(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記噛みごたえのある菓子基材が、グミ、ゼリー、デンプンベースのゼリー、ペクチンベースのゼリー、カラギーナンベースのゼリー、コンニャクベースのゼリー、タピオカベースのゼリー、アラビアゴムベースのゼリー、トラガカントガムベースのゼリー、寒天ベースのゼリー、ジェランベースのゼリー、ワインガム菓子、ガムドロップ、リコリス、低煮沸菓子、キャラメル、ヌガー、ファッジ、トフィー、タフィー、チューインガム、バブルガム、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載の製品。
前記噛みごたえのある菓子基材が、グミ、ゼリー、デンプンベースのゼリー、ペクチンベースのゼリー、カラギーナンベースのゼリー、コンニャクベースのゼリー、タピオカベースのゼリー、アラビアゴムベースのゼリー、トラガカントガムベースのゼリー、寒天ベースのゼリー、又はジェランベースのゼリーである、請求項1に記載の製品。
前記糖類が、スクロース(糖)、デキストロース/グルコース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、ラクトース、又はこれらの組み合わせであり、前記糖アルコールが、エリスリトール、ガラクチトール、イソマルト(水素付加イソマルツロース)、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール等、又はこれらの組み合わせである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製品。
前記微粒子コーティング組成物が、前記2種類の食感を有する菓子製品の総重量に基づいて、約7〜約50重量%、約10〜約40重量%、具体的には約15〜約35重量%、より具体的には約20〜約30重量%、更により具体的には約20〜約25重量%の量で存在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製品。
前記第2の微粒子コーティング組成物が、前記第2の微粒子コーティング組成物の総重量に基づいて約5〜約35重量%、又は前記微粒子コーティング組成物の総重量に基づいて約1〜約15重量%の量の前記食品酸を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製品。
前記食品酸が、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、又はこれらの組み合わせであり、
前記食品酸が、カプセル封入されていないか、カプセル封入されているか、又はカプセル封入された食品酸とカプセル封入されていない食品酸との組み合わせである、請求項1に記載の製品。
前記2種類の食感を有する菓子製品が、歯ごたえのある食感属性を有し、それにより前記製品が、実施例2に記載される試験方法に従って食感分析器で試験したときに、10を超える、具体的には20を超える、より具体的には30を超える(上限は40)標準偏差を有する合計平均力を呈し、前記力が、0.2〜1mmのプローブ貫入又は0.6mmのプローブ貫入のいずれかで測定される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製品。
噛みごたえのある菓子組成物基材の表面の少なくとも一部分上又は前記中間製品の表面の少なくとも一部分上に粘着性表面を形成することが、前記表面を水蒸気に曝露すること、結合剤溶液を前記表面に適用すること、又はこれらの組み合わせによって実施される、請求項12に記載の方法。
前記噛みごたえのある菓子基材が、グミ、ゼリー、デンプンベースのゼリー、ペクチンベースのゼリー、カラギーナンベースのゼリー、コンニャクベースのゼリー、タピオカベースのゼリー、アラビアゴムベースのゼリー、トラガカントガムベースのゼリー、寒天ベースのゼリー、ジェランベースのゼリー、ワインガム菓子、ガムドロップ、リコリス、低煮沸菓子、キャラメル、ヌガー、ファッジ、トフィー、タフィー、チューインガム、バブルガム、又はこれらの組み合わせである、請求項12又は13に記載の方法。
前記噛みごたえのある菓子基材が、グミ、ゼリー、デンプンベースのゼリー、ペクチンベースのゼリー、カラギーナンベースのゼリー、コンニャクベースのゼリー、タピオカベースのゼリー、アラビアゴムベースのゼリー、トラガカントガムベースのゼリー、寒天ベースのゼリー、又はジェランベースのゼリーである、請求項12又は13に記載の方法。
前記糖類が、スクロース(糖)、デキストロース/グルコース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、ラクトース、又はこれらの組み合わせであり、前記糖アルコールが、エリスリトール、ガラクチトール、イソマルト(水素付加イソマルツロース)、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール等、又はこれらの組み合わせである、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
前記1の微粒子コーティング組成物、前記第2の微粒子コーティング組成物、又はこれらの組み合わせが、前記第1の微粒子コーティング組成物、前記第2の微粒子コーティング組成物、又はこれらの組み合わせ中に、食品酸若しくはその塩、着色剤、風味剤、高甘味度甘味料、感覚惹起剤、風味調節剤若しくは増強剤、機能性成分、果汁成分、又はこれらの組み合わせを更に含む、請求項12〜17のいずれか一項に記載の方法。
前記第1及び第2の微粒子コーティング組成物の前記組み合わせが、前記2種類の食感を有する菓子製品の総重量に基づいて、約7〜約50重量%、約10〜約40重量%、具体的には約15〜約35重量%、より具体的には約20〜約30重量%、更により具体的には約20〜約25重量%の量で存在する、請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法。
前記第2の微粒子コーティング組成物が、前記第2の微粒子コーティング組成物の総重量に基づいて約5〜約35重量%、又は前記微粒子コーティング組成物の総重量に基づいて約1〜約15重量%の量の前記食品酸を含む、請求項12〜19のいずれか一項に記載の方法。
前記食品酸が、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、又はこれらの組み合わせであり、
前記食品酸が、カプセル封入されていないか、カプセル封入されているか、又はカプセル封入された食品酸とカプセル封入されていない食品酸との組み合わせである、請求項13〜20のいずれか一項に記載の方法。
前記2種類の食感を有する菓子製品が、例えば、実施例2に記載される試験方法に従って食感分析器で試験したときに、前記製品に1mm貫入するのに必要な平均力が、前記微粒子コーティングを含まない前記噛みごたえのある菓子基材に貫入するのに必要な力の少なくとも3倍であるような食感属性を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製品。
前記2種類の食感を有する菓子製品が、例えば、実施例2に記載される試験方法に従って食感分析器で試験したときに、前記製品に1mm貫入するのに必要な最大力が、少なくとも50グラム、具体的には少なくとも60グラム、より具体的には少なくとも70グラム、更により具体的には少なくとも80グラム又はなおも更により具体的には少なくとも90グラムであるような食感属性を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製品。
前記2種類の食感を有する菓子製品が、前記製品を咀嚼するときに、咀嚼持続時間の少なくとも50%の時間、具体的には60%超、より具体的には前記咀嚼持続時間の75%以上の時間、更により具体的には前記咀嚼持続時間の100%の時間にわたって持続する、歯ごたえのある感覚属性を提供する、請求項1〜11又は22〜23のいずれか一項に記載の製品。
咀嚼したときに、前記2種類の食感を有する菓子製品が、前記第1の微粒子コーティング組成物を含まない又は前記微粒子コーティングを含まない対応する製品と比較して、消費者の歯に付着することが少ない、請求項1〜11又は22〜24のいずれか一項に記載の製品。
【発明を実施するための形態】
【0013】
2種類の食感を有する菓子製品であって、表面と微粒子コーティングとを含む噛みごたえのある菓子基材であって、微粒子コーティングが、菓子基材の表面を少なくとも部分的にコーティングする、噛みごたえのある菓子基材を含む、2種類の食感を有する菓子製品が、本明細書において開示され、噛みごたえのある菓子基材は、製品が咀嚼されたときに噛みごたえのある食感を与え、微粒子コーティングは、製品が咀嚼されたときに歯ごたえのある食感を付与し、微粒子コーティングは、歯ごたえのある食感(感覚属性)が、咀嚼時間の少なくとも50%の時間、具体的には60%超、より具体的には咀嚼時間の75%以上にわたって、製品が消費された時点である咀嚼時間の合計時間(100%)の時間まで継続するのに十分に大きい粒径を有する微粒子を含有する。
【0014】
微粒子コーティングは、マルチモーダルな粒径分布を有し得る。すなわち、粒径分布は、1つより多くのモード、例えば、少なくとも2つのモード又は2つ以上のモードを有する。微粒子コーティングは、第1の微粒子コーティング組成物及び第2の微粒子コーティング組成物から作製することができ、第1の微粒子コーティング組成物の粒径は、第2の微粒子コーティング組成物の粒径よりも大きい。驚くべきことに、2種類の食感を有する菓子製品は、第1の微粒子コーティング組成物(すなわち、より大きなサイズの微粒子)を含まないか、又は微粒子コーティングを全く含まない対応する製品と比較して、消費者によって咀嚼されたときに、歯及び歯科矯正装置に対するべたつきが少ない(すなわち、付着性が低減される)という利点を有することが更に見出された。「第1の微粒子コーティング組成物を含まない対応する製品」は、その製品が、2種類の食感を有する菓子製品と同じ基材物質から作製されるが、第1の微粒子コーティング組成物(すなわち、より大きなサイズの微粒子)から作製された微粒子コーティングを含有しないが、本明細書に記載されるように、第2の微粒子コーティング組成物(すなわち、より小さいサイズの微粒子)の微粒子コーティングを含有してもよい。
【0015】
理論に束縛されるものではないが、より大きなサイズの微粒子は、噛みごたえのある菓子が、消費者の歯の表面に付着するのを防ぎ、噛みごたえのある菓子が、歯間の間隙に詰まるのを防ぐことが理論化されている。歯間の間隙に詰まる噛みごたえのある菓子の量が低減されるため、2種類の食感を有する菓子製品は、咀嚼することがより容易である。すなわち、消費者が製品を噛むと、噛みごたえのある菓子は、第1の微粒子コーティングを含まない対応する製品ほど歯の中及び歯の周りに衝撃が与えられないため、顎を引き離すことがより容易である。
微粒子コーティング組成物
【0016】
一般に、微粒子コーティング組成物は、結晶性糖類、非晶質糖類、結晶性糖アルコール、非晶質糖アルコール、ノンパレル、又はこれらの組み合わせの複数の微粒子を含む。ある実施形態では、微粒子は、結晶性物質である。微粒子コーティング組成物中に存在し得る追加の成分としては、本明細書において更に記載されるように、微粒子食品酸若しくはその塩、着色剤粉末、光沢剤を含む着色剤フレーク、風味剤、風味調節剤若しくは増強剤、感覚惹起剤、機能性成分、高甘味度甘味料、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、各個々の追加成分又は追加成分の組み合わせは、カプセル封入されているか、又はカプセル封入されていない(若しくは「遊離」している)。1つより多くの成分が使用される場合、微粒子コーティング組成物は、カプセル封入された成分又はカプセル封入されていない成分の任意の組み合わせを含有してもよい。
