特許第6965286号(P6965286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6965286無線電気エネルギー計測装置及び電気エネルギー計測方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965286
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】無線電気エネルギー計測装置及び電気エネルギー計測方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20211028BHJP
   G01R 15/18 20060101ALI20211028BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20211028BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   G01R19/00 A
   G01R15/18 B
   G08C17/00 Z
   G08C19/00 G
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-566363(P2018-566363)
(86)(22)【出願日】2017年6月14日
(65)【公表番号】特表2019-527341(P2019-527341A)
(43)【公表日】2019年9月26日
(86)【国際出願番号】FR2017051540
(87)【国際公開番号】WO2017220887
(87)【国際公開日】20171228
【審査請求日】2020年5月15日
(31)【優先権主張番号】1655734
(32)【優先日】2016年6月20日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517455904
【氏名又は名称】グルプラグ
【氏名又は名称原語表記】GULPLUG
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ポワロン ヴィアネ
【審査官】 田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0264906(US,A1)
【文献】 特表2015−520879(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0196629(US,A1)
【文献】 特開2014−096017(JP,A)
【文献】 特開2010−145095(JP,A)
【文献】 特開2015−031582(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/203787(WO,A1)
【文献】 特開2015−210135(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0079417(US,A1)
【文献】 特開2015−152488(JP,A)
【文献】 特開2014−020966(JP,A)
【文献】 特表2017−516367(JP,A)
【文献】 特開平07−244081(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104321950(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0291488(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102798747(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0302182(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 19/00−19/32、
15/00−17/22、
11/00−11/66、
21/00−22/10、
35/00−35/06、
G08C 13/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電気エネルギー計測装置であって、
導電体を流れる一次電流から二次電流を供給するように設計された電流センサと
前記電流センサに接続され、前記二次電流からある量の電気エネルギーを蓄えるように設計された一次電気エネルギー蓄積ユニットと
前記一次電気エネルギー蓄積ユニットに接続され、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの端子において電圧閾値の超過を検出するように設計された電圧閾値検出ユニットと
前記一次電気エネルギー蓄積ユニットに接続された処理ユニットと
前記電圧閾値検出ユニットによって制御され、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの端子において前記電圧閾値を超えたときに前記一次電気エネルギー蓄積ユニットから前記処理ユニットへの電力の供給をトリガするように構成された第一切り換え手段と
前記処理ユニットに接続され、前記導電体に流れる電流を表すデータを含むメッセージを送信するように構成された第一無線データ送信機と
を備え、さらに、
前記一次電気エネルギー蓄積ユニットに接続された二次電気エネルギー蓄積ユニットと
前記二次電気エネルギー蓄積ユニットの端子において電圧を測定する測定ユニットと
前記処理ユニットによって制御されるように設計され、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットから前記二次電気エネルギー蓄積ユニットへのエネルギーの転送をトリガするように構成され前記測定ユニットによって前記二次電気エネルギー蓄積ユニットの端子において測定された電圧が閾値を超えたときに、前記処理ユニットの制御下で前記第一無線データ送信機が前記導電体を流れる電流を表すデータを含むメッセージを送信するために前記第一無線データ送信機への電力の供給をトリガするように構成された、第二切り換え手段と
を備えたことを特徴とする無線電気エネルギー計測装置。
【請求項2】
