(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、ガラスブールを形成するため、およびガラスブールからガラス管を形成するための方法および装置の様々な実施形態を詳細に参照し、これらの例を、添付の図面で例示する。可能なときはいつでも、同じ部分または類似した部分を指すために、同じ符号を、図面を通して使用する。
【0011】
ガラス管製造デバイスの一実施形態を、
図3に示し、全体を通して符号300で示す。ガラス管製造デバイス300は概して、加圧ガスの流れを炉内に位置づけられたガラスブールの内部チャネルに供給する加圧ガス源と、ガラスブールを炉内に位置づけ、制御された給送速度でガラスブールを降ろして炉内に入れるための下方給送ユニットと、炉の下流に位置づけられた少なくとも一対の引っ張りロールと、内径計器と、外径計器と、電子制御ユニットと、を含み得る。ガラスブールを炉内で加熱して、ガラスブールの下部分の粘度を減少させて、ガラスブールの大きさを細くすることを可能にする。ガラスブールの細くなった部分が、ガラス管を引っ張るために、炉の下にある少なくとも一対の引っ張りロールによって係合されるガラス管を形成する。電子制御ユニットは、炉内でのガラスブールの下方給送速度を調節し、外径計器から受信された信号に基づいて、少なくとも一対の引っ張りロールの速度およびトルクのうちの少なくとも一方を調節し、ガラス管の形成を制御するために、内径計器から受信された信号に基づいて、制御ガスの流量を調節するように構成されている。ガラスブールからガラス管を形成するための方法および装置の様々な実施形態を、添付の図面に関連して本明細書に記載する。
【0012】
本明細書で使用する方向に関する用語、例えば、上、下、右、左、前方、後方、上部、下部、垂直、水平は、描かれている図のみを参照したものであり、特に明示的に指定のない限り、絶対的配向を意味することを意図しない。
【0013】
特に明示的に指定のない限り、本明細書に記載するいずれの方法も、そのステップが特定の順序で行われること、または、任意の装置の特定の配向が必要であることを必要とすると解釈されることを決して意図しない。したがって、方法の請求項がそのステップが従うべき順序を実際に列挙していない場合、または任意の装置の請求項が個々の構成要素に対する順序もしくは配向を列挙していない場合、さもなければステップが特定の順序に限定されると特許請求項の範囲もしくは説明に具体的に記載されていない場合、または装置の構成要素に対する特定の順序または配向が列挙されていない場合、いかなる点においても、順序または配向が暗示されることを決して意図しない。これは、ステップ構成、操作の流れ、構成要素の順序、または構成要素の配向に関する論理の事項、文法構成または句読点に由来する平明な意味、および本明細書に記載される実施形態の数または種類を含む、解釈の任意の可能性のある非明示的な基礎にも適用される。
【0014】
本明細書で使用されるとき、その文脈が別途明らかに規定しない限り、単数形「a」、「an」、および「the」には、複数の指示対象が含まれる。したがって、例えば、その文脈が明らかに示さない限り、「1つの(a)」構成要素への参照には、2つ以上のかかる構成要素を有する態様が含まれる。
【0015】
図1を参照すると、ガラスブールを形成するための例示的ガラスブール製造システム100が、概略的に描写されている。ガラスブール製造システム100は概して、溶融ガラス送達システム102、溶融ガラスを受容するための送達容器104、およびマンドレル106を含む。
【0016】
溶融ガラス送達システム102は概して、融解容器108、清澄容器110、およびガラスブール製造システム100の送達容器104に結合された混合容器112を含む。
【0017】
送達容器104には、ガラスを加熱し、かつ/またはガラスを溶融状態に維持するための加熱要素(図示せず)が含まれてもよい。送達容器104は、送達容器104内で溶融ガラスをさらに均質にするための混合構成要素(図示せず)も収容してもよい。いくつかの実施形態では、送達容器104は、ガラスをマンドレル106に供給する前に、ガラスの粘度を増加させるために、溶融ガラスを冷却およびコンディショニングしてもよい。
【0018】
送達容器104には、その底部に開口部118が含まれてもよい。様々な実施形態では、開口部118は、円形であるが、長円形、楕円形、または多角形であってもよく、溶融ガラス120が送達容器104の開口部118を通って流れることができるようにサイズ決定されている。溶融ガラス120を、送達容器104の開口部118から直接マンドレル106上に流して、ガラスブール122を形成してもよい。
【0019】
依然として
図1を参照して、様々な実施形態では、ガラスブール製造システム100は、溶融ガラス120が送達容器104から、マンドレル106と外型124との間を流れるように、マンドレル106の周りに位置づけられた外型124をさらに含む。外型124は、送達容器104の開口部118に対応する非円形の形状である内部形状を有していてもよい。外型124の外形は、基盤の支持を促す任意の形状であることができる。
【0020】
運転中に、ガラスバッチ材料を、矢印2で示すように、融解容器108内へ導入する。ガラスバッチ材料を、融解容器108内で融解して、溶融ガラス120を形成する。溶融ガラス120は、融解容器108から溶融ガラス120を受容する高温プロセス領域を有する清澄容器110に流入する。清澄容器110では、溶融ガラス120から気泡が除去される。清澄容器110は、接続管111によって混合容器112に流体結合されている。すなわち、清澄容器110から混合容器112に流れる溶融ガラス120は、接続管111を通って流れる。溶融ガラス120を、撹拌などによって混合容器112内で均質にする。次いで、混合容器112は、給送パイプ113を通して送達容器104に流体結合されている。
【0021】
