【実施例】
【0104】
実施例
実施例1.テトラペプチドリンカー及び、テトラペプチドリンカーを有するコンジュゲートの合成
A)ペプチド及びAENA標識ペプチドの合成
【0105】
【化6】
【0106】
(i)化合物1〜21の固相合成:ペプチド酸を、プロリン、ロイシン、アラニン又はN−メチルアラニンで予め充填した市販の2−Cl−Trt樹脂(EMD Millipore、ビレリカ、MA)から合成した。固相合成の技術分野で標準的な方法を用いて、段階的添加を行った。カップリングを、PYBOP(4当量)、アミノ酸(4当量)、及びDIEA(8当量)を用いて行った。Fmoc脱保護を、DMF中の20%ピペリジンを用いて行った。
【0107】
ペプチド合成後、N−末端アミノ酸を脱保護し、指示されたR
5基とカップリングした。4当量のDIEAを含有するDMF中の、NAG(OAc)
3(US8802773及びRozemaら2015で調製した)又はPEG
12(Quanta Biodesign、Plain City、OH、CAS #:756525-94-7)のいずれかの2当量のNHS活性化エステルを用いて、カップリングを行った。他のR
5基は同様の合成法を用いて結合することができる。R
5の結合後、ペプチドを0.25時間、DCM中のHFIP(30%)を用いて樹脂から切断した。溶媒除去後、残渣をEt20でトリチュレートした。基質をその後さらに精製することなく使用した。
【0108】
(ii)化合物22〜43の一般的調製(22a、24a、25a、32a、34a):粗ペプチド基質(1〜21)の溶液に、PyBOP(2当量)、DIEA(2ea)、次いでAENA(2当量)を添加し、1時間室温で攪拌した。完了時に、溶媒を真空中で除去した。化合物24a、25a、32a、及び34aをその後さらに精製することなく使用した。全ての他の基質を、0.1%ギ酸で緩衝したアセトニトリル及び水の勾配を溶出するThermo Scientific Aquasil C 18逆相カラム(250x21.2、ウォルサム、MA)を備えたHPLC用いて精製した。精製後に、全ての化合物を凍結乾燥によって乾燥した。
【0109】
(iii)化合物22b、24b、25b、32b及び34bの調製:化合物24a及び25aを15分間DMF中の2%ヒドラジンで処理し、その後全ての溶媒を真空中で除去した。化合物32aをDCM中の50%TFAで1時間処理し、その後全ての溶媒を真空中で除去した。化合物34aを18時間無溶媒(neat)のギ酸で処理し、その後全ての溶媒を真空中で除去した。未精製化合物22aの一部をMeOH(25%)、H
2O(45%)、及びTEA(35%)で処理し、室温で一晩攪拌し、その後全ての溶媒を真空中で除去した。上述のとおり脱保護した全ての化合物を、その後ステップ(ii)に記載のとおりHPLCにより精製した。
【0110】
B)化合物44a、44b、45a、45b及び34bの一般的調製、ペプチド基質のエステル活性化(iv):
【0111】
【化7】
【0112】
粗化合物01a、01b、08a、08b、15b、及び20を、ステップ(ii)に記載のとおりHPLCで第1精製した。HPLCによる精製前に、化合物01a及び08aを、ステップ(iii)に記載した22bの調製のように、MeOH(25%)、H
2O(45%)、及びTEA(35%)で処理した。その後全ての化合物を次のように活性化した。火炎乾燥したフラスコ中で、0.2Mの濃度でDMF又はDCM中に精製した基質を含有する0℃の溶液に、NHS(3当量)及びDCC(3当量)を添加し、室温、アルゴン下で、一晩、撹拌させた。完了時に、混合物を部分的に濃縮し、−20℃に冷却し、濾過し、次いで全ての溶媒を真空中で除去した。残渣を最小限のDCM及びMeOHに溶解し、冷Et
2O中に沈殿させ、遠心分離後に溶媒のデカンテーションによって回収した。Et
2O中での沈殿を、残留ジシクロヘキシル尿素がNMRによる確認で検出可能でなくなるまで繰り返した。全ての調製した化合物をその後さらに精製することなく使用した。
【0113】
C)EDANS標識基質の合成、化合物48〜59の一般的調製:
【0114】
【化8】
【0115】
各ペプチド酸を、エタノールアミンで予め充填した市販の2−Cl−Trt樹脂(EMD Millipore、ビレリカ、MA)から合成した。段階的固相合成をステップ(i)に記載のとおり行った。ペプチド合成後、N−末端FMOCを除去し、配列を0.5時間DCM中の5%TFA、5%H
2Oを用いて樹脂から切断し、ステップ(ii)に記載のとおりHPLCにより精製した。精製前に、化合物52及び53を、DCM中の50%TFA、5%TIS、5%H
2Oで1時間処理した。
【0116】
D)化合物60の調製(vi)、消化アッセイのためのコントロールの合成:
【0117】
【化9】
【0118】
以前に記載のとおり調製した(US8802733、Rozemaら2015、Carlsonら2015)、PEG
12−ACit−PABC−PNP(0.052mmol、56mg)を含有する溶液に、DMF(400uL)中のTEA(0.078mmol、10.8μl)及びEDANS(0.052mmol、14mg)を加え、懸濁液として室温アルゴン下で一晩撹拌した。完了時に全ての溶媒を真空中で除去し、粗残留物をEt
2Oでトリチュレートし、CHCl
3中のMeOH(10−20%)の勾配を溶出するSiO
2を用いて精製した。収率58mg(92%)。
【0119】
【表1-1】
【表1-2】
【0120】
実施例2.テトラペプチドリンカーの切断の速度
様々なアミノ酸の組み合わせ、テトラペプチドを使用して、様々な第1部分(R
5)及びAENAレポート基(report group)第2化合物(R
6)を連結し、アッセイ基質(基質)を形成した。ペプチドの切断速度を、ラットリソソーム抽出物の存在下で基質の消化の分析によって評価した。
【0121】
レポーティング基(Reporting group)を、UV−visモニタリングのために上述のペプチド基質のC−末端にカップリングさせ、HPLCによってペプチド分解の反応速度論に対するアミノ酸配列の影響を調べた。吸光係数もλmaxもペプチドからの切断後に影響しなかったので、N−(2−アミノエチル)−4−ニトロアニリン(AENA)又はN−(アミノエチル)−5−ナフチルアミン−1−スルホン酸(EDANS)を、HPLCモニタリングのためのレポーティング基として使用した。各ペプチド基質のN−末端を、メトキシポリエチレングリコール(PEG
12)又はN−アセチルガラクトサミン(NAG(OR)