前記処理ユニットは、マイクロプロセッサと、不揮発性メモリを備え、前記マイクロプロセッサは、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの各充電サイクルの完了時にエネルギーメータ値を増加させるように設計されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線電気エネルギー計測装置。
【請求項3】
前記処理ユニットに接続された第二無線データ送信機を備え、前記マイクロプロセッサは、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの充電サイクルの完了時に前記第二無線データ送信機を使用してメッセージを送信する指示を行うように設計されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線電気エネルギー計測装置。
【請求項4】
前記第二無線データ送信機は、Zigbee、ZigBee Green Power、Bluetooth、「Bluetooth Low Energy」、Wi−Fiのいずれかから選択された近距離ネットワーク上で動作するように設計されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の無線電気エネルギー計測装置。
【請求項5】
前記第一無線データ送信機は、LPWANタイプの長距離ネットワーク上で動作するように設計されている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線電気エネルギー計測装置。
【請求項6】
前記一次電気エネルギー蓄積ユニットに接続され、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットを放電するために前記処理ユニットによって制御される放電ユニットを備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の無線電気エネルギー計測装置。
【請求項7】
前記処理ユニットは、持続期間を表すデータ項目を決定するように設計されている、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の無線電気エネルギー計測装置。
【請求項8】
持続期間を表す前記データ項目は、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの充電サイクルの数のメータ値に対応する、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線電気エネルギー計測装置。
【請求項9】
持続期間を表す前記データ項目を決定させるクロックを備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線電気エネルギー計測装置。
【請求項10】
前記二次電気エネルギー蓄積ユニットは、少なくとも1つのスーパーキャパシタを備える、
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の無線電気エネルギー計測装置。
【請求項11】
前記電流センサに接続され、前記電流センサによって発生した二次電流を整流することを目的とする整流回路を備える、
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の無線電気エネルギー計測装置。
【請求項12】
前記処理ユニットのメモリに接続された近距離通信回路を備える、
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の無線電気エネルギー計測装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の無線電気エネルギー計測装置を使用して実施される電気エネルギー計測方法であって、
前記二次電流からある量の電気エネルギーを蓄えるため前記一次電気エネルギー蓄積ユニットを充電するステップと、
前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの端子における電圧が所定の閾値に達すると、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットから前記二次電気エネルギー蓄積ユニットに電気エネルギーを転送するステップと、
持続期間を表すデータ項目が閾値に達したとき、及び前記二次電気エネルギー蓄積ユニットの端子における電圧が所定の閾値を超えたとき、前記第一無線データ送信機を使用してメッセージを送信するステップと、
を含むことを特徴とする電気エネルギー計測方法。
【請求項14】
持続期間を表す前記データ項目は、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの充電サイクルの数のメータ値に対応する、
ことを特徴とする請求項13に記載の電気エネルギー計測方法。
【請求項15】
持続期間を表す前記データ項目はクロックを使用して決定された経過期間に対応する、
ことを特徴とする請求項13に記載の電気エネルギー計測方法。
【請求項16】
前記一次電気エネルギー蓄積ユニットから前記二次電気エネルギー蓄積ユニットへエネルギーを転送するステップあるいはメッセージを送信するステップの後に実施される、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットを放電するステップを含む、
ことを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の電気エネルギー計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電気伝導体(導電体)を流れる電流に関する測定データを生成するため、その導電体と関連し、前記データを無線通信ネットワークを通して遠隔中央局に送信することを目的とした、電気エネルギー計測装置に関するものである。本発明の装置は、導電体を流れる電流による誘導によって給電されることで、電気エネルギーが自律的であるという利点を有する。
【背景技術】
【0002】
