(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
主本体と、前記主本体から外側に延在する第1のアームと、前記第1のアームと平行して、かつそこから離間して、前記主本体から外側に延在する第2のアームと、を含む、位置決めブロックを更に含み、
前記大腿骨切断ブロックは、前記位置決めブロックを前記大腿骨切断ブロックに連結するため、前記第1のアームの先端を受容するようにサイズ決めされた取り付けスロットを含む、請求項1に記載の整形外科用手術器具システム。
前記取り付けブラケットが、プロテーゼ大腿骨コンポーネントの計画されたオフセット配向を示すため、前記オフセットインジケータの前記複数の視覚的なしるしのうちの少なくとも1つにそろうように構成されている視覚的インジケータを含む、請求項6に記載の整形外科用手術器具システム。
前記スリーブが、ねじ付き外側表面を含み、前記髄内整形外科用手術器具は、前記スリーブが前記第1の位置にあるときに前記ねじ付き外側表面に係合するねじ付き内側表面を含む、請求項10に記載の整形外科用手術器具システム。
前記アダプタ本体に連結されるように構成されているオフセットインジケータを更に含み、前記オフセットインジケータは、プロテーゼ大腿骨コンポーネントアセンブリのオフセット配向を示すための複数の視覚的なしるしを含み、
前記オフセットインジケータは、前記ヘッドプレート及び前記アダプタ本体を前記取り付けブラケットに対して枢動させるように動作可能である、請求項10に記載の整形外科用手術器具システム。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の概念には様々な修正及び代替的形態の影響を受ける可能性があるが、その特定の例示的な実施形態を図面に例として示し、本明細書において詳細に述べる。しかし、当然のことながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される発明の趣旨及び範囲に包含される全ての修正、均等物、並びに代替物を網羅することを意図するものである。
【0032】
解剖学的基準を表す、前、後、内側、外側、上、下などの用語は、本明細書全体を通じて、本明細書において述べられる整形外科用インプラント及び整形外科用手術器具に関して、並びに患者の生体解剖学的構造に関して使用されてよい。これらの用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。記述された本明細書及び「特許請求の範囲」におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に断らない限り、それらの広く理解された意味と一貫性を有することが意図される。
【0033】
プロテーゼ膝関節及び膝関節コンポーネント、並びに膝関節を埋め込んで再建する方法を包含する、本開示の例示的な実施形態を下記で説明及び例示する。また、以下で論じられる好ましい実施形態が本質的に例示的なものであり、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく構成が変更され得ることは、当業者には明白であろう。しかしながら、明確さ及び正確さの目的のために、下記で説明する例示的な実施形態は、本発明の範囲に含まれるのに必須ではないことを当業者が認識するはずである任意の工程、方法、及び特徴を含むことができる。
【0034】
ここで
図1を参照すると、整形外科用関節置換システム10は、複数の整形外科用プロテーゼコンポーネント12と、プロテーゼコンポーネント12の1つ以上を受容するように骨を準備する際に使用するためのいくつかの整形外科用手術器具14(例えば、
図2を参照のこと)と、を含む。用語「整形外科用手術器具」、又は「整形外科用手術器具システム」とは、整形外科手術を行う際に外科医が使用する手術ツールである。したがって、本明細書で使用されるとき、用語「整形外科用手術器具」及び「複数の整形外科用手術器具」は、
図1に示すように、整形外科用プロテーゼコンポーネント又はインプラントとは区別されることを理解されたい。
【0035】
システム10のプロテーゼコンポーネント12は、患者の大腿骨の外科的に準備された遠位端に固定されるように構成されているプロテーゼ大腿骨コンポーネント20と、患者の脛骨の外科的に準備された近位端に固定されるように構成されているプロテーゼ脛骨コンポーネント22と、を含む。例示的な実施形態では、脛骨コンポーネント22は、脛骨トレイ24と、患者の膝への移植後に大腿骨コンポーネント20に係合するように構成されたプロテーゼインサート26と、を含む。システム10は、様々な大きさの骨を有する患者に対応する複数のコンポーネント12を含んでもよいことを理解されたい。これにより、外科医は、患者の骨の解剖学に最も密接に一致しているコンポーネント及び他の器具を選択することができる。
【0036】
図1に示すように、大腿骨コンポーネント20は、前側フランジ30と、フランジ30から離れる方向に延在する一対の顆突起32と、を含む。切欠き34、通称、顆突起間切欠きは、顆突起32間に画定される。顆突起32は、インサート26の対応する関節面70に係合するように構成された関節面36を画定する。大腿骨コンポーネント20はまた、その裏側表面42から離れる方向に上方へ延在する、細長いステムポスト40を含む。下により詳細に説明するように、大腿骨ステムポスト40は、いくつかの異なるステムコンポーネント44のうちの1つを受容するように構成される。例示的な実施形態では、ステムコンポーネント44の対応するねじ軸50を受容するようにサイズ決めされたねじ穴48が、ステムポスト40内に画定される。
【0037】
脛骨トレイ24は、患者の近位脛骨の外科的に準備された端部(図示せず)に埋め込まれるように構成される。脛骨トレイ24は、その下部表面62から離れる方向に下方へ延在する細長いステムポスト60を有するプラットフォーム58を含む。細長い脛骨ステムポスト60は、いくつかの異なるステムコンポーネント44のうちの1つを受容するように構成される。具体的には、
図1に見られ得るように、ステムコンポーネント44の対応するねじ軸50を受容するようにサイズ決めされたねじ穴48が、ステムポスト60内に画定される。
【0038】
インサート26は、脛骨トレイ24に固定可能である。特に、インサート26は、脛骨トレイ24にスナップ嵌めされ得る。かかる方法によって、インサート26は、脛骨トレイ24に対して固定される(すなわち、前方/後方又は内側/外側方向に回転可能又は移動可能ではない)。しかし、他の実施形態では、脛骨トレイを脛骨トレイ24に対して回転できるような方法で固定してもよい。