3)のいずれかで修飾した(
図1)。
【0122】
消化アッセイ:37℃でインキュベートした1%CHAPS及び1.8mMのDTTを含有するpH5に緩衝した25mMのMES溶液中の肝臓リソソーム(酵素)抽出物(0.45μg/μL)を用いて、固定基質濃度(0.51μmol)で、タンパク質分解消化実験を行った。酵素抽出物を、AENA標識ペプチド基質の添加前に、37℃で15分間DTTの存在下で活性化した。26時間までの様々な時点で20μlのアリコートを取り出し、TFAでpH3に酸性化した。画分の分析を、Aquasil C 18逆相カラム(250x4.6、Thermofisher、ウォルサム、MA)を備えたHPLCを用いて行い、390nm及び335nmでそれぞれAENA及びEDANSについてモニターした。0.1%ギ酸で緩衝したアセトニトリル及び水の勾配を用いて溶出を行った。非修飾リポーター分子の生成を測定した。凍結解凍サイクルを最小限に抑えるため、リソソーム抽出物を−80℃での保存前に、複数のアリコートに分注した。新しいアリコートを各試験に用い、解凍直後に使用した。リソソーム抽出物は、分画密度勾配遠心分離(differential density gradient centrifugation)によって雌Hans Wistarラットから供給された(Grahamら2000)。リソソーム抽出物のタンパク質濃度を、標準BCAタンパク質アッセイプロトコルによって決定した。化合物60を実験間の速度の正規化のために使用した(表2〜4)。60について複数のアッセイにわたって観察された平均実験速度は123.8nmol/hであった。正規化されたサンプル速度を以下のように計算した:
[(平均化合物60速度÷実験化合物60速度)]×サンプル実験速度
【0123】
速度(Rate)(分解の速度(velocity of degradation)又は速度(velocity)とも呼ばれる)初期線形回転(early linear turnover)の間に外挿された(表2)。本明細書で使用される場合、速度は、50%未満の完了時にレポーティング基生成の線形速度として定義される(消化速度は50%未満の完了時に線形であると仮定された)。切断が連続的な一次速度論から逸脱した基質については、消化の終点で遊離したレポーティング基のパーセントを比較の基準として使用した。
【0124】
表2におけるデータは、位置A
2及びA
4にかさ高い(bulky)疎水性アミノ酸、位置A
3にかさ高い親水性(極性)アミノ酸、並びに、位置A
1にプロリン又はロイシンを有するテトラペプチドにより、切断の最も早い速度が観察されたことを示す。いくつかの実施形態では、位置A
1におけるアミノ酸はプロリンである。
【0125】
A
1位置にプロリンを有するテトラペプチドリンカーは最も速い速度を有した。化合物30(FCitAP(配列番号8))、及び23(FCitFP(配列番号12))のプロリンがアラニンに変更されると、化合物33(FCitAA(配列番号7))及び39(FCitFA(配列番号10))、速度及び消化の完了時間の劇的な低下が観察された。化合物23に示されるように、化合物27のA
1におけるロイシンをプロリンで置換することは、プロリン含有テトラペプチドについての速度の大幅な増加をもたらした。ロイシン含有化合物25bにおける場合と比較して、プロリン含有化合物24bで速度のわずかな増大も観察された。
【0126】
位置A
2及びA
4により大きな(かさ高い)疎水性アミノ酸を有するテトラペプチドはまた、一般により高い速度を示した。A
2位置における側鎖のかさ(bulk)が増大すると、化合物30、26及び23は、消化の速度が増加した。同様に、A
4位置における側鎖のかさの増大は、それぞれ化合物31、28及び23で示されたように消化の速度を増加させた。
【0127】
位置A
3にかさ高い極性(天然又は正に荷電した)アミノ酸を有するテトラペプチドは、より速い切断速度を示した。化合物23、24b、32b、及び34bを参照のこと。
【0128】
化合物29を得るためのA
1における化合物39のN−メチル化は、より速い速度及びより速い消化の完了をもたらした(
図2も参照)。
【0129】
【表2】
【0130】
所与のテトラペプチドについて、切断の速度(非修飾H
2N−R
6の遊離の速度)は、化合物R
5の同一性によって有意に影響を受けなかった。化合物22a及び23は、タンパク質分解消化の速度について本質的に同等であった(表3)。同様に、アセチル修飾されたNAG(OAc)
3、化合物22aは、非修飾類縁体である化合物22bと比較して、消化の速度に対する無視できる影響を有することが示された(表3)。
【0131】
【表3】
【0132】
実施例3.ジペプチドの消化速度に対するアミノ酸A
1及びA
2の影響
アミン末端及びC−末端(R
6)EDANSリポーターを有するジペプチド基質を、切断速度に対するアミノ酸A
1及びA
2の影響をさらに分析するために作成した。ジペプチド基質は、アミノ酸A
2とA
3との間のテトラペプチド第1切断事象に続いてテトラペプチドリンカーを模倣する。ジペプチドを抽出物で処理し、消化産物を上述のように分析した。表4に見られるように、A
1にプロリンを有するジペプチドは、より速い切断速度を示した。表2のデータと一致して、切断速度は位置A
1におけるアミノ酸、並びに位置A
2としてのアミノ酸のサイズ及び電荷に依存することがわかる(表4)。位置A
1にプロリンを有するペプチドは最大切断速度を有する。切断の速度はまた、化合物48、49、50、52、55及び58について見られるように、A
2アミノ酸の大きさ及び疎水性が増大するにつれて増加した。
【0133】
(それぞれ化合物54及び56を得るための)化合物57及び59へのフェニルアラニンの付加は、付加的なアミノ酸にもかかわらず、消化の速度の実質的な増加をもたらした。
【0134】
【表4】
【0135】
実施例4.異なる供給源からの抽出物を用いた消化の分析
観察された切断速度はタンパク質分解酵素の供給源に依存しなかった。市販のラット及びヒト肝臓S9抽出物(Xenotech LLC、Lenexa、KS)を使用して消化した場合、増加速度の順序(23>30>37>42)は維持された(表5)。したがって、切断速度は、異なる種及び細胞型を越えて同様であると予想される。
【0136】
【表5】
【0137】
実施例5.ペプチドリンカー消化中間体の分析
実施例2及び3からのアリコートをHPLC及びエレクトロ−スプレーイオン化質量分析法によってさらに分析し、消化中間体を同定した。分析は、基質分解の初期細胞内タンパク質分解事象のための複数の切断可能な位置を示した。位置A
