(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966420
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】洗浄装置及び洗浄方法
(51)【国際特許分類】
B41F 35/00 20060101AFI20211108BHJP
B41F 15/12 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
B41F35/00 C
B41F35/00 E
B41F15/12 A
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-500425(P2018-500425)
(86)(22)【出願日】2017年6月9日
(65)【公表番号】特表2019-519390(P2019-519390A)
(43)【公表日】2019年7月11日
(86)【国際出願番号】CN2017087691
(87)【国際公開番号】WO2017215519
(87)【国際公開日】20171221
【審査請求日】2020年3月23日
(31)【優先権主張番号】201610438996.3
(32)【優先日】2016年6月17日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】514161567
【氏名又は名称】鄂尓多斯市源盛光▲電▼有限▲責▼任公司
【氏名又は名称原語表記】ORDOS YUANSHENG OPTOELECTRONICS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲楽▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲発▼▲順▼
【審査官】
中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−017634(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/021043(WO,A1)
【文献】
特開2008−260282(JP,A)
【文献】
特開平06−122191(JP,A)
【文献】
特開2000−141592(JP,A)
【文献】
米国特許第05916374(US,A)
【文献】
中国特許出願公開第104228335(CN,A)
【文献】
中国実用新案第204774070(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 35/00
B41F 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄待ち部材が配置される限定されたスペースを間に有する、対向設置された2つの払拭部と、
前記洗浄待ち部材の洗浄度を検出するための洗浄度検出装置と、
2つの前記払拭部を接続し、検出された洗浄度に基づき2つの払拭部の間の距離を制御するための接続部と、
を含む洗浄装置であって、
前記払拭部は板状であり、
当該洗浄装置は、払拭部が位置する平面内で移動するよう払拭部を制御するための駆動部をさらに含み、
前記払拭部上に前記洗浄度検出装置としての圧力センサが設けられ、払拭過程において圧力を検知することに用いられ、前記圧力センサは駆動部に接続され、
圧力センサの検知圧力が所定閾値より大きい時、前記駆動部は、圧力センサが検知した位置を払拭するように払拭部を制御し、
圧力センサの検知圧力が所定閾値以下である時、前記駆動部は、互いに離れるように払拭部を制御する、洗浄装置。
【請求項2】
前記接続部の内壁の少なくとも一部の位置に、2つの払拭部の対向する面のそれぞれに向けて洗浄液をスプレーするスプレーユニットが設けられている、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記2つの払拭部の対向する面にそれぞれ設けられた洗浄コットンをさらに含む、請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記スプレーユニットは、複数のノズルが間隔を空けて設けられ、隣接するノズルのスプレーエリアは重なるエリアを有する、請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項5】
