(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966064
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】糊付け用保持具、糊付け装置、糊付け方法
(51)【国際特許分類】
B65D 19/34 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
B65D19/34
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-49205(P2017-49205)
(22)【出願日】2017年3月14日
(65)【公開番号】特開2018-150070(P2018-150070A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2020年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】597047163
【氏名又は名称】日本モウルド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087778
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 明夫
(72)【発明者】
【氏名】清水 幸浩
(72)【発明者】
【氏名】長尾 周作
【審査官】
種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−025979(JP,U)
【文献】
特開2013−233935(JP,A)
【文献】
特開平09−254950(JP,A)
【文献】
特開2016−210504(JP,A)
【文献】
特開平10−119151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形型面を転写して容器形状を成すパルプモールド製のパレット用桁部材の上端面全域に糊剤を塗布した後、パレット用天板又はパレット用底板を押圧して糊付けする方法であって、
前記成形型面と相似形を成す支持型面を有する容器形状の保持具に前記パレット用桁部材を収容することにより、該パレット用桁部材を前記支持型面により動かないように保持し、
糊剤を塗布して前記支持型から突出している前記パレット用桁部材の上端面全域に、前記パレット用天板又は前記パレット用底板を押圧して糊付けする、
ことを特徴とする糊付け方法。
【請求項2】
請求項1に於いて、
前記上端面全域は、前記パレット用桁部材の容器開口の縁から外方へ張り出された縁部である、
ことを特徴とする糊付け方法。
【請求項3】
パルプモールド製のパレット用桁部材を転写成形するための成形型面と相似形の支持型面を有するとともに容器形状を成し、該容器形状の部分に収容される前記パレット用桁部材を保持して糊付け工程に供するための保持具であって、
収容された前記パレット用桁部材を前記支持型面により動かないように保持し、且つ、当該パレット用桁部材の上端面全域を前記容器形状の部分から突出させることにより、糊剤を塗布した前記上端面全域にパレット用天板又はパレット用底板を押圧可能である、
ことを特徴とする糊付け用保持具。
【請求項4】
請求項3に於いて、
前記上端面全域は、前記パレット用桁部材の容器開口の縁から外方へ張り出された縁部である、
ことを特徴とする糊付け用保持具。
【請求項5】
成形型面の転写により形成され本体と蓋体及び両者を一縁部にて連設するヒンジ部を有するパルプモールド製の鶏卵容器を、保持具により保持して、前記蓋体の外面にラベルを糊付けする方法であって、
前記保持具は前記成形型面と相似形の支持型面を有し、
前記保持具の支持型面に前記鶏卵容器全体を嵌めることにより密接させて該鶏卵容器全体を動かないように保持した後、該鶏卵容器の蓋体の外面に前記ラベルを押圧して糊付けする、
ことを特徴とする糊付け方法。
【請求項6】
成形型面と相似形の支持型面を有し、前記成形型面を転写して成るパルプモールド製の鶏卵容器を保持して糊付け工程に供するための保持具であって、
