(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る迎撃システムの構成を説明する。
【0023】
図1に示すように、移動体10の迎撃システムは、センサシステム100と、複数のランチャシステム200(200‐1、200‐2、・・・)と、指揮システム300とを備える。迎撃システムは、移動体10(10‐1、10‐2、・・・)を、センサシステム100で検知し、飛しょう体205(205‐1、205‐2、・・・)を発射して撃墜する。始めに、目標となる移動体10‐1、10‐2をセンサシステム100が検知する。指揮システム300は、検知した移動体10‐1、10‐2を迎撃するランチャシステム200‐1、200‐2を決定する。つまり、移動体10‐1、10‐2の迎撃をランチャシステム200‐1、200‐2に割り当てる。ランチャシステム200‐1、200‐2は、割り当てられた移動体10‐1、10‐2に向け飛しょう体205‐1、205‐2を発射し、迎撃する。
【0024】
センサシステム100は、移動体10と飛しょう体205とを検知する。センサシステム100は、
図2に示すように、アンテナ110と、送受信装置120と、位置算出装置130と、データ通信装置140とを備える。
【0025】
アンテナ110は、移動体10と飛しょう体205とを検知するための電波の送受信を行う。具体的には、送受信装置120からの出力に応じて、電波を送信する。また、移動体10からの反射波を受信し、送受信装置120に送信する。
【0026】
送受信装置120は、アンテナ110から送信する電波の周波数、方向を決定する。また、受信した反射波に基づき、センサシステム100に対する移動体10の相対位置を算出する。算出した相対位置信号を位置算出装置130に送信する。
【0027】
位置算出装置130は、移動体10と飛しょう体205との位置を算出し、検知信号を生成する。位置算出装置130は、送受信装置120から移動体10の相対位置を受信する。また、位置算出装置130には、センサシステム100の位置が予め登録されている。このため、センサシステム100の位置と、受信した移動体10の相対位置とに基づき、移動体10の位置を算出する。算出する移動体10の位置は、例えば、緯度、経度、高度が含まれている。つまり、迎撃システムで統一された座標系の位置を算出する。また、センサシステム100は、電波を連続的または断続的に送信し、移動体10を検知し続ける。このため、位置算出装置130は、検知される移動体10の位置変化から移動体10の移動速度と移動方向とを算出する。飛しょう体205についても同様に、位置と、移動速度と、移動方向とを算出する。位置算出装置130は、算出した情報を含めた検知信号を生成する。
【0028】
データ通信装置140は、算出した移動体10と飛しょう体205との検知信号を他のシステムに送信する。具体的には、指揮システム300に送信する。検知信号には、移動体10の位置、移動速度、移動方向などが含まれる。また、検知信号には、各移動体10を識別するための移動体識別子も含まれる。これにより、移動体10の位置、移動速度、移動方向は、迎撃システムの各システムで共有することができる。他のシステムとは、無線を用いて、信号の送受信を行う。また、センサシステム100が検知する味方の情報も同様に処理する。
【0029】
ランチャシステム200は、迎撃する移動体10に向けて、飛しょう体205を発射する。ランチャシステム200は、
図3に示すように、データ通信装置210と、発射制御装置220と、発射装置230とを備える。
【0030】
データ通信装置210は、他システムとデータの送受信を行う。具体的には、指揮システム300から、迎撃する移動体10の位置情報が含まれる目標信号と、割当てられた移動体10が含まれる割当信号とを受信する。他のシステムとは、無線を用いて、データの送受信を行う。
【0031】
発射制御装置220は、ランチャシステム200から飛しょう体205を発射する制御を行う。指揮システム300から割当てられた移動体10‐1が、所定の位置に到達したときに飛しょう体205‐1の発射信号を発射装置230に送信する。また、飛しょう体205の保有数、現在の装填数などのランチャシステム200の情報を有する。飛しょう体205の保有数、装填数などは、データ通信装置210を介して、指揮システム300に送信される。
【0032】
発射装置230は、発射制御装置220からの発射信号に基づき、飛しょう体205を発射する。
【0033】
指揮システム300は、センサシステム100が検知した移動体10をランチャシステム200に割り当てる。指揮システム300は、
図4に示すように、データ通信装置310と、演算処理装置320とを備える。
【0034】
データ通信装置310は、他システムとデータの送受信を行う。具体的には、センサシステム100から移動体10の検知信号を受信する。また、ランチャシステム200に、移動体10と移動体10を割当てたランチャシステム200との関係を含む割当信号を生成し送信する。さらに、ランチャシステム200に、移動体10の位置情報が含まれる目標信号を生成し送信する。他のシステムとは、無線を用いて、データの送受信を行う。
【0035】
演算処理装置320は、センサシステム100で検知した移動体10を、ランチャシステム200に割り当てる。また、移動体10の位置、移動方向などの情報と、ランチャシステム200の飛しょう体205の保有数などの情報とを表示する。また、移動体10と、移動体10を割当てたランチャシステム200との関係を表示する。
【0036】
演算処理装置320のハードウェア構成には、
図5に示すように、制御部1010と、記憶装置1020と、入力部1030と、出力部1040と、通信部1050とを備える。言い換えると、計算機と同様の構成である。
【0037】
制御部1010は、出力部1040への出力、通信部1050を介した外部との通信などを制御する。また、記憶装置1020に格納されているプログラムを読み出し、プログラムの命令に基づき、動作する。制御部1010は、中央処理装置(CPU)などを含む。
【0038】
記憶装置1020は、移動体10の位置、移動速度などのデータ、プログラムなどの様々なデータを格納する。制御部1010からの指示に基づき、データを制御部1010に送信する。記憶装置1020は、例えば、ハードディスクドライブやメモリなどを含む。
【0039】
入力部1030は、外部からデータを入力するときなどに使用される。入力されたデータは制御部1010に送信される。入力部1030は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置を含む。
【0040】
出力部1040は、制御部1010で算出した結果などを外部に出力する。例えば、出力部1040は、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0041】
通信部1050は、演算処理装置320の外部とデータの送受信を行う。具体的には、センサシステム100から移動体10の検知信号を受信する場合、移動体10と移動体10を割当てたランチャシステム200との関係を含む割当信号を送信する場合に使用される。通信部1050は、LAN(Local Area Network)などに接続するネットワークインタフェースカード、USB端子、シリアル端子などの外部装置と接続する端子などを含む。
【0042】
また、位置算出装置130と発射制御装置220も、演算処理装置320と同様に、
図5に示す構成を有する。
【0044】
迎撃システムは、
図6に示すように、複数のランチャシステム200と、目標割当システム1とを備える。目標割当システム1には、センサシステム100と、指揮システム300とが含まれる。
【0045】
センサシステム100は、レーダを用いて、目標となる移動体10と飛しょう体205とを検知し、移動体10と飛しょう体205との情報(位置、移動速度、移動方向)を算出する。算出した情報を検知信号として、指揮システム300に送信する。
【0046】
指揮システム300は、センサシステム100から受信した検知信号に基づき、移動体10をランチャシステム200に割り当てる。また、移動体10と、移動体10を割当てたランチャシステム200との関係をリアルタイムに表示する。また、検知信号に含まれる移動体10の情報を目標信号として、ランチャシステム200に送信する。指揮システム300は、割当部330と、ポリシー管理部340と、表示部350と、入力部360とを備える。
【0047】
割当部330は、センサシステム100から受信した検知信号に基づき、移動体10をランチャシステム200に割り当てる。割当てた結果を含む割当信号をランチャシステム200と表示部350とに送信する。割当部330は、移動体10をランチャシステム200に割り当てるために、予め各ランチャシステム200の位置を取得する。また、ポリシー管理部340から移動体10をランチャシステム200に割り当てる条件を示す割当ポリシーを取得する。割当部330は、ランチャシステム200の位置と移動体10の情報と割当ポリシーとに基づき、ランチャシステム200に移動体10を割当てる。
【0048】
ポリシー管理部340は、移動体10をランチャシステム200に割当てる条件を示す割当ポリシーが格納されている。格納されている割当ポリシーは、入力部360から送信される情報に基づき、設定される。割当ポリシーは、例えば、遠方で移動体10を撃墜するような条件である。また、飛しょう体発射後の飛しょう体保有数を平準化するような条件であってもよい。さらに、最も撃墜率が高いランチャシステムに割り当てるような条件であってもよい。