基盤のエネルギー効率を改善させる目的で電気エネルギーを管理するための解決策は、ますます普及しており、基盤の各機器によって消費される電気エネルギーを決定する必要がある。この目的のために、様々なタイプの装置が特に使用される。これらは電流を測定するため、また必要に応じて他のパラメータを決定するために、基盤の異なる地点に慎重に配置される。測定データの様々な項目は、無線通信ネットワークを介して遠隔中央局に送信される。いくつかの既知の装置は、正確な情報を収集して決定することを可能にする。しかし、ほとんどの用途において、情報の精度は決定的なものではなく、消費される電気エネルギーの単純な推定値はそれ自体が明確な関心事である。それ故に簡単で安価な装置の発展の道が開けた。したがって、これらの装置は単純な電気エネルギー計測装置である。
【0003】
特許文献1は、以下を備える電気エネルギー計測装置を開示している。
−導電体を流れる一次電流から二次電流を供給するように設計された電流センサ、
−前記電流センサに接続され、前記二次電流からある量の電気エネルギーを蓄えるように設計された電気エネルギー蓄積ユニット、
−前記電気エネルギー蓄積ユニットに接続され、前記電気エネルギー蓄積ユニットの端子において電圧閾値の超過を検出するように設計された電圧閾値検出ユニット、
−前記電気エネルギー蓄積ユニットに接続された処理ユニット、
−前記処理ユニットに接続され、前記導電体を流れる電流を表すデータを含むメッセージの送信を可能にする無線データ送信機、
−前記導電体を流れる電流を表すデータを含むメッセージを送信するために、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの端子において前記電圧閾値を超えたときに前記処理ユニット及び前記送信機への電力の供給をトリガするように、前記電圧閾値検出ユニットによって制御される切り替え手段。
【0004】
この後者の装置は、オペレーションが単純で負担が少なく、動作に電気エネルギーを少量しか必要としないという利点を有する。
【0005】
他の無線電気エネルギー自律型エネルギー計測装置は、特許文献2又は特許文献3から、同様に知られている。
【0006】
これらの文献に開示されている装置は、局所的に存在し、より多くの遠隔局にメッセージを送信することを許可しない中央局向けのメッセージを送信するように適応されている。これは、例えばLPWAN(低電力広域ネットワーク)タイプの長距離低ビットレート通信ネットワークを介し、LoRaWAN(長距離広域ネットワーク)のようなプロトコル、あるいはSigFoxやQowisioによって開発されたプロトコルに基づく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2354799号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/142425号
【特許文献3】国際公開第2010/119332号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、簡単な電気エネルギー計測の解決を維持することを可能にしながら、上記のような低ビットレートの長距離セルラネットワーク上でメッセージを送信することができる電気エネルギー計測装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、以下を備える無線電気エネルギー計測装置によって達成される。
−導電体を流れる一次電流から二次電流を供給するように設計された電流センサ、
−前記電流センサに接続され、前記二次電流からある量の電気エネルギーを蓄えるように設計された一次電気エネルギー蓄積ユニット、
−前記一次電気エネルギー蓄積ユニットに接続され、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの端子において電圧閾値の超過を検出するように設計された電圧閾値検出ユニット、
−前記一次電気エネルギー蓄積ユニットに接続された処理ユニット、
−前記電圧閾値検出ユニットによって制御され、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの端子において前記電圧閾値を超えたときに前記処理ユニットへの電力の供給をトリガするように構成された第一切り換え手段、
−前記処理ユニットに接続され、前記導電体に流れる電流を表すデータを含むメッセージを送信するように構成された第一無線データ送信機、
−前記一次電気エネルギー蓄積ユニットに接続された二次電気エネルギー蓄積ユニット、
−前記二次電気エネルギー蓄積ユニットの端子において電圧を測定する測定ユニット、
−前記処理ユニットによって制御され、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットから前記二次電気エネルギー蓄積ユニットへのエネルギーの転送をトリガし、前記導電体を流れる電流を表すデータを含むメッセージを送信することを目的として、前記測定ユニットによって前記二次電気エネルギー蓄積ユニットの端子において測定された電圧が閾値を超えたときに前記第一無線データ送信機への電力の供給をトリガするように構成された、第二切り換え手段。
【0010】
1つの特徴として、前記処理ユニットは、マイクロプロセッサと、不揮発性メモリを備え、そのマイクロプロセッサは、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの各充電サイクルの完了時にエネルギーメータ(エネルギーメータ値)を増加させるように設計されている。
【0011】
特定の実施形態によれば、前記装置は前記処理ユニットに接続された第二無線データ送信機を備え、前記マイクロプロセッサは、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの充電サイクルの完了時に前記第二無線データ送信機を使用してメッセージ送信の指示をするように設計されている。
【0012】
有利には、この第二無線データ送信機は、Zigbee、ZigBee Green Power、Bluetooth(登録商標。以下同様。)、「Bluetooth Low Energy」、Wi−Fiのいずれかから選択された近距離ネットワーク上で動作するように設計されている。
【0013】
有利には、前記第一無線データ送信機は、LPWANタイプの長距離ネットワーク上で動作するように設計されている。
【0014】
