特許第6965786号(P6965786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965786
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/32 20060101AFI20211028BHJP
   G06F 21/33 20130101ALI20211028BHJP
【FI】
   H04L9/00 673A
   G06F21/33
【請求項の数】10
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-27327(P2018-27327)
(22)【出願日】2018年2月19日
(65)【公開番号】特開2019-145961(P2019-145961A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2021年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 卓弥
【審査官】 行田 悦資
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−154300(JP,A)
【文献】 特開2016−162043(JP,A)
【文献】 特開2010−108396(JP,A)
【文献】 特開2014−197819(JP,A)
【文献】 特開2016−072730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 9/32
G06F 21/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
メモリと、
特定のサーバから、前記特定のサーバによって生成される第1の認証情報を受信する第1の受信部と、
前記特定のサーバから前記第1の認証情報が受信される場合に、前記第1の認証情報を前記メモリに記憶させる第1の記憶制御部と、
ユーザによって1個以上のサービス提供サーバが選択される場合に、前記1個以上のサービス提供サーバが選択済みであることを示す選択情報を前記メモリに記憶させる第2の記憶制御部と、
前記選択情報が前記メモリに記憶されている場合に、前記メモリ内の前記第1の認証情報と、前記通信装置に関係する第1の関係情報と、を前記特定のサーバに送信する第1の送信部であって、前記第1の認証情報と前記第1の関係情報とが前記特定のサーバに送信されると、前記1個以上のサービス提供サーバのうちの第1のサービス提供サーバによって前記第1の関係情報が受信され、前記第1のサービス提供サーバは、前記第1の関係情報を利用して、第1のサービスを前記ユーザに提供する、前記第1の送信部と、
前記メモリ内の情報の消去を指示する消去指示が取得される場合に、前記選択情報が前記メモリに記憶されているのか否かを判断する第1の判断部と、
前記選択情報が前記メモリに記憶されていないと判断される場合に、前記メモリ内の前記第1の認証情報を消去する第1の消去部であって、前記選択情報が前記メモリに記憶されていると判断される場合に、前記第1の認証情報は消去されない、前記第1の消去部と、
を備える、通信装置。
【請求項2】
前記メモリは、前記通信装置が前記特定のサーバを利用する機能であるサーバ利用機能が有効化されているのか否かを示す機能情報を記憶し、
前記通信装置は、さらに、
前記消去指示が取得される場合に、前記機能情報が、前記サーバ利用機能が有効化されていることを示すのか否かを判断する第2の判断部を備え、
前記第1の消去部は、前記選択情報が前記メモリに記憶されておらず、かつ、前記機能情報が、前記サーバ利用機能が有効化されていることを示さない場合に、前記メモリ内の前記第1の認証情報を消去し、
前記機能情報が、前記サーバ利用機能が有効化されていることを示す場合に、前記第1の認証情報は消去されない、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信装置は、さらに、
前記ユーザによって前記第1のサービス提供サーバが選択される場合に、前記特定のサーバから、前記第1の関係情報を識別する情報識別子を受信する第2の受信部と、
前記情報識別子が受信される場合に、前記情報識別子を前記メモリに記憶させる第3の記憶制御部と、を備え、
前記第1の送信部は、前記メモリ内の前記第1の認証情報と、前記メモリ内の前記情報識別子によって識別される前記第1の関係情報と、を前記特定のサーバに送信する、請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、さらに、
前記通信装置とは異なる端末装置において、前記第1のサービスの提供の終了が前記ユーザによって選択される場合に、前記特定のサーバから所定通知を受信する第3の受信部と、
前記特定のサーバから前記所定通知が受信される場合に、前記メモリから前記第1の関係情報を消去する第2の消去部であって、前記特定のサーバから前記所定通知が受信されても、前記第1の認証情報は消去されない、前記第2の消去部と、を備える、請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置は、さらに、
前記選択情報が前記メモリに記憶されている場合に、前記メモリ内の前記第1の認証情報と、前記通信装置に関係する第2の関係情報であって、前記第1の関係情報とは異なる前記第2の関係情報と、を前記特定のサーバに送信する第2の送信部であって、前記特定のサーバは、前記通信装置から前記第1の認証情報と前記第2の関係情報とが受信される場合に、前記第2の関係情報を前記1個以上のサービス提供サーバのうちの第2のサービス提供サーバであって、前記第1のサービス提供サーバとは異なる前記第2のサービス提供サーバに送信し、前記第2のサービス提供サーバは、前記第2の関係情報を利用して、前記第1のサービスとは異なる第2のサービスを前記ユーザに提供する、前記第2の送信部を備える、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信装置は、さらに、
前記特定のサーバから、前記1個以上のサービス提供サーバを識別する1個以上のサーバ識別子を受信する第3の受信部を備え、
前記選択情報は、前記1個以上のサーバ識別子を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記選択情報は、前記ユーザによって選択される前記1個以上のサービス提供サーバの数を示す情報を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記特定のサーバは、前記第1のサービス提供サーバとは別体に構成されており、
前記特定のサーバは、前記通信装置から前記第1の認証情報と前記第1の関係情報とが受信される場合に、前記第1の関係情報を前記第1のサービス提供サーバに送信する、請求項1から7のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記第1の認証情報は、前記特定のサーバに記憶されている第2の認証情報であって、前記第1のサービス提供サーバによって生成される前記第2の認証情報とは異なり、
前記特定のサーバは、前記通信装置から前記第1の認証情報と前記第1の関係情報とが受信される場合に、前記第2の認証情報と前記第1の関係情報とを前記第1のサービス提供サーバに送信する、請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
通信装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記通信装置に搭載されるコンピュータを、以下の各部、即ち、
特定のサーバから、前記特定のサーバによって生成される第1の認証情報を受信する第1の受信部と、
前記特定のサーバから前記第1の認証情報が受信される場合に、前記第1の認証情報を前記通信装置のメモリに記憶させる第1の記憶制御部と、
ユーザによって1個以上のサービス提供サーバが選択される場合に、前記1個以上のサービス提供サーバが選択済みであることを示す選択情報を前記メモリに記憶させる第2の記憶制御部と、
前記選択情報が前記メモリに記憶されている場合に、前記メモリ内の前記第1の認証情報と、前記通信装置に関係する第1の関係情報と、を前記特定のサーバに送信する第1の送信部であって、前記第1の認証情報と前記第1の関係情報とが前記特定のサーバに送信されると、前記1個以上のサービス提供サーバのうちの第1のサービス提供サーバによって前記第1の関係情報が受信され、前記第1のサービス提供サーバは、前記第1の関係情報を利用して、第1のサービスを前記ユーザに提供する、前記第1の送信部と、
前記メモリ内の情報の消去を指示する消去指示が取得される場合に、前記選択情報が前記メモリに記憶されているのか否かを判断する第1の判断部と、
前記選択情報が前記メモリに記憶されていないと判断される場合に、前記メモリ内の前記第1の認証情報を消去する第1の消去部であって、前記選択情報が前記メモリに記憶されていると判断される場合に、前記第1の認証情報は消去されない、前記第1の消去部と、
