(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
4級アンモニウム化合物が、n−アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジ−n−オクチルジメチルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルアンモニウムクロライド、n−アルキルジメチルベンジルアンモニウムサッカリネート、3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のバイオフィルムシーラント。
4級アンモニウム化合物がポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、又は分子中にビグアニド部分を含む化合物である、請求項1に記載のバイオフィルムシーラント。
【背景技術】
【0003】
微生物は、現代の世界のどこにでも存在する。あるものは、人間及び環境に対して有益であるが、他のものは、汚染された物品、並びにそれらと接触した人、動物、及び生態要素にとって有意にマイナスの結果を持ちうる。かかる微生物が特に広く行き渡る多数の産業及び環境がある。
【0004】
健康管理
【0005】
院内感染(HAI;あるいは「nosocomical infection」)は、感染の拡大が病院又は健康管理環境によって有利に働く感染である。かかる病気は、真菌感染症又は細菌感染症であり、被害者を局所的に又は全身的に苦しめうる。院内感染は、深刻な肺炎、並びに尿路、血液、及び身体の他の部分の感染を起こしうる。
【0006】
院内感染は、患者及び介添え人に対して深刻な医学的意味を持つ。米国では、データによれば、約170万例の院内感染が毎年起こり、そこからほとんど100000人の死がもたらされる。ヨーロッパのデータ及び調査は、グラム陰性菌による感染だけで毎年8000〜10000人を占めることを示す。
【0007】
幾つかの悪化要因は、高いHAI率に寄与する。病院、応急手当てセンター、老人ホーム、及び同様の施設は、深刻な病気及び負傷を有する人に対する処置に焦点を当てている。結果として、これらの設備は、弱められた免疫系を有する患者の異常に多く集中した集団を収容する。
【0008】
医療の場では、三つの病原菌が一般に見い出されており、院内感染の約1/3の原因である:コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(15%)、カンジダ種(11%)、及び大腸菌(10%)。
【0009】
さらに悪いことに、このような環境に存在する頑固な病気を起こす病原菌がある。六つのいわゆる「ESKAPE」病原菌(Enterococcus faecium,Staphylococcus aureus,Klebsiella pneumoniae,Acinetobacter baumannii,Pseudomonas aeruginosa、及びEnterobacter種)は、抗生物質耐性を有し、全ての院内感染のほとんど半分に関与される。一つ以上の殺菌剤に対するそれらの耐性は、かかる感染を特に危険なものとする。
【0010】
特に、Pseudomonasの広い栄養多様性は、強く清浄及び滅菌されていない表面上の生存を含む、極端環境におけるその生存を可能にする。病院環境においてこの病原菌が至る所に存在することにより、グラム陰性菌の院内感染の主要な原因を作る。特に攻撃を受けやすいのは、免疫力の低下した患者(例えば、嚢胞性線維症、がん、又は火傷を患っている患者)である。
【0011】
HAIの最も一般的な手段は、直接的又は間接的な接触伝染による。直接接触伝染は、汚染された患者又は労働者のいずれかに接触する患者に関与する。介添え人は、健康管理機関内で移動するので、彼らは、その多くの患者と接触することになる。これらの労働者は、住人の世話をするとき、庭のハチと類似した方法で部屋及び病室に「授粉する」ことを意図せずに行なう。
【0012】
間接接触伝染は、患者が汚染された物体又は表面に接触するときに起こる。健康管理環境は、病原菌を受動的に媒介しうる物品を配列したものを与える。
【0013】
院内感染は、病院又は他の施設によって与えられる健康管理の量、質、及びコストに対して深刻な打撃をさらに与える。大まかに100000人のHAI関連の死が米国において毎年生じることに加えて、推定で200万以上の犠牲者が、これらの深刻で避けることができる病気と関連した身体的な被害及び精神的苦痛に耐えることを強制される。
【0014】
スタッフ及び患者環境に対してより厳しい清浄性及び消毒条件を課す政策を作ることによって、施設は、反応を示している。これらのプログラムは、頻繁なハンドウォッシュ及び頻繁な表面の消毒を含むことが一般的である。院内感染を抑制するためのプログラムの実施にかかわらず、感染は、許容できない高い割合でなお起こっている。
【0015】
在宅ケア及び家庭
【0016】
家庭環境はまた、微生物と直面する。消費用の消毒剤及び殺菌剤と関連する主な欠点は、それらが最初に微生物を殺すときには有効でありうるが、表面が接触、浮遊する微生物、及び処置前に殺されていない残留微生物によって簡単にかつ素早く再汚染されることである。消毒剤の一部は、単に表面上に残っているなら、幾らか制御し続けるが、これは、表面との偶然の接触によって容易に無効にされる脂っぽい又は粘着性の残留物をもたらす。従って、接触すると素早く微生物を殺し、次いで残留殺菌剤として作用するが、この望ましくないねばつく又は粘着性の効果を持たない在宅ケア及び家庭用の洗浄剤が望まれている。かかる洗浄剤は、汎用目的の家庭洗浄、浴室洗浄、及びスプレー保護剤のために有用でありうる。