本発明によると、長距離ネットワーク上でのメッセージの送信はかなりの量のエネルギーを必要とし、消費された電気エネルギーを計測するために簡単で信頼できる解決策を維持する必要がある。前記一次電気エネルギー蓄積ユニットは、長距離ネットワーク上でメッセージを送信するのに必要なエネルギーを供給するのに十分ではない。しかし、消費された電気エネルギーの簡単な計測を行うことが依然として求められている。本発明の装置は、電気エネルギーを自律的に維持しなければならない、すなわちこのタイプの電池もしくは別のエネルギー源を使用してはならないので、長距離ネットワークでメッセージを送信するために、十分な量のエネルギーを蓄えることを可能にする解決策が見出される必要がある。したがって、本発明の解決策は、各サイクル中の前記一次電気エネルギー蓄積ユニットに蓄積されたエネルギーから二次蓄積ユニットの中でメッセージを送信するために必要なエネルギーを徐々に蓄えることを含む。
【0015】
したがって、本発明は、長距離ネットワーク上でのメッセージの送信を可能にし、完全自律型の装置を維持しつつ、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットを使用して電気エネルギーを計測するための簡単な解決策を維持することを可能にする。
【0016】
望ましくは、本発明の装置は、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットに接続され、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットを放電するために前記処理ユニットによって制御される放電ユニットを備える。
【0017】
有利には、前記処理ユニットは、持続期間を表すデータ項目を決定するように設計されている。
【0018】
有利には、持続期間を表すデータ項目は、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの充電サイクルの数のメータ(メータ値)に対応する。
【0019】
異なる実施形態によれば、前記装置は持続期間を表す前記データ項目を決定させるクロックを備える。
【0020】
好ましくは、前記二次電気エネルギー蓄積ユニットは、少なくとも1つのスーパーキャパシタを備える。
【0021】
別の特徴によれば、前記装置は、前記電流センサに接続され、前記電流センサによって発生した二次電流を整流することを目的とする整流回路を備える。
【0022】
有利には、前記装置は、前記処理ユニットのメモリに接続された近距離通信回路を備える。
【0023】
本発明はまた、上記のような装置を使用して実施される電気エネルギー計測方法にも関連し、その方法は以下のステップを含む。
−二次電流からある量の電気エネルギーを蓄えるため前記一次電気エネルギー蓄積ユニットを充電し、
−前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの端子における電圧が所定の閾値に達すると、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットから前記二次電気エネルギー蓄積ユニットに電気エネルギーを転送し、
−持続期間を表すデータ項目が閾値に達したとき、及び前記二次電気エネルギー蓄積ユニットの端子における電圧が所定の閾値を超えたとき、前記第一無線データ送信機を使用してメッセージを送信する。
【0024】
1つの特徴として、持続期間を表すデータ項目は、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットの充電サイクルの数のメータ値に対応する。
【0025】
特定の異なる実施形態によれば、持続期間を表すデータ項目はクロックを使用して決定された経過期間に対応する。
【0026】
好ましくは、本方法は、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットから前記二次電気エネルギー蓄積ユニットへエネルギーを転送するステップあるいはメッセージを送信するステッ
プの後に実施される、前記一次電気エネルギー蓄積ユニットを放電するステップを含む。
【0027】
さらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照して提供される以下の詳細な説明から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の電気エネルギー計測装置の第一の実施形態を概略的に示す図である。
図2図1の電気エネルギー計測装置の動作概要を示す図である。
図3A図1の電気エネルギー計測装置の動作原理を表す2つのタイミングのうち1つのタイミング図である。
図3B図1の電気エネルギー計測装置の動作原理を表す2つのタイミングのうちもう1つのタイミング図である。
図4】本発明の電気エネルギー計測装置の第二の実施形態を概略的に示す図である。
図5図4の電気エネルギー計測装置の動作概要を示す図である。
図6図4で示された電気エネルギー計測装置に対する改良を概略的に示す図である。
図7図6の電気エネルギー計測装置の動作概要を示す図である。
図8図6で示された電気エネルギー計測装置の異なる実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
少なくとも1つの実施形態の詳細な説明
説明の残りの部分を通して以下のことが言える。
−短距離は、数十メートルから300メートルと理解されている。例:ZigBee、ZigBee Green Power、Bluetooth、BLE(Bluetooth Low Energy)、Wi−Fiなど。
−長距離は、数キロメートルと理解されている。特に、これは、例えばLoRaやSigFoxタイプのネットワークを含むLPWAN技術に関係があるだろう。
【0030】
本発明は、例えば電力系統(「スマートグリッド」又は「スマートシティ」タイプ)の電気エネルギーを管理するための中央局を対象とした、メッセージの送信を可能にすることを目的とし、無線通信ネットワークを介して動作する電気エネルギー計測装置に関連している。好ましくは、通信ネットワークは、LPWAN(低電力広域ネットワーク)タイプの長距離低ビットレートの通信ネットワークであり、LoRaWAN(長距離広域ネットワーク)のようなプロトコルや、SigFoxあるいはQowisioによって開発されたプロトコルに基づく。
【0031】
本発明の電気エネルギー計測装置は、例えば、導電体20上に配置または固定され、その導電体を流れる交流電流に関する測定データの決定を可能にするケーシングの形態である。好ましくは、本発明の装置は、導電体20を流れる電流によって給電される機器が消費する電気エネルギーの計測を可能にする。それにより、電気エネルギーメータ値(エネルギー指標)及びCO、CO2、温度、加速度、圧力などのような他のデータの送信が可能になる。
