(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1方向に配列された第1の複数の受光素子を備える第1受光素子列、前記第1方向に配列された第2の複数の受光素子を備える第2受光素子列、及び、前記第1方向に配列された第3の複数の受光素子を備える第3受光素子列が前記第1方向に直交する第2方向に所定の間隔で並べられたラインセンサにおいて、
前記第1受光素子列は第1の複数の透過部を備え、前記第1の複数の透過部に含まれるそれぞれの透過部は、前記第1の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第2受光素子列は第2の複数の透過部を備え、前記第2の複数の透過部に含まれるそれぞれの透過部は、前記第2の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第3受光素子列は第3の複数の透過部を備え、前記第3の複数の透過部に含まれるそれぞれの透過部は、前記第3の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第1の複数の透過部、前記第2の複数の透過部及び前記第3の複数の透過部のそれぞれは、第1色の光を透過する第1透過部、前記第1色とは異なる第2色の光を透過する第2透過部、及び、前記第1色及び前記第2色とは異なる第3色の光を透過する第3透過部を含み、
前記第1受光素子列、第2受光素子列及び第3受光素子列のそれぞれは、前記第1透過部に対応する受光素子と、前記第1方向において当該第1透過部の一方側に隣接して設けられた前記第2透過部に対応する受光素子と、前記第1方向において当該第1透過部の他方側に隣接して設けられた前記第3透過部に対応する受光素子と、を含み、
前記第1受光素子列は、前記第1方向における第1の位置に設けられた第1受光素子と、前記第1受光素子に隣接する第2受光素子と、を含み、記第1受光素子列の前記第1方向における中心の位置である列中心位置と前記第1の位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第2受光素子が設けられる第2の位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記列中心位置と前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第1受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記列中心位置と前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第2受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第1受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第2受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子に対応する透過部の前記第2方向における中心位置は、前記第2受光素子に対応する透過部の前記第2方向における中心位置と同じ位置であり、
前記第1受光素子列は第1の複数の集光部を備え、前記第1の複数の集光部に含まれるそれぞれの集光部は、前記第1の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第2受光素子列は第2の複数の集光部を備え、前記第2の複数の集光部に含まれるそれぞれの集光部は、前記第2の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第3受光素子列は第3の複数の集光部を備え、前記第3の複数の集光部に含まれるそれぞれの集光部は、前記第3の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第1受光素子に対応する集光部は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において、前記第1受光素子に対応する透過部に対して前記第1受光素子とは反対側に設けられ、
前記第2受光素子に対応する集光部は、前記第3方向において、前記第2受光素子に対応する透過部に対して前記第2受光素子とは反対側に設けられ、
前記列中心位置と前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第1受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記列中心位置と前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第2受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第1受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第2受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子に対応する集光部の前記第2方向における中心位置は、前記第2受光素子に対応する集光部の前記第2方向における中心位置と同じ位置であり、
前記列中心位置と前記第1受光素子の前記第1方向における端部のうち前記第1受光素子列の中央側とは反対側の端部の位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第1受光素子に対応する透過部の前記第1方向における端部のうち前記第1受光素子列の中央側とは反対側の端部の位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記列中心位置と前記第2受光素子の前記第1方向における端部のうち前記第1受光素子列の中央側とは反対側の端部の位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第2受光素子に対応する透過部の前記第1方向における端部のうち前記第1受光素子列の中央側とは反対側の端部の位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子列において前記第1方向における第3の位置に設けられた受光素子に対応する透過部、前記第2受光素子列において前記第3の位置に設けられた受光素子に対応する透過部、及び、前記第3受光素子列において前記第3の位置に設けられた受光素子に対応する透過部は、互いに異なる色の光を透過する透過部である
ことを特徴とするラインセンサ。
前記第2受光素子列において、前記第1方向における前記第1の位置に設けられた第3受光素子に対応する透過部の前記第2方向における中心位置は、前記第1方向において前記第3受光素子に隣接する第4受光素子に対応する透過部の前記第2方向における中心位置と同じ位置であり、
前記第2受光素子列において、前記第3受光素子に対応する集光部の前記第2方向における中心位置は、前記第4受光素子に対応する集光部の前記第2方向における中心位置と同じ位置である
ことを特徴とする請求項1に記載のラインセンサ。
第1方向に配列された第1の複数の受光素子を備える第1受光素子列、前記第1方向に配列された第2の複数の受光素子を備える第2受光素子列、及び、前記第1方向に配列された第3の複数の受光素子を備える第3受光素子列が前記第1方向に直交する第2方向に所定の間隔で並べられたラインセンサにおいて、
前記第1受光素子列は第1の複数の透過部を備え、前記第1の複数の透過部に含まれるそれぞれの透過部は、前記第1の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第2受光素子列は第2の複数の透過部を備え、前記第2の複数の透過部に含まれるそれぞれの透過部は、前記第2の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第3受光素子列は第3の複数の透過部を備え、前記第3の複数の透過部に含まれるそれぞれの透過部は、前記第3の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第1の複数の透過部、前記第2の複数の透過部及び前記第3の複数の透過部のそれぞれは、第1色の光を透過する第1透過部、前記第1色とは異なる第2色の光を透過する第2透過部、及び、前記第1色及び前記第2色とは異なる第3色の光を透過する第3透過部を含み、
前記第1受光素子列、第2受光素子列及び第3受光素子列のそれぞれは、前記第1透過部に対応する受光素子と、前記第1方向において当該第1透過部の一方側に隣接して設けられた前記第2透過部に対応する受光素子と、前記第1方向において当該第1透過部の他方側に隣接して設けられた前記第3透過部に対応する受光素子と、を含み、
