【文献】
Critical Reviews in Food Science and Nutrition,2009,Vol.49,p.741−781
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
約250mg〜約500mgの治療組成物を含む固体経口剤形であって、治療組成物が乾燥クランベリーパウダー及び追加のクランベリー種子又はクランベリー種子ミールを含み、追加のクランベリー種子又はクランベリー種子ミールが乾燥クランベリーパウダーの約15重量%〜約25重量%の量で治療組成物中に存在し、治療組成物におけるキナ酸、リンゴ酸、クエン酸の合計量が約8重量%未満である、固体経口剤形。
組成物が0.5重量%〜5.0重量%のプロアントシアニジン、0.05重量%〜1.5重量%のケルセチン、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−ラムノシド、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−キシロシド、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−アラビノシド、0.001重量%〜0.5重量%のミリセチン、0.001重量%〜0.1重量%のペオニジン−3−ガラクトシド、0.001重量%〜0.1重量%のペオニジン−3−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のペオニジン−3−アラビノシド、0.001重量%〜0.1重量%のシアニジン−3−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のシアニジン−3−ガラクトシド、0.001重量%〜0.1重量%のシアニジン−3−アラビノシド、0.001重量%〜0.1重量%のプロトカテク酸、0.001重量%〜0.1重量%のp−クマリン酸、0.001重量%〜0.1重量%のカフェオイル−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のクマロイル−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のカフェ酸、0.001重量%〜0.1重量%のクロロゲン酸、又は0.01重量%〜1.5重量%のウルソル酸を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の固体経口剤形。
組成物が1.0重量%〜1.2重量%のプロアントシアニジン、0.16重量%〜0.20重量%のケルセチン、0.07重量%〜0.09重量%のケルセチン−3−グルコシド、0.03重量%〜0.04重量%のケルセチン−3−ラムノシド、0.019重量%〜0.025重量%のケルセチン−3−キシロシド、0.025重量%〜0.035重量%のケルセチン−3−アラビノシド、0.010重量%〜0.014重量%のミリセチン、0.022重量%〜0.030重量%のペオニジン−3−ガラクトシド、0.0025重量%〜0.0035重量%のペオニジン−3−グルコシド、0.010重量%〜0.020重量%のペオニジン−3−アラビノシド、0.0005重量%〜0.0015重量%のシアニジン−3−グルコシド、0.015重量%〜0.030重量%のシアニジン−3−ガラクトシド、0.010重量%〜0.025重量%のシアニジン−3−アラビノシド、0.019重量%〜0.025重量%のプロトカテク酸、0.04重量%〜0.06重量%のp−クマリン酸、0.015重量%〜0.025重量%のカフェオイル−グルコシド、0.005重量%〜0.015重量%のクマロイル−グルコシド、0.010重量%〜0.015重量%のカフェ酸、又は0.030重量%〜0.04重量%のクロロゲン酸を含む、請求項11に記載の固体経口剤形。
組成物が、その組成物100g当たり、1〜100μgのラリシレシノール、1〜100μgのセコイソラリシレシノール、又は1〜100μgのピノレシノールを含む、請求項1〜12のいずれかに記載の固体経口剤形。
対象における膀胱閉塞、間質性膀胱炎、低活動膀胱、前立腺炎、膀胱及び前立腺の炎症、前立腺線維症、又は骨盤痛を治療するための医薬の製造における、有効量の請求項1〜17のいずれかに記載の組成物の使用。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、クランベリー種子又はクランベリー種子ミールを乾燥クランベリーパウダーに添加すると、下部尿路症状(LUTS)及び他の疾患又は症状に対して効果的であって、既存の治療の副作用を示さない治療組成物を提供するという発見に部分的に基づく。
【0012】
一態様では、本発明は、乾燥クランベリーパウダー及び乾燥クランベリー種子を含む治療組成物を提供する。
【0013】
別の態様では、本発明は、乾燥クランベリーパウダー及びクランベリー種子ミールを含む治療組成物を提供する。
【0014】
いくつかの実施形態では、クランベリーはVaccinium macrocarponである。
【0015】
いくつかの実施形態では、クランベリーはVaccinium microcarponである。
【0016】
いくつかの実施形態では、クランベリーはVaccinium oxycoccusである。
【0017】
いくつかの実施形態では、クランベリー種子は乾燥クランベリーパウダーの約5重量%〜約50重量%の量で存在する。
【0018】
いくつかの実施形態では、クランベリー種子は乾燥クランベリーパウダーの約15重量%〜約25重量%の量で存在する。
【0019】
いくつかの実施形態では、クランベリー種子は乾燥クランベリーパウダーの約20重量%の量で存在する。
【0020】
いくつかの実施形態では、クランベリー種子ミールは乾燥クランベリーパウダーの約5重量%〜約50重量%の量で存在する。
【0021】
いくつかの実施形態では、クランベリー種子ミールは乾燥クランベリーパウダーの約15重量%〜約25重量%の量で存在する。
【0022】
いくつかの実施形態では、クランベリー種子ミールは乾燥クランベリーパウダーの約20重量%の量で存在する。
【0023】
いくつかの実施形態では、組成物は約12重量%未満の有機酸を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、組成物は約10重量%未満の有機酸を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、組成物は約5重量%〜約8重量%の有機酸を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、組成物は約15重量%未満の糖を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、組成物は約12重量%未満の糖を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、組成物は約1重量%〜約5重量%のキナ酸を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、組成物は約2.2重量%〜約3.2重量%のキナ酸を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、組成物は約0.4重量%〜約4重量%のリンゴ酸を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、組成物は約0.8重量%〜約1.8重量%のリンゴ酸を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、組成物は約1重量%〜約5重量%のクエン酸を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、組成物は約1.8重量%〜約3.2重量%のクエン酸を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、組成物は、0.5重量%〜5.0重量%のプロアントシアニジン、0.05重量%〜1.5重量%のケルセチン、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−ラムノシド、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−キシロシド、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−アラビノシド、0.001重量%〜0.5重量%のミリセチン、0.001重量%〜0.1重量%のペオニジン−3−ガラクトシド、0.001重量%〜0.1重量%のペオニジン−3−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のペオニジン−3−アラビノシド、0.001重量%〜0.1重量%のシアニジン−3−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のシアニジン−3−ガラクトシド、0.001重量%〜0.1重量%のシアニジン−3−アラビノシド、0.001重量%〜0.1重量%のプロトカテク酸、0.001重量%〜0.1重量%のp−クマリン酸、0.001重量%〜0.1重量%のカフェオイル−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のクマロイル−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のカフェ酸、0.001重量%〜0.