【0032】
RTCのタイプのクロックが存在するとき、以下に説明する実施形態の一つにおいて提案されているように、その装置は測定された電流を表す他のデータを送信することができる。上記他のデータは、特に次のようなデータである。
−導電体20を流れる平均電流の実効値、
−所定の測定期間にわたって導電体20を流れる最小電流の実効値、
−所定の測定期間にわたってその導電体を流れる最大電流の実効値、
−電流障害(過電流に続いて電流のゼロ交差)の存在。
【0033】
説明の残りの部分を通して、監視されている導電体を流れる電流に対応する電気エネルギーを計測するための装置について説明する。
【0034】
一般に、本発明の装置は以下の幅広い原理に従って動作する。
−本発明の装置は、例えば電流Ipが流れる電気機器のアイテムに電力を供給するため、導電体20上に配置される。
−本発明の装置は、導電体20を流れる電流Ipから生じる誘導電流Isによって自己給電される。
−上記装置は、上記誘導電流によって給電され、それが十分な電気エネルギーを含むとき、処理ユニットUCへの電力の供給を可能にする、一次電気エネルギー蓄積ユニット30を備える。
−上記装置は、処理ユニットUCの指示による送信を介して、一次蓄積ユニット30によって給電される二次電気エネルギー蓄積ユニット31を備える。
−上記装置は、二次蓄積ユニット31に十分な電気エネルギーがある場合、前述の通信ネットワーク上でメッセージを送信するために、二次蓄積ユニット31によって給電される送信機40を備える。
【0035】
図1を参照すると、第一の実施形態によれば、本発明の電気エネルギー計測装置は、導電体20を流れる電流Ipを表す二次電流Isを供給する電流センサ21を備える。この電流センサ21は、それ故、より具体的には、電流測定が望まれる導電体20が横切ることを意図したトーラス200の形態のコアを備える。上記トーラス200の周りに巻線210が作られる。上記トーラスはオープンであることが好ましく、それにより導電体20の周囲に配置されることが可能になる。電流センサ21が導電体20上にあるとき、導電体20は、変流器の一次側を形成し、巻線210は上記変流器の二次側を形成する。このアーキテクチャにより、変流器の二次側を流れる電流Isは、変流器の一次側を流れる電流Ipの形をしている。
【0036】
本発明の装置はまた、そのケーシング内にある、上述の二次巻線210の2本のワイヤに直接接続されている電子回路を備える。
【0037】
その電子回路は、好ましくは、二次電流Isを整流するように意図された整流器22を備える。整流器22は、例えば、変流器の二次巻線210の第一端子に接続されたダイオード又はダイオードのブリッジによって形成される。また、それは、変流器の二次巻線210の2つの端子間に接続されたダイオードのブリッジによって形成されることもできる。
【0038】
上記電子回路は、整流器22と変流器の二次巻線の第二端子とに接続された一次電気エネルギー蓄積ユニット30を備える。このユニットは、少なくとも1つの、決定された電気容量を有するコンデンサMCを備える。
【0039】
その電子回路はまた、上記コンデンサと並列に接続され、MC_V_THで表される決定された閾値のコンデンサMCの端子においてMC_Vで示される電圧の超過を検出することを意図する電圧閾値検出ユニット32を備える。
【0040】
その電子回路は、上記コンデンサMCの端子において電圧閾値MC_V_THを超えたとき、検出ユニット32によって制御される第一切り替え手段Tyを備える。これらの第一切り替え手段Tyには、例えばサイリスタがあり、そのゲートは検出ユニット32の出力に接続されている。
【0041】
その電子回路は、一次蓄積ユニット30、より具体的に言うと整流器22と一次蓄積ユニット30の間の接続点Xと、例えばグランドなどの電圧基準と、に接続された二次電気エネルギー蓄積ユニット31を備える。二次蓄積ユニット31は、有利には、例えば二重層タイプ(EDLC/電気二重層コンデンサ)などのスーパーキャパシタSCを備える。しかし、変形例もしくは追加として、電池(バッテリ)を組み込むことができる。
【0042】
その電子回路は、二次蓄積ユニット31の端子における、SC_Vで示される電圧を測定するユニット34を備える。
【0043】
電子回路は、少なくとも1つのマイクロプロセッサと1つの非揮発性メモリを含み、上記一次蓄積ユニットから電力を受けとるために、第一切り替え手段Tyが閉じられたとき一次蓄積ユニット30と並列に接続される処理ユニットUCを備える。処理ユニットUCは入力を含み、これにより、上記ユニット34によって二次蓄積ユニット31の端子で測定された電圧が印加される。一次蓄積ユニット30のコンデンサMCが充電されるたびに、マイクロプロセッサは、所定の量(以下、「エネルギー増量」と称する)だけエネルギーメータ値を増分し、それにより、消費された電気エネルギーの総量に対応するエネルギー指標(「energy_index」と称する)を蓄える。処理ユニットUCの不揮発性メモリは、有利にはFRAM(登録商標)タイプである。
【0044】
その電子回路は、一次蓄積ユニット30から二次蓄積ユニット31へエネルギーを転送するために、処理ユニットUCにより制御される第二切り替え手段S2を備える。これらの第二切り替え手段S2は、例えば、一方は整流器22との接続点Xで一次蓄積ユニット30に、他方は二次蓄積ユニット31に、というように接続されている。これは、例えばMOSトランジスタ型スイッチを含み、そのゲートは上記処理ユニットの出力に接続されている。
【0045】
その電子回路は、第一切り替え手段Tyが上記一次蓄積ユニットによる電力供給を目的として閉じているとき、一次蓄積ユニット30と並列に接続される無線データ送信機40を備える。送信機40は、上述のような無線通信ネットワーク上でメッセージを送信するために、処理ユニットUCによって制御される。メッセージの送信は、二次蓄積ユニット31内の十分な量のエネルギーが利用可能なときに発生する。
【0046】
その電子回路はまた、一次蓄積ユニットに並列に接続され、一次蓄積ユニットを放電するユニット36を備える。この放電ユニットは、直列に接続された、少なくとも1つずつのスイッチS1と散逸抵抗R1によって形成されるアセンブリを備える。そのスイッチは、例えばトランジスタであり、そのベースは処理ユニットUCのマイクロプロセッサの出力に接続されている。