【0017】
糖類微粒子としては、単糖類、二糖類及び多糖類、例えば、スクロース(糖)、デキストロース/グルコース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、又はこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。この実施形態では、糖類微粒子は、結晶性スクロース(糖)を含む結晶性であり得る。
【0018】
本明細書で使用するとき、「糖アルコール」という用語は、「糖ポリオール」と同義である。糖アルコール微粒子は、エリスリトール、ガラクチトール、イソマルト(水素付加イソマルツロース)、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール等、又はこれらの組み合わせであり得る。この実施形態では、糖アルコール微粒子は、結晶性であり得る。
【0019】
結晶性糖類又は結晶性糖アルコール微粒子がコーティングに使用される場合、コーティングは半透明であり、コーティングを通して基材の下にある色が見えるようにする。
【0020】
微粒子コーティング組成物中で使用され得る食品酸又はその塩としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、又はこれらの組み合わせ、及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、クエン酸ナトリウム二水和物)が挙げられる。ある実施形態では、微粒子コーティング組成物は、クエン酸、乳酸、酒石酸、又はフマル酸の酸ブレンドなどの2つ以上の酸を含む酸ブレンドを含むことができる。ある実施形態では、微粒子コーティング組成物は、クエン酸、乳酸、及び酒石酸を含む。別の実施形態では、微粒子コーティング組成物は、クエン酸、及び酒石酸を含む。更に別の実施形態では、微粒子コーティング組成物は、酒石酸を含む。
【0021】
微粒子コーティング組成物中の粒子の粒径は、咀嚼したときに、歯ごたえのある食感を製品に提供するように選択することができる。例示的な粒径は、標準サイズの結晶性スクロースの粒径よりも大きい。好適に大きな粒径としては、例えば、微粒子の少なくとも50重量%が、500マイクロメートルよりも大きく、3350マイクロメートルよりも小さい、具体的には、微粒子の少なくとも50重量%が、600マイクロメートルよりも大きく、2360マイクロメートルよりも小さい、より具体的には、微粒子の少なくとも50重量%が、710マイクロメートルよりも大きく、2000マイクロメートルよりも小さい、更により具体的には、微粒子の少なくとも50重量%が、850マイクロメートルよりも大きく、1700マイクロメートルよりも小さい、なおも更により具体的には、微粒子の少なくとも50重量%が、1000マイクロメートルよりも大きく、1400マイクロメートルよりも小さい粒径分布を有する微粒子が挙げられる。
【0022】
一実施形態では、大きな粒径物質は、物質の30〜80重量%が、1180マイクロメートルよりも大きい粒径を有し、任意選択で更に0〜15重量%が、1700マイクロメートルよりも大きい粒径を有する、粒径分布を有する。別の実施形態では、大きな粒径物質は、物質の30〜65重量%が、1180マイクロメートルよりも大きく、1700マイクロメートルよりも小さい粒径を有し、任意選択で更に0〜15重量%が、1700マイクロメートルよりも大きい粒径を有する、粒径分布を有する。これらの実施形態では、粒径は、ふるい分析によって決定することができる。
【0023】
別の実施形態では、大きな粒径物質は、物質の35〜85重量%が、1700マイクロメートルよりも大きい粒径を有し、任意選択で更に0〜30重量%が、850マイクロメートルよりも大きく、1180マイクロメートルよりも小さい粒径を有し、15重量%以上が、1180マイクロメートルよりも大きく、1700マイクロメートルよりも小さい粒径を有する、粒径分布を有する。この実施形態では、粒径は、ふるい分析によって決定することができる。
【0024】
ある実施形態では、第1の微粒子コーティング組成物は、本明細書に記載される大きな粒径を有する糖アルコール又は糖類微粒子を含み、これは、ふるい分析、レーザー回折等の当該技術分野における任意の好適な技法によって測定することができる。
【0025】
第1の微粒子コーティング組成物よりも小さい粒径を有する第2の微粒子コーティング組成物を使用することができ、これは、ふるい分析、レーザー回折等の当該技術分野における任意の好適な技法によって測定することができる。ある実施形態では、第1の微粒子コーティング組成物中の糖アルコール又は糖類微粒子の粒径は、第2の微粒子コーティング組成物の糖アルコール又は糖類微粒子の粒径の少なくとも1.5倍、又は約2倍、又は約3倍、又は約3.5倍、又は約4倍であり、バイモーダルな粒径分布を有する微粒子コーティングを有する製品をもたらす。
【0026】
第2の微粒子コーティング組成物は、より小さい粒径を有する糖アルコール又は糖類微粒子を含み得る。本明細書に記載される第2の微粒子コーティング組成物(例えば、食品酸)に含まれ得る他の成分もまた、より小さい粒径要件を満たすことができる。例示的な粒径は、上記の大きな粒径よりも小さい。第2の微粒子コーティング組成物の好適なより小さい粒径としては、例えば、微粒子の少なくとも50重量%が、20マイクロメートルよりも大きく、1000マイクロメートルよりも小さい、具体的には、微粒子の少なくとも50重量%が、100マイクロメートルよりも大きく、900マイクロメートルよりも小さい、より具体的には、微粒子の少なくとも50重量%が、200マイクロメートルよりも大きく、800マイクロメートルよりも小さい、更により具体的には、微粒子の少なくとも50重量%が、300マイクロメートルよりも大きく、700マイクロメートルよりも小さい、なおも更により具体的には、微粒子の少なくとも50重量%が、400マイクロメートルよりも大きく、600マイクロメートルよりも小さい粒径分布を有する微粒子が挙げられる。
【0027】
一実施形態では、より小さい粒径物質は、物質の30〜75重量%が、425マイクロメートルよりも大きい粒径を有し、任意選択で更に0〜5重量%が、850マイクロメートルよりも大きい粒径を有する、粒径分布を有する。この実施形態では、粒径は、ふるい分析によって決定することができる。
【0028】
ある実施形態では、第1の微粒子コーティング組成物及び第2の微粒子コーティング組成物は、底部に回収パンを有する、1つのふるいの上により粗い網目のふるいを順次積み重ねた金網メッシュから構成された7つのふるいを使用して、ふるい分析によって決定される粒径を有する、糖アルコール又は糖類微粒子を含む。ふるい積重体は、米国標準ふるい#12(1700マイクロメートル)、#16(1180マイクロメートル)、#20(850マイクロメートル)、#30(600マイクロメートル)、#40(425マイクロメートル)、#50(300マイクロメートル)、及び#80(180マイクロメートル)を含有する。試験物質を秤量し、上部ふるいに入れる。試験物質の量は、約50〜約51グラムである。撹拌方法及び撹拌パラメータは、水平な円運動及び垂直なタッピング運動を有するW.S.Tyler Ro−Tap(登録商標)Model RX−29、8”直径試験ふるい、毎分278±10振動、1−1/8インチ×7/16インチ振動変位、毎分150±10タップ、微細物質設定、試験時間10分、及び周囲温度を使用した。入れ子状積重体を撹拌した後、各ふるい上に保持された残りの物質を秤量する。結果は、各ふるいサイズ範囲内の物質の重量パーセンテージとして報告される。本実施形態の方法は、「7ふるい法」と称される。
【0029】
ある実施形態では、第1の微粒子コーティング組成物の大きな粒径物質は、7ふるい法によって測定して、物質の7〜25重量%、具体的には10〜20重量%が、1700マイクロメートルよりも大きい粒径を有し、50〜90重量%、具体的には60〜80重量%が、1180マイクロメートルよりも大きく、1700マイクロメートルよりも小さい粒径を有し、5〜20重量%、具体的には8〜18重量%が、850マイクロメートルよりも大きく、1180マイクロメートルよりも小さい粒径を有する、粒径分布を有する。
【0030】
ある実施形態では、第1の微粒子コーティング組成物の大きな粒径物質は、7ふるい法によって測定して、物質の25〜55重量%、具体的には30〜50重量%が、1700マイクロメートルよりも大きい粒径を有し、35〜75重量%、具体的には45〜65重量%が、1180マイクロメートルよりも大きく、1700マイクロメートルよりも小さい粒径を有し、0〜5重量%、具体的には1〜3重量%が、850マイクロメートルよりも大きく、1180マイクロメートルよりも小さい粒径を有する、粒径分布を有する。
【0031】
ある実施形態では、第2の微粒子コーティング組成物のより小さい粒径物質は、7ふるい法によって測定して、3〜15重量%、具体的には5〜10重量%が、600マイクロメートルよりも大きく、850マイクロメートルよりも小さい粒径分布を有し、40〜80重量%、具体的には50〜70重量%が、425マイクロメートルよりも大きく、600マイクロメートルよりも小さい粒径を有し、15〜35重量%、具体的には20〜30重量%が、300マイクロメートルよりも大きく、425マイクロメートルよりも小さい粒径を有し、0〜5重量%が、180マイクロメートルよりも大きく、300マイクロメートルよりも小さい粒径を有する、粒径分布を有する。
【0032】
ある実施形態では、第2の微粒子コーティング組成物のより小さい粒径物質は、7ふるい法によって測定して、10〜30重量%、具体的には15〜25重量%が、600マイクロメートルよりも大きく、850マイクロメートルよりも小さい粒径を有し、30〜70重量%、具体的には40〜60重量%が、425マイクロメートルよりも大きく、600マイクロメートルよりも小さい粒径を有し、10〜30重量%、具体的には15〜25重量%が、300マイクロメートルよりも大きく、425マイクロメートルよりも小さい粒径を有し、0〜7重量%、具体的には2〜6重量%が、180マイクロメートルよりも大きく、300マイクロメートルよりも小さい粒径を有する、粒径分布を有する。
【0033】
基材上の微粒子コーティングは、連続的又は不連続的であってもよい。微粒子コーティングは、基材を完全に取り囲む、コーティングする、被覆する、又は封入することができる。代替的に、微粒子コーティングは、基材を部分的に取り囲む、コーティングする、又は被覆することができる。例えば、基材の単一の表面は、上面又は上面及び下面の両方などでコーティングされてもよい。なおも更に、表面は完全にコーティングされていなくてもよいが、単に部分的にコーティングされていてもよい。一実施形態では、基材は、微粒子コーティングで完全にコーティングされる。別の実施形態では、基材が明確に見えるように、基材の表面積の95%未満が、微粒子コーティングでコーティングされ、より具体的には、基材の表面積の90%未満が、微粒子コーティングでコーティングされる。この実施形態では、基材の表面積の少なくとも80%、具体的には少なくとも85%が、微粒子コーティングでコーティングされる。基材及び微粒子コーティングの色は、異なり得るか又は同じであり得、具体的には、それらは異なる。
【0034】