前記第1受光素子列は、前記第1方向における第1の位置に設けられた第1受光素子と、前記第1受光素子に隣接する第2受光素子と、を含み、記第1受光素子列の前記第1方向における中心の位置である列中心位置と前記第1の位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第2受光素子が設けられる第2の位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記列中心位置と前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第1受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記列中心位置と前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第2受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第1受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第2受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記第1受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置と前記第2受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子列は第1の複数の集光部を備え、前記第1の複数の集光部に含まれるそれぞれの集光部は、前記第1の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第2受光素子列は第2の複数の集光部を備え、前記第2の複数の集光部に含まれるそれぞれの集光部は、前記第2の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第3受光素子列は第3の複数の集光部を備え、前記第3の複数の集光部に含まれるそれぞれの集光部は、前記第3の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第1受光素子に対応する集光部は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において、前記第1受光素子に対応する透過部に対して前記第1受光素子とは反対側に設けられ、
前記第2受光素子に対応する集光部は、前記第3方向において、前記第2受光素子に対応する透過部に対して前記第2受光素子とは反対側に設けられ、
前記列中心位置と前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第1受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記列中心位置と前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第2受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第1受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第2受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子列において前記第1方向における第3の位置に設けられた受光素子に対応する透過部、前記第2受光素子列において前記第3の位置に設けられた受光素子に対応する透過部、及び、前記第3受光素子列において前記第3の位置に設けられた受光素子に対応する透過部は、互いに異なる色の光を透過する透過部である
ことを特徴とするラインセンサ。
前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記第1受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置と前記第2受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長い
ことを特徴とする請求項3に記載のラインセンサ。
前記列中心位置と前記第1受光素子の前記第1方向における端部のうち前記第1受光素子列の中央側とは反対側の端部の位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第1受光素子に対応する透過部の前記第1方向における端部のうち前記第1受光素子列の中央側とは反対側の端部の位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記列中心位置と前記第2受光素子の前記第1方向における端部のうち前記第1受光素子列の中央側とは反対側の端部の位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第2受光素子に対応する透過部の前記第1方向における端部のうち前記第1受光素子列の中央側とは反対側の端部の位置との間の前記第1方向における距離よりも長い
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のラインセンサ。
前記第1受光素子列は第1の複数のゲート電極を備え、前記第1の複数のゲート電極に含まれるそれぞれのゲート電極は、前記第1の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して設けられ、
前記第2受光素子列は第2の複数のゲート電極を備え、前記第2の複数のゲート電極に含まれるそれぞれのゲート電極は、前記第2の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して設けられ、
前記第3受光素子列は第3の複数のゲート電極を備え、前記第3の複数のゲート電極に含まれるそれぞれのゲート電極は、前記第3の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して設けられ、
前記第1受光素子に対応するゲート電極は前記第2方向において当該第1受光素子に隣接して設けられ、前記第2受光素子に対応するゲート電極は前記第2方向において当該第2受光素子に隣接して設けられる
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のラインセンサ。
前記第1受光素子列は、前記第2方向に延長し且つ前記第1方向において前記第1受光素子の中心位置と前記第2受光素子の中心位置との間に設けられた第1配線と、前記第1方向に延長した第2配線と、を含み、前記第1配線及び前記第2配線は、前記第3方向において前記第1受光素子と前記第1受光素子に対応する透過部との間に設けられる
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のラインセンサ。
前記第2配線と前記第1受光素子に対応する透過部との間の前記第3方向における距離は、前記第1配線と前記第1受光素子に対応する透過部との間の前記第3方向における距離よりも短い
ことを特徴とする請求項10乃至14のいずれか一項に記載のラインセンサ。
前記第1受光素子に対応する透過部の前記第2方向における幅は前記第1受光素子の前記第2方向における幅よりも大きく、前記第2受光素子に対応する透過部の前記第2方向における幅は前記第2受光素子の前記第2方向における幅よりも大きい
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載のラインセンサ。
前記第1透過部、前記第2透過部及び前記第3透過部は、前記第1方向において、第1透過部、第2透過部、第3透過部の順に周期的に並んでいることを特徴とする請求項21に記載のラインセンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図25は、特許文献2のように主走査方向に周期的にR,G、Bのカラーフィルタが配置されたイメージセンサの課題を説明する図である。受光素子であるフォトダイオード20、及びカラーフィルタ30の数字の後のR、G、Bは、各フォトダイオード及びカラーフィルタが対応する色を示す。なお、各色に関係しない一般的な説明をする場合は、R、G、Bの符号は省略する(以下、同様に記載をする)。
【0009】
読取ユニットの構成によっては、フォトダイオード20に入射される光の入射角が受光素子面に対して傾く場合がある。入射光が傾いてしまうと、受光素子に対応したカラーフィルタ20とは異なるカラーフィルタ30を通過した光が受光素子に入射されてしまう「混色」という問題が発生する。
図25に示すように、緑の光を受光するためのフォトダイオード20Gは、緑のカラーフィルタ30Gを通過した光L1だけでなく、隣接する青のカラーフィルタ30Bを通過した光L2も受光してしまっている。そのため、フォトダイオード20Gは、緑と青の色の光を受光してしまう。結果、本来の画像の色味と異なる色味の画像が読み取られてしまう。このような現象を「混色」と呼ぶ。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、混色を抑制することができるラインセンサ、及び当該ラインセンサを用いた画像読取装置、画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決するための本発明のラインセンサは、
