(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
【0008】
遊技機には、スロットマシン、パチンコ機など様々な種類があるが、本発明をスロットマシンに適用した場合について、
図1〜
図14を参照しながら説明する。
【0009】
[スロットマシン本体]
図1〜3に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、回動可能に軸支された複数のリール41a,41b,41cが内蔵され、正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aとで構成され、内部には、マイクロコンピュータ等で構成された主制御部7、主制御部7からの指令により、表示器9a,スピーカ9b,ランプ9cなどの報知手段を制御する副制御部8、及び必要な機械,装置等が収納されている。
【0010】
前扉1aは、
図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉1aに遊技操作に係る複数の操作部が設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
【0011】
操作部として、例えば、円板形状の遊技媒体であるメダルが投入されるメダル投入口2と、機内にクレジットとして貯留されたメダルをゲームに投じるベットボタン2aと、各リール41a,41b,41cの回転を始動させるスタートレバー3と、回転している各リール41a,41b,41cを停止させる3つの停止ボタン5a,5b,5cなどが設けられている。
【0012】
さらに、前扉1aには、各リール41a,41b,41cに表示された図柄を視認可能とする表示窓2bが、各操作部の上側に設けられている。
また、前扉1a上部には、液晶TVなどの表示器9a,スピーカ9b,LEDなどのランプ9cが設けられている。
【0013】
筐体1bの中央には、リール41a,41b,41cと、各リール41a,41b,41cを回転させる図示しないモータ及び回転位置を検出するセンサ等を備えるドラムユニット4が設けられる。
また、筐体1bの下部には、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置6が設けられる。メダル払出装置6には、メダルを貯留する貯留部として機能するホッパー61が設けられ、メダル投入口2より投入されたメダルは、メダルセレクタ10により検出されるとともに、ホッパー61に誘導されるようになっている。
【0014】
[主制御部]
主制御部7は、メインCPU、メインROM、メインRAMなどが一体化された制御用チップの搭載された主基板、これを収容する基板ケース等から構成され、上記の各操作部からの信号やメダルセレクタ10からの信号に基づき、ドラムユニット4、メダル払出装置6などの各装置を制御することで、以下のようなスロットマシン遊技を進行させる。
【0015】
具体的には、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入されると、メダルがメダルセレクタ10により検出され、検出信号が主制御部7に入力される。また、ベットボタン2aが操作された場合は、その操作信号が主制御部7に入力される。主制御部7は、これらの信号の入力の有無からゲーム可能なメダル数を監視するとともに、スタートレバー3の操作を監視する。
ゲーム開始可能なメダル数となったときに、スタートレバー3が操作されると、主制御部7は、ドラムユニット4を駆動して、各リール41a,41b,41cを回転させる制御を行う。
【0016】
さらに、主制御部7は、スタートレバー3が操作されたときに、ボーナス遊技に移行する開始役であるボーナス役、小役、再遊技役などの複数の当選役(ハズレも含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール41の停止前に事前に決定する内部抽選を行い、各停止ボタン5a,5b,5cが押下操作されたタイミングに基づき、抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール41a,41b,41cの停止制御を行う。
【0017】
また、主制御部7は、各リール41a,41b,41cに停止表示される図柄の組合せを判定し、所定の図柄の組合せのときには、メダル払出装置6に対して所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口6aから払い出す。
【0018】
