(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965275
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】改善された誘導シールシステム
(51)【国際特許分類】
B65B 51/22 20060101AFI20211028BHJP
B65B 51/10 20060101ALI20211028BHJP
B65B 51/12 20060101ALI20211028BHJP
B29C 65/32 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
B65B51/22 200
B65B51/10 M
B65B51/12
B29C65/32
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-557307(P2018-557307)
(86)(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公表番号】特表2019-514801(P2019-514801A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】EP2017060146
(87)【国際公開番号】WO2017191038
(87)【国際公開日】20171109
【審査請求日】2020年4月20日
(31)【優先権主張番号】16167841.2
(32)【優先日】2016年5月2日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・パームクイスト
【審査官】
田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−155005(JP,A)
【文献】
特表2014−505638(JP,A)
【文献】
特開平07−024938(JP,A)
【文献】
特開平08−230834(JP,A)
【文献】
特表2007−534572(JP,A)
【文献】
特表2015−535511(JP,A)
【文献】
米国特許第05247779(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/22
B29C 65/32
B65B 51/10
B65B 51/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性食品の密封包装を製造するために包装材料をヒートシールするための誘導シールシステムであって、
シールジョー(15)であって、
少なくとも1つの作用面(25、26)によって前記包装材料と相互作用する少なくとも1つのインダクタ装置(20、21);
磁束集中材料から作られたインサート(30)、
熱伝導性材料を含みかつ前記インダクタ装置(20、21)および前記磁束集中インサート(30)を収容する支持体(24);および
前記包装材料を圧迫するための相互作用面(55)
を備えたシールジョー(15)と、
弾性材料から作られ、前記シールジョー(15)に対抗圧力を与えるように配置された少なくとも1つの圧力パッド(52)を備えたカウンタージョー(16)と
を備え、
前記圧力パッド(52)が、前記シールジョー(15)に向かう方向に高さを有するアーチ型凸状接触領域(53)を有しており、
前記ジョー(15、16)が、前記インダクタ装置(20、21)、前記相互作用面(55)および前記作用面(25、26)が前記インダクタ装置の長さ(x)に沿って延在し、および前記カウンタージョー(16)の前記圧力パッド(52)が前記カウンタージョー(16)の長さ(x)に沿って延在するように長さ(x)および幅(y)を有する長方形であり、
前記圧力パッド(52)の幅は前記作用面(25、26)および前記相互作用面(55)の組み合わせた幅に等しいかそれより大きい、
誘導シールシステム。
【請求項2】
前記カウンタージョー(16)の前記少なくとも1つの圧力パッド(52)が、使用中に圧縮されると、前記作用面(25、26)および前記相互作用面の組み合わせた幅に等しいかそれよりも大きな幅を有する、請求項1に記載の誘導シールシステム。
【請求項3】
前記インダクタ装置が、前記シールジョー(15)の長さの方向(x)に延在する隆起部(51)を有し、前記隆起部(51)は前記圧力パッド(52)の前記アーチ型凸状表面(53)の最も高い部分に当たるように整列される、請求項1または2に記載の誘導シールシステム。
【請求項4】
前記インダクタ装置が、前記インダクタ装置の長さの方向(x)に延びる隆起部(51)を有し、前記隆起部は前記幅の中央に配置され、圧力パッドの前記アーチ型凸状表面の前記最も高い部分は、使用中、最初に前記隆起部に当たるように前記圧力パッドの前記幅の中央に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘導シールシステム。
【請求項5】
