(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のゲート構造間の間隔は、前記複数のゲート構造のそれぞれの前記第1の端と前記第2の端との間の距離よりも小さく、前記間隔は、前記延伸方向に対して垂直な、前記複数のゲート構造の2つのゲート構造間の距離である、請求項1に記載の全周チャンネル型半導体装置。
前記複数のゲート構造のそれぞれの断面は、円形、楕円形、長方形、十字形、多角形、または不規則な形状であり、前記断面は、前記延伸方向に対して垂直である、請求項1に記載の全周チャンネル型半導体装置。
前記複数のゲート構造間の間隔は、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の距離の1倍以内であり、前記間隔は、前記延伸方向に対して垂直な、前記複数のゲート構造の2つのゲート構造間の距離である、請求項1に記載の全周チャンネル型半導体装置。
前記多重接続チャンネル層に配置された少なくとも1つの全周ゲート型装置をさらに備え、前記全周ゲート型装置の延伸方向は、前記複数のゲート構造の前記延伸方向と同じである、請求項1に記載の全周チャンネル型半導体装置。
前記複数のゲート構造は、異なる装置のゲート構造であり、前記異なる装置のゲート構造は、電流または電位によってブロックされる、請求項1に記載の全周チャンネル型半導体装置。
前記複数のゲート孔を形成した後、前記複数のゲート孔内の前記基板内に複数のソース領域を形成するために、および、前記多重接続チャンネル層の表面に複数のドレイン領域を形成するために、少なくとも1つのドーピング処理を実行することをさらに備えた、請求項19に記載の全周チャンネル型半導体装置を製造する方法。
前記接続トレンチを形成した後、前記接続トレンチ内の前記基板内にソース領域を形成するために、少なくとも1つのドーピング処理を実行することをさらに備えた、請求項23に記載の全周チャンネル型半導体装置を製造する方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下は、実施形態を列挙し、添付の図面を参照することにより詳細な説明を行うが、提供される実施形態は、本開示により包含される範囲を限定することを意図するものではない。また、図面は説明の目的のみのために描かれており、元のサイズに従って描かれている訳ではない。理解を容易にするために、以下の説明の同じ要素は、同じ記号を使用して説明される。本明細書で使用される「含む」、「備える」、「有する」などの用語は、すべてを含む用語、すなわち「含むがそれに限定されない」ことを意味する。さらに、本明細書で言及される「上」および「下」などの方向的用語は、添付の図面の方向を指す。したがって、方向的用語は、本開示を限定するのではなく、例示のためにのみ使用される。
【0014】
図1は、本開示の第1の実施形態に係る全周チャンネル型(CAA)半導体装置の斜視図である。
【0015】
図1を参照すると、第1の実施形態の全周チャンネル型半導体装置100は、複数のゲート構造102と、多重接続チャンネル層104とを含む。ゲート構造102は、延伸方向d1を有し、ゲート構造102のそれぞれは、互いに対向する第1の端102aおよび第2の端102bを有する。多重接続チャンネル層104は、ゲート構造102を完全に囲み、多重接続チャンネル層104の面方向d2は延伸方向d1に垂直であるため、ゲート構造102のチャンネル106はすべて(電気的に)接続される。本開示の「多重接続」という用語は、単一の全周チャンネル型半導体装置100のチャンネル106に、ループが三次元形状の点へ縮小できない任意の仮想閉路(曲線)が存在する可能性があることを指す。電気的特性を考慮すると、いわゆる「多重接続チャンネル」は、2つ以上の端子を接続する電気伝導チャンネルとしても表現され得る。一実施形態では、2つの隣接するゲート構造102間の間隔s1は、たとえば、ゲート構造102のそれぞれの第1の端102aと第2の端102bとの間の距離よりも小さく、間隔s1は、延伸方向d1に垂直な2つの隣接するゲート構造102間の距離である。
図1のゲート構造102の断面は、円形または楕円形であるが、本開示はこれに限定されず、ゲート構造102の断面は、長方形、十字形、多角形または不規則な形状であってもよく、断面は、延伸方向d1に対して垂直である。
【0016】
図2は、本開示の第2の実施形態に係る金属絶縁体半導体コンデンサ(MISC)の斜視図であり、同じまたは同様の構成要素を示すために、第1の実施形態と同じ参照番号が使用され、同じ構成要素の説明は、第1の実施形態を参照し、繰り返されない。
【0017】
図2を参照すると、第2の実施形態の半導体装置はMISC200であり、ゲート構造102および多重接続チャンネル層104に加えて、ゲート構造102のそれぞれと多重接続チャンネル層104との間にさらに誘電体層202が構成され、誘電体層202の材料は、たとえば、コンデンサに適した酸化物または他の誘電体材料である。
【0018】
図3は、本開示の第3の実施形態に係る電界効果トランジスタ(FET)の斜視図であり、同じまたは同様の構成要素を表すために、第1の実施形態と同じ参照番号が使用され、同じ構成要素の説明は、第1の実施形態を参照し、繰り返されない。
【0019】
図3を参照すると、第3の実施形態の半導体装置はFET300であり、ゲート構造102および多重接続チャンネル層104に加えて、FET300はさらに、ソース領域302、ドレイン領域304、および複数の絶縁スペーサ306a、306bを含む。ソース領域302のそれぞれは、ゲート構造102のそれぞれの第1の端102aを囲み、ドレイン領域304のそれぞれは、ゲート構造102のそれぞれの第2の端102bを囲む。絶縁スペーサ306aは、ソース領域302とゲート構造102との間に配置され、絶縁スペーサ306bは、ドレイン領域304とゲート構造102との間に配置される。絶縁スペーサ306a、306bの効果は、ゲート構造102とソース領域302との間、およびゲート構造102とドレイン領域304との間の短絡を防ぐことであり、その結果、絶縁スペーサ306a、306bは、たとえば、酸化物または他の絶縁材料のような絶縁材料で製造される。FET300のチャンネルキャリアは、ゲート構造102によって制限されないため、3D空間における追加の自由度により形成される(ドレイン領域304からソース領域302への)多数の電流経路が存在する。多数の電流経路は、延伸方向d1に沿った経路、延伸方向d1に垂直な経路、および最初に延伸方向d1に沿って、次に延伸方向d1に垂直に変更された経路を含む。任意の2つの隣接するゲート構造102間の間隔s2は、ソース領域302とドレイン領域304と間の距離s3の2倍以内に設定され得、間隔s2は、延伸方向d1に垂直な2つの隣接するゲート構造102間の距離である。ゲート構造102の間隔s2が上記範囲内にある場合、多重接続チャンネル層104に多重接続チャンネルを生成することがより有利である。
