(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
中継装置の識別情報と、前記中継装置に接続される通信端末のアドレス情報であって、前記通信端末への着信に用いられる前記アドレス情報とを関連付けて管理する管理テーブルと、
解除通知であって、前記通信端末が第1の中継装置との接続を解除したことを示す解除通知、を前記第1の中継装置から受信した場合、前記第1の中継装置及び第2の中継装置の各々に対して、その中継装置の通信範囲内に位置する通信端末と接続するように要求する通信処理部と、
前記通信端末が接続先を前記第1の中継装置から前記第2の中継装置に変更した場合、前記管理テーブルの前記通信端末の前記アドレス情報に関連付けられる中継装置の識別情報を前記第2の中継装置の識別情報に更新する更新部と
を備え、
前記通信処理部は、前記通信端末への着信の要求を受信したことに応じて、前記通信端末への呼接続の要求を、前記通信端末の前記アドレス情報に関連付けられる識別情報を有する中継装置に送信する
装置。
前記更新部は、前記解除通知が受信されたことに応じて、前記通信端末の前記アドレス情報と前記第1の中継装置の識別情報との関連付けを無効化する、請求項2または3に記載の装置。
中継装置の識別情報と、前記中継装置に接続される通信端末のアドレス情報であって、前記通信端末への着信に用いられるアドレス情報とを管理テーブルに関連付ける段階と、
解除通知であって、前記通信端末が第1の中継装置との接続を解除したことを示す解除通知、を前記第1の中継装置から受信した場合、前記第1の中継装置及び第2の中継装置の各々に対して、その中継装置の通信範囲内に位置する通信端末と接続するように要求する段階と、
前記通信端末が接続先を前記第1の中継装置から前記第2の中継装置に変更した場合、前記管理テーブルの前記通信端末の前記アドレス情報に関連付けられる中継装置の識別情報を前記第2の中継装置の識別情報に更新する段階と、
前記通信端末への着信の要求を受信したことに応じて、前記通信端末への呼接続の要求を、前記通信端末の前記アドレス情報に関連付けられる識別情報を有する中継装置に送信する段階と
を備える方法。
中継装置の識別情報と、前記中継装置に接続される通信端末のアドレス情報であって、前記通信端末への着信に用いられるアドレス情報とを管理テーブルに関連付ける段階と、
解除通知であって、前記通信端末が第1の中継装置との接続を解除したことを示す解除通知、を前記第1の中継装置から受信した場合、前記第1の中継装置及び第2の中継装置の各々に対して、その中継装置の通信範囲内に位置する通信端末と接続するように要求する段階と、
前記通信端末が接続先を前記第1の中継装置から前記第2の中継装置に変更した場合、前記管理テーブルの前記通信端末の前記アドレス情報に関連付けられる中継装置の識別情報を前記第2の中継装置の識別情報に更新する段階と、
前記通信端末への着信の要求を受信したことに応じて、前記通信端末への呼接続の要求を、前記通信端末の前記アドレス情報に関連付けられる識別情報を有する中継装置に送信する段階と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態1.
まず、
図1を用いて本開示の実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1にかかる装置10の構成図である。装置10は、管理テーブル100と、更新部120とを備える。
管理テーブル100は、中継装置の識別情報と、中継装置に接続される通信端末のアドレス情報であって、通信端末への着信に用いられるアドレス情報とを関連付けて管理する。
更新部120は、通信端末が接続先を第1の中継装置から第2の中継装置に変更した場合、管理テーブル100の通信端末のアドレス情報に関連付けられる中継装置の識別情報を第2の中継装置の識別情報に更新する。
【0013】
このように実施形態1にかかる装置によれば、更新部120が、通信端末が接続先の中継装置を変更した場合、通信端末のアドレス情報に関連付けられる中継装置の識別情報を更新する。これにより、通信端末が接続先の中継装置を変更しても、通信端末のアドレス情報は変更されない。したがって他の装置は、通信端末へ着信を行う場合に、引き続き中継装置を変更する前のアドレス情報を用いることができる。
【0014】
実施形態2.
次に
図2〜8を用いて本開示の実施形態2について説明する。
図2は、実施形態2にかかる装置が適用されるシステム1の構成図である。システム1は、ユーザに対して、ネットワークに接続される複数の中継装置を介して、通信端末を利用する他のユーザと通話する機能を提供する。システム1は、1または複数の中継装置2と、通信端末6と、主装置12と、ネットワーク9とを備える電話システムである。
【0015】
ネットワーク9は、複数の装置間の相互通信を可能にする通信網である。ネットワーク9は、各種電話回線、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)等の各種ネットワークまたはその組み合わせを通じた通信網である。本実施形態1では、ネットワーク9は、構内電話網であり、構内LANを通じて1または複数の中継装置2および主装置12を互いに接続させる。
【0016】
中継装置2は、他の装置との間のネットワーク9を介した通話を可能とする装置である。ここで他の装置は、中継装置2、中継装置2に接続される通信端末6および外部電話網を介してネットワーク9に接続される外部の装置を含む。本実施形態では中継装置2は、構内に設置される固定の内線電話機である。しかしこれに限らず、中継装置2は、携帯電話、スマートフォンまたは通話機能を有するパーソナルコンピュータ、ノート型コンピュータ、若しくはその他の端末装置であってよい。中継装置2は、ネットワーク9以外の通信手段により、1または複数の通信端末6と接続される。中継装置2と通信端末6との間の通信手段は、有線または無線通信である。本実施形態では、当該通信手段は、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、ZigBee(登録商標)およびNFC等の近距離無線通信である。しかしこれに限らず、当該通信手段は、赤外線通信であってもよい。
【0017】
