【実施例】
【0194】
以下の実施例は、本開示のいくつかの実施形態をさらに説明するために含まれ、本開示の範囲を限定するためには使用されないものとする。
【0195】
実施例1
ペプチドの製造
本実施例は、ノッチンペプチドの製造方法を提供する。サソリおよびクモのノッチンペプチド由来のペプチドは、公表された方法論を用いて哺乳類細胞培養において生成した。(A.D.Bandaranayke,C.Correnti,B.Y.Ryu,M.Brault,R.K.Strong,D.Rawlings.2011.Daedalus:a robust,turnkey platform for rapid production of decigram quantities of active recombinant proteins in human cell lines using novel lentiviral vectors.Nucleic Acids Research.(39)21,e143)。
【0196】
ペプチド配列をDNAに逆翻訳し、合成して、標準的分子生物学技術を用いて、シデロカリンとインフレームでクローン化した。(M.R.Green,Joseph Sambrook.Molecular Cloning.2012 Cold Spring Harbor Press.)。得られたコンストラクトをレンチウイルス内にパッケージし、HEK293細胞に形質移入して増殖させ、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)によって単離し、タバコエッチウイルスプロテアーゼで切断して、逆相クロマトグラフィーによって均質性に精製した。精製に続いて、各ペプチドを凍結乾燥して凍結保存した。
【0197】
実施例2
ペプチドの放射性標識
本実施例は、ノッチンペプチドの放射標識を記載する。いくつかのノッチン(クモおよびサソリに由来するいくつかの配列)を、標準技術を用いて、
14Cホルムアルデヒドおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムを用いた還元的メチル化によって、放射性標識した。JBiolChem.254(11):4359−65(1979)を参照されたい。配列は、N末端にアミノ酸「G」および「S」を有するように操作した。Methods in Enzymology V91:1983 p.570およびJournal of Biological Chemistry 254(11):1979 p.4359を参照されたい。過剰なホルムアルデヒドを使用して、完全なメチル化(全ての遊離アミンのジメチル化)を確実にした。標識されたペプチドは、Strata−Xカラム(Phenomenex 8B−S100−AAK)上での固相抽出によって単離し、5%メタノール添加水で洗浄して、2%ギ酸添加メタノール中に回収した。溶媒は、引き続いて穏やかな加熱および窒素ガス流を用いて、ブローダウン蒸発器内で除去した。
【0198】
実施例3
腎臓結紮と併せたペプチドの投与
本実施例は、腎臓結紮と併せて、マウスにノッチンペプチドを投与するための投薬計画を記載する。体重20g〜25gのメスハーラン胸腺欠損ヌードマウスに、様々な用量のペプチドを尾静脈注射(ノッチン当たりn=2マウス)によって投与した。配列番号21〜配列番号33の13個の軟骨ホーミングペプチドの配列を表1に示す。実験は、二重反復試験で実施した。腎臓を結索して、ペプチドの腎臓濾過を防止した。各ペプチドは、リジンおよびN末端をメチル化することによって放射性標識されるので、実際の結合剤は、メチルまたはジメチルリジンおよびメチル化またはジメチル化アミノ末端を含有してもよい。
【0199】
メスハーラン胸腺欠損ヌードマウスに、10〜25uCiの
14Cを担持する、50〜100ナノモルの各ペプチドの標的用量を麻酔下で投与した。各ペプチドは、動物を安楽死させて切片化する前に、動物内で自由に循環させた。
【0200】
実施例4
腎臓結紮と併せたペプチドホーミング
本実施例は、ペプチド投与に先だって腎臓が結索されたマウスの軟骨へのペプチドホーミングを例示する。実施例3における投与期間の終了時に、マウスをヘキサン/ドライアイス浴内で凍結し、次にカルボキシメチルセルロースのブロック中で凍結させた。動物全身の矢状切片を調製し、その結果、薄い凍結切片がイメージングに利用可能となった。脳、腫瘍、肝臓、腎臓、肺、心臓、脾臓、膵臓、筋肉、脂肪、胆嚢、上部胃腸管、下部胃腸管、骨、骨髄、生殖路、眼、軟骨、胃、皮膚、脊髄、膀胱、唾液腺、およびその他の各種組織などの組織のイメージングをはじめとする、動物の薄い凍結切片を、ミクロトームを用いて得て、冷凍庫内で乾燥させ、ホスフォイメージャー(phosphoimager)プレートに約10日間曝露させた。
【0201】
これらのプレートを発色させて、各臓器からのシグナル(濃度計測)を、各動物の心臓の血液中に見られるシグナルに対して正規化した。その組織中の血液から予測されるシグナルよりも暗い、組織中のシグナルは、領域、組織、構造または細胞におけるペプチド蓄積を示唆する。例えば、軟骨は無血管であり、微量の血液を含有する。心室と対比して、少なくとも170%のシグナルの軟骨中の比率を、顕著な軟骨への標的化の基準レベルとして選択したが、これはまた切片画像中の軟骨性組織中の明確な蓄積とも相関していた。
図1は、結索腎臓を有する動物への投与の3時間後における、配列番号21〜配列番号33のペプチドの軟骨中の組織分布を示す。
図2は、関節およびその他の軟骨中の配列番号24のペプチド分布の位置を同定する。
図3は、肋骨、脊髄、およびその他の軟骨中の配列番号24のペプチド分布の位置を同定する。
図4は、鼻、脊髄、気管、およびその他の軟骨中の配列番号24のペプチド分布の位置を同定する。
図3〜4は、関節軟骨および骨端軟骨などの硝子軟骨、ならびに線維軟骨への、配列番号24のホーミングを示す。
【0202】
さらに、ペプチドは、治療後数時間にわたり軟骨に保持され得る。配列番号24のペプチドを実施例3のように放射性標識し、100ナノモルのペプチドを非損傷腎臓を有するマウスに注射した。
図5は、投与の24時間後における、配列番号24のペプチドの軟骨中の保持および組織分布を示す。比較のために、
図11は、100ナノモルの配列番号433の放射標識ペプチドの投与の24時間後におけるマウスの切片からの白色光および対応するオートラジオグラフィー画像を示し、それは軟骨にホーミングせず、骨髄に見られた。
図11Aは、100ナノモルの配列番号433投与の24時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図11Bは、
14Cシグナルが、配列番号433の放射性標識ペプチドを同定する、
図11Aに対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
【0203】
表2は、投与の3時間後における、血中レベルと比較した、配列番号21〜配列番号33のペプチドの中性pHにおける正味電荷、および軟骨(C)および筋肉(M)への移動を要約する。「軟骨」の項目は、組織切片内の心室の血液シグナルと比較して、軟骨中のシグナルの百分率を反映する。軟骨ホーミング体であるペプチドは>170%の軟骨シグナルを有し、効率的な軟骨ホーミング体であるペプチドは>300%の軟骨シグナルを有し得て、および強力な軟骨ホーミング体であるペプチドは>500%の軟骨シグナルを有する。配列番号484は、GSECLGFGKGCNPSNDQCCKSSNLVCSRKHRWCKYEIGKのアミノ酸配列に対応する。
【0204】
【表15】
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【0205】
表2に示されるように、生理学的pHで顕著な正電荷を有する配列は、軟骨中のより高い蓄積を示した。これらの配列の多くは、共通要素を共有する。これらの共通要素は、折り畳まれたペプチドの三次元構造の特定の部分に正電荷またはその他の結合要素を配置することによってペプチドに軟骨ホーミングをもたらす、配列の部分に相当してもよい。例えば、K残基またはR残基は、特に、折り畳まれたペプチドの折り畳みおよびループ位置を決定するC残基に関して、ホーミングのための正しい表面領域に正電荷を位置づけるために、配列の特定の部分に優先的に位置するかもしれない。しかしながら、これらの配列の一部のみがホーミングに重要であってもよく、または配列のその他の側面がホーミングに重要であってもよい。
【0206】
共通要素を含有する2つの例示的配列は、GSXVXXXVKCXGSKQCXXPCKRXXGXRXGKCINKKXCKCYXXX(配列番号9)およびGSXXXGCVXXXXKCRPGXKXCCXPXKRCSRRFGXXXXKKCKXXXXXX(配列番号10)であり、式中、Xは、独立して任意の数の任意のアミノ酸または皆無のアミノ酸であり得る。
図12は、配列番号9とそれに共通要素配列が基づくペプチド配列との配列アライメント、および配列番号10とそれに共通要素配列が基づくペプチド配列との配列アライメントを示す。配列GSXVXXXVKCXGSKQCXXPCKRXXGXRXGKCINKKXCKCYXXX(配列番号9)は、以下の配列中に見られる最も一般的な要素に基づく配列である:
GSGVPINVKCRGSRDCLDPCKKA−GMRFGKCINSK−CHCTP−−(配列番号24)、
GS−VRIPVSCKHSGQCLKPCKDA−GMRFGKCMNGK−CDCTPK−(配列番号23)、
GSQVQTNVKCQGGS−CASVCRREIGVAAGKCINGK−CVCYRN−(配列番号27)、
GS−−−−−ISCTGSKQCYDPCKRKTGCPNAKCMNKS−CKCYGCG(配列番号26)、
GSEV−−−IRCSGSKQCYGPCKQQTGCTNSKCMNKV−CKCYGCG(配列番号28)、
GSAVCVYRT−−−−−−CDKDCKRR−GYRSGKCINNA−CKCYPYG(配列番号25)、
GS−−−−GIVC−−−KVCKIICGMQ−GKKVNICKAPIKCKCKKG−(配列番号21)、および
GSQIYTSKECNGSSECYSHCEGITGKRSGKCINKK−CYCYR−−(配列番号30)。
配列GSXXXGCVXXXXKCRPGXKXCCXPXKRCSRRFGXXXXKKCKXXXXXX(配列番号10)は、以下の配列中に見られる最も一般的な要素に基づく配列である:
GS−−−ACKGVFDACTPGKNECC−PNRVCSDK−H−−−−KWCKWKL−−−(配列番号29)、
GS−−−GCLEFWWKCNPNDDKCCRPKLKCSKLF−−−−−KLCNFSFG−−(配列番号31)、
GSSEKDCIKHLQRCR−ENKDCC−−SKKCSRR−GTNPEKRCR−−−−−−(配列番号22)、および
GS−−−GCFGY−−KCDYY−KGCCSGYV−CSPTW−−−−−KWCVRPGPGR(配列番号33)。
破線「−」は、その位置にアミノ酸がないことを示す。以下の残基は、配列番号9または配列番号10において独立して相互交換されてもよい:任意のKおよび任意のR;任意のM、任意のI、任意のL、および任意のV;任意のGおよび任意のA;任意のSおよび任意のT;および任意のQおよび任意のN。これらの相互交換可能なアミノ酸のセットは、軟骨へのホーミングを阻害することなくそれらを相互交換可能する特性において類似性を有する。例えば、KとRはどちらも生理的pHで正電荷を提供し、したがって軟骨へのホーミングのために必要な電荷を提供してもよいので、任意のKは任意のRで相互交換され得て、SとTはどちらも水素結合に利用可能なヒドロキシル基を有するので、任意のSは任意のTで相互交換され得る。N末端GS配列は、本開示のペプチド間に含まれていてもいなくてもよい。
【0207】
内部断片KCIN(配列番号317)およびKKCK(配列番号318)、PCKR(配列番号319)、KRCSRR(配列番号320)、およ
びKQC(配列番号321)を有する、GKCINKKCKC(配列番号316)断片などの共通の要素を有する特定の断片もまた認められた。以下の残基は、配列番号101〜配列番号105または配列番号316〜配列番号321において独立して相互交換されてもよい:任意のKおよび任意のR;任意のM、任意のI、任意のL、および任意のV;およびGおよび任意のA;任意のSおよび任意のT;および任意のQおよび任意のN。
【0208】
RおよびK残基の優位性は、ペプチドのC末端部分ならびに断片中に認められ、ペプチドの高い正電荷と相関した。
【0209】
表1の配列番号21および配列番号33ペプチドは、潜在的に拡散によって、軟骨の領域、組織、構造または細胞に特異的に移動することが見いだされた、サソリ毒(例えば、ブツス・マルテンシイ・カルシュ(Buthusmartensii Karsh)に由来する。
図6Aおよび6Bは、配列番号23および配列番号24のペプチドのHPLCプロファイルを示す。
【0210】
実施例5
治療薬とのペプチドホーミング
本実施例は、ノッチンペプチドにコンジュゲートされた特定の例示的治療薬を記載する。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成して、次に、Bioconjugate Techniques by Greg Hermansonに記載されるものなどの当該技術分野で公知の技術を使用して、パクリタキセルまたはトリアムシノロンアセトニドなどの例示的薬物にコンジュゲートする。ペプチド当たり1つまたは複数の薬物をコンジュゲートし、または平均でペプチド当たり1つ未満の薬物をコンジュゲートする。
【0211】
これらの薬物と、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216または配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432のいずれかのペプチドとの共役は、薬物を対象の軟骨に標的化する。1つまたは複数の薬物−ペプチドコンジュゲートをヒトまたは動物に投与する。
【0212】
実施例6
変形性関節症の治療
本実施例は、本開示のペプチドを使用して、変形性関節症を治療するための方法を記載する。この方法は、変形性関節症に伴う急性および/または慢性症状のための治療として使用する。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成して、次に、直接使用し、またはトリアムシノロンアセトニドおよびデキサメタゾンなどの抗炎症化合物にコンジュゲートする。得られたペプチドまたはペプチド−薬物コンジュゲートを医薬組成物中で皮下、静脈内、または経口投与し、または患者の関節に直接注射して、軟骨を標的化する。製剤は、軟骨における曝露時間を増加させるために、物理的にまたは化学的に修飾し得る。ペプチドは、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216または配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432から選択される。1つまたは複数の抗炎症ペプチドコンジュゲートをヒトまたは動物に投与する。
【0213】
実施例7
軟骨分解の治療
本実施例は、本開示のペプチドを使用して、軟骨分解を治療および/または予防するための方法を記載する。この方法は、軟骨分解に伴う急性および/または慢性症状のための治療として使用される。軟骨の進行性の分解または薄化は、一つには、小分子薬物および抗体などの分子が無血管軟骨に典型的に到達しないため、治療が困難である。本開示のペプチドは、そのホーミングおよび/または天然の活性のために使用され、または変異されて、MMPプロテアーゼ阻害などの活性を生じる。これは、組換え的に発現させまたは化学的に合成して、次に、直接使用し、またはMMP活性阻害剤(例えば、MMP13、コラゲナーゼ(MMP−1)、または本明細書に記載されるようなその他の薬剤)などの細胞外マトリックスを標的とする化合物にコンジュゲートする。得られたペプチドまたはペプチド−薬物コンジュゲートを医薬組成物中で皮下、静脈内、または経口投与し、または患者の関節に直接注射して、細胞外マトリックスを標的化する。ペプチドは、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216または配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432から選択される。1つまたは複数の細胞外マトリックス標的コンジュゲートをヒトまたは動物に投与する。
【0214】
実施例8
軟骨損傷の治療
本実施例は、本開示のペプチドを用使用して、軟骨損傷を治療するための方法を記載する。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成して、次に、直接使用し、またはトリアムシノロンおよびデキサメタゾンをはじめとするが、これに限定されるものではない、本明細書に記載されるものなどの治療用化合物にコンジュゲートする。得られたペプチドまたはペプチド−薬物コンジュゲートは、医薬組成物中で患者に投与して、軟骨を標的化する。ペプチドは、S配列番号(S SEQ ID)21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216または配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432から選択される。1つまたは複数の治療用化合物ーペプチドコンジュゲートをヒトまたは動物に投与する。
【0215】
実施例9
関節リウマチの治療