として機能させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、サービス提供サーバからサービスの提供を受けるために、特定のサーバとの通信を実行する通信装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタと端末装置とサーバとを備えるシステムが開示されている。サーバは、プリンタに関係する対象サービスをプリンタのユーザに提供するためのサーバである。サーバは、端末装置から、対象サービスを利用するための本登録要求を受信すると、アクセストークンを作成し、当該アクセストークンを端末装置に送信する。端末装置は、アクセストークンをプリンタに送信する。プリンタは、アクセストークンを利用して、サーバとのXMPP(Extensible Messaging and Presence Protocolの略)接続を確立する。その後、プリンタは、サーバとの通信を実行し、サーバから対象サービスの提供を受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−157104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが意図していないにも関わらず、プリンタからアクセストークンが消去されると、ユーザが対象サービスの提供を受けることができなくなってしまう。
【0005】
本明細書では、ユーザがサービス提供サーバからサービスの提供を適切に受けることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される通信装置は、メモリと、特定のサーバから、特定のサーバによって生成される第1の認証情報を受信する第1の受信部と、特定のサーバから第1の認証情報が受信される場合に、第1の認証情報をメモリに記憶させる第1の記憶制御部と、ユーザによって1個以上のサービス提供サーバが選択される場合に、1個以上のサービス提供サーバが選択済みであることを示す選択情報をメモリに記憶させる第2の記憶制御部と、選択情報がメモリに記憶されている場合に、メモリ内の第1の認証情報と、通信装置に関係する第1の関係情報と、を特定のサーバに送信する第1の送信部であって、第1の認証情報と第1の関係情報とが特定のサーバに送信されると、前記1個以上のサービス提供サーバのうちの第1のサービス提供サーバによって第1の関係情報が受信され、第1のサービス提供サーバは、第1の関係情報を利用して、第1のサービスをユーザに提供する、第1の送信部と、メモリ内の情報の消去を指示する消去指示が取得される場合に、選択情報がメモリに記憶されているのか否かを判断する第1の判断部と、選択情報がメモリに記憶されていないと判断される場合に、メモリ内の第1の認証情報を消去する第1の消去部であって、選択情報がメモリに記憶されていると判断される場合に、第1の認証情報は消去されない、第1の消去部と、を備えてもよい。
【0007】
上記の構成によると、通信装置は、消去指示が取得されても、選択情報がメモリに記憶されていると判断される場合に、メモリ内の認証情報を消去しない。このため、通信装置は、消去指示が取得された後においても、第1の認証情報と第1の関係情報とを特定のサーバに送信することができる。このために、第1のサービス提供サーバは、第1の関係情報を受信することができ、第1の関係情報を利用して、第1のサービスをユーザに提供することができる。従って、ユーザは、第1のサービス提供サーバから第1のサービスの提供を適切に受けることができる。
【0008】
上記の通信装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記の通信装置と特定のサーバと第1のサービス提供サーバとを備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】各テーブルの一例を示す。
図3】仲介サービスのための情報を登録する処理のシーケンス図を示す。
図4】第1のサービスのための情報を登録する処理のシーケンス図を示す。
図5図4の続きのシーケンス図を示す。
図6】第2のサービスのための情報を登録する処理のシーケンス図を示す。
図7図6の続きのシーケンス図を示す。
図8】プリンタによって実行されるリセット処理のフローチャートを示す。
図9】第2のサービスを解約する処理のシーケンス図を示す。
図10】第1のサービスを解約する処理のシーケンス図を示す。
図11】仲介サービスを無効化する処理のシーケンス図を示す。
図12】第2実施例における各テーブルの一例を示す。
図13】第2実施例において、各サービスのための情報を登録する処理のシーケンス図を示す。
図14】第2実施例において、各サービスを解約して仲介サービスを無効化する処理のシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;図1図2
図1に示すように、通信システム2は、プリンタ10と、携帯端末50と、仲介サーバ100と、サービス提供サーバ200、300と、を備える。各デバイス10〜300は、インターネット4を介して相互に通信可能である。以下では、サービス提供サーバのことを「SP(Service Providingの略)サーバ」と呼ぶ。
【0011】
(プリンタ10の構成)
プリンタ10は、印刷機能を実行可能な周辺装置(即ちPC等の周辺装置)である。プリンタ10には、デバイスID「XXX1」及びモデル名「MMM1」が割り当てられている。プリンタ10は、操作部12と、表示部14と、印刷実行部16と、ネットワークインタフェース(以下ではインタフェースを「I/F」と記載する)20と、制御部30と、を備える。
【0012】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をプリンタ10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部14は、いわゆるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。印刷実行部16は、トナーを利用して印刷を実行するレーザ方式の印刷機構である。ネットワークI/F20は、インターネット4に接続するためのI/Fであり、無線I/Fであってもよいし、有線I/Fであってもよい。
【0013】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ34は、仲介サーバ利用フラグ38と、第1のサービステーブル40(図2参照)と、を記憶する。仲介サーバ利用フラグ38は、仲介サーバ100を利用する機能である仲介サーバ利用機能が有効化されていることを示す「ON」と、仲介サーバ利用機能が無効化されていることを示す「OFF」と、のどちらかの値に設定される。プリンタ10の出荷時には、仲介サーバ利用フラグ38はOFFに設定されている。
【0014】
(携帯端末50の構成)
携帯端末50は、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン等の可搬型のユーザ端末である。ただし、変形例では、携帯端末50に代えて、据置型のユーザ端末が利用されてもよい。
【0015】
(仲介サーバ100の構成)
仲介サーバ100は、プリンタ10のベンダによってインターネット4上に設置されて仲介サービスを提供するサーバである。仲介サービスは、各SPサーバ200、300によって実行されるサービスの提供を仲介するサービスである。また、仲介サーバ100は、プリンタ10を含む複数個のプリンタのそれぞれの印刷ページ数を収集して管理するサーバでもある。仲介サーバ100には、仲介サービスを識別するID(換言すると仲介サーバ100を識別するID)であるサービスID「default」が割り当てられている。
【0016】
仲介サーバ100は、ネットワークI/F102と、制御部110と、を備える。ネットワークI/F102は、インターネット4に接続するためのI/Fである。制御部110は、CPU112と、メモリ114と、を備える。CPU112は、メモリ114に格納されているプログラム116に従って、様々な処理を実行する。メモリ114は、管理テーブル118(図2参照)と、第2のサービステーブル120(図2参照)と、を記憶する。
【0017】
(SPサーバ200、300の構成)
各SPサーバ200、300は、プリンタ10を含む複数個のプリンタのためのサービスを提供可能なサーバである。SPサーバ200は、トナーカートリッジの発送サービス(以下では「第1のサービス」と呼ぶ)を提供するサーバである。SPサーバ200には、第1のサービスを識別するID(換言するとSPサーバ200を識別するID)であるサービスID「service1」が割り当てられている。SPサーバ300は、印刷用紙の発送サービス(以下では「第2のサービス」と呼ぶ)を提供するサーバである。SPサーバ300には、第2のサービスを識別するID(換言するとSPサーバ300を識別するID)であるサービスID「service2」が割り当てられている。
【0018】
(各テーブル40、118、120の内容;図2
続いて、図2を参照して、プリンタ10内のテーブル40、及び、仲介サーバ100内の各テーブル118、120の内容を説明する。プリンタ10の第1のサービステーブル40は、プリンタ10の出荷時には空の状態であり、サービスの提供を受けるための情報を登録する処理(図3等)が実行されることに応じて、当該サービスに関する情報を記憶する。具体的には、プリンタ10の第1のサービステーブル40では、サービスIDと、対象OID(Object IDの略)と、送信タイミングと、が対応付けて記憶される。対象OIDは、対応するサービスIDによって識別されるサーバに送信されるべき情報を識別するOIDである。「OID1」、「OID2」、「OID3」は、それぞれ、「印刷ページ数」、「トナー残量」、「ページサイズ毎の印刷ページ数」を示す情報を識別する識別子である。なお、「OID3」は、複数個のOIDの組み合わせであり、例えばA4サイズの印刷ページ数に対応するOIDと、A3サイズの印刷ページ数に対応するOIDと、を含む。送信タイミングは、各対象OIDによって識別される情報の具体的な値であるMIB(Management Information Baseの略)値を送信すべきタイミングを示す情報である。