【0049】
割当ポリシーが遠方で移動体10を撃墜するような条件の場合、
図7に示すように、移動体10が有効射程距離400に最初に到達するランチャシステム200‐2に、移動体10が割当てられる。移動体10の移動方向と移動速度とに基づき、割当部330は移動体10の航路11を推定する。例えば、移動体10は移動方向と移動速度とを変化せずに移動すると仮定して、航路11を推定する。推定した航路11を移動体10が進む場合に、最初に有効射程距離400‐2内に入るランチャシステム200‐2に移動体10が割当てられる。つまり、
図7において、移動体10の航路11は、ランチャシステム200‐1の有効射程距離400‐1内には入らない。一方、移動体10の航路11は、ランチャシステム200‐2の有効射程距離400‐2内に入る。このため、移動体10は、ランチャシステム200‐2よりもランチャシステム200‐1に近いが、ランチャシステム200‐2に割り当てられる。移動体10の航路11とランチャシステム200‐2の有効射程距離400‐2との交点を射程到達位置401と呼ぶ。
【0050】
割当ポリシーが飛しょう体205の保有数を平準化するような条件の場合、移動体10を割当て可能なランチャシステム200のうち、飛しょう体205の保有数が最も多いランチャシステム200に、移動体10が割り当てられる。
図8に示すように、割当部330は移動体10の航路11を推定する。推定した航路11と各ランチャシステム200の割当限界距離410との交点のうち、移動体10が最初に到達する位置411‐1を算出する。算出した位置を迎撃限界位置411‐1と呼ぶ。ここで、割当限界距離410とは、ランチャシステム200が迎撃可能な最小距離である。つまり、移動体10は、迎撃限界位置411‐1に到達すると、ランチャシステム200‐1が迎撃できない距離まで近づいたことを意味する。このため、移動体10が迎撃限界位置411‐1に到達する前に迎撃すべきである。そこで、割当部330は、航路11上で迎撃限界位置411‐1から距離L
1離れ、移動体10が迎撃限界位置411‐1よりも先に到達する割当限界位置12を算出する。この割当限界位置12よりも先に移動体10が有効射程距離400内に入るランチャシステム200を検索する。検索した結果、得られるランチャシステム200を割当候補とする。この割当候補のうち、飛しょう体205の保有数が最も多いランチャシステム200に、移動体10が割当てられる。
図8では、移動体10は、射程到達位置401‐2においてランチャシステム200‐2の有効射程距離400‐2内に入る。また、移動体10は、割当限界位置12よりも射程到達位置401‐2に先に到達するため、ランチャシステム200‐2を割当候補に含める。また、移動体10は割当限界位置12よりも先にランチャシステム200‐1の有効射程距離400‐1内に入る。このため、ランチャシステム200‐1を割当候補に含める。ここで、ランチャシステム200‐1とランチャシステム200‐2との飛しょう体205の保有数を比較し、保有数が多い方に移動体10が割り当てられる。
【0051】
割当ポリシーが最も撃墜率が高いランチャシステム200に割り当てるような条件の場合、移動体10を割当可能なランチャシステム200のうち、最も撃墜率が高いランチャシステム200に割り当てる。つまり、撃墜率が高いランチャシステム200に割り当てるため、移動体10の迎撃に使用する飛しょう体205の数を抑える場合に有効である。具体的には、割当部330は、飛しょう体205の保有数を平準化する割当ポリシーと同様に、割当限界位置12を算出し、移動体10を割当てるランチャシステム200の割当候補を算出する。移動体10が割当限界位置12に到達する前の航路11上で、撃墜率が最も高い位置と対応するランチャシステム200とを算出する。算出したランチャシステム200に、算出した位置で撃墜するように移動体10を割当てる。
【0052】
入力部360は、操作員の操作により入力される情報を、ポリシー管理部340と、割当部330とに送信する。具体的には、入力部360から、割当ポリシーの条件が入力される。入力された割当ポリシーの条件は、ポリシー管理部340に送信される。また、入力部360から、使用する割当ポリシーが選択される。選択された割当ポリシーの情報を割当部330に送信する。
【0053】
表示部350は、移動体10の位置、移動方向などの情報と、ランチャシステム200の飛しょう体205の保有数などの情報とを表示する。また、移動体10と移動体10を割当てたランチャシステム200との関係を表示する。具体的には、
図9に示すように、地図上に移動体10(10‐1、10‐2、・・・)の移動体位置510(510‐1、510‐2、・・・)と、ランチャシステム200(200‐1、200‐2、・・・)のランチャシステム位置520(520‐1、520‐2、・・・)とを示す画面500を表示する。画面500には、会合位置522(522‐1、522‐2、・・・)と、発射位置512(512‐1、512‐2、・・・)と、飛しょう体位置530(530‐1、530‐2、・・・)と、味方位置540(540‐1、540‐2、・・・)とが表示される。会合位置522は、ランチャシステム200が発射する飛しょう体205が移動体10に会合すると予想される位置を示す。発射位置512は、ランチャシステム200が飛しょう体205を発射する時刻に予想される移動体10の位置を示す。飛しょう体位置530は、ランチャシステム200が発射した飛しょう体205の位置を示す。味方位置540は、味方の現在位置を示す。
【0054】
表示部350は、表示するための情報をセンサシステム100と割当部330とから取得し、画面500を表示する。具体的には、センサシステム100から移動体10の検知信号を受信する。表示部350は受信した移動体10の検知信号から、移動体の位置を示す移動体位置510を抽出する。また、ランチャシステム位置520と、割当信号を割当部330から受信する。割当信号には、移動体識別子と、移動体10を割当てたランチャシステム200と、会合位置522と、発射位置512とが含まれる。このため、表示部350は、例えば、移動体10‐1については、ランチャシステム位置520‐1と会合位置522‐1とを接続する線分を表示する。また、移動体位置510‐1と会合位置522‐1とを接続する線分を表示する。また、発射位置512‐1を表示する。つまり、移動体10は、移動体10を割当てたランチャシステム200と線分により接続されることで、両者の関係を表示する。
【0055】
ランチャシステム200は、割当部330から受信する割当信号に基づき、迎撃する移動体10に向けて、飛しょう体205を発射する。また、ランチャシステム200の位置と、飛しょう体205の保有数とを割当部330に送信する。割当部330から受信する割当信号には、移動体識別子が含まれている。また、目標信号には、移動体10の情報が含まれている。割当信号に含まれている移動体識別子に基づき、目標信号に含まれている移動体10の情報から割当てられた移動体10の位置、移動速度、移動方向を検索する。得られた移動体10の情報と、割当部330から受信する会合位置522と、ランチャシステム200が保有する飛しょう体205の性能とに基づき、ランチャシステム200は飛しょう体205を発射するタイミングを決定する。具体的には、ランチャシステム200が飛しょう体205を発射してから会合位置522に到達するまでの飛しょう時間を算出する。次に、移動体10の位置と、移動速度と、移動方向とから、移動体10の航路11を算出する。移動体10が会合位置522に到達する時間より、飛しょう時間前の移動体10の発射位置512を算出する。移動体10が発射位置512に到達したときに、ランチャシステム200は、飛しょう体205を発射する。
【0056】
実施の形態1に係る迎撃システムは、移動体10をランチャシステム200に割当てた後で、ランチャシステム200が飛しょう体205を発射する前に、移動体10を割当てるランチャシステム200を変更することができる。この変更操作を説明する。
【0057】
図9に示すように、画面500が表示部350に表示される。画面500は、センサシステム100から受信した情報に基づき、移動体10と飛しょう体205との現在位置をリアルタイムで表示する。また、画面500は、割当ポリシーAを用いて、移動体10をランチャシステム200に割り当てた場合の移動体10とランチャシステム200との関係が表示される。画面500では、移動体位置510‐1の移動体10‐1と、移動体位置510‐2の移動体10‐2とは、ランチャシステム位置520‐1のランチャシステム200‐1に割り当てられている。また、移動体位置510‐3〜7の移動体10‐3〜7は、ランチャシステム位置520‐2のランチャシステム200‐2に割り当てられている。ランチャシステム位置520‐3のランチャシステム200‐3に割当てられている移動体10はない。ランチャシステム位置520‐1のランチャシステム200‐1は、移動体10‐2に対して、飛しょう体205‐2をすでに発射している。飛しょう体205‐2の現在位置は、飛しょう体位置530‐2である。ランチャシステム位置520‐2のランチャシステム200‐2は、移動体10‐3と移動体10‐4とに、飛しょう体205をすでに発射している。このときに、割当部330は、割当ポリシーAに基づき、移動体10をランチャシステム200に割当てている。画面500に、割当ポリシーAボタン560に「実行中」の文字列が表示されている。これは、割当部330が演算に用いている割当ポリシーが割当ポリシーAであることを意味する。また、割当ポリシーAボタン560が選択されている。これは、割当ポリシーAを用いた場合の演算結果が表示されていることを意味する。