本実施例は、関節リウマチを治療する方法を記載する。この方法は、関節リウマチに伴う急性および/または慢性症状のための治療として使用される。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成して、次に、直接使用し、またはトリアムシノロンおよびデキサメタゾンなどの抗炎症化合物にコンジュゲートする。ペプチドが直接使用される場合、ペプチドは、例えば、Kv1.3などのイオンチャネルに結合し、またはそれを阻害し得る。得られたペプチドまたはペプチド−薬物コンジュゲートを医薬組成物中で患者に投与して、軟骨を標的化する。ペプチドは、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216または配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432から選択される。1つまたは複数の抗炎症化合物−ペプチドコンジュゲートをヒトまたは動物に、皮下、静脈内、または経口投与し、または関節に直接注射する。
【0216】
実施例10
痛風の治療
本実施例は、本開示のペプチドを使用して、痛風を治療するための方法を記載する。この方法は、痛風に伴う急性および/または慢性症状のための治療として使用される。本開示のペプチドを発現させて、痛風治療薬として医薬組成物中で患者に投与する。本開示のペプチドを組換え的にまたは化学的に合成し、次に、直接使用し、または非ステロイド系抗炎症薬、コルヒチン、ステロイド、またはウリカーゼにコンジュゲートする。配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216または配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432から選択されるペプチドを医薬組成物中で患者に投与し、ペプチドは痛風に罹患した軟骨を標的化する。1つまたは複数のペプチドをヒトまたは動物に、皮下、静脈内、または経口投与し、または関節に直接注射する。
【0217】
実施例11
疼痛の治療または管理
本実施例は、軟骨損傷または障害に伴う疼痛を治療または管理するための方法を記載する。この方法は、軟骨損傷または障害に伴う急性および/または慢性症状の治療として使用される。本開示のペプチドを発現させ、傷害または本明細書に記載されるようなその他の軟骨または関節病状の結果としての疼痛のための治療薬として、医薬組成物中で患者に投与する。本開示のペプチドは、Nav1.7などのイオンチャネルを阻害する。配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216または配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432から選択されたペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成する。代案としては、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216または配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432のペプチドを変異させ、軟骨ホーミング機能は維持させるが、Nav1.7などのイオンチャネル阻害を追加しまたは増加させる。発現または合成に続いて、ペプチドを直接使用し、またはNSAIDにコンジュゲートする。ペプチドの投与に続いて、ペプチドは疼痛の影響を受けた軟骨を標的化する。1つまたは複数のペプチドをヒトまたは動物に、皮下、静脈内、または経口投与し、または関節に直接注射する。
【0218】
実施例12
ペプチドの免疫原性
本実施例は、本開示の特定のペプチドの免疫原性の評価を記載する。免疫原性は、ネットワークベースの整列アルゴリズムを用いて予測した(“NN−align.An artificial neural network−based alignment algorithm for MHC class II peptide biding prediction”,Nielsen et.al.BMC Bioinformatics 2009 Vol 10,p296)。アルゴリズムは、HLA−DR、HLA−DP、HLA−DQ、およびH2−IAb MHCIIクラスの24個の対立遺伝子に対して、配列番号21〜配列番号33の配列を有する無傷のノッチンタンパク質に適用した。
図7は、表1に列挙された配列番号21〜配列番号33の配列を有するペプチドのMHCクラスIIペプチド結合予測を示す。y軸はlog(nM)単位を有するペプチドに対する、MHCクラスIIペプチド結合予測の予測親和性を示し、その中で<50nMの親和性は、強い結合を予測する。配列番号21〜配列番号33を有するペプチドのうち、シミュレートした結合の82.3%(284/345)は、ペプチドとMHCクラスIIペプチドとの間で50nMよりも弱い結合を示した。弱い結合体の高含量は、ペプチドがヒトに投与された場合に、より低い免疫原性を有すると予測されることを示唆する。
【0219】
相加的な無傷の軟骨ホーミングペプチドについて、コンピュータを用いて免疫原性を評価した。表3は、無傷の軟骨ホーミングペプチド配列のMHCクラスIIペプチド結合予測を示す。予測値は、ネットワークベースのアライメントアルゴリズムを使用して得た。アルゴリズムは、HLA−DR、HLA−DP、DLA−DQ、およびH2−IAb MHCIIクラスの28の対立遺伝子に対して、無傷のノッチンペプチドを用いて行った。無傷のノッチンペプチドのいくつかは、MHCクラスIIの強力な結合体であると予測されたが、配列番号111のペプチド中のC末端プロリン、または配列番号199のペプチド中のグリシンなどの高い免疫原性を有することが知られている特定の配列を除外すると、MHCII対立遺伝子への結合が減少した。一例として、配列番号209〜配列番号210のペプチドは、それぞれ、配列番号111および配列番号110のペプチドと90%の相同性有し、MHCII対立遺伝子への低い結合のために免疫原性がより低い。別の例では、配列番号211のペプチドは、配列番号114のペプチドと83%の相同性を有し、MHCII対立遺伝子への低い結合のために免疫原性がより低い。
【0220】
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
【0221】
実施例13
ケトロラックペプチドコンジュゲート
本実施例は、乳酸リンカーを用いた、ケトロラクとノッチンペプチドとのコンジュゲーションを記載する。以下の反応スキーム(I)で示されるように、コンジュゲートを(R,S)−ケトロラック、乳酸、およびノッチンペプチド(R、S)の混合物から製造する:
【化2】
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次に、上に示されるケトロラック−乳酸−ペプチドコンジュゲートをリジンまたはノッチンペプチドのN末端と反応させて、ケトロラック−乳酸リンカーコンジュゲートを作製する。ノッチンペプチドは、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216、配列番号237〜配列番号410、配列番号412、または配列番号414〜配列番号432のペプチドから選択される。
【0222】
ケトロラックは現在、鏡像異性混合物として投与されており、その中で、単一のラセミ立体中心を有する鏡像異性体は、分離が非常に困難である。反応スキーム(I)のように、2つのキラル中心を有するジアステレオマーは、L−乳酸などのキラルリンカーの付加によって生成される。ジアステレオマーは容易に分離されるので、乳酸リンカーに結合したケトロラックの活性鏡像異性体は、ノッチンペプチドへのコンジュゲーションの前に精製され得る。化学合成は、例えば、Bioconjugate Techniques by Greg Hermanson and in“Ketorolac−dextran conjugates:synthesis,in vitro, and in vivo evaluation:”Acta Pharm.57(2007)441−450,Vyas,Trivedi,and Chaturvediに記載されるような、当該分野で公知の任意のコンジュゲーション技術を使用し得る。コンジュゲートは抗炎症活性を示し、または遊離ケトロラックがコンジュゲートから放出されて、抗炎症活性を提供し得る。遊離ケトロラックは、エステル結合の加水分解などの、投与後に起こる加水分解から発生し得る。軟骨ホーミングペプチドを含有するコンジュゲートを投与することにより、ケトロラック単独の全身性投与によって達成されるよりも高い、関節へのケトロラック送達のAUCが達成されてもよい。
【0223】
実施例14
イブプロフェンペプチドコンジュゲート
本実施例は、PEGリンカーを用いたイブプロフェンとノッチンペプチドとのコンジュゲーションを記載する。コンジュゲートは、イブプロフェンと、”In vitro and in vivo study of poly(ethylene glycol)conjugated ibuprofen to extend the duration of action,”Scientia Pharmaceutica,2011,79:359−373,Nayak and Jainに記載されるように、加水分解され得るエステル結合を形成するPEGリンカーとを用いて、製造される。フィッシャーエステル化を用いて、イブプロフェンと、例えばトリエチレングリコールなどの短いPEGとをコンジュゲートさせ、イブプロフェン−エステル−PEG−OHを得る。
【0224】
上に示されるようなPEG−イブプロフェンコンジュゲートの調製に続いて、PEGのヒドロキシル部分をN,N’−ジスクシンイミジルカーボネート(DSC)で活性化し、イブプロフェン−エステル−PEG−スクシンイミジルカーボネートを形成し、それを次にリジンと、またはノッチンペプチドのN末端と反応させ、イブプロフェン−エステル−PEG−ペプチドコンジュゲートを形成する。ノッチンペプチドは、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216、配列番号237〜配列番号410、配列番号412、または配列番号414〜配列番号432の任意の1つのペプチドから選択される。コンジュゲートは抗炎症活性を示し、または遊離イブプロフェンがコンジュゲートから放出されて、抗炎症活性を提供し得る。遊離イブプロフェンは、エステル結合の加水分解などの、投与後に起こる加水分解から発し得る。
【0225】
イブプロフェン−ペプチドコンジュゲートを、それを必要とする対象に投与する。対象は、ヒトまたは非ヒト動物であり得る。
【0226】
実施例15
デキサメタゾンペプチドコンジュゲート
本実施例は、デキサメタゾンを本開示のペプチドと結合させる様々な方法を記載する。配列番号111のペプチドを組換え的に発現させた。デキサメタゾンは、ジカルボン酸リンカーを用いて、本開示のペプチドに容易にコンジュゲートされた。デキサメタゾンを無水コハク酸と最初に反応させてヘミコハク酸に変換することによって、ペプチド−デキサメタゾンコンジュゲートを製造した。次に、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)の存在下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル(dimethylamninopropyl))カルボジイミド(EDC)を使用して、ヘミコハク酸を、活性エステルを含有するコハク酸カルボン酸に変換した。次に、この活性エステルをリジンと、またはノッチンペプチドのN末端と反応させて、デキサメタゾン−カルボン酸−ペプチドコンジュゲートを作製した。”Functionalized derivatives of hyaluronic acid oligosaccharides:drug carriers and novel biomaterials”Bioconjugate Chemistry 1994,5,339−347,Pouyani and Prestwich,およびBioconjugate Techniques by Greg Hermansonに記載されるものなどの方法を使用し得る。
【0227】
標準的なカップリング試薬化学を使用して、デキサメタゾンを本開示のペプチドに共役させることにより、ペプチド−デキサメタゾンコンジュゲートを調製した。例えば、デキサメタゾンコンジュゲートは、不活性雰囲気下で、無水DMSO中において、デキサメタゾンヘミグルタレート(hemigluterate)と1.05モル当量の1,1’−カルボニルジイミダゾールとを反応させることによって作製した。30分後、無水DMSO中の過剰なデキサメタゾンを2モル当量の無水トリメチルアミンと共に添加した。ペプチド−デキサメタゾンコンジュゲートのN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを作製して、後でアミン含有担体と反応させるための常温保存可能な中間体を形成した。エレクトロスプレー質量分析(ES−MS)によって、N末端デキサメタゾン−ペプチドコンジュゲート(配列番号111B)を10ppm以内の誤差で確認した。
【0228】
上述の方法を使用して、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216、配列番号237〜配列番号410、配列番号412、または配列番号414〜配列番号432をはじめとする本開示の配列のいずれかのノッチンペプチドをデキサメタゾンにコンジュゲートする。
【0229】
実施例16
ペプチドコンジュゲート加水分解
本実施例は、調節可能な加水分解速度を有する、ノッチンペプチドコンジュゲートの調製を記載する。コハク酸無水物を使用する代わりにその他の分子を使用し、最終的な加水分解性エステルに隣接する炭素における加水分解に立体障害を与える修正を加えて、実施例15に記載されるデキサメタゾンコンジュゲートを合成する。1つの例示的コンジュゲートでは、テトラメチルコハク酸無水物を用いてデキサメタゾンコンジュゲートを合成してヒンダードエステルを作製し、これは加水分解速度の低下を引き起こすする。別の例示的コンジュゲートでは、隣接する炭素に1つのメチル基が存在する。別の例示的コンジュゲートでは、隣接する炭素に2つのメチル基が存在する。別の例示的コンジュゲートでは、隣接する炭素に1つのエチル基が存在する。別の例示的コンジュゲートでは、隣接する炭素に2つのエチル基が存在する。したがって、これらの例示的なコンジュゲートにおける加水分解速度は、実施例15のコンジュゲートと比較して調節され、早期切断を防止して、大部分のペプチド−デキサメタゾンコンジュゲートが軟骨中に蓄積することを確実にする。
【0230】
得られたペプチドコンジュゲートをヒトまたは動物に、皮下、静脈内、経口投与し、または関節に直接注射して疾患を治療する。
【0231】
実施例17
イオンチャネルに対するペプチドの影響
本実施例は、本開示のノッチンペプチドとイオンチャネルの間の相互作用を記載する。イオンチャネルは疼痛と関連し得て、関節炎などの病態で活性化され得る。本開示のペプチドを発現させて医薬組成物中で患者に投与し、イオンチャネルと関連があり、イオンチャネルに結合、遮断、または相互作用することで治療可能な関節病状または疾患を治療する。Nav1.7などのイオンチャネルは、本開示のペプチドによって阻害される。配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216、配列番号237〜配列番号410、配列番号412、または配列番号414〜配列番号432から選択される所与のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成する。発現または合成に続いて、ペプチドを直接使用し、または本明細書に記載されるものなどの治療用化合物にコンジュゲートして使用する。本開示のペプチドは、イオンチャネルと選択的に相互作用し、またはイオンチャネルと相互作用するように変異される。例えば、本開示のペプチドはNav1.7に結合し、または本開示のペプチドはNav1.7を遮断する。ペプチドをヒト対象投与すると、関節近くの組織中のNav1.7シグナル伝達が低下し、それによって疼痛緩和が提供される。
【0232】
実施例18
腎臓結紮なしのペプチドの投与
本実施例は、腎臓結紮なしのマウスにノッチンペプチドを投与するための投薬計画を記載する。投与されたペプチドは、表1に示されるような配列番号24の配列を有した。ペプチドは、リジンおよびN末端をメチル化することによって放射性標識されるので、実際の結合剤は、メチルまたはジメチルリジンおよびメチル化またはジメチル化アミノ末端を含有してもよい。
【0233】
メスハーラン胸腺欠損ヌードマウスに、10〜25μCiの
14Cを担持する100nmolの各ペプチドの標的用量を尾静脈注射によって投与した。各ペプチドは、動物を安楽死させて切片化する前に4時間または24時間にわたり、動物内で自由に循環させた。
【0234】
実施例19
非損傷腎臓と併せたペプチドホーミング
本実施例は、非損傷腎臓を有する動物における、軟骨へのペプチドホーミングを例示する。実施例18の4時間または24時間の投薬期間の終わりに、マウスをヘキサン/ドライアイスバス内で凍結させ、次いでカルボキシメチルセルロースのブロック内で凍結させた。動物全身の矢状切片を調製し、その結果、薄い凍結切片がイメージングに利用可能となった。脳、腫瘍、肝臓、腎臓、肺、心臓、脾臓、膵臓、筋肉、脂肪、胆嚢、上部胃腸管(gastrointestinal track)、下部胃腸管(gastrointestinal track)、骨、骨髄、生殖路、眼、軟骨、胃、皮膚、脊髄、膀胱、唾液腺、およびその他の各種組織などの組織のイメージングをはじめとする、動物の薄い凍結切片を、ミクロトームを用いて得て、冷凍庫内で乾燥させ、ホスフォイメージャー(phosphoimager)プレートに約10日間曝露させた。