【0039】
インサート26は、横方向の内側関節表面70を含む。表面70は、大腿骨コンポーネント20の対応する関節表面36と関節接合するように構成される。具体的には、大腿骨コンポーネント20は、患者の大腿骨の外科的に準備された遠位端(図示せず)内に埋め込まれるように構成され、患者の自然の大腿骨顆突起の構成を模倣するように構成される。このため、大腿骨コンポーネント20の関節表面36は、自然の大腿骨の顆突起を模すような方法で構成される(例えば、湾曲している)。
【0040】
図1に示すように、システム10のステムコンポーネント44は、コンポーネント20、22のいずれかに取り付けられるように構成された、細長いステム80を含む。それぞれの細長いステム80は、一方の端部のねじ軸50から反対側の端部の先端82まで延在する。それぞれのステムはまた、先端82からねじ軸50に向かって延在するリブ付き外側表面84を含む。複数の実質的に平面状の表面86は、軸50に隣接するステム80の外周に位置付けられる。表面86は、ステム80が、ねじ穴48のうちの1つと密に係合して回転され得るように、レンチ又は他の設置工具の端部を受容するようにサイズ決めされて位置付けられる。
【0041】
例示的な実施形態では、プロテーゼコンポーネント12はまた、コンポーネント20、22に取り付けられるように構成された複数のオフセットアダプタ90、92を含む。
図1に示すように、アダプタ90は、既定の量によって、脛骨トレイ24のステムポスト60の長手方向軸から、細長いステム80の長手方向軸をオフセットするように構成される。同様に、アダプタ92は、大腿骨コンポーネント20のステムポスト40の長手方向軸から、細長いステム80の長手方向軸をオフセットするように構成される。アダプタ90、92のそれぞれは、コンポーネント20、22のいずれかのねじ穴48に受容されるように構成されているねじ軸50を含む。アダプタ90、92のそれぞれはまた、その反対側の端部に、細長いステム80のうちの1つのねじ軸50を受容するようにサイズ決めされたねじ穴48を含む。例示的な実施形態では、ロックナット100は、アダプタ90、92のそれぞれのねじ軸50上に位置付けられる。ロックナット100は、アダプタを固定するために、それぞれのコンポーネントのステムポストの表面に対して分類されてもよい。
【0042】
大腿骨コンポーネント20、脛骨トレイ24、及びステムコンポーネント44などの自然の骨に係合する膝プロテーゼ10のコンポーネントを、インプラント等級の生体適合性金属で構築してもよいが、他の材料を使用してもよい。かかる金属の例としては、コバルトクロム合金などのコバルト合金を含むコバルト、Ti6Al4V合金などのチタン合金を含むチタン、及びステンレス鋼などが挙げられる。そのような金属製コンポーネントはまた、生体適合性を高めるためにヒドロキシアパタイトなどの表面処理で被覆されてもよい。更に、自然骨に係合する金属製コンポーネントの表面は、コンポーネントの骨への固定を促進するために質感を有してもよい。かかる表面は多孔質コーティングされて、永久的な固定を行うために骨の内部成長が促進されてよい。
【0043】
インサート26は、インサート26と大腿骨コンポーネント20との間の円滑な関節接合を可能にする、高分子材料などの材料で構築され得る。こうした高分子材料の1つに、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレンがある。
【0044】
ここで
図2を参照すると、システム10は、いくつかの手術器具14を含む。外科用器具は、患者の大腿骨に使用するように構成されている基部切断ブロック212と、基部切断ブロック212に固定されるように構成されているオフセットガイドアセンブリ214と、を含む。例示的な実施形態では、オフセットガイドアセンブリは、「髄内整形外科用手術器具」であり、これは、整形外科手術中に、患者の大腿骨の髄管内に少なくとも部分的に位置付けられるように構成されている手術ツールである。
図2に示すように、オフセットガイドアセンブリ214は、オフセットガイド216と、ステムトライアル220に取り付けられるように構成されているステムスタビライザ218と、を含む(
図5を参照のこと)。ステムトライアルを有さずにオフセットガイド216及びステムスタビライザ218を含むアセンブリは、髄内整形外科用手術器具とすることができることを理解されたい。同様に、ステムスタビライザ218及びステムトライアル220を含むアセンブリは、髄内整形外科用手術器具とすることができることを理解されたい。
【0045】
基部切断ブロック212は、例えば、ステンレス鋼又はコバルトクロム合金などの金属材料から形成される、基部プレート222を含む。基部プレートは、遠位面224と、遠位面の反対側に位置付けられる近位面226と、を含む。通路228は、表面224、226を通って延在し、通路228は、
図2に示すように、オフセットガイドアセンブリ214の通過を可能にするようにサイズ決めされる。基部切断ブロック212は、基部切断ブロックを患者の大腿骨に固定するために固定ピン262を受容するようにサイズ決めされた、いくつかの固定ピンガイド穴230を含む。
【0046】
基部切断ブロック212は、患者の大腿骨の一部分を切除するために整形外科手術中に使用され得る、いくつかの切断ガイド232を含む。例示的な実施形態では、切断ガイド232のそれぞれは、患者の大腿骨の後面の切除を案内するのに使用するための後方切断ガイドである。基部切断ブロック212はまた、患者の大腿骨の後方面取り表面の切除を案内するのに使用され得る、後方面取り切断ガイド234を含む。それぞれのガイドは、外科用鋸又は他の装置の切断用鋸刃を受容するようにサイズ決めされた細長いスロットを含む。基部切断ブロック212はまた、下により詳細に説明するように、基部切断ブロック212に選択的に固定され得るモジュール式切断ガイドブロックを受容するように構成された、取り付けプラットフォーム236を含む。
【0047】
上記のように、オフセットガイドアセンブリ214は、基部切断ブロック212に固定されてもよい。
図2に示すように、基部切断ブロック212は、基部プレート222に枢動可能に連結された一対のロックタブ240、242を含む。タブ240、242のそれぞれは、通路228のそれぞれの側に位置付けられた開口部244内に位置付けられる。タブ240、242は、固定タブ240、242がロック位置とロック解除位置との間で回転することを可能にする、枢動接合部250を介して基部プレート222に結合される。
図2に示すように、ロック解除位置では、ロックタブの耳部252は、通路228の反対側を向く。ロック位置では、耳部252は、通路228の方を向く。オフセットガイド216が