【0058】
操作員が画面500の割当ポリシーBボタン570を選択すると、
図10に示すように、割当ポリシーBを用いた場合の演算結果を表示する。ここで、割当部330が移動体10をランチャシステム200に割当てる演算に用いている割当ポリシーは変化しない。このため、割当ポリシーAボタン560に「実行中」が表示されている。しかし、割当ポリシーBボタンが選択されているため、割当ポリシーBを用いた場合の演算結果が表示されている。つまり、操作員は、割当ポリシーAでの割当処理を実行している間に、割当ポリシーBでの演算結果を確認することができる。この場合、すでに飛しょう体205が発射されている移動体位置510‐2、510‐3、510‐4の移動体10‐2、10‐3、10‐4は、割り当てを変更せずに表示する。まだ飛しょう体205が発射されていない移動体位置510‐1、510‐5、510‐6、510‐7の移動体10‐1、10‐5、10‐6、10‐7については、割当ポリシーBに基づき割当てた場合の移動体10とランチャシステム200との関係を表示する。この結果、移動体位置510‐7については、発射位置512‐7と会合位置522‐7との表示位置が、発射位置512‐7Bと会合位置522‐7Bとに変更される。なお、移動体位置510‐7は、現在の移動体10‐7の位置であるため、表示する割当ポリシーを変更しても表示位置は変化しない。
【0059】
操作員が画面500Bのポリシー決定ボタン550を選択すると、割当部330は表示している割当ポリシーを用いて、移動体10をランチャシステム200に割当てる演算に変更する。つまり、飛しょう体205を移動体10に向けて発射した後に、まだ飛しょう体205を発射していない移動体10の割当を変更する。この結果、割当ポリシーBボタン570に「実行中」が表示され、割当ポリシーAボタン560の「実行中」の文字列は削除される。なお、移動体10をランチャシステム200に割当てることで、ランチャシステム200を制御している割当ポリシーを「実行中の割当ポリシー」と呼ぶ。
【0060】
このように、目標割当システム1は、移動体10と飛しょう体205との現在位置と、移動体10と移動体10を割当てたランチャシステム200との関係を、リアルタイムに表示する。また、状況に応じて、ランチャシステム200への移動体10の割当を変更する。
【0061】
次に、目標割当システム1を含む迎撃システムの動作について説明する。最初に、各システムの連携について説明する。
【0062】
図11A、11Bに示すように、迎撃システムは、センサシステム100と、表示部350と、割当部330と、ランチャシステム200とが情報を送受信し実行される。処理は、初期設定700と、目標検知710と、表示変更720と、ポリシー変更730と、飛しょう体発射740とに分類される。ここで、割当部330は、ランチャシステム200に移動体10を割当てるための割当処理620‐1と、表示部350に表示するための割当処理620‐2とを実行する。ここで、
図9に示すように、ランチャシステム200に移動体10を割当てる処理を実行中の割当ポリシーと、表示中の割当ポリシーとが同じ場合、割当処理620‐1と割当処理620‐2とのいずれか一方で処理を行う。
図10に示すように、実行中の割当ポリシーと、表示中の割当ポリシーとが異なる場合、割当処理620‐1と割当処理620‐2とのいずれか一方で実行中の割当ポリシーを用いて処理を行い、他方で表示中の割当ポリシーを用いて処理を行う。
【0063】
迎撃システムでは、最初に、初期設定700が実行される。ランチャシステム200が、割当部330と、表示部350とにランチャシステム200の位置を示す位置信号を送信する。続いて、割当部330に、ランチャシステム200が保有する飛しょう体205の性能と保有数とを示す性能信号を送信する。また、割当部330は、移動体10をランチャシステム200に割り当てるための割当ポリシーをポリシー管理部340から取得する。これにより、割当部330は、移動体10をランチャシステム200に割り当てるために必要な情報を取得する。また、表示部350は、ランチャシステム200を表示するために必要なランチャシステム200の位置情報を取得する。
【0064】
センサシステム100が移動体10を検知することで、目標検知710が実行される。目標検知710では、検知した移動体10をランチャシステム200に割当て、結果を表示部350に表示する。センサシステム100は検知した移動体10の検知信号を表示部350と割当部330とに送信する。割当部330は、受信した検知信号に基づき、移動体10の情報を目標信号として、ランチャシステム200に送信する。また、ポリシー管理部340から取得した割当ポリシーと、ランチャシステム200から受信した位置信号と性能信号と、センサシステム100から受信した検知信号とに基づき、検知した移動体10をランチャシステム200に割り当てる。移動体10と、移動体10を割り当てたランチャシステム200との関係を示す割当信号を、表示部350とランチャシステム200とに送信する。これにより、表示部350は、
図9に示すように、移動体10と、移動体10を割当てたランチャシステム200との関係を表示する。また、ランチャシステム200は、割り当てられた移動体10の情報を含む割当信号を取得する。これにより、ランチャシステム200は撃墜すべき移動体10を識別する。
【0065】
入力部360から表示する割当ポリシーの変更が入力されると、表示変更720が実行される。具体的には、
図10に示すように、入力部360で割当ポリシーBボタン570が選択されると、表示変更720が実行される。
図11Bに示すように、入力部360は表示変更信号361を生成し割当部330に送信する。これにより、実行中の割当処理を行っていない割当処理620‐2はポリシー管理部340から選択された割当ポリシーを取得する。割当部330の割当処理620‐2は、選択された割当ポリシーを用いて、移動体10を割当てるランチャシステム200を算出する。算出した結果を表示部350に送信する。これにより、表示部350は、選択された割当ポリシーに基づく、移動体10と、移動体10を割当てたランチャシステム200との関係を表示することができる。また、ランチャシステム200に割当信号を送信している割当処理620‐1は、表示部350への割当信号の送信を停止する。これにより、表示部350は、割当処理620‐1の処理結果を表示しなくなる。また、割当処理620‐1は、ランチャシステム200には引き続き割当信号を送信する。これにより、ランチャシステム200は、割当ポリシーAを用いた演算結果に基づき、撃墜すべき移動体10を識別する。
【0066】
入力部360から割当ポリシーの変更が入力されると、ポリシー変更730が実行される。具体的には、
図10に示すように、入力部360でポリシー決定ボタン550を選択する。これにより、移動体10を割当てるランチャシステム200の算出に用いる割当ポリシーが、表示中の割当ポリシーに変更される。つまり、表示中の割当ポリシーを用いて算出した結果に基づき、飛しょう体205を発射する。
図11Bに示すように、入力部360からポリシー変更信号362が割当部330に送信される。表示中の割当ポリシーを用いて実行している割当処理620‐2は、処理結果をランチャシステム200にも送信する。一方、ランチャシステム200に割当信号を送信していた割当処理620‐1は、ランチャシステム200への割当信号の送信を停止する。これにより、ランチャシステム200は、割当処理620‐2から受信する割当信号に基づき、撃墜すべき移動体10を識別する。
【0067】
ランチャシステム200が撃墜すべき移動体10が所定の位置に到達すると、飛しょう体205を発射し、発射信号を割当部330と、表示部350とに送信する。発射信号には、飛しょう体205を発射したことを示す情報と、ランチャシステム200の飛しょう体205の保有数とが含まれる。割当部330は、発射信号を受信すると、つまり飛しょう体205が移動体10に発射されると、飛しょう体205が発射された移動体10をランチャシステム200に割当てる対象から除外する。また、ランチャシステム200の飛しょう体205の保有数を受信することで、割当部330はランチャシステム200の情報を更新する。
【0068】
次に、各システムの処理について説明する。
【0069】
センサシステム100は、検知した移動体10と飛しょう体205とに関する情報を検知信号として送信する。センサシステム100は、連続的または断続的に送信する電波により、移動体10を検知し続ける。これにより、検知される移動体10の位置変化から移動体10の移動方向と移動速度とを算出する。このため、センサシステム100が送信する検知信号には、移動体10の位置と、移動方向と、移動速度とが含まれる。
【0070】
割当部330は、
図12A〜12Dに示すように、移動体10をランチャシステム200に割り当てる処理を行う。ここで、割当部330は、実行フラグと、表示フラグと、演算ポリシーと、実行ポリシーと、表示ポリシーとを保持する。実行フラグは、移動体10をランチャシステム200に割当てる処理を行っているかを示す。表示フラグは、表示部350に表示するための処理を行っているかを示す。演算ポリシーは、処理に用いている割当ポリシーを示す。実行ポリシーは、実行中の割当ポリシーを示す。表示ポリシーは表示部350に表示している割当ポリシーを示す。具体的には、
