(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液体の導入される導入ポート(96)と該液体が導出される複数の導出ポート(98)とを有するカバー部材(170)を備えたボディ(162)と、前記ボディ(162)の内部に回転自在に設けられた回転体(156)とを有し、駆動部(14)の駆動作用下に前記回転体(156)が回転することで、該ボディ(162)に形成された連通室(184)を介して一つの選択された導出ポート(98)と前記導入ポート(96)とを連通させることにより、前記導出ポート(98)間での液体の供給状態を切り換える切換バルブ(150)であって、
前記ボディ(162)の内部には、前記導入ポート(96)と前記複数の導出ポート(98)のそれぞれとの連通状態を切り換える弁体(154)を保持するホルダプレート(166、168)が設けられ、
前記ホルダプレート(166、168)と前記回転体(156)との間には間隙(S)が形成され、
前記弁体(154)は、前記回転体(156)に設けられた突起部(160)の当接により移動自在なポペット弁(152)からなり、前記回転体(156)の回転によって前記突起部(160)が変位することにより前記ポペット弁(152)が前記導入ポート(96)と前記選択された導出ポート(98)との間の連通と遮断を行なう切換バルブ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
先ず、本発明の実施の形態に関連する切換バルブ10について添付の図面を参照して説明する。
図1〜
図6に示されるように、切換バルブ10は、ボディ12と、該ボディ12の側部に設けられる駆動部14と、前記ボディ12の内部に回転自在に設けられるロータ(回転体)16と、前記ロータ16の上面に臨み前記ボディ12の開口部を閉塞するカバー部材(ボディ)18とを含む。
【0011】
ボディ12は、例えば、樹脂製材料から形成され、ベース部20と、該ベース部20の上部に形成された本体部22と、該本体部22の上部に形成され径方向外側へと拡径した中空状の収納部24とからなる。なお、収納部24はベース部20から離間する方向(矢印A1方向)に向かって開口している。
【0012】
このベース部20は、例えば、断面矩形状に形成され、その一側部に開口して水平方向(矢印B1、B2方向)に内部まで延在した空間部26が形成される。そして、空間部26には、
図2及び
図4に示されるように、駆動部14の一部や後述する制御基板62が収納される。
【0013】
一方、
図1〜
図3に示されるように、ベース部20の外側には、切換バルブ10を固定するための取付部28が形成され、図示しないボルトを介して他の部材等に固定される。
【0014】
本体部22には、その中央に鉛直方向(矢印A1、A2方向)に貫通しロータ16の一部が収納される第1ロータ収納孔(収納孔)30が形成され、その上部が収納部24と連通し、下部は空間部26と貫通せずに底部を有している。また、本体部22には、
図2及び
図5に示されるように、一側部に開口し水平方向(矢印B2方向)に延在したシャフト孔32が形成され、後述する駆動部14の駆動軸54及びウォームギア56が収納される。このシャフト孔32は、空間部26と略平行に形成されると共に、第1ロータ収納孔30と略直交するように延在し、且つ、該第1ロータ収納孔30の中心に対して所定距離だけオフセットしている。
【0015】
換言すれば、第1ロータ収納孔30の側方にシャフト孔32の一部が貫通し、該シャフト孔32と前記第1ロータ収納孔30とが連通している。
【0016】
また、本体部22の一側部は、
図2に示されるように、ベース部20の一側部と略同一平面となる平面状に形成され、その外縁部近傍には複数の爪部34が突出すると共に、シャフト孔32の周縁部には後述する駆動部14を保持するための駆動源保持部36が突出している。
【0017】
そして、ベース部20及び本体部22の一側部を覆うように箱状の収納ケース38が装着され、該収納ケース38の内部には後述する駆動部14の回転駆動源52が収納されると共に、空間部26及びシャフト孔32の開口部位が塞がれる。この収納ケース38は、ボディ12に対して側方(矢印B1方向)に突出するように装着され、本体部22及びベース部20の一側部から突出した複数の爪部34が前記収納ケース38の内壁面に形成された凹部40(
図4及び
図5参照)へと係合されることで固定される。すなわち、収納ケース38はボディ12に対して着脱自在に設けられている。
【0018】
一方、本体部22の一側部と反対側となる他側部には、
図4に示されるように、該本体部22から離間する方向(矢印B2方向)に突出し内部に通路を有したドレンポート42が形成される。このドレンポート42は略水平方向(矢印B1、B2方向)に延在し、その通路が第1ロータ収納孔30の底部と連通している。
【0019】
収納部24は、
図1〜
図6に示されるように、例えば、円筒状に形成され、その内部にはロータ16の一部が収納される第2ロータ収納孔44と、該第2ロータ収納孔44より拡径したカバー収納孔46とを有する。この第2ロータ収納孔44は、断面円形状で第1ロータ収納孔30と連通し、且つ、同軸上に形成されている。
【0020】
カバー収納孔46は、略円形状で第2ロータ収納孔44の上部に形成され、
図3及び