図4に示すように位置付けられると、ロックタブ240、242の耳部252は、オフセットガイド216の保持フランジ254の上に位置付けられる。このように、保持フランジ254は、ロックタブ240、242とプレート222の底壁260との間で捕捉される。
【0048】
ここで
図3を参照すると、切断ブロック212の遠位表面224は、仮想平面270を画定し、長手方向軸272は、ステムトライアル220を通ってオフセットガイドアセンブリ214沿いに延在する。例示的な実施形態では、軸272は、大腿骨プロテーゼアセンブリの細長いステム80の長手方向軸に対応する。斜角274は、軸272と仮想平面270との間に画定され、これは、大腿骨プロテーゼアセンブリ内の細長いステム80と大腿骨コンポーネント20との間の角度に対応する。
【0049】
図4に示すように、オフセットガイドアセンブリ214は、その遠位端282に形成される開口部280を含む。開口部280は、環状表面284から下面286へ内側に延在する。環状表面284は、いくつかのしるし288を含み、
図3に示すように、切断ブロック212の遠位表面224に対して斜角に延在し、長手方向軸272に直交する。例示的な実施形態では、しるし288は、表面284にエッチングされたラインを含む。下により詳細に説明するように、しるし288は、手術中、外科医にオフセット配向の指示を提供するために使用され得る。オフセットインジケータ292を配向する(
図8を参照のこと)位置合わせ溝290は、環状表面284内に画定される。オフセットガイドアセンブリ214はまた、開口部280の下面286内に画定されたソケット294を含む。下により詳細に説明するように、ソケット294は、ドライバ296の六角端部(
図11を参照のこと)を受容するようにサイズ決めされる。
【0050】
ここで
図5を参照すると、オフセットガイドアセンブリ214は、オフセットガイド216と、オフセットガイド216に選択的に取り付けられ得るステムスタビライザ218と、長さ及び直径が様々であり、スタビライザ218に選択的に取り付けられ得る、いくつかのステムトライアル220のうちの1つと、を含む。例示的な実施形態では、ガイド216、スタビライザ218、及びステムトライアル220は、例えば、ステンレス鋼又はコバルトクロム合金などの金属材料から形成される。オフセットガイド216は、取り付けブラケット300と、取り付けブラケット300に枢動可能に連結されたアダプタ本体302と、を含む。取り付けブラケット300は、その端部304、306のそれぞれに位置付けられ、ロックタブ240、242の耳部252を受容するようにサイズ決めされた、保持フランジ254を含む。取り付けブラケット300はまた、オフセットガイドアセンブリ214が切断ブロック212に取り付けられているときに、切断ブロック212の遠位表面224に平行して延在する、遠位表面308を含む。
【0051】
オフセットガイド216は、三角形状を有するコネクタを含む近位端310を有する。スタビライザ218は、近位端310を受容するようにサイズ決めされた遠位開口部312を有する。
図5に、また
図20〜
図21により詳細に示すように、スタビライザ218は、遠位開口部312から内側に延在する内壁316を含む。内壁316はねじ付きであり、ねじ山に画定された複数の長手方向スロット318を有する。それぞれのスロット318は、三角形状のコネクタ310の先端を受容するようにサイズ決めされる。
【0052】
下により詳細に説明するように、オフセットガイド216をステムスタビライザ218に組み付けるため、外科医は、近位端310を開口部312内に配置し、オフセットガイド216のねじ山を締めることができる。スタビライザ218はまた、ステムトライアル220のねじ付き遠位端314を受容するようにサイズ決めされた、ねじ付き近位開口部(図示せず)を有する。
【0053】
ここで
図6〜
図7を参照すると、オフセットガイド216のアダプタ本体302は、上記の環状表面284を含む。環状表面284は、アダプタ本体302のヘッドプレート320上に含まれる。ポスト322は、ヘッドプレート320から離れる方向に延在し、アダプタ本体302は、ポスト322に接続されるが、そこからオフセットされる、下側シェル324を含む。ポスト322は、その外側表面328内に画定される環状溝部326を含む。例示的な実施形態では、オフセットガイド216は、取り付けブラケット300を通って延在し、アダプタ本体302を取り付けブラケット300に固定するために環状溝部326内に位置付けられる、一対のピン330を含む。ピン330の平滑な外側表面は、円筒形ポスト322が、取り付けブラケット300に対してその長手方向軸332を中心に回転することを可能にする。
図6に示すように、ポスト322の長手方向軸332は、オフセットガイドアセンブリ214の長手方向軸272からオフセットされ、それと平行して延在する。
図3に関して上で説明した同一の斜角274が、長手方向軸332と仮想平面270との間に画定されることを理解されたい。
【0054】
アダプタ本体302の下側シェル324は、遠位対向開口部334を有する。オフセットガイド216は、下側シェル324の下方に位置付けられる中間ハウジング又はスリーブ336を含む。ハウジング336は、下側シェル324の開口部334に位置合わせされる通路338を有する。
図6〜
図7に示すように、三角形状の遠位端310は、通路338及び開口部334内に位置付けられるようにサイズ決めされた細長い軸340に取り付けられる。細長い軸340は、その遠位端344に隣接して位置付けられる環状溝部342を有する。一対のピン350は、下側シェル324を通って、環状溝部342内へ延在する。ピン350の平滑な外側表面は、細長い軸340が(それゆえに遠位端310も)アダプタ本体302に対して長手方向軸272を中心に回転することを可能にする。ハウジング336及び細長い軸340は、取り付けブラケット300に対する長手方向軸272沿いの制限された軸方向移動を可能にするように構成される。
【0055】
スリーブ336はまた、細長い軸340のコネクタ端部310に隣接して位置付けられたねじ付き外側表面352を含む。上記のように、ガイド216のねじ付き外側表面352は、ガイド216上にスタビライザ316を固定するため、スタビライザ316のねじ付き内壁316を係合するように構成される。上記のように、スタビライザ316は、コネクタの先端がスタビライザ218の細長いスロット318内に位置付けられた状態で、ガイド216のコネクタ端部310上に最初に位置付けられる。次いで、スリーブ336がコネクタ端部310に向かって軸272沿いに移動して、そのねじ付き外側表面352をスタビライザ316の内壁316に係合させる。次いで、スリーブ336は、部品を一緒に固定するため、スタビライザ218に螺合され得る。