たとえば第1の中継装置2aは、接続を確立している第1の通信端末6aからの要求を受けて、または第1の中継装置2aのユーザからの入力を受けて、第2の中継装置2bまたは第2の通信端末6bへの着信を主装置12に対して要求する。また第1の中継装置2aは、第1の通信端末6aへの通話接続(呼接続)の要求を主装置12から受信したことに応じて、第1の通信端末6aへの通話接続を中継する。また第1の中継装置2aは、自己への通話接続の要求を主装置12から受信したことに応じて、発信元との間の通話接続を行う。
【0018】
通信端末6は、中継装置2を介して、ネットワーク9に接続される他の装置との間での通話を可能とする電話端末である。たとえば通信端末6は、ユーザによって個人的に所有される。本実施形態では通信端末6は、構内電話専用の移動型端末である。
たとえば第1の通信端末6aは、接続先の第1の中継装置2aに対して、第2の中継装置2bまたは第2の通信端末6bへの着信を要求する。また、第1の通信端末6aは、第2の中継装置2bまたは第2の通信端末6bからの着信の要求を第1の中継装置2aから受信し、第1の中継装置2aを介して発信元との間で通話接続を行う。
【0019】
主装置12は、中継装置2および他の装置との間の通話接続を制御する装置である。主装置12は、パーソナルコンピュータ、ノート型コンピュータ、スマートフォン、またはデータ入出力可能なその他の端末装置である。
たとえば主装置12は、他の装置から第1の中継装置2aまたは第1の通信端末6aへの着信を受信したことに応じて、第1の中継装置2aに対して呼接続を要求する。なお本実施形態で主装置12は、ネットワーク9に加えて、公衆電話網等の外部電話網にも接続される。
【0020】
次に
図3〜4を用いて、各装置の構成を説明する。
(主装置12)
図3は、実施形態2にかかる主装置12の構成図である。主装置12は、記憶部200と、更新部220と、通信処理部240とを備える。
記憶部200は、呼接続の制御に必要なデータを記憶する記憶媒体である。記憶部200は、通信処理部240および更新部220に接続される。本実施形態では記憶部200は、管理テーブル210を記憶する。
【0021】
管理テーブル210は、中継装置2の識別情報と、中継装置2に接続される通信端末6のアドレス情報とを関連付けて管理するデータベースである。ここで、中継装置2の識別情報は、中継装置2の機器、ユーザまたは設置場所を一意に識別する番号である。本実施形態2では中継装置2の識別情報は、その中継装置2への着信に用いられるアドレス情報を含む。ここでアドレス情報は、一例として内線番号である。
通信端末6のアドレス情報は、通信端末6への着信に用いられるアドレス情報である。本実施形態2では、通信端末6のアドレス情報は、その通信端末6に予め付与される内線番号である。
【0022】
なお本実施形態2では、記憶部200は、中継装置2の識別情報および通信端末6のアドレス情報のリストを予め記憶している。管理テーブル210は、記憶部200に記憶されるこれらの情報を用いて、中継装置2と通信端末6との接続関係を示す。たとえば本図において、管理テーブル210は、アドレス情報500を有する通信端末6が、識別情報50を有する中継装置2と接続されることを示す。また管理テーブル210は、アドレス情報600を有する通信端末6が、いずれの中継装置2とも接続されていないことを示す。
【0023】
更新部220は、通信処理部240に接続される。更新部220は、中継装置2および通信端末6の接続関係の変更に基づいて、通信端末6のアドレス情報を変更せずに管理テーブル210内の中継装置2の識別情報と通信端末6のアドレス情報との関連付けを変更する処理を行い、管理テーブル210を更新する。
【0024】
通信処理部240は、複数の中継装置2、通信端末6および外部の装置と通信可能に接続され、後述する管理テーブル210の更新処理および通信端末6への着信処理において、これらの機器との間で各種情報を送受信する処理を行う。
【0025】
なお本実施形態2では、中継装置2の識別番号は着信に用いられる情報であるが、これに限らない。たとえば中継装置2の識別情報は、設置先のIPアドレス、個人ID等のユーザの識別番号または機器の製造番号若しくはシリアル番号であってよい。この場合、管理テーブル210は、中継装置2の識別情報および通信端末6のアドレス情報に加えて中継装置2への着信に用いられるアドレス情報を中継装置2の識別情報と関連付けて管理してよい。
【0026】
図4は、実施形態2にかかる中継装置2および通信端末6の構成図である。
(中継装置2)
中継装置2は、記憶部22と、通信処理部20とを備える。
記憶部22は、中継装置2の識別情報および接続先の通信端末6のアドレス情報を記憶する。記憶部22は、通信処理部20に接続される。
通信処理部20は、主装置12の通信処理部240および接続先の通信端末6の通信処理部60に接続され、後述する通信端末6への接続処理および通信端末6への着信処理において、これらとの間で各種情報を送受信する処理を行う。
なお本実施形態2では、通信処理部20は、予め定められた時間ごとに自発的に通信端末6に対して接続を要求する自発接続処理を行い、記憶部22は、前回の自発接続処理の時刻を記憶する。
【0027】
(通信端末6)
通信端末6は、記憶部62と、通信処理部60とを備える。
記憶部62は、通信端末6のアドレス情報を記憶する。本実施形態2で記憶部62は、通信端末6に予め付与されるアドレス情報を記憶している。記憶部62は、通信処理部60に接続される。
通信処理部60は、接続先の中継装置2の通信処理部20に接続され、後述する中継装置2との接続処理および通信端末6への着信処理において、中継装置2の通信処理部20との間で各種情報を送受信する処理を行う。
【0028】
図5は、実施形態2にかかるシステム1の管理テーブル210の更新処理を示すシーケンス図である。まずS1〜S7を用いて、いずれの中継装置2にも接続されていない通信端末6が近距離無線通信により第1の中継装置2aに接続された場合の更新処理を説明する。
【0029】
S1において、第1の中継装置2aは、通信端末6に接続の要請を送信する。
次にS3において、通信端末6は、第1の中継装置2aから接続の要請を受信したことに応じて、近距離無線通信により第1の中継装置2aとの接続を確立させる。このとき通信端末6は、自己のアドレス情報を第1の中継装置2aに送信する。