図6に示されるように、その外周部位には径方向外側へと断面三角形状に突出した位置決め溝48が形成される。また、カバー収納孔46の底部には、
図4及び
図6に示されるように、環状溝を介してシールリング50が装着され、カバー部材18が収納された際に当接する。
【0021】
駆動部14は、
図2及び
図5に示されるように、例えば、ボディ12の側部に連結される収納ケース38内に収納され、図示しないコントローラからの制御信号に基づいて駆動する回転駆動源52と、該回転駆動源52の駆動軸54に設けられるウォームギア56とから構成される。
【0022】
この回転駆動源52は、例えば、DCモータからなり、空間部26に収納された制御基板62に対して電気的に接続されると共に、駆動源保持部36によってボディ12の側部に保持された状態で収納ケース38の内部に収納され、その駆動軸54が水平方向(矢印B2方向)に延在し、その先端に装着されたウォームギア56と共にボディ12のシャフト孔32へと挿入される。
【0023】
また、回転駆動源52の端部は、シャフト孔32の開口部位に装着されるホルダ58によって保持される。
【0024】
なお、上述した回転駆動源52は、DCモータに限らず、ステッピングモータやその他のモータであってもよい。
【0025】
ウォームギア56は、軸方向(矢印B1、B2方向)に沿って所定長さを有した軸状に形成され、その先端がボディ12の孔部に対して挿入されることで回転自在に支持されると共に、先端近傍の外周面には螺旋状のギア歯を有した駆動ギア60が設けられ、該駆動ギア60がシャフト孔32において第1ロータ収納孔30に臨む部位に設けられる。
【0026】
そして、駆動部14は、図示しないコントローラからの制御信号が制御基板62を通じて入力されることで回転駆動源52の駆動軸54が回転し、該駆動軸54と共にウォームギア56がシャフト孔32の内部で回転する。
【0027】
ロータ16は、例えば、断面略T字状に形成され、ボディ12の第1ロータ収納孔30に挿通される軸部64と、該軸部64の上部に形成され径方向外側へと拡径して第2ロータ収納孔44へ収納されるテーブル部(端部)66とを有し、前記軸部64が第1ロータ収納孔30に挿通された状態で回転自在に支持される。
【0028】
この軸部64の外周面には、その周面に沿って従動ギア68(
図4参照)が形成され、該従動ギア68にはシャフト孔32の貫通部位から露呈したウォームギア56の駆動ギア60(
図5参照)が噛合される。すなわち、従動ギア68は、第1ロータ収納孔30においてシャフト孔32に臨む位置に設けられる。これにより、駆動部14の回転駆動力がウォームギア56の駆動ギア60と従動ギア68との噛合作用下にロータ16へと伝達され、該ロータ16が第1及び第2ロータ収納孔30、44の内部で回転する。
【0029】
また、軸部64の外周面には、
図4及び
図5に示されるように、従動ギア68とテーブル部66との間となる位置に環状溝を介してパッキン(シール部材)70が装着されると共に、該パッキン70に隣接した一対の環状溝にはグリス等の潤滑剤72がそれぞれ充填されている。そして、軸部64が第1ロータ収納孔30内で回転する際、パッキン70によってロータ16とボディ12との間を通じた液体の流通が防止されると共に、潤滑剤72によって前記軸部64の摺動抵抗が低減され摩耗等が防止される。
【0030】
一方、軸部64の下端部中央には、
図4に示されるように、例えば、マグネット等の検出体74が設けられ、該検出体74に臨むように検出センサ76が制御基板62に設けられる。この検出センサ76は、例えば、検出体74の磁気を検出可能な磁気センサであり、ロータ16が回転した際に前記検出体74の磁気を検出することで回転角度が確認される。なお、このロータ16の回転角度は、マグネットを用いた磁気検出方式で検出される場合に限定されるものではなく、他の検出方式を用いて検出するようにしてもよい。
【0031】
テーブル部66は、所定厚さを有した円盤状に形成され、
図2〜
図4に示されるように、その上面には中心から径方向外側に向かって延在する連通溝(連通路)78が形成されると共に、前記中心から径方向外側となる位置に円周上に複数のガイドボール(ガイド体)80が設けられ、該ガイドボール80よりさらに径方向外側となる円周上に複数の弁体82が設けられる(
図6参照)。
【0032】
この連通溝78は、テーブル部66の上面に対して所定深さで窪み、径方向に沿って一直線状に形成される。また、テーブル部66の上面には、該テーブル部66の中心側となる連通溝78の一端部を囲うように断面円弧状のガイド部84が突出し、後述するカバー部材18のガイド溝86へと挿入される。
【0033】
ガイドボール80は、例えば、金属製材料で形成された鋼球からなり、
図4及び
図6に示されるように、テーブル部66の上面に所定深さで形成された第1ボール溝88にそれぞれ回転自在に挿入され、その一部が前記上面より所定高さだけ突出している。
【0034】
弁体82は、例えば、金属製材料で形成された鋼球からなり、
図4〜
図6に示されるように、第1ボール溝88よりも外周側に形成された第2ボール溝90にそれぞれ挿入され、該第2ボール溝90の底部と前記弁体82との間にはスプリング(弾発部材)92がそれぞれ介装されている。また、弁体82は、後述するカバー部材18における導出ポート98の管路98aよりも大きな直径で形成される(
図4及び
図5参照)。
【0035】
