(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966412
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】数値制御装置
(51)【国際特許分類】
G05B 19/416 20060101AFI20211108BHJP
B23Q 15/08 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
G05B19/416 F
B23Q15/08
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-214353(P2018-214353)
(22)【出願日】2018年11月15日
(65)【公開番号】特開2020-86485(P2020-86485A)
(43)【公開日】2020年6月4日
【審査請求日】2020年4月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 大
(72)【発明者】
【氏名】大田 優
【審査官】
樋口 幸太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−001120(JP,A)
【文献】
特開2005−238415(JP,A)
【文献】
特開2012−016793(JP,A)
【文献】
実開昭53−036585(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/416
B23Q 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穴あけ加工を行う際、食いつき部における主軸送り速度を、指令送り速度より小さい食いつき速度まで減速する加減速開始位置算出部を有する数値制御装置であって、
主軸負荷を計測する主軸負荷計測部を有し、
前記加減速開始位置算出部は、前記主軸負荷が略一定となった速度戻し点から、前記主軸送り速度を前記食いつき速度から前記指令送り速度まで加速することを特徴とする
数値制御装置。
【請求項2】
前記加減速開始位置算出部は、事前加工において、前記主軸負荷が大きくなった位置を前記食いつき部として特定することを特徴とする
請求項1記載の数値制御装置。
【請求項3】
前記加減速開始位置算出部は、設定値又は加工プログラムの指令に基づき前記食いつき部を特定することを特徴とする
請求項1記載の数値制御装置。
【請求項4】
貫通穴の穴あけ加工を行う際、食いつき部における主軸送り速度を、指令送り速度より小さい食いつき速度まで減速する加減速開始位置算出部を有する数値制御装置であって、
前記加減速開始位置算出部は、前記食いつき部以降の主軸負荷が略一定となった所定の速度戻し点から、前記主軸送り速度を前記食いつき速度から前記指令送り速度まで加速した後、貫通部における前記主軸送り速度を、指令送り速度より小さい貫通速度まで減速することを特徴とする
数値制御装置。
【請求項5】
主軸負荷を計測する主軸負荷計測部を有し、
前記加減速開始位置算出部は、事前加工において、前記主軸負荷が大きくなった位置を前記食いつき部として特定することを特徴とする
請求項4記載の数値制御装置。
【請求項6】
主軸負荷を計測する主軸負荷計測部を有し、
前記加減速開始位置算出部は、事前加工において、前記主軸負荷が小さくなった位置を前記貫通部として特定することを特徴とする
請求項4記載の数値制御装置。
【請求項7】
前記加減速開始位置算出部は、設定値又は加工プログラムの指令に基づき前記食いつき部又は前記貫通部を特定することを特徴とする
請求項4記載の数値制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値制御装置に関し、特に工具負荷を軽減しながら最適な速度で穴あけ加工を行う数値制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、一般的な穴あけ加工手法を説明する図である。数値制御装置は、R点までは主軸(工具)を早送りし(
図1(a))、工具がR点から穴底に達するまでは切削送りの送り速度で主軸を移動させる(
図1(b)乃至(d))。この手法では、工具がワークWに当たる瞬間(
図1(b),食いつき部)から、当たった後の穴あけ動作(
図1(c))まで、送り速度は同じである。貫通穴の場合は、穴が開く瞬間(
図1(d),貫通部)も同じ送り速度となる。
【0003】
このような手法で穴あけ加工を行うと、
図2に示すように、食いつき部(
図1(b))で工具とワークとが接触した際に工具欠損が起きる恐れがある(
図2(ア))。また、穴の位置がずれる(精度が悪くなる)恐れがある(
図2(イ))。貫通部(
図1(d))においても、工具欠損が起きる恐れがある(
図2(ウ))。また、バリができやすくなる(
図2(エ))。
【0004】
これらの問題を解決するために切削送りの送り速度を下げると、こんどは速度を下げる必要がない穴あけ動作(
図1(c))の送り速度も下がるため、サイクルタイムが伸びてしまうという別の問題が生じる。
【0005】
このような問題に関連する従来技術として、特許文献1がある。特許文献1には、食いつき工程(上述の食いつき部(
