特許第6965269号(P6965269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965269
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】ガラス管製造装置および方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 17/04 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
   C03B17/04 A
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-554023(P2018-554023)
(86)(22)【出願日】2017年5月4日
(65)【公表番号】特表2019-514821(P2019-514821A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】US2017031085
(87)【国際公開番号】WO2017192865
(87)【国際公開日】20171109
【審査請求日】2020年5月1日
(31)【優先権主張番号】62/332,722
(32)【優先日】2016年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】デ アンジェリス,ギルバート
(72)【発明者】
【氏名】メドウズ ジュニア,ロバート ジェニングス
(72)【発明者】
【氏名】ポサダ−ピネダ,デイヴィッド
【審査官】 松本 瞳
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03410675(US,A)
【文献】 特表2015−521577(JP,A)
【文献】 特開2012−167004(JP,A)
【文献】 特表2004−523449(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102008009811(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラス管製造装置において、
溶融ガラスを収容するためのガラス送出タンクであって、前記ガラス送出タンクの底部を通って延伸する送出口を有する該ガラス送出タンクと、
前記溶融ガラスをガラス管に成形するために構成され、少なくとも部分的には、前記ガラス送出タンクの前記送出口の下方に位置するベルヘッドと、
前記ベルヘッドに接続された支持部であって、
内腔および外面を有し、前記ベルヘッドからベル軸支持部まで、前記ガラス送出タンクの前記送出口を通って延伸するベル軸部、
前記ベル軸部の前記内腔に位置するライナー、
前記ベル軸部の前記外面の少なくとも一部の周りに位置し、前記ガラス送出タンクを通って延伸する熱遮蔽部、並びに、
前記ベル軸部の前記外面と前記熱遮蔽部との間に位置する、間隙を、
有する前記支持部と、
を含み、前記熱遮蔽部は、前記ベルヘッドから離間した、前記ベル軸部上の位置で終端する、装置。
【請求項2】
前記ベルヘッドは、内側流路と、ベルヘッド外面と、前記内側流路と前記ベルヘッド外面の間に延伸する堅固な金属材料から製作された壁部とを有する本体部を含むものである、請求項1に記載のガラス管製造装置。
【請求項3】
前記ベル軸部は、前記ベルヘッドから、前記ガラス送出タンクを通って、上方に延伸するものである、請求項1または2に記載のガラス管製造装置。
【請求項4】
前記ライナーは、耐火材料から製作されたものである、請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス管製造装置。
【請求項5】
前記耐火材料は、有機化合物を、実質的に含まないものである、請求項4に記載のガラス管製造装置。
【請求項6】
前記ライナーは、アルミナから製作されたものである、請求項5に記載のガラス管製造装置。
【請求項7】
前記熱遮蔽部は、外側クラッディング、および、前記外側クラッディングと前記ベル軸部の前記外面との間に位置する断熱層を含むものである、請求項1から6のいずれか1項に記載のガラス管製造装置。
【請求項8】
前記外側クラッディングは、白金または白金合金から製作されたものであり、
前記断熱層は、耐火材料から製作されたものである、請求項7に記載のガラス管製造装置。
【請求項9】
前記耐火材料は、有機化合物を、実質的に含まないものである、請求項8に記載のガラス管製造装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、「Bell Assemblies for Glass Tubing Manufacturing and Glass Tubing Manufacturing Apparatuses Comprising the Same」という名称で、2016年5月6日に出願された米国仮特許出願第62/332,722号の優先権の利益を主張し、それは、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、概して、溶融ガラスからガラス管を成形する管製造装置に関し、より詳しくは、管製造装置で用いるベルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