次いで、溶融ガラスは、送達容器104の開口部118を通ってマンドレル106上を流れ、このマンドレル106によって、ガラスブール122内にチャネル126が形成される。外型124を含む実施形態では、外型124が、ガラスブール122の外面128を形成する。マンドレル106と外型124が一緒になって、ガラスを急冷し、内部チャネルを有するガラスブール122を形成する。形成されたら、ガラスブール122を引っ張ってガラス管400にすることができるようにガラスブール122を再加熱する前に、ガラスブール122を焼きなまし、この焼きなましでは、ガラスブール122を残留応力が除去される温度にまで加熱する。
【0022】
溶融ガラス120を、溶融ガラス混合物を形成する既知の方法に従って形成してもよい。加えて、溶融ガラス120を形成するために供給される特定のガラス組成物構成成分は、特定の実施形態に応じて異なり得る。具体的には、ガラス組成物構成成分としては、限定ではなく例として、シリカ(SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、酸化ホウ素(B
2O
3)、アルカリ土類酸化物(MgO、CaO、SrO、またはBaOなど)、アルカリ酸化物(Na
2Oおよび/またはK
2Oを含むがこれらに限定されない)、ならびに、例えば、SnO
2、ZrO
2、ZnO、TiO
2、Cl
−などの1つ以上の追加の酸化物または清澄剤が挙げられ得る。特定の一実施形態では、溶融ガラス混合物を、例えば、米国特許第8,551,898号に開示されるガラス組成物から形成してもよい。しかしながら、本明細書に記載の方法および装置で使用するための他のガラス組成物も企図され、可能であることを理解されたい。
【0023】
概して、送達容器104内の溶融ガラス120の温度は、送達容器104の開口部118における溶融ガラス120の粘度が、開口部118からのガラスの安定した流れをもたらすのに好適であるように調節されている。例えば、いくつかの実施形態では、送達容器104内の溶融ガラス120の温度は、送達容器104からの安定化された流れをもたらすように、溶融ガラス混合物が、約1kP(キロポアズ)(約100Pa s)と約250kP(約25kPa s)の間、約25kP(約2.5kPa s)と約225kP(約22.5kPa s)の間、または約50kP(約5kPa s)と約150kP(約15kPa s)の間の粘度を有するような温度である。本明細書に記載の方法および装置と共に使用するガラス組成物は、失透を伴わずにガラスを形成することを可能にする適切な作業粘度と、物品が生成されるのに必要な物理的特性の両方をもたらすガラス組成物に限定され得る。本明細書で使用されるとき、作業粘度は、ガラスが約25kP(約2.5kPa s)超の粘度を呈する温度を指す。しかしながら、ある特定の場合には、引っ張ることができると見なされるガラス組成物が満たすことができない完成品の属性が望ましい場合がある。換言すると、望ましいガラス組成物は、送達容器104の開口部118の溶融ガラスの失透を防ぐ温度が、引っ張るのに好適な粘度の下限よりも低い開口部118の溶融ガラスの粘度をもたらし得るのに十分に高い液相温度を有し得る。かかる実施形態では、マンドレル106および外型124は、結晶化を克服し、ブール形成を可能にする目的で粘度を急激に増加させるために、能動的冷却特徴部を用いて、開口部118から出てくる溶融ガラスからの熱を除去してもよい。
【0024】
図2は、
図1に描写するガラスブール製造システム100を用いて形成され得る例示的ガラスブール122を例示する。
図2に示すように、ガラスブール122のチャネル126が、ガラスブール122の内径ID
1を画定する一方で、ガラスブール122の外面128は、ガラスブール122の外径OD
1を画定する。ガラスブール122の内径ID
1および外径OD
1は、特定の実施形態に応じて異なり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ガラスブール122の内径ID
1は、約3mmから約50mmまでであり、ガラスブール122の外径OD
1は、約140mmから約250mmまでである。ガラスブール122の内径ID
1は、ガラスブール122の外径OD
1に応じて異なり得、概して、約3mmから約50mm、約3mmから約25mm、または約3mmから約5mmの範囲にわたり得る。例えば、約150mmの外径OD
1を有するガラスブール122は、約5mmから約20mmの内径ID
1を有してもよい。別の実施例として、約250mmの外径OD
1を有するガラスブール122は、約10mmから約50mmの内径ID
1を有し得る。特定の一実施例では、ガラスブール122は、約140mmから約160mmの外径および約6mmから約40mmの内径を有する。様々な実施形態では、ガラスブール122は、長さが約1mから約3m、さらには長さが約1.5mから約2.5mであってもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、ガラスブール122を、代替方法に従って形成してもよい。例えば、一実施形態では、ガラスブール122を、チャネルを含めずに形成し、その後、ダイヤモンド含浸金属先端部を用いたガンドリル加工またはコアドリル加工などにより、ガラスブール122に穴を開けるか、さもなければ導入してチャネル126にする。いくつかの実施形態では、より短い長さのガラス(例えば、12インチ(30.48センチメートル)以下)に穴を開け、フレームワークにより一緒につなぎ合わせて、ガラスブール122を形成してもよい。
【0026】
他の実施形態では、ピストンを含む押出ダイによりガラスの円筒をプレスして、ガラスブール122を作製してもよい。押出ダイは、ガラスブール122のチャネル126を形成するためのマンドレルを含んでいてもよい。ガラスを押出するいくつかの実施形態では、ガラスの温度は、ガラス混合物が約1×10
5P(ポアズ)(約1×10
4Pa s)から約1×10
7P(約1×10
6Pa s)の粘度を有するような温度である。あるいは、チャネル126を含むガラスブール122を形成する他の方法を、使用してもよい。
【0027】
