(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記提示手段は、前記操作キーの位置情報を順に提示する場合に、次の前記操作キーの位置情報を提示する前に、前記キーボードの操作をするための基本状態であるホームポジションに両手を構えた画像を表示手段に表示して提示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキーボード入力練習装置。
前記提示ステップは、前記キーボードのキー操作により入力される文字と、当該文字を入力するために操作すべき複数の前記操作キーの位置情報と、を対応付けて記憶する前記記憶手段を参照して、前記出題ステップによって出題された前記文字を入力するために操作すべき前記複数の操作キーの位置情報を、順に提示することを特徴とする請求項6に記載のキーボード入力練習方法。
前記提示ステップは、前記操作キーの位置情報を順に提示する場合に、次の前記操作キーの位置情報を提示する前に、前記キーボードの操作をするための基本状態であるホームポジションに両手を構えた画像を表示手段に表示して提示することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のキーボード入力練習方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
仮名文字入力の際に、入力する仮名文字をローマ字の構成に基づいてキーを選択するローマ字入力の方法がある。例えば、仮名文字「き」を入力する際、
(1)頭の中で「き」をローマ字「KI」に一旦変換し、
(2)次いで、「K」のキー、次に「I」のキー、の順で操作することになる。
複雑な仮名文字、例えば、「きゃ」を入力する際も、同様に、頭の中で一旦「きゃ」をローマ字「KYA」に変換、次いで、「K」のキー、「Y」のキー、「A」のキーと操作する。
【0007】
つまり、入力したい仮名文字を(1)ローマ字に変換してから、(2)そのローマ字を構成するアルファベットのキーを順に操作する動作となる。これには、仮名文字に対応するローマ字の構成と、各アルファベットのキー位置を記憶する必要があり、仮名文字を早く、直感的に、かつ、正確に入力できるようになるには時間が掛かる。そのため、キーボードによる文字入力を更に効率よく上達させたいという要望がある。
【0008】
本発明は、このような問題等に鑑みて、キーボードによる文字入力を短期間でマスターでき、かつ、飛躍的に上達させる(スピード向上、正確さ向上)ことが可能なキーボード入力練習装置、キーボード入力練習プログラム、キーボード入力練習方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のキーボード入力練習装置は、キーボードのキー操作を練習するためのキーボード入力練習装置であって、前記キーボードのキー操作の練習のための文字を出題する出題手段と、前記キーボードのキー操作により入力される文字と、当該文字を入力するために操作すべき操作キーの位置情報と、を対応付けて記憶する記憶手段を参照して、前記出題手段によって出題された前記文字を入力するために操作すべき操作キーの位置情報を提示する提示手段と、を有し、前記操作キーの位置情報は、操作する指を指定する指(ゆび)指定情報と、当該指で操作すべき位置を指定する操作位置指定情報を含み、前記操作位置指定情報は、前記キーボードの操作をするための基本状態であるホームポジションに手を構えた際の各指の位置を基準位置として、当該基準位置
、又は、前記基準位置に対して上段、又は、前記基準位置に対して下段の何れかであって、前記提示手段は、前記操作位置指定情報が前記上段である場合には、左右の手のうち、前記指(ゆび)指定情報が指定する指の手全体が上段に移動した画像を表示手段に表示して提示し、前記操作位置指定情報が前記下段である場合には、左右の手のうち、前記指(ゆび)指定情報が指定する指の手全体が下段に移動した画像を表示手段に表示して提示することを特徴とする。
【0012】
前記提示手段は、前記キーボードのキー操作により入力される文字と、当該文字を入力するために操作すべき複数の前記操作キーの位置情報と、を対応付けて記憶する前記記憶手段を参照して、前記出題手段によって出題された前記文字を入力するために操作すべき前記複数の操作キーの位置情報を、順に提示するよう構成してもよい。
【0013】
前記提示手段は、前記操作キーの位置情報を順に提示する場合に、次の前記操作キーの位置情報を提示する前に、前記キーボードの操作をするための基本状態であるホームポジションに両手を構えた画像を表示手段に表示して提示するよう構成してもよい。
前記キーボードは、無地でもよい
【0014】
コンピュータを、上述したキーボード入力練習装置として機能させてもよい。
【0015】