【0019】
仲介サーバ100の管理テーブル118は、複数個のプリンタのそれぞれについて、当該プリンタのユーザからの指示に応じて、当該プリンタに関する情報を記憶する。具体的には、管理テーブル118には、ユーザ名と、パスワードと、デバイスIDと、モデル名と、アクセストークンと、サービス登録情報と、が対応付けて記憶される。ユーザ名及びパスワードは、プリンタのユーザを識別(換言すると認証)する情報である。デバイスID及びモデル名は、プリンタのデバイス名及びモデル名である。アクセストークンは、プリンタと仲介サーバ100との間で通信を実行するための情報である。サービス登録情報は、複数個のSPサーバ200、300を識別する複数個のサービスIDのそれぞれについて、当該サービスIDと、「登録」及び「未登録」のどちらかの値と、が対応付けられた情報である。「登録」は、対応するサービスIDによって識別されるSPサーバによるプリンタのためのサービスの提供を仲介することを示し、この場合、仲介サーバ100と当該SPサーバとの間で通信を実行するためのアクセストークンがサービス登録情報としてさらに記憶される。「未登録」は、対応するサービスIDによって識別されるSPサーバによるプリンタのためのサービスの提供を仲介しないことを示す。
【0020】
仲介サーバ100の第2のサービステーブル120は、プリンタ10のベンダによって予め生成されたテーブルであり、仲介サーバ100及び複数個のSPサーバ200、300のそれぞれについて、当該サーバに関する情報を記憶する。具体的には、第2のサービステーブル120には、サーバを識別するサービスIDと、当該サーバに送信されるべき情報を識別するOIDである対象OIDと、当該対象OIDによって識別される情報を当該サーバに送信すべき送信タイミングと、が対応付けて記憶される。
【0021】
(ケースA;図3
続いて、図3を参照して、プリンタ10のユーザが、仲介サーバ100によって提供される仲介サービスの提供を受けるための情報を登録するケースAを説明する。ケースAの初期状態では、プリンタ10の第1のサービステーブル40(図2参照)には1個のサービスIDも登録されておらず、仲介サーバ100の管理テーブル118(図2参照)にはプリンタ10に関する情報は登録されていない。また、プリンタ10の仲介サーバ利用フラグ38(図1参照)はOFFに設定されている。なお、以下では、理解の容易さの観点から、各デバイス10、100等のCPU32、112等がプログラム36、116に従って実行する処理を説明する際に、CPUを主体として説明せずに、デバイス(例えばプリンタ10)を主体として説明する。
【0022】
携帯端末50は、T10において、ユーザから仲介サービス登録操作を受け付ける。仲介サービス登録操作は、ブラウザを起動する操作と、仲介サーバ100のURL(Uniform Resource Locatorの略)を入力する操作と、仲介サーバ100から提供されるトップページにおいて仲介サービスの登録を示すボタンを選択する操作と、を含む。この場合、携帯端末50は、T20において、登録ページ要求を仲介サーバ100に送信し、T22において、仲介サーバ100から登録ページデータを受信する。
【0023】
携帯端末50は、T24において、登録ページデータによって表わされる登録ページを表示する。携帯端末50は、T26において、ユーザから登録ページでのユーザ情報(即ちユーザ名「UN1」及びパスワード「PW1」)の入力を受け付けると、T28において、ユーザ情報を仲介サーバ100に送信する。
【0024】
仲介サーバ100は、T28において、携帯端末50からユーザ情報を受信すると、T30において、PINコードを生成し、T32において、ユーザ情報とPINコードとを対応付けてメモリ114に一時的に記憶させる。そして、仲介サーバ100は、T34において、PINコードを携帯端末50に送信する。
【0025】
携帯端末50は、T34において、仲介サーバ100からPINコードを受信すると、T36において、当該PINコードを表示する。これにより、ユーザは、プリンタ10に入力すべきPINコードを知ることができる。
【0026】
プリンタ10は、T40において、ユーザからPINコードの入力を受け付けると、T42において、PINコードと、プリンタ10の装置情報(即ちデバイスID「XXX1」及びモデル名「MMM1」)と、を仲介サーバ100に送信する。
【0027】
仲介サーバ100は、T42において、プリンタ10から、PINコードと装置情報とを受信すると、T32で記憶されたPINコードと、T42で受信されたPINコードと、が一致すると判断する。この場合、仲介サーバ100は、T44において、アクセストークンAT1を生成し、T46において、T32で記憶されたユーザ情報と、T42で受信された装置情報と、生成済みのアクセストークンAT1と、を対応付けて管理テーブル118(図2参照)に登録する。アクセストークンAT1は、仲介サーバ100がプリンタ10を認証するための情報である。この時点では、いずれのサービスIDについても「未登録」がサービス登録情報として記憶される。そして、仲介サーバ100は、T48において、情報の登録が完了したことを示す登録完了通知と、アクセストークンAT1と、をプリンタ10に送信する。
【0028】
プリンタ10は、T48において、仲介サーバ100から登録完了通知とアクセストークンAT1とを受信すると、T50において、情報の登録が完了したことを示すメッセージを含む登録完了画面を表示部14に表示させる。これにより、ユーザは、情報の登録が完了したことを知ることができる。そして、プリンタ10は、T52において、アクセストークンAT1をメモリ34に記憶させ、仲介サーバ利用フラグ38をOFFからONに変更する。
【0029】
仲介サーバ100は、T60において、メモリ114内の第2のサービステーブル120(図2参照)を利用して、仲介サーバ100のサービスID「default」に対応付けられている対象OID「OID1」及び送信タイミング「24時間毎」を特定する。そして、仲介サーバ100は、サービスID「default」と、特定済みの対象OID「OID1」と、特定済みの送信タイミング「24時間毎」と、を含むサービス情報要求をプリンタ10に送信する。
【0030】
プリンタ10は、T60において、仲介サーバ100からサービス情報要求を受信すると、T62において、サービス情報要求内の各情報(即ち、「default」、「OID1」、及び、「24時間毎」)を第1のサービステーブル40(図2参照)に登録する。これにより、プリンタ10は、T52で記憶されたアクセストークンAT1を利用して、T60で登録された各情報に従ってサービス情報を送信することができる。具体的には、プリンタ10は、サービスID「default」によって識別される仲介サーバ100のために、対象OID「OID1」に対応するMIB値を含むサービス情報を送信タイミング「24時間毎」で送信する。なお、プリンタ10は、T60でサービス情報要求を受信した際には、当該送信タイミングによって示される24時間が経過する前に、T64において、サービス情報を仲介サーバ100に送信する。当該サービス情報は、アクセストークンAT1と、サービスID「default」と、「OID1」に対応するMIB値「30枚」と、を含む。
【0031】
仲介サーバ100は、T64において、プリンタ10からサービス情報を受信すると、T66において、サービス情報内のアクセストークンAT1が管理テーブル118内のアクセストークンAT1に一致すると判断し、即ち、認証が成功したと判断し、サービス情報内のOID1に対応するMIB値「30枚」をメモリ114に記憶させる。このように、仲介サーバ100は、プリンタ10を含む複数個のプリンタのそれぞれから、当該プリンタの印刷枚数を受信して記憶する。このため、プリンタ10のベンダは、仲介サーバ100内に記憶される各プリンタの印刷枚数を見ることによって、各プリンタの利用状況を把握することができる。
【0032】
また、プリンタ10は、T64が実行された後に、T62で登録された送信タイミングによって示される24時間が経過することを監視し、24時間が経過すると、T70において、「OID1」に対応する最新のMIB値「50枚」を含むサービス情報を仲介サーバ100に送信する。T72は、MIB値「50」が記憶される点を除いて、T66と同様である。これ以降も、プリンタ10は、24時間毎に、「OID1」に対応する最新のMIB値を含むサービス情報を仲介サーバ100に送信する。
【0033】
(ケースB;図4図7
続いて、図4図7を参照して、プリンタ10のユーザが、各SPサーバ200、300からサービスの提供を受けるための情報を登録するケースBについて説明する。ケースBの初期状態は、図3のケースAが実行された後の状態、即ち、プリンタ10の第1のサービステーブル40(図2参照)にサービスID「default」のみが登録されているとともに、仲介サーバ100の管理テーブル118(図2参照)にプリンタ10に関する情報が登録されている状態である。