1にプロリンを有するテトラペプチドリンカー(22a、22b、23、24b、26、28、30、31、34b、37、及び42)は、有意な量のH
2N−Pro−R
6中間体を生成しないようであった。すなわち、A
1におけるプロリンと位置A
2におけるアミノ酸との間に有意な消化は見られなかった。A
2−プロリン−AENA又は遊離AENAのみが観察された。A
1がアラニン又はロイシンであった場合、律速段階は最終残基のタンパク質分解であった。消化中間体は、
図2に化合物39(FCitFA(配列番号10))及び29(FCitF(Nme)A(配列番号9))について示されている。
【0138】
実施例6.H
2N−R
6の放出はR
6におけるポリマー化合物の立体的かさ高さによって損なわれなかった。
PEGテトラペプチド修飾剤を、R
5におけるPEG基及びR
7における活性化エステルを用いることによって合成した(式V)。膜活性ポリアミン(下記参照)を、第VII因子siRNA、CDM−NAG及び指示されたテトラペプチド(45b、46)又は以前に記載されたトリペプチドコントロール(47)修飾剤(米国特許第8137695及び8426554号明細書)により修飾して、動的ポリコンジュゲート送達ポリマーを形成した。次いで、0.25mg/kgのsiRNAにコンジュゲートした1mg/kgのポリマーをマウスに注入した。5日目に、サンプルを回収し、第VII因子についてアッセイした。第VII因子のノックダウンは、以前に記載されたCDMマスキング剤及びジペプチド−PABCマスキング剤と同様の速度での、ポリアミンからの修飾剤の切断を必要とする。表6に示されるように、記載のテトラペプチド剤(45b、46)はDPC−媒介siRNA送達で用いられる場合に有効な修飾剤であり(米国特許第8137695及び8426554合明細書)、細胞内での迅速な切断を示し、膜活性ポリアミンを放出した。有効なイン・ビトロノックダウンはまた、PEG基の存在がイン・ビボでのリンカーの消化に悪影響を及ぼさなかったことを示す。PEG
12で官能化されたテトラペプチドで修飾された動的ポリコンジュゲート送達ポリマーについて、イン・ビボでのノックダウン増加の順序(45b>46>47)は、イン・ビトロの速度論的結果と相関した。速度論的評価のためのイン・ビトロモデルの検証は動物研究で得られた結果によって示された。
【0139】
【表6】
【0140】
実施例7.不安定性のイン・ビボ分析
DPC−媒介siRNA送達のための修飾剤としてのリンカーを試験することによって、テトラペプチドをイン・ビボの不安定性及び可逆性について分析した。
【0141】
A)RNA干渉トリガー(siRNA)
siRNA合成:以下の配列のコントロールsiRNAを、標準的なホスホロアミダイト化学を用いて合成した。
【0142】
siF7 sense: 5′-(NH
2-C6)-GfcAfaAfgGfcGfuGfcCfaAfcUfcAf(invdT)-3′ 配列番号4
siF7 antisense: 5′dTsGfaGfuUfgGfcAfcGfcCfuUfuGfcdTsdT-3′ 配列番号6
(小文字、2´−OMe置換;f、2´−F置換;d、2´−デオキシ置換;及びs、ホスホロチオエートリンケージ)
【0143】
DBCOジスルフィドによるアミンsiRNAの修飾:5´アミン−修飾siRNAと、1重量当量(wt.eq.)のジベンゾシクロオクチン−S−S−N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(ALDRICHカタログ#761532)及び水中の0.36重量当量のNaHCO
3との4℃で16時間の反応によって、DBCO−修飾siRNAを合成した。次いで修飾されたsiRNAを9容量のエタノールの添加、及び−80℃で2時間のインキュベートによって沈殿させた。沈殿物をRNase−フリーのPBS緩衝液に溶解し、260nmでの吸光度を測定することによって定量した。
【0144】
B)ポリマー合成:
N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及びsec−ブチルアクリレート(EAB)のRAFTコポリマー:酢酸ブチル中のAIBN(1.00mg/mL)及びRAFT剤CPCPA(10.0mg/mL)の溶液を調製した。モノマーモル供給量は、55%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート、45%sec−ブチルアクリレート(CAS#2998−08−5)であった。理論Mwは100,000であった。N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート(0.890g、3.43mmol)sec−ブチルアクリレート(0.391mL、0.360g、2.81mmol)CPCPA溶液(0.350mL、0.0125mmol)、AIBN溶液(0.308mL、0.00188mmol)、及び酢酸ブチル(5.3mL)を、スターラーバーを備えた20mLガラスバイアルに加えた。バイアルをセプタムキャップで密封し、出口としての第2シリンジを有するロングシリンジを用いて1時間、溶液を窒素でバブリング(bubbled)した。シリンジを除去し、バイアルを80℃に16時間、油浴を用いて加熱した。溶液を室温に冷却し、ヘキサン(35mL)を溶液に添加する前に、50mL遠心管に移した。溶液を2分間4,400rpmで遠心分離した。上清層を注意深くデカントし、底部(固体又はゲル状)層をヘキサンですすいだ。次に底部層をDCM(7mL)に再溶解し、ヘキサン(40mL)で沈殿させ、再度遠心分離した。上清をデカントし、底部層をヘキサンですすいだ後、ポリマーを減圧下で数時間乾燥させた。粗EABコポリマーの収量は0.856gであった。粗ポリマーのサンプルを多角度光散乱(MALS)のために採取した。乾燥した粗コポリマーをDCM(100mg/mL)に溶解した。ヘキサンを曇り点に達する直後まで添加した。得られた乳状溶液を遠心分離した。底部層を抽出し、ヘキサン中に完全に沈殿させた。画分を遠心分離し、その後コポリマーを単離し、そして真空中で乾燥させた。EABコポリマーの単離された画分の収量は0.478gであった。分画コポリマーのサンプルを
1H−NMR及びMALSのために採取した。
1H−NMRによって決定された組成物は61%N−Boc−エトキシエチルアミン及びアクリレート、39%sec−ブチルアクリレートであった。
【0145】