レーエリアの面積の半分が、隣接するもう1つのノズルのスプレーエリアの面積の半分と重なるように設けられている、請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
洗浄待ち部材を2つの払拭部の間の限定されたスペースに配置するステップと、
接続部により2つの前記払拭部を駆動して、2つの払拭部が洗浄待ち部材に接触するように互いに向かい合う方向に移動させるステップと、
洗浄度検出装置により前記洗浄待ち部材の洗浄度を検出するステップと、
検出された洗浄度に基づき、払拭部の移動を制御して洗浄待ち部材を払拭するステップと、
を含む、洗浄装置を用いて洗浄する洗浄方法であって、
前記洗浄装置は、
洗浄待ち部材が配置される限定されたスペースを間に有する、対向設置された2つの払拭部と、
前記洗浄待ち部材の洗浄度を検出するための洗浄度検出装置と、
2つの前記払拭部を接続し、検出された洗浄度に基づき2つの払拭部の間の距離を制御するための接続部と、
を含み、
前記払拭部は板状であり、前記洗浄装置は駆動部を含み、
前記払拭部上に洗浄度検出装置としての圧力センサが設けられ、払拭過程において圧力を検知することに用いられ、前記圧力センサは駆動部に接続され、
当該洗浄方法は、
前記駆動部により、払拭部が位置する平面内で移動するよう払拭部を制御するステップと、
払拭過程において圧力センサにより圧力を検知するステップと、
圧力センサの検知圧力が所定閾値より大きい時、前記駆動部によって、圧力センサが検知した位置を払拭するように払拭部を制御するステップと、
圧力センサの検知圧力が所定閾値以下である時、前記駆動部によって、互いに離れるように払拭部を制御するステップと、
をさらに含む、洗浄方法。
【請求項7】
前記接続部の内壁の少なくとも一部の位置にスプレーユニットを設け、
前記洗浄方法は、前記スプレーユニットにより2つの払拭部の対向する面に向けて洗浄液をスプレーするステップをさらに含む、請求項6に記載の洗浄方法。
【請求項8】
前記洗浄装置が、前記2つの払拭部の対向する面にそれぞれ設けられた洗浄コットンをさらに含む洗浄方法において、
前記スプレーユニットにより2つの払拭部の対向する面に向けて洗浄液をスプレーする前に、前記洗浄コットンで前記洗浄待ち部材を予備払拭するステップと、
前記スプレーユニットにより2つの払拭部の対向する面に向けて洗浄液をスプレーした後に、前記洗浄コットンで前記洗浄待ち部材を払拭するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の洗浄方法。
【請求項9】
前記洗浄装置が、前記2つの払拭部の対向する面にそれぞれ設けられた洗浄コットンをさらに含む洗浄方法において、
前記スプレーユニットにより2つの払拭部の対向する面に向けて洗浄液をスプレーすると同時に、前記洗浄コットンで前記洗浄待ち部材を払拭するステップをさらに含む、請求項7に記載の洗浄方法。
【請求項10】
前記スプレーユニットは、複数のノズルが間隔を空けて設けられ、隣接するノズルのスプレーエリアは重なるエリアを有する、請求項7に記載の洗浄方法。
【請求項11】
2つの払拭部を反対方向に移動させることで洗浄待ち部材と分離させるステップをさらに含む、請求項6に記載の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷機器の洗浄技術分野に属し、具体的に洗浄装置及び洗浄方法に関する。
[関連出願の相互参照]
本願は、2016年6月17日に提出された中国特許出願No.201610438996.3の優先権を主張し、その全ての内容は引用をもってここに併せられる。
【背景技術】
【0002】
現在、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)装置の主な封止形態はガラスセメント封止であり、主にスクリーン印刷装置によりガラスセメントをOLEDのカバーガラスに印刷した後に、これを蒸着ガラスに粘着する。