図1(b))に相当)における送り速度を比較的遅い速度に設定し、所定の食いつき距離だけその遅い速度で加工を実施した後、比較的速い送り速度で行う切削加工(上述の穴あけ動作(
図1(c))に相当)に移ることが記載されている。これにより、食いつき時の摩擦・熱分散等による負荷トルク上昇を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許3533650号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、食いつき工程の後、遅い送り速度で移動しつづける距離(=食いつき距離)が固定値である。この固定値は、上述のような様々な問題の発生を抑えつつ、かつ不必要なサイクルタイム増加も抑制するという観点での最適値であるとは限らない。仮に最適値を試行錯誤で発見しようとすれば、それは非常に煩雑な作業となる。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、工具負荷を軽減しながら最適な速度で穴あけ加工を行う数値制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態にかかる数値制御装置は、穴あけ加工を行う際、食いつき部における主軸送り速度を、指令送り速度より小さい食いつき速度まで減速する加減速開始位置算出部を有する数値制御装置であって、主軸負荷を計測する主軸負荷計測部を有し、前記加減速開始位置算出部は、前記主軸負荷が略一定となった速度戻し点から、前記主軸送り速度を前記食いつき速度から前記指令送り速度まで加速することを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかる数値制御装置は、前記加減速開始位置算出部は、事前加工において、前記主軸負荷が大きくなった位置を前記食いつき部として特定することを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかる数値制御装置は、前記加減速開始位置算出部は、設定値又は加工プログラムの指令に基づき前記食いつき部を特定することを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかる数値制御装置は、貫通穴の穴あけ加工を行う際、食いつき部における主軸送り速度を、指令送り速度より小さい食いつき速度まで減速する加減速開始位置算出部を有する数値制御装置であって、前記加減速開始位置算出部は、前記食いつき部以降の
主軸負荷が略一定となった所定の速度戻し点から、前記主軸送り速度を前記食いつき速度から前記指令送り速度まで加速した後、貫通部における前記主軸送り速度を、指令送り速度より小さい貫通速度まで減速することを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかる数値制御装置は、主軸負荷を計測する主軸負荷計測部を有し、前記加減速開始位置算出部は、事前加工において、前記主軸負荷が大きくなった位置を前記食いつき部として特定することを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかる数値制御装置は、主軸負荷を計測する主軸負荷計測部を有し、前記加減速開始位置算出部は、事前加工において、前記主軸負荷が小さくなった位置を前記貫通部として特定することを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかる数値制御装置は、前記加減速開始位置算出部は、設定値又は加工プログラムの指令に基づき前記食いつき部又は前記貫通部を特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、工具負荷を軽減しながら最適な速度で穴あけ加工を行う数値制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来の穴あけ加工における課題を示す図である。
【
図2】従来の穴あけ加工における課題を示す図である。
【
図3】数値制御装置100のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】数値制御装置100の機能構成を示す図である。
【
図5】数値制御装置100の機能構成を示す図である。
【
図6】数値制御装置100の動作の概要を示す図である。
【
図7】数値制御装置100の食いつき部における動作を示す図である。
【
図8】数値制御装置100の貫通部における動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図3は、実施の形態にかかる数値制御装置100の要部を示す概略的なハードウェア構成図である。数値制御装置100は、穴あけ加工を行う産業用機械の制御を行う装置である。数値制御装置100は、CPU11、ROM12、RAM13、不揮発性メモリ14、バス10、軸制御回路16、サーボアンプ17、インタフェース18を有する。数値制御装置100には、サーボモータ50、入出力装置60が接続される。
【0013】
CPU11は、数値制御装置100を全体的に制御するプロセッサである。CPU11は、ROM12に格納されたシステム・プログラムをバス10を介して読み出し、システム・プログラムに従って数値制御装置100全体を制御する。
【0014】