MALS分析:約10mgのコポリマーを、0.5mLの75%ジクロロメタン、20%テトラヒドロフラン、5%アセトニトリルに溶解した。分子量及び多分散性(PDI)を、Jordi 5μ 7.8 x300 Mixed Bed LS DVBカラムを使用するShimadzu Prominence HPLCを取り付けたWyatt Heleos II多角度光散乱検出器を用いて測定した。粗ポリマー:MW:59,000(PDI 1.3)、分画ポリマー:MW70,000(PDI:1.1)。
【0146】
脱保護/透析:乾燥したサンプルを酢酸中の2MのHCl(〜7ml)で1時間処理して、BOC保護基を除去した。次に反応物を20mlの水で希釈し、10〜15分間撹拌した。次に、高塩、高塩、及び水でそれぞれ15時間、8時間、及び15時間、3500MW透析チューブを用いて画分を透析した。次に画分を50ml遠心管に移し、3日間又は乾燥するまで凍結乾燥した。乾燥サンプルをさらなる研究のために水で20mg/mlに調製した。
【0147】
C)可逆的に修飾されたsiRNA−ポリアミンコンジュゲートの形成:5mMのpH8.0 HEPES緩衝液中のポリアクリレートEABを、1.5wt%N−ヒドロキシスクシンイミジル活性化PEG
4アジド(アジド−dPEG
4−NHSエステル、Quanta Biodesignから)で修飾し、siRNAのその後の結合のためのアジド基を提供した。次に、アジド−修飾ポリマーを、60mg/mLのHEPES塩基で5mg/mLに希釈した。この溶液に、15mg/mL(3重量当量)の指示されたプロテアーゼ−切断可能なPEG修飾試薬(本明細書に記載のテトラペプチド剤又はPEG
12−FCit−PABC−PNP(8426554)を添加して、40〜50%の利用可能なアミン基を修飾した。1時間後、DBCO−修飾げっ歯類第VII因子siRNA(ポリマーに対して0.25重量当量)をポリマー溶液に添加した。一晩インキュベーション後、利用可能なアミン基に対してモル過剰のN−アセチルガラクトサミン誘導体CDM−NAG、NAG−A
4−A
3−A
2−A
1−NHS又はNAG−ACit−PABC−PNP(米国特許第8426554号明細書、Rozemaら2015、Carlsonら2015)の添加によってコンジュゲートをさらに修飾し、30分間インキュベートして、残りのポリマーEABアミンを可逆的に修飾した。
【0148】
D)イン・ビボアッセイ
マウス及び注入手順
6〜8週齢の雄のWistar Hanラット及び雌のICRマウスを、Harlan Sprague-Dawley(インディアナポリス、IN)から入手した。Arrowhead Madison Incの動物実験委員会によって承認された動物使用プロトコルに従って動物を取り扱った。げっ歯類を、12時間の明/暗サイクルで、水及び食料(Harlan Teklad Rodent Diet、ハーラン、マディソン、WI)への自由なアクセスで維持した。動物に0.25mg/kgのsiRNAにコンジュゲートした1mg/kgのポリマーを注入した。サンプルを注入後5日に採取した。
【0149】
血清FVII活性測定
血清サンプルを、標準的な手順に従って、0.109Mのクエン酸ナトリウム抗凝固剤(1容量)を含むマイクロ遠心管に顎下出血により血液を採取することによって調製した。血清中のFVII活性を、製造業者の推奨に従って試験キット(BIOPHEN VII、アニアラ、メイソン、OH)を用いて発色法により測定した。比色展開(colorimetric development)の吸光度を、405nmでTecan Safire−2マイクロプレートリーダーを用いて測定した。
【0150】
表7のデータは、テトラペプチド修飾DPC送達ポリマーがイン・ビボでのsiRNAの送達に有効であったことを示す。さらに、テトラペプチド剤は、以前に記載されたジペプチド−PABC修飾剤と同様に有効であった。タンパク質分解FCitFP(配列番号12)四量体を含む、44a及び44bを有するコンジュゲートは、ノックダウンのためにPABC媒介分解を利用するコンジュゲートと同等の活性を示した(表7)。有効なsiRNA送達は、有効なポリアミンの修飾及び標的化、並びに細胞への送達後の肝細胞におけるポリマーの消化及び放出の成功を示す。
【0151】
イン・ビボ活性及び機能はFCitFP(配列番号12)修飾DPC送達ポリマーでのイン・ビトロ消化速度データに相関し、FCitAP修飾DPC送達ポリマーよりも優れたsiRNA送達を示した。したがって、イン・ビトロの消化速度データは、イン・ビボでの消化及び放出データを正確に予測した。
【0152】
【表7】
【0153】
実施例8.RGD模倣体テトラペプチド及びPEG−テトラペプチド修飾DPC送達ポリマー
A)APN 1170−100A(100A)及びAPN1203−006(006)両親媒性膜活性ポリアミンの合成
【0154】
【表8-1】
【0155】
i)材料
2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65、ラジカル開始剤)をWako Pure Chemical Industriesから購入した。アクリル酸プロピルをPolysciences Incから購入した。N−Boc−エトキシ−エチルアミンアクリレートはWuXi Incから入手した。2−(ドデシルチオ−カルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸(DDMAT、RAFT剤)、1,1´−アゾビス−(シクロ−ヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、1−エチルピペリジン次亜りん酸塩(EPHP)、ペンタフルオロフェノール、Ν,Ν´−ジシクロヘキシルカルボジイミド及びΝ,Ν−ジイソプロピル−エチルアミンをSigma Aldrichから購入した。O−(2−アミノエチル)−O´−(2−アジドエチル)トリエチレングリコール(アジド−PEG
4−アミン)はBiomatrik Incから購入した。
【0156】
ii)N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及びプロピルアクリレート(EAP)のRAFTコポリマー
酢酸ブチル中のV−65(2mg/mL)及びRAFT剤DDMAT(10mg/mL)の溶液を調製した。モノマーモル供給は52%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート、48%プロピルアクリレートであった。理論Mwは75,000であった。開始剤(V−65)に対するRAFT剤(DDMAT)のモル比は6.67:1であった。