【0235】
これらのプレートを発色させた。その組織中の血液から予測されるシグナルよりも暗い、組織中のシグナルは、領域、組織、構造または細胞におけるペプチド蓄積を示唆する。例えば、軟骨は無血管であり、微量の血液を含有する。
図13Aは、100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチド投与の4時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図13Bは、
14Cシグナルが、100ナノモル投与の4時間後におけるマウスの軟骨中の配列番号24の放射性標識ペプチド分布を同定する、
図13Aに対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
【0236】
図14Aは、100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図14Bは、
14Cシグナルが、100ナノモル投与の24時間後におけるマウスの軟骨中の配列番号24の放射性標識ペプチド分布を同定する、
図14Aに対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
【0237】
図15Aは、100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチド投与の4時間後における、マウスの後肢の凍結切片の白色光画像を示す。
図15Bは、
14Cシグナルが、100ナノモル投与の4時間後におけるマウスの足関節および指軟骨中の配列番号24の放射性標識ペプチド分布を同定する、
図15Aに対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図15Cは、
14Cシグナルが、100ナノモル投与の4時間後におけるマウスの足関節および指軟骨中の配列番号24の放射性標識ペプチド分布を同定する、オートラジオグラフィー画像を示す。
図15Dは、100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチド投与の4時間後における、マウスの後肢の凍結切片の白色光画像を示す。
図15Eは、
14Cシグナルが、100ナノモル投与の4時間後におけるマウスの足関節および指軟骨中の配列番号24の放射性標識ペプチド分布を同定する、
図15Dに対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図15Fは、100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチド投与の4時間後における、マウスの後肢の凍結切片の白色光画像を示す。
図15Gは、
14Cシグナルが、100ナノモル投与の4時間後におけるマウスの足関節および指軟骨中の配列番号24の放射性標識ペプチド分布を同定する、
図15Fに対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
【0238】
図16Aは、100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの後肢の凍結切片の白色光画像を示す。
図16Bは、
14Cシグナルが、100ナノモル投与の24時間後におけるマウスの足関節および指軟骨中の配列番号24の放射性標識ペプチド分布を同定する、
図16Aに対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図16Cは、100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの後肢の凍結切片の白色光画像を示す。
図16Dは、
14Cシグナルが、100ナノモル投与の24時間後における、マウスの足関節および指軟骨中の配列番号24の放射性標識ペプチド分布を同定する、
図16Cに対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図16Eは、100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの後肢の凍結切片の白色光画像を示す。
図16Fは、
14Cシグナルが、100ナノモル投与の24時間後におけるマウスの足関節および指軟骨中の配列番号24の放射性標識ペプチド分布を同定する、
図16Eに対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図16Gは、
14Cシグナルが、100ナノモル投与の24時間後におけるマウスの足関節および指軟骨中の配列番号24の放射性標識ペプチド分布を同定する、オートラジオグラフィー画像を示す。
【0239】
実施例20
軟骨ホーミングペプチドの全身蛍光および分離四肢蛍光
本実施例は、ペプチドフルオロフォアコンジュゲート投与後のマウス軟骨へのペプチドホーミングを例示する。配列番号111のペプチドは、色素上の活性NHSエステルを介してペプチドのN末端に近赤外フルオロフォアであるシアニン5.5の1分子に化学的にコンジュゲートさせた。体重20〜25gのメスハーラン(Haland)胸腺欠損ヌードマウスに、Cy5.5フルオロフォアにコンジュゲートされた、配列番号111のペプチド(配列番号111A)の各10ナノモルの用量を投与し、尾静脈注射によって投与した。各実験は二連で実施した(1群あたりn=2匹)。Cy5.5フルオロフォア(配列番号111A)にコンジュゲートされた配列番号111のペプチドは、動物を安楽死させる前に、記載される時間にわたり、動物内で自由に循環させた。マウスは、全身イメージングにおいて、および単離された後肢イメージングにおいて、Cy5.5フルオロフォアにコンジュゲートされた配列番号111のペプチド(配列番号111A)蛍光のペプチド分布について評価した。
【0240】
投与期間終了時の全身蛍光(WBF)については、マウスをヘキサン/ドライアイス浴内で凍結し、次に、カルボキシメチルセルロースの凍結ブロック内に包埋した。動物全身の矢状切片を調製し、イメージングのための薄い凍結切片をもたらした。薄い凍結切片を、ミクロトームを用いて得て、組織を可視化できるようにした。切片は、イメージングに先だって、冷凍庫で乾燥させた(dessicate)。次に、169μm分解能、中品質、700チャネル、L−2.0強度の設定で、Li−Cor Odysseyスキャナーでスキャンされた蛍光切片上で、WBFを実施した。
【0241】
単離された後肢蛍光調査のために、投与期間の終わりにマウスをCO
2窒息により安楽死させた。右後肢を股関節部で除去し、1秒間の露出長さおよび焦点高さ0.5cmで、Sepctrum IVIS画像装置(ex/em:675nm.720nm)上で画像化した。四肢は、皮膚を除去し、筋肉を除去して画像化した。
【0242】
図17は、Cy5.5フルオロフォアにコンジュゲートされた10ナノモルの配列番号111のペプチド(配列番号111A)投与の3時間後における、マウスの白色光画像(左)および対応する全身蛍光画像(右)を示す。この実験および結果を第2のマウスで再現した(画像図示せず)。
【0243】
図18は、Cy5.5フルオロフォアにコンジュゲートされた10ナノモルの配列番号111のペプチド(配列番号111A)投与の24時間後における、マウスの白色光画像(左)および対応する全身蛍光画像(右)を示す。この実験および結果を第2のマウスで再現した(画像図示せず)。
【0244】
図19は、Cy5.5フルオロフォアにコンジュゲートされた10ナノモルの配列番号111のペプチド(配列番号111A)投与の48時間後における、マウスの白色光画像(左)および対応する全身蛍光画像(右)を示す。この実験および結果を第2のマウスで再現した(画像図示せず)。
図20は、Cy5.5フルオロフォアにコンジュゲートされた配列番号111のペプチド(配列番号111A)投与の72時間後における、マウスの白色光画像(左)および対応する全身蛍光画像(右)を示す。この実験および結果を第2のマウスで再現した(画像図示せず)。これらのWBF画像は、3時間および24時間目における、椎間板(IVD)中のおよび関節および軟骨性組織中の、Cy5.5フルオロフォアにコンジュゲートされた配列番号112ペプチド(配列番号111A)の蛍光分布を示した。
【0245】
図21は、Cy5.5フルオロフォアにコンジュゲートされた10ナノモルの配列番号111のペプチド(配列番号111A)の投与後における、第1のマウスからの単離された後肢、および第2のマウスからの単離された後肢のIVIS蛍光イメージングを示す。
図21Aは、ペプチド投与の3時間後における、第1のマウスおよび第2のマウスからの皮膚を除去した右後肢を示す。
図21Bは、ペプチド投与の3時間後における、第1のマウスおよび第2のマウスからの筋肉を除去した右後肢を示す。
図21Cは、ペプチド投与の24時間後における、第1のマウスおよび第2のマウスからの皮膚を除去した右後肢を示す。
図21Dは、ペプチド投与の24時間後における、第1のマウス(moues)および第2のマウスからの筋肉を除去した右後肢を示す。
図21Eは、ペプチド投与の48時間後における、第1のマウスおよび第2のマウスからの皮膚を除去した右後肢を示す。
図21Fは、ペプチド投与の48時間後における、第1のマウスおよび第2のマウスからの筋肉を除去した右後肢を示す。
図21Gは、ペプチド投与の72時間後における、第1のマウスおよび第2のマウスからの皮膚を除去した右後肢を示す。
図21Hは、ペプチド投与の72時間後における、第1のマウスおよび第2のマウスからの筋肉を除去した右後肢を示す。試験した全ての時点で、単離された右後肢の膝関節において、ペプチド蛍光が観察された。
【0246】
表4は、マウスにおける、Cy5.5フルオロフォアにコンジュゲートされた配列番号111のペプチド(配列番号111A)投与後の様々な時点における、IVD軟骨中の蛍光シグナルを要約する。
【0247】
【表17】
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【0248】
実施例21
軟骨ホーミングペプチドの全身オートラジオグラフィー
本実施例は、放射能標識ペプチド投与の5分〜48時間後のマウス軟骨へのペプチドホーミングを例示する。放射性標識ペプチドからのシグナルは、試験した各時点で、あらゆる全てのタイプの軟骨中に見いだされた。各ペプチドは、実施例2に記載されているように、N末端でリジンをメチル化することによって放射性標識した。したがって、ペプチドは、メチルまたはジメチルリジンと、メチル化またはジメチル化アミノ末端とを含有してもよい。体重20〜25gのメスハーラン(Haland)胸腺欠損ヌードマウスに、100ナノモルの用量の放射性標識ペプチドを尾静脈注射によって投与した。実験は二連で実施した(1群あたりn=2匹)。一部の動物では、腎臓を結索して放射性標識(radiolabled)ペプチドの腎臓濾過を妨げて、血漿半減期を延長させた。各ペプチドは、動物を安楽死させて切片化する前に、記載される時間にわたり、動物内で自由に循環させた。
【0249】
全身オートラジオグラフィー(WBA)矢状薄切法は、次のようにして実施した。投与期間の終了時に、マウスをヘキサン/ドライアイス浴内で凍結し、次に凍結カルボキシメチルセルロースのブロック中に包埋した。動物全身の矢状切片を調製し、イメージングのための薄い凍結切片をもたらした。薄い凍結切片を、ミクロトームを用いて得て、脳、腫瘍、肝臓、腎臓、肺、心臓、脾臓、膵臓、筋肉、脂肪、胆嚢、上部胃腸管、下部胃腸管、骨、骨髄、生殖器官、眼、軟骨、胃、皮膚、脊髄、膀胱、唾液腺、その他などの組織を可視化できるようにした。切片は、イメージングに先だって、冷凍庫で乾燥させた(dessicate)。
【0250】
オートラジオグラフィーイメージングのために、テープで取り付けた薄切片を凍結乾燥させ、放射性サンプルを7日間にわたりホスフォイメージャー(phophoimager)に曝露した。これらのプレートを発色させて、各臓器からのシグナル(濃度計測)を、各動物の心臓の血液中に見られるシグナルに対して正規化した。その組織中の血液から予測されるシグナルよりも暗い、組織中のシグナルは、領域、組織、構造または細胞における蓄積を示唆する。
【0251】
図22は、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の5分後における、マウスの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図22Aは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の5分後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図22Bは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の5分後における、
図22Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図22Cは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の5分後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図22Dは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の5分後における、
図22Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図22Eは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識投与の5分後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図22Fは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の5分後における、
図22Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図22Gは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の5分後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図22Hは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の5分後における、
図22Gに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0252】
図23は、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の30分後における、マウスの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図23Aは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の30分後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図23Bは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の30分後における、
図23Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図23Cは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の30分後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図23Dは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の30分後における、
図23Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図23Eは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の30分後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図23Fは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の30分後における、
図23Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0253】
図24は、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の1時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図24Aは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の1時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図24Bは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の1時間後における、