2種類の食感を有する菓子製品は、2種類の食感を有する菓子製品の総重量に基づいて、約7〜約50重量%、約10〜約40重量%、具体的には約15〜約35重量%、より具体的には約20〜約30重量%、更により具体的には約25〜約30重量%の微粒子コーティング組成物の総量を含み得る。
【0035】
第1及び第2の微粒子コーティング組成物が使用されるとき、2種類の食感を有する菓子製品は、2種類の食感を有する菓子製品の総重量に基づいて、約8〜約30重量%、具体的には約10〜約28重量%、より具体的には約12〜約26重量%、更により具体的には約15〜約25重量%の量の第1の微粒子コーティング組成物を含み得る。
【0036】
第1及び第2の微粒子コーティング組成物が使用されるとき、2種類の食感を有する菓子製品は、2種類の食感を有する菓子製品の総重量に基づいて、約2〜約25重量%、具体的には約3〜約20重量%、より具体的には約5〜約15重量%、更により具体的には約7〜約12重量%の量の第2の微粒子コーティング組成物を含み得る。
【0037】
ある実施形態では、微粒子コーティング組成物は、微粒子コーティング組成物の総重量に基づいて、約1〜約15重量%、具体的には約2〜約10重量%、より具体的には約3〜約9重量%の量で食品酸又はその塩を含む。ある実施形態では、第2の微粒子コーティング組成物は、第2の微粒子コーティング組成物の総重量に基づいて、約5〜約35重量%、具体的には約10〜約30重量%、より具体的には約15〜約25重量%の量の食品酸を含む。
【0038】
ある実施形態では、微粒子コーティング組成物は、結晶性糖類微粒子及び食品酸又はその塩を含む。
【0039】
ある実施形態では、微粒子コーティング組成物は、結晶性糖アルコール微粒子及び食品酸又はその塩を含む。
コーティングの方法
【0040】
2種類の食感を有する菓子製品を作製する方法は、噛みごたえのある菓子組成物基材の粘着付与された表面に微粒子コーティング組成物を適用することを含む。この表面は、蒸気、熱、水の適用、結合剤溶液の適用又はこれらの組み合わせを使用して粘着付与され得る。一実施形態では、噛みごたえのある菓子組成物基材の表面は、蒸気を使用して粘着付与される。特定の実施形態では、2種類の食感を有する菓子製品は、蒸気又は水の適用のみを使用して調製され、具体的には、結合剤溶液、食用糊又は微粒子コーティング組成物を基材に付着させるための他の物質を使用しないことにより、結果として得られる2種類の食感を有する菓子製品は、結合溶液、食用糊剤等を含まない。
【0041】
コーティングプロセスは、微粒子コーティング組成物の単回適用、又は同じ若しくは異なる微粒子コーティング組成物の2回以上の適用、任意選択で前述のような1つ以上の粘着付与工程を伴い得る。
【0042】
一実施形態では、2種類の食感を有する菓子製品を製造する方法は、噛みごたえのある菓子組成物基材の表面の少なくとも一部分上に粘着性表面を形成することと、第1の微粒子コーティング組成物を粘着性表面の少なくとも一部分に適用して、表面を含む中間製品を形成することと、中間製品の表面の少なくとも一部分上に粘着性表面を形成することと、第2の微粒子コーティング組成物を粘着性表面の少なくとも一部分に適用して、2種類の食感を有する菓子製品を形成することと、を含む。この実施形態では、第1の微粒子コーティング組成物は、本明細書に記載される粒径を有する糖類微粒子、糖アルコール微粒子又はこれらの組み合わせを含み得る。更にこの実施形態では、第2の微粒子コーティング組成物は、本明細書に記載される粒径を有する糖類微粒子、糖アルコール微粒子又はこれらの組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、粘着性表面を形成することは、噛みごたえのある菓子組成物基材の表面を粘着性にするために、蒸気を使用して達成される。
【0043】
別の実施形態では、2種類の食感を有する菓子製品を作製する方法は、噛みごたえのある菓子組成物基材の表面の少なくとも一部分上に粘着性表面を形成することと、第1の微粒子コーティング組成物を粘着性表面の少なくとも一部分に適用して、表面を含む中間製品を形成することと、中間製品の表面の少なくとも一部分上に粘着性表面を形成することと、第2の微粒子コーティング組成物を粘着性表面の少なくとも一部分に適用して、2種類の食感を有する菓子製品を形成することと、を含み、この2種類の食感を有する菓子製品は、マルチモーダルな粒径分布を有する微粒子コーティングを有し、微粒子コーティングは、第1の微粒子コーティング組成物及び第2の微粒子コーティング組成物で構成される。この実施形態では、第1の微粒子コーティング組成物は、微粒子の少なくとも50重量%が、500マイクロメートルよりも大きく、3350マイクロメートルよりも小さい粒径分布を有する、糖微粒子、糖アルコール微粒子、又はこれらの組み合わせを含み得、第2の微粒子コーティング組成物は、微粒子の少なくとも50重量%が、20マイクロメートルよりも大きく、1000マイクロメートルよりも小さい粒径分布を有する、糖類微粒子、糖アルコール微粒子、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0044】
ある実施形態では、2種類の食感を有する菓子製品の調製は、表面を含む菓子組成物基材を形成する工程と、菓子組成物基材表面の少なくとも一部分を蒸気処理に曝露して、表面を粘着性にすることと、微粒子コーティング組成物を粘着性表面の少なくとも一部分に適用して、2種類の食感を有する菓子製品を形成することと、任意選択で更に、製品を包装することと、を含む。適用工程及びコーティング工程は、個々の菓子片上又は後に個々の菓子片に加工することができる菓子シート上で実施され得る。
【0045】
別の実施形態では、2種類の食感を有する菓子製品の調製は、表面を含む菓子組成物基材を形成する工程と、菓子組成物基材表面の少なくとも一部分を第1の蒸気処理に曝露して、表面を粘着性にする工程と、第1の微粒子コーティング組成物を粘着性表面の少なくとも一部分に適用して、表面を含む中間製品を形成する工程と、中間製品表面の少なくとも一部分を第2の蒸気処理に曝露して、表面を粘着性にする工程と、第2の微粒子コーティング組成物を粘着性表面の少なくとも一部分に適用して、2種類の食感を有する菓子製品を形成する工程と、任意選択で、製品を更に包装する工程と、を含む。
【0046】
代替実施形態では、蒸気を使用して粘着性表面を形成する代わりに、結合剤溶液が使用される。結合剤溶液は、糖類シロップ、糖アルコールシロップ又はヒドロコロイド溶液(例えば、アラビアゴム溶液)を含むことができ、これは、噛みごたえのある菓子組成物基材の表面に適用されて、それを粘着性にする。結合剤溶液は、噴霧、浸漬、塗装、圧延、押出、パニング、又は他の同様の手段などのプロセスを使用して、表面に適用することができる。
【0047】
代替アプローチは、微粒子コーティング組成物を適用する前に、噛みごたえのある菓子組成物基材の表面を加熱して、表面を軟化させ、粘着性にすることである。
【0048】
一旦2種類の食感を有する菓子製品が形成されると、当該技術分野において既知のプロセス及び包装を使用して、任意選択で調整され、任意選択で更に包装され得る。
噛みごたえのある菓子基材
【0049】
噛みごたえのある菓子基材は、任意の菓子組成物、具体的には歯ごたえのある食感以外の食感を与える菓子組成物、具体的には噛みごたえのある食感を与えるものから調製することができる。好適な噛みごたえのある菓子としては、例えば、グミキャンディ又は「グミ」、ゼリー菓子、例えばデンプンベースのゼリー、ペクチンベースのゼリー、カラギーナンベースのゼリー、コンニャクベースのゼリー、タピオカベースのゼリー、アラビアゴムベースのゼリー、トラガカントガムベースのゼリー、寒天ベースのゼリー、ジェランベースのゼリー、ワインガム菓子、ガムドロップ、リコリス、噛みごたえのある菓子、低煮沸菓子、キャラメル、ヌガー、ファッジ、トフィー、タフィー、チューインガム、バブルガム等が挙げられる。
【0050】
本明細書で使用するとき、「グミ」キャンディ又は「グミ」は、唯一の食感付与剤としてゼラチンから調製された噛みごたえのあるキャンディ、又はゼラチンと追加の食感付与剤との組み合わせである。本明細書で使用するとき、「ゼリー」キャンディ又は「ゼリー」は、ゼラチン以外の食感付与剤から調製された噛みごたえのあるキャンディである。
【0051】
特定の噛みごたえのある菓子基材物質は、グミ又はゼリー菓子である。
【0052】
グミ及びゼリー菓子の基礎は、一般に、バルク甘味料とバルク甘味料シロップとの組み合わせ、更には食感付与剤である。バルク甘味料/バルク甘味料シロップの組み合わせの例としては、糖類/糖類シロップ(例えば、糖/グルコースシロップ)の組み合わせ、糖アルコール/糖アルコールシロップの組み合わせ、又は糖類/糖アルコールの組み合わせが挙げられる。
【0053】
噛みごたえのある菓子において使用するための例示的なバルク甘味料としては、単糖類、二糖類及び多糖類などの糖類、例えば、スクロース(糖)、デキストロース/グルコース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、ラクトース、転化糖、フラクトオリゴ糖シロップ、部分的に加水分解されたデンプン、コーンシロップ固体、例えば、高フルクトースコーンシロップ、グルコースシロップ、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。更なる例示的な無糖バルク甘味料は、糖アルコール又は糖アルコールシロップ、例えば、エリスリトール、ガラクチトール、水素付加イソマルツロース(イソマルト)、水素付加デンプン加水分解物、ラクチトール、マルチトール、マルチトールシロップ、マンニトール、ポリグリシトール、ソルビトール、ソルビトールシロップ、キシリトール又はこれらの組み合わせであり得る。
【0054】
食感付与剤は、植物滲出液、シードガム及び海藻抽出物などの天然に存在する物質を含み得るか、又はそれらは、セルロース、デンプン若しくは天然ガム誘導体などの化学的に変性された物質であり得る。食感付与剤は、アカシアガム/アラビアガム、寒天、アルギネート、細菌ガム(例えば、ジェランガム)、βグルカン、カラギーナン、キトサン、カードラン、フラセララン、ガラクトマンナン、ゼラチン、ジェランガム、グアーガム、ガティガム、カラヤガム、コンニャクキシログルカン、ローカストビーンガム、変性セルロース、変性天然ガム、変性デンプン、ペクチン、デンプン、タマリン、トラガカントガム、キサンタンガム又はこれらの組み合わせであってもよい。加えて、いくつかの実施形態では、変性天然ガムは、アルギン酸プロピレングリコール、カルボキシメチルローカストビーンガム、低メトキシルペクチン又はこれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、変性セルロースは、カルボキシメチルセルロース(carboxymethlcellulose、CMC)、エチルセルロース(ethylcellulose、MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropylcellulose、HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose、HPMC)、微結晶性セルロース、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0055】
食感付与物質は、バルク甘味料の組み合わせと混合する前に、望ましくは、水に溶解されるか、又は別様に水和されてもよい。ペクチンなどのヒドロコロイドが、ゼラチン化剤として使用される場合、乾燥混合物を水に添加する前に、望ましくは、ペクチンをバルク甘味料の一部分と乾燥混合する。
