特許第6965295号(P6965295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6965295架橋ポリマー材料のための血液適合性改質剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965295
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】架橋ポリマー材料のための血液適合性改質剤
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/02 20060101AFI20211028BHJP
   A61M 1/36 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   A61M1/02 130
   A61M1/36 165
   A61M1/02 107
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-44545(P2019-44545)
(22)【出願日】2019年3月12日
(62)【分割の表示】特願2016-506343(P2016-506343)の分割
【原出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2019-107514(P2019-107514A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2019年3月26日
(31)【優先権主張番号】61/806,990
(32)【優先日】2013年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512254586
【氏名又は名称】サイトソーベンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】ゴロビシュ,トーマス・ディー
(72)【発明者】
【氏名】カポニ,ヴィンセント・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】クレイ,デーヴィッド・アール
【審査官】 小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−514568(JP,A)
【文献】 特開2006−192271(JP,A)
【文献】 特表2012−510880(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/094565(WO,A1)
【文献】 特表2006−501449(JP,A)
【文献】 特表2009−508542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/02
A61M 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理された血液、血液製剤、血漿または生理的流体を製造する方法であって、前記処理された血液、血漿および生理的流体は、保存血液、保存血漿、および保存生理的流体であり、前記方法が、(i)前記血液、血液製剤、血漿又は生理的流体の貯蔵寿命を増大させること、(ii)前記血液、血液製剤、血漿または生理的流体の鮮度を維持すること、及び(iii)前記血液、血液製剤、血漿または生理的流体から望ましくない分子を除去することの内の少なくとも一つを提供し、
前記方法は、血液、血液製剤、血漿または生理的流体を収着剤と体外で接触させることを含み、前記収着剤が、主として複数の固体形態であり、そして、前記収着剤が、架橋ポリマー材料であって、前記架橋ポリマー材料の表面に結合している両性イオン部分を複数有する架橋ポリマー材料を含み、
前記両性イオン部分が、以下の式
【化1】
で表される少なくとも一つの基を含み、
前記望ましくない分子が、生物活性分子(BAM)、溶血産物、膜または細胞分解産物、毒素、薬物、抗体、及びプリオンから選択され、前記生物活性分子が、サイトカイン、酸化窒素、トロンボキサン、ロイコトリエン、血小板活性化因子、プロスタグランジン、糖タンパク質、キニン、キニノーゲン、補体因子、細胞接着分子、スーパー抗原、モノカイン、ケモカイン、インターフェロン、フリーラジカル、プロテアーゼ、アラキドン酸代謝物、プロスタサイクリン、ベータエンドルフィン、心筋抑制因子、アナンダミド(anandimide)、2−アラキドニルグリセロール(2-arachadonylglycerol)、テトラヒドロビオプテリン、セロトニン、ヒスタミン、ブラジキニン、可溶CD40リガンド、生物活性脂質、酸化脂質、ヘモグロビン、赤血球微粒子、膜または細胞成分、成長因子、糖タンパク質、内毒素、血管作用性物質、外来抗原、及び微小胞から選択される炎症仲介物質および刺激物質を含む、前記方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記固体形態が多孔性である方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、該望ましくない分子が抗体である方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法であって、前記両性イオン部分が前記架橋ポリマー材料の表面に共有結合している方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、前記収着剤が、血液、血液製剤または生理的流体の保存に適するように対応した容器内に収容されており、そして、前記収着剤が前記対応した容器内で実質的に自由に流動する方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、前記複数の固体形態が、0.1マイクロメートル〜2センチメートルの範囲の直径を有する粒子を含む方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法であって、前記収着剤が、架橋剤と以下の重合性モノマー:ジビニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルベンジルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチルの1つまたは複数との反応から誘導される架橋ポリマー材料を含む方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法であって、前記収着剤が生体適合性ポリマーである方法。
