(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クランプアームが、一体型ピンの第一対及び一体型ピンの第二対を更に含み、前記一体型ピンの第一対が、前記クランプアームを、前記遠位に突出するタングの突起に枢動可能に連結するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の特定の実施例の以下の説明文は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明により、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載された技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面と説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないと見なすものとする。
【0010】
本明細書に記載された教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に記載された他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。したがって、以下に記載された教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して個別に考慮されるべきではない。本明細書の教示を鑑みれば、本明細書の教示を組み合わせられる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような改変及び変変更例は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0011】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者に対して、本明細書で定義する。用語「近位」とは、人間又はロボットである外科用器具の操作者により近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を意味する。用語「遠位」とは、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、人間又はロボットである外科用器具の操作者から更に離れた要素の位置を意味する。
【0012】
I.代表的な超音波外科用器具の概要
図1は、低侵襲性外科的処置(例えばトロカール又はその他の小径のアクセスポートなどを介した)で使用されるように構成される、代表的な超音波外科用器具(10)を示す。以下にて更に詳細に記載するように、器具(10)は、実質的に同時に、組織を切断し、かつ組織(例えば、血管など)を封止又は接合するように動作可能である。本実施例の器具(10)は、使い捨て式組立体(100)及び再使用可能組立体(200)を含む。再使用可能組立体(200)の遠位部分は、使い捨て式組立体(100)の近位部分を着脱可能に受容するように構成されて器具(10)を形成する。しかしながら、再使用可能組立体(200)及び使い捨て式組立体(100)は、代替的に一体的に接続され得ることが理解されるべきである。
【0013】
本実施例の使い捨て式組立体(100)は、本体部分(110)、本体部分(110)から遠位に延出するシャフト組立体(150)、及びシャフト組立体(150)の遠位端に配置されたエンドエフェクタ(180)を含む。
図2〜
図4で最良に明らかなように、本実施例のエンドエフェクタ(180)は、クランプアーム(182)及び超音波ブレード(190)を含む。クランプアーム(182)は、ブレード(190)に面するクランプパッド(184)を含む。
図3A〜
図3Bに示されるように、また以下でより詳細に説明するように、クランプアーム(182)は、ブレード(190)に向かって、またそこから離れるように枢動可能であり、クランプパッド(184)とブレード(190)との間で選択的に組織を圧縮する。
図4に見られるように、ブレード(190)は、チューブ(152、170)を介して同軸に延出し、かつ以下でより詳細に説明するようにブレード(190)に超音波振動を伝達するように構成された、音波導波管(192)の遠位端の一体型機構である。
【0014】
シャフト組立体(150)は、外側チューブ(152)及び内側チューブ(170)を含む。外側チューブ(152)は、内側チューブ(170)に対して長手方向に並進するように動作可能であり、クランプアーム(182)をブレード(190)に向かって、またそこから離れるように選択的に枢軸回転させる。これを達成するために、また
図3及び
図5で最良に明らかなように、クランプアーム(182)の一体型ピン機構(186)は、クランプアーム(182)の第1部分を外側チューブ(152)の遠位に突出するタング(154)へと枢動可能に固定し、一方で、挿入されたピン(188)は、クランプアーム(182)の第2部分を内側チューブ(170)の遠位に突出したタング(172)へと枢動可能に固定する。したがって、
図4Aから
図4Bへの移行で見ることができるように、外側チューブ(152)が内側チューブ(170)に対して近位に引き込まれた場合に、チューブ(152、170)が協働してクランプアーム(182)をブレード(190)に向かって枢動させる。
図4A〜
図4Bに示す動作とは逆に、外側チューブ(152)を内側チューブ(170)に対して遠位に並進させることにより、クランプアーム(182)をブレード(190)から離れる方向に(例えば
図4Bに示される位置から
図4Aに示される位置へと)枢動させて戻してもよい、と理解すべきである。1つの代表的な使用では、クランプアーム(182)をブレード(190)に向かって枢動させることにより、クランプパッド(184)とブレード(190)との間で捕捉された組織を把持、圧迫、封止、及び切断してもよい。クランプアーム(182)は、ブレード(190)から離れる方向に枢動されて、クランプパッド(184)とブレード(190)との間から組織を解放してもよく、かつ/又は対向するクランプアーム(182)及びブレード(190)の外側表面に係合した組織の鈍的切開を実施することができる。
【0015】
本実施例では、再使用可能組立体(200)はピストルグリップ(204)を含むが、任意のその他の好適な種類の把持具を使用してもよい、と理解すべきである。再使用可能組立体(200)のトリガ(120)は、ピストルグリップ(204)に向かって、またそこから離れて枢軸回転し、それにより外側チューブ(152)を並進させて、それによりクランプアーム(182)を回転させるように構成される。再使用可能組立体(200)のボタン(126、220)は、ブレード(190)を起動させて、ブレード(190)を超可聴周波数で振動させるように動作可能である。いくつかの変形形態では、少なくとも1つのボタン(126、220)は、RF電気外科用エネルギーを組織へと送達するためにエンドエフェクタ(180)を起動させるように動作可能である。
【0016】
