(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の従来の電子眼鏡においては、電池はいずれも眼鏡のテンプル内に組み込まれており、充電の際には、眼鏡ごと眼鏡ホルダ(特許文献1:
図7)やクレードル(特許文献2:
図7)に設けられた給電端子に接続させる必要がある。そのため眼鏡をかけた状態では充電ができない。一方で、眼鏡本体から着脱可能な電源ユニットに充電用の電池を設けるとすると、眼鏡の着用時にこの電源ユニットが外れてしまうおそれがある。かといってこの電源ユニットを眼鏡本体に例えばネジ等で固定すると今度は電源ユニットの着脱が不便になってしまう。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、使用時に外れにくくかつ着脱が容易な電源ユニットを備えた電子眼鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子眼鏡は、テンプル先端部の収容室に電源ユニットを着脱自在に装着する電子眼鏡であって、電源ユニットは、前端から後端に向かって、電気接続端子と、第1の電池を保持し平面視円弧状の側面を有する第1筐体部と、円弧状の側面に接続しかつ円弧状の側面よりも幅狭の側面を有する幅狭部と、幅狭の側面に接続する側面を有し第2の電池を保持する第2筐体部と、を備え、収容室は、弾性変形して電源ユニットの幅狭部に嵌合する突出部を有するものである。
【0007】
電源ユニットには、第1筐体部と第2筐体部とで合計2つの電池が保持される。電池を保持した状態で、電源ユニットは、電気接続端子が挿入方向前方になるようにしてテンプルの収容室に挿入される。すなわち、第1筐体部が挿入方向前方となり、第2筐体部が挿入方向後方になるようにして、テンプルの収容室に挿入される。
【0008】
第1筐体部の円弧状の側面は幅狭部より幅広なので、電源ユニットの挿入とともに、テンプルの収容室に設けられた突出部は第1筐体部の側面に沿って押し広げられて弾性変形する。このとき、第1筐体部は円弧状の側面を有するので、突出部は当該円弧状の側面形状に沿うようにして徐々に押し広げられる。すなわち、突出部が第1筐体部に引っかかってしまうようなことはない。しかも、挿入に伴って第一筐体部の幅が最大になる部位が収容室の突出部を超えると、突出部は弾性力により元の形状に戻ろうとし第一筐体部の円弧状の側面を押圧する。これにより、電源ユニットに対して挿入方向に押しこむ力が働く。これにより、電源ユニットの幅狭部をテンプルの収容室との嵌合位置(突出部)まで移動させる動作をよりスムースに行うことができる。
【0009】
電源ユニットが嵌合位置まで挿入されると、収容室の突出部が弾性力により元の形状に戻って電源ユニット筐体の幅狭部に嵌合する。これにより、電源ユニットはテンプルの収容室にしっかりと固定される。幅狭部が収容室の突出部といったん嵌合すると、第1筐体部の円弧状の側面は幅狭部より幅広なので、収容室の突出部を弾性変形させて押し広げる力を加えないかぎり、電源ユニットは挿入方向と逆方向には移動しない。そのため、テンプルの収容室に装着された電源ユニットが簡単に外れてしまうことはない。すなわち、電子眼鏡の使用中に電源ユニットが抜け落ちてしまうことを抑制できる。
【0010】
また電源ユニットを充電等のためにテンプルの収容室から取り外す際は、電源ユニットを取り外し方向(挿入方向と逆方向)に移動させることで収容室の突出部を第1筐体部の側面にそって弾性変形させて押し広げる。このとき、第1筐体部は円弧状の側面を有するので、突出部は当該円弧状の側面形状に沿うようにして徐々に押し広げられる。すなわち、突出部が第1筐体部に引っかかってしまうようなことはないので、電源ユニットをテンプルから取り外す動作をスムースに行うことができる。
【0011】
なお、本発明において、電子眼鏡とは、電力の供給を受けて眼鏡に対して何らかの電気的な動作・制御を行う眼鏡を広く含み、例えば、眼鏡のレンズとして電気活性レンズを用いて、電力の印加・除去によりレンズの屈折率を変化させる眼鏡や、カメラ、センサ又は通信機能等を内蔵して電力の供給を受けてこれらの駆動を制御する眼鏡を含む。
【0012】
また、本発明に係るアイウェアは、テンプル先端部の収容部に電源ユニットが着脱されるアイウェアであって、収容部は、弾性変形して電源ユニットに嵌合する突出部を備え、電源ユニットは、電気接続端子と、電池を収容する筐体部と、を備え、筐体部に、電源ユニットが収容部に装着された際に突出部が嵌合する幅狭部が設けられているものである。