前記隆起部(51)が前記インダクタ装置(20、21)の前記作用面(25、26)の突出部分によって作られる、請求項3または4に記載の誘導シールシステム。
【請求項6】
前記隆起部(51)が前記シールジョー(15)の前記相互作用面(55)の突出部分によって作られる、請求項3または4に記載の誘導シールシステム。
【請求項7】
前記シールジョー(15)が、切断用溝(33)が間に配置される2つのインダクタ装置(20、21)を備え、前記カウンタージョー(16)が、ナイフが間に配置される2つの圧力パッド(52)を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の誘導シールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性食品の密封包装を製造するために包装材料をヒートシールするための誘導シールシステムに関する。より詳細には、本発明は、請求項1による誘導シールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
フルーツジュース、UHT(超高温加熱処理)ミルク、ワイン、トマトソースその他など、多くの流動性食品は、滅菌済み包装材料から作られた包装に入れて販売されている。
【0003】
この種の包装の典型的な例は、テトラ・ブリック・アセプティック(Tetra Brik Aseptic)(登録商標)として知られている、液体または流動性食品のための平行六面体形状の包装であり、それはラミネート状の細長い包装材料を折り畳んでシールすることによって作られる。
【0004】
この包装材料は、繊維質材料、例えば紙、または鉱物充填ポリプロピレン材料の層を含み得る剛性および強度のためのベース層と、ベース層の両面を被覆するヒートシールプラスチック材料、例えばポリエチレンフィルムの多数の層とを実質的に含む多層構造を有する。
【0005】
UHTミルクなどの長期保存製品用の無菌包装の場合、包装材料は、ガスおよび光バリア材料の層、例えばアルミニウム箔またはエチルビニルアルコール(EVOH)フィルムの層も含み、これはヒートシールプラスチック材料の層に重ね合わされ、次いで、最終的に食品に接触する包装の内面を形成するヒートシールプラスチック材料の別の層で被覆される。
【0006】
知られているように、この種の包装は完全自動包装ユニットで製造され、この際、連続チューブが、ウェブ供給される包装材料から形成される。包装材料ウェブは、例えば過酸化水素溶液などの化学滅菌剤を適用することによって、包装ユニット上で滅菌され、化学滅菌剤は、一旦滅菌が完了すると、包装材料の表面から除去される、例えば加熱することによって蒸発される。このようにして滅菌された包装材料ウェブは、閉鎖された滅菌環境内に維持され、垂直チューブを形成するために縦方向に折り畳まれシールされる。
【0007】
チューブは第1の垂直方向に連続的に供給され、滅菌されたまたは滅菌処理された食品で充填され、2対のジョーによって等間隔の断面で掴まれる。より詳細には、2対のジョーは、周期的にかつ連続的にチューブに作用し、チューブの包装材料をヒートシールし、それぞれの横方向シールバンド、すなわち上記第1の方向に垂直な第2の方向に延在するシールバンドによって互いに接続された枕状包装体の連続ストリップを形成する。
【0008】
枕状包装体は、関連する横方向シールバンドを切断することによって分離され、次いで最終折り畳みステーションへ供給され、そこで機械的に折り畳まれて、完成された平行六面体形状にされる。
【0009】
ジョーの各対の間に掴まれたチューブ部分は、シールジョーとして知られているジョーの一方に取り付けられた加熱手段によってヒートシールされ、加熱手段は、ジョー間に掴まれたヒートシールプラスチック材料の2つの層を局所的に溶融する。
【0010】
より具体的には、バリア材料の層が導電性材料、例えばアルミニウムのシートを含む包装材料は、通常、いわゆる誘導ヒートシールプロセスによってヒートシールされ、この際、チューブは2つのジョーによって掴まれると、損失電流がアルミニウムシートに誘導され、アルミニウムシートを局所的に加熱し、かくしてヒートシールプラスチック材料を局所的に溶融する。
【0011】
より具体的には、誘導ヒートシールでは、加熱手段は、高周波電流発生器によって給電されかつ第2の方向に平行に延びる導電性材料から作られた1つまたは複数のインダクタバーを実質的に備えたインダクタを実質的に備え、インダクタバーは、損失電流をチューブ材料中に誘導しかつチューブ材料を必要なシール温度まで加熱するようにチューブ材料と相互作用する。
【0012】
カウンタージョーとして知られている他方のジョーは、エラストマー材料から作られた圧力パッドが取り付けられており、圧力パッドは、関連する横方向シールバンドに沿ってチューブをヒートシールするようにインダクタバーと協働する。
【0013】
上記のタイプのインダクタを備えたシールジョーシール装置は、例えば、欧州特許出願第1270182号明細書および欧州特許出願第2008795号明細書から知られている。
【0014】