また、スロットマシン1では、上述したようなスロットマシン遊技において、主制御部7が所定の遊技タイミング(例えば、スタートレバー操作、停止ボタン操作、ボーナスゲーム開始、ボーナス役当選など)において所定の制御信号を副制御部8に出力することで、副制御部8が、この制御信号に従い、予め記憶した演出プログラムに基づき、表示器9a,スピーカ9b,ランプ9cなどの報知手段を制御して、所定の遊技演出を行うようになっている。
【0019】
主制御部7から副制御部8に出力される制御信号には、例えば、スタートレバー操作、停止ボタン操作、ボーナスゲーム開始などの遊技の進行を示す制御信号の他に、内部抽選の結果当選した抽選対象を示す当選対象信号(例えば、当選したボーナス役の種類[ビッグボーナス、レギュラーボーナス]、当選した小役の種類、再遊技役、ハズレなどを示す信号)などがある。
【0020】
[副制御部]
副制御部8は、主制御部7と同様にコンピュータとして構成され、表示器9a,スピーカ9b,ランプ9cなどを制御することで、所定の表示演出及び音響演出を行う。
副制御部8は、サブCPU、サブROM、サブRAMなどの演出用チップの搭載された副基板、これを収容する基板ケース等から構成され、サブCPUがサブROMに記憶されたプログラムを実行処理することで、表示器9aに所定の表示態様で表示演出を行わせるとともに、スピーカ9bから所定の音データを出力させ、さらに、ランプ9cの点灯制御を行う。
【0021】
副制御部8は、主制御部7からの制御信号に基づいて以下のように動作する。
例えば、主制御部7から内部抽選の結果当選した抽選対象を示す当選対象信号としてボーナス役の当選を示す制御信号を受信したときには、表示器9aを制御してボーナス当選に係る表示演出を行わせる。また、ボーナス遊技に移行後は、ランプ9cを所定のタイミングで点滅させるとともに、ファンファーレ音などの所定の効果音をスピーカ9bから出力させる。
【0022】
本実施形態のスロットマシン1は、このような通常のスロットマシンが有する構成に加え、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するメダルセレクタ10において、以下に示す特徴的な構成を備えている。
【0023】
[メダルセレクタ]
メダルセレクタ10は、
図4(a),(b)に示すように、本体10aと、本体10aに対して開閉可能に取り付けられるカバー部材10bとで構成され、全体視において略直方体形状を有している。
メダルセレクタ10の上部には、メダル投入口2と連通するメダル入口19aが設けられており、メダル投入口2から投入されたメダルは、このメダル入口19aからメダルセレクタ10内に取り込まれる。
また、メダルセレクタ10の右側面には、メダルセレクタ10内に取り込まれたメダルの出口となるメダル出口19bが設けられている。メダル出口19bは、メダルセレクタ10内において、メダル入口19aと連通しており、メダル入口19aから流入したメダルがメダルセレクタ10内を通ってメダル出口19bから流出する。また、メダル出口19bから流出したメダルは、所定の誘導路によって誘導されながらホッパー61に導かれる。
また、カバー部材10bは、軸21を支点に閉状態(
図4(a))と、開状態(
図4(b))とに相互に変位可能であり、閉状態では、本体10aとの間にメダル入口19aからメダル出口19bに亘ってメダルが通過可能な流路を形成し、開状態では、メダルセレクタ10内に詰まったメダルを下方(
図6(a)のY方向)から排出するための開口を形成する。
【0024】
ここで、メダルセレクタ10内におけるメダルの通過ルートについて、
図5、6を参照しながら説明する。
メダル入口19aから流入したメダルは、流路111、流路112、ブロッカー13、流路113をこの順に通ってメダル出口19bに辿り着くようになっている。
流路111はメダルがほぼ鉛直方向に沿って流下するルートとして形成され、流路112,113及びブロッカー13はメダルが斜面に沿って流下するルートとして形成されている。
ブロッカー13は、流路112と流路113との間に架け渡される橋として機能し、ここを通過するメダルを下方から支持する。
【0025】
ところが、このブロッカー13は、本体10aの背面に備えるソレノイド12により制御され(
図4(c)参照)、メダルの下部周縁面を下支え可能に流路から突出する形態と、メダルの下部周縁面を下支え不能に流路内に後退する形態とにそれぞれ変位可能に構成されている。
図5及び
図6(b)は、メダルの下部周縁面を下支え可能に流路から突出したときのブロッカー13の形態を示し、
図6(a)は、メダルの下部周縁面を下支え不能に流路内に後退したときのブロッカー13の形態を示している。