【請求項9】
血液、血液製剤、血漿または生理的流体を処理して、前記血液、血液製剤、血漿または生理的流体から望ましくない分子を除去する方法において使用するための収着剤であって
前記方法が、前記血液、血液製剤、血漿または生理的流体を前記収着剤と接触させることを含み、前記収着剤が、主として複数の固体形態であり、そして、前記収着剤が、架橋ポリマー材料であって、前記架橋ポリマー材料の表面に結合している両性イオン部分を複数有する架橋ポリマー材料を含み、
前記両性イオン部分が、以下の式
【化2】
で表される少なくとも一つの基を含み、
前記望ましくない分子が、生物活性分子(BAM)、溶血産物、膜または細胞分解産物、毒素、薬物、抗体、及びプリオンから選択され、前記生物活性分子が、サイトカイン、酸化窒素、トロンボキサン、ロイコトリエン、血小板活性化因子、プロスタグランジン、糖タンパク質、キニン、キニノーゲン、補体因子、細胞接着分子、スーパー抗原、モノカイン、ケモカイン、インターフェロン、フリーラジカル、プロテアーゼ、アラキドン酸代謝物、プロスタサイクリン、ベータエンドルフィン、心筋抑制因子、アナンダミド(anandimide)、2−アラキドニルグリセロール(2-arachadonylglycerol)、テトラヒドロビオプテリン、セロトニン、ヒスタミン、ブラジキニン、可溶CD40リガンド、生物活性脂質、酸化脂質、ヘモグロビン、赤血球微粒子、膜または細胞成分、成長因子、糖タンパク質、内毒素、血管作用性物質、外来抗原、及び微小胞から選択される炎症仲介物質および刺激物質を含む、
前記収着剤
【請求項10】
請求項9に記載の収着剤であって、前記固体形態が多孔性である、前記収着剤
【請求項11】
請求項9又は10に記載の収着剤であって、前記両性イオン部分が前記架橋ポリマー材料の表面に共有結合している、前記収着剤
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項に記載の収着剤であって、前記複数の固体形態が、0.1マイクロメートル〜2センチメートルの範囲の直径を有する粒子を含む、前記収着剤
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか一項に記載の収着剤であって、前記方法が生体内方法である、前記収着剤
【請求項14】
請求項9に記載の収着剤を含むフィルターカートリッジを含む血液ろ過装置であって、前記収着剤が0.1マイクロメートル〜2センチメートルの範囲の直径を有する粒子を含む、前記装置。
【請求項15】
請求項9〜13のいずれか一項に記載の収着剤、又は請求項14に記載の血液ろ過装置であって、前記収着剤が、架橋剤と以下の重合性モノマー:ジビニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルベンジルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチルの内の1つまたは複数との反応から誘導される架橋ポリマー材料を含む、前記収着剤又は装置
【請求項16】
請求項14又は15に記載の血液ろ過装置であって、前記粒子が該フィルターカートリッジ内で自由に流動する、前記装置。
【請求項17】
請求項9〜13のいずれか一項に記載の収着剤、又は請求項14〜16のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、前記収着剤が生体適合性ポリマーである、前記収着剤又は装置
【請求項18】
請求項14〜17のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、前記ポリマーが血液適合性である、前記装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年4月1日に提出された米国仮出願第61/806,990号の利益を主張する。
政府権利
[0002]この材料は、契約番号N66001−12−C−4199の下で、DARPA(防衛高等研究計画局)およびSSC Pacificにより支援された業務に基づく。したがって、米国政府は、本明細書に記載の本発明に関し権利を有する。
【0002】
[0003]本発明は、血液適合性が改質された架橋ポリマー材料を用いて、血液、血液製剤または生理的流体の貯蔵寿命の増大;新しい血液、血液製剤または生理的流体の鮮度の維持;および、血液、血液製剤または生理的流体からの望ましくない分子の除去;の1つまたは複数に有用な方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0004]全血または全血の派生物(「血液製剤」)の輸血は、文字どおり、重篤な外傷から癌の外科処置までの広範な状態を伴う患者の生命源である。米国赤十字社によれば、米国で年間1400万例を超える赤血球濃厚液パック(pRBC)輸血が行われ、平均して米国の病院への入院10例中1例に輸血が必要である。全血の他の画分、すなわち、血小板、白血球、血漿、アルブミン、免疫グロブリン、凝固因子および低温沈降成分などの血液製剤の同様な数の輸血が毎年行われている。血液の臨界的必要性は、血液の輸送および保存の後方支援が複雑な軍隊にまで拡大し、イラクの自由作戦に際しては入院全体の8%が最初の24時間以内に10単位を超えると定義される多量の輸血を必要とした。全血および血液製剤を本明細書中では「血液」と総称する。
【0004】
