特許第6965453号(P6965453)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965453
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】生産システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20211028BHJP
   H04L 12/22 20060101ALI20211028BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   H04L12/28 200Z
   H04L12/22
   G06F13/00 353C
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-531849(P2020-531849)
(86)(22)【出願日】2018年7月23日
(86)【国際出願番号】JP2018027559
(87)【国際公開番号】WO2020021605
(87)【国際公開日】20200130
【審査請求日】2020年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 光啓
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−352476(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0234428(US,A1)
【文献】 白畑 真,ネットワークとセキュリティ 6,UNIX MAGAZINE,株式会社アスキー,2005年02月01日,第20巻 第2号,第70-76頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H04L 12/22
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を基板に実装する部品実装機前記部品実装機を管理する管理装置とを備える生産システムであって、
前記部品実装機と前記管理装置とはそれぞれ、
通信用途が特定されている第1のポートを用いて、前記部品実装機と前記管理装置との間でデータを送受信する第1ポート通信部と、
動的ポートである第2のポートを用いて、前記部品実装機及び前記管理装置の前記第1のポートを開閉させる指示を送受信する第2ポート通信部と、を備え
前記部品実装機において1つの基板に対する実装処理が終了する度に、
前記部品実装機の前記第2ポート通信部は、前記管理装置の前記第1のポートを開く指示を前記管理装置の前記第2ポート通信部に送信し、次に前記部品実装機は、前記部品実装機の前記第1ポートを開き、さらに前記部品実装機の前記第1のポート通信部は、前記実装処理に関するデータを前記管理装置の前記第1ポート通信部に送信し、
前記部品実装機の前記実装処理に関するデータが前記管理装置の前記第1ポートで受信されると、前記管理装置の前記第2ポート通信部は、前記部品実装機の前記第1のポートを閉じる指示を前記部品実装機の前記第2ポート通信部に送信し、次に前記管理装置は、前記管理装置の前記第1ポートを閉じ、
前記実装処理に関するデータを送受信する処理以外のときには、前記部品実装機の前記第1ポートと前記管理装置の前記第1ポートを閉塞した状態とする、生産システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、複数の装置を備える生産システムに関する。詳細には、複数の装置間でデータ通信を行う生産システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の装置を備える生産システムにおいて、複数の装置間がネットワークを介して接続されることが増えている。これに伴い、ネットワークを介して複数の生産装置がウイルスに感染する可能性が高くなっており、生産システムに対するウイルス感染への対策が求められている。例えば、特開2008−83751号公報には、不正アクセスに対応するネットワークシステムが開示されている。このネットワークシステムでは、装置がウイルス感染によって不正アクセスされると、これを検知制御装置が検知する。そして、検知制御装置は、その対処方法として、不正アクセスを受けた装置のポートを閉塞する。これによって、ウイルス感染による不正アクセスがネットワークシステム全体に拡大することが防止される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特開2008−83751号公報では、不正アクセスが検知されると、不正アクセスされた装置のポートが閉塞される。しかしながら、このネットワークシステムでは、ウイルス感染後のさらなる拡大を防止することはできるものの、不正アクセス自体を抑制することができないという問題があった。本明細書は、ネットワークを介して接続される生産システムにおいて、ウイルス感染の可能性を低減させる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示する生産システムは、第1の装置と第2の装置とを備える。第1の装置と第2の装置とはそれぞれ、通信用途が特定されている第1のポートを用いて、第1の装置と第2の装置との間でデータを送受信する第1ポート通信部と、動的ポートである第2のポートを用いて、第1の装置及び第2の装置の第1のポートを開閉させる指示を送受信する第2ポート通信部と、を備える。