【0157】
N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート(1.778g、6.86mmol)、プロピルアクリレート(0.794mL、0.722g、6.33mmol)、DDMAT溶液(1.215mL、0.0333mmol)、V−65溶液(0.621mL、0.005mmol)、及び酢酸ブチル(10.2mL)を、スターラーバーを備えた20mLガラスバイアルに加えた。バイアルをセプタムキャップで密封し、出口としての第2ニードルを有するロングニードルを用いて1時間、溶液を窒素でバブリングした。ニードルを除去し、バイアルを24時間撹拌しながら50℃に加熱した。溶液を室温に冷却し、2本の50mL遠心管間に等分した後、ヘキサン(35mL)を両方の管に添加した。溶液を2分間4400rpmで遠心分離した。上清層を注意深くデカントし、底部層をヘキサンですすいだ。次いで各管の底部層をジクロロメタン(7mL)に再溶解し、ヘキサン(40mL)中に沈殿させ、再度遠心分離した。上清をデカントし、底部層をヘキサンですすいだ後、層を1本の50mL遠心管にあわせ、ポリマーを減圧下で数時間乾燥させた。粗EAPコポリマーの収量は2.1gであった。コポリマーのサンプルを、多角度光散乱法(multi-angle light scattering)(MALS)、及び
1H−NMRのために採取した。
【0158】
ポリマー006:
1H−NMRにより決定された組成は55%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び45%プロピルアクリレートであった。MALSによって決定された006についてのMwは58,600g/molであり、多分散指数(PDI)は1.04であった。
【0159】
ポリマー100A:
1H−NMRによる組成:56%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び44%プロピルアクリレート。MALSによるMW:65,150、1.122のPDI。
【0160】
iii)ラジカル誘導ω−末端基除去(ポリマー006のみ)
1,1’−アゾビス−(シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN、20mg/mL)及び1−エチルピペリジン次亜りん酸塩(EPHP、100mg/mL)の溶液をトルエン中で調製した。EAP(2g、0.035mmol)、ACHN(0.213mL、0.5当量、0.0174mmol)、EPHP(1.25mL、20当量、0.697mmol)、及びトルエン(25.2mL)を、スターラーバーを備えた40mLガラスバイアルに加えた。バイアルをセプタムキャップで密封し、出口としての第2ニードルを有するロングニードルを用いて1時間、溶液を窒素でバブリングした。ニードルを除去し、バイアルを2時間100℃に加熱した。溶液を室温に冷却し、〜20mLのトルエンをロータリーエバポレーションにより除去した。残りの溶液を50mL遠心バイアルに移し、ヘキサン(35mL)を加えた。溶液を2分間4400rpmで遠心分離した。上清層を注意深くデカントし、底部層をヘキサンですすいだ。次いで、底部層をジクロロメタン(7mL)に再溶解し、ヘキサン(40mL)中に沈殿させ、再度遠心分離した。上清をデカントし、底部層をヘキサンですすいだ後、ポリマーを減圧下で〜1時間乾燥させた。ポリマーをメチルtert−ブチルエーテル(80mL)に溶解し、分液漏斗に移した。次いで、溶液を3×30mL容量のH
2Oで、続いて3x30mL容量の飽和NaClで洗浄した。次いで、ポリマー溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、0.45μmGHPフィルターを通して真空ろ過した。MTBEをロータリーエバポレーション及び高真空によって除去した。UV分光光度計を用いて末端基の除去のモニタリングのために、サンプルを採取した。末端基除去率は99%と計算された。サンプルをMALS、GC−FID、及び
1H−NMRのために採取した。
1H−NMRによる006の組成は、55%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び45%プロピルアクリレートであった。GC−FIDによって決定された006の転化率(conversion)はN−Boc−エトキシエチルアミンアクリレートについて81.4%、及びプロピルアクリレートについて77.3%であった。GC−FID転化率によって決定された100Aの転化率は、N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレートについて87%、及びプロピルアクリレートについて83%であった。MALSによって決定されたポリマー006についてのMwは57,700g/molであり、多分散指数(PDI)は1.06であった。
【0161】
iv)α−末端基のペンタフルオロフェノール活性化
EAPポリマー(2g、0.0347mmol)、ペンタフルオロフェノール(63.8mg、0.3466mmol)、N,N´−ジシクロヘキシルカルボジイミド(71.5mg、0.3466mmol)、及びジクロロメタン(40mL)を、スターラーバーを備えた100mL丸底フラスコに加えた。フラスコをゴム製セプタムで栓をし、系を窒素で15分間パージした。溶液を16時間室温で攪拌した。追加のペンタフルオロフェノール(63.8mg、0.3466mmol)及びN,N´−ジシクロヘキシルカルボジイミド(71.5mg、0.3466mmol)を添加し、フラスコをゴム製セプタムで栓をし、系を窒素で15分間パージした。溶液を3時間室温で攪拌した。ポリマーをヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマーを最小限のジクロロメタンに溶解し、ヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマーを最小限の酢酸エチルに溶解し、ヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマー沈殿物を、固体が恒量に達するまで、高真空下で乾燥させた。
【0162】
v)α−末端基のアジド官能化
