(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物は、高級脂肪酸および/またはその塩、シリカ、カチオン性ポリマー、および糖アルコールを必須の成分として含有する。なお、本明細書において、「〜」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
【0010】
(高級脂肪酸および/またはその塩)
本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物に含まれる高級脂肪酸および/またはその塩は、皮膚洗浄剤組成物の性状等に応じて、適宜選択して用いることができる。
【0011】
本明細書において「高級脂肪酸」とは、直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和の高級脂肪酸を意味する。該高級脂肪酸の炭素数は、皮膚洗浄剤組成物の粘性や洗浄力を確保する観点から、10以上が好ましく、12以上がより好ましい。また、皮膚洗浄剤組成物の水馴染みや高温安定性の低下を防止する観点からは、20以下が好ましく、18以下がより好ましい。さらに、泡立ちや泡質をより向上させる観点から、炭素数が12〜14の脂肪酸を含有することが好ましい。
【0012】
高級脂肪酸の具体例としては、例えば、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、イソカプリル酸、イソペラルゴン酸、イソカプリン酸、イソウンダカン酸、イソラウリン酸、イソトリデシル酸、イソミリスチン酸、イソペンタデシル酸、イソパルミチン酸、イソマルガリン酸、イソステアリン酸、イソノナデカン酸、イソアラキン酸、イソヘンエイコサン酸、およびイソベヘン酸等が挙げられる。高級脂肪酸の他の具体例としては、例えば、オリーブ油、ヤシ油、パーム油、綿実油等の植物性油脂;魚油および牛脂等の動物性油脂が挙げられる。
【0013】
本明細書において「高級脂肪酸塩」とは、前記の高級脂肪酸の少なくとも一部(一部または全部)をアルカリ剤でケン化または中和した化合物を意味する。高級脂肪酸塩を用いる場合には、高級脂肪酸とアルカリ剤とから高級脂肪酸塩を得た後に、他の成分と配合してもよく、高級脂肪酸とアルカリ剤とを配合することで、組成物中で高級脂肪酸塩としてもよい。なお、このような高級脂肪酸塩は、高級脂肪酸石鹸とも呼ばれる。
【0014】
アルカリ剤は、中和剤として用いることができる。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、イソプロパノールアミン、モルホリン、アルギニン等の有機アルカリが挙げられる。入手が容易であり、かつ取り扱い性に優れる観点からは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびトリエタノールアミンが好ましい。
【0015】
高級脂肪酸および/またはその塩は、泡立ちをより一層良好にする観点から、直鎖状の高級脂肪酸および/またはその塩を含むことが好ましい。一方、起泡性および組成物の安定性をより一層高める観点からは、分岐状の高級脂肪酸および/またはその塩を含んでいてもよい。
【0016】
高級脂肪酸および/またはその塩は、洗浄力をより一層高め、組成物の安定性もより一層高め、組成物中でのシリカの分散状態をもより一層良好に維持する観点からは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリンおよびそれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、およびそれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
【0017】
前記で列挙された高級脂肪酸および/またはその塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。高級脂肪酸および/またはその塩としては、高級脂肪酸のみを含んでいてもよく、高級脂肪酸塩のみを含んでいてもよく、高級脂肪酸と高級脂肪酸塩の双方を含んでいてもよい。
【0018】
皮膚洗浄剤組成物100質量%中の高級脂肪酸および/またはその塩の含有量(高級脂肪酸と高級脂肪酸塩との合計の含有量)は、洗浄力、泡立ち、泡質、および粘度を確保する観点から、5.0質量%以上が好ましく、8.0質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、肌荒れや水馴染みの低下を防止する観点からは、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。
【0019】
(シリカ)
本実施形態においては、公知慣用のシリカ(無水ケイ酸)を用いることができる。シリカは、疎水化処理されていない無水ケイ酸(親水性のシリカ)であってもよく、疎水化無水ケイ酸であってもよい。また、アミノ酸、エステルまたはレシチン等で表面処理されたシリカであってもよい。また、シリカは、所謂、易崩壊性シリカ粒子であってもよい。
【0020】
シリカの平均粒径は、泡立ちの観点から、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1.0μm以上がさらに好ましい。また、使用時のシリカによるざらつき感を抑制できるという観点からは、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。
【0021】
なお、本明細書におけるシリカの平均粒径(平均1次粒径)は、体積平均粒径である。上記平均粒径は、レーザー光回折による粒度分布測定装置を用いて測定可能である。粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製「LA−920」等が挙げられる。
【0022】
シリカの形状は特に限定されないが、泡立ちがより一層向上するという観点、洗浄後の肌にさらさら感を付与できるという観点から、球状であることが好ましい。
【0023】
シリカは多孔質であることが好ましい。シリカが多孔質であることによって、泡立ちがより一層向上し、さらに、洗浄後の肌にさらさら感を付与することができる。また、複数の孔内に、皮膚上の外的な汚れ、皮膚内部から生じる皮脂、汗、および老廃角質を効果的に吸着させることができる。