実施形態では、ガラスブール122を形成するプロセスにより、ガラスに欠陥が生じる場合がある。具体的には、チャネル126および/または外面128は、亀裂またはかき傷などの様々な欠陥を含み得る。本明細書で使用されるとき「欠陥」は、気泡、包有物、ガラス微粒子、かき傷、亀裂、空気線、表面不純物、パネリング、またはガラスの品質を低減させる、ガラスの表面上もしくは内部の任意の他の傷を指す。かかる欠陥は、例えば、溶融ガラス120の流れを妨げるかまたは変える、マンドレル106上に存在する不規則性または欠陥から生じ得る。気泡および包有物などの内部欠陥は、融解容器108から出てくるガラスの質に起因し得る。一部の気泡は、下方に引かれて、得られる管の壁厚さの内部の空気線になる場合がある。パネリングおよび傷などの外部欠陥は、溶融ガラスが型治具に接して流れ、表面上に凹凸ができることに起因し得る。欠陥はまた、完全な円形ではない、そっているなどの、所望の表面形状から偏位した領域などの、形状に関する質にも見られる場合がある。
【0028】
様々な実施形態によれば、ガラスブール122のチャネル126上の欠陥および外面128上の欠陥は、内面および外面を加熱し引っ張って、より少ない欠陥を有するガラス管400を形成することによって低減させることができる。理論に束縛されるものではないが、ブールを細くして管にする際には、縮小比が存在する。形状に加えて、ガラス構造の一部である任意の欠陥の大きさは、この縮小比によって大きさが減少する。したがって、ガラスブールが、10mmの大きさの欠陥を含み、縮小比が100である場合、そのガラス管400は、0.1mmの大きさの欠陥を含む。したがって、小さい欠陥の大きさを、人の眼には見えなくなるように減少させることができる。さらに、ガラスブール122を引っ張ってガラス管400にするのに用いられる引きプロセスによって、表面上に火炎研磨効果が与えられ得る。この引っ張りプロセスには、ガラスが流れ、したがって欠陥を取り除くことができるようにガラスを再加熱することが含まれるため、例えば、後処理または取り扱いによりかき傷がガラスブール122上に生じた場合、このかき傷を、ガラスブール122を引っ張るときに「治す」ことができる。具体的には、ガラスブール122の内径ID
1を増加させる一方で、ガラスブール122の外径OD
1を減少させて、内径ID
2および外径OD
2を有するガラス管400を形成する。
【0029】
さらに、理論に束縛されるものではないが、ガラスブールからガラス管を引っ張ることによってガラス管を形成することにより、従来の転換プロセスを使用して形成したガラス管より改善された表面品質がもたらされ得る。例えば、従来の転換プロセスでは、方向およびガラスの表面との接触点の様々な変化に起因した表面欠陥がもたらされ得る。それに反して、本明細書に記載の様々な方法は、形成中にガラスブールの内面をマンドレルと接触させ、引かれたガラス管の外面を引っ張りロールと接触させるが、さもなければ、製造中に表面接触をもたらさなくてもよい。
【0030】
図2に示すように、様々な実施形態で、ガラスブール122は、ハンドル200を含む。ハンドル200を、押出中、または溶融ガラス120を送達容器104の開口部118から落としているときなどに、ガラスブール122と一体的に形成してもよい。例えば、溶融ガラス120を、より早く引っ張って、ハンドル200を形成してもよく、これは、一般的にブールに「くびれを入れる(necking)」と呼ばれる。ハンドルの長さは、例えば、約1メートル、約2メートル、さらにはそれよりも長くてもよい。あるいは、ハンドル200を、ガラスブール122を形成した後に、ガラスブール122に取り付けてもよい。例えば、ガラスブール122を焼きなました後か、またはガラスブール122を形成してガラス管400にする前の別の時点で、フレームワークまたは別の好適な技法を使用して、ハンドル200を取り付けてもよい。様々な実施形態では、ハンドル200によって、ガラスブール122自体の表面に接触せずに、ガラスブール122を取り扱うかまたは操作するための表面がもたらされる。加えて、以下にさらに詳細に記載するように、ハンドル200は、加圧ガスをガラスブール122のチャネル126に供給するために、ガラスブール122を加圧ガス源に接続するための導管の役割を果たすことができる。例えば、ハンドル200を、ハンドル200にフレームワークした、事前に研磨した嵌合接合部を用いて、ガラスブール122に部分的に形成してもよい。理論に束縛されるものではないが、ガラスブール122がハンドルを含む実施形態は、廃物を最小限に抑えることができ、ガラスブール122の端を廃棄する必要なしに、ガラスブール122のガラスのすべてを、ガラス管400を形成するのに使用することを可能にする。
【0031】
ここで
図3および
図4を参照して、ガラスブール122が形成された後、ガラスブール122をガラス管製造デバイス300に挿入して、ガラスブール122からガラス管400を引っ張ってもよい。実施形態では、ガラス管製造デバイス300は概して、炉302、加圧ガス306を供給するための加圧ガス源304、および少なくとも一対の引っ張りロール308を含む。本明細書で使用されるとき、用語「引っ張りロールは」には、トラクタベルト、ピンチホイール、巻き上げ器、二重ロールなどを含むが、これらに限定されない引っ張りデバイスが含まれる。ガラス管製造デバイス300は、内径計器310、外径計器312、下方給送ユニット320、およびガラスブール122からガラス管400を引っ張るプロセスを制御するための電子制御ユニット(ECU)314をさらに含むことができる。
【0032】
本明細書に記載の実施形態では、炉302は、垂直に(すなわち、
図3の描写する座標軸の+/−Z方向に)延在する管状炉であってもよい。ガラスブール122(