【0017】
病院及び在宅ケアの洗浄剤と家庭製品の間の違いは、許容可能なVOC(揮発性有機物含有量)である。ほとんどのフロンガスを使用しない家庭消費殺菌剤についての規制は、最大1%のVOCである。
【0018】
飲食物の提供
【0019】
飲食物提供産業はまた、仕事場における病原菌の汚染の流行、及び消費者への病気の拡散に直面する。食品製造業者は、頑健な衛生計画を採用し、厳しい政府の衛生規制に従ったとしても、微生物の大流行は、消費者の間で深刻な病気を起こすことが時々なお報告されている。残留活性を有する殺菌剤は、問題を効果的に緩和するはずである。
【0020】
バイオフィルム
【0021】
バイオフィルムは、一般に、有機又は無機であることができる構造物の表面に付着する微生物の層として規定され、前記微生物は、起源が生物学的である保護被覆を分泌する。バイオフィルムは、抗菌剤に対するバイオフィルム関連生物の抵抗力の増大による公衆衛生に対して、そして感染を起こすバイオフィルム担持生物の潜在的可能性に対して、大きな問題を与える。従って、バイオフィルムに対する殺菌の解決策の必要性がある。現在の殺菌剤は、バイオフィルムを殺生したり、又は表面上のバイオフィルムを封止もしくは固定化して、二次汚染を防止したり増殖を防止する能力を持たない。表面バイオフィルム問題については、解決策が限定されている。例えば、表面バイオフィルムが上述の理由のために設定する健康管理に問題を課すという証拠が存在している。加えて、バイオフィルムは、食品産業内においてありうる汚染の認識された問題である。他の産業も同様の問題に直面する。従って、バイオフィルムを根絶するために使用されることができる潜在的なバイオフィルム問題領域に向けられた解決策が必要とされている。
【0022】
要するに、処理された表面に残留殺菌活性を与えることができる配合物に対する必要性が残っている。配合物が表面殺菌剤と組み合わされ、殺菌しかつ残留殺菌効果を付与するための清浄を一回で可能にするなら、さらに有利であるだろう。
【0023】
さらに、残留殺菌活性が処理された表面と永続的に関連し、付与後に長期間微生物減少を与え続けるなら、有利であるだろう。
【0024】
さらに、もし広い範囲の産業及び用途にわたって効果的である配合物があるなら、有利であるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態の以下の記載は、本質的には例示にすぎず、いかなる方法においても本発明、その適用、又は使用を制限することを意図されない。本発明は、広い潜在的適用及び有用性を有し、それは、広い範囲の産業にわたって適応可能であると考えられる。以下の記載は、本発明の実現可能な開示を与える目的のために例示としてのみ本明細書に与えられるが、本発明の範囲又は実体を制限しない。
【0031】
本明細書で使用される菌(「microbe」又は「microbial」)は、微生物学者によって研究されるか又は処理された物品の使用環境で見い出される微生物のいずれかを示すものであると解釈されるべきである。かかる微生物は、バクテリア及び真菌、並びにかび、うどん粉病菌及び藻のような他の単細胞生物を含むが、それらに限定されない。ウイルス粒子及び他の感染性因子もまた、用語「微生物」に含まれる。
【0032】
「抗微生物」はさらに、殺微生物特性と静菌特性の両方を包含することを理解されるべきである。即ち、この用語は、多数の微生物の減少に導く微生物殺傷、並びに微生物の増殖の遅延効果(数を多少とも一定のままにすること(それでもわずかな増加/減少を許容する))を包含する。
【0033】
説明の容易のため、この明細書は、(例えばバクテリア及び真菌に対して)広いスペクトル活性を示すために抗微生物という用語を使用する。特定の微生物又は生物学の階級に対する有効性を話すとき、より焦点を合わせた用語が使用されるだろう(例えば、特に真菌増殖に対する有効性を示すために「抗真菌」)。
【0034】
上記の例を使用して、真菌に対する有効性が、同じ抗微生物組成物が別の種類の微生物に対して有効性を示す可能性を決して除外しないことが理解されるべきである。
【0035】
例えば、開示された実施形態によって示される強いバクテリアの有効性の説明は、その実施形態を抗真菌活性を示すことからも除外すると読まれるべきでない。この提示方法は、いかなる方法においても本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきでない。
【0037】
本発明は、殺菌剤配合物に向けられている。本発明の一態様では、殺菌剤配合物は、液体形態である。殺菌剤配合物の組成は、殺菌化合物とポリマー結合剤とを含む。組成は、他の成分の中で、特に溶媒(例えば水又は低分子量アルコール)、界面活性剤、着色剤、香料をさらに含むことができる。
【0038】
液体組成物は、表面殺菌特性及び残留殺菌特性を持って配合される。配合物は、スプレーイング(spraying)、ローリング(rolling)、フォギング(fogging)、ワイピング(wiping)、又は他の手段によって表面に付与されることができる。配合物は、表面上に存在する感染性の微生物を殺す表面殺菌剤として作用する。
【0039】
いったん乾燥したら、液体配合物は、表面上に残留保護薄膜を残す。残留薄膜は、殺菌特性を持ち、それは、その付与後に長期間微生物の汚染に対して表面の保護を維持することを実現する。
【0040】