ガラス管を用いて、バイアル、カートリッジ、および、シリンジなどのガラス物品を製造するには、ガラス管壁部の寸法安定性が高いことが必要である。例えば、バイアル、カートリッジ、および、シリンジは、厳しい寸法要件を有し、同心性および壁厚の変化が最小であることを要する。業界基準では、壁厚の変化は、製品の全体的壁厚の5%未満であることが要求される。それでも、ガラス物品を、そこから成形するガラス管の寸法変化は、許容誤差を超えた壁厚を有するガラス物品を生じうる。そのような寸法変化は、例えば、ガラス管製造処理における処理の不安定性または変化によるものでありうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、それから成形されるガラス管の寸法変化を減らす、代わりのガラス管製造装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載の実施形態は、熱寸法安定性が高められ、ガラス管製造中の偏肉によるロスが削減されたベルアセンブリ装置に関する。本明細書において、熱寸法安定性が高められたベルアセンブリ装置を組み込んで、ガラス管製造中のベルアセンブリ装置に亘る熱変化によるガラス送出タンクの送出口内でのベル部の望ましくない移動を、減らしたガラス管成形装置も、記載する。
【0006】
一実施形態によれば、ガラス管製造装置は、溶融ガラスを収容するためのガラス送出タンクを含む。ガラス送出タンクは、ガラス送出タンクの底部を通って延伸する送出口を有する。溶融ガラスをガラス管に成形するために構成されたベルヘッドが含まれ、それは、少なくとも部分的には、ガラス送出タンクの送出口の下方に位置する。ベルヘッドは、内側流路と、ベルヘッド外面と、内側流路とベルヘッド外面の間に延伸する堅固な金属材料から製作された壁部とを有する本体部を含む。ベルヘッドの壁部、および、ベル軸部は、白金または白金合金から製作されたものである。支持部は、ベルヘッドに接続され、更に、支持部は、内腔および外面を有するベル軸部、並びに、外面の少なくとも一部の周りに位置した熱遮蔽部を、有する。ベル軸部は、ベルヘッドからベル軸支持部まで、ガラス送出タンクの送出口を通って延伸する。熱遮蔽部は、ガラス送出タンクを通って延伸するが、送出口を通って延伸しない。熱遮蔽部は、外側クラッディング、および、外側クラッディングとベル軸部の外面との間に位置する断熱層を含む。ベル軸部、および、熱遮蔽部の外側クラッディングは、白金または白金合金から製作されたものである。熱遮蔽部の断熱層は、耐火材料から製作されたものである。耐火材料は、有機化合物を、実質的に含まないものでありうる。熱遮蔽部は、ベル軸部の外面から離間したもので、例えば、ベル軸部の外面と熱遮蔽部との間に空隙が存在しうる。
【0007】
他の実施形態によれば、ガラス管製造方法は、溶融ガラスを、ガラス送出タンク内に向ける工程を含む。ガラス送出タンクは、ガラス送出タンクの底部を通って延伸する送出口を有する。その方法は、溶融ガラスを、少なくとも部分的にはガラス送出タンクの送出口の下方に位置するベルヘッドの周りで引き出して、ガラス管を成形する工程を含む。ベルヘッドは、内腔および外面を有するベル軸部を含む支持部に、接続されている。ベル軸部は、ベルヘッドからベル軸支持部まで、送出口、および、ガラス送出タンクを通って、延伸する。熱遮蔽部は、ベル軸部の外面の少なくとも一部の周りで、ガラス送出タンクを通って延伸するが、送出口を通って延伸しない(つまり、熱遮蔽部は、送出口の上方のガラス送出タンク内で終端する)。熱遮蔽部は、外側クラッディングを有し、断熱層が、外側クラッディングとベル軸部の外面との間に位置する。熱遮蔽部が、ベル軸部の幅に亘る平均温度変化を、熱遮蔽部の外側クラッディングの幅に亘る平均温度変化の20%未満に維持する。
【0008】
他の実施形態によれば、ガラス管製造装置のためのベルアセンブリは、溶融ガラスをガラス管に成形するために構成されたベルヘッドと、ベルヘッドに接続された支持部とを含む。支持部は、内腔および外面を有するベル軸部、ベル軸部の内腔に位置するライナー、並びに、ベル軸部の外面に沿って延伸する熱遮蔽部を含む。ベルヘッドは、内側流路と、ベルヘッド外面と、内側流路とベルヘッド外面の間に延伸する堅固な金属材料から製作された壁部とを有する本体部を含む。ベルヘッドの壁部は、白金または白金合金から製作されたものでありうる。ベル軸部も、白金または白金合金から製作されたものでありうる。ライナーは、耐火材料から製作されたものでありうる。実施形態において、その耐火材料は、有機化合物を、実質的に含まないものである。熱遮蔽部は、クラッディング層、および、クラッディング層とベル軸部の外面との間に位置する断熱層を含みうる。熱遮蔽部は、ベル軸部の外面から離間したものでありうる。実施形態において、空隙が、熱遮蔽部とベル軸部の外面との間に位置する。
【0009】
本明細書に記載の、熱寸法安定性が高められたガラス管成形装置の更なる特徴および利点を、次の詳細な記載で示し、それらは、部分的には、当業者には、その記載から容易に明らかであるか、または、次の詳細な記載、請求項、および、添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実施することで、分かるだろう。
【0010】
ここまでの概略的記載および次の詳細な記載の両方が、様々な実施形態を記載し、請求した主題の本質および特徴を理解するための概観または枠組みを提供することを意図すると、理解すべきである。添付の図面は、様々な実施形態の更なる理解のために含められたものであり、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は、本明細書に記載の様々な実施形態を示し、明細書の記載と共に、請求した主題の原理および動作を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本明細書に示し、記載した1つ以上の実施形態による熱遮蔽部を有するベルアセンブリを、概略的に示す側面図である。
図1B図1Aの1B‐1B断面を概略的に示す図であり、本明細書に示し、記載した1つ以上の実施形態による熱遮蔽部を有するベルアセンブリの断面を示している。
図1C図1Bに「1C」と付した円形領域を概略的に示す図であり、本明細書に示し、記載した1つ以上の実施形態によるベルヘッド、ベル軸部、および、ライナーを拡大して示している。
図1D図1Aの1D‐1D断面を概略的に示す図であり、本明細書に示し、記載した1つ以上の実施形態による熱遮蔽部の断面を示している。