より具体的には、知られているシール装置は、シールジョーに一体に接続されかつそれぞれのインダクタバーを収容するための2つの前方座面を画定するプラスチック支持体と、磁束集中材料、特に、フェライトを含む複合材料から作られ、インダクタバーの近くで支持体の内側に収容されたインサートとを備え得る。
【0015】
より具体的には、プラスチック支持体はインサートと協働し、インダクタバーと磁束集中材料のインサートとを取り囲むシール装置の周辺部分を画定する。
【0016】
さらに、プラスチック支持体およびインサートは、例えばフェライトのような磁性粒子と混合されたポリマーから作られた成形磁束集中インサートによって置き換えることができる。その後、成形インサートは、カウンタージョーのための座面を呈する。
【0017】
知られているシールジョーは、通常、シールの線に沿って包装材料に対して拡大された圧力を作り出すために、インダクタバーの一部によって形成された隆起部を有する。
【0018】
本出願人は、通常は銅から作られるインダクタバーから作られる隆起部が腐食し、シールジョーの寿命を縮めることを観察した。
【0019】
横断インダクタのさらなる問題は、包装に充填された製品からの粒子がシール領域に捕捉されると一体性に不連続性が発生するため、包装のシール品質要件が必ずしも満たされないことである。シールに捕捉された粒子は、シールを損ない、包装に穴を開ける可能性がある。
【0020】
最後に、知られている横断インダクタは、複雑な製造および高価な材料の使用のため、費用が高くなる。
【0021】
改善された設計、増大した機械的強度および延長した寿命を有する一方、横断インダクタの機能を維持または改善する横断インダクタが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、当該技術分野の現在の状況を改善すること、従来技術の問題を解決すること、およびより単純、安価および堅牢な、流動性食品の密封包装を製造するために包装材料をヒートシールするための改善された誘導シールシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
これらのおよび他の目的は、流動性食品の密封包装を製造するために包装材料をヒートシールするための誘導シールシステムであって、少なくとも1つの作用面によって上記包装材料と相互作用する少なくとも1つのインダクタ装置;少なくとも1つの磁束集中インサート;熱伝導性材料を含みかつ上記インダクタ装置および上記磁束集中インサートを収容する支持体;および上記包装材料を圧迫するための相互作用面を備えたシールジョーと、弾性材料から作られ、誘導ジョーに対抗圧力を与えるように配置された少なくとも1つの圧力パッドを備えたカウンタージョーとを備え、圧力パッドが、シールジョーに向かう方向に高さを有するアーチ型凸状接触領域を有する誘導シールシステムによって達成される。
【0024】
アーチ型凸状表面を有する圧力パッドを有することによって、および圧力パッドは弾性材料から作られているので、シールジョーとカウンタージョーとの間の接触は、圧力パッドのアーチ型凸状表面の最高地点とシールジョーとの最初の接触から、アーチ型凸状接触表面の全てがシールジョーと接触するまで漸進的である。このようにして、包装材料にすでに充填された食品は、誘導加熱による包装の実際の誘導シール前、シールジョーがカウンタージョーに押し付けられると、圧力パッドの端へ徐々に押される。シール中に捕捉される種または他の粒子に関する問題は、粒子がシールに捕捉されることを回避しながらジョー間の接触面から徐々に押し出されるので克服される。
【0025】
シールジョーの相互作用面は、誘導装置および磁束集中インサートを適所に維持するように誘導装置の頂部に成形されたプラスチック部分の頂部である、またはそれは磁束集中インサートが成形される場合、磁束集中インサートの頂面であり得る。成形された磁束集中インサートは、例えば、フェライト粒子または他の磁性粒子と混合されたポリマーによって作られてもよい。
【0026】
本発明のさらなる態様によれば、誘導シールシステムのジョーは、上記誘導装置、上記相互作用面および上記作用面がインダクタ装置の長さに沿って延在し、およびカウンタージョーの上記圧力パッドがカウンタージョーの長さに沿って延在するような長さおよび幅を有する長方形であり、圧力パッドの幅は上記作用面および上記相互作用面の組み合わせた幅に等しいかそれより大きい。
【0027】
長さの方向は、横断シールシステムの横断方向と同じ方向であり、および誘導シールシステムによって作られる誘導シールの最終製品であるバンドシール上のバンドシールと同じ方向である。
【0028】
シールジョー接触表面(作用面および相互作用面)の幅と同じ幅またはそれより大きな幅である圧力パッドの幅を有することによって、誘導シール領域の幅は最大化され、誘導装置の磁気領域は最大限利用される。包装が完全にシールされたあと、包装はほとんどの場合、製品包装を作るプロセスの後の段階で折り畳まれる。シールはその後通常はシールバンドの内側端部で包装の端に向かって折り畳まれる。従来、バンドシールはシールジョーと同程度の幅であると考えられてきたが、シールはカウンタージョーの圧力パッドの幅と同程度の幅であるに過ぎない。従って、粒子は以前シールの近くおよび折り畳みライン内で捕捉されたが、包装が破れるという問題があった。上記折り畳みラインまで延びるより幅広いシールを有することによって、折り畳みプロセスにおいて粒子がシールの近くで捕捉されることはない。