【0003】
現在、業界内では、スクリーン印刷装置のスクレーパー(或いはバックフィルブレード)を清掃する際、いずれも鉄べら等の道具を使って、残留するガラスセメントを人力で削り取っており、これではスクレーパーの刃が損傷しやすく、スクレーパーの損傷はガラスセメント封止技術において大量の不良品が生じる原因になりやすく、歩留まりに深刻な影響を与えることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
少なくとも、スクレーパーに残留するガラスセメントを削り取る際にスクレーパーの刃が損傷しやすいという従来の問題に対し、本発明の実施の形態では洗浄装置及び洗浄方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施の形態では、洗浄待ち部材が配置される限定されたスペースを間に有する、対向設置された2つの払拭部と、
前記洗浄待ち部材の洗浄度を検出するための洗浄度検出装置と、
2つの前記払拭部を接続し、検出された洗浄度に基づき2つの払拭部の間の距離を制御するための接続部と、を含む洗浄装置を提供する。
【0006】
好ましくは、前記払拭部は板状であり、前記洗浄装置は、払拭部が位置する平面内で移動するよう払拭部を制御するための駆動部をさらに含み、
前記払拭部上に前記洗浄度検出装置としての圧力センサが設けられ、払拭過程において圧力を検知することに用いられ、前記圧力センサは駆動部に接続され、
圧力センサの検知圧力が所定閾値より大きい時、前記駆動部は、圧力センサが検知した位置を払拭するように払拭部を制御し、
圧力センサの検知圧力が所定閾値以下である時、前記駆動部は、互いに離れるように払拭部を制御する。
好ましくは、前記接続部の内壁の少なくとも一部の位置に、2つの払拭部の対向する面のそれぞれに向けて洗浄液をスプレーするスプレーユニットが設けられる。
好ましくは、2つの払拭部の対向する面にそれぞれ設けられた洗浄コットンをさらに含む。
好ましくは、前記スプレーユニットは、複数のノズルが間隔を空けて設けられ、隣接するノズルのスプレーエリアは重なるエリアを有する。
好ましくは、前記ノズルのスプレーエリアは円形であり、前記ノズルの間隔は、1つのノズルのスプレーエリアの面積の半分が、隣接するもう1つのノズルのスプレーエリアの面積の半分と重なるように設けられる。
【0007】
本発明の実施の形態では、洗浄待ち部材を2つの払拭部の間の限定されたスペースに配置するステップと、
接続部により2つの前記払拭部を駆動して、2つの払拭部が洗浄待ち部材に接触するように、互いに向かい合う方向に移動させるステップと、
洗浄度検出装置により前記洗浄待ち部材の洗浄度を検出するステップと、
検出された洗浄度に基づき、払拭部の運動を制御して洗浄待ち部材を払拭するステップと、を含む、上記の洗浄装置を用いて洗浄する洗浄方法をさらに提供する。
【0008】
好ましくは、前記接続部の内壁の少なくとも一部の位置にスプレーユニットを設け、前記洗浄方法は、前記スプレーユニットにより2つの払拭部の対向する面に向けて洗浄液をスプレーするステップをさらに含む。
好ましくは、前記洗浄装置は、前記2つの払拭部の対向する面にそれぞれ設けられた洗浄コットンをさらに含み、
前記洗浄方法は、
前記スプレーユニットにより2つの払拭部の対向する面に向けて洗浄液をスプレーする前に、前記洗浄コットンで前記洗浄待ち部材を予備払拭するステップと、
前記スプレーユニットにより2つの払拭部の対向する面に向けて洗浄液をスプレーした後に、前記洗浄コットンで前記洗浄待ち部材を払拭するステップと、をさらに含む。
好ましくは、前記洗浄装置は、前記2つの払拭部の対向する面にそれぞれ設けられた洗浄コットンをさらに含み、
前記洗浄方法は、
前記スプレーユニットにより2つの払拭部の対向する面に向けて洗浄液をスプレーすると同時に、前記洗浄コットンで前記洗浄待ち部材を払拭するステップをさらに含む。
好ましくは、前記スプレーユニットは、複数のノズルが間隔を空けて設けられ、隣接するノズルのスプレーエリアは重なるエリアを有する。
好ましくは、前記払拭部は板状であり、前記洗浄装置は駆動部をさらに含み、
前記洗浄方法は、前記駆動部により、払拭部が位置する平面内で移動するよう払拭部を制御するステップを含む。