図10に示すように、実行中の割当ポリシーが割当ポリシーAで、表示中の割当ポリシーが割当ポリシーBとする。また、割当処理620‐1が割当ポリシーAを用いて処理を行い、割当処理620‐2が割当ポリシーBを用いて処理を行っているとする。この場合、割当処理620‐1は実行中の割当ポリシーを処理しているため、実行フラグには「実行」を示すデータが格納される。また、表示中の割当ポリシーを処理していないため、表示フラグには「非表示」を示すデータが格納される。処理に用いている割当ポリシーは割当ポリシーAのため、演算ポリシーには「割当ポリシーA」を示すデータが格納される。実行中の割当ポリシーが割当ポリシーAのため、実行ポリシーには「割当ポリシーA」を示すデータが格納される。表示中の割当ポリシーが割当ポリシーBのため、表示ポリシーには「割当ポリシーB」が格納される。一方、割当処理620‐2では、実行フラグには「実行せず」が格納される。表示フラグには「表示」が格納される。演算ポリシーには「割当ポリシーA」が格納される。実行ポリシーと表示ポリシーとには、割当処理620‐1と同様に、「割当ポリシーA」と「割当ポリシーB」とが格納される。
【0071】
割当部330は、
図11Aに示す初期設定700に対応する処理を行う。具体的には、
図12Aに示すステップS10〜S40(以下、S10として参照する。他のステップについても同様に符号のみで参照する。)の処理を行う。初期設定700では、処理に必要になる情報を取得し、実行フラグ等を初期化する。
【0072】
図12Aに示すように、割当部330は、S10において、ランチャシステム200と通信できるかを確認する。ランチャシステム200との通信が可能になるまで、繰り返す。
【0073】
次に、割当部330は、ランチャシステム200の位置信号と性能信号とを受信する(S20)。これにより、割当部330は、ランチャシステム200の位置と、ランチャシステム200の飛しょう体205の性能と保有数との情報を取得する。
【0074】
続いて、割当部330は、実行フラグと、表示フラグと、演算ポリシーとを初期化する(S30)。割当処理620‐1において、実行フラグは「実行」を示し、表示フラグは「表示」を示す。また、演算ポリシーは予め決められた割当ポリシーを示す。割当処理620‐2において、実行フラグは「実行せず」を示し、表示フラグは「非表示」を示す。また、演算ポリシーは設定されない。初期状態では、実行する割当ポリシーと、表示する割当ポリシーとは同じである。このため、割当処理620‐1で移動体10を割当てる処理を行い、割当処理620‐2では演算処理を行わない。このため、割当処理620‐2では、演算ポリシーは設定されない。
【0075】
S40において、割当部330はポリシー管理部340から割当ポリシーを取得する。設定された演算ポリシーに基づき演算処理を行う。このため、設定された演算ポリシーの示す割当ポリシーをポリシー管理部340から取得する。
【0076】
割当部330は、設定された演算ポリシーに基づき、割当ポリシーを取得する。演算ポリシーが「割当ポリシーA」を示す場合、割当ポリシーとして「割当ポリシーA」を取得する。つまり、演算ポリシーが示す割当ポリシーを取得する。ここで、演算ポリシーが設定されていない場合は、割当ポリシーを取得しない。
【0077】
次に、
図11Aに示す目標検知710に対応する処理を行う。具体的には、
図12Aに示すS100〜S130の処理を行う。目標検知710では、センサシステム100が検知した移動体10をランチャシステム200に割り当てる処理を行う。
【0078】
図12Aに示すように、割当部330は、演算ポリシーが設定されているかを確認する(S100)。演算ポリシーが設定されていない場合、移動体10を割当てる処理は行わない。このため、演算ポリシーが設定されていない場合、目標検知710の処理を終了し、S200に移行する。
【0079】
S110において、割当部330は、センサシステム100から検知信号を受信しているかを確認する(S120)。センサシステム100は割り当てるべき移動体10を検知していない場合、処理を行わない。このため、検知信号を受信していない場合、目標検知710を終了し、S200に移行する。
【0080】
S120において、検知信号から得られる移動体10に対して、取得した割当ポリシーに基づき、移動体10をランチャシステム200に割当てる。割当ポリシーには、遠方で移動体10を撃墜するなどの条件が設定されている。この条件に基づき、センサシステム100が検知した移動体10を割当てるランチャシステム200を決定する。また、割当ポリシーに基づき、ランチャシステム200が飛しょう体205を発射するときの移動体10の位置の発射位置512を算出する。また、割当ポリシーに基づき、移動体10と飛しょう体205とが会合すると予想される位置の会合位置522も算出する。
【0081】
S130において、割当部330は割当信号を表示部350とランチャシステム200とに送信する。ここで、表示フラグが「表示」の場合、表示部350に割当信号を送信し、表示フラグが「非表示」の場合、表示部350には割当信号を送信しない。また、実行フラグが「実行」の場合、ランチャシステム200に割当信号を送信し、実行フラグが「実行せず」の場合、ランチャシステム200には割当信号を送信しない。つまり、表示部350で表示する処理を行っている割当処理620‐1または割当処理620‐2が、表示部350に割当信号を送信する。また、実際にランチャシステム200に移動体10を割当てる処理を行っている割当処理620‐1または割当処理620‐2が、ランチャシステム200に割当信号を送信する。割当信号には、移動体10と、移動体10が割当てられた決定したランチャシステム200との関係が含まれる。ここで、センサシステム100は、複数の移動体10を検知する場合がある。そこで、各々の移動体10を区別するために、センサシステム100は移動体識別子を付与し、検知信号を送信する。このため、割当部330が送信する割当信号には、移動体識別子と、これに対応する移動体10が割当てられたランチャシステム200との組み合わせを送信する。また、割当信号には、割当部330が算出した会合位置522が含まれる。ランチャシステム200は、会合位置522において飛しょう体205と移動体10とが会合するように、飛しょう体205を発射する。さらに、割当信号には、割当部330が算出した発射位置512が含まれる。このため、表示部350は、受信した割当信号から会合位置522と発射位置512とを抽出し、表示することができる。なお、発射位置512は、割当部330が算出したもので、実際にランチャシステム200が飛しょう体205を発射する際の移動体10の位置とは異なる。
【0082】
次に、
図11Bに示す表示変更720に対応する処理を行う。具体的には、
図12Bに示すS200〜S295の処理を行う。表示変更720は、
図10に示すように、入力部360で割当ポリシーBボタン570が選択されたときに、表示を切り替える処理である。
【0083】
図12Bに示すように、S200において、割当部330は、表示変更の指示があったかを確認する。つまり、入力部360から割当ポリシーBボタン570などを選択されたかを確認する。選択されていない場合は、表示を切り替えないため、表示変更720の処理を終了しS300に移行する。
【0084】
S210において、割当部330は、選択された割当ポリシーに表示ポリシーを変更する。これにより、割当部330は、表示部350に表示している割当ポリシーを確認することができる。
【0085】
S220において、実行フラグが「実行」を示しているかを確認する。これにより、実行中の割当ポリシーに基づき処理を行っているかを確認する。例えば、割当処理620‐1の実行フラグが「実行」を示している場合、割当処理620‐1が実行中の割当ポリシーに基づき処理を行っていることを示す。続いて、S230またはS260において、変更後に実行中になる割当ポリシーが実行ポリシーの示す割当ポリシーと同じかを確認する。つまり、変更前後で、実行中の割当ポリシーが異なるかを確認する。
【0086】
実行フラグが「実行」を示す場合、実行中の割当ポリシーに基づき処理を行っていることを意味する。ここで、変更後に表示部350に表示するために用いる割当ポリシー(以下、表示する割当ポリシーと呼ぶ。)が実行ポリシーの示す割当ポリシーと同じ場合、変更後に表示する割当ポリシーは実行中の割当ポリシーと同じである。このため、変更前に実行中の割当ポリシーと、変更後に表示する割当ポリシーとは同じである。ここで、実行中の割当ポリシーに基づき処理を行っているため、S240において、表示フラグを「表示」に変更する。
【0087】
実行フラグが「実行」を示す場合、実行中の割当ポリシーに基づき処理を行っていることを意味する。ここで、変更後に表示する割当ポリシーが実行ポリシーの示す割当ポリシーと異なる場合、変更前に実行中の割当ポリシーと、変更後に表示する割当ポリシーとが異なることを意味する。ここで、実行中の割当ポリシーに基づき処理を行っているため、S250において、表示フラグを「非表示」に変更する。
【0088】