【0047】
有利には、その電子回路はまた、例えばNFC(近距離通信)や似たタイプの近距離通信回路を備える。これは、メモリとマイクロプロセッサを備えたNFCチップ50と、例えば、NFC技術と適切な制御アプリケーションを備えた携帯端末によって、外部からのこれに対する電力供給を可能にするNFCアンテナ51を備える。したがって、近距離リンクによって、携帯端末は、データ、特に処理ユニットのメモリに格納されている最新のエネルギーメータ値をNFCチップのメモリにコピーするため、NFCチップと処理ユニットUC、その内部の不揮発性メモリにも直接電力を供給することができる。NFCリンクによって、例えば以下に示される様々な閾値を設定するために、本発明の装置を構成することも可能になるだろう。
【0048】
図2は、図1に示される装置のオペレーションを示す。このオペレーションは以下の通りである。
−初期電源投入時(INIT)に、処理ユニットUCのマイクロプロセッサは次の2つのメータ(メータ値)を0に設定する。
−導電体を介して給電される機器が消費するエネルギーの総量に対応する、energy_indexと示されたエネルギーメータ値。
−一次蓄積ユニットのコンデンサの充電サイクルのメータ値に対応する、Mnと示されたメータ値。
−一次蓄積ユニット30は、電流センサ21の二次巻線に誘導され、整流器22によって整流された二次電流によって充電される(ステップE0)。
−一次蓄積ユニット30の端子における電圧が、電圧閾値検出ユニット32で規定された電圧閾値MC_V_THに達すると、上記電圧閾値検出ユニットは切り替え手段Tyに閉じるよう指令を出し、結果として処理ユニットUCに電力の供給がなされる(ステップE1)。
−マイクロプロセッサは、energy_index=energy_index+energy_incrementとなるように、所定の増分(energy_incrementと表記)だけエネルギーメータ値を増分させる(ステップE2)。
−処理ユニットUCのマイクロプロセッサは、Mn=Mn+1となるように、メータ値Mnを1単位だけ増分させる(ステップE3)。
−マイクロプロセッサはまた、一次蓄積ユニット30から二次蓄積ユニット31へのエネルギーの転送を可能にするため、第二切り替え手段S2を閉じるよう指示する(ステップE4)。第二切り替え手段S2の導通期間は、一次蓄積ユニット30のコンデンサMCの充電時間に対して短い。導通期間が終了すると、マイクロプロセッサは第二切り替え手段S2を開くよう指示する。
−マイクロプロセッサは、MnMaxで示される記憶された閾値と比較して、メータ値Mnをテストする(ステップE5)。
−メータ値MnがMnMaxの値に達していない場合、放電ユニット36のスイッチS1を閉じることで、一次蓄積ユニット30のコンデンサMCに放電を指示し、それによってマイクロプロセッサはサイクルを終了する(ステップE10)。次いで、一次蓄積ユニット30のコンデンサMCを充電することによって、マイクロプロセッサは新しいサイクルを開始することができる(ステップE0)。
−メータ値Mn=MnMaxの場合、一定の時間が経過したことと、メッセージを送信するときが到来したことを意味する。次いで、マイクロプロセッサは、二次蓄積ユニット31で利用可能な電気エネルギーがメッセージを送信するのに十分であるかどうかを知るためにテストを実行する(ステップE6)。
−二次蓄積ユニット31の端子における電圧SC_Vが、SC_V_THで示される記憶された閾値より低い場合、マイクロプロセッサはメッセージを送信する指示を行うことができない。それはMn=Mn−1となるようにメータ値Mnを1単位減少させる(ステップE7)。マイクロプロセッサは、放電ユニット36のスイッチS1を閉じることにより、一次蓄積ユニット30のコンデンサMCに放電を指示し、それによってサイクルを終了する(ステップE10)。次いで、一次蓄積ユニットのコンデンサを充電することにより、マイクロプロセッサは新しいサイクルを開始することができる(ステップE0)。
−二次蓄積ユニット31の端子における電圧SC_Vが、記憶された閾値SC_V_THより大きい場合、マイクロプロセッサはメータ値Mnを0にリセットし(ステップE8)、メッセージを送信する指示を行う(ステップE9)。この目的のために、マイクロプロセッサは、
−二次蓄積ユニット31内の利用可能な電気エネルギーを使用して送信器40に電力を供給するために、第二切り替え手段S2を閉じるよう指示し、
−格納されたenergy_indexエネルギー値を表すデータを含む、送信されるべきメッセージを生成する。
このメッセージは、例えば、プリアンブル、同期データの項目、送信器デバイス又は送信元の識別子、上記エネルギーメータ値を表すデータ、及び送信終了又は制御データの項目を含む。特許文献1は、生成及び送信され得るエネルギーメッセージ構造の例を提供する。
−この構造は、生成されたメッセージを送信するように送信機40に指示する。
−メッセージが送信されると、マイクロプロセッサは、放電ユニット36のスイッチS1を閉じることによって、一次蓄積ユニット30のコンデンサMCに放電を指示することによってサイクルを終了する(ステップE10)。次いで、マイクロプロセッサは、一次蓄積ユニット30のコンデンサMCを充電することによって新しいサイクルを開始することができる(ステップE0)。
−いつでも、携帯端末が装置の近くにあり、NFCチップ50に電力を供給すると、不揮発性メモリ内で利用可能な最新のエネルギーメータ値をNFCチップのメモリにコピーして読み出すことができる(ステップE3)。
【0049】
例えば、以下の動作データは、利用できるようになる。
Ip=10A、
二次巻線の巻数:3000、
コンデンサMCの容量=940μF(タンタルコンデンサ)、
スーパーキャパシタSCの容量=100mF(EDLCタイプのコンデンサ)、
コンデンサMCの充電サイクルの持続期間=1s、
T(S2の導通期間)=2ms、
MnMax=7200(〜2時間)、
MC_V_TH=2.9V、
SC_V_TH=2.8V。
【0050】
本発明によれば、各長いサイクルは、送信機40がメッセージの送信を完了すると、それによってMnMaxの短いサイクルで構成される。この数MnMaxは、例えば、上述したNFCリンクを用いて装置内に設定されている。これは、機器に電力を供給する電流Ipの関数として設定する必要がある。
【0051】