図2】本明細書に示し、記載した1つ以上の実施形態によるベルアセンブリを有するガラス管製造装置の断面を、概略的に示す図である。
図3】「低剛性の軸」を有するベル軸部の撓みを、「高剛性の軸」を有するベル軸部の撓みと比較して示すグラフである。
図4】ベルヘッドの撓みを、温度変化、および、ベル軸部の剛性の関数として示すグラフである。
図5A】熱遮蔽部を有さないベル軸部の断面の温度変化(ΔT)を、概略的に示す図である。
図5B】本明細書に示し、記載した1つ以上の実施形態による熱遮蔽部を有するベル軸部の断面の温度変化(ΔT)を、概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、本明細書に記載すると共に、添付の図面に例を示したベルアセンブリを用いてガラス管を成形するための、様々なガラス管製造装置および方法を、詳細に記載する。全図を通して、同じ、または、類似の部分を称するには、可能な限り、同じ参照番号を用いている。ガラス管製造装置の一実施形態を、図2に示している。一実施形態によれば、ガラス管製造装置は、溶融ガラスを収容するためのガラス送出タンクを含む。ガラス送出タンクは、ガラス送出タンクの底部を通って延伸する送出口を含みうる。ガラス管製造装置は、溶融ガラスをガラス管に成形するように構成されたベルヘッドも含みうる。ベルヘッドは、少なくとも部分的には、ガラス送出タンクの送出口の下方に位置しうる。ベルヘッドは、堅固なベルヘッドでありうる。つまり、ベルヘッドは、内側流路、ベルヘッド外面、および、内側流路とベルヘッド外面の間に延伸する金属材料から製作された堅固な壁部を有する本体部を含みうる。ベルヘッドの壁部、および、ベル軸部は、白金または白金合金から製作しうる。ガラス管製造装置は、ベルヘッドに接続された支持部を、更に含みうる。支持部は、内腔および外面を有するベル軸部、並びに、その外面の少なくとも一部の周りに位置する熱遮蔽部を含みうる。ベル軸部は、ベルヘッドからベル軸支持部まで、ガラス送出タンクの送出口を通って延伸しうる。実施形態において、熱遮蔽部は、ガラス送出タンクを通って延伸するが、送出口を通って延伸しない。したがって、熱遮蔽部は、送出口に到達する前に、ガラス送出タンク内で終端する。熱遮蔽部は、外側クラッディング、および、外側クラッディングとベル軸部の外面との間に位置する断熱層を含みうる。ベル軸部、および、熱遮蔽部の外側クラッディングは、白金または白金合金から製作しうる。熱遮蔽部の断熱層は、耐火材料から製作される。耐火材料は、有機化合物を実質的に含まないものでありうる。熱遮蔽部は、ベル軸部の外面から離間しうる。例えば、空隙などの間隙が、ベル軸部の外面と熱遮蔽部の間に存在しうる。本明細書で、ベルアセンブリ、ベルアセンブリを含むガラス管製造装置、および、それらを用いた方法の様々な実施形態を、添付の図面を具体的に参照して、より詳細に記載する。
【0013】
本明細書において、範囲を、「約」1つの特定の値から、および/または、「約」他の特定の値までと表しうる。そのような範囲を表した場合には、他の実施形態は、その1つの特定の値から、および/または、他の特定の値までという範囲を含む。同様に、「約」を付けて、値を近似値で表した場合、その特定の値が、他の態様を形成すると理解されるだろう。更に、各範囲の端点は、他方の端点との関係でと、他方の端点とは独立にの両方で重要であると、理解されるだろう。
【0014】
本明細書で用いたような方向を表す用語、例えば、上、下、右、左、前、後ろ、上部、および、底部は、示した図面に関する記載にすぎず、絶対的な方向を暗示することを意図していない。
【0015】
そうでないと明記されない限りは、本明細書に示した、いずれの方法も、その工程が特定の順序で行われることを要するとも、いずれの装置においても、特定の向きであることを要するとも解釈されることを、全く意図していない。したがって、方法の請求項が、その工程が行われる順序を実際に記載していないか、任意の装置の請求項が、個々の構成要素の順序または向きを実際に記載していないか、請求項または明細書で、そうではなく、工程は特定の順序に限られると具体的に記載していないか、若しくは、装置の構成要素の特定の順序または向きが記載されていない場合には、いかなる点でも、順序も向きも推測されることを全く意図していない。このことは、記載がないということに基づく任意の解釈に当てはまるもので、工程の配列、動作フロー、構成要素の順序、または、構成要素の向きについての論理問題、文法構成または句読点に起因する単純な意味、並びに、本明細書に記載の実施形態の数またはタイプを含む。
【0016】
本明細書で使用したように、英語の原文で単数を表す定冠詞または不定冠詞は、文脈から、そうでないことが明らかでない限りは、複数のものの記載を含む。したがって、例えば、単数の不定冠詞を付けて構成要素に言及した場合には、文脈から、そうでないことが明らかでない限りは、そのような構成要素を2つ以上有する態様を含む。
【0017】
ガラス管を製造するための一つの処理は、ベロ処理である。ベロ処理を用いて、溶融ガラスを既知の直径のベルヘッドの周りに流し、それと同時に、空気などの気体をベルヘッドに通して流すことによって、ガラス管を成形しうる。ベルヘッドを、溶融ガラスを収容するガラス送出タンクの開口部内に位置させ、ベル支持部を用いて支持する。気体をベルヘッドに供給するのにも、ベル支持部を用いる。ベルヘッドは、ガス流と協働して、溶融ガラスを、望ましい壁厚を有するガラス管に成形する。
【0018】
器具内の熱変動、および/または、機械的摂動によって、ベルヘッドは、開口部に対して移動されうる。この移動は、ガラス管の壁部の厚さを変化させうる。ガラス管の断面での最小壁厚と最大壁厚の差は、「偏肉」として知られており、ガラス管の長さに沿った最小壁厚と最大壁厚の間での変化を、偏肉変化と称しうる。ベルヘッドの移動が大きすぎると、所定の許容誤差を超えた偏肉変化を有するガラス管を生じることになる。したがって、結果的に得られるガラス管の壁厚は、仕様外のものとなる。そのような管は、廃棄しなくてはならず、結果的に、製造効率を低下させ、製造コストを上昇させる。偏肉が、偏肉の仕様範囲を超えたことにより、除去されて廃棄されるガラス管の量は、「偏肉ロス」と称する。
