(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
パス計算要素集中コントローラ(PCECC)によって、ネットワーク内の第1のエッジノードから第2のエッジノードへのサービスをプロビジョニングするためのサービス要求を受信するステップと、
前記PCECCによって、前記サービス要求に応答して、前記第1のエッジノードから前記第2のエッジノードへのポイントツーポイント(P2P)ラベルスイッチドパス(LSP)のパスを計算するステップと、
前記PCECCによって、前記P2P_LSP上で前記サービスのトラヒックを転送するためのラベル情報を割り当てるステップであって、前記ラベル情報は、前記P2P_LSPの入側ノードを除く前記P2P_LSPのパス上の各ノードのパスラベルと、前記サービスを識別するためのサービスラベルと、を含む、ステップと、
前記PCECCによって、前記サービスの前記トラヒックの転送を容易にするために、前記P2P_LSP上の第3のノードにラベル更新メッセージを送信するステップであって、前記ラベル更新メッセージは、前記ラベル情報を含み、前記ラベル情報は、前記P2P_LSPに沿ってデータパケットをルーティングするために各ノードによって使用され、前記ラベル更新メッセージは、パス計算要素通信プロトコル(PCEP)ラベル更新(PCLabelUpd)メッセージである、ステップと、
を含む、方法。
前記サービスは、仮想プライベートネットワーク(VPN)サービスであり、前記サービスラベルは、前記ネットワーク内の前記VPNサービスを識別するためのVPNラベルである、請求項1に記載の方法。
前記サービスは、擬似回線エミュレーションエッジツーエッジ(PWE3)サービスであり、前記サービスラベルは、前記ネットワーク内の前記PWE3サービスを識別するためのデータリンク層接続識別子(DLCI)ラベルである、請求項1に記載の方法。
前記サービスは、インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)トンネリングサービスであり、前記サービスラベルは、前記パス上の前記第3のノードのネクストホップノードに関連付けられたIPv6アドレスを示すIPv6アドレス型−長さ−値(TLV)と、前記サービスの前記トラヒックを前記ネクストホップノードに転送するための発信ラベルと、である、請求項1に記載の方法。
前記サービスは、インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)トンネリングサービスであり、前記サービスラベルは、前記第3のノードの着信インターフェースに関連付けられたIPv6アドレスを示すIPv6アドレス型−長さ−値(TLV)と、前記着信インターフェースに関連付けられた着信ラベルと、である、請求項1に記載の方法。
前記ノードは、ソフトウェア定義ネットワーキング(SDN)対応ノードであり、前記第3のノードは、前記SDN対応ノードのうちの1つである、請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
前記サービスは、仮想プライベートネットワーク(VPN)サービスであり、前記サービスラベルは、前記ネットワーク内の前記VPNサービスを識別するためのVPNラベルである、請求項10に記載のPCECC。
前記サービスは、擬似回線エミュレーションエッジツーエッジ(PWE3)サービスであり、前記サービスラベルは、前記ネットワーク内の前記PWE3サービスを識別するためのデータリンク層接続識別子(DLCI)ラベルである、請求項10に記載のPCECC。
前記サービスは、インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)トンネリングサービスであり、前記ラベル更新メッセージは、前記P2P_LSPの出側ノードのIPv6アドレスをさらに含む、請求項10に記載のPCECC。
前記プロセッサに接続され、かつ前記ネットワークのトポロジ情報を含むトラヒックエンジニアリングデータベース(TEDB)を格納するように構成されたメモリをさらに備え、
前記プロセッサは、前記TEDB内の前記トポロジ情報に従って前記パスを計算するようにさらに構成される、請求項10から13の何れか一項に記載のPCECC。
前記プロセッサに接続され、かつ前記ネットワーク内のサービスを識別するためのサービスラベルを含むラベルデータベース(LDB)を格納するように構成されたメモリをさらに備え、前記プロセッサは、前記LDBから前記ラベル情報を割り当てるようにさらに構成される、請求項10から13の何れか一項に記載のPCECC。
前記プロセッサに接続され、かつLSPデータベース(LSPDB)を格納するように構成されたメモリをさらに備え、前記プロセッサは、前記P2P_LSPに関連付けられたパス情報を前記LSPDBに格納するようにさらに構成され、前記パス情報は、前記ラベル情報を含む、請求項10から13の何れか一項に記載のPCECC。
【発明を実施するための形態】
【0015】
最初に、1つ以上の実施形態の例示的な実装が以下に提供されるが、開示されたシステムおよび/または方法は、現在知られているか存在しているかに関わらず、任意の数の技法を使用して実装され得ることを理解されたい。本開示は、本明細書に図示および説明された例示的な設計および実装を含む、以下に例示される例示的な実装、図面、および技法に決して限定されるべきではないが、添付の特許請求の範囲内で、その均等物の全範囲に沿って、修正され得る。
【0016】
図1は、MPLSネットワーク100の概略図である。ネットワーク100は、複数のリンク130によって相互接続された複数のノード120を含む。ノード120は、プロバイダエッジ(PE)1、プロバイダ(P)1、P2、エリア境界ルータ(ABR)1、ABR2、P3、P4、ABR3、ABR4、P5、P6、およびPE2として示されている。ネットワーク100の基礎となるインフラストラクチャは、電気ネットワーク、光ネットワーク、またはそれらの組み合わせなどの任意のタイプのネットワークとすることができる。リンク130は、ネットワーク100内のデータをトランスポートするために使用される、光ファイバリンク、電気リンク、無線リンク、および論理リンクなどの物理リンクを備え得る。ネットワーク100は、インターネットプロトコル(IP)トランスポート層およびMPLSデータ転送プレーンを使用する。ネットワーク100内の転送パスは、ラベルスイッチドパス(LSP)と呼ばれる。転送の間、データパケットは、以下により詳細に説明するように、データパケットに付加されたパスラベルまたはセグメントラベルに基づいてLSPに沿って送られる。ネットワーク100は、サービスプロバイダネットワークであってもよい。ネットワーク100の異なる部分は、異なるドメイン110の下で動作する。ドメイン110は、ドメインA、ドメインB、およびドメインCとして示されている。各ドメイン110は、異なる管理責任者によって操作されてもよく、アクセスおよびセキュリティのために異なるポリシーを採用してもよい。
【0017】