好ましくは、前記払拭部上に前記洗浄度検出装置としての圧力センサが設けられ、払拭過程において圧力を検知することに用いられ、前記圧力センサは駆動部に接続され、
前記洗浄方法は、
払拭過程において圧力センサにより圧力を検知するステップと、
圧力センサの検知圧力が所定閾値より大きい時、前記駆動部によって、圧力センサが検知した位置を払拭するように払拭部を制御するステップと、
圧力センサの検知圧力が所定閾値以下である時、前記駆動部によって、互いに離れるように払拭部を制御するステップとをさらに含む。
好ましくは、洗浄方法は、2つの払拭部を反対方向に移動させることで洗浄待ち部材と分離させるステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施の形態の洗浄装置では、接続部により2つの払拭部が接続され、そのうち、接続部は2つの払拭部を互いに向かい合う方向又は反対方向へ移動させることができる。該洗浄装置を用いてスクリーン印刷装置のスクレーパーを洗浄する際、洗浄装置をスクレーパーの位置まで移動させ、この時、接続部により接続された2つの払拭部はスクレーパーの外側に位置することに相当し、接続部を調節して2つの払拭部がスクレーパーに接触するまで互いに向かい合う方向に移動させた後、スクレーパーの長さ方向に沿って往復摩擦運動するよう払拭部を制御することで、払拭部がスクレーパー上のガラスセメントを除去し、除去が完了した後に、2つの払拭部を反対に移動させてスクレーパーから分離するまで接続部を調節すればよい。該洗浄装置は使いやすく、人為的操作によるスクレーパーの損傷を避けることができ、且つ接続部が2つの払拭部の間隔を調節できるため、該洗浄装置は様々なタイプのスクレーパー又はバックフィルブレードに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1の実施の形態の洗浄装置の構造概念図を示す。
【
図2】本開示の第2の実施の形態の洗浄装置の構造概念図を示す。
【
図3】本開示の第2の実施の形態の洗浄装置により洗浄待ち部材を洗浄する例示の過程を示す。
【
図4】本開示の第2の実施の形態の洗浄装置により洗浄待ち部材を洗浄する例示の過程を示す。
【
図5】本開示の第2の実施の形態のスプレーエリアの概念図を示す。
【
図6】本開示の第2の実施の形態の洗浄装置の構造概念図を示す。
【
図7】本開示の第2の実施の形態の洗浄装置の構造概念図を示し、異なるスプレーユニットが異なる方向の洗浄液をスプレーすることを示す。
【
図8】本開示の第2の実施の形態の洗浄装置の接続部の構造の一例を示す。
【
図9】本開示の第2の実施の形態の洗浄装置の接続部の構造のもう1つの例を示す。
【
図10】本開示の第3の実施の形態の洗浄方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
当業者が本発明の技術案をより良く理解できるよう、以下では、図面と具体的な実施の形態を参照しながらさらに詳細に説明する。
【0012】
第1の実施の形態
本開示の第1の実施の形態では洗浄装置を提供し、
図1に示すように、該洗浄装置は、対向設置された2つの払拭部3を含み、2つの払拭部3の間の限定されたスペースは洗浄待ち部材を配置することに用いられ、2つの払拭部3は接続部2により接続され、そのうち、接続部2は2つの払拭部3を駆動して、互いに向かい合う方向又は反対方向へ移動させることに用いられる。
本実施の形態の洗浄装置では、接続部2により2つの払拭部3を接続し、そのうち、接続部2は2つの払拭部3を互いに向かい合う方向又は反対方向へ移動するよう調節することができ、即ち、2つの払拭部3の間の距離を調節できる。該洗浄装置を用いてスクリーン印刷装置のスクレーパー(洗浄待ち部品の一例)を洗浄する際、洗浄装置をスクレーパーの位置まで移動させ、この時、接続部により接続された2つの払拭部3はスクレーパーの外側にある。続いて、接続部2を調節して2つの払拭部3がスクレーパーに接触するまで互いに向かい合う方向に移動させる。その後、払拭部3を制御してスクレーパーの長さ方向に沿って往復摩擦運動して、払拭部3がスクレーパー上のガラスセメントを除去することができる。除去が完了した後、接続部2を調節して、2つの払拭部3を反対方向に移動させてスクレーパーから分離させる。該洗浄装置は使いやすく、接続部2が2つの払拭部3の間隔を調節できるため、該洗浄装置は様々なタイプのスクレーパー又はバックフィルブレードに適用される。