【0019】
更に、溶融ガラスが高温であることで、ベル支持部の金属材料は、例えば、スケーリング、酸化、および、ブリスタリングなどの劣化を生じうる。金属材料の劣化により生じる破片は、ガス流によって、ベル支持部およびベルヘッドを通って、結果的に得られるガラス管の柔らかいガラスの中に運ばれうる。この破片は、ガラスに埋め込まれて、ガラス管の全部または一部を廃棄することになる含有欠陥部を生じて、製造効率を低下させ、製造コストを上昇させうる。
【0020】
本明細書に記載の実施形態は、そこから成形されるガラス管における偏肉ロスを削減するベルアセンブリを有するガラス管製造装置を、提供する。本明細書に記載のベルアセンブリのいくつかの実施形態は、ガラス管製造装置を用いて成形されるガラス管における含有欠陥部も、削減しうる。
【0021】
ここで、図1A〜1Dを参照すると、ベルアセンブリ10の一実施形態を、概略的に示している。ベルアセンブリ10を、ガラス管製造装置20(図2)で用いて、ガラス管の成形を容易にしうる。ベルアセンブリ10は、概して、ベルヘッド100および支持部120を含む。ベルヘッド100は、内側流路104、ベルヘッド外面106、および、ベルヘッド根元部107を有するベルヘッド本体部102を含む。ベルヘッド壁部108が、内側流路104とベルヘッド外面106の間に延伸する。ベルヘッド壁部108は、ガラス管製造中に経験する高温での使用に適した堅固な金属材料から製作される。適切な材料は、限定するものではないが、白金、若しくは、80:20の白金‐ロジウム合金、および、70:30の白金‐ロジウム合金などの白金の合金、白金‐金の合金、白金を被覆したモリブデンなど、白金を被覆した耐火金属、および、白金を被覆したモリブデン合金など、白金を被覆した耐火金属合金を含む。
【0022】
本明細書に記載したように、ベルヘッド100は、溶融ガラスを、ガラス管に成形する。より具体的には、溶融ガラスが、ベルヘッド外面106を越えて流れて、溶融ガラスがベルヘッド100を離れる時に、管へと成形される。溶融ガラスは、ベルヘッド外面106と、直接、接触するので、ベルヘッド外面106上の任意の欠陥部または不完全部が、結果的に生成されるガラス管の内面に移ってしまいうる。本明細書に記載の実施形態において、ベルヘッド外面106は、約1から10マイクロインチ(約0.03から約0.25マイクロメートル)の表面仕上げRa、例えば、約2から4マイクロインチ(約0.05から約0.10マイクロメートル)の表面仕上げRaを有して、結果的に得られるガラス管の内面上の欠陥を削減しうる。
【0023】
ベルヘッド外面106は、上半分106aおよび下半分106bを有し、ベルヘッド根元部107は、根元部直径Dを有しうる。根元部直径Dは、目標とするガラス管の内径(不図示)と、ベルヘッド外面106を越えて流れるガラスの流速の関数で、表しうる。外面106の下半分106bは、垂直方向に対して(つまり、図面に示した座標軸のZ軸に対して)、負の傾斜または(図1Cで、θを付した)角度を有しうる。実施形態において、負の傾斜角度θは、21°以下で、ベルヘッド外面106を越えて流れる不安定なガラスの流れを最小にするか、または、削減する。
【0024】
更に、図1A〜1Dを参照すると、支持部120は、ベルヘッド100に連結されて、概して、内腔124および外面126を有するベル軸部122を含みうる。内腔124は、ベルヘッド100の内側流路104と流体連通し、したがって、内腔124を通って流れる加圧流体が、ベルヘッド100の内側流路104も通って流れる。本明細書に記載の実施形態において、加圧流体は、加圧ガスであってもよく、具体的には、空気、または、不活性加圧ガスであってもよく、限定するものではないが、窒素、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノンなどを含みうる。本明細書に記載の実施形態において、ベル軸部122は、ガラス管製造中に経験する高温での使用に適した金属材料から製作しうる。適切な材料は、限定するものではないが、白金、若しくは、80:20の白金‐ロジウム合金、および、70:30の白金‐ロジウム合金などの白金の合金、白金‐金の合金、白金を被覆したモリブデンなど、白金を被覆した耐火金属、および、白金を被覆したモリブデン合金など、白金を被覆した耐火金属合金を含む。
【0025】
溶融ガラスがベルヘッド100の方へ流れる時に、溶融ガラスは、ベル軸部122の外面126の一部と接触しうる。溶融ガラスは、ベル軸部122の外面126と、直接、接触するので、ベル軸部122の外面126上の任意の欠陥部または不完全部が、結果的に生成されるガラス管の内面に移ってしまいうる。本明細書に記載の実施形態において、ベル軸部122の外面126は、約1から10マイクロインチ(約0.03から約0.25マイクロメートル)の表面仕上げRa、例えば、約2から4マイクロインチ(約0.05から約0.10マイクロメートル)の表面仕上げRaを有して、結果的に得られるガラス管の内面上の欠陥を削減しうる。
【0026】
