特許第6966427号(P6966427)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6966427生物学的に切断可能なテトラペプチド連結剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966427
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】生物学的に切断可能なテトラペプチド連結剤
(51)【国際特許分類】
   C07K 5/04 20060101AFI20211108BHJP
   C07K 5/02 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
   C07K5/04
   C07K5/02ZNA
【請求項の数】17
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2018-513741(P2018-513741)
(86)(22)【出願日】2016年5月27日
(65)【公表番号】特表2018-517769(P2018-517769A)
(43)【公表日】2018年7月5日
(86)【国際出願番号】US2016034517
(87)【国際公開番号】WO2016196243
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2019年5月23日
(31)【優先権主張番号】62/235,833
(32)【優先日】2015年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/168,244
(32)【優先日】2015年5月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512219840
【氏名又は名称】アローヘッド ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー シー.カールソン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレイ ブイ.ブロヒン
【審査官】 斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/138294(WO,A1)
【文献】 特表2013−527838(JP,A)
【文献】 MASA, M. et al.,Cathepsin D Propeptide: Mechanism and Regulation of Its Interaction with the Catalytic Core,Biochemistry,2006年,Vol.45, No.51,P.15474-15482
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下によって表される構造:
【化1】
を含む、テトラペプチドリンカー。
【請求項2】
前記テトラペプチドリンカーが、以下:
(a)第1化合物、ここで、前記第1化合物は、標的基、立体安定剤、ポリヌクレオチド、ポリマー、ポリアミン、抗体、医薬品、ハプテン、ジゴキシゲニン、ビタミン、ビオチン、フルオロフォア、モノクローナル抗体、又は抗体断片を含む;並びに
(b)アミン含有第2化合物、ここで、前記アミン含有第2化合物は、標的基、立体安定剤、ポリヌクレオチド、ポリマー、ポリアミン、抗体、医薬品、ハプテン、ジゴキシゲニン、ビタミン、ビオチン、モノクローナル抗体、又は抗体断片を含む、
に連結されている、請求項1に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項3】
前記テトラペプチドリンカーが、第1化合物に及び/又はアミン含有第2化合物にアミド結合を介して連結されている、請求項2に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項4】
前記アミン含有第2化合物が、ポリアミンを含む、請求項2に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項5】
前記第1化合物及び/又は前記アミン含有第2化合物が、標的基を含む、請求項2に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項6】
前記標的基が、細胞受容体リガンドを含む、請求項5に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項7】
前記第1化合物及び/又は前記アミン含有第2化合物が、医薬品を含む、請求項2に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項8】
前記第1化合物及び/又は前記アミン含有第2化合物が、立体安定剤を含む、請求項2に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項9】
前記立体安定剤が、ポリエチレングリコール(PEG)である、請求項8に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項10】
前記第1化合物及び/又は前記アミン含有第2化合物が、インテグリンに親和性を有する細胞受容体リガンドを含む、請求項2に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項11】
前記インテグリンが、αvβ3インテグリンである、請求項10に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項12】
前記インテグリンが、αvβ6インテグリンである、請求項10に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項13】
前記インテグリンに親和性を有する細胞受容体リガンドが、RGD含有ペプチドを含む、請求項10に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項14】
前記第1化合物及び/又は前記アミン含有第2化合物が、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPr)リガンドを含む、請求項2に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項15】
前記アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPr)リガンドが、N−アセチルガラクトサミンを含む、請求項14に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項16】
前記第1化合物及び/又は前記アミン含有第2化合物が、ポリヌクレオチドを含む、請求項2に記載のテトラペプチドリンカー。
【請求項17】
前記ポリヌクレオチドが、RNAiトリガーである、請求項16に記載のテトラペプチドリンカー。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
生理学的に不安定なリンカー又は修飾因子は、治療薬送達を含む様々なプロセスに有用である。リンカーの切断が、リンカー又は修飾因子が無い非修飾状態の元の成分の少なくとも1つを再生する場合、リンカー又は修飾因子の有用性はさらに増強され得る。
【0002】
化合物を可逆的に連結又は修飾するための臨床及び前臨床の設定においていくつかの戦略が調査されている。そのような可逆的コンジュゲートは毒性効果を軽減し、かつ化合物の薬理学的特性を改善するために使用される。効果的であるためには、可逆的コンジュゲートが血流において安定なままでなければならず、さらに標的細胞とコンジュゲートとの相互作用後に化合物の放出を可能にしなければならない。さらに、リンカー又は修飾因子の切断は、化合物がその生化学的標的に到達し、かつそれと効果的に相互作用することが認められなければならない。しばしば、化合物は非修飾状態で放出されなければならない。
【0003】
可逆的コンジュゲートの例としては、プロドラッグ、そのプロトタイプ形態では不活性なままであるが、体内で代謝されて活性薬剤を生成する薬物の誘導体、及びキャリア、例えば抗体−薬物コンジュゲートが挙げられる。可逆的コンジュゲートの形成は、抗腫瘍化学療法薬の開発及びヌクレオチド送達に有用であることが示されている。
【0004】
Rozemaら(米国特許第8137695号明細書)は、pH感受性マレイミドリンケージを形成するジメチルマレイン酸無水物を用いてポリアミンの可逆的修飾を示した。修飾ポリマーの細胞への送達及び内在化は、エンドソームの還元されたpH環境下でマレイミドリンケージの切断をもたらし、ポリマーアミンを再生する。
【0005】
pH感受性リンケージに加えて、イン・ビボでプロテアーゼにより活性化されるペプチド含有リンケージが開発されている。Rozemaら(米国特許第8426554号明細書)は、ジペプチドp−アミドベンジル−カルバメートスペーサー(PABC)を介してポリマーアミノ含有側鎖にコンジュゲートした立体安定剤又は標的基を用いて、膜活性ポリアミンの膜破壊活性を可逆的に調節する手段を提供した。公開された設計に従って、タンパク質分解酵素の存在下で、アニリド結合の加水分解が1,6−脱離カスケードを誘発し、復元された膜分解特性を有する非修飾ポリカチオンポリマーの生成をもたらす。
【0006】
プロドラッグ設計における自己犠牲(self-immolative)PABCスペーサーの適用は、Carlらによって最初に提案された(1981)。この戦略は、共有アニリド結合の切断と所望の基質の自然放出とを組み合わせる。PABCスペーサーが、治療剤の制御された薬物放出のために、特に抗がん治療のために、広範に研究されている(Dorywalskaら2015、Zhangら2014、Florentら1998、Tokiら2002、Shamisら2004、Amirら2005、Amirら2005、Gopinら2006、Zhangら2013、Zhangら2013)、しかしながら、PABC脱離中に生成されるキノンイミンメチド(quinonimine methide)(QIM)としても知られているアザ−キノンメチドは、N、O、及びS−求核試薬と反応する傾向があるため毒性源となり得ることが懸念されている(Reboud−Ravauxら2009)。
【0007】
【化1】
PABCスペーサーを欠く特定のペプチドタンパク質分解性プロドラッグが記載されている(Zhongら2013、Cho KYら2012)。しかしながら、先に記載されたペプチドタンパク質分解性プロドラッグの制限は、自己犠牲PABC型類縁体の速度に匹敵する速度で親薬物の一次アミン成分を遊離しないことである。プロドラッグのタンパク質分解中のエンドペプチダーゼによるC−末端アミノ酸残基の切断は、律速段階であると思われる(Masquelierら1980、Schmidら2007、Schmidら2007、Elsadekら2010、Trouetら1982)。
【発明の概要】
【0008】
概要
本明細書に記載されるのは、第1化合物をアミン含有第2化合物に可逆的に連結するためのテトラペプチドリンカーである。生理学的に切断可能なリンカー(リンカー)は、一般に:−A4−A3−A2−A1−(式中、A4は疎水性L−アミノ酸であり、A3は親水性L−アミノ酸であり、A2は疎水性L−アミノ酸であり、かつ、A1はL−プロリン、L−ロイシン、又はL−N−メチルアラニンである)を有するテトラペプチドを含む。テトラペプチドリンカーは、タンパク質分解酵素によって、例えば生物、特に哺乳動物、組織、細胞あるいは細胞内コンパートメント又はオルガネラに存在する内在性プロテアーゼによって切断(消化)される。さらに、タンパク質分解酵素は容易かつ迅速にA1のC−末端側のペプチド結合を切断し、アミン含有第2化合物を遊離させる。さらに記載されるのは、記載されたテトラペプチドリンカーを含有する組成物、並びに、2つの部分を可逆的に連結し、あるいはアミン又はアミン含有化合物を可逆的に修飾するためのテトラペプチドの使用方法である。記載された可逆的リンカー及び修飾因子は血清安定性修飾を提供し、イン・ビボで切断され得る。
【0009】
本明細書に記載されるのは、テトラペプチド連結剤であって、以下:R5−A4−A3−A2−A1−R7(式中、R5は第1化合物を含み、A4は疎水性L−アミノ酸であり、A3は親水性L−アミノ酸であり、A2は疎水性L−アミノ酸であり、かつ、A1はL−プロリン、L−ロイシン、又はL−N−メチルアラニンであり、かつ、R7はアミン反応性基である)を含む、テトラペプチド連結剤である。R7は、アミン又はアミン含有化合物との反応が、A1とのアミド結合を形成するように選択される。いくつかの実施形態では、A3は極性非荷電L−アミノ酸である。いくつかの実施形態では、テトラペプチド連結剤が、第1化合物をアミン含有化合物に可逆的に連結するために使用され得る。いくつかの実施形態では、テトラペプチド連結剤が、アミン含有化合物を可逆的に修飾するために使用され得る。いくつかの実施形態では、テトラペプチド連結剤が、ポリアミンを可逆的に修飾するために使用され得る。いくつかの実施形態では、ポリアミンは膜活性ポリアミンである。
【0010】
いくつかの実施形態では、本発明者らは、テトラペプチド連結剤を介して第2化合物に連結された第1化合物を含有する組成物について記載し、ここで、当該テトラペプチド連結剤は、以下、A4321(式中、A4は疎水性L−アミノ酸であり、A3は親水性L−アミノ酸であり、A2は疎水性L−アミノ酸であり、A1はL−プロリン、L−ロイシン、又はL−N−メチルアラニンであり、かつ、A1はアミド結合を介して第2化合物に連結している)からなる。いくつかの実施形態では、A3は極性非荷電L−アミノ酸である。イン・ビトロ又はイン・ビボでのタンパク質分解酵素によるテトラペプチドの切断(消化)は、A1と第2化合物との間の切断をもたらし、第2化合物を遊離させる。いくつかの実施形態では、A4321は、以下の配列:FCitFP(配列番号12)、VCitFP(配列番号19)、ACitFP(配列番号3)、FKFP(配列番号16)、FCitVP(配列番号13)、FCitFL(配列番号11)、FCitF(Nme)A(配列番号9)、又はFCitAP(配列番号8)を有し、ここで、FはL−フェニルアラニンであり、CitはL−シトルリンであり、PはL−プロリンであり、VはL−バリンであり、AはL−アラニンであり、KはL−リシンであり、LはL−ロイシンであり、(Nme)AはL−N−メチル−アラニンである。
【0011】
