特許第6965340号(P6965340)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965340
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】皮膚科的処置装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
   A61N5/06 Z
【請求項の数】11
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-513073(P2019-513073)
(86)(22)【出願日】2017年9月12日
(65)【公表番号】特表2019-526379(P2019-526379A)
(43)【公表日】2019年9月19日
(86)【国際出願番号】GB2017052673
(87)【国際公開番号】WO2018046966
(87)【国際公開日】20180315
【審査請求日】2020年7月16日
(31)【優先権主張番号】1615444.5
(32)【優先日】2016年9月12日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516165778
【氏名又は名称】アイパルス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IPULSE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100064469
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100099612
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100073450
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 英俊
(72)【発明者】
【氏名】スチューアート テリー ジョーンズ
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−307224(JP,A)
【文献】 特開2015−217286(JP,A)
【文献】 特表2002−514481(JP,A)
【文献】 特開2006−015051(JP,A)
【文献】 特表2006−507867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
装置の外部までのエネルギ通路に沿って光エネルギを放射するように前記ハウジング内に設けられた発光源と、
エネルギ通路に設けられ、装置の外部に通過する光エネルギをフィルタリングするために、エネルギ通路を横切って設けられて組み合わさる少なくとも第1と第2の光エネルギフィルタリング部分を有するフィルタ装置とから成っており、
前記の少なくとも第1と第2の光エネルギフィルタリング部分は、エネルギ通路に直角にして並んだ構成で配置され、それぞれの光エネルギフィルタリング部分は、相対するエッジ部分を含み、前記相対するエッジ部分は、相互に向き合って衝合しており、
前記エネルギ通路は、相対する側壁間を延びる横断長さと、相対する上下壁の間の幅とによって形成され、前記横断長さは、前記幅よりも大きく、前記の少なくとも第1と第2の光エネルギフィルタリング部分は、前記の相対する側壁間に跨っている
皮膚科的な処置を行う強力な光パルス(IPL)の発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置であって、前記光エネルギフィルタリング部分は、470〜650nmの範囲のカットオン値を有する発光装置。
【請求項3】
請求項2に記載の発光装置であって、前記カットオン値は、約510nmである発光装置。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれかに記載の発光装置であって、前記の少なくとも第1と第2光エネルギフィルタリング部分は、発光源から放射される光エネルギに面する主フェース面を含んでいる発光装置。
【請求項5】
請求項4に記載の発光装置であって、前記の少なくとも第1と第2の光エネルギフィルタリング部分の主フェース面は、実質的に同一平面上にある発光装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の発光装置であって、外方に分岐する発光源から放射されるエネルギは、最大エネルギ値の両側で減少するエネルギ通路に交差する軸線でエネルギプロフィールを有する傾向があり、前記装置は、最大エネルギ値を有する光エネルギが相対するエッジ部分を含むフィルタ装置の領域と接触するように構成されている発光装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の発光装置であって、前記フィルタ装置がハウジング内に保持されている発光装置。