再使用可能組立体(200)は、バッテリ及び超音波トランスデューサを含む、ブレード(190)を作動させるように動作可能である様々な特徴を含む。再使用可能組立体(200)は、超音波トランスデューサを導波管(192)に連結して、それにより超音波トランスデューサをブレード(190)に連結するように動作可能な機構を更に備える。いくつかの変形例では、再使用可能組立体(200)は、超音波トランスデューサに電力を供給する外部電源と連結されている。あくまで一例として、そのような外部電源は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN300を含み得る。加えて、又はそれに代えて、外部電源は、米国特許出願公開第2011/0087212号、名称「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」(2011年4月14日公開)の教示の少なくともいくつかに従って構築され得、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる発生器を含む。
【0017】
本実施例では、ブレード(190)の遠位端は、導波管(192)を通して伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置し、音響組立体に組織の負荷がかかっていない場合の好ましい共振周波数f
oに、音響組立体を調整する。トランスデューサアセンブリが通電されると、ブレード(190)の遠位端は、例えば55.5kHzの所定の振動周波数f
oで、例えばピーク間で約10〜500マイクロメートル、場合によっては約20〜約200マイクロメートルの範囲で長手方向に移動するように構成されている。本実施例のトランスデューサアセンブリが作動されているとき、これらの機械的振動は導波管(192)を介して伝達されてブレード(190)に到達し、それにより共振超音波周波数でのブレード(190)の振動をもたらす。したがって、組織がブレード(190)とクランプパッド(184)との間に固定される場合、ブレード(190)の超音波振動が、組織の切断及び隣接した組織細胞におけるタンパク質の変性を同時に行い、それにより、比較的小さい熱拡散で凝固効果が提供され得る。
【0018】
いくつかの変形形態では、エンドエフェクタ(180)は、組織に超音波エネルギーを印加することに加え、組織に無線周波数(RF)電気外科用エネルギーを印加するように動作可能である。あくまで一例として、エンドエフェクタ(180)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許出願公開第2015/0141981号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる2014年3月4日発行の「Ultrasonic Electrosurgical Instruments」と題された米国特許第8,663,220号の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成され動作可能であり得る。
【0019】
本発明の例では、内側チューブ(170)が静止したままである間に外側チューブ(152)を並進させることによってクランプアーム(182)を作動させる。しかしながら、代わりに、外側チューブ(152)が静止したままである間に、内側チューブ(170)を並進させることによってクランプアーム(182)を作動させることができることを理解されたい。そのような代替的な作動形態の単なる例示的な例は、以下により詳細に記載される。ピストルグリップ(204)に対するトリガ(120)の枢動に応答して外側チューブ(152)又は内側チューブ(170)の並進を提供するために、トリガ(120)が外側チューブ(152)又は内側チューブ(170)と連結され得る様々な適切な方法が、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかとなろう。
【0020】
上記に加えて、使い捨て式組立体(100)及び/又は再使用可能組立体(200)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年9月3日に公開された、「Ultrasonic Surgical Instrument with Removable Handle Assembly」と題する米国特許出願公開第2015/0245850号の教示の少なくともいくつかに従って構築及び動作可能であり得る。上記に加えて、又は選択的に、使い捨て組立体(100)及び/又は使用可能組立体(200)は、本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年9月29日出願の「Ultrasonic Surgical Instrument with Removable Handle Assembly」と題する米国特許出願第14/868,574号の教示の少なくともいくつかに従って構築及び動作可能であり得る。使い捨て式アセンブリ(100)及び/又は再利用可能アセンブリ(200)、並びにこれらの変形例に組み込まれ得るその他の好適な構成要素、機構、及び動作可能性は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0021】
II.例示的な代替エンドエフェクタ及びシャフト組立体
上述のように、エンドエフェクタ(180)のクランプアーム(182)は、超音波ブレード(190)に向かって、またそこから離れるように枢動可能に移動する。場合によっては、クランプアーム(182)のこの枢軸移動は、クランプアーム(182)と超音波ブレード(190)との間にクランプされた組織に加えられる力の十分な分布を可能にしない場合がある。例えば、クランプアーム(182)が超音波ブレード(190)に向かって枢動するとき、クランプアーム(182)の近位部分は、クランプアーム(182)の遠位部分が組織と接触する前に、クランプアーム(182)と超音波ブレード(190)との間で組織と接触し得る。この力の不十分な分布は、特にエンドエフェクタ(180)の遠位端及び/又は近位端で、組織の「タグ」(例えば、組織の、平らにされているが、切断されていない領域)の形成をもたらす場合がある。したがって、器具(10)のいくつかの変形形態では、組織タグの発生を低減させるため、及び/又は組織タグの切断を提供するための、クランプアーム(182)と超音波ブレード(190)との間にクランプされた組織に加えられる力の分布の改善をもたらす機構を提供することが望ましい場合がある。
【0022】
図6〜
図7は、上記の器具(10)へと容易に組み込まれ得る代替的なシャフト組立体(350)及び代替的なエンドエフェクタ(380)を示す。以下により詳細に説明されるように、シャフト組立体(350)は、エンドエフェクタ(380)間にクランプされた組織に加えられるべき力の分配を改善し得る機構を含む。エンドエフェクタ(380)は、クランプアーム(382)及び超音波ブレード(390)を含むが、これらは、それぞれ、以下に説明する相違点を伴って、上記のクランプアーム(182)及び超音波ブレード(190)と実質的に同様である。
【0023】
