【実施例】
【0043】
実施例1:カルボキシベタインメタクリレート(CBMA)コーテッドポリマー
[0039]500mlの樹脂製反応釜に、水冷式冷却器、熱電対、バブラーおよび磁気撹拌棒を取り付ける。ガスケットを上蓋と底ケトルの間に設置する。使わないすべての口に適切なプラグで蓋をする。上記の熱電対を備えた温度制御装置により調節される加熱マントルで温度を制御し、装置全体を磁気撹拌プレート上に設置する。
【0044】
[0040]試薬はすべてSigma−Aldrichに注文し、さらなる精製を行わずに使用した。
[0041]樹脂製反応釜に、ヒドロキノン(0.038g)を加え超高純度のH
2O(10.0g)中の76%アクリル酸溶液を添加した。ヒドロキノンがすべて溶解するまでこの混合物を撹拌し、次いでN,N−ジメチルアミノメタクリレート(16.52g)をシリンジによって滴加した。この反応は発熱であり50℃まで混合物を加熱し、白色ガスを放出させた。この反応物を4時間70℃に加熱した。反応の間に、混合物は無色透明から常に暗状態にある明暗の濃いピンクまで変わった。
【0045】
[0042]4時間後に、加熱を止め、磁気撹拌棒を取り除いて、多段撹拌羽根を設置し、オーバーヘッド撹拌モータに取り付けた。次いで、反応器に、H
2O(250ml)中のジビニルベンゼン多孔性樹脂(CY12018(100−144))(250ml)を仕込んだ。この混合物を100RPMで撹拌し、30分間80℃に加熱した。過硫酸アンモニウム(3.00g)を反応混合物に添加し、16時間80℃で撹拌した。
【0046】
[0043]冷却後、溶剤をビーズのレベルまで吸引排出した。反応器にマークまでRT(室温)水を満たし、70℃に加熱し、30分間撹拌し、3〜5分間沈降させ、次いで、ビーズのレベルまで吸引排出する。ビーズをこの方法で5回洗浄する。次いでビーズを、8時間蒸気ストリッピングする(DRC−108−092)。蒸気ストリッピングの後、ビーズを5回水洗し、次いで、浸透圧重量モル濃度が少なくとも280に達するまで、この水を生理食塩液と置換する。
【0047】
[0044](uPTTを、ASTM F2382評価標準試験法によって試験し、ネガティブコントロールの102%であることが判明し、これをuPTTの非活性化剤の分類に含めた)。(62.1%がネガティブコントロールの105%であり、uPTTの非活性化剤の分類に含めた)(80.2%のチトクロムCを除去、静的非競合)(5.8%の人血清アルブミンを除去、静的非競合)(ESCA表面解析 C86.3、N1.8、O11.6)
実施例2:オリゴ(エチレングリコール)メタクリレート(OEGMA)コーテッドポリマー
[0045]500mlの樹脂製反応釜に、水冷式冷却器、熱電対、バブラーおよび多段撹拌羽根を取り付ける。ガスケットを上蓋と底ケトルの間に設置する。使わないすべての口に適切なプラグで蓋をする。上記の熱電対を備えた温度制御装置により調節される加熱マントルで温度を制御する。
【0048】
[0046]次いで、反応器に、H
2O(250ml)、OEGMA(6.0g)中のジビニルベンゼン多孔性樹脂(CY12018(100−144))(200ml)を仕込んだ。80℃に加熱し、30分間撹拌した時点で過硫酸アンモニウム(2.0g)を添加する。反応物を80℃で16時間撹拌する。
【0049】
[0047]冷却後、溶剤をビーズのレベルまで吸引排出する。反応器にマークまでRT(室温)水を満たし、70℃に加熱し、30分間撹拌し、3〜5分間沈降させ、次いで、ビーズのレベルまで吸引排出する。ビーズをこの方法で5回洗浄する。次いでビーズを、8時間蒸気ストリッピングする(DRC−108−095)。蒸気ストリッピングの後、ビーズを5回水洗し、次いで、浸透圧重量モル濃度が少なくとも280に達するまで、この水を生理食塩液と置換する。
【0050】
[0048](uPTTを、ASTM F2382評価標準試験法によって試験し、ネガティブコントロールの105%であることが判明し、これをuPTTの非活性化剤の分類に含めた)。(80.2%のチトクロムCを除去、静的非競合)(6.6%の人血清アルブミンを除去、静的非競合)(ESCA表面解析 C86.3、N0.1、O13.6)
実施例3:追加のポリマーコーティング
[0049]モノマーとしての、スルホベタインメタクレート、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)ビニルピリジニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(3−メタクリルアミドプロピル)−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N−(カルボキシメチル)アンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N−(2−ホスホエチル)アンモニウムベタインの1つまたは複数;および2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを用いて、実施例1を繰り返す。
【0051】
実施例4:追加の架橋ポリマー
[0050]下記のものから選択される1つまたは複数のモノマーもしくは含有モノマーまたはその混合物からの残基を含む架橋ポリマーを用いて、実施例1〜3を繰り返す:ジビニルベンゼン、およびエチルビニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルベンジルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルシクロヘキサン、ジビニルスルホン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート[triiacrylate]、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびジビニルホルムアミド。本明細書に記述されるように、様々な架橋剤および分散剤が使用されてもよい。