S5において、第1の中継装置2aは、受信した通信端末6のアドレス情報および第1の中継装置2aの識別情報を含む接続通知を、主装置12に対して送信する。本実施形態2で接続通知は、これらに加えて、第1の中継装置2aと通信端末6とが接続を確立したことを示す情報を含む。
S7において、主装置12は、受信した接続通知に基づいて、管理テーブル210の通信端末6のアドレス情報に関連付けられる中継装置2の識別情報として第1の中継装置2aの識別情報を格納する。これにより、主装置12は、管理テーブル210を更新する。
【0030】
次にS9〜S19を用いて、通信端末6が移動したことにより、通信端末6が接続先の中継装置2を第1の中継装置2aから第2の中継装置2bに変更した場合の更新処理を説明する。
まず通信端末6が第1の中継装置2aから離れた場所に移動したことに伴い、通信端末6は、第1の中継装置2aとの間の接続を解除する。
次にS9において、第1の中継装置2aは、解除通知を主装置12に送信する。本実施形態2において、解除通知は、第1の中継装置2aの識別情報と、通信端末6のアドレス情報と、第1の中継装置2aと通信端末6とが接続を解除したことを示す情報とを含む。
【0031】
次にS11において、主装置12は、第1の中継装置2aから解除通知を受信し、複数の中継装置2に対して通信端末6との接続の要求を送信する。
次にS13において、複数の中継装置2(本図では、第1の中継装置2aおよび第2の中継装置2b)は、主装置12から接続の要求を受信したことに応じて、通信範囲内に位置する通信端末6に対して接続の要請を送信する。
次にS15において、通信端末6は、第2の中継装置2bから接続の要請を受信したことに応じて、近距離無線通信により第2の中継装置2bとの接続を確立させる。このとき通信端末6は、自己のアドレス情報を第2の中継装置2bに送信する。
次にS17において、第2の中継装置2bは、受信した通信端末6のアドレス情報および第2の中継装置2bの識別情報を含む接続通知を主装置12に対して送信する。本実施形態2で接続通知は、これらに加えて、第2の中継装置2bと通信端末6とが接続を確立したことを示す情報とを含む。
【0032】
S19において、主装置12は、受信した接続通知に基づいて、管理テーブル210の通信端末6のアドレス情報に関連付けられる中継装置2の識別情報を第2の中継装置2bの識別情報に更新する。これにより、主装置12は、管理テーブル210を更新する。
【0033】
このようなシーケンスを実現するための主装置12の更新処理フローについて、
図6を用いて説明する。
図6は、実施形態2にかかる主装置12の管理テーブル210の更新処理の一例を示すフローチャートである。
【0034】
まずS100において、通信処理部240は、中継装置2から接続に関する通知を受信したか否かを判定する。ここで接続に関する通知は、接続通知と解除通知とを有する。接続通知および解除通知はいずれも、中継装置2の識別情報および中継装置2に接続される通信端末6のアドレス情報を含む。しかし、接続通知は中継装置2と通信端末6とが接続を確立したことを示す情報をさらに含む。一方で、解除通知は、中継装置2と通信端末6とが接続を解除したことを示す情報をさらに含む。通信処理部240は、通知を受信していれば(S100でY)、接続に関する通知を更新部220に出力し、処理をS110に進める。通信処理部240は、そうでなければ(S100でN)処理を終了する。
【0035】
S110において、更新部220は、接続に関する通知から、中継装置2の識別情報および中継装置2に接続される通信端末6のアドレス情報を取得する。
【0036】
次にS120において、更新部220は、接続に関する通知に接続を確立したことを示す情報が含まれるか否かを判定する。更新部220は、接続を確立したことを示す情報が含まれる場合(S120でY)、すなわち通信端末6が中継装置2との接続を確立したことに応じて通信処理部240が中継装置2から接続通知を受信した場合、処理をS140に進める。また更新部220は、そうでない場合(S120でN)、すなわち通信端末6が中継装置2との接続を解除したことに応じて通信処理部240が中継装置2から解除通知を受信した場合、処理をS160に進める。
【0037】
S140において、更新部220は、管理テーブル210の当該通信端末6のレコードにおける中継装置2の識別情報のフィールドに、接続を確立した中継装置2の識別情報を書き込み、管理テーブル210を更新する。なお、更新部220は、中継装置2の識別情報のフィールドにすでに中継装置2の識別情報が書き込まれている場合は、新しく取得した中継装置2の識別情報を上書きする。そして更新部220は、処理を終了する。
【0038】
S160において、通信処理部240は、複数の中継装置2の通信処理部20に対して通信端末6との接続の要求を送信する。そして通信処理部240は、処理をS100に戻す。
【0039】
次に
図5に示すシーケンスを実現するための中継装置2の処理フローを、
図7を用いて説明する。
図7は、実施形態2にかかる中継装置2の通信端末6への接続処理の一例を示すフローチャートである。
【0040】
S200において、通信処理部20は、通信範囲内の通信端末6への接続の要求を主装置12から受信したか否かを判定する。通信処理部20は、受信していれば(S200でY)処理をS220に進め、そうでなければ(S200でN)処理をS280に進める。
S220において、通信処理部20は、通信端末6の通信処理部60に対して接続要請を送信する。
【0041】
S240において、通信処理部20は、通信範囲内の通信端末6との接続を確立させる。そして通信処理部20は、通信端末6の通信処理部60から、当該通信端末6のアドレス情報を取得したか否かを判定する。通信処理部20は、取得していれば(S240でY)処理をS260に進め、そうでなければ(S240でN)処理を終了する。
【0042】
S260において、通信処理部20は、主装置12の通信処理部240に対して、接続先の通信端末6のアドレス情報を、中継装置2の識別情報とともに送信する。本実施形態では、通信処理部20はこれに加えて、中継装置2と通信端末6とが接続を確立したことを示す情報を主装置12の通信処理部240に対して送信する。そして通信処理部20は、処理を終了する。