前記鶏卵容器は、本体と蓋体及び両者を一縁部にて連設するヒンジ部を有し、
前記支持型面に嵌めて密接させて鶏卵容器全体を動かないように保持した後に、該鶏卵容器の蓋体の外面にラベルを押圧可能である、
ことを特徴とする糊付け用保持具。
【請求項7】
目的とする荷役用パレットの各パレット用桁部材の固着位置で決まる各所定部位に、請求項3又は請求項4の糊付け用保持具を保持する保持ベースと、
前記保持ベースが設定される所定の糊付け位置の上方に昇降可能に設けられ、目的とする荷役用パレットのパレット用天板又はパレット用底板を保持する保持プレートと、
を有し、
前記保持プレートを下降させて、前記糊付け位置に設定されている前記保持ベースに近接させることにより、前記保持プレートの下面側に保持されたパレット用天板又はパレット用底板を、前記保持ベースに保持された前記糊付け用保持具に支持されている前記パレット用桁部材の上端面全域に押圧する、
ことを特徴とする糊付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルプモールド成形品に天板やラベル等の別部材(紙製シート)を糊付けする際に、当該パルプモールド成形品を保持しておくための保持具と、該保持具を備えた糊付け装置と、糊付け方法に関する。
例えば、紙製の天板の下面側の所定部位にパルプモールド製の桁部材を糊付けして荷役用パレットを製造する際に、当該の桁部材を位置決めし且つ保持するために用いる糊付け用保持具と、該保持具を備えた糊付け装置と、糊付け方法に関する。
また、例えば、パルプモールド製の蓋付き鶏卵容器の蓋体の表面に紙製のラベルを糊付けする際に、当該の鶏卵容器を保持しておくために用いる糊付け用保持具と、該保持具を用いる糊付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の物品を積載して搬送等の用に供される荷役用のパレットは、天板と、該天板の下面側に設けられてフォークリフト等のアーム挿入用の空間を確保等する桁部材と、該桁部材の下側に設けられる底板とから成る。なお、底板は、無い場合もある。
本出願人は、荷役用パレットの桁部材としてパルプモールド成形品を用いることで、必要な強度を損なうことなく、軽量化、ワンウェイ化、低コスト化を達成できることに想到して、先に、出願している(特許文献1,特開2016−210504号公報)。
容器状を成し鶏卵を個別に収容する収容室が配列された容器本体と、該容器本体に被せられる蓋体とを、両者の一縁部にて連設し、該連設部を開閉可能なヒンジ部と成した鶏卵容器の一例が、特開2013−233935号公報(特許文献2)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−210504号公報
【特許文献2】特開2013−233935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷役用パレットの低コスト化の要請から、桁部材も低コストで製造することが要請される。このため、本願の発明者は、特許文献1のパルプモールド製の桁部材の製造方法として、成形型の型面にパルプ繊維を堆積・成形した後、引き剥がすように離型して乾燥させる手法を採用した。即ち、閉じた型内空間にて圧縮して固める手法ではなく、「型面を金網で被覆して成る成形型をパルプ泥漿中に浸漬し、型面に開口する多数の細孔を通して裏面側から吸引することにより金網上にパルプ繊維を堆積させ、この堆積物(成形品)を剥がすように型抜きして取り出した後、乾燥させる」手法を採用した。
この手法による成形品の形状は、言うなれば、1枚の板紙材(シート状体)に対して型面の転写相当の凹凸をつけることにより立体形状と成したものと言ってもよく、必然的に凹部や凸部を有する。
【0005】
桁部材は、天板の下方にアーム(フォークリフトやハンドリフトのアーム)挿入用の空間を確保できるだけの高さサイズを有する立体形状であることが必須である。この高さサイズを具備可能で、且つ、上記製造方法によって成形可能な形状としては、例えば、直方体容器形状を挙げることができる。即ち、全体的な概略形状が直方体を成し、直方体の6面の中の一面(例:長手方向の一面)が開口し且つ他面側へ向かって窪む凹部を備えた容器形状を挙げることができる。ここで、直方体容器形状には、立方体容器形状や、上面視が略正方形や略長方形の偏平な直方体容器形状等も含む。また、上面視が円形や楕円形の偏平な容器形状であってもよい。
