【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/エラスティック光通信ネットワーク構成技術の研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0018】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光ネットワーク制御装置10の構成を示すブロック図である。光ネットワーク制御装置10は、光パス設定手段11と光パス選定手段12を有する。
【0019】
光パス設定手段(光パス設定部)11は、複数の光パスの重複が許容される特定通信路を含む経路候補に、複数の第1の光パスを設定する。光パス選定手段(光パス選定部)12は、複数の第1の光パスが共有する共有通信路の個数が最小となる経路に、第2の光パスを予め選定する。
【0020】
このように、光ネットワーク制御装置10においては、光パス設定手段11が、重複が許容される特定通信路を含む経路候補に、複数の第1の光パスを設定する。そのため、複数の経路に光パスを設定する場合であっても、短距離の経路を選択することが可能になる。したがって、物理経路長が長距離化することによる、周波数利用効率の低下を回避することができる。ここで、光パス選定手段12が共有通信路の個数が最小となる経路に、第2の光パスを予め選定する構成としている。そのため、共有通信路で障害が発生した時点でリストレーション機能によって障害箇所を迂回する経路を改めて探索する必要はない。したがって、高速な復旧が可能である。
【0021】
次に、本実施形態による光パス設定方法について説明する。
【0022】
本実施形態による光パス設定方法においては、まず、複数の光パスの重複が許容される特定通信路を含む経路候補に、複数の第1の光パスを設定する。そして、複数の第1の光パスが共有する共有通信路の個数が最小となる経路に、第2の光パスを予め選定する。
【0023】
また、上述の各ステップをコンピュータに実行させることとしてもよい。すなわち、コンピュータを光パス設定手段および光パス選定手段として機能させるためのプログラムを用いることができる。ここで、光パス設定手段は、複数の光パスの重複が許容される特定通信路を含む経路候補に、複数の第1の光パスを設定する。そして、光パス選定手段は、複数の第1の光パスが共有する共有通信路の個数が最小となる経路に、第2の光パスを予め選定する。
【0024】
以上説明したように、本実施形態の光ネットワーク制御装置10および光パス設定方法によれば、周波数利用効率の低下を招くことなく、光ネットワークの複数箇所における障害からの高速な復旧を実現することができる。
【0025】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図2に、本実施形態による光通信システム1000の構成を示す。同図に示すように、光通信システム1000は、光ネットワーク制御装置100と光ネットワーク200を有する。
【0026】
図2では、9個の光ノード装置301〜309が光ファイバ通信路401により接続され、光ネットワーク200を構成している例を示す。同図では、光ノード装置間に運用パスと複数の予備パス(第1〜第3予備パス)が設定され、光ノード装置301と光ノード装置304の間、および光ノード装置306と光ノード装置309の間で障害が発生した場合を例示的に示す。
【0027】
本実施形態に係る光ネットワーク制御装置100は、経路候補制限手段110、共有メトリック計算手段120、光パス割当手段130、通信路抽出手段140、復旧パス選定手段(第2パス選定手段)150、および設定通知インタフェース160を備える。
【0028】
経路候補制限手段(経路候補制限部)110は、光ネットワーク200を構成する通信路のうち、光パスを割当てる通信路に含める割当経路候補を決定する。共有メトリック計算手段(共有メトリック計算部)120は、割当経路候補を含めた経路候補に割当てる複数の光パスの共有度を算出する。そして、光パス割当手段(光パス割当部)130は、この共有度に基づいて、要求トラヒックを収容する複数の第1の光パスの経路と波長スロットを決定する。上述した経路候補制限手段110、共有メトリック計算手段120、および光パス割当手段130が光パス設定手段を構成し、複数の光パスの重複が許容される特定通信路を含む経路候補に、複数の第1の光パスを設定する。
【0029】
通信路抽出手段(通信路抽出部)140は、複数の第1の光パスが共有する共有通信路を抽出する。復旧パス選定手段(復旧パス選定部)150は、含まれる共有通信路の個数が最小となる経路に第2の光パスを選定する。上述した通信路抽出手段140と復旧パス選定手段(第2パス選定手段)150が光パス選定手段を構成し、複数の第1の光パスが共有する共有通信路の個数が最小となる経路に、第2の光パスを予め選定する。
【0030】
設定通知インタフェース(設定通知手段)160は、光パス割当手段130が決定した複数の第1の光パスの経路と波長スロットに関する情報である第1光パス情報と、復旧パス選定手段150が選定した第2の光パスに関する情報である第2光パス情報を、光ノード装置301〜309に通知する。
【0031】
図3に、上述した光ネットワーク制御装置100と光ノード装置の接続構成、および光ノード装置の構成を示す。各光ノード装置301〜309はそれぞれ、光ノード装置設定通知インタフェース310、光ノード装置制御手段320、および光パス切替手段330を備える。
【0032】
光ノード装置設定通知インタフェース(光ノード装置設定通知手段)310は、光ネットワーク制御装置100が備える設定通知インタフェース(設定通知手段)160から、上述した第1光パス情報と第2光パス情報を受け付ける。光パス切替手段330は、要求トラヒックを構成するクライアント信号に基づいて変調された信号光を、光ファイバ通信路(光通信路)401に送出する。光ノード装置制御手段320は、第1光パス情報と第2光パス情報に基づいて、光パス切替手段330を制御する。