このような形態の変位により、
図5及び
図6(b)に示す状態では、ブロッカー13が流路112と流路113との間に架け渡される橋として機能することにより、メダル入口19aから流入したメダルはメダル出口19bに辿り着くことができ、
図6(a)に示す状態では、メダルはブロッカー13による下支えがなくなり、すなわち、傾斜面(転動面)が消失した状態となることから、Y方向へ向けて落下し、メダルセレクタ10から外部に放出される。この放出されたメダルは、メダル払出口6aから機外に排出される。
なお、以下の説明において、メダルの下部周縁面を下支え可能に流路から突出したブロッカー13の形態をメダルの通過を許容する「許容形態」、メダルの下部周縁面を下支え不能に流路内に後退したブロッカー13の形態をメダルの通過を禁止する「禁止形態」という。
【0026】
このようなメダルの通過ルート上において、メダル入口19aから流入したメダルを検出するための検出手段や、メダルの真偽をその大きさの違いに基づいて選別する選別手段などが設けられている。
検出手段としては、上流側及び下流側それぞれに設けられた踏み板スイッチ14,15と、光学センサ16と、レバースイッチ17とが設けられている。
踏み板スイッチ14,15及びレバースイッチ17は、メダルがこれらに直接接触することにより、メダルの通過を検出する接触タイプの検出手段であり、光学センサ16(フォトインタラプタ)は、例えば、通光状態から遮光状態への変化により、メダルの通過を検出する非接触タイプの検出手段である。
これらの検出手段は、例えば、踏み板スイッチ14、踏み板スイッチ15、光学センサ16、レバースイッチ17の順に、メダルの通過が検出されたときに、主制御部7により一のメダルの投入と判定され、この順番に従わずに、メダルの通過が検出されたときには、メダルの投入とは判定されずに、異常と判定されるようになっている。
【0027】
選別手段としては、ブロッカー13、ガイドプレート20、及び凹部20aが設けられている。
ガイドプレート20は、許容形態にあるブロッカー13により下支えされた状態にあるメダルの上部周縁側面を支持可能に構成されている。ただし、支持可能なメダルは、
図6(b)に示す径d1よりも大きい径のメダルであり、これより径が小さく規定の大きさに満たないメダルは支持されないことになる。
また、ガイドプレート20の下部には、窪みとして形成された凹部20aが設けられている。さらに、カバー部材10bにおいて、この凹部20aに対向する面に、凹部20a側にメダルを付勢する付勢部材(踏み板)が設けられている(不図示)。
このような構成により、ガイドプレート20によって支持されないメダルは、本体10a側、すなわち、凹部20aに向けて傾倒することになり、これによりブロッカー13による下支えも失うことになり、Y方向へ向けて落下し、ブロッカー13よりも下流側に位置する踏み板スイッチ15などの検出手段に至るまでに、メダルセレクタ10から外部に放出される。
このように、選別手段により、径d1よりも小さい径のメダルがメダルセレクタ10から排出され、径d1よりも大きな径のメダルのみが通過ルートを通過することができる。ただし、径d1よりも大きな径のメダルにも上限があり、メダル投入口2の開口幅よりも径の大きなメダルは、メダル投入口2に投入することができない。
【0028】
さらに、メダルの通過ルート上には、検出手段及び選別手段に加えて、以下のような特徴的な構成を備えている。
【0029】
[段差]
選別手段の上流側には、流路112を通過するメダルを自由落下させるための段差d2を備えている。
段差d2は、
図6(b),(c)に示すように、流路112の下流側端部112aと、許容形態にあるブロッカー13との間に形成されるもので、例えば、距離にして約1mm設けられている。
メダルの円滑な流下を望むのであれば、段差は無い方が好ましいが、以下の理由からあえて設けてある。
【0030】
段差が無い状態であれば、ガイドプレート20付近を流下するメダルは、そのメダル下部周縁面が流路112と許容形態にあるブロッカー13とにそれぞれ接触しながら流下することになる。
このメダルは、前述した図示しない付勢部材によって凹部20a側に付勢されつつも、メダル下部周縁面がブロッカー13に下支えされた状態にあることから、比較的に安定した姿勢で流下することになる。
このようなメダルは、凹部20a側に傾倒するまでバランスを崩す前に、流路113まで辿り着くことになり、そうすると、径d1よりも径が小さいにもかかわらず、選別手段により選別されないメダルが出現するという不都合が生じることになる。
