【課題を解決するための手段】
【0013】
アセンブリ
本発明は、この要求に応えることを目標とし、それの態様の1つにより、天然まつ毛の房毛(fringe)に繊維を追加するためのアセンブリによってこれを達成し、このアセンブリは、
- まつ毛に塗布される接着剤組成物と、
- 少なくとも1つの基材を含む支持体、および支持体によって解放可能に支えられた第1の末端部分を有する繊維を含む少なくとも1つのデバイスと
を含む。
【0014】
本発明によるアセンブリは、まつ毛と繊維が美しく揃うこと、まつ毛の視認できる伸長およびボリュームを伴うつけまつ毛効果を作り出す可能性を与える。実際、少なくとも1つのデバイスは、人のまつ毛に近づくように構成され、まつ毛に接着剤組成物を塗布した後、繊維、特に繊維の第2の末端部分をまつ毛と接触させるようにする。次いで支持体は、取り除かれてもよく、繊維の少なくとも一部がまつ毛に残るようにする。
【0015】
繊維の第1の末端部分は、好ましくは支持体によって平らに支えられる。
【0016】
支持体の少なくとも1つの基材が、それの接触面に、繊維を結合するための、好ましくは繊維の第1の末端部分を結合するための、少なくとも1つの結合剤を施されてもよい。
【0017】
支持体は、好ましくは2つの基材、具体的には1つの下の基材および1つの上の基材と、上記2つの基材の間にサンドイッチ断面の構成で保持される繊維とを含む。
【0018】
デバイスの少なくとも1つの基材、好ましくは下の基材は、繊維を持ち上げることによって繊維をつける際に押す力を発揮するためにいくらかの硬さを有してもよい。基材の少なくとも1つ、好ましくは下の基材は、ユーザが、取り付けられる繊維の部分を見ることができるように透明である。下の基材は、繊維をまつ毛につけるためにデバイスを使用中に著しく曲がらないように十分に硬質の材料で作られてもよい。下の部分は、繊維をまつ毛まで持ち上げるために、支持する部分の第2の末端部の方向に、より厚くおよび/またはより幅広くてもよい。
【0019】
「下の基材」は、繊維をつけるためにデバイスが使用されるとき、「上の基材」および繊維の下にある支持体の部分を示す。
【0020】
デバイスの少なくとも1つの基材、具体的には下の基材は、好ましくは少なくとも1つの高分子材料、好ましくはPETまたはPVCフィルムで作られる。
【0021】
少なくとも1つの基材、具体的には下の基材は、好ましくは少なくとも部分的に透明材料で作られる。「透明材料」は、具体的には取り付けられる繊維の配置のために、ユーザが基材を通して繊維を見ることができるようにする材料を意味する。
【0022】
少なくとも1つの基材、具体的には下の基材は、硬質材料で作られてもよい。下の基材の曲げ剛性は、Kawabata Evaluation System(KES)で測定される屈曲時の曲げ剛性の平均値に関して、好ましくは0.1mN・cm2/cm、より好ましくは0.5mN・cm2/cmよりも大きい。
【0023】
上の基材および下の基材は、好ましくは異なる材料で作られる。上の基材は、不透明材料で作られてもよい。上の基材は、可撓性材料で作られてもよく、この材料は、下の基材の硬度よりも低い硬度であってもよい。
【0024】
一実施形態では、上の基材および下の基材は、同じ形状を示さない。具体的には、下の基材の一部分が、上の基材によって覆われ、下の基材の上記部分は覆われている部分であってもよく、下の基材の別の部分が、上の基材によって覆われず、下の基材の上記別の部分は覆われていない部分であってもよい。覆われていない部分は、繊維の一部分、好ましくは、支持体に結合されない、繊維の第2の末端部分の下に少なくとも部分的に広がってもよい。覆われていない部分は、外向きの凹形状を有する自由端を示してもよい。この外向きの凹形状は、まぶたの凸形状と実質的に同様の湾曲を示してもよい。
【0025】
別の実施形態では、上の基材および下の基材は、同じ寸法を示し、正確に重なる。
【0026】