クランプアーム(382)は、それぞれ上述のクランプパッド(184)及び一体型ピン機構(186)と実質的に同様の、クランプパッド(384)及び一対の一体型ピン機構(386)を含む。したがって、クランプパッド(384)は、ブレード(390)に面する。クランプアーム(382)はまた、上述の挿入ピン(188)と同じ目的を果たす別の一対の一体型ピン機構(388)を含む。代替的に、必要に応じて、一体型ピン機構(388)を単一のピンとし、クランプアーム(382)の残部に対して挿入可能とすることもできる。更に、また以下でより詳細に説明するように、クランプパッド(384)は、ブレード(390)に向かって、またそこから離れるように枢動可能であることで、クランプパッド(384)とブレード(390)との間で選択的に組織を圧縮する。ブレード(390)は、音波導波管(392)の遠位端の一体型機構であるが、これは、上述の音波導波管(192)と実質的に同様である。したがって、音波導波管(392)は、チューブ(352、370)を介して同軸に延出し、超音波振動をブレード(390)に伝達するように構成される。
【0024】
シャフト組立体(350)は、外側チューブ(352)及び内側チューブ(370)を含むが、これらは、それぞれ、以下に説明する相違点を伴って、上記の外側チューブ(152)及び内側チューブ(170)と実質的に同様である。したがって、外側チューブ(352)は、内側チューブ(370)に対して長手方向に並進するように動作可能であり、クランプアーム(382)をブレード(390)に向かって、またそこから離れるように選択的に枢軸回転させる。代替的に、内側チューブ(370)は、外側チューブ(352)に対して長手方向に並進し得、クランプアーム(382)をブレード(390)に向かって、またそこから離れるように選択的に枢軸回転させる。
【0025】
内側チューブ(370)は、上述した遠位に突出するタング(172)と実質的に同様の遠位に突出するタング(372)を含み、相違点は後述する。遠位に突出するタング(372)は、内側チューブ(370)の残部に対して遠位に突出するタング(372)の弾性可撓性を促進するための様々な機構を含有する。以下により詳細に説明されるように、この弾性可撓性は、クランプアーム(382)と超音波ブレード(390)との間にクランプされた組織に加えられる力の分布の改善を提供することができる。
【0026】
外側チューブ(350)は、一対の垂直方向に細長いピンスロット(356)を画定する遠位に突出するタング(354)を含む。クランプアーム(382)の一体型ピン機構(386)は、垂直方向に細長いピンスロット(356)を介して、クランプアーム(382)の第1の部分を外側チューブ(352)の遠位に突出するタング(354)に枢動可能に連結する。一体型ピン機構(386)は、垂直方向に細長いピンスロット(356)内で回転して垂直方向に並進することができる。
【0027】
遠位に突出するタング(372)は、各々がそれぞれのピン孔(374)を画定する一対の遠位に突出するプロング(371)を含む。クランプアーム(382)の一体型ピン機構(388)は、クランプアーム(382)の第2部分を内側チューブ(370)の遠位に突出するタング(372)を枢動可能に固定する。したがって、下記により詳細に説明したように、外側チューブ(352)が内側チューブ(370)に対して近位に引き込まれると、ブレード(390)に向かって、また、外側チューブ(353)が内側チューブ(370)に対して遠位方向に前進すると、ブレード(390)から離れるように、チューブ(352、370)が協働してクランプアーム(382)を枢動させる。クランプアーム(182)及びブレード(190)と同様に、クランプアーム(382)は、クランプパッド(384)とブレード(390)との間に捕捉された組織を把持し、圧縮し、密封し、そして切断するためにブレード(390)に向かって枢動し得る。クランプアーム(382)は、クランプパッド(384)とブレード(390)との間から組織を解放するために、及び/又はクランプアーム(382)及びブレード(390)の対向する外側表面に係合する組織の鈍的切開を実施するためにブレード(390)から離れるように枢動することができる。
【0028】
遠位に突出するプロング(371)は、横方向に配向した構成要素を有する外力に応答してプロング(371)が内側チューブ(370)の残部に対して弾性的に屈曲することができるように十分に弾性ある材料から作られ得る。更に、遠位に突出するプロング(371)は、外力が取り除かれると、(
図6〜
図9に示されるように)内側チューブ(370)の残部に対して静止位置まで屈曲して戻ることができる。プロング(371)は、外力の横方向構成要素の大きさに応じて異なる大きさで静止位置から弾性的に屈曲し得ることを理解されたい。
【0029】
遠位に突出するプロング(371)は一緒になって長手方向に延出するチャネル(375)を画定する。長手方向に延出するチャネル(375)は、遠位端で開口しており、近位端で閉じている。長手方向に延出するチャネル(375)は、遠位に突出するタング(372)を形成するのに使用される材料の量を減らすことができる。遠位に突出するタング(372)の長さに沿った材料の減少は、上述するようにプロング(371)が遠位に突出するタング(172)と比較して外力に曝されたときに、内側チューブ(370)の残部に接続されたプロング(371)の一部が、内側チューブ(370)の残部に対してより容易に屈曲することを可能にし得る。更に、プロング(371)は、力の横方向の分布又は他の要因に応じて、異なる大きさ/角度で、内側チューブ(370)の残部に対してより容易に屈曲することができる。言い換えれば、プロング(371)は、互いに対してより容易に屈曲することができる。現在の例では、長手方向に延出するチャネル(375)はプロング(371)によって画定される独特の幾何学形状を有するが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかなように他の任意の好適な幾何学形状を利用し得る。
【0030】
図8〜
図9に最もよく見られるように、各々の遠位に突出するプロング(371)はまた、遠位に突出するプロング(371)の近位端の近くに位置する周方向切欠き(378)を画定する。長手方向に延出するチャネル(375)と同様に、周方向切欠き(378)もまた、遠位に突出するタング(372)を形成するのに使用される材料の量を減らすことができる。更に、周方向切欠き(378)は、遠位に突出するプロング(371)を内側チューブ(370)の残部に接続するのに使用される材料の量を減らす。したがって、プロング(371)を内側チューブ(370)の残部に接続する材料の減少は、プロング(371)が外力に曝されたときにプロング(371)が内側チューブ(370)の残部に対してより容易に屈曲することを可能にし得る。遠位に突出するプロング(371)を内側チューブ(370)の残部と接続する材料の量は、外力がもはや存在しなくなったときにプロング(371)が静止位置に屈曲して戻るのにまだ十分な量であることを理解されたい。現在の例では、周方向切欠き(378)は半長方形の幾何学形状を有するが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかなように、三角形の幾何学形状など、任意の他の好適な幾何学形状を使用できる。
