特許第6966085号(P6966085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6966085持ち上げ可能であるスライドリーフ用のガイド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966085
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】持ち上げ可能であるスライドリーフ用のガイド
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/06 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
   E05D15/06 125Z
   E05D15/06 117
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-520452(P2018-520452)
(86)(22)【出願日】2016年10月24日
(65)【公表番号】特表2018-531338(P2018-531338A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(86)【国際出願番号】IB2016056375
(87)【国際公開番号】WO2017068554
(87)【国際公開日】20170427
【審査請求日】2019年10月4日
(31)【優先権主張番号】102015000064782
(32)【優先日】2015年10月23日
(33)【優先権主張国】IT
(31)【優先権主張番号】102015000064931
(32)【優先日】2015年10月23日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】500282793
【氏名又は名称】サヴィオ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】SAVIO Spa
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100197561
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 三喜男
(72)【発明者】
【氏名】アイモーネ・バルボ・ディ・ヴィナーディオ
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ・ベッレイ
【審査官】 野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−0883579(KR,B1)
【文献】 特開2004−204483(JP,A)
【文献】 米国特許第03346993(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0209813(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102013218948(DE,A1)
【文献】 特開昭52−118746(JP,A)
【文献】 特公昭35−007434(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち上げ可能であるスライドリーフ用のガイド(10)であって、少なくとも2つのガイドバー(14,16)を有し、第1のバー(14)は、前記持ち上げ可能であるスライドリーフに関して固定された固定支持体(24)に移動可能に接続可能であり、第2のバー(16)は、前記持ち上げ可能であるスライドリーフ(11)の上部(12)に接続可能であると共に前記持ち上げ可能であるスライドリーフ(11)と一体的に移動可能であり、前記バー(14,16)は共に、前記持ち上げ可能であるスライドリーフが地面に置かれて移動がロックされる第1位置から前記持ち上げ可能であるスライドリーフが自由に横方向にスライドする持上位置に垂直面内において持ち上げ可能であり、前記スライドリーフは、前記第2のバー(16)を垂直にひきずる前記第1のバー(14)によって持ち上げ可能であり、前記第1のバー(14)に接続されて前記第1のバー(14)を移動するように構成されたレバー機構、又は引張及び持上機構を有する
ことを特徴とする持ち上げ可能であるスライドリーフ用のガイド(10)。
【請求項2】
前記ガイドバー(14,16)は、垂直面内において互いに向かって移動可能である、
請求項1に記載のガイド。
【請求項3】
前記ガイドバー(14,16)は、互いに対向する一対の磁石(18)を保持する、
請求項に記載のガイド。
【請求項4】
一方のガイドバー(14)は、他方のガイドバー(16)上をスライド可能である少なくとも1つの転がり要素(20)を保持する、
請求項1に記載のガイド。
【請求項5】