一実施形態では、下の基材は、少なくとも繊維および上の基材と接触している平らな表面を示す。下の基材は、平らな基材であってもよい。別の実施形態では、少なくともデバイスにおいて繊維および上の基材と接触している表面は、安静時に平らではなく湾曲している。
【0027】
少なくとも上の基材は、少なくとも1つの結合剤を含む接触面を設けられてもよい。この場合、上の基材の接触面は、デバイスにおいて繊維および下の基材に面し、内側表面を構成する。下の基材、具体的にはデバイスにおいて繊維および上の基材と接触している表面は、結合剤を含まなくてもよい。上の基材の接触面上の少なくとも1つの結合剤は、下の基材、繊維、および上の基材の間に、取り外し可能な固定部(removable fixation)をもたらしてもよい。
【0028】
支持体は、少なくとも1つの把持部分(gripping portion)を含んでもよい。把持部分は、ユーザが具体的には親指と人差し指との間で支持体をつかみ、扱うことができるようにする。把持部分は、繊維で覆われていない、または繊維を保持していない支持体の一部分で作られてもよい。支持体の把持部分は、互いに接触している、上の基材の一部分および下の基材の一部分を含んでもよく、上記一部分には互いの間に実質的に繊維がない。
【0029】
「接着剤」組成物は、長持ちする接着強度の有無にかかわらず、剥ぎ取られないよう耐えることができるどんな材料も示す。
【0030】
好ましくは、繊維は、支持体上に少なくとも1列に配置され、繊維は、好ましくは互いに実質的に平行である。
【0031】
繊維は、好ましくは、第1の末端部分とは反対側の第2の末端部分において、つなぎ部(link)によって束ねられる。そのような場合、繊維およびつなぎ部は、つけまつ毛を構成し得る。つなぎ部は、ワイヤまたはバンドであってもよい。繊維は、有利には、つなぎ部に実質的に垂直に繊維の第1の末端部で連結される。
【0032】
繊維は、繊維の帯または繊維の房として配置されてもよい。
【0033】
繊維の少なくとも1列中の繊維は、天然まつ毛の房毛のように湾曲していてもよい。少なくとも1列は、まつ毛の房毛の長さに実質的に等しい長さを有してもよく、またはより短くてもよい。代替として、少なくとも1列は、繊維の少なくとも1房を形成してもよい。繊維は、少なくとも1列内で規則正しく配置されてもよく、されなくてもよい。たとえば、まつ毛により高い密度の繊維を与えるために、繊維の複数の平行な列があってもよい。
【0034】
「実質的に平行な」によって、繊維は、平行であるか、知られているつけまつ毛の場合のように互いの間に小角度を示す場合があると理解されたい。
【0035】
アセンブリは、接着剤組成物、およびまつ毛の2つの房毛を処理するための上記少なくとも1つのデバイス、より良くは少なくとも2つのデバイスを入れるためのパッケージングを含んでもよい。少なくとも1つのデバイスは、好ましくはパッケージングから完全に取り外し可能である。
【0036】
本発明は、その態様の別のものによれば、上記の全部または一部と組み合わせて、天然まつ毛の房毛に繊維を追加するためのアセンブリであって、
- まつ毛に塗布される接着剤組成物と、
- 支持体、および支持体によって解放可能に支えられた第1の末端部分を有する繊維を含む少なくとも1つのデバイスであって、繊維が、第1の末端部分とは反対側の第2の末端部分において、つなぎ部によって束ねられる、少なくとも1つのデバイスと
を含む、アセンブリにもまた関する。
【0037】
美容処理方法
本発明はまた、上記の全部または一部と組み合わせた、その態様の別のものによれば、特に上記で定義したアセンブリを使用して、天然まつ毛の房毛に繊維を追加するための美容処理方法であって、
a)少なくとも1つの基材を含む支持体によって解放可能に支えられた第1の末端部分を有する繊維を提供するステップであって、特に上記で定義したアセンブリを提供する、ステップと、
b)まつ毛の房毛の少なくとも一部に接着剤組成物を塗布するステップと、
c)第1の末端部分の反対側の、繊維の第2の末端部分を、まつ毛の上記房毛上にある上記接着剤組成物と接触させるステップと、
d)まつ毛の上記房毛に接着する繊維を解放するために支持体を離すステップと