熱変動、および/または、機械的摂動の結果として生じるベル軸部122の撓みは、ガラス管の偏肉に影響しうる。ベル軸部122の剛性を高めることで、そのような撓みを減らし、その結果、偏肉ロスを、削減しうる。例えば、図3は、「低剛性の軸」を有するベル軸部を、「高剛性の軸」を有するベル軸部と比較して、(X方向)の撓みを、各ベル軸部に連結されたベルヘッドへの荷重(X方向)の関数として示しており、その荷重は、ガラスが、ベルヘッドの下流側に位置する引出し機(不図示)によって引き出される時に、ベルヘッドに加わる力である。同じ荷重が加わると、より高い剛性を有するベル軸部は、より低い剛性を有するベル軸部より、撓みが小さい。ベル軸部122の剛性は、より厚い壁厚のベル軸部122を用いるか、ベル軸部122を、比較的高いヤング率を有する材料から成形するか、ベルヘッド100とベル軸支持部160の間の距離を短くするか、ベル軸部122の外径を大きくするか、若しくは、より厚いベル軸部の壁厚、より高いヤング率のベル軸部の材料、ベルヘッドとベル軸支持部の間の距離を短くすること、および、ベル軸部の外径の増大の1つ以上の組合せかによって、高めうる。実施形態において、ベル軸部の壁厚は、約1から約12ミリメートル、例えば、約2から約5ミリメートルでありうる。より詳細に次に記載するように、ベル軸部122の円形からの逸脱(丸でなくなる)を最小にすることで、溶融ガラスがベルヘッド100の方へ流れる時に、ベル軸部122の外面126の一部と接触する溶融ガラスから成形されるガラス管の環状面の逸脱を、削減しうる。
【0027】
いくつかの実施形態において、ベルアセンブリ10は、ライナー128を、更に含みうる。ライナーは、ベル軸部122の内腔124に位置する。実施形態において、ライナー128は、耐火材料から製作される。例えば、ライナー128は、CoorsTekから入手可能なAlumina998などのアルミナから製作しうる。いくつかの実施形態において、ライナー128は、ベルアセンブリ10の周りを流れる溶融ガラスを揮発および汚染しうる有機化合物を含まない。ライナー128は、ベル軸部122の内腔124の劣化を低減し、更に、ベル軸部122の内腔124が、酸化、ブリスタリングなどによって劣化するような場合に、ライナー128は、障壁として働き、内腔124の劣化により生じる微粒子物質が、ベルヘッド100を越えて引き出されるガラス管に接触して、その中に取り込まれるのを防ぐことが、分かるだろう。
【0028】
実施形態において、ベルアセンブリ10の支持部120は、熱遮蔽部140を、更に含みうる。熱遮蔽部140は、ベル軸部122の外面126に沿って延伸し、遠端部141および近端部143を有する。いくつかの実施形態において、熱遮蔽部140の遠端部141は、ベルヘッド100の上方で終端し、つまり、熱遮蔽部140の遠端部141は、図1Aから1Cに示したように、ベルヘッド100から離間している。いくつかの他の実施形態(不図示)において、熱遮蔽部140は、ベルヘッド100に当接し、熱遮蔽部140の遠端部141は、ベルヘッド100と接触する。
【0029】
熱遮蔽部140は、ベル軸部122を、ガラス管製造の環境での温度変化から遮蔽または断熱することによって、熱摂動を低下または削減しうる。ベル軸部122の幅(X方向)に亘る温度変化は、結果的に、ベル軸部122の長さ(Z方向)に沿って非均一な拡大収縮、並びに、ベル軸部122、および、そこに連結されるベルヘッド100の撓みを生じることが、分かるだろう。ベル軸部122の幅に亘る温度変化を減らすことで、ベル軸部122、および、そこに連結されるベルヘッド100の撓みを減らし、その結果、ベルヘッド100を越えて引き出されるガラス管の偏肉ロスを削減しうることが、分かるだろう。
【0030】
実施形態において、熱遮蔽部140は、クラッディング層142および断熱層144を含む。断熱層144は、クラッディング層142と、ベル軸部122の外面126との間に位置しうる。クラッディング層142は、ガラス管製造中に経験する高温での使用に適した金属材料から製作しうる。適切な材料は、限定するものではないが、白金、若しくは、80:20の白金‐ロジウム合金、および、70:30の白金‐ロジウム合金などの白金の合金、白金‐金の合金、白金を被覆したモリブデンなど、白金を被覆した耐火金属、および、白金を被覆したモリブデン合金など、白金を被覆した耐火金属合金を含む。
【0031】
溶融ガラスがベルヘッド100の方へ流れる時に、溶融ガラスは、熱遮蔽部140のクラッディング層142の一部と接触しうる。溶融ガラスは、熱遮蔽部140のクラッディング層142と、直接、接触するので、熱遮蔽部140のクラッディング層142上の任意の欠陥部または不完全部が、結果的に生成されるガラス管の内面に移ってしまいうる。本明細書に記載の実施形態において、熱遮蔽部140のクラッディング層142は、約10から50マイクロインチ(約0.25から約1.27マイクロメートル)の表面仕上げRa、例えば、約16から32マイクロインチ(約0.41から約0.81マイクロメートル)の表面仕上げRaを有して、結果的に得られるガラス管の内面上の欠陥を削減しうる。
【0032】
実施形態において、熱遮蔽部140の断熱層144は、耐火セラミック材料から製作しうる。適切な耐火セラミック材料は、限定するものではないが、ZIRCARの耐火製品であるALC、ALC−AA、ZAL−15、ZAL−15AA、ECO−20AA、AL−30、AL−30AA、ZAL−45、AL−30AAH、AL−25/1700、SALI、および、SALI−2タイプを含みうる。実施形態において、断熱層144は、ベルアセンブリ10の周りを流れる溶融ガラスを揮発および汚染しうる有機化合物を、実質的に含まないものでありうる。
【0033】
実施形態において、図1Dに示したように、熱遮蔽部140は、ベル軸部122の外面126から離間しうる。例えば、いくつかの実施形態において、間隙146が、断熱層144と、ベル軸部122の外面126の間に位置しうる。実施形態において、間隙は、空気、並びに/若しくは、窒素、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、および、キセノンなどの不活性ガスで充填されていてもよい。他の実施形態において、間隙146は、真空状態であってもよい。概して、間隙146は、ベル軸部122の外面126と、断熱層144の間の熱障壁を提供し、それにより、ベル軸部122を、熱遮蔽部の幅に亘る温度変化から、更に断熱する。