【請求項8】
請求項7に記載の発光装置であって、前記フィルタ装置は、前記ハウジング内の一定位置に保持されている発光装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の発光装置であって、前記第1と第2の光エネルギフィルタリング部分を受け入れ一定の相対位置に保持するフレームを含んでいる発光装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の発光装置であって、前記発光源が白色光を放射する発光装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の発光装置であって、前記発光源がキセノンフラッシュランプである発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚科的処置装置に関するものである。この皮膚科的処置は、髪の抜け毛、にきびや傷及び皮膚の若返りも含んでいるが、これらに限定されない。
【0002】
このシステムは、処置すべき皮膚にエネルギ通路に沿って光エネルギのパルスを放射するハウジングハウジング内に設けられている発光源を含んでいる。広範囲の種々のシステムは、強力なパルス光を用いるシステムを含んで存在しており、このシステムによって、閃光ランプが光エネルギの強力なパルス光(IPL)を放射するように、コンデンサーがキセノンフラッシュランプに放電される。放出されるエネルギの波長は、0nm付近から2000nmまで及んでいる。皮膚に約500nm未満の波長を有する光エネルギが有害であることに問題が存在し、従って、公知の装置は、このような光エネルギが皮膚を通過するのを防ぐためにフィルタを用いている。それより短い波長は、皮膚に高度に吸収され、浸透深さが短くなる。更に、UV波長は、皮膚に有害であり、やけどや潜在的な癌を引き起こす。有害な波長を吸収する吸収フィルタや、有害な波長を反射するダイクロイックフィルタを含む種々の利用可能なフィルタがある。いずれの場合も、有害な波長が皮膚に接触するのが防止される。
【0003】
しかし、問題は公知のフィルタにも存在する。公知のフィルタは、光エネルギによって引き起こされる温度の著しい上昇によって引き起こされた機械的ストレスによるクラッキングの影響を受けやすい。この問題は、平均的な光パワー出力が増加するにつれて増加する。即ち、一定のパルスエネルギでは、パルス間の時間が短くなるので、フィルタを通過する光エネルギの量が増加し、フィルタが冷却するのに利用される時間が短くなる。パルス間の時間感覚が短くなることは、家庭で使用する製品には望ましい。これは、処理時間全体を短くし、有用性を改善する。
【0004】
従って、迅速で有効に使用し易い専門的な訓練を必要とすることなく安全に使用することができる装置を提供することが望ましい。
【0005】
本発明によれば、
ハウジングと、
装置の外部へのエネルギ通路に沿って光エネルギを放射するように前記ハウジング内に設けられた発光源と、
装置の外部に通じる光エネルギをフィルタリングし、エネルギ通路を横切って跨がるように組み合わさる少なくとも第1と第2の光エネルギフィルタリング部分を有するフィルタ装置とから成っている
皮膚科的な処置を行う発光装置が提供される:
【0006】
2つ以上のエネルギフィルタリングを用いてもよいことが理解されるであろう。このフィルタ装置の光フィルタリング部分は、470−650nmの範囲に、一層好ましくは、510nmのカットオン値を有するのが好ましい。
【0007】
このカットオン値は、光の波長が通過するのを妨げるそれ以下の値を意味する。
【0008】
この発光デバイス装置は、強力なパルス光(IPL)装置である。この光源は、有益には、閃光ランプであり、好適な閃光ランプは、キセノンフラッシュランプである。
【0009】
このフィルタ装置は、吸収フィルタ及び/又はハイパスフィルタと称される。
【0010】
本発明に関係していることが解った重要な利点は、装置がより高いパワー出力と短いパルス間隔で装置を実行することができるということであり、即ち、光エネルギの各パルス間の短い時間感覚で実行することができるが、その理由は、光フィルタリング部分の熱誘導ストレスが減少するにつれてフィルタ装置が一層高い温度に耐えることができることにある。この利点は、所謂「滑り(glide)」と称されるモードで装置を使用することができ、それによって装置を横切って移動させることができ、また光放射源は、一連のパルスを放射して処置速度を改善することができることである。