1重量%のクロロゲン酸、又は0.01重量%〜1.5重量%のウルソル酸を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、組成物は、1.0重量%〜1.2重量%のプロアントシアニジン、0.16重量%〜0.20重量%のケルセチン、0.07重量%〜0.09重量%のケルセチン−3−グルコシド、0.03重量%〜0.04重量%のケルセチン−3−ラムノシド、0.019重量%〜0.025重量%のケルセチン−3−キシロシド、0.025重量%〜0.035重量%のケルセチン−3−アラビノシド、0.010重量%〜0.014重量%のミリセチン、0.022重量%〜0.030重量%のペオニジン−3−ガラクトシド、0.0025重量%〜0.0035重量%のペオニジン−3−グルコシド、0.010重量%〜0.020重量%のペオニジン−3−アラビノシド、0.0005重量%〜0.0015重量%のシアニジン−3−グルコシド、0.015重量%〜0.030重量%のシアニジン−3−ガラクトシド、0.010重量%〜0.025重量%のシアニジン−3−アラビノシド、0.019重量%〜0.025重量%のプロトカテク酸、0.04重量%〜0.06重量%のp−クマリン酸、0.015重量%〜0.025重量%のカフェオイル−グルコシド、0.005重量%〜0.015重量%のクマロイル−グルコシド、0.010重量%〜0.015重量%のカフェ酸、又は0.030重量%〜0.04重量%のクロロゲン酸を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1.1重量%のプロアントシアニジン、約0.18重量%のケルセチン、約0.083重量%のケルセチン−3−グルコシド、約0.034重量%のケルセチン−3−ラムノシド、約0.022重量%のケルセチン−3−キシロシド、約0.030重量%のケルセチン−3−アラビノシド、約0.012重量%のミリセチン、約0.027重量%のペオニジン−3−ガラクトシド、約0.003重量%のペオニジン−3−グルコシド、約0.014重量%のペオニジン−3−アラビノシド、約0.001重量%のシアニジン−3−グルコシド、約0.022重量%のシアニジン−3−ガラクトシド、約0.018重量%のシアニジン−3−アラビノシド、約0.022重量%のプロトカテク酸、約0.052重量%のp−クマリン酸、約0.021重量%のカフェオイル−グルコシド、約0.011重量%のクマロイル−グルコシド、約0.014重量%のカフェ酸、約0.034重量%クロロゲン酸、又は約0.92重量%のウルソル酸を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物100g当たり、1〜100μgのラリシレシノール、1〜100μgのセコイソラリシレシノール、又は1〜100μgのピノレシノールを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物100g当たり、約51μgのラリシレシノール、約12μgのセコイソラリシレシノール、又は約78μgのピノレシノールを含む。
【0039】
別の態様では、本発明は、上記治療組成物を含む固体経口剤形を提供する。
【0040】
いくつかの実施形態では、固体経口剤形は錠剤である。
【0041】
いくつかの実施形態では、固体経口剤形はカプセルである。
【0042】
いくつかの実施形態では、固体経口剤形はソフトゲルである。
【0043】
いくつかの実施形態では、固体経口剤形は100mg〜500mgの治療組成物を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、固体経口剤形は250mgの治療組成物を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、固体経口剤形は500mgの治療組成物を含む。
【0046】
別の態様では、本発明は、対象における下部尿路症状(LUTS)を軽減するための方法であって、その必要のある対象に有効量の上記組成物を投与する方法を提供する。
【0047】
別の態様では、本発明は、対象における良性前立腺過形成(BPH)の症状を軽減するための方法であって、その必要のある対象に有効量の上記組成物を投与する方法を提供する。
【0048】
別の態様では、本発明は、対象における勃起障害(ED)を治療するための方法であって、その必要のある対象に有効量の上記組成物を投与する方法を提供する。
【0049】
別の態様では、本発明は、対象における尿失禁を治療するための方法であって、その必要のある対象に有効量の上記組成物を投与する方法を提供する。
【0050】
別の態様では、本発明は、対象における過活動膀胱(OAB)を治療するための方法であって、その必要のある対象に有効量の上記組成物を投与する方法を提供する。
【0051】
他の態様では、本発明は、象における膀胱閉塞、間質性膀胱炎、低活動膀胱、前立腺炎、膀胱及び前立腺の炎症、前立腺線維症、又は骨盤痛を治療するための方法であって、その必要のある対象に有効量の上記組成物を投与する方法を提供する。
【0052】
いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0053】
いくつかの実施形態では、ヒトは男である。
【0054】
いくつかの実施形態では、ヒトは女である。
【0055】
本発明を以下の図を参照して記述するが、図は説明の目的のためだけに示されており、本発明を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0057】
定義
本明細書で参照される特許文献及び科学文献は、当業者に利用可能な知識を確立する。発行された米国特許、許可された出願、公開された外国出願、及び本明細書で引用する文献は、各々が参照により組み込まれることが具体的且つ個別的に意図されるかのように、参照によりここに組み入れる。
【0058】
本明細書で使用する場合、変化する数値範囲の記載は、本発明がその範囲内の任意の値と等しい変数で実施されうることを意図する。そのため、本質的に離散した変数に関して、その変数は、範囲の終点を含む数値範囲内の任意の整数値と等しいことがある。同様に、本質的に連続した変数に関して、その変数は、範囲の終点を含む数値範囲内の任意の実数と等しいことがある。限定することなしに、一例として、0〜2の値を有すると記載された変数は、変数が本質的に離散している場合には、0、1、又は2の値をとることができ、変数が本質的に連続している場合には0.0、0.1、0.01、0.001の値、又は≧0であり≦2である任意の他の実数をとることができる。
【0059】
本明細書で使用する場合、具体的な定めがない限り、「又は」は、「いずれか/又は」の排他的な意味ではなく、「及び/又は」の包括的な意味で使用される。
【0060】
本明細書で使用する場合、「約」は±10%を意味する。例えば、「約1」は「0.9〜1.1」を意味し、「約2%」は「1.8%〜2.2%」を意味し、「約2%〜3%」は「1.8%〜3.3%」を意味し、「約3%〜約4%」は「2.7%〜4.4%」を意味する。
【0061】
クランベリーフルーツ
クランベリーフルーツ、例えばVaccinium macrocarponは、有機酸及びフェノール酸、フラボノール、フラバン−3−オール、アントシアニン、プロアントシアニジン(PAC)、並びに、ウルソル酸及びオレアノール酸を含む5環性トリテルペノイドの豊富な原料として認識されている。
【0062】
クランベリーフルーツに存在しうる薬理活性化合物の非包括的リストを表1に示す。
【0064】
クランベリーフルーツ成分に基づく治療組成物
本明細書に記載の治療組成物は、以下の範囲における下記の1種以上の成分を含むことができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療組成物は、乾燥クランベリーパウダー及び乾燥クランベリー種子を含む。他の実施形態では、本明細書に記載の治療組成物は、乾燥クランベリーパウダー及びクランベリー種子ミールを含む。組成物を作成するために使用するクランベリー種は、Vaccinium macrocarpon、Vaccinium microcarpon、又はVaccinium oxycoccusであり得る。しかしながら、他のクランベリー種も、本明細書に記載の組成物を作成するために使用することができる。
【0066】
クランベリー種子は乾燥クランベリーパウダーの約5重量%〜約50重量%、約15重量%〜約25重量%、又は約20重量%の量で治療組成物中に存在することができる。クランベリー種子ミールは乾燥クランベリーパウダーの約5重量%〜約50重量%、約15重量%〜約25重量%、又は約20重量%の量で治療組成物中に存在することができる。
【0067】
治療組成物は、約12重量%未満、約10重量%未満、又は約5重量%〜約8重量%の有機酸を含むことができる。有機酸の例としては、キナ酸、リンゴ酸、クエン酸が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0068】
有機酸成分は、Quinic, Malic and Citric Acids in Cranberry Juice Cocktail and Apple Juice (AOAC International, www.aoac.orgから利用可能)の表題のプロトコルAOAC 986.13の以下の修正版を使用して決定することができる。分析カラムは、5μm粒径、25cm x4.6 mmのC18逆相カラムと、これと一列になって後に続く5μm粒径、10cm長さのC18逆相カートリッジである。リン酸緩衝液、0.2M KH