第1方向に配列された第1の複数の受光素子を備える第1受光素子列、前記第1方向に配列された第2の複数の受光素子を備える第2受光素子列、及び、前記第1方向に配列された第3の複数の受光素子を備える第3受光素子列が前記第1方向に直交する第2方向に所定の間隔で並べられたラインセンサにおいて、
前記第1受光素子列は第1の複数の透過部を備え、前記第1の複数の透過部に含まれるそれぞれの透過部は、前記第1の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第2受光素子列は第2の複数の透過部を備え、前記第2の複数の透過部に含まれるそれぞれの透過部は、前記第2の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第3受光素子列は第3の複数の透過部を備え、前記第3の複数の透過部に含まれるそれぞれの透過部は、前記第3の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第1の複数の透過部、前記第2の複数の透過部及び前記第3の複数の透過部のそれぞれは、第1色の光を透過する第1透過部、前記第1色とは異なる第2色の光を透過する第2透過部、及び、前記第1色及び前記第2色とは異なる第3色の光を透過する第3透過部を含み、
前記第1受光素子列、第2受光素子列及び第3受光素子列のそれぞれは、前記第1透過部に対応する受光素子と、前記第1方向において当該第1透過部の一方側に隣接して設けられた前記第2透過部に対応する受光素子と、前記第1方向において当該第1透過部の他方側に隣接して設けられた前記第3透過部に対応する受光素子と、を含み、
前記第1受光素子列は、前記第1方向における第1の位置に設けられた第1受光素子と、前記第1受光素子に隣接する第2受光素子と、を含み、記第1受光素子列の前記第1方向における中心の位置である列中心位置と前記第1の位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第2受光素子が設けられる第2の位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記列中心位置と前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第1受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記列中心位置と前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第2受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第1受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第2受光素子に対応する透過部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子に対応する透過部の前記第2方向における中心位置は、前記第2受光素子に対応する透過部の前記第2方向における中心位置と同じ位置であり、
前記第1受光素子列は第1の複数の集光部を備え、前記第1の複数の集光部に含まれるそれぞれの集光部は、前記第1の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第2受光素子列は第2の複数の集光部を備え、前記第2の複数の集光部に含まれるそれぞれの集光部は、前記第2の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第3受光素子列は第3の複数の集光部を備え、前記第3の複数の集光部に含まれるそれぞれの集光部は、前記第3の複数の受光素子のうち互いに異なる受光素子に対応して配置され、
前記第1受光素子に対応する集光部は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において、前記第1受光素子に対応する透過部に対して前記第1受光素子とは反対側に設けられ、
前記第2受光素子に対応する集光部は、前記第3方向において、前記第2受光素子に対応する透過部に対して前記第2受光素子とは反対側に設けられ、
前記列中心位置と前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第1受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記列中心位置と前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第2受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第1受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離は、前記第2受光素子の前記第1方向における中心位置と前記第2受光素子に対応する集光部の前記第1方向における中心位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子に対応する集光部の前記第2方向における中心位置は、前記第2受光素子に対応する集光部の前記第2方向における中心位置と同じ位置であり、
前記列中心位置と前記第1受光素子の前記第1方向における端部のうち前記第1受光素子列の中央側とは反対側の端部の位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第1受光素子に対応する透過部の前記第1方向における端部のうち前記第1受光素子列の中央側とは反対側の端部の位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記列中心位置と前記第2受光素子の前記第1方向における端部のうち前記第1受光素子列の中央側とは反対側の端部の位置との間の前記第1方向における距離は、前記列中心位置と前記第2受光素子に対応する透過部の前記第1方向における端部のうち前記第1受光素子列の中央側とは反対側の端部の位置との間の前記第1方向における距離よりも長く、
前記第1受光素子列において前記第1方向における第3の位置に設けられた受光素子に対応する透過部、前記第2受光素子列において前記第3の位置に設けられた受光素子に対応する透過部、及び、前記第3受光素子列において前記第3の位置に設けられた受光素子に対応する透過部は、互いに異なる色の光を透過する透過部である
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、混色を抑制することができるラインセンサ、及び当該ラインセンサを用いた画像読取装置、画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下添付図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。
【0014】
(実施形態1)
図1は画像読取装置である原稿読み取り装置の内部構成を示す断面図である。原稿読取装置100の下には、公知の画像形成部110が設けられ、原稿読み取り装置100と画像形成部110とで画像形成装置を構成している。公知の画像形成部110の一例として電子写真方式の画像形成部がある。電子写真方式の画像形成部は、感光ドラムに形成された静電潜像をトナー像に現像し、紙などの記録媒体にトナー像を転写することで画像形成を行う。本実施形態における画像形成装置は、原稿読み取り装置100により読み取られた画像を、画像形成部110により記録媒体に形成することができる。
【0015】
原稿台ガラス101上には、読み取られる対象物として画像が形成されたシート(以下、原稿)102が載置される。ユーザーによって読取開始ボタン(不図示)が押されると、読取部103は図中矢印の方向に移動し、原稿102を読み取る。
【0016】
読取部103は、矢印の方向に移動する際に、読取部103の上部に配置された発光部としての白色のLED104a、104bを発光させ、原稿102に光を照射する。
【0017】
読取部103は、LED104a、104b、複数の折り返しミラー105a、105b、105c、105d、105e、集光レンズ106、CMOSセンサ107を備えた縮小光学系の読取ユニットとなっている。LED104a及び104bによって原稿102に照射された光は原稿102により反射される。原稿102から反射された光は、折り返しミラー105a、105b、105c、105d、105eによって反射された後、集光レンズ106によってラインセンサであるCMOSセンサ107に集光される。CMOSセンサ107は受光素子を備えており、受光素子は入射された光を光電変換し、入射された光量に応じた電気信号を出力する。