[0005]血液は寿命が限られている。一般的なpRBCユニットは42日の有用寿命を有するにすぎず、一方で血小板は供血から5日以内に使用しなければならない。これが高い血液需要と相まって定期的な血液不足を生じている。しかし、多くの医療専門家は、新鮮血はよりさらに速やかに2〜4週間以内に使用すべきであると考えている。遡及的研究によれば、「古い」血液の輸血が、発熱、輸血関連急性肺傷害(TRALI)、輸血随伴性呼吸困難(TAD)、アレルギー反応、感染症、死亡、および他の合併症などの非溶血性輸血反応のリスクの増大に関係することが示唆されている。これらの研究の1つにおいて、院内死亡のリスクは赤血球濃厚液パックユニットが老化するのに伴って毎日2%ずつ増大した。この理由から、血液製剤の有用寿命が延長され、かつ血液の品質が改良されれば有益であろう。
【0005】
[0006]体外治療または輸血関連製剤による血液浄化法の技術は、使用される材料の血液適合性に依存している。ある最終用途においては、収着剤は体外の血液灌流システムの中で血液適合性収着剤を使用して、血液中の細菌毒素または他の毒素を処理するのに使用することができる。標準血液透析、血液ろ過および木炭血液灌流技術は、それらが除去する毒素の制約を受ける。改良されたシステムは使用分野に役立つであろう。
【0006】
[0007]身体の消化器系中の粒子およびガスの優れた吸着剤であるように加工された活性炭、炭素の純粋な形態は、中毒を含む様々な病気を治すために古代以来ずっと使用されている。毒素の除去における性能が改良された生体適合性であり、かつ血液適合性であるシステムは、さらに医療専門家に有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0008]いくつかの実施形態では、本発明は、血液、血液製剤、血漿または生理的流体を処理して、(i)血液、血液製剤または生理的流体の貯蔵寿命の増大、(ii)新しい血液、血液製剤または生理的流体の鮮度の維持、および(iii)血液、血液製剤または生理的流体からの望ましくない分子の除去の少なくとも1つを提供する方法に関し、該方法は、血液、血液製剤または生理的流体を収着剤と接触させることを含み、該収着剤は、主として複数の固体形態であり、そして、該収着剤は、架橋ポリマー材料であって、該架橋ポリマー材料の表面に結合している(1)両性イオン部分および(2)オリゴ(エチレングリコール)部分の少なくとも1つを複数有する架橋ポリマー材料を含む。
【0008】
[0009]好ましい収着剤は、架橋剤と以下の重合性モノマー:ジビニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルベンジルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチルの1つまたは複数との反応から誘導される架橋ポリマー材料を含む。
【0009】
[0010]特定の実施形態では、両性イオン部分は、1つまたは複数のカルボキシベタイン両性イオン部分およびスルホベタイン両性イオン部分を含む。いくつかの好ましい組成物は、式
【0010】
【化1】
【0011】
の少なくとも1つの両性イオン部分を含む。
[0011]いくつかの好ましい方法は、オリゴ(エチレングリコール)部分が、式:
【0012】
【化2】
【0013】
(式中、nは3〜8の整数である)の少なくとも1つの基を含む組成物を含む。
[0012]ある特定の方法では、固体形態は多孔性である。いくつかの固体形態は、10Å〜10,000Åの範囲の孔径の総容積が0.5cc/g〜3.0cc/g乾燥ポリマーより大きい細孔構造を有し、ここで、架橋ポリマー材料の直径10Å〜3,000Åの細孔容積の、直径500Å〜3,000Åの細孔容積に対する比率が7:1より小さく、架橋ポリマー材料の直径10Å〜3,000Åの細孔容積の、直径10Å〜6,000Åの細孔容積に対する比率が2:1未満である。
【0014】
[0013]別の実施形態では、ポリマーは、0.1マイクロメートル〜2センチメートルの範囲の直径を有する粒子を含む。特定のポリマーは、粉末、ビーズ、または他の規則的な微粒子もしくは不規則な形状の微粒子の形態である。いくつかのポリマーの細孔構造は、50Å〜10,000Åの範囲の孔径の総細孔容積が0.5cc/g〜3.0cc/g乾燥ポリマーより大きい。いくつかの実施形態では、ポリマーは、50Å〜10,000Åの範囲の孔径の総細孔容積が0.5cc/g〜3.0cc/g乾燥ポリマーを超える細孔構造を有し、ポリマーの、50Å〜10,000Å(細孔直径)の細孔容積の500Å〜3,000Å(細孔直径)の細孔容積に対する比率は、200:1未満であり;ポリマーの、50Å〜3,000Å(細孔直径)の細孔容積の1,000Å〜3,000Å(細孔直径)の細孔容積に対する比率は、20:1より大きい。
【0015】
[0014]いくつかの方法では、望ましくない分子は、保存血液および血液製剤中にみられる生物活性分子(BAM)、生物応答調節物質(BRM)、溶血産物、膜または細胞の分解産物、毒素、薬物、抗体、プリオンおよびこれらに類する分子である。特定の方法では、生物活性分子は炎症仲介物質および刺激物質を含む。いくつかの実施形態では、炎症仲介物質および刺激物質は、サイトカイン、酸化窒素、トロンボキサン、ロイコトリエン、血小板活性化因子、プロスタグランジン、糖タンパク質、キニン、キニノーゲン、補体因子、細胞接着分子、スーパー抗原、モノカイン、ケモカイン、インターフェロン、フリーラジカル、プロテアーゼ、アラキドン酸代謝産物、プロスタサイクリン、ベータエンドルフィン、心筋抑制因子、アナンダミド(anandimide)、2−アラキドニルグリセロール(2-arachadonylglycerol)、テトラヒドロビオプテリン、セロトニン、ヒスタミン、ブラジキニン、可溶CD40リガンド、生物活性脂質、酸化脂質、ヘモグロビン、赤血球微粒子、膜または細胞成分、成長因子、糖タンパク質、プリオン、毒素、内毒素、薬物、血管作用性物質、外来抗原、微小胞および抗体を含む。
【0016】