2PO
4(pH 2.4)を使用する。流速は0.80mL/minであり、分析は室温で実施し、検出波長は214nmである。試験剤の希釈は移動相で行うことができる。標準物質のCAS#は次の通りである:CAS-77-92-9 (クエン酸), CAS-6915-15-7 (リンゴ酸), CAS-77-95-2 (キナ酸)。各有機酸の濃度を計算するために使用する式は次の通りである:
(PA/PA') x (V'/V) x C
[式中、PA及びPA'はそれぞれ、試験溶液及び標準物質のピークエリア;V及びV'はそれぞれ、試験溶液及び標準物質の体積;Cは標準物質の濃度(%)]。
シキミ酸及びアスコルビン酸もこの方法で検出することができる。
【0069】
治療組成物は、約1重量%〜約5重量%、又は約2.2重量%〜約3.2重量%のキナ酸を含むことができる。
【0070】
治療組成物は、約0.4重量%〜約4重量%、又は約0.8重量%〜約1.8重量%のリンゴ酸を含むことができる。
【0071】
治療組成物は、約1重量%〜約5重量%、又は約1.8重量%〜約3.2重量%のクエン酸を含むことができる。
【0072】
治療組成物は、約15重量%未満、又は約12重量%未満の糖を含むことができる。フルクトース、グルコース、及びスクロースはクランベリーの典型的な糖の例である。糖含有量は、全体的な糖の量を反映し、個々の内訳はこれらのロットにおいて提供されていなかった。
【0073】
糖含有量は、プロトコルAOAC 977.20の以下の修正版を使用し、HPLCで決定することができる。使用するカラムは、ガードカラム又は均等物を備えたμ-Bondapak/Carbohydrate (Waters Associates, No. 84038)である。移動相は、非スペクトロ(non-spectro)アセトニトリルを水で希釈したもの(83/17, v/v)である。糖標準溶液は、フルクトース(CAS# 57-48-7)、グルコース(CAS# 50-99-7)及びスクロース(CAS# 57-50-1)からなる。サンプルは水で希釈し、45μmフィルターで濾過する。10μLのサンプルを室温でカラムに注入する。流速は1.0mL/minであり、アイソクラチック条件で20分間である。屈折率検出器を使用する。グルコース、フルクトース、及びスクロースの量を、以下の通り、積分値から又はピーク高さから計算する:
糖の重量% = 100 × (PH/PH') × (V/V') × (W'/W)
[式中、PH及びPH'はそれぞれ、サンプル又は標準物質のピーク高さ(又は積分値);V及びV'はそれぞれ、mL サンプル及び標準物質(50及び100)溶液;及びW及びW'はそれぞれ、g サンプル(5.000)及び標準物質]。
【0074】
いくつかの実施形態では、治療組成物は、0.5重量%〜5.0重量%のプロアントシアニジン、0.05重量%〜1.5重量%のケルセチン、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−ラムノシド、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−キシロシド、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−アラビノシド、0.001重量%〜0.5重量%のミリセチン、0.001重量%〜0.1重量%のペオニジン−3−ガラクトシド、0.001重量%〜0.1重量%のペオニジン−3−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のペオニジン−3−アラビノシド、0.001重量%〜0.1重量%のシアニジン−3−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のシアニジン−3−ガラクトシド、0.001重量%〜0.1重量%のシアニジン−3−アラビノシド、0.001重量%〜0.1重量%のプロトカテク酸、0.001重量%〜0.1重量%のp−クマリン酸、0.001重量%〜0.1重量%のカフェオイル−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のクマロイル−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のカフェ酸、0.001重量%〜0.1重量%のクロロゲン酸、又は0.01重量%〜1.5重量%のウルソル酸を含む。
【0075】
プロアントシアニジン及び1種以上の他の成分の含有量は、以下のDevelosil Diolカラム又は均等物を使用するHPLC-蛍光発光によって決定することができる。カラムコンパートメントは35℃で維持する。使用する溶媒は次の通りである:(A)アセトニトリル中2% 酢酸、及び(B) 95:3:2 メタノール / 水 / 酢酸。線形グラジエントを、35分までに0%から40% B;40分までに40%から100% B;45分までに100% アイソクラチック B;及び50分までに100%から0% B;で使用する。
【0076】
アントシアニン(ペオニジン−3−ガラクトシド、ペオニジン−3−グルコシド、ペオニジン−3−アラビノシド、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−ガラクトシド、シアニジン−3−アラビノシド)の含有量は、535 nmの波長でHPLC-UVによって決定できる。カラムはSynergi Hydro-RP又は均等物である。カラムコンパートメントは室温で維持する。移動相Aは5%ギ酸水溶液からなり、移動相Bはメタノールからなる。適用するグラジエントは、0〜2分、5% B;2〜10分、5〜20% B;10〜15分、20% B;15〜30分、20〜25% B;30〜35分、25% B;35〜50分、25〜33% B;50〜55分、33% B;55〜65分、33〜36% B;65〜70分、36〜45% B;70〜75分、45〜53% B;75〜80分、53〜55% B;80〜84分、55〜70% B;84〜88分、70〜5% B;88〜90分、5% Bである。
【0077】
特定の他のフェノール類(phenolics)の含有量は、以下の方法を使用するUPLC-MS/MSよって決定できる。Acquity T3カラム(Waters Associates)又は均等物を使用し、30℃で維持されたUPLCカラムコンパートメントに配置する。使用する溶媒は0.1%ギ酸(A)及びアセトニトリル(B)である。線形グラジエントを、5% Bから;0〜4.5分、5〜20% B;4.5〜6.45分、アイソクラチック20% B;6.45〜13.5分、20〜45% B;13.5〜16.5分、45〜100% B;16.5〜19.5分、アイソクラチック100% B;19.5〜19.52分、100〜5% B;19.52〜22.5分で適用する。検出はMS/MSで行い、全ての標準化合物を個別に調整する。
【0078】
いくつかの実施形態では、治療組成物は、1.0重量%〜1.2重量%のプロアントシアニジン、0.16重量%〜0.20重量%のケルセチン、0.07重量%〜0.09重量%のケルセチン−3−グルコシド、0.03重量%〜0.04重量%のケルセチン−3−ラムノシド、0.019重量%〜0.025重量%のケルセチン−3−キシロシド、0.025重量%〜0.035重量%のケルセチン−3−アラビノシド、0.010重量%〜0.014重量%のミリセチン、0.022重量%〜0.030重量%のペオニジン−3−ガラクトシド、0.0025重量%〜0.0035重量%のペオニジン−3−グルコシド、0.010重量%〜0.020重量%のペオニジン−3−アラビノシド、0.0005重量%〜0.0015重量%のシアニジン−3−グルコシド、0.015重量%〜0.030重量%のシアニジン−3−ガラクトシド、0.010重量%〜0.025重量%のシアニジン−3−アラビノシド、0.019重量%〜0.025重量%のプロトカテク酸、0.04重量%〜0.06重量%のp−クマリン酸、0.015重量%〜0.025重量%のカフェオイル−グルコシド、0.005重量%〜0.015重量%のクマロイル−グルコシド、0.010重量%〜0.015重量%のカフェ酸、又は0.030重量%〜0.04重量%のクロロゲン酸を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、約1.1重量%のプロアントシアニジン、約0.18重量%のケルセチン、約0.083重量%のケルセチン−3−グルコシド、約0.034重量%のケルセチン−3−ラムノシド、約0.022重量%のケルセチン−3−キシロシド、約0.030重量%のケルセチン−3−アラビノシド、約0.012重量%のミリセチン、約0.027重量%のペオニジン−3−ガラクトシド、約0.003重量%のペオニジン−3−グルコシド、約0.014重量%のペオニジン−3−アラビノシド、約0.001重量%のシアニジン−3−グルコシド、約0.022重量%のシアニジン−3−ガラクトシド、約0.018重量%のシアニジン−3−アラビノシド、約0.022重量%のプロトカテク酸、約0.052重量%のp−クマリン酸、約0.021重量%のカフェオイル−グルコシド、約0.011重量%のクマロイル−グルコシド、約0.014重量%のカフェ酸、約0.034重量%クロロゲン酸、又は約0.92重量%のウルソル酸を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、治療組成物は、組成物100g当たり、1〜100μg又は約51μgのラリシレシノールを含む。いくつかの実施形態では、治療組成物は、組成物100g当たり、1〜100μg又は約12μgのセコイソラリシレシノールを含む。いくつかの実施形態では、治療組成物は、組成物100g当たり、1〜100μg又は約78μgのピノレシノールを含む。