本発明のキーボード入力練習方法は、キーボードのキー操作を練習するためのキーボード入力練習装置によるキーボード入力練習方法であって、前記キーボード入力練習装置が、前記キーボードのキー操作の練習のための文字を出題する出題ステップと、前記キーボードのキー操作により入力される文字と、当該文字を入力するために操作すべき操作キーの位置情報と、を対応付けて記憶する記憶手段を参照して、前記出題ステップにて出題された前記文字を入力するために操作すべきキーの位置情報を提示する提示ステップと、を有し、前記操作キーの位置情報は、操作する指を指定する指(ゆび)指定情報と、当該指で操作すべき位置を指定する操作位置指定情報を含み、前記操作位置指定情報は、前記キーボードの操作をするための基本状態であるホームポジションに手を構えた際の各指の位置を基準位置として、当該基準位置
、又は、前記基準位置に対して上段、又は、前記基準位置に対して下段の何れかであって、前記提示ステップでは、前記操作位置指定情報が前記上段である場合には、左右の手のうち、前記指(ゆび)指定情報が指定する指の手全体が上段に移動した画像を表示手段に表示して提示し、前記操作位置指定情報が前記下段である場合には、左右の手のうち、前記指(ゆび)指定情報が指定する指の手全体が下段に移動した画像を表示手段に表示して提示することを特徴とする。
【0018】
前記提示ステップは、前記キーボードのキー操作により入力される文字と、当該文字を入力するために操作すべき複数の前記操作キーの位置情報と、を対応付けて記憶する前記記憶手段を参照して、前記出題ステップによって出題された前記文字を入力するために操作すべき前記複数の操作キーの位置情報を、順に提示するよう構成してもよい。
【0019】
前記提示ステップは、前記操作キーの位置情報を順に提示する場合に、次の前記操作キーの位置情報を提示する前に、前記キーボードの操作をするための基本状態であるホームポジションに両手を構えた画像を表示手段に表示して提示するよう構成してもよい。
前記キーボードは、無地でもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のキーボード入力練習装置又はキーボード入力練習プログラム又はキーボード入力練習方法によれば、文字を入力するために操作する操作キーの位置(操作する指、操作すべき位置)を提示して入力練習を行うことにより、操作すべきキーの位置を脳に定着させることができるので、文字入力を飛躍的に上達させることが可能なキーボード入力練習装置又はキーボード入力練習プログラム又はキーボード入力練習方法を提供することができる。
また、このような操作位置指定情報に対応した“手全体”の描画により、操作すべき指のみが操作すべきキーの位置に伸びる表示に比べて、操作位置を視覚的に認識しやすくなり、わかりやすくなるキーボード入力練習装置又はキーボード入力練習プログラム又はキーボード入力練習方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その効果を奏する限りにおいて種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。また、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするために、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0023】
図1は本実施形態における本発明のキーボード入力練習装置10の構成を概略的に示すブロック図である。
キーボード入力練習装置10は、キーボードのキー操作により文字入力を練習するためのキーボード入力練習装置であって、キーボードのキー操作の練習のための文字を出題する出題手段110と、キーボードのキー操作により入力される文字と、当該文字を入力するために操作すべき操作キーの位置情報と、を対応付けて記憶する記憶手段12(操作キー位置情報データベース121)を参照して、出題手段110によって出題された文字を入力するために操作すべき操作キーの位置情報を提示する提示手段111を有する。また、文字を入力するために操作すべきキーの位置情報は、操作する指を指定する指(ゆび)指定情報と、当該指で操作すべき位置を指定する操作位置指定情報を含み、操作位置指定情報は、キーボードの操作をするための基本状態であるホームポジションに手を構えた際の各指の位置を基準位置として、当該基準位置と比較した操作位置であることを必須の構成とする。
【0024】