【0013】
本発明に係るアイウェアにおいて、電源ユニットを収容部に装着した際に、筐体部の側面が突出部により覆われるようにすることができる。また、電源ユニットを収容部に装着した際に、電源ユニットが収容部に挿入される方向における電源ユニットの筐体部の後面及び後面に隣接する上面を露出させて、テンプルの表面の一部とすることができる。この際、露出される筐体部の上面を、テンプルの内側表面の一部とすることができる。
【0014】
本発明に係るアイウェアにおいて、筐体部の上面に、幅方向に延びる凹部又は凸部を設けてもよい。
【0015】
上記構成によれば、筐体部の上面に幅方向に延びる凹部又は凸部を設けているので、ユーザは、この凹部又は凸部に指をかけて電源ユニットを収容室から引き出すことができる。
【0016】
本発明に係るアイウェアにおいて、第1の電池を保持し平面視円弧状の側面を有する第1筐体部と、第2の電池を保持する第2筐体部と、を有する筐体部を採用することができる。かかる場合において、幅狭部は、第1筐体部の側面に接続しかつこの側面よりも幅狭の側面を有することができる。そして、電源ユニットの厚みを、第1筐体部から第2筐体部に向かって徐々に大きくすることができる。
【0017】
上記構成によれば、電源ユニットの上面は第1筐体部から第2筐体部に向かって厚みが大きくなるように傾斜している。そのため電源ユニットを収容室から取り外す際にはこの傾斜面に指をかけることで引き出し方向の力がかけやすくなり、電源ユニットをよりスムースに取り外すことができる。
【0018】
本発明に係るアイウェアにおいて、第2筐体部の側面の幅を、幅狭部の側面の幅よりも大きくすることができる。
【0019】
上記構成によれば、電源ユニットをテンプルの収容室に装着した際には、第1筐体部と第2筐体部とで収容室の突出部を挟む形となるので、電源ユニットを挿入方向及び取り外し方向双方において固定できる。そのため電源ユニットはより確実に収容室に保持される。
【0020】
本発明に係るアイウェアにおいて、第1の電池を、ボタン電池とすることができる。
【0021】
上記構成によれば、平面視円弧状の第1筐体部が、平面視円形のボタン電池を収容することになるので、第1筐体部内のスペースを有効利用できる。
【0022】
本発明に係るアイウェアにおいて、所定の間隔をおいて電気接続端子を2つ設け、これら2つの電気接続端子の間に所定の高さを有する凸部を設けることができる。この際、電源ユニットの前端から筐体部の側面の前部にかけて凸部を延在させ、この前部に凸部を当接又は固着させることができる。
【0023】
上記構成によれば、2つの電気接続端子の間に凸部を設けることにより、電気接続端子に誤って液体物(例えばユーザの汗等)が流れ込んだ場合に電気接続端子間が液体物で導通することによりショートするといった問題を解決することが可能である。また、電源ユニットの前端から筐体部の側面の前部にかけて凸部を延在させ、この前部に凸部を当接又は固着させることにより、筐体部と凸部との間に隙間が形成されるのを防ぐことができ、電気接続端子間における液体物の流通を阻止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、着脱が容易かつ使用時に外れにくい電源ユニットを備えた電子眼鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の前方斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の正面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の背面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の平面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の底面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の右側面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の左側面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の電源ユニットをテンプルから取り外した状態を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の電源ユニットをテンプルに装着した状態を