【0056】
ここで
図8を参照すると、オフセットインジケータ292は、円錐形フランジ362に接続された中央ポスト360を含む。ポスト360は、フランジ362からインジケータ292の端部366まで下方に延在するプラグ364を含む。プラグ364は、オフセットガイドアセンブリ214の遠位開口部280内に位置付けられるようにサイズ決めされ、オフセットガイドアセンブリ214内に画定された溝部290に受容されるようにサイズ決めされた位置合わせタブ368を含む。
【0057】
オフセットインジケータ292は、ポスト360を通って延在する通路370を有する。通路370は、ドライバ296の六角端部を受容するようにサイズ決めされる。例示的な実施形態では、通路370は、オフセットインジケータ292がドライバ296に係合してそれと共に直接回転することがないように、平滑な円筒形表面372によって画定される。代わりに、インジケータ292のタブ368とオフセットガイド216の溝部290との係合により、オフセットインジケータは、オフセットガイドのアダプタ本体302と共に回転する。
【0058】
図8に示すように、円錐形フランジ362は、その上面382に位置する複数のしるし380を有する。例示的な実施形態では、しるし380は、エッチングライン384と、それぞれのエッチングライン384に関連付けられた番号386と、を含む。番号386は、大腿骨コンポーネント20に対応するオフセットアダプタ92の既定のオフセット配向に対応する。インジケータ292のエッチングライン384が取り付けブラケット300上のエッチングマーク390とそろったときに(
図12A及び
図12Bを参照のこと)、外科医は、そのライン384に関連付けられた番号386を識別する。次いで、この番号を使用して、オフセットアダプタ92の最終的なオフセット配向を設定する。他のしるしを使用して、外科医にオフセット配向を知らせることもできることを理解されたい。
【0059】
上記のように、器具14を使用して、プロテーゼ大腿骨コンポーネント20と、ステムコンポーネント44のうちの1つと、を受容するように患者の大腿骨を外科的に準備することができる。例示的な実施形態では、器具14は、一次インプラントが患者の大腿骨の遠位端から除去されている、再置換手順で使用することができる。
図9に示すように、再置換手順における患者の大腿骨402の遠位端400は、一次インプラントを受容するために予め形作られている複数の表面404を含む。再置換術中、表面404は、プロテーゼ大腿骨コンポーネント20を受容するように遠位端400を準備するため、切除される。
図9〜
図19は、再置換術中、遠位端400を外科的に準備するための、いくつかの例示的な手術工程を示す。あらゆる手術は、患者の骨の解剖学的構造の状態及び外科医の好みに応じて、追加の工程又はより少ない工程を含み得ることを理解されたい。
【0060】
ここで
図9を参照すると、患者の大腿骨402の遠位端400は、表面404の1つに画定された開口部406を含む。開口部406は、外科医が患者の大腿骨402の髄内管にアクセスすることを可能にする。患者の骨を切除するため、外科医は、オフセットガイド216、ステムスタビライザ218、及びステムトライアル220を組み立てて、
図9に示すオフセットガイドアセンブリ214を形成することから開始し得る。ロックタブ240、242を利用することにより、外科医は、オフセットガイドアセンブリ214を基部切断ブロック212に取り付けることができる。
【0061】
図9に示すように、基部切断ブロック212に取り付けられたオフセットガイドアセンブリ214を用いて、外科医は、ステムトライアル220の近位先端を患者の大腿骨402内の開口部406に位置合わせすることができる。外科医は次いで、矢印410で示すように、ステムトライアル220を開口部406の中へ前進させることができる。外科医は、
図9Aに示すように、基部切断ブロック212及びオフセットガイドアセンブリ214を矢印410で示す方向に移動させ続け、基部切断ブロック212を患者の大腿骨402の遠位端400に接触するように位置付けることができる。基部切断ブロック212を
図9Aに示すように位置付けた状態で、外科医は、膝関節を伸長させて、伸長空間を評価することができる。
【0062】
図10に示すように関節を屈位に戻した後、外科医は、前方切断ブロック420を基部切断ブロック212の取り付けプラットフォーム236に取り付けることができる。前方切断ブロック420は、外科用鋸の切断刃を受容するようにサイズ決めされた切断ガイド422を含む。膝関節のバランスを評価するために、外科医は、切断ガイド422内で位置合わせツール424を位置付けて、ツール424のプローブ先端426が患者の大腿骨402に接触するようにすることができる。位置合わせツール424を使用して、前方切断ブロック420を使用して実施された前方切除を評価することもできる。
【0063】
外科医は、
図10に示すように、バランスブロック428を基部切断ブロック212に取り付けることができる。バランスブロックは、ハンドルと、ハンドルから外側に延在する上アーム430及び下アーム432と、を含む。上アーム430は、基部切断ブロック212に取り付けられるように構成され、下アーム432は、患者の脛骨438の外科的に準備された近位端436上又は患者の脛骨に取り付けられた脛骨基部プレート上(存在する場合)に位置付けられるようにサイズ決めされたプレート434を含む。
図10に示すように、上アーム430は、下アーム432から既定の距離だけ離間し、それにより、患者の脛骨438の近位端436が切断ブロック212から既定の距離だけ離間する。
【0064】
図11に示すように、外科医は、オフセットインジケータ292をドライバ296に取り付け、次いで、オフセットインジケータ292をオフセットガイドアセンブリ214内に画定された開口部280の中へ前進させることができる。上記のように、オフセットインジケータ292の通路370は、ドライバ296の六角ヘッドの通過を可能にするようにサイズ決めされ、それによって、六角ヘッドは、開口部280の基部に画定されたソケット294に入ることが可能になる。外科医は次いで、矢印440で示すように、ドライバ296を回転させることができる。
【0065】