【0056】
ある実施形態では、グミ及びゼリー菓子組成物は、菓子組成物の総重量(任意のコーティングを除く)に基づいて、約35〜約75重量%の量の、バルク甘味料とバルク甘味料シロップとの組み合わせ、具体的には、菓子組成物の総重量(任意のコーティングを除く)に基づいて、約40〜約70重量%、更により具体的には、約45〜約65重量%の、バルク甘味料とバルク甘味料シロップとの組み合わせを含有し得る。
【0057】
ある実施形態では、グミ及びゼリー菓子組成物は、菓子組成物の総重量(任意のコーティングを除く)に基づいて、約0.01〜約25重量%の量で食感付与剤、具体的には、菓子組成物の総重量(任意のコーティングを除く)に基づいて、約1〜約15重量%、更により具体的には約2〜約10重量%の食感付与剤を含有し得る。
【0058】
噛みごたえのある菓子基材は、食品酸若しくはその塩、着色剤粉末、光沢剤、風味剤、風味調節剤若しくは増強剤を含む着色剤フレーク、感覚惹起剤、機能性成分、高甘味度甘味料、果汁成分又はこれらの組み合わせを含む、1種以上の追加の成分を含有してもよい。いくつかの実施形態では、成分は、カプセル封入されているか、又はカプセル封入されていない(若しくは「遊離」している)。1つより多くの成分が使用される場合、噛みごたえのある菓子基材は、カプセル封入された成分又はカプセル封入されていない成分の任意の組み合わせを含有してもよい。
【0059】
噛みごたえのある菓子組成物において使用するのに適した食品酸としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸又はこれらの組み合わせ、及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、クエン酸ナトリウム二水和物)を挙げることができる。
【0060】
食品酸又はその塩は、菓子組成物の総重量に基づいて、約0.01〜約2.0重量%、具体的には約0.1〜約1.5重量%、より具体的には約0.3〜約1.0重量%の量で、菓子組成物中に存在し得る。
【0061】
使用され得る風味剤(風味料、風味付与剤)は、当該技術分野で既知の人工又は天然風味料、例えば、合成風味油、天然風味付与芳香族類及び/若しくは油、オレオレジン、植物、葉、花、果実等に由来する抽出物又はこれらの組み合わせを含む。非限定的な代表的な風味料は、スペアミント油、シナモン油、ウインターグリーン油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズク油、オールスパイス、セージ油、メース、苦扁桃油、ケイヒ油、及びレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツを含む柑橘油などの油;バニラ;リンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、熱帯果実、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤを含む果実エキス;はち蜜レモンなど;又はこれらの組み合わせを含む。特定の風味剤は、ペパーミント、スペアミントなどのミント、人工バニラ、シナモン誘導体、及び様々な果実風味料である。
【0062】
他の種類の風味剤としては、様々なアルデヒド及びエステル、例えば、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ、アニス)、ケイ皮アルデヒド(シナモン)、シトラール、即ち、α−シトラール(レモン、ライム)、ネラール、即ち、β−シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、即ち、ピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーなフルーツ様の風味)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性、多くの型)、デカナール(柑橘類)、アルデヒドC−8(柑橘類)、アルデヒドC−9(柑橘類)、アルデヒドC−12(柑橘類)、2−エチルブチルアルデヒド(液果)、ヘキセナール、即ち、トランス−2(液果)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、即ち、メロナール(メロン)、2,6−ジメチルオクタナール(青玉果)及び2−ドデセナール(柑橘類、マンダリン)が挙げられる。
【0063】
風味剤は、液体又は固体の形態で使用することができる。固体(乾燥)形態で使用する場合、油の噴霧乾燥などの好適な乾燥手段を使用することができる。代替的に、風味剤は、当該技術分野で既知の手段によって、水溶性物質、例えば、セルロース、デンプン、糖、マルトデキストリン、アラビアガム等にカプセル封入され、吸収され得る。
【0064】
甘味は、風味調節剤若しくは増強剤によって、及び/又は風味剤から、並びに甘味料から与えられ得る。風味増強剤は、それら自体の特徴的な味又は芳香知覚を導入することなく、元の物質の味又は芳香知覚を増強、補充、調節、又は向上させる物質からなり得る。風味調節剤は、別の成分の特徴を捕捉するか、又は打ち消す、それら自体の特徴を与え得る。いくつかの実施形態では、風味調節剤又は増強剤は、風味、甘味、酸味、旨味、こく味、塩味、又はこれらの組み合わせの知覚を増強、補充、調節、又は向上させるように設計され、含まれ得る。したがって、風味調節剤又は増強剤の添加は、製品全体の味に影響を与えることができる。例えば、風味料は、バニラ、バニリン、エチルマルトール、フルフアール、プロピオン酸エチル、ラクトン、又はこれらの組み合わせなどの、風味調節剤又は増強剤の包含により追加の甘味特色を有するように組み合わせることができる。
【0065】
例示的な風味調節剤又は増強剤は、グリチルリチン酸モノアンモニウム、カンゾウグリチルリチン酸塩、ダイダイ、アラピリダイン、アラピリダイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール)分子内塩、ミラクリン、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、シナリン、グルピリダイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、ネオテーム、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タガトース、トレハロース、マルトール、エチルマルトール、バニラ抽出物、バニラオレオレジン、バニリン、テンサイ抽出物(アルコール抽出物)、サトウキビ葉エキス(アルコール抽出物)、G−タンパク質連結受容体(T2R及びT1R)に応答する化合物、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、糖酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、重硫酸ナトリウム、又はこれらの組み合わせが使用される。他の実施形態では、グルタミン酸一ナトリウム、グルタミン酸一カリウムなどのグルタミン酸塩、加水分解植物性タンパク質、加水分解動物性タンパク質、酵母抽出物、又はこれらの組み合わせが含まれる。更なる例は、アデノシン一リン酸(AMP)、グルタチオン及びイノシン一リン酸等のヌクレオチド、イノシン酸二ナトリウム、キサントシン一リン酸、グアニル酸一リン酸、又はこれらの組み合わせを含む。こく味を与える風味増強剤組成物の更なる例はまた、Kurodaらによる米国特許第5,679,397号に包含される。
【0066】
本明細書で使用される風味調節剤、風味増強剤及び風味剤の量は、最終生成組成物の種類、個々の風味、用いられる菓子組成物、所望される風味の強さ及び成分の場所(コーティング、コア、又は両方)などの要素を対象とする好みの問題であり得る。したがって、風味料の量は、最終生成物において所望の結果を得るように変化し得、このような変化は、過度の実験をすることなく、当業者の能力の範囲内である。
【0067】
菓子組成物は、高甘味度甘味料を更に含有してもよい。本明細書で使用される「高甘味度甘味料」とは、スクロースの甘味より強い甘味を有する剤を意味する。いくつかの実施形態では、高甘味度甘味料は、1重量当たり、糖(スクロース)の甘味の少なくとも100倍、具体的には1重量当たり、糖の甘味の少なくとも500倍の甘味を有する。一実施形態では、高甘味度甘味料は、1重量当たり、糖の甘味の少なくとも1,000倍、より具体的には1重量当たり、糖の甘味の少なくとも5,000倍である。高甘味度甘味料は、水溶性甘味料、水溶性人工甘味料、天然に存在する水溶性甘味料に由来する水溶性甘味料、ジペプチドベースの甘味料、タンパク質ベースの甘味料、又はこれらの組み合わせを含む、広範囲の物質から選択され得る。特定の甘味料に限定されず、代表的な部類及び例としては、
水溶性甘味剤、例えば、ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、レバウジオシド、グリチルリジン、ジヒドロフラベノール、モナチン、及びL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミド、例えば、米国特許第4,619,834号に開示されるもの、又はこれらの組み合わせ;
水溶性人工甘味料、例えば、可溶性サッカリン塩、即ち、サッカリンナトリウム又はカルシウム塩、チクロ塩、アセスルファム塩、例えば、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム、アンモニウム、又はカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(Acesulfame−K)、サッカリンの遊離酸形、又はこれらの組み合わせ;ジペプチド系甘味料、例えば、L−アスパラギン酸由来甘味料、例えば、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)及び米国特許第3,492,131号で説明される物質、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリン及びL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン;L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、ネオテーム、又はこれらの組み合わせ;
天然水溶性甘味料由来の水溶性甘味料、例えば、ステビオシド及びステビア由来化合物、例えば、非限定的にステビオール配糖体、例えば、レバウジオシドAを含むレバウジオシドなど、羅漢果及び羅漢果由来化合物、例えば、イソ−モグロシドVなど、普通の糖(スクロース)の塩素化誘導体、例えば、クロロデオキシスクロース又はクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体などのクロロデオキシ糖誘導体、例えば、スクラロースの品名で知られているもの;(クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例としては、非限定的に、1−クロロ−1’−デオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド又は4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクト−フラノシド又は4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース;1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド又は4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド又は4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース;6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−y−β−D−フルクトフラノシド又は4,6,1’,6’−テトラクロロ4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクトスクロース;4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース又はこれらの組み合わせを含む);