いくつかの実施形態では、可逆的に修飾されたポリアミンを含有する組成物が記載される。ポリアミンは、本明細書に記載されたテトラペプチド連結剤でのポリアミン上の複数のアミンの可逆的修飾によって修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミンは両親媒性膜活性ポリアミンである。いくつかの実施形態では、組成物はさらにRNAiトリガーを含む。ポリアミンはRNAiトリガーに共有結合され得る。いくつかの実施形態では、RNAiトリガーへのポリアミンの共有結合のためのリンケージは、生理学的に不安定なリンケージ、例えばジスルフィド結合を含む。いくつかの実施形態では、ポリアミンはRNAiトリガーに共有結合しておらず、RNAiトリガーは標的基に共有結合している。いくつかの実施形態では、組成物はさらに薬学的に許容される賦形剤を含有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1化合物をアミン含有第2化合物に連結するための方法が記載され、当該方法は、以下:テトラペプチドのアミノ末端に第1化合物を結合させ、そしてテトラペプチドのカルボキシ末端とアミン含有第2化合物との間にアミド結合を形成し、ここで、当該テトラペプチドは以下のアミノ酸配列、A4321(式中、A4は疎水性L−アミノ酸であり、A3は親水性L−アミノ酸であり、A2は疎水性L−アミノ酸であり、かつ、A1はL−プロリン、L−ロイシン、又はL−N−メチルアラニンである)を有すること、を含む。いくつかの実施形態では、A4はフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、A3は極性非荷電L−アミノ酸である。いくつかの実施形態では、極性非荷電アミノ酸はL−シトルリンである。いくつかの実施形態では、A2はフェニルアラニンである。いくつかの実施形態では、A1はプロリンである。
【0013】
いくつかの実施形態では、テトラペプチドリンカー又は連結剤は、4つのアミノ酸配列を有し、当該アミノ酸配列は、以下:FCitFP(配列番号12)、VCitFP(配列番号19)、ACitFP(配列番号3)、FKFP(配列番号16)、FCitVP(配列番号13)、FCitFL(配列番号11)、FCitF(Nme)A(配列番号9)、FCitAP(配列番号8)、からなる群から選択され、ここで、FはL−フェニルアラニンであり、CitはL−シトルリンであり、PはL−プロリンであり、VはL−バリンであり、AはL−アラニンであり、KはL−リシンであり、LはL−ロイシンであり、(Nme)AはL−N−メチル−アラニンである。
【0014】
本明細書に記載されるのは、生理学的に切断可能なリンカーを形成するための、フェニルアラニン−シトルリン−フェニルアラニン−プロリン(FCitFP(配列番号12))テトラペプチドの使用である。FCitFPリンカーは、哺乳動物、哺乳動物組織、哺乳動物細胞、又は哺乳動物細胞内コンパートメント又はオルガネラにおけるタンパク質分解酵素によって迅速に切断される。いくつかの実施形態では、アミン含有化合物は、アミド結合を介してプロリンに連結している。プロリンC−末端アミド結合はイン・ビボでプロテアーゼによって効率的に切断され、アミン含有化合物を放出する。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1化合物は、以下:標的基、細胞受容体リガンド、インテグリンリガンド、RGDリガンド、RGD模倣体、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPr)リガンド、ガラクトース、ガラクトース誘導体、N−アセチルガラクトサミン、葉酸、立体安定剤、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリヌクレオチド、ポリマー、ポリアミン、抗体、医薬品、ハプテン、ジゴキシゲニン、ビタミン、ビオチン、フルオロフォア、抗体、モノクローナル抗体および抗体断片、からなる群から選択され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、アミン含有第2化合物は、以下:標的基、細胞受容体リガンド、インテグリンリガンド、RGDリガンド、RGD模倣体、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPr)リガンド、ガラクトース、ガラクトース誘導体、N−アセチルガラクトサミン、葉酸、立体安定剤、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリヌクレオチド、ポリマー、ポリアミン、抗体、医薬品、ハプテン、ジゴキシゲニン、ビタミン、ビオチン、抗体、モノクローナル抗体および抗体断片、からなる群から選択され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、RNAiトリガーをイン・ビボで細胞に送達するための組成物が記載される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】記載されたテトラペプチドリンカーの調製又は試験に使用されるいくつかの成分の構造。
図2】A)化合物39についての消化速度、及びB)化合物29についての消化速度、を示すグラフ。
図3】化合物29及び39についての反応速度論、時間(hr)にわたって生成した中間体の速度(%)を示すグラフ(C=シトルリン)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
記載されるのは、第1化合物をアミン含有第2化合物と可逆的に連結し、及び/又は、アミン含有第2化合物を可逆的に修飾するのに有用なテトラペプチドリンカー及びテトラペプチド連結剤である。記載のテトラペプチドリンカーは、プロドラッグ送達のために使用される以前に記載されたペプチドリンカーを上回る切断の改善された切断の反応速度論を示す(Rejmanovaら1983、Maluginら2007、Millerら2009、Solerら2015、Chuら2012)。テトラペプチドリンカーはタンパク質分解酵素の非存在下で加水分解に対して安定である。イン・ビトロ又はイン・ビボでタンパク質分解酵素(プロテイナーゼ、プロテアーゼ、又はペプチダーゼとも呼ばれる)の存在下で、テトラペプチドは容易に切断される。より具体的には、記載のテトラペプチドリンカー及びテトラペプチド連結剤は、テトラペプチドのカルボキシ末端アミノ酸とアミン含有第2化合物との間で迅速に切断され、アミン含有第2化合物を放出する。
【0020】
いくつかの実施形態では、テトラペプチドリンカーが記載され、当該テトラペプチドリンカーは、以下によって表される構造:
【化2】
【0021】
(式中、
4は、天然の、非天然異性体の、又は合成疎水性のLアミノ酸のR−基(側鎖)であって、ここで、pH7における疎水性指標(Moneraら、J.Protein Sci.1995、1、319)は、アミノ酸側鎖(R−基)の組成に関連するので、グリシンに対して正規化され、41以上であり、
3は、非荷電親水性又は塩基性親水性Lアミノ酸のR−基(側鎖)であって、ここで、pH7における疎水性指標(Moneraら、J.Protein Sci.1995、1、319)は、アミノ酸側鎖(R−基)の組成に関連するので、グリシンに対して正規化され、−28以下であり、かつ
2は、天然の、非天然異性体の、又は合成疎水性のLアミノ酸のR基(側鎖)であって、ここでpH7における疎水性指標(Moneraら、J.Protein Sci.1995、1、319)は、アミノ酸側鎖(R−基)の組成に関連するのでグリシンに対して正規化され、41以上である)
を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、R2及びR4は、独立して、以下:−CH3、−CH(CH32、−CH2CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3、及び−CH266(フェニルアラニン)、からなる群から選択される。
【0023】
いくつかの実施形態では、R3は、以下:−(CH23NHC(=O)NH2、−CH2CONH2、−(CH24NH3+、及び−(CH23−NH−C(=NH)−NH2、からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、R3は、−(CH23NHC(=O)NH2である。
【0024】
イン・ビボで、例えばリソソーム中でのプロテアーゼへの曝露後、テトラペプチドC−末端アミド結合は迅速に切断(消化)される。
【0025】
いくつかの実施形態では、テトラペプチドリンカーは、以下によって表される構造を含む:
【0026】
【化3】
【0027】
いくつかの実施形態では、生物学的に不安定な化合物が記載され、ここで、生物学的に不安定な化合物は、テトラペプチドリンカーを介してアミン含有第2化合物に連結された第1化合物を含み、当該テトラペプチドリンカーは、以下:
5−A4−A3−A2−A1−R6(式IV)
(式中、
5は、第1化合物を表し、
6は、アミン含有第2化合物を表し、
4は、天然の、非天然異性体の、又は合成疎水性のLアミノ酸であって、ここで、pH7における疎水性指標(Moneraら、J.Protein Sci.1995、1、319)は、アミノ酸側鎖(R−基)の組成に関連するので、グリシンに対して正規化され、41以上であり、
3は、非荷電又は塩基性親水性Lアミノ酸であって、ここで、pH7における疎水性指標(Moneraら、J.Protein Sci.1995、1、319)は、アミノ酸側鎖(R−基)の組成に関連するので、グリシンに対して正規化され、−28以下であり、
2は、天然の、非天然異性体の、又は合成疎水性のLアミノ酸であって、ここで、pH7における疎水性指標(Moneraら、J.Protein Sci.1995、1、319)は、アミノ酸側鎖(R−基)の組成に関連するので、グリシンに対して正規化され、41以上であり、
1は、L−プロリン、L−ロイシン、又はL−N−メチルアラニンであり、かつ
1は、アミド結合を介してR6に連結されている)
を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2及びA4は、独立してL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン又はL−フェニルアラニンであり(それぞれ、−CH3、−CHCH3、−CH(CH32、−CH2CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3、又は−CH266の側鎖)、かつ、A3はL−シトルリン、L−アスパラギン、又はL−リシンである(それぞれ、−(CH23NHCONH2、−CH2CONH2、−(CH24NH3+又は−(CH23−NH−C(=NH)−NH2の側鎖)。
【0029】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2及びA4はL−フェニルアラニンであり、かつ、A3はL−シトルリンである(FCitFP(配列番号12))。
【0030】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3はL−リシンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FKFP(配列番号16))。
【0031】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−バリンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FCitVP(配列番号13))。
【0032】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−バリンである(VCitFP(配列番号19))。
【0033】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−アラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FCitAP(配列番号8))。
【0034】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−アラニンである(ACitFP(配列番号3))。
【0035】
いくつかの実施形態では、A1はロイシンであり、A2及びA4は独立して、L−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン又はL−フェニルアラニンであり(それぞれ、−CH3、−CHCH3、−CH(CH32、−CH2CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3、又は−CH266の側鎖)、かつ、A3はL−シトルリン、L−アスパラギン、又はL−リシン、又はL−アルギニンである(それぞれ、−(CH23NHCONH2、−CH2CONH2、又は−(CH24NH3+の側鎖)。
【0036】
いくつかの実施形態では、A1はL−ロイシンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FCitFL(配列番号11))。
【0037】
いくつかの実施形態では、A1はL−N−メチル−アラニンであり、A2及びA4は独立して、L−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン又はL−フェニルアラニンであり(それぞれ、−CH3、−CHCH3,−CH(CH32、−CH2CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3、又は−CH266の側鎖)、かつ、A3はL−シトルリン、L−アスパラギン、L−リシン、L−アルギニンである(それぞれ、−(CH23NHCONH2、−CH2CONH2、又は−(CH24NH3+又は−(CH24NH3+の側鎖)。
【0038】
いくつかの実施形態では、A1はL−N−メチル−アラニンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FCitF(Nme)A(配列番号9))。
【0039】