ノード120は、LDPまたはRSVP−TEなどのMPLSシグナリングの両方を実行してネットワーク100にLSPを確立し、確立されたLSPに沿ったデータ転送するように構成されたルータおよびスイッチなどの任意のデバイスまたはコンポーネントである。ネットワーク100のエッジに位置するノードPE1およびPE2 120は、エッジノードまたはプロバイダエッジと呼ばれる。エッジノードは、ネットワークの外部の1つ以上のノードに接続することができる。図示のように、ノードPE1 120は、カスタマエッジ(CE)141に接続され、ノードPE2 120は別のCE142に接続される。CE141および142は、ネットワーク100の外部の顧客サイトに位置するネットワーク装置である。CE141および142は、顧客トラヒックを発信および/または終了し得る。CEからトラヒックを受信するエッジノードは、入側ノードと呼ばれる。CEにトラヒックを送信するエッジノードは、出側ノードと呼ばれる。対応するドメイン110の内側に位置するノードP1、P2、P3、P4、P5、およびP6 120は、内部ノードと呼ばれる。ノードP1、P2、P3、P4、P5、およびP6 120のそれぞれは、対応するドメイン110内でトラヒックを転送する。複数のドメイン110の境界の間に位置するノードABR1、ABR2、ABR3、およびABR4 120は、エリア境界ルータ(ABR)と呼ばれる。ノードABR1およびABR2 120は、ドメインAおよびB 110を相互接続する。ノードABR3およびABR4 120は、ドメインBおよびC 110を相互接続する。ノードABR1、ABR2、ABR3、およびABR4 120は、対応するドメイン120間でトラヒックを転送する。
【0018】
ネットワーク100は、CE141からCE142へのトラヒックを搬送するVPN151を提供する。VPN151を作成するために、ノードPE1 120は入側ノードとして機能して、ノードPE1 120からCE141に接続するノードPE2 120までのLSPのパスを計算する。VPN151は、LSPの上にオーバーレイされ、太い実線で示されている。ノードPE1 120は、VPN151のVPNラベルを予約する。VPNラベルは、トラヒックを対応するVPNにバインドまたは関連付けるサービスラベルである。ノードPE1 120は、IBGPラベルを交換し、かつRSVP−TEシグナリングを使用することによって、LSPのパスに沿ってVPN151に対するLSPの確立を開始する。例えば、VPN151のLSPに沿った各ノード120は、LSPのトラヒックを転送するためにローカルラベルプールからローカルパスラベルを割り当て、ローカルパスラベルの上流方向にあるネクストホップノードに通知する。上流は、宛先から送信元への方向をいう。LSPの入側ノードPE1 120と出側ノードPE2 120との間のLSPのパスに沿ったノード120は、中継ノードと呼ばれる。パスラベルは、LSPに沿ってトラヒックを導く。LSPのパスに沿った各ノード120は、パスに沿った下流ノードからパスラベルを受信し、データを転送するためのラベルマッピングリストを確立する。下流は、送信元から宛先への方向をいう。
【0019】
動作中、ノードPE1 120がCE141からデータパケットを受信すると、ノードPE1 120は、例えばデータパケットのヘッダに基づいてデータパケットを解析して、データパケットのFECまたはトラヒッククラスを判定する。ノードPE1 120は、データパケットがVPN151に関連付けられていると判定すると、ノードPE1 120は、予約されたVPNラベルをデータパケットに付加して、データパケットをVPN151にバインドする。さらに、ノードPE1 120は、ノードP2 120であるLSPに沿ったネクストホップノードのパスラベルをデータパケットに付加して、LSPに沿ってデータパケットを導き、データパケットをノードP2 120に転送する。例えば、VPNラベルは、データパケットの内側ヘッダに保持されてもよく、パスラベルは、データパケットの外側ヘッダに保持されてもよい。したがって、VPNラベルは内側ラベルと呼ばれ、パスラベルはデータパケットの外側ラベルと呼ばれる。
【0020】
ノードP2 120がデータパケットを受信すると、ノードP2 120は、ノードABR2 120であるLSPに沿ったネクストホップノードのパスラベルにより外側パスラベルを置換し、ノードABR2 120にデータパケットを転送する。着信パケットのヘッダ内のパスラベルは着信ラベルと呼ばれる。発信パケットのヘッダ内のパスラベルは、発信ラベルと呼ばれる。この転送プロセスは、各ノード120において、LSPのパスに沿って繰り返される。
【0021】
ノードPE2 120であるLSPの出側ノードがデータパケットを受信すると、ノードPE2 120は、外側パスラベルおよび内側VPNラベルをポップすなわち除去し、データパケットをCE142に転送する。ネットワーク100は、同様のメカニズムを使用して任意の数のVPNを提供することができる。例えば、ネットワーク100は、太い破線で示すように、VPN151と同様のVPN152を提供するようにさらに構成されている。VPN151および152は、MPLS VPNまたは開放型システム間相互接続(OSI)レイヤ3(L3)VPN(L3VPN)と呼ばれる。
【0022】
図2は、MPLSベースのPWE3ネットワーク200の概略図である。ネットワーク200は、第1のネットワーク210と、MPLSネットワーク220と、第2のネットワーク230とを含む。第1ネットワーク210および第2ネットワーク230は、ネイティブサービスを提供するコネクションオリエンテッドフレームリレーネットワークなどのOSIレイヤ2(L2)ネットワークまたはデータリンク層ネットワークである。第1のネットワーク210は、リンク130と同様のリンク(図示せず)によって相互接続された複数のノード211を含む。第2のネットワーク230は、リンク130と同様のリンク(図示せず)によって相互接続された複数のノード231を含む。ノード211および231は、データ転送のためにポイントツーポイント(P2P)構成で専用仮想回路(VC)251および252を提供するように構成されたフレームリレースイッチなどの任意のデバイスまたはコンポーネントである。VC251は、太い破線で示されている。VC252は、太い点線で示されている。ノード211は、第1ネットワーク210内のVC251および252の部分をローカルに設定し、ノード231は、第2ネットワーク230内のVC251および252の部分を設定する。VCは、データリンク層接続識別子(DLCI)201、202によって識別される。例えば、転送するために、データパケットはフレームに分割され、各フレームにDLCIが付加されて、割り当てられたVCにフレームをバインドまたは関連付ける。
【0023】
MPLSネットワーク220は、ネットワーク100と同様である。MPLSネットワーク220は、リンク130と同様のリンク(図示せず)によって相互接続されたノード120と同様の複数のエッジノード221および内部ノード222を含む。エッジノードPE1 221は、第1のネットワーク210に接続されている。エッジノードPE2 221は、第2のネットワーク230に接続されている。MPLSネットワーク220は、追加のエッジノードおよび内部ノードをさらに含んでもよく、ドメイン110と同様の1つ以上のドメインの下で動作してもよい。MPLSネットワーク220は、VC251および252を第1のネットワーク210から第2のネットワーク230に接続するための擬似回線223および224としてそれぞれ機能するように構成される。擬似回線223は、太い実線で示されている。擬似回線224は、太い一点鎖線で示されている。擬似回線223および224は、トンネルまたはLSPである。エッジノード221は、同じMPLSドメイン内の他のエッジノードを発見するために、境界ゲートウェイプロトコル(BGP)自動発見を実行する。
【0024】
VC251および252は、CE241から遠隔CE242および243へそれぞれトラヒックを運ぶためのVPNとして機能することができる。CE241、242、および243は、CE141および142と同様である。VC251用の擬似回線223を作成するために、ノードPE1 221は入側ノードとして機能して、ノードPE1 221からノードPE2 222へのLSPのパスを計算し、かつVC251のDLCIラベルを予約する。LSPのパスに沿ったエッジノード221および内部ノード222は、ネットワーク100で説明したメカニズムと同様のLDPシグナリングを使用してLSPを確立する。
【0025】
