(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966055
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】可動性インプラント生産ユニット
(51)【国際特許分類】
E04H 3/08 20060101AFI20211028BHJP
A61F 2/02 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
E04H3/08 C
A61F2/02
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-504668(P2018-504668)
(86)(22)【出願日】2016年7月18日
(65)【公表番号】特表2018-532054(P2018-532054A)
(43)【公表日】2018年11月1日
(86)【国際出願番号】EP2016067015
(87)【国際公開番号】WO2017021128
(87)【国際公開日】20170209
【審査請求日】2019年6月19日
(31)【優先権主張番号】102015112774.1
(32)【優先日】2015年8月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512242697
【氏名又は名称】カール ライビンガー メディツィンテクニック ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Karl Leibinger Medizintechnik GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ライビンガー,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,マイケル
【審査官】
伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−001768(JP,A)
【文献】
特開平04−333782(JP,A)
【文献】
特開2014−037743(JP,A)
【文献】
特開平05−269155(JP,A)
【文献】
特開2007−236817(JP,A)
【文献】
特開2002−070346(JP,A)
【文献】
特開昭62−275459(JP,A)
【文献】
米国特許第05727353(US,A)
【文献】
森田 康彦 ほか,インターネットを介したCT画像データからの Rapid Prototyping Model の作成,歯科放射線,2002年09月30日,第42巻,第3号,第214頁−第220頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 3/08
A61F 2/00 − 2/97
A61B 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者特有の、解剖学的に適合されたインプラントを設計および製作する為の医療コンテナユニット(1)であって、前記コンテナユニット(1)は、
複数のコンテナ副ユニット(4a、4b、4c、4d)を備え、各々の前記複数のコンテナ副ユニット(4a、4b、4c、4d)は、セクタ(2a、2b、2c、2d)を形成し、少なくとも2つの側面で自己支持形部分副構造体によって形成され、前記自己支持形部分副構造体には、複数の側壁(5)、天井部及び/又は底部(6)を形成するプレートセクションおよび/または自身を支持する梁部が配置され、
一つのセクタは、患者特有の、解剖学的に適合されたインプラントを設計するための作図ソフトウェアを含むコンピュータ(13)を備えるインプラント設計ユニットを含み、他のセクタは、患者特有の、解剖学的に適合されたインプラントを機械製作する為に適合されたインプラント機械製作ユニットを含む、コンテナユニット(1)。
【請求項2】
各コンテナ副ユニット(4a、4b、4c、4d)は、少なくとも一つの更なるコンテナ副ユニット(4a、4b、4c、4d)と再分離できるように接続されることを特徴とする、請求項1に記載のコンテナユニット(1)。
【請求項3】
前記自己支持形部分副構造体を含む自己支持形骨格構造体は、複数の相互接続された支持梁によって構成され、あるいは、更なる支持梁/複数の梁によって拡張されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンテナユニット(1)。
【請求項4】
前記自己支持形骨格構造体は、金属材料から作られることを特徴とする、請求項3に記載のコンテナユニット(1)。
【請求項5】