実行フラグが「実行せず」を示す場合、実行中の割当ポリシーに基づき処理を行っていないことを意味する。ここで、変更後に表示する割当ポリシーが実行ポリシーの示す割当ポリシーと同じ場合、変更前に実行中の割当ポリシーと、変更後に表示する割当ポリシーとが同じことを意味する。ここで、実行中の割当ポリシーに基づき処理を行っていないため、S270において、表示フラグを「非表示」に変更する。
【0089】
実行フラグが「実行せず」を示す場合、実行中の割当ポリシーに基づき処理を行っていないことを意味する。ここで、変更後に表示する割当ポリシーが実行ポリシーの示す割当ポリシーと異なる場合、変更前に実行中の割当ポリシーと、変更後に表示する割当ポリシーとが異なることを意味する。ここで、実行中の割当ポリシーに基づき処理を行っていないため、変更後に表示する割当ポリシーを用いて処理を行う必要がある。このため、S280において、表示フラグを「表示」に変更する。また、S290において、演算ポリシーを表示するポリシーを示す表示ポリシーに変更する。さらに、S295において、演算ポリシーに基づき、ポリシー管理部340から割当ポリシーを取得する。
【0090】
次に、
図11Bに示すポリシー変更730の処理を行う。具体的には、
図12Cに示すS300〜S340の処理を行う。ポリシー変更730は、表示している割当ポリシーに基づき、移動体10をランチャシステム200に割り当てる処理に変更する。つまり、
図10に示すように、ポリシー決定ボタン550を選択した場合の処理である。
【0091】
S300において、割当部330は、ポリシー決定ボタン550が選択されたかを確認する。ポリシー選択ボタンが選択されていない場合、割当ポリシーを変更する必要がないため、ポリシー変更730の処理を終了しS400に移行する。
【0092】
S310において、表示フラグが「表示」であるかを確認する。表示フラグが「表示」である場合、処理結果が表示部350に表示されている。このため、S320において、割当信号をランチャシステム200に送信するため、実行フラグを「実行」に変更する。一方、表示フラグが「非表示」である場合、処理結果は表示部350に表示されていない。このため、S330において、割当信号をランチャシステム200に送信しないように、実行フラグを「実行せず」に変更する。
【0093】
S340において、実行ポリシーが示す割当ポリシーを、表示ポリシーが示す割当ポリシーに変更する。ポリシー決定ボタン550が選択されたことで、実行中のポリシーは、表示部350に表示している割当ポリシーに変更される。これにより、処理している割当ポリシーに関係なく、実行ポリシーが示す割当ポリシーが実行中の割当ポリシーを示すことになる。
【0094】
次に、
図11Bに示す飛しょう体発射740に対応する処理を行う。具体的には、
図12Dに示すS400〜S420の処理を行う。飛しょう体発射740は、ランチャシステム200が飛しょう体205を発射したことで、割当部330が保有するランチャシステム200の情報を更新する。
【0095】
S400において、割当部330は、ランチャシステム200から発射信号を受信したかを確認する。発射信号を受信していない場合、ランチャシステム200は飛しょう体205を発射していないため、飛しょう体発射740の処理を終了する。この結果、S100に戻り、処理を繰り返す。発射信号を受信している場合、S410に移行する。
【0096】
S410において、ランチャシステム200が保有する飛しょう体205の数を変更する。発射信号には、ランチャシステム200の飛しょう体205の保有数が含まれる。このため、割当部330は、受信した飛しょう体205の保有数に基づき、ランチャシステム200が保有する飛しょう体205の数を変更する。
【0097】
S420において、割当処理620が割当てる移動体10を更新する。発射情報には、撃墜対象の移動体10の移動体識別子が含まれる。このため、同じ移動体10に複数の飛しょう体205を発射することを避けるため、飛しょう体205を発射した移動体10を割当対象から除外する。
【0098】
表示部350は、
図13に示すように、ランチャシステム200と割当部330とから表示する情報を受信し、
図9に示すような画面500を表示する。
【0099】
表示部350は、
図11Aに示す初期設定700の処理を行う。具体的には、
図13に示すS700の処理を行う。初期設定700では、ランチャシステム200から位置信号を受信する。
【0100】
S700において、表示部350は、ランチャシステム200の位置を受信する。位置信号には、ランチャシステム200の位置情報が含まれる。このため、表示部350はランチャシステム200の位置であるランチャシステム位置520を取得する。
【0101】
図11Aに示す目標検知710と、表示変更720と、ポリシー変更730と、飛しょう体発射740とでは、表示部350は同じ処理、つまり移動体10などを表示する処理を行う。具体的には、
図13に示すS700〜S730の処理を行う。
【0102】
S710において、表示部350は、センサシステム100から検知信号を受信する。検知信号には、移動体10と飛しょう体205との位置が含まれる。このため、表示部350は移動体10の位置である移動体位置510と、飛しょう体205の位置である飛しょう体位置530とを取得する。
【0103】
S720において、表示部350は、割当部330から割当信号を受信する。割当信号には、移動体10と、移動体10を割当てたランチャシステム200との関係を示す情報が含まれる。つまり、移動体10とランチャシステム200との組み合わせが示されている。また、割当信号には、会合位置522と発射位置512とが含まれる。このため、表示部350は、移動体10と、ランチャシステム200と、会合位置522と、発射位置512との組み合わせを取得する。
【0104】
S730において、表示部350は、取得した情報に基づき、
図9に示すように、画面500を表示する。ランチャシステム200から取得したランチャシステム位置520を表示する。また、センサシステム100から取得した移動体10の移動体位置510と、飛しょう体位置530とを表示する。さらに、会合位置522と、発射位置512とを表示する。取得した移動体10と会合位置522との組み合わせに応じて、移動体10の移動体位置510と会合位置522との関係を表示する。例えば、
図9に示すように、移動体位置510と会合位置522とを両端とする線分を表示する。また、ランチャシステム200と会合位置522との組み合わせに応じて、ランチャシステム200のランチャシステム位置520と会合位置522との関係を表示する。例えば、
図9に示すように、ランチャシステム位置520と会合位置522とを両端とする線分を表示する。これにより、ランチャシステム位置520と移動体位置510とは、会合位置522を介した線分の両端として表示される。つまり、ランチャシステム200と移動体10との関係が示される。
【0105】
ランチャシステム200は、割り当てられた移動体10に対して、飛しょう体205を発射する。
図14に示すように、飛しょう体205を移動体10に向けて発射するため、割当部330から割当信号と目標信号とを受信する。
【0106】
ランチャシステム200は、
図11Aに示す初期設定700の処理を行う。具体的には、
図14に示すS900の処理を行う。S900において、ランチャシステム200は、位置信号と性能信号とを送信する。位置信号には、ランチャシステム200の現在位置が含まれる。ランチャシステム200は、人工衛星から送信されるGPS信号などを用いて、現在位置を取得する。取得した現在位置を含む位置信号を送信する。
【0107】
ランチャシステム200は、
図11A、11Bに示す目標検知710と、表示変更720と、ポリシー変更730とにおいて、同じ処理を行う。具体的には、
図14に示すS910〜S940の処理を行う。
【0108】
図14に示すように、S910において、ランチャシステム200は、割当部330から目標信号を受信する。目標信号には、移動体10の位置と、移動方向と、移動速度とが含まれている。これにより、ランチャシステム200は、移動体10の位置と、移動方向と、移動速度とを取得する。
【0109】
S920において、ランチャシステム200は、割当部330から割当信号を受信する。割当信号には、移動体10と、移動体10を割当てたランチャシステム200と、会合位置522との組み合わせが含まれている。これにより、ランチャシステム200に割り当てられた移動体10、つまり撃墜すべき移動体10を取得する。また、移動体10を撃墜すべき位置として、会合位置522を取得する。
【0110】
S930において、ランチャシステム200は、飛しょう体205を発射すべきときの移動体10の位置、発射位置を算出する。ランチャシステム200は、自機の位置と、会合位置522と、保有する飛しょう体205の性能とから、飛しょう体205が発射してから会合位置522に到達するまでに要する飛しょう時間を算出する。移動体10の位置と、移動方向と、移動速度とから、移動体10と飛しょう体205とが会合する時間よりも算出した飛しょう時間前の移動体10の位置として、発射位置を算出する。移動体10は、算出した発射位置から会合位置522まで、飛しょう時間で到達する。このため、移動体10が発射位置に到達したときに、ランチャシステム200が飛しょう体205を発射することで、移動体10と飛しょう体205とは会合位置522で会合する。
【0111】
S940において、ランチャシステム200は、算出した発射位置に移動体10が到達したかを確認する。到達していない場合、S910に戻り、処理を繰り返す。到達している場合、S950に移行し、飛しょう体205を発射する処理を行う。