【0024】
シリカの吸油量は、泡立ちの観点から、100mL/100g以上が好ましく、120mL/100g以上がより好ましく、140mL/100g以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、1000mL/100gが好ましく、800mL/100g以下がより好ましく、700mL/100g以下がさらに好ましく、500mL/100g以下が特に好ましい。なお、本明細書におけるシリカの吸油量は、JIS K 5101に記載の方法に準拠して測定される。
【0025】
シリカの市販品としては、例えば、無水ケイ酸である富士シリシア化学(株)製、商品名「サイリシア 320」、商品名「サイリシア 310P」、商品名「サイリシア 250」、商品名「サイリシア 250N」、商品名「サイリシア 350」、商品名「サイリシア 370」、商品名「サイリシア 380」、商品名「サイリシア 420」、商品名「サイリシア 430」、商品名「サイリシア 440」、商品名「サイリシア 450」および商品名「サイリシア 470」;無水ケイ酸である日本アエロジル(株)製、商品名「AEROSIL 50」、商品名「AEROSIL 90G」、商品名「AEROSIL 130」、商品名「AEROSIL 150」、商品名「AEROSIL 200」、商品名「AEROSIL 300」、商品名「AEROSIL 380」、商品名「AEROSIL 200V」および商品名「AEROSIL OX50」;無水ケイ酸であるAGCエスアイテック(株)製、商品名「サンスフェアH−31」、商品名「サンスフェアH−51」、商品名「サンスフェアH−121」、商品名「サンスフェアH−201」、商品名「サンスフェアH−32」、商品名「サンスフェアH−52」、商品名「サンスフェアH−122」、商品名「サンスフェアH−33」および商品名「サンスフェアH−53」等;ジメチルシロキシル化無水ケイ酸である日本アエロジル(株)製、商品名「AEROSIL R972」、商品名「AEROSIL R974」および商品名「AEROSIL R9200」;トリメチルシロキシル化無水ケイ酸である日本アエロジル(株)製、商品名「AEROSIL RX200」、商品名「AEROSIL R8200」、商品名「AEROSIL RX300」および商品名「AEROSIL R812S」;オクチルシロキシル化無水ケイ酸である日本アエロジル(株)製、商品名「AEROSIL R805」;シリコーンオイル処理無水ケイ酸である日本アエロジル(株)製、商品名「AEROSIL R202」、商品名「AEROSIL RY200」、商品名「AEROSIL RY200S」および商品名「AEROSIL RY300」;シリコーンコーティング処理無水ケイ酸であるAGCエスアイテック(株)製、商品名「サンスフェア H−52−ET」;メタクリルシロキシル化無水ケイ酸である日本アエロジル(株)製、商品名「AEROSIL R711」;上記昜崩壊性シリカである三好化成(株)製、商品名「シリカビーズSB−705」、鈴木油脂工業(株)製、商品名「ゴッドボールSF−16C」、商品名「ゴッドボールAF−6C」および商品名「ゴッドボールAF−16C」等が挙げられる。
【0026】
前記で列挙されたシリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
皮膚洗浄剤組成物100質量%中のシリカの含有量は、泡立ちの観点から、1.0質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2.0質量%以上がさらに好ましい。また、皮膚洗浄剤が固くなり使用感が低下することを防止する観点からは、10質量%以下が好ましく、9.0質量%以下がより好ましく、8.0質量%以下がさらに好ましい。
【0028】
(カチオン性ポリマー)
本実施形態において使用可能なカチオン性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化澱粉、カチオン化グアーガム、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩のホモポリマー、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ジアルキルジアリルアンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、前記無水ケイ酸が均一に再分散され、その凝集を抑制することができ、目詰りの点で、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体、アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド共重合体が好ましい。
【0029】
カチオン性ポリマーとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、Merquat 10(表示名称「ポリクオタニウム−10」、Lubrizol社製)等のカチオン化セルロース;Merquat 100、Merquat 106(いずれも、表示名称「ポリクオタニウム−6」、Lubrizol社製)等のジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合体;Merquat 550PR、Merquat S、Merquat 2200、Merquat 740(いずれも、表示名称「ポリクオタニウム−7」、Lubrizol社製)等のジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体;Merquat 280、Merquat 281、Merquat 295(いずれも、表示名称「ポリクオタニウム−22」、Lubrizol社製)等のアクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体;Merquat PLUS 3330(表示名称「ポリクオタニウム−39」、Lubrizol社製)等のアクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド共重合体等が挙げられる。なかでも、「ポリクオタニウム−6」(ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合体」、「ポリクオタニウム−7」(ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体)、および「ポリクオタニウム−22」(アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体)からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