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の後方斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の内部構成を説明するための分解斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の電源ユニットの斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の電源ユニットの平面図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の電源ユニットの右側面図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の電源ユニットの左側面図である。
【
図16】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の電源ユニットの正面図である。
【
図17】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の電源ユニットの背面図である。
【
図18】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の電源ユニットの底面図である。
【
図19】本発明の実施形態に係る電子眼鏡のテンプルに電源ユニットを装着する方法を説明するための説明図である。
【
図20】本発明の実施形態に係る電子眼鏡のテンプルに電源ユニットを装着した状態を示す拡大図である。
【
図21】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の電源ユニットの充電装置(電源ユニット装着前の状態)を示す図である。
【
図22】本発明の実施形態に係る電子眼鏡の電源ユニットの充電装置(電源ユニット装着後の状態)を示す図である。
【
図23】本発明の他の実施形態に係る電源ユニットを示す図であり、(A)は電源ユニットの斜視図、(B)は電源ユニットの側面図、(C)は電源ユニットの正面図である。
【
図24】本発明の他の実施形態に係る電子眼鏡の前方斜視図である。
【
図25】本発明の他の実施形態に係る電子眼鏡の背面図である。
【
図26】本発明の他の実施形態に係る電子眼鏡の平面図である。
【
図27】本発明の他の実施形態に係る電子眼鏡の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態に係る電子眼鏡1を説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0027】
(電子眼鏡の全体構成)
はじめに、本発明の実施の形態に係る電子眼鏡1の全体構成について
図1〜
図11を用いて説明する。
【0028】
図1〜
図7は本実施形態に係る電子眼鏡1を示すものであり、
図1は前方斜視図、
図2は正面図、
図3は背面図、
図4は平面図、
図5は底面図、
図6は右側面図、
図7は左側面図である。
図8は、本実施形態に係る電子眼鏡1の電源ユニット18をテンプル16から取り外した状態を示す図であり、
図9は、本実施形態に係る電子眼鏡1の電源ユニット18をテンプル16に装着した状態を示す図である。
図10は、本実施形態に係る電子眼鏡1の後方斜視図であり、
図11は、本実施形態に係る電子眼鏡1の内部構成を説明するための分解斜視図である。
【0029】
図10に示すように、電子眼鏡1は、左右のレンズ10をそれぞれ支持するフレーム12、ヒンジ14を介してフレーム12に接続されるテンプル16(右テンプル16R及び左テンプル16L)、テンプル16に装着される電源ユニット18(右電源ユニット18R、左電源ユニット18L)等を備えている。
【0030】
レンズ10は、電力の印加及び除去により電気活性材料(例えば液晶材料)の屈折率を調整する電気活性レンズである。本実施形態においては、このような電気活性レンズとしては、累進多焦点レンズに液晶レンズや電極等を配置し、電力の印加及び除去により液晶レンズをオン・オフすることで焦点を切り替える老眼用のレンズが用いられている。すなわち、電子眼鏡1は、老眼用眼鏡として機能する。
【0031】
図11に示すように、フレーム12及び右テンプル16Rの内部には、電子素子20が収容されている。電子素子20は、制御モジュール200、導電性の可撓ケーブル202、204、電源端子206を備えている。なお、
図11に示すように、左テンプル16L内には電子素子は設けられていない。