図3に図示せず)を、炉302に位置づけることができる。加圧ガス源304は、供給導管316を用いてガラスブール122のチャネル126に結合させた、高圧ガス容器、圧縮機などの他の加圧ガス源であってもよい。実施形態では、供給導管316は、ガラスブール122を加圧ガス源304に結合させたときに、供給導管316をガラスブール122のチャネル126に対して封止するために使用することができる封止体318をさらに含んでいてもよい。例えば、ガラスブール122のハンドル200を、封止体318に結合させて、接合部を形成してもよい。封止体318およびハンドル200によってチャネル126に結合された供給導管316は、加圧ガス源304からチャネル126に加圧ガス306を提供する。供給導管316は、可撓性ホースの形態であるか、または垂直に動くことができる少なくとも一部分を含んでもよい。例えば、供給導管316は、垂直方向に動くように制御されていてもよい送りねじに接続されたつかみ具を含んでいてもよい。
【0033】
ガラス管製造デバイス300は、ガラスブール122のハンドル200が封止体318に結合されている間、ハンドル200を支持するためのハンドル係合機構303も含む。様々な実施形態では、ハンドル係合機構303は、ハンドル係合機構303内でのハンドル200の位置づけを容易にするために、少なくとも片側が開放される。例えば、様々な実施形態では、封止体318および供給導管316に結合させるために、ガラスブール122のハンドル200を、
図3および
図4に描写する座標軸の+/−X方向に挿入してもよい。
【0034】
実施形態では、加圧ガス源304は、ECU314に通信可能に接続されている。ECU314は、プロセッサと、コンピュータ可読/実行可能命令を記憶している非一時的メモリと、を含んでいてもよく、このコンピュータ可読/実行可能命令は、プロセッサによって実行されたとき、加圧ガス源304から放出される加圧ガス306の流量を調整する。加圧ガス306は、限定ではなく例として、空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、または別の類似のプロセスガスであってもよい。いくつかの実施形態では、加圧ガス306は、不活性ガスであってもよいが、他の実施形態では、フォーミングガスを、ガラスブール122の内径ID
1を増加させながら、チャネル126の表面の化学的性質に影響を与えるために使用してもよい。
【0035】
図3は、ECU314に電気的に結合させた下方給送ユニット320をさらに描写する。下方給送ユニット320は、ハンドル係合機構303および供給導管316にさらに結合され、ガラスブール122を炉302内で垂直に(すなわち、
図3に描写する座標軸の+/−Z方向に)移動させるために使用される。炉302内でガラスブール122を垂直に移動させることにより、ガラスが引っ張られるときに、ガラスの大きさの定常状態の減少を維持することが可能になる。したがって、ガラスブール122の下部分が炉302のホットゾーン(図示せず)に到達するまで、ハンドル係合機構303、供給導管316、封止体318、ハンドル200、およびガラスブール122を、炉302内へと下げる。例えば、下方給送ユニット320が、供給導管316およびハンドル係合機構303に関連付けられた送りねじを回転させ、ハンドル係合機構303および供給導管316を、封止体318、ハンドル200、およびガラスブール122と共に炉302内に下げてもよい。炉のホットゾーン内にあるガラスブール122の一部の粘度が減少すると、ガラスブール122の大きさを細くし、ガラス管400を形成することが可能になる。ガラス管400が引っ張りロール308によって引かれているとき、下方給送ユニット320によって、ガラスブール122が炉302内へと下げられ続ける。ガラスブール122が細くなったら、下方給送ユニット320は、ハンドル係合機構303、ハンドル200、封止体318、および供給導管316を垂直方向に上げて、炉302から出し、ハンドル200が封止体318から接続解除され、ハンドル係合機構303から取り外されることを可能にしてもよい。実施形態では、ECU314は、プロセッサと、コンピュータ可読/実行可能命令を記憶している非一時的メモリと、を含んでいてもよく、このコンピュータ可読/実行可能命令は、プロセッサによって実行されたとき、下方給送ユニット320が、ガラスブール122、供給導管316、ハンドル係合機構303、および封止体318の、炉302内における垂直位置を調節する速度を制御する。
【0036】
実施形態では、少なくとも一対の引っ張りロール308は、炉302の下流に位置づけられ、ガラス管400の外面の一部と係合する。引っ張りロール308を、ECU314に電気的に結合させたモータ(図示せず)などによって、能動的に駆動させてもよい。実施形態では、ECU314プロセッサと、コンピュータ可読/実行可能命令を記憶している非一時的メモリと、を含んでいてもよく、このコンピュータ可読/実行可能命令は、プロセッサによって実行されたとき、引っ張りロール308の回転(すなわち、引っ張りロールのトルクおよび/またはスピード)、したがって、線形の引っ張りスピードを制御する。
【0037】
いくつかの実施形態では、冷却流体が、ガラス管400を冷却するために設けられる。例えば、ガラス管400が大きい外径OD
2および厚い壁を有する実施形態では、ガラス管400を冷却した後で、ガラス管400を引っ張りロール308と接触させることが望ましい場合がある。冷却によって、例えば、ガラス管が過度に熱いことに起因し得る引っ張りロール308への損傷を低減させるかまたはなくすように、ガラス管400の温度を減少させることができる。冷却流体は、例えば、ガラス管400の温度を減少させるのに十分な温度を有する不活性ガスまたは流体であってもよい。冷却流体によって、約300℃未満、約200℃未満、または約100℃未満に、ガラス管400の温度を減少させてもよい。
【0038】
依然として