好ましい実施形態では、表面殺菌剤配合物は、処理された表面上に薄膜を付着した後に少なくとも24時間の間バクテリア及び他の微生物を素早く殺す能力を薄膜に付与する。本発明の一態様では、素早く殺すとは、一般に約30秒〜約5分の時間期間を指す。薄膜は、表面上に残り、表面の多数回の接触及び摩耗に対して耐久性があるだろう。
【0041】
本発明の別の実施形態では、殺菌剤配合物は、ポリマー結合剤、殺菌化合物、溶媒のようなキャリア、及び香料のような他の任意成分を含む液体組成物である。
【0043】
本発明の一実施形態では、殺菌剤配合物は、バイオフィルムシーラントである。バイオフィルムシーラントは、いったん表面に適用されたらポリマーフィルムを形成する。ポリマーフィルムは、湿潤して付与され、バイオフィルム微生物に固着しかつ続く成長を防止するためのフィルム層として乾燥する。バイオフィルムシーラントは、好ましくは液体の形態であるが、ゲルのような他の形態もとることができる。いったんバイオフィルムシーラントが適所に置かれると、バイオフィルムの微生物は、酸素及び外部の栄養へのアクセスを制限される。バイオフィルムシーラントは、細菌を封止する能力を有するが、バイオフィルム中への抗菌剤の放出の増大によりバイオフィルム中の微生物を殺傷する能力も有する。
【0044】
本発明の一実施形態では、バイオフィルムシーラントは、ポリマー結合剤及び殺菌化合物を含む。殺菌化合物は、ここで述べた殺菌化合物のいずれも含むことができるが、それらに限定されない。
【0045】
本発明の一実施形態では、バイオフィルムシーラントは、ポリマー結合剤としてオキサゾリンホモポリマーを含む。オキサゾリンホモポリマーは、ここで述べた構造のいずれも持つことができる。
【0046】
本発明の一実施形態では、バイオフィルムシーラントは、ポリマー結合剤、殺菌化合物、及び酵素を含む。酵素は、バイオフィルムを分解するのを助け、殺菌剤による抗菌侵入を高め、究極的にバイオフィルムを除去する。酵素の例としては、プロテイナーゼ、DNase、RNase、及びバイオフィルムと関連する細胞外マトリックスを劣化することができる炭水化物に対して特異的な酵素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
本発明の一実施形態では、バイオフィルムシーラントは、ポリマー結合剤、及びフィルム中への遅い放出のための生物学的材料としての抗体を含む。抗体官能は、バイオフィルム微生物に結合して交差汚染を防止するだろう。
【0048】
本発明の一実施形態では、バイオフィルムシーラントは、ポリマー結合剤、及びフィルム中への遅い放出のための生物学的材料としてのバクテリオファージ又はバクテリオファージの混合物を含む。バクテリオファージは、バイオフィルム関連生物を殺傷する目的の抗菌剤として作用する。
【0049】
本発明の一実施形態では、バイオフィルムシーラントは、ポリマー結合剤、及びフィルム中への遅い放出のための生物学的材料としてのバクテリオファージ、抗菌剤、酵素及び抗体の混合物を含む。
【0051】
本発明の一態様では、ポリマー結合剤は、オキサゾリンホモポリマーである。本発明の別の特徴として、オキサゾリンホモポリマーは、以下の構造を有する:
但し、R
1及びR
2は、オキサゾリンホモポリマーを合成するために使用される重合技術によって決定される末端基である。R
1及びR
2は、独立して選択され、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキニル、アリル、アミノ、アニリノ、アリール、ベンジル、カルボキシル、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、シアノ、グリコシル、ハロ、ヒドロキシル、オキサゾリニウムメシレート、オキサゾリニウムトシレート、オキサゾリニウムトリフレート、シリルオキサゾリニウム、フェノール、ポリアルコキシ、4級アンモニウム、チオール、又はチオエーテル基を含むが、これらに限定されない。あるいは、R
2は、分子内攻撃の結果として合成時に形成された大環状構造を含むことができる。
【0052】
例えば、R
1は、メチル基であり、R
2は、もしメチルトシレートがオキサゾリンのカチオン開始重合における開始剤として使用されるならオキサゾリニウムトシレートである。
【0053】
R
3は、本発明のポリマー結合剤の製造に使用されるオキサゾリンのタイプによって決定された末端基である。R
3は、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリール、ベンジル、ヒドロキシアルキル、又はパーフルオロアルキルを含むが、これらに限定されない。例えば、R
3は、もしエチルオキサゾリンが本発明のためにポリマー結合剤を製造するために使用されるモノマーであるなら、エチル基である。
【0054】
nは、ホモポリマーにおけるオキサゾリンの重合度である。nは、1〜1000000の範囲である。好ましくは、nは、500〜250000の範囲である。最も好ましくは、nは、2500〜100000の範囲である。
【0055】
オキサゾリンホモポリマーと同様に、オキサゾリンホモポリマーに基づいて幾らかの変更を有する拡張又は変性ポリマーはまた、本発明のために好適である。オキサゾリンに対して化学的又は分子的構造変化又は変性を実施するための技術及び選択肢は、当業者に熟知されているはずである。オキサゾリンホモポリマーに基づく拡張又は変性ポリマーの種類は、以下の分子構造で表わされることができる:
但し、R
1及びR