【0081】
リグナンの含有量は、以下のように、ACQUITY BEH C18逆相カラム又は均等物を使用するUPLC-MS/MSによって決定できる。カラムコンパートメントは30℃で維持する。使用する溶媒は(A)0.1%ギ酸及び(B)アセトニトリルである。グラジエントは、5% B、8.0分、30% B、9.0分、30% B、10.0分、50% B、12.0分、50% B、15.0分、95% B、17.0分、95% B、17.5分、5% B、23.0分、5% Bである。検出はMS/MSで行い、全ての標準化合物を個別に調整する。
【0082】
いくつかの実施形態では、上記の治療組成物は、例えば、天然原料から得られる成分を混合することによって、又は治療組成物への化学合成によって、クランベリーフルーツなしで製造することができる。
【0083】
固体剤形及び使用方法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療組成物を含む固体経口剤形は、錠剤、カプセル、又はソフトゲルである。いくつかの実施形態では、そのような固体経口剤形は、50mg〜500mg、例えば50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、又は500mgの治療組成物を含む。
【0084】
本明細書に記載の治療組成物を含む固体剤形は、当該剤形を対象に適切に投与させるために、適量の1種以上の薬学的に許容される賦形剤を含んでいてもよい。
【0085】
そのような薬学的に許容される賦形剤としては、液体、例えば水及び油(石油由来、動物由来、植物由来、又は合成由来のものを含む)、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油等があり得る。薬学的に許容される賦形剤としては、生理食塩水、アカシアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素等があり得る。加えて、補助剤、安定化剤、増粘剤、滑沢剤、及び着色剤を使用することもできる。一実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、対象に投与される際に、無菌である。適切な薬学的に許容される賦形剤は、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、ライス、コムギ、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール等も含む。本発明の治療組成物は、所望であれば、少量の湿潤剤又は乳化剤、又はpH緩衝剤を含むこともできる。一実施形態では、組成物はカプセルの形態である (例えば、米国特許第5,698,155を参照)。適切な薬学的に許容される賦形剤の他の例は、Remington's Pharmaceutical Sciences 1447-1676 (Alfonso R. Gennaro eds., 19th ed. 1995)に記載されている。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療組成物は、定型的な手順に従って、ヒトへの経口投与に適した組成物として製剤化される。経口送達用の組成物は、錠剤、トローチ剤、水性又は油性懸濁液、顆粒剤、粉剤、乳剤、カプセル剤、ソフトゲル剤、シロップ剤、又はエリキシル剤等の形態であり得る。経口投与される組成物は、薬学的に許容される口当たりの良い製剤を提供するために、1種以上の薬剤、例えば甘味剤(例えば、フルクトース、アスパルテーム又はサッカリン)、香味剤(例えば、ペパーミント、ウィンターグリーンオイル、又はチェリー)、着色剤、及び保存剤を含むことができる。更に、錠剤形態又はピル形態の場合、組成物は、胃腸管における崩壊及び吸収を遅延させ、それによって、長時間にわたって持続的な作用をもたらすために被覆されていてもよい。浸透圧的に活性な治療組成物を取り囲む選択性透過膜も、経口投与される組成物に適している。これらの後者のプラットフォームにおいて、カプセルを取り囲む環境からの液体を、ドライビング化合物が吸収し、膨潤して、薬剤又は薬剤組成物を開口部から移動させる。これらの送達プラットフォームは、即時放出製剤のスパイクプロファイルとは対照的に、実質的に0次の送達プロファイルを提供することができる。時間遅延物質、例えばグリセロールモノステアレート又はグリセロールステアレートもまた有用であり得る。経口組成物は、標準的な賦形剤、例えばマンニトール、ラクトース、スターチ、マルトデキストリン、シクロデキストリン、アルギネート、アラビアゴム、グアーガム、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、及び炭酸マグネシウムを含むことができる。一実施形態では、賦形剤は医薬品等級のものである。
【0087】
経口用途のための医薬剤形は、本明細書に記載の治療組成物と固体賦形剤とを組み合わせ、場合により、得られた混合物をすりつぶし、所望により、適切な追加の化合物を加えた後に顆粒の混合物を加工して、錠剤又は糖衣錠のコアを得ることにより、得ることができる。上記のものに加えて、適切な固体賦形剤は、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトール等の糖;トウモロコシ、コムギ、コメ、ジャガイモ又は他の植物に由来するデンプン;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース;及びアラビアゴム、及びトラガカントゴム等のゴム;並びにゼラチン、及びコラーゲン等のタンパク質;を含むが、これらに限定されない炭水化物又はタンパク質のフィラーである。マルトデキストリン及びシクロデキストリンもまた使用できる。所望であれば、崩壊剤又は可溶化剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、又はその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)を加えてもよい。
【0088】
経口用途のためのカプセルは、内部で活性成分が固体希釈剤と混合されている硬ゼラチンカプセル、及び内部で活性成分が水又は油(例えば、ピーナッツ油、液体パラフィン、又はオリーブオイル)と混合されている軟ゼラチンカプセルを含む。
【0089】
経口用途のためのソフトゲルは、液体充填物を取り囲むゼラチンベースのシェルから構成されていてもよい。ソフトゲルのシェルは、ゼラチン、水、乳白剤、及び可塑剤(例えばグリセリン及び/又はソルビトール)の組み合わせから作成され得る。
【0090】
糖衣錠のコアは適切なコーティングがなされて提供される。この目的のために、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、及び適切な有機溶媒又は溶媒混合物を任意に含みうる濃縮糖溶液を使用してもよい。染料又は顔料を、識別のために、又は活性成分用量の異なる組み合わせを特徴付けるために、錠剤又は糖衣錠のコーティングに加えてもよい。
【0091】
本明細書に記載の治療組成物は、制御放出又は持続放出の方法によって、又は当業者に周知の送達装置によって、投与することができる。例として、参照によりその全文を本明細書に組み入れる米国特許第5,674,533;5,059,595;5,120,548;5,073,543;5,639,476;及び5,354,556に記載されたものを挙げることができるが、これらに限定されない。そのような剤形は、1種以上の活性成分の制御又は持続放出を提供するのに有用であり、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、浸透性膜、浸透圧システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、マイクロスフィア、又はこれらの組み合わせを使用して、様々な割合で所望の放出プロファイルを提供する。本明細書に記載されたものを含む、当業者に周知の適切な制御又は持続放出製剤を、本発明の活性成分を使用するために、容易に選択することができる。そのため、本発明は、これらに限定されないが、制御又は持続放出に適した錠剤、カプセル、ジェルキャップ、及びカプレット等の経口投与に適した単一剤形を包含する。
【0092】
いくつかの実施形態では、制御又は持続放出組成物は、長期間にわたって、患者における下部尿路症状(LUTS)、良性前立腺過形成(BPH)、勃起障害(ED)、尿失禁、膀胱閉塞、間質性膀胱炎、過活動膀胱(OAB)、低活動膀胱、前立腺炎、膀胱及び前立腺の炎症、前立腺線維症、又は骨盤痛の症状を軽減するために、又はこれらを治療又は予防するために、最小量の治療組成物を含む。制御又は持続放出組成物の利点には、薬物の長期間の活性、投薬頻度の減少、対象のコンプライアンス向上等がある。加えて、制御又は持続放出組成物は、作用の開始時間又は他の特性、例えば、治療組成物に存在する活性成分の血中濃度、に好ましい影響をもたらすことができ、それにより、有害な副作用の発生を減少させることができる。
【0093】