【0029】
本発明のさらなる態様によれば、カウンタージョーの少なくとも1つの圧力パッドは、使用中に圧縮されると、上記作用面と上記相互作用面の組み合わせた幅に等しいかそれより大きな幅を有する。従って、圧力パッドは、上記作用面と上記相互作用面の対応する組み合わせた幅よりもわずかに小さい幅を有し得る。なぜなら、圧力パッドの弾性材料は、圧力パッドの幅が誘導ヒートシールプロセス時に作用面と相互作用面の組み合わせた幅と同程度の幅になるように、ジョーが互いに押し付けられ合うときに幅が広がるからである。
【0030】
本発明のさらなる態様によれば、インダクタ装置はシールジョーの長さの方向に延在する隆起部を有し、上記隆起部は圧力パッドのアーチ型凸状表面の最も高い部分に当たるように整列される。シールジョーの隆起部は圧力が局所的に増大される線を形成することを目的としている。ジョー間のシール領域からいかなる粒子も食品も締め出すことができるように、隆起部は、隆起部と圧力パッドの最高地点とが包装材料の反対側であるが同じ地点で包装材料に当たるように配置されることが重要である。
【0031】
本発明のさらなる態様によれば、インダクタ装置は、インダクタ装置の長さの方向に延びる隆起部を有し、上記隆起部は上記幅の中央に配置され、圧力パッドの上記アーチ型凸状表面の最も高い部分は、使用中、最初に上記隆起部に当たるように圧力パッドの幅の中央に配置される。
【0032】
本発明のさらなる態様によれば、誘導シールシステムは、上記インダクタ装置の上記作用面の突出部分によって作られた隆起部を有する。インダクタ装置の作用部分は誘導電流用のコンダクタであり、従って好ましくは銅から作られる。銅は腐食する傾向があり、腐食は誘導シールシステムの動作中、激しい圧力変化と併せてシールジョーの寿命を削る。しかしながら、隆起部は、上記シールジョーの上記相互作用面の突出部分によって作られてもよい。相互作用面は純粋プラスチックまたは粒子を含むプラスチック材料であるので、材料は腐食しない。隆起部を相互作用面に配置することによって、隆起部の腐食は回避され得、シールジョーの寿命は延びる。
【0033】
本発明のさらなる態様によれば、誘導シールシステムは、切断用溝が間に配置された2つのインダクタ装置を備えたシールジョーを含み、上記カウンタージョーはナイフが間に配置された2つの圧力パッドを備える。この誘導シールシステムは、ナイフがカウンタージョーからシールジョーの切断用溝へ移動されることによって互いに分離される2つの平行な横断シールバンドを同時に形成する。
【0034】
以下、添付の図面とともに本発明をより詳しく記載する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、従来技術による2つの誘導シールシステムを備えた包装ユニットの断面図である。
【
図2】
図2は、シールジョーおよびカウンタージョーを有する本発明による誘導シールシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1の番号1は、低温殺菌されたまたはUHTミルク、フルーツジュース、ワインその他など、流動性食品の無菌密封包装2を、包装材料のチューブ3から製造するための包装ユニットを全体的に示す。
【0037】
包装材料は、多層構造(図示せず)を有し、ヒートシールプラスチック材料、例えばポリエチレンのそれぞれの層で両側を被覆された繊維質材料、通常は紙の層を含み、包装2内の食品に最終的に接触する包装材料の側は、導電性バリア材料、例えばアルミニウムの層も有し、導電性バリア材料は1つまたは複数のヒートシールプラスチック材料の層で被覆される。
【0038】
チューブ3は、ヒートシールシート材料のウェブを長手方向に折り畳んでシールすることによってユニット1の上流で既知の方法で形成され、滅菌されたまたは滅菌処理された食品で充填され、方向Aの垂直経路に沿って既知の装置(図示せず)によって供給される。
【0039】
ユニット1は、2つの形成アセンブリ4を備え、2つの形成アセンブリは、それぞれのレール(図示せず)に沿って垂直に移動し、チューブ3と周期的かつ連続的に相互作用してチューブを等間隔の断面で掴み、チューブ3に対して誘導ヒートシールおよび切断操作を実行する。
【0040】
各形成アセンブリ4は、それぞれのレールに沿って走るスライド(図示せず)と、それぞれの水平軸の周りでスライドに対してヒンジ結合されかつ閉位置と全開位置との間で移動可能な2つのジョー5、6(本発明の明確な理解のために必要なものとして示されているに過ぎない)とを実質的に備える。
【0041】
図示の例では、各形成アセンブリ4のジョー5、6は、チューブ3と相互作用し、方向Aに垂直な方向Bに平行に延び、チューブ3の両側に位置するそれぞれのアーム7、8を有する。