タンパク質系甘味料、例えば、タウマッコスダニエリ、タリン、又はこれらの組み合わせ;並びに、
アミノ酸系甘味料、が挙げられる。
【0068】
高甘味度甘味料は、様々な明確な特徴の物理的形態、例えば、甘味の初期バースト及び/又は甘味の遅延性感覚を提供するために当該技術分野で既知の形態で使用することができる。これらに限定されることなく、このような物理的形態は、遊離形態(例えば、噴霧乾燥若しくは粉末化)、ビーズ化形態、カプセル封入形態、又はこれらの組み合わせを含む。
【0069】
チューインガム組成物において使用するための特定の高甘味度甘味料としては、アスパルテーム、ネオテーム、スクラロース、モナチン、アセスルファムカリウム、前述の高甘味度甘味料のカプセル封入形態、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0070】
菓子組成物中に存在する高甘味度甘味料の量は、菓子組成物の総重量に基づいて約0.01〜約6重量%、具体的には約1〜約3重量%であり得る。微粒子コーティング組成物中に存在する高甘味度甘味料の量は、微粒子コーティング組成物の総重量に基づいて約0.01〜約6重量%、具体的には約1〜約3重量%であり得る。
【0071】
菓子組成物、微粒子コーティング組成物又は両方は、感覚惹起剤を更に含むことができる。感覚惹起剤は、冷感剤、温感剤、刺痛剤、発泡剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0072】
冷感剤は、口内、鼻腔内、又は皮膚上で冷却効果又は清涼化効果を提供する添加物である。例えば、有用な冷感剤の中でも、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、置換pメンタン、非環状カルボキサミド、モノメンチルグルタレート、置換シクロヘキサナミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、置換尿素及びスルホンアミド、置換メンタノール、pメンタンのヒドロキシメチル及びヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプト−シクロ−デカノン、2〜6個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサナミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタナミド(WS−23)、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタナミド、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)、N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシン(WS−5)のエチルエステル、並びに参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Ermanらによる米国特許第7,189,760号に開示される、N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシンの実質的に純粋なエチルエステル、イソプレゴール、メンチルオキシプロパンジオール、3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(1−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メンタノール、コハク酸メンチル及びそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、ハッカ油、ペパーミント油、3−(1−メントキシ)エタン−1−オール、3−(1−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(1−メントキシ)ブタン−1−オール、1−メンチル酢酸N−エチルアミド、1−メンチル−4−ヒドロキシペンタノエート、1−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6ノナジエナミド、N,N−ジメチルメンチルコハク酸アミド、置換p−メンタン、置換p−メンタン−カルボキサミド、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(Hisamitsu Pharmaceuticals製、以下「イソプレゴール」);メントングリセロールケタール(FEMA3807、商標名FRESCOLAT(登録商標)タイプMGA);3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール(Takasago製、FEMA3784);及び乳酸メンチル;(Haarman&Reimer製、FEMA3748、商標名FRESCOLAT(登録商標)タイプML)、WS−30、WS−14、ユーカリ抽出物(p−Mehtha−3,8−ジオール)、メントール(その天然又は合成誘導体)、メントールPG炭酸塩、メントールEG炭酸塩、メントールグリセリルエーテル、N−t−ブチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、P−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メチル−2−イソプリル−ビシクロ(2.2.1)、ヘプタン−2−カルボキサミド;メントールメチルエーテル、メンチルピロリドンカルボキシレート;2,5−ジメチル−4−(1−ピロリジニル)−3(2H)−フラノン;環状α−ケトエナミン、3−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オン及び5−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オンを含むシクロペンテン等のシクロテン誘導体、次式の化合物、が挙げられる:
【化1】
式中、Bは、H、CH
3、C
2H
5、OCH
3、OC
2H
5及びOHから選択され、Aは、式−CO−Dの部分であり、Dは、以下の部分:(i)−NR
1R
2から選択され、R
1及びR
2は、独立して、H及びC
1〜C
8直鎖又は分岐鎖脂肪族、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、芳香脂肪族及びシクロアルキル基から選択されるか、又はR
1及びR
2は、それらが結合する窒素原子とともに、任意選択で置換される5員若しくは6員複素環式環を形成する;(ii)−NHCH
2COOCH
2CH
3、−NHCH
2CONH
2、−NHCH
2CH
2OCH
3、−NHCH
2CH
2OH、−NHCH
2CH(OH)CH
2OH、並びに(iii)
【化2】
とりわけ、BellらによるPCT特許出願第WO2006/125334号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)で開示されるようなものからなる群から選択される部分から選択される。他の化合物は、Hofmannらによる米国特許第6,592,884号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)で開示されるα−ケトエナミンを含む。これら及び他の好適な冷感剤は、以下の米国特許に更に記載されており、これらは全て参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。米国特許第4,230,688号、同第4,032,661号、同第4,459,425号、同第4,178,459号、同第4,296,255号、同第4,136,163号、同第5,009,893号、同第5,266,592号、同第5,698,181号、同第6,277,385号、同第6,627,233号、同第7,030,273号。更に他の好適な冷感剤は、以下の米国特許出願公開に更に記載されており、これらは全て参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。米国特許第2005/0222256号、同第2005/0265930号。
【0073】
温感剤は、使用者に温感の感覚信号をもたらすことが知られている多種多様な化合物から選択してもよい。これらの化合物は、特に口腔内で、温感の感知感覚を与え、多くの場合、風味料、甘味料及びその他の感覚刺激性成分の感知を向上させる。有用な温感化合物の中でも、Takasago Perfumary Company Limited(東京、日本)によって供給されるバニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000)、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンジェロール、ショウガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロポールアルコール、イソ−アミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0074】
刺痛剤を用いて、使用者に打診痛、刺痛又は麻痺の感覚を与えてもよい。刺痛剤としては、ジャンブオレオレジン又はパラクレス(スピランテス属)(活性成分はスピラントールである);サーンショオール−I、サーンショオール−II、及びサンショアミドとして知られる成分を含む、日本の山椒抽出物(サンショウ(Zanthoxylum peperitum);ペリラルチン;4−(1−メントキシメチル)−2−フェニル−1,3−ジオキソラン;活性成分チャビシン及びピペリンを含む、黒コショウ抽出物(コショウ(piper nigrum));エキナセア抽出物;アメリカザンショウ抽出物;トランス−ペリトリン及びトウガラシオレオレジンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ジャンブ又は山椒などの物質から抽出されるアルキルアミドを含むことができる。加えて、いくつかの実施形態では、感覚は発泡によってもたらされる。このような発泡は、アルカリ性物質を酸性物質と組み合わせることにより作り出され、これらの物質のいずれか又は両方は、カプセル封入されてもよい。いくつかの実施形態では、アルカリ性物質は、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属重炭酸塩又はこれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、酸性物質は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸又はこれらの組み合わせを含んでもよい。「刺痛」タイプの感覚惹起剤の例としては、米国特許第6,780,443号、同第6,159,509号、同第5,545,424号及び同第5,407,665号で開示されるものが挙げられ、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0075】