制御又は持続放出組成物は、所望の治療又は予防効果を迅速にもたらす、治療組成物に存在する活性成分の一定量を最初に放出し、長時間にわたってこのレベルの治療又は予防効果を維持するために、治療組成物に存在する活性成分の残りの量を徐々に且つ持続的に放出する。治療組成物に存在する活性成分の一定の濃度を体内で維持するために、治療組成物に存在する活性成分は、代謝されて体内から排出される治療組成物に存在する活性成分の量を置き換える速度で剤形から放出され得る。活性成分の制御又は持続放出は、pH変化、温度変化、酵素の濃度及び利用可能性、水の濃度及び利用可能性、又は他の生理学的条件又は化合物を含むがこれらに限定されない様々な条件で刺激されうる。
【0094】
下部尿路症状(LUTS)、良性前立腺過形成(BPH)、勃起障害(ED)、尿失禁、膀胱閉塞、間質性膀胱炎、過活動膀胱(OAB)、低活動膀胱、前立腺炎、膀胱及び前立腺の炎症、前立腺線維症、又は骨盤痛の症状を軽減するために、又はこれらを治療又は予防するために有効な治療組成物の量は、標準的な臨床技術によって決定することができる。加えて、インビトロ又はインビボのアッセイを、最適な用量範囲の決定に役立てるために、任意に利用することができる。使用する正確な用量は、投与経路、及び治療される症状の重症度にも依存し、例えば公表された臨床試験等を考慮して医療関係者の判断、及び各対象の事情に従って決定することができる。しかしながら、適切な有効投与量は、約24時間ごとに約1mg〜約5gであるが、典型的には24時間ごとに約500mg未満である。一実施形態では、有効投与量は24時間ごとに約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1g、約1.2g、約1.4g、約1.6g、約1.8g、約2.0g、約2.2g、約2.4g、約2.6g、約2.8g、約3.0g、約3.2g、約3.4g、約3.6g、約3.8g、約4.0g、約4.2g、約4.4g、約4.6g、約4.8g、及び約5.0gである。同等の用量を、約2時間ごと、約4時間ごと、約6時間ごと、約8時間ごと、約24時間ごと、約36時間ごと、約48時間ごと、約72時間ごと、約1週間ごと、約2週間ごと、約3週間ごと、約1ヶ月ごと、約2ヵ月ごと等があげられるが、これらに限定されない様々な期間にわたって投与することができる。本明細書に記載の有効投与量は、投与される総量を意味する。即ち、1を超える治療組成物が投与される場合には、有効投与量は投与される総量に相当する。
【0095】
治療組成物は、症状が持続する限り、又は長期間投与することができる。いくつかの実施形態では、治療組成物は3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14日間投与される。
【0096】
本明細書に記載の治療組成物を利用した投与計画は、対象の型、種、年齢、体重、性別、及び医学的状態;治療する症状の重症度;投与経路;及び対象の腎臓又は肝臓の機能;を含む様々な因子に従って選択することができる。
【0097】
本明細書に記載の治療組成物は毎日1回投与することができ、又は合計1日用量を、1日2回、3回、又は4回の分割用量で投与することができる。
【0098】
本明細書に記載の治療組成物は、ヒトに使用する前に、所望の治療的又は予防的活性のために、インビトロ又はインビボでアッセイすることができる。動物モデル系を安全性及び有効性を実証するために使用することができる。
【0099】
キット
本明細書に記載の治療組成物の対象への投与を簡便にすることができるキットを本明細書に記載する。典型的なキットは、本明細書に記載の治療組成物の単位剤形、及びラベル又は印刷した説明書を含む。いくつかの実施形態では、ラベル又は印刷した説明書は、下部尿路症状(LUTS)、良性前立腺過形成(BPH)、勃起障害(ED)、尿失禁、膀胱閉塞、間質性膀胱炎、過活動膀胱(OAB)、低活動膀胱、前立腺炎、膀胱及び前立腺の炎症、前立腺線維症、又は骨盤痛の症状を軽減するための、又はこれらを治療又は予防するための単位剤形の使用について説明する。
【0100】
キットは、別の予防又は治療剤の単位剤形を更に含むこともできる。別の予防又は治療剤の例として、上記で列記したものを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0101】
治療組成物の作成方法
本明細書に記載の治療組成物は、以下のように作成することができる。クランベリー、皮、ジュース、又は搾りかすを量り、混合してスラリーを作る。組成物にクランベリー種子が豊富な場合には、種子をスラリーに加える。水をスラリーに加え、約5〜15重量%の固体とする。スラリーを14メッシュスクリーン及びせん断ポンプに通し、噴霧乾燥し、粉砕する。治療組成物にクランベリー種子ミールが豊富な場合には、それを粉砕中に加える。粉砕した組成物を篩に通し、密封し、ペレット化する。
【0102】
治療組成物を使用する方法
下部尿路症状(LUTS)の治療における使用
本明細書に記載の治療組成物は、下部尿路症状(LUTS)を軽減、治療、又は予防するために有用である。従って、対象における下部尿路症状(LUTS)を軽減、治療又は予防するための方法であって、その必要のある対象に有効量の本明細書に記載の治療組成物を投与する方法を本明細書に記載する。LUTSは、尿道を取り囲む前立腺組織の非悪性異常増殖によって特徴付けられる組織学的症状である良性前立腺過形成(BPH)に関連する可能性があるし、関連しない可能性もある。症状の軽減は、治療組成物を用いた投与又は治療の前の同一対象との比較によって、証明することができる。対象はヒトであってよく、例えば男又は女である。いくつかの実施形態では、ヒトは45歳を超えており、50歳を超えており、55歳を超えており、60歳を超えており、65歳を超えており、70歳を超えており、75歳を超えており、80歳を超えている。
【0103】
良性前立腺過形成(BPH)の治療における使用
良性前立腺過形成(BPH)は、尿道を取り囲む前立腺組織の非悪性異常増殖によって特徴付けられる組織学的症状である。
【0104】
本明細書に記載の治療組成物は、良性前立腺過形成(BPH)の症状を軽減するために、又はBPHを治療又は予防するために有用である。従って、対象における良性前立腺過形成(BPH)の症状を軽減するための、又はBPHを治療又は予防するための方法であって、その必要のある対象に有効量の本明細書に記載の治療組成物を投与する方法を本明細書に記載する。BPHの症状の軽減は、治療組成物を用いた投与又は治療の前の同一対象との比較によって、証明することができる。対象はヒトであってよく、例えば男である。いくつかの実施形態では、ヒトは45歳を超えており、50歳を超えており、55歳を超えており、60歳を超えており、65歳を超えており、70歳を超えており、75歳を超えており、80歳を超えている。
【0105】
勃起障害(ED)の治療における使用
本明細書に記載の治療組成物は、勃起障害(ED)の症状を軽減するために、又はEDを治療又は予防するために有用である。従って、対象における勃起障害(ED)の症状を軽減するための、又はEDを治療又は予防するための方法であって、その必要のある対象に有効量の本明細書に記載の治療組成物を投与する方法を本明細書に記載する。EDの症状の軽減は、治療組成物を用いた投与又は治療の前の同一対象との比較によって、証明することができる。対象はヒトであってよく、例えば男である。いくつかの実施形態では、ヒトは45歳を超えており、50歳を超えており、55歳を超えており、60歳を超えており、65歳を超えており、70歳を超えており、75歳を超えており、80歳を超えている。
【0106】
尿失禁の治療における使用
本明細書に記載の治療組成物は、尿失禁の症状を軽減するために、又は尿失禁を治療又は予防するために有用である。従って、対象における尿失禁の症状を軽減するための、又は尿失禁を治療又は予防するための方法であって、その必要のある対象に有効量の本明細書に記載の治療組成物を投与する方法を本明細書に記載する。尿失禁の症状の軽減は、治療組成物を用いた投与又は治療の前の同一対象との比較によって、証明することができる。対象はヒトであってよく、例えば男又は女である。いくつかの実施形態では、ヒトは45歳を超えており、50歳を超えており、55歳を超えており、60歳を超えており、65歳を超えており、70歳を超えており、75歳を超えており、80歳を超えている。
【0107】
過活動膀胱(OAB)の治療における使用
本明細書に記載の治療組成物は、過活動膀胱(OAB)の症状を軽減するために、又はOABを治療又は予防するために有用である。従って、対象における過活動膀胱(OAB)の症状を軽減するための、又はOABを治療又は予防するための方法であって、その必要のある対象に有効量の本明細書に記載の治療組成物を投与する方法を本明細書に記載する。過活動膀胱(OAB)の症状の軽減は、治療組成物を用いた投与又は治療の前の同一対象との比較によって、証明することができる。対象はヒトであってよく、例えば男又は女である。いくつかの実施形態では、ヒトは45歳を超えており、50歳を超えており、55歳を超えており、60歳を超えており、65歳を超えており、70歳を超えており、75歳を超えており、80歳を超えている。
【0108】
更なる疾患又は症状の治療における使用
本明細書に記載の治療組成物は、膀胱閉塞、間質性膀胱炎、低活動膀胱、前立腺炎、膀胱及び前立腺の炎症、前立腺線維症、又は骨盤痛の症状を軽減するために、又はこれらを治療又は予防するために有用である。これらの疾患又は状態の症状の軽減は、治療組成物を用いた投与又は治療の前の同一対象との比較によって、証明することができる。対象はヒトであってよく、例えば男又は女である。いくつかの実施形態では、ヒトは45歳を超えており、50歳を超えており、55歳を超えており、60歳を超えており、65歳を超えており、70歳を超えており、75歳を超えており、80歳を超えている。
【0109】
実施例