ROM12は、例えば機械の各種制御を実行するためのシステム・プログラムを予め格納している。
【0015】
RAM13は、一時的な計算データや表示データ、入出力装置60を介してオペレータが入力したデータやプログラム等を一時的に格納する。
【0016】
不揮発性メモリ14は、例えば図示しないバッテリでバックアップされており、数値制御装置100の電源が遮断されても記憶状態を保持する。不揮発性メモリ14は、入出力装置60から入力されるデータやプログラム等を格納する。不揮発性メモリ14に記憶されたプログラムやデータは、実行時及び利用時にはRAM13に展開されても良い。
【0017】
軸制御回路16は、機械の動作軸を制御する。軸制御回路16は、CPU11が出力する軸の移動指令量を受けて、動作軸の移動指令をサーボアンプ17に出力する。
【0018】
サーボアンプ17は、軸制御回路16が出力する軸の移動指令を受けて、サーボモータ50を駆動する。
【0019】
サーボモータ50は、サーボアンプ17により駆動されて機械の動作軸を動かす。本実施の形態では、主軸移動はサーボモータ50により行われる。サーボモータ50は、典型的には位置・速度検出器を内蔵する。位置・速度検出器は位置・速度フィードバック信号を出力し、この信号が軸制御回路16にフィードバックされることで、位置・速度のフィードバック制御が行われる。
【0020】
なお、
図3では軸制御回路16、サーボアンプ17、サーボモータ50は1つずつしか示されていないが、実際には制御対象となる機械に備えられた軸の数だけ用意される。
【0021】
入出力装置60は、ディスプレイやハードウェアキー等を備えたデータ入出力装置であり、典型的にはMDI又は操作盤である。入出力装置60は、インタフェース18を介してCPU11から受けた情報をディスプレイに表示する。入出力装置60は、ハードウェアキー等から入力された指令やデータ等をインタフェース18を介してCPU11に渡す。
【0022】
図4及び
図5は、数値制御装置100の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
図4は、食いつき部及び貫通部を特定するための1回目の加工における機能ブロック、
図5は、2回目以降の加工における機能ブロックである。
【0023】
数値制御装置100は、加工プログラムを読み出して解析を行う前処理部101、補間移動指令を生成して各軸に分配する補間移動指令の分配処理部103、各軸に移動指令を出力する移動指令出力部105、補間後の加減速を行う加減速処理部107、サーボモータ50を制御するサーボ制御部109を有する。また、本願発明独自の構成要素として、主軸の現在位置を保持する現在位置レジスタ111、主軸モータ(スピンドルモータ)の負荷電流を常時検出して負荷トルクを算出する主軸負荷計測部113、工具負荷軽減のための加減速の開始位置を算出する加減速開始位置算出部115を有する。
【0024】
図6を用いて、本実施の形態にかかる数値制御装置100の動作の概要について説明する。数値制御装置100は、(1)工具が食いつき部手前の減速開始点に達するまでは指令送り速度で主軸を移動する。(2)減速開始点で減速を開始し、(3)食いつき部では比較的小さい送り速度とする。(4)食いつき後、主軸負荷が安定するまではその送り速度を維持したまま加工を行い、(5)主軸負荷が安定したならば、指令送り速度を回復する。なお、貫通穴の場合はさらに、工具が貫通部手前の減速開始点に達するまでは指令送り速度で主軸を移動し、減速開始点で減速を開始し、貫通部では比較的小さい送り速度とする。
【0025】
図7を用いて、食いつき部における各処理部の動作について具体的に説明する。
<1回目の加工>
1回目の加工は、加減速の開始位置を特定するための準備段階である。数値制御装置100は、指令送り速度に従って従来と同様の加工を行う。加工中、サーボモータ50の現在位置が現在位置レジスタ111に登録され、逐次更新される。主軸負荷計測部113は主軸負荷を常時監視し、負荷が大きくなったことを検知したならば加減速開始位置算出部115に通知する。加減速開始位置算出部115は、現在位置レジスタ111を参照し、この時点におけるサーボモータ50の現在位置を食いつき部として記憶する。また、主軸負荷計測部113は、食いつき部以降で負荷が安定した位置を検知し加減速開始位置算出部115に通知する。加減速開始位置算出部115は、現在位置レジスタ111を参照し、この時点におけるサーボモータ50の現在位置を速度戻し点として記憶する。
【0026】
ここで主軸負荷計測部113は、主軸負荷が予め設定された又はプログラムで指令された閾値(未設定又は未指定の場合は既定値)を越えたときに、負荷が大きくなったと判定することができる。また、主軸負荷が予め設定された又はプログラムで指令された変動率(未設定又は未指定の場合は既定値)以内になったときに、負荷が安定したと判定することができる。
【0027】
<2回目以降の加工>
2回目以降の加工では、工具負荷軽減のための加減速を実施する。(1)補間移動指令の分配処理部103は、工具が食いつき部手前の減速開始点に達するまでは指令送り速度で主軸を移動させる。
【0028】