図24Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図24Cは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の1時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図24Dは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の1時間後における、
図24Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図24Eは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の1時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図24Fは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の1時間後における、
図24Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図24Gは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の1時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図24Hは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の1時間後における、
図24Gに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0254】
図25は、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図25Aは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図25Bは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図25Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図56Cは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図25Dは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図25Cに示される切片に対応する、マウスの異なる凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図25Eは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0255】
図26は、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図26Aは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図26Bは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図26Aに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図26Cは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図26Dは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図26Cに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図26Eは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図26Fは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図26Eに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0256】
図27は、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の8時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図27Aは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の8時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図27Bは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の8時間後における、
図27Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図27Cは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の8時間後における、マウスの異なる凍結切片の画像を示す。
図27Dは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の8時間後における、
図27Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図27Eは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の8時間後における、マウスの異なる凍結切片の画像を示す。
図27Fは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の8時間後における、
図27Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図27Gは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の8時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図27Hは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の8時間後における、
図27Gに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0257】
図28は、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図28Aは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図28Bは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図28Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図28Cは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図28Dは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図28Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図28Eは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図28Fは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図28Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0258】
図29は、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の48時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図29Aは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の48時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図29Bは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の48時間後における、
図29Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図29Cは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の48時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図29Dは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の48時間後における、
図29Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図29Eは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の48時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図29Fは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の48時間後における、
図29Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図29Gは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の48時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図29Hは、100ナノモルの配列番号111の放射性標識ペプチド投与の48時間後における、
図29Gに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0259】
表5は、血液の百分率として、IVDおよび膝関節中の配列番号24および配列番号111の放射性標識ペプチドのシグナルを示す。ペプチドは5分以内に関節に到達してもよいので、ペプチドまたはコンジュゲートされた活性薬剤からの治療効果が迅速に始まってもよい。48時間で検出された薬剤の継続的な存在のためにおよび/または長期間持続する薬物動力学効果のために、治療効果は長期間持続し得る。
【0260】
【表18】
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【0261】
配列番号111の放射性標識ペプチドは、全ての時点(5分間〜48時間)で椎間板(IVD)および滑膜関節中で観察される。 IVD中のシグナル対背景比は、24時間でピークに達した。膝関節中のシグナル対背景比は、8時間でピークに達した。IVD中のシグナルは、骨に隣接する軟骨の周辺から、内側に進行することが観察された。
【0262】
図30は、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図30Aは、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図30Bは、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図30Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図30Cは、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図30Dは、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図30Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図30Eは、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図30Fは、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図30Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0263】
図31は、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図31Aは、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図31Bは、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図31Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図31Cは、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図31Dは、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図31Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図31Eは、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図31Fは、100ナノモルの配列番号109の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図31Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0264】
図32は、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図32Aは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図32Bは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図32Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図32Cは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図32Dは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図32Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図32Eは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図32Fは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図32Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図32Gは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図32Hは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図32Gに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0265】
図33は、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図33Aは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図33Bは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図33Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図33Cは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図33Dは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図33Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図33Eは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図33Fは、100ナノモルの配列番号110の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図33Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0266】
図34は、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図34Aは、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図34Bは、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図34Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図34Cは、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図34Dは、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図34Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図34Eは、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図34Fは、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図34Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0267】