本発明を以下の実施例によって更に説明するが、これによって本発明が限定されると解釈すべきではない。当業者であれば、単なる通常の実験を使用して、本明細書に記載の特定の物質及び手法と等価な多くのものを認識し、又は確認することができる。そのような等価なものは、以下の実施例に続く特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【0110】
実施例1
クランベリー種子ミールを使用した治療組成物の調製
本明細書に記載の治療組成物は、以下のように作成することができる。クランベリー、皮、ジュース、又は搾りかすを量り、混合してスラリーを作る。組成物にクランベリー種子が豊富な場合には、種子をスラリーに加える。水をスラリーに加え、約5〜15重量%の固体とする。スラリーを14メッシュスクリーン及びせん断ポンプに通し、噴霧乾燥し、粉砕する。治療組成物にクランベリー種子ミールが豊富な場合には、それを粉砕中に加える。粉砕した組成物を篩に通し、密封し、ペレット化する。
【0111】
実施例2
治療組成物の特性評価
治療組成物を上記の通りに作成して、特性評価した。表2は、Quinic, Malic and Citric Acids in Cranberry Juice Cocktail and Apple Juiceの表題の修正AOAC (986.13)を使用して決定した、5つのサンプルの有機酸プロファイルを示す。分析カラムは、5μm粒径、25cm x 4.6mmのC18逆相カラムと、これと一列になって後に続く5μm粒径、10cm長さのC18逆相カートリッジである。リン酸緩衝液、0.2M KH
2PO
4(pH 2.4)を使用する。溶出は、アイソクラチック、流速0.80mL/min、室温、及び波長214nmである。この方法は、元々、クランベリージュースのために記載されており、パウダーに適していた。ここで、試験薬の希釈は移動相で行った。標準物質のCAS#は次の通りである:CAS-77-92-9 (クエン酸), CAS-6915-15-7 (リンゴ酸), CAS-77-95-2 (キナ酸)。各有機酸の濃度を計算するために使用する式は次の通りである:
(PA/PA') x (V'/V) x C
[式中、PA及びPA'はそれぞれ、試験溶液及び標準物質のピークエリア;V及びV'はそれぞれ、試験溶液及び標準物質の体積;Cは標準物質の濃度(%)]。結果を以下の表2に示す。
【表2】
【0112】
表3は、AOAC法AOAC 977.20の修正版を使用し、HPLCによって決定した、5つのサンプルの糖含有量を示す。使用するカラムは、ガードカラムを備えた300 ラ 4 (id) mmのμ-Bondapak/Carbohydrate (Waters Associates, No. 84038)である。移動相は、非スペクトロ(non-spectro)アセトニトリルを水で希釈したもの(83/17, v/v)からなる。糖標準溶液は、フルクトース(CAS# 57-48-7)、グルコース(CAS# 50-99-7)及びスクロース(CAS# 57-50-1)からなる。サンプルは水で希釈し、45μmフィルターで濾過する。10μLのサンプルを室温でカラムに注入する。流速は1.0mL/minであり、アイソクラチック条件で20分間である。屈折率検出器を使用する。グルコース、フルクトース、及びスクロースを、以下の通り、積分値から又はピーク高さから計算する:
糖の重量% = 100 × (PH/PH') × (V/V') × (W'/W)
[式中、PH及びPH'はそれぞれ、サンプル又は標準物質のピーク高さ(又は積分値);V及びV'はそれぞれ、mL サンプル及び標準物質(50及び100)溶液;及びW及びW'はそれぞれ、g サンプル(5.000)及び標準物質]。結果を以下の表3に示す。
【表3】
【0113】
プロアントシアニジンの濃度は、Develosil Diol又は均等物を使用するHPLC-蛍光発光によって分析した。カラムのサイズは250mm x 4.6mmであり、5ミクロンの粒径を有する。カラムコンパートメントは35℃で維持する。使用する溶媒は次の通りである:(A)アセトニトリル中2% 酢酸、及び(B) 95:3:2 メタノール / 水 / 酢酸。線形グラジエントを、35分までに0%から40% B;40分までに40%から100% B;45分までに100% アイソクラチック B;及び50分までに100%から0% B;で使用する。
【0114】
アントシアニン(ペオニジン−3−ガラクトシド、ペオニジン−3−グルコシド、ペオニジン−3−アラビノシド、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−ガラクトシド、シアニジン−3−アラビノシド)は、535 nmの波長でHPLC-UVによって分析する。カラムは、250mm x 4.6mmで4μmの粒径のSynergi Hydro-RP又は均等物である。カラムコンパートメントは室温で維持する。移動相Aは5%ギ酸水溶液からなり、移動相Bはメタノールからなる。適用するグラジエントは、0〜2分、5% B;2〜10分、5〜20% B;10〜15分、20% B;15〜30分、20〜25% B;30〜35分、25% B;35〜50分、25〜33% B;50〜55分、33% B;55〜65分、33〜36% B;65〜70分、36〜45% B;70〜75分、45〜53% B;75〜80分、53〜55% B;80〜84分、55〜70% B;84〜88分、70〜5% B;88〜90分、5% Bである。
【0115】
残りのフェノール類(phenolics)は、以下の方法を使用するUPLC-MS/MSよって分析する。Waters Associates製のAcquity T3カラム(150mm x 2.1mm id、1.8μm粒径)を使用し、30℃で維持されたUPLCカラムコンパートメントに配置する。使用する溶媒は0.1%ギ酸(A)及びアセトニトリル(B)である。線形グラジエントを、5% Bから;0〜4.5分、5〜20% B;4.5〜6.45分、アイソクラチック20% B;6.45〜13.5分、20〜45% B;13.5〜16.5分、45〜100% B;16.5〜19.5分、アイソクラチック100% B;19.5〜19.52分、100〜5% B;19.52〜22.5分で適用する。検出はMS/MSで行い、全ての標準化合物を個別に調整した。結果を表4に示す。
【表4】
【0116】
プロアントシアニジン濃度は、BL-DMAC法(Prior et al., 貼ochMulti-laboratory validation of a standard method for quantifying proanthocyanidins in cranberry powders能och J Sci Food Agric. 90:1473-8 (2010))を使用して測定すると典型的には>0.3%であり、フォリンによって測定した全ポリフェノールからカテキンモノマー(HPLC-UVで定量化)を除する修正HPLC法(Sakakibara et al., 貼ochSimultaneous Determination of All Polyphenols in Vegetables, Fruits and Teas能och J. Agri. Food. Chem., Vol. 51. Pp 572-580 (2003); Methods in Enzymology, Volume 299, 貼ochOxidants and Antioxidants Part A能och Pages 152-178, 1999 (modified))を使用して測定すると>1.5%であり、修正した欧州薬局方の方法(European Pharmacopoeia 6.0; 01/2008:1220)を使用すると>5%であり、HPLC-蛍光発光によると>1%である。
【0117】
リグナンは、2.1mm x 150mmのACQUITY BEH C18逆相1.7μm粒径カラムを使用するUPLC-MS/MSによって分析する。カラムコンパートメントは30℃で維持した。使用する溶媒は(A)0.1%ギ酸及び(B)アセトニトリルである。グラジエントは、5% B、8.0分、30% B、9.0分、30% B、10.0分、50% B、12.0分、50% B、15.0分、95% B、17.0分、95% B、17.5分、5% B、23.0分、5% Bである。検出はMS/MSで行い、全ての標準化合物を個別に調整した。結果を表5に示す。
【表5】
【0118】
実施例3
LUTSに対する治療組成物の有効性の決定
NATUREX-DBS LLC., USAにより供給された治療組成物を使用した。カプセルは、500mgの治療組成物、又は250mgの治療組成物と250mgのプラセボとの組み合わせ、又は500mgのプラセボのいずれかからなるものであった。プラセボの組成は次の通りであった:低密度STAR-DRI(登録商標)1015Aマルトデキストリン、キャノーラ油、Red 40 レーキ、ケイ酸アルミニウムナトリウム、及びBlue 1 レーキ。カプセルを外観で見分けることはできなかった。全てのカプセルを、安全のための封印をした同一のプラスチック箱に入れた。
【0119】