【0031】
更に、遠位に突出するタング(372)は、プロング(371)の外側表面に沿って延出し、部分的に周方向のリップ(377)内に近位方向に終端する、コイニング加工又は打抜き加工された外側表面(376)を含有する。
図10に最もよく示されているように、打抜き加工された外側表面(376)は、遠位に突出するタング(372)のような打抜き加工された部分の断面積を減少させる。特に、打抜き加工された外側表面(376)は、内側チューブ(370)の残部の外側表面を画定する半径よりも小さい半径によって画定される。半径又は断面積のこの減少は、遠位に突出するタング(372)の弾性可撓性を促進するのを助け得る。現在の例では、遠位に突出するタング(372)の断面積の減少は、コイニング加工又は打抜き加工プロセスによって形成されるが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかなように、ミリングなどの他の任意の好適なプロセスを使用することができる。
【0032】
図11A〜
図11Bは、クランプパッド(384)とブレード(390)との間の近位場所に沿って組織(T)を把持するために利用されているシャフト組立体(350)及びエンドエフェクタ(380)を示す。
図11Aは、組織(T)と接触する直前の位置に回転したクランプアーム(382)を示す。したがって、組織(T)はクランプパッド(382)と接触していないので、組織(T)はクランプアーム(382)に外力を与えていない。クランプアーム(382)が、
図11Aに示す位置を越えて
図11Bに示す位置に向かって回転した直後に、クランプパッド(384)が、組織(T)と接触し始めることを理解すべきである。
【0033】
図11Bは、上記のように内側チューブ(370)に対して外側チューブ(354)が近位に後退するためにブレード(390)に向かってまた組織(T)に対して回転したクランプアーム(382)を示す。更なるクランプアーム(382)が、
図11Aに示される位置から
図11Bに示される位置に向かって回転すると、外力組織(T)がクランプアーム(382)に与える力が大きくなる。組織(T)によってクランプアーム(382)に与えられる力は、シャフト組立体(350)の長手方向軸を横切る構成要素を有することを理解されたい。
【0034】
クランプアーム(382)と接触している組織(T)によって提供される外力は、一体型ピン機構(388)及びピン孔(374)を介して遠位に突出するプロング(371)に伝達する。したがって、組織(T)によって提供される外力は、プロング(371)をシャフト組立体(350)の長手方向軸から離れるように内側チューブ(370)の残部に対して弾力的に屈曲させる。一体型ピン機構(388)は、一体型ピン機構(388)がプロング(371)が屈曲する際にピン孔(374)と共に移動するようにピン孔(374)と連結される。したがって、ピン孔(374)がプロング(371)の屈曲を介して内側チューブ(370)の残部に対して上方に移動すると、一体型ピン機構(388)及びクランプアーム(382)もピン孔(374)内で上方に持ち上がる。それに応じて、クランプアーム(382)が上昇し、一体型ピン機構(386)が垂直ピンスロット(356)内で垂直方向に並進する。
【0035】
両方の一体型ピン機構(386、388)が上昇すると、クランプアーム(382)が更に回転してブレード(390)に対するクランプパッド(384)の長手方向の均一性が改善され得る。ブレード(390)に対するクランプパッド(384)の長手方向の均一性が改善されると、クランプアーム(382)と超音波ブレード(390)との間にクランプされた組織(T)に加えられる力の分布が改善され得る。言い換えれば、クランプアーム(382)及び超音波ブレード(390)によって組織(T)に加えられる圧力は、プロング(371)による屈曲がない場合にそうでなければ提供されるよりも、圧縮組織(T)の長さに沿ってより均一であり得る。特に、プロング(371)が可撓性ではなく剛性である場合、圧縮組織(T)の近位部分は、圧縮組織(T)の遠位部分よりも実質的に大きな圧力を受け得る。そのような不均一な圧力分布は、圧縮組織(T)の遠位部分に組織タグをもたらす可能性がある。したがって、クランプアーム(382)と超音波ブレード(390)との間で圧縮される組織の長さ(T)に沿って圧力の分布をより均一にすることによって、可撓性プロング(371)は、組織タグの発生を減らすことができる。
【0036】
クランプアーム(382)が
図11Bに示される位置から
図11Aに示される位置へと枢動して戻るとき、組織(T)はクランプアーム(382)に外力をもはや与えないことを理解されたい。遠位に提示されたタング(372)の弾力性のために、プロング(371)は、
図11Aに示される休止位置に屈曲して戻る。
【0037】
図12A〜
図12Bは、クランプパッド(384)とブレード(390)との間のより遠位な場所に沿って組織(T)を把持するために利用されているシャフト組立体(350)及びエンドエフェクタ(380)を示す。
図12Aは、
図11Aに示す位置と同様の位置に旋回したクランプアーム(382)を示す。しかしながら、組織(T)はクランプパッド(384)とブレード(390)との間のより遠位の場所に沿って位置しているので、クランプパッド(384)が組織(T)に接触するまでクランプアーム(382)をブレード(390)に向かって更に回転させる必要がある。したがって、組織(T)はクランプパッド(382)と接触していないので、
図12Aに示す段階では、組織(T)は、まだクランプアーム(382)に外力を与えていない。
【0038】
図12Bは、上記のように内側チューブ(370)に対して外側チューブ(354)が近位に後退するためにブレード(390)に向かってまた組織(T)に対して回転したクランプアーム(382)を示す。上述のように、組織(T)と接触しながら更なるクランプアーム(382)が回転すると、組織(T)がクランプアーム(382)に与える外力が大きくなる。組織(T)がクランプパッド(384)とブレード(390)との間に近位に位置するときと比較して、組織(T)がクランプパッド(384)とブレード(390)との間に遠位に位置すると、小さい範囲の回転中にクランプアーム(382)が組織(T)と接触するので、クランプアーム(382)に与える組織(T)の外力も、より小さい。言い換えれば、
図12A〜
図12Bの遠位に位置決めされた組織(T)は、
図11A〜
図11Bの近位に位置決めされた組織(T)によって提供される支点によって与えられる力よりも横方向に向かう力をプロング(371)に付与する支点を提供する。
【0039】
図12Aに示す段階で、クランプアーム(382)と接触している組織(T)によって提供される外力の横方向成分は、一体型ピン機構(388)及びピン孔(374)を介して遠位に突出するプロング(371)に伝達する。したがって、組織(T)によって提供される外力は、プロング(371)を内側チューブ(370)の残部に対して弾性的に屈曲させる。組織(T)がクランプアーム(382)に与える外力は、