【0043】
S280において、通信処理部20は、中継装置2の計時部(不図示)から現在時刻を取得し、前回の自発接続処理の時刻から予め定められた時間Tが経過したか否かを判定する。通信処理部20は、経過していれば(S280でY)、記憶部22に格納される前回の自発接続処理の時刻を現在時刻に更新し、処理をS220に進める。通信処理部20は、そうでなければ(S280でN)処理をS200に戻す。
【0044】
本実施形態2によれば、通信端末6が接続先の中継装置2を変更した場合、主装置12の更新部220が通信端末6のアドレス情報に関連付けられる中継装置2の識別情報を更新する。このため、接続先の中継装置2が変更されても、通信端末6のアドレス情報は変更しない。したがって、たとえば構内電話網に接続される装置は、着信先の通信端末6がどの中継装置2に接続されていても、通信端末6固有のアドレス情報を用いて通信端末6と通話接続できる。また、たとえば通信端末6を有するユーザが接続先の中継装置2の設置場所から移動しても、移動先がいずれかの中継装置2の設置場所付近であればどこであっても、その通信端末6を用いて個人宛の電話を取ることができる。
【0045】
また本実施形態2によれば、主装置12は、通信端末6との接続の解除通知を中継装置2から受信したことに応じて複数の中継装置2に通信範囲内の通信端末6と接続するように要求し、中継装置2は通信端末6に接続要請を送信する。このため、通信端末6は、移動により接続先の中継装置2との接続を解除しても、特別な操作をすることなく自動的に通信範囲内の中継装置2と接続することができる。
【0046】
そして本実施形態2によれば、中継装置2の通信処理部20は、定期的に通信端末6への接続要請を行う。したがって、通信端末6は、いずれかの中継装置2の通信範囲内にいれば、特別な操作をすることなく自動的に中継装置2と接続することができる。
【0047】
なお本実施形態2では、通信処理部20は、予め定められた時間ごとに通信端末6への自発接続処理を行うこととしたが、予め定められた時刻に不定期で当該処理を行ってもよい。またこれに代えて通信処理部20は、中継装置2のスイッチ等の入力装置(不図示)による入力を受けて、通信端末6に対して接続要請を行ってもよい。この場合S280に代えて、通信処理部20は、入力装置の入力を受けたか否かを判定し、受けていれば(S280でY)処理をS220に進め、そうでなければ(S280でN)処理をS200に戻す。
【0048】
また、本実施形態2において通信端末6は、構内電話専用の移動型端末であるが、移動体通信網およびインターネット等の各種ネットワークを通じて他の装置と通話できるパーソナルコンピュータ、ノート型コンピュータ、携帯電話、スマートフォン、またはデータ入出力可能なその他の端末装置であってもよい。この場合、
図5に示すS5、9および17において、中継装置2に代えて通信端末6が主装置12に接続通知または解除通知を行ってよい。また
図6に示すS100に代えて、通信処理部240は、通信端末6から接続通知または解除通知を受信したか否かを判定してよい。そしてこの場合、
図7に示すS240〜260は省略されてよい。
この場合、
図5に示すS11において、主装置12の通信処理部240は、複数の中継装置2に代えて通信端末6に対して、中継装置2との接続の要求を送信してよい。このとき主装置12の処理フローとして、
図6に示すS160において、通信処理部240は、中継装置2の通信処理部20に代えて通信端末6の通信処理部60に対して、通信範囲内の中継装置2と接続するように要求してよい。また、
図7に示す接続処理フローの主体は、中継装置2に代えて通信端末6であってよい。
【0049】
図8は、実施形態2にかかるシステム1の通信端末6への着信処理の一例を示すシーケンス図である。
まずS21において、発信元の装置が主装置12に対して、通信端末6への着信の要求を行う。ここで通信端末6は中継装置2に接続されている。発信元の装置は、ネットワーク9に接続される他の中継装置2または外部の電話網を介してネットワーク9に接続される外部の装置である。
【0050】
S22において、主装置12の通信処理部240は、発信元の装置から通信端末6への着信の要求を受信したことに応じて、記憶部200に記憶される管理テーブル210を読み出し、通信端末6に関連付けられる中継装置2の識別情報を取得する。
S23において、主装置12の通信処理部240は、中継装置2の識別情報に基づいて、中継装置2に対して通信端末6への呼設定の要求を送信する。
S24において、中継装置2の通信処理部20は、主装置12から呼設定の要求を受信したことに応じて、通信端末6に対して呼設定の要求を送信する。このとき中継装置2の通信処理部20は、通信端末6への着信音の再生を要求するとともに、主装置12の通信処理部240に対して、発信元の装置へのリングバックトーンの再生を要求してよい。
【0051】
S25において、通信端末6の通信処理部60は、中継装置2から呼設定の要求を受信したことに応じて、中継装置2に対して応答信号を送信する。
S26において、中継装置2の通信処理部20は、通信端末6からの応答信号を受信したことに応じて、主装置12に対して応答信号を送信する。
S27において、主装置12の通信処理部240は、中継装置2からの応答信号を受信したことに応じて、中継装置2に対して応答確認を送信し、主装置12と中継装置2と発信元の装置との間の通話パスを開通させる。
【0052】
S28において、中継装置2の通信処理部20は、主装置12から応答確認を受信したことに応じて、通信端末6との間の通話パスを開通させる。
このように主装置12は、管理テーブル210を用いることで、着信先の通信端末6のアドレス情報に基づいて、中継装置2を介して発信元の装置と通信端末6との間の通話接続を確立させることができる(S29)。
【0053】
なお、本実施形態2では管理テーブル210は記憶部200に記憶されることとしたが、記憶されていなくてもよい。たとえば管理テーブル210は通信処理部240と通信可能に接続される外部装置(不図示)の記憶媒体に記憶され、主装置12は、外部装置の通信処理部(不図示)を介して管理テーブル210の読み出し、または書込みを行ってよい。
【0054】
実施形態3.