【0042】
各形成アセンブリ4はまた、2つの対向する形成シェル9、10を備え、2つの対向する形成シェル9、10は、それぞれのジョー5、6にヒンジ結合され、それらが弾性手段(図示せず)によって押し込まれる開放位置と、それらがそれらの間に形成される包装2の形状および容積を画定する空間を形成するように噛み合う閉鎖位置との間で移動可能である。
【0043】
各形成アセンブリ4はまた、関連するジョー5、6の間に掴まれた包装材料のチューブ3の各断面において、誘導ヒートシール操作および断面の中心線に沿った切断操作をそれぞれ行うための、誘導シールジョー15と、切断ナイフ32を含むカウンタージョー16とを備える。
【0044】
誘導シールシステムは、互いに切断されて適切に折り畳まれると別個の包装になるように意図された別個の枕状包装体を作るためにチューブをシールするための従来技術による2組のジョー対5、6を有する。誘導シールシステムは、インダクタ装置20、21を収容する磁束集中インサート30を収容する支持体24を有する横断方向誘導シールジョー15を有する。インダクタ装置は、電流を誘導し、それによりシールプロセスの間に包装材料の金属層を加熱するように包装材料表面(図示せず)に押し付けられるように作られた作用面を有する。インダクタ装置20、21および磁束集中インサート30は、成形されたプラスチック部材によって支持体に固定される。プラスチック部材はまた、シール作業の間に包装材料に押し付けられる外面を有する。
【0045】
従来技術の誘導シールシステムはまた、2つの圧力パッド31を備えたカウンタージョー16を含み、2つの圧力パッド31は、耐熱性エラストマー材料、好ましくはニトリルゴムで作られ、関連する形成アセンブリ4のジョー5内に形成された同じ形状のそれぞれの前方キャビティ内に収容され、中心線Aの両側に対称に配置される。各ジョー5の圧力パッド31は、関連するジョー6のインダクタ20、21の作用面25、26と協働して、中心線Aの両側でヒートシールチューブ3を掴んで加熱する。
【0046】
図1を参照すると、カウンタージョー16は、実質的に平坦な切断部材32を備え、実質的に平坦な切断部材32は、関連する形成アセンブリ4のジョー5の前方座面の内側に摺動式に収容され、中心線Aに向かって移動可能であり、ジョー5に内蔵された油圧シリンダによって図示されない既知の方法で起動される。
【0047】
切断部材32は、既知の弾性手段(図示せず)によってジョー5の内側に完全に収容された引っ込められた静止位置に通常は維持され、関連する油圧シリンダによって前方切断位置へ移動され、前方切断位置においてジョー5から前方へ突出し、関連するジョー6のシールジョー15内の凹部33と係合し、チューブ3の関連する断面の中心線に沿って切断する。
【0048】
図2は、シールジョー15とカウンタージョー16とを有する本発明による誘導シールシステムの断面図である。シールジョー15は、切断用溝33の各側において、磁束集中インサート30、2つのインダクタ装置20、21を収容する支持体24を有する。これらの部品は、インダクタ装置20、21の作用面25、26を取り囲む相互作用面55を含むプラスチック部材19によって固定される。隆起部51は、シールジョー15の各側の中心線Cに沿って切断用溝の各側においてプラスチック部材19から突出して存在する。
【0049】
カウンタージョー16は、2つの圧力パッド52を収容する支持体56を備える。圧力パッドは、弧を描く凸状接触面53を有し、凸状接触面53で、圧力パッドのそれぞれのシールジョーに向かう方向における凸形状の最大高さが中心線Cと整列される。従って、圧力パッド52は、包装材料(
図2には示されない)の反対側で隆起部51に当たるように配置される。弧を描く凸状接触面53は圧縮され、ジョー15、16は押し付けられ合う。圧力パッド52の形状は、ジョー15、16が完全に押し付けられ合い、圧力パッド52が圧縮されたときに、圧力パッド52がシールジョー15に均一な圧力を与えるように作られる。圧縮されると、圧力パッド52の幅(中心線Cに垂直)は増加し、シールジョー15の全接触領域55、25、51、26がカウンタージョー16によって均一な圧力にさらされる。隆起部51が局所的に圧力を増大させる中心線において、圧力は必然的により高くなる。
【0050】
切断用溝の各側においてプラスチック部材19から突出している隆起部51は、用途に応じて作用面25、26の上に配置されてもよいし、作用面25、26の間に配置されてもよいことが理解されるべきである。弧を描く凸状接触面53を有する圧力パッドのそれぞれのシールジョーに向かう方向における凸形状の最大高さが包装材料(
図2には示されない)の反対側で隆起部51に当たるように配置される。従って、弧を描く凸状接触面53は、隆起部51と整列するように配置される。
【0051】
本発明における他の変形例が想定され、場合によっては本発明のいくつかの特徴は他の特徴の対応する使用なしに採用されてもよいことが理解される。従って、添付の特許請求の範囲は本発明の範囲と一致するように広く解釈されることが適切である。