【0020】
図3を参照すると、FET300の多重接続チャンネル層104の任意の点の電位は、ゲート構造102の個々の電位の重ね合わせ(スカラ和)である。i番目のゲート構造102の個々の電位がQi/Riである場合、多重接続チャンネルの合計電位は、以下の通りである。
【数1】
多重接続チャンネルにおける特定の点で、そのような点とP番目のゲート構造102との間の距離はRpであり、そのようなゲート構造102の電位はQp/Rpである。次の式が満たされる場合、FET300のゲート制御能力は、単一の全周チャンネル型(CAA)FETのゲート制御能力よりも優れていると推定される。
【数2】
【0021】
特に、上記の式の2辺が等しい場合、それはダブルゲートの電位の和に等しい。すなわち、ゲートの電位分布のみを考慮し、キャリアのシールド効果を無視すると、本開示の多重接続チャンネルを備えたFET300は、(たとえば、SOI MOSFETがフロントゲートとバックゲートを含む構造である)2つのゲートのFETよりも優れている。さらに、ゲートサイズが小さくなる(Rも小さくなる)と、1/Rが急激に増加するため、本開示は、より多くのゲート構造と連携して、より小さなゲートサイズを通じて、より大きな合計電位を達成し得る。
【0022】
一実施形態では、ゲート構造102および多重接続チャンネル層104がP−N接合を形成する場合、FET300は接合電界効果トランジスタ(Junction Field−Effect Transistor:JFET)であり得る。
【0023】
一実施形態では、ゲート構造102および多重接続チャンネル層104が金属半導体接点を形成する場合、FET300は金属半導体電界効果トランジスタ(Metal−Semiconductor Field−Effect Transistor:MESFET)であり得る。
【0024】
一実施形態では、ゲート構造102と多重接続チャンネル層104との間にヘテロ構造(図示せず)がある場合、FET300は、ヘテロ構造分離ゲートFET(Heterostructure Isolated Gate FET:HIGFET)であり、ヘテロ構造は、ドープされていないヘテロ構造である。あるいは、FET300は、変調ドープFET(Modulation−Doped FET:MODFET)であり得、ヘテロ構造は、変調ドープヘテロ構造である。
【0025】
ゲート構造102が異なる装置に属する場合、異なる装置のゲート構造は、電流または電位によってブロックされ得る。あるいは、シャロートレンチ分離(Shallow Trench Isolation:STI)構造またはディープトレンチ分離(Deep Trench Isolation:DTI)構造などの一般的な装置分離構造が、異なる装置間に直接配置される。
【0026】
図4は、本開示の第4の実施形態に係る金属絶縁体半導体FET(MISFET)の斜視図であり、同じまたは同様の構成要素を表すために、第3の実施形態と同じ参照番号が使用され、同じ構成要素の説明は、第3の実施形態を参照し、繰り返されない。
【0027】
図4を参照すると、第4の実施形態の半導体装置は、MISFET400であり、ゲート構造102、多重接続チャンネル層104、ソース領域302、ドレイン領域304、および絶縁スペーサ306a、306bに加えて、MISFET400はさらに、ゲート構造102のそれぞれと、多重接続チャンネル層104との間に配置されたゲート絶縁層402を含み、ゲート絶縁層402の材料は、たとえば酸化シリコンである。
図4では、絶縁スペーサ306a、306bの厚さは、ゲート絶縁層402の厚さよりも大きいが、本開示はそれに限定されない。絶縁スペーサ306a、306bの厚さは、ゲート絶縁層402の厚さに等しくてもよい。また、絶縁スペーサ306a、306b、およびゲート絶縁層402の材料および厚さが同じである場合、絶縁スペーサ306a、306b、およびゲート絶縁層402を同時に製造できるように処理が簡素化され得る。
【0028】
図5は、本開示の第5の実施形態に係るトンネルFET(TFET)の斜視図であり、同じまたは同様の構成要素を表すために、第4の実施形態と同じ参照番号が使用され、同じ構成要素の説明は、第4の実施形態を参照し、繰り返されない。
【0029】
図5を参照すると、第5の実施形態の半導体装置は、TFET500であり、ゲート構造102、多重接続チャンネル層104、ソース領域502、ドレイン領域504、絶縁スペーサ306a、306b、およびゲート絶縁層402に加えて、MISFET500は、ソース領域502に配置されゲート構造のそれぞれを囲むポケットドープ領域506をさらに含む。この実施形態では、ソース領域502およびドレイン領域504は異なる導電型を有し、ポケットドープ領域506およびソース領域502は異なる導電型を有する。すなわち、ポケットドープ領域506とドレイン領域504は同じ導電型を有する。たとえば、ソース領域502はN+領域であり、ドレイン領域504はP+領域であり、ポケットドープ領域506はP+領域である。P+型ポケットドープ領域506およびN+型ソース領域502は、バンド間トンネル電流(Band−to−Band tunneling current:BTBT電流)を引き起こすために、近くに高電界を生成し得る。
【0030】
図6は、本開示の第6の実施形態に係る全周ゲートチャンネル型(GCAA)FETの斜視図であり、同じまたは同様の構成要素を表すために、第3の実施形態と同じ参照番号が使用され、同じ構成要素の説明は、第3の実施形態を参照し、繰り返されない。
【0031】
図6を参照すると、第6の実施形態の半導体装置はGCAA FET600であり、多重接続チャンネル層104、ソース領域302、ドレイン領域304、および絶縁スペーサ306a、306bに加えて、ゲート構造602のそれぞれは中空構造であり、内部閉チャンネル構造604が、ゲート構造602のそれぞれの中空領域に形成される。したがって、第6の実施形態の半導体装置は、内部閉チャンネルと外部多重接続チャンネルとを同時に有する。
【0032】
図7は、本開示の第7の実施形態に係るFETの上面図であり、同じまたは同様の構成要素を表すために、第3の実施形態と同じ参照番号が使用され、同じ構成要素の説明は、第3の実施形態を参照し、繰り返されない。
【0033】
図7では、ドレイン領域304の断面の面積は、多重接続チャンネル層104の平面の面積よりも小さく、ここで、上記の断面は、延伸方向(
図3のd1)に垂直である。ドレイン領域304の断面はより小さいため、多重接続チャンネル層104内のチャンネルは、漏れ経路を抑制するように制御される。また、