【0006】
かかる直方体容器形状の桁部材により天板及びその上の荷物を支えるためには、凹部を囲む四方の側壁部分を縦方向(高さ方向)に設定して、該側壁部により荷重を支えるようにするのがよい。つまり、凹部開口の縁をパレット天板の下面に糊付けし、且つ、凹部の底壁外面をパレット底板に糊付けするのがよい。又は、凹部の底壁外面をパレット天板の下面に糊付けし、且つ、凹部開口の縁をパレット底板に糊付けしてもよい。
パレット天板や底板に糊付け可能な面積を凹部開口の縁に確保するべく、本願の発明者は、凹部開口の縁に、外方向へ張り出す平坦な縁部を、糊付け用の部位として設けた。
【0007】
しかしながら、糊付けに関し、以下の不具合が生じた。即ち、
(1)「成形型の型面にパルプ繊維を堆積させ、これを剥がして取り出して乾燥させる製法」で成形した桁部材は、乾燥工程で変形が生じ、凹部開口の縁から張り出すように設けた糊付け用の縁部も実際には平坦ではなく、不規則な凹凸を有する。このため、縁部全域を天板の下面に密接させることが困難であり、良好に糊付けすることも困難となる。
(2)凹部開口の縁から張り出す縁部に糊剤を塗布し、天板の下面に密接させて上下から加圧すると、糊付け時間を短縮でき、且つ、糊付けも良好となる。その場合、凹部開口の縁から張り出す縁部全域を下方から支持した状態で、天板を上方から押圧することになるのであるが、縁部以外の部位に局所的な応力が加わらないように桁部材の各部を均等に保持しつつ、縁部全域を下方から支持することは困難である。
本発明は、上述の不具合を解消することを目的とする。
例えば、本発明は、容器形状を成すパルプモールド製の桁部材の凹部開口の縁から張り出すように設けられた縁部と、紙製の天板/底板とを、良好に糊付けできるようにすることを目的とする。
上記(2)と略同様の問題は、パルプモールド製の蓋付き鶏卵容器の蓋体表面にラベルを糊付けする際にも生ずる。即ち、蓋体表面以外の部位に局所的な応力が加わらないように蓋付き鶏卵容器の各部を均等に保持しつつ、蓋体をその裏面側から支持することは困難であるという事情がある。
また、本発明は、それぞれ容器形状を成す本体と蓋体とを両者の一縁部にて連設して該連設部を開閉可能なヒンジ部と成した鶏卵容器の蓋体表面に、ラベルを速やかに糊付けできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の構成を、下記[1]〜[7]に記す。なお、この項([課題を解決するための手段])と次項([発明の効果])に於いて、符号は理解を容易にするために付したものであり、本発明を符号の構成に限定する趣旨ではない。
【0009】
[1]構成1
成形型面80を転写して容器形状を成すパルプモールド製のパレット用桁部材3の上端面全域に糊剤を塗布した後、パレット用天板1又はパレット用底板を押圧して糊付けする方法であって、
前記成形型面80と相似形を成す支持型面715を有する容器形状の保持具71に前記パレット用桁部材3を収容することにより、該パレット用桁部材3を前記支持型面715により動かないように保持し、
糊剤を塗布して前記支持型71から突出している前記パレット用桁部材3の上端面35全域に、前記パレット用天板1又は前記パレット用底板を押圧して糊付けする、
ことを特徴とする糊付け方法。
支持型71による
パレット用桁部材3の支持は、上記の押圧力を良好に分散することにより
パレット用桁部材3に過大な荷重が加わることを防止して、その変形を防止できればよい。言い換えれば、相似形とは、糊付け時に
パレット用桁部材3に加わる荷重を分散して該
パレット用桁部材3に局所的な応力が加わることを防止できる程度に相似していればよい。
[2]構成2
構成1に於いて、
前記上端面全域は、前記パレット用桁部材の容器開口の縁から外方へ張り出された縁部である、
ことを特徴とする糊付け方法。
[3]構成3
