特許第6966446号(P6966446)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966446
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】材木ポール基礎構造
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/01 20060101AFI20211108BHJP
【FI】
   E02D27/01 Z
【請求項の数】7
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-530191(P2018-530191)
(86)(22)【出願日】2016年8月26日
(65)【公表番号】特表2018-526555(P2018-526555A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】IB2016055093
(87)【国際公開番号】WO2017037588
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2019年7月18日
(31)【優先権主張番号】711597
(32)【優先日】2015年8月28日
(33)【優先権主張国】NZ
(73)【特許権者】
【識別番号】518068914
【氏名又は名称】フェルロック ディベロップメンツ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(72)【発明者】
【氏名】リーリック ジョン マティアス
【審査官】 荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−144371(JP,A)
【文献】 特公昭43−011620(JP,B1)
【文献】 特開2001−241415(JP,A)
【文献】 特開2001−271424(JP,A)
【文献】 特開2011−032682(JP,A)
【文献】 特開2006−274667(JP,A)
【文献】 特開2005−009218(JP,A)
【文献】 特開2005−207164(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3089184(JP,U)
【文献】 特開2002−317496(JP,A)
【文献】 特開2003−213798(JP,A)
【文献】 米国特許第04864785(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造をサポートするための基礎であって、
a.少なくとも2本の材木ポールの第1層を備え、前記第1層の各ポールは互いに平行で離間しており、
b.少なくとも2本の材木ポールの第2層を備え、前記第2層の各ポールは互いに平行で離間しており、各々が前記第1層の材木ポール上に当該第1層の少なくとも2本のポールを横切って渡る角度で敷設され、かつ、各々が、前記ポールの少なくとも一つの交差箇所で前記第1層の前記2本のポールの各々に固定されており、
少なくとも一つの交差箇所で前記第1層のポールは止まり穴およびスルーホールの一つから選択される穴を含み、また、並置された第2層のポールは第1層のポールの前記穴と軸方向に整列されたスルーホールを含み、貫通式締着具が前記第1層のポールの前記穴および前記第2層のポールの前記穴に設置され、かつ、当該貫通式締着具は、当該貫通式締着具を横方向に通過して第1層のポールの中を少なくとも部分的に通過する第1のピンにより前記第1層のポールにピン留めされ、第2のピンが、前記貫通式締着具、並びに前記第2層のポールおよび当該第2層のポールの上に設置されて支えとなるジャックスタッドから選ばれた一つ以上を横方向に通過し、
前記締着具は、前記第1層のポールを前記第2層のポールの夫々に押圧し、又は押圧を維持するためのテンションを発しており、
垂直な前記ジャックスタッドは、前記交差箇所において前記第2層のポールの上に配置され、かつ前記第2層によって支えられている基礎。
【請求項2】
前記貫通式締着具は、前記交差箇所の前記ポールが接触する箇所で露出しない請求項1に記載の基礎。
【請求項3】
前記貫通式締着具は、まっすぐな剛性のあるチューブまたはロッドを備える請求項1または2に記載の基礎。
【請求項4】
前記貫通式締着具は、前記第1層のポールの外面に対して位置を決めるために前記貫通式締着具の一端にヘッドを有し、また前記第1層のポールおよび第2層のポールを通過する軸部を有し、前記貫通式締着具は、前記ヘッドが配置されるその一端の反対側に、前記第2層のポールの外面に設置されるべきナットを受けるように構成されているねじ切りされた端部をも有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の基礎。
【請求項5】
前記貫通式締着具は前記ジャックスタッドを貫通する請求項1乃至4の何れか1項に記載の基礎。
【請求項6】
前記ジャックスタッドは、自身の底面から当該ジャックスタッドの中に伸張している止まり穴を有し、その中に前記貫通式締着具が伸張している請求項1乃至5の何れか1項に記載の基礎。
【請求項7】
前記ジャックスタッドは、その上に支持されるべき構造の、またはその構造のための、材木ジョイスト、金属ジョイスト、フローリング、受台および枠空けの一つを支持することができる請求項1乃至6の何れかに記載の基礎。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材木ポール基礎構造に関する。
【背景技術】
【0002】
基礎は、建築物を地上に接続する構造の要素である。それは、建築物から地上へ負荷を伝達することができる。基礎は、建築物の下の地上条件に応じて、一般に浅く、または深く、または両方の組合せで検討される。
【0003】
浅い基礎は、通常土壌内に約1メートルほど埋め込まれる。
【0004】
一般的なタイプの浅い基礎は、スラブまたはいかだ基礎であり、そこでは建築物の重量が、土壌の表面またはその近傍に配置されるコンクリートスラブを介して土壌に伝達される。スラブ基礎は、建築物の規模に応じて厚さが25cmから数メートルの範囲となる補強マットスラブ、または、住宅のためには概して少なくとも20cm、より重い構造物のためにはより厚くなるポスト張力がかけられたスラブであることができる。