図7の点線で囲まれた領域は、金属絶縁体半導体絶縁体金属(Meal−Insulator−Semiconductor−Insulator−Metal:MISIM)ダイオード構造を形成し得る。
【0034】
図8Aおよび
図8Bは、本開示の第8の実施形態に係る2つのCAA半導体装置の上面図であり、同じまたは同様の構成要素を表すために、第1の実施形態と同じ参照番号が使用され、同じ構成要素の説明は、第1の実施形態を参照し、繰り返されない。本開示において、面方向におけるゲート構造102の配置は、ペア配置、規則的配置、または不規則配置であり得る。たとえば、第1の実施形態のゲート構造102の面方向の配置は正方形配置であり、第8の実施形態では、ゲート構造102の面方向の配置は三角形配置(
図8Aに示される)または六角形配置(
図8Bに示される)であるが、本開示は、たとえば五角形配置など、他の選択肢も有する。
図8Cのシミュレートされた電位電場図によれば、同じ電位の電界線は電位線に垂直であり、電界の強度がチャンネルを形成するのに十分な場合、多数の同一電位ゲートの等電位線も、多重接続チャンネルの意味を具体化し、多重接続チャンネルの効果を達成することが理解できる。したがって、上記の配置は、他の実施形態にも適合される。
【0035】
図9は、本開示の第9の実施形態に係るCAA半導体装置の上面図であり、同じまたは同様の構成要素を表すために、第2の実施形態と同じ参照番号が使用され、同じ構成要素の説明は、第2の実施形態を参照し、繰り返されない。
【0036】
第9の実施形態では、第2の実施形態の半導体装置が、少なくとも1つの全周ゲート型(GAA)素子900をさらに含み、たとえば、
図9の半導体装置は、1つのクロス型MISC200と4つのGAA素子900とで構成され、GAA素子900の延伸方向は、ゲート構造102の延伸方向と同じである。GAA素子900は、基本的に、閉チャンネル902、外部ゲート904、およびそれらの間の誘電体層906を含む。しかしながら、本開示はこれに限定されず、MISC200は、他の実施形態の半導体装置に変更されてもよく、GAA素子900および半導体装置の数、断面形状などがすべて、実際の要件に応じて変更され得る。
【0037】
図10Aおよび
図10Bは、本開示の第10の実施形態に係る2つのFETの上面図であり、同じまたは同様の構成要素を表すために、第3の実施形態と同じ参照番号が使用され、ドレイン領域およびソース領域の図示は省略され、同じ構成要素の説明は、第3の実施形態を参照し、繰り返されない。
【0038】
図10Aおよび
図10Bでは、ゲート構造1000a、1000bの一部は、多重接続チャンネル層104から面方向に沿って延びているため、多重接続チャンネルを生成できる範囲は、ゲート構造1000a、1000bの範囲よりも小さく、多重接続チャンネル層104のチャンネルはすべて、漏れ経路を抑制するように制御される。さらに、多重接続チャンネル層104の外側の他の構造は図示されていないが、多重接続チャンネル層104は装置分離構造(図示せず)に囲まれ、他の周囲装置から電気的に分離され得ることに留意されたい。
【0039】
図11Aから
図11Eは、本開示の第11の実施形態に係るCAA半導体装置の製造フローの断面図である。
【0040】
図11Aを参照すると、多重接続チャンネル層1102が最初に基板1100上に形成され、多重接続チャンネル層1102を形成する方法は、たとえば、基板1100上にエピタキシャル処理を実行することである。さらに、後続のエッチング処理を容易にするために、マスク層1104が最初に多重接続チャンネル層1102上に形成され、マスク層1104は単層または多層構造であり得る。
【0041】
次に、
図11Bを参照すると、複数のゲート孔1106が、多重接続チャンネル層1102に形成され、ゲート孔1106は、その後に形成されるゲート構造が同じ延伸方向を有するように同じ延伸方向を有する。ゲート孔1106が形成された後、ゲート孔1106内の基板1100内にソース領域1108を形成するために、装置設計に従ってドーピング処理1107が実行され得る。
【0042】
次に、
図11Cを参照すると、導電性材料1110がゲート孔1106に充填され、導電性材料1110が平坦化されてゲート孔1106の外側の導電性材料が除去される。さらに、異なる半導体装置を形成するために、他のフィルム層1112(たとえば、誘電体層、絶縁スペーサ、またはヘテロ構造)が最初にゲート孔1106の内面に共形的に形成され、その後、導電性材料1110の堆積および平坦化が実行される。
【0043】
次に、
図11Dを参照すると、マスク層1104が除去された後、再結晶化または選択的エピタキシを実施して、ゲート構造1114を形成することができる。多重接続チャンネル層1102は、ゲート構造1114を完全に囲み、多重接続チャンネル層1102の面方向は、ゲート構造1114のチャンネルが(電気的に)接続されるように、ゲート構造1114の延伸方向に垂直である。ドーピング処理1107は、ゲート構造1114が形成された後に装置設計に従って実行され、多重接続チャンネル層1102の表面にドレイン領域1116を形成することができる。
【0044】
最後に、
図11Eを参照すると、異なるゲート構造1114のドレイン領域1116を分離するために、ドレイン領域1116の間に分離構造1118を形成することができる。分離構造1118は、たとえば、シャロートレンチ分離構造または他の分離構造である。
【0045】
図12Aから
図12Eは、本開示の第12の実施形態に係るCAA半導体装置の製造フローの断面図である。
【0046】
図12Aを参照すると、まず、導電性材料1202が最初に基板1200上に形成され、導電性材料1202を形成する方法は、たとえば、基板1200上にエピタキシャル処理を実行することである。さらに、後続のエッチング処理を容易にするために、マスク層1204が最初に導電性材料1202上に形成され、マスク層1204は、単層または多層構造であり得る。
【0047】
次に、
図12Bを参照すると、接続トレンチ1206が導電性材料1202に形成される。
図12Bは断面図であり、接続トレンチ1206は複数の分離された領域であるが、実際には、接続トレンチ1206は、
図1の多重接続チャンネル層104と同じ位置を有し、分離された領域は、全体として接続される。接続トレンチ1206内の基板1200内にソース領域1208を形成するために、接続トレンチ1206が形成された後、装置設計に従ってドーピング処理1207が実行され得る。
【0048】
次に、