【0005】
上記の生産システムでは、通信用途が特定されている第1のポートは、データを送受信すると共に、動的ポートである第2のポートからの指示に基づいて開閉される。このため、第1のポートが開いたままの状態となることを抑制することができ、第1のポートが開いている時間を減少させることができる。通信用途が特定されている第1のポートは外部から不正アクセスされ易い一方、動的ポートである第2のポートは外部から不正アクセスされ難い。したがって、第1のポートが開いている時間を減少させることによって、第1のポートからウイルス感染する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施例に係る部品実装システムの概略構成を示す図。
図2】部品実装機の概略構成を示す図。
図3図2のIII−III線における断面図。
図4】部品実装機と管理装置との間の通信の態様を示すブロック図。
図5】部品実装機から管理装置にデータを送信する際の部品実装機の処理の一例を示すフローチャート。
図6】部品実装機から管理装置にデータを送信する際の管理装置の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。
【0008】
本明細書に開示する生産システムでは、送信側の第2ポート通信部は、第1の装置及び第2の装置との間でデータを送受信するときに、第1の装置及び第2の装置のうち受信側の第1のポートを開く指示を受信側の第2ポート通信部に送信してもよい。受信側の第2ポート通信部は、データの送受信が終了すると、第1の装置及び第2の装置のうち送信側の第1のポートを閉じる指示を送信側の第2ポート通信部に送信してもよい。このような構成によると、第1の装置及び第2の装置の第1のポートは、第1の装置及び第2の装置との間でデータを通信するときにのみ開かれ、それ以外の時間には閉じられる。このため、第1のポートが開いている時間を短くすることができ、ウイルス感染の可能性を低減することができる。
【0009】
本明細書に開示する生産システムでは、第1の装置は、電子部品を基板に実装する部品実装機であってもよい。第2の装置は、部品実装機を管理する管理装置であってもよい。部品実装機の第2ポート通信部は、当該部品実装機において1つの基板に対する実装処理が終了すると、管理装置の第1のポートを開く指示を管理装置の第2ポート通信部に送信してもよい。管理装置の第2ポート通信部は、部品実装機の当該実装処理に関するデータを当該管理装置で受信されると、部品実装機の第1のポートを閉じる指示を部品実装機の第2ポート通信部に送信してもよい。このような構成によると、部品実装機において、1つの基板に対する実装処理が終了し、その基板についての実装処理に関する情報を送信する際にのみ、部品実装機及び管理装置のそれぞれの第1のポートが開かれる。このため、データを通信するときのみ第1のポートが開かれ、それ以外の時間には第1のポートは閉じられる。このため、第1のポートが開かれている時間を短くすることができる。
【実施例】
【0010】
以下、実施例に係る部品実装システム1について説明する。図1に示すように、部品実装システム1は、管理装置50と、複数の部品実装ライン100を備えている。複数の部品実装ライン100のそれぞれは、複数の部品実装機10を備えている。複数の部品実装機10はそれぞれ管理装置50と通信可能に接続されている。管理装置50は、複数の部品実装ライン100(すなわち、複数の部品実装ライン100がそれぞれ備える複数の部品実装機10)を管理している。例えば、図1では、部品実装ライン100は5つの部品実装機10を備えており、管理装置50は15台の部品実装機10を管理している。なお、1つの部品実装ライン100が備える部品実装機10の数は上記に限定されるものではなく、また、管理装置50が管理する部品実装ライン100の数も上記に限定されるものではない。図4に示すように、管理装置50は、第1ポート通信部52と第2ポート通信部54を備えており、部品実装ライン100に配置された各部品実装機10とデータの送受信を行う。部品実装機10と管理装置50との通信の態様の詳細については、後に詳述する。また、部品実装システム1は、「生産システム」の一例である。
【0011】