ドライバ296とオフセットガイド216との間の係合により、アダプタ本体302は、ドライバ296と共にその軸332を中心に回転する。アダプタ本体302が回転すると、ステムスタビライザ218と患者の大腿骨402との係合により、アダプタ本体302及び切断ブロック212が軸272を中心に回転する。この組み合わされた回転により、切断ブロック212は、患者の大腿骨402の遠位端400上に再び位置付けられる。切断ブロック212が患者の大腿骨402の遠位端400に対して回転すると、ブロック428は、脛骨438に対する切断ブロック212の位置を維持し、患者の大腿骨402の遠位端400と近位端436との間の距離(及び位置)が調節される。
【0066】
バランスブロック428が切断ブロック212になお取り付けられた状態で、外科医は、靭帯張力の評価を続けながら、同時にオフセット配向を決定することができる。所望のオフセットが達成されたときに、外科医は、1つ以上の固定ピン450(
図13を参照のこと)を、切断ブロック212内に画定されたガイド穴230を通して患者の大腿骨402に挿入することができる。
図12A及び
図12Bに示すように、外科医は、オフセットインジケータ292上のエッチングライン384及び関連番号386と、取り付けブラケット300上のエッチングマーク390との位置合わせにより、予備的オフセット位置を認めることができる。
【0067】
ここで
図18〜
図19を参照すると、外科医は、他の方法を使用して、手術中に靭帯張力を評価することができる。例えば、
図18に示すように、外科医は、患者の大腿骨402及び脛骨438上の視覚的ランドマークを利用して、所望のオフセット配向を決定することができる。
図19に示すように、外科医は、スペーサ器具542を利用することができ、この器具は、靭帯張力を評価し、オフセット配向を設定するために、切断ブロック212及び患者の脛骨438(又は脛骨基部プレート546)に係合するように構成された遠位端544を含む。
【0068】
図13に示すように、外科医は次いで、前方切断ブロック420を使用して、前方切除の実施中に外科用鋸442をガイドすることができる。前方切除を行った後、外科医は、前方切断ブロック420を基部切断ブロック212から取り外すことができる。外科医はまた、基部切断ブロック212の切断ガイド232を利用して、患者の大腿骨402の後方切除を実施することができる。
【0069】
ここで
図14〜
図15を参照すると、外科医は、嵌入ハンドル452を利用して、オフセットガイドアセンブリ214を患者の大腿骨402の遠位端400から取り外すことができる。嵌入ハンドル452は、細長い本体454を含む。細長い本体454は、外科医が使用中に把持できる寸法及び形状である。嵌入ハンドル452はまた、細長い本体454の端部456から延在する近位ポスト458を含む。近位ポスト458は、位置合わせガイドアセンブリ214の開口部280内に位置付けられるように寸法決めされた先端(図示せず)を含む。
【0070】
嵌入ハンドル452は、オフセットガイドアセンブリ214を嵌入ハンドル452に選択的に固定するように構成されている、取り付け機構460を含む。例示的な実施形態では、取り付け機構460は、近位ポスト458に対して枢動するように構成されている、レバーアーム462を含む。レバーアーム462は、ポスト458の先端に向かって延在するロックフランジ464を含む。レバーアーム462が、
図15に矢印466で示す方向に枢動されると、ロックフランジ464は、先端から離れる方向に前進する。レバーアーム462はまた、ロックフランジ464と反対の方向に延在するタブ468を含む。
【0071】
取り付け機構460は、ポスト458及び細長い本体454に対して摺動するように構成されているブラケット470を含む。ブラケット470は、例示的にL字形であり、近位ポスト458から離れる方向に延在するフランジ478を含む。フランジ478は、ポスト458に沿って延在するスライドプレート474に接続される。
図14及び
図15に示すように、スライドプレート474は、その中に画定された楕円形スロット476を有し、タブ468は、スロット476内に位置付けられる。
【0072】
図15に示すように、ロックフランジ464は、オフセットガイドアセンブリ214のヘッドプレート320に係合して、アセンブリをハンドル452に固定する。外科医は、細長い本体454を把持して、アセンブリ214を基部切断ブロック212から引っ張り、ステムスタビライザ218及びステムトライアル220を患者の大腿骨402から引き抜くことができる。
【0073】
ここで
図16A及び
図16Bを参照すると、外科医は、切欠き切断ブロック490を基部切断ブロック212の取り付けプラットフォーム236に取り付けることができる。切欠き切断ブロック490は、外科用鋸の切断刃を受容するようにサイズ決めされた切欠き切断ガイド492を含む。切欠き切断ブロック490はまた、患者の大腿骨402の遠位表面の切除をガイドするように構成されている、いくつかの遠位切断ガイド494を含む。切欠き切断ブロックが基部切断ブロック212に取り付けられた状態で、外科医は、鋸442を利用して、患者の大腿骨の遠位及び切欠き切除を行うことができる。
【0074】
図17に示すように、外科医は、切断ブロック212と一緒にリーミングガイド500を利用することもできる。これを利用するため、外科医は、通路228内にリーミングガイド500の取り付けブラケット300を位置付け、
図17に示すようにリーミングガイド500を切断ブロック212に固定するよう、ロックタブ240、242を操作する。外科医は次いで、1つ以上のリーマを使用して、大腿骨プロテーゼアセンブリのオフセットアダプタ92及びステムコンポーネント44を受容するように開口部406を拡大することができる。
【0075】
ここで
図22〜
図23を参照すると、基部切断ブロック612と、基部切断ブロック612に固定されるように構成されているオフセットガイド616と、の別の実施形態。切断ブロック612及びオフセットガイド616は、
図1〜
図21に関して上で説明した切断ブロック212及びオフセットガイド616に類似しており、類似の特徴を識別するために同じ参照番号が使用される。基部切断ブロック612は、例えば、ステンレス鋼又はコバルトクロム合金などの金属材料から形成される、基部プレート622を含む。基部プレートは、遠位面224と、遠位面の反対側に位置付けられる近位面226と、を含む。通路628は、表面224、226を通って延在する。基部切断ブロック612は、基部切断ブロックを患者の大腿骨に固定するための固定ピン262を受容するようにサイズ決めされた、いくつかの固定ピンガイド穴230を含む。
【0076】