[0015]好ましい方法は、両性イオン部分およびオリゴ(エチレングリコール)部分が架橋ポリマー材料の表面に共有結合している方法を含む。いくつかの実施形態では、両性イオン部分およびオリゴ(エチレングリコール)部分は、スルホベタイン基を有するエチレン性不飽和の両性イオンモノマーと架橋ポリマー材料の表面に存在する不飽和基とのラジカル重合によって架橋ポリマー材料の表面に共有結合している。
【0017】
[0016]本発明の方法は、収着剤が生体内または生体外において吸着するように、行うことができる。特定の方法では、収着剤は、血液、血液製剤または生理的流体の保存に適するように対応した容器内に収容されており、その収着剤はその対応した容器内で実質的に自由に流動する。他の方法では、は摂取または経直腸で人体内に投与される。いくつかの実施形態では、この方法は体外処理の一部である。
【0018】
[0017]いくつかの実施形態では、複数の固体形態が、0.1マイクロメートル〜2センチメートルの範囲の直径を有する粒子を含む。
[0018]さらに、本発明は、収着剤を含むフィルターカートリッジを含む血液ろ過装置であって、この収着剤が、主として0.1マイクロメートル〜2センチメートルの範囲の直径を有する粒子を含む複数の固体形態であり、この収着剤が、架橋ポリマー材料の表面に結合している(1)両性イオン部分および(2)オリゴ(エチレングリコール)部分の少なくとも1つを複数有する架橋ポリマー材料を含む、血液ろ過装置に関する。
【0019】
[0019]好ましい収着剤は、架橋剤と以下の重合性モノマー:ジビニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルベンジ
ルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチルの1つまたは複数との反応から誘導される架橋ポリマー材料を含む。
【0020】
[0020]好ましい収着剤は、生体適合性であり血液適合性である。
[0021]特定の実施形態では、両性イオン部分は1つまたは複数のカルボキシベタイン両性イオン部分およびスルホベタイン両性イオン部分を含む。いくつかの好ましい組成物は、次式
【0021】
【化3】
【0022】
の少なくとも1つの両性イオン部分を含む。
[0022]いくつかの好ましい装置は、オリゴ(エチレングリコール)部分が次式:
【0023】
【化4】
【0024】
(式中、nは3〜8の整数である)の少なくとも1つの基を含む組成物を含む。
[0023]特定の装置では、固体形態は多孔性である。いくつかの固体形態は、10Å〜10,000Åの範囲の孔径の総容積が0.5cc/g〜3.0cc/g乾燥ポリマーより大きい細孔構造を有し、ここで、架橋ポリマー材料の直径10Å〜3,000Åの細孔容積の、直径500Å〜3,000Åの細孔容積に対する比率が7:1より小さく、架橋ポリマー材料の直径10Å〜3,000Åの細孔容積の、直径10Å〜6,000Åの細孔容積に対する比率が2:1未満である。
【0025】
[0024]いくつかの実施形態では、血液ろ過装置は、フィルターカートリッジ内で自由に流動する本明細書に記述された粒子を含む。フィルターカートリッジは、この技術分野において知られているものを含み、任意の適切な材料から、かつ、任意の適切な構成で、作製することができる。
【0026】
[0025]追加の実施形態では、本発明は、血液、血液製剤または生理的流体の保存に適するように対応した容器の中の本明細書に記載の収着剤の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0026]本発明は、血液浄化特性を有するが、高流量状況および低流量状況の両方において血液適合性で、かつ非血栓形成性でもある材料を生産するために、多孔性のスチレン/ジビニルベンゼン(ST/DVB)コポリマー樹脂に両性イオンのコーティングを施そうとするものである。
【0028】
[0027]ポリ(エチレングリコール)(PEG)は、合成生体材料用のタンパク質安定化を達成し全身循環回数を増加させることに対する現在の標準である。しかしながら、PEG化も材料の結合親和性を減じ、それによって、その対生物活性を軽減することが知られている。したがって、材料のバイオインビジビリティ(bioinvisibility)を達成したい
場合に、材料のPEG化は適切な方法かもしれないが、材料がさらにある選択的な対生物活性を示しながら生体適合性でなければならない場合には、優れた技術が依然として解決されていないのである。
【0029】
[0028]超低汚染性であり、生体適合性である両性イオンポリマーのファミリーが開発されており、血液と接触する装置および埋殖された生体材料から表面利用診断デバイスにわたる用途における潜在的な有用性を実証している。目的の両性イオンポリマーはポリ(スルホベタイン)およびポリ(カルボキシベタイン)である(スキーム1)。
【0030】
[0029]本発明者らはベタインモノマーのメタクリレート誘導体を生産することを考えている。これらのモノマーはスルホベタインメタクリレート(スキーム1a)およびカルボキシベタインメタクリレート(スキーム1b)である。メタクリレートのアルケン官能性は、両性イオンモノマーがラジカル重合によって本発明者らのST/DVBコポリマー樹脂の表面上にグラフトされることが可能となる。
【0031】
【化5】
【0032】
[0030]他の可能なモノマーとしては、ベタインとイリドが挙げられる。適切なベタインモノマーの非限定例としては、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)ビニルピリジニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(3−メタクリルアミドプロピル)−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N−(カルボキシメチル)アンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N−(2−ホスホエチル)アンモニウムベタインが挙げられる。
【0033】