ゴム製セプタム及びスターラーバーを備えた100ml丸底フラスコ中に、先のステップからのポリマー(1.9g、0.0329mmol)をジクロロメタン(38mL)に溶解した。アジド−PEG
4−アミン(86.4mg、0.3293mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(46.8mg、63.1μl、0.3622mmol)を撹拌しながらフラスコに添加した。系を窒素で15分間パージし、反応物を室温で一晩撹拌したままにした。追加のアジドPEG
4アミン(86.4mg、0.3293mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(46.8mg、63.1μl、0.3622mmol)をフラスコに添加し、系をN
2ガスでパージし、反応物を3時間室温で攪拌した。ポリマーをヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマーを最小限のジクロロメタンに溶解し、ヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマー沈殿物を、固体が恒量に達するまで、高真空下で乾燥させた。アジド官能化EAPの収量は1.77gであった。コポリマーのサンプルを多角度光散乱法(MALS)、及び
1H−NMRのために採取した。
【0163】
ポリマー006:
1H−NMRによって決定した組成は、56%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び44%プロピルアクリレートであった。MALSによって決定したMwは60,330g/molであり、多分散指数(PDI)は1.05であった。
【0164】
ポリマー100A:
1H−ΝΜΡによる組成は、56%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び44%プロピルアクリレートであった。MALSによって決定したMw:64,430、PDIは1.217であった。
【0165】
モノ−アジド:用語「モノ−アジド」又は「モノ−アジドポリマー」とは、上記手順のステップD及びEを行い、アジド基をポリマーのα−末端基にカップリングさせたことを示す。
【0166】
vi)Boc脱保護及びタンジェンシャルフローろ過(Tangential Flow Filtration)
100mL丸底フラスコ中で、酢酸中の2MのHCl(28mL)をアジド官能化EAPコポリマー(1.67g、0.0277mmol)に添加した。反応物を室温で1時間攪拌した。脱イオン化H
2O(56mL)を添加し、10分間攪拌した。次いで溶液を、タンジェンシャルフローろ過システム(KrosFlo Research)を備えたmPES 30kD 115cm
2フィルターモジュールを用いて、10当量容量の5mMクエン酸リン酸緩衝液(pH5)で直ちに交換した。次いで溶液を装置を用いて55mLの最終容量まで濃縮した。5.1のpH値を記録した。ヘッドスペースガスクロマトグラフィーによる濃度測定のためにサンプルを採取した。アリコートを凍結乾燥し、次いで
1H−NMR分析のために10mg/mLの濃度での酸化重水素中の33.3%アセトニトリル−dで再構成した。理論MWは、006及び100Aについてそれぞれ、43,026g/mol、45,765g/molと計算された。
【0167】
vii)同様の技術を用いて、同様の両親媒性膜活性ポリアミンが容易に形成され得る。特に、分子量(Mw)40〜120k保護(25k〜85k脱保護)、1.03〜1.2のPDI範囲、及び35%アミンモノマー/65%疎水性基モノマー〜70%アミンモノマー/30%疎水性基モノマーのモノマー比を有する両親媒性膜活性ポリアミン。
【0168】
B)APN1095−126(126)の合成
【0169】
【表8-2】
【0170】
100A及び006の合成に使用したトリチオカーボネート部分RAFT剤及びV−65RAFT開始剤と比較して、APN1095−126の合成はジチオベンゾアート部分RAFT剤及びAIBN RAFT開始剤を使用した。この重合のための条件は、異なる加熱温度及び時間を必要とした。さらに、このポリマーは、分別沈殿を必要とした。ポリマーはエンドキャップされていないが、アジド付加の方法は100A及び006と同じであった。
【0171】
i)材料
プロピルアクリレートをPolysciences Incから購入した。N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレートをWuXi Incから入手した。4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸(CPCPA、RAFT剤)、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN、ラジカル開始剤)、ペンタフルオロフェノール、Ν,Ν´−ジシクロヘキシルカルボジイミド及びN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、Sigma Aldrichから購入した。O−(2−アミノエチル)−O´−(2−アジドエチル)トリエチレングリコール(アジド−PEG
4−アミン)をBiomatrik Incから購入した。
【0172】
ii)N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及びプロピルアクリレート(EAP)のRAFTコポリマー
以下の手順を8回繰り返して、合計4.5513gの分画EAPコポリマーを得た。酢酸ブチル中のAIBN(1.035mg/mL)及びRAFT剤CPCPA(50.54mg/mL)の溶液を調製した。モノマーモル供給は、52%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート、48%プロピルアクリレートであった。理論Mwは75,000であった。RAFT剤(CPCPA)対開始剤(AIBN)のモル比は6.67:1であった。
【0173】