前記プレートセクションは、軽金属材料またはプラスチック材料から作られることを特徴とする、請求項3又は4に記載のコンテナユニット(1)。
【請求項6】
第1セクタ(2a)には、ラバトリー(8)、シャワー及び/又はトイレットボウル(9)を備えるサニタリーユニット(7)が備えられ、さらに/または、オフィス装備品(11)を備えるオフィスユニットが備えられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンテナユニット(1)。
【請求項7】
第2セクタ(2b)には、洗浄及び/又は包装ユニット(14)および/または消毒ユニットが備えられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコンテナユニット(1)。
【請求項8】
第3セクタ(2c)は、作業台(16)を備えるハンドクラフトユニット(15)が備えられ、さらに/または表面仕上げユニット(17)が備えられることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンテナユニット(1)。
【請求項9】
第4セクタ(2d)は、インプラントを機械製作する為の製作ユニット(18)が備えられ、前記製作ユニットは、付加的製作装置、焼固め製作装置、レーザ溶融装置、及び/又はミリング装置のような切断装置を備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンテナユニット(1)。
【請求項10】
前記コンテナ副ユニット(4a、4b、4c、4d)を互いに重ね合わせることができ、さらに/または互いに繋がれることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のコンテナユニット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の為のインプラントを設計及び/又は製作する為に、複数のセクタを有する医療コンテナユニット(すなわち、可動コンテナ装置)に関する。
【0002】
一般的技術状態から知られていることは、医療目的の為にコンテナを根本的に設けることである。たとえば、US 2011/0173898 A1は、この状態で、独立した医療ケアユニットを開示する。
【0003】
DE 20 2012 003 175 U1から知られた更なる技術状態において、モジュラー空間(たとえば、医療セクタの手術室)が骨格設計において構築可能であり、複数の支持プロファイルが天井骨格を形成する為に使用されることが知られている。
【0004】
従来技術から知られた医療コンテナにおいて欠点であることが分かったことは、それらが、それ自体、特定用途を追求し、そのセクタは、それぞれのコンテナの決まった要求のコンポーネントを構成することである。特に、前記コンテナは、コンテナの意図された機能を実現するために、それぞれの相互作用について、コンテナの完全に組み立てられた状態でのみ使用可能になる。そのため、コンテナの装着場所における、それぞれの空間的状況に対応すること、その場所の状態に個別に適合可能な全体的コンテナユニットを利用可能にすることは、これまで可能ではなかった。この理由から、装着場所で、それぞれの空間的状況に個別に適合されるコンテナが生産されなければならない。
【発明の概要】
【0005】
そのため、本発明は、従来技術から知られた前記欠点を排除し、応用領域において所望のそれぞれの空間的条件に個別に適合されることが意図された医療コンテナユニットを、特に安価が保たれることが意図される前記コンテナの製作と共に提供することを目的とする。
【0006】
本発明によると、これは、請求項1の特徴によって達成され、ここで、コンテナユニットには、複数のコンテナ副ユニットが備えられ、各コンテナ副ユニットは、(好ましくは患者特有の)インプラントを設計及び/又は製作する少なくとも一つの手段が設けられ、少なくとも二つの側面で自己支持形部分副構造体によって構成され/区切られる。このように、セクタの各々は、別個に/独立に自己支持形コンテナ(空間)副ユニットによって構成され/形成される。また、互いに独立して/互いに分離されて配置されるように適合されたコンテナ副ユニット形式で配置されるセクタが提供される。
【0007】
この配置は、異なる高さ、幅、長さの医療コンテナユニットが、コンテナ副ユニットの基本的寸法に応じて、構成されることを可能にする。このように、コンテナ/コンテナユニットは、特に汎用的な方法で設計可能である。
【0008】