を含む、美容処理方法に関する。
【0038】
本発明による方法は、まつ毛と繊維が美しく揃うこと、まつ毛の視認できる伸長およびボリュームを伴う、つけまつ毛効果を作り出すことを可能にする。
【0039】
この方法は、美容センターまたは自宅で実施され得る。
【0040】
繊維は、容易な仕草で、たとえば、1分以上の場合、10分未満の時間で、まつ毛につけられてもよい。
【0041】
さらに、支持体に解放可能に取り付けることにより、ピンセットによってまたは指によって繊維を持ち上げる必要がない。支持体は、実際にはピンセットとは異なる。
【0042】
一実施形態では、支持体は、1つの基材を含み、繊維は基材の表面に保持され、繊維は、好ましくは支持体によって平らに、すなわちそれの接触面に平行に、支えられる。別の実施形態では、支持体は、2つの基材、具体的には1つの下の基材および1つの上の基材を含み、繊維は、上記2つの基材の間にサンドイッチ断面の構成で保持される。
【0043】
接着剤組成物は、ステップb)において、部分的にまたはまつ毛の全範囲に、まつ毛の根元からまつ毛の長さ全体にわたってまつ毛に塗布され得る。
【0044】
接着剤組成物をまつ毛の房毛の少なくとも一部に塗布するステップb)は、好ましくは、天然まつ毛の上の房毛(upper fringe)に対してそれの下側に、好ましくはまつ毛の少なくとも根元付近に実施される。ステップc)の間、繊維を、まつ毛の上の房毛の下側と接触させてもよい。
【0045】
ステップc)は、繊維、特にそれの第2の末端部分を、まつ毛の上の房毛の下側部分と接触させることによって行われてもよく、ある場合は、つなぎ部は、まぶたのまつ毛の根元によって定められる弧に実質的に平行である。
【0046】
ステップb)は、支持体を持つことによって実施される。したがって、ステップc)の間、ユーザは、たとえばユーザの指を使って、親指と人差し指の間で支持体を持つ。ユーザは、繊維を持つためにピンセットを使用する必要がなく、繊維に触れる必要もない。
【0047】
支持体は、有利には、繊維を結合するための、好ましくは繊維の第1の末端部分を結合するための、少なくとも1つの結合剤をそれの接触面に施された少なくとも1つの基材を含む。
【0048】
好ましい特定の実施形態では、支持体は、2つの基材、具体的には下の基材および上の基材を含み、それらの各々でない場合は、少なくとも1つが、接触面に少なくとも1つの結合剤を施され、繊維が、2つの基材の間に保持され、好ましくは繊維の第1の末端部分が、少なくとも1つの結合剤により基材の接触面に結合される。これは、サンドイッチ断面の構成であってもよく、繊維は2つの基材の間に保持される。
【0049】
支持体が少なくとも1つの把持部分を含むとき、それは透明であってもよい。把持部分は、好ましくは硬質シートを含む。把持部分の曲げ剛性は、Kawabata Evaluation System(KES)で測定される屈曲時の曲げ剛性の平均値に関して、好ましくは0.1mN・cm2/cm、より好ましくは0.5mN・cm2/cmよりも大きい。把持部分では、任意の種類の材料および厚さが、上記の曲げ剛性の範囲で使用されてもよい。把持部分が透明な硬質シートであるとき、それによりユーザは繊維をまつ毛上に正確に配置できるようになる。実際に、把持部分の透明性により、ユーザはステップc)を実施するとき、はっきり見ることができるようになる。把持部分の硬度は、繊維をすばやく移すための十分な押す力を与える。
【0050】
支持体は、衛生のために使い捨て用であってもよく、また再使用可能であってもよい。再使用可能の場合、基材は、水に強い/耐久性があるものであり、好ましくはPET、PVCであってもよい。
【0051】
繊維の第1の末端部分は、好ましくは支持体に対して、特に基材の接触面に対して、平らに結合される。そのような場合、基材の接触面と接触している繊維の長さは、0.1mm〜10mm、より良くは0.5mm〜7mm、さらに良くは0.5mm〜3mmの範囲に含まれてもよい。一実施形態では、繊維の全長が、支持体に結合される。