いくつかの実施形態では、R5は、以下のリスト:立体安定剤、PEG、H−(CH20-2−(O−CH2−CH21-500−O0-1−(CH20-2−、PEG1-100、標的基、細胞受容体リガンド、インテグリン結合リガンド、RGDリガンド、RGD模倣体、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPr)リガンド、ガラクトース、ガラクトース誘導体、N−アセチルガラクトサミン、葉酸塩、ポリヌクレオチド、ポリマー、ポリアミン、抗体、製剤、ハプテン、ジゴキシゲニン、ビタミン、ビオチン、フルオロフォア、抗体、免疫グロブリン、モノクローナル抗体、及び抗体断片、から選択される化合物を含む。
【0040】
6は、一次アミン含有化合物であって、当該一次アミン含有化合物は、以下:立体安定剤、PEG、H−(CH20-2−(O−CH2−CH21-500−O0-1−(CH20-2−、PEG1-100、標的基、細胞受容体リガンド、インテグリン結合リガンド、RGDリガンド、RGD模倣体、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPr)リガンド、ガラクトース、ガラクトース誘導体、N−アセチルガラクトサミン、葉酸塩、ポリヌクレオチド、アミン−修飾されたポリヌクレオチド、ポリマー、アミン含有ポリマー、ポリアミン、両親媒性膜活性ポリアミン、抗体、製剤、ハプテン、ジゴキシゲニン、ビタミン、ビオチン、フルオロフォア、抗体、モノクローナル抗体、及び抗体断片、を含む群から選択される。
【0041】
いくつかの実施形態では、生物学的に不安定なテトラペプチドリンカーを介して第1化合物をアミン含有第2化合物に可逆的に結合させるためのテトラペプチド修飾剤が記載され、当該テトラペプチド修飾剤は、以下:
5−A4−A3−A2−A1−R7(式V)
(式中、
5は、第1化合物を表し、
4は、天然の、非天然異性体の、又は合成疎水性のLアミノ酸であって、ここで、pH7における疎水性指標(Moneraら、J.Protein Sci.1995、1、319)は、アミノ酸側鎖(R−基)の組成に関連するので、グリシンに対して正規化され、41以上であり、
3は、非荷電又は塩基性親水性Lアミノ酸であって、ここで、pH7における疎水性指標(Moneraら、J.Protein Sci.1995、1、319)は、アミノ酸側鎖(R−基)の組成に関連するので、グリシンに対して正規化され、−28以下であり、
2は、天然の、非天然異性体の、又は合成疎水性のLアミノ酸であって、ここで、pH7における疎水性指標(Moneraら、J.Protein Sci.1995、1、319)は、アミノ酸側鎖(R−基)の組成に関連するので、グリシンに対して正規化され、41以上であり、
1は、L−プロリン、L−ロイシン、又はL−N−メチルアラニンであり、かつ
7アミン反応性基を含み、例えば、これらに限定されるものではないが:TFP(テトラフルオロフェニル)の活性エステル又はNHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)2−MT(2−メルカプトチアゾリン)を含む)
を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、A1はプロリンであり、A2及びA4は独立してアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン又はフェニルアラニンであり(それぞれ、−CH3、−CH(CH32、−CH2CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3、又は−CH266の側鎖)、かつ、A3はシトルリン又はアスパラギンである(それぞれ、−(CH23NHCONH2又は−CH2CONH2の側鎖)。
【0043】
いくつかの実施形態では、A1はプロリンであり、A2及びA4はフェニルアラニンであり、かつ、A3はシトルリンである(FCitFP(配列番号12))。いくつかの実施形態では、A1はプロリンであり、A2はフェニルアラニンであり、A3はシトルリンであり、かつ、A4はアラニンである(ACitFP(配列番号3))。
【0044】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2及びA4は独立してL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン又はL−フェニルアラニンであり(それぞれ、−CH3、−CHCH3、−CH(CH32、−CH2CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3、又は−CH266の側鎖)、かつ、A3はL−シトルリン、L−アスパラギン、又はL−リシンである(それぞれ、−(CH23NHCONH2、−CH2CONH2、又は−(CH24NH3+の側鎖)。
【0045】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2及びA4はL−フェニルアラニンであり、かつ、A3はL−シトルリンである(FCitFP(配列番号12))。
【0046】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3はL−リシンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FKFP(配列番号16))。
【0047】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−バリンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FCitVP(配列番号13))。
【0048】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−バリンである(VCitFP(配列番号19))。
【0049】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−アラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FCitAP(配列番号8))。
【0050】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−アラニンである(ACitFP(配列番号3))。
【0051】
いくつかの実施形態では、A1はロイシンであり、A2及びA4は独立してL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン又はL−フェニルアラニンであり(それぞれ、−CH3、−CHCH3、−CH(CH32、−CH2CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3、又は−CH266の側鎖)、かつ、A3はL−シトルリン、L−アスパラギン、又はL−リシンである(それぞれ、−(CH23NHCONH2、−CH2CONH2、又は−(CH24NH3+の側鎖)。
【0052】
いくつかの実施形態では、A1はL−ロイシンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、かつ、A3はL−リシンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FKFL(配列番号15))。
【0053】
いくつかの実施形態では、A1はL−ロイシンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FCitFL(配列番号11))。
【0054】
いくつかの実施形態では、A1はL−N−メチル−アラニンであり、A2及びA4は独立してL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン又はL−フェニルアラニンであり(それぞれ、−CH3、−CHCH3,−CH(CH32、−CH2CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3、又は−CH266の側鎖)、かつ、A3はL−シトルリン、L−アスパラギン、又はL−リシンである(それぞれ、−(CH23NHCONH2、−CH2CONH2、又は−(CH24NH3+の側鎖)。
【0055】
いくつかの実施形態では、A1はL−N−メチル−アラニンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、かつ、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FCitF(Nme)A(配列番号9))。
【0056】
いくつかの実施形態では、R5は、以下を含むリスト:立体安定剤、PEG、H−(CH20-2−(O−CH2−CH21-500−O0-1−(CH20-2−、PEGi−ioo、標的基、細胞受容体リガンド、インテグリン結合リガンド、RGDリガンド、RGD模倣体、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPr)リガンド、ガラクトース、ガラクトース誘導体、N−アセチルガラクトサミン、葉酸塩、ポリヌクレオチド、ポリマー、ポリアミン、脂質、リポソーム、抗体、製剤、ハプテン、ジゴキシゲニン、ビタミン、ビオチン、フルオロフォア、抗体、免疫グロブリン、モノクローナル抗体、及び抗体断片、から選択される化合物を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、標的基は細胞表面受容体リガンドを含む。細胞表面受容体は、これらに限定されるものではないが、アシアロ糖タンパク質受容体及びインテグリン受容体を含み得る。アシアロ糖タンパク質受容体リガンドは、これらに限定されるものではないが、ガラクトース、ガラクトサミン、N−ホルミルガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミン、N−プロピオニル−ガラクトサミン、N−n−ブタノイルガラクトサミン、及びN−イソ−ブタノイルガラクトサミン、あるいはその二量体、三量体又は四量体を含み得る。インテグリン受容体は、これらに限定されるものではないが、ανβ3インテグリン及びανβ6インテグリンを含み得る。インテグリン受容体リガンドは、これらに限定されるものではないが、RGD又はRGD模倣体を含み得る(例えば、米国特許出願公開US−2015−0045573 Al(参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと)。
【0058】
立体安定剤は、これらに限定されるものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)を含み得る。PEGは、1〜120個のエチレン単位、3〜30個のエチレン単位、又は3〜24個のエチレン単位を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、生物学的に不安定なテトラペプチドリンカーを介して第1化合物をアミン含有第2化合物に可逆的に結合させるための化合物が記載され、当該化合物は、以下によって表される構造:
【0060】
【化4】
【0061】
(式中、
5は、第1化合物を表し、
4は、天然の、非天然異性体の、又は合成疎水性のLアミノ酸のR−基(側鎖)であって、ここで、pH7における疎水性指標(Moneraら、J.Protein Sci.1995、1、319)は、アミノ酸側鎖(R−基)の組成に関連するので、グリシンに対して正規化され、41以上であり、
3は、非荷電親水性又は塩基性親水性Lアミノ酸のR−基(側鎖)であって、ここで、pH7における疎水性指標(Moneraら、J.Protein Sci.1995、1、319)は、アミノ酸側鎖(R−基)の組成に関連するので、グリシンに対して正規化され、−28以下である、そして
2は、天然の、非天然異性体の、又は合成疎水性のLアミノ酸のR基(側鎖)であって、ここで、pH7における疎水性指標(Moneraら、J.Protein Sci.1995、1、319)は、アミノ酸側鎖(R−基)の組成に関連するので、グリシンに対して正規化され、41以上であり、
7は、アミン反応性基を含む)
を含む。
【0062】
7は、アミン又はアミン含有化合物との反応が、A1とのアミド結合を形成するように選択される。いくつかの実施形態では、アミン反応性基はTFP(テトラフルオロフェニル)、又はNHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)である。
【0063】
いくつかの実施形態では、R2及びR4は独立して、以下:−CH3、−CH(CH32、−CH2CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3、及び−CH266、からなる群から選択される。
【0064】
いくつかの実施形態では、R3は、以下:−(CH23NHCONH2及び−CH2CONH2からなる群から選択される。
【0065】
いくつかの実施形態では、生物学的に不安定なテトラペプチドリンカーを介して第1化合物をアミン含有第2化合物に可逆的に結合させるための化合物が記載され、当該化合物は、以下によって表される構造:
【0066】
【化5】
【0067】
(式中、R5は第1化合物を表し、かつ、R7はアミン反応性基を含む)
を含む。R7は、アミン又はアミン含有化合物との反応が、A1とのアミド結合を形成するように選択される。いくつかの実施形態では、アミン反応性基はTFP(テトラフルオロフェニル)、又はNHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)である。
【0068】
いくつかの実施形態では、可逆的に修飾されたポリアミンが記載され、可逆的に修飾されたポリアミンは、以下:
(R5−A4−A3−A2−A1n−P (式X)
(式中、
5、A4、A3、A2、及びA1はそれぞれ上記のとおりであり、
Pは、ポリアミンを含み、
nは、1以上の整数であり、かつ
各A1は、アミド結合を介してポリアミン上のアミンに連結されている)
を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、ポリアミンは膜活性ポリアミンである。いくつかの実施形態では、膜活性ポリアミンは両親媒性膜活性ポリアミンである。
【0070】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2及びA4は独立してL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン又はL−フェニルアラニンであり(それぞれ、−CH3、−CHCH3、−CH(CH32、−CH2CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3、又は−CH266の側鎖)、かつ、A3はL−シトルリン、L−アスパラギン、又はL−リシンである(それぞれ、−(CH23NHCONH2、−CH2CONH2、又は−(CH24NH3+の側鎖)。