前記ガイドバー(14)の一方によって保持される転がり要素(20)は、他方のガイドバー(16)によって保持されるレール(22)上をスライド可能である、
請求項又は請求項に記載のガイド。
【請求項6】
前記ガイドバー(14,16)は、垂直に且つ互いに対して対称に位置調整可能である、
請求項1から請求項の何れか1項に記載のガイド。
【請求項7】
少なくとも1つの持ち上げ可能であるスライドリーフ(11)と請求項1から請求項の何れか1項に記載のガイド(10)とを有し、それにより、前記持ち上げ可能であるスライドリーフ(11)が前記ガイド(10)上をスライド可能であると共に所定位置にロック可能である、
スライドドア又は窓(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的に言えば、ドア及び窓、並びに固定具の分野に分類することができ、本発明は、持ち上げ可能であるスライドリーフ用のガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
特に土木建築分野の用途においてスライドドア又は窓を使用することが知られている。
【0003】
このようなドア又は窓、特に住居の外周壁に取り付けられるドア又は窓は、閉じた位置にあるときに地面に置かれるスライドリーフを有する。前記リーフのスライドを作動させるために、前記リーフは、地面から持ち上げられて横方向にスライドすることができる好適なガイドに配置される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スライドガイドを地面に配置する従来の解決法は、多くの欠点を有し、例えばガイドの隆起形状につまずく危険性又は溝部内部に集まるゴミを取り除くために頻繁なメンテナンスや念入りなクリーニングの必要性を有する。
【0005】
これら及びその他の問題を解決するために、スライドガイドをドア又は窓の上部に取り付ける解決法が、従来技術において考えられている。しかしながら、この場合、リーフは地面に置かれることができず、従って常に吊り下げられた位置のままである。その結果、スライドリーフは、横方向のスライド移動中に所定位置に固定することができない。
【0006】
従って、スライドリーフのガイドをカウンタフレームの上部に取り付ける解決法は、構造の簡単な組立て及び(底部の軌道に集まらない)外部からの水の随意的な排水に関して利点を達成することができるが、このように設計された構造は、スライドリーフを所定位置に固定するための好適な解決法がないという問題にさらされる。
【0007】
このように、このような構成は、スライドドアの安全性及び有用性に悪影響を及ぼし、またスライドドアの信頼性及び侵入抵抗性に関して悪影響を及ぼす。
【0008】
更に、リーフが地面に置かれる可能性は、シールの圧縮を引き起こし、水密性及び外気に対するシール作用に関してその性能を高めるが、従来技術による上部に沿ってスライドするガイドは、この絶縁効果からの利益を得ることができない。
【0009】
加えて、リーフが連続的に吊り下げられたままであるという事実は、上部ガイドに作用する応力を増加させ、製造された製品の使用寿命に悪影響を及ぼす。一方、リーフが地面に置かれることが可能である場合、リーフの重量は、ガイド部品に応力を加えることなしに地面に伝達されるであろう。
【0010】
本発明の1つの目的は、前記の問題を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この結果を達成するために、持ち上げ可能であるスライドリーフを備えたドアは、リーフの上縁部に配置されるガイドによって支持される。
【0012】
このようにして、ガイドを持ち上げ可能であるスライドリーフの上縁部に配置することによって、(前述した有益な効果を備えて)ガイドを地面の表面に配置しないという利点と、例えば閉じた位置にあるときにリーフが地面に置かれることによってリーフの移動をロックすることができるという利点とを同時に達成する。
【0013】
さらに具体的に言えば、スライドリーフ用のガイドは、互いに対して移動可能である2つのバーに分割されるように構成されている。
【0014】
特に、第1のバーは、固定支持体に接続することができ、(例えば本発明の一部を形成しないタイロッドを使用するレバー機構を用いて)地面に対して前記バーを持ち上げるために、固定支持体に対して接近又は離反移動することができる。持ち上げられるとき、第1のバーは次にスライドリーフに固定される第2のバーに係合する。第2の移動可能であるバーの持ち上げによって、地面から持ち上げられるリーフの垂直面内における移動をまた引き起こす。一旦持ち上げられると、スライドリーフは従って、スライドリーフに関連する第2のバーに形成された軌道上を自由にスライドする。
【0015】
前述したように、利点は、ガイドをドアの上縁部に配置することができることと、リーフを地面に置かせるという技術的利益とを組み合わせることができる解決法を提供することである。