図3を参照して、内径計器310および外径計器312は、炉302の下流に位置づけられてもよく、ガラス管製造デバイス300によってガラスブール122から引っ張られたガラス管400の内径および外径をそれぞれ測定するのに使用される。様々な実施形態では、内径計器310および外径計器312は、ガラスブール122の壁を通して内径を測定することができるような、レーザーに基づく測定システムまたは視覚に基づく測定システムであってもよい。例えば、視覚に基づく検査システムを用いて、ガラス管400の内径および外径を測定してもよい。特定の実施形態では、ガラスの屈折率を用いて、さもなければ測定値を歪め得るガラスの曲率半径からのレンズ効果を低減するか、さらにはなくすことができる。実施形態では、内径計器310は、本明細書にさらに詳述するように、ガラス管400の外側に位置づけられてもよく、供給導管316がガラスブール122に結合されているときに、ガラス管400の内径を測定するように構成される。内径計器310および外径計器312は、ECU314に通信可能に結合され、ECU314に、ガラス管製造デバイス300によってガラスブール122から引っ張られたガラス管400の内径および外径をそれぞれ示す電気信号を提供する。
【0039】
実施形態では、ECU314のメモリに記憶されているコンピュータ可読/実行可能命令は、プロセッサによって実行されたときに、ECU314が内径計器310および外径計器312から、ガラス管製造デバイス300によってガラスブール122から引っ張られたガラス管400の内径および外径をそれぞれ示す信号を受信するように、構成されてもよい。これらの信号に基づいて、ECU314は、本明細書にさらに詳述するように、ガラスブール122から引っ張られるガラス管400の寸法(例えば、内径、外径、したがって壁厚さ)を制御するために、加圧ガス源304から放出される加圧ガス306の流れ、ガラスブール122を炉内に下げる速度、および少なくとも一対の引っ張りロール308の回転(例えば、トルクおよび/またはスピード)のうちの少なくとも1つを調節する。
【0040】
ここで
図3および
図4に戻ると、本明細書に記載の実施形態では、ガラス管製造デバイス300のECU314が、下流方向にガラスブール122からガラス管400を引っ張るように、少なくとも一対の引っ張りロール308と共に、加圧ガス源304を制御し、それによりガラスブール122の長さを増加させながら、ガラスブール122の内径ID
1を増加させ、ガラスブール122の外径OD
1を減少させ、それにより、ガラスブール122がガラス管400へと転換される。このプロセスを開始するためには、ガラスブール122を、ハンドル200および封止体318を介して、供給導管316に結合させる。加圧ガス306がチャネル126内へと放出されるように、ハンドル200および封止体318を嵌合させる。内径計器310を、ガラス管400の外側の炉302の下に位置づける。その後、ガラスブール122を下げて炉302内に入れ、ガラスブールのガラス転移温度T
gを超える温度に加熱し、この時点で、ガラスブール122のガラスが粘性の液体として挙動し、流れ始める。この温度は、一般的に、ガラス管をガラスブール122から引っ張ることができるような約100kP(約10kPa s)から約200kP(約20kPa s)の粘度を、ガラスが有するのと一致する。ガラスがガラスブール122から下流方向に流れ始め、それによりガラス管400が形成されるに従い、ガラス管400は、外径計器312のわき、かつ引っ張りロール308がガラス管400の外面に接触して係合し、ガラスを下流方向に引っ張るように、少なくとも一対の引っ張りロール308間に方向づけられる。
【0041】
少なくとも一対の引っ張りロール308は、引っ張りロール308に損傷を与えるのを防ぐために、ガラスがガラス転移温度未満に冷却され、引っ張りロール308に係合する前に凝固することを可能にするのに十分な距離、炉302の下流に位置することを理解されたい。より具体的には、少なくとも一対の引っ張りロール308は、ガラス管400の温度がガラス管400およびガラスブール122のガラス転移温度T
g未満である位置に、ガラス管400の外面に接触するように位置づけられる。ガラス転移温度T
g未満の温度では、ガラス管400は、引っ張りロール308に損傷を与えずに、引っ張りロール308などで機械的に操作することができる弾性固体のように挙動する。
【0042】
ガラス転移温度T
gは、ガラスブール122、したがってガラス管400を形成する特定のガラス組成物によって異なるが、ガラス転移温度T
gは、典型的に約1200℃から約450℃の範囲にわたる。したがって、様々な実施形態では、引っ張りロール308は、ガラス管400の温度が、ガラス転移温度T
gよりも約50℃低いか、ガラス転移温度T
gよりも約100℃低いか、ガラス転移温度T
gよりも約200℃低いか、ガラス転移温度T
gよりも約300℃低いか、またはガラス転移温度T
gよりも約400℃低い温度になる位置で、ガラス管400の外面と接触するように位置づけられる。いくつかの実施形態では、引っ張りロール308は、ガラス管が約50℃と約250℃の間の温度を有する位置で、ガラス管400と接触する。理論に束縛されるものではないが、ガラス管400がガラス転移温度T
g未満の温度であるときに、引っ張りロール308がガラス管400と接触するように位置づけられる場合、引っ張りロール308は、ガラス管400の外面にさらなる欠陥をもたらすことなく、加熱よりガラス管400(ガラスブール122の外面128にすでに存在する欠陥を含む)を引っ張り、表面欠陥および/または形状の不均一性の少なくとも一部を治し、それにより、ガラス管400が形成されたガラスブール122よりも少ない欠陥を有するガラス管400を形成することができる。
【0043】
ガラス管400が下流方向に引っ張れるとき、加圧ガス源304は、供給導管316を通して、かつガラスブール122のチャネル126内に加圧ガス306を方向づける。加圧ガス306によって、ガラスブール122(このときには、炉302における加熱のために塑性変形可能である)のチャネル126に圧力がかけられ、かけられた圧力と、加熱によるガラスの可塑性の増加により、ガラスブール122の内径ID
1が、ガラス管400の内径ID
2に増加される。
【0044】