【0005】
材木床ハウスの基礎のためのニュージーランドにおける通常の方法は、ほぼ800mm−1000mmの土を掘り出してサイトから除去することでピットを設けることである。この土壌/土をサイトから除去する処置経費は、特に環境チャージが課されることで高額になり得る。これは、汚染されている土壌において、またはピットの土壌とそれが処置される場所の環境との間にクロス汚染が発生することのある場合に起こることがある。或いは、処理に先立って土壌処理が必要である場合である。
【0006】
基礎および構造が地面によって十分にサポートされることを確実にするために、最低地面圧力条件が必要である。例えば、上記のピットは概して200kPaの地面条件を提供することを必要とする。
【0007】
周知の浅い基礎構造では、砂利いかだが、ピットの中に作られることがあり、かつ間にジオクロスの層を有する圧縮砂利で構成されることがある。次いで、砂利いかだの上にコンクリートスラブを作成するためコンクリートが注がれることがある。これは、一例として、ほぼ150〜400mmの厚さであることがある。
【0008】
コンクリートスラブが建設される際に、角材基礎杭(ジャックスタッド)がコンクリートに取り付けられる場合がある。受台、ジョイスト、骨組み、および/または型枠は、ジャックスタッドで支えられることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この基礎をつくるプロセスは、関連材料の取引または供給元がしばしば異なり、またステップの数が多いことから、時間のかかる作業である。
【0010】
200sqmの住宅のためのこの種の基礎の重量は、240トンのオーダーとなることがある。
【0011】
典型的なコンクリートいかだまたはスラブ基礎は、コンクリートの性質に起因したもろいものである。それらは、強度は高いがあまり弾力的ではない。コンクリートのスラブ基礎は、地震を起こしやすい領域では液状化によって移動し、また持ち上げられる傾向を伴うこともある。これは、基礎に損害を与え得る。
【0012】
一旦コンクリートのスラブ基礎が敷設されると、それを動かし、または修正することは非常に困難であることがある。その除去は、基礎の滅失を伴った。
【0013】
本願発明の目的は、上述した短所のいくらかを克服するかまたは少なくとも改善し、或いは、少なくとも公衆に対して役立つ選択を提供する材木ポール基礎を提供することにある。
【0014】
この明細書では、特許明細書および他の文書を含む外部の情報源への参照がなされているが、これは一般に、本発明の特徴について述べるためのコンテキストを提供する目的のためである。特に明記しない限り、この種の情報源の参照は、いかなる管轄権においても、この種の情報源が従来技術であるかまたは技術分野における公知の一般知識の一部をなすことを容認するものとして解釈されるべきではない。
【0015】
方法ステップが順番に記載されているこの明細書の目的のためには、シーケンスを解釈する他の論理的方法が存在しない場合を除き、そのシーケンスは、ステップがそのシーケンスにおいて時間順に指令されるべきことを必ずしも意味するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、更なる態様で、本発明は上記の構造をサポートするための基礎に関し、その基礎は、
a.少なくとも2本の材木ポールの第1層を備え、前記第1層の各ポールは互いに平行で離間しており、
b.少なくとも2本の材木ポールの第2層を備え、前記第2層の各ポールは互いに平行で離間しており、各々が前記第1層の材木ポール上に当該第1層の少なくとも2本のポールを横切って渡る角度で敷設され、かつ、各々が、前記ポールの交差箇所で前記第1層の前記2本のポールの各々に固定されている。
【0017】
好ましくはそこにおいて、前記第2層の前記少なくとも2本のポールおよび前記第1層の前記少なくとも2本のポールは、ポールとポールの交差箇所で、貫通式締着具によって各々に固定される。
【0018】
好ましくは各交差箇所で、前記貫通式締着具は垂直に伸びる。
【0019】
好ましくは、前記貫通式締着具は、第1層のポールから上向きに、並置された第2層のポールの中に伸びる。
【0020】
好ましくは、前記貫通式締着具は、前記交差箇所の前記ポールが接触する箇所で露出しない。
【0021】
好ましくは、各交差箇所で、前記第1層のポールは止まり穴およびスルーホールの一つから選択される穴を含み、また、前記並置された第2層のポールは前記第1層のポールの前記穴と軸方向に整列されたスルーホールを含み、前記貫通式締着具が前記第1層のポールの前記穴および前記第2層のポールの前記穴に設置される。
【0022】
好ましくは、前記貫通式締着具は、まっすぐな剛性のあるチューブまたはロッドを備える。
【0023】
好ましくは、前記ロッドは、断面またはその他において円形である。
【0024】
好ましくは、前記貫通式締着具は、剛性のあるパイプまたは丸いロッドである。それは、好ましくはまっすぐであり、かつ細長い。好ましくは二つの対向端を有する。
【0025】
好ましくは、前記貫通式締着具は、前記第1層のポールの外面に対して位置を決めるために前記貫通式締着具の一端にヘッドを有し、また前記第1層のポールおよび第2層のポールを通過する軸部を有し、前記貫通式締着具は、前記ヘッドが配置されるその一端の反対側に、前記第2層のポールの外面に設置されるべきナットを受けるように構成されているねじ切りされた端部をも有する。
【0026】
好ましくは、前記貫通式締着具は、前記第1層のポールの外面に対して位置を決めるために前記貫通式締着具の一端にヘッドを有し、また前記第1層のポールおよび第2層のポール並びに垂直ジャックスタッドを通過する軸部を有し、前記貫通式締着具は、前記ヘッドが配置されるその一端の反対側に、前記ジャックスタッドの外面に設置されるべきナットを受けるように構成されているねじ切りされた端部をも有する。
【0027】
好ましくは、前記貫通式締着具は合釘である。
【0028】
好ましくは、前記合釘は、第1層のポールの止まり穴および第2層のポールのスルーホールに位置する。
【0029】