(2)加減速開始位置算出部115は、食いつき部到達以前に主軸の移動速度が所定の食いつき速度となるよう、減速開始点から主軸の移動速度を減速させる。食いつき速度は、予め設定値として登録しても良く、加工プログラム内で指令されても良い。減速開始点は、予め設定された加速度と、食いつき部の位置と、食いつき速度とに基づいて求められる。又は、加工プログラムで指令されたR点を減速開始点としても良い。この場合は、R点から工具の移動を開始した後、指令送り速度ではなく食いつき速度まで加速を行うものとする(指令送り速度>食いつき速度)。(3),(4)加減速開始位置算出部115は、食いつき部以降は食いつき速度で定速で加工する。
【0029】
(5)加減速開始位置算出部115は、工具が速度戻し点に達したなら主軸の送り速度の加速を開始し、指令送り速度まで回復させる。なお、本実施の形態では1回目の加工時に算出した速度戻し点を利用するが、加減速開始位置算出部115は、2回目以降の加工時にリアルタイムに速度戻し点を算出し、加速を開始することとしても良い。(6)指令送り速度回復以降は定速で加工する。
【0030】
図8を用いて、貫通穴を加工する場合の貫通部における各処理部の動作について具体的に説明する。
<1回目の加工>
1回目の加工は、加減速の開始位置を特定するための準備段階である。数値制御装置100は、指令送り速度に従って従来と同様の加工を行う。加工中、サーボモータ50の現在位置が現在位置レジスタ111に登録され、逐次更新される。主軸負荷計測部113は主軸負荷を常時監視し、負荷が小さくなったことを検知したならば加減速開始位置算出部115に通知する。加減速開始位置算出部115は、現在位置レジスタ111を参照し、この時点におけるサーボモータ50の現在位置を貫通部として記憶する。
【0031】
ここで主軸負荷計測部113は、主軸負荷が予め設定された又はプログラムで指令された閾値(未設定又は未指定の場合は既定値)を下回ったときに、負荷が小さくなったと判定することができる。
【0032】
<2回目以降の加工>
2回目以降の加工では、工具負荷軽減のための加減速を実施する。(1)補間移動指令の分配処理部103は、工具が貫通部手前の減速開始点に達するまでは指令送り速度で主軸を移動させる。
【0033】
(2)加減速開始位置算出部115は、工具が貫通部到達する以前に主軸の移動速度が所定の貫通速度となるよう、減速開始点から主軸の送り速度を減速させる。貫通速度は、予め設定値として登録しても良く、加工プログラム内で指令されても良い。減速開始点は、予め設定された加速度と、貫通部の位置と、貫通速度とに基づいて求められる。なお、減速開始点は、「穴底位置+クリアランスQ」などの形で、指定されたクリアランスに基づく計算により算出しても良い。(3),(4)加減速開始位置算出部115は、貫通部通過後、貫通速度で穴底まで移動を継続する。
【0034】
本実施の形態によれば、食いつき部又は貫通部においては指令送り速度よりも減速されるため、穴あけ時の工具欠損等を防ぐことができる。
図9に示すように、本発明の実施の形態では、加減速を行わない場合に比べて、食いつき部以降の主軸負荷の急激な増加が抑制される。さらに、食いつき部で減速することで、穴あけ時の位置がずれなくなるため加工精度を向上させられる。貫通部で減速することで、バリの発生を抑制できる。
【0035】
また、本実施の形態によれば、食いつき部又は貫通部の位置から導かれる減速開始点で減速を開始することや、主軸負荷が安定した速度戻し点で減速を解消することにより、速度を落としている時間を短くでき、サイクルタイムへの影響を必要最小限にとどめることができる。
【0036】
特に、
図9に示すように、食いつき速度で移動する距離(食いつき距離)が固定値である従来技術と比較すると、本発明の実施の形態では、主軸負荷が安定するところまでを食いつき距離とするので、食いつき距離を必要最短とすることができ、サイクルタイム増加を最小限に抑えられる。又は、主軸負荷が安定する前に食いつき距離が終わってしまうことを防ぐことができる。
【0037】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更しても良い。例えば、上述の実施の形態では、食いつき部又は貫通部は、1回目の穴あけ加工において主軸負荷の変動に基づいて決定していた。しかしながら、あらかじめ穴あけ位置(ワークの高さ)がわかっている場合やR点が指令されている場合には、穴あけ位置またはR点を食いつき部としても良い。また、あらかじめワークの厚さがわかっている場合には、穴あけ位置−ワークの厚さを計算することで貫通部を求めても良い。ワークの高さや厚さは、設定値や加工プログラム内で指定するほか、カメラやセンサなどを用いて計測することで求めても良い。これにより、主軸負荷を見なくても食いつき部又は貫通部を決定できるから、上述の実施の形態でいう1回目の加工を省略することができ、初回から加減速処理を適用することが可能となる。
【符号の説明】
【0038】
100 数値制御装置
10 バス
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 不揮発性メモリ
16 軸制御回路
17 サーボアンプ
18 インタフェース
50 サーボモータ
60 入出力装置
101 前処理部
103 補間移動指令の分配処理部
105 移動指令出力部
107 加減速処理部
109 サーボ制御部
111 現在位置レジスタ
113 主軸負荷計測部
115 加減速開始位置算出部