3は、上記オキサゾリンホモポリマーで与えたものと同じ定義を有する。
【0056】
Bは、コポリマーにおいてオキサゾリンに結合された追加のモノマー繰り返し単位である。コポリマー中のオキサゾリンとBの間の繰り返し単位の配置のタイプは、ブロック、交互、周期的、又はそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。本発明のオキサゾリンと共重合するため又はそれを変性するために使用されることができるBのタイプに関して制限はない。
【0057】
nは、オキサゾリン繰り返し単位についての重合度である;コポリマーにおけるnは、1〜1000000の範囲であり、コポリマーにおけるB繰り返し単位についての重合度mは、同時に0〜500000の範囲である。好ましくは、nは、500〜250000の範囲であり、mは、20〜10000の範囲であり、最も好ましくは、nは、2500〜100000の範囲であり、mは、50〜5000の範囲である。共重合によってエチルオキサゾリンにBを結合することに加えて、Bはまた、もしB自体が既に4級アンモニウム化合物であるならカチオン開始剤としてBを使用することによってカチオン重合における末端基としてオキサゾリンに結合されることができる。
【0058】
全てを含めることを意図されないが、Bは、例えば以下の分子構造を有するエチレンイミンであることができる:
但し、R
1及びR
2末端基は、オキサゾリンホモポリマーについて説明したものと同じ定義を持つ。
【0059】
R
3は、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリール、ベンジル、ヒドロキシアルキル、又はパーフルオロアルキルを含むが、それらに限定されない。
【0060】
R
4は、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリール、ベンジル、ヒドロキシアルキル、又はパーフルオロアルキルを含むが、それらに限定されない。
【0061】
mは、0〜500000の範囲であり、好ましくは20〜10000の範囲であり、最も好ましくは50〜5000の範囲である。
【0062】
nは、0〜1000000の範囲であり、好ましくは500〜250000の範囲であり、最も好ましくは2500〜100000の範囲である。
【0063】
オキサゾリンとエチレンイミンのコポリマーの合成は、例えば二工程を段階的に行なうことができる。第一工程では、カチオン開環重合技術が使用されてポリオキサゾリンホモポリマーを作ることができる。第二工程では、第一工程で作られたポリオキサゾリンは、加水分解されてポリオキサゾリン繰り返し単位の一部をポリエチレンイミンに変換することができる。あるいは、オキサゾリン−エチレンイミンコポリマーは、適切な各モノマー、オキサゾリン及びアジリジンで作られることができる。結果は、上記の構造を有するカチオンポリマーであるだろう。
【0064】
コポリマーにおけるオキサゾリン繰り返し単位についての重合度nは、1〜1000000の範囲であり、コポリマーにおけるエチレンイミン繰り返し単位についての重合度mは、同時に0〜500000の範囲である。好ましくは、nは、500〜250000の範囲であり、mは、20〜10000の範囲であり、最も好ましくは、nは、2500〜100000の範囲であり、mは、50〜5000の範囲である。
【0065】
あるいは、エチレンイミン繰り返し単位における窒素は、以下のカチオンコポリマーを生成するためにさらに4級化されることができる:
【0066】
当業者に熟知されているいかなる4級化技術もこの例のポリマーを4級化するために使用されることができる。R
1,R
2,R
3及びR
4は、上のオキサゾリン−エチレンイミンコポリマーで示したものと同じ意味を有する。R
5は、水素、メチル、エチル、プロピル、又は他のタイプのアルキル基を含むが、これらに限定されない。対応するアニオンX
−は、ハロゲン、スルホネート、スルフェート、ホスホネート、ホスフェート、カーボネート/ビカーボネート、ヒドロキシ、又はカルボキシレートである。
【0067】
n及びmについての範囲はまた、オキサゾリン−エチレンイミンコポリマーに記載されたものと同じである。
【0068】
本発明のために使用されることができるBの別の例は、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドである。ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドで変性されたポリエチルオキサゾリンは、以下の構造を有する:
但し、R
1及びR
4は、4級化されたオキサゾリン−エチレンイミンコポリマーについての前の例に記載されたものと同じ意味を有する。
【0069】
R
2及びR
3は、独立してC
1〜C
6のような短鎖アルキル基を含むが、これらに限定されない。対応するアニオンX
−は、ハロゲン、スルホネート、スルフェート、ホスホネート、ホスフェート、カーボネート/ビカーボネート、ヒドロキシ、又はカルボキシレートである。
【0070】
n及びmは、前の例と同じように規定されかつ数値決定される。
【0071】
Bは、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、スチレン、メトキシスチレン、及びメトキシエテンを含むがこれらに限定されない他のオレフィンであることができる。エチルオキサゾリンはまた、オキシラン、チエタン、1,3−ジオキセパン、オキセタン−2−オン、及びテトラヒドロフランのような複素環式モノマーと共重合されて本発明のためのポリマーの性能を高めることができる。本発明に使用される結合剤はまた、アクリルもしくはスチレンベースのポリマー、又はアクリルもしくはスチレンを含むコポリマーのような、ポリマー骨格上のペンダントオキサゾリン基を使用することができる。