2種類の食感を有する菓子製品(コア、コーティング又は両方のいずれか)中に存在する感覚惹起剤の量は、2種類の食感を有する菓子製品の総重量に基づいて、0.001〜約5.0重量%、具体的には約0.01〜約3.0重量%、より具体的には約0.1〜約1重量%であり得る。
【0076】
菓子組成物、コーティング組成物又は両方は、任意選択で、息清涼剤、歯科ケア成分、薬学的活性剤、ハーブ、発泡系、食欲抑制剤、ビタミン、微量栄養素、口腔湿潤成分、咽喉ケア成分、エネルギー刺激剤、集中力刺激剤又はこれらの組み合わせを更に含み得る。
【0077】
着色剤(色素、着色料、染色料)は、菓子組成物の所望の色をもたらすのに有効な量で使用することができる。好適な着色剤は、顔料を含み、これは、組成物の総重量に基づいて最大約6重量%の量で組み込むことができる。例えば、二酸化チタンは、最大約2重量%、具体的には約1重量%未満の量で組み込むことができる。好適な着色剤は、食品、薬物及び化粧品適用に好適な、天然の食紅及び染料も含む。好適な色素は、アナトー抽出物(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水テンサイ(テンサイ粉末)、テンサイ根赤色/ベタニン(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、キャラメル(E150(a〜d))、β−アポ−8’−カロテナール(E160e)、β−カロチン(E160a)、αカロチン、ガンマカロチン、β−アポ−8カロテナールのエチルエステル(E160f)、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニール抽出物(E120)、カーマイン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、銅クロロフィリンナトリウム(E141)、クロロフィル(E140)、焼き部分脱脂料理済み綿実粉、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色素抽出物、ブドウ果皮抽出物(エノシアニナ)、アントシアニン(E163)、ヘマトコッカス藻粗粉、合成酸化鉄、酸化鉄及び水酸化鉄(E172)、果汁、野菜汁、乾燥藻粗粉、マンジュギク(Aztec marigold)粗粉及び抽出物、ニンジン油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、ファフィア属酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ウコン(E100)、ウコンオレオレジン、アマランス(E123)、カプサンシン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)、FD&C青色1号、FD&C青色2号、FD&C緑色3号、FD&C赤色3号、FD&C赤色40号、FD&C黄色5号及びFD&C黄色6号、タートラジン(E102)、キノリン黄色(E104)、サンセットイエロー(E110)、ポンソー(E124)、エリトロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/アシッドブリリアントグリーンBS(E142)、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、公認の色素は、FD&Cアルミニウムレーキ又はこれらの組み合わせを含み得る。全てのFD&C着色剤及びそれらの対応する化学構造の完全な詳細説明は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版1巻、492〜494頁で見ることができ、その本文は参照により本明細書に組み込まれる。
【0078】
噛みごたえのある菓子組成物に使用するのに好適な果汁成分としては、果汁、果汁濃縮物、清澄果汁、凍結乾燥若しくは噴霧乾燥果汁粉末を含む果汁粉末又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0079】
菓子組成物は、標準技法及び装置を使用して調製することができる。
【0080】
菓子組成物は、押出プロセス、共押出プロセス、成形プロセス、圧延及びスコアリングプロセス、連鎖ダイプロセス、回転ダイプロセス、ロープ切断、鋳造等又はこれらの組み合わせを含む様々なプロセスを使用して、コーティングされる菓子組成物基材に形成することができる。
【0081】
菓子基材は、動物、人等の形状の、例えば、スラブ、ペレット、スティック、ストリップ、ボール、立方体、円筒などの任意の様々な異なる形状及びサイズを有するように形成されてもよい。
【0082】
菓子組成物は、バッチ法若しくは連続法又はこれらの組み合わせを使用して調製することができる。
【0083】
別の実施形態では、噛みごたえのある菓子基材は、基材全体にわたって分配された歯ごたえのある微粒子を更に含み、製品に追加の食感を与える。基材内の歯ごたえのある微粒子は、糖類、糖アルコール、菓子微粒子、ノンパレル又はこれらの組み合わせであり得る。この実施形態では、菓子微粒子は、ハードキャンディ片、圧縮キャンディ、これらの組み合わせ等であり得る。
【0084】
ある実施形態では、噛みごたえのある菓子基材は、中心充填物質を含む。中心充填物質は、液体;粉末、微粒子若しくは粒状物を含む固体;又は半固体であり得る。
【0085】
ある実施形態では、2種類の食感を有する菓子製品は、非微粒子コーティングを含まない。この実施形態では、2種類の食感を有する菓子製品は、1つ又は2つの微粒子コーティング組成物から調製された微粒子コーティング組成物から本質的になる。代替的に、この実施形態では、2種類の食感を有する菓子製品は、1つ又は2つの微粒子コーティング組成物から調製された微粒子コーティング組成物からなる。
食感分析
【0086】
2種類の食感を有する菓子製品は、従来の砂付けされた噛みごたえのある菓子と比較して、咀嚼したときに、異なる咀嚼感及び口当たりを提供する。咀嚼プロセスの初期段階でいくらかの歯ごたえのある食感を与えるが、砂付けコーティングによって与えられた歯ごたえのある食感を急速に失う、通常の砂付け菓子製品とは異なり、2種類の食感を有する菓子製品は、咀嚼プロセスの実質的な部分にわたって持続するコーティングによって与えられる歯ごたえのある食感に加えて、噛みごたえのある菓子組成物基材から長続きする噛みごたえのある食感を与え、それにより消費者は、咀嚼持続時間の多くにわたって複数の食感を経験する。噛みごたえのある食感及び歯ごたえのある食感の両方は、咀嚼プロセスの実質的な部分の間に経験される。本明細書で使用するとき、「噛みごたえのある食感」は、製品が多くの咀嚼を必要とする稠度を有する感覚属性である。本明細書で使用するとき、「歯ごたえのある食感」は、製品が、咀嚼中に試料内で破裂/破壊される微粒子(グリット、結晶等)からの噛み砕くノイズを思わせる、ある程度の知覚ノイズを生成する感覚属性である。
【0087】
2種類の食感を有する菓子製品のクランチ性を定量的に特徴付けるために、実施例2に記載された食感分析器試験を実施することができる。一般に、食感分析器試験は、TA−17A 30アクリル度円錐を備えた食感分析器を使用して、圧縮モード、1.00mm/秒の試験速度、標的モードとして20%ひずみ、試料の種類当たり5回の実行で実施され、その結果は、貫入距離(ミリメートル「mm」)対力(グラム)として提供される。
【0088】
2種類の食感を有する菓子製品に対して得られる食感分析器の結果は、コーティングされていないコア試料とは著しく異なるか、又は微粒子コーティングから調製された従来の砂付け製品は、より小さい粒径(例えば、本明細書で述べられる第2の微粒子コーティング組成物に対してより小さい粒径)を有する。例えば、コーティングされていないデンプン成形ゼリー菓子は、実質的に滑らかであり、プローブが0.2〜1mmのプローブ貫入距離まで試料に貫入したときに、力のばらつきが非常に少ない、実質的に滑らかである食感分析器曲線を呈する(
図1を参照、対照、コーティングなし;一番下のトレース)。上述したように、より小さい粒径を有する従来の砂付けコーティングを有するデンプン成形ゼリー菓子もまた、プローブが0.2〜1mmのプローブ貫入距離まで試料に貫入したときに、力のばらつきをほとんど呈しない(
図1を参照、対照、コーティングあり;2番目〜一番下のトレース)。比較すると、2つの微粒子コーティング組成物で調製された2種類の食感を有する菓子製品であって、第2のコーティング組成物よりも大きな糖粒径を有する第1のコーティング組成物は、プローブが0.2〜1mmのプローブ貫入距離まで試料に貫入したときに、より大きな量の力のばらつきを呈する(
図1を参照、試料3、二重コーティング、一番上のトレース;及び試料4、二重コーティング、上からの2番目トレース)。2種類の食感を有する菓子製品は、試料に貫入するためにより多くの力を更に必要とする。
【0089】
ある実施形態では、2種類の食感を有する菓子製品は、歯ごたえのある食感属性を有し、そのため、実施例2に記載の試験方法に従って食感分析器で試験したときに、製品が、10を超える、具体的には20を超える、より具体的には30を超える(上限は40)標準偏差を有する合計平均力を呈し、力は、0.2〜1mmのプローブ貫入又は0.6mmのプローブ貫入のいずれかで測定される。試験方法は、TA−17A 30アクリル度円錐を備えた食感分析器を使用して、圧縮モードで実施され、1.00mm/秒の試験速度、標的モードとして20%のひずみ、試料の種類当たり5回の実行で実施され、その結果は、貫入距離(mm)対力(グラム)として提供され得る。
【0090】
ある実施形態では、2種類の食感を有する菓子製品は、例えば、実施例2に記載された試験方法に従って食感分析器で試験したときに、製品に1mm貫入するのに必要な平均力は、微粒子コーティングを含まない噛みごたえのある菓子基材に貫入するのに必要な力の少なくとも3倍、具体的には、その力の少なくとも3.5倍、より具体的には、その力の少なくとも4倍、更により具体的には、その力の少なくとも4.5倍である。
【0091】
ある実施形態では、2種類の食感を有する菓子製品は、例えば、実施例2に記載される試験方法に従って食感分析器で試験したときに、製品に1mm貫入するのに必要な最大力が、少なくとも50グラム、具体的には少なくとも60グラム、より具体的には少なくとも70グラム、又は更により具体的には少なくとも80グラムであるような食感属性を有する。
【0092】
2種類の食感を有する菓子製品は、従来のグミ及びゼリー菓子と比較して、消費者によって咀嚼されたときに、歯及び歯科矯正装置に対してべたつきが少ない(すなわち、付着性が低減する)という利点を有する。ある実施形態では、2種類の食感を有する菓子製品は、表面と微粒子コーティングとを含む噛みごたえのある菓子基材であって、微粒子コーティングが、菓子基材の表面を少なくとも部分的にコーティングする、噛みごたえのある菓子基材を含み、微粒子コーティングは、微粒子の少なくとも30重量%、具体的には少なくとも40重量%、より具体的には少なくとも50重量%が、ヒトの歯間の典型的な距離よりも少なくとも4倍大きい、具体的には少なくとも5倍大きい、より具体的には少なくとも6倍大きい、例えば、150マイクロメートルよりも少なくとも4倍大きい、具体的には少なくとも5倍大きい、より具体的には少なくとも6倍大きい粒径を有する、微粒子コーティング組成物を含む。この微粒子コーティング組成物は、前述のように、第1の微粒子コーティング組成物と第2の微粒子コーティング組成物との組み合わせを含むことができる。