【0071】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2及びA4はL−フェニルアラニンであり、かつ、A3はL−シトルリンである(FCitFP(配列番号12))。
【0072】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3はL−リシンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FKFP(配列番号16))。
【0073】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−バリンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FCitVP(配列番号13))。
【0074】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−バリンである(VCitFP(配列番号19))。
【0075】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−アラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FCitAP(配列番号8))。
【0076】
いくつかの実施形態では、A1はL−プロリンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−アラニンである(ACitFP(配列番号3))。
【0077】
いくつかの実施形態では、A1はロイシンであり、A2及びA4は独立してL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン又はL−フェニルアラニンであり(それぞれ、−CH3、−CHCH3、−CH(CH32、−CH2CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3、又は−CH266の側鎖)、かつ、A3はL−シトルリン、L−アスパラギン、又はL−リシンである(それぞれ、−(CH23NHCONH2、−CH2CONH2、又は−(CH24NH3+の側鎖)。
【0078】
いくつかの実施形態では、A1はL−ロイシンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3はL−リシンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FKFL(配列番号15))。
【0079】
いくつかの実施形態では、A1はL−ロイシンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FCitFL(配列番号11))。
【0080】
いくつかの実施形態では、A1はL−N−メチル−アラニンであり、A2及びA4は独立してL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン又はL−フェニルアラニンであり(それぞれ、−CH3、−CHCH3、−CH(CH32、−CH2CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3、又は−CH266の側鎖)、かつ、A3はL−シトルリン、L−アスパラギン、又はL−リシンである(それぞれ、−(CH23NHCONH2、−CH2CONH2、又は−(CH24NH3+の側鎖)。
【0081】
いくつかの実施形態では、A1はL−N−メチル−アラニンであり、A2はL−フェニルアラニンであり、かつ、A3がL−シトルリンであり、かつ、A4はL−フェニルアラニンである(FCitF(Nme)A(配列番号9))。
【0082】
いくつかの実施形態では、可逆的に修飾されたポリアミンは、ポリアミンと、複数の記載のテトラペプチド修飾剤とを反応させることによって形成される。いくつかの実施形態では、膜活性ポリアミンへのテトラペプチド修飾剤の結合が、マスクされたポリアミン又は送達ポリマーを形成することによって、膜活性ポリアミンの膜活性をマスクする。
【0083】
いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの50%超が修飾される(nの値がポリアミン上のアミンの数の50%超である)。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの60%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの70%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの75%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの80%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの85%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの90%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの95%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの100%が修飾される。
【0084】
いくつかの実施形態では、R5は標的基を含み、かつ、可逆的に修飾されたポリアミンはさらにRNAiトリガーにコンジュゲートされる。RNAiトリガー−可逆的に修飾されたポリアミンコンジュゲートは、標的遺伝子発現をノックダウンする目的で、RNAiトリガーをイン・ビボで細胞へと送達するために使用され得る。コンジュゲートは形成され、患者に投与される。投与は、これらに限定されるものではないが、血管内注射及び皮下注射で有り得る。イン・ビトロ又はイン・ビボでのタンパク質分解酵素によるテトラペプチドの切断(消化)は、A1とポリアミンとの間の切断をもたらし、ポリアミンを遊離させる。ポリアミンの放出速度は、薬物又はRNAiトリガー送達を提供するのに十分である。
【0085】
いくつかの実施形態では、可逆的に修飾されたポリアミンが記載され、可逆的に修飾されたポリアミンは、以下:
(R9−A4−A3−A2−A1n−P−(A1´−A2´−A3´−A4´−R8m (式XI)
(式中、
4、A3、A2、及びA1はそれぞれ上記のとおりであり、
1´、A2´、A3´、及びA4´は独立して、それぞれA1、A2、A3、及びA4について上記したとおりであり、
9は、標的基を含み、
8は、立体安定剤を含み、
Pは、ポリアミンを含み、
n及びmはそれぞれ1以上の整数であり、かつ
各A1及びA1´は、アミド結合を介してポリアミン上のアミンに連結される)
を含む。
【0086】
可逆的に修飾されたポリアミンは、ポリアミンと複数の記載のテトラペプチド修飾剤とを反応させることによって形成される。
【0087】
いくつかの実施形態では、ポリアミンは膜活性ポリアミンである。いくつかの実施形態では、膜活性ポリアミンは両親媒性膜活性ポリアミンである。
【0088】
いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの50%超が修飾される(n+mの値がポリアミン上のアミンの数の50%超である)。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの60%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの70%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの75%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの80%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの85%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの90%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの95%超が修飾される。いくつかの実施形態では、ポリアミン上のアミンの100%が修飾される。
【0089】
いくつかの実施形態では、本発明者らは、可逆的に修飾されたポリアミンはさらにRNAiトリガーにコンジュゲートされる。RNAiトリガー−可逆的に修飾されたポリアミンコンジュゲートは、標的遺伝子発現をノックダウンする目的で、RNAiトリガーをイン・ビボでの細胞へと送達するために使用され得る。コンジュゲートが形成され、患者に投与される。投与は、これらに限定されるものではないが、血管内注射及び皮下注射で有り得る。イン・ビトロ又はイン・ビボでのタンパク質分解酵素によるテトラペプチドの切断(消化)は、A1とポリアミンとの間の切断をもたらし、ポリアミンを遊離させる。ポリアミンの放出速度は、薬物又はRNAiトリガー送達を提供するのに十分である。
【0090】
驚くべきことに、テトラペプチドリンカーのC−末端L−プロリン残基の挿入が、リンカーの切断特性を大いに改善することを示す。L−プロリンがA1に存在する場合、H2N−R6(式X及びXIからのH2N−P)の再生は、著しく速い速度で起こる。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、内在性酵素がA3とA2との間でテトラペプチドを迅速に切断して、A4−A3ジペプチドに連結された第1化合物(R5−A4−A3−CO2H)及びA2−A1ジペプチドに連結された第2化合物(H2N−A2−A1−N(H)−R6)を生成すると考えられる。A1におけるプロリンの存在は、A2とA1との間の切断を抑制する。プロリン以外の数個のアミノ酸が位置A1に存在する場合、内在性エキソプロテアーゼは、(H2N−A2−A1−N(H)−R6)からA2を迅速に切断して、H2N−A2−CO2HプラスH2N−A1−N(H)−R6を得ると考えられる。第2化合物からの単一アミノ酸の切断は遅く、元のアミン含有化合物(H2N−R6)の遅い再生をもたらすと考えられる。位置A1におけるプロリンの非存在下では、本発明者らは、A2とA1との間の最初の切断によって、あるいは、A3とA2との間の切断に次ぐA2とA1との間の切断のいずれかによって、単一アミノ酸コンジュゲート(H2N−A1−N(H)−R2)が容易に形成されることを観察した。対照的に、プロリンが位置A1に存在する場合、ジペプチドA2−A1は、内在性ジペプチダーゼによって迅速に切断されて、H2N−A2−Pro−CO2H及び放出された第2化合物H2N−R6を得ると考えられる。同様の結果が、L−ロイシン又はN−メチルアラニン及び位置A1で達成される。
【0091】
本明細書で使用される場合、膜活性ポリアミンは表面活性の、両親媒性ポリマーであって、当該ポリマーは生体膜に対して以下の効果の1つ又は複数を誘導することができる:非膜透過性分子を細胞に入れ又は膜を横切らせる膜の変質又は破壊、膜における孔形成、膜の分裂、あるいは膜の破壊又は溶解。本明細書で使用される場合、膜又は細胞膜は、脂質二重層を含む。膜の変質又は破壊は、少なくとも1つの以下のアッセイにおけるポリマーの活性によって機能的に定義することができる:赤血球細胞溶解(溶血)、リポソーム漏出(leakage)、リポソーム融合、細胞融合、細胞溶解、及びエンドソーム放出。細胞膜の溶解を引き起こす膜活性ポリマーは膜溶解性ポリマーとも呼ばれる。原形質膜を越えてエンドソーム又はリソソームの破壊を選択的に引き起こすポリマーは、エンドソーム溶解性(endosomolytic)であると考えられる。細胞膜に対する膜活性ポリマーの影響は一時的であり得る。膜活性ポリマーは、膜に親和性を有し、二重層構造の変性又は変形を引き起こす。膜活性ポリマーは合成又は非天然の両親媒性ポリマーであってもよい。
【0092】
ポリヌクレオチドの細胞への送達は、原形質膜又は内部小胞膜(例えばエンドソーム又はリソソーム)を破壊又は不安定化する膜活性ポリマーによって媒介され、膜に細孔を形成すること、あるいは、エンドソーム又はリソソーム小胞を破壊し、それによって細胞質中に小胞の内容物の放出を可能にすることによるものを含む。
【0093】
本明細書で使用される場合、立体安定剤は、立体安定剤を含まない分子と比較して、それが結合している分子の分子内又は分子間相互作用を防止又は阻害する、非イオン性の親水性ポリマー(天然、合成、又は非天然のいずれか)である。立体安定剤はそれが結合している分子が静電相互作用に関与するのを妨げる。静電相互作用は、正電荷と負電荷との間の引力による2つ以上の物質の非共有的会合である。立体安定剤は、血液成分との相互作用、従ってオプソニン化、食作用、及び細網内皮系による取り込みを阻害することができる。したがって、立体安定剤は、それらが結合している分子の循環時間を増加させることができる。立体安定剤はまた、分子の凝集を阻害することができる。いくつかの実施形態では、立体安定剤はポリエチレングリコール(PEG)又はPEG誘導体である。好適なPEG分子は約1〜120個のエチレングリコールモノマーを有する。
【0094】
標的基(また、標的リガンド)は、標的細胞若しくは組織、又は特定の細胞型への化合物の標的化又は送達に使用される。標的基は、標的細胞との分子の会合を増強する。したがって、標的基は、それらが結合しているコンジュゲートの薬物動態特性又は生体内分布特性を増強して、コンジュゲートの細胞分布及び細胞取り込みを改善することができる。細胞又は細胞受容体への標的基、例えばリガンドの結合はエンドサイト―シスを開始し得る。標的基は、以下を含む群:細胞表面分子に親和性を有する化合物、細胞受容体リガンド、及び抗体、抗体断片、並びに細胞表面分子に親和性を有する抗体模倣物、から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、標的基は細胞受容体リガンドを含む。様々なリガンドが、薬物及び遺伝子を、細胞及び特定の細胞受容体に標的化するために使用されてきた。細胞受容体リガンドは、以下を含む群:炭水化物、グリカン、糖類(これらに限定されるものではないが:ガラクトース、ガラクトース誘導体、マンノース、及びマンノース誘導体を含む)、ビタミン、葉酸塩、ビオチン、アプタマー、ペプチド(これらに限定されるものではないが:RGD含有ペプチド、インスリン、EGF、及びトランスフェリンを含む)、及びRGC模倣体、から選択されてもよい。