【0052】
繊維を支持体に保持するための保持力は、好ましくは、まつ毛に塗布された接着剤組成物に繊維を接着するための接着力よりも低い。
【0053】
具体的には、繊維を支持体に保持するための少なくとも1つの結合剤の接着力は、有利には、まつ毛に塗布された接着剤組成物に繊維を接着するための接着力よりも低い。接着剤組成物に繊維を接着するための接着力は、好ましくは、支持体に繊維を保持するための結合剤の接着力の少なくとも2倍である。
【0054】
少なくとも1つの基材の接触面は、好ましくは、繊維の少なくとも一部に実質的に平行である。繊維は少なくとも部分的に湾曲している場合があることに留意されたい。後者の場合、接触面もまた、少なくとも部分的に湾曲している場合がある。
【0055】
一方の基材は、他方の基材に解放可能に取り付けられてもよい。ステップd)において、一方の基材が、引っ張る動作によって他方の基材から剥がされるように構成されてもよい。
【0056】
本発明はまた、上記の全部または一部と組み合わせた、その態様の別のものによれば、特に上記で定義したアセンブリを使用して、天然まつ毛の房毛に繊維を追加するための美容処理方法であって、
a)支持体によって解放可能に支えられた第1の末端部分を有する繊維を提供するステップであって、繊維が第1の末端部分とは反対側の第2の末端部分において、つなぎ部によって束ねられ、特に上記で定義したアセンブリを提供する、ステップと、
b)まつ毛の房毛の少なくとも一部に接着剤組成物を塗布するステップと、
c)繊維の第2の末端部分を、まつ毛の上記房毛上にある上記接着剤組成物と接触させるステップと、
d)まつ毛の上記房毛に接着する繊維を解放するために支持体を離すステップと
を含む、美容処理方法に関する。
【0057】
繊維
「繊維」という用語は、本発明によれば、LがDよりも大きく、好ましくはDよりもはるかに大きいような、長さLおよび直径Dの物体を意味すると理解されるべきであり、Dは繊維の断面を内接させる円の直径である。具体的には、L/D比(またはアスペクト比)は、3.5〜2500、好ましくは10〜1000、さらに良くは20〜500の範囲で選ばれる。
【0058】
本発明で使用することができる繊維は、合成または天然、および鉱物または有機由来の繊維であってもよい。繊維は、短くても長くても、個別でも組織化されていても、たとえば編まれていてもよく、中空でも中実であってもよい。繊維は、任意の形状を有してもよく、たとえば、湾曲していても、真っ直ぐであってもよい。繊維は、特に円形または多角形(四角形、六角形、もしくは八角形)の断面を有してもよい。具体的には、繊維の末端部は、損傷を防ぐために鈍らせても、および/または滑らかにしてもよい。
【0059】
具体的には、繊維は、2mm〜20mmの範囲の長さを有してもよい。
【0060】
繊維の断面は、20〜150μm、30〜120μm、さらに良くは40〜120μmの範囲であってもよい。
【0061】
繊維の重さまたは番手は、しばしば、デニールまたはデシテックスで与えられ、糸9km当たりの重さをグラムで表す。本発明による繊維は、たとえば、0.1〜100デニール、好ましくは1〜70デニール、さらに良くは5〜60デニールの範囲で選択される番手を有する。
【0062】
繊維は、織物の製造に使用される繊維であってもよく、特に、絹繊維、綿繊維、ウール繊維、亜麻繊維、具体的には木材、野菜、もしくは藻類から抽出されるセルロース繊維、レーヨン繊維、ポリアミド(Nylon(登録商標))繊維、ビスコース繊維、アセテート繊維、特にレーヨンアセテート繊維、アクリルポリマー繊維、特にポリメタクリル酸メチル繊維もしくはポリ(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)繊維、ポリオレフィン繊維、および特にポリエチレンもしくはポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、炭素繊維、特に黒鉛形状の炭素の繊維、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標)など)繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維もしくはポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、人毛、または上述のポリマーなどのポリマーの混合物から形成される繊維、たとえば、ポリアミド/ポリエステル繊維であってもよい。