【0032】
制御モジュール200は、静電容量タッチセンサ(図示せず)を備え、この静電容量タッチセンサが右テンプル16Rの外側表面の一部に設けられた接触部160に対向するようにして配置されている。制御モジュール200は、ユーザの指等がテンプルの接触部160に触れるのを静電容量タッチセンサにより検知して、レンズ10への通電を制御する。
【0033】
可撓ケーブル202は、制御モジュール200からヒンジ14及びヒンジカバー14A内部を貫通してフレーム12内部に延び、レンズ10に設けた電極に対して電気的に接続し、制御モジュールからの電気信号をレンズ10に伝達する。
【0034】
可撓ケーブル204は、制御モジュール200からテンプルの先端部に向かって延び、端部には電源端子206が接続されている。電源端子206は、電源ユニット18(
図11には図示せず)に電気的に接続可能であって、電源ユニット18からの電力を制御モジュール200に伝達する。
【0035】
テンプル16は、先端に内部に収容空間を有する収容室(収容部)162(右収容室162R、左収容室162L)を備えている。収容室162は、電源ユニット18(右電源ユニット18R、左電源ユニット18L)の側面形状に合致する嵌合面を有する嵌合部1620を備える。収容室162は弾性材料(例えばプラスチック)で形成されおり、電源ユニット18の挿入に従って嵌合部1620が弾性変形して電源ユニット18にスナップフィットして嵌合するようになっている。これにより電源ユニット18がテンプル16にしっかりと装着される。
【0036】
右電源ユニット18Rは、右収容室162Rに装着されると、電源端子206及び可撓ケーブル204を介して、制御モジュール200に電気的に接続し電力を供給する。すなわち、右電源ユニット18Rは、電子眼鏡1の電源として機能する。
【0037】
一方、左テンプル16L内には電子素子は設けられておらず、左電源ユニット18Lは左収容室162Lへの装着後も電気的に絶縁されている。本実施形態においては、左電源ユニット18Lは右電源ユニット18Rと同一であり、例えば右電源ユニット18Rの充電中は、右電源ユニット18Rの替わりに右テンプル16Rに装着して電源として使用できる。すなわち、左電源ユニット18Lは、電子眼鏡1の予備電源として機能する。
【0038】
(電源ユニットの構成)
次に
図12〜
図18を用いて電源ユニット18(右電源ユニット18R、左電源ユニット18L)の詳細構成について説明する。上述のとおり、本実施形態においては右電源ユニット18Rと左電源ユニット18Lは同一であるので、以下では電源ユニット18としてまとめて説明する。
【0039】
図12〜
図15に示すとおり、電源ユニット18は、前端から後端に向かって、電気接続端子180、第1筐体部182、幅狭部184及び第2筐体部186を備えており、第1筐体部182、幅狭部184及び第2筐体部186は、その内部に2つの充電式のボタン電池188A、188B(
図13において点線で示す)を収容する筐体部181を構成する。充電式のボタン電池188A、188Bは、例えば、電源ユニット18の筐体部181から取り外して単体で交換可能としてもよいし、また例えば筐体部181から取り外しできないようにして電池交換の際は電源ユニット18ごと交換するようにしてもよい。
【0040】
電気接続端子180は、導電性材料で形成されている。第1筐体部182、幅狭部184及び第2筐体部186は例えばプラスチックで一体的に形成されている。なお、以下の説明では、電源ユニット18の後端から前端に向かう方向(第2筐体部186から電気接続端子180に向かう方向)を前方とし、その逆方向を後方という。
【0041】
電気接続端子180は、電源ユニット18内部に収容されたボタン電池188A、188Bに電気的に接続されるとともに、第1筐体部182から前方に向かって延出する。電気接続端子180は、電源ユニット18が右テンプル16Rに装着された際に、電源端子206に電気的に接続するように構成されている。
【0042】
第1筐体部182は、内部にボタン電池188Aを保持する。第1筐体部182は、平面視で円弧(より詳細には180度以上の中心角を有する扇型の円弧)状の側面1820を有する。側面1820は、円形のボタン電池188Aの側面形状にあわせて形成されており、第1筐体部182内部の空間利用効率を高めている。第1筐体部の上面には、幅方向に延びる3つの円弧状の凸部1822が設けられている。
【0043】