【0013】
第2の実施の形態
本開示の第2の実施の形態では洗浄装置を提供し、
図2で示すように、該洗浄装置は、対向設置された2つの板状の払拭部3を含み、2つの払拭部3の対向する一端が接続部2により接続され、接続部2は2つの払拭部3を互いに向かい合う方向又は反対方向へ移動できるよう変形可能である。そのうち、接続部2内壁の少なくとも一部の位置に複数のスプレーユニットが設けられ、スプレーユニットは2つの払拭部3の対向する面のそれぞれに向けて洗浄液をスプレーする。
【0014】
図2における洗浄装置の払拭部3は2つの対向する板状構造であるが、ここで、小さいスクレーパーを払拭する時、2つの対向する払拭部3は2つの対向する棒状構造であってもよく、この場合、接続部2は2つの棒状の払拭部3の対向する一端を接続すればよい。
図2では、接続部2がアーチ型の状況が示され、アーチ型の接続部2は伸縮自在に変形することができる。
本実施の形態において、接続部2内壁の上方に洗浄液をスプレーするためのスプレーユニットが複数設けられ、そのうち、洗浄液は、スクレーパー上のガラスセメントを溶解できる有機洗浄剤、溶剤等が含まれる。後述する、
図7における点線の矢印方向が示すように、異なるスプレーユニットが噴射する洗浄液の方向は異なり、噴射液の方向は対向する2つの払拭部3にそれぞれ対応する。本実施の形態において、好ましくは、スプレーユニットを接続部2内壁の上方に設け、このようにすることで、噴射する一部の洗浄液が重力の作用により2つの払拭部3の対向する面の下方へ流れ、洗浄液を無駄にすることがない。
【0015】
図3と
図4では本開示の第2の実施の形態の洗浄装置により洗浄待ち部材を洗浄する例示過程を示す。
図3で示すように、本実施の形態の洗浄装置を用いてスクリーン印刷装置のスクレーパー1を洗浄する時、洗浄装置をスクレーパー1の位置に移動させ、この時、接続部2により接続された2つの払拭部3はスクレーパー1の外側にある。
図4で示すように、伸縮可能な接続部2を調節して2つの払拭部3がスクレーパーに接触するまで互いに向かい合う方向に移動させ、その後、払拭部3を制御してスクレーパー1の長さ方向に沿って往復摩擦運動して、スクレーパー1上のガラスセメントを除去することができる。払拭部3がスクレーパー1の長さ方向に沿って往復摩擦運動する過程において、同時に、スプレーユニットを制御して、頑固に粘着したガラスセメントが除去されるよう、払拭部3へ洗浄液を噴射することができる。除去が完了した後、伸縮可能な接続部2を調節して、2つの払拭部3を反対方向に移動させてスクレーパー1から分離させる。該洗浄装置は使いやすく、且つ伸縮可能な接続部2が2つの払拭部3の間隔を調節できるため、該洗浄装置は様々なタイプのスクレーパー又はバックフィルブレードに適用される。
好ましくは、スプレーユニットは、複数のノズルが間隔を空けて設けられ、隣接するノズルのスプレーエリアは重なったエリアを有する。
好ましくは、ノズルのスプレーエリアは円形であり、ノズルの間隔は、1つのノズルのスプレーエリアの面積の半分が、隣接するもう1つのノズルのスプレーエリアの面積の半分と重なるように設けられる。好ましくは、ノズルの間隔は最大スプレーエリアの直径の半分に設けられる。
【0016】
図5では本開示の第2の実施の形態のスプレーエリアの概念図を示す。
図5で示すように、ノズル21が噴射する洗浄液は噴霧状であり、噴出後のスプレーエリア22が覆う領域は円形領域であり、且つノズル21と対向する円心の部分、即ち、水柱中心の噴出圧力が最大であり、縁に行くほど噴出圧力は小さく、隣接するノズル21のスプレーエリア22には重なるエリア23があり、このような配置方法により水柱の縁の圧力を大幅に強化することができ、洗浄効果をさらに向上させることができる。具体的に