図12Cを参照すると、接続トレンチ1206内にチャンネル材料1210が形成される。一実施形態では、チャンネル材料1210が形成される前に、他のフィルム層1212(たとえば、誘電体層、絶縁スペーサ、またはヘテロ構造)が、接続トレンチ1206に最初に共形的に堆積され得る。チャンネル材料1210は、たとえば、シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム、シリコンゲルマニウム、リン化インジウムなどのエピタキシャル層である。導電性材料1202は、たとえば、ポリシリコン、アルミニウム、窒化チタン、チタンアルミニウム合金、金、タングステンなどの金属である。
【0049】
次に、
図12Dを参照すると、
図12Cのチャンネル材料1210は、接続トレンチ1206の外側のチャンネル材料を除去するために平坦化され、接続トレンチ1206内に多重接続チャンネル層1210aを形成する。さらに、ドーピング処理1207は、多重接続チャンネル層1210aの表面上にドレイン領域1214を形成するために、チャンネル材料が平坦化された後、装置設計に従って実行され得る。
【0050】
最後に、
図12Eを参照すると、導電性材料1202が金属化されてゲート構造1216が形成される。
【0051】
図13Aを参照すると、
図13Aは、本開示の実施形態に係る回路構造の概略図である。回路構造1300は、ゲート構造G1、G2および多重接続チャンネル層1301を含む。ゲート構造G1、G2は、同じ延伸方向DIR1を有し、ゲート構造G1、G2はそれぞれ第1の端および第2の端を有する。ゲート構造G1、G2は、多重接続チャンネル層1301に配置され、ゲート構造G1、G2は、多重接続チャンネル層1301によって完全に囲まれている。ゲート構造G1の第1の端にドレイン領域D1が形成され、ゲート構造G1の第2の端にソース領域S1が形成される。ドレイン領域D1、ソース領域S1、およびゲート構造G1はそれぞれ、間に絶縁スペーサI1、I2を有する。絶縁スペーサI1、I2は、ドレイン領域D1とゲート構造G1との間、およびソース領域S1とゲート構造G1との間の短絡を防止するために使用される。さらに、ゲート構造G2の第1の端にドレイン領域D2が形成され、ゲート構造G2の第2の端にソース領域S2が形成される。ドレイン領域D2、ソース領域S2、およびゲート構造G2はそれぞれ、間に絶縁スペーサI3、I4を有する。絶縁スペーサI3、I4は、ドレイン領域D2とゲート構造G2との間、およびソース領域S2とゲート構造G2との間の短絡を防止するために使用される。
【0052】
実施形態において、ゲート構造G1および多重接続チャンネル層1301は、ドレイン領域D1およびソース領域S1と協働して第1のトランジスタを形成し得る。ゲート構造G2および多重接続チャンネル層1301は、ドレイン領域D2およびソース領域S2と協働して第2のトランジスタを形成し得る。第1のトランジスタのチャンネルは、多重接続チャンネル層1301に形成され得、第2のトランジスタのチャンネルも、多重接続チャンネル層1301に形成され得る。このようにして、第1のトランジスタと第2のトランジスタのチャンネルが、互いに電気的に接続され得る。
【0053】
図13Aおよび
図13Bを同時に参照すると、
図13Bは、回路構造1300の等価回路図である。
図13Bでは、ゲート構造G1および多重接続チャンネル層1301により共に形成される第1のトランジスタT1は、それぞれゲート端GE1、ソース端SE1、ドレイン端DE1、およびチャンネル端CE1である4つの端を有し得る。ゲート構造G2および多重接続チャンネル層1301によって共に形成される第2のトランジスタT2も、それぞれゲート端GE2、ソース端SE2、ドレイン端DE2、およびチャンネル端CE2である4つの端を有し得る。
図13Aに示す回路構造1300によって、トランジスタT1、T2は、トランジスタT1、T2によって共有される多重接続チャンネル層1301を通るチャンネル端CE1、CE2によってチャンネル内電気接続構造を形成し得る。このようにして、トランジスタT1、T2は、互いに直列または並列に接続された構造を形成し得る。さらに、チャンネル端CE1、CE2の相互接続により、トランジスタT1、T2のチャンネルの電荷は、比較的低い伝送抵抗の条件下で伝送され、トランジスタT1、T2の間の信号伝送効率を効果的に改善することができる。
【0054】
一方、回路構造1300では、トランジスタT1のドレイン端DE1と、トランジスタT1のチャンネル端CE1とを短絡し、および、トランジスタT2のドレイン端DE2と、トランジスタT2のチャンネル端CE2とを短絡することにより、トランジスタT1のチャンネル端CE1およびドレイン端DE1、ならびにトランジスタT2のチャンネル端CE2およびドレイン端DE2は、すべて電荷を排出するための端であり得る。さらに、本開示の実施形態では、外部接続ワイヤEW1を使用することにより、ドレイン端DE1とドレイン端DE2とが電気的に接続され、トランジスタT1、T2の間の信号伝送効率がさらに改善される。
【0055】
実施形態において、トランジスタT1、T2は、P型トランジスタであり得る。トランジスタT1、T2の導電型は、多重接続チャンネル層1301の導電型(多重接続チャンネル層1301の導電型と同じ)に応じて決定され得る。トランジスタT1、T2は多重接続チャンネル層1301を共有するので、トランジスタT1、T2の導電型は同じである。本開示の他の実施形態では、トランジスタT1、T2はN型トランジスタであり得る。
【0056】
上記の実施形態の実装を通じて、本開示の実施形態の回路構造1300は、チャンネル内論理構造を実現し得る。
【0057】
図14を参照すると、
図14は、本開示の別の実施形態に係る回路構造の概略図である。回路構造1400は、ゲート構造G1、G2、多重接続チャンネル層1401、1402、およびワイヤ層1410を含む。多重接続チャンネル層1401、1402は、それぞれ異なる(相補的)導電タイプを有し、それぞれゲート構造G1、G2を取り囲む。ゲート構造G1、G2は、同じ延伸方向を有する。ソース領域S1およびドレイン領域D1は、ゲート構造G1の第1の端および第2の端にそれぞれ構成され、ソース領域S2およびドレイン領域D2は、ゲート構造G2の第1の端および第2の端にそれぞれ構成される。また、実施形態では、ワイヤ層1410は、ドレイン領域D1およびドレイン領域D2を囲み、ドレイン領域D1およびドレイン領域D2に電気的に接続するように構成される。
【0058】
実施形態において、ゲート構造G1および多重接続チャンネル層1401は第1のトランジスタを形成し得、ゲート構造G2および多重接続チャンネル層1402は第2のトランジスタを形成し得る。また、ワイヤ層1410を用いてドレイン領域D1およびドレイン領域D2を電気的に接続することにより、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを、直列接続または並列接続し得る。また、ワイヤ層1410を用いてドレイン領域D1およびドレイン領域D2を電気的に接続することにより、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタのチャンネルが、擬似接続状態を形成し得、チャンネル内論理構造を形成し得ることに留意されたい。