【0030】
前記で列挙されたカチオン性ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】
皮膚洗浄剤組成物100質量%中のカチオン性ポリマーの含有量は、泡立ちの観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。また、該含有量は、4.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以下がより好ましく、1.8質量%以下がさらに好ましく、1.6質量%以下が特に好ましい。該含有量が2.0質量%を超えると、皮膚洗浄剤に曳糸性が生じ、吐出時の切れが悪くなり、使用感が低下するおそれがある。また、洗浄後のすすぎ落ち性能が低下する傾向がある。
【0032】
(糖アルコール)
本実施形態において使用可能な糖アルコールとしては、例えば、マルチトール、ソルビトール、リビトール、マンニトール、アラビトール、ガラクチトール、キシリトール、エリトリトール、およびイノシトール等が挙げられ、マルチトール、ソルビトール、キシリトールからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。これらの糖アルコールは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
皮膚洗浄剤組成物100質量%中の糖アルコールの含有量は、泡立ちの観点から、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上がさらに好ましい。また、皮膚洗浄剤が固くなり使用感が低下することを防止する観点からは、10質量%以下が好ましく、9.0質量%以下がより好ましく、8.0質量%以下がさらに好ましい。
【0034】
(その他の成分)
本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物は、上述した成分に加えて、キレート剤、多価アルコール、界面活性剤、酸化防止剤、増粘剤、清涼剤、シリコーン類、ビタミン類、動植物エキス、抗炎症剤、粉体類、パール化剤、着色剤、各種香料、防腐剤、殺菌剤、pH調整剤、および溶剤等を配合してもよい。
【0035】
キレート剤は、泡立ちや泡質をより一層向上させることを目的として配合することができる。キレート剤としては、例えば、エデト酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、シクロヘキサンジアミン五酢酸、グリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、チロシン、メチオニン、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、エリソルビン酸、コハク酸、フマル酸、ピルビン酸、サリチル酸、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ピロリン酸塩、トリポリリン酸、ポリリン酸、およびオルトリン酸、並びにこれらの塩等が挙げられ、エデト酸およびその塩が好適に用いられる。
【0036】
キレート剤を配合する場合の皮膚洗浄剤組成物100質量%中のキレート剤の含有量は、キレート剤を配合することによる効果が充分に得られるという観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、1.0質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下が特に好ましい。
【0037】
多価アルコールとしては、化粧品原料として用いられている公知の保湿剤を使用することができる。多価アルコールの具体例としては、例えば、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、および1,2−オクタンジオール等が挙げられる。多価アルコールを使用することにより、洗浄後の保湿性がより一層高くなる。前記の多価アルコールは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】
界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレン酢酸エーテル塩、アルキルアシルグルタミン酸塩、アルキルアシルグリシン塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸塩酸等のアニオン界面活性剤;塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等のカチオン界面活性剤;アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルアミノ酢酸ベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン等の両性界面活性剤;モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、モノステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
【0039】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、天然ビタミンE、エリソルビン酸、オルトトリルビグアナイド、チオジプロピオン酸ジラウリル、パラヒドロキシアニソール、およびフィチン酸等が挙げられる。