[0031]グラフトまたは絡み合いによって表面に結合することができる他の可能な両性イオン部分は、モノマー体もしくはポリマー体としての、アミノ酸、例えば、(21種類の必須アミノ酸)である。別の可能な両性イオンは、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(スキーム2)である。
【0034】
【化6】
【0035】
[0032]あるいは、血液適合性にする表面改質剤としてオリゴ(エチレングリコール)メタクリレート(OEGMA)を使用することもできる(スキーム3)。
【0036】
【化7】
【0037】
[0033]多孔性のST/DVBコポリマー樹脂上のコーティングは、材料に改良された血液適合性および非血栓形成性を与えることになる。これらの両性イオンは非常に親水性であり、水との強固なイオン相互作用により樹脂ビーズに非汚染特性を与えることになる。両性イオンポリマーが、血液などの水性生物系に導入されると、表面は非常に親水性になることになる[Jiang Nat.Chem.2011]。ポリマーの水飽和した表面は、生物学的汚れを防ぐために十分なバッファーを提供することが望ましく、さらにこの表面が血液のサイズ排除ろ過および浄化に関与できるようにするためにポリマーの細孔の周囲に十分な立体的なスペースを残しておくことが望ましい。本発明は、装置の周囲に、合成材料ではなく、水のバッファーを作成することに依存しているので、低流量ならびに高流量において使用するのに十分安定であることが望ましい。
【0038】
[0034]いくつかの好ましいポリマーは、以下のものから選択される1つもしくは複数のモノマーもしくは含有モノマーまたはその混合物からの残基を含む:ジビニルベンゼン、およびエチルビニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルベンジルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルシクロヘキサン、ジビニルスルホン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびジビニルホルムアミド。
【0039】
[0035]いくつかの実施形態では、ポリマーは、少なくとも1つの架橋剤および少なくとも1つの分散剤を含むコーテッドポリマーである。分散剤は血液適合性であってよい。分
散剤は、化学物質、化合物または、材料、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルアミノエチルアクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジエチルアミノエチルアクリレート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(N−ビニルピロリジノン)、ポリ(メタクリル酸)の塩、およびポリ(アクリル酸)の塩ならびにその混合物などから選択することができ;架橋剤は、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルシクロヘキサン、ジビニルスルホン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジビニルホルムアミドおよびその混合物からなる群から選択することができる。好ましくは、ポリマーはコーティングの形成と同時に展開され、ここでその分散剤は、ポリマーの表面に化学的に結合している。
【0040】
[0036]本発明のいくつかの実施形態はポロゲン(porogen)または細孔形成剤として有機溶媒および/またはポリマーポロゲンを使用し、その結果として重合中に誘発される相分離により多孔質ポリマーを得る。いくつかの好ましいポロゲンは、ベンジルアルコール、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノール/トルエン混合物、シクロヘキサノン、デカン、デカン/トルエン混合物、ジ−2−エチルヘキシルリン酸、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、2−エチル−1−ヘキサン酸、2−エチル−1−ヘキサノール、2−エチル−1−ヘキサノール/n−ヘプタン混合物、2−エチル−1−ヘキサノール/トルエン混合物、イソアミルアルコール、n−ヘプタン、n−ヘプタン/酢酸エチル、n−ヘプタン/酢酸イソアミル、n−ヘプタン/テトラリン混合物、n−ヘプタン/トルエン混合物、nヘキサン/トルエン混合物、ペンタノール、ポリ(スチレン−co−メタクリル酸メチル)/フタル酸ジブチル、ポリスチレン/2−エチル−1−ヘキサノール混合物、ポリスチレン/フタル酸ジブチル、ポリスチレン/n−ヘキサン混合物、ポリスチレン/トルエン混合物、トルエン、トリ−n−ブチルホスフェート、1,2,3−トリクロロプロパン/2−エチル−1−ヘキサノール混合物、2,2,4−トリメチルペンタン(イソオクタン)、トリメチルペンタン/トルエン混合物、ポリ(プロピレングリコール)/トルエン混合物、ポリ(プロピレングリコール)/シクロヘキサノール混合物、およびポリ(プロピレングリコール)/2−エチル−1−ヘキサノール混合物である。
【0041】
[0037]いくつかの実施形態では、本発明は血液、血液製剤または生理的流体から望ましくない不純物を取り除くために、血液適合性ポリマー材料に依存する体外治療または輸血関連製剤を増強することに使用することができる。ある最終用途においては、収着剤は体外の血液灌流システムの中で血液適合性収着剤を使用して、血液中の細菌毒素または他の毒素を処理するのに使用することができる。標準血液透析、血液ろ過および木炭血液灌流技術は、それらが除去する毒素の制約を受ける。
【0042】
[0038]必要に応じて、本発明の詳細な実施形態をここに開示する。開示した実施形態は、様々な形態で実施できる本発明の例示にすぎないことを理解すべきである。したがって、ここに開示する具体的な構造および機能の詳細は、限定として解釈すべきではなく、単に、本発明を利用することを当業者に教示するための基礎として解釈すべきである。以下の具体例によって本発明をより良く理解できるであろう。ただし、それらは手引きのために示されるにすぎず、何らかの限定を示唆するものではない。