【0052】
実施例5:収着剤の合成
[0051]反応器の組み立て、ジャケット付き反応釜(5L)にオーバーヘッド撹拌機、じゃま板、多段撹拌羽根、水冷式冷却器、熱電対、バブラーおよびガスケット(適切な場合には)を取り付ける。使わないすべての口に適切なプラグで蓋をする。温度は、上記の熱電対を有する温度制御装置を備えた加熱/冷却設備で制御される。
【0053】
[0052]重合、ポリビニルアルコールを、室温(RT)で水性仕込み物の中に分散し、次いで70℃に加熱する。次いで、残りの塩(表1参照、MSP、DSP、TSP、および
亜硝酸ナトリウム)をこの水性仕込み物中に溶解させる。PVAおよび塩の溶液を撹拌しながら80℃に加熱する。開始剤を含む予め混合した有機相を、適切な液滴直径の形成のためのrpmに設定した速度で撹拌しながら、この反応器内の水性相の上に注ぐ。いったん、温度が80℃に到達したら反応タイマーを開始する(16時間)。
【0054】
【表1】
【0055】
[0053]仕上げ、溶媒レベルに印を付ける。冷却後、溶剤をビーズのレベルまで吸引排出する。反応器に印まで(室温の)水を充填し、50℃〜70℃まで加熱し、30分間撹拌し、3〜5分間沈降させ、次いでビーズのレベルまで吸引排出する。ビーズをこの方法で5回洗浄する。ポリマーを6時間、蒸気ストリッピングし、次いで、オーブン内で一晩乾燥する(約100℃)。このプロセスにより結果として、球状多孔性のジビニルベンゼンポリマービーズの形態の、清浄で乾燥した多孔性収着剤を得る。ビーズを、70%のIPAで再湿潤させ、さらなる反応の間に水性条件下で、このIPAを水と交換した。
【0056】
実施例6:細孔構造の特性評価
[0054]収着剤ポリマーの細孔構造を、Micromeritics AutoPore IV 9500 V 1.09 a Mercury Penetrometer(Hg侵入計測器)または Micromeritics ASAP 2010 計測器(N2脱着)を用いて分析する。
【0057】
実施例7:血液ろ過装置
[0055]実施例1〜3のコーテッドポリマーを、血液ろ過に適したカートリッジに装入する。
【0058】
実施例8:血液保存バッグ
[0056]実施例1〜3のコーテッドポリマーを、血液または血液製剤に適した保存バッグ
に装入する。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
血液、血液製剤、血漿または生理的流体を処理して、(i)血液、血液製剤または生理
的流体の貯蔵寿命の増大、(ii)新しい血液、血液製剤または生理的流体の鮮度の維持
および(iii)該血液、血液製剤または生理的流体からの望ましくない分子の除去の少
なくとも1つを提供する方法であって、前記方法が、前記血液、血液製剤または生理的流
体を収着剤と接触させることを含み、前記収着剤が、主として複数の固体形態であり、そ
して、前記収着剤が、架橋ポリマー材料であって、前記架橋ポリマー材料の表面に結合し
ている(1)両性イオン部分および(2)オリゴ(エチレングリコール)部分の少なくと
も1つを複数有する架橋ポリマー材料を含む方法。
[請求項2]
請求項1に記載の方法であって、前記収着剤が、架橋剤と以下の重合性モノマー:ジビ
ニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸セチル、ア
クリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、ビニルナフ
タレン、ビニルベンジルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチルおよびア
クリル酸メチルの1つまたは複数との反応から誘導される架橋ポリマー材料を含む方法。
[請求項3]
請求項1または2に記載の方法であって、前記両性イオン部分が1つまたは複数のカル
ボキシベタイン両性イオン部分およびスルホベタイン両性イオン部分を含む方法。
[請求項4]
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法であって、前記両性イオン部分がカルボキ
シベタインメタクリレートの少なくとも1つの残基を含む方法。
[請求項5]
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、前記両性イオン部分が式
【化1】
の少なくとも1つの基を含む方法。
[請求項6]
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、該オリゴ(エチレングリコール
)部分が式
【化2】
(式中、nは3〜8の整数である)の少なくとも1つの基を含む方法。
[請求項7]
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法であって、前記固体形態が多孔性である方
法。
[請求項8]
請求項7に記載の方法であって、前記固体形態が、0.5cc/g〜3.0cc/g乾
燥ポリマーより大きい、10Å〜10,000Åの範囲の孔径の総容積を有する細孔構造
を有し、ここで、前記架橋ポリマー材料の、直径10Å〜3,000Åの細孔容積の、直
径500Å〜3,000Åの細孔容積に対する比率が7:1より小さく、前記架橋ポリマ
ー材料の、直径10Å〜3,000Åの細孔容積の直径10Å〜6,000Åの細孔容積
に対する比率が2:1未満である方法。
[請求項9]
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法であって、前記望ましくない分子が、保存
血液および血液製剤中にみられる生物活性分子(BAM)、生物応答調節物質(BRM)
、溶血産物、膜または細胞分解産物、毒素、薬物、抗体、プリオンおよびこれらに類する
分子である方法。
[請求項10]
請求項9に記載の方法であって、該生物活性分子が、炎症仲介物質および刺激物質を含
む方法。
[請求項11]