【0033】
ここで、設定通知インタフェース160と光ノード装置設定通知インタフェース310−1、310−2が接続される。また、光ノード装置301が備える光パス切替手段330−1と、光ノード装置302が備える光パス切替手段330−2との間は光ファイバ通信路401によって接続される。
図4に、光ノード装置の構成をさらに詳細に示す。光ノード装置300が備える光パス切替手段330は、クライアント装置331−1〜331−4、可変光トランスポンダ332−1、332−2、および可変大粒度切替装置333を備える。可変大粒度切替装置333としては例えば、光クロスコネクト装置や帯域可変型波長選択スイッチ等を用いることができる。
【0034】
光ノード装置制御手段320は、波長制御手段321および方路制御手段322を備える。波長制御手段321は、可変光トランスポンダ332−1、332−2および可変大粒度切替装置333の波長設定を制御する。方路制御手段322は、可変大粒度切替装置333の方路を制御する。
【0035】
次に、本実施形態による光ネットワーク制御装置100の動作について説明する。
図5は、本実施形態による光ネットワーク制御装置100の動作を説明するためのフローチャートである。
【0036】
光ネットワーク制御装置100は、まず、要求トラヒックを1個抽出し(ステップS110)、光ネットワーク200に対して、要求トラヒックを収容する光パスの割当を実施する(ステップS120)。
【0037】
具体的には、まず、抽出した要求トラヒックに対して、予備パスを設定する必要性を判断する(ステップS121)。
【0038】
予備パスを設定する必要があると判断した場合(ステップS121/YES)、光パス割当手段130は、始点ノードと終点ノードを結ぶ、互いに重複の無い最短経路を探索する(ステップS122)。このとき、経路探索アルゴリズムとして、線形計画法、第k次最短経路探索法、および遺伝的アルゴリズムなどを用いることができる。予備パスを設定する必要がないと判断した場合(ステップS121/NO)、始点ノードと終点ノードを結ぶ一の最短経路を探索する(ステップS123)。
【0039】
最短経路を探索した結果について、互いに重複の無い経路の個数が所要光パスの個数に対して十分(探索に成功)か否かを判断する(ステップS124)。
【0040】
互いに重複の無い経路の個数が所要光パスの個数に対して不足する場合(ステップS124/NO)、経路候補制限手段110は特定の通信路において重複を許容し、経路探索候補を更新する。そして、再度、最短経路を探索し、共有メトリック計算手段120が算出する共有メトリック(共有度)に基づいて、他の光パスとの重複が最小となる経路を決定する(ステップS125)。
【0041】
光パス割当手段130は、再度探索した経路における、光パスの割当経路の通信路品質および光パスの到達性に基づいて、所要の波長スロット数を算出し(ステップS126)、割当てる波長スロットを決定する(ステップS127)。通信路品質として、通信路距離、ホップ数、および光信号雑音比(Optical Signal−to−Noise Ratio:OSNR)などを用いることができる。
【0042】
経路候補制限手段110は、経路数が複数の割当て光パス(第1の光パス)の個数よりも小さい光ノード装置に接続する通信路を、重複が許容される通信路(特定通信路)とすることができる。ここで、割当て光パスを運用パス、第1の予備パス、および第2の予備パスの3種とすると、経路数が2以下(方路数が4以下)の光ノード装置に接続する通信路を特定通信路とすることができる。これに限らず、光パス割当数または使用済み波長スロット数、割当済み光パスの収容トラヒック量、波長断片化スロット数などが、通信事業者のネットワーク運用者が事前に設定した閾値を下回る通信路を、特定通信路としてもよい。
【0043】
共有メトリック計算手段120は、要求トラヒックを収容する複数の光パスが共有する通信路の個数、共有する光パスの個数、および共有する光パスの種別毎の個数、の少なくとも一に基づいて、共有メトリック(共有度)を算出する構成とすることができる。なお、共有する通信路に収容される複数の光パスの間で、割当波長スロットを共有することとしてもよい。
次に、復旧用の光パスを選定する(ステップS130)。
【0044】
通信路抽出手段140は、要求トラヒックを収容する複数の光パス(第1の光パス)が共有する通信路(共有通信路)を抽出する(ステップS131)。そして、復旧パス選定手段150は、通信路抽出手段140が抽出した共有通信路に障害が発生したときの復旧用の光パス(第2の光パス)を選定する(ステップS132)。このとき、最大で予備パス本数分の障害が同時に発生する障害発生パターンを想定して復旧パスを選定し、選定結果を保持する。
【0045】
上述の動作(ステップS110〜ステップS132)を、すべての要求トラヒックに対して実施することにより(ステップS140/YES)、光パス割当の設定が終了する。
【0046】
設定通知インタフェース160は、光パス割当の設定を光ノード装置301〜309がそれぞれ備える光ノード装置設定通知インタフェース310に通知する。光ノード装置制御手段320は上記の通知に基づいて、光パス切替手段330の方路および波長を制御する。すなわち、光パス切替手段330は、光パスの経路品質に応じて決定した波長スロット数に基づいて、可変光トランスポンダ332−1、332−2を用いて光パスを生成し、光ファイバ通信路401に光パスを割り当てる。これにより、光ノード装置300は通信を確立する。
【0047】
次に、本実施形態による光ネットワーク制御装置100の障害復旧動作について説明する。
図6は、本実施形態による光ネットワーク制御装置100の障害復旧動作を説明するためのフローチャートである。
【0048】