【0059】
図15Aを参照すると、
図15Aは、本開示の別の実施形態に係る回路構造の上面図である。回路構造1500は、複数のゲート構造G1〜G4および多重接続チャンネル層1510を含む。ゲート構造G1〜G4は、同じ多重接続チャンネル層1510に配置され、多重接続チャンネル層1510は、ゲート構造G1〜G4を取り囲んでいる。ゲート構造G1〜G4および多重接続チャンネル層1510は、互いに直列に接続された複数のトランジスタを形成する。ゲート構造G1上のソース領域は、ソース入力信号SINを受信するように構成され、ゲート構造G4上のチャンネルおよびドレイン領域は、それぞれチャンネル出力信号COUTおよびドレイン出力信号DOUTを生成し得る。
図15Bの回路構造1500の等価回路図を参照すると、ゲート構造G1〜G4および多重接続チャンネル層1510は、それぞれトランジスタT1〜T4を形成する。多重接続チャンネル層1510を共有することにより、トランジスタT1〜T4は順次直列接続構成を有し得、トランジスタT1〜T4はそれぞれ、ゲート構造G1〜G4に対応するゲート端GE1〜GE4を有し、ゲート端GE1〜GE4は、同じまたは異なる制御信号を受信するために使用され得る。
【0060】
一方、トランジスタT1のソース端SE1は、ソース入力信号SINを受信し得、トランジスタT4のチャンネル端CE4およびドレイン端DE4は、出力信号OUTを生成し得る。出力信号OUTは、チャンネル出力信号COUTおよびドレイン出力信号DOUTのいずれか、またはチャンネル出力信号COUTおよびドレイン出力信号DOUTの組合せであり得る。
【0061】
実施形態では、回路構造1500は、パストランジスタ論理(Pass Transistor Logic:PTL)であり得、チャンネル内電荷転送による信号伝送を実現する。トランジスタT1〜T4のチャンネル内接続構造により、PTLの伝送抵抗が低減され、信号伝送の効率が改善され、内部抵抗に起因するIR降下歪みが低減される。
【0062】
図16Aを参照すると、
図16Aは、本開示の別の実施形態に係る回路構造の上面図である。回路構造1600は、ゲート構造G1、GA2、および多重接続チャンネル層1610を含む。多重接続チャンネル層1610はゲート構造G1、GA2を完全に囲み、ゲート構造GA2は閉領域を有し、絶縁層IA2および分離チャンネル層CA2は閉領域に構成され、絶縁層IA2は、ゲート構造GA2と分離チャンネル層CA2との間に配置され、ゲート構造GA2と分離チャンネル層CA2とが直接短絡するのを防ぐ。実施形態では、ゲート構造G1および多重接続チャンネル層1610は、第1のトランジスタを形成し、ゲート構造GA2、絶縁層IA2、および分離チャンネル層CA2は、第2のトランジスタを形成することができる。
【0063】
ゲート構造GA2は、多重接続チャンネル層1610に直接配置され、多重接続チャンネル層1610によって完全に囲まれているため、第1のトランジスタのチャンネルは、第2のトランジスタのゲート端に直接かつ電気的に接続され得る。
図16Bおよび
図16Cを参照すると、
図16Bおよび
図16Cはそれぞれ、回路構造1600の異なる実装の等価回路図である。
図16Bでは、ゲート構造G1および多重接続チャンネル層1610は、第1のトランジスタT1を形成し、ゲート構造GA2および多重接続チャンネル層1610は、第2のトランジスタT2を形成する。ゲート構造GA2と多重接続チャンネル層1610との間の相互接触に基づいて、第1のトランジスタT1のチャンネル端CE1は、第2のトランジスタT2のゲート端GAE1に直接かつ電気的に接続され得る。このようにして、第1のトランジスタT1のチャンネル端CE1と、第2のトランジスタT2のゲート端GAE1との間の伝送抵抗を低減して、信号伝送効率を改善することができる。
【0064】
図16Aの実施形態では、多重接続チャンネル層1610および分離チャンネル層CA2の導電型は同じ、たとえばN型であり得る。このようにして、
図16Aの第1のトランジスタT1および第2のトランジスタT2は、N型トランジスタであり得る。比較すると、
図16Cに示されるように、多重接続チャンネル層1610および分離チャンネル層CA2の導電型は、P型であってもよく、ゲート構造G1および多重接続チャンネル層1610により形成される第1のトランジスタT3と、ゲート構造GA2および多重接続チャンネル層1610により形成される第2のトランジスタT4も、P型トランジスタであってもよい。
【0065】
また、
図16Cにおいて、ゲート構造GA2と多重接続チャンネル層1610との間の相互接触により、第1のトランジスタT3のチャンネル端CE3は、第2のトランジスタT4のゲート端GAE4に直接かつ電気的に接続され得る。このようにして、第1のトランジスタT3のチャンネル端CE3と、第2のトランジスタT4のゲート端GAE4との間の伝送抵抗を低減して、信号伝送効率を改善することができる。
【0066】
図17Aを参照すると、
図17Aは、本開示の別の実施形態に係る回路構造の上面図である。回路構造1700は、ゲート構造G1、GA3、および多重接続チャンネル層1710を含む。多重接続チャンネル層1710は、ゲート構造G1、GA3を完全に囲み、ゲート構造GA3は閉領域を有し、絶縁層IA3および分離チャンネル層CA3は閉領域に構成され、絶縁層IA3は、ゲート構造GA3と分離チャンネル層CA3との間に配置され、ゲート構造GA3と分離チャンネル層CA3とが直接短絡するのを防ぐ。実施形態では、ゲート構造G1および多重接続チャンネル層1710は、第1のトランジスタを形成し得、ゲート構造GA3、絶縁層IA3、および分離チャンネル層CA3は、第2のトランジスタを形成し得る。
【0067】
多重接続チャンネル層1710と分離チャンネル層CA3の導電型は逆であってもよいことに留意されたい。
図17Aから
図17Cを参照すると、
図17Bおよび
図17Cはそれぞれ、回路構造1700の異なる実装の等価回路図である。
図17Bにおいて、多重接続チャンネル層1710および分離チャンネル層CA3の導電型が、それぞれN型およびP型である状況を例にとると、多重接続チャンネル層1710とゲート構造G1により形成される第1のトランジスタTR1は、N型トランジスタであり、ゲート構造GA3、絶縁層IA3、および分離チャンネル層CA3により形成される第2のトランジスタTR2は、P型トランジスタであり得る。さらに、多重接続チャンネル層1710とゲート構造GA3との間の相互接触により、第1のトランジスタTR1のチャンネル端CER1は、第2のトランジスタTR2のゲート端GARE1に直接かつ電気的に接続され得る。