【0093】
本発明の特徴及び利点を、以下の実施例により、より完全に示すが、これらの実施例は例示の目的のために提供されるものであって、いかなる意味においても本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0094】
実施例1:2種類の食感を有する菓子製品−デンプン成形ゼリー
約2.3グラムの小片重量で実質的に楕円形状(長さ約29mm×幅約11mm×高さ約6mm)のデンプン成形ゼリーキャンディ片(基材)は、糖、コーンシロップ、変性トウモロコシデンプン、風味料、及び色素から、標準的なデンプン成形キャンディ技術を使用して調製される。デンプン成形ゼリーキャンディ片は、1つのコーティングプロセス又は2つのコーティングプロセスを使用して微粒子物質でコーティングされる。1つのコーティングプロセスは、デンプン成形ゼリーキャンディ片を蒸気に曝露して、表面を粘着性にした後、単一の微粒子コーティング組成物でコーティングして、2種類の食感を有する菓子製品(「単一コーティング」)を形成することを含む。2つのコーティングプロセスは、デンプン成形ゼリーキャンディ片を蒸気に曝露して、表面を粘着性にした後、第1の微粒子コーティング組成物でコーティングして、中間製品片を形成することを含む。次いで、この中間製品片を第2の蒸気処理に曝露して、表面を粘着性にした後、第2の微粒子コーティング組成物でコーティングして、2種類の食感を有する菓子製品(「二重コーティング」)を形成する。第1のコーティング工程と第2のコーティング工程との間には、コンディショニング又は乾燥工程は使用されない。様々な試料及びコーティング配合物を表1に提供する。コーティングに使用される食品酸は、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、又はこれらの組み合わせであり得る。
【表1】
*標準結晶性糖粒径:>850マイクロメートル−最大2%、>425マイクロメートル−30〜70%、>300マイクロメートル−最大15%及び>180マイクロメートル−最大5%。
**大きな粒子、結晶性糖粒径:>1700マイクロメートル−最大15%及び>1180マイクロメートル−30〜65%。
【0095】
微粒子コーティング組成物の大きな粒径の結晶性糖粒子を有しない試料、すなわち、コーティングされていない試料(対照、コーティングなし)又は標準的なサイズの結晶性糖試料(対照、単一コーティング)は、咀嚼されたときに十分な2種類の食感体験を与えることができなかった。
【0096】
微粒子コーティング組成物が、大きな粒子を含有していた場合、得られるコーティングされた製品は、コーティングによって提供される歯ごたえのある食感と、ゼリーキャンディコアによって提供される噛みごたえのある食感とを有する、2種類の食感を与えた(試料1〜4)。更に、糖の大きな粒子が第1のコーティング組成物として適用され、続いて、標準的なサイズの結晶性糖粒子及び食品酸からなる第2の微粒子コーティング組成物が適用される2工程コーティングプロセスの使用が、2種類の食感(製品は、コーティングからの優れた歯ごたえ及びゼリーキャンディコアからの良好な噛みごたえのある食感を呈した)、並びに基材の良好な被覆率の観点で優れた製品を提供したことが見出された(試料3〜4)。2工程プロセスは、第1の工程でコアに付着した十分な量の大きな粒子の結晶性糖を確保し、一方で第2の工程は、より均一にコーティングされた製品を提供するために、開放空間内に充填された標準サイズの結晶性糖粒子を提供した。微粒子コーティング組成物としての結晶性糖の使用は、コーティングを通してキャンディの色を視認可能にした。
実施例2:食感分析器分析−歯ごたえのある属性
【0097】
実施例1からの試料を、TA.XT.Plus Texture Analyzer(Stable Micro Systems,Texture Technologies Corp.Scarsdale,New York)を使用して、歯ごたえのある咀嚼食感属性について試験し、Exponent TA.XTプログラムを使用して生データを収集した。表2は、試験した試料及び用いた食感分析器の方法設定を報告する。
【表2】
【0098】
得られたデータは、
図1において、5回の実行(すなわち、1試料当たり5つの複製)の平均に基づいて、プローブが試料に貫入する距離(ミリメートル)対力(グラム)のグラフとして報告される。食感分析器曲線が示すように、コーティングされていないゼリーキャンディコア(対照、コーティングなし;一番下のトレース)は、低い力及び比較的滑らかなトレースを呈し、あまり変動性はない。標準サイズの微粒子糖及び食品酸混合物で砂付けされたゼリーキャンディコア(対照、コーティングあり;2番目〜一番下のトレース)は、コーティングされていないコアよりもわずかに高い力及び比較的滑らかなトレースを呈し、あまり変動性はない。これらの結果は、対照のコーティングされていない試料が、咀嚼時に歯ごたえのある食感を呈さず、対照のコーティングされた試料は、低い歯ごたえのある属性を呈した感覚試験と一致する。
【0099】
対照試料と比較して、2種類の食感を有する菓子製品(試料3、二重コーティング、及び試料4、二重コーティング)は、
図1に示されるように、非常に異なる食感分析器結果を有する。試料3、二重コーティング(一番上のトレース)は、2つの微粒子コーティング組成物で砂付けされたゼリーキャンディコアであり、第1のコーティング組成物は、第2のコーティング組成物よりも大きな糖粒径を有する。このトレースは、可変である大きな力を示す。同様の結果が、試料4、二重コーティング(上から2番目のトレース)について得られ、これもまた、2つの微粒子コーティング組成物で砂付けされたゼリーコアであって、第1のコーティング組成物は、第2のコーティング組成物よりも大きな糖粒径を有する。試験プローブを用いた2種類の食感を有する菓子製品の表面貫入の食感分析器結果は、大きな及び可変の歯ごたえに関連するクランチ性食感属性を示す。
【0100】
「クランチ性」属性を測定するための食感分析器データを、0.2mm〜1.0mmのプローブ貫入と0.6mmのプローブ貫入との間で得られたデータについて、以下の表3に更に要約する。5つの複製に基づく全てのデータ。
【表3】
【0101】
2種類の食感を有する菓子製品(試料3、二重コーティング及び試料4、二重コーティング)の標準偏差は、0.2〜1mmのプローブ貫入の結果について、対照のコーティングされた試料の標準偏差よりも3〜6倍大きく、対照のコーティングされていない試料の標準偏差よりも8〜14倍大きい。2種類の食感を有する菓子製品(試料3、二重コーティング及び試料4、二重コーティング)の標準偏差は、0.6mmのプローブ貫入の結果について、対照のコーティングされた試料の標準偏差よりも3〜5倍大きく、対照のコーティングされていない試料の標準偏差よりも11〜16倍大きい。そのような結果は、2種類の食感を有する菓子製品が、対照試料のより滑らかな食感に対するクランチ性のばらつきが大きいことを示す。このようなばらつきは、咀嚼時の製品の歯ごたえのある食感を示す。
実施例3:食感感覚試験
【0102】
咀嚼試験は、i)対照、単一コーティング〜ii)試料3、二重コーティング、及びiii)試料4、実施例1の二重コーティングキャンディを比較して実施した。
【0103】
パネル評価:6人のヒト試験対象のパネルを集めて試料を咀嚼し、咀嚼プロセス中に経験される2つの属性:「噛みごたえ」特性及び「歯ごたえ」特性のそれぞれの時間の範囲を決定した。各対象に、ストップウォッチ及び各試料の3つの小片を提供した。対象は、1回に1つの試料片を咀嚼し、以下に指示されるように、1小片当たり1つの属性のみに焦点を合わせるように依頼された。
【0104】
指示:対照、単一コーティングから開始し、試料を咀嚼して、小片を完全に咀嚼するのにかかる時間(最初の咀嚼から飲み込み始めるまで)を秒単位で測定する。対照、単一コーティングの第2の小片については、試料が「噛みごたえ」特性を提示する時間(秒)を計測する。「噛みごたえのある」感覚を最初に感知した時点で開始し、キャンディがもはや噛みごたえがないか、又は飲み込む準備ができたときにタイマーを停止する。噛みごたえのある感覚がない場合は、「0秒」と報告する。対照、単一コーティングの第2の小片については、キャンディが「歯ごたえ」特性を提示する時間(秒)を計測する。「歯ごたえのある」の感覚を最初に感知した時点で開始し、キャンディの歯ごたえがなくなったとき(キャンディが噛みごたえのある感覚のみを提示するか、又は飲み込む準備ができたとき)に、タイマーを停止する。歯ごたえのある感覚がない場合は、「0秒」と報告する。試料3、二重コーティング、及び試料4、二重コーティングの各々を用いて手順を繰り返す。試料について全体的なコメントを提供する。
【0105】
咀嚼試験の結果を以下の表4に提供する。第1及び第2の風味感覚の持続時間及び総咀嚼時間のパーセンテージもまた提供される。結果を、8人の対象及び2回の繰り返しにわたって平均化した。
【表4】
【0106】
2種類の食感を有する菓子製品(試料3、二重コーティング及び試料4、二重コーティング)は、消費されたときの咀嚼持続時間の大半にわたって噛みごたえのある食感属性及び歯ごたえのある食感属性の両方を呈した。2種類の食感を有する菓子製品とは異なり、対照、単一コーティング試料は、微粒子コーティングを含有しているが、咀嚼時間の6%にわたって歯ごたえのある食感属性、及び主に噛みごたえのある食感属性を提供しただけであった。パネリストは、対照、単一コーティング試料を、「最初の約2回の咀嚼時に非常に軽度の歯ごたえ」、「わずかな歯ごたえ」、及び「多くの歯へのべたつき」を有すると記載した。試料3、二重コーティングは、「食べている間の大部分を通して噛みごたえが存在し、最初から最後まで歯ごたえがあり、最後の微粒子も歯ごたえがある」、「試料を飲み込む準備ができたときに依然として歯ごたえが存在していた」、及び「最後に大半が歯ごたえのある結晶であり、[対照、単一コーティング]よりも歯のべたつきが少ない」と記載された。試料4、二重コーティングは、「食べている間の大部分を通して噛みごたえが存在し、最後にも依然として歯ごたえのある微粒子が存在する」、「試料を飲み込む準備ができたときに依然として歯ごたえが存在し、対照よりも酸っぱい」、及び「[試料3、二重コーティング]と同様である」と記載された。
実施例4:食感分析器分析−べたつき属性I
【0107】
食感分析器試験を実施して、微粒子糖のコーティングを有する比較対照試料と比較して、2種類の食感を有する菓子製品試料3、二重コーティングの相対的なべたつき(すなわち、付着性)を決定した。各試料を、ブレード付き押出プレートに押し入れて、プレート内の間隙を通して試料をプレスするのに必要な最大力(ニュートン(N))を測定した。TA.XT.Plus Texture Analyzer(Stable Micro Systems,Texture Technologies Corp.Scarsdale,New York)を使用し、生データを、Exponent TA.XTプログラムを使用して収集した。以下の表は、試験された試料及び用いられた食感分析器法の設定を報告する。
【表5】
【0108】