光ノード装置301〜309が障害発生を検知すると、その障害箇所が設定通知インタフェース160を介して光ネットワーク制御装置100に通知される。復旧パス選定手段150は、障害により途絶した復旧対象運用パスを1個抽出し(ステップS210)、事前に選定した復旧パスを障害箇所に応じて参照する(ステップS221)。事前に選定した復旧パスが存在する場合(ステップS222/YES)、その復旧パスを運用状態に切り替える(ステップS223)。この復旧パスを運用状態に切り替えるため、設定通知インタフェース160は、光パス切替設定を光ノード装置301〜309に通知する。
【0049】
復旧パス選定手段150が、事前に選定した復旧パスでは復旧できないと判断した場合(ステップS222/NO)、経路候補制限手段110は、障害通信路を経路探索候補から除外する。この状態で、光パス割当手段130は、障害箇所を迂回する代替経路を探索する(ステップS231)。探索に成功した場合(ステップS232/YES)、光パスの割当経路における通信路品質と光パスの到達性に基づいて、探索結果の経路の光パスに対する所要の波長スロット数を算出し(ステップS234)、割当波長スロットを決定する(ステップS235)。
【0050】
一方、要求トラヒックに対して障害発生後に追加の予備パスが必要な場合(ステップS224/YES)、経路候補制限手段110は、障害通信路および復旧パス経路の通信路を経路探索候補から除外する。その状態で、光パス割当手段130は、追加予備パスに対する代替経路を探索する(ステップS231)。経路探索の結果、代替経路が見つからない場合(ステップS232/NO)、経路候補制限手段110は特定の通信路において重複を許容し、経路探索候補を更新する。そして、再度、最短経路を探索し、共有メトリック計算手段120が算出する共有メトリック(共有度)に基づいて、他の光パスとの重複が最小となる経路を決定する(ステップS233)。
【0051】
光パス割当手段130は、再度探索した経路における、光パスの割当経路の通信路品質および光パスの到達性に基づいて、所要の波長スロット数を算出し(ステップS234)、割当てる波長スロットを決定する(ステップS235)。
【0052】
その後、復旧パス選定手段150は、通信路抽出手段140が抽出した共有通信路に障害が発生したときの復旧用の光パスを選定する(ステップS240)。
【0053】
上述の動作(ステップS210〜ステップS240)を、障害により途絶した全ての光パスに対して実施することにより(ステップS250/YES)、通信の復旧処理が終了する。
【0054】
図7Aから7Fに、要求トラヒックに対する光ノード装置301〜309間の予備パスの割当て例を示す。
【0055】
図7Aに示すように、要求トラヒックの予備パスの所要個数が2個であるとき、光パス割当手段130はまず、互いに重複の無い経路上に運用パスと第1予備パスを割り当てる。しかし、互いに重複の無い経路上には第2予備パスに対する経路は見つからない。
【0056】
次に、経路候補制限手段110は、
図7Bに示した方路数が4以下の光ノード装置301、303、307、309に接続する通信路410を経路探索候補に含める。その後に、経路探索を実施する。このとき、共有メトリック計算手段120は、
図7Cに示す経路候補(A)、(B)、(C)に対して、「共有通信路数」および「種別毎共有光パス数」を計算し(
図7D参照)、最も小さい値となる経路(C)に第2予備パスを割り当てる(
図7E)。
【0057】
通信路抽出手段140は、他の光パスと共有する共有通信路を抽出する。そして、復旧パス選定手段150は、この共通通信路に障害が発生した場合の復旧パスを選定する。復旧パスの選定結果を
図7Fに示す。
【0058】
上述した本実施形態の光ネットワーク制御装置100の動作によって、通信路の複数箇所で同時に障害が発生する事態に備えて、予備パスの実質的な設定数を増やすことが可能になる。さらに、複数の光パスの間で共有する通信路において障害が発生した場合の復旧パスを、事前に選定しておくことにより、障害復旧性能を向上させることができる。
【0059】
次に、本実施形態による光パス設定方法について説明する。
【0060】
本実施形態による光パス設定方法においては、まず、光ネットワークを構成する通信路のうち、光パスを割当てる通信路に含める割当経路候補を決定する。この割当経路候補を含めた経路候補に割当てる複数の光パスの共有度を算出する。そして、この共有度に基づいて、要求トラヒックを収容する複数の第1の光パスの経路と波長スロットを決定する。以上により、複数の光パスの重複が許容される特定通信路を含む経路候補に、複数の第1の光パスを設定する。
【0061】
さらに、複数の第1の光パスが共有する共有通信路を抽出する。そして、含まれる共有通信路の個数が最小となる経路に第2の光パスを選定する。これにより、複数の第1の光パスが共有する共有通信路の個数が最小となる経路に、第2の光パスを予め選定する。
【0062】
また、上述の各ステップをコンピュータに実行させることとしてもよい。すなわち、コンピュータを経路候補制限手段、共有メトリック計算手段、光パス割当手段、通信路抽出手段、および第2パス選定手段として機能させるためのプログラムを用いることができる。
【0063】
ここで、経路候補制限手段は、光ネットワークを構成する通信路のうち、光パスを割当てる通信路に含める割当経路候補を決定する。共有メトリック計算手段は、割当経路候補を含めた経路候補に割当てる複数の光パスの共有度を算出する。そして、光パス割当手段は、この共有度に基づいて、要求トラヒックを収容する複数の第1の光パスの経路と波長スロットを決定する。
【0064】
また、通信路抽出手段は、複数の第1の光パスが共有する共有通信路を抽出する。第2パス選定手段は、含まれる共有通信路の個数が最小となる経路に第2の光パスを選定する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の光ネットワーク制御装置100および光パス設定方法によれば、運用パスと互いに独立な代替経路の本数に制限がある場合であっても、実質的な予備パスの設定数を増大させることができる。これにより、複数箇所で同時に障害が発生する事態に備えることが可能になる。さらに、複数の光パスの間で重複がある物理経路において障害が発生した場合の復旧パスを事前に決定しておくことにより、復旧性能を向上させることが可能である。したがって、障害発生時には復旧パス割当を更新することによって、ネットワークの信頼性を維持することが可能である。