好ましくは、前記合釘は少なくとも30mmの直径を有する。
【0030】
好ましくは、前記合釘は30〜100mmの直径を有する。
【0031】
好ましくは、前記合釘は60mmの直径を有する。
【0032】
好ましくは、前記合釘が中に位置する穴は、位置的な適合が形成されるように前記合釘の直径以上の直径を有する。
【0033】
好ましくは、前記合釘が中に位置する穴は62mmの直径を有する。
【0034】
好ましくは、垂直ジャックスタッドは、前記交差箇所において前記第2層のポールの上に配置され、かつ前記第2層によって支えられる。
【0035】
好ましくは、前記垂直ジャックスタッドは、前記交差箇所において前記第2層のポールの上に配置され、かつ前記第2層により直接支えられる。
【0036】
好ましくは、前記第2層のポールは交差箇所の間である。
【0037】
あるいは、垂直ジャックスタッドは、交差箇所および交差箇所の間の双方において、それぞれのポールの上に(好ましくは直に)位置する。
【0038】
好ましくは、前記ジャックスタッドはポール形状である。
【0039】
好ましくは、前記ジャックスタッドは、当該ジャックスタッドが当接するそれぞれのポールとそこにおいて補完的な適合を得るための波形の端部を有する。
【0040】
好ましくは、前記貫通式締着具は前記ジャックスタッドを貫通する。
【0041】
好ましくは、前記貫通式締着具は、前記第1層のポールの止まり穴または孔の中に位置する。
【0042】
好ましくは、前記ジャックスタッドは、自身の底面から当該ジャックスタッドの中に伸張している止まり穴を有し、その中に前記貫通式締着具が伸張している。
【0043】
好ましくは、前記ジャックスタッドは、その上に支持されるべき構造の、またはその構造のための、材木ジョイスト、金属ジョイスト、フローリング、受台および枠空けの一つを支持することができる。
【0044】
好ましくは、前記貫通式締着具が位置する各交差箇所で、当該貫通式締着具は、当該貫通式締着具を横方向に通過して第1層のポールの中を少なくとも部分的に通過する第1のピンにより前記第1層のポールにピン留めされている。
【0045】
好ましくは、前記貫通式締着具が位置する各交差箇所で、当該貫通式締着具は、当該貫通式締着具を横方向に通過して第2層のポールの中を少なくとも部分的に通過する第2のピンにより前記第2層のポールにピン留めされている。
【0046】
好ましくは、前記貫通式締着具が位置する各交差箇所で、当該貫通式締着具は、当該貫通式締着具を横方向に通過してジャックスタッドの中を少なくとも部分的に通過するジャックピンにより前記ジャックスタッドにピン留めされている。
【0047】
好ましくは、前記貫通式締着具は、前記第1のピンを受け入れるための第1オリフィスを備える。
【0048】
好ましくは、前記第1層のポールは、前記第1のピンを受け入れるための補完的な第1オリフィスを備える。
【0049】
好ましくは、前記貫通式締着具は、前記第2のピンを受け入れるための第2オリフィスを備える。
【0050】
好ましくは、前記第2層のポールは、前記第2のピンを受け入れるための補完的な第2オリフィスを備える。
【0051】
好ましくは、前記貫通式締着具は、前記ジャックピンを受け入れるためのジャックオリフィスを備える。
【0052】
好ましくは、前記ジャックスタッドは、前記第2のピンを受け入れるための補完的なジャックオリフィスを備える。
【0053】
好ましくは、前記第1のピン、第2のピンおよびジャックピンの一つ以上は、ステンレス鋼、軟鋼、繊維ガラス、材木およびプラスチックの一つから選択された材料から成る。
【0054】
好ましくは、前記貫通式締着具は、ステンレス鋼、軟鋼、繊維ガラス、材木およびプラスチックの一つから選択される材料から成る。
【0055】
好ましくは、前記ピンは、それぞれのピンの一方または両方の端に取り付けられるように構成されたクリップ、ナットまたは締着具によって、それぞれのオリフィスの範囲内に保持される。
【0056】
あるいは、前記ピンは、圧力により、および/または一緒に圧縮されている前記ポールからの摩擦により、前記オリフィス内に位置する。
【0057】
好ましくは、前記オリフィスおよび前記補完的なオリフィスは、それらが位置を決めるそれぞれのピンについて、位置的クリアランスに対する簡単ランニングを有する。
【0058】
好ましくは、前記オリフィスおよび前記補完的なオリフィスは、それらが位置を決めるそれぞれのピンについて締まりばめを有する。
【0059】
好ましくは、前記ピンまたは複数ピンはまっすぐで細長い。
【0060】
好ましくは、前記ピンは3mmと30mmの間の直径を有する。
【0061】
好ましくは、前記ピンは17mmの直径を有する。
【0062】
好ましくは、前記オリフィスは、それらが位置を決めるピンより1mm大きな直径を有する。
【0063】
好ましくは、前記オリフィスは4mmと35mmの間の直径を有する。
【0064】
好ましくは、前記オリフィスは直径18mmである。
【0065】
好ましくは、前記貫通式締着具は張力である。
【0066】
好ましくは、前記第1層のポールのピンと、前記第2層のポールのピンおよびジャックスタッドピンの一方または双方との間の前記貫通式締着具は張力である。
【0067】
好ましくは、前記第1層のポールと前記第2層のポールは、前記締着具によって少なくともいくつかの交差箇所で圧縮による方法で保持される。
【0068】
好ましくは、前記第1層のポールと前記第2層のポールは、前記締着具によって前記交差箇所の各箇所において圧縮による方法で保持される。
【0069】
好ましくは、前記第1層のポールと、前記第2層のポール(そして、提供される場合にはジャックスタッド)の一方または両方とが互いに圧縮されている状況下で、前記第1のオリフィスと、前記第2のオリフィスまたはジャックオリフィスの少なくとも1つへの前記ピンの導入により、前記第1層のポールと前記第2層のポールとの間に圧縮が保たれる。
【0070】
あるいは、前記貫通式締着具は、前記第2層のポールまたはジャックスタッドに、またはそれらの上部から突出した状態の、ねじ切りされた端部を有し、そのねじ切りされた端部は、ポールを一緒に固定/圧縮するために、ねじ切りされた締着具を受け付けることができる。
【0071】