【0068】
一方、
図17Cにおいて、多重接続チャンネル層1710および分離チャンネル層CA3の導電型が、それぞれP型およびN型である状況を例にとると、多重接続チャンネル層1710とゲート構造G1により形成される第1のトランジスタTR3は、P型トランジスタであり、ゲート構造GA4、絶縁層IA4、および分離チャンネル層CA4により形成される第2のトランジスタTR4は、N型トランジスタであり得る。さらに、多重接続チャンネル層1710とゲート構造GA4との間の相互接触により、第1のトランジスタTR3のチャンネル端CER3は、第2のトランジスタTR4のゲート端GARE4に直接かつ電気的に接続され得る。
【0069】
図18Aから
図18Cを参照すると、
図18Aから
図18Cは、本開示の実施形態に係る回路構造の複数の実装の概略図である。
図18Aから
図18Cの回路構造は、論理回路を復元している。
図18Aでは、回路構造1810は、第1のトランジスタT1および第2のトランジスタT2を含む。第1のトランジスタT1は、ゲート端GE1、ソース端SE1、ドレイン端DE1、およびチャンネル端CE1を有する。第2のトランジスタT2は、ゲート端GE2、ソース端SE2、ドレイン端DE2、およびチャンネル端CE2を有する。実施形態では、回路構造1810は、インバータ回路であり、第1のトランジスタT1は、P型トランジスタであり得、第2のトランジスタT2は、N型トランジスタであり得る。第1のトランジスタT1のソース端SE1は、動作電圧VDDを受け取り、第1のトランジスタT1のゲート端SE1は入力信号INを受け取り、第1のトランジスタT1のドレイン端DE1およびチャンネル端CE1は、外部ワイヤを構成することにより、ゾーンZ1において、第2のトランジスタT2のドレイン端DE2およびチャンネル端CE2に電気的に接続され得る。さらに、第2のトランジスタT2のゲート端SE2は、入力信号INを受信し、第2のトランジスタT2のソース端SE2は、基準接地電圧VSSに結合される。さらに、第1のトランジスタT1のチャンネル端CE1と、第2のトランジスタT2のチャンネル端CE2とは、電気的に接続され、チャンネル出力信号COUTを生成する。第1のトランジスタT1のドレイン端DE1と、第2のトランジスタT2のドレイン端DE2とは、電気的に接続され、ドレイン出力信号DOUTを生成する。
【0070】
なお、実施形態において、第1のトランジスタT1のドレイン端DE1とチャンネル端CE1とが互いに電気的に接続され得、第2のトランジスタT2のドレイン端DE2とチャンネル端CE2とが互いに電気的に接続され得、チャンネル出力信号COUTをドレイン出力信号DOUTと同じにする。
【0071】
実施形態では、入力信号IN、チャンネル出力信号COUT、およびドレイン出力信号DOUTは、すべて論理信号であり得、回路構造1810は、インバータ論理回路であり、入力信号INは、チャンネル出力信号COUTおよびドレイン出力信号DOUTへ反転される。
【0072】
第1のトランジスタT1および第2のトランジスタT2の導電型は逆であるため、実施形態は、回路構造1400によって実現され得る。
【0073】
図18Bにおいて、回路構造1820は、第1のトランジスタT1、第2のトランジスタT2、第3のトランジスタT3、および第4のトランジスタT4を含む。第1のトランジスタT1のソース端SE1および第2のトランジスタT2のソース端SE2は、動作電圧VDDを共に受け取り、第1のトランジスタT1のゲート端GE1および第2のトランジスタT2のゲート端GE2は、それぞれ入力信号IN1、IN2を受信する。第1のトランジスタT1のチャンネル端CE1および第2のトランジスタT2のチャンネル端CE2は、共にチャンネル出力信号COUTを生成し、第1のトランジスタT1のドレイン端DE1および第2のトランジスタT2のドレイン端DE2は、共にドレイン出力信号DOUTを生成する。第1のトランジスタT1および第2のトランジスタT2は、並列接続状態を示す。
【0074】
さらに、第3のトランジスタT3のチャンネル端CE3およびドレイン端DE3は、第1のトランジスタT1のチャンネル端CE1およびドレイン端DE1にそれぞれ結合され、第3のトランジスタT3のゲート端GE3は、入力信号IN2を受信する。第4のトランジスタT4のチャンネル端CE4およびドレイン端DE4の少なくとも一方は、ゾーンZ2に構成されるワイヤを介して第3のトランジスタT3のソース端SE3に電気的に接続され得る。さらに、第4のトランジスタのソース端SE4は、基準接地電圧VSSを受け取り、第4のトランジスタT4のゲート端GE4は入力信号IN1を受信する。第3のトランジスタT3および第4のトランジスタT4は直列接続状態を示し、本開示の他の実施形態では、第3のトランジスタT3および第4のトランジスタの位置は交換され得る。
【0075】
回路構造1820は、チャンネル出力信号COUTおよびドレイン出力信号DOUTを生成するために、入力信号IN1、IN2に対してNAND論理演算を実行するように構成されたNANDゲート論理回路である。
【0076】
図18Cにおいて、回路構造1830は、第1のトランジスタT1、第2のトランジスタT2、第3のトランジスタT3、および第4のトランジスタT4を含む。第1のトランジスタT1および第2のトランジスタT2は互いに直列に接続され、第3のトランジスタT3および第4のトランジスタT4は互いに並列に接続される。第1のトランジスタT1のチャンネル端CE1およびドレイン端DE1は、ゾーンZ3に構成されるワイヤを介して第2のトランジスタT2のソース端SE2に電気的に接続され得ることに留意されたい。回路構造1830は、NORゲート論理回路であり、チャンネル出力信号COUTおよびドレイン出力信号DOUTを生成するために、入力信号IN1、IN2に対してNOR論理演算を実行するように構成される。
【0077】
図18Bおよび
図18Cの実施形態では、第1のトランジスタT1および第2のトランジスタT2は同じ導電型(P型)のトランジスタであるため、上述した実施形態の回路構造1300が、実装のために使用され得ることに留意されたい。第1のトランジスタT3および第2のトランジスタT4は、同じ導電型(N型)のトランジスタでもあるため、上述した実施形態の回路構造1300が、実装のために使用され得る。第1のトランジスタT1の導電型は第3のトランジスタT3の導電型と反対であるため、第1のトランジスタT1および第2のトランジスタT2を構築するために使用される多重接続チャンネル層は、第3のトランジスタT3および第4のトランジスタT4を構築するために使用される多重接続チャンネル層とは異なり、回路構造1400を介して構築され得る。