【0066】
このように、本実施形態の光ネットワーク制御装置100および光パス設定方法によれば、周波数利用効率の低下を招くことなく、光ネットワークの複数箇所における障害からの高速な復旧を実現することができる。
【0067】
さらに、物理経路の重複箇所は要求トラヒック毎に限定されるので、復旧パスを事前に決定するための計算規模は小さい。また、光パス割当の更新時には周波数利用効率が低下する予備光パスを対象から除外することによって、計算規模および作業規模を低減することができる。
【0068】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図8に、本実施形態による光通信システム1001の構成を示す。同図に示すように、光通信システム1001は、光ネットワーク制御装置101と光ネットワーク201を有する。
【0069】
図8では、9個の光ノード装置301〜309が光ファイバ通信路401により接続され、光ネットワーク201を構成している例を示す。同図では、光ノード装置間に運用パスと複数の予備パス(第1予備パス、第2予備パス1、第2予備パス2)が設定され、光ノード装置301と光ノード装置304の間、および光ノード装置306と光ノード装置309の間で障害が発生した場合を例示的に示す。
【0070】
本実施形態に係る光ネットワーク制御装置101は、経路候補制限手段110、共有メトリック計算手段120、光パス割当手段130、通信路抽出手段140、復旧パス選定手段150、および設定通知インタフェース160を備える。ここまでの構成は、第2の実施形態による光ネットワーク制御装置100の構成と同様である。
【0071】
本実施形態に係る光ネットワーク制御装置101は、さらに、収容トラヒック分割手段(収容トラヒック分割部)170を備える。ここで、光パス割当手段130は、第1の光パスを割り当てる互いに独立な複数の割当経路を選択し、要求トラヒックを複数の割当経路に分割した複数の第1の光パスに収容する。そして、収容トラヒック分割手段170は、要求トラヒックの転送レートを複数の割当経路の個数に分割する。
【0072】
図9に、光ノード装置301の構成を示す。光ノード装置301は、光ノード装置設定通知インタフェース310、光ノード装置制御手段320、および光パス切替手段340を備える。光パス切替手段340は、クライアント装置341−1から341−4、可変光トランスポンダ342−1、342−2、および可変大粒度切替装置343を備える。可変光トランスポンダ342−1、342−2として例えば、マルチフロー光トランスポンダを用いることができる。マルチフロー光トランスポンダは、複数の方路に対して、それぞれ帯域可変の光パスを割り当てることが可能である。
【0073】
次に、本実施形態による光ネットワーク制御装置101の動作について説明する。
図10は、本実施形態による光ネットワーク制御装置101の動作を説明するためのフローチャートである。
【0074】
光ネットワーク制御装置101は、まず、要求トラヒックを1個抽出し(ステップS310)、光ネットワーク201に対して、要求トラヒックを収容する光パスの割当を実施する(ステップS320)。
【0075】
具体的には、まず、抽出した要求トラヒックに対して、予備パスを設定する必要性を判断する(ステップS321)。
【0076】
予備パスを設定する必要がないと判断した場合(ステップS321/NO)、始点ノードと終点ノードを結ぶ一の最短経路を探索する(ステップS323)。
【0077】
予備パスを設定する必要があると判断した場合(ステップS321/YES)、光パス割当手段130は、始点ノードと終点ノードを結ぶ、互いに重複の無い最短経路を探索する(ステップS322)。
【0078】
最短経路を探索した結果について、互いに重複の無い経路の個数が所要光パスの個数に対して十分(探索に成功)か否かを判断する(ステップS324)。
【0079】
互いに重複の無い経路の個数が所要光パスの個数に対して不足する場合(ステップS324/NO)、経路候補制限手段110は、特定の通信路において他の光パスとの重複を許容し、経路探索候補を更新する。そして、共有メトリック計算手段120が算出する共有メトリックを用いて、再度、最短経路を探索する(ステップS325)。
【0080】
経路探索を再度行った結果、他の光パスと共有する通信路が存在する場合(ステップS328/YES)、経路候補制限手段110は、共有通信路を経路探索候補から除外したうえで、再度、最短経路の探索を実施する(ステップS329)。これにより、通信路が三重に共有される場合を排除することができる。このとき、経路候補制限手段110は、再経路探索により見つかった経路の全体を、経路探索候補から除外する通信路として指定することとしてもよい。
【0081】
最短経路の再度の探索に成功した場合(ステップS330/YES)、収容トラヒック分割手段170は、収容トラヒックの転送レート(認定情報速度、Committed Information Rate:CIR)を探索結果の割当経路数に分割する(ステップS331)。その後に、光パスを割り当てる。
【0082】
光パス割当手段130は、割当経路の通信路品質に基づいて、所要の波長スロット数を算出し(ステップS326)、割当てる波長スロットを決定する(ステップS327)。
【0083】