本実施形態のキーボード入力練習装置10は、ディスプレイ(不図示)と、キーボード15aを含んで構成される。キーボード入力練習装置10は、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM(Random Access Memory),各種データ及びプログラム(本発明のキーボード入力練習プログラムを含む)を記憶するROM(Read Only Memory)又はハードディスクドライブ等から構成された本発明のコンピュータとしての制御部11、出題する文字と当該文字を入力するために操作する操作キーの位置情報等の各種情報を記憶する記憶手段12、各種情報を接続されたスピーカ(不図示)から再生する再生出力部13、モニタ等の表示画面14aを備える表示手段14、キーボード入力練習装置10を操作するユーザからの操作指示を受け付け当該指示に応じた指示信号を制御部11に対して与える操作部15(例えば、キーボード15a、マウス、ホームボタン、表示画面14a上のタッチパネルを含む)、各種通信網(インターネット回線等を含む)を介して他の装置と通信を行なうための通信部16を備えて構成されている。各構成部材は相互に接続されている。
【0025】
制御部11は、例えば、プロセッサがメモリに保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro processing Unit)、CPU、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)、等を含んでよい。
【0026】
制御部11に含まれる算術論理演算ユニット及び各種レジスタ(プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等)が、ROMに格納されているプログラム(例えば、通信部16を介してパーソナルコンピュータにインストールされた本発明によるアプリケーション(キーボード入力練習プログラム))を解釈及び実行する。具体的には、操作部15から受け付けた指示信号によってプログラムの開始が指示されることによりキーボード入力練習プログラムを実行する。
【0027】
記憶手段12は、操作キー位置情報データベース121と、履歴データベース122等を記憶する。
図2は、操作キー位置情報データベース121に記憶された出題する文字、当該文字を入力するために操作する操作キーの位置情報等の各種情報を示す図である。当該操作キー位置情報データベース121には、出題する文字と、当該文字を入力するために操作する操作キーの位置情報と、操作キーの位置情報の画像情報とが対応付けて記憶されている。
操作キーの位置情報は、当該文字を入力するために操作する指を指定する指(ゆび)指定情報(「右中指」)と、当該指で操作すべき位置を指定する操作位置指定情報を含む。また、
図2の例では、更に操作キーの位置情報の画像情報を操作キーの位置情報として対応付けて記憶した。
【0028】
履歴データベース122は、例えば、ユーザが練習問題を行った日時とともに、その際の各問題の正答、誤答などの履歴情報を記憶する。
【0029】
次に、キーボード入力練習処理について図を用いて説明する。
キーボード入力練習処理が開始されると、制御部11の出題手段110は、ユーザに対しキー操作の練習のための文字を出題する。例えば、表示画面14aに表示された練習文字選択画面の練習する文字の選択メニュー(不図示)において、操作キー位置情報データベース121に記憶されている文字のうち、ユーザによってマウス操作等により今回入力練習する文字が選択されると、選択された文字に関する情報が操作キー位置情報データベース121から制御部11の作業用RAM等に記憶される。
【0030】
図3乃至
図5は、キーボード入力練習装置10のキーボード入力練習処理に伴う表示動作を示す図である。同図は、「き」の入力練習が選択され、操作キー位置情報データベース121に記憶された文字「き」に対応付けられた各情報に基づいて行われる入力練習の際の表示画面14aの表示例である。同図の例では、“「き」の入力練習 「き」の出し方”と表示し出題している。
【0031】
なお、制御部11の出題手段110は、最初は入力が簡単な文字から徐々に難易度を上げた文字を選択して出題するようにしてもよい。入力が簡単な文字とは、例えば、文字を入力するために操作すべき操作キーが右手だけであるものや、操作キーの操作位置指定情報がホームポジションのまま、すなわち、各指の位置が基準位置のままであるもの等である。
【0032】
ここで、ホームポジションとは、ブラインドタッチを行う際に基本となる基準位置である。例えば、
図6に示すキーボード15aであれば、左手の人差し指のホームポジションのキーはキー15a(1)であり、右手の人差し指のホームポジションのキーはキー15a(2)である。
【0033】
なお、本発明は、各文字をアルファベットの組み合わせ(ローマ字)により入力練習する手法ではない。各文字を入力するために操作すべき
各キーの位置の組み合わせにより入力練習する方法である。従って各キーにはアルファベット、仮名文字、その他の表記のない無地のキーボードを用いてもよい。
【0034】
良く知られている市販のJISキーボードによりホームポジションの位置の説明をすると、