【0072】
商業的に入手可能なポリエチルオキサゾリンの例は、Polymer Chemistry Innovations,IncからのAquazol500を含むが、これに限定されない。
【0073】
液体配合物に使用されることができるポリマー結合剤の量は、組成物の残留活性の希望の長さ及び組成物中の全ての他の成分の性質に依存して幾分変動することができる。好ましくは、液体配合物におけるポリマー結合剤の量は、液体配合物の重量に基づいて0.1%〜20%の範囲である。健康管理用途のための液体配合物では、液体配合物におけるポリマー結合剤の量は、より好ましくは0.5%〜10%の範囲であり、最も好ましくは0.8%〜5%の範囲である。全ての目的及び浴室浄化剤のための液体配合物では、液体配合物におけるポリマー結合剤の量は、より好ましくは0.1%〜10%の範囲であり、最も好ましくは0.1%〜5%の範囲である。
【0074】
ポリマー結合剤は、水溶性であることが好ましく、集結が気づかれるなら表面から容易に除去されることができる。少量で存在させると、それは、それでもなお殺菌化合物と処理された表面の間に耐久性のある結合を与えて残留効果を促進することができる。
【0076】
殺菌化合物は、以下の分子構造を有する4級アンモニウム化合物(QAC)であることができる:
但し、R
1,R
2,R
3及びR
4は、独立してアルキル、アルコキシ、又はアリールから選択されるが、これらに限定されず、ヘテロ原子を有していても有さなくてもよく、また置換されても置換されなくてもよい。官能基の一部又は全ては、同じであることができる。
【0077】
対応するアニオンX
−は、ハロゲン、スルホネート、スルフェート、ホスホネート、ホスフェート、カーボネート/ビカーボネート、ヒドロキシ、又はカルボキシレートを含むが、これらに限定されない。
【0078】
QACは、n−アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジ−n−オクチルジメチルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルアンモニウムクロライド、n−アルキルジメチルベンジルアンモニウムサッカリネート、及び3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドを含むが、これらに限定されない。
【0079】
モノマーのQACの組み合わせは、本発明のために使用されることが好ましい。QACの組み合わせの特定の例は、N−アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(40%);N−オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライド(30%);ジ−n−デシルジメチルアンモニウムクロライド(15%);及びジ−n−ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド(15%)である。百分率割合は、ブレンドされるQAC組成の全重量に基づいた個々のQACの重量百分率である。
【0080】
以下の構造を有するQACのポリマー形態はまた、本発明のために使用されることができる。
但し、R
1,R
2,R
5及びR
6は、独立して水素、メチル、エチル、プロピル、又は他のより長い炭素アルキル基を含むが、これらに限定されない。
【0081】
R
3及びR
4は、独立してメチレン、エチレン、プロピレン、又は他のより長いアルキレン結合基から選択され、これらを含むがこれらに限定されない。
【0082】
nは、重合度であり、nは、2〜10000の範囲の整数である。
【0083】
上記構造を有するカチオンポリマーの例は、ジメチルアミン及びエピクロロヒドリンから誘導されるポリアミン(例えばKemira Chemicalsから商業的に入手可能なSuperfloc C−572)を含むが、これらに限定されない。
【0084】
本発明のために好適なさらに別のポリマーQACは、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド又はポリDADMACである。
【0085】
本発明のために有用なQACのさらに別の種類は、分子内にビグアニド部分を有する化学化合物である。カチオン抗菌剤のこの種類の例は、PHMB及びクロルヘキシジンを含むが、これらに限定されない。
【0086】
商業的に入手可能な4級アンモニウム化合物の例は、LonzaからのBardac 205M及び208M、及びStepan CompanyからのBTC885を含むが、これらに限定されない。
【0087】
殺菌化合物は、弱酸であることができ、それは、浴室浄化剤において特に効果的であることが示されている。これらのタイプの製品では、クエン酸、スルファミン酸(例えばアミドスルホン酸、アミド硫酸、アミノスルホン酸、及びスルファミド酸としても知られている)、グリコール酸、乳酸、ラウリン酸、及びカプリン酸は、効果的な殺菌剤と、風呂あか及び硬水沈着物のための浄化剤の両方のために有用である。
【0088】