パルプモールド製のパレット用桁部材を転写成形するための成形型面と相似形の支持型面を有するとともに容器形状を成し、該容器形状の部分に収容される前記パレット用桁部材を保持して糊付け工程に供するための保持具であって、
収容された前記パレット用桁部材を前記支持型面により動かないように保持し、且つ、当該パレット用桁部材の上端面全域を前記容器形状の部分から突出させることにより、糊剤を塗布した前記上端面全域にパレット用天板又はパレット用底板を押圧可能である、
ことを特徴とする糊付け用保持具。
[4]構成4
構成3に於いて、
前記上端面全域は、前記パレット用桁部材の容器開口の縁から外方へ張り出された縁部である、
ことを特徴とする糊付け用保持具。
【0010】
[5]構成5
成形型面の転写により形成され本体3e1と蓋体3e2及び両者を一縁部にて連設するヒンジ部31eを有するパルプモールド製の鶏卵容器3eを、保持具9eにより保持して、前記蓋体3e2の外面35eにラベル1eを糊付けする方法であって、
前記保持具9eは前記成形型面と相似形の支持型面90eを有し、
前記保持具9eの支持型面90eに前記鶏卵容器3e全体を嵌めることにより密接させて該鶏卵容器3e全体を動かないように保持した後、該鶏卵容器3eの蓋体3e2の外面35eに前記ラベル1eを押圧して糊付けする、
ことを特徴とする糊付け方法。
[6]構成6
成形型面と相似形の支持型面90eを有し、前記成形型面を転写して成るパルプモールド製の鶏卵容器3eを保持して糊付け工程に供するための保持具9eであって、
前記鶏卵容器3eは、本体3e1と蓋体3e2及び両者を一縁部にて連設するヒンジ部31eを有し、
前記支持型面90eに嵌めて密接させて鶏卵容器3e全体を動かないように保持した後に、該鶏卵容器3eの蓋体3e2の外面35eにラベル1eを押圧可能である、
ことを特徴とする糊付け用保持具9e。
【0011】
[7]構成7
目的とする荷役用パレットの各
パレット用桁部材3の固着位置で決まる各所定部位に、
構成3又は構成4の糊付け用保持具71を保持する保持ベース73と、
前記保持ベース73が設定される所定の糊付け位置の上方に昇降可能に設けられ、目的とする荷役用パレットの
パレット用天板1又は
パレット用底板を保持する保持プレート75と、
を有し、
前記保持プレート75を下降させて、前記糊付け位置に設定されている前記保持ベース73に近接させることにより、前記保持プレート75の下面側に保持された
パレット用天板1
又はパレット用底板を、前記保持ベース73に保持された
前記糊付け用保持具71に支持されている
前記パレット用桁部材3の上端面
全域に押圧する、
ことを特徴とする糊付け装置。
糊付けは、例えば、リサイクル時を考慮して、コーンスターチ等のデンプン系の接着剤を用いて行うことができる。なお、デンプン系以外の公知の接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂を主成分とする接着剤等も用いることができる。
【発明の効果】
【0012】
構成1は、
成形型面80を転写して容器形状を成すパルプモールド製のパレット用桁部材3の上端面全域に糊剤を塗布した後、パレット用天板1又はパレット用底板を押圧して糊付けする方法であって、前記成形型面80と相似形を成す支持型面715を有する容器形状の保持具71に前記パレット用桁部材3を収容することにより、該パレット用桁部材3を前記支持型面715により動かないように保持し、糊剤を塗布して前記支持型71から突出している前記パレット用桁部材3の上端面35全域に、前記パレット用天板1又は前記パレット用底板を押圧して糊付けすることを特徴とする糊付け方法であるため、
容器形状を成すパルプモールド製の桁部材3の上端面全域と、
パレット用天板1又はパレット用底板とを、良好に糊付けすることができる。
構成2は、
構成1に於いて、前記上端面全域は、前記パレット用桁部材の容器開口の縁から外方へ張り出された縁部であることを特徴とする糊付け方法であるため、開口の縁から張り出すように設けられた縁部35と、
パレット用天板1又は前記パレット用底板とを、良好に糊付けすることができる。