便宜上、“ホームポジションは、左手のホームポジションのキーは「F/は」、右手のホームポジションのキーは「J/ま」のキーがそれぞれ該当する。”という説明になる。
【0035】
文字の入力練習が開始されると、制御部11の提示手段110は、記憶手段12の操作キー位置情報データベース121を参照して、出題された文字を入力するために操作すべき操作キーの位置情報を表示手段14の表示画面14aに表示(提示)する。文字「き」の入力練習の場合、文字「き」に対応付けて記憶されている指(ゆび)指定情報「右中指」と操作位置指定情報として基準位置を示す「ホームポジション」に基づいて、表示画面14aに操作キーの位置情報が表示される。
【0036】
図3の例では、操作キーの位置情報が、出題された文字「き」を入力するために操作すべき操作キーの位置情報である指(ゆび)指定情報20(「右中指」)と、操作位置指定情報21(「ホームポジション」)に基づいて“ホームポジションで右中指にあるキーを押してみましょう”という文章が生成され表示される。操作キーの位置情報を提示する際、
図3に示すように指(ゆび)指定情報20(図中一点鎖線で示す)と操作位置指定情報21(図中破線で示す)とを用いて、ユーザに分かりやすい文章にして入力を促すよう提示してもよい。
【0037】
また、
図3の例では、記憶手段12の操作キー位置情報データベース121を参照して、出題された文字を入力するために操作すべき操作キーの位置情報の画像情報(image6)に基づいて、指(ゆび)指定情報が示す指と操作位置指定情報が示す操作位置を示す画像22を表示している。これにより、ユーザは視線をキーボードに落とすことなく、操作すべき指と操作すべき位置を視覚的に瞬時に認識できる。
【0038】
文字「き」のように、文字を入力するために操作すべき操作キーが複数ある場合、最初の操作キーが操作されたことを表示(提示)してもよい。例えば、
図3に示す例では、最初の(1番目の)操作キー“「右中指」+「ホームポジション」”の入力がされると、例えば「*」マーク23で入力があったことを表示(提示)する。
【0039】
また、制御部11による正誤判定の結果、正答である場合、すなわち、提示された位置情報が示すキーと、入力された操作キーとが合致している場合には、正答である旨をユーザに表示画面にて又はスピーカから音声出力により提示するよう構成してもよい。
図3の例では表示画面14aに正答提示24を表示した。
【0040】
次いで、記憶手段12の操作キー位置情報データベース121を参照して、制御部11の提示手段110は、出題された文字を入力するために、次に操作すべき操作キーの位置情報を表示手段14の表示画面14aに表示(提示)する。文字「き」の入力練習の場合、文字「き」に対応付けて記憶されている、次の(2番目の)指(ゆび)指定情報「右中指」と操作位置指定情報「上段」に基づいて、表示画面14aに操作キーの位置情報が表示される。
【0041】
図4の例では、操作キーの位置情報が、出題された文字「き」を入力するために2番目に操作すべき操作キーの位置情報である指(ゆび)指定情報20(「右中指」)と、操作位置指定情報21(「上段」)に基づいて“右中指で上段を押してみましょう”という文章が生成され表示される。また、
図4の例では、記憶手段12の操作キー位置情報データベース121を参照して、出題された文字を入力するために操作すべき操作キーの位置情報の画像情報(image2)に基づく画像22を表示している。
【0042】
さらに、文字を入力するために操作すべき操作キーが全て操作されると、当該文字が表示画面14aに表示(提示)される。
図5は、文字「き」を入力するために操作すべき操作キー“「右中指」+「ホームポジション」”と、“「右中指」+「上段」”の2つのキーが順に操作された後に表示画面14aに表示された文字25の表示例である。制御部11による正誤判定により、キーが正しく操作され、文字25が正しく入力された場合には、正答提示24を表示してもよい。
【0043】
制御部11の出題手段110は、表示画面14a上における文字表示による出題に代えて、再生出力部13のスピーカ(不図示)より、音声により“「き」の入力練習”と出題してもよい。
また、制御部11の提示手段111は、表示画面14a上における文字表示による操作キーの位置情報の提示に代えて、再生出力部13のスピーカ(不図示)より、“右中指で上段を押してみましょう”と音声により操作キーの位置情報を提示してもよい。
【0044】
出題された文字を入力するために操作すべき操作キーの位置情報の画像情報に基づく画像22は、
図3乃至
図5に示すように、手の形(手全体)を描画している。操作位置指定情報が、ホームポジションを基準位置として、ホームポジション(そのまま)か、「上段」か「下段」としてユーザに提示している。
【0045】