図35は、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図35Aは、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図35Bは、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図35Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図35Cは、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図35Dは、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図35Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図35Eは、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図35Fは、100ナノモルの配列番号114の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図35Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0268】
図36は、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図36Aは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図36Bは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図36Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図36Cは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図36Dは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図36Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図36Eは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図36Fは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図36Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0269】
図37は、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図37Aは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図37Bは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図37Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図37Cは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図37Dは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図37Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図37Eは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図37Fは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図37Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図37Gは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図37Hは、100ナノモルの配列番号200の放射性標識ペプチド投与の24時間後における、
図37Gに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0270】
表6は、血液中のシグナルの百分率として、配列番号109、配列番号110、配列番号114、および配列番号200の放射性標識ペプチドの滑膜関節中のシグナルを示す。
【0271】
【表19】
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【0272】
表7は、椎間板(IVD)中における、配列番号109、配列番号110、配列番号114、および配列番号200の放射性標識ペプチドのシグナルを示す。
【0273】
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【0274】
配列番号109、配列番号110、配列番号114、および配列番号200のペプチドシグナルは、全て軟骨中でシグナルを示し、軟骨ホーミング特性を示した。表6および表7に示される全てのペプチドは、その中で全てのリジン(K)残基がアルギニン(R)残基に変異した、本開示のその他のペプチドの変異型であった。配列番号109のペプチドは、配列番号22のペプチドのKからR変異型であり、配列番号110のペプチドは、配列番号23のペプチドのKからR変異型であり、配列番号114のペプチドは、配列番号27のペプチドのKからR変異型であり、配列番号200のペプチドは、配列番号86のペプチドのKからR変異型である。これらのデータは、軟骨ホーミングペプチドのKからR変異型が、軟骨ホーミング特性を維持することを示す。配列番号109、配列番号110、配列番号114および配列番号200の放射標識ペプチドシグナルは、放射性標識ペプチド投与の3時間後において、IVDおよび関節軟骨中の蓄積を示した。配列番号109および配列番号200からの放射標識ペプチドシグナルは、3〜24時間にわたり、IVDおよび関節軟骨中で維持されまたは増加した。配列番号110からの放射性標識ペプチドシグナルは、3〜24時間にわたり、IVDおよび関節軟骨中で減少した。配列番号114の放射性標識ペプチドは滞留時間の短縮を示し、シグナルは24時間目に検出限界に近かった。配列番号110もまた、24時間目に関節およびIVD軟骨に存在した。配列番号109が、軟骨中で最も高いシグナル示し、配列番号200、配列番号110、次に配列番号114がそれに続いた。3時間および24時間目における、血液の百分率としての滑膜関節中の配列番号111のペプチドのシグナル(表5)は、強度において配列番号200と配列番号110のペプチド(表6)の間に格付けされた。3時間および24時間目における、血液の百分率としてのIVD中の配列番号111のペプチドのシグナル(表5)は、配列番号109、配列番号110、配列番号114、および配列番号200ペプチド(表7)のいずれよりも高かった。
【0275】
図38は、100ナノモルの配列番号195(GSNFKVEGACSKPCRKYCIDKGARNGKCINGRCHCYY)の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図38は、100ナノモルの配列番号195の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図38Bは、100ナノモルの配列番号195の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図38Aに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図38Cは、100ナノモルの配列番号195の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図38Dは、100ナノモルの配列番号195の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図38Cに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0276】
図39は、100ナノモルの配列番号196の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図39Aは、100ナノモルの配列番号196の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図39Bは、100ナノモルの配列番号196の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図39Aに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図39Cは、100ナノモルの配列番号196の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図39Dは、100ナノモルの配列番号196の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図39Cに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0277】
図40は、100ナノモルの配列番号197(GSDRDSCIDKSRCSKYGYYQECQDCCKKAGHNGGTCMFFKCKCA)の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図40Aは、100ナノモルの配列番号197の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図40Bは、100ナノモルの配列番号197の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図40Aに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図40Cは、100ナノモルの配列番号197の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図40Dは、100ナノモルの配列番号197の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図40Cに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0278】
図41は、100ナノモルの配列番号198の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図41Aは、100ナノモルの配列番号198の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図41Bは、100ナノモルの配列番号198の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図41Aに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図41Cは、100ナノモルの配列番号198の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図41Dは、100ナノモルの配列番号198の放射性標識ペプチド投与の3時間後における、
図41Cに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0279】
配列番号434は、ペプチドとセリン残基とのジスルフィド結合を形成するシステイン残基は変異消去されるが、配列の残りの部分は維持することによって、ペプチドのノットスキャフォールドが除去された、配列番号111の直線化バージョンである。
図42は、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図42Aは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図42Bは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の24時間後における、
図42Aに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図42Cは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図42Dは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、
図42Cに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図42Eは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図42Fは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、
図42Eに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図42Gは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、結索腎臓を有するマウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図42Hは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、
図42Gに示される切片に対応する、結索腎臓を有するマウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0280】
図43は、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図43Aは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図43Bは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、
図43Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図43Cは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図43Dは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、
図43Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図43Eは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図43Fは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、
図43Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図43Gは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図43Hは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の3時間後における、
図43Gに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0281】
図44は、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の24時間後における、マウスからの凍結切片の白色光画像および対応するオートラジオグラフィー画像を示す。
図44Aは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の24時間後における、マウスの凍結切片の白色光画像を示す。
図44Bは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の24時間後における、
図44Aに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図44Cは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図44Dは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の24時間後における、
図44Cに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図44Eは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の画像を示す。
図44Fは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の24時間後における、
図44Eに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
図44Gは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の24時間後における、マウスの異なる凍結切片の白色光画像を示す。