N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート(1.7879g、6.9mmol)、プロピルアクリレート(0.774mL、0.7121g、6.24mmol)、CPCPA溶液(0.184mL、0.0333mmol)、AIBN溶液(0.793mL、0.005mmol)、及び酢酸ブチル(11.02mL)を、スターラーバーを備えた20mLガラスバイアルに加えた。バイアルをセプタムキャップで密封し、出口としての第2ニードルを有するロングニードルを用いて1時間、溶液を窒素でバブリングした。ニードルを除去し、バイアルを撹拌しながら50℃に24時間加熱した。溶液を室温に冷却し、50mL遠心管に移した後、ヘキサン(35mL)を添加した。溶液を2分間4400rpmで遠心分離した。上清層を注意深くデカントし、底部層をヘキサンですすいだ。次いで各管の底部層をジクロロメタン(7mL)に再溶解し、ヘキサン(40mL)中に沈殿させ、再度遠心分離した。上清をデカントし、底部層をヘキサンですすいだ後、ポリマーを減圧下で数時間乾燥させた。粗EAPコポリマーの収量は1.734gであった。粗コポリマーのサンプルを、多角度光散乱法(MALS)、及び
1H−NMRのために採取した。乾燥した粗コポリマーをDCM(100mg/mL)に溶解させた。ヘキサンを曇り点に達する直後まで添加した。得られた乳状溶液を遠心分離した。底部層を抽出し、ヘキサン中に完全に沈殿させた。画分を遠心分離し、その後コポリマーを単離し、真空下で乾燥させた。EAPコポリマーの単離画分の収量は0.602gであった。分画コポリマーのサンプルを
1H−NMR及びMALSのために採取した。
1H−NMRによって決定した組成は、56%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び44%プロピルアクリレートであった。MALSによって決定したMwは62,010g/molであり、多分散指数(PDF)は1.14であった。
【0174】
iii)α−末端基のペンタフルオロフェノール活性化
EAPポリマー(2g、0.0347mmol)、ペンタフルオロフェノール(63.8mg、0.3466mmol)、N,N´−ジシクロヘキシルカルボジイミド(71.5mg、0.3466mmol)、及びジクロロメタン(40mL)を、スターラーバーを備えた100mL丸底フラスコに加えた。フラスコをゴム製セプタムで栓をし、系を窒素で15分間パージした。溶液を16時間室温で攪拌した。追加のペンタフルオロフェノール(63.8mg、0.3466mmol)及びN,N´−ジシクロヘキシルカルボジイミド(71.5mg、0.3466mmol)を添加し、フラスコをゴム製セプタムで栓をし、系を窒素で15分間パージした。溶液を3時間室温で攪拌した。ポリマーをヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマーを最小限のジクロロメタンに溶解し、ヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマーを最小限の酢酸エチルに溶解し、ヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマー沈殿物を、固体が恒量に達するまで、高真空下で乾燥させた。
【0175】
iv)α−末端基のアジド官能化
ゴム製セプタム及びスターラーバーを備えた100ml丸底フラスコ中に、先のステップからのポリマー(1.9g、0.0329mmol)をジクロロメタン(38mL)に溶解した。アジド−PEG
4−アミン(86.4mg、0.3293mmol)及びN,N−ジイソプロピル−エチルアミン(46.8mg、63.1μl、0.3622mmol)を撹拌しながらフラスコに添加した。系を窒素で15分間パージし、反応物を室温で一晩撹拌したままにした。追加のアジドPEG
4アミン(86.4mg、0.3293mmol)及びN,N−ジイソプロピル−エチルアミン(46.8mg、63.1μl、0.3622mmol)をフラスコに添加し、系をN
2ガスでパージし、反応物を3時間室温で攪拌した。ポリマーをヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマーを最小限のジクロロメタンに溶解し、ヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマー沈殿物を、固体が恒量に達するまで、高真空下で乾燥させた。アジド官能化EAPの収量は1.77gであった。コポリマーのサンプルを多角度光散乱法(MALS)、及び
1H−NMRのために採取した。
1H−NMRによって決定した組成は、56%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び44%プロピルアクリレートであった。MALSによって決定したMwは66,670g/molであり、多分散指数(PDI)は1.11であった。
【0176】
v)Boc脱保護及びタンジェンシャルフローろ過
100mL丸底フラスコ中で、酢酸中の2MのHCl(28mL)をアジド官能化EAPコポリマー(1.67g、0.0277mmol)に添加した。反応物を室温で1時間攪拌した。脱イオン化H
2O(56mL)を添加し、10分間攪拌した。次いで溶液を、タンジェンシャルフローろ過システム(KrosFlo Research)を備えたmPES 30kD 115cm
2フィルターモジュールを用いて、10当量容量の5mMクエン酸リン酸緩衝液(pH5)で直ちに交換した。次いで溶液を装置を用いて55mLの最終容量まで濃縮した。5.1のpH値を記録した。ヘッドスペースガスクロマトグラフィーによる濃度測定のためにサンプルを採取した。アリコートを凍結乾燥し、次いで
1H−NMR分析のために10mg/mLの濃度での酸化重水素中の33.3%アセトニトリル−dで再構成した。理論MWは、43,026g/molと計算された。
【0177】
C)RGD−PEG
n−FCitFP−TFP及びPEG
n−FCitFP−TFP剤合成
修飾剤前駆体(di−Boc)RGD(OtBu)−APBA−PEG
n−FCitFP−COOHを、Fmoc−プロリン−OHを予め充填した2−Cl−Trt樹脂を用いる、一般的なFmoc化学固相合成を用いて調製した。樹脂−Pro−Fmocに、以下を連続して加えた(各ステップでのFmoc脱保護後に):FMoc−Phe−OH、Fmoc−Cit−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−NH−PEG
n−COOH、4−(N−Fmoc−p−アミノフェノキシ)−酪酸(APBA)、Fmoc−Asp(OtBu)−OH、Fmoc−Gly−OH、及びdiboc−m−グアニジノ安息香酸。
【0178】
(diboc)RGD(OtBu)−APBA−PEG