【0063】
繊維は、人毛であってもよい。
【0064】
さらに、繊維は、場合によっては表面処理され、場合によっては、保護層または繊維に色を与えることを目的とする層をコーティングされてもよい。
【0065】
「カネカロン(Kanekalon)」というブランドの難燃性アクリル繊維を使用してもよい。
【0066】
繊維は、たとえば、Minke-props SKINTEX Flock ref. 590502という参照名の下で販売される繊維である。
【0067】
同一の繊維、または変形態として、長さ、材料、形状、および/もしくは断面が互いに異なる繊維の混合物を使用することが可能である。様々な長さの繊維の使用は、より自然らしさを与え得る。色の混合も同様であり得る。特定の実施形態では、支持体によって支えられる繊維は、互いに色が異なる。繊維の色は、系統的に、またはランダムに、混合されてもよい。これは、まつ毛に新しい美的効果を作り出すことができる。
【0068】
つなぎ部
つなぎ部は、一実施形態では、繊維をそれの第2の末端部分で束ねるために使用される。
【0069】
つなぎ部は、繊維の1つと同じ材料で作られてもよい。
【0070】
つなぎ部は、ある場合は、繊維の少なくとも1列の長さに等しい長さを有してもよい。
【0071】
つなぎ部は、無色、透明であってもよく、または黒色、白色であってもよく、または黄色、赤色、青色、緑色、桃色、紫色などの色、もしくは別の色を有する。つなぎ部は、繊維または繊維の一部と同じ色または別の色を有してもよい。自然な仕上がりには、透明なつなぎ部が好ましい。
【0072】
つなぎ部は、繊維に、好ましくは繊維の第2の末端部に、接着剤によってまたは編むことによって、固定されてもよい。
【0073】
接着剤組成物
本発明による接着剤組成物は、まつ毛およびまぶたへの塗布に、および化粧用途に好適である。
【0074】
接着剤組成物は、接着材料を含む、またはそれで構成される。
【0075】
本発明では、「材料」という用語は、異なる性質の1つまたは複数のポリマーを含む場合があるポリマーまたはポリマー系を意味する。この接着材料は、高分子溶液または溶剤中のポリマー粒子の分散の形態であってもよい。この接着材料は、追加として可塑剤を含んでもよい。この接着材料は、その粘弾性特性によって定義されるいくらかの粘着性を有する必要がある。
【0076】
本発明による接着材料は、たとえば、感圧接着剤、たとえば「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」3
rd edition、D. Satasにおいて引用される感圧接着剤の中から選ばれてもよい。
【0077】
接着材料は、アクリルポリマーまたはコポリマーの中から選ばれてもよい。
【0078】
感圧接着材料は、アクリルポリマー、特にアクリレートおよびメタクリル酸塩のコポリマー、ゴムをベースとする、またはスチレンコポリマー、たとえばスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)およびスチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)コポリマーをベースとする感圧接着剤から選ばれてもよい。
【0079】
感圧接着材料はまた、ウレタンポリマー、ポリウレタン、Bio-PSAなどのシリコーン、エチレン/酢酸ビニルポリマー、スチレンまたは天然ゴム、クロロプレン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレンなどをベースとするブロックコポリマーであってもよい。