このような不都合が生じないように、付勢部材によって凹部20a側に付勢することに加え、流下中のメダルの姿勢をさらに不安定にさせ、メダルの姿勢を崩す必要がある。
そこで、本実施形態では、選別手段の上流側に段差d2を設けることとした。このような段差d2により、流下中のメダルが流路112の下流側端部112aから許容形態にあるブロッカー13に自由落下することになる。
この自由落下中、すなわち、宙に浮いている状態では、メダルはそのメダル下部周縁面がブロッカー13により下支えされない状態にあることから、重力以外では付勢部材による凹部20a側への付勢力だけがメダルに作用することになり、凹部20a側へのメダルの倒れ込みを強制的に発生させることができる。
これにより、選別手段によるメダルを選別する機能が効果的に発揮され、規定の大きさ(径d1)に満たないメダルがメダルセレクタ10から排除されることになる。
【0031】
また、このような自由落下により、ブロッカー13に着地したメダルは、その衝撃によりバウンドして姿勢を崩すことになる。
これによっても、メダルを選別する機能が効果的に発揮され、規定の大きさ(径d1)に満たないメダルがメダルセレクタ10から排除されることになる。
【0032】
[S字流路]
段差d2の上流側に位置する流路111には、
図6に示すように、流路を狭めるように流路側に突出する突出部111aと、これより下流側において流路を広げるように後退した逃がし部111bとが設けられている。このような突出部111aと、これより下流側に位置する逃がし部111bとの組合せにより、流路111を流下するメダルは略S字を描く軌跡に沿って流下することになる。
これにより、段差d2に至るまでにおいて、流路111を流下するメダルの勢いを減退させることができ、メダルの姿勢の安定性がさらに損なわれることから、選別手段の機能が発揮されやすくなる。
【0033】
[ストッパー]
ブロッカー13と流路113との間に、ストッパー18が設けられている。
このストッパー18は、流路111,112及び許容形態にあるブロッカー13を通過するメダルのホッパー61への流下を阻止可能な阻止手段として動作する。
具体的には、ストッパー18は、
図7,8に示すように、メダルのホッパー61への流下を許容可能な許容形態(
図7(a),
図8(a))と、メダルのホッパー61への流下を阻止可能な阻止形態(
図7(b),
図8(b))と、に変位可能である。
【0034】
このようなストッパー18の変位は、ブロッカー13の動作と連動しており、ブロッカー13が許容形態、すなわち、ブロッカー13がメダルの下部周縁面を下支え可能に流路から突出した形態のときには、
図7(a),
図8(a)に示すように、ストッパー18はメダルのホッパー61への流下を許容可能な許容形態に変位し、ブロッカー13が禁止形態、すなわち、ブロッカー13がメダルの下部周縁面を下支え不能に流路内に後退した形態のときには、
図7(b),
図8(b)に示すように、ストッパー18はメダルのホッパー61への流下を阻止可能な阻止形態に変位する。
【0035】
このようなストッパー18は、許容形態であれば、ブロッカー13も許容形態であることから、メダル入口19aから流入したメダルは、流路111、流路112、ブロッカー13、ストッパー18、流路113をこの順に通ってメダル出口19bに辿り着くことができる。
また、このときには、踏み板スイッチ14、踏み板スイッチ15、光学センサ16、レバースイッチ17の順に、メダルの通過が順次検出されることになる。
一方、ストッパー18が阻止形態であれば、ブロッカー13は禁止形態であることから、メダル入口19aから流入したメダルは、ブロッカー13を通過することができず、Y方向に向けて落下し、ストッパー18に至るまでにメダルセレクタ10から外部に放出される。このときには、Y方向に向けて落下したメダルは、少なくともレバースイッチ17に到達することはできないことから、メダルの投入は判定されないことになる。
【0036】
ところが、ブロッカー13が許容形態から禁止形態に変位する途中において、ブロッカー13上にメダルが存在する場合があり、このようなメダルは、ブロッカー13による下支えがなくなっても流下中の慣性により、そのまま流路113に向けて移動しようとする。
このようなタイミングは、メダル投入口2からメダルを連続投入したときに発生する。
【0037】
例えば、クレジットメダルの上限はメダル50枚であることから、50枚目と51枚目を連続して投入し、50枚目のメダルの通過が例えばレバースイッチ17により検出されたときに(
図14(b)参照)、ブロッカー13は許容形態から禁止形態に変位するよう制御されるが、このタイミングにおいて、51枚目のメダルがブロッカー13上に存在することもある。