部品実装機10は、電子部品4を回路基板2に実装する。回路基板2は、部品実装ライン100の一端から他端に向かって送られる。回路基板2には、各部品実装機10において、予め定められた電子部品4が実装される。部品実装ライン100の他端まで送られた回路基板2は、最終製品として出荷、又は半製品として後工程に送られる。部品実装機10には、複数の部品フィーダ12が設置可能となっている。部品実装機10に部品フィーダ12を設置することで、部品フィーダ12から部品実装機10に電子部品4が供給される。なお、部品フィーダ12は、部品実装ライン100において、複数の部品実装機10のいずれに対しても設置可能となっている。部品実装機10にどの種類の部品フィーダ12が設置されるかは、管理装置50において決定される。
【0012】
ここで、部品実装機10の構成について説明する。図2図4に示すように、部品実装機10は、部品実装部22と、インターフェース装置24と、制御装置30と、第1ポート通信部32と、第2ポート通信部34を備えている。なお、第1ポート通信部32及び第2ポート通信部34については、後に詳述する。
【0013】
図2図3に示すように、部品実装部22は、複数の部品フィーダ12と、フィーダ保持部14と、装着ヘッド16と、ヘッド移動装置18と、基板コンベア20を備えている。各々の部品フィーダ12は、複数の電子部品4を収容している。部品フィーダ12は、フィーダ保持部14に着脱可能に取り付けられ、装着ヘッド16へ電子部品4を供給する。部品フィーダ12の具体的な構成は特に限定されない。各々の部品フィーダ12は、例えば、巻テープ上に複数の電子部品4を収容するテープ式フィーダ、トレイ上に複数の電子部品4を収容するトレイ式フィーダ、又は、容器内に複数の電子部品4をランダムに収容するバルク式フィーダのいずれであってもよい。
【0014】
フィーダ保持部14は、複数のスロットを備えており、複数のスロットのそれぞれには部品フィーダ12を着脱可能に設置することができる。フィーダ保持部14は、部品実装機10に固定されたものであってもよいし、部品実装機10に対して着脱可能なものであってもよい。装着ヘッド16は、一又は複数の吸着ノズル6を着脱可能に保持し、吸着ノズル6を用いて部品フィーダ12が供給する電子部品4を取り上げ、当該電子部品4を回路基板2上へ装着する。このとき、ヘッド移動装置18が、部品フィーダ12及び回路基板2に対して、装着ヘッド16を移動させる。これによって、複数の部品フィーダ12のうち特定の部品フィーダ12から電子部品4が取り上げられ、回路基板2の予め定められた位置に電子部品4が装着される。基板コンベア20は、回路基板2の搬入、支持及び搬出を行う。
【0015】
制御装置30は、メモリとCPUを含むコンピュータを用いて構成されている。図4に示すように、制御装置30は、部品実装部22と、インターフェース装置24と、第1ポート通信部32と、第2ポート通信部34に接続しており、部品実装部22と、インターフェース装置24と、第1ポート通信部32と、第2ポート通信部34を制御している。インターフェース装置24は、作業者に部品実装機10の各種の情報を提供する表示装置であると共に、作業者からの指示や情報を受け付ける入力装置である。
【0016】
次に、部品実装機10と管理装置50との間の通信の態様について説明する。図4に示すように、部品実装機10は、第1ポート通信部32と第2ポート通信部34を備えており、管理装置50は、第1ポート通信部52と第2ポート通信部54を備えている。
【0017】
第1ポート通信部32と第1ポート通信部52は、通信用途が特定されているポートを介して、通信可能に接続されている。第1ポート通信部32と第1ポート通信部52との間では、実装処理に関する各種のデータが送受信される。第1ポート通信部32と第1ポート通信部52との間の通信において使用されるポート番号は、いわゆる、ウェルノウンポート番号(WELL KNOWN PORT NUMBERS)や、登録済みポート番号(REGISTERED PORT NUMBERS)である。これらのポート番号を使用することによって、既知のプロトコルを利用して、容易にデータを送受信することができる。以下、第1ポート通信部32と第1ポート通信部52との間の通信に用いられるポートを「特定ポート」と称することがある。なお、特定ポートは、「第1のポート」の一例である。
【0018】
特定ポートは、後述する特定ポートを開閉する指示に従って開閉される。すなわち、特定ポートは、特定ポートを開く指示に従って開かれ、特定ポートを閉じる指示に従って閉じられる。したがって、特定ポートは、開放された状態となっているときと、閉塞された状態となっているときが存在することになる。特定ポートは、ポート番号及びプロトコルが既知であるため、外部から不正アクセスされる可能性がある。本実施例では、特定ポートは、特定ポートを開閉する指示に従い開閉される。このため、特定ポートを使用するときにのみ特定ポートを開放し、それ以外のときには特定ポートが閉塞した状態を維持することができる。これによって、特定ポートが開放された状態となる時間を短くすることができ、外部から不正アクセスされる可能性を低減することができる。