【0018】
図2は、CMOSセンサ107の構成を説明する図である。
図2(a)は、各画素のカラーフィルタの配列を示す図である。
図2(b)は、ライン3の左端部のGBRの3つの画素の詳細図である。
図2(c)は、
図2(b)のXの位置の断面図である。
図2(c)における矢印は、入射する光を表している。本実施形態において、1画素は1つのフォトダイオード1204に対応する。
【0019】
CMOSセンサ107は、主走査方向にフォトダイオード1204(受光素子)を配置した受光素子列と、当該受光素子列に対応して配置される複数のカラーフィルタ1202(透過部)を備えている。1画素分のフォトダイオード1204は、当該フォトダイオード1204に対応する1画素分のカラーフィルタ1202よりも小さく構成されている。CMOSセンサ107は、ライン1、ライン2、ライン3の複数の受光素子列を有している。カラーフィルタ1202とフォトダイオード1204の間は層間膜と言われるSiO等の絶縁材料(不図示)が存在する。
図2(c)に示すように、カラーフィルタ1202に対しフォトダイオード1204とは逆側に、マイクロレンズ1203(集光部)が配置されている。マイクロレンズ1203は、フォトダイオード1204に対応して配置されており、フォトダイオード1204に入射される光を集光する機能を有している。マイクロレンズ1203の上部にはカバーガラス(不図示)が存在する。1205は画素転送トランジスタのゲート電極(電荷転送部)である。ゲート電極1205は、フォトダイオード1204に蓄積された光電荷を読み出し回路に転送する役割を果たす。ゲート電極1205は、ポリシリコンで構成されている。
【0020】
受光素子が一列に並べられる方向を主走査方向(第1の方向)とし、主走査方向と直交する方向を副走査方向(第2の方向)とする。
【0021】
図3は単位画素の等価回路図である。画素転送トランジスタのゲート電極1205は、フォトダイオード1204に蓄積された光電荷を読み出し回路に転送する役割を果たす。回路は、さらにフォトダイオード1204、画素転送トランジスタのゲート電極1205、画素信号をリセットするリセット用トランジスタ1303、画素信号を増幅するソースフォロワ用トランジスタ1304、増幅信号を読み出す選択用トランジスタ1305を備えている。
受光素子列であるライン1、2、3の各々は、主走査方向に7500画素分、副走査方向に3列分のフォトダイオード1204が配置されている。本実施形態では主走査方向の解像度は600dpiである。
【0022】
各受光素子列は副走査方向に1画素分だけ隙間を開けて配置される。ライン2はライン1に対して2画素分、ライン3はライン1に対して4画素分だけ副走査方向に離れた位置の画像を取得することになる。
【0023】
カラーフィルタ1202は、入射する光に対して透過する波長領域が異なる3種類のカラーフィルタを備えている。それぞれ、赤い光を透過するフィルタ(1202R)、緑の光を透過するフィルタ(1202G)、青い光を透過するフィルタ(1202B)、の3種類のカラーフィルタである。
【0024】
ライン1、2、3のカラーフィルタ1202は
図2に示すように、主走査方向にR→G→B→R→G→B→・・・の周期的な規則を有して配置されている。いわゆる千鳥状にRGBのカラーフィルタが配列されている。
【0025】
また、ライン2はライン1に対して前記R→G→B→・・・の規則性を1画素分主走査方向にずらして配列されており、ライン3はライン1に対してR→G→B→・・・の規則性を主走査方向に2画素分ずらして配列されている。そのため、カラーフィルタ1202の配列を副走査方向に見た時に、R、G、Bのカラーフィルタがそれぞれ存在するようになっている(
図2のα参照)。
【0026】
1201破線は、単位画素を表す範囲である。単位画素のピッチはCMOSセンサの仕様により決まり、通常は等間隔である。
【0027】
図4は本実施形態における原稿読み取り装置100のブロック図である。
【0028】
CPU401は、不揮発性メモリ402に格納された制御プログラムを読出し、原稿読み取り装置100全体の制御を行う。操作部403は、ユーザーがカラーコピーやモノクロコピー、両面コピーといったコピーモードの設定や、コピー開始の指示を入力するユーザーインターフェースである。モーター404は読取部103を副走査方向に移動させる。モータードライバ405は、CPU401からのタイミング信号を受け、モーター404を回転制御させるための励磁電流を供給する。
【0029】
LEDドライバ406は、CPU401からのタイミング信号を受け、白色LED104a及び104bを発光させるための電流を供給する。
【0030】
IC407は、CMOSセンサ107から出力されるアナログ電圧信号に対し、サンプルホールド処理、オフセット処理、ゲイン処理といったアナログ処理を行い、アナログ処理された電圧信号をデジタルデータ(以下、輝度データ)に変換する。IC407は、一般的にAFE(Analog Front End)と呼ばれる。なお、本実施形態ではこのデジタルデータは8bit(0〜255)のデータである。
【0031】
画像処理部408の動作を説明する。AFE407から出力される読取データは、ラインメモリ409に格納される。ラインメモリ409は、CMOSセンサ107内の受光素子列ライン1、ライン2、ライン3各々のラインで読み取った読取データを5ライン分ずつ保持する。
【0032】
データソート部410は、RGBの読取データを並び替える。前述したように、本実施形態のCMOSセンサ107はRGBのカラーフィルタが千鳥状に配列されている。そのため、RGBの読取データが1ライン内に混在した状態でラインメモリ409に格納されることになる。
【0033】
また、
図2(a)に示したように、ライン1とライン2は副走査方向に2画素、ライン1とライン3は4画素離れて配置されている。そのため、あるタイミングで取得したライン2の読取データはライン1に対して2画素、ライン3の読取データはライン1に対して4画素分だけ副走査にずれた位置の読取データであるということになる。
【0034】
そこで、データソート部410は、ライン1、ライン2、ライン3から得られる読取データを並べ替えて、RGBの各色の画像データを生成する。例えば、Rの処理について説明する。データソート部410は、ラインメモリ409に記憶されたライン1、ライン2、ライン3のそれぞれの画像データからRのデータ部分をピックアップする。あるタイミングで取得したライン1、ライン2、ライン3の読取データは副走査方向にずれているため、このずれをなくすような処理をする。即ち、あるタイミングで取得したデータについて、ライン2の読取データは副走査方向に2画素、ライン3の読取データは副走査方向に4画素ずらすように処理をする。このような処理をすることで、副走査方向のずれがなくなる。この処理を各色で行うことにより、CMOSセンサ107で読み取られた読取データは副走査方向のずれがなくなり、原稿102の画像に対応した読取データとなる。
【0035】
画像処理回路411は、データソート部410にて並び替えられた読取データに対して、シェーディング補正処理やフィルタ処理などの画像処理を施す。なお、画像処理を行うために必要となるフィルタの設定等は電源投入時にCPU401によって画像処理回路411内のレジスタに設定される。
【0036】
パラレル/シリアル変換回路412は、画像処理回路411からパラレルのデータとして出力される各種画像処理後の読取データをシリアルデータに変換する。シリアルデータに変換された読取データは、画像出力コントローラ413に送信される。
【0037】
図5は本実施形態におけるCPU401の制御フローチャートである。
【0038】
ユーザーが原稿読取装置100の電源を入れると、CPU401は、原稿読み取り装置制御プログラムの起動処理、LED光源の光量調整などの初期動作を行う(原稿読み取り装置100の起動:S500)。
【0039】
次に、CPU401は、画像処理の設定に対応するデータを画像処理回路411内のレジスタに設定する(S501)。
【0040】
そして、CPU401は、操作部403からの読み取りジョブ開始指令を待つ(S502)。
【0041】
ユーザーにより読み取りジョブ開始指令が入力されると(S502のY)、CPU401は、光源である白色LED104a、104bを発光させる(S503)。CPU401は、LEDドライバ406に制御信号を出力し、LEDドライバ406は、LED104a、104bに電流を供給して発光させる。
【0042】
そして、CPU401は、モータードライバ405に制御信号を出力し、モータードライバ405は、モーター404を駆動して読取部103を副走査方向に移動させる(S504)。
【0043】
読み取りが完了すると(S505のY)、CPU401は、LED104a、104bを消灯し、原稿読み取り装置をジョブ待ち状態にする制御を行う。
【0044】
(カラーフィルタ、マイクロレンズ、ゲート電極の構成)