あるいは、前記第1層のポールおよび前記第2層のポールは、クレビスタイプのジョイントを用いて一緒に設置される。
【0072】
好ましくは、交差箇所において、隣接する第1層のポールと第2層のポールとの間にはギャップが存在しない。
【0073】
好ましくは、隣接する第1層のポールと第2層のポールの間、および/または第2層のポールとジャックスタッドの間は5mm以下である。
【0074】
好ましくは、交差箇所における2本のポールは作動状態にあるねじ切りされたロッドを介して互いに圧縮されており、そのロッドには50Nmと150Nmの間のトルクが与えられている。
【0075】
好ましくは、前記交差箇所は、最大で100Nmのトルクを用いて圧縮される。
【0076】
好ましくは、前記基礎は、前記基礎を直接支持する地面の上にある。
【0077】
好ましくは、前記基礎は、前記地面上の現場で別々のポールから組み立てられる。
【0078】
好ましくは、前記基礎は、他のロケーションにおいて修理なしで再組み立てされることが可能な方法で分解されることができる。
【0079】
好ましくは、前記基礎は、地面の中につくられるピットの中に設置される。
【0080】
好ましくは、前記ピットのベースは、ライニングで覆われた粒状体材料によって平らにされ、前記基礎は当該ライニングの上へ設置される。
【0081】
好ましくは、前記ピットのベースは、ライニング(例えばジオクロス)で覆われた砂または他の類似材料によって平らにされ、前記基礎は当該ライニングの上で(好ましくは組み立てられ、かつ)設置される。
【0082】
好ましくは、前記基礎は、少なくとも部分的にピット形成のために除去された土壌の中に、少なくとも部分的に埋め込まれる。
【0083】
好ましくは、前記ピットの深さは少なくとも400mmである。
【0084】
好ましくは、前記ピットの深さは550mmである。
【0085】
好ましくは、前記ピットの深さは700mm未満である。
【0086】
好ましくは、前記ピットは、液状化によって誘発された流れが前記基礎領域に侵入するのを防ぐために、ライニング(例えばジオクロス)または他の適切な膜で覆われている。
【0087】
好ましくは、ジオクロスは、前記第1層のポールとそれらを支持する地面との間を仲介する。
【0088】
好ましくは、前記基礎は、コンクリートパッドのための支持を提供する。
【0089】
好ましくは、前記基礎は粒状充填剤(例えば土壌)で充填され、コンクリートパッドが当該粒状充填剤の上に支持される。
【0090】
好ましくは、前記基礎は、ジャックスタッドの上にコンクリートパッドを支持することができる。
【0091】
好ましくは、コンクリートパッドはジャックスタッドにより支持される。
【0092】
好ましくは、型枠はジャックスタッドにより支持される。
【0093】
好ましくは、垂直ジャックスタッドはコンクリートパッドを通過してその上に伸びる。
【0094】
好ましくは、前記第2層のポールは、コンクリートの中に部分的にカバーされる。
【0095】
好ましくは、コンクリートパッドの型枠が前記第2層のポールの上に設置され、当該型枠がコンクリートの注入を受けて、前記コンクリートパッドの前記基礎を定める。
【0096】
好ましくは、前記第1層のポールと前記第2層のポールの間の角度は90度である。
【0097】
好ましくは、前記第2層は、当該第2層の少なくとも2本のポールと平行でない少なくとも一つの更なるポールを含む場合がある。
【0098】
好ましくは、前記第1層は、当該第1層の少なくとも2本のポールと平行でない少なくとも一つの更なるポールを含む場合がある。
【0099】
好ましくは、前記第2層は、当該第2層の少なくとも2本のポールのうちの少なくとも1本と固定されていない少なくとも一つの更なるポールを含む場合がある。
【0100】
好ましくは、前記第1層は、当該第1層の少なくとも2本のポールのうちの少なくとも1本と固定されていない少なくとも一つの更なるポールを含む場合がある。
【0101】
好ましくは、前記ポールは実質的に100mmの最小直径を有する。
【0102】
好ましくは、前記ポールは実質的に275mmの最大部直径を有する。
【0103】
好ましくは、それらのポールは、それぞれの長さに沿った各実質的に恒常的な断面を有する。
【0104】
好ましくは、前記ポールは150mmと275mmの間の直径を有する。
【0105】
好ましくは、前記第2層のポールは前記第1層のポールより小さな直径を有する。
【0106】
好ましくは、前記第2層のポールは前記第1層のポールと同じ直径を有する。
【0107】
好ましくは、同じ層のポール間の平行な間隔の距離は1〜3メートルである。
【0108】
好ましくは、前記ポールは、昆虫、菌類、腐敗および水分による悪化の一つまたは組み合わせを防止するために処理される。
【0109】
好ましくは、前記ポールは、皮を剥がれて丸く成形された材木丸太から製造される。
【0110】
好ましくは、前記ポールは、概して恒常的な直径を有する。
【0111】
好ましくは、第1層のポールの長さは少なくとも3メートルである。
【0112】
好ましくは、第2層のポールの長さは少なくとも3メートルである。
【0113】
好ましくは、前記第1層のポールおよび第2層のポールの一つ以上は、前記長さを形成するために第1層のポールまたは第2層のポールの夫々と重ね継ぎされる場合がある。
【0114】
好ましくは、前記長さは単一のポールによって提供される。
【0115】
好ましくは、前記基礎は組み立てられた状態で100kPaの地面で支えられる。
【0116】
好ましくは、前記基礎は、非破壊の方法で現場にて分解され、かつ取り除かれることができる。
【0117】
好ましくは、前記基礎は、矯正基礎支持サポートまたは保守を必要とする構造の下に位置する。
【0118】
好ましくは、前記基礎は、建築構造下の現場での組み立てにより改造されてきたものである。
【0119】
好ましくは、各ポール層のポールは水平である。
【0120】
好ましくは、各ポール層のすべてのポールは水平である。
【0121】
好ましくは、少なくとも一つのポール層のポールは水平に対してある角度を有する。
【0122】
好ましくは、ジャックスタッドは、設置される箇所では、それが係合するポールから垂直に伸びている。
【0123】