内径IDの増加は、例えば、ガラスブール122のチャネル126に供給される加圧ガス306の圧力を制御することによって、制御することができる。実施形態では、加圧ガス源304によって放出される加圧ガス306の圧力は、内径計器310から受信される信号に基づいて、ECU314が調節する。例えば、ECU314は、内径計器310から、形成されているガラス管400の内径ID
2を示す信号を受信してもよい。ECU314のプロセッサは、ガラス管の測定された内径ID
2を、ECU314のメモリに記憶されている目標ID値と比較してもよい。目標ID値が内径ID
2の測定値よりも大きいとプロセッサが判定したとき、ECU314のプロセッサは、加圧ガス源304に、加圧ガス源304から放出される加圧ガス306の流量を増加させる制御信号を送信し、それによりガラス管400の内径ID
2を増加させる。あるいは、目標ID値が内径ID
2の測定値よりも小さいとプロセッサが判定したとき、ECU314のプロセッサは、加圧ガス源304に、加圧ガス源304から放出される加圧ガス306の流量を減少させる制御信号を送信し、それによりガラス管400の内径ID
2を減少させる。したがって、内径計器310およびECU314は、ガラス管400の内径ID
2を測定し、ガラス管400の内径ID
2に基づいて加圧ガス306の圧力を調節することによって、ガラス管400の内径ID
2を制御するための、加圧ガス源304とのフィードバックループを形成する。様々な実施形態では、加圧ガス306を、約5kPaと約50kPaの間、約7.5kPaと約25kPaの間、または約10kPaと約15kPaの間の圧力で、ガラスブール122の内径ID
1を通して方向づける。
【0045】
加圧ガス306がガラスブール122のチャネル126内に方向づけられたとき、引っ張りロール308は、ガラス管400の外面に接触することにより、ガラス管400を下方垂直方向(すなわち、
図3および
図4に描写する座標軸の−Z方向)に引く。実施形態では、ECU314を用いて、炉から引っ張られるガラス管400の厚さを制御してもよい。ガラス管400の厚さは、上述のようにガラス管400の内径ID
2の厚さを制御することによって、かつ/またはガラス管400の外径OD
2を制御することによって制御することができる。例えば、ガラスブール122のガラスの粘度の減少と、引っ張りロール308によってガラスに及ぼされる引っ張る力の組み合わせにより、ガラスブール122の外径OD
1が、ガラス管400の外径OD
2へと減少される。外径ODの変化は、例えば、引っ張りロール308のスピードおよび/またはトルクを制御することにより、制御することができる。実施形態では、ECU314が、外径計器312から受信される信号に基づいて、少なくとも一対の引っ張りロール308の回転を調節する。例えば、ECU314は、外径計器312から、形成されているガラス管400の外径OD
2を示す信号を受信してもよい。ECU314のプロセッサは、ガラス管400の測定された外径OD
2を、ECU314のメモリに記憶されている目標OD値と比較してもよい。目標OD値が外径OD
2の測定値よりも大きいとプロセッサが判定したとき、ECU314のプロセッサは、引っ張りロール308に、引っ張りロール308のスピードおよび/またはトルクを減少させるための制御信号を送信し、それにより、ガラス管400の外径OD
2を増加させる。あるいは、目標OD値が外径OD
2の測定値よりも小さいとプロセッサが判定したとき、ECU314のプロセッサは、引っ張りロール308に、引っ張りロール308のスピードおよび/またはトルクを減少させるための制御信号を送信し、それにより、ガラス管400の外径OD
2を増加させる。したがって、外径計器312およびECU314は、ガラス管400の外径OD
2を測定し、ガラス管400の外径OD
2に基づいて引っ張りロール308のスピードおよび/またはトルクを調節することによって、ガラス管400の外径OD
2を制御するための、引っ張りロール308とのフィードバックを形成してもよい。様々な実施形態では、引っ張りロール308は、約0.1m/分および約60m/分の間、約1m/分および約30m/分の間、または約10m/分および約20m/分の間の線形引っ張りスピードに対応する速度で回転する。特定の実施形態では、引っ張りロール308は、ガラスの温度約200℃未満である位置でガラスに接触する。
【0046】
一実施例では、ガラス管を、約50kP(約5kPa s)の粘度で圧力を加えずに、90mmの外径OD
1を有し、10mmの内径ID
1を有するガラスブールから引っ張った。ガラスブールを、25mm/分の下方給送速度で炉の中に供給し、炉の温度は、約930℃であった。得られたガラス管は、3:1の縮小比を有し、30mmの外径OD
2で、3.33mmの内径ID
2を有する管が得られた。しかしながら、加圧ガスを約1.5psi(約10342.1Pa)の圧力でガラスブールのチャネルに適用したときには、内径ID
2は、約25mmに増加した。内径の増加に伴い、管の外径OD
2もまた増加した。したがって、管の外径OD
2を再び30mmに減少させるために、引っ張りロールのスピードを、1m/分の線形引っ張りスピードが生じるように減少させて、30mmの外径OD
2を有し、25mmの内径ID
2を有するガラス管を得た。
【0047】
様々な実施形態では、ガラス管400がガラスブール122から引っ張られるときに、ECU314は、下方給送ユニット320にフィードバックを提供し、次いでこのフィードバックが、下方給送ユニット320にハンドル200、したがってガラスブール122を炉302内へとさらに下げさせる。いくつかの実施形態では、ECU314が、下方給送ユニット320に、特定の給送速度でハンドル200およびガラスブール122を炉302のホットゾーン内へと下げさせ得る。給送速度は、ガラス管400の所望の内径および外径、ならびに炉302の温度に基づいて選択してもよい。理論に束縛されるものではないが、給送速度が早くなると、炉302のホットゾーン内でのガラスの滞留時間がより短くなり、これにより、ガラスの粘度がより高くなることが可能になり得る。したがって、いくつかの実施形態では、下方給送速度を、ガラス管400の外径OD
