を通して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置する、実施例2に記載の超音波器具。
【0050】
(実施例4)
中空の管状部材に対して近位に位置付けられた接続部分を更に備え、接続部分が、導波管をトランスデューサに音響的に連結するように構成されている、実施例2〜3のいずれか1つ又は2つに記載の超音波器具。
【0051】
(実施例5)
接続部分が、管状部材に着脱可能に連結されている、実施例4に記載の超音波器具。
【0052】
(実施例6)
接続部分及び超音波ブレードが各々、対向する端部で管状部材にネジ止めにより連結されている、実施例5に記載の超音波器具。
【0053】
(実施例7)
接続部分が第1の雄ネジ付き部分を画成し、超音波ブレードが第2の雄ネジ付き部分を画成し、管状部材が、その第1の端部で第1の雌ネジ付き部分を画成し、管状部材が、その第2の端部で第2の雌ネジ付き部分を画成し、第1の雄ネジ付き部分が、第1の雌ネジ付き部分をネジ止めにより係合するように構成され、第2の雄ネジ付き部分が、第2の雌ネジ付き部分をネジ止めにより係合するように構成されている、実施例6に記載の超音波器具。
【0054】
(実施例8)
ネジ付き部分のうちの少なくとも1つが、導波管を通して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに位置付けられている、実施例7に記載の超音波器具。
【0055】
(実施例9)
管状部材が第1の端部及び第2の端部を含み、管状部材が、第1の端部と第2の端部との間に延在する連続的な管腔を画成する、実施例1〜8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0056】
(実施例10)
音響導波管が、複数の長手方向に離間配置された環状溝部を含む、実施例1〜9のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0057】
(実施例11)
環状溝部のうちの第1の環状溝部の長さが、環状溝部のうちの第2の環状溝部の長さよりも長い、実施例1〜10のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0058】
(実施例12)
音響導波管が、長手方向に離間配置された複数の対向するノッチを含む、実施例1〜11のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0059】
(実施例13)
エンドエフェクタがクランプアームを更に備え、クランプアームが、超音波ブレードに対して枢動して、クランプアームと超音波ブレードとの間に組織をクランプするように構成されている、実施例1〜12のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0060】
(実施例14)
トランスデューサを更に備え、トランスデューサが、電力を超音波振動に変換するように構成され、超音波ブレードが、管状部材を介して超音波トランスデューサと音響的に連通するように構成され、それにより超音波トランスデューサが、超音波ブレードを駆動して超音波振動させるように動作可能となっている、実施例1〜13のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0061】
(実施例15)
管状部材がチタンを含む、実施例1〜14のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波器具。
【0062】
(実施例16)
(a)トランスデューサアセンブリに音響的に連結されるように構成された近位部分と、(b)超音波ブレードを画成する遠位部分と、(c)近位部分と遠位部分との間に位置付けられた中間部分と、を含み、中間部分の少なくとも一部が中空であり、近位部分及び遠位部分が各々、材料又は材料の組み合わせでできた中実のコアシャフトで構築されている、音響導波管。
【0063】
(実施例17)
音響導波管がチタンで構築されている、実施例16に記載の音響導波管。
【0064】
(実施例18)
音響導波管がアルミニウムで構築されている、請求項16〜17の1つ又は2つに記載の音響導波管。
【0065】
(実施例19)
中間部分が、第1の材料又は材料の組み合わせで構築され、近位部分及び遠位部分が各々、対応する第2の材料又は材料の組み合わせで構築され、第2の材料又は材料の組み合わせが、第1の材料又は材料の組み合わせとは異なる、請求項16〜17の1つ又は2つに記載の音響導波管。
【0066】
(実施例20)
(a)電力を超音波振動に変換するように動作可能である、超音波トランスデューサと、(b)超音波トランスデューサと音響的に連通しており、それにより超音波トランスデューサが、超音波ブレードを駆動して超音波振動させるように動作可能となっている、音響導波管と、を備え、音響導波管が、(i)近位部分と、(ii)遠位部分と、(iii)中間部分と、を含み、中間部分の少なくとも一部が、近位部分及び遠位部分よりも低い平均密度を有する、超音波器具。
【0067】
V.その他
明細書に記載される器具のいずれの変形形態も、上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、様々なその他の特徴を含んでもよいことを理解されたい。あくまで一実施例として、本明細書で説明する器具のいずれもが、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかで開示されている様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むこともできる。本明細書の教示は、本明細書で引用される他の参考文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得るため、本明細書の教示は、本明細書で引用される参考文献のいずれかの教示と多くの方法で容易に組み合わせることができることも理解されたい。更に、当業者は、本明細書の種々の教示が電気外科器具、ステープル留め器具、及び他の種類の外科器具に容易に適用され得ることを認識するであろう。本明細書の教示が組み込まれ得る他の種類の器具が、当業者には明らかとなるであろう。
【0068】
参照により本明細書に組み込まれると言及されたいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることを認識されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、組み込まれる文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0069】
上述の装置の変形例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び処置での用途も有することができる。単なる実施例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者には明らかとなることであるが、本明細書の様々な教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2004年8月31日公開の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号の様々な教示と容易に組み合わされ得る。