動作中、ノード211がCE241からデータパケットを受信すると、ノード211は、第1のネットワーク210内のVC251を介してMPLSネットワーク220にデータパケットを転送する。ノードPE1 221が第1ネットワーク210からデータパケットを受信すると、ノードPE1 221は、データパケット、例えばデータパケットのヘッダ内のDLCIフィールドを解析して、データパケットの転送クラスまたはトラヒッククラスを判定する。ノードPE1 221は、データパケットがVC251に関連付けられていると判定すると、ノードPE1 221は、予約されたDLCIラベルをデータパケットに付加する。さらに、ノードPE1 221は、LSPに沿ったネクストホップノードのパスラベルを付加し、データパケットをネクストホップノードに転送する。DLCIラベルは、データパケットの内側ラベルであってもよく、パスラベルは、外側ラベルであってもよい。その後、LSPのパス上のノードは、ネットワーク100で説明したのと同様のメカニズムを使用して、LSPに沿ってデータパケットを転送する。ノードPE2 221がデータパケットを受信すると、ノードPE2 221は、パスラベルおよびDLCIラベルを除去し、データパケットを第2のネットワーク230に転送する。第2のネットワーク230のVC251上のノードは、その後、VC251に沿ってデータパケットを転送する。ノードB1 231がデータパケットを受信すると、ノードB1 231はデータパケットをCE 242に転送する。VC252における確立およびデータ転送は、VC251と同様である。VC251および252によって提供されるVPNは、OSIレイヤ2(L2)VPN(L2VPN)と呼ばれる。
【0026】
VPNおよびPWE3サービスはMPLSを介して実装され得るが、MPLSの配備と保守は上記のように複雑である。参照することにより組み込まれる、Zhaoらによる、2014年10月10日に出願され、「Using PCE as SDN Controller」と題する米国特許出願第14/511591号(「’591出願」)およびZhaoら、“PCEP Procedures and Protocol Extensions for Using PCE as a Central Controller(PCECC)of LSPs,”Internet Engineering Task Force(IETF)draft,2016年3月16日(「Zhao」)で説明されている、集中ネットワークモデルは、MPLS上でVPNおよびPWE3サービスを提供する場合に有益であり得る。しかしながら、’591出願およびZhaoは、MPLS上でVPNおよびPWE3サービスをサポートしていない可能性がある。
【0027】
本明細書では、PCECCを使用して、MPLSネットワークにおけるサービスラベル割り当てをネゴシエートし、配布することにより、L3VPN、L2VPN、PWE3、およびIPv6トンネルなどのMPLS LSPトンネルベースネットワークサービスを提供するための様々な実施形態が開示される。開示された実施形態は、’591出願およびZhaoで説明された集中ネットワークモデルを拡張して、参照することにより組み込まれる、Zhao,“The Use Cases for Using PCE as the Central Controller(PCECC)of LSPs,”IETF draft,2016年3月17日で説明されたような、トンネルベースサービスをサポートする。PCECCはパス計算とサービスラベル交渉および割り当てとを実行し、ネットワークノードでのラベルの複雑な管理および配布をなくす。PCECCは、計算されたLSPに沿ったネットワークノードのための転送命令を含むLSP転送オブジェクトを構築し、維持する。PCECCは、LSP転送オブジェクトをネットワークノードにダウンロードする。ネットワークノードは、BGP、IBGP、IGP、LDP、およびRSVP−TE MPLSシグナリングなどの制御プレーン機能を実装せずに、転送デバイスとして機能する。開示された実施形態は、リソース予約、サービスラベル割り当て、および転送エントリ配布のためのPCECCおよびパス計算クライアント(PCC)間のシグナリングメカニズムを導入する。サービスラベルは、VPNラベル、PWE3もしくはDLCIラベル、またはIPv6ラベルであり得る。開示された実施形態は、データセンタ、コンテンツ配信ネットワーク、コアネットワーク、SDN移行ネットワーク、および転送ネットワークなどの様々なタイプのネットワークでの使用に適している。開示された実施形態は、ソースルーティングベースの転送、マルチトポロジネットワーク仮想化(NV)、パス計算、LSPモニタリング、光ネットワークパス計算要素(PCE)、ネットワーク弾力性、およびアプリケーション対応スマートトラヒックTEなどの様々な技術に適用され得る。開示された実施形態は、IPv4およびIPv6の両方のドメインおよびトンネルを含む、様々なドメインおよびトンネルを介したVPNおよびPWEサービスのプロビジョニングを可能にする。
【0028】
図3は、本開示の一実施形態によるVPNサービスを提供するためにPCECCを使用するMPLSネットワーク300の概略図である。ネットワーク300は、SDNネットワークにおける制御プレーンと転送プレーンとの切り離しと同様に、データ転送からMPLSシグナリングを切り離す。ネットワーク300は、少なくとも1つのPCECC360と、複数のリンク330によって相互接続された複数のノード320と、を備える。ネットワーク300は、ドメイン110と同様に、複数のドメイン310の下で動作する。例えば、ドメイン310は、IPバージョン4(IPv4)ドメインである。リンク330は、リンク130と同様である。PCECC360は、複数の通信チャネル370を介して各ノード320と直接データ通信する。通信チャネル370は、パス計算要素通信プロトコル(PCEP)、内部ゲートウェイプロトコル(IGP)、または任意の適切な通信プロトコルを介して実装されてもよい。さらに、PCECC360は、トランスポートサービスオーケストレータ380とデータ通信している。
【0029】
PCECC360は、仮想マシン(VM)、ハイパーバイザ、またはVPNサービスを提供するようにノード320を管理および構成するように構成された任意の他のデバイスであってもよい。PCECC360は、パス情報、ネットワーク状態情報、ラベル情報、トポロジ情報、制約情報などの情報を各ノード320から直接受信する。PCECC360は、すべてのノード320のトポロジ情報、ラベル情報、およびパス情報を維持および追跡する。PCECC360は、トポロジ情報および制約情報に従って、各ノード320の転送パスを計算する。PCECC360は、トラヒックコントローラアナライザからトラヒック情報を受信し、トラヒック情報に従って転送パスを計算することができる。トラヒック情報は、送信されたパケットの数、ドロップされたパケットの数、およびレイテンシなどの、リンク330に沿ったトラヒックの統計を含むことができる。PCECC360は、計算されたパスに沿ってトラヒックを転送するために、各ノード320のためのパスラベルを予約する。PCECC360は、ネットワーク300においてVPNを作成するためのVPNラベルを予約し、VPNラベルを対応するエッジノード320に配布する。PCECC360は、ノード320の転送オブジェクトを構築する。転送オブジェクトには、トラヒック分類情報、着信トラヒックインターフェースまたはポート情報、発信トラヒックインターフェースまたはポート情報、パスラベル、およびVPNラベルが含まれる。PCECC360は、転送オブジェクトをネットワーク300において対応するノード320に送信する。
【0030】