【0095】
本明細書で使用される場合、ASGPrリガンド(又はASGPrリガンド)は、ガラクトースと等しいかそれを超えるASGPrに対する親和性を有する、ガラクトース及びガラクトース誘導体を含む。ガラクトース標的基のASGPr(複数)への結合は、肝細胞への送達ペプチドの細胞特異的標的化、及び肝細胞内への送達ペプチドのエンドサイトーシスを促進する。ASGPrリガンドは、以下を含む群:ラクトース、ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)、ガラクトサミン、N−ホルミルガラクトサミン、N−アセチル−ガラクトサミン、N−プロピオニルガラクトサミン、N−n−ブタノイルガラクトサミン、及びN−イソ−ブタノイル−ガラクトサミン、から選択されてもよい(lobst、S.T.及びDrickamer、K.J.B.C.1996、271、6686)。ASGPrリガンドは、単量体(例えば、単一ガラクトサミンを有する)又は多量体(例えば、複数のガラクトサミンを有する)で有り得る。
【0096】
RNAiトリガー(dsRNAiトリガーとも呼ばれる)は、RNA干渉(RNAi)の生物学的プロセスを介して遺伝子発現を阻害する。RNAiトリガーは、典型的には15〜50塩基対又は18〜26塩基対を含む、二本鎖RNA又はRNA様構造を含み、そして、細胞内で発現される標的遺伝子におけるコーディング配列とコア領域にわたって少なくとも90%相補的な核酸塩基配列を有する。RNAiトリガーには、これらに限定されるものではないが、以下:低分子干渉RNA(short interfering RNA)(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、短ヘアピンRNA(short hairpin RNA)(shRNA)、及びダイサー基質、が挙げられる(米国特許第8,084,599 8,349,809及び8,513,207号明細書)。
【0097】
遺伝子発現を阻害、下方制御、又はノックダウンするとは、遺伝子から転写されたmRNAのレベル、あるいはmRNAから翻訳されたポリペプチド、タンパク質又はタンパク質サブユニットのレベルによって測定された遺伝子の発現が、本明細書に記載されたブロッキングポリヌクレオチド−コンジュゲートの非存在下で観察されたものよりも低いことを意味する。本明細書に記載の組成物によって送達されるポリヌクレオチドによる遺伝子発現の阻害、下方制御、又はノックダウンは、対照不活性核酸、スクランブル配列を有するか不活性化ミスマッチを有する核酸の存在下で、あるいは、可逆的に修飾されたポリマーへのポリヌクレオチドのコンジュゲーションの非存在下で、観察されたレベルを下回る。薬理学及び毒物学において、投与経路は、薬物、流体、毒、又は他の物質を身体に接触させる経路である。一般的に、哺乳動物の治療のための薬物及び核酸の投与方法は当該技術分野においてよく知られており、本明細書に記載の組成物の投与に適用することができる。本明細書に記載の組成物は、非経口を含む、その経路に適切に合わせた調製物で、任意の好適な経路を介して投与することができる。したがって、本明細書に記載の化合物は、例えば、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、又は腹腔内に、注射によって投与することができる。従って、本明細書に記載の組成物は医薬組成物に含まれてもよく、及び/又は、薬学的に許容される担体又は賦形剤の一部を成してもよい。
【0098】
投与の非経口経路は、シリンジ及び針又はカテーテルを使用する、血管内(静脈内、動脈内)、筋肉内、実質内、皮内、真皮下、皮下、腫瘍内、腹腔内、くも膜下腔内、硬膜下、硬膜外、及びリンパ内注射を含む。
【0099】
記載の組成物は、薬学的に許容される担体溶液で注入される。薬学的に許容されるとは、薬理学的/毒物学的観点から哺乳動物に許容されるそれらの特性及び/又は物質をいう。薬学的に許容されるというフレーズは、哺乳動物に投与された際に、生理学的に耐容され、かつ、典型的にはアレルギー又は他の有害又は毒性反応を生じない、分子実体、組成物、及び特性をいう。薬学的に許容されるという用語は、連邦又は州政府の規制当局によって承認され、あるいは、米国薬局方、又は動物及びより具体的にはヒトにおける使用のために一般的に認められた他の薬局方に記載され得ることを意味する。
【0100】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」は、薬理学的有効量の活性医薬成分(API、また、治療用製品、例えば、RNAiトリガー)、薬学的に許容される担体、及び任意により1つ又は複数の薬学的に許容される賦形剤を含有する。薬学的に許容される賦形剤(賦形剤)は、安全性について適切に評価された、薬物送達システムに意図的に含まれる、API以外の物質である。賦形剤は、意図された投与量で治療効果を発揮しないか、発揮することが意図されない。賦形剤は、a)製造中の薬物送達システムの処理に役立ち、b)APIの安定性、生物学的利用能又は患者受容性を保護、支持又は増強し、c)製品の識別を助け、及び/又は、d)保存又は使用中にAPIの全体の安全性、有効性、送達の任意の他の属性を増強するように、作用し得る。
【0101】
賦形剤には、これらに限定されるものではないが、以下:吸収促進剤、抗付着剤、消泡剤、抗酸化剤、結合剤、結合剤、緩衝剤、担体、被覆材、着色料、送達促進剤、デキストラン、デキストロース、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、増量剤、充填剤、香味料、流動促進剤、保湿剤、潤滑剤、油、ポリマー、保存剤、生理食塩水、塩、溶媒、糖類、懸濁化剤、徐放性マトリックス、甘味料、増粘剤、等張化剤、ビヒクル、防水材、及び湿潤剤、が挙げられる。薬学的に許容される賦形剤は不活性物質であってもなくてもよい。
【0102】
本明細書に記載の医薬組成物は、医薬組成物に一般的に見られる他の付加的な成分を含有することができる。薬学的に活性な物質は、これらに限定されるものではないが:抗掻痒剤、収斂剤、局所麻酔、又は抗炎症剤(例えば、抗ヒスタミン、ジフェンヒドラミン等)を含んでもよい。本明細書に定義されたRNAiトリガーを発現し又は含む細胞、組織又は単離された器官が「医薬組成物」として使用され得ることも想定される。本明細書で使用される場合、「薬理学的有効量」「治療上有効量」又は単に「有効量」とは、意図される薬理学的、治療的又は予防的結果を生じるためのRNAiトリガーの量をいう。
【0103】
テトラペプチドリンカーを含有する薬剤はまた、そのような薬剤の製造のためのプロセスである場合、本発明の目的であり、当該プロセスは、テトラペプチドリンカーを含有する1つ又は複数の化合物、並びに、所望される場合、1つ又は複数の他の治療上有益な物質をガレヌス(galenical)投与形態とすることを含む。
【実施例】
【0104】
実施例
実施例1.テトラペプチドリンカー及び、テトラペプチドリンカーを有するコンジュゲートの合成
A)ペプチド及びAENA標識ペプチドの合成
【0105】
【化6】
【0106】
(i)化合物1〜21の固相合成:ペプチド酸を、プロリン、ロイシン、アラニン又はN−メチルアラニンで予め充填した市販の2−Cl−Trt樹脂(EMD Millipore、ビレリカ、MA)から合成した。固相合成の技術分野で標準的な方法を用いて、段階的添加を行った。カップリングを、PYBOP(4当量)、アミノ酸(4当量)、及びDIEA(8当量)を用いて行った。Fmoc脱保護を、DMF中の20%ピペリジンを用いて行った。
【0107】
ペプチド合成後、N−末端アミノ酸を脱保護し、指示されたR5基とカップリングした。4当量のDIEAを含有するDMF中の、NAG(OAc)3(US8802773及びRozemaら2015で調製した)又はPEG12(Quanta Biodesign、Plain City、OH、CAS #:756525-94-7)のいずれかの2当量のNHS活性化エステルを用いて、カップリングを行った。他のR5基は同様の合成法を用いて結合することができる。R5の結合後、ペプチドを0.25時間、DCM中のHFIP(30%)を用いて樹脂から切断した。溶媒除去後、残渣をEt20でトリチュレートした。基質をその後さらに精製することなく使用した。
【0108】
(ii)化合物22〜43の一般的調製(22a、24a、25a、32a、34a):粗ペプチド基質(1〜21)の溶液に、PyBOP(2当量)、DIEA(2ea)、次いでAENA(2当量)を添加し、1時間室温で攪拌した。完了時に、溶媒を真空中で除去した。化合物24a、25a、32a、及び34aをその後さらに精製することなく使用した。全ての他の基質を、0.1%ギ酸で緩衝したアセトニトリル及び水の勾配を溶出するThermo Scientific Aquasil C 18逆相カラム(250x21.2、ウォルサム、MA)を備えたHPLC用いて精製した。精製後に、全ての化合物を凍結乾燥によって乾燥した。
【0109】
(iii)化合物22b、24b、25b、32b及び34bの調製:化合物24a及び25aを15分間DMF中の2%ヒドラジンで処理し、その後全ての溶媒を真空中で除去した。化合物32aをDCM中の50%TFAで1時間処理し、その後全ての溶媒を真空中で除去した。化合物34aを18時間無溶媒(neat)のギ酸で処理し、その後全ての溶媒を真空中で除去した。未精製化合物22aの一部をMeOH(25%)、H2O(45%)、及びTEA(35%)で処理し、室温で一晩攪拌し、その後全ての溶媒を真空中で除去した。上述のとおり脱保護した全ての化合物を、その後ステップ(ii)に記載のとおりHPLCにより精製した。
【0110】
B)化合物44a、44b、45a、45b及び34bの一般的調製、ペプチド基質のエステル活性化(iv):
【0111】
【化7】
【0112】
粗化合物01a、01b、08a、08b、15b、及び20を、ステップ(ii)に記載のとおりHPLCで第1精製した。HPLCによる精製前に、化合物01a及び08aを、ステップ(iii)に記載した22bの調製のように、MeOH(25%)、H2O(45%)、及びTEA(35%)で処理した。その後全ての化合物を次のように活性化した。火炎乾燥したフラスコ中で、0.2Mの濃度でDMF又はDCM中に精製した基質を含有する0℃の溶液に、NHS(3当量)及びDCC(3当量)を添加し、室温、アルゴン下で、一晩、撹拌させた。完了時に、混合物を部分的に濃縮し、−20℃に冷却し、濾過し、次いで全ての溶媒を真空中で除去した。残渣を最小限のDCM及びMeOHに溶解し、冷Et2O中に沈殿させ、遠心分離後に溶媒のデカンテーションによって回収した。Et2O中での沈殿を、残留ジシクロヘキシル尿素がNMRによる確認で検出可能でなくなるまで繰り返した。全ての調製した化合物をその後さらに精製することなく使用した。
【0113】
C)EDANS標識基質の合成、化合物48〜59の一般的調製:
【0114】
【化8】
【0115】
各ペプチド酸を、エタノールアミンで予め充填した市販の2−Cl−Trt樹脂(EMD Millipore、ビレリカ、MA)から合成した。段階的固相合成をステップ(i)に記載のとおり行った。ペプチド合成後、N−末端FMOCを除去し、配列を0.5時間DCM中の5%TFA、5%H2Oを用いて樹脂から切断し、ステップ(ii)に記載のとおりHPLCにより精製した。精製前に、化合物52及び53を、DCM中の50%TFA、5%TIS、5%H2Oで1時間処理した。
【0116】
D)化合物60の調製(vi)、消化アッセイのためのコントロールの合成:
【0117】
【化9】
【0118】
以前に記載のとおり調製した(US8802733、Rozemaら2015、Carlsonら2015)、PEG12−ACit−PABC−PNP(0.052mmol、56mg)を含有する溶液に、DMF(400uL)中のTEA(0.078mmol、10.8μl)及びEDANS(0.052mmol、14mg)を加え、懸濁液として室温アルゴン下で一晩撹拌した。完了時に全ての溶媒を真空中で除去し、粗残留物をEt2Oでトリチュレートし、CHCl3中のMeOH(10−20%)の勾配を溶出するSiO2を用いて精製した。収率58mg(92%)。
【0119】
【表1-1】
【表1-2】
【0120】
実施例2.テトラペプチドリンカーの切断の速度
様々なアミノ酸の組み合わせ、テトラペプチドを使用して、様々な第1部分(R5)及びAENAレポート基(report group)第2化合物(R6)を連結し、アッセイ基質(基質)を形成した。ペプチドの切断速度を、ラットリソソーム抽出物の存在下で基質の消化の分析によって評価した。
【0121】
レポーティング基(Reporting group)を、UV−visモニタリングのために上述のペプチド基質のC−末端にカップリングさせ、HPLCによってペプチド分解の反応速度論に対するアミノ酸配列の影響を調べた。吸光係数もλmaxもペプチドからの切断後に影響しなかったので、N−(2−アミノエチル)−4−ニトロアニリン(AENA)又はN−(アミノエチル)−5−ナフチルアミン−1−スルホン酸(EDANS)を、HPLCモニタリングのためのレポーティング基として使用した。各ペプチド基質のN−末端を、メトキシポリエチレングリコール(PEG12)又はN−アセチルガラクトサミン(NAG(OR)3)のいずれかで修飾した(図1)。
【0122】
消化アッセイ:37℃でインキュベートした1%CHAPS及び1.8mMのDTTを含有するpH5に緩衝した25mMのMES溶液中の肝臓リソソーム(酵素)抽出物(0.45μg/μL)を用いて、固定基質濃度(0.51μmol)で、タンパク質分解消化実験を行った。酵素抽出物を、AENA標識ペプチド基質の添加前に、37℃で15分間DTTの存在下で活性化した。26時間までの様々な時点で20μlのアリコートを取り出し、TFAでpH3に酸性化した。画分の分析を、Aquasil C 18逆相カラム(250x4.6、Thermofisher、ウォルサム、MA)を備えたHPLCを用いて行い、390nm及び335nmでそれぞれAENA及びEDANSについてモニターした。0.1%ギ酸で緩衝したアセトニトリル及び水の勾配を用いて溶出を行った。非修飾リポーター分子の生成を測定した。凍結解凍サイクルを最小限に抑えるため、リソソーム抽出物を−80℃での保存前に、複数のアリコートに分注した。新しいアリコートを各試験に用い、解凍直後に使用した。リソソーム抽出物は、分画密度勾配遠心分離(differential density gradient centrifugation)によって雌Hans Wistarラットから供給された(Grahamら2000)。リソソーム抽出物のタンパク質濃度を、標準BCAタンパク質アッセイプロトコルによって決定した。化合物60を実験間の速度の正規化のために使用した(表2〜4)。60について複数のアッセイにわたって観察された平均実験速度は123.8nmol/hであった。正規化されたサンプル速度を以下のように計算した:
[(平均化合物60速度÷実験化合物60速度)]×サンプル実験速度
【0123】
速度(Rate)(分解の速度(velocity of degradation)又は速度(velocity)とも呼ばれる)初期線形回転(early linear turnover)の間に外挿された(表2)。本明細書で使用される場合、速度は、50%未満の完了時にレポーティング基生成の線形速度として定義される(消化速度は50%未満の完了時に線形であると仮定された)。切断が連続的な一次速度論から逸脱した基質については、消化の終点で遊離したレポーティング基のパーセントを比較の基準として使用した。
【0124】
表2におけるデータは、位置A2及びA4にかさ高い(bulky)疎水性アミノ酸、位置A3にかさ高い親水性(極性)アミノ酸、並びに、位置A1にプロリン又はロイシンを有するテトラペプチドにより、切断の最も早い速度が観察されたことを示す。いくつかの実施形態では、位置A1におけるアミノ酸はプロリンである。
【0125】
1位置にプロリンを有するテトラペプチドリンカーは最も速い速度を有した。化合物30(FCitAP(配列番号8))、及び23(FCitFP(配列番号12))のプロリンがアラニンに変更されると、化合物33(FCitAA(配列番号7))及び39(FCitFA(配列番号10))、速度及び消化の完了時間の劇的な低下が観察された。化合物23に示されるように、化合物27のA1におけるロイシンをプロリンで置換することは、プロリン含有テトラペプチドについての速度の大幅な増加をもたらした。ロイシン含有化合物25bにおける場合と比較して、プロリン含有化合物24bで速度のわずかな増大も観察された。
【0126】
位置A2及びA4により大きな(かさ高い)疎水性アミノ酸を有するテトラペプチドはまた、一般により高い速度を示した。A2位置における側鎖のかさ(bulk)が増大すると、化合物30、26及び23は、消化の速度が増加した。同様に、A4位置における側鎖のかさの増大は、それぞれ化合物31、28及び23で示されたように消化の速度を増加させた。
【0127】
位置A3にかさ高い極性(天然又は正に荷電した)アミノ酸を有するテトラペプチドは、より速い切断速度を示した。化合物23、24b、32b、及び34bを参照のこと。
【0128】
化合物29を得るためのA1における化合物39のN−メチル化は、より速い速度及びより速い消化の完了をもたらした(図2も参照)。
【0129】
【表2】
【0130】
所与のテトラペプチドについて、切断の速度(非修飾H2N−R6の遊離の速度)は、化合物R5の同一性によって有意に影響を受けなかった。化合物22a及び23は、タンパク質分解消化の速度について本質的に同等であった(表3)。同様に、アセチル修飾されたNAG(OAc)3、化合物22aは、非修飾類縁体である化合物22bと比較して、消化の速度に対する無視できる影響を有することが示された(表3)。
【0131】
【表3】
【0132】
実施例3.ジペプチドの消化速度に対するアミノ酸A1及びA2の影響
アミン末端及びC−末端(R6)EDANSリポーターを有するジペプチド基質を、切断速度に対するアミノ酸A1及びA2の影響をさらに分析するために作成した。ジペプチド基質は、アミノ酸A2とA3との間のテトラペプチド第1切断事象に続いてテトラペプチドリンカーを模倣する。ジペプチドを抽出物で処理し、消化産物を上述のように分析した。表4に見られるように、A1にプロリンを有するジペプチドは、より速い切断速度を示した。表2のデータと一致して、切断速度は位置A1におけるアミノ酸、並びに位置A2としてのアミノ酸のサイズ及び電荷に依存することがわかる(表4)。位置A1にプロリンを有するペプチドは最大切断速度を有する。切断の速度はまた、化合物48、49、50、52、55及び58について見られるように、A2アミノ酸の大きさ及び疎水性が増大するにつれて増加した。
【0133】
(それぞれ化合物54及び56を得るための)化合物57及び59へのフェニルアラニンの付加は、付加的なアミノ酸にもかかわらず、消化の速度の実質的な増加をもたらした。
【0134】
【表4】
【0135】
実施例4.異なる供給源からの抽出物を用いた消化の分析
観察された切断速度はタンパク質分解酵素の供給源に依存しなかった。市販のラット及びヒト肝臓S9抽出物(Xenotech LLC、Lenexa、KS)を使用して消化した場合、増加速度の順序(23>30>37>42)は維持された(表5)。したがって、切断速度は、異なる種及び細胞型を越えて同様であると予想される。
【0136】
【表5】
【0137】
実施例5.ペプチドリンカー消化中間体の分析
実施例2及び3からのアリコートをHPLC及びエレクトロ−スプレーイオン化質量分析法によってさらに分析し、消化中間体を同定した。分析は、基質分解の初期細胞内タンパク質分解事象のための複数の切断可能な位置を示した。位置A1にプロリンを有するテトラペプチドリンカー(22a、22b、23、24b、26、28、30、31、34b、37、及び42)は、有意な量のH2N−Pro−R6中間体を生成しないようであった。すなわち、A1におけるプロリンと位置A2におけるアミノ酸との間に有意な消化は見られなかった。A2−プロリン−AENA又は遊離AENAのみが観察された。A1がアラニン又はロイシンであった場合、律速段階は最終残基のタンパク質分解であった。消化中間体は、図2に化合物39(FCitFA(配列番号10))及び29(FCitF(Nme)A(配列番号9))について示されている。
【0138】
実施例6.H2N−R6の放出はR6におけるポリマー化合物の立体的かさ高さによって損なわれなかった。
PEGテトラペプチド修飾剤を、R5におけるPEG基及びR7における活性化エステルを用いることによって合成した(式V)。膜活性ポリアミン(下記参照)を、第VII因子siRNA、CDM−NAG及び指示されたテトラペプチド(45b、46)又は以前に記載されたトリペプチドコントロール(47)修飾剤(米国特許第8137695及び8426554号明細書)により修飾して、動的ポリコンジュゲート送達ポリマーを形成した。次いで、0.25mg/kgのsiRNAにコンジュゲートした1mg/kgのポリマーをマウスに注入した。5日目に、サンプルを回収し、第VII因子についてアッセイした。第VII因子のノックダウンは、以前に記載されたCDMマスキング剤及びジペプチド−PABCマスキング剤と同様の速度での、ポリアミンからの修飾剤の切断を必要とする。表6に示されるように、記載のテトラペプチド剤(45b、46)はDPC−媒介siRNA送達で用いられる場合に有効な修飾剤であり(米国特許第8137695及び8426554合明細書)、細胞内での迅速な切断を示し、膜活性ポリアミンを放出した。有効なイン・ビトロノックダウンはまた、PEG基の存在がイン・ビボでのリンカーの消化に悪影響を及ぼさなかったことを示す。PEG12で官能化されたテトラペプチドで修飾された動的ポリコンジュゲート送達ポリマーについて、イン・ビボでのノックダウン増加の順序(45b>46>47)は、イン・ビトロの速度論的結果と相関した。速度論的評価のためのイン・ビトロモデルの検証は動物研究で得られた結果によって示された。
【0139】
【表6】
【0140】
実施例7.不安定性のイン・ビボ分析
DPC−媒介siRNA送達のための修飾剤としてのリンカーを試験することによって、テトラペプチドをイン・ビボの不安定性及び可逆性について分析した。
【0141】
A)RNA干渉トリガー(siRNA)
siRNA合成:以下の配列のコントロールsiRNAを、標準的なホスホロアミダイト化学を用いて合成した。
【0142】
siF7 sense: 5′-(NH2-C6)-GfcAfaAfgGfcGfuGfcCfaAfcUfcAf(invdT)-3′ 配列番号4
siF7 antisense: 5′dTsGfaGfuUfgGfcAfcGfcCfuUfuGfcdTsdT-3′ 配列番号6
(小文字、2´−OMe置換;f、2´−F置換;d、2´−デオキシ置換;及びs、ホスホロチオエートリンケージ)
【0143】
DBCOジスルフィドによるアミンsiRNAの修飾:5´アミン−修飾siRNAと、1重量当量(wt.eq.)のジベンゾシクロオクチン−S−S−N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(ALDRICHカタログ#761532)及び水中の0.36重量当量のNaHCO3との4℃で16時間の反応によって、DBCO−修飾siRNAを合成した。次いで修飾されたsiRNAを9容量のエタノールの添加、及び−80℃で2時間のインキュベートによって沈殿させた。沈殿物をRNase−フリーのPBS緩衝液に溶解し、260nmでの吸光度を測定することによって定量した。
【0144】
B)ポリマー合成:
N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及びsec−ブチルアクリレート(EAB)のRAFTコポリマー:酢酸ブチル中のAIBN(1.00mg/mL)及びRAFT剤CPCPA(10.0mg/mL)の溶液を調製した。モノマーモル供給量は、55%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート、45%sec−ブチルアクリレート(CAS#2998−08−5)であった。理論Mwは100,000であった。N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート(0.890g、3.43mmol)sec−ブチルアクリレート(0.391mL、0.360g、2.81mmol)CPCPA溶液(0.350mL、0.0125mmol)、AIBN溶液(0.308mL、0.00188mmol)、及び酢酸ブチル(5.3mL)を、スターラーバーを備えた20mLガラスバイアルに加えた。バイアルをセプタムキャップで密封し、出口としての第2シリンジを有するロングシリンジを用いて1時間、溶液を窒素でバブリング(bubbled)した。シリンジを除去し、バイアルを80℃に16時間、油浴を用いて加熱した。溶液を室温に冷却し、ヘキサン(35mL)を溶液に添加する前に、50mL遠心管に移した。溶液を2分間4,400rpmで遠心分離した。上清層を注意深くデカントし、底部(固体又はゲル状)層をヘキサンですすいだ。次に底部層をDCM(7mL)に再溶解し、ヘキサン(40mL)で沈殿させ、再度遠心分離した。上清をデカントし、底部層をヘキサンですすいだ後、ポリマーを減圧下で数時間乾燥させた。粗EABコポリマーの収量は0.856gであった。粗ポリマーのサンプルを多角度光散乱(MALS)のために採取した。乾燥した粗コポリマーをDCM(100mg/mL)に溶解した。ヘキサンを曇り点に達する直後まで添加した。得られた乳状溶液を遠心分離した。底部層を抽出し、ヘキサン中に完全に沈殿させた。画分を遠心分離し、その後コポリマーを単離し、そして真空中で乾燥させた。EABコポリマーの単離された画分の収量は0.478gであった。分画コポリマーのサンプルを1H−NMR及びMALSのために採取した。1H−NMRによって決定された組成物は61%N−Boc−エトキシエチルアミン及びアクリレート、39%sec−ブチルアクリレートであった。
【0145】
MALS分析:約10mgのコポリマーを、0.5mLの75%ジクロロメタン、20%テトラヒドロフラン、5%アセトニトリルに溶解した。分子量及び多分散性(PDI)を、Jordi 5μ 7.8 x300 Mixed Bed LS DVBカラムを使用するShimadzu Prominence HPLCを取り付けたWyatt Heleos II多角度光散乱検出器を用いて測定した。粗ポリマー:MW:59,000(PDI 1.3)、分画ポリマー:MW70,000(PDI:1.1)。
【0146】
脱保護/透析:乾燥したサンプルを酢酸中の2MのHCl(〜7ml)で1時間処理して、BOC保護基を除去した。次に反応物を20mlの水で希釈し、10〜15分間撹拌した。次に、高塩、高塩、及び水でそれぞれ15時間、8時間、及び15時間、3500MW透析チューブを用いて画分を透析した。次に画分を50ml遠心管に移し、3日間又は乾燥するまで凍結乾燥した。乾燥サンプルをさらなる研究のために水で20mg/mlに調製した。
【0147】
C)可逆的に修飾されたsiRNA−ポリアミンコンジュゲートの形成:5mMのpH8.0 HEPES緩衝液中のポリアクリレートEABを、1.5wt%N−ヒドロキシスクシンイミジル活性化PEG4アジド(アジド−dPEG4−NHSエステル、Quanta Biodesignから)で修飾し、siRNAのその後の結合のためのアジド基を提供した。次に、アジド−修飾ポリマーを、60mg/mLのHEPES塩基で5mg/mLに希釈した。この溶液に、15mg/mL(3重量当量)の指示されたプロテアーゼ−切断可能なPEG修飾試薬(本明細書に記載のテトラペプチド剤又はPEG12−FCit−PABC−PNP(8426554)を添加して、40〜50%の利用可能なアミン基を修飾した。1時間後、DBCO−修飾げっ歯類第VII因子siRNA(ポリマーに対して0.25重量当量)をポリマー溶液に添加した。一晩インキュベーション後、利用可能なアミン基に対してモル過剰のN−アセチルガラクトサミン誘導体CDM−NAG、NAG−A4−A3−A2−A1−NHS又はNAG−ACit−PABC−PNP(米国特許第8426554号明細書、Rozemaら2015、Carlsonら2015)の添加によってコンジュゲートをさらに修飾し、30分間インキュベートして、残りのポリマーEABアミンを可逆的に修飾した。
【0148】
D)イン・ビボアッセイ
マウス及び注入手順
6〜8週齢の雄のWistar Hanラット及び雌のICRマウスを、Harlan Sprague-Dawley(インディアナポリス、IN)から入手した。Arrowhead Madison Incの動物実験委員会によって承認された動物使用プロトコルに従って動物を取り扱った。げっ歯類を、12時間の明/暗サイクルで、水及び食料(Harlan Teklad Rodent Diet、ハーラン、マディソン、WI)への自由なアクセスで維持した。動物に0.25mg/kgのsiRNAにコンジュゲートした1mg/kgのポリマーを注入した。サンプルを注入後5日に採取した。