【0034】
ここで、図1A〜1Dおよび図2を参照すると、図1A〜1Dのベルアセンブリ10を含むガラス管製造装置20の一実施形態を、概略的に示している。具体的には、図2は、ガラス管300の製造に用いられているガラス管製造装置20の側面図を示している。ガラス管製造装置20は、ガラス送出タンク200を含み、送出口204が、ガラス送出タンク200の底部206を通って延伸している。溶融ガラス202は、ガラス送出タンク200に収容されている。1つ以上の加熱要素212を有する加熱部210が、少なくとも部分的には、ガラス送出タンク200の上方に位置している。加熱要素212は、燃焼ガスバーナー、電気加熱要素、赤外線加熱要素などでありうる。加熱部は、ガラス送出タンク200内の溶融ガラス202に熱を供給し、溶融ガラス202が、送出口204を通って、ベル軸部122の周りを流れる時に、確実に、溶融ガラス202が、望ましい温度および粘度を有するか、または、維持するようにする。ベルヘッド100は、少なくとも部分的には、送出口204の下方に位置し、ベル軸部122は、ベルヘッド100から、送出口204を通って、更に、溶融ガラス202および加熱部210を通って、上方(+Z方向)に延伸する。実施形態において、ベルヘッド100は、ガラス送出タンク200の送出口204の下方(−Z方向)に、ベルヘッド100の+/−Z方向の移動が、送出口204を通って、ベル軸部122の周りを、更に、ベルヘッド100を越えて流れる溶融ガラス202の流速に影響しないように、離間して位置する。
【0035】
ベル軸部122の内腔124で、ライナー128が、ベルヘッド100から、送出口204、溶融ガラス202、および、加熱部210を通って、上方へ延伸する。熱遮蔽部140は、ベル軸部122の外面126に沿って、加熱部210を通り、更に、溶融ガラス202内で、ガラス送出タンク200の少なくとも一部を通って延伸する。図2に示した実施形態において、熱遮蔽部140は、ガラス送出タンク200内で終端し、送出口204から離間している。しかしながら、代わり実施形態(不図示)において、本明細書に記載したように、熱遮蔽部は、ベルヘッドまで延伸して、接触する。実施形態において、支持部120は、ベル軸部122を、ベル軸延伸部130に連結する連結部150を含みうる。ガラス製造装置20の最高温度は、加熱部210で発生し、その次に高い温度は、ガラス送出タンク200での温度で、その次は、ガラス送出タンクの上方(+Z方向)の領域の温度であることが分かるだろう。したがって、ベル軸部122のうち、加熱部210およびガラス送出タンク200内に位置する部分は、白金または白金合金など、高温での使用に適した材料から製作し、一方、連結部150からベル軸支持部160まで延伸し、加熱部210の上方の領域内に位置するベル軸延伸部130は、Inconel600または310ステンレス鋼など、より低い温度での利用に適した材料から製作しうるもので、それらの材料は、(白金または白金合金と比べて)高価ではなく、耐熱性が低い。運転に際して、溶融ガラス202を、ガラス送出タンク200に送出する。実施形態において、ガラス送出タンク200内の溶融ガラスの温度は、加熱部210を用いて維持される。ベルアセンブリ10は、ベル軸支持部160を用いて、ベルヘッド100が、少なくとも部分的には、ガラス送出タンク200の送出口204の下方(−Z方向)に位置するように配置される。溶融ガラス202は、送出口204を通って、ベル軸部122の周りを、更に、溶融ガラス202をガラス管300に成形するベルヘッド100を越えて流れる。上記のように、ベル軸部122、特に、ベル軸部122のうち、送出口204を通る部分の円形からの逸脱を最小にすることで、溶融ガラスが送出口を通って、ベル軸部122の周りを、更にベルヘッド100の方へ流れる時に、ベル軸部122の外面126の一部と接触する溶融ガラスから成形されるガラス管の環状面の逸脱を、削減しうる。
【0036】
溶融ガラスが、ベルヘッド100を越えて流れる時に、空気などの加圧流体が、ベル軸部122の内腔124を通って、更に、ベルヘッド100の内側経路104を通って、ガラス管300の内側に向けられる。図2に概略的に示したように、加圧ガスは、ベルヘッド100から流出した後に、ガラス管300の内側を支持し、その後は、ベルヘッド外面106と接触しないようにする。
【0037】
熱遮蔽部140は、ベル軸部122を、ガラス管製造装置20内の温度変化から断熱することによって、ベル軸部122への熱摂動を低下または削減する。具体的には、最高温度および最大温度変化は、加熱部210内で発生する。加熱部210での温度変化は、ベル軸部122の直径に亘る熱勾配を生じる。しかしながら、熱遮蔽部140は、ベル軸部122を断熱するので、それにより、ベル軸部122の直径に亘る温度変化を減らす。ベル軸部122の幅に亘る温度変化を減らすことで、ベル軸部122、および、そこに連結されたベルヘッド100の撓みを減らし、それによって、ガラス管製造装置20を用いて製造されたガラス管について、偏肉ロスを削減する。
【0038】
ベル軸部122の撓みを、ベル軸部(図3)の剛性を高めることによって、例えば、ベル軸部122の壁厚を厚くするか、より高いヤング率を有するベル軸部の材料を用いるか、ベルヘッド100とベル軸支持部160の間の距離を短くするか、ベル軸部122の外径を大きくするか、または、それらの任意の組合せによっても、減らしうる。
【0039】
本明細書において記載したように、ライナー128は、ベル軸部122の内腔124の酸化、ブリスタリングなどによる劣化を減らし、それにより、ガラス中の含有欠陥部を削減する。ベル軸部122の内腔124が劣化する場合に、ライナー128は、障壁として働き、内腔124の劣化で生じた微粒子物質が、ベルヘッド100を越えて引き出されるガラス管と接触して、その中に取り込まれるのを防ぐ。
【0040】