構成3〜構成4は、パルプモールド製のパレット用桁部材を転写成形するための成形型面と相似形の支持型面を有するとともに容器形状を成し、該容器形状の部分に収容される前記パレット用桁部材を保持して糊付け工程に供するための保持具であって、収容された前記パレット用桁部材を前記支持型面により動かないように保持し、且つ、当該パレット用桁部材の上端面全域を前記容器形状の部分から突出させることにより、糊剤を塗布した前記上端面全域にパレット用天板又はパレット用底板を押圧可能であることを特徴とする糊付け用保持具であるため、構成1〜構成
2の効果を達成可能な糊付け用の桁部材保持具を提供することができる。
構成5は、成形型面の転写により形成され本体3e1と蓋体3e2及び両者を一縁部にて連設するヒンジ部31eを有するパルプモールド製の鶏卵容器3eを、保持具9eにより保持して、前記蓋体3e2の外面35eにラベル1eを糊付けする方法であって、前記保持具9eは前記成形型面と相似形の支持型面90eを有し、前記保持具9eの支持型面90eに前記鶏卵容器3e全体を嵌めることにより密接させて該鶏卵容器3e全体を動かないように保持した後、該鶏卵容器3eの蓋体3e2の外面35eに前記ラベル1eを押圧して糊付けすることを特徴とする糊付け方法であるため、鶏卵容器3eの蓋体3e2の外面に、ラベル1eを速やかに糊付けすることができる。
構成6は、成形型面と相似形の支持型面90eを有し、前記成形型面を転写して成るパルプモールド製の鶏卵容器3eを保持して糊付け工程に供するための保持具9eであって、前記鶏卵容器3eは、本体3e1と蓋体3e2及び両者を一縁部にて連設するヒンジ部31eを有し、前記支持型面90eに嵌めて密接させて鶏卵容器3e全体を動かないように保持した後に、該鶏卵容器3eの蓋体3e2の外面35eにラベル1eを押圧可能であることを特徴とする糊付け用保持具9eであるため、構成
5の効果を達成可能な糊付け用の鶏卵容器保持具を提供することができる。
構成7は、目的とする荷役用パレットの各
パレット用桁部材3の固着位置で決まる各所定部位に、
構成3又は構成4の糊付け用保持具71を保持する保持ベース73と、前記保持ベース73が設定される所定の糊付け位置の上方に昇降可能に設けられ、目的とする荷役用パレットの
パレット用天板1又は
パレット用底板を保持する保持プレート75と、を有し、前記保持プレート75を下降させて、前記糊付け位置に設定されている前記保持ベース73に近接させることにより、前記保持プレート75の下面側に保持された
パレット用天板1
又はパレット用底板を、前記保持ベース73に保持された
前記糊付け用保持具71に支持されている
前記パレット用桁部材3の上端面
全域に押圧することを特徴とする糊付け装置7であるため、構成
3又は構成4の糊付け用保持具71を良好に用いる糊付け装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】桁部材3を桁部材用の糊付け用保持具71にセットする様子を示す斜視図。なお、糊付け用保持具71の外壁710は透視状態で示されている。
【
図3】
図2の糊付け装置7の平面図(a)と、正面図(b)と、左側面図(c)。
【
図4】(a)は、成形型8と桁部材3、及び、桁部材3と桁部材保持具71の関係を、
図1内A−A線位置の切断端面で示す端面図。(b)は、天板1に桁部材3を糊付けした様子を示す斜視図。
【
図5】鶏卵容器3eにラベル1eを糊付けした様子を示す斜視図。(a)は蓋開き側を示し、(b)はヒンジ部31e側を示す。
【
図6】鶏卵容器3eを鶏卵容器用の糊付け用保持具9eにセットする様子と、鶏卵容器3eの蓋体3e2の底壁部39e2外面にラベル1eを糊付けする様子とを示す斜視図。
【
図8】
図1とは異なる実施の形態を説明する斜視図であり、桁部材3Aを、該桁部材3A用の糊付け用保持具71Aにセットする様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
(1)第1の実施の形態(桁部材3)
図1は桁部材3を桁部材用の糊付け用保持具(桁部材保持具,支持型)71にセットする様子を示す斜視図、
図2は
図1内の桁部材保持具71をセットされた糊付け装置7を模式的に示す斜視図、
図3は
図2の糊付け用装置7の平面図(a)と正面図(b)と左側面図(c)、