【0034】
(第1のサービスのための登録;図4及び図5
図4及び図5は、SPサーバ200から第1のサービス(即ちトナーカートリッジの発送サービス)の提供を受けるための情報を登録する処理を示す。図4の初期状態では、SPサーバ200には、プリンタ10のユーザのアカウント情報AC1が登録済みである。
【0035】
携帯端末50は、T110において、ユーザからログイン操作を受け付ける。ログイン操作は、ブラウザを起動する操作と、仲介サーバ100のURLを入力する操作と、仲介サーバ100から提供されるトップページにおいてログインを示すボタンを選択する操作と、を含む。この場合、携帯端末50は、T112において、ログインページ要求を仲介サーバ100に送信し、T114において、仲介サーバ100からログインページデータを受信し、T116において、ログインページデータによって表わされるログインページを表示する。携帯端末50は、T118において、ユーザからログインページでのユーザ情報(即ちユーザ名「UN1」及びパスワード「PW1」)の入力を受け付けると、T120において、ユーザ情報を仲介サーバ100に送信する。
【0036】
仲介サーバ100は、T120において、携帯端末50からユーザ情報を受信すると、T122において、当該ユーザ情報が管理テーブル118に登録されていると判断する(即ち、認証が成功したと判断する)。そして、仲介サーバ100は、T124において、管理テーブル118(図2参照)を利用して、受信済みのユーザ情報に対応付けられているデバイスID「XXX1」及びサービス登録情報(例えば「service1」の「未登録」等)を特定し、特定済みの各情報を含むサービス選択画面データを生成する。そして、仲介サーバ100は、サービス選択画面データを携帯端末50に送信する。
【0037】
携帯端末50は、T124において、仲介サーバ100からサービス選択画面データを受信すると、T126において、サービス選択画面データによって表わされるサービス選択画面を表示する。サービス選択画面は、デバイスID「XXX1」と、各サービスID「service1」等と、各サービスIDに対応する文字列「未登録」と、を含む。携帯端末50は、T128において、ユーザからサービス選択画面でのサービスID「service1」の選択を受け付けると、T130において、サービスID「service1」を含むサービス登録要求を仲介サーバ100に送信する。
【0038】
仲介サーバ100は、T130において、携帯端末50からサービス登録要求を受信すると、T132において、管理テーブル118を利用して、T122で認証が成功したユーザ情報に対応付けられている装置情報(即ちデバイスID「XXX1」及びモデル名「MMM1」)を特定する。そして、仲介サーバ100は、サービス登録要求内のサービスID「service1」によって識別されるSPサーバ200に特定済みの装置情報を送信する。
【0039】
SPサーバ200は、T132において、仲介サーバ100から装置情報を受信すると、T134において、アクセストークンAT2を生成し、T136において、アクセストークンAT2を仲介サーバ100に送信する。アクセストークンAT2は、SPサーバ200が仲介サーバ100を認証するための情報である。
【0040】
仲介サーバ100は、T136において、SPサーバ200からアクセストークンAT2を受信すると、T140において、SPサーバ200のURLを携帯端末50に送信する。
【0041】
携帯端末50は、T140において、仲介サーバ100からSPサーバ200のURLを受信すると、T142において、当該URLを宛先としてログインページ要求をSPサーバ200に送信し、T144において、SPサーバ200からログインページデータを受信する。そして、携帯端末50は、T146において、ログインページデータによって表わされるログインページを表示する。携帯端末50は、T148において、ユーザからログインページでのアカウント情報AC1の入力を受け付けると、T150において、アカウント情報AC1をSPサーバ200に送信する。
【0042】
SPサーバ200は、T150において、携帯端末50からアカウント情報AC1を受信すると、T152において、アカウント情報AC1が登録済みであると判断する(即ち、認証が成功したと判断する)。この場合、SPサーバ200は、T154において、アカウント情報AC1と、T132で受信された装置情報と、T134で生成されたアクセストークンAT2と、を対応付けて記憶する。そして、SPサーバ200は、T156において、SPサーバ200を識別するサービスID「service1」を含む完了通知を仲介サーバ100に送信する。
【0043】
仲介サーバ100は、T156において、SPサーバ200から完了通知を受信すると、T158において、管理テーブル118(図2参照)内の対象のサービス登録情報を変更する。ここで、対象のサービス登録情報は、T122で認証が成功したユーザ情報に対応付けられているサービス登録情報である。仲介サーバ100は、具体的には、対象のサービス登録情報において、完了通知内のサービスID「service1」に対応する情報を「未登録」から「登録」に変更するとともに、アクセストークンAT2を記憶させる。
【0044】
次いで、仲介サーバ100は、図5のT160において、第2のサービステーブル120(図2参照)を利用して、図4のT156の完了通知内のサービスID「service1」に対応付けられている対象OID「OID2」及び送信タイミング「12時間毎」を特定する。そして、仲介サーバ100は、サービスID「service1」と、特定済みの対象OID「OID2」と、特定済みの送信タイミング「12時間毎」と、を含むサービス情報要求をプリンタ10に送信する。
【0045】
プリンタ10は、T160において、仲介サーバ100からサービス情報要求を受信すると、T162において、サービス情報要求内の各情報(即ち、「service1」、「OID2」、及び、「12時間毎」)を第1のサービステーブル40(図2参照)に登録する。これにより、プリンタ10は、サービスID「service1」によって識別されるSPサーバ200のために、対象OID「OID2」に対応するMIB値を含むサービス情報を送信タイミング「12時間毎」で送信することができる。なお、プリンタ10は、T160でサービス情報要求を受信した際には、当該送信タイミングによって示される12時間が経過する前に、T164において、サービス情報を仲介サーバ100に送信する。当該サービス情報は、アクセストークンAT1と、サービスID「service1」と、「OID2」に対応するMIB値「30%」と、を含む。
【0046】
仲介サーバ100は、T164において、プリンタ10からサービス情報を受信すると、T166において、サービス情報内のアクセストークンAT1が管理テーブル118(図2参照)内のアクセストークンAT1に一致すると判断し(即ち、認証が成功したと判断し)、サービス情報に含まれる「OID2」に対応するMIB値をメモリ114に一時的に記憶させる。次いで、仲介サーバ100は、管理テーブル118内のアクセストークンAT1及びサービスID「service1」に対応付けられているアクセストークンAT2を特定する。そして、仲介サーバ100は、T168において、特定済みのアクセストークンAT2を含む受信通知をSPサーバ200に送信する。
【0047】
SPサーバ200は、T168において、仲介サーバ100から受信通知を受信すると、T170において、受信通知内のアクセストークンAT2がSPサーバ200に登録されている(図4のT154参照)と判断する(即ち、認証が成功したと判断する)。そして、SPサーバ200は、T172において、サービス情報の送信を要求するための送信要求を仲介サーバ100に送信する。
【0048】
仲介サーバ100は、T172において、SPサーバ200から送信要求を受信すると、T174において、アクセストークンAT2と、「OID2」に対応するMIB値「30%」と、を含むサービス情報をSPサーバ200に送信する。
【0049】
SPサーバ200は、T174において、仲介サーバ100からサービス情報を受信すると、T176において、サービス情報内のアクセストークンAT2がSPサーバ200に登録されている(図4のT154参照)と判断し(即ち、認証が成功したと判断し)、「OID2」に対応するMIB値「30%」を記憶する。ここで、SPサーバ200は、OID2に対応するMIB値が所定値(例えば20%)以下である場合には、トナーカートリッジをプリンタ10のユーザに発送するための処理を実行する。SPサーバ200は、T180において、SPサーバ200を識別するサービスID「service1」を含む登録完了通知を携帯端末50に送信する。
【0050】
携帯端末50は、T180において、SPサーバ200から登録完了通知を受信すると、T182において、SPサーバ200から第1のサービスの提供を受けるための情報の登録が完了したことを示すメッセージを含む登録完了画面を表示する。
【0051】
(第2のサービスのための登録;図6及び図7
図6及び図7は、SPサーバ300から第2のサービス(即ち印刷用紙の発送サービス)の提供を受けるための情報を登録する処理を示す。図4及び図5の処理が実行された後に、図6及び図7の処理が実行される。図6の初期状態では、SPサーバ300にはユーザのアカウント情報AC2が登録済みである。