2および/または内径ID
2を制御するために、調節してもよい。
【0048】
様々な実施形態によれば、ガラス管400は、ガラスブール122の外径OD
1よりも小さい外径OD
2、およびガラスブール122の内径ID
1よりも大きい内径ID
2を有する。ガラス管400の内径ID
2および外径OD
2は、特定の実施形態によって異なり得る。例えば、様々な実施形態では、ガラス管400の内径ID
2は、約0.5mmから約70mmであり、ガラス管400の外径OD
2は、約1mmから約80mmである。内径ID
2は、約0.75mmから約50mm、約0.8mmから約40mm、または約1mmから約35mmであってもよい。外径OD
2は、約1.25mmから約65mm、約1.5mmから約45mmまたは約2mmから約40mmであってもよい。様々な実施形態では、得られるガラス管400は、約0.100mmから約10mmまたは約0.2mmから約5mmの厚さtを有する壁を有する。いくつかの実施形態では、ガラス管は、約1.6mmから約7mmの内径ID
2、約2mmから約10mmの外径OD
2、および約0.2mmから約1.5mmの壁厚さ、または約1.8mmから約4mmの内径ID
2、約2mmから約5mmの外径OD
2、および約0.100mmから約0.5mmの壁厚さを有してもよい。特定の一実施形態では、ガラス管400は、約2.4mmの内径ID
2、約3mmの外径OD
2、および約0.3mmの壁厚さを有する。
【0049】
より大きいガラス管もまた、本明細書に提供される方法に従って作製することができる。一実施形態では、ガラス管は、約8mmの内径ID
2、10mmの外径OD
2、および約1mmの壁厚さを有してもよい。別の実施形態では、ガラス管は、約14.35mmの内径ID
2、約16.75mmの外径OD
2、および約1.2mmの壁厚さを有してもよい。さらに別の実施形態では、ガラス管は、約20mmの内径ID
2、約25mmの外径OD
2、および約2.5mmの壁厚さを有してもよい。他の実施形態では、ガラス管は、約36mmの内径ID
2、約40mmの外径OD
2、および約2mmの壁厚さ、または約54mmの内径ID
2、約60mmの外径OD
2および約3mmの壁厚さを有してもよい。さらに別の実施形態では、ガラス管は、約62mmの内径ID
2、約70mmの外径OD
2、および約4mmの壁厚さを有してもよい。したがって、様々な実施形態が、様々な壁厚さを有する様々な大きさのガラス管を提供し得る。
【0050】
一実施形態では、非円形外側形状を有する異形ガラス管400を、ガラスブール122から形成することができる。長円形、楕円形または多角形などの非円形の形状である内側形状を有し、送達容器104の開口部118に対応する外型124から形成されたガラスブール。引っ張られた管の粘度が、ガラスの表面張力が管400の外形を歪めるのを防ぐのに十分に高く(例えば、50kP(5kPa s)超または80kP(8kPa s)超)保たれているときに、ガラスブール122から引っ張られた異形ガラス管400は、その外側形状を維持することができる。ブール122の内側の直径126に圧力をかける一方で管400の外形を維持するために、ガラスブール122が引っ張り炉302のすぐ下で細くされ、ガラス管400へと遷移している間に、能動的冷却をガラスブール122の外側に適用してもよい。
【0051】
ガラス管400を、管切断機を使用してカットしてもよく、かつ/またはさもなければ別の製品へと転換してもよい。例えば、ガラス管400を、1つ以上の注射器、カートリッジ、またはバイアルに転換してもよい。特定の実施形態および所望の製品に応じて、ガラス管400を転化した後で、冷却流体を使用して冷却してもよい。コーティング、またはイオン交換もしくは研磨など他の処理を、特定の実施形態に応じて、結果として得られる製品に行ってもよい。
【0052】
したがって、本明細書に記載の様々な実施形態を用いて、ガラス管、ガラス注射器、ガラスカートリッジ、ガラスバイアルなどを、ガラスブールから形成してもよい。様々な実施形態によって、ガラスブールの表面にある欠陥がガラス管の形成中に引っ張られ、それによって、ガラス管(したがって、それから形成されるガラス注射器、カートリッジ、およびバイアル)における欠陥の量を低減させることが可能になる。
【0053】
当業者には、特許請求される主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変形を本明細書に記載の実施形態に加えることができることは明らかであろう。したがって、本明細書は本明細書に記載の様々な実施形態の変更形態および変形を含むが、ただし、かかる変更形態および変形が添付の特許請求の範囲およびこれらの同等物の範囲内にあることを条件とすることを意図する。
【0054】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0055】
実施形態1
ガラス管を形成する方法であって、該方法は、
ガラスブールを該ガラスブールのガラス転移温度よりも高い温度に加熱することであって、該ガラスブールは、該ガラスブールの外径を画定する外面、および前記ガラスブールを通って延在するチャネルを含み、該チャネルは、前記ガラスブールの内径を画定する、加熱することと、
前記ガラス管を前記ガラスブールから垂直下方方向に引っ張り、それにより、該ガラスブールの前記外径を前記ガラス管の外径にまで減少させることと、
前記ガラスブールが前記垂直下方方向に引っ張られるときに、加圧ガスを、前記ガラスブールの前記チャネルを通して流し、それにより、前記ガラスブールの前記内径を前記ガラス管の内径にまで増加させることと、を含む、方法。
【0056】
実施形態2
溶融ガラスをマンドレル上に方向づけることにより、前記ガラスブールを形成することをさらに含む、実施形態1記載の方法。
【0057】
実施形態3
前記ガラスブールの前記引っ張りが、少なくとも一対の引っ張りロールを、前記ガラス管の前記外径を画定する前記ガラス管の外面と係合させることを含む、実施形態1記載の方法。
【0058】