次に
図9〜10を用いて、本開示の実施形態3について説明する。実施形態3は、中継装置3の記憶部32が、中継装置3の識別情報および通信端末8のアドレス情報に加えて、主装置14の管理テーブル310と同様の情報を有する管理テーブル320を記憶することに特徴を有する。また、実施形態3は、管理テーブル310,320が、中継装置3の識別情報および通信端末8のアドレス情報に加えて、通信端末8の識別情報を記憶することに特徴を有する。
【0055】
図9は、実施形態3にかかる主装置14、中継装置3および通信端末8の構成図である。本図に示す主装置14、中継装置3および通信端末8は、
図3および4に示す主装置12、中継装置2および通信端末6と基本的には同様の構成および機能を有するため、
図3および4と同一の箇所については同一の符号を付して、適宜その説明を省略する。ただし、
図9に示す主装置14は、記憶部200に代えて記憶部300を備える点で相違する。また、
図9に示す中継装置3は、通信処理部20および記憶部22に代えて、通信処理部30および記憶部32を備える点で相違する。また、
図9に示す通信端末8は、通信処理部60および記憶部62に代えて、通信処理部80および記憶部82を備える点で相違する。
【0056】
(主装置14)
主装置14は、記憶部300と、更新部220と、通信処理部240とを備える。
記憶部300は、基本的には記憶部200と同様の構成および機能を有する。ただし、記憶部300は、管理テーブル210に代えて管理テーブル310を記憶する。管理テーブル310は、中継装置3の識別情報と、中継装置3に接続される通信端末8のアドレス情報と、通信端末8の識別情報とを関連付けて管理するデータベースである。ここで、中継装置3の識別情報および通信端末8のアドレス情報は、実施形態2の中継装置2の識別情報および通信端末6のアドレス情報とそれぞれ同様である。
通信端末8の識別情報は、通信端末8の機器またはユーザを一意に識別する番号である。本実施形態3では、通信端末8は、Bluetooth(登録商標)通信により通信可能なヘッドセット、イヤホン、スマートフォンであってもよく、通信端末8の識別情報は、Bluetooth通信の接続確立の際に用いられる識別番号であってもよい。これにより、市販のBluetooth対応のヘッドセットを通信端末8として利用することができる。しかしこれに限らず、たとえば通信端末8の識別情報は、その通信端末8のユーザの識別番号または機器の製造番号若しくはシリアル番号であってよい。
【0057】
(中継装置3)
中継装置3は、通信処理部30と記憶部32とを備える。
記憶部32は、記憶部22と同様の構成および機能を有するが、これに加えて管理テーブル320を記憶する。記憶部32は、通信処理部20に代えて通信処理部30に接続される。
通信処理部30は、通信処理部20と同様の構成および機能を有するが、これに加えて主装置14から管理テーブル310の更新に係る情報を受信し、管理テーブル320を更新する。つまり、管理テーブル320の情報は、管理テーブル310の情報と一致する。ここで、管理テーブル310の更新に係る情報とは、管理テーブル310の更新前後の差分に関する情報であってもよく、更新後の管理テーブル310の情報全体であってもよい。実施形態3で通信処理部30は、更新後の管理テーブル320に基づいて、通信端末8に対して接続の要求を行う。また、通信処理部30は、通信端末8との接続を確立する際に、通信端末8のアドレス情報に代えて通信端末8の識別情報を通信端末8から受信し、管理テーブル320に基づいて、通信端末8のアドレス情報を主装置14に送信する。
【0058】
(通信端末8)
通信端末8は、記憶部82と、通信処理部80とを備える。
記憶部82は、記憶部62と同様の構成および機能を有するが、これに加えて通信端末8の識別情報を有する。
通信処理部80は、通信処理部60と同様の構成および機能を有するが、これに加えて通信端末8の識別情報を通信処理部30に送信する。
【0059】
図10は、実施形態3にかかるシステム1の管理テーブル310の更新処理の一例を示すシーケンス図である。まずS30〜S34を用いて、いずれの中継装置3にも接続されていない通信端末8が近距離無線通信により第1の中継装置3aに接続された場合の更新処理を説明する。
まずS30において、第1の中継装置3aは、通信端末8に接続の要請を送信する。
S31において、通信端末8は、第1の中継装置3aから接続の要請を受信したことに応じて、近距離無線通信により第1の中継装置3aとの接続を確立させる。このとき通信端末8は、自己のアドレス情報に代えて、自己の識別情報を第1の中継装置3aに送信する。
S32において、第1の中継装置3aは、管理テーブル320を参照し、受信した通信端末8の識別情報から通信端末8のアドレス情報を取得する。そして、第1の中継装置3aは、通信端末8のアドレス情報および第1の中継装置3aの識別情報を含む接続通知を、主装置14に対して送信する。実施形態3において接続通知は、実施形態2の接続通知と同様である。
S33において、主装置14は、受信した接続通知に基づいて、管理テーブル310の通信端末8のアドレス情報に関連付けられる中継装置3の識別情報として第1の中継装置3aの識別情報を格納する。これにより、主装置14は、管理テーブル310を更新する。
S34において、主装置14の通信処理部240は、S33において管理テーブル310が更新されたことに応じて、更新に係る情報を複数の中継装置3に送信し、管理テーブル310の情報を複数の中継装置3に共有させる。
【0060】
次にS35〜S42を用いて、通信端末8が移動したことにより、通信端末8が接続先の中継装置3を第1の中継装置3aから第2の中継装置3bに変更した場合の更新処理を説明する。
まず通信端末8が第1の中継装置3aから離れた場所に移動したことに伴い、通信端末8は、第1の中継装置3aとの間の接続を解除する。
次にS35において、第1の中継装置3aは、解除通知を主装置14に送信する。本実施形態3において解除通知は、実施形態2の解除通知と同様である。
またS36において、主装置14の通信処理部240は、S35において第1の中継装置3aから解除通知を受信したことに応じて、通信端末8のアドレス情報と第1の中継装置3aの識別情報との関連付けを無効化する。これにより主装置14は、管理テーブル310を更新する。
そしてS37において、主装置14の通信処理部240は、S34と同様に更新後の管理テーブル310の内容を複数の中継装置3に共有させる。
次に、S38において、複数の中継装置3は、自己の管理テーブル320を更新し、通信範囲内に位置する通信端末8に対して接続の要請を送信する。
そしてS39において、通信端末8は、S31と同様に、第2の中継装置3bから接続の要請を受信したことに応じて、近距離無線通信により第2の中継装置3bとの接続を確立させる。このとき通信端末8は、自己のアドレス情報に代えて、自己の識別情報を第2の中継装置3bに送信する。