好ましくは、少なくとも一つのポール層のすべてのポールは、水平に対してある角度を有する。
【0124】
好ましくは、少なくとも一つのポール層のポールは水平に対してある角度を有し、他のポール層のポールは水平である。
【0125】
好ましくは、前記基礎は傾斜した地面上に支持される。
【0126】
好ましくは、前記層は互いに平行である。
【0127】
好ましくは、ポールの第2層は、少なくとも、その上にそれらが横たわる第1層のポールに対してある角度を有する。この角度は、平面図で見られると、好ましくは90度である。
【0128】
本発明の別の態様は、以下の工程を備える基礎建設方法に関する:
a.実質的に平面な基礎を有するピットを形成するために土壌を取り除くことにより地面サイトを準備する工程と、
b.前記ピットの中にポールの第1層を定めるために前記平面な基礎の上に複数のポールを配置し、かつ、前記第1層のポールの上にポールの第2層を定めるために前記第1層のポールに複数のポールを固定する工程。
【0129】
好ましくは、前記第2層を定めるポールは、前記第1層のポールに対してある角度で配置される。
【0130】
好ましくは、前記角度は90度である。
【0131】
好ましくは、前記層は互いに平行である。
【0132】
好ましくは、前記平面な基礎は水平である。
【0133】
好ましくは、前記平面な基礎は傾斜している。
【0134】
好ましくは、前記方法は、前記ピットの基礎と前記第1層との間にシート状物質(例えばジオクロス)を提供する工程を含む。
【0135】
好ましくは、前記方法は、前記ピット基礎と前記シート状物質および/または第1層との間に水平化の材料を提供する工程を含む。
【0136】
好ましくは、前記方法は、前記ピットをつくるために前記サイトから取り除かれた土壌で、ピットを含む前記基礎を満たす工程を含む。
【0137】
好ましくは、前記方法は、前記土壌を圧縮する工程を含む。
【0138】
好ましくは、前記方法は、一つ以上の交差箇所においてジャックスタッドを固定する工程を含む。
【0139】
好ましくは、前記方法は、前記ピットに砂利基礎を提供する工程を含む。
【0140】
本発明の別の態様は、本願明細書に記載されるように、
a.実質的に平面な基礎を有するピットを形成するために土壌を取り除くことにより地面サイトを準備する工程と、
b.前記ピットの中にポールの前記第1層を定めるために前記平面な基礎の上に複数のポールを配置し、かつ、前記第1層のポールの上にポールの前記第2層を定めるために前記第1層のポールに複数のポールを固定する工程と、
を備える基礎建設方法に関する。
【0141】
本発明の別の態様は、重なり合うまっすぐな材木ポールのグリッドの地面ベアリング基礎に関する。
【0142】
好ましくは、ポールの第1層が第1平面で伸張し、かつ、ポールの第2層が前記第1平面と平行な第2平面で伸張すると共に、前記第1層のポールが前記第2層のポールと平行とならないように前記ポールが配置される。
【0143】
本発明の別の態様は、本願明細書に記述されるような種類の、現場で組み立てられる建築基礎に関する。
【0144】
本発明の別の態様は、本願明細書に記述されるように、基礎の上に支持される建築物に関し、当該基礎は地面上に支持される。
【0145】
本発明の別の態様は、請求項1に記載されるような基礎の上に支持される建築物に関し、当該基礎は地面上に支持される。
【0146】
本発明の別の態様は、間隔を開けて(好ましくは平行に)配置されたポールの上方層を備え、前記上方層は、当該上方層のポールに対して横に伸び、間隔を開けて(好ましくは平行に)配置されたポールの下方層の上に支持され、そこにおいて、前記下方層のポールは、下方層のポールと上方層のポールの間の交差箇所の少なくとも幾つかにおいて上方層のポールに固定される、材木ポール格子基礎に関する。
【0147】
本発明の別の態様は、地面条件の変化により悪影響を受けていた地面の上に支持される建築物を安定させる方法に関し、前記建築物のために上記の通り基礎を組み立てる工程と、前記基礎を前記建築物の垂直支持とならしめる工程と、を備える。
【0148】
好ましくは、前記組み立ては前記建築物の下で行われる。
【0149】
好ましくは、前記組み立ては前記建築物に隣接する場所で行われ、前記建築物は前記基礎の上に支持されるためにその後に移送される。
【0150】
好ましくは、前記建築物は前記基礎の上を移動することが可能であり、前記建築物が前記基礎の上に設置された後に唯一または幾つかのジャックスタッドが設置され、前記建築物と前記ジャックスタッドとの結合は、前記ジャックスタッドが前記第1層および/または第2層のポールに固着された後に確立される。
【0151】
本発明の別の態様は、傾斜した地面の上に位置する建築物のための基礎構造に関し、
a.前記傾斜した地面の第1レベルに確立される第1台地における、上記の通りの第1基礎と、
b.前記第1レベルを越える前記傾斜した地面の第2レベルに確立される第2台地における、上記の通りの第2基礎と、
c.前記第1レベルから上向きに伸びている複数のポール(以下、「保持ポール」と称す)と、を備え、
前記保持ポールは、当該保持ポールの下方端で、各々が前記第1基礎の前記第1層のポール(a)および前記第1基礎の前記第2層のポール(b)の一つに固定され、かつ、当該保持ポールの上方端で、前記第2基礎の前記第1層のポール(a)および前記第2基礎の前記第2層のポール(b)の一つに固定される。
【0152】
好ましくは、前記保持ポールは、それらの上方および下方端部が前記基礎のそれぞれのポールに固定されることによって固定される。
【0153】
好ましくは、前記保持ポールは、上方および下方の前記基礎のポールを支えるように適合および構成されており、それによりそこに固定される。
【0154】
好ましくは、前記保持ポールは互いに平行に伸びる。
【0155】
好ましくは、前記保持ポールは、前記2つの台地の間に伸びる前記地面に対して土壌保留機能を与えることを可能とするために、互いに間隔を置いて配置される。
【0156】
好ましくは、前記保持ポールは互いに横方向に当接する。
【0157】
他の本発明の態様は、添付の図面を参照して単なる例示の手法で与えられている以下の説明から明らかになる場合がある。
【0158】
本明細書において用いられる用語「および/または」は「および」または「または」またはそれらの両方を意味する。