【0112】
次に、ランチャシステム200が飛しょう体205を発射する処理、つまり
図11Bに示す飛しょう体発射740の処理を行う。
図14に示す、S950、S960が、飛しょう体発射740の処理に対応する。
【0113】
S950において、ランチャシステム200は、移動体10に向けて、飛しょう体205を発射する。続いて、S960において、発射信号を送信する。発射信号には、撃墜すべき移動体10を示す情報と、ランチャシステム200の保有する飛しょう体205の数が含まれている。
【0114】
以上のように各システムが動作することで、状況の変化に応じて、リアルタイムに移動体10をランチャシステム200に割当てる割当ポリシーを変更することができる。また、表示部350は、リアルタイムで、現在の割当ポリシーに基づく状況の変化と、割当ポリシーを変更した場合の状況の変化とを表示する。このため、操作員は、割当ポリシーを変更した場合の状況を確認して、割当ポリシーを変更することができる。
【0115】
(実施の形態2)
実施の形態1では、現在の状況をリアルタイムで表示し、割当ポリシーを変更する例を示した。実施の形態2では、現在の状況だけでなく、指定された時間が経過した後の状況(以下、推測状況という。)も表示する。
【0116】
実施の形態2に係る目標割当システム1を含む迎撃システムの構成を説明する。
【0117】
図15に示すように、迎撃システムは、実施の形態1と同様に、センサシステム100と、ランチャシステム200と、指揮システム300Bとを備える。実施の形態1の構成のほか、指揮システム300Bに、推測部370を備える。また、割当部330Bと、表示部350Bとの処理が一部異なる。その他については、実施の形態1と同様に動作する。
【0118】
推測部370は、割当部330Bから割当信号を受信し、推測状況を算出し、表示部350Bに算出結果を送信する。つまり、推測部370は、指定された時間が経過した後の移動体10と、飛しょう体205との位置を算出する。また、移動体10の位置が発射位置512に到達していた場合、割当てられたランチャシステム200が飛しょう体205を発射した場合の状況を算出する。つまり、割当てられたランチャシステム200が飛しょう体205を発射した場合における、発射された飛しょう体205の位置を算出する。
【0119】
次に、推測部370の算出結果を表示部350Bに表示する操作について説明する。
【0120】
図16に示すように、表示部350Bは、画面800の上部に、表示する時間を指定する設定スライダ810を表示する。この設定スライダ810を選択し、左右に移動することで、
図17に示すように、表示部350Bは設定スライダ810で指定された時間が経過した後の状況を表示する。設定スライダ810は、画面800の左端に移動させると現在の状況を表示する。設定スライダ810を画面800の右側に移動するほど、長い時間が経過した後の状況を表示する。例えば、設定スライダ810を右端に移動させると、10分後の状況を表示する。設定スライダ810を画面800の左右中央に移動させると、5分後の状況を表示する。
【0121】
これにより、操作員は、割当ポリシーを変更した場合においても、指定された時間が経過した後の状況を確認することができる。つまり、現状の状況だけでなく、予想される未来の状況を確認し、移動体10を割当てるランチャシステム200を変更することができる。
【0122】
次に、迎撃システムの動作について説明する。最初に、各システムの連携について説明する。
【0123】
図18A、18Bに示すように、迎撃システムは、センサシステム100と、表示部350Bと、割当部330Bと、推測部370とが情報を送受信し実行される。また、ランチャシステム200については、実施の形態1と同様のため、説明は省略する。
【0124】
図18Aに示すように、迎撃システムでは、最初に初期設定700が実行される。割当部330Bは、割当ポリシーをポリシー管理部340から取得する。また、実施の形態1と同様に、ランチャシステム200は、割当部330と表示部350とに位置信号を送信する。
【0125】
センサシステム100が移動体10を検知することで、目標検知710が実行される。目標検知710では、検知した移動体10をランチャシステム200に割当て、結果を表示部350に表示する。センサシステム100は検知した移動体10の検知信号を表示部350Bと割当部330Bと推測部370とに送信する。割当部330Bは、取得した割当ポリシーに基づき、検知した移動体10をランチャシステム200に割り当てる。
【0126】
入力部360から表示する割当ポリシーの変更が入力されると、実施の形態1と同様に、表示変更720が実行される。
【0127】
設定スライダ810を移動させると、推測表示750が実行される。設定スライダ810は、入力部360からの入力により移動する。つまり、入力部360は、推測状況を表示するための信号を推測表示信号363として割当部330Bと、推測部370と、表示部350Bに送信する。推測部370は、割当部330Bから割当信号を受信し、移動体10と、移動体10を割当てたランチャシステム200との関係を取得する。また、センサシステム100から検知信号を受信し、移動体10の位置と、移動方向と、移動速度とを取得する。これにより、推測状況を算出する。推測部370は、算出した結果を割当信号として表示部350Bに送信する。表示部350Bは受信した割当信号に基づき、表示する。これにより、推測表示750では、表示部350は指示した時間経過後の状況を表示する。
【0128】
設定スライダ810を左端に移動すると、推測非表示760が実行される。設定スライダ810は、入力部360からの入力により、左端に移動する。つまり、入力部360は、推測状況を非表示にするための信号を推測非表示信号364として、割当部330Bと、推測部370と、表示部350Bとに送信する。表示部350Bは、推測部370から割当信号を受信せず、割当部330Bから割当信号を受信する。これにより、表示部350Bは、現在の状況をリアルタイムで表示する。
【0129】
次に、各システムの処理について説明する。センサシステム100と、ランチャシステム200とは、信号の送信先を除き、同じ処理を行うため説明は省略する。
【0130】
割当部330Bは、
図19A〜19Eに示すように、移動体10をランチャシステム200に割り当てる処理を行う。また、推測部370が表示部350Bに割当信号を送信する場合、割当部330Bが表示部350Bに割当信号を送信しないように動作する。ここで、割当部330Bは、実施の形態1と同様に、実行フラグと、表示フラグと、演算ポリシーと、実行ポリシーと、表示ポリシーとを保持する。さらに、割当部330Bは推測フラグを保持する。推測フラグは、表示部350Bが推測状況を表示しているかを示す。推測フラグが「表示」を示す場合、表示部350Bは推測状況を表示する。推測フラグが「非表示」を示す場合、表示部350Bは現在の状況を表示する。言い換えると、推測フラグが「表示」の場合、割当部330Bは表示部350Bに割当信号を送信しない。推測フラグが「非表示」の場合、割当部330Bは表示部350Bに割当信号を送信する。
【0131】
割当部330Bは、
図19A〜19Eに示すように、実施の形態1と類似する。このため、実施の形態1と異なる処理について説明する。
【0132】
割当部330Bは、
図18Aの初期設定700に対応する処理を行う。具体的には、
図19Aに示すS10〜S40の処理を行う。実施の形態2では、推測フラグが追加されるため、S30Bにおいて、推測フラグの初期設定を行う。このため、推測フラグは「非表示」に設定される。この他の処理については、実施の形態1と同様である。
【0133】
次に、割当部330Bは、
図18Aに示す目標検知710に対応する処理を行う。具体的には、
図19Aに示すS100〜S130の処理を行う。ここで、S130Bにおいて、割当信号を表示部350Bとランチャシステム200と推測部370とに送信する。表示部350Bには、表示フラグが「表示」を示し、推測フラグが「非表示」を示す場合に送信する。この場合を除き、表示部350Bに割当信号を送信しない。具体的には、表示フラグが「非表示」の場合、または、推測フラグが「表示」の場合に、表示部350Bに割当信号を送信しない。推測部370には、推測フラグが「表示」の場合に送信する。この他の処理については、実施の形態1と同様である。
【0134】
続いて、割当部330Bは、
図18Bに示す表示変更720に対応する処理を行う。具体的には、
図19Bに示すS200〜S295の処理を行う。ここで、表示変更前に表示部350Bが推測状況を表示している場合、表示部350Bが現在の状況を表示するように変更する。このため、実施の形態1の処理に、S205を追加し、推測フラグを非表示に変更する。これにより、推測フラグは「非表示」を示す。このため、割当処理620‐1Bと割当処理620‐2Bのうち表示フラグが「表示」を示す方が、割当信号を表示部350Bに送信する。この他の処理については、実施の形態1と同様である。
【0135】
続いて、割当部330Bは、実施の形態1と同様に、ポリシー変更730に対応する処理を行う。具体的には、
図19Cに示すS300〜S340の処理を行う。この処理については、実施の形態1と同様である。
【0136】
続いて、割当部330Bは、実施の形態1と同様に、飛しょう体発射740の処理を行う。具体的には、