図6は、縮小光学系において、原稿102から反射する光がCMOSセンサ107に入射される際の、光路を模式的に表した図である。説明を簡単にするためミラーは省略している。
【0045】
縮小光学系では、読み取られる原稿102の主走査方向の長さに対して、CMOSセンサ107の主走査方向の長さは短くなっている。
図6に示されるようにCMOSセンサ107の受光素子列の中央部においては、原稿からの光はCMOSセンサ107に対しほぼ垂直に入射するが、端部においては原稿からの光はCMOSセンサ107に対し傾いて入射されることになる。先に説明したように受光素子列に異なるカラーフィルタを配置したラインセンサでは、入射光が傾いてしまうと混色という問題が発生する(
図25参照)。
【0046】
本実施形態では、CMOSセンサ107への入射光が傾いてしまうのに対応するために、カラーフィルタ1202の中心と、当該カラーフィルタに対応するフォトダイオード1204の中心とがずれている。
【0047】
図7を用いて説明をする。カラーフィルタ1202の中心は、当該カラーフィルタに対応するフォトダイオード1204の中心に対して受光素子列の主走査方向の中央に向けてにずれて配置されている。また、マイクロレンズ1203の中心は、当該マイクロレンズ1203に対応するフォトダイオード1204の中心に対して受光素子列の主走査方向の中央に向けてずれて配置されている。
【0048】
受光素子列は、フォトダイオード1204G(第1の受光素子)と、フォトダイオード1204B(第2の受光素子)と、フォトダイオード1204R(第3の受光素子)と、を含む。
【0049】
フォトダイオード1204Gは、カラーフィルタ1202G(第1の透過部)に対応するフォトダイオードである。フォトダイオード1204Bは、受光素子列の中央側にフォトダイオード1204Gに隣接して設けられカラーフィルタ1202B(第2の透過部)に対応するフォトダイオードである。フォトダイオード1204Rは、受光素子列の中央側にフォトダイオード1204Bに隣接して設けられカラーフィルタ1202R(第3の透過部)に対応するフォトダイオードである。
【0050】
カラーフィルタ1202Gの中心は、フォトダイオード1204Gの中心に対して受光素子列の主走査方向の中央に向けてずれて配置されている。カラーフィルタ1202Bの中心は、フォトダイオード1204Bの中心に対して受光素子列の主走査方向の中央に向けてずれて配置されている。カラーフィルタ1202Rの中心は、フォトダイオード1204Rの中心に対して受光素子列の主走査方向の中央に向けてずれて配置されている。
【0051】
複数のマイクロレンズは、マイクロレンズ1203G(第1の集光部)と、マイクロレンズ1203B(第2の集光部)と、マイクロレンズ1203R(第3の集光部)と、を含む。
マイクロレンズ1203Gは、フォトダイオード1204Gに対応するマイクロレンズである。マイクロレンズ1203Bは、フォトダイオード1204Bに対応するマイクロレンズである。マイクロレンズ1203Rは、フォトダイオード1204Rに対応するマイクロレンズである。マイクロレンズ1203Gの中心は、フォトダイオード1204Gの中心に対して受光素子列の主走査方向の中央に向けてずれて配置されている。マイクロレンズ1203Bの中心は、フォトダイオード1204Bの中心に対して受光素子列の主走査方向の中央に向けてずれて配置されている。マイクロレンズ1203Rの中心は、フォトダイオード1204Rの中心に対して受光素子列の主走査方向の中央に向けてずれて配置されている。なお、本実施形態では、カラーフィルタ1202の中心とマイクロレンズ1203の中心とは一致している。
【0052】
本実施形態では、縮小光学系の読取ユニットとなっており、CMOSセンサ107の左端部に入射される光は、
図2(c)のように受光素子列の主走査方向の中央側に傾いて入射されている。本実施形態では、カラーフィルタ1202の中心、マイクロレンズ1203の中心が、フォトダイオード1204の中心に対して受光素子列の主走査方向の中央に向けてずれて配置されている。そのため、フォトダイオード1204は、フォトダイオード1204に対応するカラーフィルタ1202、マイクロレンズ1203を通過した光を受光することができる。したがって、混色の問題を抑制することができる。
【0053】
カラーフィルタ1202、マイクロレンズ1203のずらし量について
図7を用いて説明をする。
図7の120の位置を第1の位置、第1の位置よりも受光素子列の中央側の位置である121を第2の位置とする。CMOSセンサ107に入射される光は、受光素子列の端部に近くなればなるほど傾きが大きくなり、中央部に近づくほど傾きは少なくなり垂直に近くなる。そのため、カラーフィルタ1202の中心(及びマイクロレンズ1203の中心)が、フォトダイオード1204の中心に対して受光素子列の中央方向にずれている量は、受光素子列の端部側の方が大きく、受光素子列の中央側の方が小さくしている。
【0054】
d1G、d1B、d1Rは、第1の位置において、カラーフィルタ1202G、B、Rの中心が、対応するフォトダイオード1204G、B、Rの中心とずれている量を示している。
d2G、d2B、d2Rは、第2の位置において、カラーフィルタ1202G’、B’、R’の中心が、対応するフォトダイオード1204G’、B’、R’の中心とずれている量を示している。
【0055】
各ずれ量は、d1G>d1B>d1R>d2G>d2B>d2R、となっている。
【0056】
即ち、第1の位置おける、カラーフィルタ1202Gの中心とフォトダイオード1204Gの中心とがずれている量は、第2の位置におけるカラーフィルタ1202G’の中心とフォトダイオード1204G’の中心よりも大きい。同様に、第1の位置おける、マイクロレンズ1203Gの中心とフォトダイオード1204Gの中心とがずれている量は、第2の位置におけるマイクロレンズ1203G’の中心とフォトダイオード1204G’の中心よりも大きい。また同じ第1の位置で見てみれば、カラーフィルタ1202Gの中心とフォトダイオード1204Gの中心とがずれている量は、カラーフィルタ1202Bの中心とフォトダイオード1204Bの中心とがずれている量よりも大きい。そして、カラーフィルタ1202Bの中心とフォトダイオード1204Bの中心とがずれている量は、カラーフィルタ1202Rの中心とフォトダイオード1204Rの中心とがずれている量よりも大きい。
【0057】
このようにすることで、受光素子列に対する光の照射角度に応じて、混色に対して最適な
カラーフィルタ1202(マイクロレンズ1203)のずらし量とすることができる。
【0058】
本実施形態では、
図8に示すように、フォトダイオードのピッチ間隔Z1に対し、カラーフィルタのピッチ間隔Z2を所定の割合で小さくしている(例えば0.99×Z1=Z2)。受光素子列の主走査方向の中央で、カラーフィルタ1202Bの中心とフォトダイオード1204Bは一致している。画素のピッチ間隔Z1に対し、カラーフィルタのピッチ間隔Z2が小さいため、受光素子列の主走査方向の端部へ向かうほど、カラーフィルタ1202とマイクロレンズ1203のずれ量が大きくなるようになる。即ち、受光素子列の主走査方向において中央から左端側では、d1G>d1B>d1R>d3G>d3B>d3R>d4Gである。また、受光素子列の主走査方向において中央から右端側では、d5R>d5B>d5G>d4Rである。カラーフィルタ1202とマイクロレンズ1203のずれ量は中央部から当該位置までの距離に比例する。受光素子列の左端部と中央部の中間に位置する画素のずれ量は、左端部の約半分のずれ量となっている。即ち、0.5×d1G≒d3G、0.5×d1B≒d3B、0.5×d1R≒d3Rである。なお、受光素子列の左端で説明を行ったが、受光素子列の中央より右側でも同様にカラーフィルタ1202は、フォトダイオード1204に対して受光素子列の主走査方向の中央に向けてずれて配置されている。
【0059】
次に、フォトダイオード1204とゲート電極1205との接続について説明をする。フォトダイオード1204とゲート電極1205は、副走査方向において接続され、画素を示す1201の範囲内に配置される(
図2(b)参照)。
【0060】
本実施形態では、ゲート電極1205の材料に高屈折材料のポリシリコンが使われている。よって、主走査方向にはゲート電極1205を配置していない。仮に、ゲート電極1205を主走査方向に配置した場合の説明図を
図9(a)に示す。
図9(b)は、
図9(a)のXの位置での断面図である。説明のために、入射される光は一つだけ示している。
図9(b)に示されるように、ポリシリコンと層間膜の屈折率の差により、画素転送トランジスタのゲート電極1205に入射した光は進路を変え、異なる色の単位画素に入射してしまうことがある。その結果、混色という課題を生じさせる。
【0061】
本実施形態では、画素転送トランジスタのゲート電極1205を主走査方向の単位画素間に配置せず、副走査方向に配置することで、混色を抑制することが可能である。特に、RGBが隣接したカラーフィルタ配列となっているCMOSセンサにおいて、混色抑制の効果が大きい。