ノード320は、PCECC360から受信した転送命令または転送オブジェクトに従って、ネットワーク300において転送機能を実行するように構成された任意のソフトウェアプログラマブルデバイスである。ノード320は、制御プレーンを実装せずにネットワーク300において転送デバイスとして機能することから、ノード320は、SDN互換ノードまたはSDN対応ノードとも呼ばれる。ネットワーク100および200とは異なり、ネットワーク300のエッジに位置するノード320は、VPNを作成するためにパスを計算したり、VPNラベルを予約したりしない。さらに、ネットワーク300内のすべてのノード320は、計算されたパスに沿ってLDP、RSVP−TEプロトコル、または同様の設定シグナリングを実装する必要がない。したがって、ネットワーク300におけるネットワーク複雑性および制御シグナリングは、ネットワーク100および200と比較して大幅に低減される。
【0031】
ネットワーク300は、VPN351および352を提供することができる。VPN351および352はそれぞれ、太い実線および太い破線で示されている。例えば、PCECC360は、トランスポートサービスオーケストレータ380からVPN作成要求を受信して、VPN351を作成する。トランスポートサービスオーケストレータ380は、VM、サーバ、または顧客、ユーザ、およびクライアントアプリケーションと通信するように構成された任意のデバイスであってもよい。VPN作成要求は、CE341および342ならびにリンク帯域幅などの制約を示すことができる。PCECC360は、CE341からCE342へのLSPのパスを計算する。LSPは、トランスポートサービスオーケストレータ380によって要求されたVPN351にサービスを提供するために使用される。PCECC360は、LSPのパスに沿ってノード320上にパスラベルを割り当てる。PCECC360は、VPN351にVPNラベルを割り当てる。PCECC360は、LSPのパスに沿った各ノード320の計算されたパス、予約されたパスラベル、および予約されたVPNラベルに従って、転送オブジェクトを構築する。例えば、中継ノードの転送オブジェクトは、予約されたVPNラベルを除外し得るが、ノードPE1 320などの入側ノードおよびノードPE2 320などの出側ノードの転送オブジェクトは、予約されたVPNラベルを含む。PCECC360は、LSPのパスに沿ってノード320に転送オブジェクトをダウンロードする。その後、VPN用のLSPのパスに沿ったノード320は、PCECC360から受信した転送オブジェクトに従って、VPNのトラヒックを転送する。転送オブジェクトは、ネットワーク100で説明したのと同様の転送動作を実行するようにノード320に指示することができる。PCECC360は、同様のメカニズムを使用することにより、任意の数のドメインにわたって任意の数のVPNを作成することができる。さらに、ネットワーク300は、以下で詳細に説明するように、PCEPを拡張することによってサポートすることができる。
【0032】
図4は、本開示の一実施形態による、IPv6トンネリングサービスを提供するためにPCECCを使用するMPLSネットワーク400の概略図である。ネットワーク400は、ネットワーク300と同様であるが、IPv4トランスポート層の代わりにIPv6トランスポート層を含む。ネットワーク400は、PCECC460と、複数のリンク430によって相互接続された複数のノード420と、を備える。ネットワーク400は、複数のIPv6ドメイン410の下で動作する。ノード420は、ノード120、221、222、および320と同様であるが、IPv6をサポートする。リンク430は、リンク130および330と同様である。PCECC460は、複数の通信チャネル470を介して各ノード420と直接データ通信する。PCECC460は、PCECC360と同様である。PCECC460は、トランスポートサービスオーケストレータ380と同様に、トランスポートサービスオーケストレータ480からIPv6トンネルサービス要求を受信することができる。これらの要求に応答して、PCECC460は、PCECC360と同様のLSP作成メカニズムを使用することによって、ネットワーク400においてIPv6トンネル451および452を作成する。IPv6トンネル451および452は、太い実線と太い破線でそれぞれ示されている。IPv6トンネル451および452は、IPv6トラヒックを搬送するように構成されている。PCECC460は、IPv6アドレス情報を有するパスラベルを含む転送オブジェクトを生成する。PCECC460は、通信チャネル370と同様の通信チャネル470を介してノード420に転送オブジェクトをダウンロードする。PCECC460は、同様のメカニズムを使用して、任意の数のドメインにわたって任意の数のIPv6トンネルを作成することができる。さらに、VPN151、152、351、および352などのVPNは、IPv6トンネル451および452と同様に、IPv6トンネルの上にオーバーレイされてもよい。さらに、ネットワーク400は、以下で詳細に説明するように、PCEPを拡張することによってサポートされてもよい。
【0033】
図5は、本開示の一実施形態による、PWE3サービスを提供するためにPCECCを使用するMPLSベースのPWE3ネットワーク500の概略図である。ネットワーク500は、ネットワーク200と同様であるが、データ転送からMPLSシグナリングを切り離すために、ネットワーク300および400と同様のメカニズムを使用する。ネットワーク500は、PCECC560と、第1のネットワーク510と、MPLSネットワーク520と、第2のネットワーク530と、を備える。PCECC560は、PCECC360および460と同様である。第1のネットワーク510および第2のネットワーク530は、それぞれ、第1のネットワーク210および第2のネットワーク230と同様である。
【0034】
MPLSネットワーク220と同様に、MPLSネットワーク520は、ネットワーク510内のVC551および552の部分を第2のネットワーク530内のVC551および552の対応する部分にそれぞれ接続するために、擬似回線523および524を提供する。擬似回線523および524は、擬似回線223および224と同様である。しかしながら、PCECC560は、擬似回線523および524を作成する。PCECC560は、トランスポートサービスオーケストレータ380および480と同様に、トランスポートサービスオーケストレータ580からPWE3サービス要求を受信する。PCECC560は、PCECC360および460と同様のLSP作成メカニズムを実行する。したがって、ネットワーク520は、BGP自動発見およびLDPシグナリングを使用しない。
【0035】
例えば、PCECC560は、通信チャネル370および470と同様の通信チャネル570を介して、ネットワーク520内のノード320および420と同様の各ノード521にパスを計算し、パスラベルを予約し、転送オブジェクトをダウンロードする。さらに、PCECC560は、エッジノード521とのDLCIラベルまたはPWE3ラベルをネゴシエートおよび予約して、ネットワーク520内の擬似回線523および524を識別し、DLCIラベルをMPLSネットワーク520の対応するエッジノード521に配布する。続いて、擬似回線523および524のパス上のノード521は、PCECC560から受信した転送オブジェクトまたは命令に従って、VC551および552のトラヒックを転送する。PCECC560は、同様のメカニズムを使用することにより、任意の数のドメインにわたって任意の数のPWE3サービスを作成することができる。さらに、PWE3サービスは、IPv6トンネル451および452と同様に、IPv6トンネルの上にオーバーレイされてもよい。さらに、ネットワーク500は、以下で詳細に説明するように、PCEPを拡張することによってサポートされてもよい。
【0036】