そのため、左右の手のうち、指(ゆび)指定情報が指定する指の手であって、当該操作位置指定情報に合わせて“手全体”が「上」又は「下」に移動するよう(ホームポジションであればそのまま停止)描画するよう構成した。
このような操作位置指定情報に対応した“手全体”の描画により、操作すべき指のみが操作すべきキーの位置に伸びる表示に比べて、操作位置を視覚的に認識しやすくなり、わかりやすい。
【0046】
図7は、キーボード入力練習装置10の制御部11によるキーボード入力練習処理動作例を説明するためのフローチャートである。ユーザが操作部15を操作して、キーボード入力練習処理の開始を指示することにより、
図7の処理が開始される。例えば、パーソナルコンピュータであるキーボード入力練習装置10にインストールされたキーボード入力練習のアプリケーション(キーボード入力練習プログラム)が選択されることにより処理が開始される。
【0047】
まず、用意された練習モード(基本、応用、又は練習文字等)から、例えばユーザによって、いずれかの練習モード(問題)が選択されると(ステップS1)、制御部11の出題手段110が、選択された問題に相当する文字について操作すべきキーの入力を促すよう表示画面14aに表示して出題する(ステップS2)。
【0048】
次に、制御部11の提示手段111が、記憶手段12の操作キー位置情報データベース121を参照して、ステップS2で出題された文字を入力するために操作すべき操作キーの位置情報を提示する(ステップS3)。出題された文字を入力するために操作すべき操作キーが複数ある場合、最初の操作キーを提示する。
【0049】
そして、ユーザがキーボード15aを操作すると、制御部11の入力受付手段112がキー入力を受け付け(ステップS4)、次いで、制御部11は、正誤判定を行う(ステップS5)。具体的には、ステップS3で位置情報が提示された操作キーと、ステップS4で入力されたキーが合致しているか判定する。
【0050】
判定の結果を表示画面14aに表示し、又は、スピーカから音声出力することにより提示する(ステップS6)。
なお、ステップS6の判定結果の提示を行わないよう構成してもよい。判定結果が示されると、ユーザは自分の入力が「あっていたのか?」「まちがったのか?」に意識が向いてしまう。判定結果の提示を行わないよう構成すれば、ユーザは自分の入力の正誤に意識を奪われることなく、正解の動作にのみ集中することができ、結果として操作すべきキーの位置の脳への記憶を促進させることができる。
【0051】
また、キーボード入力練習処理にテストモード、練習モードがある場合、練習モードのときに、判定結果の提示を行わないよう構成し、テストモードでは、判定結果の提示を行うよう構成してもよい。
【0052】
また、正解であれば問題番号に関連付けて正答である旨を、また入力が誤っていた場合には問題番号に関連付けて誤答である旨を、その日時とともに記憶手段12の履歴データベース122に記憶する。これにより、ユーザが正しい入力をした場合には「正答」、問題に対して誤った入力をした場合には「誤答」が分かり、さらに間違った場合にはどの文字をどの文字と入力間違えしたか、その履歴も記憶される。
【0053】
次に、制御部11が、ステップS2で出題された文字を入力するために操作すべき操作キーがまだあるか判定し(ステップS7)、文字を入力するために操作すべき操作キーがまだある場合には(ステップS7:Yes)、ステップS3に移行して次に操作すべき操作キーの位置情報を提示する。そして、ステップS3〜ステップS7の処理を繰り返す。一方、文字を入力するために操作すべき操作キーがない場合(ステップS7:No)には、ステップS8へ移行する。
【0054】
ステップS8では、ユーザにより次の問題へ進む指示がされたか否かを判定し(ステップS8)、次の問題へ進む指示がされた場合には(ステップS8:Yes)、ステップS2に戻り、同じ問題(文字)が再度出題される。そして、ステップS2〜ステップS8の処理を繰り返す。一方、次の問題へ進む指示がされていない場合には(ステップS8:No)、ステップS9へ移行する。
【0055】
そして、ユーザにより処理の終了が指示されたか否かを判定し(ステップS9)、処理の終了が指示されていない場合には(ステップS9:No)、ステップS8に戻り、他方、処理の終了が指示された場合には(ステップS9:Yes)、プログラムを終了する。
【0056】
以上のように、キーボード入力練習装置10によれば、文字を入力するために操作する操作キーの位置(操作する指、操作すべき位置)を、ホームポジションを基準位置とし、当該基準位置と比較した操作位置として提示して入力練習を行うことにより、操作すべきキーの位置を脳に定着させることができるので、文字入力を短期間でマスターでき、かつ、飛躍的に上達させる(スピード向上、正確さ向上)ことが可能になる。
【0057】