実施形態において、熱遮蔽部140の遠端部141は、ガラス送出タンク200内で、送出口204の上方で、それから離間した位置で終端する。つまり、熱遮蔽部は、送出口204を通って延伸しない。ベル軸部122が、熱遮蔽部140がない状態で送出口204を通って延伸することで、ガラス管壁部の厚さの許容誤差が、より厳しく維持されるのが、分かるだろう。ガラス管製造装置20内で、最高温度および最大温度変化が、加熱部210において生じることも、分かるだろう。熱遮蔽部140は、ベル軸部122を、そのような温度変化から断熱する。
【0041】
ここで、図4を参照すると、2つのベルヘッド100の撓みを、加熱部210の温度変化、および、2つのベル軸部122の剛性の関数として、コンピュータモデル化した結果を示している。2つのベルヘッド100の撓みは、所定のベルヘッド100に連結された各ベル軸部122の幅に亘る温度変化の結果である。2つのベルヘッド100の撓みを、ベルヘッド100から約0.6メートルの加熱部210内に位置するベル軸部122の一部について、モデル化している。図4に示すように、「高剛性の軸」を有するベル軸部122に連結されたベルヘッド100は、「低剛性の軸」を有するベル軸部122に連結されたベルヘッド100と比べて、約30%、撓みが減っているのを示している。「高剛性の軸」は、「低剛性の軸」より大きい外径、および、より厚い壁厚を有していた。本明細書において記載したように、ベル軸部の撓みが減ることで、偏肉ロスが削減され、結果的に、製造効率および処理量が高まる。
【0042】
図5A、5Bを参照すると、ベル軸部122の幅(+Y方向)に亘る温度変化について、熱遮蔽部140を備えた場合と、それを備えない場合のコンピュータモデル化した結果を示している。特に、図5Aは、熱遮蔽部140がない場合の、ベル軸部122の幅に亘る温度変化を示し、図5Bは、熱遮蔽部140がある場合の、ベル軸部122の幅に亘る温度変化を示している。ベル軸部122は、3ミリメートルの壁厚を有するものだった。図5Bに示すように、ベル軸部122の幅に亘る温度変化は、熱遮蔽部140がない場合の1Xから、熱遮蔽部140がある場合の0.136Xに減少している。したがって、熱遮蔽部140は、ベル軸部122に亘る温度変化を、少なくとも20%減らす。実施形態において、ベル軸部122の幅に亘る温度変化を、40%より大きく減らすか、好ましくは、50%より大きく減らすか、より好ましくは、60%より大きく減らす。温度変化が減ることで、結果的に、ガラス管製造中のベルヘッド100の寸法安定性が高まり、偏肉ロスが削減されることが、分かるだろう。
【0043】
当業者には、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、本明細書に記載した実施形態に様々な変更および変形が可能なことが、分かるだろう。したがって、本明細書に記載の実施形態は、いかなる変更および変形も、それらが、添付の請求項および等価物の範囲である限りは網羅することを、意図する。
【0044】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0045】
実施形態1
ガラス管製造装置において、
溶融ガラスを収容するためのガラス送出タンクであって、前記ガラス送出タンクの底部を通って延伸する送出口を有する該ガラス送出タンクと、
前記溶融ガラスをガラス管に成形するために構成され、少なくとも部分的には、前記ガラス送出タンクの前記送出口の下方に位置するベルヘッドと、
前記ベルヘッドに接続された支持部であって、
内腔および外面を有し、前記ベルヘッドからベル軸支持部まで、前記ガラス送出タンクの前記送出口を通って延伸するベル軸部、並びに、
前記ベル軸部の前記外面の少なくとも一部の周りに位置し、前記ガラス送出タンクを通って延伸する熱遮蔽部を、
有する前記支持部と、
を含む装置。
【0046】
実施形態2
前記ベルヘッドは、内側流路と、ベルヘッド外面と、前記内側流路と前記ベルヘッド外面の間に延伸する堅固な金属材料から製作された壁部とを有する本体部を含むものである、実施形態1に記載のガラス管製造装置。
【0047】
実施形態3
前記ベル軸部は、前記ベルヘッドから、前記ガラス送出タンクを通って、上方に延伸するものである、実施形態1に記載のガラス管製造装置。
【0048】
実施形態4
前記ベルヘッドの前記壁部、および、前記ベル軸部は、白金または白金合金から製作されたものである、実施形態2に記載のガラス管製造装置。
【0049】
実施形態5
前記ベル軸部の前記内腔に位置するライナーを、
更に含む、実施形態1に記載のガラス管製造装置。
【0050】
実施形態6
前記ライナーは、耐火材料から製作されたものである、実施形態5に記載のガラス管製造装置。
【0051】
実施形態7
前記耐火材料は、有機化合物を、実質的に含まないものである、実施形態6に記載のガラス管製造装置。
【0052】
実施形態8
前記ライナーは、アルミナから製作されたものである、実施形態7に記載のガラス管製造装置。
【0053】
実施形態9
前記熱遮蔽部は、外側クラッディング、および、前記外側クラッディングと前記ベル軸部の前記外面との間に位置する断熱層を含むものである、実施形態1に記載のガラス管製造装置。
【0054】
実施形態10
前記外側クラッディングは、白金または白金合金から製作されたものである、実施形態9に記載のガラス管製造装置。
【0055】
実施形態11
前記断熱層は、耐火材料から製作されたものである、実施形態9に記載のガラス管製造装置。
【0056】
実施形態12
前記耐火材料は、有機化合物を、実質的に含まないものである、実施形態11に記載のガラス管製造装置。
【0057】
実施形態13
前記熱遮蔽部は、前記ベル軸部の前記外面から離間したものである、実施形態1に記載のガラス管製造装置。
【0058】
実施形態14
前記ベル軸部の前記外面と前記熱遮蔽部との間の空隙を、
更に含む、実施形態1に記載のガラス管製造装置。
【0059】