図11A〜
図11Bに示す一連と比較して、
図12A〜
図12Bに示す一連の方が小さいので、プロング(371)は、内側チューブ(370)の残部に対してより小さな角度で弾性的に屈曲することが理解されるべきである。
【0040】
一体型ピン機構(388)は、一体型ピン機構(388)がプロング(371)が屈曲する際にピン孔(374)と共に移動するようにピン孔(374)と連結される。したがって、ピン孔(374)がプロング(371)の屈曲を介して内側チューブ(370)の残部に対して上方に移動すると、一体型ピン機構(388)及びクランプアーム(382)もピン孔(374)で上方に持ち上がる。それに応じて、クランプアーム(382)が上昇し、一体型ピン機構(386)が垂直ピンスロット(356)内で垂直方向に並進する。両方の一体型ピン機構(386、388)が上昇すると、クランプアーム(382)が更に回転してブレード(390)に対するクランプパッド(384)の長手方向の均一性が改善され得る。ブレード(390)に対するクランプパッド(384)の長手方向の均一性が改善されると、クランプアーム(382)と超音波ブレード(390)との間にクランプされた組織(T)に加えられる力の分布が改善され得るが、これは、超音波ブレード(390)の作動中に組織「タグ」の形成を防止するのに役立ち得る。
【0041】
クランプアーム(382)が
図12Bに示される位置から
図12Aに示される位置へと枢動するとき、組織(T)はクランプアーム(382)に外力をもはや与えないことを理解されたい。遠位に提示されたタング(372)の弾力性のために、プロング(371)は、
図11Aに示される休止位置に屈曲して戻る。
【0042】
図13は、シャフト組立体(150、350)に容易に組み込まれ得る例示的な代替の内側チューブ(470)を示す。内側チューブ(470)は、上述した遠位に突出するタング(372)と実質的に同様の遠位に突出するタング(472)を含み、相違点は後述する。遠位に突出するタング(472)は、内側チューブ(470)の残部に対して遠位に突出するタング(472)の弾性可撓性を促進するための様々な機構を含有する。
【0043】
遠位に突出するタング(472)は、各々がそれぞれのピン孔(474)を画定する一対の遠位に突出するプロング(471)を含み、それはクランプアーム(382)の一体型ピン機構(388)又はクランプアーム(182)のピン(188)に枢動可能に連結し得る。遠位方向に突出したプロング(471)は、上記のプロング(371)と同様に、横方向に配向した成分を有する外力に応答してプロング(471)が内側チューブ(470)の残部に対して弾性的に屈曲することができるように十分に弾性のある材料から作られ得る。
【0044】
遠位に突出するプロング(471)は一緒になって、上述の長手方向に延出するチャネル(375)と同様の長手方向に延出するチャネル(475)を画定する。長手方向に延出するチャネル(475)は、上記の長手方向に遠位方向に延出するチャネル(375)と同じ利点を提供し得る。現在の例では、長手方向に延出するチャネル(475)はプロング(471)によって画定される独特の幾何学形状を有するが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかなように他の任意の好適な幾何学形状を利用し得る。
【0045】
上記の周方向切欠き(378)と同様に、各々の遠位に突出するプロング(471)はまた、遠位に突出するプロング(471)の近位端の近くに位置する周方向切欠き(478)を画定する。したがって、周方向切欠き(478)は、上述の周方向切欠き(378)と同じ利点を提供し得る。現在の例では、周方向切欠き(478)は半長方形の幾何学形状を有するが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかなように、任意の他の好適な幾何学形状(例えば、三角形の幾何学形状など)を使用できる。
【0046】
遠位に突出するタング(472)は、遠位に突出するタング(472)があらゆる種類のコイニング加工された又は打抜き加工された外側表面を欠いているという点で、上記の遠位に突出するタング(372)とは異なる。現在の例では、遠位に突出するタング(472)は、コイニング加工された又は打抜き加工された外側表面を含まないが、遠位に突出するタング(472)は、コイニング加工された又は打抜き加工された外側表面を含み、代わりに周方向切欠き(378)を省くことができる。したがって、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかなように、内側チューブ(470)の遠位端の可撓性を促進するために、遠位に突出するタング(370)から選択された任意の数の機構をタング(472)の機構と組み合わせることができることは理解されたい。
【0047】
図14〜
図15は、シャフト組立体(150、350)に容易に組み込まれ得る例示的な代替の内側チューブ(570)を示す。内側チューブ(570)は、上述した遠位に突出するタング(372、472)と実質的に同様の遠位に突出するタング(572)を含み、相違点は後述する。遠位に突出するタング(572)は、内側チューブ(570)の残部に対して遠位に突出するタング(572)の弾性可撓性を促進するための様々な機構を含有する。
【0048】
遠位に突出するタング(572)は、各々がそれぞれのピン孔(574)を画定する一対の遠位に突出するプロング(571)を含み、それはクランプアーム(382)の一体型ピン機構(388)又はクランプアーム(182)のピン(188)に枢動可能に連結し得る。遠位に突出するプロング(571)は、上記のプロング(371、471)と同様に、外力に応答してプロング(571)が内側チューブ(570)の残部に対して弾力的に屈曲することができるように十分に弾力性のある材料から作られ得る。
【0049】
遠位に突出するプロング(571)は一緒になって、上述の長手方向に延出するチャネル(375、475)と同様の長手方向に延出するチャネル(575)を画定する。長手方向に延出するチャネル(575)は、上記の長手方向に延出するチャネル(375、475)と同じ利点を提供し得る。現在の例では、長手方向に延出するチャネル(575)はプロング(571)によって画定される独特の幾何学形状を有するが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかなように他の任意の好適な幾何学形状を利用し得る。
【0050】
上記の周方向切欠き(378、478)と同様に、各々の遠位に突出するプロング(571)はまた、遠位に突出するプロング(571)の近位端の近くに位置する周方向切欠き(578)を画定する。周方向切欠き(578)は、上記の周方向切欠き(378、478)と同じ利点を提供し得る。現在の例では、周方向切欠き(578)は半長方形の幾何学形状を有するが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかなように、任意の他の好適な幾何学形状(例えば、三角形の幾何学形状など)を使用できる。