図12から明らかなように、これら3つの円弧状の凸部1822は、電源ユニット18の筐体部181の上面のうち、電源ユニット18がテンプル16の収容室162に挿入される際の挿入方向の前端側(すなわち、電源ユニット18の筐体181の上面のうち電気接続端子180が位置する側)に偏って設けられている。また、3つの円弧状の凸部1822の幅方向における長さは、後方になるに従って長くなっている。これにより、ユーザの指の比較的広い領域に凸部1822を接触させることができるため、電源ユニット18の収容室162からの引き出しを容易にすることができる。
【0044】
幅狭部184は、第1筐体部182と第2筐体部186と連結する部分であり、第1筐体部182の側面1820と滑らかに連続する幅狭の側面1840を有する。側面1840は、第1筐体部182及び第2筐体部186の側面よりも幅(
図12及び
図13におけるY軸方向の長さ)が狭くなっている。
【0045】
第2筐体部186は、内部にボタン電池188Bを保持する。第2筐体部186は、幅狭部184の側面1840と滑らかに連続する側面1860を有する。側面1860は、側面1840よりも幅が大きく、後方に向かって徐々に幅広になっている。また、第2筐体部の後端には幅方向両側に突出する係合突起1864が設けられている。
【0046】
図14及び
図15に示すように、電源ユニット18の厚み(Z軸方向の長さ)は、第1筐体部182から第2筐体部186に向かって徐々に大きくなる(厚みD2が厚みD1より大きくなる)ように形成されており、電源ユニット18の上面18Uは緩やかな傾斜面を構成する。一方、電源ユニット18の下面18Dは滑らかな平坦面を構成する。
【0047】
なお、電源ユニット18の電気接続端子180が接合された平坦な部材18Z(下面18Dを含む部材)の色を、電子眼鏡1の本体(テンプル16等)や電源ユニット18の他のプラスチック部材(筐体部181を構成する部材)の色と異ならせることができる。例えば、電源ユニット18の電気接続端子180が接合された平坦な部材18Zを特定の色(例えば、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、紫色等の有彩色)に着色し、他の部材を平坦な部材18Zの色とは異なる色(例えば、黒色、白色、灰色等の無彩色)に着色することができる。すなわち、平坦な部材18Zと、電源ユニット18のうち平坦な部材18Zを除いた他の部材と、を異なる色彩にすることができる。また、平坦な部材18Zと、電子眼鏡1の本体のうち平坦な部材18Zを除いた他の部材と、を異なる色彩にすることもできる。
【0048】
電源ユニット18を底面から見た
図18に示すように、平坦な部材18Zの一部は電源ユニット18の底面全体に露出しているため、筐体部181などの電源ユニット18の他の部材が無彩色であったとしても、平坦な部材18Zを有彩色等の特定の色に着色することにより、全体として電源ユニット18を目立たせることが可能となる。また電源ユニット18を背面から見た
図17に示すように、平坦な部材18Zの一部は電源ユニット18の背面に露出しているため、電源ユニット18がテンプル16に装着されている状態においても、平坦な部材18Zの色彩がテンプル16の背面後方から視認可能な状態にある。従って、複数種類の電源ユニット18を提供する場合に、平坦な部材18Zの色彩を電源ユニット18の種類に応じて異なる色彩に着色することで、電源ユニット18の種類を容易に特定することが可能となる。例えば、電源ユニット18の二次電池の容量や充電特性に応じて平坦な部材18Zの色彩を設定することが可能である。また、電子眼鏡1の本体が複数種類存在し、これに対応する電源ユニット18が複数種類存在する場合に、電源ユニット18がいずれの種類の本体に装着可能であるかを識別するための識別子として、平坦な部材18Zの色彩を設定することが可能である。例えば、スポーツ用、読書用、運転用等の複数の用途ごと、あるいは、サングラス機能、焦点調節機能などの複数の機能ごと等、電子眼鏡1の本体の用途や機能に応じて、それぞれ対応する電源ユニット18を提供し、その対応する用途や機能毎に電源ユニット18の平坦な部材18Zの色を異なるようにしてもよい。
【0049】
(電源ユニットの着脱方法)
次に
図19を用いて、電源ユニット18のテンプル16への着脱方法について説明する。テンプル16の収容室162の上面には、電源ユニット18の側面形状に合致する嵌合部1620が設けられている。嵌合部1620は、電源ユニット18の側面1820、1840、1860の形状にそれぞれ合致する第1嵌合部1620A、突出部1620B、第2嵌合部1620Cを有している。