図4(a)は成形型8と桁部材3の関係、及び、桁部材3と桁部材保持具71の関係を示す端面図、(b)はパレット用の天板1の裏面(パレット使用状態での下面)に3個の桁部材3を糊付けした様子を示す斜視図である。
【0015】
桁部材保持具71は、桁部材3を収容して動かないように保持するジグであり、その内壁面715は、桁部材3の外壁面形状と同等の形状とされている。この桁部材保持具71の内壁面部分を収容する外壁710(
図4(a)参照,
図1では外壁710の側壁部分は透視して示し、底壁部分のみ示している)は、糊付け装置7(
図2,
図3)の保持ベース73の所定のセット位置に、ガタつきなくセットされ得る外寸・外形状とされている。
【0016】
桁部材保持具71の内壁面715の形状は、
図4(a)に示すように、桁部材3の製造時に用いた成形型8の成形型面80と相似形状を成す。詳しくは、成形型8を用いて製造された桁部材3の厚み相当分だけ、成形型面80よりも小サイズの相似形状を成す。この桁部材3は、「成形型面80を金網で被覆して成る成形型8をパルプ泥漿中に浸漬し、成形型面80に開口する多数の細孔を通して裏面側から吸引することにより金網上にパルプ繊維を堆積させ、この堆積物を剥がすように型抜きして取り出した後、乾燥させる」という手法により製造されたパルプモールド成形品である。製造方法から明らかなように、桁部材3の形状は、1枚のシート状の物体(シート状体)に、成形型面80の転写相当の凹凸をつけることにより立体形状と成したものであると言ってもよい。また、かかる手法により製造されるため、乾燥工程に於いて、桁部材3の凹部開口の縁から外方へ張り出す縁部35の上面の平坦性が損なわれ易く、また、円錐台部37の上面の高さの均一性にも影響が出易い。38は縁部35に隣接して設けられた(縁部35を縁方向で区分するように設けられた)溝部であり、パレットの使用時、結束バンドを通すために用いられる。この溝部38が在るため、縁部35の平坦性が更に損なわれ易いという事情もある。
【0017】
このように、桁部材保持具71の内壁面形状が、桁部材3の製造時に用いた成形型8の成形型面80と相似形状を成すため、
図1内一点鎖線矢印の如く、桁部材3を桁部材保持具71に収容すると、桁部材3の側壁部及び底壁部の外面は、桁部材保持具71の内壁面に密接する。このため、後述の糊付け時に、パレットの天板1を下降させて、桁部材3の上端面(糊付けされるべき面)に当接・加圧しても、その荷重は略均等に分散されて桁部材保持具71によって受けられ、その結果、桁部材3に局所的な過大な応力等が加わることが防止される。逆に、過大な応力等を防止できるため、当接・加圧を十分に行うことができる。このため、製造時の乾燥工程で変形が生じて、桁部材3の縁部35の上面の平坦性や、円錐台部37の高さの精度が損なわれていたとしても、それらを吸収して良好に糊付けを行うことができる。
【0018】
糊付けは、桁部材3の凹部開口の縁から外方へ張り出している縁部35の上面や、凹部中央から立設されている円錐台部37の上面に対して行われるのであるが、縁部35の上面は、その「張り出す」という構造上、変形して平坦性が損なわれ易い。また、円錐台部37は凹部中央から立設されるため、凹部30の底壁部39の変形により円錐台部37の高さが微妙な影響を被り、結果、糊付けされるべき天板1の下面との距離にムラが生じ易くなる。これらの変形を吸収して糊付けできるように、前述のように十分な荷重をかけて当接・加圧を行うことができるため、結果、良好な糊付けが可能となるのである。
【0019】
桁部材3を収容した桁部材保持具71は、
図2及び
図3に示すように、糊付け用装置7の保持ベース73の所定のセット位置にセットされる。この「所定のセット位置」は、天板1と桁部材3との相対的位置関係によって決まる位置である。言い換えれば、桁部材3を天板1の裏面内の何れの位置に糊付けするかによって決まる位置である。
図4(b)に示すように、本実施の形態では、天板1の両縁に沿う位置とそれらの中央位置とに合計3個の桁部材3を平行に配列して荷役用パレットを作成する。これら桁部材3の配列位置に相当する位置が、「所定のセット位置」である。
【0020】