【0062】
また、本実施形態ではカラーフィルタ1202G、1202B、1202Rと共にマイクロレンズ1203G、1203B、1203RをCMOSセンサ中央側にずらしている。この構成によって混色、感度ばらつきが低減される。
図2(b)、(c)と
図10(a)、〜(d)を用いて説明をする。
図2(b)、(c)は、本実施形態でのカラーフィルタとマイクロレンズ1203の位置関係(平面図)を示している。
図10(a)〜(d)は比較例としてのカラーフィルタ1202とマイクロレンズ1203の位置関係を示している。
図10(a)〜(d)のカラーフィルタ1202は、フォトダイオード1204と同じ位置に配置されており、マイクロレンズ1203はフォトダイオード1204に対してずらして配置されている。マイクロレンズ1203は、受光素子列の端部の方がずれ量が多く、中央部に近づくほどずれ量が小さい。
図10(a)と
図10(b)は受光素子列の左端部、
図10(c)と
図10(d)は、受光素子列の中央部近傍を表す図である。受光素子列の左端を表す図として、
図10(a)は
図2(b)と対応し、
図10(b)は
図2(c)と対応している。
図10(b)は、
図10(a)のXの位置での断面図である。
図10(d)は、
図10(c)のXの位置での断面図である。
図2(b)と
図10(a)において、領域A、A’を通過する入射する光を考える。領域A、A’は面積が等しく、マイクロレンズ1203Gの位置に対して、同一の位置関係にある。
図2(c)に示すように、本実施形態のようにカラーフィルタ1202とマイクロレンズ1203をフォトダイオード1204に対してずらして配置した場合は、領域Aを通過する光は単一のカラーフィルタ1202Gを通過する。一方、
図10(b)に示すように、領域A’を通過する光は1202Gと1202Bの両方を通過する。したがって、比較例のように、カラーフィルタ1202、マイクロレンズ1203、フォトダイオード1204を配置した場合、マイクロレンズを通過したにも関わらず、混色が発生してしまうという問題がある。一方、本実施形態ではその様な問題の発生を抑制することができる。
【0063】
さらに、
図10(a)(b)と
図10(c)(d)とを比較する。マイクロレンズ1203と、カラーフィルタ1202(及びフォトダイオード1204)とのずれ量は、受光素子列の左端部よりも中央部近傍の方が小さくなっている。そのため、領域A’を占める、GとBの割合も異なってくる。そのため、端部と中央付近により混色の割合が異なる。さらに、領域A’のゲート電極1205の近傍に光が入射した場合、当該光がゲート電極1205に入射することがある。本実施形態では、ゲート電極1205に高屈折材料のポリシリコンを用いており、ポリシリコンは波長依存性が大きい。そのため、光が通過するGのカラーフィルタ1202とBのカラーフィルタ1202との割合が異なると、ゲート電極1205で吸収、屈折される割合も異なり、左端と中央近傍での画素の感度ばらつきが大きくなる。一方、本実施形態ではその様な問題の発生を抑制することができる。
【0064】
なお、本実施形態では、カラーフィルタ1202Gを第1の透過部、カラーフィルタ1202Bを第2の透過部、カラーフィルタ1202Rを第3の透過部として説明したが、各色とカラーフィルタとの関係は相対的な関係であり、これに限られるものではない。カラーフィルタ1202Bを第1の透過部、あるいはカラーフィルタ1202Rを第1の透過部としてもよい。第1の受光素子、第1の集光部も同様にカラーフィルタの各色とは相対的な関係である。
【0065】
(マイクロレンズ同士の配置の説明)
図11、
図12を用いて、隣接するマイクロレンズ1203が間隔をあけて配置されていることによる効果を説明する。
【0066】
図11は、マイクロレンズ1203の配置による効果を説明するために
図2(c)の図を簡略化した図である。
図12は、隣接するマイクロレンズ1203が接するように配置されている。
【0067】
本実施形態のようにカラーフィルタ1202が同一ラインにRGB3色が配置される場合、R、G、Bそれぞれのカラーフィルタ1202の形成を行うことになるため、製造過程において、各色のカラーフィルタのサイズのずれが発生しやすい。主走査方向にR、G、Bのカラーフィルタを製造する場合、R、G、Bのカラーフィルタはそれぞれ異なる材料であるため、形成させるプロセス工程が異なる。例えば、Rのカラーフィルタを形成する工程、Gのカラーフィルタを形成する工程、Bのカラーフィルタを形成する工程を順々に行っていくこととなる。そのため、各色のフィルタの製造時のアライメント誤差や、フォトリソグラフィによるパターンサイズの誤差が製造上生じ、R、G、Bのカラーフィルタの大きさが微小ながら異なってしまう場合がある。一方、マイクロレンズ1203は同じ材料で同じプロセス工程で形成されるため、アライメント誤差やパターンサイズ誤差は生じにくい。そのため、マイクロレンズ1203は、安定して同じサイズで製造でき、カラーフィルタに配置する際に同じ間隔で配置することができる。その結果、
図11のようにマイクロレンズ1203に対してカラーフィルタ1202のサイズが異なる場合が生じる。
【0068】
そのため、マイクロレンズ1203に対する隣接するカラーフィルタの境界の位置が変動しやすい。なお、同一ラインに一つの色しか存在しないような場合は、各色のカラーフィルタの大きさが異なるという問題は発生しない。また、同一ラインに2色が配置されるベイヤー配列は、本実施形態のように同一ラインに3色のカラーフィルタが存在する場合と比較して、色の数が少ないため上記問題は生じにくい。
【0069】
図12のように、マイクロレンズ1203端部の入射光1209はカラーフィルタ1202の端部を通過する。前述のように、マイクロレンズ1203に対してカラーフィルタ1202の境界部の位置がばらつくと、マイクロレンズ1203の端部を通過した入射光が通過するカラーフィルタの色もばらついてしまう。
図12を用いて、マイクロレンズ1203Bの端部を通過する入射光について説明する。入射光1208は青のカラーフィルタ1202Bを通過し、入射光1209は赤のカラーフィルタ1202Rを通過している。一方、入射光1208’、入射光1209’はどちらも青のカラーフィルタ1202B’を通過している。このように、カラーフィルタ1202B(1202B’)を通過する光の量がばらつくことで、混色の問題が発生する。
【0070】
本実施形態では、マイクロレンズ1203間にギャップを設けて、マイクロレンズ1203により集光された光線が隣接するカラーフィルタ1202を通過しないようにしている。
図11に示すように、入射光1208、1208’は青のカラーフィルタ1202Bを通過している。なお、マイクロレンズ1203を通過しない光(
図11の入射光1209、1209’)はマイクロレンズの間に設けられる配線等により遮光されてフォトダイオード1204まで到達しないため、混色の問題の影響は少ない。
【0071】
本実施形態では、マイクロレンズ1203の間に間隔を設けることにより、1ラインに異なる色のカラーフィルタ1202が配置される構成における、混色の問題を抑制している。特にこれらの問題は、1ライン上に設けられるカラーフィルタ1202の色の種類が多いほど、製造上のばらつきが生じやすい。したがって、本実施形態のように同一ラインに3色のカラーフィルタが存在する場合に、効果が大きい。また、マイクロレンズ1203とカラーフィルタ1202の両者をずらすことにより、入射光1209近傍での異色のカラーフィルタ1202からの光の量を抑制することが出来、効果的に混色の問題を抑えることが出来る。
【0072】
(実施形態2)
図13(a)、
図13(b)を参照しながら本発明に係る実施形態2を説明する。実施形態2は、マイクロレンズ1203の形状を変更した点以外は実施形態1と同様である。したがって、同様の構成については説明を省略する。
【0073】
図13(a)は、本実施形態の平面図である。なお、フォトダイオード1204、ゲート電極1205は記載を省略している。実施形態2におけるマイクロレンズ1203は、楕円形状をしており、主走査方向及び副走査方向と直交する方向から視た時に、主走査方向の曲率半径に対して、副走査方向の曲率半径が大きくなるようになっている。
【0074】
図13(b)は、主走査方向、副走査方向の曲率半径が等しい真円のマイクロレンズ1203を配置した例である。
図13(a)のような構成にすることによって、
図13(b)に対して、マイクロレンズ1203で覆われる領域を大きくしている。
【0075】
効果について説明をする。
図14は、入射光の多重干渉を説明するための図でカラーフィルタ1202とカラーフィルタ1202の上部に設けられたカーバーガラス1206のみを図示している。球面マイクロレンズ1203に覆われない、カラーフィルタ1202の平坦な領域に入射された光は、一部はカラーフィルタ1202の表面で反射される。この反射した光は、カラーフィルタ1202とカーバーガラス1206との間で反射をしてゴーストを引き起こす。ゴーストが発生すると、本来の原稿の画像とは異なる画像が読取像として読みこまれてしまう。