基部切断ブロック612は、患者の大腿骨の一部分を切除するために整形外科手術中に使用され得る、いくつかの切断ガイド232を含む。例示的な実施形態では、切断ガイド232のそれぞれは、患者の大腿骨の後面の切除を案内するのに使用するための後方切断ガイドである。基部切断ブロック212はまた、患者の大腿骨の後方面取り表面の切除を案内するのに使用され得る、後方面取り切断ガイド234を含む。それぞれのガイドは、外科用鋸又は他の装置の切断用鋸刃を受容するようにサイズ決めされた細長いスロットを含む。基部切断ブロック612はまた、下により詳細に説明するように、基部切断ブロック212に選択的に固定され得るモジュール式切断ガイドブロックを受容するように構成された、取り付けプラットフォーム236を含む。
【0077】
オフセットガイド616は、取り付けブラケット700と、取り付けブラケット700に枢動可能に連結されたアダプタ本体302と、を含む。取り付けブラケット700は、その端部704、706のそれぞれに位置付けられた、保持フランジ754を含む。取り付けブラケット700は、それぞれの保持フランジ754に固定され、オフセットガイド616を切断ブロック612に固定するように、切断ブロック612内に画定された一対のねじ穴758内に受容される、一対の保持締結具756(例示的に、ねじ)を含む。かかる締結具は、ワッシャ、様々な孔径、及びフランジ/開口部のサイズ設定を使用して保持され得ることを理解されたい。
【0078】
上記のように、オフセットガイド616は、三角形状を有するコネクタを含む近位端310を有し、
図23に示すように、スタビライザ218は、コネクタ端部310に取り付けられるように構成される。下により詳細に説明するように、オフセットガイド216をステムスタビライザ218に組み付けるため、外科医は、近位端310を開口部312内に配置し、オフセットガイド216のねじ山を締めることができる。スタビライザ218はまた、ステムトライアル220のねじ付き遠位端314を受容するようにサイズ決めされた、ねじ付き近位開口部760を有する。
【0079】
前出の例示的な実施形態は、分離可能な脛骨トレイ及び脛骨トレイインサートを有するものとして説明してきたが、脛骨トレイは、別個の脛骨トレイインサートを必要としない顆突起受容軸受面を含み得ることを理解すべきである。
【0080】
上の説明及び発明の要旨にしたがって、本明細書で説明した方法及び装置は本発明の例示的な実施形態を構成するが、本明細書に含まれる発明がこの厳密な実施形態に限定されず、その請求項によって定義される本発明の範囲を逸脱しない限り、そのような実施形態に変更を加えることが可能であることは、当業者には明白であろう。加えて、本発明はその請求項によって定義されるものと理解されるべきであり、本明細書で述べた例示的な実施形態を説明するいかなる制限又は要素も、そのような制限又は要素が明示的に記述されない限り、本請求項のいかなる要素の解釈にも組み込まれるべきでないことが意図される。同様に、本発明がその請求項によって定義されるものであり、かつ、本明細書に明示的に記述されていなくとも本発明の元来の及び/又は予期せぬ利益が存在する可能性があるゆえに、任意の請求項の範囲に包含されるために、本明細書に開示された本発明の特定の利益又は目的のいずれか又は全てを満たす必要はないものと理解される。
【0081】
〔実施の態様〕
(1) 整形外科用手術器具システムであって、
複数の切断ガイドスロットを含む大腿骨切断ブロックと、
オフセットガイドであって、
前記大腿骨切断ブロックに連結されるように構成されている取り付けブラケットであって、遠位表面と、前記遠位表面内に画定された開口部と、を有する、取り付けブラケットと、
前記取り付けブラケット内に画定された前記開口部内に位置付けられているアダプタ本体であって、第1の長手方向軸に沿って延在し、前記取り付けブラケットに枢動可能に連結されたヘッドプレートを含む、アダプタ本体と、
前記アダプタ本体に枢動可能に連結された細長い軸であって、前記第1の長手方向軸から離間している第2の長手方向軸に沿って延在する、細長い軸と、を含む、オフセットガイドと、
前記細長い軸に連結されるように構成され、患者の大腿骨の髄管に挿入されるようにサイズ決めされている、髄内整形外科用手術器具と、を含む、整形外科用手術器具システム。
(2) 前記細長い軸が、三角形状のコネクタを有し、前記髄内整形外科用手術器具が、前記細長い軸の前記三角形状のコネクタを受容するようにサイズ決めされた開口部を有する、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
(3) 前記髄内整形外科用手術器具が、
前記細長い軸に連結されるように構成されているステムスタビライザと、
前記ステムスタビライザに連結されるように構成されているステムトライアルと、を含む、実施態様2に記載の整形外科用手術器具システム。
(4) 前記取り付けブラケットの前記遠位表面が、第1の平面を画定し、
前記第1の長手方向軸が、前記第1の平面に対して斜角に延在している、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
(5) 前記ヘッドプレートが、前記第1の平面に対して斜角に延在し、前記第1の長手方向軸に直交する、第2の平面を画定する遠位表面を有する、実施態様4に記載の整形外科用手術器具システム。
【0082】
(6) 主本体と、前記主本体から外側に延在する第1のアームと、前記第1のアームと平行して、かつそこから離間して、前記主本体から外側に延在する第2のアームと、を含む、位置決めブロックを更に含み、
前記切断ブロックは、前記位置決めブロックを前記切断ブロックに連結するため、前記第1のアームの先端を受容するようにサイズ決めされた取り付けスロットを含む、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
(7) 前記アダプタ本体の前記ヘッドプレートに画定された開口部に受容されるようにサイズ決めされたプラグを含むオフセットインジケータを更に含み、前記オフセットインジケータは、プロテーゼ大腿骨コンポーネントアセンブリのオフセット配向を示すための複数の視覚的なしるしを含み、
前記オフセットインジケータは、前記ヘッドプレートを前記取り付けブラケットに対して枢動させるように動作可能である、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
(8) 前記取り付けブラケットが、プロテーゼ大腿骨コンポーネントの計画されたオフセット配向を示すため、前記オフセットインジケータの前記複数の視覚的なしるしのうちの少なくとも1つにそろうように構成されている視覚的インジケータを含む、実施態様7に記載の整形外科用手術器具システム。
(9) 前記プラグが位置合わせタブを含み、