【0051】
遠位に突出するタング(572)は、プロング(571)の外側表面に沿って延出し、周方向リップ(577)内に近位方向に終端する、コイニング又は打抜き加工された外側表面(576)を含有する。周方向リップ(377)及び打抜き加工された外側表面(376)とは異なり、周方向リップ(577)及び打抜き加工された外側表面(576)は、内側チューブ(570)の全周囲にわたって延出している。打抜き加工された外側表面(576)は、上記の打抜き加工された外側表面(376)と同様の機能性及び/又は利点を提供することができる。
【0052】
屈曲するタング(372、472、572)は、本明細書では内側チューブ(370、470、570)の一部として記載されているが、外側チューブ(152、352)のタング(154、354)は、上記のタング(372、472、572)と同じ屈曲機構を有することができることを理解されたい。本明細書に記載されるようにタング(154、354)が屈曲するように構成されているいくつかの変形形態では、内側チューブ(170)は、屈曲しないタング(172)を有することができる。本明細書に記載されるように屈曲するように構成されているいくつかの他のタング(154、354)では、内側チューブ(370、470、570)は、屈曲するタング(372、472、572)を有することができる。
【0053】
III.代表的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの特許請求の範囲の適用範囲をも限定することを目的としたものではないことを理解すべきである。一切の棄権をも意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられている。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してもよいことも、考えられる。したがって、本発明者ら又は本発明者らの利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含むいずれかの請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる特徴は、特許性に関連するいずれの理由によっても追加されたものとして、仮定されるべきではない。
【実施例】
【0054】
(実施例1)
(a)シャフト組立体であって、(i)第1チューブと、(ii)第1チューブ内に同軸で配置された第2チューブであって、第1チューブ又は第2チューブのうちの一方が、第1チューブ又は第2チューブのうちの他方に対して並進するように構成されている、第2チューブと、(iii)第1チューブ又は第2チューブのいずれかに固定された遠位に突出するタングと、を含む、シャフト組立体と、(b)エンドエフェクタであって、(i)シャフト組立体から延出する超音波ブレードと、(ii)シャフト組立体の遠位に突出するタングに枢動可能に連結されたクランプアームであって、クランプアームが、第1チューブと第2チューブとの間の相対的な並進に応答して超音波ブレードに向かって、またそこから離れるように枢動するように構成され、遠位に突出するタングは、クランプアームが組織を把持することに応答して、第1チューブ及び第2チューブに対して屈曲するように構成されている、クランプアームと、を備える、エンドエフェクタと、を含む、装置。
【0055】
(実施例2)
遠位に突出するタングが、クランプアームと枢動可能に連結するように構成された一対のプロングを更に含む、実施例1に記載の装置。
【0056】
(実施例3)
一対のプロングが、軸方向に延出するチャネルを画定する。実施例2に記載の装置。
【0057】
(実施例4)
遠位に突出するタングが、一対の周方向切欠きを画定する、実施例1〜3の任意の1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0058】
(実施例5)
周方向切欠きが、第1チューブ又は第2チューブのいずれかの遠位端に隣接して位置する、実施例4に記載の装置。
【0059】
(実施例6)
遠位に突出するタングが、第1半径によって画定される外側表面を有し、遠位に突出するタングに固定された第1チューブ又は第2チューブが、第2半径によって画定される外側表面を有し、第1半径が、第2半径よりも小さい、実施例1〜5のうちの1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0060】
(実施例7)
遠位に突出するタングが、コイニング加工された外側表面を有する、請求項6に記載の装置。
【0061】
(実施例8)
コイニング加工された外側表面が、リップ内に終端し、リップが、第1断面積から第2断面積に遷移する、実施例7に記載の装置。
【0062】
(実施例9)
リップが、遠位に突出するタングに固定された第1チューブ又は第2チューブの周囲の一部分のみに沿って延出する、実施例8に記載の装置。
【0063】
(実施例10)
リップが、遠位に突出するタングに固定された第1チューブ又は第2チューブの全周囲に沿って延出する、実施例8〜9のうちの1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0064】
(実施例11)
クランプアームが、一体型ピンの第一対及び一体型ピンの第二対を更に含み、一体型ピンの第一対が、クランプアームを、遠位に突出するタングの突起に枢動可能に連結するように構成されている、実施例1〜10のうちの1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0065】
(実施例12)
クランプアームが、クランプパッドを更に含み、クランプパッドが、超音波ブレードに面するように位置決めされている、実施例1〜11のうちの1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0066】
(実施例13)
第1チューブが、クランプアームと連結するように構成される一対の垂直方向に細長いスロットを含む、実施例1〜12のうちの1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0067】
(実施例14)
クランプアームが、一対の一体型ピンを含み、一体型ピンが、垂直方向に細長いスロット内で枢動するように構成され、一体型ピンが、垂直方向に細長いスロット内で並進するように構成されている、実施例13に記載の装置。
【0068】
(実施例15)
一体型ピンは、遠位に突出するタングが第1のチューブ及び第2のチューブに対して屈曲することに応答して垂直方向に細長いスロット内で並進するように構成されている、実施例13〜14のうちの1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0069】
(実施例16)