【0149】
血清FVII活性測定
血清サンプルを、標準的な手順に従って、0.109Mのクエン酸ナトリウム抗凝固剤(1容量)を含むマイクロ遠心管に顎下出血により血液を採取することによって調製した。血清中のFVII活性を、製造業者の推奨に従って試験キット(BIOPHEN VII、アニアラ、メイソン、OH)を用いて発色法により測定した。比色展開(colorimetric development)の吸光度を、405nmでTecan Safire−2マイクロプレートリーダーを用いて測定した。
【0150】
表7のデータは、テトラペプチド修飾DPC送達ポリマーがイン・ビボでのsiRNAの送達に有効であったことを示す。さらに、テトラペプチド剤は、以前に記載されたジペプチド−PABC修飾剤と同様に有効であった。タンパク質分解FCitFP(配列番号12)四量体を含む、44a及び44bを有するコンジュゲートは、ノックダウンのためにPABC媒介分解を利用するコンジュゲートと同等の活性を示した(表7)。有効なsiRNA送達は、有効なポリアミンの修飾及び標的化、並びに細胞への送達後の肝細胞におけるポリマーの消化及び放出の成功を示す。
【0151】
イン・ビボ活性及び機能はFCitFP(配列番号12)修飾DPC送達ポリマーでのイン・ビトロ消化速度データに相関し、FCitAP修飾DPC送達ポリマーよりも優れたsiRNA送達を示した。したがって、イン・ビトロの消化速度データは、イン・ビボでの消化及び放出データを正確に予測した。
【0152】
【表7】
【0153】
実施例8.RGD模倣体テトラペプチド及びPEG−テトラペプチド修飾DPC送達ポリマー
A)APN 1170−100A(100A)及びAPN1203−006(006)両親媒性膜活性ポリアミンの合成
【0154】
【表8-1】
【0155】
i)材料
2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65、ラジカル開始剤)をWako Pure Chemical Industriesから購入した。アクリル酸プロピルをPolysciences Incから購入した。N−Boc−エトキシ−エチルアミンアクリレートはWuXi Incから入手した。2−(ドデシルチオ−カルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸(DDMAT、RAFT剤)、1,1´−アゾビス−(シクロ−ヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、1−エチルピペリジン次亜りん酸塩(EPHP)、ペンタフルオロフェノール、Ν,Ν´−ジシクロヘキシルカルボジイミド及びΝ,Ν−ジイソプロピル−エチルアミンをSigma Aldrichから購入した。O−(2−アミノエチル)−O´−(2−アジドエチル)トリエチレングリコール(アジド−PEG4−アミン)はBiomatrik Incから購入した。
【0156】
ii)N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及びプロピルアクリレート(EAP)のRAFTコポリマー
酢酸ブチル中のV−65(2mg/mL)及びRAFT剤DDMAT(10mg/mL)の溶液を調製した。モノマーモル供給は52%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート、48%プロピルアクリレートであった。理論Mwは75,000であった。開始剤(V−65)に対するRAFT剤(DDMAT)のモル比は6.67:1であった。
【0157】
N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート(1.778g、6.86mmol)、プロピルアクリレート(0.794mL、0.722g、6.33mmol)、DDMAT溶液(1.215mL、0.0333mmol)、V−65溶液(0.621mL、0.005mmol)、及び酢酸ブチル(10.2mL)を、スターラーバーを備えた20mLガラスバイアルに加えた。バイアルをセプタムキャップで密封し、出口としての第2ニードルを有するロングニードルを用いて1時間、溶液を窒素でバブリングした。ニードルを除去し、バイアルを24時間撹拌しながら50℃に加熱した。溶液を室温に冷却し、2本の50mL遠心管間に等分した後、ヘキサン(35mL)を両方の管に添加した。溶液を2分間4400rpmで遠心分離した。上清層を注意深くデカントし、底部層をヘキサンですすいだ。次いで各管の底部層をジクロロメタン(7mL)に再溶解し、ヘキサン(40mL)中に沈殿させ、再度遠心分離した。上清をデカントし、底部層をヘキサンですすいだ後、層を1本の50mL遠心管にあわせ、ポリマーを減圧下で数時間乾燥させた。粗EAPコポリマーの収量は2.1gであった。コポリマーのサンプルを、多角度光散乱法(multi-angle light scattering)(MALS)、及び1H−NMRのために採取した。
【0158】
ポリマー006:1H−NMRにより決定された組成は55%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び45%プロピルアクリレートであった。MALSによって決定された006についてのMwは58,600g/molであり、多分散指数(PDI)は1.04であった。
【0159】
ポリマー100A:1H−NMRによる組成:56%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び44%プロピルアクリレート。MALSによるMW:65,150、1.122のPDI。
【0160】
iii)ラジカル誘導ω−末端基除去(ポリマー006のみ)
1,1’−アゾビス−(シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN、20mg/mL)及び1−エチルピペリジン次亜りん酸塩(EPHP、100mg/mL)の溶液をトルエン中で調製した。EAP(2g、0.035mmol)、ACHN(0.213mL、0.5当量、0.0174mmol)、EPHP(1.25mL、20当量、0.697mmol)、及びトルエン(25.2mL)を、スターラーバーを備えた40mLガラスバイアルに加えた。バイアルをセプタムキャップで密封し、出口としての第2ニードルを有するロングニードルを用いて1時間、溶液を窒素でバブリングした。ニードルを除去し、バイアルを2時間100℃に加熱した。溶液を室温に冷却し、〜20mLのトルエンをロータリーエバポレーションにより除去した。残りの溶液を50mL遠心バイアルに移し、ヘキサン(35mL)を加えた。溶液を2分間4400rpmで遠心分離した。上清層を注意深くデカントし、底部層をヘキサンですすいだ。次いで、底部層をジクロロメタン(7mL)に再溶解し、ヘキサン(40mL)中に沈殿させ、再度遠心分離した。上清をデカントし、底部層をヘキサンですすいだ後、ポリマーを減圧下で〜1時間乾燥させた。ポリマーをメチルtert−ブチルエーテル(80mL)に溶解し、分液漏斗に移した。次いで、溶液を3×30mL容量のH2Oで、続いて3x30mL容量の飽和NaClで洗浄した。次いで、ポリマー溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、0.45μmGHPフィルターを通して真空ろ過した。MTBEをロータリーエバポレーション及び高真空によって除去した。UV分光光度計を用いて末端基の除去のモニタリングのために、サンプルを採取した。末端基除去率は99%と計算された。サンプルをMALS、GC−FID、及び1H−NMRのために採取した。1H−NMRによる006の組成は、55%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び45%プロピルアクリレートであった。GC−FIDによって決定された006の転化率(conversion)はN−Boc−エトキシエチルアミンアクリレートについて81.4%、及びプロピルアクリレートについて77.3%であった。GC−FID転化率によって決定された100Aの転化率は、N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレートについて87%、及びプロピルアクリレートについて83%であった。MALSによって決定されたポリマー006についてのMwは57,700g/molであり、多分散指数(PDI)は1.06であった。
【0161】
iv)α−末端基のペンタフルオロフェノール活性化
EAPポリマー(2g、0.0347mmol)、ペンタフルオロフェノール(63.8mg、0.3466mmol)、N,N´−ジシクロヘキシルカルボジイミド(71.5mg、0.3466mmol)、及びジクロロメタン(40mL)を、スターラーバーを備えた100mL丸底フラスコに加えた。フラスコをゴム製セプタムで栓をし、系を窒素で15分間パージした。溶液を16時間室温で攪拌した。追加のペンタフルオロフェノール(63.8mg、0.3466mmol)及びN,N´−ジシクロヘキシルカルボジイミド(71.5mg、0.3466mmol)を添加し、フラスコをゴム製セプタムで栓をし、系を窒素で15分間パージした。溶液を3時間室温で攪拌した。ポリマーをヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマーを最小限のジクロロメタンに溶解し、ヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマーを最小限の酢酸エチルに溶解し、ヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマー沈殿物を、固体が恒量に達するまで、高真空下で乾燥させた。
【0162】
v)α−末端基のアジド官能化
ゴム製セプタム及びスターラーバーを備えた100ml丸底フラスコ中に、先のステップからのポリマー(1.9g、0.0329mmol)をジクロロメタン(38mL)に溶解した。アジド−PEG4−アミン(86.4mg、0.3293mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(46.8mg、63.1μl、0.3622mmol)を撹拌しながらフラスコに添加した。系を窒素で15分間パージし、反応物を室温で一晩撹拌したままにした。追加のアジドPEG4アミン(86.4mg、0.3293mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(46.8mg、63.1μl、0.3622mmol)をフラスコに添加し、系をN2ガスでパージし、反応物を3時間室温で攪拌した。ポリマーをヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマーを最小限のジクロロメタンに溶解し、ヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマー沈殿物を、固体が恒量に達するまで、高真空下で乾燥させた。アジド官能化EAPの収量は1.77gであった。コポリマーのサンプルを多角度光散乱法(MALS)、及び1H−NMRのために採取した。
【0163】
ポリマー006:1H−NMRによって決定した組成は、56%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び44%プロピルアクリレートであった。MALSによって決定したMwは60,330g/molであり、多分散指数(PDI)は1.05であった。
【0164】
ポリマー100A:1H−ΝΜΡによる組成は、56%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び44%プロピルアクリレートであった。MALSによって決定したMw:64,430、PDIは1.217であった。
【0165】
モノ−アジド:用語「モノ−アジド」又は「モノ−アジドポリマー」とは、上記手順のステップD及びEを行い、アジド基をポリマーのα−末端基にカップリングさせたことを示す。
【0166】
vi)Boc脱保護及びタンジェンシャルフローろ過(Tangential Flow Filtration)
100mL丸底フラスコ中で、酢酸中の2MのHCl(28mL)をアジド官能化EAPコポリマー(1.67g、0.0277mmol)に添加した。反応物を室温で1時間攪拌した。脱イオン化H2O(56mL)を添加し、10分間攪拌した。次いで溶液を、タンジェンシャルフローろ過システム(KrosFlo Research)を備えたmPES 30kD 115cm2フィルターモジュールを用いて、10当量容量の5mMクエン酸リン酸緩衝液(pH5)で直ちに交換した。次いで溶液を装置を用いて55mLの最終容量まで濃縮した。5.1のpH値を記録した。ヘッドスペースガスクロマトグラフィーによる濃度測定のためにサンプルを採取した。アリコートを凍結乾燥し、次いで1H−NMR分析のために10mg/mLの濃度での酸化重水素中の33.3%アセトニトリル−dで再構成した。理論MWは、006及び100Aについてそれぞれ、43,026g/mol、45,765g/molと計算された。
【0167】
vii)同様の技術を用いて、同様の両親媒性膜活性ポリアミンが容易に形成され得る。特に、分子量(Mw)40〜120k保護(25k〜85k脱保護)、1.03〜1.2のPDI範囲、及び35%アミンモノマー/65%疎水性基モノマー〜70%アミンモノマー/30%疎水性基モノマーのモノマー比を有する両親媒性膜活性ポリアミン。
【0168】
B)APN1095−126(126)の合成
【0169】
【表8-2】
【0170】
100A及び006の合成に使用したトリチオカーボネート部分RAFT剤及びV−65RAFT開始剤と比較して、APN1095−126の合成はジチオベンゾアート部分RAFT剤及びAIBN RAFT開始剤を使用した。この重合のための条件は、異なる加熱温度及び時間を必要とした。さらに、このポリマーは、分別沈殿を必要とした。ポリマーはエンドキャップされていないが、アジド付加の方法は100A及び006と同じであった。
【0171】
i)材料