なお、収容トラヒック分割手段170は、分割経路に割り当てる光パスの所要波長スロット数に応じて、転送レートの分割比を可変する構成とすることができる。すなわち、収容トラヒック分割手段170は、複数の割当てる光パス(第1の光パス)の周波数利用効率に基づいて、転送レートを分割する比率を決定することができる。これに限らず、収容トラヒック分割手段170は、要求トラヒックの転送レート(CIR)を割当てる物理経路数に等分割することとしてもよい。
【0084】
次に、復旧用の光パスを選定する(ステップS340)。
【0085】
通信路抽出手段140は、要求トラヒックを収容する複数の光パスが共有する通信路(共有通信路)を抽出する(ステップS341)。そして、復旧パス選定手段150は、通信路抽出手段140が抽出した共有通信路に障害が発生したときの復旧用の光パスを選定する(ステップS342)。このとき、最大で予備パス本数分の障害が同時に発生する障害発生パターンを想定して復旧パスを選定し、選定結果を保持する。
【0086】
上述の動作(ステップS310〜ステップS342)を、すべての要求トラヒックに対して実施することにより(ステップS350/YES)、光パス割当の設定が終了する。
【0087】
設定通知インタフェース160は、光パス割当の設定結果を光ノード装置301〜309がそれぞれ備える光ノード装置設定通知インタフェース310に通知する。光ノード装置制御手段320は上記の通知に基づいて、光パス切替手段340の方路および波長を制御する。すなわち、光パス切替手段340は、光パスの経路品質に応じて決定した波長スロット数に基づいて、可変光トランスポンダ342−1、342−2を用いて光パスを生成し、光ファイバ通信路401に光パスを割り当てる。これにより、光ノード装置301は通信を確立する。
【0088】
図11Aから11Fに、要求トラヒックに対する光ノード装置301〜309間の予備パスの割当て例を示す。
【0089】
要求トラヒックの予備パスの所要個数が2個であるとき、光パス割当手段130は、まず、
図11Aに示すように、互いに重複の無い経路上に運用パスと第1予備パスを割り当てる。そして、
図11Bに示すように、光パス割当手段130は、第2予備パスの経路を割り当てる。
【0090】
次に、経路候補制限手段110は、
図11Cに示すように、共有通信路501、504を経路探索候補から除外したうえで、経路探索を実施する。このとき、共有メトリック計算手段120は、
図11Cに示す分割経路候補(D)、(E)に対して、「共有通信路数」および「種別毎共有光パス数」を計算し(
図11D参照)、最小となる分割経路(E)を選択し第2予備パスを割り当てる。
【0091】
ここで、経路探索を行った結果、第2予備パスの割当経路数が2個であったため、収容トラヒック分割手段170は、要求トラヒックの転送レート(CIR値)を2分割する。そのうえで、光パス割当手段130は、
図11Eに示すように、各経路にそれぞれの光パス(第2予備パス1および第2予備パス2)を割り当てる。
【0092】
このように、光パスを複数本(N本、N>1)の物理経路上に分散配置することによって、耐障害性を向上させ、リスク分散を図ることができる。この場合、CIR値が要求トラヒックと同じ値のままで分散配置を行うと、必要なCIR値がN倍となり、光周波数資源を過剰に消費することになる。しかし、本実施形態の光ネットワーク制御装置101においては、上述したように、CIR値をN分割したうえでN本の物理経路上に分散配置する構成としているので、全体のCIR値は変わらない。これにより、過剰な予備パスの割当てを回避することができる。
【0093】
続いて、通信路抽出手段140は、他の光パスと共有する共有通信路501〜504を抽出する。そして、復旧パス選定手段150は、この共通通信路に障害が発生した場合の復旧パスを選定する。復旧パスの選定結果を
図11Fに示す。
【0094】
その後、光ネットワーク制御装置101は設定通知インタフェース160を介して光ノード装置301に光パスの割当て結果を通知する。光ノード装置301は通知された割当て結果に基づいて、光パス切替手段340の設定を行う。可変光トランスポンダ342−1が、それぞれの経路に対してCIR値が半分である光パスを設定することにより、第2予備パスを設定することが可能である。
【0095】
障害の発生により、復旧パスのCIR値が元の要求トラヒックのCIR値を下回った場合、可変トランスポンダ342−1、342−2は、それぞれのクライアント装置341−1〜341−4に対してバックプレッシャー信号を送出し、CIR値を調整する。
【0096】
上述した本実施形態の光ネットワーク制御装置101の動作によって、通信路の複数箇所で同時に障害が発生する事態に備えて、信頼性の高い予備パスを設定することが可能になる。さらに、複数の光パスの間で共有する通信路において障害が発生した場合の復旧パスを、事前に選定しておくことにより、障害復旧性能を向上させることができる。
【0097】
このように、本実施形態の光ネットワーク制御装置101によれば、周波数利用効率の低下を招くことなく、光ネットワークの複数箇所における障害からの高速な復旧を実現することができる。
【0098】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態による光ネットワーク制御装置の構成は、
図8に示した第3の実施形態に係る光ネットワーク制御装置101の構成と同様であるが動作が異なる。
【0099】
以下に、本実施形態による光ネットワーク制御装置の動作について説明する。
図12は、本実施形態による光ネットワーク制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0100】
光ネットワーク制御装置は、まず、要求トラヒックを1個抽出し(ステップS110)、光ネットワークに対して、要求トラヒックを収容する光パスの割当を実施する(ステップS120)。この光パスの割当(ステップS120)は、第2の実施形態による光ネットワーク制御装置100の動作と同様である。すなわち、光パス割当手段130は、始点ノードと終点ノードを結ぶ経路を探索する(ステップS121〜ステップS125)。そして、光パス割当手段130は、探索した経路における、光パスの割当経路の通信路品質および光パスの到達性に基づいて、所要の波長スロット数を算出し(ステップS126)、割当てる波長スロットを決定する(ステップS127)。