図44Hは、100ナノモルの配列番号434の放射性標識直線化ペプチド投与の24時間後における、
図44Gに示される切片に対応する、マウスの凍結切片中の
14Cシグナルを示す。
14Cシグナルは、マウスの軟骨中の放射標識ペプチド分布を同定する。
【0282】
表8は、血液中シグナルの百分率として、直線化放射性標識配列番号434ペプチドからの椎間板(IVD)中のシグナルの定量化を示す。
【0283】
【表21】
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【0284】
配列番号111ペプチドの直線化バージョンである配列番号434のペプチドは、折り畳まれたノットペプチド(配列番号111)よりもはるかに低い程度で、軟骨にホーミングした。配列番号111の折り畳まれたノットペプチドのシグナルは、配列番号434の直線化ペプチド(表8)と比較して、3時間目に約20倍高く、24時間目に約50倍高かった(表5)。これらの結果は、軟骨へのホーミングが、一次配列またはペプチドの電荷の変化に加えて、立体配座、または三次構造の変化にも関連し得ることを示す。すなわち、場合によっては、折り畳まれたノッチンペプチドは、(変異システイン残基を除き)同じ一次配列の折り畳まれていない線状化ペプチドと比較して、例示的な軟骨ホーミング体であり得る。
【0285】
実施例22
ブデソニドペプチドコンジュゲート
本実施例は、本開示のペプチドのブデソニドへのコンジュゲーションを記載する。ブデソニドは、ジカルボン酸リンカーを介して、本明細書で開示される任意のペプチドに、容易にコンジュゲートされる。ジカルボン酸リンカーは、コハク酸などの直鎖状ジカルボン酸であり、または無水コハク酸などの関連環式酸無水物である。無水物との反応は、単純な条件下で進行し得る。例えば、ブデソニドと5モル濃度当量のグルタル酸無水物との反応は、室温において無水ピリジン中で実施される。ジカルボン酸との反応は、標準的なカルボジイミド共役法を用いて実施し得る。例えば、ブデソニドを1モル当量のジメチルコハク酸酸、1モル当量の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(または別のカルボジイミド)、および0.2モル濃度当量の40−ジメチルアミノピリジンと反応させる。
【0286】
実施例16に記載したのと同じ方法を用いて、ペプチド−ブデソニドコンジュゲートの加水分解速度を調節し、早期切断を防止して、大部分のペプチド−ブデソニドコンジュゲートが軟骨に蓄積することを確実にする。
【0287】
標準的なカップリング試薬化学を使用して、ブデソニドを本開示のペプチドに共役させることにより、ペプチド−ブデソニドコンジュゲートを調製する。ブデソニドのNHSコハク酸エステルを製造するためのプロトコルは、実施例15に記載されるようなデキサメタゾンのものと同様である。ペプチド−ブデソニドコンジュゲートのN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを作製して、後でアミン含有担体と反応させるための常温保存可能な中間体を形成する。
【0288】
ノッチンペプチドは、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216配列番号237〜配列番号410、配列番号412、または配列番号414〜配列番号432から選択される配列の任意のペプチドであり得る。
【0289】
実施例23
ペプチド電荷および軟骨ホーミング
本実施例は、本開示のペプチドの電荷、そしてそれがどのように軟骨ホーミングと相関するかを記載する。表9は、本開示のペプチドにおける、Expasy pIおよびMYpIをはじめとする様々な方法によって計算された、リジンの数、およびpIを示す。pIは等電点を指し、ペプチドの正味電荷がゼロになるpHである。
【0290】
【表22】
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【0291】
図45は、計算されたExpasy pIに対してプロットされた、本開示の様々なペプチドの軟骨ホーミングを示す。(Bjellqvist et al.Electrophoresis.14(10):1023−31(1993)およびBjellqvist et al.Electrophoresis.15(3−4):529−39(1994)に記載されるように計算された)。y軸C:B比は、軟骨対血液比を示す。
図46は、R実装を用いて計算されたSillero pIに対してプロットされた、本開示の様々なペプチドの軟骨ホーミングを示す。(Sillero et al.Comput Biol Med.36(2):157−66(2006)、およびRice et al.Trends Genet.16(6):276−7(2000)に記載されるように計算された)。これらの図は、ExpasyまたはSillero法による〜8.5〜9.5の範囲のpIを有するペプチドが、軟骨のホーミングに望ましくあり得ることを示す。
【0292】
ポアソン・ボルツマン分布を用いた構造ベースの3Dモデル化アプローチもまた採用して、本開示の様々なペプチドのpIを同定した。このアプローチは、表10で要約したような、折り畳まれていない状態のペプチドの生物学的pH(pH7)における電荷と、全体的pIとを同定した。確認された軟骨ホーミング体の3D構造は、X線結晶学によって判定し、または様々な相同体ベースのアプローチを用いてモデル化した。構造は、PDB2PQRパッケージ(1)および適応型ポアソン・ボルツマン(Posisson−Boltzmann)ソルバーソフトウェアパッケージ(2)を用いて分析した。これらの構造は
図2に示され、そこではそれらは静電気表面として描画される(Dolinsky et al.Nucleic Acids Res Jul;35(Web Server issue):W522−45(2007)、およびBaker et al.Proc.Natl Acad Sci USA.98(18):10037−41(2001)もまた参照されたい)。
【0293】
【表23】
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【0294】
実施例24
軟骨ホーミングペプチドの構造および静電気
本実施例は、本開示の軟骨ホーミングペプチドの構造的特徴および静電気を記載する。複数の軟骨ホーミング候補(例えば、配列番号23、配列番号24、配列番号27、および配列番号28)の一次配列および予測された三次構造の解析は、生物学的機能を維持するために重要であってもよい、それらの構造の興味深い側面を明らかにした。いくつかの軟骨ホーミング候補は、本明細書で「ヒッチン」として同定された構造クラスに分類された。
図47は、ジスルフィド結合性がC1−C4、C2−C5、およびC3−C6と標識される、軟骨ホーミングペプチドの「ヒッチン」クラスのトポロジーを描写する。配列番号24、配列番号23、配列番号27、および配列番号28のペプチドは、「ヒッチン」クラスの軟骨ホーミングペプチドの例である。この情報は、一次配列同一性または類似性(similarly)および/または構造相同性のどちらかに基づく、軟骨ホーミングタンパク質の潜在的な同定または予測を可能にした。軟骨にホーミングすることが判明した「ヒッチン」ペプチドに加えて、配列番号22および配列番号205のペプチドなどのその他のペプチドが軟骨にホーミングし、カルシンとして知られている小型タンパク質のクラスに属する。データは、このカルシンファミリーのメンバーが、別個の三次構造を有するにもかかわらず、軟骨にホーミングしてもよいことを示唆する。このファミリーの関連するメンバーとしては、配列番号202〜配列番号205および配列番号22のペプチドが挙げられ、また軟骨にホーミングしてもよい。このファミリーのメンバーはまた、イオンチャネルおよびリアノジン受容体などの軟骨中の細胞内標的を調節できてもよい。
【0295】
さらなる構造解析に際して、軟骨ホーミングタンパク質の多くは、
図48に示すように、溶媒接触可能表面領域の大部分を占める正電荷の連続表面を有することが確認された。この機能を維持するためには、タンパク質表面の正電荷残基の位置およびそれらの局在化が重要であり得る。
【0296】
実施例24に示すように、「ヒッチン」またはカルシントポロジーを共有し、正の表面電荷の大きな連続領域を有し、および/または他の軟骨ホーミングペプチドと同様のpI値を有する他のペプチドもまた、軟骨にホーミングすると予測されてもよい。例えば、場合によってはこれらとしては、配列番号72〜配列番号75、配列番号206、配列番号208〜配列番号213、配列番号288〜配列番号291、配列番号422、または配列番号424〜配列番号429のペプチドが挙げられる。
【0297】
図49は、異なる緩衝液条件における、配列番号24および配列番号111のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図49Aは、PBS中の配列番号24のペプチドのHPLCトレースを示す。
図49Bは、PBS中のDTT中の配列番号24のペプチドのHPLCトレースを示す。
図49Cは、PBS中の50Uのトリプシンおよび1mg/mlの阻害剤中の配列番号24のペプチドのHPLCトレースを示す。
図49Dは、PBS中の50Uのトリプシン、1mg/mlの阻害剤、およびDTT中の配列番号24のペプチドのHPLCトレースを示す。
図49Eは、PBS中の配列番号111のペプチドのHPLCトレースを示す。
図49Fは、PBS中のDTT中の配列番号111のペプチドのHPLCトレースを示す。
図49Gは、PBS中の50Uのトリプシンおよび1mg/mlの阻害剤中の配列番号111のペプチドのHPLCトレースを示す。
図49Hは、PBS中の50Uのトリプシン、1mg/mlの阻害剤、およびDTT中の配列番号111のペプチドのHPLCトレースを示す。
【0298】
図71は、還元剤、プロテイナーゼ、および/または人工胃液条件への曝露後における、2つのペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図71Aは、PBS中でインキュベートされた、配列番号24のペプチドのHPLCトレースを示す。
図71Bは、PBS中のDTT中でインキュベートされた、配列番号24のペプチドのHPLCトレースを示す。
図71Cは、人工胃液(SGF)中でインキュベートされた、配列番号24のペプチドのHPLCトレースを示す。
図71Dは、SGF中の500Uペプシン中でインキュベートされた、配列番号24のペプチドのHPLCトレースを示す。
図71Eは、SGF中の500Uペプシン、0.5Mトリス、およびDTT中でインキュベートされた、配列番号24のペプチドのHPLCトレーストレースを示す。
図71Fは、PBS中でインキュベートされた、配列番号111のペプチドのHPLCトレースを示す。
図71Gは、PBS中のDTT中でインキュベートされた、配列番号111のペプチドのHPLCトレースを示す。
図71Hは、人工胃液(SGF)中でインキュベートされた、配列番号111のペプチドのHPLCトレースを示す。
図71Iは、SGF中の500Uペプシン中でインキュベートされた、配列番号111のペプチドのHPLCトレースを示す。
図71Jは、SGF中の500Uペプシン、0.5Mトリス、およびDTT中でインキュベートされた、配列番号111のペプチドのHPLCトレーストレースを示す。
【0299】
図72は、酸化的、還元的、および酸性条件をはじめとする一連の条件への曝露後における、ならびにプロテイナーゼへの曝露後における、配列番号111および配列番号434のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。配列番号434のペプチドは、配列番号111のノッチンペプチドの直線化バージョンである。配列番号434のペプチドは、配列番号111のノッチンペプチドと同じアミノ酸配列を有するが、全てのシステインがセリンに変異している。
図72Aは、還元条件および酸性条件下における、配列番号111のペプチドのHPLCトレースを示す。
図72Bは、500Uペプシン中の10mMのDTT、500Uペプシン、50Uトリプシン中の10mMのDTT、および50Uトリプシンをはじめとする、還元剤とプロテアーゼの様々な組み合わせの下における、配列番号111ペプチドのHPLCトレースを示す。
図72A〜Bは、配列番号111のペプチドが、pH1で、還元剤、トリプシン、およびペプシンに対する強い分解抵抗性を示すことを示す。
図72Cは、500Uペプシン、50Uトリプシン、pH1.05の人工胃液(SGF)中の非還元(NR、酸化条件)、およびNRをはじめとする、様々なプロテアーゼ条件下における、配列番号434のペプチドのHPLCトレースを示す。
図72Cは、これらの様々な条件において、直線化ペプチドがより分解され易いことを示す。これらのデータは、配列番号112のペプチド中のシステイン残基によって提供されるノッチン構造が、安定性を提供する重要要素であることを示す。
【0300】
既知の軟骨ホーミングペプチドの構造もまた、NCBI BLASTを使用して、主要パラメータを系統的に変化させ、軟骨ホーミング特性を有すると予測される相同配列を同定するために使用した。全体的な配列同一性百分率の設定、ジスルフィド架橋の保存のためのシステインの保存、および正および/または負荷電残基の保存をはじめとする、NCBI BLASTにおける3つの基準を調節して、潜在的な新規配列を同定した。配列番号208〜配列番号213のペプチドは、配列番号24に対して相同的であると同定され、軟骨ホーミング特性を有すると予測される。
【0301】
実施例25
軟骨細胞内のペプチド局在
本実施例は、非損傷腎臓を有する動物における、軟骨内の軟骨細胞への本開示のペプチドの結合を例示する。一実施形態では、実施例20および実施例21に記載したように、動物に投与して処理する。動物全身矢状切片を調製し、染色およびイメージングに利用できる薄い凍結切片をもたらす。投与期間の終了時に動物を安楽死させ、染色および画像診断法で使用するために、軟骨を除去する。標準的な染色技術を用いて、薄い凍結切片または生軟骨外植片中で、以下の軟骨成分の1つまたは複数を同定する:コラーゲン原線維、グリコサミノグリカン、または軟骨細胞。本開示のペプチドは、軟骨中の軟骨細胞に局在することが見いだされる。局在性は、顕微鏡検査で視覚化して確認する。
【0302】
別の実施形態では、本開示のペプチドまたはペプチド−薬物コンジュゲートは、ヒトに投与されて、軟骨中の軟骨細胞に局在化する。
【0303】
実施例26
軟骨細胞外マトリックス中のペプチド局在
本実施例は、軟骨細胞外マトリックス中の本開示のペプチドの局在化を例示する。本開示のペプチドは、非損傷腎臓を有する動物において、軟骨内の細胞外マトリックスに結合する。実施例25に記載するように、薄い凍結切片または生軟骨外植片を取得し、染色して、視覚化する。本開示のペプチドは、軟骨中で細胞外マトリックスに局在することが見いだされる。局在性は、顕微鏡検査で視覚化して確認する。
【0304】
別の実施形態では、本開示のペプチドまたはペプチド−薬物コンジュゲートは、ヒトに投与されて、軟骨細胞外マトリックスに局在化する。
【0305】
実施例27
軟骨外植片へのペプチド結合
本実施例は、培養物中でヒトおよび動物の軟骨外植片に結合する、本開示のペプチドまたはペプチドコンジュゲーションを例示する。ペプチドは、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216、配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432の任意の1つのペプチドから選択される。ペプチドを組換え的に発現しまたは化学的に合成して、放射性標識後に、またはフルオロフォアまたは治療用化合物へのコンジュゲーション後に、直接使用する。本開示のペプチドコンジュゲートのペプチドをヒトまたは動物に由来する軟骨外植片と共にインキュベートする。ペプチドコンジュゲートのペプチドは、軟骨外植片に結合することが見いだされる。結合は、液体シンチレーション計数、共焦点顕微鏡検査、免疫組織化学検査、HPLC、またはLC/MSをはじめとするが、これに限定されない様々な方法を用いて確認する。
【0306】
実施例28
関節炎関節へのペプチドホーミング
本実施例は、関節炎を有するヒトまたは動物における、軟骨へのペプチドホーミングを例示する。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成して、放射性標識後に、またはフルオロフォアまたは治療用化合物へのコンジュゲーション後に、直接使用する。ペプチドは、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216、配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432の任意の1つのペプチドから選択される。ペプチドまたはペプチドコンジュゲートをヒトまたは動物に、皮下、静脈内、または経口投与し、または関節に直接注射する。ペプチドまたはペプチドコンジュゲートは、軟骨にホーミングする。
【0307】
実施例29
非ヒト動物における軟骨へのペプチドホーミング