患者を治療および治癒する為に、患者特有の、解剖学的に適合されたインプラントが可能な限り迅速に提供されるとき、患者の入院および手術の間の期間が最小限に抑えられる利点がある。さらに、手術技法の事前チェックの為に、インプラントの機種を外科医が迅速に利用できるという利点がある。全ての設計および/または製作ステップを運搬可能なコンテナユニットに一体化することによって、運搬時間が省略される。さらに、主治の外科医およびユニットを設計及び/又は製作を扱う技師の間の直接かつ即時の会話が可能である。
【0009】
更なる有利な実施形態は、従属形式請求項に規定されているが、以下、説明する。
【0010】
都合良く各コンテナ副ユニットが分離可能に少なくとも一つの更なるコンテナ副ユニットに接続されるとき、コンテナ/コンテナユニットは、装着状態で特に強力になるように設計され、同時に、外部ジオメトリの個別化された適応を迅速に実行することができる。
【0011】
各コンテナ副ユニットが、自己支持形骨格構造体を含むときには更に有用であるが、自己支持形骨格構造体には、複数の部分副構造体が存在し、そこには、複数の側壁を形成するプレートセクション、(好ましくはパネル形式の)天井部及び/又は底部及び/又は天井部を支持する梁が配置・固定されている。これが確実にすることは、各コンテナ副ユニット自体により/詳細には更に安定しており、その個々のセクタは、他のセクタと無関係に生産/装着可能である点である。これは、それぞれの運搬車にスペースをとらずに後で配置できる個々のセクタに分解することによって、コンテナ/コンテナユニット運搬の利点を与える。
【0012】
この概念で、金属材料、好ましくはスチール材料から骨格構造体が作られるとき、骨格構造体は、特にコンパクトになるように設計されてもよいが、それでも、必要な保持荷重を吸収するように適合される。好ましくは、骨格構造体は、複数の相互接続された支持梁によって構成され、あるいは、更なる支持梁/複数の梁によって拡張される。これは、コンテナ副ユニット自体が、特に等しく薄い壁になるように形成されることを可能にする。
【0013】
この状況において、プレートセクションが軽量金属材料、好ましくはアルミニウム材料、あるいは、特に好ましくはプラスチック材料から作られるとき、コンテナ/コンテナユニットの裏張り/壁も同様に、特に単純かつ安価になるように構成される。
【0014】
ラバトリー、シャワー及び/又はトイレットボウルを備えるサニタリーユニットがセクタの一つ/第1セクタ/コンテナ副ユニットの一つ/第1コンテナ副ユニットに備えられるとき、および/またはオフィス家具を含むオフィスユニットを備えるとき、更に好都合である。好ましくは、前記(第1)セクタは、
サニタリーユニット及びオフィスユニットの両方を含むように構成され、オフィスユニットは、(好ましくは再分離可能な)内壁によって互いに対して空間的に区切られている。これは、セクタの特に効率的な使用を可能にする。
【0015】
この状況において、作図ソフトウェア(すなわち、CADプログラム)を含むコンピュータを備える設計(インプラント)設計ユニットおよび/またはインプラントの為の洗浄及び/又は包装ユニットがセクタの一つ/第2セクタ/コンテナ副ユニットの一つ/第2コンテナ副ユニットに備えられるとき、同様に、更に好都合である。好ましくは、前記(第2)セクタは、設計ユニットおよび洗浄及び/又は包装ユニットの両方を備えるように構成され、包装ユニットは、(好ましくは分離可能な)内壁によって互いに対して空間的に区切られる。これも、第2セクタの特に効率的な使用を可能にする。
【0016】
作業台を備えるハンドクラフトユニット及び/又はインプラントの為の表面仕上げユニットがセクタの一つ/第3セクタ/コンテナ副ユニット/第3コンテナ副ユニットに備えられるとき、そのようなセクタは特に役立つように構成される。ハンドクラフトユニット及び表面仕上げユニットは、同様に、前記(第3)セクタに配置されるのが好ましく、更なる(好ましくは再分離可能な)内壁によって互いに分離される。
【0017】
付加的製作装置/機械、焼固め装置/機械、レーザ溶融装置/機械及び/又はミリング装置/機械のような切断装置/機械を備える、インプラントの機械製造の為の製作ユニットがセクタの一つ/第4セクタ/コンテナ副ユニットの一つ/第4コンテナ副ユニットに備えられるとき、さらに有用である。これも、第4セクタの、特に効率的な使用を可能にする。さらに、現場で/病院で、可能な限り迅速に、患者特有のインプラントが外科医に利用可能なるとき、コンテナの利点は更に向上される。
【0018】
コンテナ副ユニットが個々に、あるいは、更に好ましくは対に積まれるとき/互いに(再分離可能に)積み重ねられるとき、あるいは、一緒に(分離可能に)繋がれるとき、更に好都合である。しかしながら、特に好ましくは、コンテナ副ユニットは、それらが(再分離可能に)互いに隣りに接続され/繋がれ/水平に互いに積み重ねられ/垂直に/(再分離可能に)互いに接続されるように構成される。これは、特に汎用的コンテナ設計の実現を可能にする。