【実施例】
【0043】
実施例1:カルボキシベタインメタクリレート(CBMA)コーテッドポリマー
[0039]500mlの樹脂製反応釜に、水冷式冷却器、熱電対、バブラーおよび磁気撹拌棒を取り付ける。ガスケットを上蓋と底ケトルの間に設置する。使わないすべての口に適切なプラグで蓋をする。上記の熱電対を備えた温度制御装置により調節される加熱マントルで温度を制御し、装置全体を磁気撹拌プレート上に設置する。
【0044】
[0040]試薬はすべてSigma−Aldrichに注文し、さらなる精製を行わずに使用した。
[0041]樹脂製反応釜に、ヒドロキノン(0.038g)を加え超高純度のHO(10.0g)中の76%アクリル酸溶液を添加した。ヒドロキノンがすべて溶解するまでこの混合物を撹拌し、次いでN,N−ジメチルアミノメタクリレート(16.52g)をシリンジによって滴加した。この反応は発熱であり50℃まで混合物を加熱し、白色ガスを放出させた。この反応物を4時間70℃に加熱した。反応の間に、混合物は無色透明から常に暗状態にある明暗の濃いピンクまで変わった。
【0045】
[0042]4時間後に、加熱を止め、磁気撹拌棒を取り除いて、多段撹拌羽根を設置し、オーバーヘッド撹拌モータに取り付けた。次いで、反応器に、HO(250ml)中のジビニルベンゼン多孔性樹脂(CY12018(100−144))(250ml)を仕込んだ。この混合物を100RPMで撹拌し、30分間80℃に加熱した。過硫酸アンモニウム(3.00g)を反応混合物に添加し、16時間80℃で撹拌した。
【0046】
[0043]冷却後、溶剤をビーズのレベルまで吸引排出した。反応器にマークまでRT(室温)水を満たし、70℃に加熱し、30分間撹拌し、3〜5分間沈降させ、次いで、ビーズのレベルまで吸引排出する。ビーズをこの方法で5回洗浄する。次いでビーズを、8時間蒸気ストリッピングする(DRC−108−092)。蒸気ストリッピングの後、ビーズを5回水洗し、次いで、浸透圧重量モル濃度が少なくとも280に達するまで、この水を生理食塩液と置換する。
【0047】
[0044](uPTTを、ASTM F2382評価標準試験法によって試験し、ネガティブコントロールの102%であることが判明し、これをuPTTの非活性化剤の分類に含めた)。(62.1%がネガティブコントロールの105%であり、uPTTの非活性化剤の分類に含めた)(80.2%のチトクロムCを除去、静的非競合)(5.8%の人血清アルブミンを除去、静的非競合)(ESCA表面解析 C86.3、N1.8、O11.6)
実施例2:オリゴ(エチレングリコール)メタクリレート(OEGMA)コーテッドポリマー
[0045]500mlの樹脂製反応釜に、水冷式冷却器、熱電対、バブラーおよび多段撹拌羽根を取り付ける。ガスケットを上蓋と底ケトルの間に設置する。使わないすべての口に適切なプラグで蓋をする。上記の熱電対を備えた温度制御装置により調節される加熱マントルで温度を制御する。
【0048】
[0046]次いで、反応器に、HO(250ml)、OEGMA(6.0g)中のジビニルベンゼン多孔性樹脂(CY12018(100−144))(200ml)を仕込んだ。80℃に加熱し、30分間撹拌した時点で過硫酸アンモニウム(2.0g)を添加する。反応物を80℃で16時間撹拌する。
【0049】
[0047]冷却後、溶剤をビーズのレベルまで吸引排出する。反応器にマークまでRT(室温)水を満たし、70℃に加熱し、30分間撹拌し、3〜5分間沈降させ、次いで、ビーズのレベルまで吸引排出する。ビーズをこの方法で5回洗浄する。次いでビーズを、8時間蒸気ストリッピングする(DRC−108−095)。蒸気ストリッピングの後、ビーズを5回水洗し、次いで、浸透圧重量モル濃度が少なくとも280に達するまで、この水を生理食塩液と置換する。
【0050】
[0048](uPTTを、ASTM F2382評価標準試験法によって試験し、ネガティブコントロールの105%であることが判明し、これをuPTTの非活性化剤の分類に含めた)。(80.2%のチトクロムCを除去、静的非競合)(6.6%の人血清アルブミンを除去、静的非競合)(ESCA表面解析 C86.3、N0.1、O13.6)
実施例3:追加のポリマーコーティング
[0049]モノマーとしての、スルホベタインメタクレート、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)ビニルピリジニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(3−メタクリルアミドプロピル)−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N−(カルボキシメチル)アンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N−(2−ホスホエチル)アンモニウムベタインの1つまたは複数;および2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを用いて、実施例1を繰り返す。
【0051】
実施例4:追加の架橋ポリマー
[0050]下記のものから選択される1つまたは複数のモノマーもしくは含有モノマーまたはその混合物からの残基を含む架橋ポリマーを用いて、実施例1〜3を繰り返す:ジビニルベンゼン、およびエチルビニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルベンジルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルシクロヘキサン、ジビニルスルホン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート[triiacrylate]、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびジビニルホルムアミド。本明細書に記述されるように、様々な架橋剤および分散剤が使用されてもよい。