(a)クランプアーム作動組立体と、(b)シャフト組立体であって、(i)第1シャフトと、(ii)第2シャフトであって、第1シャフトが、第の2シャフト内に摺動可能に配置され、第1シャフト又は第2シャフトのうちの一方が、クランプアーム作動組立体の作動に応答して第1シャフト又は第2シャフトのうちの他方に対して並進するように構成されている、第2シャフトと、(iii)第2シャフトから遠位に突出するタングと、を含む、シャフト組立体と、(c)エンドエフェクタであって、(i)シャフト組立体から延出する超音波ブレードと、(ii)タングに枢動可能に連結されたクランプアームであって、クランプアームが、クランプアーム作動組立体の作動に応答して超音波ブレードに向かって、またそこから離れるように枢動するように構成され、タングは、クランプアームが超音波ブレードに対して組織を圧縮することに応答して第2シャフトに対して屈曲するように構成されている、クランプアームと、を含む、エンドエフェクタと、を含む、装置。
【0070】
(実施例17)
遠位に突出するタングが、第1プロング及び第2プロングを更に含み、第1プロングが、第1周方向切欠きを画定し、第2プロングが、第2周方向切欠きを画定する、実施例16に記載の装置。
【0071】
(実施例18)
第1周方向切欠き及び第2周方向切欠きが第2シャフトに隣接している、実施例17に記載の装置。
【0072】
(実施例19)
遠位に突出するタングが、コイニング加工された外側表面を含む、実施例16〜18のうちの1つ又は2つ以上に記載の装置。
【0073】
(実施例20)
(a)クランプアーム作動組立体と、(b)シャフト組立体であって、(i)第1シャフトと、(ii)第2シャフトであって、第1シャフトが、第2シャフト内に摺動可能に配置され、第1シャフト又は第2シャフトのうちの一方が、クランプアーム作動組立体の作動に応答して第1シャフト又は第2シャフトのうちの他方に対して並進するように構成されている、第2シャフトと、(iii)第2シャフトから遠位に突出するタングであって、(A)第1プロングと、(B)第2プロングであって、第1プロング及び第2プロングが、長手方向のチャネルを画定している、第2プロングと、(C)第1プロングと第2プロングとに沿って延出するコイニング加工された外側表面と、を含む、タングと、を含む、シャフト組立体と、(c)エンドエフェクタであって、(i)シャフト組立体から延出する超音波ブレードと、(ii)タングに枢動可能に連結されたクランプアームであって、クランプアームが、クランプアーム作動組立体の作動に応答して超音波ブレードに向かって、またそこから離れるように枢動するように構成され、タングは、クランプアームが超音波ブレードに対して組織を圧縮することに応答して第2シャフトに対して屈曲するように構成されている、クランプアームと、を含む、エンドエフェクタと、を含む、装置。
【0074】
IV.その他
本明細書に記載の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を鑑みれば、本明細書の教示を組み合わせられる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような改変及び変変更例は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0075】
本明細書に参照により組み込まれると言及されたいかなる特許、公報、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることが理解されなければならない。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記述、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、組み込まれる文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0076】
上記の装置の変形形態は、医療専門家により行われる従来の治療及び処置における用途のみではなく、ロボット支援された治療及び処置における用途を有してもよい。ほんの一例として、本明細書の種々の教示は、ロボット外科システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込まれてもよい。同様に、本明細書の様々な教示は、その開示が参照により本明細書に援用されている米国特許第6,783,524号、名称「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」(2004年8月31日公開)の様々な教示と容易に組み合わされ得ることを、当業者は理解するであろう。
【0077】
上述のデバイスの変形形態は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。一方又はその両方の場合において、種々の変形形態は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてもよい。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部分の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含んでもよい。特に、装置のいくつかの変形形態は分解することができ、かつ、装置の任意の数の特定の部品若しくは部分を、任意の組み合わせにおいて選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部分の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形形態は、再調整用の施設において、又は手術の直前に操作者により、のどちらかで、その後の使用のために再組み立てされてもよい。装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための種々の技術を利用することができることを、当業者は理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本発明の範囲内にある。
【0078】
ほんの一例として、本明細書に記載される変形形態は、手術の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖及び密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管してもよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の他の任意の技術を用いて、デバイスを滅菌してもよい。
【0079】
以上、本発明の種々の実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。このような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0080】
〔実施の態様〕
(1) (a)シャフト組立体であって、
(i)第1チューブと、
(ii)前記第1チューブ内に同軸で配置された第2チューブであって、前記第1チューブ又は前記第2チューブのうちの一方が、前記第1チューブ又は前記第2チューブのうちの他方に対して並進するように構成されている、第2チューブと、
(iii)前記第1チューブ又は前記第2チューブのいずれかに固定された遠位に突出するタングと、を含む、シャフト組立体と、