図6は、本開示の一実施形態によるNE600の概略図である。NE600は、開示された実施形態を実装するのに適している。NE600は、データを受信するための、入側ポート610および受信機ユニット(Rx)620と、データを処理するための、プロセッサ、論理ユニット、または中央処理装置(CPU)630と、データを送信するための、送信機ユニット(Tx)640および出側ポート650と、データを格納するためのメモリ660と、を備える。装置600はまた、光信号または電気信号の入出力のために、入側ポート610、受信機ユニット620、送信機ユニット640、および出側ポート650に接続された、光−電気(OE)コンポーネントおよび電気−光(EO)コンポーネントを備えてもよい。
【0037】
プロセッサ630は、ハードウェア、ミドルウェア、ファームウェア、およびソフトウェアの任意の適切な組み合わせによって実装される。プロセッサ630は、1つ以上のCPUチップ、コア(例えば、マルチコアプロセッサとして)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはデジタルシグナルプロセッサ(DSP)として実装されてもよい。プロセッサ630は、入側ポート610、受信機ユニット620、送信機ユニット640、出側ポート650、およびメモリ660と通信している。プロセッサ630は、サービスプロビジョニングコンポーネント670を備える。サービスプロビジョニングコンポーネント670は、以下でより詳細に説明するように、開示された実施形態、例えば方法800、900、1000、および1100を実装する。したがって、サービスプロビジョニングコンポーネント670を含めることにより、NE600の機能に実質的な改善がもたらされ、NE600の異なる状態への変換がもたらされる。あるいは、サービスプロビジョニングコンポーネント670は、メモリ660に格納された命令として実装され、プロセッサ630によって実行される。プロセッサ630、メモリ660、またはその両方は、NE600が方法800、900、1000、および1100を実装できるように、方法800、900、1000、および1100を格納することができる。さらに、代替実施形態では、NE600は、方法800、900、1000、および1100を実施するための任意の他の手段を含むことができる。
【0038】
メモリ660は、1つ以上のディスク、テープドライブ、またはソリッドステートドライブを備え、オーバーフローデータ記憶装置として使用されて、そのようなプログラムが実行のために選択されたときにプログラムを格納する、またはプログラムの実行中に読み込まれた命令およびデータを格納する。メモリ660は、揮発性および/または不揮発性であってもよく、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、3値連想メモリ(TCAM)、またはスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)であってもよい。
【0039】
図7は、本開示の実施形態によるレガシーノードおよびSDN対応ノードを含むネットワーク700の概略図である。ネットワーク700は、ネットワーク300、400、および520と同様であるが、レガシーノード720とSDN対応ノード730との組み合わせとデータ通信するPCECC710を備える。PCECC710は、PCECC360、460、および560と同様であるが、その内部コンポーネントのより詳細な図を提供する。レガシーノード720は、ノード120、221、および222と同様であり、制御プレーン機能およびデータプレーン機能の両方を実行する。レガシーノード720は、非SDN互換ノードまたは非SDN対応ノードとも呼ばれる。SDN対応ノード730は、ノード320、420、および521と同様であり、転送デバイスとして機能する。PCECC710は、ラベル範囲ネゴシエーション、ラベルリソース委譲、およびRSVP−TE/LDPプロトコル処理のために、PCEPを介してレガシーノード720およびSDN対応ノード730の両方と通信する。PCECC710は、レガシーノード720およびSDN対応ノード730を構成して、VPN351および352などのVPNサービス、IPv6トンネル451および452などのIPv6トンネリングサービス、ならびに擬似回線523および524などのPWE3サービスを作成できる。レガシーノード720およびSDN対応ノード730は、IGPを介して互いに通信する。
【0040】
PCECC710は、RSVP−TE/LDPコンポーネント712、PCEPコンポーネント713、最短パス優先(CSPF)コンポーネント716、LSPマネージャ715、複数のラベルデータベース(LDB)711、複数のトラヒックエンジニアリングデータベース(TEDB)714と、複数のLSPデータベース(LSPDB)717とを含む。TEDB714は、トポロジ情報、リンク情報、ノード情報、およびネットワーク700の性能および最適化に関する他の情報を含む。トポロジ情報は、レガシーノード720およびSDN対応ノード730などのノードならびにリンク130、330、および430などのリンクの配置を含む。複数のトポロジが、ネットワーク内のノードおよびリンク上にオーバーレイされてもよい。リンク情報は、予約されていないリンク帯域幅、最大リンク帯域幅、およびリンク状態を含むことができる。ノード情報は、ノードアドレスおよび状態を含むことができる。PCECC710にある、またはPCECC710の外部にあるメモリ660などのメモリデバイスは、TEDB 714を格納することができる。例えば、TEDB714は、示されているように、または他の適切な構成で、異なるトポロジの情報を別々のTEDB714に格納することができる。
【0041】
CSPFコンポーネント716は、特定の制約を満たすために、ネットワーク300、500、500などのネットワークを介してルーティングパスを計算するように構成される。CSPFコンポーネント716は、CSPFアルゴリズムを使用することができる。例えば、CSPFコンポーネント716は、パス計算を実行するときにTEDB714を参照する。
【0042】
LDB711は、ラベルリソース情報を含み、ラベルリソース情報は、レガシーノード720およびSDN対応ノード730上のパスラベルおよびサービスラベルのリストを含むことができる。パスラベルとサービスラベルは、重ならないように別々のラベル空間を有し得る。例えば、各LDB711は、特定のノード上にラベルを格納することができる。以下により詳細に説明するように、RSVP−TE/LDPコンポーネント712は、パスラベルをSDN対応ノード730に割り当て、委譲し、ラベル範囲をレガシーノード720とネゴシエーションし、ネットワーク700内にLSPを設定するように構成される。LDB711は、LSP、VPNサービス、PWE3サービス、およびIPv6サービスのための別個のラベル空間を備えることができる。RSVP−TE/LDPコンポーネント712は、LDB711内のSDN対応ノード730に割り当てられたラベルを格納し、追跡することができる。RSVP−TE/LDPコンポーネント712はまた、レガシーノード720によって使用されるラベルを格納し、追跡することができる。
【0043】
PCEPコンポーネント713は、レガシーノード720およびSDN対応ノード730と通信するように構成される。PCEPコンポーネント713は、拡張を伴うPCEP PCE機能を実装することができる。PCEPコンポーネント713は、ネットワーク700内のLSPに沿ったデータ転送を容易にするために、SDN対応ノード730に転送命令を送信する。さらに、PCEPコンポーネント713は、レガシーノード720とPCEPメッセージを交換して、ネットワーク700内のLSPの設定を開始する。
【0044】