そしてS40において、第2の中継装置3bは、S32に示す処理と同様の処理を行い、自己の管理テーブル320に基づいて通信端末8のアドレス情報を取得し、主装置14に接続通知を送信する。
S41において、主装置14は、受信した接続通知に基づいて、管理テーブル310の通信端末8のアドレス情報に関連付けられる中継装置3の識別情報を第2の中継装置3bの識別情報に更新する。これにより、主装置14は、管理テーブル310を更新する。
そしてS42において、主装置14は、S34と同様に、管理テーブル310の更新に係る情報を複数の中継装置3に送信し、共有させる。
【0061】
なお、本実施形態3では
図5のS11を省略したが、省略しなくてもよい。この場合、中継装置3は、S38に代えてS13を実行してもよい。
【0062】
また、本実施形態3では、主装置14は管理テーブル310を更新する場合に、実施形態2の
図6に示す各ステップと同様のステップを行う。ただし、
図6のS120でYの場合、更新部220は、S140に代えて管理テーブル310の通信端末8のアドレス情報と中継装置3の識別情報との関連付けを有効化し、更新に係る情報を中継装置3に送信する。また
図6のS120でNの場合、更新部220は、S160に代えて管理テーブル310の通信端末8のアドレス情報と中継装置3の識別情報との関連付けを無効化する。そして通信処理部240は更新に係る情報を中継装置3に送信する。
【0063】
次に、実施形態3にかかる中継装置3の通信端末8への接続処理について説明する。
図11は、実施形態3にかかる中継装置3の通信端末8への接続処理の一例を示すフローチャートである。本図に示すように、中継装置3は、
図7に示すS280の処理に加えて、S300〜360の処理を行う。なお
図7と同様の処理を示すステップについては、同一の符号を付して、説明を省略する。
S300において、通信処理部30は、管理テーブル310の更新に係る情報を主装置14の通信処理部240から受信し、これに基づいて自己の管理テーブル320を更新する。そして通信処理部30は、管理テーブル320に、接続が解除された通信端末8があるか否かを判定する。通信処理部30は、ある場合(S300でY)は処理をS320に進め、そうでない場合は(S300でN)、処理をS280に進める。
S320において、接続が解除された通信端末8の識別情報を管理テーブル320から取得し、取得した識別情報を有する通信端末8に対して、接続要請を送信する。
S340において、通信処理部30は、通信端末8から識別情報を受信し、取得したか否かを判定する。通信処理部30は、取得していれば(S340でY)、処理をS360に進め、そうでなければ(S340でN)、処理を終了する。
S360において、通信処理部30は、記憶部32の管理テーブル320を参照し、通信端末8の識別情報に関連付けられた通信端末8のアドレス情報を取得する。次に、通信処理部30は、主装置14に通信端末8のアドレス情報を送信する。そして、通信処理部30は、処理を終了する。
【0064】
このように、実施形態3によれば、中継装置3が、複数の中継装置3と通信端末8との接続関係を示す管理テーブル320を記憶する。したがって中継装置3は、通信範囲内にいる通信端末8の最新の接続状況を把握することができ、当該通信端末8と効率よく接続することが可能となる。また、中継装置3は、他の中継装置3と接続されていた、通信端末8の識別情報を把握することができる。このため、通信端末8は、移動により接続先の中継装置3との接続を解除しても、特別な操作をすることなく自動的に通信範囲内の中継装置3と接続することができる。
【0065】
実施形態4.
次に、
図12〜13を用いて、本開示の実施形態4について説明する。上述の実施形態2および3では、主装置12,14は予め付与される通信端末6,8のアドレス情報を記憶している。しかし実施形態4は、主装置16が、新規の通信端末8に対してアドレス情報を割り当て、当該アドレス情報を記憶することに特徴を有する。
図12は、実施形態4にかかる主装置16および中継装置4を、通信端末8とともに示す構成図である。本図の主装置16および中継装置4は、基本的には実施形態3の
図9に示す主装置14および中継装置3と同様であるため、
図9と同一の箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
(主装置16)
主装置16は、記憶部300と、更新部420と、通信処理部440とを備える。
更新部420は、更新部220と同様の構成および機能を有するが、これに加えて登録処理部430を有する。登録処理部430は、中継装置4がアドレス情報を有さない新規の通信端末8と接続した場合、通信端末8の識別情報に基づいて、新規の通信端末8にアドレス情報を割り当て、当該アドレス情報に対応するレコードを管理テーブル310に追加する。
【0067】
通信処理部440は、通信処理部240と同様の機能および処理を行うが、これに加えて中継装置4がアドレス情報を有さない新規の通信端末8と接続した場合、新規の通信端末8の識別情報を中継装置4から受信する。
【0068】
(中継装置4)
中継装置4は、記憶部42と、通信処理部40とを備える。
記憶部42は、記憶部32と同様の構成および機能を有するが、管理テーブル320に代えて、管理テーブル412を記憶する。管理テーブル412は、管理テーブル310と同様の情報を有する。
通信処理部40は、通信処理部30と同様の構成および機能を有する。しかしこれに加えて通信処理部40は、新規の通信端末8からの接続要請を受信し、かつ中継装置4の入力装置(不図示)からの入力を受けた場合に、新規の通信端末8の識別情報を受信し、当該通信端末8との接続を確立させる。そして通信処理部40は、受信した新規の通信端末8の識別情報を主装置16の通信処理部440に対して送信する。
また通信処理部40は、主装置16の登録処理部430が新規で割り当てた通信端末8のアドレス情報を有する管理テーブル310の更新に係る情報を主装置16から受信する。通信処理部40は、受信した情報に基づいて、自己の管理テーブル412を更新する。
【0069】
図13は、実施形態4にかかる主装置16の管理テーブル310の更新処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図6に示すステップと同様のステップについては、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
S100において、主装置16の通信処理部440は、中継装置4から接続に関する通知を受信した場合(S100でY)、接続に関する通知を更新部420に出力し、処理をS400に進める。通信処理部440は、そうでなければ(S100でN)処理を終了する。