図19Dに示すS400〜S420の処理を行う。この処理については、実施の形態1と同様である。
【0137】
続いて、割当部330Bは、推測表示750の処理を行う。具体的には、
図19Eに示すS500〜S510の処理を行う。これにより、割当部330Bは割当信号の表示部350Bへの送信を停止する。
【0138】
S500において、割当部330Bは、推測表示に変更されたかを確認する。つまり、入力部360から推測表示信号363を受信したかを確認する。推測表示信号363を受信していない場合、推測表示750の処理は終了し、S550に移行する。推測表示信号363を受信している場合、S510に移行し、推測フラグを「表示」に変更する。これにより、割当部330Bが表示部350Bに割当信号を送信するのを停止する。
【0139】
続いて、割当部330Bは、推測非表示760の処理を行う。具体的には、
図19Eに示すS550〜S560の処理を行う。これにより、割当部330Bは割当信号を表示部350Bに送信する。
【0140】
S550において、割当部330Bは、推測非表示に変更されたかを確認する。つまり、入力部360から推測非表示信号364を受信したかを確認する。推測非表示信号364を受信していない場合、推測非表示760の処理は終了し、S100に戻り処理を繰り返す。推測非表示信号364を受信している場合、S560に移行し、推測フラグを「非表示」に変更する。これにより、割当部330Bは表示部350Bに割当信号を送信する。その後、S100に戻り処理を繰り返す。
【0141】
表示部350Bは、
図20に示すように、ランチャシステム200と、割当部330Bと、推測部370とから表示する情報を受信し、
図16に示すような画面800を表示する。
【0142】
表示部350Bは、
図18Aに示す初期設定700の処理を行う。具体的には、
図20に示すS700の処理を行う。初期設定700の処理は、実施の形態1と同様である。
【0143】
表示部350Bは、
図18A、18Bに示す初期設定700以外の処理において、同様の処理を行う。具体的には、
図20に示すS710〜S730の処理を行う。
【0144】
S710において、実施の形態1と同様に、表示部350Bはセンサシステム100から検知信号を受信する。
【0145】
S720Bにおいて、表示部350Bは、割当部330Bまたは推測部370から割当信号を受信する。割当部330Bから受信する場合は、実施の形態1と同様である。推測部370から受信する場合、割当信号には相対時間、つまり表示する推測状況の時間が含まれている。また、移動体10と飛しょう体205の位置も含まれている。
【0146】
次に、S723において、割当信号に相対時間が含まれているかを確認する。これにより、受信した割当信号が割当部330Bと推測部370とのいずれから受信したかを確認できる。割当信号に相対時間が含まれていない場合、S730に移行し、実施の形態1と同様に現在の状況を表示する。割当信号に相対時間が含まれている場合、S726に移行する。
【0147】
S726において、割当信号から移動体情報を抽出する。つまり、割当信号から移動体10と飛しょう体205との位置を取得する。検知信号から取得した移動体10と飛しょう体205との位置を、割当信号から取得した移動体10と飛しょう体205とに変更する。これにより、推測部370から受信した移動体10と飛しょう体205とを表示する。
【0148】
S730において、受信した情報に基づき、画面800を表示する。この処理は、実施の形態1と同様である。
【0149】
このように、表示部350Bは、割当部330Bと推測部370との一方から受信し、現在の状況または推測状況を表示する。
【0150】
推測部370は、
図21A、21Bに示すように、センサシステム100と、割当部330Bとから情報を受信し、指定された時間経過後の状況を算出する。算出した結果を割当信号として、表示部350Bに送信する。
【0151】
推測部370は、
図18Aに示す初期設定700の処理を行う。つまり、
図21Aに示すように、S800において、推測フラグの初期化を行う。具体的には、推測フラグを「非表示」に設定する。推測フラグは、割当部330Bと同様に、推測状況を表示する場合に「表示」を示す。現在の状況を表示する場合、推測フラグは「非表示」を示す。言い換えると、推測フラグが「表示」の場合、推測部370は表示部350Bに割当信号を送信する。推測フラグが「非表示」の場合、推測部370は表示部350Bに割当信号を送信しない。
【0152】
次に、推測部370は、
図18Bに示す目標検知710の処理を行う。具体的には、
図21Aに示すS810〜S825の処理を行う。S810において、推測フラグが「非表示」の場合、表示部350Bに割当信号を送信しないため、目標検知710の処理を終了する。推測フラグが「表示」の場合、表示部350Bに割当信号を送信するため、S815に移行する。
【0153】
S815において、推測部370は、センサシステム100から検知信号を受信する。これにより、移動体10の位置と、移動方向と、移動速度とを取得する。また、飛しょう体205の位置と、移動方向と、移動速度とを取得する。
【0154】
S820において、推測部370は、割当部330Bから割当信号を受信する。これにより、移動体10と、移動体10を割当てたランチャシステム200との関係を取得する。また、会合位置522と、発射位置512とを受信する。つまり、移動体10と、ランチャシステム200と、会合位置522と、発射位置512との組み合わせを取得する。
【0155】
S825において、推測部370は、入力部360の入力により指定された時間を取得する。つまり、表示する推測状況の時間を取得する。
【0156】
S830において、推測部370は、移動体10の航路を推定する。センサシステム100から取得した移動方向と、移動速度とに基づき、移動体10の航路を推定する。この航路の推定は、移動体10をランチャシステム200に割り当てるときに用いた方法と同じであってもよい。推定した航路に基づき、S825で取得した時間経過後の移動体10の位置を算出する。ここで、移動体10が発射位置512に到達し、会合位置522に到達していない場合、撃墜すべきランチャシステム200が飛しょう体205を移動体10に向け発射したと判断する。この場合、移動体10が発射位置512に到達してから取得した時間までの時間から、発射した飛しょう体205の位置を算出する。移動体10が会合位置522に到達している場合、会合位置522で飛しょう体205を会合したとして、移動体10を表示しない。つまり、この移動体10の位置を割当信号に含めない。このようにして、推測状況における移動体10の位置と、飛しょう体205の位置とを算出し、割当信号に加える。この結果、割当信号には、移動体10の位置と、飛しょう体205の位置と、ランチャシステム200と、会合位置522と、発射位置512との組み合わせが含まれる。
【0157】
S835において、推測部370は、表示部350Bに割当信号を送信する。
【0158】
このように、目標検知710において、推測部370は表示部350Bに割当信号を送信することができる。
【0159】
次に、推測部370は、
図18Bに示す表示変更720に対応する処理を行う。具体的には、
図21Bに示すS840〜S845の処理を行う。
【0160】
S840において、推測部370は、表示変更されたかを確認する。つまり、入力部360から表示変更信号361を受信したかを確認する。受信していない場合、表示変更720の処理を終了する。受信している場合、S850に移行する。
【0161】
S845において、推測部370は、推測フラグを「非表示」に変更する。言い換えると、表示部350Bへの割当信号の送信を停止する。表示変更後は、現在の状況を表示するため、表示部350Bは割当信号を割当部330Bから受信する。
【0162】
続いて、推測部370は、
図18Bに示す推測表示750に対応する処理を行う。具体的には、
図21Bに示すS850〜S855の処理を行う。
【0163】
S850において、推測部370は、推測表示に変更されたかを確認する。つまり、入力部360から推測表示信号363を受信したかを確認する。受信していない場合、推測表示750の処理を終了する。受信している場合、S855に移行する。
【0164】
S855において、推測部370は、推測フラグを「表示」に変更する。これにより、推測部370は、表示部350Bに割当信号を送信する。
【0165】
続いて、推測部370は、推測非表示760に対応する処理を行う。具体的には、
図21Bに示すS860〜S865の処理を行う。
【0166】
S860において、推測部370は、推測非表示に変更されたかを確認する。つまり、入力部360から推測非表示信号364を受信したかを確認する。受信していない場合、推測非表示760の処理を終了し、S810に戻り、処理を繰り返す。受信している場合、S865に移行する。
【0167】
S865において、推測部370は、推測フラグを「非表示」に変更する。これにより、推測部370は、表示部350Bへの割当信号の送信を停止する。
【0168】
このようにして、推測部370により指定された時間経過後の状況を算出し、表示部350Bに表示することができる。このため、操作員は、実行中の割当ポリシーだけでなく、割当ポリシーを変更した場合に予想される状況を確認することができる。
【0169】
(実施の形態3)
実施の形態1、2では、割当ポリシーを変更することで、移動体10を割当てるランチャシステム200を変更する例を示した。実施の形態3では、手動で移動体10を割当てるランチャシステム200を変更する例を示す。