【0052】
T210〜T226は、図4のT110〜T126と同様である。ただし、図4のT158において、「service1」に対応する情報として「登録」が記憶されるので、T226のサービス選択画面では、サービスID「service1」と「登録」とが対応付けられている。携帯端末50は、T228において、ユーザからサービス選択画面でのサービスID「service2」の選択を受け付けると、T230において、サービスID「service2」を含むサービス登録要求を仲介サーバ100に送信する。
【0053】
T232〜T236は、通信対象がSPサーバ300である点を除き、図4のT132〜T136と同様である。ただし、SPサーバ300は、T234において、SPサーバ300が仲介サーバ100を認証するためのアクセストークンAT3を生成し、T236において、アクセストークンAT3を仲介サーバ100に送信する。
【0054】
仲介サーバ100は、T236において、SPサーバ300からアクセストークンAT3を受信すると、T240において、SPサーバ300のURLを携帯端末50に送信する。T242〜T252は、通信対象がSPサーバ300である点と、アカウント情報AC2が利用される点と、を除き、図4のT142〜T152と同様である。
【0055】
SPサーバ300は、T254において、アカウント情報AC2と、T232で受信された装置情報と、T234で生成されたアクセストークンAT3と、を対応付けて記憶する。そして、SPサーバ300は、T256において、SPサーバ300を識別するサービスID「service2」を含む完了通知を仲介サーバ100に送信する。
【0056】
仲介サーバ100は、T256において、SPサーバ300から完了通知を受信すると、T258において、管理テーブル118内の対象のサービス登録情報を変更する。ここで、対象のサービス登録情報は、T222で認証が成功したユーザ情報に対応付けられているサービス登録情報である。仲介サーバ100は、具体的には、対象のサービス登録情報において、完了通知内のサービスID「service2」に対応する情報を「未登録」から「登録」に変更するとともに、アクセストークンAT3を記憶させる。
【0057】
次いで、仲介サーバ100は、図7のT260において、第2のサービステーブル120を利用して、図6のT256の完了通知内のサービスID「service2」に対応付けられている対象OID「OID3」及び送信タイミング「12時間毎」を特定する。そして、仲介サーバ100は、サービスID「service2」と、特定済みの対象OID「OID3」と、特定済みの送信タイミング「12時間毎」と、を含むサービス情報要求をプリンタ10に送信する。
【0058】
プリンタ10は、T260において、仲介サーバ100からサービス情報要求を受信すると、T262において、サービス情報要求内の情報(即ち、「service2」、「OID3」、及び、「12時間毎」)を第1のサービステーブル40(図2参照)に登録する。これにより、プリンタ10は、サービスID「service2」によって識別されるSPサーバ300のために、対象OID「OID3」に対応するMIB値を含むサービス情報を送信タイミング「12時間毎」で送信することができる。なお、プリンタ10は、T260でサービス情報要求を受信した際には、当該送信タイミングによって示される12時間が経過する前に、T264において、サービス情報を仲介サーバ100に送信する。当該サービス情報は、アクセストークンAT1と、サービスID「service2」と、対象OID「OID3」に対応するMIB値「20枚(A4)、10枚(A3)」と、を含む。
【0059】
T266〜T276は、通信対象がSPサーバ300である点を除き、図5のT166〜T176と同様である。なお、SPサーバ300は、T274で受信されるいずれかのページサイズの印刷ページ数が所定枚数(例えば1000枚)以上である場合に、当該ページサイズの印刷用紙をプリンタ10のユーザに発送するための処理を実行する。SPサーバ300は、T280において、SPサーバ300を識別するサービスID「service2」を含む登録完了通知を携帯端末50に送信する。
【0060】
携帯端末50は、T280において、SPサーバ300から登録完了通知を受信すると、T282において、SPサーバ300から第2のサービスの提供を受けるための情報の登録が完了したことを示すメッセージを含む登録完了画面を表示する。
【0061】
(プリンタ10によって実行されるリセット処理;図8
続いて、図8を参照して、プリンタ10のCPU32によって実行されるリセット処理について説明する。リセット処理は、ユーザによってプリンタ10の電源がONされることで開始される。
【0062】
S10において、CPU32は、メモリ34内の情報(通信設定等を含む)のリセットを指示する操作(以下では「リセット操作」と呼ぶ)を受け付けることを監視する。CPU32は、操作部12へのリセット操作を受け付けると、リセット指示を取得し、S10でYESと判断し、S12に進む。
【0063】
S12において、CPU32は、登録サービスが存在するのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、第1のサービステーブル40(図2参照)がサービスID「default」以外のサービスID(例えば「service1」)を含む場合に、登録サービスが存在すると判断し(S12でYES)、S14及びS16を省略してS18に進む。一方、CPU32は、第1のサービステーブル40がサービスID「default」以外のサービスIDを含まない場合に、登録サービスが存在しないと判断し(S12でNO)、S14に進む。
【0064】
S14において、CPU32は、仲介サーバ利用フラグ38(図1参照)が「OFF」であるのか否かを判断する。CPU32は、仲介サーバ利用フラグ38が「OFF」であると判断する場合(S14でYES)に、S16に進み、仲介サーバ利用フラグ38が「ON」であると判断する場合(S14でNO)に、S16を省略してS18に進む。
【0065】
S16において、CPU32は、仲介サーバ100と通信するためのアクセストークンAT1を消去する。これにより、プリンタ10は、仲介サーバ100との通信を実行不可能な状態になる。
【0066】
S18において、CPU32は、プリンタ10の通信設定をリセットする。これにより、プリンタ10は、インターネット4にアクセス不可能な状態になる。S18が終了すると、S10に戻る。なお、CPU32は、S12でYESと判断する場合又はS14でNOと判断する場合には、S16を実行せずにS18に進む。即ち、CPU32は、アクセストークンAT1を消去することなく、通信設定をリセットする。
【0067】
(ケースC;図9図11
続いて、図9図11を参照して、プリンタ10のユーザが第1及び第2のサービスを解約して仲介サービスを無効化するケースCについて説明する。ケースCは、図7の後の状態、即ち、プリンタ10の第1のサービステーブル40(図2参照)が第1のサービス及び第2のサービスの提供を受けるための情報を記憶している状態である。また、仲介サーバ100の管理テーブル118(図2参照)では、デバイスID「XXX1」に対応するサービス登録情報において、サービスID「service1」及び「service2」に対応する情報として「登録」が記憶されている。
【0068】
(第2のサービスの解約;図9
図9は、SPサーバ300によって提供される第2のサービスを解約する処理を示す。SPサーバ300には、アカウント情報AC2とプリンタ10の装置情報とアクセストークンAT3とが登録済みである(図6のT254参照)。
【0069】
携帯端末50は、T310において、ユーザからログイン操作を受け付ける。ログイン操作は、ブラウザを起動する操作と、SPサーバ300のURLを入力する操作と、SPサーバ300から提供されるトップページにおいてログインを示すボタンを選択する操作と、を含む。この場合、携帯端末50は、T312において、ログインページ要求をSPサーバ300に送信する。T314〜T322は、図6のT244〜T252と同様である。
【0070】
SPサーバ300は、アカウント情報AC2の認証が成功したと判断すると、T324において、アカウント情報AC2に対応するユーザページデータを携帯端末50に送信する。
【0071】
携帯端末50は、T324において、SPサーバ300からユーザページデータを受信すると、T326において、ユーザページデータによって表わされるユーザページを表示する。ユーザページは、アカウント情報AC2を有するユーザに関連する様々な情報(住所等)等が表示される。図示省略しているが、これらの情報は、図6及び図7の処理が実行される過程で、アカウント情報AC2に関連付けて記憶される。携帯端末50は、T330において、ユーザからユーザページでの第2のサービスを解約する解約操作を受け付けると、T332において、解約要求をSPサーバ300に送信する。
【0072】
SPサーバ300は、T332において、携帯端末50から解約要求を受信すると、T334において、SPサーバ300を識別するサービスID「service2」と、アカウント情報AC2に対応するデバイスID「XXX1」と、を含む解約通知を仲介サーバ100に送信する。
【0073】