S400において、更新部420は、接続に関する通知から、中継装置4の識別情報および中継装置4に接続される通信端末8のアドレス情報を取得したか否かを判定する。更新部420は、取得していれば(S400でY)処理をS450に進め、そうでなければ(S400でN)処理をS420に進める。
【0070】
次にS420において、更新部420は、中継装置4の識別情報および中継装置4に接続される通信端末8の識別情報を接続に関する通知から取得したか否かを判定する。更新部420は、取得していれば(S420でY)処理をS430に進め、そうでなければ(S420でN)処理を終了する。
S430において、更新部420の登録処理部430は、通信端末8の識別情報に基づいて、通信端末8にアドレス情報を割り当てる。そして登録処理部430は、処理をS450に進める。
【0071】
S450において、更新部420は、通信端末8の識別情報と通信端末8のアドレス情報と中継装置4の識別情報とを、管理テーブル310に関連付けて登録する。なお、更新部420は、通信端末8の識別情報および通信端末8のアドレス情報のレコードが存在しない場合、すなわちS430に続く処理である場合は、通信端末8に対応するレコードを作成し、各フィールドにこれらの情報を登録する。また更新部420は、通信端末8の識別情報および通信端末8のアドレス情報のレコードが既に存在する場合(すなわち、S400でYに続く処理である場合)は、当該レコードの中継装置4の識別情報のフィールドを変更する。ここで、更新部420は、通信処理部440が中継装置4から接続通知を受信していた場合は、当該レコードの中継装置4の識別情報のフィールドに取得した中継装置4の識別情報を書き込む。このとき更新部420は、中継装置4の識別情報のフィールドにすでに中継装置4の識別情報が書き込まれている場合は、新しく取得した中継装置4の識別情報を上書きする。一方、更新部420は、通信処理部440が中継装置4から解除通知を受信していた場合は、当該レコードの中継装置4の識別情報のフィールドの情報を削除する。これにより、更新部420は管理テーブル310を更新する。そして更新部420は、処理をS460に進める。
【0072】
次にS460において、通信処理部440は、S450において管理テーブル310が更新されたことに応じて、更新に係る情報を複数の中継装置4に送信し、管理テーブル310の情報を複数の中継装置4に共有させる。そして通信処理部440は、処理を終了する。
【0073】
本実施形態4によれば、アドレス情報を有さない新規の通信端末8が中継装置4と接続しても、主装置16が通信端末8のアドレス情報を割り当てて、アドレス情報とともにその接続関係を管理テーブル310に登録する。したがって、予め主装置16に登録された通信端末8以外の通信端末8もネットワーク9を利用した内線電話機として追加することができる。これにより、電話システムの利便性が向上する。
【0074】
図14は、実施形態1〜4にかかるコンピュータ1900の構成図である。
図14に示すように、コンピュータ1900は、システム全体を制御するための制御部1000を備えている。この制御部1000には、データバス等のバスラインを介して、記憶装置1200、記憶媒体駆動装置1300、通信制御装置1400、および入出力I/F1500が接続されている。
【0075】
制御部1000は、CPU1010と、ROM1020と、RAM1030とを備えている。
CPU1010は、ROM1020や記憶装置1200等の各種記憶部に記憶されたプログラムに従って、各種の情報処理や制御を行う。
ROM1020は、CPU1010が各種制御や演算を行うための各種プログラムやデータが予め格納されたリードオンリーメモリである。
【0076】
RAM1030は、CPU1010にワーキングメモリとして使用されるランダムアクセスメモリである。このRAM1030には、本実施形態1〜4による各種処理を行うための各種エリアが確保可能になっている。
【0077】
入力装置1050は、キーボード、マウスおよびタッチパネル等のユーザからの入力を受け付ける入力装置である。たとえばキーボードは、テンキー、各種機能を実行するための機能キーおよびカーソルキー等の各種キーが配置されている。マウスは、ポインティングデバイスであり、表示装置1100に表示されたキーやアイコン等をクリックすることで対応する機能の指定を行う入力装置である。タッチパネルは、表示装置1100の表面に配置される入力機器で、表示装置1100に画面表示された各種操作キーに対応した、ユーザのタッチ位置を特定し、当該タッチ位置に対応して表示された操作キーの入力を受け付ける。
【0078】
表示装置1100は、例えばCRTや液晶ディスプレイ等が使用される。この表示装置には、キーボードやマウスによる入力結果が表示されたり、最終的に検索されたイメージ情報が表示されたりするようになっている。また表示装置1100は、コンピュータ1900の各種機能に応じて、タッチパネルから必要な各種操作を行うための操作キーを画像表示する。
【0079】
記憶装置1200は、読み書き可能な記憶媒体と、その記憶媒体に対してプログラムやデータ等の各種情報を読み書きするための駆動装置で構成されている。
この記憶装置1200に使用される記憶媒体としては、主としてハードディスクが使用されるが、後述の記憶媒体駆動装置1300で使用される各種記憶媒体のうちの読み書き可能な記憶媒体を使用するようにしてもよい。
記憶装置1200は、データ格納部1210、プログラム格納部1220および図示しないその他の格納部(例えば、この記憶装置1200内に格納されているプログラムやデータ等をバックアップするための格納部)等を有している。プログラム格納部1220には、本実施形態1〜4における各種処理を実現するためのプログラムが格納されている。データ格納部1210には、本実施形態1〜4にかかる各種データベースの各種データを格納する。
【0080】
記憶媒体駆動装置1300は、CPU1010が外部の記憶媒体(外部記憶媒体)からコンピュータプログラムや文書を含むデータ等を読み込むための駆動装置である。
ここで、外部記憶媒体とは、コンピュータプログラムやデータ等が記憶される記憶媒体をいう。外部記憶媒体は、具体的には、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、メモリチップやICカード等の半導体記憶媒体、CD−ROMやMO、PD(相変化書換型光ディスク)等の光学的に情報が読み取られる記憶媒体が含まれてよい。また外部記憶媒体は、紙カードや紙テープ等の用紙(および、用紙に相当する機能を持った媒体)を用いた記憶媒体、その他各種方法でコンピュータプログラム等が記憶される記憶媒体が含まれてよい。