このように、ブロッカー13が許容形態から禁止形態に変位する途中において、ブロッカー13上にメダルが存在する場合があり、このようなメダルは、ブロッカー13による下支えがなくなっても流下中の慣性により、そのまま流路113に向けて移動しようとする。
【0038】
さらに、ブロッカー13が許容形態から禁止形態に変位する途中では、主制御部7は、ブロッカー13が既に禁止形態に変位しているものと判定し、踏み板スイッチ15、光学センサ16、レバースイッチ17によるメダルの検出を無視する制御を行う。
そうすると、上記の51枚目のメダルは、メダルの投入を判定されることなく、メダル出口19bに辿り着き、ホッパー61に貯留されることになり、その結果、遊技者が損失を被ることになる。
【0039】
このような事象の発生を避けるために、ブロッカー13の下流側であって、レバースイッチ17の上流側に、ストッパー18を設けてある。
ストッパー18をこの位置に設けることにより、ブロッカー13が許容形態から禁止形態に変位する途中において、ブロッカー13上に存在するメダルは、そのまま流路113に向けて移動しようとするものの、その移動中にストッパー18が阻止形態に変位することにより、流路113への移動が阻まれ、メダル出口19bに到達することができなくなる。その結果、メダルは、Y方向へ向けて落下し、少なくともレバースイッチ17に至るまでに、メダルセレクタ10から外部に放出され、メダル払出口6bから遊技者に返却されることから、遊技者が損失を被ることもなくなる。
【0040】
このようにストッパー18を設けることにより、ブロッカー13が許容形態から禁止形態に変位する途中において(例えば、レバースイッチ17が50枚目のメダルを検出後変位)、ブロッカー13上に存在するメダル(51枚目のメダル)をメダルセレクタ10から外部に放出することができる。しかしながら、流下速度の遅い一部のメダル(50枚目のメダル)がストッパー18を通り抜けきれないことがある(
図14(b)参照)。
このようなタイミングにおいて、ストッパー18は、
図8(a)に示す許容形態から
図8(b)に示す阻止形態に変位する途中であり、流路幅を狭めつつ許容形態から阻止形態に変位することから、そのときに、
図9に示すように、ストッパー18がメダルM(50枚目のメダル)を踏み板15との間で挟み込んでしまうことがある。
このような挟み込みが生じると、メダルMがその場で停止し、「メダル詰まり」が発生することになり、スロットマシン遊技の進行が妨げられるおそれがある。
そこで、このような挟み込みが生じても、メダルMがその流下中の慣性や自重によって挟み込みから解放されるように、以下に示す特徴的な構成を備えている。
【0041】
ストッパー18において、挟み込んだメダルに対向する対向面181がメダルに当接する部分になるが、この対向面181の形状に特徴を有している。
図9(b)は、対向面181の形状を改良する前のストッパー18を示しており、このストッパー18では、対向面181の上端部181aがメダルに当接する部分となっている。
一方、
図9(a)は、対向面181の形状を改良した後のストッパー18を示しており、このストッパー18では、対向面181の下端部181bがメダルに当接する部分となっている。
つまり、ストッパー18は、改良前と改良後では、メダル内における当接する位置が異なっており、改良前ではメダルの中心寄りに当接する形状となっているものの、改良後ではメダルの周縁部に当接するような形状に改良されている。
このような改良を行ったのは、以下に説明するように、ストッパー18に挟まれつつも流下しようとするメダルの慣性を完全に制止させることなく、惰性や自重によってメダルを流下させ、少なくともストッパー18の挟み込みによる「メダル詰まり」を発生させないようにするためである。
【0042】
これは、ストッパー18がメダルを挟み込む力を、メダルを制止させるための制動力とすると、この制動力が同じであれば、メダルの中心部に作用させるよりも、メダルの周縁部に作用させる方が、制動力としての作用効果が低いからである。
つまり、制動力の作用点をメダルの重心付近に設定すると、その力がメダル全体に作用することになり、メダルを制止させる力として効果的に作用することになるが、メダルの周縁部を作用点として設定した場合には、その力がメダル全体に作用しないことから、重心に作用させるよりも、制動力としての効果が薄れるからである。
すなわち、ストッパー18によるメダルの挟み込みは、ブロッカー13が許容形態から禁止形態に変位する途中であって、流下速度の遅い一部のメダルがあるときなどのごく稀に発生する事象であることから、改良後のストッパー18では、阻止手段としての本来の機能を低下させることなく、メダルに必要最小限の制動力を作用させ、この挟み込みを「メダル詰まり」に発展させないようにしたのである。