【0019】
第2ポート通信部34と第2ポート通信部54は、動的ポートを介して、通信可能に接続されている。動的ポートとは、一般的に、ダイナミックポート(DYNAMIC PORT)、プライベートポート(PRIVATE PORT)、エフェメラルポート(EPHEMERAL PORT)等と呼ばれるポートであり、動的ポートのポート番号は、通信用途が特定されていないためユーザが自由に使用できる。第2ポート通信部34と第2ポート通信部54との間では、動的ポートを用いて、特定ポートを開閉する指示が送受信される。具体的には、第2ポート通信部34は、動的ポートを用いて、第2ポート通信部54に対し、管理装置50の特定ポートを開く指示又は閉じる指示を送信する。また、第2ポート通信部34は、動的ポートを用いて、第2ポート通信部54から送信される、部品実装機10の特定ポートを開く指示又は閉じる指示を受信する。同様に、第2ポート通信部54は、動的ポートを用いて、第2ポート通信部34に対し、部品実装機10の特定ポートを開く指示又は閉じる指示を送信する。また、第2ポート通信部54は、動的ポートを用いて、第2ポート通信部34から送信される、管理装置50の特定ポートを開く指示又は閉じる指示を受信する。
【0020】
動的ポートは、閉塞することがないため、常に開放された状態となっている。しかしながら、動的ポートは特定ポートと異なり、ユーザが独自に作成したプロトコルを用いて通信するため、外部から不正アクセスされ難い。すなわち、動的ポートは常に開放した状態となっていても、外部から不正アクセスされる可能性が低い。このように動的ポートを常に開放した状態にしておくことによって、必要に応じていつでも特定ポートを開閉する指示を送受信することができる。
【0021】
次に、部品実装機10と管理装置50との間でデータを送受信する処理について説明する。上述したように、部品実装機10と管理装置50との間の特定ポートは、データを送受信するときにのみ開放される。部品実装機10と管理装置50の間で送受信されるデータとしては、例えば、部品実装機10において1つの回路基板2に対する電子部品4の実装処理が終了したときに当該部品実装機10から送信される、その実装処理に関する情報(以下、「実装処理に関するデータ」、又は、単に「データ」ともいう)を挙げることができる。以下では、実装処理に関するデータが、その実装処理を実行した部品実装機10から管理装置50に送信されるときの処理を例に説明する。なお、部品実装機10の特定ポート及び管理装置50の特定ポートはいずれも、外部からの不正アクセスを回避するために、データを送受信するとき以外には閉塞した状態となっている。したがって、部品実装機10の特定ポート及び管理装置50の特定ポートはいずれも、データを送受信する前は閉塞した状態となっている。
【0022】
まず、図5を参照して、部品実装機10の処理について説明する。図5に示すように、1つの回路基板2に対する部品実装処理が終了すると(S12)、制御装置30は、第2ポート通信部34から第2ポート通信部54に、管理装置50の特定ポートを開く指示を送信する(S14)。この通信は、第2ポート通信部34と第2ポート通信部54との間の通信であるため、動的ポートを用いて行われる。本実施例では、部品実装機10から管理装置50にデータを送信する。このため、データの送信側である部品実装機10からデータの受信側である管理装置50に対して、特定ポートを開く指示が送信される。これによって、管理装置50において特定ポートが開かれる。
【0023】
次に、制御装置30は、部品実装機10の特定ポートを開く(S16)。部品実装機10の特定ポートは、データを送信する前は閉塞した状態となっている。したがって、特定ポートを用いてデータを送信するために、制御装置30は、部品実装機10の特定ポートを開く。
【0024】
次に、制御装置30は、第1ポート通信部32から第1ポート通信部52に、実装処理に関するデータを送信する(S18)。この通信は、第1ポート通信部32と第1ポート通信部52との間の通信であるため、特定ポートを用いて行われる。ステップS14において管理装置50の特定ポートを開く指示を送信すると共に、ステップS16において部品実装機10の特定ポートを開いている。これによって、管理装置50の特定ポートと部品実装機10の特定ポートが共に開いた状態となるため、特定ポートを用いてデータを送信することができる。なお、このデータの送信処理は、ステップS14の処理から所定時間経過した後に実行されるとよく、これによって、管理装置50の特定ポートが開いた後にデータを送信することができる。
【0025】