【0159】
本明細書において、名詞の後の「(s)」は、その名詞の複数形および/または単数形を意味する。
【0160】
この明細書にて用いられている「備えている」という用語は「少なくとも部分的に成る」ことを意味する。この明細書においてその用語を含む記載を解釈する際には、各文章においてその用語で始められる特徴は、全て存在することを必要とするが、他の特徴が存在することもできる。「備える」および「備えられる」のような関連する用語も同様に解釈されるべきものである。
【0161】
ここまでまたはこれから挙げられるすべての出願、特許および刊行物は、存在するとすれば、全て本願明細書に引用したものとする。
【0162】
本発明は、前記出願の明細書で言及されまたは参照されるパーツ、要素および特徴の個々にまたは集合に、および前記パーツ、要素または特徴のあらゆる二つ以上の組み合わせの一部または全部に存在するものと広く言われる場合があり、また、本発明が関する従来技術における周知の均等物である特定の整数が本願明細書において言及される場合には、このような周知の均等物は、あたかも個々に記載されているかの如く本願明細書に組み込まれるものとみなされる。
【0163】
本願明細書に開示される数の範囲(例えば、1〜10)についての参照は、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9および10)の参照をも組み込むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0164】
本発明は、ここに単なる例示の手法により、以下の事項を含む図面を参照して記載される。
図1】組み立てられた基礎の斜視図を示す。
図2】組み立てられた基礎の平面図を示す。
図3】組み立てられた基礎の側面図を示す。
図4】ピット内に組み立てられた基礎の側面の断面図を示す。
図5】組み立てられた交差箇所における切り出し斜視図を示す。
図6】ジャックスタッドのない別の実施形態の斜視図を示す。
図7】ねじ切りされた締着具を有する別の実施形態の斜視図を示す。
図8】交差箇所の分解斜視図を示す。
図8A】異なる実施形態の交差箇所の分解斜視図を示す。
図9】組み立てられた交差箇所の側面図を示す。
図10】組み立てられた交差箇所の端面図を示す。
図11】重ね継ぎされたポールの側面図を示す。
図12】重ね継ぎされたポールの端面図を示す。
図13A】ジャックスタッド上部の型枠およびコンクリートのスラブを支持するピット内に組み立てられた基礎の側面図を示す。
図13B】ジャックスタッドにより骨組みをサポートするピット内に組み立てられた基礎の側面図を示す。
図13C】砂利いかだおよびコンクリートスラブを支持するピット内に組み立てられた基礎の側面図を示す。
図13D】コンクリートスラブを直接支持するピット内に組み立てられた基礎の側面図を示す。
図14】交差箇所に位置する穿孔用のアタッチメントおよびサブ構造を示す。
図15】サブ構造の底部斜視図を示す。
図16】交差箇所における組み立てアタッチメントおよびサブ構造の最上部斜視図を示す。
図17】本発明の基礎の他の実施形態の模式的な平面図を示す。
図18】本発明の基礎の傾斜した実施形態の模式的な側面図を示す。
図19】本発明の基礎の2パートジャックスタッド実施形態によるドライブの模式的な側面図を示す。
図20】実施形態を通じてドライブにおいて用いられる2パートジャックスタッドの模式的な側面図を示す。
図21】幾つかのジャックスタッドが取り除かれ、または取り付けられていない基礎の実施形態によるドライブの模式的な側面図を示す。
図22】本発明の基礎の壇にされた実施形態の模式的な側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0165】
図1を参照すると、斜視図において基礎構造1の例が示されている。類似の基礎構造は、図2の平面図および図3の側面図に示されている。図1乃至3は、本願明細書に記載される基礎構造が取ることのできる形状の単なる例である。他の形状は図17に示される。形状および構成における多くの他の変形物が予想され、本願明細書において以下に記載される基礎構造についての説明に基づいて、当業者はこのような変形物を理解すると思われる。
【0166】
本実施形態の基礎は、多くの目的のために用いられることが可能である。このような目的は、住居棟9の基礎、商業ビル、道路基礎、構造パッド、一時的なパッド、鉄道線路基礎、農業建築物の基礎等であることがある。
【0167】
基礎構造1は、好ましくは複数のポール2を備える。ポールは望ましくは材木ポールである。それらは、細長く断面図において実質的に丸いことが望ましい。それらは、実質的に恒常的な断面を有することが望ましい。
【0168】
ポールは、それらが相当な距離にわたることができるように相当な長さである。好ましい形態では、基礎構造で用いられる少なくとも一つ、好ましくは複数のポールが、少なくとも3メートルの長さ、好ましくは4メートル超の長さである。
【0169】
複数のポールは、図2を参照すると明確に分かるように、格子状の方法で配置される。好ましくは、ポール3の第1層とポール4の第2層が存在する。ポールの第1層は好ましくはポールの下層であり、ポールの第2層は好ましくはポールの上層である。例えば、下部レベルのポール3Aは元の位置にあるときに実質的に水平に伸張している。同様に、上部レベル4のポール4Aは元の位置にあるときに実質的に水平に伸張している。好ましい形態では、第2レベルのポール4Aは、第1レベルのポール3Aの上に横たわる。この状態は、図1および図3において見ることができる。交差箇所の幾つかのネスティングは、上記複数レベルの一方または両方のポールに提供された切抜き細工またはスカラップによって提供される場合がある。好ましい形態では、このような切抜き細工またはスカラップ加工は提供されない。
【0170】
好ましい形態では、上方レベルのポール4Aは、下方レベルのポール3Aに対してある角度で伸びる。好ましい形態では、上方レベルのポールは実質的に互いに平行である。好ましい形態では、下方レベルのポールは実質的に互いに平行である。好ましい形態では、下方レベルのポールは上方レベルのポールに対して直角に伸びる。下方レベルのポールが上方レベルのポールに関して他の角度で伸びる場合があることはいうまでもない。これは、図17において見ることができる。下方レベルのポールが少なくとも上方レベルのポールのいくつかと重複するように調整される限り、少なくとも一つ(そして、好ましくは複数)の上方と下方レベルのポールの交差箇所5が作り出されることが分かる。