仲介サーバ100は、T334において、SPサーバ300から解約通知を受信すると、T336において、管理テーブル118(図2参照)内のデバイスID「XXX1」及びサービスID「service2」に対応するサービス登録情報を「登録」から「未登録」に変更するとともに、アクセストークンAT3を消去させる。そして、仲介サーバ100は、T340において、サービスID「service2」を含む解約通知をプリンタ10に送信する。
【0074】
プリンタ10は、T340において、仲介サーバ100から解約通知を受信すると、T342において、第1のサービステーブル40(図2参照)から、サービスID「service2」と、当該サービスIDに対応付けられている各情報(即ち、対象OID「OID3」及び送信タイミング「12時間毎」)と、を消去する。この結果、プリンタ10は、これ以降、プリンタ10は、SPサーバ300のためのサービス情報(例えば図7のT264参照)を仲介サーバ100に送信しない。なお、プリンタ10は、T340で仲介サーバ100から解約通知を受信しても、仲介サーバ100との通信を実行するためのアクセストークンAT1を消去しない。従って、プリンタ10では、アクセストークンAT1を利用して仲介サーバ100と通信可能な状態が維持される。
【0075】
携帯端末50は、T350において、SPサーバ300を識別するサービスID「service2」を含む解約完了通知を受信すると、T352において、第2のサービスの解約が完了したことを示すメッセージを含む解約完了画面を表示する。これにより、ユーザは、第2のサービスの解約が完了したことを知ることができる。
【0076】
その後、プリンタ10が何らかの不具合に起因してインターネット4にアクセスすることができなくなる状況を想定する。この場合、ユーザは、プリンタ10の通信設定を再設定するために、T360において、プリンタ10の操作部12を操作してリセット操作を実行する。プリンタ10は、T360において、ユーザからリセット操作を受け付ける(図8のS10でYES)と、第1のサービステーブル40がサービスID「service1」を含むと判断し(S12でYES)、T362において、アクセストークンAT1を消去することなく、通信設定をリセットする(S18)。そして、T370において、ユーザによってプリンタ10の通信設定を再設定する通信設定操作が実行されると、プリンタ10がインターネット4にアクセス可能な状態になる。このために、プリンタ10は、T380において、仲介サーバ100のためのサービス情報(例えば図3のT64参照)を仲介サーバ100に送信することができ、T382において、SPサーバ200のためのサービス情報(例えば図5のT174参照)を仲介サーバ100に送信することができる。
【0077】
(第1のサービスの解約;図10
図10は、図9の続きであり、SPサーバ200によって提供される第1のサービスを解約する処理を示す。SPサーバ200には、アカウント情報AC1とプリンタ10の装置情報とアクセストークンAT2とが登録済みである(図4のT154参照)。
【0078】
T410〜T432は、通信対象がSPサーバ200である点を除き、図9のT310〜T332と同様である。
【0079】
SPサーバ200は、T432において、携帯端末50から解約要求を受信すると、T434において、SPサーバ200を識別するサービスID「service1」と、アカウント情報AC1に対応するデバイスID「XXX1」と、を含む解約通知を仲介サーバ100に送信する。
【0080】
仲介サーバ100は、T434において、SPサーバ200から解約通知を受信すると、T436において、管理テーブル118(図2参照)内のデバイスID「XXX1」及びサービスID「service1」に対応するサービス登録情報を「登録」から「未登録」に変更するとともに、アクセストークンAT2を消去させる。そして、仲介サーバ100は、T440において、サービスID「service1」を含む解約通知をプリンタ10に送信する。
【0081】
プリンタ10は、T440において、仲介サーバ100から解約通知を受信すると、T442において、第1のサービステーブル40(図2参照)から、サービスID「service1」と、当該サービスIDに対応付けられている各情報(即ち、対象OID「OID2」及び送信タイミング「12時間毎」)と、を消去する。この結果、プリンタ10は、これ以降、SPサーバ200のためのサービス情報(例えば図5のT174参照)を仲介サーバ100に送信しない。なお、プリンタ10は、T440で仲介サーバ100から解約通知を受信しても、アクセストークンAT1を消去しない。従って、プリンタ10では、アクセストークンAT1を利用して仲介サーバ100と通信可能な状態が維持される。
【0082】
T450及びT452は、通信対象がSPサーバ200である点を除き、図9のT350及びT352と同様である。また、T460でリセット操作が実行される点は、図9のT360と同様である。この場合、プリンタ10は、第1のサービステーブル40がサービスID「default」以外のサービスIDを含まないと判断し(S12でNO)、仲介サーバ利用フラグ38が「ON」であると判断し(S14でNO)、T462において、アクセストークンAT1を消去することなく、通信設定をリセットする(S18)。T470、T480は、それぞれ、図9のT370、T380と同様である。
【0083】
(仲介サーバ利用機能の無効化;図11
図11は、図10の続きであり、プリンタ10の仲介サービスを無効化する処理を示す。プリンタ10は、T510において、ユーザから仲介サービス無効化操作を受け付けると、T512において、仲介サーバ利用フラグ38を「ON」から「OFF」に変更する。これにより、プリンタ10の仲介サーバ利用機能が無効化される。この結果、プリンタ10は、これ以降、仲介サーバ100のためのサービス情報(例えば図3のT64参照)を仲介サーバ100に送信しない。
【0084】
プリンタ10は、T514において、プリンタ10のメモリ34内の情報をリセットすることを要求するリセット要求画面を表示部14に表示する。そして、プリンタ10は、T516において、ユーザからリセット操作を受け付ける(図8のS10でYES)と、第1のサービステーブル40がサービスID「default」のみを含むと判断し(S12でNO)、仲介サーバ利用フラグ38が「OFF」であると判断し(S14でYES)、T518において、アクセストークンAT1を消去し(S16)、通信設定をリセットする(S18)。
【0085】
(本実施例の効果)
本実施例の効果を説明する前に、比較例のプリンタの動作を説明する。比較例のプリンタは、ユーザからリセット操作を受け付ける場合(図8のS10でYES)に、図8のS12及びS14の処理を実行せずにS16に進む点を除いて、プリンタ10と同様の処理を実行する。即ち、比較例のプリンタは、図9のT360において、ユーザからリセット操作を受け付けると、第1のサービステーブル40がサービスID「service1」を含むにも関わらず、アクセストークンAT1を消去するとともに、通信設定をリセットする。この場合、プリンタは、これ以降、アクセストークンAT1を利用して仲介サーバ100との通信を実行することができない。このため、プリンタは、SPサーバ200のためのサービス情報を仲介サーバ100に送信することができず、この結果、ユーザは、SPサーバ200から第1のサービスの提供を受けることができない。
【0086】
一方、本実施例のプリンタ10は、ユーザからリセット操作を受け付けても(図8のS10でYES、図9のT360)、第1のサービステーブル40がサービスID「service1」を含む場合(S12でYES、T362)に、アクセストークンAT1を消去することなく、通信設定をリセットする(S18、T362)。この場合、プリンタ10は、その後にユーザによってプリンタ10の通信設定が再設定されると、アクセストークンAT1を利用して仲介サーバ100との通信を実行することができる。即ち、プリンタ10は、SPサーバ200のためのサービス情報を仲介サーバ100に送信することができる。この結果、ユーザは、SPサーバ200から第1のサービスの提供を適切に受けることができる。
【0087】
(対応関係)
プリンタ10、プリンタ10のメモリ34が、それぞれ、「通信装置」、「メモリ」の一例である。SPサーバ200、SPサーバ300が、それぞれ、「第1のサービス提供サーバ」、「第2のサービス提供サーバ」の一例である。携帯端末50が、「端末装置」の一例である。SPサーバ200のためのサービス情報、SPサーバ300のためのサービス情報が、それぞれ、「第1の関係情報」、「第2の関係情報」の一例である。アクセストークンAT1、アクセストークンAT2が、それぞれ、「第1の認証情報」、「第2の認証情報」の一例である。第1のサービステーブル40に登録されるSPサーバ200のサービスID「service1」が、「選択情報」の一例である。仲介サーバ利用フラグ38が、「機能情報」の一例である。リセット指示が、「消去指示」の一例である。OIDが、「情報識別子」の一例である。サービスIDが、「サーバ識別子」の一例である。図10のT440の解約通知が、「所定通知」の一例である。
【0088】
図3のT48、図3のT52が、それぞれ、「第1の受信部」、「第1の記憶制御部」によって実行される処理の一例である。図5のT162、図5のT164が、それぞれ、「第2の記憶制御部」、「第1の送信部」によって実行される処理の一例である。図8のS12が、「第1の判断部」によって実行される処理の一例である。図8のS16、図11のT518が、「第1の消去部」によって実行される処理の一例である。