【0070】
上述の変形形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよいし、又は複数回使用されるように設計されることもできる。いずれか又は両方の場合において、変形例は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形例は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部材又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換に際して、装置の特定の変形例を、再調整用の施設において、又は手術の直前に使用者により再組み立てして、その後の使用に供することができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を使用できる点を認識するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて本出願の範囲内にある。
【0071】
単なる実施例として、本明細書に記載される変形例は、手術の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖及び密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置くことができる。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管することができる。デバイスはまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の別の技術を用いて滅菌され得る。
【0072】
以上、本発明の様々な実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記で論じた実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解されたい。
【0073】
〔実施の態様〕
(1) (a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延在し、音響導波管を備えるシャフトアセンブリと、
(d)前記音響導波管と音響的に連通している超音波ブレードを備えるエンドエフェクタと、を備え、前記超音波ブレードが、ある材料又は材料の組み合わせでできた中実のコアシャフトによって画成され、
前記音響導波管の少なくとも一部が、前記中実のコアシャフトに連結された中空の管状部材を含む、超音波器具。
(2) 前記中空の管状部材が、前記超音波ブレードに着脱可能に連結されている、実施態様1に記載の超音波器具。
(3) 前記中空の管状部材及び超音波ブレードが、互いに着脱可能に連結されたときに接合部を画成し、前記接合部が、前記導波管を通して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置する、実施態様2に記載の超音波器具。
(4) 前記中空の管状部材に対して近位に位置付けられた接続部分を更に備え、前記接続部分が、前記導波管をトランスデューサに音響的に連結するように構成されている、実施態様2に記載の超音波器具。
(5) 前記接続部分が、前記管状部材に着脱可能に連結されている、実施態様4に記載の超音波器具。
【0074】
(6) 前記接続部分及び前記超音波ブレードが各々、対向する端部で前記管状部材にネジ止めにより連結されている、実施態様5に記載の超音波器具。
(7) 前記接続部分が第1の雄ネジ付き部分を画成し、前記超音波ブレードが第2の雄ネジ付き部分を画成し、前記管状部材が、その第1の端部で第1の雌ネジ付き部分を画成し、前記管状部材が、その第2の端部で第2の雌ネジ付き部分を画成し、前記第1の雄ネジ付き部分が、前記第1の雌ネジ付き部分をネジ止めにより係合するように構成され、前記第2の雄ネジ付き部分が、前記第2の雌ネジ付き部分をネジ止めにより係合するように構成されている、実施態様6に記載の超音波器具。
(8) 前記ネジ付き部分のうちの少なくとも1つが、前記導波管を通して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに位置付けられている、実施態様7に記載の超音波器具。
(9) 前記管状部材が第1の端部及び第2の端部を含み、前記管状部材が、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する連続的な管腔を画成する、実施態様1に記載の超音波器具。
(10) 前記音響導波管が、複数の長手方向に離間配置された環状溝部を含む、実施態様1に記載の超音波器具。
【0075】
(11) 前記環状溝部のうちの第1の環状溝部の長さが、前記環状溝部のうちの第2の環状溝部の長さよりも長い、実施態様1に記載の超音波器具。
(12) 前記音響導波管が、長手方向に離間配置された複数の対向するノッチを含む、実施態様1に記載の超音波器具。
(13) 前記エンドエフェクタがクランプアームを更に備え、前記クランプアームが、前記超音波ブレードに対して枢動して、前記クランプアームと前記超音波ブレードとの間に組織をクランプするように構成されている、実施態様1に記載の超音波器具。
(14) トランスデューサを更に備え、前記トランスデューサが、電力を超音波振動に変換するように構成され、前記超音波ブレードが、前記管状部材を介して前記超音波トランスデューサと音響的に連通するように構成され、それにより前記超音波トランスデューサが、前記超音波ブレードを駆動して超音波振動させるように動作可能となっている、実施態様1に記載の超音波器具。
(15) 前記管状部材がチタンを含む、実施態様1に記載の超音波器具。
【0076】
(16) (a)トランスデューサアセンブリに音響的に連結されるように構成された近位部分と、
(b)超音波ブレードを画成する遠位部分と、
(c)前記近位部分と前記遠位部分との間に位置付けられた中間部分と、を含み、
前記中間部分の少なくとも一部が中空であり、
前記近位部分及び前記遠位部分が各々、材料又は材料の組み合わせでできた中実のコアシャフトで構築されている、音響導波管。
(17) 前記音響導波管がチタンで構築されている、実施態様16に記載の音響導波管。
(18) 前記音響導波管がアルミニウムで構築されている、実施態様16に記載の音響導波管。
(19) 前記中間部分が、第1の材料又は材料の組み合わせで構築され、前記近位部分及び前記遠位部分が各々、対応する第2の材料又は材料の組み合わせで構築され、前記第2の材料又は材料の組み合わせが、前記第1の材料又は材料の組み合わせとは異なる、実施態様16に記載の音響導波管。
(20) (a)電力を超音波振動に変換するように動作可能である、超音波トランスデューサと、
(b)前記超音波トランスデューサと音響的に連通しており、それにより前記超音波トランスデューサが、前記超音波ブレードを駆動して超音波振動させるように動作可能となっている、音響導波管と、を備え、前記音響導波管が、
(i)近位部分と、
(ii)遠位部分と、
(iii)中間部分と、を含み、前記中間部分の少なくとも一部が、前記近位部分及び前記遠位部分よりも低い平均密度を有する、超音波器具。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7