【0040】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、トラガントガム、グアガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、およびカゼイン等の天然高分子化合物;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等の半合成高分子化合物;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルセルロース、ポリアミド樹脂等の合成高分子化合物等が挙げられる。
【0041】
清涼剤としては、例えば、l−メントール、カンファ、およびl−メンチルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0042】
溶剤としては、例えば、水や、エタノール等のアルコール類が挙げられる。
【0043】
本実施形態において使用する水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水等が挙げられる。
【0044】
本実施形態に係る水の含有量は、特に制限されず、高級脂肪酸および/またはその塩、シリカ、カチオン性ポリマー、糖アルコールおよびその他の成分を除いた残部を、その含有量とすることができる。皮膚洗浄剤組成物100質量%中の水の含有量は、特に限定されないが、30.0〜90.0質量%が好ましく、35.0〜85.0質量%がより好ましく、40.0〜80.0質量%がさらに好ましく、45.0〜75.0質量%が特に好ましい。
【0045】
(皮膚洗浄剤組成物の他の詳細)
本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物の性状としては、例えば、液状、ペースト状、ジェル状、クリーム状、および泡状等が挙げられる。なかでも、経時的な保管安定性に優れるという観点から、ペースト状またはクリーム状であることが好ましい。
【0046】
本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物の用途としては、例えば、固形石鹸、ボディーシャンプー、ハンドソープ、および洗顔料等が挙げられるが、泡立てたときの良好な起泡力および泡ボリュームを有し、かつ洗浄後のすすぎ落ち性能に優れ、さらにはキメの細かい良好な泡質を有することから、洗顔料として使用することが好ましい。洗顔料としては、例えば、洗顔液、洗顔フォーム、および洗顔クリーム等が挙げられる。
【0047】
(皮膚洗浄剤)
本実施形態に係る皮膚洗浄剤は、容器と、該容器内に充填されている前記の皮膚洗浄剤組成物とを備える。
【0048】
容器としては、例えば、ポンプ容器、エアゾール容器、およびチューブ容器等が挙げられ、チューブ容器が好ましい。
【実施例】
【0049】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。なお、配合量は、特記しない限り、有効成分の配合量であり、「質量%」で表す。
【0050】
以下、実施例および比較例において用いた各種材料をまとめて示す。
脂肪酸1:オレオソリューションズ社製のEdenor C12−99 MY(ラウリン酸)
脂肪酸2:オレオソリューションズ社製のEdenor C14−99 MY(ミリスチン酸)
脂肪酸3:オレオソリューションズ社製のEdenor C16−98 MY(パルミチン酸)
脂肪酸4:オレオソリューションズ社製のEdenor C18−98 MY(ステアリン酸)
シリカ1:AGCエスアイテック(株)製のサンスフェアH−51(平均粒径:5.0μm、吸油量:150mL/100g)
シリカ2:AGCエスアイテック(株)製のサンスフェアH−52(平均粒径:5.0μm、吸油量:300mL/100g)
シリカ3:AGCエスアイテック(株)製のサンスフェアH−201(平均粒径:12.0μm、吸油量:150mL/100g)
カチオン性ポリマー:Lubrizol社製のMerquat 550PR(表示名称「ポリクオタニウム−7」、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体)
キレート剤:アクゾノーベル(株)製のディゾルビンNA−X(エデト酸四ナトリウム四水塩)
【0051】
(実施例1〜5および比較例1〜4)
表1に示した組成(配合量)に従い、各成分を混合し、皮膚洗浄剤組成物を調製した。得られた皮膚洗浄剤組成物について、下記評価を行った。
【0052】
(1)起泡力、泡質、および泡ボリューム
各皮膚洗浄剤組成物約1.5gを掌にのせ、5gの水を加えて両手で擦り合わせて泡立てた。泡立てた際の起泡力、泡質、および泡ボリュームを評価した。なお、評価は、専門評価員3名により、25℃、湿度50%RHの恒温恒湿の条件下で実施し、協議により下記の基準で評価した。
【0053】
〔起泡力の評価基準〕
3:起泡力に非常に優れる
2:起泡力に優れるが、3には劣る
1:起泡力が低い
【0054】
〔泡質の評価基準〕
3:泡が非常にキメ細かい
2:泡がキメ細かいが、3には劣る
1:泡のキメが粗い
【0055】
〔泡ボリュームの評価基準〕
3:泡の嵩が非常に高い
2:泡の嵩が高いが、3には劣る
1:泡の嵩が低い
【0056】
(2)洗浄後のすすぎ性
各皮膚洗浄剤組成物約1.5gを掌にのせ、5gの水を加えて両手で擦り合わせて泡立て、この泡を用いて洗顔を行った。その後、温水で洗浄剤組成物を洗い流し、すすぎ性を評価した。なお、評価は、専門評価員3名により、25℃、湿度50%RHの恒温恒湿の条件下で実施し、協議により下記の基準で評価した。
【0057】
〔洗浄後のすすぎ性の評価基準〕
3:すすぎ性に非常に優れる
2:すすぎ性に優れるが、3には劣る
1:すすぎ性が低い
【0058】
【表1】
【0059】
表1の結果より、本実施形態に係る皮膚洗浄剤組成物は、良好な起泡力、泡質、泡ボリューム、および洗浄後のすすぎ落ち性能を有することがわかる。
【0060】
処方例1
ラウリン酸 5.0質量%
ミリスチン酸 10.0質量%
パルミチン酸 4.0質量%
ステアリン酸 10.0質量%
シリカ 1.0質量%
マーコート550PR 0.1質量%
ソルビトール 0.5質量%
濃グリセリン 20.0質量%
水酸化カリウム 適量
エデト酸四ナトリウム四水塩 0.05質量%
l−メントール 0.5質量%
香料 0.2質量%
精製水 残部