【0080】
ゴム状ポリマーをベースとする感圧接着剤の非限定的な例として、特に、天然ゴム(ポリ(シス-1,4-イソプレン))、メタクリル酸メチル-イソプレングラフトコポリマー、スチレン-ブタジエンコポリマー、ブチルゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレンブロックコポリマー、ポリブタジエン、エチレン-ブチレンブロックコポリマー、およびポリクロロプレンが言及され得る。
【0081】
極性アクリルポリマーを含む感圧接着剤のうち、アクリル酸、アクリル酸アルキル、およびメタクリル酸アルキルをベースとするブロックまたは統計コポリマー、ならびに、これらのアクリルとエチレンおよび酢酸ビニルとのコポリマーも言及され得る。
【0082】
非常に部分的に好適であり得る感圧接着剤の一例は、ポリ(アクリル酸2-エチルヘキシル)であり、たとえば、固形分40%の15ミクロンの接着性アクリルマイクロスフェアを含む水分散体として、GEL-TAC 100G(Advanced Polymer International)というブランドで市販されているものである。
【0083】
好適であり得るアクリルコポリマーの例は、EASTAREZ 2010、2020、および2050(Eastman Chemical Co.)、ACRONAL V210(BASF)、MOWILITH LDM 7255、REVACRYL 491(Clariant)、ならびにFLEXBOND 165(Air Products)というブランドで市販されている。好ましい他のポリマーとして、アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシルコポリマーである、DAITO KASEI KOGYO の Daitosol 5500 GM について言及され得る。接着剤組成物は、たとえば、American International Industriesによって商品化された、DUO(登録商標)と称されるまつ毛用の接着剤組成物、およびDAITO KASEI KOGYO の Daitosol 5500 GM の中から選ばれてもよい。
【0084】
好適であり得る高分子ゴムの商用例は、RICON 130ポリブタジエン(Atofina Sartomer)、およびISOLENE 40ポリイソプレン(Elementis)というブランドで知られている。
【0085】
好適であり得るポリウレタンベースの接着剤の例は、SANCURE 2104(Noveon)およびVYLON UR 1400(Toyobo Vylon)というブランドで入手可能である。
【0086】
好適であり得る酢酸ビニルコポリマーの例は、PVP/VA 6-630(International Specialty Products)およびFLEXBOND 149(Air Products)というブランドで市販されている。
【0087】
ビニルアルコール/酢酸ビニルコポリマーの例は、CELVOL 107(Celanese)およびELVANOL 50-42(DuPont)というブランドで市販されている。
【0088】
少なくとも1つのモノマー、またはその結果として生じるポリマーが、周囲温度(25℃)よりも低いガラス転移温度を有するモノマーの組合せを含むブロックまたは統計コポリマーにも言及されてもよく、これらのモノマーまたはモノマーの組合せは、場合によっては、ブタジエン、エチレン、プロピレン、イソプレン、イソブチレン、シリコーン、およびこれらの混合物から選ばれる。そのような材料の例は、スチレン-ブタジエン-スチレン、スチレン-(エチレン-ブチレン)-スチレン、またはスチレン-イソプレン-スチレン型のブロックポリマーであり、たとえば、Kratonから「Kraton」、またはDexco Polymersから「Vector」という商標名で販売されているものである。
【0089】