【0011】
多数の光エネルギフィルタリング部分を設けることによって、発生熱により各部分によって経験されるストレスが減少する。パワーの増加と動作の迅速化と関連する熱の増加は、第1の多数のフィルタ部分に順応され、従って、フィルタ装置は、全体として、一層高いエネルギ量に耐えることができる。先行技術の単一のピースフィルタは、一層高いストレスを受け、このような動作パラメーターの下ではクラックを発生する傾向がある。
【0012】
少なくとも第1と第2光フィルタリング部分を並べて配置するのがよい。少なくとも第1と第2光フィルタリング部分は、好ましくは、積み重ねられるのが有益である。
【0013】
少なくとも第1と第2光エネルギフィルタリング部分の各々は、相対するエッジ部分を含むことができる。相対するエッジ部分は相互に対面しているのが有益である。この相対するエッジ部分の各々は、フェース面を含んでいるのが有益である。これらのエッジ部分の深さ又は厚みは、それぞれ、少なくとも第1と第2フィルタ部分の厚みを形成しているのが好ましい。
【0014】
相対するエッジ部分は、衝合しているのが有益である。
【0015】
少なくとも第1と第2光フィルタリング部分は、エネルギ通路に対して直角の位置しているのが有益である。この少なくとも第1と第2光エネルギフィルタリング部分は、各々、発光源から放射される光エネルギに面する主フェース面を含んでいる。
【0016】
少なくとも第1と第2光エネルギフィルタリング部分の主フェース面は、実質的に平坦であるのが有益である。少なくとも第1と第2光エネルギフィルタリング部分は、同一平面上にあるのが有益である。
【0017】
少なくとも第1と第2光エネルギフィルタリング部分は、相対するエッジ部分に対して実質的に対称的であるのが有益である。
【0018】
エネルギ通路は、相対する側壁と、相対する側壁の間を延びる横断長さと、相対する上下壁の間で形成される幅とによって形成され、この場合、長さは、幅よりも大きく、少なくとも第1と第2光エネルギフィルタリング部分は、相対する側壁の間に跨っている。
【0019】
少なくとも第1と第2フィルタリング部分の縦方向の長さは、幅より大きい。
相対するエッジ部分は、相対する側壁間を延びているのが有益である。
【0020】
発光源からに放射される光エネルギは、外方に分岐するのが有益であり、また、最大エネルギ値の両側を減少するエネルギ通路を横切る軸線にエネルギプロフィールを形成し、この場合、装置は、最大エネルギ値を有する光が相対するエッジ部分を含むフィルタ装置の領域と接触するように、構成される。
【0021】
光エネルギの最大の集中がフィルタ装置で最大の温度を発生する光エネルギに関連する熱プロフィールがあることが解った。従って、光エネルギは、第1と第2のフィルタ部分がクラッキングを生ずる機会を最小限にするために、第1と第2の光エネルギフィルタリング部分の相対するエッジ部分に焦点を合わせるべきである。
【0022】
フィルタ装置は、ハウジング内に保持されるのが好ましく、またフィルタ装置は、ハウジング内の一定位置に保持されてもよい。装置は、有益には、ポータブルで手で保持されるのが有益である。
【0023】
フィルタ装置は、一定の相対的位置で少なくとも第1と第2の光エネルギフィルタリング部分を受け取り保持するフレームを含んでいるのが好ましい。第1と第2の光エネルギフィルタリング部分は、更に、二色姓のコーティングを含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、以下の添付図面を参照して例示的に説明する。
図1】本発明の典型的な実施例による装置の概略斜視図である。
図2】本発明の典型的な実施例によるハンドセットの概略横断斜視図である。
図3図3a乃至3cは、本発明の典型的な実施例によるフィルタ装置の概略図である。
【0025】
図1を参照すると、本発明の典型的な実施例による装置の概略が示されている。図示の装置は、アンビリカルケーブル(4)を介して充電モジュール(2)に接続されたハンドセット(6)を含む強力パルス光(IPL)装置である。一方、充電モジュール(2)は、矢印(8)によって表わされる主電源に接続されている。
【0026】
図2を参照すると、典型的な実施例によるハンドセットの構成要素を示すハンドセット(6)の横断面が示されている。ハンドセット(6)は、充電モジュール(2)へ接続するためのコネクター(10)を含んでいる。キセノンフラッシュランプ(12)の形態の閃光ランプが設けられており、このランプは、蓄電コンデンサー(14)によって駆動される。ランプ(12)からの光出力は、フィルタ装置(18)を経て前進し、反射器(16)によって焦点が合わされる。フィルタは、650nm乃至 470nmの範囲のカットオン波長を有するハイパスフィルターとすることができる。典型的には、有害な低波長が皮膚を通過することができないことを保証するために、フィルタは、約510nmにカットオンを有する。