【0019】
さらに、各コンテナ副ユニットが、少なくとも一つの内壁、好ましくは複数の再分離可能な内壁を受けるように構成/準備されるとき、好都合である。
【0020】
また、本発明は、個別のステップを有するインプラントを設計および/または製作する方法に関し、これらの個別のステップは、たとえば、専ら病院内部と、前述された設計の一つに従って、それに所属するコンテナユニットで実行される。
【0021】
換言すると、本発明によると、インプラントを製作する為の製作装置を与え、使用場所で所定の空間的オプションに個別に適合可能な可動性インプラント生産コンテナユニットが実現される。前記コンテナ/コンテナユニットは、構造体として組み立てられる間に好ましくは車両に装着され、さらに/または、特定の場所に装着されるときに据え付けられる。そのため、長期供給および発送経路を有することなく、患者特有のインプラントが製造可能になり、可能な限り迅速に利用可能にできる。生産装置/コンテナユニットは、中心部(例えば都心)で、あるいは、他に病院内部で装着されてもよい。インプラントは、外科医に利用可能なソフトウェア設計ツールによるCTデータ(患者スキャン)に基づいて設計されており、ローカル生産装置に移送される。そこで、インプラントは機械製作され、外科医に渡される。
【0022】
したがって、医療コンテナを、オフィスコンテナ形式で固定されたコンテナとして、あるいは、作業会社の作業車上の構造体として、組み立てることができる。このように、患者特有のインプラントが、可能な限り迅速に外科医の為に利用可能にされる。インプラント生産は、可動ユニット/コンテナユニット内の限定された動作確認済み処理によって確保されるが、製作は可能な限り迅速に実行可能であり、特に世界的に配布された全ての現場で製造可能である。そのため、製作は据え付け型および可動型の両方であり、製作はモジュラー設計(各コンテナ/コンテナ副ユニットの為の一つの技術)から構成されるので、ニーズに合わせて観念的に縮小/拡大できるという点で利点がある。必要な技術によって、個別に必要なセクタ/コンテナ副ユニットを含む、対応するコンテナユニットが利用可能になる。そのため、コンテナユニットは、特に適切に拡大縮小可能である。
【0023】
コンテナユニットのコンテナ副ユニット/個々のセクションは、互いに対して拡大縮小可能であり、医師、エンジニア、技師のような異なる大集団の人々を含むニーズと、異なる頻繁な大規模製作一括処理とを考慮に入れるように絶対的に考慮されるときに拡大縮小可能である。
【0024】
病院の手術棟の直近で操作されるように寸法が決められ、構成されるコンテナユニットが提供される。都合の良いことに、それは、病院の手術棟の建物部分に直結されてもよい。
【0025】
以下、図面を参照して、本発明を詳細に説明するが、図面には、好ましい実施形態に従う本発明による医療コンテナユニットの概略的な上面図が示されるが、その図から、コンテナユニットのコンテナ副不ニット/個別セクタと、その例示的配置が明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面は、単に概略的であり、本発明の説明の為にのみ役立つ。
【
図1】
図1は、本発明に従う医療コンテナユニット1の有利な実施形態を例示する。
【0027】
医療コンテナユニット1は、この実施形態において、患者のインプラントの為に可動空間ユニットを設計および製作するのに役立つ。前記可動コンテナユニット1は、独立した単一コンテナ形式であり、運搬車によって運搬可能である。それは、病院内部の装着表面のような装着表面に装着可能である。他の構成において、コンテナユニット1は、同様に再び分離可能な車両構造として運搬車に接続される。コンテナユニット1は、作業車の構造を形成する。
【0028】
本発明に従う型式のコンテナユニット1は、コンテナ又は全体コンテナユニットとも呼ばれるが、複数の独立した、すなわち、個別の自己支持形コンテナ副ユニット4a、4bん、4c、4dを含み、これらは、部分副構造体を有する。各コンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dは、セクタ2a、2b、2c、2dを形成する。この構成において、2つを超えた、すなわち4つのセクタ2a、2b、2c、2dは、それぞれの副ユニット4a、4b、4c、4dによって形成され、副ユニット4a、4b、4c、4dは、それらの接続状態でコンテナユニット1を共同で形成する。しかしながら、更なる構成において、コンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dの4つを超えた、例えば、5つ又は6つの、あるいは、4つ未満、例えば2つ又は3つは相互接続され、本発明の基本概念から逸脱することなく、コンテナユニット1を形成する。