記憶媒体駆動装置1300は、これらの各種外部記憶媒体からコンピュータプログラムを読み込むことが可能である。このほか、記憶媒体駆動装置1300は、フロッピーディスクのような書き込み可能な外部記憶媒体に対してRAM1030や記憶装置1200に格納されているデータ等を書き込むことが可能である。
【0081】
コンピュータ1900は、制御部1000のCPU1010が、記憶媒体駆動装置1300にセットされた外部の記憶媒体からコンピュータプログラムを読み込んで、記憶装置1200の各部に格納(インストール)する。
【0082】
そして、コンピュータ1900が各種処理を実行する場合、記憶装置1200から該当プログラムをRAM1030に読み込み、実行するようになっている。但しコンピュータ1900は、記憶装置1200からではなく、記憶媒体駆動装置1300により外部の記憶媒体から直接RAM1030にプログラムを読み込んで実行することも可能である。また、コンピュータによっては各種プログラム等を予めROM1020に記憶させておき、これをCPU1010が実行するようにしてもよい。さらに、コンピュータ1900は、各種プログラムやデータを、通信制御装置1400を介して他の記憶媒体からダウンロードし、実行するようにしてもよい。
【0083】
通信制御装置1400は、コンピュータ1900と他のパーソナルコンピュータやワードプロセッサ等の各種外部電子機器との間をネットワーク接続するための制御装置である。通信制御装置1400は、これら各種外部電子機器からコンピュータ1900にアクセスすることを可能とする。
【0084】
入出力I/F1500は、パラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続するためのインターフェースである。
【0085】
本実施形態1〜4では、コンピュータ1900は、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等を含むコンピュータシステムで構成される。しかしこれに限らず、コンピュータ1900は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)のサーバ、コンピュータ(パソコン)通信のホスト、インターネット上に接続されたコンピュータシステム等によって構成されることも可能である。また、ネットワーク上の各機器に機能分散させ、ネットワーク全体でコンピュータ1900を構成することも可能である。
【0086】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。その様な変更を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0087】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置および方法における各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのではない限り、任意の順序で実現しうる。特許請求の範囲、明細書および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0088】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記)
(項目1)
中継装置の識別情報と、前記中継装置に接続される通信端末のアドレス情報であって、前記通信端末への着信に用いられる前記アドレス情報とを関連付けて管理する管理テーブルと、
前記通信端末が接続先を第1の中継装置から第2の中継装置に変更した場合、前記管理テーブルの前記通信端末の前記アドレス情報に関連付けられる中継装置の識別情報を前記第2の中継装置の識別情報に更新する更新部と
を備える装置。
(項目2)
複数の中継装置に接続され、前記複数の中継装置の各々から、各々に接続される通信端末のアドレス情報を受信する通信処理部を備える、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記通信処理部は、前記通信端末が前記第2の中継装置との接続を確立したことに応じて、前記第2の中継装置から接続通知を受信し、
前記更新部は、前記接続通知が受信されたことに応じて、前記通信端末の前記アドレス情報と前記第2の中継装置の識別情報との関連付けを有効化する、項目2に記載の装置。
(項目4)
前記通信処理部は、前記通信端末が前記第1の中継装置との接続を解除したことに応じて、前記第1の中継装置から解除通知を受信し、
前記更新部は、前記解除通知が受信されたことに応じて、前記通信端末の前記アドレス情報と前記第1の中継装置の識別情報との関連付けを無効化する、項目2または3に記載の装置。
(項目5)
前記通信処理部は、前記管理テーブルが更新されたことに応じて、更新に係る情報を前記複数の中継装置に送信する、項目2から4のいずれか一項に記載の装置。
(項目6)
前記通信処理部は、前記中継装置がアドレス情報を有さない新規の通信端末と接続した場合、前記新規の通信端末の識別情報を前記中継装置から受信し、
前記更新部は、前記識別情報に基づいて、前記新規の通信端末にアドレス情報を割り当て、前記アドレス情報に対応するレコードを前記管理テーブルに追加する、項目2から5のいずれか一項に記載の装置。
(項目7)
複数の中継装置と、主装置と、中継装置に接続される通信端末とを備える電話システムであって、
前記主装置は、
前記中継装置の識別情報と、前記通信端末のアドレス情報であって、前記通信端末への着信に用いられるアドレス情報とを関連付けて管理する管理テーブルと、
前記通信端末が接続先を第1の中継装置から第2の中継装置に変更した場合、前記通信端末の前記アドレス情報に関連付けられる中継装置の識別情報を前記第2の中継装置の識別情報に更新する更新部と
を有するシステム。
(項目8)
前記主装置は、複数の中継装置に接続され、前記複数の中継装置の各々から、各々に接続される通信端末のアドレス情報を受信する通信処理部を有する、項目7に記載のシステム。
(項目9)
中継装置の識別情報と、前記中継装置に接続される通信端末のアドレス情報であって、前記通信端末への着信に用いられるアドレス情報とを管理テーブルに関連付ける段階と、
前記通信端末が接続先を第1の中継装置から第2の中継装置に変更した場合、前記管理テーブルの前記通信端末の前記アドレス情報に関連付けられる中継装置の識別情報を前記第2の中継装置の識別情報に更新する段階と
を備える方法。
(項目10)
中継装置の識別情報と、前記中継装置に接続される通信端末のアドレス情報であって、前記通信端末への着信に用いられるアドレス情報とを管理テーブルに関連付ける段階と、
前記通信端末が接続先を第1の中継装置から第2の中継装置に変更した場合、前記管理テーブルの前記通信端末の前記アドレス情報に関連付けられる中継装置の識別情報を前記第2の中継装置の識別情報に更新する段階と
をコンピュータに実行させるプログラム。