【0101】
次に、復旧用の光パスを選定する(ステップS430)。
【0102】
通信路抽出手段140は、要求トラヒックを収容する複数の光パス(第1の光パス)が共有する通信路(共有通信路)を抽出する(ステップS431)。そして、復旧パス選定手段150は、通信路抽出手段140が抽出した共有通信路に障害が発生したときの復旧用の光パス(第2の光パス)を選定する(ステップS432)。このとき、最大で予備パス本数分の障害が同時に発生する障害発生パターンを想定して復旧パスを選定し、選定結果を保持する。
【0103】
復旧パス選定手段150が選定した結果が、代替経路へ復旧パスを割当てる想定障害パターンである場合(ステップS433/YES)、光パス割当手段130は、互いに重複の無い代替経路に対して予備パスを割り当てる。このとき、収容トラヒック分割手段170は、要求トラヒックのCIRを障害パターン数に分割する(ステップS421)。
【0104】
この場合、光パス割当手段130は、ここで探索した経路における、光パスの割当経路の通信路品質および光パスの到達性に基づいて、所要の波長スロット数を算出し(ステップS126)、割当波長スロットを決定する(ステップS127)。なお、要求される予備パス数がn個である要求トラヒックに対して、第n次予備パスを含めて要求トラヒックのCIRを分割することとしてもよい。
【0105】
上述の動作(ステップS110〜ステップS433)を、すべての要求トラヒックに対して実施することにより(ステップS440/YES)、光パス割当の設定が終了する。
【0106】
図13Aから13Eに、要求トラヒックに対する光ノード装置301〜309間の予備パスの割当て例を示す。
【0107】
図13Aに示すように、要求トラヒックの予備パスの所要個数が2個であるとき、光パス割当手段130は、第1予備パスと第2予備パスを割り当てる。
【0108】
通信路抽出手段140は、他の光パスと共有する共有通信路501、504を抽出する(
図13B)。そして、復旧パス選定手段150は、この共通通信路501、504に障害が発生した場合の復旧パスを選定する。復旧パスの選定結果を
図13Cに示す。
【0109】
ここで、共通通信路501と共通通信路504において同時に障害が発生する想定障害パターンの場合、代替経路上に復旧パスを割り当てる。そのため、収容トラヒック分割手段170は、代替経路と第2予備パスとを合わせた経路数に応じて、要求トラヒックのCIRを2分割する。そのうえで、光パス割当手段130は、
図13Dに示すように、各経路にそれぞれの光パス(第2予備パス1および第2予備パス2)を割り当てる。この場合における復旧パスの選定結果を
図13Eに示す。
【0110】
このように、光ネットワーク制御装置においては、共有度が算出された複数の光パスに復旧用光パス(第2の光パス)が含まれていない場合、光パス割当手段130が、含まれる共有通信路の個数が最小となる代替経路に光パス(第1の光パス)を割当てる。したがって、光ネットワーク制御装置が経路探索を行う際の計算量を低減することができる。
【0111】
その後、光ネットワーク制御装置は設定通知インタフェース160を介して光ノード装置301に光パスの割当て結果を通知する。光ノード装置301は通知された割当て結果に基づいて、光パス切替手段340の設定を行う。可変光トランスポンダ342−1が、それぞれの経路に対してCIR値が半分である光パスを設定することにより、第2予備パスを設定することが可能である。
【0112】
障害の発生により、復旧パスのCIR値が元の要求トラヒックのCIR値を下回った場合、可変光トランスポンダ342−1、342−2は、それぞれのクライアント装置341−1〜341−4に対してバックプレッシャー信号を送出し、CIR値を調整する。
【0113】
上述した本実施形態の光ネットワーク制御装置の動作によって、通信路の複数箇所で同時に障害が発生する事態に備えて、信頼性の高い予備パスを設定することが可能になる。さらに、複数の光パスが重複する物理経路において、代替経路上に予備パスをあらかじめ割り当てることにより、障害復旧性能を向上させることができる。
【0114】
このように、本実施形態の光ネットワーク制御装置によれば、周波数利用効率の低下を招くことなく、光ネットワークの複数箇所における障害からの高速な復旧を実現することができる。
【0115】
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図14に、本実施形態による光ネットワーク制御装置102の構成を示す。
【0116】
本実施形態に係る光ネットワーク制御装置102は、経路候補制限手段110、共有メトリック計算手段120、光パス割当手段130、通信路抽出手段140、復旧パス選定手段150、および設定通知インタフェース160を備える。ここまでの構成は、第2の実施形態による光ネットワーク制御装置100の構成と同様である。
【0117】
本実施形態に係る光ネットワーク制御装置102は、さらに、波長候補制限手段(波長候補制限部)180を備える。波長候補制限手段180は、複数の光パス(第1の光パス)の波長スロットが共通に属する割当波長スロット領域を指定する。このとき、光パス割当手段130は、複数の光パス(第1の光パス)の波長スロットを割当波長スロット領域に含まれるように決定する。
【0118】
次に、本実施形態による光ネットワーク制御装置102の動作について説明する。
図15は、本実施形態による光ネットワーク制御装置102の動作を説明するためのフローチャートである。
【0119】
光ネットワーク制御装置102は、まず、要求トラヒックを1個抽出し(ステップS110)、光ネットワークに対して、要求トラヒックを収容する光パスの割当を実施する(ステップS520)。