スプリング92は、例えば、コイルスプリングからなり弁体82を第2ボール溝90から離間させる方向(矢印A1方向)、すなわち、カバー部材18側へと付勢している。換言すれば、スプリング92の弾発力はロータ16の軸方向(矢印A1方向)に沿って付勢される。
【0036】
カバー部材18は、例えば、ボディ12における収納部24のカバー収納孔46に収納され、円盤状のプレート部94と、該プレート部94の中心に設けられる導入ポート96と、該導入ポート96に対して径方向外側となる位置に設けられる複数(例えば、8本)の導出ポート98とからなる。
【0037】
プレート部94は、所定厚さを有した略円形状に形成され、
図4及び
図5に示されるように、カバー収納孔46へと挿入されることで収納部24の端面と同一平面となると共に、その底面(内壁面)がロータ16におけるテーブル部66の上面に臨み、且つ、複数のガイドボール80に接触して隙間S(
図4及び
図5参照)を有した状態で配置される。
【0038】
このように、ガイドボール80がカバー部材18の底面に当接することで、ロータ16のテーブル部66とカバー部材18の底面とが直接接触することが回避され、前記ロータ16が回転自在に設けられたガイドボール80との接触作用下にカバー部材18に対して円滑且つ安定して回転する。
【0039】
また、プレート部94は、
図3に示されるように、その外周面から径方向外側へと突出した位置決め部100を有し、プレート部94をカバー収納孔46へと挿入した際に、位置決め部100が位置決め溝48へと係合されることで、カバー部材18のボディ12に対する回転が規制される。
【0040】
さらに、プレート部94の底面には、
図4に示されるように、導入ポート96に対して径方向外側となる位置に環状のガイド溝86が形成され、ロータ16のガイド部84が挿入される。これにより、ロータ16がボディ12の内部で回転する際、ガイド部84がガイド溝86に沿って回転することで常に前記カバー部材18の中心と同軸上に維持された状態となる。換言すれば、ロータ16がカバー部材18に対して常に径方向に位置決めされた状態で回転することとなる。
【0041】
導入ポート96は、
図1〜
図4に示されるように、プレート部94に対して直立した管体からなり、その内部の管路96aが前記プレート部94の底面まで貫通すると共に、その先端側から導入用配管(図示しない)が接続される。なお、この導入用配管は、例えば、図示しない液体供給源に接続されている。そして、導入ポート96は、カバー部材18がボディ12へと装着された際、ロータ16における連通溝78の一端部に臨むように配置される(
図3参照)。
【0042】
導出ポート98は、導入ポート96と同様に、プレート部94に対して直立した管体からなり、
図3に示されるように前記導入ポート96を中心とした所定直径となる円周上に配置され、各導出ポート98が円周上に沿って互いに等間隔離間するように設けられる。この導出ポート98は、内部に形成された管路98aがプレート部94の底面まで貫通し、
図4及び
図5に示されるように、その底面の開口部位には弁体82の当接するシート部101が設けられると共に、導出ポート98の外側には先端側から図示しない導出用配管が接続される。
【0043】
なお、この導出用配管は、導入ポート96からの液体を選択的に供給すべき各装置や各部位等とそれぞれ接続されている。
【0044】
また、導出ポート98は、
図1〜
図3に示されるように、導入ポート96と略同一の管径で形成された2本の第1ポート102と、該第1ポート102よりも小径に形成された6本の第2ポート104とからなる。この2本の第1ポート102は、導入ポート96を挟んで一直線状となるように配置され、第2ポート104は一方の第1ポート102と他方の第1ポート102との間となるように3本ずつ設けられる。
【0045】
なお、上述したような第1及び第2ポート102、104からなる導出ポート98の管径は、図示しない導出用配管を介して接続された各装置等へ導出される液体の流量に応じて適宜設定されるものであり、例えば、複数の導出ポート98の管径が全て同一であってもよいし、全ての導出ポート98の管径がそれぞれ異なっていてもよい。さらに、導出ポート98の本数も同様に必要に応じた数量で適宜設定すればよい。
【0046】
さらに、導出ポート98は、ロータ16における弁体82と同一直径の円周上、且つ、周方向に沿った同一ピッチとなるように設けられ、複数の導出ポート98のうち、1つの導出ポート98がロータ16の連通溝78に臨む位置となった状態で、残りの全ての導出ポート98が弁体82に臨むように配置される。すなわち、
図3に示されるように8本の導出ポート98のうち、1本が連通溝78を介して導入ポート96と連通し、残りの7本の導出ポート98が弁体82に臨んでいる。
【0047】
そして、弁体82がそれぞれスプリング92によってカバー部材18側(矢印A1方向)へと付勢されているため、導出ポート98のシート部101に弁体82が当接して押圧されることで閉塞された弁閉状態となる。
【0048】
上述したカバー部材18は、プレート部94の底面がロータ16のテーブル部66に臨み、導入ポート96及び導出ポート98がボディ12から離間する方向(矢印A1方向)へと突出した状態で、ボディ12のカバー収納孔46へと収納され、例えば、溶着等によって一体的に固定されると共に、前記底面にカバー収納孔46のシールリング50が当接することで前記カバー部材18と前記ボディ12との間を通じた液体の外部への漏れが防止されると共に、外部から前記ボディ12の内部への塵埃等の進入も防止される。