図5において、上から下まで、第1ノズル21−1、第2ノズル21−2、第3ノズル21−3の3つのノズル21が順に配列され、隣接する第1ノズル21−1が噴射する洗浄液の被覆面積の1/2が第2ノズル21−2が噴射する洗浄液の被覆面積の1/2と重なる。即ち、1つのノズルのスプレーエリアの面積の半分が、それと隣接するもう1つのノズルのスプレーエリアの面積の半分と重なるようにノズル21のピッチLを設けることが、水柱の縁の圧力の強化効果が良い。
好ましくは、2つの払拭部の対向する面にそれぞれ洗浄コットンを設け、スプレーユニットが洗浄コットンに向けて洗浄液をスプレーすることができる。洗浄コットンは柔らかい素材でスクレーパーにぶつかることがないだけでなく、洗浄液を吸収する役割もあり、噴出された洗浄液が重力によりこぼれて浪費することもさらに避けることができる。ここで、洗浄コットンは長期使用において徐々にダメージを受けた後で交換することができる。好ましくは、洗浄コットンはナノスケール材料で作製することができる。
好ましくは、洗浄装置は、払拭部が位置する平面内で移動するよう払拭部を制御するための駆動部をさらに含む。
好ましくは、払拭部上に圧力センサを設け(洗浄度検出ユニットの一例)、払拭過程において圧力を検知することに用いられ、圧力センサは駆動部に接続され、
圧力センサの検知圧力が所定閾値以上である時、駆動部は、圧力センサが検知した位置を払拭するように払拭部を制御し、
圧力センサの検知圧力が所定閾値より小さい時、駆動部は、圧力センサが検知した位置から離れるように払拭部を制御する。
【0017】
図6と
図7では本開示の第2の実施の形態の洗浄装置の構造概念図を示す。
図7では、前記のような、異なるスプレーユニットが噴出する洗浄液の方向をさらに示す。
図6と
図7で示すように、払拭部3上には圧力センサ31が設けられ、
図7で示すように、2つの払拭部3の対向する面上にはいずれも洗浄コットン32が設けられている。好ましくは、圧力センサ31は払拭部3上に直接設けることができる。好ましくは、圧力センサ31は払拭部3と洗浄コットン32との間に設けることができる。好ましくは、圧力センサ31は洗浄コットン32の表面に設けることができる。圧力センサ31が洗浄コットン32の表面に設けられることを例として述べると、駆動部はまず、ガラスセメントが付着したスクレーパー1の刃に接触するまで洗浄コットン32を駆動し、その後、洗浄装置はスクレーパー1の長さ方向に沿って相対運動し、払拭を行う。駆動部を用いて払拭部3を駆動し、払拭部3が位置する平面内で移動することで、払拭部3とスクレーパー1の表面を互いに摩擦させて、さらなる自動洗浄を実現する。
払拭の互いに向かい合う方向への運動過程において、圧力センサ31は検知した圧力値nを駆動部へ絶えずフィードバックする。そのうち、洗浄するスクレーパーと洗浄コットン32が接触する圧力を閾値mとし、ここで、閾値mは予め設定された1つの値又は1つの許容誤差範囲であってよく、洗浄コットン32と洗浄状態でのスクレーパーが接触する際の1つの参考値(参考範囲)であって、この時、2つの対向設置された洗浄コットン32の間の距離は閾値mでの参考距離である。好ましくは、mを0に設置することができる。好ましくは、mを0よりも僅かに大きく設置することができる。当然ながら、mの設置はこれに限らず、あらゆる適切な値とすることができる。n>mである時、スクレーパーの該位置が不潔であると判断され、洗浄コットン32を制御し刃の該位置に移動して払拭し、払拭し続ける過程で、nの値は徐々に減少する。ここで、駆動部は洗浄コットン32を数回駆動してガラスセメントが付着したスクレーパー1の刃に接触させ、洗浄することができる。スクレーパー上に残留したガラスセメントが存在する場合、洗浄することによりnの値は減少し、nの値がmに等しい時、或いはmより小さい時(ここでは、上記の参考距離に基づき述べたものである)、スクレーパー1の該箇所の洗浄が完了したことを表し、洗浄コットン32と刃は分離される。ここで、異なるスクレーパー1を洗浄する際、スクレーパー1の大きさ、種類等に応じて、スクレーパー1と洗浄コットン32の接触圧力の閾値mを設定することができる。
好ましくは、2つの払拭部と接続部は、払拭部が位置する面に垂直な断面においてU字形状である。
【0018】