有用でありうる他の化合物は、3(トリヒドロキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドのようなシラン4級塩である。これらは、残留特性の増強のために処理される表面に反応する追加の利益を持つことができる。
【0089】
本発明の液体配合物に使用するために好適なさらなる殺菌化合物は、広い範囲の抗菌剤、殺生物剤、殺菌剤、及び消毒剤に及ぶ。水溶解性又は水分散性の殺菌化合物が好ましいが、アルコールに溶解可能な殺菌剤が代替的に使用されることができる。
【0090】
本発明の配合物に使用するために好適な殺菌化合物の完全に網羅されていないリストは、トリクロサン、ジンクピリチオン、金属塩及び酸化物、フェノール、植物(botanicals)、ハロゲン、パーオキシド、複素環式抗菌剤、アルデヒド、及びアルコールを含む。
【0091】
配合物における殺菌化合物の濃度は、液体組成物の重量に基づくと0.05%〜20%の範囲であることができる。健康管理用途のための液体配合物については、好ましくは0.1%〜20%の範囲であり、より好ましくは0.5%〜3%の範囲である。全ての目的及び浴室浄化剤のための液体配合物については、好ましくは0.05%〜10%の範囲である。保護剤のための配合物については、好ましくは0.05%〜2%の範囲である。
【0093】
本発明の液体配合物のためのキャリア又は溶媒は、揮発性であるいかなる溶媒であることもでき、周囲条件で容易な蒸発を可能にする。液体キャリアの例は、水及び低分子量アルコール(例えばC1〜C8アルカノール)を含むが、これらに限定されない。特定の例は、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0094】
本発明に使用するための溶媒の別の種類は、アルキレングリコールエーテルを含む。例としては、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、及びトリプロピレングリコールメチルエーテルを含むが、これらに限定されない。
【0095】
本発明に使用するための溶媒の別の種類は、テルペン及びそれらの誘導体(例えば、テルペンアルコール、テルペンエステル、テルペンエーテル、又はテルペンアルデヒド)に基づく。溶媒の例は、マツ葉油、レモン油、リモネン、ピネン、シメン、ミルセン、フェンコン、ボルネオール、ノポール、シネオール、イオノンなどを含むが、これらに限定されない。
【0096】
ホームケアクリーニング用途のための液体配合物において好ましいキャリアは、水である。
【0097】
もし本発明の液体配合物の適用方法が加圧エアロゾルであるなら、高圧ガスが組成物中に必要とされるかもしれない。様々な高圧ガス又は混合物が本発明のために使用されることができ、当業者に熟知されているはずである。C1〜C10の炭化水素又はハロゲン化炭化水素が、工業界に知られているエアロゾル組成物における典型的な高圧ガスである。かかる高圧ガスの例は、ペンタン、ブタン、プロパン、及びメタンを含むが、これらに限定されない。本発明のために使用されることができる他のタイプの高圧ガスはまた、加圧空気、窒素、又は二酸化炭素を含む。あるいは、高圧ガスを組成物に直接加える代わりに弁パッケージ上のバッグを使用して製品をエアロゾル化することができる。
【0098】
単一の溶媒又は上記の溶媒の混合物のいずれも本発明のために使用されることができる。本発明のために使用される溶媒のタイプは、残留殺菌剤組成物の意図した用途に依存しうる。例えば、もし本発明の組成物がホームケア用途のために意図されるなら、汚染された表面をあらゆるタイプのほこり又は汚れのないように浄化することが主要な関心事になりうる。汚れの除去を助けて強化する液体キャリア又は培地は、本発明の配合物に含められることができる。例えば、本発明の残留殺菌剤配合物又は組成物は、本発明の配合物のホームケア版における良好な浄化性能のためにアルキル又はマルチアルキルグリコールエーテルを含むことが望ましいかもしれない。他方、もし残留殺菌剤組成物の主要な目的が、主要な関心が院内感染である健康管理設備で使用されるべきであるなら、そのとき本発明の液体組成物の素早い乾燥は、表面のほこり又は汚れを浄化するより望まれるかもしれない。低分子量アルコールは、付与後に本発明の液体配合物を素早く乾燥するのを助けるために考慮されるべきである。また、液体配合物における低分子量アルコールは、液体組成物の殺菌活性を強化するだろう。
【0099】
残留殺菌剤の健康管理の用途のために、水と低分子量アルコールの混合物が好ましい。液体配合物に存在するアルコールの量は、液体配合物がアルコールと水の間の非共沸混合物を形成することができるようなレベルであることが好ましい。液体組成物におけるアルコールの最小量(もし存在するなら)は、10%である。好ましくは、残留殺菌剤の健康管理用途については、アルコール濃度は、30%であり、最も好ましくは、アルコール濃度は、本発明の組成物の健康管理用途のための液体組成物の重量に基づくと少なくとも50%である。
【0101】
界面活性剤又は湿潤剤が使用されることができる。界面活性剤は、液体配合物を、処理された表面に分散しかつ均一に被覆することを助ける。界面活性剤は、アルコールと水の間の非共沸混合物の形成にさらに寄与し、従っていったん表面上に付与されたら液体配合物の迅速かつ均一な乾燥を容易にする。界面活性剤はまた、もし汚れ浄化性能が製品が持つように設計される重要な特徴であるなら、ホームケア用途のために本発明の残留殺菌剤液体配合物に重要な役割を果たす。
【0102】