【0049】
なお、ボディ12に対するカバー部材18の固定方法は、上述した溶着に限定されるものではなく、例えば、接着剤を用いて接着するようにしてもよいし、特に固定方法は限定されるものではない。
【0050】
本発明の実施の形態に関連する切換バルブ10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、
図3に示されるように、ロータ16の連通溝78が矢印B1、B2方向に延在し、該連通溝78を介して導出ポート98の第1ポート102と導入ポート96とが連通した状態を初期状態とすると共に、例えば、供給される液体が車両用ウィンドウ等の洗浄に用いられるウォッシャー液であり、その供給状態を切り換える場合について説明する。
【0051】
また、この場合、導入ポート96は導入用配管(図示せず)を介してウォッシャー液の蓄えられたタンクと接続され、複数の導出ポート98はそれぞれ導出用配管(図示せず)を介してフロントウィンドウ等の各部位へウォッシャー液を噴射するための各ウォッシャーノズルと接続されている。
【0052】
先ず、複数の導出ポート98のうち、ウォッシャー液(液体)を供給すべき導出ポート98が選択され、それに基づいた制御信号が図示しないコントローラから制御基板62を通じて駆動部14の回転駆動源52へと入力される。そして、この制御信号に基づいて回転駆動源52が駆動することで駆動軸54及びウォームギア56が所定方向に所定量だけ回転し、駆動ギア60と従動ギア68との噛合作用下にロータ16がボディ12の内部で時計回り(
図3中、矢印C方向)に所定角度だけ回動する。
【0053】
これにより、ロータ16の回転に伴って、複数の弁体82が着座していた各導出ポート98のシート部101からそれぞれ離脱し、プレート部94の底面によってスプリング92の弾発力に抗して下方(矢印A2方向)へと押圧され移動する。なお、この場合、導入ポート96へ供給されているウォッシャー液は加圧されていないため、該ウォッシャー液がロータ16とカバー部材18との間の隙間Sを満たしている状態であっても弁体82が離脱して開口状態にある各導出ポート98から導出されることはない。
【0054】
そして、ロータ16のさらなる回転によって連通溝78の他端部が所望の導出ポート98に臨む位置となり、導入ポート96と連通された位置(
図3中、二点鎖線形状参照)となったことが、ロータ16の検出体74を検出センサ76によって検出することで確認され、図示しないコントローラから駆動部14への制御信号の出力を停止する。これにより、導入ポート96と新たな導出ポート98とが連通溝78によって連通した状態でロータ16の回転が停止する。
【0055】
また同時に、弁体82がそれぞれ初期状態とは異なる別の導出ポート98にそれぞれ臨む位置となり、スプリング92の弾発力によってシート部101へと押圧されることで前記導出ポート98の管路98aがそれぞれ閉塞される。
【0056】
これにより、ウォッシャー液の導出される導出ポート98以外となる他の導出ポート98が閉塞された弁閉状態(非連通状態)となる。
【0057】
このように導出ポート98が切り換えられた状態において、図示しないタンクから導入用配管を介してウォッシャー液が加圧された状態で導入ポート96へと供給され、連通溝78を通じて切り換えられた新たな導出ポート98を経て導出用配管を通じて所望のウォッシャーノズルへと供給される。これにより、切換バルブ10の初期状態とは異なる別の導出ポート98を通じてウォッシャー液がウォッシャーノズルへと供給された後、車両における所望の部位へと噴射され洗浄される。
【0058】
また、この上述した導出ポート98以外の残りの導出ポート98には、それぞれシート部101に弁体82がスプリング92の弾発作用下に当接して押圧されているため、ロータ16とカバー部材18との間の隙間Sに介在しているウォッシャー液が漏出することがない。
【0059】
なお、ロータ16は上述したような時計回り(
図3中、矢印C方向)で回転する場合に限定されず、例えば、切り換えられる導出ポート98の位置に応じて駆動部14への制御信号を制御することで、該駆動部14の回転方向を変化させ時計周り、反時計回りのいずれの方向にも回転させることが可能である。
【0060】
また、ロータ16のテーブル部66とカバー部材18との間に流入した液体が、万が一、前記ロータ16の軸部64に設けられたパッキン70を通過して第1ロータ収納孔30の底部へと浸入した場合でも、前記底部と連通したドレンポート42を通じて外部へと排出できるため、前記第1ロータ収納孔30より下部に設けられた駆動部14や制御基板62側へと前記液体が浸入してしまうことが確実に防止される。
【0061】
さらに、弁体82を導出ポート98のシート部101へと付勢するスプリング92を設ける代わりに、ロータ16とカバー部材18との間の隙間Sに流入する液体の圧力によって前記シート部101側へと押圧して着座させるようにしてもよい。このような構成とすることでスプリング92を不要とすることができるため、部品点数の削減を図ることが可能となる。
【0062】