【0078】
図19Aから
図19Cを参照すると、
図19Aから
図19Cは、本開示の実施形態に係る回路構造の複数の実施の概略図である。
図19Aから
図19Cの実施形態の回路構造1910、1920、および1930はそれぞれ、インバータ論理回路、NANDゲート論理回路、およびNORゲート論理回路である。回路構造1910、1920、および1930では、第1のトランジスタT1はダイオードを形成するように構成されており、第1のトランジスタT1のゲート端GE1を(ゾーンZ1〜Z3のワイヤを介して)チャンネル端CE1およびそのドレイン端DE1の少なくとも一方へ結合することによって、第1のトランジスタT1はダイオード構成を形成し、プルアップ回路として機能することに留意されたい。
【0079】
図19Bにおいて、第2のトランジスタT2および第3のトランジスタT3は互いに直列に結合され、それぞれ入力信号IN1、IN2を受信する。このようにして、動作電圧VDDを受け取る第1のトランジスタT1と協働して、回路構造1920はNAND論理回路であり得る。
【0080】
図19Cにおいて、第2のトランジスタT2および第3のトランジスタT3は互いに並列に結合され、それぞれ入力信号IN1、IN2を受信する。このようにして、動作電圧VDDを受け取る第1のトランジスタT1と協働して、回路構造1930はNOR論理回路であり得る。
【0081】
図20を参照すると、
図20は、本開示の回路構造の実装の概略図である。回路構造2000は、第1のトランジスタT1から第6のトランジスタT6を含む。第1のトランジスタT1から第3のトランジスタT3は、同じ導電型(P型)であり、第4のトランジスタT4から第6のトランジスタT6は同じ導電型(N型)である。第1のトランジスタT1および第4のトランジスタT4のソース端は互いに電気的に接続され、第1のトランジスタT1および第4のトランジスタT4のチャンネル端とドレイン端とは互いに電気的に接続される。第1のトランジスタT1および第4のトランジスタT4のゲート端は、それぞれ制御信号GS1および制御信号GS1Bを受信し、制御信号GS1および制御信号GS1Bは互いに反転した信号である。第2のトランジスタT2および第5のトランジスタT5のソース端は互いに電気的に接続され、第2のトランジスタT2および第5のトランジスタT5のチャンネル端とドレイン端とは互いに電気的に接続される。第2のトランジスタT2および第5のトランジスタT5のゲート端は、それぞれ制御信号GS2および制御信号GS2Bを受信し、制御信号GS2および制御信号GS2Bは互いに反転した信号である。また、第3のトランジスタT3および第6のトランジスタT6のソース端は互いに電気的に接続され、第3のトランジスタT3および第6のトランジスタT6のチャンネル端とドレイン端とは互いに電気的に接続される。第3のトランジスタT3および第6のトランジスタT6のゲート端は、それぞれ制御信号GS3および制御信号GS3Bを受信し、制御信号GS3および制御信号GS3Bは互いに反転した信号である。
【0082】
実施形態では、回路構造2000は、スイッチ型論理回路である。相互に結合されたトランジスタの組はそれぞれ送信ゲートを形成し、信号V1〜V3を送信して、それぞれチャンネル出力信号COUT1〜COUT3およびドレイン出力信号DOUT1〜DOUT3を生成するように構成される。
【0083】
実施形態において、第1のトランジスタT1から第3のトランジスタT3は、同じ導電型を有するので、第1のトランジスタT1から第3のトランジスタT3は、回路構造1300に従って、同じ第1の多重接続チャンネル層を共有することにより構築され得る。第4のトランジスタT4から第6のトランジスタT6は、同じ導電型を有するので、第4のトランジスタT4から第6トランジスタT6は、回路構造1300に従って、同じ第2の多重接続チャンネル層を共有することにより構築され得る。第1の多重接続チャンネル層および第2の多重接続チャンネル層は、異なる導電タイプを有し、回路構造1400に従って構築され得る。
【0084】
図21Aおよび
図21Bを参照すると、
図21Aは、本開示の回路構造の実装の上面図であり、
図21Bは、回路構造2100の等価回路図である。
図21Aにおいて、回路構造2100は、多重接続チャンネル層2110および複数のゲート構造G1〜G8を含む。多重接続チャンネル層2110は、ゲート構造G1〜G8を完全に囲む。ゲート構造G1、G3、G5、G7は、ゲート構造G2、G4、G6、G8にそれぞれ対応して配置される。
【0085】
さらに、ゲート構造G3、G7は信号A1を受信し、ゲート構造G1、G5は信号A1Bを受信し、ゲート構造G6、G8は信号B1を受信し、ゲート構造G2、G4は信号B1Bを受信し、信号A1は信号A1Bの反転信号であり、信号B1は信号B1Bの反転信号である。多重接続チャンネル層2110と協働して、ゲート構造G1〜G8はそれぞれ、第1のトランジスタT1から第8のトランジスタT8(
図21Bに示される)を形成し得る。トランジスタT1のソース端は、入力信号C0を受信するように構成され、トランジスタT3のソース端は、入力信号C1を受信するように構成され、トランジスタT5のソース端は、入力信号C2を受信するように構成され、トランジスタT7のソース端は、入力信号C3を受信するように構成される。
【0086】
信号A1B、B1Bが論理高レベルを有する(信号A1、B1が論理低レベルを有する)場合、第1から第8のトランジスタT1〜T8がすべてN型トランジスタである状況を例にとると、第1のトランジスタT1および第2のトランジスタT2はチャンネルを生成し、チャンネルを介してチャンネル内接続を形成し、入力信号C0を送信して、出力信号OUT0を生成する。信号A1、B1Bが論理高レベルを有する(信号A1B、B1が論理低レベルを有する)場合、第3のトランジスタT3および第4のトランジスタT4はチャンネルを生成し、チャンネルを介してチャンネル内接続を形成し、入力信号C1を送信して、出力信号OUT1を生成する。信号A1B、B1が論理高レベルを有する(信号A1、B1Bが論理低レベルを有する)場合、第5のトランジスタT5および第6のトランジスタT6はチャンネルを生成し、チャンネルを介してチャンネル内接続を形成し、入力信号C2を送信して、出力信号OUT2を生成する。信号A1、B1が論理高レベルを有する(信号A1B、B1Bが論理低レベルを有する)の場合、第7のトランジスタT7および第8のトランジスタT8はチャンネルを生成し、チャンネルを介してチャンネル内接続を形成し、入力信号C3を送信して、出力信号OUT3を生成する。
【0087】
さらに、実施形態では、トランジスタT2、T4、T6、T8のドレイン端および/またはチャンネル端を電気的に接続することにより、出力信号OUT0〜OUT3が組み合わされて出力信号OUTTが生成される。