【0089】
(第2実施例)
本実施例では、プリンタ10のメモリ34に、第1実施例の第1のサービステーブル40に代えて、第3のサービステーブル42(図12参照)とサービスカウンタ44とが記憶される。サービスカウンタ44は、SPサーバ200、300を含む複数のSPサーバのそれぞれによって提供されるサービスのうちプリンタ10のユーザが利用しているサービスの数を示す情報である。また、本実施例では、プリンタ10のCPU32によって実行されるリセット処理(図8)が第1実施例のリセット処理と異なる。なお、実施例間で共通する処理については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0090】
(各テーブル42、118、120の内容;図12
図12を参照して、プリンタ10内のテーブル42、及び、仲介サーバ100内の各テーブル118、120の内容を説明する。プリンタ10の第3のサービステーブル42は、サービスIDを含まない点を除いて、第1実施例の第1のサービステーブル40と同様である。仲介サーバ100の各テーブル118、120は、第1実施例の各テーブル118、120と同様である。
【0091】
(ケースD;図13
続いて、図13を参照して、プリンタ10のユーザが、各SPサーバ200、300からサービスの提供を受けるための情報を登録するケースDについて説明する。ケースDは、図3のケースAの後の状態である。但し、本実施例では、図3のT60のサービス情報要求、及び、T64、T70のサービス情報は、サービスID「default」を含まない。このため、プリンタ10は、T62において、サービス情報要求内の対象OID「OID1」と送信タイミング「24時間毎」とを第3のサービステーブル42(図12参照)に登録する。また、プリンタ10は、対象OID「OID1」と送信タイミング「24時間毎」とを含むサービス情報要求を受信しても、サービスカウンタ44を変更しない。従って、図13の初期状態では、第3のサービステーブル42に、対象OID「OID1」及び送信タイミング「12時間毎」のみが登録されており、サービスカウンタ44が「0」であり、仲介サーバ100の管理テーブル118(図12参照)にプリンタ10に関する情報が登録されている。
【0092】
携帯端末50がユーザからSPサーバ200へのログイン操作を受け付けると、携帯端末50、仲介サーバ100、及び、SPサーバ200の間に図4のT110〜T158と同様の処理が実行される。そして、仲介サーバ100は、T760において、第2のサービステーブル120を利用して、図4のT156の完了通知内のサービスID「service1」に対応付けられている対象OID「OID2」及び送信タイミング「12時間毎」を特定する。そして、仲介サーバ100は、特定済みの対象OID「OID2」と、特定済みの送信タイミング「12時間毎」と、を含むサービス情報要求をプリンタ10に送信する。
【0093】
プリンタ10は、T760において、仲介サーバ100からサービス情報要求を受信すると、T762において、サービス情報内の各情報(即ち、「OID2」及び「12時間毎」)を第3のサービステーブル42に登録し、T763において、サービスカウンタ44を「0」から「1」に変更する。これにより、プリンタ10は、対象OID「OID2」に対応するMIB値を含むサービス情報を送信タイミング「12時間毎」で送信することができる。なお、プリンタ10は、T760でサービス情報要求を受信した際には、当該送信タイミングによって示される12時間が経過する前に、T764において、サービス情報を仲介サーバ100に送信する。当該サービス情報は、アクセストークンAT1と、対象OID「OID2」と、対象OID「OID2」に対応するMIB値「30%」と、を含む。
【0094】
仲介サーバ100は、T764において、プリンタ10からサービス情報を受信すると、メモリ114内の第2のサービステーブル120を利用して、サービス情報内の対象OID「OID2」に対応付けられているserviceID「service1」を特定する。その後、プリンタ10、携帯端末50、仲介サーバ100、及び、SPサーバ200の間に図5のT166〜T182と同様の処理が実行される。これにより、第1のサービスの提供を受けるための情報の登録が完了する。
【0095】
次いで、携帯端末50がユーザからSPサーバ300へのログイン操作を受け付けると、携帯端末50、仲介サーバ100、及び、SPサーバ300の間に図6のT210〜T258と同様の処理が実行される。そして、仲介サーバ100は、T860において、第2のサービステーブル120を利用して、図6のT256の完了通知内のサービスID「service2」に対応付けられている対象OID「OID3」及び送信タイミング「12時間毎」を特定する。そして、仲介サーバ100は、特定済みの対象OID「OID3」と、特定済みの送信タイミング「12時間毎」と、を含むサービス情報要求をプリンタ10に送信する。
【0096】
プリンタ10は、T860において、仲介サーバ100からサービス情報要求を受信すると、T862において、サービス情報内の各情報(即ち、「OID3」及び「12時間毎」)を第3のサービステーブル42に登録し、T863において、サービスカウンタ44を「1」から「2」に変更する。これにより、プリンタ10は、対象OID「OID3」に対応するMIB値を含むサービス情報を送信タイミング「12時間毎」で送信することができる。なお、プリンタ10は、T860でサービス情報要求を受信した際には、当該送信タイミングによって示される12時間が経過する前に、T864において、サービス情報を仲介サーバ100に送信する。当該サービス情報は、アクセストークンAT1と、対象OID「OID3」と、対象OID「OID3」に対応するMIB値「20枚(A4)」、「10枚(A3)」と、を含む。
【0097】
仲介サーバ100は、T864において、プリンタ10からサービス情報を受信すると、メモリ114内の第2のサービステーブル120を利用して、サービス情報内の対象OID「OID3」に対応付けられているserviceID「service2」を特定する。その後、プリンタ10、携帯端末50、仲介サーバ100、及び、SPサーバ300の間に図7のT266〜T282と同様の処理が実行される。これにより、第2のサービスの提供を受けるための情報の登録が完了する。
【0098】
(リセット処理;図8
続いて、図8を参照して、本実施例のリセット処理について説明する。プリンタ10のCPU32は、S10でYESと判断される場合に、S112に進む点を除いて、第1の実施例のCPU32と同様の処理を実行する。
【0099】
S112において、CPU32は、サービスカウンタ44が「0」であるのか否かを判断する。CPU32は、サービスカウンタ44が「0」であると判断される場合(S12でYES)に、S14に進む、サービスカウンタ44が「0」ではない(即ち「1」以上)であると判断される場合(S12でNO)に、S18に進む。
【0100】
(ケースE;図14
続いて、図14を参照して、プリンタ10のユーザが、第1及び第2のサービスを解約して仲介サービスを無効化するケースEについて説明する。ケースEは、図13の後の状態、即ち、プリンタ10の第3のサービステーブル42(図12参照)が第1のサービス及び第2のサービスの提供を受けるための情報を記憶している状態である。また、仲介サーバ100の管理テーブル118(図12参照)では、デバイスID「XXX1」に対応するサービス登録情報において、サービスID「service1」及び「service2」に対応する情報として「登録」が記憶されており、サービスカウンタ44が「2」の状態である。
【0101】
携帯端末50がユーザからSPサーバ300へのログイン操作を受け付けると、携帯端末50、仲介サーバ100、及び、SPサーバ300の間に図9のT310〜T336と同様の処理が実行される。仲介サーバ100は、T940において、対象OID「OID3」と、送信タイミング「12時間毎」と、を含む解約通知をプリンタ10に送信する。
【0102】
プリンタ10は、T940において、仲介サーバ100から解約通知を受信すると、T942において、第3のサービステーブル42(図12参照)内の対象OID「OID3」と送信タイミング「12時間毎」とを消去し、サービスカウンタ44を「2」から「1」に変更する。この結果、プリンタ10は、これ以降、アクセストークンAT1と、対象OID「OID3」と、対象OID「OID3」に対応するMIB値と、を含むSPサーバ300のためのサービス情報(例えば図13のT864参照)を仲介サーバ100に送信しない。その後、図示省略しているが、携帯端末50とSPサーバ300との間に、図9のT350、T352と同様の処理が実行される。
【0103】
T960でリセット操作が実行される点は、図9のT360と同様である。この場合、プリンタ10は、サービスカウンタ44が「1」であると判断し(S112でNO)、T962において、アクセストークンAT1を消去することなく、通信設定をリセットする(S18)。T970は、T370と同様である。その後、図示省略しているが、プリンタ10と仲介サーバ100との間に、図9のT380、T382と同様の処理が実行される。
【0104】