【0120】
この光パスの割当(ステップS520)における所要の波長スロット数を算出(ステップS126)するまでの動作は、第2の実施形態による光ネットワーク制御装置100の動作と同様である。すなわち、光パス割当手段130は、始点ノードと終点ノードを結ぶ経路を探索する(ステップS121〜ステップS125)。そして、光パス割当手段130は、探索した経路における、光パスの割当経路の通信路品質および光パスの到達性に基づいて、所要の波長スロット数を算出する(ステップS126)。
【0121】
要求トラヒックに対して、共有プロテクションが可能であり(ステップS521/YES)、他の予備パスと共有する通信路区間が存在する場合(ステップS522/YES)、割当波長スロット領域を同一に制限する(ステップS523)。すなわち、波長候補制限手段180は、共有する通信路区間の予備パスの割当波長スロット領域が同一となるように制限する。そのうえで、光パス割当手段130は波長割当を実施する(ステップS524)。
【0122】
以上の動作により、複数の予備パスの間で、通信路と波長を共有することが可能になる。このように、波長の共有型プロテクションと組み合わせることにより、予備パスを収容するための所要波長リソース量を削減することができる。
【0123】
次に、復旧用の光パスを選定する(ステップS130)。
【0124】
通信路抽出手段140は、要求トラヒックを収容する複数の光パスが共有する通信路(共有通信路)を抽出する(ステップS131)。そして、復旧パス選定手段150は、通信路抽出手段140が抽出した共有通信路に障害が発生したときの復旧用の光パスを選定する(ステップS132)。このとき、最大で予備パス本数分の障害が同時に発生する障害発生パターンを想定して復旧パスを選定し、選定結果を保持する。
【0125】
ここで、共有する複数の予備パスのうち、最も優先度の高い予備パスを確立し、他の共有予備パスに対しては波長スロットを予約しておく。そして、復旧パスとして選定したときに予備パスを確立する。なお、異なる要求トラヒックに対する予備パス同士を共有する場合、通信路抽出手段140が共有通信路を抽出し、復旧パス選定手段150が復旧パス用の光パスを選定することとしてもよい。
【0126】
上述の動作(ステップS110〜ステップS132)を、すべての要求トラヒックに対して実施することにより(ステップS140/YES)、光パス割当の設定が終了する。
【0127】
図16Aから16Cに、要求トラヒックに対する光ノード装置301〜309間の予備パスの割当て例を示す。
【0128】
図16Aに示すように、要求トラヒックの予備パスの所要個数が2個であるとき、光パス割当手段130はまず、互いに重複の無い物理経路上に運用パスと第1予備パスを割り当てる。さらに、
図16Bに示すように、光パス割当手段130は、共有通信路501、504において運用パスおよび第1予備パスと重複することになる経路上に、第2予備パスを割り当てる。
【0129】
波長候補制限手段180は、運用パスと第2予備パスの経路において、共通に割当可能な波長スロットの範囲を割当波長スロット領域に制限する(
図16C)。そのうえで、光パス割当手段130は光パスの割当波長を決定する。
【0130】
光ネットワーク制御装置102は設定通知インタフェース160を介して光ノード装置301〜309に光パスの割当て結果を通知する。光ノード装置301〜309は、運用パスと第1予備パスについて通信を確立し、第2予備パスについては割当波長スロットを予約する。
【0131】
復旧パス選定手段150は、第2予備パスを運用パスとして設定する障害発生時には、予約した波長スロットに第2予備パスを確立することにより、障害復旧を実現する。復旧パスの選定結果を
図16Dに示す。
【0132】
上述した本実施形態の光ネットワーク制御装置102の動作によって、ネットワーク利用効率の低下を防止しつつ、通信路の複数箇所で同時に障害が発生する事態に備えて、信頼性の高い予備パスを設定することが可能になる。さらに、複数の光パスが重複する物理経路において、代替経路上に予備パスをあらかじめ割り当てることにより、障害復旧性能を向上させることができる。
【0133】
このように、本実施形態の光ネットワーク制御装置102によれば、周波数利用効率の低下を招くことなく、光ネットワークの複数箇所における障害からの高速な復旧を実現することができる。
【0134】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0135】
(付記1)複数の光パスの重複が許容される特定通信路を含む経路候補に、複数の第1の光パスを設定する光パス設定手段と、前記複数の第1の光パスが共有する共有通信路の個数が最小となる経路に、第2の光パスを予め選定する光パス選定手段、とを有する光ネットワーク制御装置。
【0136】
(付記2)前記光パス設定手段は、光ネットワークを構成する通信路のうち、光パスを割当てる通信路に含める割当経路候補を決定する経路候補制限手段と、前記割当経路候補を含めた前記経路候補に割当てる複数の光パスの共有度を算出する共有メトリック計算手段と、前記共有度に基づいて、要求トラヒックを収容する前記複数の第1の光パスの経路と波長スロットを決定する前記光パス割当手段、とを有し、前記光パス選定手段は、前記複数の第1の光パスが共有する共有通信路を抽出する通信路抽出手段と、含まれる前記共有通信路の個数が最小となる経路に前記第2の光パスを選定する第2パス選定手段、とを有する付記1に記載した光ネットワーク制御装置。
【0137】
(付記3)前記光パス割当手段は、前記第2の光パスが、前記共有度が算出された前記複数の光パスに含まれていない場合、含まれる前記共有通信路の個数が最小となる代替経路に前記第1の光パスを割当てる付記2に記載した光ネットワーク制御装置。
【0138】