【0088】
図22を参照すると、
図22は、本開示の回路構造の実装の上面図である。回路構造2200は、複数のゲート構造G1〜G6と、多重接続チャンネル層2210とを含む。多重接続チャンネル層2210は、ゲート構造G1〜G6を完全に囲み、ゲート構造G1〜G6は、複数のトランジスタを形成するように構成され、トランジスタは、共通のチャンネル端CEおよび共通のドレイン端DEを有する。ゲート構造G1〜G6は、チャンネル端CEおよびドレイン端DEに関して対称的に配置される。
【0089】
多重接続チャンネル層2210は、複数の入力信号AIN1〜AIN4をそれぞれ受信する信号受信インターフェースとして機能するように、複数のN強化(N+)ドープ領域2201〜2204で構成される。この実施形態では、回路構造2200はアナログ回路であり、入力信号AIN1〜AIN4はすべてアナログ信号である。さらに、入力信号AIN1〜AIN4は、2組の差動信号であり、たとえば、入力信号AIN1、AIN2は、1組の差動信号であり、入力信号AIN3、AIN4は、別の組の差動信号である。
【0090】
図23を参照すると、
図23は、本開示の回路構造の実装の回路図である。本開示の実施形態によって提供されるトランジスタ構造に基づいて、回路構造2300は、チャンネル端CEおよびドレイン端DEを有するトランジスタTO1を使用することにより、演算増幅器OP1の出力ステージを構築し得る。このようにして、トランジスタTO1のチャンネル端CEによって提供されるチャンネル出力信号COUTのチャンネル内フィードバックに基づいて実行されるフィードバック動作により、信号フィードバック経路の伝送抵抗が低減され得、フィードバック信号の品質が向上する。さらに、トランジスタTO1のドレイン端DEは、ドレイン出力信号DOUTを外部回路に提供するように構成され得る。このようにして、外部回路によって引き起こされるフィードバック信号(チャンネル出力信号COUT)の干渉が低減され、回路の安定性が向上する。
【0091】
図24を参照すると、
図24は、本開示の回路構造の実装の三次元構造図である。回路構造2400では、多重接続チャンネル層2410に、複数のゲート構造GSが構成され、ゲート構造GSがアレイ状に配置される。回路構造2400はパワートランジスタを形成し、複数のゲート構造GSおよび多重接続チャンネル層2410を介して、複数の並列チャンネルを生成し得る。回路構造2400は、複数のチャンネルを通じて複数のチャンネル出力信号を提供し得、複数のトランジスタのドレイン端を通じて複数のドレイン出力信号を提供する。このようにして、チャンネル出力信号およびドレイン出力信号の駆動能力が向上され得る。
【0092】
図25を参照すると、
図25は、本開示の回路構造の実装の三次元構造図である。回路構造2500は、多重接続チャンネル層2510と、複数のゲート構造G1〜G9を含む。ゲート構造G1〜G9は、多重接続チャンネル層2510内に構成され、多重接続チャンネル層2510は、ゲート構造G1〜G9を完全に囲む。ゲート構造G1〜G9は、多重接続チャンネル層2510と協働して複数のトランジスタを形成し、実施形態では、ゲート構造G1、G4はクロック信号CK1を受信し、ゲート構造G2、G6は、クロック信号CK2を受信し、ゲート構造G3、G8は、クロック信号CK3を受信し、ゲート構造G5、G7、G9はそれぞれ、クロック信号CK1B、CK2B、CK3Bを受信する。クロック信号CK1B、CK2B、CK3Bは、それぞれクロック信号CK1、CK2、CK3の反転信号であり、クロック信号CK1、CK2、CK3は、順次イネーブルされる周期信号であり得る。
【0093】
回路構造2500は、電荷移動回路であり得、アナログスイッチング電源であるチャージポンプ回路を実現するために使用され得る。
【0094】
実施形態では、同じ多重接続チャンネル層2510を共有することにより、形成された複数のトランジスタの複数のチャンネルは、チャンネル内接続方式で電荷移動動作を実現し得ることに留意されたい。比較的低い伝送抵抗の利点の下で、電荷移動の変換効率が向上され得る。
【0095】
図26を参照すると、
図26は、本開示の回路構造の実装の回路図である。回路構造2600は、メモリ回路(たとえば、静的メモリセル)である。回路構造2600は、トランジスタTS1〜TS4、TP1、TP2を含む。トランジスタTS1、TS2はP型トランジスタであり、共に動作電圧VDDを受け取る。トランジスタTS3、TS4はN型トランジスタであり、それぞれトランジスタTS1、TS2と直列に結合されている。トランジスタTS3、TS4は、基準接地電圧VSSを受け取る。さらに、トランジスタTS1、TS3のゲート端は、トランジスタTS2、TS4のチャンネル端CE2、CE4に共に結合され、および/または、トランジスタTS2、TS4のドレイン端DE2、DE4に結合される。トランジスタTS2、TS4のゲート端は、トランジスタTS1、TS3のチャンネル端CE1、CE3に共通に結合され、および/または、トランジスタTS1、TS3のドレイン端DE1、DE3に結合される。
【0096】
一方、トランジスタTP1のゲート端はワード線WLに結合され、トランジスタTP1のソース端はビット線BLに結合され、トランジスタTP1は、チャンネル端CPE1および/またはそのドレイン端DPE1を介して、チャンネル端CE1、CE3およびトランジスタTS1、TS3のドレイン端DE1、DE3へ結合される。トランジスタTP2のゲート端はワード線WLに結合され、トランジスタTP2のソース端はビット線BLBに結合され、トランジスタTP2は、チャンネル端CPE2および/またはそのドレイン端DPE2を介して、トランジスタTS2、TS4のチャンネル端CE2、CE4およびドレイン端DE2、DE4へ結合される。
【0097】
なお、トランジスタTP1、TP2の接続方法は、
図26に示したものに限定されないことに留意されたい。トランジスタTP1、TP2は、チャンネル端CE2、CE4およびドレイン端DE2、DE4を介してビット線BL、BLBにもそれぞれ結合され得る。
【0098】
実施形態では、チャンネル内接続方式であるが、トランジスタTS1〜TS4、TP1、TP2は、データの安定性を確保するために電荷蓄積効率を向上することができる。
【0099】
要約すると、本開示の回路構造では、全周チャンネル型半導体装置のゲートの外側にチャンネルを設計することにより、チャンネルは単一のゲート構造に限定されず、三次元空間に多数の電流経路を有する。回路構造が電界効果トランジスタに適用されると、同じサブスレッショルドスイングで単位面積あたりの出力電流を大幅に増加させることができ、装置密度がさらに増加され得ることが予想される。