n−FCitFP−COOH(458mg、0.200mmol)及びTFP(66.5mg、0.400mmol)を無水DCM(5.0mL)に溶解し、アルゴン下で撹拌しながら氷/水浴中で0℃に冷却した。EDC(77mg、0.400mmol)を添加し、反応混合物を氷/水浴中で0℃で30分間撹拌した。反応の進行をTLC(8.5:1.5 CHCl
3:MeOH)によってモニターし、TLCによる出発物質が観察されなくなった90分後に完了した。反応混合物をDCMで100mLの総容量に希釈し、3×40mLのDI H
2O(pH=5)で洗浄し、1×40mLの水性飽和NaCl溶液で洗浄した。次いで有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、ロータリーエバポレータ―で濃縮して、448mg(92%収量)の褐色/橙色の泡状物を得た。構造を
1H−NMR、及びESI MSによって確認した(PEG
20(n=20)について上記に示された反応)。
【0179】
【化10】
【0180】
(diboc)RGD(OtBu)−PEG
n−FCitFP−TFP(497mg、0.204mmol)を[9.25:0.75:0.50]TFA:H
2O:チオアニソール(5.0mL)に溶解し、密閉したフラスコ中で45分間室温で撹拌した。反応完了をMS(ESI、scan neg、300−3000)により確認し、出発物質又は部分的に脱保護された中間体に関する質量は観察されなかった。次いで、反応混合物を45mLのジエチルエーテルに沈殿させ、スピンダウンし、上清を注ぎ出し、2x10mLジエチルエーテルで洗浄し、高真空下で一晩乾燥させた。最終産物を、Thermo Aquasil C18 5 umセミ分取カラムを用いて、移動相はH
2O及びACN中の0.1%TFAで、分取HPLCにより精製した。各注入は、(%Bで示された)39−(5)−39−(35)−43−(5)−95−(10)−95−(2)−39−(5)−39の勾配で実施される[61:39]H
2O:ACN中の0.1%TFAの3.0mLに溶解した粗材料の50mgであった。注入のための各サンプルを注入の15分以内に調製(溶解)し、陽性画分を1つのフラスコにプールし、その日の最後の注入が完了するまで冷凍庫で冷やしておいた。次いで、陽性画分を32℃の浴温でロータリーエバポレータ―で濃縮乾固し、次いでACN/トルエンで2x、次にACNで3x追跡し、次いで高真空下で一晩乾燥させた。257mgの注入された粗生成物のうち、180mg(70%)が純粋な物質として単離された(PEG
20(n=20)について上記に示された反応)。
【0181】
【化11】
【0182】
4−(N−Fmoc−p−アミノフェノキシ)−酪酸1合成
p−ニトロ−フェノール(2)(7.5g、53.9mmol)を、4−ブロモ酪酸エチル(8.45ml、59mmol)及びDMF(75mL)中のK
2CO
3(7.5g、54mmol)と合わせた。混合物を2時間100℃で撹拌した。DMFを除去し、粗生成物を、2NのNaOHとメタノールとの3:1混合の混合物で希釈し、4時間RTで攪拌した。反応混合物を6MのHClで酸性化した。白色沈殿物を回収し、4−(p−ニトロフェニルオキシ)−酪酸3:(10.9g、90%収率)を得た。
【0183】
4−(p−ニトロフェニルオキシ)−酪酸3(37.1g、165mmol)を、ギ酸アンモニウム(35g、555mmol)を含むMeOH(1L)に溶解し、10%Pd/C(Degussa Type)(3.5g)を添加した。混合物を65℃で一晩還流した。反応物をセライト(celite)で濾過して、赤褐色固体の生成物4−(p−アミノフェニルオキシ)−酪酸4(30.5g、95%収率)を得た。
【0184】
4−(p−アミノフェニルオキシ)−酪酸4(5.1g、26mmol)を、H
2O(450mL)中の水性飽和NaHCO
3(3.36g、40mmol)とTHF(300ml)との6:4混合物に溶解して、白色スラリーを作成した。Fmoc−OSu(8.82g、26.1mmol)を添加し、反応物を4時間攪拌した。アセトンを除去し、反応物を酸性化し(HCl)、オフホワイトの沈殿物を回収し、1NのHClでトリチュレートして、9.6gの生成物4−(N−Fmoc−p−アミノフェノキシ)−酪酸1(88%収率)を得た。
【0185】
【化12】
diBoc-m-グアニジノ安息香酸5を、Riches AG et al. Tetrahedron (2012) 68、p. 9448-9455に従って合成した。
【0186】
PEG
n−FCitFP修飾剤を同様の化学反応を用いて作成した。
【0187】
D)ポリマーのマスキング(修飾)
モノアジド−ポリマーを、プロテアーゼ切断可能な−RGD剤(RGD−PEG
8−ACit−PNP、RDG−PEG
8−FCitFP−TFP、RGD−PEG
15−FCitFP−TFP、RGD−PEG
19−FCitFP−TFP、又はRGD−PEG
20−FCitFP−TFP)と、50mMのHEPES中の1:0.125、1:0.25、1:0.5、1:1、1:1.5、1:2(ポリマー:RGD)の重量比で、pH8.5緩衝液中4時間RTで反応させた。次いで、修飾されたポリマーを、プロテアーゼ切断可能な−PEG剤(PEG
6−ACit−PABC−PNP、PEG
12−ACit−PABC−PNP、PEG
12−FCit−PABC−PNP、PEG
12−FCitFP−TFP)と、50mMのHEPES中の1:8(ポリマー:PEG)の重量比で、pH8.5緩衝液中2時間RTで反応させた。1:0.3(ポリマー:アルキン−RNAiトリガー)の重量比でのアルキン−RNAiトリガーを、pH5.0で5日間RTで、100mMの酢酸ナトリウム−酢酸緩衝溶液中の修飾されたポリマーに添加した。完成したコンジュゲートをTFF精製し、コンジュゲーション効率を決定した。
【0188】
E)テトラペプチド修飾DPC送達ポリマーを用いたイン・ビボ送達の評価
腎臓RCC腫瘍−担持マウスを、等張グルコース(Gl)又は指示されたHif2α−ITG−DPC(Hif2α−ITG−DPC=Hif2α RNAiトリガー−送達ポリマーコンジュゲート)の単一尾静脈注射によって処理した。送達ポリマーは、RGDリガンド及びPEG修飾剤によって修飾されている。マウスを注射の72時間後に安楽死させ、全RNAを、製造業者の推奨に従ってTrizol試薬を用いて腎臓腫瘍から調製した。相対HiF2α mRNAレベルを以下に記載のとおりRT−qPCRによって決定し、送達緩衝液(等張グルコース)のみで処理したマウスと比較した(表8)。
【0189】
【表8-3】
【0190】
実施例9.記載のテトラペプチドリンカーの実用性を説明する追加の構造
【0191】
【化13】