本発明による接着材料はまた、ロジンまたは水素化ロジン、ロジンエステル、水素化ロジンエステル、などのロジン誘導体、テルペン、脂肪族または芳香族炭化水素ベースの樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、およびクマロン-インデン樹脂など、粘着付与樹脂(tackifying resin)を含んでもよい。セラック、サンダラックゴム、ダマール樹脂、エレミゴム、コーパル樹脂、ベンゾイン、およびゴムマスティック(gum mastic)などの化合物もまた言及される。
【0090】
架橋ポリオルガノシロキサンポリマーであるシリコーン樹脂もまた言及され得る。
【0091】
シリコーン樹脂の命名法は、「MDTQ」という名称で知られており、樹脂は、それが含む様々なシロキサンモノマー単位に応じて記述され、M、D、T、およびQの各々が、単位のタイプを特徴づける。
【0092】
これらの樹脂のうち、特に、化学式 [(CH
3)
3XSiXO]
xX(SiO
4/2)
y(MQ単位)の、ここで x および y は50〜80の範囲の整数である、トリメチルシロキシケイ酸であってもよい、シロキシケイ酸樹脂と、NADとして知られる、ポリマー粒子の非水分散の形態の脂質分散性(lipodispersible)皮膜形成ポリマーとに言及され得る。
【0093】
疎水性皮膜形成ポリマーの非水分散として、グラフト化エチレンポリマー、好ましくはアクリルポリマーの粒子の分散が、液体油相(liquid oily phase)において、たとえば液体脂肪相(liquid fatty phase)において、表面安定化された粒子の分散された形態で、使用され得る。
【0094】
表面安定化ポリマー粒子の分散は、国際公開第04/055081号において説明されているように製造され得る。
【0095】
文書WO 2015/091513において説明されているように、アクリル(メタクリル)酸イソボルニル(isobornyl (meth) acrylate)ポリマーから選ばれた安定剤によって安定化されたC
1〜C
4アクリル(メタクリル)酸アルキル(alkyl (meth) acrylate)ポリマー粒子の分散もまた言及され得る。
【0096】
UV反応型接着剤もまた使用され得る。
【0097】
例では、Pros-Aide(アクリルラテックス)Cream Blend 331 Adhesive、またはAQ1350 Eastman Chemical(スルホポリエステル可溶性ポリマー)接着剤が使用される。
【0098】
接着剤組成物は、まつ毛に連続膜として塗布され得る。
【0099】
変形態では、接着剤組成物は、接着エリア間に非接着エリアを作ることによって塗布され、これは、まつ毛に取り付けられたままの繊維の密度および分布をコントロールする。
【0100】
まつ毛に接着剤組成物を移すアプリケータが使用され得る。
【0101】
上記の接着剤組成物は、まつ毛に塗布されるものである。接着剤組成物はまた、ある場合は、支持体の基材の接触面の少なくとも一部を形成してもよい。そのような場合、接着剤組成物に繊維を接着するための接着力は、好ましくは、支持体に繊維を保持するための接着剤組成物の接着力よりも、たとえば少なくとも2倍高い。さらにこの場合、基材の接触面の接着剤組成物およびまつ毛に塗布されるための接着剤組成物は、そのような前提条件を考慮して選ばれる。
【0102】
結合剤
結合剤は、たとえば、上記のような感圧材料であってもよく、またはこれを含んでもよい。結合剤は、有利には、繊維を支持体上に保持するための少なくとも1つの結合剤の接着力が、まつ毛に塗布された接着剤組成物に繊維を接着するための接着力よりも低いように選ばれる。接着力のそのような範囲において、任意の種類の接着剤を使用してもよい。例では、US 3691140Aにおいて説明されるアクリルポリマー、またはSUMITOMO-3M製のScotch Color Stick Adhesiveが使用される。結合剤はまた、好ましくは感圧接着剤であってもよい。
【0103】
本発明は、その非限定的例示的実施形態の次の詳細な説明を読むことにより、また添付図面を調べることにより、よりよく理解できよう。