得られたデータに基づいて、平均して、2種類の食感を有する菓子製品試料3、二重コーティングは、下降するフラットプローブによって底部グリルプレートに押し出されるために、対照、単一コーティング試料に必要とされる力(267N;標準偏差11.2、変動係数4.2)よりも37%多い力(367N;標準偏差8.3、変動係数2.3)を必要とした。理論に束縛されるものではないが、この仮説は、試料3、二重コーティングのより大きなサイズの微粒子が、グリルプレート内の空間に入る際により多くの抵抗をもたらすということである。これは、試料3、二重コーティングのより大きな粒子コーティングと同等であり、同様にヒトの歯間の間隙などの、更により小さな間隙に入る際により大きな抵抗を有する。理論は、試料3、二重コーティング製品が、消費者の歯の間の間隙に入ることが困難であるため、したがって咀嚼中に歯内の「べたつき」が少なく、より小さいサイズの微粒子コーティングを有するか、又は微粒子コーティングを全く有しない従来の噛みごたえのあるキャンディよりも試料を食べ易くするということである。
実施例5:食感分析器分析−べたつき属性II
【0109】
食感分析器試験を実施して、2つの異なる比較対照試料:対照、コーティングなし(実施例1)及び微粒子糖のコーティングを有する対照、単一コーティング(実施例1)と比較して、2種類の食感を有する菓子製品試料5、二重コーティングの相対的なべたつき(すなわち、付着性)を判定した(実施例3と同様に、実施例1の二重コーティングは、最終製品の重量に基づいて、第1及び第2のコーティング総重量の約23重量%)。各試料上で食感分析器試験を実行するために、2つのキャンディ片をヒトの口の片側に一緒に配置し、15回噛んで咀嚼した。咀嚼プロセスは、比較されている全ての試料について単独の人によって実施され、試料全体にわたって可能な限り一貫して実行された。舌を使用して、咀嚼された試料を歯から取り除き、直ちに食感分析器試験に使用した。咀嚼された試料を、指を使用してボールに形成した後、平坦な上面及び底面を有する円筒形状を有するボーラスに平坦化した。各試料は、試料間で同様の高さを有することを目的として形成された。ボーラスを、10mm円筒形ステンレス鋼プローブの中心の下で食感分析器底部プレート上に配置し、試料の上面が比較的平坦になるように作製した。試料は、常にプローブよりも広かった。試験の開始時に、プローブを、ボーラスの上部に近いが、それに接触しないように位置付けた。試験を実行するために、プローブをボーラスの表面に0.5mm/秒で下降させ、ボーラスをわずかに押し下げるように設定した。50gの定圧を10秒間保持し、次いで0.5mm/秒の速度で引き上げた。システムは、力(g)対時間(秒)データを収集した。グラフは、プローブの引っ張り力が正のピークとして示されるように構成された。プローブは、底部プレートからボーラスを持ち上げることはできなかったが、底部プレート上に完全に着座したままであった。試験が完了した時点で、試料を取り出し、次の試料で試験手順を繰り返す前に、食感分析器の全ての部品を洗浄し、乾燥させた。1試料当たりの全ての複製について、プロセスを繰り返した(1試験当たり2片×1試料当たり5試験×1試料当たり1〜4複製)。
【0110】
試験は、20試料の対照、単一コーティング(実施例1)、15試料の試料5、二重コーティング、及び5試料の対照、コーティングなし(実施例1)に対して実施された。TA.XT.Plus Texture Analyzer(Stable Micro Systems,Texture Technologies Corp.Scarsdale,New York)を使用し、生データを、Exponent TA.XTプログラムを使用して収集した。表6は、試験した試料及び用いた食感分析装置法の設定を報告する。
【表6】
【表7】
【0111】
表7は、食感分析器試験の結果の要約を報告する。対照、単一コーティング試料は、ボーラスとの10秒(50gの力)接触後に、試料5、二重コーティングの場合よりも著しく大きい、10mmの円筒形プローブを後退させるのに必要な最大力(57%大きい)を示した。対照、単一コーティングの平均最大力は、204グラムであったのに対して、試料5、二重コーティングについては144グラムの平均最大力であった。最大力の標準偏差は、対照、単一コーティング及び試料5、二重コーティング最大力平均間の差よりもはるかに小さい数(3倍小さい)、16〜21であった。対照、コーティングなしの場合の最大力(200g)は、微粒子コーティングされた対照、単一コーティング(204g)の最大力と本質的に同等であった。
【0112】
曲線下面積は、試料5、二重コーティング(65平均)よりも、対照、単一コーティング(97平均)及び対照、コーティングなし(100平均)について一般に大きかった。
結果の解釈:試料5、二重コーティング試料と比較して、対照、単一コーティングについてのより大きい最大力及びより大きい曲線下面積は、対照製品が、大きな粒子+小さな粒子の二重コーティングでコーティングされた試料よりも、咀嚼後のべたつきが高いことを示す。これらの結果は、試料5、二重コーティング試料が、対照製品よりも咀嚼が容易であり、歯への付着が少ないという感覚観察(実施例6を参照)と整合する。理論に束縛されるものではないが、試料5、二重コーティング製品が(10mmプローブ及びヒトの歯に)あまり付着しない可能性のある理由は、試料5、二重コーティングのよりも大きいサイズの微粒子が、対照、単一コーティング上の微粒子コーティングよりも大きいことであり得る。これらのより大きな粒子は、対照、単一コーティング上でコーティングを形成する微細糖/酸よりも口内でゆっくり溶解する。これらのより大きな糖微粒子は、キャンディのべたつくゼリーと消費者の歯との間のバリアとして作用し、試料を最初に噛んだときと、咀嚼によって試料が破壊されるときの両方において、より大きな粒子は、ほとんど無傷のままであり、ゼリーキャンディ全体に分散し、べたつくゼリーキャンディと消費者の歯又はこの場合には金属プローブとの接触を低減する、乾燥したべたつかない物質として作用する。
実施例6:判別パネル2−AFC(代替二者択一)試験:感覚属性「べたつき」
【0113】
2−AFC(代替二者択一)試験を実施して、試料5、二重コーティング(実施例3と同様に、実施例1の二重コーティングは、最終製品の重量に基づいて、第1及び第2のコーティングの総重量の約23重量%)、より大きい糖微粒子を含有する微粒子コーティング組成物の第1の適用に続いて、標準サイズの結晶性糖微粒子及び食品酸を含有する第2の微粒子コーティング組成物の適用によって調製された微粒子コーティングを有する2種類の食感を有するゼリー菓子製品が、対照、単一コーティング(実施例1)、より小さいサイズの微粒子糖及び食品酸の混合物で砂付けされたゼリーキャンディコアよりもべたつきが少ない(すなわち、付着性が低い)という理論を定量化した。
【0114】
方向性差分試験(2−AFC)は、「Standard Guide for Sensory Claim Substantiation」(ASTM E1958−16a)に列挙されている科学的方法である。方向性差分試験(2−AFC)は、2つの試料間の差を定量化するための確立された科学的方法である(ASTM E 2164−01)。ASTMによって定義される2−AFC試験プロトコルを表8に要約する。
【表8】
【0115】
方向性差分(2−代替二者択一)判別方法(片側試験)。試料5、二重コーティング及び対照、単一コーティング製品を、53人の判別パネリストに2つの複製で、3桁コードにより盲検的に提示した。2つの試料の間に4分間のクリアランス時間を与え、2つの複製の間に15分の中断を与えた。パネリストに以下の説明を提供した。
【0116】
「トレー上に、2つの酸っぱい噛みごたえのあるキャンディ試料がある。トレー上の左から右に試料を評価する(すなわち、「A」スロット内の試料を最初に咀嚼する)。
【0117】
臼歯の間にキャンディ全体を置き、完全に溶解するまで咀嚼を開始する。
【0118】
試料の間に4:00のクリア時間が存在する。
臼歯間に第2のキャンディ全体を置き、溶解するまで咀嚼を開始する。
【0119】
タイマーがアップした後、直ちに「次」をクリックして次のページに移動し、よりべたつく試料を選択するように求められる。
【0120】
結果:パネリスト応答の91%(53人、2回の複製;合計106の印象)は、対照、単一コーティングが、試料5、二重コーティングよりもべたつきがあったということであった。2−AFCの結果試料5、二重コーティング試料は、95%信頼で、対照、単一コーティングよりも有意にべたつきが少なかった(すなわち、付着性が低かった)。
【0121】
理論に束縛されるものではないが、ヒトの口内での低減された付着は、試料5、二重コーティング中の微粒子コーティングの大きな粒子が、ヒトの歯間の間隙よりも大きいためであり得る。したがって、大きな粒子は、ゼリーキャンディが歯間の間隙に入り込むことを阻止することができ、ゼリーキャンディは、対照、単一コーティングと同様に、通常は入り込み、詰まってしまう。ゼリーキャンディがこれらの間隙に入ることができない場合、歯全体にあまり付着しない。
【0122】
「含む(comprising)」(「含む(comprises)」等も)、「有する(having)」及び「含む(including)」という用語は、本明細書で用いる場合、包括的(上限なし)であり、追加の列挙されていない要素又は方法の工程を除外しない。文脈が明らかに既定しない限り、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、複数の指示対象を含む。同じ特徴又は成分を目的とする全ての範囲の端点は、独立して組み合わせ可能であり、列挙された端点を包含する。「組み合わせ」という用語は、指定された成分の均質若しくは不均質なブレンド、又は混合物を一体化した全体に包含することである。「均質な」という用語は、成分の均一なブレンドを指す。「又は、若しくは」という語は、「及び(並びに)/若しくは(又は)」を意味する。「前側」、「後側」、「底部」及び/又は「上部」という用語は、特に断りのない限り、本明細書において単に説明の便宜上使用され、任意の1つの位置又は空間的配向に限定されない。「任意選択の」又は「任意選択で」とは、引き続いて記載される事象又は状況が発生しても、発生しなくてもよいことを意味し、説明は、その事象が発生する場合及びそれが発生しない事例を含むことを意味する。本明細書全体を通して「一実施形態」、「別の実施形態」、「ある実施形態」等についての言及は、その実施形態に関連して説明された特定の要素(例えば、特徴、構造、及び/又は特性)が、本明細書で説明される少なくとも1つの実施形態に含まれ、他の実施形態に存在しても、存在しなくてもよいことを意味する。加えて、説明された要素を、様々な実施形態において、任意の好適な様式で組み合わせてもよいことを理解されたい。概して、組成物又は方法は、代替的に、本明細書に開示された任意の適切な成分又は工程を含み得る、これらからなり得る、又は本質的にこれらからなり得る。本発明は、先行技術の組成物に使用された、又はさもなければ本特許請求の範囲の機能及び/若しくは目的を達成するために不要である、任意の成分(components)、物質、成分(ingredients)、補助剤、又は種を欠くか、あるいは実質的に含まないように、追加的に又は代替的に配合され得る。
【0123】
本発明は、例示的な実施形態を参照して説明されているが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、均等物をその要素と置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は物質を本発明の教示に適合させるために、多くの改変がなされ得る。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最も優れた様式として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲の範疇内の全ての実施形態を含むよう意図される。