【0043】
さらに、ストッパー18による挟み込みを防止するために、上述したように、対向面181の形状を改良するだけでなく、メダルの流下する傾斜面(転動面)において以下の特徴を有している。
図8(c)は、許容形態にあるストッパー18のA−A断面図であるが、これを見て分かるように、許容形態にあるブロッカー13(第1流路)と流路113との間において、流路の傾斜(勾配)が変わっている。
特に、ストッパー18の頂面180は、メダルの転動面、すなわち、メダルが通過する遊技媒体(メダル)通過部(第2流路の一部)として機能するが、この頂面180において上流側端部180aを基点として、転動面の傾斜が角度α分、急勾配(急傾斜)となっている。
さらに、ストッパー18の下流側であって、ストッパー18とレバースイッチ17との間にある固定部材24の頂面240も、メダルの転動面、すなわち、メダルが通過する遊技媒体(メダル)通過部として機能するが、この頂面240も頂面180の延長線上に位置し、頂面180と同様な勾配を有している(
図10(a),(b)参照)。
つまり、許容形態にあるブロッカー13よりも、頂面180と頂面240とで構成される転動面の方が急勾配となっている。すなわち、ブロッカー13(第1流路)よりも頂面180及び頂面240(第2流路)の方が急勾配となっているとともに、ストッパー18は勾配のきつい側の流路(第2流路)に対応して設けられるとともに、勾配の変化点に位置している。
【0044】
このような構成により、勾配の変化点からメダルの加速度が増し、通過メダルに勢いがつくことから、ストッパー18がメダルを挟み込み難くなり、挟み込みを効果的に防止することができる。
また、仮にストッパー18に挟み込まれたとしても、ストッパー18の頂面180が勾配の変化点上に位置することになるから、挟み込まれたメダルは座りが悪く安定性を欠くことになり、挟み込み状態からの解放が促進されることになる。
なお、本実施形態では、ストッパー18を勾配の変化点に配置したが、ストッパー18を変化点よりも下流側の流路(第2流路)に設けてもよい。これにより、ストッパー18を通過する時点では、通過メダルの加速度が増し、通過メダルに勢いがつくことから、挟み込みを防止することができる。
なお、挟み込みの防止は、上述の対向面181の形状の改良や勾配の変化に加え、ストッパー18を阻止形態側に付勢させるためのバネの定数を小さくするなどの調整を行うことが好ましい。
【0045】
[レバースイッチ]
踏み板スイッチ14、踏み板スイッチ15、光学センサ16、レバースイッチ17のうち最下流側に設けられている検出手段が、レバースイッチ17である。
このレバースイッチ17は、
図10に示すような形態に変位する。
図10(a)は、無負荷状態におけるレバースイッチ17の形態を示し、このときには流路113から上方に突出してメダルの通過を遮るような形態となる。
図10(b)は、
図10(c)に示すように、メダルMの周縁面によって押し下げられ、そのメダルMの重みを受けているときの形態を示し、このときには流路113から下方に退出してメダルの通過を許容するような形態となる。
そして、
図10(a)に示す形態から
図10(b)に示す形態へのレバースイッチ17の変位によりメダルの通過が検出されることになる。ここで、レバースイッチ17によるメダルの通過検出の仕組みについて説明する。
【0046】
図11は、レバースイッチ17の斜視図、
図12はレバースイッチ17と検出手段との位置関係を示す斜視図である。
レバースイッチ17は、回動部材の一例であり、回転軸22により軸支される軸受け170と、通過メダルに当接して通過メダルにより押し下げられる当接部171と、レバースイッチ17の回動に応じて変位し、光センサ23によりその変位が検出される被検出部172とを備えている。
図11は、無負荷状態にあるレバースイッチ17を示し、当接部171が通過メダルにより押し下げられることにより、A方向に回動する。また、レバースイッチ17は、特に図示しないが、バネなどの付勢手段により付勢され、通過メダルによる重みから解放されると、無負荷状態の姿勢に復元する。
【0047】
光センサ23は、発光部とこの発光部からの光を受光する受光部とを有するフォトインタラプタであり、被検出部172によって発光部からの光が遮断されたときには、レバースイッチ17が無負荷状態にあることを検出し(