【0076】
したがって、なるべくカラーフィルタ1202に対するマイクロレンズ1203の面積を大きくした方が良い。主走査方向のマイクロレンズの大きさは、マイクロレンズが隣接して設けられている関係上、大きくするには限界がある。一方、副走査方向に関してはその制約がないため大きくすることができる。したがって、主走査方向を短径、副走査方向を長径とした楕円形状にすることにより、カラーフィルタ1202に対するマイクロレンズ1203の面積を大きくすることができる。
【0077】
また、本実施形態のようにマイクロレンズ1203とカラーフィルタ1202の両者をずらすことにより、より効果的にゴーストを抑えることが出来る。
図15はマイクロレンズ1203の中心をフォトダイオード1204の中心とずらし、カラーフィルタ1202の中心とフォトダイオード1204の中心とはずらしていない場合の例を示す。
図15に示されるように、入射光の多重干渉の原因となるマイクロレンズ1203Gとマイクロレンズ1203Bとの間の領域B’は、カラーフィルタ1202Bのみとなっている。同じ色のカラーフィルタ1202で反射した光は干渉を起こしやすいため
図15のような構成の場合、多重干渉を引き起こしやすい。一方、
図13(a)のような本実施形態の場合、対応する領域Bでは、カラーフィルタ1202Gと1202Bの2色が存在するため多重干渉の影響を小さくすることができる。
【0078】
(実施形態3)
図16、
図17、
図18を参照しながら本発明に係る実施形態3を説明する。実施形態3は、カラーフィルタ1202の形状を変更した点以外は実施形態1と同様である。したがって、同様の構成については説明を省略する。
【0079】
図16は、実施形態3に係るCMOSセンサのGBRの3つの画素の平面図である。
図17は、複数ラインの受光素子列に対応するカラーフィルタ1202の位置関係を説明する図である。
【0080】
図16、
図17に示すように、カラーフィルタ1202を副走査方向に大きくし、副走査方向における受光素子列と受光素子列との間の領域もカラーフィルタ1202で覆うようにしていることが実施形態3の特徴である。一方、実施形態1ではカラーフィルタ1202は副走査方向に大きくないため、
図2(a)に示されるように、受光素子列と受光素子列との間の領域にはカラーフィルタ1202は存在しない。
【0081】
実施形態3において、カラーフィルタ1202は、画素転送トランジスタのゲート電極1205を覆っている。カラーフィルタ1202の主走査方向の幅をL1、副走査方向の幅をL2とした場合、L1<L2となる。受光素子列と受光素子列との間隔がL1×2であれば、L2=L1×2が望ましい。
【0082】
上記のような構成により、隣接する受光素子列の間からの不要な反射光によるゴースト光を抑制することが出来る。受光素子列と受光素子列との間の領域には電源線や信号線などの配線が配置されており、これらの配線に反射した光によりゴーストが発生することがある。
【0083】
実施形態3では、受光素子列と受光素子列との間の領域にもカラーフィルタ1202が存在しているため、当該領域においてもカラーフィルタを光が通過することにより光の強度を低下させることができる。そのため、配線からカラーフィルタ1202の方向へ反射する光の強度が弱くなるためゴーストを低減することができる。
【0084】
図18は、実施形態3における変形例を説明する図であり、マイクロレンズ1203が楕円形状となっている。カラーフィルタ1202は、マイクロレンズ1203より大きい。
【0085】
(実施形態4)
図19、
図20、
図21、
図22を参照しながら本発明に係る実施形態4を説明する。実施形態4は、実施形態1に対して配線部である配線1207(又は、縦配線1406、横配線1407)の構成を明確にした点以外は実施形態1と同様である。したがって、同様の構成については説明を省略する。
【0086】
図19は、実施形態4に係るCMOSセンサのGBRの3つの画素の構成を示す図である。
図19(a)は平面図、
図19(b)は
図19(a)におけるXの位置の断面図、
図19(c)は
図19(a)におけるYの位置の断面図である。
【0087】
図19(a)に示すように、配線1207は、フォトダイオード1204を囲むように設けられる。カラーフィルタ1202を通過した光は、配線1207により形成される開口を通過しフォトダイオード1204に入射される。実施形態4は、配線1207で形成される開口が副走査方向でフォトダイオード1204より大きいことが特徴である。つまり、
図19(c)に示すように、副走査方向において、配線1207の開口幅W1は、フォトダイオード1204の幅W2より大きくなっている(W1>W2)。一方、
図19(b)に示すように、主走査方向において、配線1207の開口幅W3は、フォトダイオード1204の幅W4より狭くなっている(W3<W4)。これは、隣接画素間の画素ピッチが狭いこと、及び混色抑制の観点からである。
【0088】
図20は、実施形態4に係るCMOSセンサのGBRの3つの画素の構成のその他の例を示す図である。
図20(a)は平面図、
図20(b)は
図20(a)におけるXの位置の断面図、
図20(c)は
図20(a)におけるYの位置の断面図である。
図19と異なる点は、開口を副走査方向に延びる縦配線1406と主走査方向に延びる横配線1407で形成している点である。
図20(c)に示すように、本例では、横配線1407は縦配線1406よりZ方向(第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方向)においてカラーフィルタ1202にH1だけ近い側に配置される。また、副走査方向において、横配線1407の開口幅W1は、フォトダイオード1204の幅W2より大きくなっている。
【0089】
図21は、実施形態4に係るCMOSセンサのGBRの3つの画素の構成のその他の例を説明する図である。本例では、マイクロレンズ1203が副走査方向に長い楕円形状となっている。また、マイクロレンズ1203の形状に合わせてカラーフィルタ1202も副走査方向に長くなっている。
図21(c)に示すように、本例では、横配線1407は縦配線1406よりZ方向においてマイクロレンズ1203にH1だけ近く構成されている。また、副走査方向において、横配線1407の開口幅W1は、フォトダイオード1204の幅W2より大きくなっている。
【0090】
上記のように、副走査方向において、配線1207(又は、横配線1407)の開口幅W1は、フォトダイオード1204の幅W2より大きくなっている。そのため、カラーフィルタ1202を通過した光が、配線1207(又は、横配線1407)により遮光されにくくなり、フォトダイオード1204の感度低下が抑制される。また、製造時に配線1207(又は、横配線1407)とフォトダイオード1204とのアライメントのずれが発生したとしても、各センサの感度のばらつきを抑えることができる。W1とW2の関係は、1.01×W2≦W1≦1.5×W2が好ましい。1.01×W2>W1であると製造時に発生するアライメントのずれの発生を抑制する効果が小さくなる。W1>1.5×W2であると迷光がフォトダイオード1204に入射しやすくなり、読取り画質の低下が発生する。
【0091】
図22を用いて楕円のマイクロレンズを用いた場合における実施形態4の効果を説明する。
図22に、
図21に示した楕円のマイクロレンズを用いた場合の入射光(矢印)の模式図を示す。
図22(a)は平面図である。
図22では説明を簡単にするため、カラーフィルタ1202Gとフォトダイオード1204GがX方向でシフトしていない例で説明をする。
図22(b)は横配線1507の開口W1は、W1>W2の関係になっている。
図22(c)は、横配線1507の開口W1は、W1<W2の関係になっている。
【0092】
楕円のマイクロレンズと正円のマイクロレンズのパワーを比較した場合、楕円のマイクロレンズの短径(主走査方向の径)と正円のマイクロレンズ径とが同じ場合、副走査方向におけるパワーは、楕円のマイクロレンズの方が正円のマイクロレンズよりも小さくなる。
【0093】
そのため、W1<W2の場合、正円のマイクロレンズに比較して、楕円のマイクロレンズ1203Gからフォトダイオード1204Gに入射する光が横配線1507に遮られてしまいやすくなり、結果として感度の低下が発生しやすい。したがって、楕円のマイクロレンズを用いる場合はW1>W2とすることにより、横配線1407によって入射光が遮光されることを低減し、感度低下を抑制するという効果が正円のマイクロレンズを用いた場合よりも大きくなる。また、楕円のマイクロレンズを用いた場合でも、正円のマイクロレンズを用いた場合と同様に、製造時の各センサの感度のばらつきを抑えることができる。
【0094】
(実施形態5)
図23を参照しながら本発明に係る実施形態5を説明する。実施形態1において、CMOSセンサ107は、ライン1、ライン2、ライン3の3つの受光素子列を有しているのに対し、実施形態5においては、さらにライン4の受光素子列を設けた点が実施形態1と異なる。実施形態1と異なる点について説明を行い、実施形態1と同様の構成については説明を省略する。
【0095】
図23は、実施形態5にかかるCMOSセンサ107のカラーフィルタの配列を説明する図である。ライン1、ライン2、ライン3は、実施形態1と同様に、主走査方向にカラーフィルタはR→G→B→R→G→B→・・・の周期的な規則を有して配置されている。一方、ライン4は主走査方向にGのカラーフィルタ1202G(第4の透過部)を周期的な規則なく連続して並べられている。
【0096】
実施形態5では、モノクロ画像を読取る場合に、ライン1、ライン2、ライン3を用いて読み取りを行う第1のモードと、ライン4を用いて読み取りを行う第2のモードを切り替える切替え部を備えている。モノクロ画像を読取る場合にライン1、ライン2、ライン3を用いて読み取りを行う場合は、ライン1、ライン2、ライン3の緑のカラーフィルタ(カラーフィルタ1202G)に対応するフォトダイオード1204Gに入射される光に基づいて読取りが行われる。
【0097】
カラーフィルタ1202がR→G→Bの周期的な規則で配置されたライン1、ライン2、ライン3を用いて読み取りを行う場合のメリットとして、湾曲した金属の対象物(例えばスプレー缶)を読取る時の不適切な色づきを抑制することができるというメリットがある。
【0098】
このメリットについて
図24を用いて説明する。
図24は湾曲した金属の対象物を読み取る様子を示した断面図である。
図24は、
図1の折り返しミラー105a等を簡略して光学系としている。
【0099】
金属の光の反射率は高いため、白色LED104a、104bから照射された光は金属の対象物の表面で正反射し、CMOSセンサ107のフォトダイオード1204で得られる輝度情報は非常に高くなる。
【0100】
(I)の位置は、金属の対象物が平らな位置である。そのため、仮に正反射光がCMOSセンサ107に入射されたとしても、CMOSセンサ107のライン1、2、3に均一に反射光が入射される。
【0101】
一方(II)の位置は、金属の対象物が湾曲している位置である。読取りユニットの光学系は、平らな対象物を想定して設計されているため、湾曲した対象物を読取る場合、CMOSセンサ107のライン1、2,3に均一に反射光が入射されない場合がある。そのため金属の対象物を読取った場合に、ライン1のみに正反射光が入射され、それ以外のラインには正反射光が入射されないということがありえる。
【0102】
例えば、従前のCMOSセンサ(ライン1にはRのみのカラーフィルタ、ライン2はGのみのカラーフィルタ、ライン3はBのみのカラーフィルタ)を用いて、正反射光がライン1にのみ入射され、ライン2、ライン3には入射されなかった場合を考えてみる。この場合、(II)の領域はGとBに対してRの輝度が高い読取画像となる。つまりは赤色に色付いた読取画像になってしまい、原稿と大きく異なる色の画像になってしまう。
【0103】
一方、カラーフィルタ1202がR→G→Bの周期的な規則で配置されたライン1、ライン2、ライン3を用いて読み取りを行う場合、正反射光が入射されるライン1で読み取った画像の輝度データは、主走査方向に「R=255 → G=255 → B→255→ R=255 →・・・」となる(輝度情報のMAXは255とする)。この場合もライン2、ライン3に比較してライン1で得られる輝度情報は高くなる。しかしながら、R→G→Bの細かい周期的な変化となるため、従前のCMOSセンサを用いた場合のような1色だけの色づき画像となるのを抑制することができる。
【0104】
しかしながら、前述したように入射光が傾いてしまった場合、隣接するカラーフィルタ1202B、1202Rを通過した光がフォトダイオード1204Gに入射してしまう混色が発生する。カラー画像を読取る場合は、ライン1、ライン2、ライン3のRGBに対応するすべてのフォトダイオード1204から得られる情報に基づいて混色の補正の制御を行うことができる。しかしながら、モノクロ画像を読取る場合は、読取り速度を上げるためにライン1、ライン2、ライン3のうちのGに対応するフォトダイオード1204からしか情報を取得しない。そのため、混色の補正の制御を行うことができない。したがって、モノクロ画像を読取る場合、画像情報を適切に取得できなくなるおそれがある。一方、ライン4のみを用いてモノクロ画像を読取った場合には、主走査方向にカラーフィルタ1202Gが並んでいるため混色の問題は発生しない。
【0105】
ライン1、ライン2、ライン3を用いてモノクロ画像を読取った時に混色の影響が大きく出るか否かは、製造時のカラーフィルタ1202、フォトダイオード1204等の位置精度に影響される。したがって、ある製造ロットのCMOSセンサでは混色が発生しやすいが、別の製造ロットのCMOSセンサ107では混色が発生しにくいという場合がある。
【0106】
そこで、モノクロ画像を読取る場合に、CPU401は、ライン1、ライン2、ライン3を用いて読み取りを行う(第1のモードでの読み取り)か、又は、ライン4を用いて読み取りを行う(第2のモードでの読み取り)を選択して制御可能なように設けられている。例えば、CPU401の制御プログラムを格納する不揮発性メモリ402に、第1のモードでの読み取りを行うか、第2のモードでの読み取りを行うかを判断するためのプログラムを製品の工場出荷前に格納しておく。このようにすることで、CMOSセンサの個体差に応じて、最適なモノクロ画像の読取りを設定することができる。また、不揮発性メモリ402に、第1のモード及び第2のモードでの読み取りを行うためのプログラムの双方を格納しておいてもよい。そして、不揮発性メモリ402にどちらのプログラムを実行するかの判別フラグを別に設ける方法や、基板に設けられた機械的なスイッチによりどちらのプログラムを実行するかを選択させる方法をとることも可能である。
【0107】
なお、工場出荷前にあらかじめ第1のモードと第2のモードを設定しておく例を説明したがこれに限られるものではない。ユーザーインターフェースである操作部403を操作することでユーザーが第1のモードでの読み取りと第2のモードでの読み取りを切り替えるようにしてもよい。
【0108】
また、CMOSセンサの個体差に関わらず、カラー画像を読取る場合には、ライン1、ライン2、ライン3を用いて読み取りを行い、モノクロ画像を読取る場合には、ライン4を用いて読み取りを行うように設定をしても良い。
【0109】
なお、カラー画像を読取る際の混色の補正の制御が十分であるならば、必ずしもカラーフィルタ1202の中心とフォトダイオード1204の中心とをずらさなくても良い。つまり、カラー画像を読取る場合には、湾曲した金属の対象物の読み取りを考慮しライン1、ライン2、ライン3を用いて読み取りを行う。そして、モノクロ画像を読取る場合は、混色補正ができないためライン4を用いて読み取りを行う。
【0110】
なお上記の説明では、ライン4のカラーフィルタ1202は、ライン1、ライン2、ライン3に設けられたカラーフィルタ1202Gと同じもの(ライン4のカラーフィルタ1202が透過する光の波長と、ライン1、2、3のカラーフィルタ1202Gが透過する光の波長が同じ)で説明をしたがこれに限られるものではない。モノクロ画像を読取る場合は色味が影響しない。そのため、フォトダイオード1204に入射される光の強度を強くするために、カラーフィルタ1202をライン1等に設けられるカラーフィルタ1202Gよりも薄い色の緑色にしたり、透明のカラーフィルタを用いるようにしたりしてもよい。
【0111】
(その他)
上述した実施形態では、3色のカラーフィルタを用いた例で説明をしているが、これに限られるものではない。例えば、2色のカラーフィルタを用いるような構成でもよい。また、3色すべてのカラーフィルタの中心をフォトダイオードの中心からずらすような構成としているが、3色のカラーフィルタのうち混色の問題が発生しやすい2色だけずらすようにしてもよい。また、混色が発生しやすい受光素子列の端部領域のみカラーフィルタの中心をフォトダイオードの中心からずらし、受光素子列の中央領域や中間領域(中央領域と端部領域の間の領域)はずらさないようにしてもよい。
【0112】
ラインセンサとして、CMOSセンサの例で説明したが、CCD(charge coupled device)センサなど別の形式のセンサでも良い。本実施形態に係るラインセンサが適用される画像形成装置として、電子写真方式の画像形成装置の例を示したがこれに限られるものではない。インクを吐出して用紙に画像を形成するインクジェット方式のプリンタ等に本実施形態に係るラインセンサを適用してもよい。
【0113】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために以下の請求項を添付する。
【0114】
本願は、2014年12月25日提出の国際出願 国際出願番号PCT/JP2014/084433を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てをここに援用する。