作業者は、上記のようにセットした桁部材保持具71内の桁部材3の縁部35の上面及び円錐台部37の上面に糊剤を塗布した後、保持ベース73を天板保持プレート75の直下に移動させて位置決めし、その状態で天板保持プレート75を下降させて該天板保持プレート75の下面側に保持されている天板1(
図2,
図3で不図示)を桁部材3に圧接させる。この状態を所定時間保持することで、天板1の下面側の所定位置に、3個のパルプモールド製桁部材3が良好に固着される(
図4(b),参照)。なお、桁部材3は、前述のように、桁部材保持具71により荷重が分散されるようにして保持されているため、上記の加圧時に桁部材3に破壊や変形等の不具合が生ずることはない。
【0021】
上記では、桁部材3の容器形状部分の外壁面の全域が、桁部材保持具71の内壁面に密接されているが、必ずしも、全域が密接されなくてもよい。前述した圧力を良好に分散し得るものであれば、外壁面の一部(圧力の分散に寄与する部位)が密接される構成でもよい。つまり、桁部材保持具71の内壁面の形状を、そのように構成してもよい。
また、上記では、天板1に桁部材3を糊付けする例を説明しているが、天板1に代えて底板(不図示)に糊付けする場合であってもよい。
【0022】
(2)第2の実施の形態(鶏卵容器3a)
図5は、鶏卵容器3eにラベル1eを糊付けした様子を示す斜視図であり、(a)は蓋開き側を示し、(b)はヒンジ部31e側を示す。また、
図6は、鶏卵容器3eを鶏卵容器保持具(鶏卵容器用の糊付け用保持具,支持型)9eにセットする様子、及び、鶏卵容器3eの蓋体3e2の底壁部39e2(
図7)の外面の所定部位35eにラベル1eを糊付けする様子を示す斜視図である。
【0023】
前述のように、第1の実施の形態では、桁部材3を、該桁部材3の製造時の成形型8の型面80と相似形状の内壁面715を有する桁部材保持具71で保持して糊付けを行っているが、本第2の実施の形態では、
図6に示すように、鶏卵容器3eの製造時の成形型の型面と相似形状の内壁面90eを有する鶏卵容器保持具(鶏卵容器用の糊付け用保持具、支持型)9eを用いて、鶏卵容器3eの蓋体3e2の底壁部39e2の外面(
図6で上面)の所定部位35eに、ラベル(紙製シート)1eを糊付けしている。
【0024】
鶏卵容器3eは、前記第1の実施の形態で述べた桁部材3と比較すると小サイズではあるが、
図5や
図6から分かるように、蓋体3e2の底壁部39e2の外面から側壁部(長手方向での側壁部)に至る部位が緩やかな曲面を成すように湾曲しており、平坦面ではない。このため、ラベル1eを糊付けする際には、蓋体3e2の内面側全域を鶏卵容器保持具9eの支持型面90eによって支持するとともに、鶏卵容器3eが動かないように固定しておくことにより、良好な結果を得ることができる。
【0025】
(3)第3の実施の形態(桁部材3A)
図8は、第1の実施の形態の桁部材3とは異なる桁部材3Aを、該桁部材3A用の糊付け用保持具71A(桁部材3Aの外形状と相似形状の内壁面形状の保持具71A)に収容する様子を示している。図示のように、第3の実施の形態の桁部材3Aは、上面視が略正方形の偏平な直方体容器形状の例であるが、この場合も、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 パレット用の天板(紙製シート)
1e ラベル(紙製シート)
3 桁部材(シート状体)
3A 桁部材(シート状体)
3e 鶏卵容器(シート状体)
3e1 鶏卵容器の本体
3e2 鶏卵容器の蓋体
30 凹部
30e1 鶏卵容器本体の凹部
30e2 鶏卵容器蓋体の凹部
31e 鶏卵容器のヒンジ部
35 糊付け対象部位である所定部位(桁部材の縁部)
35e 糊付け対象部位である所定部位(鶏卵容器の蓋体の底壁部外面)
39e2 鶏卵容器蓋体の底壁部
37 桁部材の円錐台部
38 桁部材の溝部
39 桁部材の底壁部
7 糊付け装置
71,71A 桁部材用の糊付け用保持具(支持型)
710,710A 桁部材用の糊付け用保持具の外壁
73 保持ベース(桁部材用の糊付け用保持具用)
75 天板保持プレート
8 成形型(桁部材用)
80 成形型面(桁部材用)
9e 支持型(鶏卵容器用の糊付け用保持具)