図12(a))、受光部が発光部からの光を検出可能な位置に被検出部172が変位したときには、当接部171が通過メダルによりA方向に押し下げられたことを検出する(
図12(b))。
つまり、光センサ23は、遮光から通光への変化からメダルの通過を検出する。
【0048】
このような構成により通過メダルを検出するレバースイッチ17は、その構成上の特性から以下のような弊害があった。
具体的には、メダルセレクタ10に対して直接又は間接的に外部から衝撃や振動を与えると、レバースイッチ17がA方向に変位し、実際にはメダルが通過していないにもかかわらず、メダルの通過を検出するという誤作動が発生することがあった。
このような衝撃や振動を与える行為の一例としては、例えば、遊技者がスロットマシン1を叩き、衝撃を加える行為や、不正行為者が前扉1aと筐体1bとの隙間から異物を侵入させてメダルセレクタ10を直接振動させる行為などがある。
このような誤作動の対策として、レバースイッチ17を無負荷状態に付勢するためのバネの定数を変えることにより改善が見込まれるものの、バネ定数をあまり大きくすると、無負荷状態のレバースイッチ17はメダルの通過を遮るような形態となることから、メダル詰まりなどの新たな弊害が生じるおそれがあった。
そこで、外部から衝撃や振動が与えられても、レバースイッチ17がA方向に回動しないように、以下に示す特徴的な構成を備えている。
【0049】
レバースイッチ17は、無負荷状態の形態から、通過メダルの重みを受けて押し下げられる形態へと変位、すなわち、A方向に変位することから、いわゆるシーソーのような動作を行う。
そこで、無負荷状態の形態において慣性モーメントを増大させるように、レバースイッチ17の重心の位置を調節する改良を行った。
【0050】
図11(b)は、改良前のレバースイッチ17を示しており、
図11(a)は、改良後のレバースイッチ17を示している。
これらを比較すると、改良後のレバースイッチ17では、改良前は存在しない、重り付加部173を備えていることが分かる。
この重り付加部173は、抑制手段の一例として動作し、レバースイッチ17の重力方向に沿った最下端部であって、当接部171との重量バランスを保つように、軸受け170を挟んで当接部171の反対側に設けられている。
つまり、改良後のレバースイッチ17では、レバースイッチ17の重心の位置を、改良前よりも、軸受け170側に寄せるとともに、重力の作用方向に沿った軸受け170の下方側に寄せている。
【0051】
このような改良を行ったのは、レバースイッチ17は鉛直方向に沿って回動するといういわゆる振り子と同様な動作を行うため、重心が軸受け170から鉛直方向に沿ってより下方に位置する方が、無負荷状態の慣性モーメントが増大し、外部から衝撃を受けても回動し難くなり、静止状態を保とうとするからである。
これにより、外部から衝撃や振動を受けて、レバースイッチ17がA方向に変位することがなくなり、実際にはメダルが通過していない(当接部171が非当接状態)にもかかわらず、メダルの通過を検出するという誤作動が防止される。
【0052】
また、外部から衝撃が与えられてもレバースイッチ17がA方向に回動しないように、重心の位置を調節するだけでなく、これに代えて又はこれに加えて、衝撃によるレバースイッチ17の押し下げを規制する規制部を設けることが好ましい。
【0053】
図13は、レバースイッチ17周辺を示す図であるが、これを見て分かるように、レバースイッチ17の右側方に位置する流路113側の壁部に凸部113aが設けられている。
この凸部113aは、抑制手段の一例である規制部として動作し、レバースイッチ17のA方向への回動を邪魔するように、流路113側の壁部からレバースイッチ17に向けて突出(凸設されている)している。
本実施形態のメダルセレクタ10の場合、外部から衝撃を受けると、レバースイッチ17が
図13(b)中に示すX方向に移動する傾向があることから、X方向側に位置する流路113側の壁部に凸部113aを設けることとした。
【0054】
このような凸部113aを設けることにより、メダルセレクタ10が外部から衝撃を受けて、レバースイッチ17がA方向に回動しようとしても、この衝撃によりX方向にも移動することから、凸部113aによりA方向への回動が規制されることになる。
これにより、外部から衝撃や振動を受けて、レバースイッチ17がA方向に変位することがなくなり、実際にはメダルが通過していない(当接部171が非当接状態)にもかかわらず、メダルの通過を検出するという誤作動が防止されることになる。
また、メダル投入口2から流路113に向けて針金などの異物を侵入させる不正行為が行われたときでも、このような異物によってレバースイッチ17はX方向に押し込まれることから、さらに異物によってレバースイッチ17をA方向に回動させようとしても、凸部113aによりA方向への回動が規制されることになる。