【0016】
前述した及びその他の目的並びに利点は、本発明の一態様に従って、添付される特許請求の範囲に規定される特有の特徴を有する、持ち上げ可能であるスライドリーフ用のガイドと、ガイド上をスライドする持ち上げ可能であるリーフと、このようなリーフを有するドア又は窓によって達成される。
【0017】
本発明に係る、持ち上げ可能であるスライドリーフ用のガイド、ガイド上をスライドする持ち上げ可能であるリーフ、及びこのリーフを有するドア又は窓の多数の好ましい実施形態の機能的及び構造的特徴を、添付図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】スライドドアの概略正面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るリーフの上縁部に配置されたガイドを有するスライドドアの概略正面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るガイドの概略前面断面正面図である。
図4】本発明の第2実施形態の概略前面断面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るガイドの概略側面図である。
図6】リーフ及びリーフに固定されたガイドのバーの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の複数の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用に関して、以下の明細書に記載される又は図面に説明される構成要素の構造の詳細及び形態に限定されないことが明らかにされるべきである。本発明は、他の実施形態を想定することができ、実際には異なる方法で実行又は実現されてもよい。語句及び用語は説明の機能を有し、限定するものと見なされるべきではないことも理解されるべきである。
【0020】
最初に図1を参照すると、スライドドア又は窓9は、1つ若しくはそれ以上の持ち上げ可能であるスライドリーフ11を有する。これらのリーフ11は、垂直面に沿って横方向にスライドすることに加えて、リーフが所定位置(例えば閉じた位置)にあるときに地面に実質的に置かれる。「地面に置かれる」という表現は、リーフ11が、所定位置にロックされたままであるようにリーフの下縁部に置かれる技術的選択肢を全て包含する。リーフ11のスライドを許容するために、リーフ11は従って、(リーフを解放するために)持ち上げられて横向きに押される必要がある。
【0021】
図2から、これらの持ち上げ可能であるスライドリーフ11がリーフ11の上部又は上縁部12に配置されたガイド10に沿ってスライド可能であることを見ることができる。このように配置されたガイド10は、審美的及び保護的理由のため、例えばカウンタフレーム9aのパネルによってカバーされ得る。
【0022】
ガイド10は、少なくとも2つのガイドバー14,16を有し、2つのガイドバーは共に、垂直面内において移動可能である。
【0023】
2つのガイドバーの一方14は、ドア又は窓9が配置される壁に固定されてカウンタフレーム9aの上縁部であり得る(スライドリーフに関して固定された)固定支持体24によって、あるいは説明の続きにおいてより明確に理解されるようにそれに関連する他の要素によって、移動可能に(直接的又は間接的に)接続及び支持することができる。それに代え、他方のガイドバー16が、持ち上げ可能であるスライドリーフ11に接続されて一体的に移動可能とすることができる。
【0024】
例えば、第1のガイドバー14(持ち上げ可能であるスライドリーフ11に固定されていないバー)は、(リーフ11が地面に置かれ、従って定位置に固定される)下降位置と(リーフ11が持ち上げられて横方向に自由にスライドする)持上位置との間で旋回され得る。この効果を得るために、例えば、(破線形状によって図3及び図4に概略的に示されるが、本発明の一部を形成しない)タイロッド15を使用することができ、前記タイロッドは、この第1のバー14に接続される。
【0025】
都合良くは、2つのバー14,16は、L字状又はC字状の断面を有する。
【0026】
さらに、バー14,16は、実質的に相互に補完的であり得る、又は実施例に示されるように、一方のバーが垂直に他方のバーに関して反対称に位置調整され得る。換言すれば、一方のバー14の向きは、他方のバー16の回転として、第1に垂直軸の周りに、次に水平軸の周りにおける回転として概略的に表され、その後に(図3及び図4に見ることができるように)2つのバー14,16が垂直に位置調整される。
【0027】
本明細書全体及び特許請求の範囲において、「垂直」、「水平」、「縦」又は「横」などの位置及び方向を示す用語及び表現は、リーフ11の高さの方向に関して理解されるべきである。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、バー14,16は垂直面内において互いに向かって移動することができる。