実施形態4
前記少なくとも一対の引っ張りロールが、前記ガラスブールの前記ガラス転移温度よりも低い温度の、前記ガラス管の前記外面の一部に係合する、実施形態3記載の方法。
【0059】
実施形態5
ハンドルを前記ガラスブールに取り付けた後で、前記ガラス管を引っ張ることをさらに含む、実施形態1記載の方法。
【0060】
実施形態6
前記ハンドルの取り付けが、該ハンドルを前記ガラスブールと一体的に形成することを含む、実施形態5記載の方法。
【0061】
実施形態7
前記ガラス管の前記内径を測定することと、
前記ガラス管の測定された前記内径に基づいて、前記加圧ガスの圧力を調節することと、をさらに含む、実施形態1記載の方法。
【0062】
実施形態8
前記ガラス管の前記外径を測定することと、
前記ガラス管の測定された前記外径に基づいて、前記ガラス管が下方垂直方向に引っ張られる速度を調節することと、をさらに含む、実施形態1記載の方法。
【0063】
実施形態9
前記ガラス管が引っ張られる前記速度の調節が、前記ガラス管に接触している少なくとも一対の引っ張りロールのスピードおよびトルクのうちの少なくとも一方を調節することを含む、実施形態8記載の方法。
【0064】
実施形態10
前記ガラス管を冷却流体で冷却した後で、少なくとも一対の引っ張りロールを前記ガラス管の外面に係合させることをさらに含む、実施形態1記載の方法。
【0065】
実施形態11
ガラス管を形成するための装置であって、該装置は、
実質的に垂直方向に延在している炉と、
供給導管により、前記炉内に位置づけられたガラスブールのチャネルに流体結合された加圧ガス源であって、該加圧ガス源は、加圧ガスの流れを前記チャネルに提供する、加圧ガス源と、
前記炉の下流に位置づけられ、前記ガラスブールから引っ張られた前記ガラス管に係合するように構成された少なくとも一対の引っ張りロールと、
内径計器と、
外径計器と、
前記内径計器、前記外径計器、前記加圧ガス源、および前記少なくとも一対の引っ張りロールに通信可能に結合された電子制御ユニットであって、該電子制御ユニットは、プロセッサ、およびコンピュータ可読/実行可能命令を記憶している非一時的メモリを含む、電子制御ユニットと、を含み、前記コンピュータ可読/実行可能命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、
前記少なくとも一対の引っ張りロールのスピードおよびトルクのうちの少なくとも一方を調節し、
前記加圧ガス源によって提供される前記加圧ガスの流量を調節する、装置。
【0066】
実施形態12
前記少なくとも一対の引っ張りロールが、前記ガラスブールのガラス転移温度未満の温度の前記ガラス管に係合するように位置づけられ、構成されている、実施形態11記載の装置。
【0067】
実施形態13
前記コンピュータ可読/実行可能命令セットが、前記プロセッサによって実行されたとき、前記外径計器から受信される信号に基づいて、前記少なくとも一対の引っ張りロールのスピードおよびトルクのうちの前記少なくとも一方を調節する、実施形態11記載の装置。
【0068】
実施形態14
前記外径計器から受信される信号が、前記ガラス管の測定された外径に対応し、
前記コンピュータ可読/実行可能命令セットが、前記プロセッサによって実行されたとき、前記ガラス管の前記測定された外径を、前記非一時的メモリに記憶されている目標外径値と比較する、実施形態12記載の装置。
【0069】
実施形態15
前記コンピュータ可読/実行可能命令セットが、前記プロセッサによって実行されたとき、前記ガラス管の前記測定された外径が前記非一時的メモリに記憶されている前記目標外径値よりも大きいことに応答して、前記少なくとも一対の引っ張りロールのスピードおよびトルクのうちの少なくとも一方を増加させる、実施形態14記載の装置。
【0070】
実施形態16
前記コンピュータ可読/実行可能命令セットが、前記プロセッサによって実行されたとき、前記内径計器から受信された信号に基づいて、前記加圧ガス源によって供給される前記加圧ガスの前記流量を調節する、実施形態11記載の装置。
【0071】
実施形態17
前記内径計器から受信される前記信号が、前記ガラス管の測定された内径に対応し、
前記コンピュータ可読/実行可能命令セットが、前記プロセッサによって実行されたとき、前記ガラス管の前記測定された内径を、前記非一時的メモリに記憶されている目標内径値と比較する、実施形態16記載の装置。
【0072】
実施形態18
前記コンピュータ可読/実行可能命令セットが、前記プロセッサによって実行されたとき、前記ガラス管の前記測定された内径が前記非一時的メモリに記憶されている前記目標内径値よりも小さいことに応答して、前記加圧ガス源によって供給される前記加圧ガスの前記流量を増加させる、実施形態17記載の装置。
【0073】
実施形態19
前記外径計器から受信される信号が、前記ガラス管の測定された外径に対応し、
前記コンピュータ可読/実行可能命令セットが、前記プロセッサによって実行されたとき、前記ガラス管の前記測定された外径を、前記非一時的メモリに記憶されている目標外径値と比較する、実施形態18記載の装置。
【0074】
実施形態20
前記コンピュータ可読/実行可能命令セットが、前記プロセッサによって実行されたとき、前記ガラス管の前記測定された外径が前記非一時的メモリに記憶されている前記目標外径値よりも大きいことに応答して、前記少なくとも一対の引っ張りロールのスピードおよびトルクのうちの少なくとも一方を増加させる、実施形態19記載の装置。
【0075】
実施形態21
前記装置が、前記電子制御ユニットに通信可能に結合された下方給送ユニットをさらに含み、前記コンピュータ可読/実行可能命令セットが、前記プロセッサによって実行されたとき、前記下方給送ユニットが前記炉内での前記ガラスブールの垂直位置を調節する速度を制御する、実施形態11記載の装置。
【0076】
実施形態22
前記加圧ガス源が、前記ガラスブールのハンドルに結合する封止体により、前記ガラスブールの前記チャネルに流体結合されている、実施形態11記載の装置。