次に、制御装置30は、管理装置50の第2ポート通信部54から送信された特定ポートを閉じる指示を第2ポート通信部34で受信したか否かを判定する(S20)。すなわち、後述するように、ステップS18で送信されたデータを受信した管理装置50は、データを受信後に部品実装機10に特定ポートを閉じるよう指示を送信する。このため、制御装置30は、ステップS20で特定ポートを閉じる指示を受信したか否かを判定する。第2ポート通信部34が特定ポートを閉じる指示を受信していない場合(ステップS20でNO)、制御装置30は、第2ポート通信部34が特定ポートを閉じる指示を受信するまで待機する。一方、第2ポート通信部34が特定ポートを閉じる指示を受信した場合(ステップS20でYES)、制御装置30は、受信した指示に従い、部品実装機10の特定ポートを閉じる(S22)。これによって、データの送信後に部品実装機10の特定ポートを閉塞した状態にすることができる。
【0026】
続いて、図6を参照して、管理装置50の処理について説明する。図6に示すように、管理装置50は、所定の周期で第2ポート通信部54に特定ポートを開く指示を受信したか否かを判定する(S32)。第2ポート通信部54が特定ポートを開く指示を受信していない場合(ステップS32でNO)、管理装置50は、第2ポート通信部54が特定ポートを開く指示を受信するまで、定期的にステップS32の処理を繰り返す。一方、第2ポート通信部54が特定ポートを開く指示を受信した場合(ステップS32でYES)、管理装置50は、受信した指示に従い、管理装置50の特定ポートを開く(S34)。これによって、管理装置50は、特定ポートを用いてデータを受信できる状態となる。
【0027】
次に、管理装置50は、第1ポート通信部52にデータ(すなわち、実装処理に関するデータ)を受信したか否かを判定する(S36)。第1ポート通信部52がデータを受信していない場合(ステップS36でNO)、管理装置50は、第1ポート通信部52がデータを受信するまで待機する。一方、第1ポート通信部52がデータを受信した場合(ステップS36でYES)、管理装置50は、受信したデータをメモリ(図示省略)に記憶する(S38)。
【0028】
特定ポートを用いたデータの受信が完了すると、管理装置50は、第2ポート通信部54から第2ポート通信部34に、部品実装機10の特定ポートを閉じる指示を送信する(S40)。この通信は、第2ポート通信部34と第2ポート通信部54との間の通信であるため、動的ポートを用いて行われる。これによって、部品実装機10において特定ポートが閉じられる。そして、管理装置50は、管理装置50自身の特定ポートも閉じる(S42)。これによって、データの受信後に管理装置50の特定ポートを閉塞した状態にすることができる。
【0029】
本実施例では、データを送信する前に、送信側の部品実装機10から受信側の管理装置50に対して特定ポートを開く指示が送信されると共に、送信側の部品実装機10の特定ポートが開かれる。また、データが受信された後に、受信側の管理装置50から送信側の部品実装機10に対して特定ポートを閉じる指示が送信されると共に、受信側の管理装置50の特定ポートが閉じられる。これによって、データを送受信する間のみ部品実装機10と管理装置50の特定ポートを開放した状態にすることができ、特定ポートが開放された状態となる時間を短時間とすることができる。このため、外部から不正アクセスされる可能性を低減することができる。
【0030】
また、本実施例では、1つの回路基板2に対する実装処理を終了する度にデータを部品実装機10から管理装置50に送信しており、1回のデータの送受信処理が終了する度に、部品実装機10と管理装置50の特定ポートが閉じられる。すなわち、1つの回路基板2の実装処理に関するデータが管理装置50に送信された後、次の回路基板2に対する実装処理が行われ、その実装処理に関するデータが管理装置50に送信されるまでの間、部品実装機10と管理装置50の特定ポートは閉じられる。このように、データを送受信する度に部品実装機10と管理装置50の特定ポートを開閉することによって、部品実装機10と管理装置50の特定ポートが開放した状態となる時間を必要最低限の長さに短縮することができる。
【0031】
なお、本実施例では、部品実装機10から管理装置50に実装処理に関するデータを送信する際に特定ポートを開いたが、このような構成に限定されない。部品実装機10と管理装置50との間でデータを送受信する際に特定ポートが開かれればよく、例えば、管理装置50から部品実装機10に実装処理の設定に関する情報等を送信する際に特定ポートを開いてもよい。また、部品実装機10から管理装置50に情報を送信するタイミングは、1つの回路基板2に電子部品4を実装する実装処理が終了したときに限定されるものではなく、例えば、部品実装機10において異常が発生した場合に、特定ポートを開いてその異常に関する情報を送信してもよい。
【0032】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6