(b)エンドエフェクタであって、
(i)前記シャフト組立体から延出する超音波ブレードと、
(ii)前記シャフト組立体の前記遠位に突出するタングに枢動可能に連結されたクランプアームであって、前記クランプアームが、前記第1チューブと前記第2チューブとの間の相対的な並進に応答して前記超音波ブレードに向かって、またそこから離れるように枢動するように構成され、前記遠位に突出するタングは、前記クランプアームが組織を把持することに応答して、前記第1チューブ及び前記第2チューブに対して屈曲するように構成されている、クランプアームと、を備える、エンドエフェクタと、を含む、装置。
(2) 前記遠位に突出するタングが、前記クランプアームと枢動可能に連結するように構成された一対のプロングを更に含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記一対のプロングが、長手方向に延出するチャネルを画定する、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記遠位に突出するタングが、一対の周方向切欠きを画定する、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記周方向切欠きが、前記第1チューブ又は前記第2チューブのいずれかの遠位端に隣接して位置する、実施態様4に記載の装置。
【0081】
(6) 前記遠位に突出するタングが、第1半径によって画定される外側表面を有し、前記遠位に突出するタングに固定された前記第1チューブ又は前記第2チューブが、第2半径によって画定される外側表面を有し、前記第1半径が、前記第2半径よりも小さい、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記遠位に突出するタングが、コイニング加工された外側表面を有する、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記コイニング加工された外側表面が、リップ内に終端し、前記リップが、第1断面積から第2断面積に遷移する、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記リップが、前記遠位に突出するタングに固定された前記第1チューブ又は前記第2チューブの周囲の一部分のみに沿って延出する、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記リップが、前記遠位に突出するタングに固定された前記第1チューブ又は前記第2チューブの全周囲に沿って延出する、実施態様8に記載の装置。
【0082】
(11) 前記クランプアームが、一体型ピンの第一対及び一体型ピンの第二対を更に含み、前記一体型ピンの第一対が、前記クランプアームを、前記遠位に突出するタングの突起に枢動可能に連結するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記クランプアームが、クランプパッドを更に含み、前記クランプパッドが、前記超音波ブレードに面するように位置決めされている、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記第1チューブが、前記クランプアームと連結するように構成された一対の垂直方向に細長いスロットを含む、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記クランプアームが、一対の一体型ピンを含み、前記一体型ピンが、前記垂直方向に細長いスロット内で枢動するように構成され、前記一体型ピンが、前記垂直方向に細長いスロット内で並進するように構成されている、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記一体型ピンは、前記遠位に突出するタングが前記第1チューブ及び前記第2チューブに対して屈曲することに応答して前記垂直方向に細長いスロット内で並進するように構成されている、実施態様13に記載の装置。
【0083】
(16) (a)クランプアーム作動組立体と、
(b)シャフト組立体であって、
(i)第1シャフトと、
(ii)第2シャフトであって、前記第1シャフトが、前記第2シャフト内に摺動可能に配置され、前記第1シャフト又は前記第2シャフトのうちの一方が、前記クランプアーム作動組立体の作動に応答して前記第1シャフト又は前記第2シャフトのうちの他方に対して並進するように構成されている、第2シャフトと、
(iii)前記第2シャフトから遠位に突出するタングと、を含む、シャフト組立体と、
(c)エンドエフェクタであって、
(i)前記シャフト組立体から延出する超音波ブレードと、
(ii)前記タングに枢動可能に連結されたクランプアームであって、前記クランプアームが、前記クランプアーム作動組立体の作動に応答して前記超音波ブレードに向かって、またそこから離れるように枢動するように構成され、前記タングは、前記クランプアームが前記超音波ブレードに対して組織を圧縮することに応答して前記第2シャフトに対して屈曲するように構成されている、クランプアームと、を含む、エンドエフェクタと、を含む、装置。
(17) 前記遠位に突出するタングが、第1プロング及び第2プロングを更に含み、前記第1プロングが、第1周方向切欠きを画定し、前記第2プロングが、第2周方向切欠きを画定する、実施態様16に記載の装置。
(18) 前記第1周方向切欠き及び前記第2周方向切欠きが前記第2シャフトに隣接している、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記遠位に突出するタングが、コイニング加工された外側表面を含む、実施態様16に記載の装置。
(20) (a)クランプアーム作動組立体と、
(b)シャフト組立体であって、
(i)第1シャフトと、
(ii)第2シャフトであって、前記第1シャフトが、前記第2シャフト内に摺動可能に配置され、前記第1シャフト又は前記第2シャフトのうちの一方が、前記クランプアーム作動組立体の作動に応答して前記第1シャフト又は前記第2シャフトのうちの他方に対して並進するように構成されている、第2シャフトと、
(iii)前記第2シャフトから遠位に突出するタングであって、
(A)第1プロングと、
(B)第2プロングであって、前記第1プロング及び前記第2プロングが、長手方向のチャネルを画定している、第2プロングと、
(C)前記第1プロングと前記第2プロングとに沿って延出するコイニング加工された外側表面と、を含む、タングと、を含む、シャフト組立体と、
(c)エンドエフェクタであって、
(i)前記シャフト組立体から延出する超音波ブレードと、
(ii)前記タングに枢動可能に連結されたクランプアームであって、前記クランプアームが、前記クランプアーム作動組立体の作動に応答して前記超音波ブレードに向かって、またそこから離れるように枢動するように構成され、前記タングは、前記クランプアームが前記超音波ブレードに対して組織を圧縮することに応答して前記第2シャフトに対して屈曲するように構成されている、クランプアームと、を含む、エンドエフェクタと、を含む、装置。