請求項10に記載の方法であって、前記炎症仲介物質および刺激物質が、サイトカイン
、酸化窒素、トロンボキサン、ロイコトリエン、血小板活性化因子、プロスタグランジン
、糖タンパク質、キニン、キニノーゲン、補体因子、細胞接着分子、スーパー抗原、モノ
カイン、ケモカイン、インターフェロン、フリーラジカル、プロテアーゼ、アラキドン酸
代謝物、プロスタサイクリン、ベータエンドルフィン、心筋抑制因子、アナンダミド(an
andimide)、2−アラキドニルグリセロール(2-arachadonylglycerol)、テトラヒドロ
ビオプテリン、セロトニン、ヒスタミン、ブラジキニン、可溶CD40リガンド、生物活
性脂質、酸化脂質、ヘモグロビン、赤血球微粒子、膜または細胞成分、成長因子、糖タン
パク質、プリオン、毒素、内毒素、薬物、血管作用性物質、外来抗原、微小胞および抗体
を含む方法。
[請求項12]
請求項9に記載の方法であって、該望ましくない分子が抗体である方法。
[請求項13]
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法であって、前記両性イオン部分およびオ
リゴ(エチレングリコール)部分が前記架橋ポリマー材料の表面に共有結合している方法
。
[請求項14]
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法であって、前記両性イオン部分およびオ
リゴ(エチレングリコール)部分が、スルホベタイン基を有するエチレン性不飽和の両性
イオンモノマーと前記架橋ポリマー材料の表面に存在する不飽和基とのラジカル重合によ
って前記架橋ポリマー材料の表面に共有結合している方法。
[請求項15]
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法であって、該収着剤が生体内で吸着する
方法。
[請求項16]
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法であって、該収着剤が生体外で吸着する
方法。
[請求項17]
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法であって、該方法が体外処理の一部であ
る方法。
[請求項18]
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法であって、前記収着剤が、血液、血液製
剤または生理的流体の保存に適するように対応した容器内に収容されており、そして、前
記収着剤が前記対応した容器内で実質的に自由に流動する方法。
[請求項19]
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法であって、前記収着剤が摂取または経直
腸で人体内に投与される方法。
[請求項20]
請求項1から19のいずれか一項に記載の方法であって、前記複数の固体形態が、0.
1マイクロメートル〜2センチメートルの範囲の直径を有する粒子を含む方法。
[請求項21]
請求項1から20のいずれか一項に記載の方法であって、前記収着剤が生体適合性ポリ
マーである方法。
[請求項22]
請求項1から21のいずれか一項に記載の方法であって、前記ポリマーが血液適合性で
ある方法。
[請求項23]
フィルターカートリッジを含む血液ろ過装置であって、収着剤を含み、前記収着剤が、
主として0.1マイクロメートル〜2センチメートルの範囲の直径を有する粒子を含む複
数の固体形態であり、前記収着剤が、架橋ポリマー材料であって、前記架橋ポリマー材料
の表面に結合している(1)両性イオン部分および(2)オリゴ(エチレングリコール)
部分の少なくとも1つを複数有する架橋ポリマー材料を含む装置。
[請求項24]
請求項22に記載の血液ろ過装置であって、前記収着剤が、架橋剤と以下の重合性モノ
マー:ジビニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸
セチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、
ビニルナフタレン、ビニルベンジルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチ
ルおよびアクリル酸メチルの1つまたは複数との反応から誘導される架橋ポリマー材料を
含む装置。
[請求項25]
請求項23または24に記載の血液ろ過装置であって、前記両性イオン部分が1つまた
は複数のカルボキシベタイン両性イオン部分およびスルホベタイン両性イオン部分を含む
装置。
[請求項26]
請求項23から25のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、前記両性イオン部
分がカルボキシベタインメタクリレートの少なくとも1つの残基を含む装置。
[請求項27]
請求項23から26のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、前記両性イオン部
分が式
【化3】
の少なくとも1つの基を含む装置。
[請求項28]
請求項23から27のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、該オリゴ(エチレ
ングリコール)部分が式
【化4】
(式中、nは3〜8の整数である)の少なくとも1つの基を含む装置。
[請求項29]
請求項23から28のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、前記粒子が該フィ
ルターカートリッジ内で自由に流動する装置。
[請求項30]
請求項23から29のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、前記収着剤が生体
適合性ポリマーである装置。
[請求項31]
請求項23から30のいずれか一項に記載の血液ろ過装置であって、前記ポリマーが血
液適合性である装置。