さらにまた、弁体82は上述したような金属製材料から形成される場合に限定されるものではなく、例えば、ゴム等の弾性材料、樹脂製材料、又は、ゴムによってライニングされた鋼球を用いるようにしてもよい。このように、弾性材料等からなる弁体を用いることで、例えば、粘度の低く漏れやすい液体を取り扱う場合に、導出ポート98に着座させた際のシール性をより一層高めることが可能となる。
【0063】
さらに、弁体82は球体から形成される場合に限定されるものではなく、例えば、導出ポート98のシート部101を閉塞する部位のみが球状に形成されていれば特に形状は限定されるものではない。
【0064】
またさらに、導出ポート98のシート部101にゴム等の弾性体をライニングすることで、弁体82が当接した際のシール性をより一層高めることが可能となり効果的である。
【0065】
また、導出ポート98の数量を減らす場合には、該導出ポート98の数量が異なる新たなカバー部材18を交換するだけで対応することが可能となるため、切換バルブ全体を交換する必要がなく設備投資を抑制することが可能となる。
【0066】
以上のように、本発明の実施の形態に関連する切換バルブ10では、該切換バルブ10を構成するボディ12の内部に回転自在に設けられたロータ16と、該ボディ12の収納部24を閉塞するカバー部材18の底面との間に所定間隔の隙間Sを設け、前記ロータ16のテーブル部66に前記カバー部材18に当接するガイドボール80を設けることで、前記ロータ16が回転する際に前記カバー部材18に対して直接摺動することがないため、従来の切換バルブのように前記ロータ16及び前記カバー部材18にグリス等の潤滑剤を塗布する必要がない。
【0067】
その結果、導入ポート96から導入された液体がカバー部材18とロータ16との間に流入した場合でも潤滑剤に触れることがないため、潤滑剤による前記液体の汚染が防止され、前記導入ポート96から導入された状態のままで液体を導出ポート98から各部位へと供給することが可能となる。
【0068】
また、カバー部材18に対するロータ16の摺動を回避することで、異音や摩耗の発生を防止することができ、しかも、液体中に異物等が混入していた場合に、該異物が前記カバー部材18と前記ロータ16に対して挟まれて引きずられ傷が生じてしまうことが回避される。その結果、ロータ16及びカバー部材18の耐久性を向上させることができ、それに伴って、切換バルブ10の耐久性向上を図ることが可能となる。なお、隙間Sは、液体内に混入の想定される異物よりも大きな値となるように設定される。
【0069】
さらに、ロータ16におけるテーブル部66の端面において、連通溝78に臨み液体の導出される導出ポート98を除く他の導出ポート98に臨み閉塞する複数の弁体82を設けると共に、前記弁体82を前記導出ポート98側へと付勢するスプリング92を設け、前記スプリング92の弾発作用下に前記弁体82によって前記他の導出ポート98を閉塞することで、液体の導出される導出ポート98以外から液体が漏出してしまうことが確実に防止される。また、弁体を弁座面に当接させてシールを行っていた従来の切換バルブと比較し、摩耗等に起因したシール性の低下がないため長期間にわたって安定したシール性を得ることが可能となり、結果として前記シール性の向上を図ることができる。
【0070】
さらにまた、ロータ16のテーブル部66とカバー部材18との間に隙間Sを設ける構造とすることで、弁体と弁座面とを互いに接触させていた従来の切換バルブと比較し、それぞれ高い面精度を確保する必要がないため、例えば、面精度を出すための加工等が不要となり、製造コストの削減並びに製造時間の短縮を図ることが可能となる。
【0071】
またさらに、カバー部材18に対してロータ16を摺動させることなく複数のガイドボール80によって円滑に回転させることができるため、前記ロータ16を回転させる際に大きな駆動力を必要とせず、従来の切換バルブと比較して駆動部14の小型化を図ることができると共に省電力化を図ることが可能となる。
【0072】
また、ロータ16に設けられるガイドボール80は、上述したようにテーブル部66の上面に設けられる場合に限定されるものではなく、例えば、ガイドボール80を前記テーブル部66の下面に設け第2ロータ収納孔44の底部へと接触させるようにしてもよいし、軸部64の下端部に設けて第1ロータ収納孔30の底部へと接触させるようにしてもよい。すなわち、ロータ16においてボディ12と接触するようにガイドボール80が設けられていれば特にその部位は限定されるものではない。
【0073】
次に、前記切換バルブ10に関連して、本発明の実施の形態としての切換バルブ150を
図7〜
図12に示す。なお、上述した切換バルブ10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0074】
本発明の実施の形態に係る切換バルブ150では、球体からなる弁体82の代わりに複数のポペット弁152からなる弁体154を備え、ロータ(回転体)156のテーブル部158に設けられた突起部160によって前記ポペット弁152を選択的に押圧することで開動作させている点で、前記切換バルブ10と相違している。
【0075】
この切換バルブ150は、
図7〜
図12に示されるように、そのボディ162の収納部164にロータ156、第1及び第2ホルダプレート166、168、カバー部材(ボディ)170が収納され、前記第1及び第2ホルダプレート166、168及びカバー部材170が、収納孔172に対する回転が規制された状態で固定される。