【0052】
実施例5:収着剤の合成
[0051]反応器の組み立て、ジャケット付き反応釜(5L)にオーバーヘッド撹拌機、じゃま板、多段撹拌羽根、水冷式冷却器、熱電対、バブラーおよびガスケット(適切な場合には)を取り付ける。使わないすべての口に適切なプラグで蓋をする。温度は、上記の熱電対を有する温度制御装置を備えた加熱/冷却設備で制御される。
【0053】
[0052]重合、ポリビニルアルコールを、室温(RT)で水性仕込み物の中に分散し、次いで70℃に加熱する。次いで、残りの塩(表1参照、MSP、DSP、TSP、および
亜硝酸ナトリウム)をこの水性仕込み物中に溶解させる。PVAおよび塩の溶液を撹拌しながら80℃に加熱する。開始剤を含む予め混合した有機相を、適切な液滴直径の形成のためのrpmに設定した速度で撹拌しながら、この反応器内の水性相の上に注ぐ。いったん、温度が80℃に到達したら反応タイマーを開始する(16時間)。
【0054】
【表1】
【0055】
[0053]仕上げ、溶媒レベルに印を付ける。冷却後、溶剤をビーズのレベルまで吸引排出する。反応器に印まで(室温の)水を充填し、50℃〜70℃まで加熱し、30分間撹拌し、3〜5分間沈降させ、次いでビーズのレベルまで吸引排出する。ビーズをこの方法で5回洗浄する。ポリマーを6時間、蒸気ストリッピングし、次いで、オーブン内で一晩乾燥する(約100℃)。このプロセスにより結果として、球状多孔性のジビニルベンゼンポリマービーズの形態の、清浄で乾燥した多孔性収着剤を得る。ビーズを、70%のIPAで再湿潤させ、さらなる反応の間に水性条件下で、このIPAを水と交換した。
【0056】
実施例6:細孔構造の特性評価
[0054]収着剤ポリマーの細孔構造を、Micromeritics AutoPore IV 9500 V 1.09 a Mercury Penetrometer(Hg侵入計測器)または Micromeritics ASAP 2010 計測器(N2脱着)を用いて分析する。
【0057】
実施例7:血液ろ過装置
[0055]実施例1〜3のコーテッドポリマーを、血液ろ過に適したカートリッジに装入する。
【0058】
実施例8:血液保存バッグ
[0056]実施例1〜3のコーテッドポリマーを、血液または血液製剤に適した保存バッグ
に装入する。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
血液、血液製剤、血漿または生理的流体を処理して、(i)血液、血液製剤または生理
的流体の貯蔵寿命の増大、(ii)新しい血液、血液製剤または生理的流体の鮮度の維持
および(iii)該血液、血液製剤または生理的流体からの望ましくない分子の除去の少
なくとも1つを提供する方法であって、前記方法が、前記血液、血液製剤または生理的流
体を収着剤と接触させることを含み、前記収着剤が、主として複数の固体形態であり、そ
して、前記収着剤が、架橋ポリマー材料であって、前記架橋ポリマー材料の表面に結合し
ている(1)両性イオン部分および(2)オリゴ(エチレングリコール)部分の少なくと
も1つを複数有する架橋ポリマー材料を含む方法。
[請求項2]
請求項1に記載の方法であって、前記収着剤が、架橋剤と以下の重合性モノマー:ジビ
ニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸セチル、ア
クリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、ビニルナフ
タレン、ビニルベンジルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチルおよびア
クリル酸メチルの1つまたは複数との反応から誘導される架橋ポリマー材料を含む方法。
[請求項3]
請求項1または2に記載の方法であって、前記両性イオン部分が1つまたは複数のカル
ボキシベタイン両性イオン部分およびスルホベタイン両性イオン部分を含む方法。
[請求項4]
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法であって、前記両性イオン部分がカルボキ
シベタインメタクリレートの少なくとも1つの残基を含む方法。
[請求項5]
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、前記両性イオン部分が式
【化1】

の少なくとも1つの基を含む方法。
[請求項6]
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、該オリゴ(エチレングリコール
)部分が式
【化2】

(式中、nは3〜8の整数である)の少なくとも1つの基を含む方法。
[請求項7]
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法であって、前記固体形態が多孔性である方
法。
[請求項8]
請求項7に記載の方法であって、前記固体形態が、0.5cc/g〜3.0cc/g乾
燥ポリマーより大きい、10Å〜10,000Åの範囲の孔径の総容積を有する細孔構造
を有し、ここで、前記架橋ポリマー材料の、直径10Å〜3,000Åの細孔容積の、直
径500Å〜3,000Åの細孔容積に対する比率が7:1より小さく、前記架橋ポリマ
ー材料の、直径10Å〜3,000Åの細孔容積の直径10Å〜6,000Åの細孔容積
に対する比率が2:1未満である方法。
[請求項9]
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法であって、前記望ましくない分子が、保存
血液および血液製剤中にみられる生物活性分子(BAM)、生物応答調節物質(BRM)
、溶血産物、膜または細胞分解産物、毒素、薬物、抗体、プリオンおよびこれらに類する
分子である方法。
[請求項10]
請求項9に記載の方法であって、該生物活性分子が、炎症仲介物質および刺激物質を含
む方法。
[請求項11]