図1及び図2に関連して上述したように図3A及び3Bは、本発明の装置のオペレーションを示す。
【0052】
図3Aにおいて、一次蓄積ユニット30のコンデンサMCは、変流器の二次側から生じる整流電流によって充電され、電子装置、特に処理ユニットUCに電力が供給されることが明らかに理解される。一次蓄積ユニット30のコンデンサMCの各充放電サイクルが終了すると、蓄積されたエネルギーの一部が二次蓄積ユニット31に転送され、二次蓄積ユニット31の端子における電圧が徐々に上昇する。二次蓄積ユニットの端子におけるこの電圧が十分なレベル、すなわち記憶された値SC_V_THよりも高いレベルに達すると、その瞬間T_MSG1にメッセージが送られる。次に、二次蓄積ユニット31に蓄積されたエネルギーは、(T_MSG1からT_MSG2へまで)メッセージを送信するために使用される。
【0053】
図3Bにおいて、一次蓄積ユニット30が充電されると(T1からT3まで及びT5からT7まで)、第一切り替え手段Tyは状態1にあり、電力が電子装置に、特に処理ユニットUCに供給される。したがって、処理ユニットUCのマイクロプロセッサは、一次蓄積ユニットから二次蓄積ユニットへ(T2からT3まで及びT6からT7まで)エネルギーが転送されることを許容するように、第二切り替え手段S2に指示することができる。
したがって、二次蓄積ユニット31の端子における電圧は、第二切り替え手段が閉じられると増加する。エネルギー転送が完了すると、マイクロプロセッサは、スイッチS1に(T3からT4まで)一次蓄積ユニット30のコンデンサMCを放電するように指示する。
二次蓄積ユニット31の端子における電圧が十分なレベルに達すると(T7から)、マイクロプロセッサは、送信すべきメッセージを生成し(T7からT8まで)、第二切り替え手段S2に閉状態に移行させて二次蓄積ユニット31を放電させる指示を行い(T8からT9まで)、これにより検出閾値より高い電圧を一次蓄積ユニット30の端子において維持させることができ、それによって、送信機及び処理ユニットUCにメッセージを送信させる(T8からT9まで)目的で電力を供給するために、第一切り替え手段Tyを閉状態に維持させることができる。続いて、マイクロプロセッサは、スイッチS2を開くように指示し、次にスイッチS1を閉じて、一次蓄積ユニット30のコンデンサMCを放電させる(T9からT10まで)。
【0054】
図4は、本発明の電気エネルギー計測装置の第二の実施形態を示す。この第二の実施形態では、長距離ネットワーク上の通信専用の第一送信機40に加えて、装置は、短距離無線通信ネットワーク上でデータを送信できる第二送信機60を備える。それは、例えば、「Zigbee Green Power」タイプの低消費プロトコルに基づいて動作する無線周波数タイプの通信ネットワークを含む。
その他の構成は変更されない。
【0055】
この第二の実施形態では、図1に関連して前述したトポロジに基づいて、第二送信機60が第一送信機40に並列に接続される。このトポロジは、長距離ネットワーク及び/又は短距離ネットワークで情報を送信するために、2つの蓄積ユニット30,31の2つの充電サイクルから利益を得る。短いサイクルは、一次蓄積ユニット30に蓄積された電気エネルギーによって管理され、一方、第一の実施形態について説明したような長いサイクルは、二次蓄積ユニット31に蓄積された電気エネルギーによって管理される。この二重送信の解決策は、本発明の装置の使用を増やすことを可能にする。装置は、その位置と要件に応じて、短距離モード、長距離モード、又は短距離と長距離を組み合わせたモードで、動作することができる。組み合わせたモードでは、例えば、短距離ネットワーク上のエネルギーデータをリアルタイムで戻し、長距離ネットワーク上でエネルギーデータ及びアラームを戻すことを関与させる。これらのアラームは、例えば異常な平均電流レベルとすることができる。
【0056】
図5は、上述のように、2つの送信機のトポロジを有する装置のオペレーションのより良い理解を提供する。既に説明した動作概要に関して、第二送信機60によって「energy_index」エネルギーメータ値を送信するステップは、電子機器が一次蓄積ユニット30によって電力供給されるときにマイクロプロセッサによって指示される(ステップE15)。残りのオペレーションは変更されない。
【0057】
図6は、図4に示し上述した装置に対する改良を示す。この新しいトポロジでは、デバイスはメッセージの送信をより良く調整するためにクロック(RTC/Real Time Clock)を備える。このクロックは、マイクロプロセッサに接続され、マイクロプロセッサが電力を供給されているときにマイクロプロセッサによってアクセスされて読み書きされる。この実施形態では、クロックは、電気バッテリなどのエネルギー源によって電力供給される。上述の解決策では、メッセージの送信は、メータ値Mnによってコンデンサの充電サイクルの数の基準に従って指示された。クロックを使用して、メッセージの送信は、タイミング基準に従って評価される。クロックの使用は、2つの送信機40,60が存在する場合に特に重要であり、第一の長距離タイプの送信機のみが存在する場合に使用することができる。クロックの使用については、図4に関連して上述したような2つの送信機のトポロジについて以下に説明する。
【0058】
図7に関し、クロックを伴う本実施形態における動作原理を以下に説明する。
−初期電源投入時(INIT2)、マイクロプロセッサは、energy_index=0になるように、エネルギーメータ値をゼロに設定する。
−初期電源投入時に、マイクロプロセッサは「send_LR」で示される変数を値「False」に設定する。
−電流センサの二次巻線に誘起された二次電流によって一次蓄積ユニット30が充電される(ステップE20)。
−一次蓄積ユニット30の端子における電圧MC_Vが電圧閾値検出ユニット32で規定された電圧閾値MC_V_THに達すると、前記電圧閾値検出ユニットが、第一切り替え手段Tyを閉じるように指示し、結果として処理ユニットUC及び第二送信機に電力を供給する(ステップE21)。
−マイクロプロセッサは、energy_index=energy_index+energy_incrementとなるように、所定の増分(energy_incrementと表記)だけエネルギーメータ値を増分する(ステップE22)。