プロピルアクリレートをPolysciences Incから購入した。N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレートをWuXi Incから入手した。4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸(CPCPA、RAFT剤)、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN、ラジカル開始剤)、ペンタフルオロフェノール、Ν,Ν´−ジシクロヘキシルカルボジイミド及びN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、Sigma Aldrichから購入した。O−(2−アミノエチル)−O´−(2−アジドエチル)トリエチレングリコール(アジド−PEG4−アミン)をBiomatrik Incから購入した。
【0172】
ii)N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及びプロピルアクリレート(EAP)のRAFTコポリマー
以下の手順を8回繰り返して、合計4.5513gの分画EAPコポリマーを得た。酢酸ブチル中のAIBN(1.035mg/mL)及びRAFT剤CPCPA(50.54mg/mL)の溶液を調製した。モノマーモル供給は、52%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート、48%プロピルアクリレートであった。理論Mwは75,000であった。RAFT剤(CPCPA)対開始剤(AIBN)のモル比は6.67:1であった。
【0173】
N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート(1.7879g、6.9mmol)、プロピルアクリレート(0.774mL、0.7121g、6.24mmol)、CPCPA溶液(0.184mL、0.0333mmol)、AIBN溶液(0.793mL、0.005mmol)、及び酢酸ブチル(11.02mL)を、スターラーバーを備えた20mLガラスバイアルに加えた。バイアルをセプタムキャップで密封し、出口としての第2ニードルを有するロングニードルを用いて1時間、溶液を窒素でバブリングした。ニードルを除去し、バイアルを撹拌しながら50℃に24時間加熱した。溶液を室温に冷却し、50mL遠心管に移した後、ヘキサン(35mL)を添加した。溶液を2分間4400rpmで遠心分離した。上清層を注意深くデカントし、底部層をヘキサンですすいだ。次いで各管の底部層をジクロロメタン(7mL)に再溶解し、ヘキサン(40mL)中に沈殿させ、再度遠心分離した。上清をデカントし、底部層をヘキサンですすいだ後、ポリマーを減圧下で数時間乾燥させた。粗EAPコポリマーの収量は1.734gであった。粗コポリマーのサンプルを、多角度光散乱法(MALS)、及び1H−NMRのために採取した。乾燥した粗コポリマーをDCM(100mg/mL)に溶解させた。ヘキサンを曇り点に達する直後まで添加した。得られた乳状溶液を遠心分離した。底部層を抽出し、ヘキサン中に完全に沈殿させた。画分を遠心分離し、その後コポリマーを単離し、真空下で乾燥させた。EAPコポリマーの単離画分の収量は0.602gであった。分画コポリマーのサンプルを1H−NMR及びMALSのために採取した。1H−NMRによって決定した組成は、56%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び44%プロピルアクリレートであった。MALSによって決定したMwは62,010g/molであり、多分散指数(PDF)は1.14であった。
【0174】
iii)α−末端基のペンタフルオロフェノール活性化
EAPポリマー(2g、0.0347mmol)、ペンタフルオロフェノール(63.8mg、0.3466mmol)、N,N´−ジシクロヘキシルカルボジイミド(71.5mg、0.3466mmol)、及びジクロロメタン(40mL)を、スターラーバーを備えた100mL丸底フラスコに加えた。フラスコをゴム製セプタムで栓をし、系を窒素で15分間パージした。溶液を16時間室温で攪拌した。追加のペンタフルオロフェノール(63.8mg、0.3466mmol)及びN,N´−ジシクロヘキシルカルボジイミド(71.5mg、0.3466mmol)を添加し、フラスコをゴム製セプタムで栓をし、系を窒素で15分間パージした。溶液を3時間室温で攪拌した。ポリマーをヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマーを最小限のジクロロメタンに溶解し、ヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマーを最小限の酢酸エチルに溶解し、ヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマー沈殿物を、固体が恒量に達するまで、高真空下で乾燥させた。
【0175】
iv)α−末端基のアジド官能化
ゴム製セプタム及びスターラーバーを備えた100ml丸底フラスコ中に、先のステップからのポリマー(1.9g、0.0329mmol)をジクロロメタン(38mL)に溶解した。アジド−PEG4−アミン(86.4mg、0.3293mmol)及びN,N−ジイソプロピル−エチルアミン(46.8mg、63.1μl、0.3622mmol)を撹拌しながらフラスコに添加した。系を窒素で15分間パージし、反応物を室温で一晩撹拌したままにした。追加のアジドPEG4アミン(86.4mg、0.3293mmol)及びN,N−ジイソプロピル−エチルアミン(46.8mg、63.1μl、0.3622mmol)をフラスコに添加し、系をN2ガスでパージし、反応物を3時間室温で攪拌した。ポリマーをヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマーを最小限のジクロロメタンに溶解し、ヘキサン(〜10x容量)で沈殿させ、遠心分離し、溶媒をデカントした。ポリマー沈殿物を、固体が恒量に達するまで、高真空下で乾燥させた。アジド官能化EAPの収量は1.77gであった。コポリマーのサンプルを多角度光散乱法(MALS)、及び1H−NMRのために採取した。1H−NMRによって決定した組成は、56%N−Boc−エトキシエチルアミンアクリレート及び44%プロピルアクリレートであった。MALSによって決定したMwは66,670g/molであり、多分散指数(PDI)は1.11であった。
【0176】
v)Boc脱保護及びタンジェンシャルフローろ過
100mL丸底フラスコ中で、酢酸中の2MのHCl(28mL)をアジド官能化EAPコポリマー(1.67g、0.0277mmol)に添加した。反応物を室温で1時間攪拌した。脱イオン化H2O(56mL)を添加し、10分間攪拌した。次いで溶液を、タンジェンシャルフローろ過システム(KrosFlo Research)を備えたmPES 30kD 115cm2フィルターモジュールを用いて、10当量容量の5mMクエン酸リン酸緩衝液(pH5)で直ちに交換した。次いで溶液を装置を用いて55mLの最終容量まで濃縮した。5.1のpH値を記録した。ヘッドスペースガスクロマトグラフィーによる濃度測定のためにサンプルを採取した。アリコートを凍結乾燥し、次いで1H−NMR分析のために10mg/mLの濃度での酸化重水素中の33.3%アセトニトリル−dで再構成した。理論MWは、43,026g/molと計算された。
【0177】
C)RGD−PEGn−FCitFP−TFP及びPEGn−FCitFP−TFP剤合成
修飾剤前駆体(di−Boc)RGD(OtBu)−APBA−PEGn−FCitFP−COOHを、Fmoc−プロリン−OHを予め充填した2−Cl−Trt樹脂を用いる、一般的なFmoc化学固相合成を用いて調製した。樹脂−Pro−Fmocに、以下を連続して加えた(各ステップでのFmoc脱保護後に):FMoc−Phe−OH、Fmoc−Cit−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−NH−PEGn−COOH、4−(N−Fmoc−p−アミノフェノキシ)−酪酸(APBA)、Fmoc−Asp(OtBu)−OH、Fmoc−Gly−OH、及びdiboc−m−グアニジノ安息香酸。
【0178】
(diboc)RGD(OtBu)−APBA−PEGn−FCitFP−COOH(458mg、0.200mmol)及びTFP(66.5mg、0.400mmol)を無水DCM(5.0mL)に溶解し、アルゴン下で撹拌しながら氷/水浴中で0℃に冷却した。EDC(77mg、0.400mmol)を添加し、反応混合物を氷/水浴中で0℃で30分間撹拌した。反応の進行をTLC(8.5:1.5 CHCl3:MeOH)によってモニターし、TLCによる出発物質が観察されなくなった90分後に完了した。反応混合物をDCMで100mLの総容量に希釈し、3×40mLのDI H2O(pH=5)で洗浄し、1×40mLの水性飽和NaCl溶液で洗浄した。次いで有機物をNa2SO4上で乾燥させ、ロータリーエバポレータ―で濃縮して、448mg(92%収量)の褐色/橙色の泡状物を得た。構造を1H−NMR、及びESI MSによって確認した(PEG20(n=20)について上記に示された反応)。
【0179】
【化10】
【0180】
(diboc)RGD(OtBu)−PEGn−FCitFP−TFP(497mg、0.204mmol)を[9.25:0.75:0.50]TFA:H2O:チオアニソール(5.0mL)に溶解し、密閉したフラスコ中で45分間室温で撹拌した。反応完了をMS(ESI、scan neg、300−3000)により確認し、出発物質又は部分的に脱保護された中間体に関する質量は観察されなかった。次いで、反応混合物を45mLのジエチルエーテルに沈殿させ、スピンダウンし、上清を注ぎ出し、2x10mLジエチルエーテルで洗浄し、高真空下で一晩乾燥させた。最終産物を、Thermo Aquasil C18 5 umセミ分取カラムを用いて、移動相はH2O及びACN中の0.1%TFAで、分取HPLCにより精製した。各注入は、(%Bで示された)39−(5)−39−(35)−43−(5)−95−(10)−95−(2)−39−(5)−39の勾配で実施される[61:39]H2O:ACN中の0.1%TFAの3.0mLに溶解した粗材料の50mgであった。注入のための各サンプルを注入の15分以内に調製(溶解)し、陽性画分を1つのフラスコにプールし、その日の最後の注入が完了するまで冷凍庫で冷やしておいた。次いで、陽性画分を32℃の浴温でロータリーエバポレータ―で濃縮乾固し、次いでACN/トルエンで2x、次にACNで3x追跡し、次いで高真空下で一晩乾燥させた。257mgの注入された粗生成物のうち、180mg(70%)が純粋な物質として単離された(PEG20(n=20)について上記に示された反応)。
【0181】
【化11】
【0182】
4−(N−Fmoc−p−アミノフェノキシ)−酪酸1合成
p−ニトロ−フェノール(2)(7.5g、53.9mmol)を、4−ブロモ酪酸エチル(8.45ml、59mmol)及びDMF(75mL)中のK2CO3(7.5g、54mmol)と合わせた。混合物を2時間100℃で撹拌した。DMFを除去し、粗生成物を、2NのNaOHとメタノールとの3:1混合の混合物で希釈し、4時間RTで攪拌した。反応混合物を6MのHClで酸性化した。白色沈殿物を回収し、4−(p−ニトロフェニルオキシ)−酪酸3:(10.9g、90%収率)を得た。
【0183】
4−(p−ニトロフェニルオキシ)−酪酸3(37.1g、165mmol)を、ギ酸アンモニウム(35g、555mmol)を含むMeOH(1L)に溶解し、10%Pd/C(Degussa Type)(3.5g)を添加した。混合物を65℃で一晩還流した。反応物をセライト(celite)で濾過して、赤褐色固体の生成物4−(p−アミノフェニルオキシ)−酪酸4(30.5g、95%収率)を得た。
【0184】
4−(p−アミノフェニルオキシ)−酪酸4(5.1g、26mmol)を、H2O(450mL)中の水性飽和NaHCO3(3.36g、40mmol)とTHF(300ml)との6:4混合物に溶解して、白色スラリーを作成した。Fmoc−OSu(8.82g、26.1mmol)を添加し、反応物を4時間攪拌した。アセトンを除去し、反応物を酸性化し(HCl)、オフホワイトの沈殿物を回収し、1NのHClでトリチュレートして、9.6gの生成物4−(N−Fmoc−p−アミノフェノキシ)−酪酸1(88%収率)を得た。
【0185】
【化12】
diBoc-m-グアニジノ安息香酸5を、Riches AG et al. Tetrahedron (2012) 68、p. 9448-9455に従って合成した。
【0186】
PEGn−FCitFP修飾剤を同様の化学反応を用いて作成した。
【0187】
D)ポリマーのマスキング(修飾)
モノアジド−ポリマーを、プロテアーゼ切断可能な−RGD剤(RGD−PEG8−ACit−PNP、RDG−PEG8−FCitFP−TFP、RGD−PEG15−FCitFP−TFP、RGD−PEG19−FCitFP−TFP、又はRGD−PEG20−FCitFP−TFP)と、50mMのHEPES中の1:0.125、1:0.25、1:0.5、1:1、1:1.5、1:2(ポリマー:RGD)の重量比で、pH8.5緩衝液中4時間RTで反応させた。次いで、修飾されたポリマーを、プロテアーゼ切断可能な−PEG剤(PEG6−ACit−PABC−PNP、PEG12−ACit−PABC−PNP、PEG12−FCit−PABC−PNP、PEG12−FCitFP−TFP)と、50mMのHEPES中の1:8(ポリマー:PEG)の重量比で、pH8.5緩衝液中2時間RTで反応させた。1:0.3(ポリマー:アルキン−RNAiトリガー)の重量比でのアルキン−RNAiトリガーを、pH5.0で5日間RTで、100mMの酢酸ナトリウム−酢酸緩衝溶液中の修飾されたポリマーに添加した。完成したコンジュゲートをTFF精製し、コンジュゲーション効率を決定した。
【0188】
E)テトラペプチド修飾DPC送達ポリマーを用いたイン・ビボ送達の評価
腎臓RCC腫瘍−担持マウスを、等張グルコース(Gl)又は指示されたHif2α−ITG−DPC(Hif2α−ITG−DPC=Hif2α RNAiトリガー−送達ポリマーコンジュゲート)の単一尾静脈注射によって処理した。送達ポリマーは、RGDリガンド及びPEG修飾剤によって修飾されている。マウスを注射の72時間後に安楽死させ、全RNAを、製造業者の推奨に従ってTrizol試薬を用いて腎臓腫瘍から調製した。相対HiF2α mRNAレベルを以下に記載のとおりRT−qPCRによって決定し、送達緩衝液(等張グルコース)のみで処理したマウスと比較した(表8)。
【0189】
【表8-3】
【0190】
実施例9.記載のテトラペプチドリンカーの実用性を説明する追加の構造
【0191】
【化13】
図1
図2
図3
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]