次いで、携帯端末50が、ユーザからSPサーバ200へのログイン操作を受け付けると、携帯端末50、仲介サーバ100、及び、SPサーバ200の間に図10のT410〜T436と同様の処理が実行される。仲介サーバ100は、T1040において、対象OID「OID2」と、送信タイミング「12時間毎」と、を含む解約通知をプリンタ10に送信する。
【0105】
プリンタ10は、T1040において、仲介サーバ100から解約通知を受信すると、T1042において、第3のサービステーブル42(図12参照)内の対象OID「OID2」と送信タイミング「12時間毎」とを消去し、サービスカウンタ44を「1」から「0」に変更する。この結果、プリンタ10は、これ以降、アクセストークンAT1と、対象OID「OID2」と、対象OID「OID2」に対応するMIB値と、を含むSPサーバ200のためのサービス情報(例えば図13のT764参照)を仲介サーバ100に送信しない。その後、図示省略しているが、携帯端末50とSPサーバ200との間に、図10のT450、T452と同様の処理が実行される。
【0106】
T1060でリセット操作が実行される点は、図9のT360と同様である。この場合、プリンタ10は、サービスカウンタ44が「0」であると判断し(S112でYES)、仲介サーバ利用フラグ38がONであると判断し(S114でNO)、T1062において、アクセストークンAT1を消去することなく、通信設定をリセットする(S18)。T1070は、図10のT470と同様である。その後、図示省略しているが、プリンタ10と仲介サーバ100との間に、T480と同様の処理が実行される。
【0107】
T1110〜T1116は、図10のT510〜T516と同様である。この場合、プリンタ10は、サービスカウンタ44が「0」であると判断し、(S112でYES)、仲介サーバ利用フラグ38が「OFF」であると判断し(S14でYES)、T1118において、アクセストークンAT1を消去し(S16)、通信設定をリセットする(S18)。
【0108】
(本実施例の効果)
本実施例の効果について説明する前に、比較例のプリンタの動作を説明する。比較例のプリンタは、ユーザからリセット操作を受け付ける場合(図8のS10でYES)に、図8のS112、S14の処理を実行せずにS16に進む点を除いて、プリンタ10と同様の処理を実行する。即ち、比較例のプリンタは、図14のT960において、ユーザからリセット操作を受け付けると、サービスカウンタ44が「1」であるにも関わらず、アクセストークンAT1を消去するとともに、通信設定をリセットする。この場合、プリンタ10は、これ以降、アクセストークンAT1を利用して仲介サーバ100との通信を実行することができない。このため、プリンタは、SPサーバ200のためのサービス情報を仲介サーバ100に送信することができず、この結果、ユーザは、SPサーバ200から第1のサービスの提供を受けることができない。
【0109】
一方、本実施例のプリンタ10は、ユーザからリセット操作を受け付けても(図8のS10でYES、図14のT960)、サービスカウンタ44が「1」である場合(S112でNO、T962)に、アクセストークンAT1を消去することなく、通信設定をリセットする(S18、T962)。この場合、プリンタ10は、その後にユーザによってプリンタ10の通信設定が再設定されると、アクセストークンAT1を利用して仲介サーバ100との通信を実行することができる。即ち、プリンタ10は、SPサーバ200のためのサービス情報を仲介サーバ100に送信することができる。この結果、ユーザは、SPサーバ200から第1のサービスの提供を適切に受けることができる。
【0110】
(対応関係)
「1」以上であるサービスカウンタ44が、「選択情報」の一例である。
【0111】
図13のT763、T764が、それぞれ、「第2の記憶制御部」、「第1の送信部」によって実行される処理の一例である。図8のS112が、「第1の判断部」によって実行される処理の一例である。図8のS16、図14のT1118が、「第1の消去部」によって実行される処理の一例である。
【0112】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0113】
(変形例1)プリンタ10は、SPサーバ200、300を含む複数個のSPサーバのそれぞれによって提供されるサービスのうちプリンタ10のユーザが利用しているサービスの数が1個以上であることを示す「ON」と、当該サービスの数が0個であることを示す「OFF」と、のどちらかの値を示すサービスフラグを記憶していてもよい。本変形例では、プリンタ10のCPU32は、図8のS12において、サービスフラグがONであるか否かを判断し、サービスフラグがONである場合に、S14に進み、サービスフラグがOFFである場合に、S18に進む。本変形例では、サービスフラグが「選択情報」の一例である。
【0114】
(変形例2)第2実施例のプリンタ10のCPU32は、図8のS112の処理に代えて、serviceID「default」に対応する対象OID「OID1」以外の対象OIDが第3のサービステーブル42(図12参照)に登録されているのか否かを判断する処理を実行してもよい。本変形例では、CPU32は、対象OID「OID1」以外の対象OIDが第3のサービステーブル42に登録されている場合に、S18に進み、対象OID「OID1」のみが第3のサービステーブル42に登録されている場合に、S14に進む。本変形例では、サービスカウンタ44を省略可能である。本変形例では、対象OID「OID1」が、「選択情報」の一例である。
【0115】
(変形例3)図8のリセット処理において、S14の処理が省略されてもよい。即ち、「第2の判断部」を省略可能である。
【0116】
(変形例4)SPサーバ200が、「特定のサーバ」及び「第1のサービス提供サーバ」であってもよい。本変形例において、SPサーバ200からサービスの提供を受けるための情報を登録する処理について説明する。プリンタ10のユーザは、携帯端末50を利用して、SPサーバ200からサービスの提供を受けるための情報を登録する。まず、携帯端末50とSPサーバ200との間に、図10のT410〜T426と同様の処理が実行される。そして、携帯端末50は、ユーザからユーザページでの第1のサービスを登録する登録操作を受け付けると、登録要求をSPサーバ200に送信する。SPサーバ200は、携帯端末50から登録要求を受信すると、PINコードを生成し、アカウント情報AC1とPINコードとを対応付けて記憶する。携帯端末50は、SPサーバ200からPINコードを受信すると、当該PINコードを表示する。プリンタ10は、ユーザからPINコードの入力を受け付けると、PINコードと、プリンタ10の装置情報と、をSPサーバ200に送信する。SPサーバ200は、プリンタ10から装置情報を受信すると、プリンタ10を認証するためのアクセストークンAT4を生成し、アカウント情報AC1と、装置情報と、アクセストークンAT4と、を対応付けて記憶する。そして、SPサーバ200は、登録完了通知と、アクセストークンAT4と、をプリンタ10に送信する。プリンタ10は、登録完了通知とアクセストークンAT4とを受信すると、アクセストークンAT4をメモリ34に記憶させる。その後、通信対象がSPサーバ200である点を除いて、図5のT162、T164と同様の処理が実行される。これにより、プリンタ10は、対象OID「OID2」に対応するMIB値を含むサービス情報を送信タイミング「12時間毎」で送信することができる。
【0117】
本変形例では、プリンタ10は、ユーザからリセット操作を受け付けても(図8のS10でYES)、第1のサービステーブル40がサービスID「service1」を含む場合(S12でYES)に、アクセストークンAT4を消去することなく、通信設定をリセットする(S18)。この場合、プリンタ10は、その後にユーザによってプリンタ10の通信設定が再設定されると、アクセストークンAT4を利用してSPサーバ200との通信を実行することができる。従って、SPサーバ200から第1のサービスの提供を適切に受けることができる。本変形例では、アクセストークンAT4が、「第1の認証情報」の一例である。
【0118】
(変形例5)「通信装置」は、プリンタ10に限られず、スキャナ、MFP、据置型PC、サーバ等であってもよい。
【0119】
(変形例6)上記の実施例では、制御部30によって実行される各処理がソフトウェア(即ちプログラム36)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0120】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0121】
2:通信システム、10:プリンタ、12:操作部、14:表示部、16:印刷実行部、20:ネットワークI/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、38:仲介サーバ利用フラグ、40:第1のサービステーブル、42:第3のサービステーブル、44:サービスカウンタ、50:携帯端末、100:仲介サーバ、102:ネットワークI/F、110:制御部、112:CPU、114:メモリ、116:管理テーブル、120:第2のサービステーブル、200、300:サービス提供サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14