本実施例は、非ヒト動物における、軟骨にホーミングする本開示のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを例示する。非ヒト動物としては、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、およびその他の非ヒト動物が挙げられるが、これに限定されるものではない。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成して、放射性標識後に、またはフルオロフォアまたは治療用化合物へのコンジュゲーション後に、直接使用する。ペプチドは、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216、配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432の任意の1つのペプチドから選択される。得られたペプチドまたはペプチドコンジュゲートを非ヒト動物に、皮下、静脈内、または経口投与し、または関節に直接注射する。生体内分布は、LC/MS、オートラジオグラフィー、陽電子放出断層撮影(PET)、または蛍光イメージングによって評価する。ペプチドまたはペプチドコンジュゲートは、非ヒト動物において軟骨にホーミングする。
【0308】
実施例30
軟骨肉腫の治療
本実施例は、本開示のペプチドを使用した軟骨肉腫の治療を例示する。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成させて、放射性標識後に、またはフルオロフォアへのまたはパクリタキセルまたはモノメチルオーリスタチンEなどの治療用化合物へのコンジュゲーション後に、直接使用する。ペプチドまたはペプチドコンジュゲートを軟骨肉腫の治療薬として、医薬組成物中で対象に投与する。ペプチドは、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216、配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432の任意の1つのペプチドから選択される。本開示の1つまたは複数のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを対象に投与する。対象は、ヒトまたは動物であり得る。医薬組成物を皮下、静脈内、経口投与し、または関節に直接注射する。ペプチドまたはペプチドコンジュゲートは、軟骨肉腫に罹患した軟骨を標的化する。
【0309】
実施例31
改善されたペプチド変異型を判定する方法
本実施例は、スキャフォールドペプチドの一次配列および三次構造を比較および分析することによって、ペプチド変異型を改善する方法を判定する方法を示す。
図50A〜
図50Cは、配列番号
239と整列させた配列番号
486、配列番号
487と整列させた配列番号
486、および配列番号
422と整列させた配列番号
486の配列を示す。2つのスキャフォールドの配列アラインメントを用いて、軟骨のホーミングに重要であってもよい、保存された正電荷残基(ボックス内に示される)を同定した。配列番号
422のペプチドは軟骨にホーミングし、類似位置の正電荷残基または類似位置のシステインを有するその他のペプチドもまた、軟骨にホーミングすると予測される。
【0310】
サソリ由来の多くの軟骨ホーミングペプチドは、Kvイオンチャネルを調節すると予測される。
図51は、配列番号
423と整列させた配列番号
243の配列を示す。2つのスキャフォールドの配列アライメントを用いて、Kvイオンチャネル(配列番号
423のK27およびY36)との相互作用に関与してもよい塩基性/芳香族のダイアドを同定した。K27からアラニン、アルギニンまたはグルタミン酸への変異は、イカKv1Aイオンチャネルに対する活性を破壊した。K27およびY36は、ホーミングを維持または改善するために、軟骨中の滞留時間を維持または改善するために、またはKvなどのイオンチャネルの調節を維持または改善するために、維持すること、または本開示の軟骨ホーミングペプチドに付加することが望ましくあってもよい。対照的に、K37および36は、Kvのなどのイオンチャネルとの相互作用を減少させるために、軟骨ホーミングペプチドから変異欠失することが望ましくあってもよい。塩基性残基または芳香族残基のどちらかの破壊は、イオンチャネル活性を排除する。別の例では、Dアミノ酸が結合を低減または排除すると予測される。
【0311】
実施例32
ペプチド−Fcタンパク質融合体
本実施例は、ペプチド−Fcタンパク質融合体の作製および使用を例示する。配列番号111のペプチドをHEK293細胞中のヒトIgG1 Fcタンパク質の配列で組換え発現させて、配列番号435
【化3】
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の配列を得た。
【0312】
本開示の任意のペプチドの配列は、分泌シグナル配列をN末端に、Fc配列をC末端に付加することにより、マウスまたはヒトFcのどちらかとの融合タンパク質として発現される。これにより、分泌特性が改善された二価分子が生じる。より大型のペプチド−Fc融合体は、様々な哺乳動物または昆虫細胞株において発現され、研究試薬および治療薬として有用である。
【0313】
配列番号111のペプチドに対するFc融合は、配列番号435の配列をもたらし、半減期を延長し、ペプチドの軟骨への生体内分布を改善する。本開示の任意のペプチドは、Fcタンパク質と同時発現されて、より長い半減期および軟骨への改善されたホーミングを有するFc融合ペプチドを生じる。配列番号435中出は、分泌シグナル配列METDTLLLWVLLLWVPGSTG
(配列番号485)の後に配列番号111のペプチドが続き、Fcタンパク質の配列がそれに続く。切断は不正確であり得て、配列番号435の位置20または位置21で切断をもたらす。
【0314】
実施例33
脊索腫の治療
本実施例は、本開示のペプチドを使用した脊索腫の治療を例示する。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成させて、放射性標識後に、またはフルオロフォアへのまたはパクリタキセルまたはモノメチルオーリスタチンEなどの治療用化合物へのコンジュゲーション後に、直接使用する。ペプチドまたはペプチドコンジュゲートを軟骨肉腫の治療薬として、医薬組成物中で対象に投与する。ペプチドは、配列番号21〜配列番号194、配列番号196、配列番号198〜配列番号216、配列番号237〜配列番号410、配列番号412、配列番号414〜配列番号432の任意の1つのペプチドから選択される。本開示の1つまたは複数のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを対象に投与する。対象は、ヒトまたは動物であり得る。医薬組成物を皮下、静脈内、経口投与し、または関節に直接注射する。ペプチドまたはペプチドコンジュゲートは、脊索腫に罹患した軟骨を標的化する。
【0315】
実施例34
ペプチド検出可能剤コンジュゲート
本実施例は、ペプチドの色素標識を記載する。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成して、次に、DCCまたはEDCを用いて、ペプチドのN末端がNHSエステルを介して検出可能剤にコンジュゲートさせ、ペプチド−検出可能剤コンジュゲートを作製する。検出可能剤は、Cy5.5などのシアニン色素などのフルオロフォア色素、またはAlexa647などのAlexaフルオロフォアである。
【0316】
ペプチド検出可能剤コンジュゲートを対象に投与する。対象は、ヒトまたは非ヒト動物であり得る。投与後に、ペプチド検出可能剤コンジュゲートは軟骨にホーミングする。対象、または対象からの生検は画像化して、ペプチド検出可能剤コンジュゲートの軟骨への局在性を視覚化し得る。いくつかの態様では、投与後における軟骨中のペプチド検出可能剤コンジュゲートの可視化は、関節炎、軟骨障害、または何らかの軟骨障害の診断をもたらす。
【0317】
実施例35
切断可能リンカーを有するペプチドコンジュゲート
本実施例は、切断可能リンカーを有するノッチンペプチドコンジュゲートの調製物を記載する。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成する。標準1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)またはジシクロヘキシルカルボジイミド(dicylcohexylcarbodiimide)(DCC)ベースの化学反応、または塩化チオニルまたは亜リン酸塩化物ベースの生体バイオコンジュゲーション化学反応を用いて、ペプチドをエステル結合などの切断可能リンカーを介して、検出可能薬剤または活性薬剤にコンジュゲートする。リンカーは、エステラーゼ、MMP、カテプシンB、プロテアーゼ、またはトロンビンによって切断される。
【0318】
得られたペプチドコンジュゲートをヒトまたは動物に、皮下、静脈内、経口投与し、または関節に直接注射して疾患を治療する。ペプチドは、消化のみによって、切断剤によって、検出可能薬剤または活性薬剤から切断される。
【0319】
実施例36
ペプチドおよびペプチドコンジュゲートの関節内投与
本実施例は、本開示のペプチドまたはペプチドコンジュゲートの関節内投与を例示する。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成する。場合によっては、ペプチドを検出可能薬剤または活性薬剤に、引き続いてコンジュゲートする。ペプチドまたはペプチドコンジュゲートを、関節内投与を通じて、それを必要とする対象に投与する。ペプチドまたはペプチドコンジュゲートの小さなサイズのために、およびペプチドまたはペプチドコンジュゲートによる軟骨成分の結合のために、ペプチドまたはペプチドコンジュゲートは軟骨に浸透する。ペプチドまたはペプチドコンジュゲートは、軟骨に結合し、軟骨中の滞留時間は、この結合のためにより長い。必要に応じて、注射された材料は凝集、結晶化、または複合体形成し、デポー効果をさらに延長して、より長い滞留時間に寄与する。
【0320】
実施例37
迅速な疼痛緩和のための治療
本実施例は、本開示のペプチドまたはペプチドコンジュゲートを用いて、関節リウマチまたは変形性関節症が治療された患者における、迅速な疼痛緩和を例示する。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成し、次に、ペプチドのN末端を、NHSエステルを介して活性薬剤にコンジュゲートさせ、ペプチド−活性薬剤コンジュゲートを作製する。いくつかの態様では、活性薬剤は、リドカインである。場合によっては、ペプチドのみを対象に投与する。
【0321】
ペプチドまたはペプチド−活性薬剤コンジュゲートを、それを必要とする対象に投与する。対象は、ヒトまたは非ヒト動物である。それを必要とする対象は、関節リウマチまたは変形性関節症を有する。ペプチドまたはペプチドコンジュゲートを、静脈内を通じて送達する。投与時に、ペプチドまたはペプチドコンジュゲートは、軟骨に迅速にホーミングする。被験者は、5分から1時間以内に迅速な疼痛緩和鎮痛を経験し、疼痛緩和(pain relieve)は3時間を超えて持続し得る。
【0322】
実施例38
安定なペプチドを生成するための残基の選択的変異
本実施例は、製造または貯蔵中の安定性の向上など、安定性を高めたペプチドを製造するための残基の選択的変異を例示する。本開示のペプチドを組換え的に発現させまたは化学的に合成する。Met残基をバリン、Ala、LeuまたはIleに変異させ、酸化を防止する。Asn−Pro配列を任意のその他の残基(システイン以外)に変異させ、切断反応を回避する。Asn−GlyまたはAsn−Ser、および/またはAsn−Proを任意のその他の残基(システイン以外)で置換して、脱アミドを低減する。Asp−Gly、Asp−Ser、またはAsp−Proを任意のその他の残基(システイン以外)で置換して、切断反応を低減する。
【0323】
本開示のペプチドの一次配列中の上記変異は、製造中、貯蔵中、そしてそれを必要とする対象への投与後における、ペプチド安定性を向上させる。
【0324】
実施例39
ペプシン消化抵抗性ペプチド
本実施例は、ペプシン抵抗性ペプチドを示す。配列番号24ペプチドおよび配列番号111のペプチドを、500μlのddH
2Oで、2mg/mlの原液濃度に懸濁した。人工胃液(pH1.05)中の12.5μgペプチドおよび20μgペプシンを使用して反応物を調製し、37.5℃で30分間インキュベートした。100mMのトリス塩基および10mMのジチオスレイトール(DTT)の最終濃度で、反応をクエンチした。C−18 Poroshell 120Bカラムを装着したAgilent 1260 HPLCを用いて、逆相HPLC(RP−HPLC)をサンプルに実行した。サンプルは、溶媒A(0.1%TFA添加水)および溶媒B(0.1%TFA添加アセトニトリル)の移動相を用いる勾配法によって分析した。溶媒Bを、移動相の5%から45%に、10分間かけて上昇させた。ペプチドは、214nmおよび280nmの吸光度で検出した。
【0325】
図52は、SPTD、pH1.05の人工胃液(SGF)および20μgのペプシン(P)、SGF、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号24のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図53は、SPTD、pH1.05の人工胃液(SGF)および20μgのペプシン(P)、SGF、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号111のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図52は、配列番号24の無傷ペプチドであることが判明した6.5分前後のピーク溶出を示し、1.5分前後のピーク溶出はDTT、2.5分前後のピーク溶出は酸化DTTであった。無傷ペプチドピークは、DTT溶液、SGF溶液、SGFおよびP溶液、およびSPTD溶液中で観察されたことから、配列番号24のペプチドは、分解に強い抵抗性を示すと判定された。配列番号111のペプチドを示す
図53もまた、試験した様々な条件において同様に高度に耐性であることが判明した。
【0326】
実施例40
トリプシン消化抵抗性ペプチド
本実施例は、トリプシン消化抵抗性ペプチドを示す。様々なペプチドを500μlのddH
2Oで、2mg/mlの原液濃度に懸濁した。25mMトリス/75mM NaCl緩衝液(pH7.0)中の12.5μgのペプチドおよび5μgのトリプシンを使用して反応物を調製し、37.5°Cで30分間インキュベートした。5μgの大豆トリプシンインヒビターおよび10mMジチオスレイトール(DTT)で、反応物をクエンチしたC−18 Poroshell 120Bカラムを装着したAgilent 1260 HPLCを用いて、逆相HPLC(RP−HPLC)をサンプルに実行した。サンプルは、溶媒A(0.1%TFA添加水)および溶媒B(0.1%TFA添加アセトニトリル)の移動相を用いる勾配法によって分析した。溶媒Bを、移動相の5%から45%に、10分間かけて上昇させた。
【0327】
図54は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件(出発ペプチド、DTT、T、またはIによる処理なし)をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号483のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。DTTは、1.5分付近および2.5分付近(還元型および酸化型)で溶出され、NRトレースは、無傷ペプチドが8.75分付近で溶出されたことを示す。DTT溶液中のペプチドを示すトレースは、8.75分に無傷ペプチド、いくらかの還元型ペプチドを10分付近で示し、この配列番号483のペプチドが、DTTよる還元にある程度抵抗性であることを示す。トリプシン添加ペプチドを示トレースは、無傷ペプチドおよび分解ペプチドを示し、この場合も配列番号483のペプチドが、トリプシンよる分解にある程度抵抗性であることを実証する。
図55は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号22のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図56は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号24のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図57は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号32のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
【0328】
図58は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号485のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図59は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号27のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図60は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号205のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図61は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号195のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図62は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号196のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