【0029】
随意的に、図3に見られるように、ガイドバー14,16は、互いに対向する一対の磁石18を保持し、示される実施例では、磁石は、2つのバー14,16が反発磁力によって垂直に間隔を置いて配置されるように、極性が互いに反発するように配置される。図示されていない代替案によれば、磁石の吸引力を利用して、固定支持体24に接続されるガイドバー14がリーフ11に固定されて地面から吊り下げられる他のバー16を保持することも可能である。
【0030】
代替実施形態によれば、磁石18に代え、2つのガイドバー14,16の一方が少なくとも1つの転がり要素20(示される実施例では、前記バーに固定される横方向ピン上を回転するローラホイール)を保持し、前記転がり要素20は、他方のバーに沿って移動することができる。図4に見ることができる実施例では、ローラホイール20は、(固定支持部24に取り付けられた)第1のバー14によって保持されている。
【0031】
随意的に、一方のバー14によって保持されるローラホイール20は、他方のバー16によって保持されるレール22上をスライド可能である。レール22は、ローラホイールを好適にガイドするように形成され得る。例えば、レールは、ローラホイール上に存在し得る環状溝部を実質的に補完する形状を有する丸い突起を有し得る(再度図4を参照)。
【0032】
(例えば図3及び図4に示される)一実施形態によれば、2つのバーの1つ(好ましくは第2のバー16)は、垂直軸の周りに回転可能であると共に固定支持体24に接続されたガイド内部をスライド可能である(磁石18又は転がり要素20の左側に見ることができる)1つ若しくはそれ以上の第2のローラホイールを保持し得る。第2のローラの存在は、特にバー14,16を安定させ、バーを正確に位置調整することを助ける。
【0033】
既に述べたように、ガイドバー14,16の1つを支持する固定支持体24は次に、固定構造(例えばドア又は窓のカウンタフレーム、設置壁など)に固定することができる第3のバーであってもよい。
【0034】
図5は、例えば当業者が理解し得るように固定支持部24に接続される一端部と第1のバー14に接続される他端部とを有するレバー機構30を取り付けることによって、第1のバー14を垂直に持ち上げるための可能な解決法を示す。この後者の端部は、ここに示される実施例では、第1の固定端部に対して回転可能であり、タイロッド15によって及ぼされる引張力は、後者が持上位置において軸受接触するように第1のバー14の旋回移動を引き起こす。示される実施例は、第1のバー14の持ち上げを行うことができるただ1つの方法を構成することが理解される。
【0035】
前述した構成に対する(図示されていない)代替案によれば、他の引張及び持上機構、例えば手動及び半自動の両方、又は全自動タイプのジャッキ、ねじ接続などを使用して、第1のバー14を移動することができる。
【0036】
さらに、適切な場合には、当業者は、説明及び図示された実施例のように構成されたガイド10が、構造内において容易に掛け合わせることができる、すなわちリーフ11の厚さに沿って横方向に間隔を置いて配置されるガイドバー14,16の幾つかの対(図示されていないある方法では、例えば2対)を有し得ることを理解するであろう。
【0037】
本発明に従って構成されたガイド10を用いて、持ち上げ可能であるスライドリーフ11は、(床に配置されたガイドの欠点なしに)地面から上げられた支持体上をスライドすることができ、スライドリーフが所定位置(例えば閉じた位置)にあるときは、地面に置くことができる。
【0038】
達成される利点は、(必要であれば、リーフの重量が十分である)複雑なロック機構を設ける必要なしに持ち上げ可能であるスライドリーフを上部に移動することができるシステムを得ることである。さらに、このように構成されたシステムでは、従来技術に従った持ち上げ可能であるスライドリーフを用いた解決法と比べて、より小さい横方向の厚さを有するリーフを使用することができ、これは、リーフの重量に関連する実質的な利益(より使用し易く、組立及び輸送をそれほど難しくなくするなど)及び材料に関連する実質的な利益(製造コストを下げる)、並びにより魅力的な外観をもたらす。
【0039】
本発明に係る、持ち上げ可能であるスライドリーフ用のガイド、ガイド上をスライドする持ち上げ可能であるリーフ、及びこのリーフを有するドア又は窓の異なる態様及び実施形態が説明されている。各実施形態は、他の実施形態と組み合わせてもよいことが理解される。さらに、本発明は、記載された実施形態に限定されることなく、添付する特許請求の範囲によって規定される範囲内において変更することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6