【0029】
この実施形態において、4つの独立したコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dは、連続して並置され、互いに、再び分離できるように固定/再び分離できるように接続される。コンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dは、本書で概略的に例示された、それらの4つの側壁5の骨格構造体に対して、それらの底部に対して、明確正の為に本書では詳細に示されていない天井部に対して、同一/同等の設計を有する。コンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dの各々は、コンテナユニット1を形成するように少なくとも一つの更なるコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dに固定することによって接続されるモジュール型式を形成する。各コンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dは、4つの側壁5及び天井部を本質的に支持/保持する為に支持構造体として骨格構造体を含むが、これらの骨格構造体は、少なくとも部分的に副構造体の一部を形成する。前記骨格構造体は、個別のコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dの支持構造体を形成するスチール梁形式で、複数の支持梁によって形成される。これは、一体化された骨格構造体の一部によって4つの側壁5及び天井部を収容/支持するのに役立ち、別個に自己支持であるようにコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dの各々を構成するのにも役立つ。その後、複数の板状セクション/プレートセクションは、周囲に対して、底部6及び天井部のセクタ2a、2b、2c、2dを区切り、4つの側壁5の形成を確保するように、骨格構造体に接続される。
【0030】
それぞれのセクタ2a、2b、2c、2dの底部6/それぞれのコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dの底部6が設けられ/平坦プレートセクションで形成されるが、本書では、コンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dの各々の基本寸法を定める単独の底部プレートとして構成されている。底部プレート/底部6は、この場合、矩形である。底部プレートは、塊状の金属材料から作られ、好ましくは、スチール材料から作られる。天井部も、そのようなプレートセクションによって形成されるが、あるいは、複数のプレートセクションによって形成されるが、複数のプレートセクションは、骨格構造体に接続される。各側壁5も、骨格構造体に裏張りをつける為に取り付けられた複数のプレートセクションによって、通常の方法で形成される。本質的に、各コンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dは、周囲に面する側面で/隣りのコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dから向きがそれるプレートセクションを用いて完全に裏張りがつけられるので、それぞれのセクタ2a、2b、2c、2dは、周囲に対して区切られる。そのため、プレートセクションは、全体として、コンテナユニット1を形成するコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dの接続状態で、周囲から分離された領域/空間を形成する。骨格構造体及びコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dのプレートセクションは、これらが再分離できるように/取り外せるように配置される。これは、個々のセクタ2a、2b、2c、2dが空間的に相互接続されることを可能にする。
【0031】
骨格構造体は、スチール材料/複数の相互接続された(それぞれが梁によって接続される)スチール支持体/梁から形成されるが、プレートセクションは、好ましくはアルミニウム材料、代替的に、プラスチック材料から作られる。
【0032】
さらに、個々のセクタ2a、2b、2c、2dの詳細な構造体は、