(付記4)収容トラヒック分割手段をさらに備え、前記光パス割当手段は、前記第1の光パスを割り当てる互いに独立な複数の割当経路を選択し、前記要求トラヒックを前記複数の割当経路に分割した複数の前記第1の光パスに収容し、前記収容トラヒック分割手段は、前記要求トラヒックの転送レートを前記複数の割当経路の個数に分割する付記2または3に記載した光ネットワーク制御装置。
【0139】
(付記5)前記複数の第1の光パスの波長スロットが共通に属する割当波長スロット領域を指定する波長候補制限手段をさらに備え、前記光パス割当手段は、前記複数の第1の光パスの波長スロットを前記割当波長スロット領域に含まれるように決定する付記2から4のいずれか一項に記載した光ネットワーク制御装置。
【0140】
(付記6)前記光パス割当手段が決定した前記複数の第1の光パスの経路と波長スロットに関する情報である第1光パス情報と、前記第2パス選定手段が選定した前記第2の光パスに関する情報である第2光パス情報を、光ノード装置に通知する設定通知手段、をさらに有する 付記2から5のいずれか一項に記載した光ネットワーク制御装置。
【0141】
(付記7)付記6に記載した光ネットワーク制御装置が備える前記設定通知手段から、前記第1光パス情報と前記第2光パス情報を受け付ける光ノード装置設定通知手段と、前記要求トラヒックを構成するクライアント信号に基づいて変調された信号光を、光通信路に送出する光パス切替手段と、前記第1光パス情報と前記第2光パス情報に基づいて、前記光パス切替手段を制御する光ノード装置制御手段、とを有する光ノード装置。
【0142】
(付記8)複数の光パスの重複が許容される特定通信路を含む経路候補に、複数の第1の光パスを設定し、前記複数の第1の光パスが共有する共有通信路の個数が最小となる経路に、第2の光パスを予め選定する光パス設定方法。
【0143】
(付記9)前記複数の第1の光パスを設定する際に、光ネットワークを構成する通信路のうち、光パスを割当てる通信路に含める割当経路候補を決定し、前記割当経路候補を含めた前記経路候補に割当てる複数の光パスの共有度を算出し、前記共有度に基づいて、要求トラヒックを収容する前記複数の第1の光パスの経路と波長スロットを決定し、前記第2の光パスを予め選定する際に、前記複数の第1の光パスが共有する共有通信路を抽出し、 含まれる前記共有通信路の個数が最小となる経路に前記第2の光パスを選定する付記8に記載した光パス設定方法。
【0144】
(付記10)前記第1の光パスを割り当てる互いに独立な複数の割当経路を選択し、前記要求トラヒックを前記複数の割当経路に分割した複数の前記第1の光パスに収容し、前記要求トラヒックの転送レートを前記複数の割当経路の個数に分割する付記9に記載した光パス設定方法。
【0145】
(付記11)前記特定通信路は、経路数が前記複数の第1の光パスの個数よりも小さい光ノード装置に接続する通信路である付記1から6のいずれか一項に記載した光ネットワーク制御装置。
【0146】
(付記12)前記共有メトリック計算手段は、前記複数の光パスが共有する前記通信路の個数、共有する前記光パスの個数、および共有する前記光パスの種別毎の個数、の少なくとも一に基づいて、前記共有度を算出する付記2から6のいずれか一項に記載した光ネットワーク制御装置。
【0147】
(付記13)前記収容トラヒック分割手段は、前記複数の第1の光パスの周波数利用効率に基づいて、前記転送レートを分割する比率を決定する付記4に記載した光ネットワーク制御装置。
【0148】
(付記14)前記第2の光パスが、前記共有度が算出された前記複数の光パスに含まれていない場合、含まれる前記共有通信路の個数が最小となる代替経路に前記第1の光パスを割当てる付記9または10に記載した光パス設定方法。
【0149】
(付記15)前記複数の第1の光パスの波長スロットが共通に属する割当波長スロット領域を指定し、前記複数の第1の光パスの波長スロットを前記割当波長スロット領域に含まれるように決定する付記9、10、および14のいずれか一項に記載した光パス設定方法。
【0150】
(付記16)前記特定通信路は、経路数が前記複数の第1の光パスの個数よりも小さい光ノード装置に接続する通信路である付記8から10、14、および15のいずれか一項に記載した光パス設定方法。
【0151】
(付記17)前記複数の光パスが共有する前記通信路の個数、共有する前記光パスの個数、および共有する前記光パスの種別毎の個数、の少なくとも一に基づいて、前記共有度を算出する付記9、10、および14から16のいずれか一項に記載した光パス設定方法。
【0152】
(付記18)前記複数の第1の光パスの周波数利用効率に基づいて、前記転送レートを分割する比率を決定する付記10に記載した光パス設定方法。
【0153】
(付記19)コンピュータを複数の光パスの重複が許容される特定通信路を含む経路候補に、複数の第1の光パスを設定する光パス設定手段、および前記複数の第1の光パスが共有する共有通信路の個数が最小となる経路に、第2の光パスを予め選定する光パス選定手段、として機能させるためのプログラム。
【0154】
(付記20)前記光パス設定手段は、光ネットワークを構成する通信路のうち、光パスを割当てる通信路に含める割当経路候補を決定する経路候補制限手段と、前記割当経路候補を含めた前記経路候補に割当てる複数の光パスの共有度を算出する共有メトリック計算手段と、前記共有度に基づいて、要求トラヒックを収容する前記複数の第1の光パスの経路と波長スロットを決定する前記光パス割当手段、とを有し、前記光パス選定手段は、前記複数の第1の光パスが共有する共有通信路を抽出する通信路抽出手段と、含まれる前記共有通信路の個数が最小となる経路に前記第2の光パスを選定する第2パス選定手段、とを有する付記19に記載したプログラム。
【0155】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0156】
この出願は、2016年4月15日に出願された日本出願特願2016−081772を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。