LSPDB717は、パス情報、転送情報、状態、およびネットワーク700内のLSPに関連する他の情報を含む。パス情報は、LSPが横断する一連のノードを含み得る。例えば、VPN351のLSPは、LSPが横断する一連のノードを表すために、{PE2←P6←ABR4←P4←ABR2←P2←PE1}の形式で格納されてもよい。転送情報は、LSPのパスに沿った各ノードの転送命令を含む転送オブジェクトを含むことができる。LSPの入側ノード用の転送オブジェクトは、VPNラベルまたはDLCIラベルなどのサービスラベルおよび発信パスラベルを付加する命令を含むことができる。LSPに沿った中継ノードのための転送オブジェクトは、着信パスラベルを発信パスラベルとスワップする命令を含むことができる。LSPの出側ノードのための転送オブジェクトは、着信パスラベルおよびサービスラベルを除去する命令を含むことができる。LSPDB 717は、IPv4 LSPおよびIPv6 LSPのための別個のサブデータベースを備えることができる。LSPマネージャ715は、CSPFコンポーネント716、RSVP−TE/LDPコンポーネント712、およびPCEPコンポーネント713と連携して、VPN351および352、IPv6トンネル451、452、ならびにPWE3すなわち擬似回線223、224などのサービスをプロビジョニングするLSPを作成、削除、修正、および維持するように構成される。
【0045】
レガシーノード720およびSDN対応ノード730のそれぞれは、PCEPコンポーネント741とLSPマネージャ742とを含む。レガシーノード720は、RSVP−TE/LDPコンポーネント743をさらに含む。PCEPコンポーネント741は、PCEP PCC機能を実装し、PCECC710のPCEPコンポーネント713と通信するように構成される。各SDN対応ノード730において、PCEPコンポーネント741は、PCEPコンポーネント713から転送オブジェクトまたは命令およびラベルリソース委譲を受信し、LSPマネージャ742は、PCECC710から受信した転送オブジェクトに従って、LSP上でのデータ転送を容易にする。例えば、各SDN対応ノード730は、転送情報ベース(FIB)および転送エンジンを備える。LSPマネージャ742は、受信した転送オブジェクトをFIBに格納し、データ転送中にFIBに従って転送エンジンを構成することができる。
【0046】
レガシーノード720では、RSVP−TE/LDPコンポーネント743は、PCEPコンポーネント741を介してPCECC710とパスラベル範囲をネゴシエートする。例えば、レガシーノード720は、特定の範囲のパスラベル値についてPCECC710とネゴシエーションを行い、パスラベルをローカルに管理する。例えば、RSVP−TE/LDPコンポーネント743は、ネゴシエートされたパスラベルから特定のLSPのパスラベル値を選択し、割り当てられたパスラベルをPCECC710に通知する。PCECC710は、レガシーノード720のパスラベルを対応するLDB711に格納することができる。PCECC710は、レガシーノード720に関連付けられたLSP情報を対応するLSPDB717に格納することもできる。LSPマネージャ742は、PCECC710によって指示されるように、LSPを設定、削除、修正、および維持する。
【0047】
動作中、PCECC710は、例えばトランスポートサービスオーケストレータ380などのトランスポートサービスオーケストレータからVPNをネットワーク700に作成する要求を受信する。LSPマネージャ715は、CSPFコンポーネント716に、VPNにサービスを提供するためのLSPのためのパスを計算するように要求する。LSPマネージャ715は、RSVP−TE/LDPコンポーネント712に、LSPのパスに沿ったノードに対するパスラベルを予約するように要求する。LSPマネージャ715は、VPNのためにLDB711からVPNラベルを予約する。VPNラベルは、各LDB711に固有であるので、各LDB711は、VPNラベルとVPNサービスとの間の対応関係を知っている。LSPマネージャ715は、計算されたパス、予約されたVPNラベル、および予約されたパスラベルに従って転送オブジェクトを構築する。LSPマネージャ715は、転送オブジェクトおよびLSPに関連する他の任意の情報をLSPDB717に格納する。LSPマネージャ715は、示されるように、または別の適切な構成で、別個のLSPDB717に各ノードの転送オブジェクトを格納することができる。LSPマネージャ715は、PCEPコンポーネント713と連携して、LSPのパスに沿って転送オブジェクトをSDN対応ノード730にダウンロードする。レガシーノード720がLSPのパスに沿っている場合、LSPマネージャ715は、RSVP−TE/LDPコンポーネント712およびPCEPコンポーネント713と連携して、レガシーノード720とパスラベルをネゴシエートする。PCECC710が、異なるプロトコルを使用してレガシーノードとSDN対応ノードとの両方でLSPを確立可能とすることにより、PCECC760は、既存のネットワークからのSDN移行中に使用するのに適している。
【0048】
図8は、本開示の一実施形態によるサービスをプロビジョニングする方法800のプロトコル図である。PCECC360、460、560、および710と同様のPCECC、ノード320、420、521、および730と同様のPCC入側、PCC中継、およびPCC出側、ならびにNE600は、方法800を実装することができる。方法800は、PCECCが、例えばCSPFコンポーネント716などのCSPFコンポーネントを使用して、サービスを提供するためにLSPのためのパスを計算した後に実施される。パスは、中継ノードを経由して入側ノードから出側ノードへ横断する。
【0049】
ステップ810において、PCECCは、パス計算LSP開始要求(PCInitiate)メッセージをPCC入側ノードに送信して、LSPのインスタンス化を開始する。PCInitiateメッセージは、参照することにより組み込まれる、Crabbeら、“PCEP Extensions for PCE−initiated LSP Setup in a Stateful PCE Model,”IETF draft,2015年10月19日(「Crabbe」)で説明されている。PCInitiateメッセージは、LSP(PLSP−ID)、Pフラグ、およびDフラグに対するPCE固有の識別子を含む。PLSP−IDは、インスタンス化を開始する際に値0に設定される。Pフラグは値1に設定されて、PCECCが関連するLSPを作成することを示す。Dフラグは値1に設定されて、PCECCがLSPの制御をPCC入側ノードに委譲することを示す。
【0050】
ステップ820において、PCC入側は、パス計算状態報告(PCRpt)メッセージをPCECCに送信する。PCRptメッセージについては、Crabbeで説明されている。PCRptメッセージは、PLSP−ID、Pフラグ、Dフラグ、およびCフラグを含む。PLSP−IDは、LSPを識別するための値2に設定される。PフラグおよびDフラグは、受信したPCInitiateメッセージと同じ値に設定される。Cフラグは値1に設定されて、PCInitiateメッセージがLSPの作成を開始することを示す。
【0051】
ステップ830において、PCRptメッセージを受信すると、PCECCは、PCRptメッセージで受信したPLSP−IDに従って、LSPのLSP識別子(LSP−ID)を2に設定する。ステップ840において、PCECCは、第1のパス計算更新(PCLabelUpd)メッセージをPCC出側に送信する。ステップ850において、PCECCは、第2のPCLabelUpdメッセージをPCC中継ノードに送信する。ステップ860において、PCECCは、第3のPCLabelUpdをPCC入側に送信する。第1、第2、および第3のPCLabelUpdメッセージは、Zhaoで説明されているPCLabelUpdメッセージと同様であるが、以下でより詳細に説明するように、拡張されている。以下により詳細に説明するように、第1、第2および第3のPCLabelUpdメッセージは、それぞれ、PCC出側、PCC中継、およびPCC出側に、LSPに沿ってデータパケットをルーティングするために必要なラベル情報を知らせる。