【0050】
上述のとおり、収容室162は弾性材料(例えばプラスチック)で形成されおり、電源ユニット18の挿入に従って嵌合部1620が弾性変形して電源ユニット18にスナップフィットするようになっている。
【0051】
より具体的には、電源ユニット18の収容室162への挿入とともに、収容室162の突出部1620Bは第1筐体部182の側面1820に沿って押し広げられて弾性変形する。このとき、突出部1620Bは滑らかな円弧状の側面1820に沿うようにして徐々に押し広げられるので、突出部1620Bが第1筐体部182に引っかかってしまうようなことはない。
【0052】
挿入に伴って第1筐体部182の幅が最大になる部位P(第1筐体部182の径を画定する2点)が収容室162の突出部1620Bを超えると、今度は突出部1620Bが弾性力により元の形状に戻ろうとし、第1筐体部182の側面1820を押圧する。これにより、電源ユニット18を挿入方向(
図19中矢印A)に押しこむ力が働く。
【0053】
さらに挿入を続けると、収容室162の突出部1620Bが弾性力により元の形状に戻って幅狭部184の側面1840に嵌合する。このとき、収容室162の突出部1620Bは、第1筐体部182の側面1820と第2筐体部186の側面1860とで挟まれる形になる。そのため、嵌合部1620の突出部1620Bを弾性変形させて押し広げる力を加えないかぎり、電源ユニット18は移動しない。これにより、テンプル16の収容室162に装着された電源ユニット18が簡単に外れてしまうことはなく、電子眼鏡1の使用中に電源ユニット18が抜け落ちてしまうことを抑制できる。
【0054】
図20に示すように電源ユニット18が収容室162に装着された状態においては、電源ユニット18の筐体部181の側面1820、1840、1860は収容室162の嵌合部1620(第1嵌合部1620A、突出部1620B、第2嵌合部1620C)により覆われ、電源ユニット18が収納室162に挿入される方向における電源ユニット18の筐体部181の後面及び後面に隣接する上面は露出して、テンプル16の表面の一部を形成する。このように、電源ユニット18が収容室162に装着された状態においては、電源ユニット18の筐体部181の後面及び上面がテンプル16の表面の一部を形成するようになっている。この際、筐体部181の上面は、テンプル16の内側表面(ユーザが電子眼鏡1を装着した状態においてユーザ側に位置する面)の一部を形成する。
【0055】
電源ユニット18を充電等のためにテンプル16の収容室162から取り外す際は、第1筐体部182の上面の凸部1822に指をかけて、挿入方向とは逆方向に電源ユニット18を引き出す。ここで、電源ユニット18の上面18Uは第1筐体部182から第2筐体部186に向かって厚みが大きくなるように傾斜しているので、第1筐体部に指をかけることで引き出し方向に向かう力がよりかけやすくなっている。
【0056】
電源ユニット18を挿入方向と逆方向に移動させると、嵌合部1620の突出部1620Bは、第1筐体部182の側面1820にそって弾性変形し押し広げられる。このとき、突出部1620Bは滑らかな円弧状の側面1820に沿うようにして徐々に押し広げられるので、突出部1620Bが第1筐体部182に引っかかってしまうようなことはない。従って、電源ユニット18を取り外す動作もスムースに行うことができる。
【0057】
(電源ユニットの充電方法)
次に
図21及び
図22を用いて、電源ユニット18の充電方法を説明する。電源ユニット18は、例えば、
図21及び
図22に示すようなUSB型の充電器3に装着して充電が可能である。
図21は、電源ユニット18の装着前の充電器3の状態であり、
図22は、電源ユニット18を装着した充電器3の状態を示す。
【0058】
充電器3は、弾性材料(例えばプラスチック)で形成された収容室30を備えており、収容室30には、電源ユニット18の第1筐体部182、幅狭部184及び第2筐体部186の側面形状に合致する(すなわちテンプル16の収容室162に設けられた嵌合部1620と同一形状の)嵌合部30Aが設けられている。これにより、電源ユニット18の充電器3への挿入及び取り外しは、上記テンプル16への挿入及び取出しと同様にスムースに行うことができる。また電源ユニット18は、いったん装着すれば充電器3から簡単に外れてしまうことはない。
【0059】
(変形例)
以上本発明の実施形態を示したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な態様での実施が可能である。