−マイクロプロセッサは、格納されたenergy_indexエネルギーメータ値を表すデータを含む送信メッセージを生成する。前述したように、メッセージは、例えば、プリアンブル、同期データの項目、送信器デバイス又は送信元の識別子、上記エネルギーメータ値を表すデータ、及び送信終了又は制御データの項目を含む。
−マイクロプロセッサは、生成されたメッセージを第二短距離送信機60に送信するように指示する(ステップE24)。
−その後、マイクロプロセッサはRTCクロックを調べる。RTCクロックがT1(例えば、2時間に等しい)で示される記憶された制限期間よりも低い持続期間を示す場合、マイクロプロセッサは何も行わない。
−RTCクロックが記憶された制限期間T1より高い又は等しい持続期間を示す場合、マイクロプロセッサは、TRUE値を変数send_LRに割り当てる(ステップE25)。
−マイクロプロセッサは、続いて、エネルギーが一次蓄積ユニット30から二次蓄積ユニット31へ転送されることを可能にするために、第二切り替え手段S2に閉じるように指示する(ステップE26)。第二切り替え手段S2の導通期間は、一次蓄積ユニットのコンデンサの充電時間に対して低い。導通期間が完了すると、マイクロプロセッサは、第二切り替え手段S2に開放を指示する。
−マイクロプロセッサは、変数send_LRの値を検査する(ステップE27)。
−変数send_LRが値TRUEと等しくない場合、マイクロプロセッサは、放電ユニット36のスイッチS1を閉じることによって放電するように一次蓄積ユニットのコンデンサを指示することによってサイクルを終了する(ステップE31)。次いで、マイクロプロセッサは、一次蓄積ユニット31のコンデンサMCを充電することによって新しいサイクルを開始することができる。
−変数send_LRが値TRUEと等しい場合、これは一定の期間が経過し、メッセージを送信する時間であることを意味する。次いで、マイクロプロセッサは、二次蓄積ユニット31で利用可能な電気エネルギーがメッセージを送信するのに十分であるか否かを知るためにテストを実行する(ステップE28)。
−二次蓄積ユニット31の端子における電圧がSC_V_THと示される記憶された閾値よりも低い場合、マイクロプロセッサはメッセージを送信する指示を行うことができない。マイクロプロセッサは、放電ユニットのスイッチを閉じることにより、一次蓄積ユニット30のコンデンサに放電を指示することによってサイクルを終了する(ステップE31)。次に、マイクロプロセッサは、一次蓄積ユニット30のコンデンサMCを充電することによって新しいサイクルを開始することができる。この状況では、変数send_LRは、したがって、次のサイクルの開始時に値TRUEのままである。
−二次蓄積ユニット31の端子における電圧SC_Vが記憶された閾値SC_V_THより大きい場合、マイクロプロセッサは、変数send_LRに値FALSEを割り当て(ステップE29)、メッセージを送信するように指示する(ステップE30)。この目的のために、マイクロプロセッサは、
−二次蓄積ユニット31で利用可能な電気エネルギーを使用して送信器40に電力を供給するために、第二切り替え手段S2に閉じるよう指示し、
−記憶されたenergy_indexエネルギーメータ値を表すデータを含む、送信すべきメッセージを生成する。メッセージは、例えば、プリアンブル、同期データの項目、送信機デバイス又は送信元の識別子、上記エネルギーメータ値を表すデータ、及び送信終了又は制御データの項目を含む。また、マイクロプロセッサは、
−生成されたメッセージを送信するように送信機40に指示する。
−いつでも、携帯端末が装置の近くにあり、NFCチップ50に電力を供給すると、処理ユニットUCの不揮発性メモリ内にある最新のエネルギーメータ値をNFCチップのメモリにコピーすることができる(ステップE23)。
【0059】
例えば、以下の動作データは、利用できるようになる。
Ip=10A、
二次巻線の巻数:3000、
MC=940μF(タンタルコンデンサ)、
SC=100mF(EDLCタイプのコンデンサ)、
コンデンサMCの充電サイクルの持続期間=1s。
T(S2の導通期間)=2ms、
RTCクロックの持続期間T1=7200s(〜2時間)、
MC_V_TH=2.9V、
SC_V_TH=2.8V。
【0060】
図8は、RTCクロックがもはや、電池ではなく、二次蓄積ユニット31によって供給され、完全エネルギー自律装置を作る、図6の装置の変形実施形態を示している。
【0061】
この解決策において、RTCクロックは二次蓄積ユニット31に並列に接続される。前述のように、マイクロプロセッサによってアクセスされて、それが読み書きされる。二次蓄積ユニット31は、ゆっくりと放電するので、クロックの端子に電圧を供給してそれに動力を供給することができる。
【0062】
第二蓄積ユニット31が完全に空にされていない限り、この特定の実施形態における装置のオペレーションは、電池によって電力供給されたクロックとともに上述したものと同じである。しかしながら、装置が一定時間アクティブでなく、二次蓄積ユニット31が空である場合、電源投入中、マイクロプロセッサはクロックを初期化する。クロックによって示された瞬間は、記憶された持続期間T1が計算されて長距離ネットワーク上で新しいメッセージを送信する瞬間を決定する最初の瞬間とみなされる。
【0063】
本発明の解決策は、このように、次のような多くの利点を含む。
−この解決策は実装が簡単で信頼性が高い。したがって、長距離ネットワーク上で管理されるエネルギーメッセージの送信を可能にする。
−この解決策は、電池などのエネルギー源の使用を必要としないという点で自律的である。
−長距離ネットワーク上でのエネルギーメッセージの送信は、メッセージを集中化するためのローカル局の使用を必要としない。
−これは、短距離ネットワーク及び/又は長距離ネットワーク上のメッセージの送信の両方を管理することを可能にする。
−必ずしもRTCタイプのクロックを使用する必要はない。
−最後に計算されたエネルギー指標を含むエネルギー総量メッセージを直接送信することができる。したがって、通信が中断した場合でも、受信機は依然として最新の指標を受信する。
−NFCリンクのおかげで、いつでも最新のエネルギー指標に直接アクセスでき、装置の設定が可能である。
−温度、湿度、CO、CO2、圧力、加速度など、処理ユニットUCに接続されたセンサにより潜在的に利用可能な他の物理量にもアクセスすることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8