【0052】
ステップ870において、PCECCは、LSP設定が完了したことをPCC入側に通知するために、PCC入側にパス計算更新(PCUpd)メッセージを送信する。PCUpdメッセージは、ZhaoのPCEPで説明されている。図示のように、PCECCは、LSPのパスに沿って、各PCC入側、PCC中継、およびPCC出側と直接通信する。
【0053】
PCLabelUpdメッセージは、PCEP共通ヘッダおよびPCEラベル更新リストオブジェクトを含むことができる。PCEラベル更新リストオブジェクトは、PCEラベル更新オブジェクトのリストを含む。各PCEラベル更新オブジェクトは、PCEラベルダウンロードオブジェクトまたはPCEラベルマップを含む。PCEP共通ヘッダは、参照することにより組み込まれる、Vasseurら、”Path Computation Element(PCE)Communication Protocol(PCEP)”(IETF RFC 5440、2009年3月)で説明されている。PCEラベル更新リストオブジェクト、PCEラベル更新オブジェクト、およびPCEラベルダウンロードオブジェクトは、ZhaoのPCEPで説明されている。PCEラベルマップオブジェクトは、以下により詳細に説明するように、VPN351および352、IPv6トンネル451および452、PWE3すなわち擬似回線523および524などのサービスをプロビジョニングするように拡張される。PCLabelUpdメッセージは、以下のようなメッセージオブジェクトのリストを含む。
<PCLabelUpd Message>::=<Common Header>
<pce−label−update−list>
<pce−label−update−list>::=<pce−label−update>
[<pce−label−update−list>]
<pce−label−update>::=(<pce−label−download>or<pce−label−map>)
【0054】
PCEラベルマップオブジェクトは、ステートフル要求パラメータ(SRP)オブジェクトと、ラベルオブジェクトと、サービスオブジェクトとを含む。SRPオブジェクトは、参照することにより組み込まれる、Crabbeら、“PCEP Extensions for Stateful PCE”、IETF draft、2016年3月20日で説明されている。SRPオブジェクトは、PCEが送信した更新要求と、PCCが送信したエラーおよび状態とを関連付けるために使用される。ラベルオブジェクトは、Zhaoで説明されているラベルオブジェクトと同様である。しかしながら、ラベルオブジェクトは、以下により詳細に説明するように、ドメイン410などのIPv6ドメインで動作する際にIPv6アドレスTLVを含むように拡張される。サービスオブジェクトは、サービスを識別する値または名前を含む。サービスがVPNサービスである場合、サービスオブジェクトは、VPN値および/またはVPN名を含む。サービスがPWE3サービスである場合、サービスオブジェクトは、DLCI値および/またはDLCI名を含む。VPNのためのPCEラベルマップオブジェクトの形式は次のとおりである。
<pce−label−map>::=<SRP>
<label>
<VPN Number>[<VPN Name>]
PWE3のためのPCEラベルマップオブジェクトの形式は次のとおりである。
<pce−label−map>::=<SRP>
<label>
<DLCI Number>[<DLCI Name>]
【0055】
図9は、本開示の一実施形態によるサービスをプロビジョニングする方法900の流れ図である。PCECC360、460、560、および710と同様のPCECC、ノード320、420、521、および730と同様のPCC入側、PCC中継、およびPCC出側、ならびにNE600は、方法900を実装することができる。方法900は、ネットワーク300、400、500、および700ならびに方法800で説明したものと同様のメカニズムを使用する。方法900は、PCECCがネットワーク300、400、500、および700などのネットワークにサービスを作成する場合に実装される。ステップ910において、ネットワーク内の第1のエッジノードから第2のエッジノードへサービスをプロビジョニングするためのサービス要求が、例えば、トランスポートサービスオーケストレータ380、480、および580などのトランスポートサービスオーケストレータから受信される。サービスは、VPN351および352などのVPNサービス、擬似回線523および524などのPWE3サービス、またはIPv6トンネル451および452などのIPv6トンネリングサービスであってもよい。例えば、VPN351の場合、第1のエッジノードはノードPE1 320であり、第2のエッジノードはノードPE2 320である。ステップ920において、サービス要求に応答して、例えば、CSPFコンポーネント716などのCSPFコンポーネントを使用して、第1のエッジノードから第2のエッジノードへのLSPのパスが計算される。パスは、例えば、TEDB714などのTEDBにCSPFアルゴリズムを介して格納されたネットワークのトポロジ情報に従って計算することができる。
【0056】
ステップ930において、ラベル情報は、例えばLDB711などの1つ以上のLDBから、LSP上でトランスポートサービスのトラヒックを転送するために予約される。ラベル情報は、LSPの入側を除くLSPのパス上の各ノードのパスラベルと、サービスを識別するためのサービスラベルと、を含むことができる。サービスがVPNサービスである場合、サービスラベルはVPNラベルであり、前述のようにVPN番号またはVPN名を含むことができる。サービスがPWE3サービスである場合、サービスラベルはDLCIラベルであり、前述のようにDLCI番号またはDLCI名を含むことができる。サービスがIPv6トンネリングサービスである場合、ラベル情報は、上述のようにサービスを識別するためのIPv6アドレスをFECオブジェクトに含むことができる。
【0057】
ステップ940において、ラベル更新メッセージが、LSPのパス上のトランスポートサービスのトラヒックの転送を容易にするために、LSPのパス上の第3のノードに送信される。ラベル更新メッセージは、ラベル情報を含む。一実施形態では、ラベル更新メッセージは、PCEラベルマップを含むPCEP PCLabelUpdメッセージである。PCEラベルマップは、サービスタイプに応じて、VPNラベル、DLCIラベル、またはIPv6 FECオブジェクトを含むことができる。
【0058】
図10は、本開示の別の実施形態によるサービスをプロビジョニングする方法1000の流れ図である。PCECC360、460、560、710などのPCECCまたはNE600は、方法1000を実装することができる。方法1000は、ネットワーク300、400、500、および700ならびに方法800および900で説明したものと同様のメカニズムを使用する。方法1000は、ノード320、420、521、および730などのSDN対応ノードと、ノード120、221、222、および720などのレガシーノードと、の両方を含むネットワーク700などのネットワーク内に、VPN351および352、PWE3 551および552、ならびにIPv6トンネリングサービス451および452などのサービスをプロビジョニングする場合に実装される。方法1000は、PCECCが、サービスを提供するためにLSPのためのパスを計算した後に実施される。ステップ1010において、例えばLDB711などのLDBからサービスを識別するためにサービスラベルを予約する。ステップ1020において、サービスのトラヒックの転送を容易にするために、LSPのパス上の各SDN対応ノードに対してパスラベルが予約される。