【0171】
上層のポールが下層のポールと交差するのは、これらの交差箇所においてである。ここで、上層の下層への固定がなされる。さらにまた、これらの交差箇所では、ポールとポールの締着に用いられる同一または他の締着アレンジメントを用いてジャックスタッドが締着される場合もある。
【0172】
基礎の交差箇所の少なくとも1箇所、および好ましくは各々で下方レベルポールを上方レベルポールに締着することが、以下更に詳細に記載されている。
【0173】
図4を参照すると、基礎構造1が地面6にサポートされることが可能なことが分かる。基礎構造1は、地面内に作られるピット7の中でサポートされることがある。ピット7は、基礎構造1の周辺部形状に密接にマッチする平面な周辺部形状であることがある。ピット7は、好ましくは浅いピットで、実質的に水平なベース8を有する。ピット7は、図18に示すように傾斜面にあってもよい。本実施形態の基礎は、好ましくは地面上で直接支持する。
【0174】
ピットの水平ベースは、基礎構造の下方レベルポールを支持するためのプラットフォームを提供する。ポールが細長くまっすぐな好ましいものであるとすれば、実質的な水平ベース8は、下方レベルポールの各々に対して実質的に均一なサポートを提供する。水平ベース8は、垂直高さにおいて50mmの許容度の範囲内であることが望ましい。水平化は、水平ベースを与えるために容易に広げられるピットに砂のような微細材料を導くことにより達成されることができる。あるいは、ピットそれ自体が外部から水平に掘られたものであってもよい。
【0175】
基礎構造は、或いは、ピットの中に少なくとも部分的にセットされることなく、地面6の上表面に配置されまたは構成される場合がある。ピットの中に基礎構造1を配置または構成することによる利点は、以下記載されている。
【0176】
(堅いが弾性をもって撓ませる若干の能力を有し、かつ丈夫な)ある程度の長さの材木ポールを用いると、基礎によりサポートされている構造からその下の地面に対する負荷分配を、上手い分配方法で提供することができる。
【0177】
幾つかの形態において、基礎構造は、複数のジャックスタッド9を含む場合がある。これらのジャックスタッド9は、少なくとも一つ、好ましくは複数の上方レベルポールと係合されることが好ましい。好ましくは、そのジャックスタッド9は、それを支持するポールの各々に対してぴったりと適合するための補完的なスカラップ凹部を有する。ジャックスタッドは、以下、更に詳細に記載されている。
【0178】
ジャックスタッドの最上部は、構造をサポートするように構成される。その構造は、建築物、パッド、或いは基礎の接続が必要なあらゆる他の構造であることである。
【0179】
ピットの中には、任意ライニング40が提供される場合がある。このライニング40は、耐久性があり、好ましくは防水材料であることがある。基礎構造1は、ピットのベース8或いはその上に基礎構造がサポートされる地面の少なくとも部分、好ましくは全てとの接触から基礎構造を切り離すために、この種のライニング材の上に配置され、または構成されることがある。ライニング40は、いかなる地面液状化流れでも進路を変更することができる。それは、このような液状化が基礎構造を通って上がってくるのを防止する場合がある。図4では、ライニング40がそのエッジにおいて上向きにされているのを見ることができる。これは任意の上昇であり、代わりに、ライニング40は実質的に平坦であってもよく、そして、いくつかのロケーションでは、それを通って基礎構造の下の地面に向かう下向きの水排水を助けるための開口を有する場合がある。更なる実施形態では、ライニング40は、地面の水準までピット脇を上方に伸びる。
【0180】
最も好ましい形態において、基礎構造1は元の位置に組み立てられる。基礎構造が少なくとも部分的にピット7内にセットされることになっている状況において、造成後のピットは、本願明細書に記載されているような好ましい格子状の方法で、ピットの中に配列されるように複数のポールを受けることができる。好ましくは幾つか、より望ましくは全ての下方レベルポール3Aはピットの中に運び込まれ、そこでは後に、上方レベルポールが、下方レベルポールの幾つか、好ましくは全てでないとしたらその大部分の上に、横方向または斜め方向に敷設されることができる。
【0181】
いくつかの形態において、ポールは、上方および下方レベルポールの交差箇所の少なくとも一つ、好ましくは各々においてポールを一緒に固定する目的のため前もって作られる。変形例において、ポールは、この種の事前の組み立てが実行され、または要求されることなく締着具を受け付けることができる。いくつかの形態では、ポールを一緒に締着するための締着特徴の提供は元の位置に発生し、この種のものは、添付の図面を参照して以下に記載されている。
【0182】
図6および図7には、上方および下方レベルポール間の締着アレンジメントの一例が示されている。図6を参照すると、合釘10は、上方レベルポール4Aの穴11に位置するために提供される。下方レベルポールの軸方向に整列配置された穴12は、合釘10がその中に位置するのを許容する。合釘は、好ましくはこれにより、交差領域5で上方および下方レベルポールの間に伸びる。
【0183】
合釘10は穴11および穴12に位置して、その交差箇所でポール間に横方向の滑動(剪断)動作が生ずるのを防止する。
【0184】
合釘10は、チューブまたはロッドであることがあり、好ましくは、複合材料または金属材料のような剛性材料である。それは、材木で代用してもよい。合釘は、円形、正方形、または他の形の断面を有することがある。それは、まっすぐであり、細長く、交差箇所で上方および下方レベルポールの中に十分な程度に伸びることができるような長さであることが望ましい。
【0185】