【0055】
なお、実際のメダルの通過による押し下げ、つまり、
図14(a)に示す無負荷状態から
図14(b)の押し下げ状態への変位では、レバースイッチ17のX方向側への移動は最小限に抑えられ、A方向への回動が凸部113aによって規制されることはない。
また、本実施形態のメダルセレクタ10の場合、外部から衝撃を受けると、レバースイッチ17がX方向に移動する傾向があることから、レバースイッチ17の右側方に位置する流路113側の壁部に凸部113aを設けたが、レバースイッチ17がX方向とは反対の方向に移動する傾向があるときには、レバースイッチ17の左側方に位置するブロッカー13側の壁部に凸部113aを設けることが好ましい。
【0056】
以上のように、本発明の一実施形態に係るスロットマシン1によれば、以下のような効果を発揮する。
例えば、ブロッカー13と、これよりも勾配が急な流路(頂面180及び240)とが設けられるとともに、ストッパー18が流路(頂面180及び240)に設けられていることから、流路(頂面180及び240)から通過メダルの加速度が増し、勢いがつくので、ストッパー18によるメダルの挟み込みが防止される。
また、ストッパー18をブロッカー13と流路(頂面180及び240)の境界に設けることにより、ストッパー18上に位置するメダルの安定性を損なわせることができるので、ストッパー18によるメダルの挟み込みが抑制される。
【0057】
また、メダルセレクタ10に対して直接又は間接的に外部から衝撃や振動が与えられたとしても、レバースイッチ17の慣性モーメントにより回動が阻害されることから、実際にはメダルが通過していないにもかかわらず、メダルの通過を検出するという誤作動が防止される。
また、衝撃や振動、異物の侵入等によるレバースイッチ17の挙動に対応させた位置に回動を規制する規制部を設けることにより、効果的に誤作動が防止される。
【0058】
一方、例えば、特許文献1に記載の遊技機でも、クレジットの上限となる50枚目よりも後に流下するメダルを飲み込まないようにするためのストッパーを備えるものの、センサの構成等によって、50枚目のメダルの検出後、当該メダルが流路を通過し終わるのを待ってストッパーを阻止形態に変位させると、51枚目のメダルに対するストッパーによる流下阻止が間に合わず、当該51枚目のメダルも飲み込まれてしまうおそれがあった。そこで50枚目のメダル検知後すぐにストッパーを阻止形態に変位させ始めることが考えられるが、そうするとストッパーと50枚目のメダルが接触し、当該50枚目のメダルの流下を阻害し、メダル詰まりが発生する可能性があった。
【0059】
また、例えば、特許文献2に記載の遊技機には、本実施形態のレバースイッチ17のように、メダルによって押し下げられてメダルの通過を検出するメダル収納検知レバーが開示されている。このようなメダル収納検知レバーは、メダル検出時にメダルが滞留しないように押圧抵抗を少なくすることが望ましい。しかしながら、押圧抵抗を少なくしようとすると、遊技者が遊技機を叩いた衝撃や振動等がメダル収納検知レバーに伝わり易くなり、メダル収納検知レバーを構成する回動部材が回動し、誤作動してしまうおそれがあった。
【0060】
本実施形態のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0061】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0062】
例えば、本実施形態のストッパー18は、許容形態から阻止形態に変位するときに、カバー部材10b側から踏み板スイッチ15側に向けて倒れ込むように変位したが、これとは逆に、踏み板スイッチ15側からカバー部材10b側に向けて倒れ込むように変位するように、ストッパー18の構成を変えることもできる。
【0063】
また、本実施形態では、
図9(a)に示すように、ストッパー18において対向面181の下端部181bがメダルの周縁部に当接することとしたが、さらに、当接位置をメダルの下方にずらし、メダルの縁や角に当接するように調節することもできる。
また、ストッパー18の許容形態から阻止形態への変位制御を実行するにあたり、制御プログラム上、50枚目のメダルの通過が検出された、次のステップの割り込み処理内で変位制御を実行することにより、処理間における空き時間を極力なくすことが好ましい。
また、本実施形態では、スロットマシンに適用したがパチンコ機に適用することもでき、メダルを遊技媒体としたが遊技球を遊技媒体としてもよい。