【0059】
ステップ1030において、対応するパスラベルおよびサービスラベルに従って、各SDN対応ノードに対して転送オブジェクトが生成される。例えば、LSPの入側のための転送オブジェクトは、パス上のネクストホップノードのサービスラベルおよびパスラベルを付加する命令を含むことができる。LSPの中継ノードのための転送オブジェクトは、パス上のネクストホップノードのパスラベルである発信パスラベルと、着信パスラベルをスワップする命令を含むことができる。LSPの出側のための転送オブジェクトは、転送前にサービスラベルおよび着信パスラベルを除去する命令を含むことができる。ステップ1040において、対応する転送オブジェクトが、例えば、PCEPコンポーネント713などのPCEPコンポーネントを使用して、各SDN対応ノードにダウンロードされる。
【0060】
ステップ1050において、ある範囲のパスラベル値を要求するパス上の非SDN対応ノードからラベル範囲予約要求メッセージが受信される。ステップ1060において、ある範囲のパスラベル値は、非SDN対応ノードに対して予約される。PCECCは、非SDN対応ノードのあるサブセットのパスラベル値を予約することができる。
【0061】
ステップ1070において、予約されたパスラベル値の範囲を示すラベル範囲予約応答メッセージが非SDN対応ノードに送信される。PCECCは、非SDN対応ノード用に予約されたパスラベル値を、LDB711などのLDBに格納することができる。1050〜1070のステップは、パスラベル値の別の範囲をネゴシエートするために、またはパス上の他の非SDN対応ノードについて繰り返すことができる。方法1000は、図示された順序でステップを実施してもよいし、同様の機能を実現する任意の他の適切な順序で実装してもよい。
【0062】
図11は、本開示の一実施形態による、ネットワーク300、400、500、および700などのネットワークにおいてデータ転送を実行する方法1100の流れ図である。ノード320、420、521、および730などのSDN対応ノードまたはNE600は、方法1100を実装することができる。方法1100は、SDN対応ノードが転送命令を受信すると開始する。
【0063】
ステップ1110において、ネットワーク内のLSP上のサービスのトラヒックを転送する転送命令が、PCECC360、460、560、および710などのPCECCから受信される。転送命令は、ネットワーク内のサービスを識別する第1のラベルを示す。ステップ1120において、サービスのトラヒックに関連付けられたデータパケットが受信される。
【0064】
ステップ1130において、転送命令に示された第1のラベルがデータパケットに付加される。ステップ1140において、第1のラベルが付加されたデータパケットは、転送命令に従って、LSPのパス上のネクストホップノードに転送される。SDN対応ノードは、受信した転送命令をFIBに格納してもよく、データパケットを受信したときにFIB内の転送命令を探索してもよい。
【0065】
図12は、本開示の一実施形態によるIPv6アドレスTLV1200の概略図である。PCECC360、460、560、および710などのPCECCは、TLV1200を使用して、ネクストホップ情報を発信ラベルに関連付けたり、着信インターフェースを着信ラベルに関連付けたりする。例えば、Zhaoのセクション6.1.1で説明されるPCEP PCLabelUpdメッセージは、TLV1200を有するラベルオブジェクトを含むことができる。TLV1200は、型フィールド1210、長さフィールド1220、およびIPv6アドレスフィールド1230を含む。型フィールド1210は、約2オクテット長であり、TLV1200がIPv6アドレスTLVであることを示す。長さフィールド1220は、約2オクテット長であり、IPv6アドレスフィールド1230の長さを示す。IPv6アドレスフィールド1230は、約16バイト長であり、発信ラベルに関連付けられたネクストホップノードのIPv6アドレスを示す。あるいは、IPv6アドレスフィールド1230は、着信ラベルに関連付けられた着信インターフェースのIPv6アドレスを示す。
【0066】
図13は、本開示の一実施形態によるFECオブジェクト1300の概略図である。PCECC360、460、560、および710などのPCECCは、FEC情報を提供するためにFECオブジェクト1300を使用する。例えば、PCEP PCLabelUpdメッセージは、FECオブジェクト1300を含むことができる。FECオブジェクト1300は、ノードIDアドレスフィールド1310を含む。ノードIDアドレスフィールド1310は、約16バイト長であり、FECに関連付けられたIPv6アドレスを示す。
【0067】
図14は、本開示の別の実施形態によるFECオブジェクト1400の概略図である。PCECC360、460、560、および710などのPCECCは、FEC情報を提供するためにFECオブジェクト1400を使用する。例えば、PCEP PCLabelUpdメッセージは、FECオブジェクト1400を含むことができる。FECオブジェクト1400は、隣接または近隣のノードのためのローカルIPv6アドレスフィールド1410およびリモートIPv6アドレスフィールド1420を含む。ローカルIPv6アドレスフィールド1410およびリモートIPv6アドレスフィールド1420はそれぞれ約16バイト長であり、それぞれ隣接関係のIPv6アドレスを示す。
【0068】
一実施形態では、パス計算要素集中コントローラ(PCECC)は、ネットワーク内の第1のエッジノードから第2のエッジノードへサービスを作成する要求を受信するように構成された受信要素と、受信要素に接続され、かつ要求に応答して、第1のエッジノードから第2のエッジノードへのラベルスイッチドパス(LSP)のパスを計算し、LSP上でのサービスのトラヒックを転送するためのラベル情報を予約するように構成された、処理要素と、処理要素に接続され、かつパス上のサービスのトラヒックの転送を容易にするために、パス上の第3のノードにラベル更新メッセージを送信するように構成された送信要素であって、ラベル更新メッセージは、ラベル情報を含む、送信要素と、を備える。
【0069】
本開示では、いくつかの実施形態が提供されているが、開示されたシステムおよび方法は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく多くの他の具体的な形態で実施され得ることを理解されたい。本実施例は、例示的であると見なされるべきであり、限定的であると見なされるべきではなく、その意図は本明細書に与えられた詳細に限定されない。例えば、様々な要素または構成要素は、別のシステムで組み合わされたり一体化されたりしてもよいし、特定の特徴が省略されてもよいし、実装されなくてもよい。
【0070】
さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態において個別または別個なものとして説明および図示されている技法、システム、サブシステム、および方法は、他のシステム、モジュール、技法、または方法と組み合わせたり一体化したりすることができる。互いに接続もしくは直接接続または通信するように図示または検討された他の項目は、電気的、機械的、またはその他の方法で、何らかのインターフェース、デバイス、または中間コンポーネントを介して間接的に接続されてもよいし、通信するのであってもよい。変更、置換、および改造の他の例は、当業者であれば確認でき、本明細書で開示された趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得る。