【0076】
このロータ156のテーブル部158には、その外縁部近傍において上方(矢印A1方向)に向かって突出するように複数のガイドボール(ガイド体)174が設けられると共に、前記外縁部より所定半径だけ内側となる位置に突起部160が設けられる。ガイドボール174は、例えば、ロータ156の周方向に沿って互いに等間隔離間するように3個設けられる。突起部160は、例えば、テーブル部158に約半分だけ埋め込まれた球体からなり、隣接する2つのガイドボール174の間となるように設けられる。
【0077】
そして、ロータ156のテーブル部158と第1ホルダプレート166の底面との間に所定間隔の隙間S(
図10参照)が設けられると共に、前記底面にはガイドボール174が当接している。
【0078】
第1ホルダプレート166は、例えば、円盤状に形成されロータ156のテーブル部158を覆うように上方(矢印A1方向)に設けられ、その中央に形成された凹部176にはロータ156の凸部178が挿入される。
【0079】
一方、凹部176を中心とした第1ホルダプレート166の径方向外側には、ポペット弁152の一部が収納される第1弁孔180が形成される。この第1弁孔180は、凹部176を中心とした所定直径上に設けられ、周方向に沿って互いに等間隔離間するように複数設けられる。そして、第1弁孔180は、ロータ156の回転時において突起部160に臨むように形成されている。なお、第1弁孔180は周方向に沿って等間隔でなくてもよい。
【0080】
第2ホルダプレート168は、第1ホルダプレート166の上方(矢印A1方向)となるように設けられ、第1ホルダプレート166の第1弁孔180に臨む複数の第2弁孔182を有し、前記第2弁孔182は前記第2ホルダプレート168の厚さ方向(矢印A1、A2方向)に沿って貫通している。第2弁孔182は、第1ホルダプレート166側(矢印A2方向)が最も大径に形成され、該第1ホルダプレート166から離間する方向(矢印A1方向)に向かって徐々に縮径するように形成されると共に、カバー部材170側(矢印A1方向)に向かって一定径で延在して開口している。
【0081】
また、第2ホルダプレート168の上面には、略中央部が窪んだ連通室(連通路)184が形成され、前記連通室184は、カバー部材170に設けられた導入ポート96と連通すると共に第2弁孔182の端部とそれぞれ連通している。
【0082】
さらに、第2ホルダプレート168には、連通室184よりも径方向外側に形成され、カバー部材170の導出ポート98に臨むように形成された複数の連通孔(連通路)186が形成され、前記連通孔186は、カバー部材170に向かって直線状に形成されると共に、径方向内側に向かって折曲するように延在し、第2弁孔182と連通している。すなわち、連通孔186は、第2弁孔182及び導出ポート98と同数となるように設けられている。
【0083】
ポペット弁152は、
図10及び
図12に示されるように、第1弁孔180に収納される本体部188と、該本体部188に対して径方向外側へと拡径し第2弁孔182の端部を閉塞するダイヤフラム部190と、前記ダイヤフラム部190の中心から軸方向(矢印A1方向)に延在し第2弁孔182に挿通されるピン部192とからなり、前記ピン部192の端部には弾性材料からなる弁部194が設けられる。
【0084】
また、ポペット弁152は、本体部188とピン部192とが一直線状に形成されると共に、ダイヤフラム部190の外縁部が第1ホルダプレート166と第2ホルダプレート168との間に挟持される(
図12参照)。
【0085】
そして、ポペット弁152は、本体部188の端部と第1弁孔180の端部との間に介装されたスプリング196によって第1ホルダプレート166側(矢印A2方向)に向かって付勢され、その弁部194が第2弁孔182の端部に形成された弁座198へと着座することで第2弁孔182と連通室184との連通が遮断された弁閉状態となる。
【0086】
また、ポペット弁152は、本体部188の端部が第1弁孔180から下方(矢印A2方向)へと所定長さだけ突出し、
図12に示されるように、ロータ156の回転作用下に突起部160が前記ポペット弁152に臨む位置となることで上方(矢印A1方向)に向かって押圧され、弁部194が弁座198から離間することで連通室184と第2弁孔182とが連通した弁開状態となる。
【0087】
次に、上述した本発明の実施の形態に係る切換バルブ150の動作について説明する。
【0088】
先ず、図示しないコントローラからの制御信号に基づいて回転駆動源52が回転し、ロータ156がボディ162の内部にて所定角度だけ回転した状態で停止することにより、
図10及び
図12に示されるように、突起部160が複数のポペット弁152のうちの1つと対向し、前記ポペット弁152をスプリング196の弾発力に抗して上方(矢印A1方向)へと押圧する。
【0089】
これにより、ポペット弁152は、本体部188及びピン部192が上方へと移動し弁部194が弁座198から離間することで、連通室184と第2弁孔182とが連通した弁開状態となる。この際、残りのポペット弁152は、スプリング196の弾発作用下に弁部194が第2弁孔182の弁座198に当接して前記第2弁孔182を閉塞しているため、連通室184との連通状態が遮断された弁閉状態にある。
【0090】