前記ヘッドプレートが、前記オフセットインジケータを前記オフセットガイドに対する既定の配向に位置付けるため、前記位置合わせタブを受容するようにサイズ決めされた位置合わせスロットを含む、実施態様7に記載の整形外科用手術器具システム。
(10) ロック位置とロック解除位置との間で枢動可能なロックフランジを含む外科用ハンドルを更に含み、
前記オフセットガイドの前記ヘッドプレートは、前記外科用ハンドルを前記オフセットガイドに固定するため、前記ロックフランジを受容するようにサイズ決めされた環状リムを含む、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
【0083】
(11) 整形外科用手術器具システムであって、
大腿骨切断ブロックに連結されるように構成されている取り付けブラケットであって、遠位表面と、前記遠位表面内に画定された開口部と、を有する、取り付けブラケットと、
前記取り付けブラケット内に画定された前記開口部内に位置付けられているアダプタ本体であって、第1の長手方向軸に沿って延在し、前記取り付けブラケットに枢動可能に連結されたヘッドプレートを含む、アダプタ本体と、
前記アダプタ本体に枢動可能に連結された細長い軸であって、前記第1の長手方向軸から離間した第2の長手方向軸に沿って延在し、その近位端にコネクタを含む、細長い軸と、
前記アダプタ本体と前記コネクタとの間の前記細長い軸上に位置付けられているスリーブと、
前記細長い軸の前記コネクタに連結され、患者の大腿骨の髄管に挿入されるようにサイズ決めされた、髄内整形外科用手術器具と、を含み、
前記スリーブは、(i)前記スリーブが、前記髄内整形外科用手術器具に係合して、前記髄内整形外科用手術器具を前記細長い軸に固定する、第1の位置と、(ii)前記スリーブが、前記髄内整形外科用手術器具から離間している、第2の位置と、の間で、前記細長い軸に沿って移動可能である、整形外科用手術器具システム。
(12) 前記コネクタが三角形状であり、前記髄内整形外科用手術器具が、前記三角形状のコネクタを受容するようにサイズ決めされた開口部を有する、実施態様11に記載の整形外科用手術器具システム。
(13) 前記スリーブが、ねじ付き外側表面を含み、前記髄内整形外科用手術器具は、前記スリーブが前記第1の位置にあるときに前記ねじ付き外側表面に係合するねじ付き内側表面を含む、実施態様12に記載の整形外科用手術器具システム。
(14) 前記髄内整形外科用手術器具の前記開口部が、前記髄内整形外科用手術器具の前記ねじ付き内側表面内に画定された複数のスロットを含む、実施態様13に記載の整形外科用手術器具システム。
(15) 前記髄内整形外科用手術器具が、前記細長い軸の前記コネクタに連結されたステムスタビライザを含む、実施態様11に記載の整形外科用手術器具システム。
【0084】
(16) 前記アダプタ本体に連結されるように構成されているオフセットインジケータを更に含み、前記オフセットインジケータは、プロテーゼ大腿骨コンポーネントアセンブリのオフセット配向を示すための複数の視覚的なしるしを含み、
前記オフセットインジケータは、前記ヘッドプレート及び前記アダプタ本体を前記取り付けブラケットに対して枢動させるように動作可能である、実施態様11に記載の整形外科用手術器具システム。
(17) 整形外科用手術器具システムであって、
オフセットガイドであって、
大腿骨切断ブロックに連結されるように構成されている取り付けブラケットであって、遠位表面と、前記遠位表面内に画定された開口部と、を有する、取り付けブラケットと、
前記取り付けブラケット内に画定された前記開口部内に位置付けられているアダプタ本体であって、第1の長手方向軸に沿って延在し、前記取り付けブラケットに枢動可能に連結されたヘッドプレートを含む、アダプタ本体と、
前記アダプタ本体に枢動可能に連結された細長い軸であって、前記第1の長手方向軸から離間した第2の長手方向軸に沿って延在し、髄内整形外科用手術器具を受容するようにサイズ決めされたコネクタを含む、細長い軸と、を含む、オフセットガイドと、
前記アダプタ本体の前記ヘッドプレートに連結されるように構成されているオフセットインジケータであって、プロテーゼ大腿骨コンポーネントアセンブリのオフセット配向を示すための複数の視覚的なしるしを含む、オフセットインジケータと、を含み、
前記細長い軸が前記第2の長手方向軸を中心に回転することを防止されている場合、前記オフセットインジケータは、前記取り付けブラケットに対して前記第1の長手方向軸を中心に前記ヘッドプレートを枢動させ、前記細長い軸に対して前記第2の長手方向軸を中心に前記ヘッドプレートを枢動させるように、動作可能である、整形外科用手術器具システム。
(18) 前記オフセットガイドが、前記細長い軸上に位置付けられているスリーブを更に含み、前記スリーブは、(i)前記スリーブのねじ部が、前記髄内整形外科用手術器具に係合して、前記髄内整形外科用手術器具を前記細長い軸に固定する、第1の位置と、(ii)前記スリーブが、前記髄内整形外科用手術器具から離間している、第2の位置と、の間で、前記細長い軸に沿って移動可能である、実施態様17に記載の整形外科用手術器具システム。
(19) 前記コネクタが三角形状である、実施態様18に記載の整形外科用手術器具システム。
(20) 前記オフセットインジケータが位置合わせタブを含み、
前記ヘッドプレートが、前記オフセットインジケータを前記オフセットガイドに対する既定の配向に位置付けるため、前記位置合わせタブを受容するようにサイズ決めされた位置合わせスロットを含む、実施態様17に記載の整形外科用手術器具システム。
【0085】
(21) 整形外科手術を行う方法であって、
髄内整形外科用手術器具の遠位端をオフセットガイドの近位端に位置合わせすることと、
前記オフセットガイドの前記近位端と前記髄内整形外科用手術器具との間の相対的な回転移動を防止するため、前記髄内整形外科用手術器具の前記遠位端に画定された開口部内に、前記オフセットガイドの前記近位端にあるコネクタを位置付けることと、
前記髄内整形外科用手術器具を前記コネクタ上で前進させることと、
スリーブを前記髄内整形外科用手術器具に係合させて、前記髄内整形外科用手術器具を前記オフセットガイドに固定することと、を含む、方法。
(22) 前記スリーブを前記髄内整形外科用手術器具に係合させることが、前記スリーブを前記オフセットガイドの前記近位端に向かって前進させることと、前記スリーブのねじ付き外側表面を前記髄内整形外科用手術器具のねじ付き内側表面に係合させることと、を含む、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記髄内整形外科用手術器具の前記遠位端に画定された前記開口部内に、前記オフセットガイドの前記近位端にある前記コネクタを位置付けることが、前記髄内整形外科用手術器具の前記ねじ付き内側表面内に画定された複数のスロットの中へ三角形状のコネクタを位置付けることを含む、実施態様22に記載の方法。