請求項10に記載の方法であって、前記炎症仲介物質および刺激物質が、サイトカイン
、酸化窒素、トロンボキサン、ロイコトリエン、血小板活性化因子、プロスタグランジン
、糖タンパク質、キニン、キニノーゲン、補体因子、細胞接着分子、スーパー抗原、モノ
カイン、ケモカイン、インターフェロン、フリーラジカル、プロテアーゼ、アラキドン酸
代謝物、プロスタサイクリン、ベータエンドルフィン、心筋抑制因子、アナンダミド(an
andimide)、2−アラキドニルグリセロール(2-arachadonylglycerol)、テトラヒドロ
ビオプテリン、セロトニン、ヒスタミン、ブラジキニン、可溶CD40リガンド、生物活
性脂質、酸化脂質、ヘモグロビン、赤血球微粒子、膜または細胞成分、成長因子、糖タン
パク質、プリオン、毒素、内毒素、薬物、血管作用性物質、外来抗原、微小胞および抗体
を含む方法。
[請求項12]
請求項9に記載の方法であって、該望ましくない分子が抗体である方法。
[請求項13]
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法であって、前記両性イオン部分およびオ
リゴ(エチレングリコール)部分が前記架橋ポリマー材料の表面に共有結合している方法

[請求項14]
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法であって、前記両性イオン部分およびオ
リゴ(エチレングリコール)部分が、スルホベタイン基を有するエチレン性不飽和の両性
イオンモノマーと前記架橋ポリマー材料の表面に存在する不飽和基とのラジカル重合によ
って前記架橋ポリマー材料の表面に共有結合している方法。
[請求項15]
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法であって、該収着剤が生体内で吸着する
方法。
[請求項16]
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法であって、該収着剤が生体外で吸着する
方法。
[請求項17]
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法であって、該方法が体外処理の一部であ
る方法。
[請求項18]
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法であって、前記収着剤が、血液、血液製
剤または生理的流体の保存に適するように対応した容器内に収容されており、そして、前
記収着剤が前記対応した容器内で実質的に自由に流動する方法。
[請求項19]
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法であって、前記収着剤が摂取または経直
腸で人体内に投与される方法。
[請求項20]
請求項1から19のいずれか一項に記載の方法であって、前記複数の固体形態が、0.
1マイクロメートル〜2センチメートルの範囲の直径を有する粒子を含む方法。
[請求項21]
請求項1から20のいずれか一項に記載の方法であって、前記収着剤が生体適合性ポリ
マーである方法。
[請求項22]
請求項1から21のいずれか一項に記載の方法であって、前記ポリマーが血液適合性で
ある方法。
[請求項23]
フィルターカートリッジを含む血液ろ過装置であって、収着剤を含み、前記収着剤が、
主として0.1マイクロメートル〜2センチメートルの範囲の直径を有する粒子を含む複
数の固体形態であり、前記収着剤が、架橋ポリマー材料であって、前記架橋ポリマー材料
の表面に結合している(1)両性イオン部分および(2)オリゴ(エチレングリコール)
部分の少なくとも1つを複数有する架橋ポリマー材料を含む装置。
[請求項24]
請求項22に記載の血液ろ過装置であって、前記収着剤が、架橋剤と以下の重合性モノ
マー:ジビニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸
セチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、
ビニルナフタレン、ビニルベンジルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチ
ルおよびアクリル酸メチルの1つまたは複数との反応から誘導される架橋ポリマー材料を
含む装置。
[請求項25]
請求項23または24に記載の血液ろ過装置であって、前記両性イオン部分が1つまた
は複数のカルボキシベタイン両性イオン部分およびスルホベタイン両性イオン部分を含む
装置。
[請求項26]
請求項23から25のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、前記両性イオン部
分がカルボキシベタインメタクリレートの少なくとも1つの残基を含む装置。
[請求項27]
請求項23から26のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、前記両性イオン部
分が式
【化3】

の少なくとも1つの基を含む装置。
[請求項28]
請求項23から27のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、該オリゴ(エチレ
ングリコール)部分が式
【化4】

(式中、nは3〜8の整数である)の少なくとも1つの基を含む装置。
[請求項29]
請求項23から28のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、前記粒子が該フィ
ルターカートリッジ内で自由に流動する装置。
[請求項30]
請求項23から29のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、前記収着剤が生体
適合性ポリマーである装置。
[請求項31]
請求項23から30のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、前記ポリマーが血
液適合性である装置。