【0060】
例えば、
図23(A)〜(C)に示すように、2つの電気接続端子180の間に、所定の高さ(例えば、電源ユニット18の高さの約半分の高さ)を有する凸部2000を設けることができる。このように2つの電気接続端子180の間に凸部2000を設けることにより、電気接続端子180に誤って液体物(例えばユーザの汗等)が流れ込んだ場合に電気接続端子180間が液体物で導通することによりショートするといった問題を解決することが可能である。凸部2000は、電源ユニット18の前端から第1筐体部182の側面1820の前部にかけて延在し、側面1820の前部に当接又は固着される。これにより、第1筐体部182と凸部2000との間に隙間が形成されるのを防ぎ、電気接続端子180間における液体物の流通を阻止することができる。
【0061】
凸部2000の形状は、既に述べたように2つの電気接続端子180間を遮蔽することができるような形状であればよい。例えば
図23(A)〜(C)に示すように、略直方体状(断面矩形状)の凸部2000を採用することができる。この場合、凸部2000の前面2001と幅方向の2つの側面2002とが電源ユニット18の底面に略垂直な面とされ、凸部2000の上面2003が電源ユニット18の底面に略平行な面とされる。また、断面半円形状や断面多角形状(三角形状、五角形状、六角形状等)の凸部を採用することもできる。
【0062】
また、上記実施形態においては、レンズ10として電気活性レンズを用いた例を示したがこれに限られるものではない。例えば、レンズ10として、色透過を変化させるエレクトロクロミックレンズ、温度で色を変化させるエレクトロサーモクロミックレンズ、レンズを加熱することで曇りを減らす曇り止めレンズ、電荷によってほこりを除去する静電気防止レンズ、内蔵電気ディスプレイを備えたレンズ等種々のレンズを用いることができる。さらに、電子眼鏡1としては、カメラ、センサ又は通信機能等を内蔵して電力の供給を受けてこれらの駆動を制御する眼鏡であってもよい。
【0063】
また例えば、上記実施形態においては、左電源ユニット18Lとして、右電源ユニット18Rと同一のものを使用し、左電源ユニット18Lを予備電源として使用する態様を示したが、これに限られるものではない。例えば、左電源ユニット18Lを右電源ユニット18Rの筐体の形状と同一にし、かつ、筐体から充電式のボタン電池188A、188Bを取り外し可能にしつつも、電気接続端子180を備えないようにして、予備電池の収容室としてのみ機能させるようにしてもよい。
【0064】
また例えば、左テンプル16L内に左電源ユニット18Lと電気的に接続可能な電子素子を設けて、右電源ユニット18Rと左電源ユニット18Lそれぞれから電子眼鏡1に電力を供給するようにしてもよい。
【0065】
また例えば、上記実施形態においては、電源ユニット18に収容される電池として充電式のボタン電池188A、188B電池を示したがこれに限られず、一次電池でもよいし、また形状も円形でなくてもよい。
【0066】
また例えば、上記実施形態においては、充電器としてUSBを用いた例を示したがこれに限られるものではなく、コンセントに直接接続する電源ポートを備える充電器を用いてもよい。
【0067】
また、上記実施形態においては、電子眼鏡1の右テンプル16Rに右電源ユニット18Rを装着可能とし、電子眼鏡1の左テンプル16Lに左電源ユニット18Lを装着可能とする構造を採用した例を示したが、何れか一方のテンプルのみに電源ユニットを装着可能とする構造を採用してもよい。
図24〜
図27は、他の実施形態に係る電子眼鏡1Aを示すものであり、
図24は前方斜視図、
図25は背面図、
図26は平面図、
図27は底面図である(正面図及び左右側面図については、
図2、
図6、
図7と重複するため省略した)。
図24〜
図27に示すように、右テンプル16Rのみに電源ユニット18Rを装着可能な右収容室162Rを設け、左テンプル16Lにはそのような収容室を設けないこともできる。
【0068】
また、上記実施形態においては、アイウェアとして電子眼鏡1を例示したが、本発明が適用されるアイウェアはこれに限られるものではなく、ユーザの頭部、耳又は眼付近に装着されるアイウェアであればよい。アイウェアの例としては、レンズのようにユーザの視力向上のための補助機構を有するいわゆる眼鏡(電子眼鏡を含む)や、ユーザの視界又は眼に対して情報提示を行う機構を有する種々のデバイス(例えば眼鏡型ウェアラブル端末、ヘッドマウントディスプレイ等)を挙げることができる。