そして、このようにポペット弁152が移動することで連通室184、第2弁孔182及び連通孔186を介して1つの導出ポート98と導入ポート96とが連通し、図示しないタンクから導入用配管を介してウォッシャー液が加圧された状態で導入ポート96へと供給されることで、連通室184、開放された第2弁孔182及び連通孔186を通じて導出ポート98から前記ウォッシャー液が所望のウォッシャーノズルへと供給される。
【0091】
また、ボディ162における収納部164の内部へ浸入したウォッシャー液は、前記収納部164の底部と連通したドレンポート199を通じて外部へと排出される。
【0092】
以上のように、本発明の実施の形態では、切換バルブ150を構成するロータ156のテーブル部158に、第1ホルダプレート166の底面に当接するガイドボール174を設けることで、前記ロータ156が回転する際に前記第1ホルダプレート166に対し全面的に接触して摺動することがないため、従来の切換バルブのように前記ロータ156及び前記第1ホルダプレート166の接触面に対してグリス等の潤滑剤を塗布する必要がない。
【0093】
また、ロータ156を回転させる際、第1ホルダプレート166に対する摺動抵抗が小さいため、大きな駆動力を必要とせずに駆動させることが可能となり、回転駆動源52を小型化することができ、それに伴って、切換バルブ150の小型化を図ることが可能となる。
【0094】
さらに、第1ホルダプレート166に対するロータ156の摺動抵抗を低減することで、前記ロータ156の回転時における異音や摩耗の発生を防止することができる。その結果、ロータ156及び第1ホルダプレート166の耐久性を向上でき、それに伴って、切換バルブ150の耐久性向上を図ることが可能となる。
【0095】
さらにまた、複数のポペット弁152は、スプリング196の弾発作用下に弁部194が弁座198に対して着座するように付勢されているため、液体の導出される導出ポート98と連通した第2弁孔182以外から液体が漏出してしまうことが確実に防止される。
【0096】
さらに、本発明の実施の形態に関連する他の切換バルブ200を
図13〜
図18Bに示す。なお、上述した切換バルブ10、150と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0097】
この切換バルブ200では、カバー部材(ボディ)202において複数の導出ポート204が導入ポート96から離間する方向に向かってそれぞれ傾斜するように設けられると共に、前記導出ポート204へのウォッシャー液の流通状態を切り換える環状の弁体206が設けられている点で、前記切換バルブ10、150と相違している。
【0098】
この切換バルブ200は、
図13〜
図18Bに示されるように、ロータ(回転体)208におけるテーブル部210の上面には、中央部に形成され上方(矢印A1方向)に向かって突出した筒部212と、前記筒部212の中心に開口し軸方向に沿って延在した後、径方向外側に向かって延在した連通路214と、前記連通路214における径方向外側端部に臨むように形成された弁体収納部216とを有する。
【0099】
この筒部212は、その外周面に環状溝を介してОリングが装着され、カバー部材202における導入ポート96の下部に形成された挿入部218へと挿入される。これにより、ロータ208とカバー部材202とが同軸上となるように位置決めされると共に、前記筒部212内に形成された連通路214と導入ポート96とが連通する。
【0100】
連通路214は、例えば、断面L字状に形成され、その一端部が筒部212の内部に形成され開口し、他端部に向かって直角に折曲した後に径方向外側に向かって一直線状に延在している。
【0101】
弁体収納部216は、例えば、テーブル部210の上面に対して断面円形状に窪んで形成され(
図14参照)、その内部には、連通路214と連通した一対の連通ポート220が形成されると共に、前記連通ポート220の上部となるように弁体206が収納される。そして、弁体収納部216は、ロータ208が回転した際に複数の導出ポート204のいずれか1つと対向する位置に形成されている。すなわち、弁体収納部216は、導出ポート204の配置される円周上に臨む位置に形成される。なお、弁体収納部216は、内部に収納される弁体206の断面形状に対応した断面形状で形成される。
【0102】
連通ポート220は、例えば、断面円弧状で導入ポート96と略平行となるように鉛直方向に貫通すると共に、同一円周上となるように形成された連通路214の端部と連通している。
【0103】
弁体206は、例えば、ゴム等の弾性材料から形成され、環状に形成された弁部222と、該弁部222から径方向外側に延在したスカート部224とからなり、前記スカート部224の外縁部が弁体収納部216内に形成された環状溝に挿入されると共に、弁体収納部216に挿入されたリング体226によって押えられることで保持される。そして、弁体206は、スカート部224の外縁部を支点として撓曲自在に設けられ、弁部222が連通ポート220の開口部を覆うように設けられる。なお、弁体206は、上述したように断面円形状であってもよいし、断面楕円形状であってもよい。
【0104】
また、ロータ208のテーブル部210とカバー部材202の底面との間に所定間隔の隙間Sが設けられている。
【0105】
次に、上述した切換バルブ200の動作について説明する。
【0106】