実施形態15
前記熱遮蔽部は、前記送出口の上方の前記ガラス送出タンク内で終端するものである、実施形態1に記載のガラス管製造装置。
【0060】
実施形態16
前記ガラス送出タンクの上方に位置し、該ガラス送出タンク内の前記溶融ガラスを加熱するように構成された加熱部を、
更に含む、実施形態1に記載のガラス管製造装置。
【0061】
実施形態17
前記熱遮蔽部は、前記加熱部を通って延伸するものである、実施形態16に記載のガラス管製造装置。
【0062】
実施形態18
ガラス管製造方法において、
溶融ガラスを、ガラス送出タンク内に向ける工程であって、前記ガラス送出タンクは、該ガラス送出タンクの底部を通って延伸する送出口を有するものである工程と、
前記溶融ガラスを、少なくとも部分的には前記ガラス送出タンクの前記送出口の下方に位置するベルヘッドの周りで引き出して、それにより、ガラス管を成形する工程と、
を含み、
前記ベルヘッドは、支持部に接続され、前記支持部は、
内腔および外面を有し、前記ベルヘッドからベル軸支持部まで、前記ガラス送出タンクを通って延伸するベル軸部、並びに、
前記ベル軸部の前記外面の少なくとも一部の周りで、前記ガラス送出タンクを通って延伸する熱遮蔽部を、
有するものである方法。
【0063】
実施形態19
前記熱遮蔽部は、外側クラッディングを有し、断熱層が、前記外側クラッディングと前記ベル軸部の前記外面との間に位置し、該熱遮蔽部が、前記送出口の上方の前記ガラス送出タンク内で終端するものである、実施形態18に記載の方法。
【0064】
実施形態20
前記溶融ガラスを、少なくとも部分的には前記ガラス送出タンクの上方に位置する前記加熱部で、加熱する工程を、
更に含み、
前記熱遮蔽部が、前記加熱部を通って延伸するものである、実施形態18に記載の方法。
【0065】
実施形態21
前記熱遮蔽部が、前記加熱部内の前記ベル軸部の幅に亘る平均温度変化を、該熱遮蔽部の前記外側クラッディングの幅に亘る平均温度変化の20%未満に維持する工程を、
更に含む、実施形態20に記載の方法。
【0066】
実施形態22
前記支持部は、
前記ベル軸部の前記内腔に位置し、前記ベルヘッドから、前記ガラス送出タンクを通って、上方に延伸するライナーを、
更に含むものである、実施形態18に記載の方法。
【0067】
実施形態23
前記ライナーは、耐火材料から製作されたものである、実施形態22に記載の方法。
【0068】
実施形態24
前記耐火材料は、有機化合物を、実質的に含まないものである、実施形態23に記載の方法。
【0069】
実施形態25
前記ライナーは、アルミナから製作されたものである、実施形態24に記載の方法。
【0070】
実施形態26
前記ライナーが、前記ベル軸部の前記内腔の劣化を削減する工程を、
更に含む、実施形態22に記載の方法。
【0071】
実施形態27
前記ライナーは、前記ベル軸部の前記内腔の劣化から生じる微粒子物質が、前記ベルヘッドを越えて引き出される前記ガラス管に接触して、その中に取り込まれるのを防ぐ障壁である、実施形態22に記載の方法。
【0072】
実施形態28
ガラス管製造装置のためのベルアセンブリにおいて、
溶融ガラスをガラス管に成形するために構成されたベルヘッドと、
前記ベルヘッドに接続された支持部であって、
内腔および外面を有するベル軸部、
前記ベル軸部の前記内腔に位置するライナー、並びに、
前記ベル軸部の前記外面に沿って延伸する熱遮蔽部を、
有する支持部と、
を含むベルアセンブリ。
【0073】
実施形態29
前記ベルヘッドは、内側流路と、ベルヘッド外面と、前記内側流路と前記ベルヘッド外面の間に延伸する堅固な金属材料から製作された壁部とを有する本体部を含むものである、実施形態28に記載のベルアセンブリ。
【0074】
実施形態30
前記ベルヘッドの前記壁部は、白金または白金合金から製作されたものである、実施形態29に記載のベルアセンブリ。
【0075】
実施形態31
前記ベル軸部は、白金または白金合金から製作されたものである、実施形態28に記載のベルアセンブリ。
【0076】
実施形態32
前記ライナーは、耐火材料から製作されたものである、実施形態28に記載のベルアセンブリ。
【0077】
実施形態33
前記耐火材料は、有機化合物を、実質的に含まないものである、実施形態32に記載のベルアセンブリ。
【0078】
実施形態34
前記ライナーは、アルミナから製作されたものである、実施形態28に記載のベルアセンブリ。
【0079】
実施形態35
前記熱遮蔽部は、クラッディング層、および、前記クラッディング層と前記ベル軸部の前記外面との間に位置する断熱層を含むものである、実施形態28に記載のベルアセンブリ。
【0080】
実施形態36
前記クラッディング層は、白金または白金合金から製作されたものである、実施形態35に記載のベルアセンブリ。
【0081】
実施形態37
前記断熱層は、耐火材料から製作されたものである、実施形態35に記載のベルアセンブリ。
【0082】
実施形態38
前記熱遮蔽部は、前記ベル軸部の前記外面から離間したものである、実施形態35に記載のベルアセンブリ。
【0083】
実施形態39
前記熱遮蔽部と前記ベル軸部の前記外面との間に位置する空隙を、
更に含む、実施形態35に記載のベルアセンブリ。
【符号の説明】
【0084】
10 ベルアセンブリ
20 ガラス管製造装置
100 ベルヘッド
102 ベルヘッド本体
104 内側流路
106 ベルヘッド外面
107 ベルヘッド根元部
108 ベルヘッド壁部
120 支持部
122 ベル軸部
124 内腔
126 外面
128 ライナー
140 熱遮蔽部
142 クラッディング
144 断熱層
146 間隙
150 連結部
160 ベル軸支持部
200 ガラス送出タンク
202 溶融ガラス
204 送出口
210 加熱部
300 ガラス管
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5A
図5B