図1から明らかである。第1セクタ2a/第1コンテナ副ユニット4aは、第1部分空間19a内部に(第1手段3として)サニタリーユニット7を含む。前記サニタリーユニット7は、一種のバスルームを形成し、ラバトリー8および複数のトイレットボウル9の両方を含む。第1セクタ2aの第2部分空間20aは、同様に、取り外せる/再分離可能な内壁21を経て第1部分空間19aから空間的に分かれている。この構成において、第1セクタ2aの第2部分空間20aは、オフィスである。したがって、第2部分空間20aは、(第2手段として)オフィスユニット10を含み、オフィスユニット10は、オフィス家具11やキッチン家具22を備える。第1部分空間19aおよび第2部分空間20aの間の内壁21にはドアが配置され、このドアを通って、部分空間19aおよび部分空間20aの間で職員が変えてもよい。第2セクタ2bから向きがそれる側面に配置され、外壁を形成する第1コンテナ副ユニット4a/第1セクタ2aの側壁5は、同様に、外部ドア形式でドア23を含む。
【0033】
第2コンテナ副ユニット4bの縦方向の側面は、第1コンテナ副ユニット4aの縦方向の側面と同一平面上にある。第2コンテナ副ユニット4bによって形成された第2セクタ2bは、同様に、2つの部分空間19b、20bを含み、第1部分空間19bは、(第3手段として)洗浄及び包装ユニット14を有する。少なくとも一つの洗浄装置(たとえば、スプレークリーナ、圧縮空気クリーナ)が、仕上げられたインプラントを洗浄する為に存在し、前述の洗浄済みインプラントを包装する為の包装装置は、患者/外科医に更に運搬する為に存在する。単に、洗浄ユニットまたは包装ユニットの一方を前記第1部分空間19bに配置することも考えられる。第2セクタ2bの第2部分空間20bも同様に(第4手段として)デザインユニット12を含む。前記デザインユニット12は、同様に、電子コンピュータ13を含み、そのモニタ/画像表示装置だけが、明確性の為に示されている。インターネットのような外部データ通信を経てデータベース/更なるコンピュータに接続される前記コンピュータ13によって、患者/患者を扱う人体領域の前で検出された患者特有の3Dデータが送信/受信される。そのため、コンピュータ13は、受信ユニットを含み、これによって、それぞれの患者の3Dデータ設定を処理できる。また、コンピュータ13は、作図ソフトウェア、すなわち、CADプログラムを含み、これによって、インプラントが、患者の送信済み幾何学的3Dデータによって作成される。
【0034】
第2セクタ2bの2つの部分空間19b、20bは、取り外せる/再分離可能な内壁21によって互いに等間隔で分離されるが、内壁にドア23が挿入されてもよい。この構成において、第1セクタ2aの第2部分空間20aおよび第2セクタ2bの第2部分空間20bの間の側壁5にはプレートセクションが無いので、空間的に相互接続され、これは、部分空間20aへと部分空間20bから延びるデザインユニット12のデスク24から明らかである。
【0035】
第3コンテナ副ユニット4cは、同様に、第1コンテナ副ユニット4aから向きがそれる第2コンテナ副ユニット4bの縦方向の側面に対して、縦方向の側面で再分離可能であるように配置される。また、第3コンテナ副ユニット4cによって形成された第3セクタ2cは、分けられ、第1部分空間19cおよび第2部分空間20cを有する。第1部分空間19cは、同様に、(第5手段3として)表面仕上げユニット17を含み、これによって、以前に製造されたインプラントの表面が仕上げ加工可能である。第3セクタ2cの第1部分空間19cは、取り外せる/再分離可能な内壁21及びドア23によって、第2部分空間20cと区切られている。第2部分空間20cには、(第6手段3として)ハンドクラフトユニット15が配置され、これは、特に、以前に製造されたインプラントで可能な仕上げ処理を行う為の作業台を含む。第3セクタ2cの第1部分空間20cは、第2セクタ2bの第2部分空間20bと他のドア23を介して接続され、2つのコンテナ副ユニット4b、4cの隣接した側壁5は、前記ドア23の領域内に収容される。
【0036】
第1コンテナ副ユニット4a、第2コンテナ副ユニット4bから向きがそれた第3コンテナ副ユニット4cの縦方向の側面で、同様に、第4コンテナ副ユニット4dは、その縦方向の側面で配置され、第3コンテナ副ユニット4cに再分離可能に取り付けられている。前記第4コンテナ副ユニット4dによって形成された第4セクタ2dは、単一空間19dとして構成され、(第7手段3として)製作ユニット18を構成する、複数のインプラント製作装置を含む。本書では、製作ユニット18において、特に、3Dプリンタのような好ましくは付加的製作装置、更に好ましくは焼固め製作装置、更に好ましくはレーザ溶融装置、本質的に更に好ましくはミリング装置のような切断装置の配置が実現される。製作ユニット18によって、対応する製作装置、特に、医療/外科インプラントは、製作可能である。前記第4セクタ2d内部でインプラントを製作/生産した後、そのインプラントを、ハンドクラフトユニット15、表面仕上げユニット17,洗浄及び包装ユニット14に送ることができる。