先ず、図示しないコントローラからの制御信号に基づいて回転駆動源52が回転し、ロータ208がボディ12の内部にて所定角度だけ回転し、連通路214の径方向外側端部が所望の導出ポート204及び弁体収納部216に臨む位置となった状態で前記ロータ208の回転を停止させる(
図18A参照)。
【0107】
次に、この
図18Aに示される状態から図示しないタンクから導入用配管を介して加圧されたウォッシャー液が導入ポート96へと供給され、
図18Bに示されるように、断面L字状の連通路214を通じて径方向外側へと流れ、一対の連通ポート220へと流入することで弁体206の弁部222が液圧によって上方(矢印A1方向)へと押圧される。
【0108】
これにより、弁体206の弁部222がスカート部224を介して上方(矢印A1方向)へと移動し、連通ポート220が開放された弁開状態となることで、ウォッシャー液が前記連通ポート220から弁体収納部216へと流れた後、弁体206の中央部を通じて導出ポート204から所望のウォッシャーノズルへと供給される。
【0109】
この際、弁体206の弁部222は、その上部がカバー部材202の底面に対して当接し、しかも、ウォッシャー液の液圧によって前記カバー部材202側(矢印A1方向)へと押し付けられているため、前記弁部222と前記カバー部材202との間がシールされており、連通路214を流れるウォッシャー液が外部へと漏出してしまうことがない。すなわち、弁体206の弁部222は、ウォッシャー液の流通状態を切り換える弁機能に加え、前記ウォッシャー液の外部への漏出を防止するシール機能も兼ね備えている。
【0110】
また、ボディ12における第1ロータ収納孔30の内部へ浸入したウォッシャー液は、前記第1ロータ収納孔30の底部と連通したドレンポート234を通じて外部へと排出される。
【0111】
以上のように、切換バルブ200では、ロータ208を構成するテーブル部210の上面に一対の連通ポート220を開閉する弁体206を設け、前記弁体206を連通路214を通じて供給されるウォッシャー液の液圧によって押圧して開かせると共に、前記ロータ208の上面とカバー部材202の底面との間に隙間Sを設ける構成とすることで、前記ロータ208が回転する際にカバー部材202に対して摺動することがないため、前記ロータ208の回転抵抗を低減させることができ、しかも、従来の切換バルブのように前記ロータ208及び前記カバー部材202に対してグリス等の潤滑剤を塗布する必要がない。
【0112】
その結果、カバー部材202に対するロータ208の摺動抵抗を低減させることで、ロータ208の回転時における異音や摩耗の発生を防止して耐久性の向上を図ると共に、導入ポート96から導入された液体がカバー部材202とロータ208の上面との間に流入した場合でも潤滑剤に触れることがないため、潤滑剤による前記液体の汚染が防止される。
【0113】
また、ロータ208を回転させる際、カバー部材202に対する摺動抵抗が小さいため、大きな駆動力を必要とせずに駆動させることが可能となり、回転駆動源52を小型化することができ、それに伴って、切換バルブ200の小型化を図ることが可能となる。
【0114】
さらに、液体中に異物等が混入していた場合に、カバー部材202とロータ208との間に設けられた隙間Sによって前記異物等が前記カバー部材202と前記ロータ208との間に挟まれて傷が生じてしまうことが回避される。その結果、ロータ208及びカバー部材202の耐久性を向上させることができ、それに伴って、切換バルブ200の耐久性向上を図ることが可能となる。
【0115】
またさらに、ロータ208に設けられた弁体206がウォッシャー液の供給作用下に液圧によってカバー部材202の底面に当接した状態で押圧されることで、ロータ208の上面とカバー部材202の底面との間が弁体206によって確実にシールされるため、液体の導出される導出ポート204以外から液体が漏出してしまうことが確実に防止される。
【0116】
また、弁体206は、上述したようにウォッシャー液の供給されていない状態において一対の連通ポート220を閉塞するようにロータ208側(矢印A2方向)に配置される構成に限定されるものではなく、例えば、
図19に示される切換バルブ230の弁体232のように、前記ウォッシャー液の供給されていない状態においても、カバー部材202側(矢印A1方向)に配置する構成としてもよい。
【0117】
この構成では、上述した切換バルブ200と比較し、弁体232が予めカバー部材202に近接するように配置されているため、例えば、連通路214から弁体収納部216内に供給されるウォッシャー液の液圧が低い場合でも前記弁体232をカバー部材202側(矢印A1方向)へと容易且つ確実に移動させ、前記カバー部材202側(矢印A1方向)へと押圧してシールすることが可能となる。
【0118】
すなわち、ウォッシャー液からの押圧力が低圧の場合でも弁体232によって確実にシールすることができる。
【0119】
また、弁体232における弁部222の下方が移動自在な空間となっているため、ウォッシャー液中に異物等が混入していた場合でも下方へと移動することができ、前記弁部222とカバー部材202との間に前記異物等が挟まれて前記弁部222等に傷が生じてしまうことが回避される。
【0120】
なお、本発明に係る切換バルブは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。