試験は、3つの並行する治療群からなる6ヵ月間の単一施設での無作為二重盲検プラセボ対照試験であった。受入基準は、8〜19のIPSSスコア、45歳を超える個人、及び2.5ng/mL未満の前立腺特異抗原(PSA)値から構成されていた。排除基準は、食物アレルギー、最近の前立腺炎、慢性の肝臓又は腎臓の疾患、並びに神経疾患、胃腸疾患若しくは代謝疾患、又は任意の他の慢性健康症状、例えば糖尿病、カフェイン若しくはアルコールの過剰摂取を含んでいた。対象が、BPHのための従前の侵襲的治療を受けていた場合、α−ブロッカーでの近年の治療を受けていた場合(1ヶ月以内)、5α−還元酵素阻害剤での近年の治療を受けていた場合(6ヵ月以内)、ノコギリヤシ(saw palmett)、β−シトステロール、ピジウム(pygeum)を含む植物療法を受けていた場合、又は他の補完療法を受けていた場合(3ヵ月以内)、これらの対象も不適格であった。第1の結果判定法は、ベースライン、3ヵ月、及び6ヵ月で評価するIPSSであった。第2の結果判定法は、ベースライン、3ヵ月、及び6ヵ月での生活の質(QoL)、並びにベースライン、及び6ヵ月での膀胱排尿量(Vol)、最大尿流率(Qmax)、平均尿流率(Qave)、及び超音波評価した排尿後残尿量(PVR)、血清PSA、セレン、インターロイキン−6(IL-6)、及びC反応性タンパク質(CRP)を含んでいた。
【0120】
参加者は、6ヵ月間、毎日、500mgの治療組成物(n=40)、250mgの治療組成物(n=43)、又はプラセボ(n=41)を摂取するように無作為に割り当てられた。対象への治療の割り当てに関する無作為化計画は、オンラインソフトウェアQuickCalcs (GraphPad Software Inc., USA, 最終アクセス2014年7月2日)を用いて作成し、試験スタッフによって実施された。
【0121】
参加者は、ベースライン、90日目(3ヵ月)、及び180日目(6ヵ月)で観察された。初日及び180日目の健康診断の間に、以下の行為が要求され、健康パラメーターが評価された:(i)詳細な病歴、(ii)併用する全ての医薬及び療法の評価、(iii)食習慣、(iv)QoLに関する質問を含むIPSS質問票の完成、(v)尿検査、(vi)尿流量測定、(vii)腎臓及び膀胱の超音波検査、及び(viii)PSAを含む血液実験室分析。90日目に、身体検査及びIPSSスコアのみを実施した。治療組成物の容器は90日目及び試験の最後に回収した。服薬遵守について、残存するカプセルを数えることによって評価した。
【0122】
尿流量測定データ:Qmax及びQaveをFlowMic (Medkonsult, Czech Republic)を使用して測定した。対象は、膀胱が完全に充満するように、試験前数時間に排尿しないように且つ少なくとも1Lの液体を飲まないように指導された。Qmax及びQaveを、単位時間当たりのVolを測定することによって計算した。PVRを、腹部プローブ3-7 MHzを備える超音波装置BK Medical Viking 2400を使用して評価した。Vol及びPVRを、prolate ellipsoidの式(幅×長さ×高さ×0.523)を使用して計算した。Qmax、Qave、Vol及びPVRを0日目及び180日目に測定した。
【0123】
基本的な生化学的及び血液学的パラメーターは、HITACHI Modular Evo P analyzer (日立、日本)を使用して、全てのサンプルにおいて決定した。血清PSAは、Architect type LEIA analyzer (Abbott Laboratories, Abbott Park, IL, USA)を使用して決定した。CRPはQuikread 101によって決定し、IL-6はsystem Modular(登録商標)Analyticsよって決定した。血漿中のセレンは、AA6300 instrument (島津、日本)を使用して、原子吸光分析法によって推定した。ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Htc)、赤血球(RBC)、血小板(PLT)、及び白血球(WBC)は、Na
2EDTA血液中で測定した。
【0124】
治療群のデータを、Wilcoxon matched paired testを使用して、ベースライン測定値と比較した。一次分析及び二次分析は、試験の全期間の間治療された全ての適格な参加者を含むper protocol集団に基づいていた。Mann-Whitney Uテストを使用して、治療用量とプラセボデータを比較した。P値 <0.05は有意であると見なされた。
【0125】
共分散分析法を使用し、治療の最後での結果判定について、用量の効果があったかどうかを試験した。共分散分析法では、1日の用量単位250mgを連続変数として使用し、結果のベースライン測定値を共変数として使用した。残差の箱ひげ図を用量(0、250、500mg)に対して試験し、残差がベル型であるかどうか、及び非線形用量効果の兆候があるかどうかを決定した。
【0126】
ある割合の参加者は測定可能なPVRを有していなかったため、PVRは二段階プロセスに従うと判断された。この割合は二項分布としてモデル化された。PVRを有する参加者の尿量を、トランケートポアソン分布を使用してモデル化した。この二段階モデルを、R version 3.0.0で実行可能な「pscl」パッケージ(Stanford University)のハードル機能を使用して当てはめた。用量/250mg、ベースラインPVR、及びベースラインIPSSをこのモデルに導入した。
【0127】
合計148人の男性について、試験前に事前にスクリーニングした。
図1は、第1のスクリーニング訪問に参加する148人の男性のCONSORTダイアグラムを提供する。合計124人の男性が無作為化され、41人がプラセボ群、43人が治療組成物250mg群、40人が治療組成物500mg群とされた。治療組成物500mg群において、2人の参加者は経過観察できず、パー・プロトコル分析に含まれなかった。
【0128】
表6は、3つの群の分析についてのベースライン特性及びLUT機能測定値を示す。結果を、平均±標準偏差(SD)として示す。
【表6】
【0129】
参加者の平均年齢は53.3 ア 5.4才であり、平均IPSSスコアは9.4 ア 2.4であった。
計画された訪問に関する順守率は98.4%であった。治療に関するコンプライアンスは100%であった。6ヵ月の治療期間における排尿及び蓄尿症状サブスコアを有するIPSSデータ、及びQoLデータを表7に示す。排尿及び蓄尿サブスコアはそれぞれ、質問1(残尿)、3(間欠性)、5(弱い尿流)、6(負担)、及び質問2(頻度)、4(切迫性)、7(夜間頻尿)に相当する。6ヵ月の期間の最後に治療組成物を250mg及び500mg摂取した群におけるIPSSスコアが減少し、プラセボと有意に相違した(Mann-Whitney Uテストを使用してそれぞれp=0.05及びp<0.001)。
【0130】
プラセボ、治療組成物250mg、又は治療組成物500mgを摂取した後のベースライン(0日目)、3ヵ月(90日目)、及び6ヵ月(180日目)での参加者のIPSSスコア、排尿及び蓄尿症状スコア、並びに生活の質スコアを表7及び8に示す。表7において、結果を、平均±SDとして、並びに第1及び第3の四分位数を伴う中央値として示す。
【表7】
【0131】
表8において、結果は平均±標準誤差(SEM)を示す。
【表8】
【0132】
3つの群についてのベースライン、3ヵ月、及び6ヵ月の間のIPSSの平均差を
図2にプロットする。データ点は平均差±標準誤差を示す。アスタリスクは、治療の最後での共分散分析に基づく、プラセボに対するp<0.05を示す。6ヵ月での平均差及びその95%信頼区間(CI)は、プラセボ群に関して-1.5 (-2.2, -0.89)であり、治療組成物250mg群に関して-3.1 (-4.0, -2.2)であり、治療組成物500mg群に関して-4.1 (-4.7, -3.5)であった。
【0133】
共変量として入力されたベースラインIPSSを用いた、6ヵ月でのIPSSに関する共分散分析は、有意な用量効果(t119=-4.8, p<0.0001)、及びベースラインスコアの有意な効果を示した(t119=8.3, p<0.0001)。
【0134】
IPSS排尿サブスコアは、プラセボと比較して、治療組成物500mgの群において、治療開始3ヵ月後、及び6ヵ月まで有意に減少し(それぞれ、p=0.03及びp<0.001)、一方、IPSS蓄尿サブスコアは、プラセボと比較して、試験の最後でのみ有意に減少した(p=0.018)。治療組成物250mgで処理した群におけるIPSS蓄尿サブスコアにおいて、統計的に有意な改善は見られなかった。両方の用量に関してQoL質問票に変更はなかった。
【0135】
500mg用量の治療組成物を用いた治療の最後で、ベースラインと比較して、全ての尿流量パラメーター試験において有意な改善があった(p<0.05)。表9は、プラセボ、治療組成物250mg、又は治療組成物500mgによる、ベースライン(0日目)及び6ヵ月(180日目)でのLUT機能測定値を示す。表9の結果は平均±SDとして示される。
【表9】
【0136】
治療の最後に用量応答効果があったかどうか、及びデータがベースラインデータに基づいて調整できたかどうかを評価するために、更なる分析を行った。参加者の大部分は測定可能なPVRを報告しなかった(0mg用量に関して17/41;250mg用量に関して22/43;及び500mg用量に関して19/38)。非ゼロ(non-zero)PVRの存在は、名目上250mg群及び500mg群において低かったが、用量効果は見られなかった。しかしながら、残尿量の存在を考えると、その容量は用量と有意に関連していた(z=-3.0, p=0.003)。このモデルは、非ゼロPVRを有する参加者の中で、所定のベースラインPVR及びIPSSに関して用量が250mg増加するごとに、残尿量が0.09倍に減少すると予測されうることを示している(95% CI: 0.03-0.14) 。
【0137】