本発明の液体配合物のために適切な界面活性剤は、性質的にノニオン、アニオン、又は両性のものを含むが、これらに限定されない。商業的に入手可能な湿潤剤は、Dow ChemicalからのEcosurf SA−4又はTergitol TMN−3、及びDow CorningからのQ2−5211を含むが、これらに限定されない。
【0103】
アミンオキシド界面活性剤は、QACが配合物中で殺菌化合物として使用されるときに特に好ましい。
【0104】
ノニオン界面活性剤のカテゴリーでは、異なる量のエチレンオキシド又はHLB値を有するエトキシル化アルコールが使用されることができる。エトキシル化アルコールの例は、Triton X−100(Dow Chemical, Midland MI)、Dow ChemicalからのEcosurf EHノニオン界面活性剤シリーズ、Dow ChemicalからのTergitolノニオン界面活性剤シリーズ、Huntsman Corp.からのスルホン界面活性剤シリーズ、ShellからのNeodol界面活性剤シリーズ、Ethox ChemicalsからのEthox界面活性剤シリーズ、及びAir Products and Chemicals,Inc.からのTomadol界面活性剤シリーズを含むが、これらに限定されない。
【0105】
ノニオン界面活性剤の別の種類は、アルキルポリグルコシドを含む。例としては、BASFからのGlucoponシリーズ及びHuntsmanからのEcotericシリーズを含む。
【0106】
液体配合物のために好ましい界面活性剤の代替的な種類は、シランベースの界面活性剤である。例としては、シリコーンポリエーテル有機官能又は反応性シラン湿潤剤、及びフルオロ化学ベースの湿潤剤を含むが、これらに限定されない。
【0107】
液体配合物における界面活性剤の含有量は、0%〜10%の範囲、好ましくは0.01%〜5%の範囲である。
【0108】
目標とされる用途に依存して、ホームケア用途のための本発明の液体配合物は、適切なpH条件を必要とするかもしれない。例えば、もし液体製品がキッチン領域で使用されるなら、高いpH製品は、その領域に一般に見い出されるグリース油を効果的に除去するために望ましいかもしれない。もし製品が、浴室領域に使用されるなら、風呂あかや硬水沈着物が主要な関心事であるかもしれない。かかる場合において、低pH製品がかかる目的のためにより適切でありうる。本発明の液体組成物中に加えられることができるpH調整剤のタイプについて制限はない。使用されることができるpH調整剤の例は、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、クエン酸、酢酸、塩化水素酸、スルファミン酸、硫酸などを含むが、これらに限定されない。
【0109】
上記の成分以外の追加の機能的成分を本発明の液体組成物に含めることができる。追加の成分としては、キレート剤、相溶化剤、カップリング剤、防蝕剤、レオロジー修正剤、香料、着色剤、保存剤、UV安定剤、蛍光増白剤、及び活性成分インディケータを含むが、これらに限定されない。
【0110】
本発明の実施形態では、液体溶液は、ポリマー結合剤、4級アンモニウム化合物、シリコーンベースの界面活性剤、及びエタノールを含む。液体配合物は、当業者に知られているいかなる従来法によっても作成又は混合されることができる。配合物が最終的に均質で、相溶性があり、安定である限り、本発明の配合物のために好ましい添加方法はない。例えば、もしポリマー結合剤が固体であるなら、まず、水又はアルコールのようなキャリアにポリマーを溶解又は分散し、貯蔵ポリマー結合剤液体分散体を作成することが好ましい。貯蔵ポリマー結合剤液体分散体は、混合手順時に本発明の配合物中に容易に添加されることができる。
【0112】
液体配合物は、様々な手段によって付与されることができる。もしスプレーされるなら、液体配合物は、噴霧器を有する通常の瓶に供給されることが有利でありうる。噴霧器は、トリガー式噴霧器であることができる。トリガー式噴霧器に対する選択肢として、表面上へ液体配合物を送出するためにエアロゾルを使用することもできる。追加の付与手段は、フォギング、ローリング、ブラッシング、モッピング、及び様々な付与装置によるワイプの使用を含むが、これらに限定されない。例えば在庫があってすぐ入手可能なセール又は用途のために、本発明の殺菌剤配合物を含むか又はそれで予め処理されたワイプ製品を作ることもできることが本発明の範囲内である。
【0113】
汚染された表面を殺菌するために、領域が完全にカバーされるまで液体配合物をスプレーする。湿潤配合物は、続いて乾燥布又は紙タオルで乾燥するように拭かれてもよい。
【0114】
本発明はまた、本発明の態様による殺菌剤配合物で処理された物品に関する。
【実施例】
【0115】
以下の実施例は、本発明の態様に従って作られた液体配合物を示す。これらの配合物についての試験結果は、いったん表面上に付与されて乾燥されたら望ましい残留消毒又は殺菌性能を示す。浄化性能もまた、残留殺菌効果だけでなく浄化特徴も与えるこれらの配合物について試験される。
【0116】
配合物は、EPA01−1Aプロトコルを使用して残留効果について試験された。簡単に、バクテリアがガラススライドに加えられ、表面上を乾燥された。配合物は、次いで表面上にスプレーされ、透明薄膜を形成するために乾燥された。いったん薄膜が形成したら、ガラススライドは、プロトコルに記載されたGardner摩耗試験機を使用して湿潤と乾燥の交互のサイクルに供された。各サイクルの間において、スライドは、バクテリアを再接種された。適切な数の摩耗及び再接種(健康管理配合物に対しては48回の摩耗及び11回の再接種、ホームケア配合物に対しては24回の摩耗及び5回の再接種)の後、スライドは、示された時間枠(即ち、5分)の間、バクテリアにさらされ、その後、適切な中和溶液において回収した。