本発明によれば、入力したい文字を(1)ローマ字に変換してから、(2)そのローマ字を構成するアルファベットのキーを順に操作するという動作が不要になるため、文字を構成する複雑なローマ字表記や、キーボード上のローマ字の配列を覚える必要がなくなる。
【0058】
また、提示する操作位置指定情報は、キーボード15aの操作をするための基本状態であるホームポジションに手を構えた際の各指の位置を基準位置として、当該基準位置と比較した操作位置「上段」、「下段」とした。これにより、ユーザはキーを押すごとにホームポジションに手を構え直して次のキーを押す。
【0059】
このように、ホームポジションを基準位置として、当該基準位置より「上」か「下」かの情報のみであるため、これを提示されたユーザは押すべきキーの位置を瞬時に理解しやすい。また、同時に操作すべき操作キーの位置情報の画像情報に基づいて、指(ゆび)指定情報が示す指と操作位置指定情報が示す操作位置を示す画像22を表示したので、ユーザは視覚的にも操作すべき操作キーの位置情報を素早く認識できる。
【0060】
提示手段111は、操作すべき操作キーの位置情報を順に提示する場合に、次の操作キーの位置情報を提示する前に、キーボードの操作をするための基本状態であるホームポジションに両手を構えた画像22を表示手段14に表示して提示するよう構成してもよい。キーを押すごとにホームポジションに両手を構えた画像22を表示することで、キーを押すごとに基本状態であるホームポジションに手を構え直すことをユーザに意識させることができ、都度ホームポジションに手を戻すという動作をより短時間で習得することができる。
【0061】
例えば、“「い」と「う」の入力練習”であって、「い」の次に「う」の入力を促す場合、文字「い」を入力するため操作すべき操作キー“「右中指」+「上段」”の位置情報の画像情報(image2)に基づく画像22(
図8)を表示し、「い」が打てたら(
図8中、文字25)、次に、ホームポジションに両手を構えた画像22(
図9)を表示する。その後に、文字「う」を入力するため操作すべき操作キー“「右人差し指」+「上段」”の位置情報の画像情報(image3)に基づく画像22(
図10)を表示するよう構成する。
【0062】
操作キー位置情報データベース121に記憶された文字「い」と文字「う」の操作キーの位置情報によれば、いずれも右手は上段のキーを押せばよいが、キーを押すごとに基本状態であるホームポジション(基準位置)に手を構え直すことをユーザに意識させるために、間に
図9で示したホームポジションに両手を構えた画像22を表示させるよう構成する。
【0063】
また、操作位置指定情報が示す操作位置は「上段」「下段」以外にも、例えば、ホームポジションを基準位置として「伸ばし押し」「右」「左」としてもよい。例えば、
図6に示すキーボード15aのキー15a(3)は“「左人差し指」+「右」”、キー15a(4)は“「右人差し指」+「左」”、キー15a(5)は“「左人差し指」+「伸ばし押し」”、キー15a(6)は“「右人差し指」+「伸ばし押し」”等とする。
【0064】
なお、上述した実施形態では、本発明の文字の一例として、仮名文字を複数の操作すべき操作キーの位置情報と対応づけた例について説明した。具体的には、仮名文字を1つ乃至4つの操作キーの位置情報と対応づけた例について説明しており、例えば、「あ」の場合1つの操作キーの位置情報と対応づけており、「か」の場合2つの操作キーの位置情報と対応づけており、「りょ」の場合3つの操作キーの位置情報と対応付けており、「っちゃ」の場合4つの操作キーの位置情報と対応付けた例について説明した(
図2参照)。
【0065】
本発明は仮名文字に限らず「漢字」を本発明の文字の一例としてもよい。入力される文字に対し、当該文字を入力するために操作すべき操作キーであって、1又は複数の操作キーの位置情報の組み合わせを対応付けて操作キー位置情報データベース121に記憶する。例えば、漢字「人」を文字の一例とし、当該「人」を入力するために操作すべき操作キーとして例えば “「右手」+「ホームポジション」”と、「左手」+「上段」”等と2つの操作キーの位置情報の組み合わせ、対応づければよい。
【0066】
文字と、当該文字を入力するために操作すべき操作キーの位置情報の組み合わせによる構成のため、漢字を含む種々の文字に対応づけることができる。
【0067】
なお、本実施形態は、パーソナルコンピュータにソフトウェアをインストールして本発明を実現する例について説明したが、上述のキーボード入力練習装置10をインターネット上の所定のサーバで実現し、このサーバがコンピュータプログラムを実行することで、各ユーザは当該サーバにアクセスすることで、上述の処理を実行するようにしてもよい。また、上述の機能をコンピュータで実現するためのコンピュータプログラムを提供してもよい。
【0068】
本発明の適用範囲は上述した構成に限定されることはない。本発明は、文字のキーボード入力を練習するキーボード入力練習装置等に対し、広く適用することができる。