図7で示すように、噴霧ユニットをU字形状の内側の底部に設置しやすいように、2つの払拭部3と接続部2は、払拭部が位置する面に垂直な断面においてU字形状に設けられる。
ここで、2つの払拭部と接続部は、払拭部が位置する面に垂直な断面において、
図8と
図9で示す形状のように、その他の形状としてもよい。
好ましくは、払拭部はネジにより接続部と接続される。
つまり、本実施の形態の洗浄装置の2つの払拭部3は取り外し可能で、異なる規格のスクレーパー1を洗浄する際、対応するサイズの部品に取り替えればよく、装置の多用性を実現し、装置がバージョンアップされた後に洗浄装置を改造する又は取り替えるコストを有効に低減できる。
【0019】
明らかに、上記各実施の形態の具体的な実施の形態には多くの変更が可能で、例えば、噴霧ユニットの具体的な設置位置又は数は、スクレーパーの具体的なタイプに応じて調整することができる。別の例として、スプレーユニットは、異なる種類の溶液を格納する容器に接続することができ、実際の需要に応じて、噴出する液体の種類、液体の量等を調整することができる。
【0020】
第3の実施の形態
本開示の第3の実施の形態では、上記実施の形態の洗浄装置を用いて洗浄する方法を提供し、
図10で示すように、該方法には以下のステップが含まれる。
S01:洗浄待ち部材を2つの払拭部の間の限定されたスペース内に配置する。
S02:接続部により2つの前記払拭部を駆動して、2つの払拭部が洗浄待ち部材に接触するように互いに向かい合う方向に移動させる。
S03:洗浄度検出装置により前記洗浄待ち部材の洗浄度を検出する。
S04:検出された洗浄度に基づき払拭部の運動を制御して洗浄待ち部材を払拭する。
好ましくは、前記洗浄方法は、スプレーユニットにより2つの払拭部の対向する面に向けて洗浄液をスプレーするステップをさらに含む。
好ましくは、前記洗浄方法は、スプレーユニットにより2つの払拭部の対向する面に向けて洗浄液をスプレーする前に、洗浄コットンで洗浄待ち部材を予備払拭するステップと、スプレーユニットにより2つの払拭部の対向する面に向けて洗浄液をスプレーした後に、洗浄コットンで洗浄待ち部材を払拭するステップと、をさらに含む。予備払拭と払拭の二段階処理により、より良い洗浄効果を奏することができる。当然ながら、本発明の方法はこれに限らず、例えば、先にスプレーユニットにより洗浄待ち部材の周りを洗浄(予備洗浄)してから、洗浄コットンにより洗浄待ち部材を払拭することができる。もう一つの例としては、洗浄時間を節約するために、スプレーユニットにより2つの払拭部の対向する面に向けて洗浄液をスプレーすると同時に、洗浄コットンにより洗浄待ち部材を払拭することができる。
好ましくは、前記洗浄方法は、駆動部により、払拭部が位置する平面内で移動するよう払拭部を制御するステップを含む。
好ましくは、前記洗浄方法は、払拭過程において圧力センサにより圧力を検知するステップと、圧力センサの検知圧力が所定閾値より大きい時、駆動部によって、圧力センサが検知した位置を払拭するように払拭部を制御するステップと、圧力センサの検知圧力が所定閾値以下である時、駆動部によって、互いに離れるように払拭部を制御するステップと、をさらに含む。
好ましくは、前記洗浄方法は、2つの払拭部を反対方向に移動させて、洗浄待ち部材と分離させることで洗浄を完了させるステップS05をさらに含む。
【0021】
本実施の形態の洗浄方法は操作が簡単で、汎用性が高く、生産における高速ライン作業に適している。
【0022】
上記方法における各ステップは互いに矛盾が生じない状況下で、順番に実行することができ、順番に従わずに実行することも可能で、或いは複数のステップを並行して実行することもできる。さらに、全部のステップを全て実行する必要はなく、1つ又は複数のステップを実行しないことも可能で、そのほかの1つ又は複数のステップを実行することもできる。
【0023】
上記の実施の形態は、本発明の原理を説明するために用いた代表的な実施の形態に過ぎず、本発明はこれに限定されないと理解され得る。当業者は本発明の思想と要旨を逸脱しない状況で、様々な変形と改善を行うことができ、これらの変形と改善も本発明の請求範囲であると見なす。
【符号の説明】
【0024】
2 接続部
3 払拭部
21 ノズル
31 圧力センサ