【0117】
残留効果に加えて、本発明の組成物の初期効果もまた、ASTM E 1153に従って試験された。
【0118】
修正されたASTM D4488を使用して本発明のホームケア組成物に対して硬い表面浄化性能を評価した。以下の組成物の汚れを評価のために使用した。
【0119】
【0120】
浄化試験のために汚れたセラミックタイルを作成する工程において、約2グラムの液体汚れがアルミニウム箔上に置かれた。ローラーを使用して箔の上で汚れを圧延して広げ、ローラーで汚れをできるだけ多く拾い上げた。ローラー上の汚れは、汚れたローラーをセラミック面上で転がすことによってセラミックタイルのガラス面に均一に移された。汚れたセラミックタイルを次いで180℃に設定したオーブンで45分間焼いた。焼かれたタイルを浄化試験のために使用される前に24時間室温で状態調節した。
【0121】
Gardner摩耗試験機を浄化試験において使用した。約1cm幅の研磨パッドを摩耗のために摩耗ボートに取り付けた。約4グラムの試験配合物を秤量ボートに置いた。取り付けた研磨パッドを秤量ボート中に浸漬させ、試験配合物を拾い上げた。
【0122】
浄化工程は、パッドが浄化配合物で湿潤された直後に開始された。7回の摩耗サイクル(往復)が試験において使用された。
【0123】
健康管理のための残留殺菌剤の実施例
【0124】
実施例中の以下の配合物は、液体配合物に速い乾燥特性を与えるために主要なキャリアとしてアルコールを使用する。
【0125】
【0126】
残留効果試験は、EP01−1Aプロトコルを使用して実施され、その結果は、以下の表に記載される。
【0127】
【0128】
これらの配合物は、EP01−1A試験に基づいて優れた残留効果結果を示す。
【0129】
ASTM E 1153試験プロトコルにも従ってHE2の初期殺菌特性を評価した。これらの結果は、以下の表に与えられる。
【0130】
【0131】
これらのデータは、ここで開示された例示的液体配合物で処理された試料表面が、示された時間枠で実証可能な殺菌活性を持つことを明らかに示す。
【0132】
ホームケアのための残留殺菌剤浄化剤例
【0133】
これらの組成物は、キャリアとして水を使用して配合される。それらは、ホームケア用途のために意図され、そこではVOC規制は、アルコールのような有機溶媒の高レベルの多い使用を禁止する。
【0134】
【0135】
これらの配合物の残留効果は、EP01−1Aプロトコルを使用して評価され、その結果は、以下の表に記載される。
【0136】
【0137】
Enterobacter aerogenesは、H1の試験のためのバクテリアであり、Staphylococcus aureusは、配合物の残りの試験に使用されたバクテリアである。
【0138】
試験結果は、H1〜H5の全てが処理された表面に残留効果を与えることを示す。浄化性能はまた、修正されたASTM D4488試験法を使用して評価された。
【0139】
試験結果はまた、本発明の配合物がバクテリアに対して残留効果を与えただけでなく、汚れた表面に良好な浄化性能を与えたことを明らかに視覚的に示した。
【0140】
以下の表に述べられた追加の配合物は、ホームケア及びホームクリーニング用途のために試験された。香料を溶解するために、香料、4級アンモニウム化合物、界面活性剤、及びグリコールエーテル(もし存在するなら)を含有する予備混合物が作られた。
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
水ベースの配合物の濃縮物は、配合物から水の一部を除去し、残りの原材料を濃縮することによって作られる。得られた濃縮物は、次いで使用前に希釈して使用濃度に戻すことができる。5倍及び10倍の濃縮物は、一般的にはホスピタリティ領域における顧客の清掃及び衛生産業に使用される。濃縮物は、これらの産業で望まれる。なぜならそれは、輸送費を減少し、貯蔵空間を節約するからである。表10は、本発明の一実施形態における例示的な濃縮物配合を示す。
【0145】
【0146】
比較例1
【0147】
Enterobacter aerogenesに対してEPA 01−1Aプロトコルを使用して持続性生物汚染減少を与える能力について多数のポリマー化合物が使用された。50マイクロリットルの各配合物を試験に供する前にガラスキャリア上で乾燥させた。各試験は、5%のFBSの存在下で行われた。表11に示すように、ポリオキサゾリンと4級アンモニウム化合物の組み合わせは、相乗的な残留衛生効果を与えた。
【0148】
【0149】
それゆえ、本発明の組成物及び方法が広い有用性及び用途を受け入れる余地があることは、当業者によって容易に理解されるだろう。ここで記載したもの以外の多くの実施形態及び適応例、並びに多くの変形例、修正例、及び均等構成は、その実体又は範囲から逸脱せずに、本開示及びその前述の記載から明らかであるか、又はそれによって当業者に合理的に示唆されるだろう。
【0150】
従って、本発明の組成物及び方法は、その好ましい実施形態に関してここで詳細に記載されたが、この開示が実例及び例示にすぎず、完全でかつ実現可能な開示を与える目的のためにのみなされていることが理解されるべきである。
【0151】
前述の開示は、かかる他の実施形態、適応例、変形例、修正例、及び均等構成を制限したり、又はそうでなければ除外することが意図されていないし、そのように解釈されるべきでない。