【0329】
図63は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号197のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図64は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号198のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図65は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号206のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
図66は、25mMのトリス、5μgの大豆トリプシンインヒビター、および10mMDTT(T、I、DTT)中の5μgのトリプシンのHPLCクロマトグラム;ならびに(T、I、DTT)、(T,I)、DTT、および非還元(NR)条件をはじめとする様々な溶液に懸濁された、12.5μgの配列番号111のペプチドのHPLCクロマトグラムを示す。
【0330】
実施例41
還元剤抵抗性ペプチド
本実施例は、還元剤抵抗性ペプチドを示す。いくつかのペプチドをで、500μlのddH
2Oで、2mg/mlの原液濃度に懸濁した。反応物は、原液からの12.5μgのペプチドをPBS中の10mMのDTT溶液に添加し、室温で30分間インキュベートして調製した。C−18 Poroshell 120Bカラムを装着したAgilent 1260 HPLCを用いて、RP−HPLCをサンプルに実行した。サンプルは、溶媒A(0.1%TFA添加水)および溶媒B(0.1%TFA添加アセトニトリル)の移動相を用いる勾配法によって分析した。溶媒Bを、移動相の5%から45%に、10分間かけて上昇させた。
【0331】
図67は、Thermo Orbi Classic(登録商標)質量分光計上における、様々なペプチドのHPLCクロマトグラム、および直接注入エレクトロスプレー質量分析(ES−MS)後における様々なペプチドの質量分析結果を示す。ペプチドをHPLCによって分画し、さらなるサンプル調製をせずに、CTCPAL(登録商標)オートサンプラーを用いて、5μlのサンプルを1mg/mlで質量分光計に注入した。代案としては、ペプチドが凍結乾燥粉末として提供される場合、サンプルを100%水に1mg/mlの濃度で溶解し、ES−MSへの注入に先だって、Millipore Ziptip C18(登録商標)カラムを使用してペプチドを脱塩した。5つの標準ペプチドの混合物の5pmolを使用して質量分光計を較正し、10ppm未満の誤差で高精度の質量測定を達成した。ペプチドジスルフィド結合形成の確認は、m/z同位体の分布および正確な電荷を分析することによって達成した。試験された全てのペプチドは、還元条件下および非還元条件下で示される。非還元条件下において同一滞留時間で溶出した一部または全部のペプチドを示すDTT還元後のペプチドトレースは、ペプチドがDTTよる還元に抵抗性であったことを示唆した。
図67Aは、配列番号483のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。9.5分付近のピークは、非還元条件下のペプチドであり、8.4分付近のピークは、還元されたペプチドを示す。
図67Bは、配列番号22のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。6.4分付近のピークは、非還元条件下のペプチドであり、5.4分付近のピークは、還元されたペプチドを示す。
図67Cは、配列番号24のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。ピークは、非還元条件下および還元条件のペプチドが重複していることを示す。
図67Dは、配列番号32のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。9.4分付近のピークは、非還元条件下のペプチドであり、9.0分付近のピークは、還元されたペプチドを示す。
図67Eは、配列番号485のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。9.4分付近のピークは、非還元条件下のペプチドであり、8.1分付近のピークは、還元されたペプチドを示す。
図67Fは、配列番号27のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。8.2分付近のピークは、非還元条件下のペプチドであり、5.4分付近のピークは、還元されたペプチドを示す。
図67Gは、配列番号205のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。6.6分付近のピークは、非還元条件下のペプチドであり、5.6分付近のピークは、還元されたペプチドを示す。
図67Hは、配列番号195のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。9.5分付近のピークは、非還元条件下のペプチドであり、8.4分付近のピークは、還元されたペプチドを示す。
図67Iは、配列番号196のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。ピークは、非還元条件下および還元条件のペプチドが重複していることを示す。
図67Jは、配列番号197のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。8.5分付近のピークは、非還元条件下のペプチドであり、7.7分付近のピークは、還元されたペプチドを示す。
図67Kは、配列番号198のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。9.7分付近のピークは、非還元条件下のペプチドであり、6.7分付近のピークは、還元されたペプチドを示す。
図67Lは、配列番号206のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。8.2分付近のピークは、非還元条件下のペプチドであり、7.2分付近のピークは、還元されたペプチドを示す。
図67Mは、配列番号111のペプチドのHPLCクロマトグラムおよび質量分析の結果を示す。ピークは、非還元条件下および還元条件のペプチドが完全に重複していることを示す。
【0332】
実施例42
ペプチドの静脈内および経口投与
本実施例は、経口投与後に消化管を通って糞便に至る、無傷ペプチドの通過をはじめとする、本開示のペプチドの静脈内および経口投与を記載する。6〜8週齢のメスハーラン胸腺欠損ヌードマウスに、配列番号24の放射性標識ペプチドを静脈内または経口投与した。配列番号24の放射性標識ペプチドを4.8μCi/20ナノモルの用量で静脈内(IV)投与した。配列番号24の放射性標識ペプチドを24μCi/100ナノモルの用量で経口投与した(PO)。様々な時点でマウスをCO
2窒息によって安楽死させ、血液、尿、および糞便をはじめとする生体液を採取した。尿は、CO
2窒息直前に、腹部動悸によって(be abdominal palpitation)採取した。血液は、CO
2窒息直後に心臓穿刺によって収集し、遠心分離して血漿を分離した。糞便は、CO
2窒息の前または後のどちらかに、結腸動悸によって採取した。HPLCによってサンプルを分析し、血漿、尿、および糞便中出回収された無傷ペプチドの濃度または用量を定量化した。HPLC分析では、最初に、尿サンプルを水で1:20の比率に希釈し、血漿サンプルを水で1:5の比率に希釈した。糞便サンプルは、トリス緩衝液に溶解し、遠心分離して不溶性画分を除去し、上清を水で1:1の比率に希釈した。
【0333】
表11は、研究デザインの要約を示す。
【0334】
【表24】
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【0335】
図68は、マウスへの投与後における、血漿中の配列番号24の放射性標識ペプチドの濃度を示す。
図68Aは、液体シンチレーション計数を用いて
14Cシグナルを測定することによって定量化された、20ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチドの静脈内(IV)投与後、および100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチドの経口(PO)投与後における、血漿中のペプチドの濃度を示す。
14Cの送達用量は、静脈内投与では4.8μCi、経口投与では24μCiであった。試験した時点には0.08、0.5、1、3、8、24、48時間が含まれ、各時点で3匹のマウスを試験した。
図68Bは、液体シンチレーション計数を用いて
14Cシグナルを測定することによって定量化された、20ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチドの静脈内(IV)投与後、および100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチドの経口(PO)投与後における、血漿中投与されたペプチド用量の回収パーセントを示す。
14Cの送達用量は、静脈内投与では4.8μCi、経口投与では24μCiであった。試験した時点には0.08、0.5、1、3、8、24、48時間が含まれ、各時点で3匹のマウスを試験した。
図68Cは、100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチドの胃管栄養法による経口投与後に、タンデムHPLCおよび液体シンチレーション計数によって測定された、血漿中のペプチドおよびペプチド断片ピークの強度を示す。
14Cの送達用量は、経口投与では24μCiであった。試験した時点には、0.5、1、および3時間が含まれた。これらのデータは、IV投与による用量の10%に至る血漿濃度と、PO投与による用量の1%に至る血漿濃度で、血漿中における少なくとも50時間に至る、投与されたペプチドからの放射性シグナルの検出を示す。無傷ペプチドが6分付近で溶出されたのに対し、N末端Gly残基などの切断断片は1分付近で溶出された。したがって、血漿中に検出された放射能のほぼ一部の全て(some of all of)は、投与されたペプチドの断片に起因した。
【0336】
図69は、マウスへのペプチド投与後の尿中の配列番号24の放射性標識ペプチドの濃度を示す。
図69Aは、液体シンチレーション計数を用いて
14Cシグナルを測定することによって定量化された、20ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチドの静脈内(IV)投与後、および100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチドの経口(PO)投与後における、尿中のペプチドの濃度を示す。
14Cの送達用量は、静脈内投与では4.8μCi、経口投与では24μCiであった。試験した時点には0.08、0.5、1、3、8、24、48時間が含まれ、各時点で3匹のマウスを試験した。
図69Bは、100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチドの胃管栄養法による経口投与後に、タンデムHPLCおよび液体シンチレーション計数によって測定された、尿中のペプチドおよびペプチド断片ピークの強度を示す。
14Cの送達用量は、経口投与では24μCiであった。試験した時点には、0.5、1、3、8、24、および48時間が含まれた。
【0337】
図70は、マウスへのペプチド投与後の糞便中の配列番号24の放射性標識ペプチドの濃度を示す。
図70Aは、液体シンチレーション計数を用いて
14Cシグナルを測定することによって定量化された、20ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチドの静脈内(IV)投与後、および100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチドの経口(PO)投与後における、糞便中のペプチドの濃度を示す。
14Cの送達用量は、静脈内投与では4.8μCi、経口投与では24μCiであった。試験した時点には0.08、0.5、1、3、8、24、48時間が含まれ、各時点で3匹のマウスを試験した。
図70Bは、100ナノモルの配列番号24の放射性標識ペプチドの胃管栄養法による経口投与後に、タンデムHPLCおよび液体シンチレーション計数によって測定された、糞便中のペプチドおよびペプチド断片ピークの強度を示す。
14Cの送達用量は、経口投与では24μCiであった。試験した時点には、3および8時間が含まれた。これらのデータは、配列番号24の無傷ペプチドが、経口投与後に糞便中で検出されたことを示し、一部の無傷ペプチドが消化管を通過したことを示唆する。
【0338】
実施例43
軟骨ホーミングペプチドを同定するためのpFam00451に対する配列アラインメント
本実施例は、pFam00451:toxin_2構造クラスファミリーに対する配列アラインメントによって、新規軟骨ホーミングペプチドを同定するための方法を記載する。pFam00451:toxin_2構造クラスは、配列同一性の類似性によって関連するペプチドのファミリーである。
図73は、配列番号436〜配列番号482のpfam00451:toxin_2構造クラスファミリー内のペプチドアライメントを示す。囲み内および太字の残基は、配列の相対的な保存を示す一方で、囲み外および太字でない残基は、配列変動性がより高い領域を示す。pFam00451:toxin_構造クラスファミリーとの造的類似性に基づいて、配列番号436を軟骨ホーミング候補ペプチドとして同定した。
図74は、pfam00451:toxin 2構造クラスファミリーに由来する配列番号436のペプチドと配列番号24配列との配列アライメントを示す。星印は、単一の完全に保存された残基を有する位置を示し、コロンは、類似性の高いグループ(Gonnet point accepted mutation(PAM)250マトリックスにおける0.5を超える得点)間の保存を示し、ピリオドは、類似性の低いグループ(Gonnet PAM 250マトリックスにおける≦0.5の得点)間の保存を示す。pfam00451:toxin_2構造クラスファミリーペプチドとの構造的類似性(similiarities)に基づいて、配列番号111もまた、軟骨ホーミング候補として同定した。
【0339】
pFam00451:toxin_2構造クラスファミリーをスキャフォールドとして使用し、軟骨ホーミング特性を有する変異型ペプチドを同定する。pFam00451:toxin_2構造クラスファミリーの任意のメンバーを使用して、相同性、保存された残基、または保存されたシステイン残基に基づいて、新規軟骨ホーミングペプチドを予測する。
【0340】
実施例44
温度安定性ペプチド
本実施例は、高温におけるペプチド安定性を例示する。ペプチドを最初に、500μlのddH
2Oで、2mg/mlの原液濃度に懸濁した。原液からの6.25μlのペプチドを95μlのddH
2Oと共に添加することによって反応物を調製し、サーモサイクラー内で、室温、70°C、または100°Cで1時間インキュベートした。次にC−18 Poroshell 120Bカラムを装着したAgilent 1260 HPLCを用いて、RP−HPLCをサンプルに実行した。サンプルは、溶媒A(0.1%TFA添加水)および溶媒B(0.1%TFA添加アセトニトリル)の移動相を用いる勾配法によって分析した。溶媒Bを、移動相の5%から45%に、10分間かけて上昇させた。
【0341】
室温で(25°C)、70°C、または100°Cで1時間のインキュベーション後に、配列番号28および配列番号483のペプチドをHPLCによって分析した。70℃で1時間のインキュベート後に、配列番号483および配列番号28のペプチドは、室温でインキュベートしたサンプルとほぼ同じHPLC溶出時間およびピーク高さを示し、ペプチドが熱誘導分解に抵抗性であることを示した。100°Cで1時間のインキュベーション後に、配列番号483および配列番号28のペプチドは、最初の溶出時間に溶出されたペプチド量の低下によって証明された様々な程度の分解を受けた。
【0342】
本開示の好ましい実施形態が本明細書に示され説明されたが、このような実施形態は単なる例示として提供されることが当業者には明らかであろう。本開示は、本明細書で提供される特定の実施例によって制限されることは意図されない。本開示を前述の明細書を参照して説明したが、本明細書の実施形態の説明および図解が、限定的意味で解釈されることは意図されない。本開示から逸脱することなく、当業者には多数の変動、変更、および置換が可能である。さらに、本開示の全ての実施形態は、様々な条件および変数に依存する、本明細書に記載の特定の描写、構成または相対比率に限定されないものと理解すべきである。本明細書に記載された本開示の実施形態に対する様々な代替物が、本開示の実施において用いられてもよいものと理解すべきである。したがって、本開示はまた、このような代替物、修正、変種、または同等物も網羅することが想定される。以下の特許請求の範囲は本開示の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造およびそれらの同等物が、それによってカバーされることが意図される。