【0170】
図22に示すように、表示部350Cは、画面850を表示する。画面850には、割当変更ボタン860が表示される。入力部360で、割当変更ボタン860を選択すると、割当変更状態に移行する。具体的には、表示部350Cは、
図23に示すように、画面850Bを表示する。画面850Bには、割当削除ボタン870と、変更反映ボタン880とが表示される。画面850Bにおいて、移動体10と割当てるランチャシステム200とを選択することで、移動体10をランチャシステム200に割当てる。例えば、移動体10の移動体位置510を選択後、割当てるべきランチャシステム200のランチャシステム位置520を選択してもよい。また、移動体10の割当てを削除する場合、移動体10を選択後、割当削除ボタン870を選択する。最後に変更した結果を反映するために、変更反映ボタン880を選択する。このように、入力部360で入力することで、移動体10を割当てるランチャシステム200を変更する。割当を変更した結果に合わせて、会合位置522と発射位置512とが表示される。
【0171】
実施の形態3は、実施の形態1の構成と変わらず、割当部330Cの処理が異なる。割当部330Cの処理を説明する。
【0172】
割当部330Cの処理は、
図24A〜24Eに示すように、移動体10をランチャシステム200に割当てる処理を行う。また、入力部360への入力に基づき、移動体10を割当てたランチャシステム200を変更する。S10〜S420の処理は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0173】
S600において、割当部330Cは、割当変更ボタン860が選択されたかを確認する。入力部360は、割当変更ボタン860が選択されると、割当信号を生成し割当部330Cに送信する。このため、割当部330Cは割当変更信号を受信したかを確認する。割当変更信号を受信していない場合、S100に戻り、処理を繰り返す。割当変更信号を受信している場合、S610に移行する。
【0174】
S610において、割当部330Cは、割当を変更する移動体10を受信する。入力部360は、割当を変更する移動体10が入力されると、割当部330Cに変更対象として移動体10の移動体識別子を送信する。割当部330Cは、移動体10の移動体識別子を受信し、割当を変更する移動体10を取得する。
【0175】
S620において、割当部330Cは、割当てるランチャシステム200を受信する。入力部360は、変更する移動体10を割当てるランチャシステム200が入力されると、割当部330Cに割当てるランチャシステム200を送信する。これにより、割当部330Cは、移動体10を割当てるべきランチャシステム200を取得する。
【0176】
S630において、割当部330Cは、変更反映ボタン880が選択されたかを確認する。入力部360は、変更反映ボタン880が選択されると、割当部330Cに割当反映を送信する。このため、割当部330Cは、割当反映を受信したかを確認する。割当反映を受信しない場合、S610に戻り、処理を繰り返す。割当反映を受信した場合、S640に移行し、移動体10を割当てるランチャシステム200を変更する。
【0177】
このようにして、移動体10を割当てるランチャシステム200を、操作員が手動で変更することができる。このため、他の迎撃システムにより移動体10を撃墜する場合、割当ポリシーとは異なる割当を行う場合など、自由に割当を変更することができる。
【0178】
(実施の形態4)
実施の形態4では、表示部350は、
図25に示すように、画面900を表示する。画面900には、会合位置522の位置に、移動体10と飛しょう体205との会合時間が表示される。また、移動体10が発射位置512に到達する時間が発射位置512に表示される。また、移動体10を飛しょう体205が撃墜する確率を、過去の履歴、シミュレーションの結果などから算出し表示してもよい。これらの情報は、割当部330で算出し、割当信号に追加される。表示部350は、割当信号から、会合時間などを抽出し、表示する。また、画面900には、ランチャシステム200の保有する飛しょう体205の数が表示される。また、装填数を表示してもよい。
【0179】
図26に示すように、撃墜する確率を表示せずに、移動体10を飛しょう体205が撃墜する確率に応じて、会合位置522の表示色を変更してもよい。また、ランチャシステム200の保有する飛しょう体205の数を、
図26に示すように、図形の数により表示してもよい。また、会合時間などの表示は、一部のみ表示してもよい。
【0180】
(変形例)
上記実施の形態では、演算ポリシーが設定された後、演算ポリシーの設定を削除しない例を示したが、これに限定されない。ポリシー決定ボタン550を選択した後、表示していない割当ポリシーを用いて処理している場合、目標検知710に対応する処理を実行しなくともよい。この場合、
図12BのS270と、
図12CのS330とにおいて、演算ポリシーの設定を削除する。これにより、実行も表示もしていない割当ポリシーを用いて目標検知710に対応する処理は実行されない。
【0181】
上記実施の形態では、割当部330は、割当処理620‐1、620‐2の2つの処理を並列で行う例を示したが、これに限定されない。例えば、1つの処理として、表示用の処理と、実行用の処理とを行ってもよい。また、割当ポリシーごとに1つの処理、つまり割当ポリシーの数の並列処理を行ってもよい。
【0182】
上記実施の形態では、割当部330と推測部370は、同じ割当信号を生成しランチャシステム200と表示部350とに送信する例を示したが、これに限定されない。例えば、ランチャシステム200には飛しょう体205を発射するために必要な情報のみを含めた割当信号を生成し送信してもよい。また、表示部350には、割当信号のうち、移動体10とランチャシステム200との関係を表示するために必要な情報のみを含めた表示信号を生成し送信してもよい。
【0183】
上記実施の形態では、1つの移動体10に対して1つの飛しょう体205を発射する例を示したが、これに限定されない。例えば、1つの移動体10に対して複数の飛しょう体205を発射してもよい。この場合、
図12DのS420において、移動体10に対して飛しょう体205の発射した数が、所定の数に達した場合に割当対象から除外する。つまり、1つの移動体10に対して5つの飛しょう体205を発射する場合、移動体10に対して飛しょう体205を発射した数が5に達した場合に割当対象から除外する。
【0184】
上記実施の形態では、ランチャシステム200は、発射位置を算出することで、飛しょう体205の発射タイミングを決定する例を示したが、これに限定されない。ランチャシステム200が発射した飛しょう体205が、移動体10と会合位置522で会合すれば、任意の方法を選択することができる。例えば、ランチャシステム200が発射した飛しょう体205が会合位置522に到達するまでの時間を算出する。次に、移動体10が会合位置522に到達するまでの時間を算出する。移動体10が会合位置522に到達するまでの時間が、飛しょう体205が会合位置522に到達する時間以下である場合に、飛しょう体205を発射してもよい。
【0185】
上記実施の形態では、ランチャシステム200が、飛しょう体205の発射タイミングを算出する例を示したが、これに限定されない。例えば、割当部330が、飛しょう体205を発射するタイミングをランチャシステム200に指示してもよい。割当部330は、発射位置512を算出する。このため、移動体10が発射位置512に到達した場合、ランチャシステム200に飛しょう体205の命令信号を出力してもよい。
【0186】
上記実施の形態では、移動体10をランチャシステム200に割当てる方法として、割当ポリシーを選択する例と、手動で指定する例を示したが、これらを組み合わせてもよい。例えば、実行中とは異なる割当ポリシーを選択し、その後、手動で移動体10を割当てるランチャシステム200を変更してもよい。この場合、入力部360は、移動体10を割当てるランチャシステム200を変更した結果を、割当変更信号として、割当部330に送信する。また、割当変更信号には、割当ポリシーのみを変更するポリシー変更信号362を含んでもよい。
【0187】
上記実施の形態では、検知信号、割当信号、性能信号、位置信号などの各種信号を、無線を用いて送受信する例を示したが、これに限定されない。信号を送受信できればよく、種々の送受信手段を用いることができる。例えば、有線で送受信しても良い。
【0188】
実施の形態2では、設定スライダ810を用いて指定された時間を選択する例を示したが、これに限定されない。時間を指定できればよく、任意の方法を選択することができる。例えば、1分、2分、3分などを示すボタンを選択することで、時間を指定してもよい。
【0189】
上記実施の形態では、目標割当システム1が1つのセンサシステム100を備える例を示したが、これに限定されない。複数のセンサシステム100を備えていてもよい。また、指揮システム300は、目標割当システム1の外部から移動体10の位置情報等を取得できれば、センサシステム100を備えなくとも良い。
【0190】
以上において説明した処理は一例であり、各ステップの順番、処理内容は、機能を阻害しない範囲で変更してもよい。また、説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよい。