(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965459
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】スライドドア用リニアモータシステム
(51)【国際特許分類】
E05F 15/632 20150101AFI20211028BHJP
E05D 15/06 20060101ALI20211028BHJP
E05F 15/70 20150101ALN20211028BHJP
【FI】
E05F15/632
E05D15/06 125A
!E05F15/70
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-543669(P2020-543669)
(86)(22)【出願日】2018年9月25日
(65)【公表番号】特表2021-500497(P2021-500497A)
(43)【公表日】2021年1月7日
(86)【国際出願番号】CN2018107200
(87)【国際公開番号】WO2019080684
(87)【国際公開日】20190502
【審査請求日】2020年4月24日
(31)【優先権主張番号】201711021316.9
(32)【優先日】2017年10月26日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201721391875.4
(32)【優先日】2017年10月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520147083
【氏名又は名称】中山市欧派克五金製品有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHONGSHAN OPIKE HARDWARE PRODUCTS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】許 姜▲とく▼
【審査官】
砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−537607(JP,A)
【文献】
特開平6−101379(JP,A)
【文献】
特開2001−288962(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第102877735(CN,A)
【文献】
欧州特許出願公開第2476849(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/06
E05F 15/00−15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドドアのドア本体に接続される可動子アセンブリ、制御アセンブリ、及び少なくとも2つのステーターアセンブリを備えるスライドドア用リニアモータシステムであって、前記制御アセンブリは前記可動子アセンブリの移動を制御するために使用され、前記少なくとも2つのステーターアセンブリのうち2つのステーターアセンブリの間に配置される、ことを特徴とするスライドドア用リニアモータシステム。
【請求項2】
アダプタ及び電源をさらに備え、前記アダプタと電源は前記少なくとも2つのステーターアセンブリのうち前記制御アセンブリの両端から離れた前記ステーターアセンブリの外側の端にそれぞれ接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のスライドドア用リニアモータシステム。
【請求項3】
前記制御アセンブリの両端に接続ポートを有し、前記接続ポートはそれぞれ前記ステーターアセンブリと電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドドア用リニアモータシステム。
【請求項4】
前記接続ポートは、それぞれ前記ステーターアセンブリと物理的にも接続される、ことを特徴とする請求項3に記載のスライドドア用リニアモータシステム。
【請求項5】
前記接続ポートは第1の接続部と第2の接続部を有し、前記第1の接続部は前記ステーターアセンブリとの電気的接続を形成するために使用され、前記第2の接続部は、それぞれ前記ステーターアセンブリとの取り外し可能な物理的接続を形成する、ことを特徴とする請求項4に記載のスライドドア用リニアモータシステム。
【請求項6】
前記制御アセンブリは回路基板を有し、前記回路基板は、ステーターアセンブリの長さ方向に沿って配置され、前記第1の接続部は前記回路基板の両端にそれぞれ配置される、ことを特徴とする請求項5に記載のスライドドア用リニアモータシステム。
【請求項7】
前記第1の接続部は前記回路基板の両端にそれぞれ溶接される、ことを特徴とする請求項6に記載のスライドドア用リニアモータシステム。
【請求項8】
前記スライドドアは型材を有し、前記型材の内部空間は、垂直方向に上部空間と下部空間に分割され、前記ステーターアセンブリ、制御アセンブリ、アダプタ及び電源は、前記型材の上部空間にエンドツーエンドで装填される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドドア用リニアモータシステム。
【請求項9】
前記可動子アセンブリには、ホイールセットが設けられ、前記可動子アセンブリと前記ホイールセットは、前記型材の端部から前記型材の下部空間に詰め込まれ、前記型材の上部空間に位置する前記ステーターアセンブリと上下に対向して配置され、前記可動子アセンブリは前記ホイールセットを介して前記型材内をスライドする、ことを特徴とする請求項8に記載のスライドドア用リニアモータシステム。
【請求項10】
前記ホイールセットは前記可動子アセンブリの左側と右側に配置され、前記型材の内部には前記ホイールセットと協働するリブがある、ことを特徴とする請求項9に記載のスライドドア用リニアモータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドドア用構成要素に関し、特に、スライドドア用リニアモータシステムに関し、建物装飾ハードウェアアクセサリーの制造技術に属するものである。
【背景技術】
【0002】
スライドドアは、リニアモータによって駆動され、ベルトなどのトランスミッション構造を減らし、占有スペースが小さく、摩擦と騒音を減らし、自動的・知能的で、自動ドアの使用に対するユーザーの需要を大幅に増やすことができる。中国出願番号がCN200880102725.4である既存のリニアモータアセンブリ構成を
図1に示す。ステーター1とステーター2はドア本体の中央に対称に配置され、その下端にはローター部材がある。ステーター部材はいつでもローター部材の2つの磁石列に効果的に接続される必要があるため、電源と連結部材をリニアドライバの一端に配置することができない。電源部材と連結部材はそれぞれ2つのステーターの両側に配置される。このレイアウトで形成されたリニアモータの駆動には、次の問題がある。即ち、(一)ステーター1への電流電力制御を実現するために、ステーター1の接続線はステーター2に跨って連結部材に接続する必要があり、全体の配線は複雑になる。(二)十分な駆動力を提供することができるために、ドア本体の上端中央に位置するステーターは、ドア本体におけるローター部材に正対するコイル群が6個程度存在する必要であり、ステーターにおけるセンサーとローター部材が誘導されて初めて駆動力を制御することができる。一方、
図1では、ドア本体及びローター部材が左右両側にスライドした場合、その駆動力は小さく、また、当該駆動力を逸脱することのないドア本体のスライドストロークには限界があるため、異なるドア本体のスライドストロークの要件を満たすことができず、両側にスライドしても、センサー信号が検出されない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、スライドドア用リニアモータシステムの配線が複雑であり、検出が困難であり、ストロークの適応性が低いという問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の技術的問題を解決するために、本発明によって採用される技術的解決策は、スライドドアのドア本体に接続される可動子アセンブリと、制御アセンブリと、少なくとも2つのステーターアセンブリと、を備えるスライドドア用リニアモータシステムであって、制御アセンブリは可動子アセンブリの移動を制御するために使用され、少なくとも2つのステーターアセンブリのうち2つのステーターアセンブリの間に配置される。
【0005】
一方では、2つのステーターは、従来技術よりもドア本体の両側に近く、スライドドアのドア本体に接続される可動子アセンブリが両側に長い距離を移動した場合でも、当該可動子アセンブリとステーターアセンブリを効果的に接続し検出することができる。即ち、スライドドアのドア本体の両側へスライドするストロークは大きくなり、検出はより便利になる。他方では、2つのステーターはいずれも中央にある制御アセンブリとそれぞれ直接電気的に接続されることができ、ある構成要素に跨って配線する必要はなく、より簡潔な配線方式である。
【0006】
さらに、アダプタと電源をさらに備え、アダプタと電源は少なくとも2つのステーターアセンブリのうち制御アセンブリの両端から離れた前記ステーターアセンブリの外側の端にそれぞれ接続される。当該リニアモータシステムでは、電源、ステーターアセンブリ、制御アセンブリ、アダプタのレイアウトにおいて、制御アセンブリは比較的中央に位置し、両端はいずれもステーターアセンブリに接続されることができ、制御及び検出に関係の少ない電源とアダプタについて、外側に位置し、さらに、全体的なレイアウトにより、配線と検出の簡単さが保証される。
【0007】
さらに、制御アセンブリは両端に接続ポートを有し、接続ポートはそれぞれステーターアセンブリと電気的に接続される。これにより、制御アセンブリは左端及び右端に2つの接続ポートを有し、従来技術とは異なり、当該2つの接続ポートはステーターアセンブリにそれぞれ接続される。
【0008】
さらに、接続ポートはそれぞれステーターアセンブリと物理的にも接続される。接続ポートは物理的接続を形成することができるので、制御アセンブリとステーターアセンブリ間の導線接続が省略され、さらに、リニアモータ全体を簡潔にし、配線が簡単になる。
【0009】
さらに、接続ポートは第1の接続部と第2の接続部を有し、第1の接続部はステーターアセンブリとの電気的接続を形成するために使用され、第2の接続部はそれぞれステーターアセンブリとの取り外し可能な物理的接続を形成する。当該接続ポートの構造により、第1の接続部又は第2の接続部を別個に交換することができ、制御アセンブリの着脱を容易にする。
【0010】
さらに、制御アセンブリは回路基板を有し、回路基板はステーターアセンブリの長さ方向にそって配置され、第1の接続部は回路基板の両端にそれぞれ配置される。当該構造により、制御アセンブリ内の配線の必要がなくなり、回路基板全体の構造は、パフォーマンスが安定で信頼性が高く、構造が簡潔で単純であり、設計要件を満たす。
【0011】
さらに、第1の接続部は回路基板の両端にそれぞれ溶接される。
【0012】
さらに、スライドドアは型材を有し、型材の内部空間は垂直方向に2つの部分に分割され、ステーターアセンブリ、制御アセンブリ、アダプタ及び電源は、型材内の1つの部分にエンドツーエンドで装填される。実際のリニアモータスライドドアの実装では、この構造の型材及び実装方式が使用され、実装者はパッケージ化されたアセンブリを接続して、型材に挿入するだけでよく、実装効率を大幅に向上させる。
【0013】
さらに、可動子アセンブリには、ホイールセットが設けられ、型材の内部の他の部分に装填され、ステーターアセンブリと上下に対向して配置され、可動子アセンブリは、ホイールセットを介して型材内をスライドする。
【0014】
さらに、ホイールセットは可動子アセンブリの左側及び右側に配置され、型材の内部にはホイールセットと協働するリブがある。当該構造により、可動子アセンブリは型材内を安定でスムーズにスライドすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】従来技術のスライドドアリニアモータの概略図である。
【
図2】本発明の実施例に係るスライドドアの使用状態の概略図である。
【
図3】本発明の実施例に係るスライドドアの分解図である。
【
図4】本発明の実施例に係る制御アセンブリとステーターアセンブリとの組立斜視図である。
【
図5】本発明の実施例に係る各構成要素の接続関係図である。
【
図6】本発明の実施例に係る制御アセンブリの斜視図である。
【
図7】本発明の実施例に係る制御アセンブリの分解図である。
【
図8】本発明の実施例に係る制御アセンブリの側面図である。
【
図9】本発明の実施例に係るスライドドアの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面及び実施例を参照して、本発明の具体的な実施形態についてさらに詳細に説明する。以下、実施例は本発明を説明するためのものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0017】
本発明は、スライドドア用リニアモータシステムを提供し、スライドドアのドア本体に接続される可動子アセンブリと、制御アセンブリと、少なくとも2つのステーターアセンブリとを備え、前記制御アセンブリは可動子アセンブリの移動を制御するために使用され、前記少なくとも2つのステーターアセンブリのうち2つのステーターアセンブリの間に配置される。
【0018】
この技術的解決策では、制御アセンブリはステーターアセンブリの中央に配置されるため、一方では、2つのステーターは、従来技術よりもドア本体の両側に近く、スライドドアのドア本体に接続される可動子アセンブリが両側に長い距離を移動した場合でも、当該可動子アセンブリとステーターアセンブリを効果的に接続し検出することができる。即ち、スライドドアのドア本体の両側へスライドするストロークは大きくなり、検出はより便利になる。他方では、2つのステーターはいずれも中央に位置する制御アセンブリとそれぞれ直接電気的に接続されることができ、ある構成要素に跨って配線する必要がなく、より簡潔な配線方式である。
【0019】
本発明の上記の目的、特徴及び利点をより明白かつ理解可能にするために、以下、本発明の具体的な実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図2に示すように、本実施例に係るスライドドア100の使用状態が示され、使用者は、誘導、プッシュプルスタートなどの制御方式により、リニアモータを制御して、ドア本体5を自動的に左右にスライドするように駆動することができる。スライドドア100の上端には上部ドアフレーム1が水平に配置され、上部ドアフレーム1はドアの上部の梁や壁体にボルトで固定され、上部ドアフレーム1の両側にサイドドアフレーム6が立設され、上部ドアフレーム1及び左右のサイドドアフレーム6は連結されてドアフレーム全体を構成する。上部ドアフレーム1とサイドドアフレーム6の両方は押出成形された金属型材を採用することができる。
【0021】
図9に示すように、上部ドアフレーム1は「T」字型であり、「T」字型の上部ドアフレーム1の水平部分は壁体に接して固定され、「T」字型の上部ドアフレーム1の垂直部分の両側には、2つのドアを取り付けるための型材3が取り付けられる。型材3は垂直方向に上部及び下部という2つの空間に分かれ、上部アセンブリ2は上部に収容され、下部には可動子アセンブリ4が収容される。可動子アセンブリ4の下端はスライドドアのドア本体5に接続される。ドア本体5は可動子アセンブリ4の移動に伴ってスライドすることができる。
【0022】
当該スライドドアは、上部耐荷重自動ドアに属するが、これに限定されず、本実施例は、他の上部耐荷重自動ドア、下部耐荷重自動ドア、又は他のタイプの自動ドアにも適用できる。
【0023】
図5に示すように、上部アセンブリ2は制御アセンブリ11とステーターアセンブリ12を含む。本実施例では、ステーターアセンブリ12の数は具体的には2つである。
図4に示す制御アセンブリ11とステーターアセンブリ12との組立図に示すように、2つのステーターアセンブリ12は、制御アセンブリ11の両端に配置される。ステーターアセンブリ12はコアとコアに巻回されたコイルとを有し、可動子アセンブリ4には磁石が配置され、ステーターアセンブリ12と可動子アセンブリ4は対向する位置にあり、コイルを流れる電流によって生成される磁場は磁石を備えた可動子アセンブリ4に対して駆動力を発生する。
【0024】
好ましい実施例では、
図7に示すように、制御アセンブリ11の両端にはそれぞれ、接続ポートが設計され、左側及び右側のステーターアセンブリ12の制御アセンブリ11に近い端にはいずれも、制御アセンブリ11の接続ポートに電気的に接続されるポートが配置されることで、制御アセンブリとその左側及び右側のステーターアセンブリ12とは電気的に接続される。
【0025】
当該接続ポートは、制御アセンブリ11とステーターアセンブリ12との物理的接続を実現するように使用されてもよい。
【0026】
さらに、好ましい実施例では、
図7及び
図8に示すように、当該制御アセンブリ11の接続ポートは第1の接続部111と第2の接続部112を有し、ステーターアセンブリ12のポートは第3の接続部121と第4の接続部122を有する。具体的に、第1の接続部111には電気的接続のためのソケットが配置され、これに対応して、第3の接続部121には電気的接続のためのプラグが配置される。第2の接続部112には外側に突出する挿入部が設けられ、第4の接続部122にはそれに対応して当該挿入部が挿入されるスロットが配置され、これにより、第2の接続部112はそれぞれステーターアセンブリ12と取り外し可能な物理的接続を形成する。
【0027】
図6及び
図7に制御アセンブリ11の具体的な構造が示されている。その外部全体はハウジング113によって囲まれ、回路基板114を含めて制御アセンブリ11の他の構成要素がハウジング113内に配置される。回路基板114はステーターアセンブリ12の長さ方向に沿ってハウジング113内に実装される。回路基板114の表面には、可動子アセンブリ4の移動速度を制御したり、電動ドアの開閉を制御したりするための、各種パワー素子が配置されている。
【0028】
2つの第1の接続部111は回路基板114の両端にそれぞれ配置され、好ましくは、本実施例では、第1の接続部111は回路基板114の両端に溶接される。回路基板114には半田付け点があるため、配線の配置は不要であり、回路基板114全体の表面は簡潔であり、本発明の技術的問題を効果的に解決することができる。第2の接続部112はハウジング構造を有し、ハウジングの内部には内部スルーホールが形成され、第1の接続部111は当該スルーホールに収容され、スルーホールを通過してステーターアセンブリ12の第3の接続部121との接続を実現する。第2の接続部112の挿入部は、そのハウジングからステーターアセンブリ12側に突出するように形成される。これに対応して、ステーターアセンブリ12の第4の接続部122は、当該第2の接続部111の挿入部が挿入されるスロットを有する。本実施例では、第4の接続部122は上部及び下部という2つの部分に分かれ、上部及び下部が係合すると、中央に第3の接続部121のプラグが通過する空間があり、上部及び下部が係合した後、第3の接続部121は固定される。
【0029】
本実施例では、第1の接続部111と第2の接続部112とにより、制御アセンブリ11の両端の接続端子を構成し、制御アセンブリ11と両側のステーターアセンブリ12との電気的接続及び物理的接続に使用される。当該構造は、制御アセンブリ11を2つのステーターアセンブリに効果的に接続させ、配線の手間を省き、制御アセンブリ11の内部及び制御アセンブリ11の外部と他の構成との接続に導線を使用する必要がなくなる。さらに、第1の接続部111と第2の接続部112の着脱は容易であり、メンテナンスや交換が簡単になる。
【0030】
注意すべきことは、制御アセンブリ11の両端とステーターアセンブリ12とが導線又は他の構成により電気的接続のみを実施し、物理的接続がない場合に、制御アセンブリ11と2つのステーターアセンブリ12との接続はいずれも他の構成に跨る必要がなく、制御アセンブリ11が中央に位置するため、依然として、本出願におけるリニアモータシステムの配線及び検出の問題をある程度まで解決することができる。
【0031】
好ましい実施例では、このスライドドア用リニアモータシステムは
図5に示すように、アダプタ16及び電源14をさらに備える。アダプタ16と電源14は上部アセンブリ2の両外側にそれぞれ配置され、2つのステーターアセンブリ12に電気的に接続される。これにより、制御アセンブリ11が上部アセンブリ2全体の中央位置にあるとさらに判定され、配線及び検出の便利性が得られる。
【0032】
その中、電源14と左側のステーターアセンブリ12とは2位置から4位置への変換端子線13によって接続され、アダプタ16と右側のステーターアセンブリ12とは4端子接続線15によって接続される。電源14、アダプタ16、ステーターアセンブリ12の対応する接続端にはいずれも2位置から4位置への変換端子線13、4端子接続線15を挿抜するためのポートが設けられている。
【0033】
当該電源14及びアダプタ16とステーターアセンブリ12とは直接接続されてもよく、その中の接続線を省いて、上部アセンブリ2全体をより簡潔にする。
【0034】
電源14は、スライドドア100全体のリニアモータに電力を供給するために使用され、ドア本体の最右端にあり、外部ケーブルを抜き差しするための外部ケーブル接続ポートを有する。アダプタ16は、自動ドアの機能を拡張するために使用され、例えば無線Bluetooth接続、赤外線センサーインターフェースなどの予約機能のインタフェースを有し、システムの拡張性を向上させる。
【0035】
このように形成される全体的な構造は、実装時の配線工程が省略され、実装者の実装効率を高め、実装を簡単で明確にし、市場のニーズを満たす。
【0036】
スライドドアは型材を有し、前記型材の内部には垂直方向に2つの部分に分割され、前記ステーターアセンブリ、制御アセンブリ、アダプタ及び電源は型材内の1つの部分にエンドツーエンドで装填される。
【0037】
好ましい実施例では、上部アセンブリ2と可動子アセンブリ4との相対的な実装関係についてさらに説明する。ドア本体にリニアモータドライブを実装して駆動するときに、上部アセンブリ2は、電源14、2位置から4位置への変換端子線13、左側のステーターアセンブリ12、制御アセンブリ11、右側のステーターアセンブリ12、4端子接続線15、アダプタ16がエンドツーエンドで接続されることによって全体的なストリップに形成され、相対的に型材3の上部の空間に固定される。可動子アセンブリ4は細長いハウジングを有し、内部に磁石列があり、そのハウジングの外部の両側にはプーリーにより形成されるホイールセット18が配置され、ホイールセット18は可動子アセンブリ4のハウジングの長さ方向に沿って一定距離だけ離間して複数配置され、本実施例では、ホイールセット18は凹型ホイールを使用する。
図9に示すように、可動子アセンブリ4はホイールセット18と共に、型材3の端部から型材3の下部空間に詰め込まれ、上部アセンブリ2と上下に対向して配置される。型材3の下部空間には4つのリブ17が配置され、その中、底部の左側及び右側のリブ17は型材3の底部から内側へ折り曲げるように形成され、折り曲げる方向は垂直上向きであり、型材3の中央部分に位置するリブ17が突出する方向は底部の2つのリブ17とちょうど対向する。これにより、4つのリブ17は凹型のホイールセット18の溝と協働し、その結果、可動子アセンブリ4がホイールセットを介して型材の内部をスライドする。
【0038】
可動子アセンブリ4はスライドドアのドア本体5に接続され、上記の構成により、ドア本体5を左右にスムーズに移動させることができる。
【0039】
当該ホイールセット18は、リブ17に当接するフラットホイールを使用してもよく、可動子アセンブリ4をスライドさせるのに使用してもよい。
【0040】
なお、ステーターアセンブリ12の数は3つ以上であってもよく、ステーターアセンブリ12が3つである場合、制御アセンブリ11の一端に2つのステーターアセンブリ12があり、他端に1つのステーターアセンブリ12がある。ステーターアセンブリ12が4つである場合、制御アセンブリ11の両端は2つのステーターアセンブリ12にそれぞれ接続される。本発明の技術的解決策はこれらの場合の同じ技術的問題を解決することができる。
【0041】
上記は本発明の好ましい実施形態であり、なお、当業者にとって、本発明の技術的原理から逸脱することなく、いくつかの改善及び置換を行うことができ、これらの改善及び置換も本発明の保護範囲と見なされるべきである。
【符号の説明】
【0042】
100 スライドドア
1 上部ドアフレーム
2 上部アセンブリ
3 型材
4 可動子アセンブリ
5 スライドドアのドア本体
6 サイドドアフレーム
11 制御アセンブリ
111 第1の接続部
112 第2の接続部
113 ハウジング
114 回路基板
12 ステーターアセンブリ
121 第3の接続部
122 第4の接続部
13 2位置から4位置への変換端子線
14 電源
15 4端子接続線
16 アダプタ
17 リブ
18 ホイールセット