(24) ステムスタビライザをステムトライアルに固定して、前記髄内整形外科用手術器具を形成することを更に含む、実施態様21に記載の方法。
(25) 前記髄内整形外科用手術器具を、患者の大腿骨の遠位端に画定された開口部に挿入することと、
前記髄内整形外科用手術器具を通って延在する長手方向軸を中心に、前記オフセットガイドの遠位端を回転させて、プロテーゼ大腿骨コンポーネントのオフセット配向を決定することと、を更に含む、実施態様21に記載の方法。
【0086】
(26) 前記オフセットガイドの前記遠位端を、複数の切断スロットを含む大腿骨切断ブロックに固定すること、を更に含み、
前記オフセットガイドの前記遠位端を回転させることは、前記大腿骨切断ブロックを前記患者の大腿骨の遠位表面に対して回転させることを含む、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記オフセットガイドの前記遠位端にオフセットインジケータを取り付けること、を更に含み、
前記オフセットガイドの前記遠位端を回転させることは、前記髄内整形外科用手術器具を通って延在する前記長手方向軸に平行して延在し、かつそこから離間している、第2の長手方向軸を中心に前記オフセットインジケータを回転させることを含む、実施態様26に記載の方法。
(28) 大腿骨位置決めブロックの第1のアームを前記切断ブロックに取り付けることと、
既定の間隙が前記患者の脛骨と前記大腿骨切断ブロックとの間に画定されるように、前記患者の脛骨の近位端に前記大腿骨位置決めブロックの第2のアームを位置付けることと、を更に含み、
前記オフセットガイドの前記遠位端を回転させることは、前記患者の大腿骨の遠位表面に対して前記切断ブロックを回転させながら、前記患者の脛骨と前記患者の大腿骨との間の距離を調節することを含む、実施態様26に記載の方法。
(29) 前記患者の大腿骨の前記遠位端の一部分を切除することを更に含む、実施態様26に記載の方法。
(30) 前記大腿骨切断ブロックから前記オフセットガイドを取り外すことと、前記患者の大腿骨の前記開口部から前記髄内整形外科用手術器具を除去することと、を更に含む、実施態様29に記載の方法。
【0087】
(31) 整形外科手術を行う方法であって、
オフセットガイドを大腿骨切断ブロックに固定することと、
患者の大腿骨の遠位端に画定された開口部に、前記オフセットガイドの細長い軸を挿入することであって、前記細長い軸は、第1の長手方向軸に沿って延在する、ことと、
前記オフセットガイドの前記遠位端にオフセットインジケータを取り付けることと、
前記第1の長手方向軸を中心に前記大腿骨切断ブロックを回転させて、プロテーゼ大腿骨コンポーネントのオフセット配向を決定するために、前記第1の長手方向軸と平行して延在し、かつそこから離間している、第2の長手方向軸を中心に前記オフセットインジケータを回転させることと、を含む、方法。
(32) 前記第1の長手方向軸が髄内整形外科用手術器具に沿って延在するように、前記髄内整形外科用手術器具を前記オフセットガイドに固定することを更に含む、実施態様31に記載の方法。
(33) 前記第2の長手方向軸を中心に前記オフセットインジケータを回転させることが、前記オフセットインジケータと共に前記第2の長手方向軸を中心に前記オフセットガイドのヘッドプレートを回転させることを含み、前記オフセットガイドは、前記大腿骨切断ブロックが前記第2の長手方向軸に対して回転することを防止されるように、前記大腿骨切断ブロックに固定されている、実施態様32に記載の方法。
(34) 大腿骨位置決めブロックの第1のアームを前記大腿骨切断ブロックに取り付けることと、
既定の間隙が前記患者の脛骨と前記大腿骨切断ブロックとの間に画定されるように、前記患者の脛骨の近位端に前記大腿骨位置決めブロックの第2のアームを位置付けることと、を更に含み、
前記第2の長手方向軸を中心に前記オフセットインジケータを回転させることは、前記患者の大腿骨の遠位表面に対して前記切断ブロックを回転させながら、前記患者の脛骨と前記患者の大腿骨との間の距離を調節することを含む、実施態様31に記載の方法。
(35) 前記患者の大腿骨の前記遠位端の一部分を切除することを更に含む、実施態様31に記載の方法。
【0088】
(36) 整形外科手術を行う方法であって、
髄内整形外科用手術器具をオフセットガイドに固定することと、
前記オフセットガイドを大腿骨切断ブロックに固定することと、
前記髄内整形外科用手術器具を、患者の大腿骨の遠位端に画定された開口部に挿入することと、
大腿骨位置決めブロックの第1のアームを前記大腿骨切断ブロックに取り付けることと、
既定の間隙が前記患者の脛骨と前記大腿骨切断ブロックとの間に画定されるように、前記患者の脛骨の近位端に前記大腿骨位置決めブロックの第2のアームを位置付けることと、
前記髄内整形外科用手術器具を通って延在する長手方向軸を中心に前記オフセットガイドの遠位端を回転させて、プロテーゼ大腿骨コンポーネントのオフセット配向を決定することと、を含み、
前記オフセットガイドの前記遠位端を回転させることは、前記患者の脛骨と前記患者の大腿骨との間の距離を調節することを含む、方法。
(37) オフセットインジケータを前記オフセットガイドの前記遠位端に取り付けることを更に含み、
前記オフセットガイドの前記遠位端を回転させることは、前記髄内整形外科用手術器具を通って延在する前記長手方向軸に平行して延在し、かつそこから離間している、第2の長手方向軸を中心に前記オフセットインジケータを回転させることを含む、実施態様36に記載の方法。
(38) 前記髄内整形外科用手術器具を前記オフセットガイドに固定することが、
前記オフセットガイドの三角形状のコネクタを、前記髄内整形外科用手術器具の内側表面に画定された複数のスロットの中へ位置付けることと、
前記オフセットガイドのスリーブを前記髄内整形外科用手術器具に係合させて、前記髄内整形外科用手術器具をオフセットガイドに固定することと、を含む、実施態様36に記載の方法。
(39) 前記髄内整形外科用手術器具の前記内側表面がねじ付きであり、前記オフセットガイドの前記スリーブを前記髄内整形外科用手術器具に係合させることが、前記スリーブのねじ付き外側表面を前記髄内整形外科用手術器具の前記内側表面に係合させることを含む、実施態様38に記載の方法。
(40) ステムスタビライザをステムトライアルに固定して、前記髄内整形外科用手術器具を形成することを更に含む、実施態様39に記載の方法。