【0027】
フィルタ(18)を通り抜けた光エネルギは、マウス(20)から出る装置の出力である。1つ以上の皮膚接触/皮膚トーンセンサー(22)がマウス(20)に隣接するハンドセットの前端に設けられている。このような皮膚接触/トーンセンサー(22)は、コントロールPCB(24)の形態を有するコントローラと接続しており、有効な皮膚接触/トーンの読み取りを受けない限り、装置の動作を防止している。
【0028】
ランプ(12)によって発生する著しい量の熱により、冷却ファン(26)が設けられていてハンドセットに空気を引き込んでランプを冷却している。熱風は、エアダクト(28)を通して出力され、出口(30)からハンドセットを出る。更に他の構成要素は、装置を動作するためにボタン(32)の形態のユーザが操作可能なアクチュエーターを含んでおり、また、ハンドセットの前端が皮膚に接しているか皮膚に接近していることを示す皮膚接触指示ライト(34)が設けられている。
【0029】
フィルタ装置は、図2に示されており、このフィルタ装置は、ランプ(12)とマウス(20)との間を延びるエネルギ通路に設けられている。このフィルタ装置(18)は、エネルギ通路に位置決めされているのが分かり、典型的な実施例では、装置の外部に通過する光エネルギをフィルタリングするために、エネルギ通路を横切って跨がるように一体に結合する第1と第2の光エネルギフィルタリング部分(18a、18b)を有する。追加の光エネルギフィルタリング部分を用いてもよい。フィルタリング部分の数を増加すると、各フィルタリング部分は、それぞれ、寸法が有効に縮小される。従って、閃光ランプからの同じ入力に対して、フィルタリング部分が受ける熱ストレスが小さくなる。
【0030】
図3aを参照すると、第1と第2の光エネルギフィルタリング部分(18a、18b)がある。第1と第2の光をフィルタリング部分(18a、18b)は、並んで示されており、第1の光エネルギフィルタリング部分(18a)の上に第2の光エネルギフィルタリング部分が積み重ねられている。第1と第2の光エネルギフィルタリング部分(18a、18b)が衝合しているのが示されており、それによって相対するエッジ部分が有効に相互に対面し、また相互に突き合せられている。相対するエッジ部分は、符号(40)で示されている。第1と第2の光フィルタリング部分(18a、18b)は、発光源から放射される光エネルギに対面する前面を形成する主フェース面(42a、42b)をそれぞれ有する。ともに、フェース面(42)は、実質的に平面である。フィルタ装置(18)は、衝合線(40)に対して対称的とすることができる。しかし、更に、重要なことであるが、放射光エネルギに関連する最大エネルギは、第1と第2の光フィルタリング部分(18a、18b)間の衝合線上で焦点合わせされることは有益なことである。発光源(12)から放射された光エネルギに関連する熱プロフィールは、最大エネルギ値から外方に縮小するエネルギプロフィールを有する傾向がある。従って、同様の熱のプロフィールも明らかであり、最高温度の光エネルギが光フィルタリング部分(18a、18b)の相対するエッジ部分の間で遮断される際に焦点合わせされるのを保証することにより、熱誘導ストレスが減少する。
【0031】
第1と第2の光フィルタリング部分(18a、18b)の間を通過する光エネルギがフィルタリングされないことを防止するために、第1と第2の光フィルアリング部分(18a、18b)は、相互に十分に接近していなければならないことは、認識されることと思う。図3bを参照すると、第1と第2の光フィルタリング部分がハンドセット(6)の上下に対して並んで位置決めされるように、フィルタ装置が構成されるのがよいことは理解されるであろう。しかし、この実施例において、幅が高さより大きい場合には、図3aに示す実施例よりも効率が悪いが、熱誘導ストレスが減少する。
【0032】
図3cを参照すると、他の実施例が示されている。この実施例では、相対するエッジ部分は平面てきではなく、熱誘導ストレスを更に減少し、一層高いエネルギ量での動作を許す。
【0033】
図3dを参照すると、図3で示された実施例が示されており、この実施例では、第1と第2の光フィルタリング部分(18a、18b)は、組み立てを補助するために、ハウジング又はフレーム(44)内に保持されている。
【0034】
本発明は、例示的にのみ説明されており、添付の特許請求の範囲によって付与された保護の範囲を逸脱することなく、種々の変更及び変形をすることができることは当業者に理解されることと思う。
図1
図2
図3