臨床血液学パラメーターが、試験の最初及び最後で正常範囲内であったことによって、治療物質の安全性を証明した。
【0138】
この無作為二重盲検プラセボ対照試験は、6ヵ月間のLUTSを有する男性における250mg又は500mgの治療組成物の日常摂取の有効性及び安全性を証明した。試験の最後で、IPSSスコアの減少が有意であり、プラセボ群(-1.5)に対して用量依存的でありながら(それぞれ、250 mg群及び500 mg群において-3.1及び-4.1、p=0.05及びp<0.001)、副作用が観察されなかった。
本願は以下の態様を含む。
[1]
乾燥クランベリーパウダー及び乾燥クランベリー種子を含む治療組成物。
[2]
乾燥クランベリーパウダー及びクランベリー種子ミールを含む治療組成物。
[3]
クランベリーがVaccinium macrocarponである、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]
クランベリーがVaccinium microcarponである、[1]又は[2]に記載の組成物。
[5]
クランベリーがVaccinium oxycoccusである、[1]又は[2]に記載の組成物。
[6]
クランベリー種子が乾燥クランベリーパウダーの約5重量%〜約50重量%の量で存在する、[1]及び[3]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]
クランベリー種子が乾燥クランベリーパウダーの約15重量%〜約25重量%の量で存在する、[6]に記載の組成物。
[8]
クランベリー種子が乾燥クランベリーパウダーの約20重量%の量で存在する、[7]に記載の組成物。
[9]
クランベリー種子ミールが乾燥クランベリーパウダーの約5重量%〜約50重量%の量で存在する、[2]及び[3]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[10]
クランベリー種子ミールが乾燥クランベリーパウダーの約15重量%〜約25重量%の量で存在する、[9]に記載の組成物。
[11]
クランベリー種子ミールが乾燥クランベリーパウダーの約20重量%の量で存在する、[10]に記載の組成物。
[12]
約12重量%未満の有機酸を含む、[1]〜[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]
約10重量%未満の有機酸を含む、[1]〜[12]のいずれかに記載の組成物。
[14]
約5重量%〜約8重量%の有機酸を含む、[1]〜[13]のいずれかに記載の組成物。
[15]
約15重量%未満の糖を含む、[1]〜[14]のいずれかに記載の組成物。
[16]
約12重量%未満の糖を含む、[15]に記載の組成物。
[17]
約1重量%〜約5重量%のキナ酸を含む、[1]〜[16]のいずれかに記載の組成物。
[18]
約2.2重量%〜約3.2重量%のキナ酸を含む、[17]に記載の組成物。
[19]
約0.4重量%〜約4重量%のリンゴ酸を含む、[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物。
[20]
約0.8重量%〜約1.8重量%のリンゴ酸を含む、[19]に記載の組成物。
[21]
約1重量%〜約5重量%のクエン酸を含む、[1]〜[20]のいずれかに記載の組成物。
[22]
約1.8重量%〜約3.2重量%のクエン酸を含む、[21]に記載の組成物。
[23]
0.5重量%〜5.0重量%のプロアントシアニジン、0.05重量%〜1.5重量%のケルセチン、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−ラムノシド、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−キシロシド、0.001重量%〜0.1重量%のケルセチン−3−アラビノシド、0.001重量%〜0.5重量%のミリセチン、0.001重量%〜0.1重量%のペオニジン−3−ガラクトシド、0.001重量%〜0.1重量%のペオニジン−3−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のペオニジン−3−アラビノシド、0.001重量%〜0.1重量%のシアニジン−3−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のシアニジン−3−ガラクトシド、0.001重量%〜0.1重量%のシアニジン−3−アラビノシド、0.001重量%〜0.1重量%のプロトカテク酸、0.001重量%〜0.1重量%のp−クマリン酸、0.001重量%〜0.1重量%のカフェオイル−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のクマロイル−グルコシド、0.001重量%〜0.1重量%のカフェ酸、0.001重量%〜0.1重量%のクロロゲン酸、又は0.01重量%〜1.5重量%のウルソル酸を含む、[1]〜[22]のいずれかに記載の組成物。
[24]
1.0重量%〜1.2重量%のプロアントシアニジン、0.16重量%〜0.20重量%のケルセチン、0.07重量%〜0.09重量%のケルセチン−3−グルコシド、0.03重量%〜0.04重量%のケルセチン−3−ラムノシド、0.019重量%〜0.025重量%のケルセチン−3−キシロシド、0.025重量%〜0.035重量%のケルセチン−3−アラビノシド、0.010重量%〜0.014重量%のミリセチン、0.022重量%〜0.030重量%のペオニジン−3−ガラクトシド、0.0025重量%〜0.0035重量%のペオニジン−3−グルコシド、0.010重量%〜0.020重量%のペオニジン−3−アラビノシド、0.0005重量%〜0.0015重量%のシアニジン−3−グルコシド、0.015重量%〜0.030重量%のシアニジン−3−ガラクトシド、0.010重量%〜0.025重量%のシアニジン−3−アラビノシド、0.019重量%〜0.025重量%のプロトカテク酸、0.04重量%〜0.06重量%のp−クマリン酸、0.015重量%〜0.025重量%のカフェオイル−グルコシド、0.005重量%〜0.015重量%のクマロイル−グルコシド、0.010重量%〜0.015重量%のカフェ酸、又は0.030重量%〜0.04重量%のクロロゲン酸を含む、[23]に記載の組成物。
[25]
約1.1重量%のプロアントシアニジン、約0.18重量%のケルセチン、約0.083重量%のケルセチン−3−グルコシド、約0.034重量%のケルセチン−3−ラムノシド、約0.022重量%のケルセチン−3−キシロシド、約0.030重量%のケルセチン−3−アラビノシド、約0.012重量%のミリセチン、約0.027重量%のペオニジン−3−ガラクトシド、約0.003重量%のペオニジン−3−グルコシド、約0.014重量%のペオニジン−3−アラビノシド、約0.001重量%のシアニジン−3−グルコシド、約0.022重量%のシアニジン−3−ガラクトシド、約0.018重量%のシアニジン−3−アラビノシド、約0.022重量%のプロトカテク酸、約0.052重量%のp−クマリン酸、約0.021重量%のカフェオイル−グルコシド、約0.011重量%のクマロイル−グルコシド、約0.014重量%のカフェ酸、約0.034重量%クロロゲン酸、又は約0.92重量%のウルソル酸を含む、[24]に記載の組成物。
[26]
組成物100g当たり、1〜100μgのラリシレシノール、1〜100μgのセコイソラリシレシノール、又は1〜100μgのピノレシノールを含む、[1]〜[25]のいずれかに記載の組成物。
[27]
組成物100g当たり、約51μgのラリシレシノール、約12μgのセコイソラリシレシノール、又は約78μgのピノレシノールを含む、[26]に記載の組成物。
[28]
[1]〜[27]のいずれかに記載の治療組成物を含む固体経口剤形。
[29]
錠剤である、[28]に記載の固体経口剤形。
[30]
カプセルである、[28]に記載の固体経口剤形。
[31]
ソフトゲルである、[28]に記載の固体経口剤形。
[32]
100mg〜500mgの治療組成物を含む、[29]〜[31]のいずれかに記載の固体経口剤形。
[33]
250mgの治療組成物を含む、[32]に記載の固体経口剤形。
[34]
500mgの治療組成物を含む、[32]に記載の固体経口剤形。
[35]
対象における下部尿路症状(LUTS)を軽減するための方法であって、その必要のある対象に有効量の[1]〜[27]のいずれかに記載の組成物を投与する方法。
[36]
対象における良性前立腺過形成(BPH)の症状を軽減するための方法であって、その必要のある対象に有効量の[1]〜[27]のいずれかに記載の組成物を投与する方法。
[37]
対象における勃起障害(ED)を治療するための方法であって、その必要のある対象に有効量の[1]〜[27]のいずれかに記載の組成物を投与する方法。
[38]
対象における尿失禁を治療するための方法であって、その必要のある対象に有効量の[1]〜[27]のいずれかに記載の組成物を投与する方法。
[39]
対象における過活動膀胱(OAB)を治療するための方法であって、その必要のある対象に有効量の[1]〜[27]のいずれかに記載の組成物を投与する方法。
[40]
対象における膀胱閉塞、間質性膀胱炎、低活動膀胱、前立腺炎、膀胱及び前立腺の炎症、前立腺線維症、又は骨盤痛を治療するための方法であって、その必要のある対象に有効量の[1]〜[27]のいずれかに記載の組成物を投与する方法。
[41]
対象がヒトである、[35]〜[40]のいずれかに記載の方法。
[42]
ヒトが男である、[41]に記載の方法。
[43]
ヒトが女である、[41]に記載の方法。