【0037】
前記第4セクタ2a、2b、2c、2dを別にすれば、更なるコンテナ副ユニット4によって任意の数の更なるセクタが組み立てられるが、これらのコンテナ副ユニット4は、同様に、コンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dと再分離可能に接続可能であり、これは、
図1において、第4コンテナ副ユニット4dの側面に破線によって概略表示されている。
【0038】
各コンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dも、底部6/底部プレートによって予め定められる等しい表面積を有する。全てのセクタ2a、2b、2c、2dは、長方形/矩形の平坦表面領域/底部領域を有する。特に好ましくは、前記底部領域は、40%から60%、更に好ましくは、その長さの半分の幅、約3m×6mである。高さにおいて、コンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dの各々は、好ましくは4mより小さいので、普通に構成された病院部屋に装着可能である。一例として、前記コンテナ副ユニット4a、4b、4c、4d/セクタ2a、2b、2c、2dの各々の高さは、2.50〜3.50、特に好ましくは約3m/3mである。第1コンテナ副ユニット4c、第2コンテナ副ユニット4bまたは第3コンテナ副ユニット4cおよび第4コンテナ副ユニット4dのような、対で並置された2つのコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dを配置するとき、2つのコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dの組立品の、ほぼ矩形表面領域が生じる。
【0039】
このように、例えば、専ら病院、それに所属するコンテナユニット1の内部で行われる個々の設計および製作ステップを有する、患者/外科処置の為のインプラントを設計および製作する方法は、特に効率良く実現される。製作ステップは、コンテナ内部で専ら実現される。デザインは、コンテナの外側で部分的に或いは完全に行われてもよい。
【0040】
図1に従うコンテナユニット1を形成するように連続して配置されたコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dの配置に代えて、コンテナ副ユニットの対または全部を互いに重ね合わせることも可能である。そのため、個々のセクタ2a、2b、2c、2dは、互いに隣りに/水平に接続され/繋がれるばかりでなく、それらが互いに垂直にも重ね合わせられるように積まれ/接続されるように構成される。垂直において、2つのコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dの隣接した天井部および底部の積重ねは、階段部分によって接続される。第3コンテナ副ユニット4c及び第4コンテナ副ユニット4dのような2つのコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dを、第1コンテナ副ユニット4a、第2コンテナ副ユニット4bのような他のコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dに積むとき、全体として立方体状のコンテナユニット1が形成される。コンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dは、常に、それらの隣りのコンテナ副ユニット4a、4b、4c、4dと再分離可能に接続される。
【0042】
1…コンテナユニット
2a…第1セクタ
2b…第2セクタ
2c…第3セクタ
2d…第4セクタ
3…設計及び/又は製造手段
4a…第1コンテナ副ユニット
4b…第2コンテナ副ユニット
4c…第3コンテナ副ユニット
4d…第4コンテナ副ユニット
5…側壁
6…底部
7…サニタリーユニット
8…ラバトリー
9…トイレットボウル
10…オフィスユニット
11…オフィス家具
12…デザインユニット
13…コンピュータ
14…洗浄及び包装ユニット
15…ハンドクラフトユニット
16…作業台
17…表面仕上げユニット
18…製作ユニット
19a…第1セクタの第1部分空間
19b…第2セクタの第1部分空間
19c…第3セクタの第1部分空間
19d…第4セクタの第1部分空間
20a…第1セクタの第2部分空間
20b…第2セクタの第2部分空間
20c…第3セクタの第2部分空間
21…内壁
22…キッチン家具
23…ドア
24…デスク