合釘には、上方および下方レベル間の相対的な水平動作に抵抗できることが求められる。それは、好ましくは、上方および下方レベルの垂直分離を防止するための張力を発揮し得るものでもあるべきである。それは、圧縮力も発揮し得るものであることが好ましい。合釘は、少なくとも30mmの直径、または30〜100mmの間の直径を有することがある。チューブとしては、合釘は、60mmの直径と4mmの壁厚を有することが望ましい。
【0186】
中に合釘が位置する穴は、位置的な適合を形成するように、合釘の直径より大きい直径を有することが望ましい。好ましくは、中に合釘が位置する穴は、直径を62mm有する。合釘の位置を決めるための穴は、それでもなお心地よい方法で合釘の位置を決めることが可能ではあるが、合釘と同一または合釘より大きいことが望ましい。本願明細書において記載されるように、好ましい穿設プロセスは、十分に正確に実行されなければならない。
【0187】
一つの基礎構造において、合釘は複数用いられることがある。いくつかは、他とサイズが異なることがある。いくつかは、他と長さが異なることがある。いくつかは、現場で適当な長さに切られることがある。ジャックスタッドの締着を伴って用いられるか否かに応じて、少なくとも二つの異なる長さが提供されることが望ましい。図11に示される一つの実施形態では、合釘の長さは830mmである。この長さは、上下層のポールおよびジャックスタッドの中の穴の長さの合計にほぼ等しい。ジャックスタッドを用いない実施形態(図7)では、合釘の長さは550mmに過ぎないことがある。当業者は、これらの長さが特別なものではないことを理解している。
【0188】
好ましくは、ポール間の垂直分離とそれらのポールを垂直方向に一緒に保つことは、合釘10が固定されることにより、好ましくは上方レベルポール4Aおよび下方レベルポール3Aに対するピン止めにより達成される。これは、好ましくは、上方および下方レベルポール4A、3Aの横方向穴15および16にそれぞれ達するピン13および14によって達成される。これらのピンは、マッチング開口17および18を有する合釘により、その合釘の中まで到達するまで、好ましくはその合釘を通過するまで伸張する。一つの実施形態では、合釘は、穴11および穴12と摩擦嵌合を有し、ピンまたは他の締着具を用いないことがある。
【0189】
好ましい形態では、穴11および12は、細長いポールの中央軸線に向かう径方向において実質的に伸びる。同様に、ピンのための穴15および16は、放射状に伸び、そして好ましくは穴11および12の夫々に対して垂直に伸びる。好ましい形態では、穴15および16は、ポールの各々を通るスルーホールであり、中に合釘10が位置する穴11および12によって分断される。
【0190】
好ましい形態では、穴11はスルーホールであることが望ましいのに対して、穴12は止まり穴であることが望ましい。そのスルーホールは、交差箇所でポールを一緒に固定する基礎構造の造作の本来の位置提供の結果として提供される。
【0191】
ポールを交差箇所で一緒に固定するためには、他の締着具が用いられる場合がある。そのような変形例は図7に示されており、そこでは、下方ポール3Aの穴16Aの中に伸張するピン14Aを受けるための穴18Aが合釘10Aに備え付けられ、一方で、合釘を上方ポール4Aに固定するためのピンは提供されておらず、その代わりにねじ切りされた締着アレンジメント19が合釘10Aの末端に提供されている。
【0192】
第3の締着アレンジメントは、合釘の雄ねじが切られた領域20と、締結により固定されることができ、直接またはワッシャ22または他の負荷緩和部材を介して上側ポール4Aの上方表面に対抗するナット21のような雌ねじが切られた部材とを含む場合がある。
【0193】
ジャックスタッドが提供される好ましい形態の図8を参照すると、ジャックスタッドは、上方レベルポール4Aと下方レベルポール3Aの間に交差箇所で提供される。ジャックスタッド9は望ましくは合釘10Bを用いて固定される。合釘10Bは、図6を参照して記載されている合釘の場合と類似の方法で、上方レベルポール4Aの穴11Bの中に提供され、下方レベルポール3Aの穴12Bに達する。穴11Bおよび12Bは軸方向に整列配置されており、その結果、合釘10Bは双方の穴11Bおよび12Bの中に伸びることができる。一つの形態では合釘10Bが上方レベルポール4Aならびに下方レベルポール3Aにピン留めされることがあるのに対して、このようなピン留めが上方レベルポール4Aでは行われない。その代わりに、合釘10Bは、ジャックスタッド9に固定される。ジャックスタッド9は、合釘10Bを受けることができる止まり穴またはスルーホール25を含む場合がある。
【0194】
好ましくは、ジャックスタッドは、上方ポールに留められているのと同様の手法で下方ポールにピン留めされる。合釘10Bには、ピン23が合釘に届き、合釘の穴22を貫通し、好ましくはその合釘を通過することができるようにするためのジャックスタッド9の横方向穴24の中を通って伸びるピン23を受けるための穴22が提供される場合がある。これにより、ジャックスタッド9および下方レベルポール3Aの双方への合釘のピン留めが可能となり、その結果、垂直方向においてジャックスタッド9が上方レベルポール4Aおよび下方レベルポール3Aに固定される。
【0195】
図8において、好ましくは、ジャックスタッドの穴25は止まり穴であり、同様に、下方レベルポール3Aの穴12Bも止まり穴である。図9および図10は、図8に示される分解立体図の組み立てられたバージョンの側面図および端面図を示す。図8Aに示す代替配置構造では、それらが互いに垂直であるが、ピン23およびピン14Bは互いに平行に伸びることが好ましい。ピンは、合釘の長手方向に対して垂直に延びる細長くまっすぐなピンであることが望ましい。元の位置における合釘は実質的に垂直に伸びることが望ましい一方、ピンは、実質的に水平に、かつ、夫々上方および下方レベルポールの長手方向と平行であることが望ましい。
【0196】
ジャックスタッドは、ジャックスタッドの破損を防ぐために、プラスチック層で少なくとも部分的に被覆されていてもよい。好ましくは、ジャックスタッドは、ポリエチレンシュラウドで少なくとも部分的に被覆されている。
【0197】
好ましい形態では、ピンはステンレス鋼のような金属材料で構成される。あるいは、ピンはプラスチックまたはコンポジット材で構成される。それらは、ぴったりと合釘の開口または穴に嵌まることが可能であり、このことにより、合釘が基礎構造の構成要素に確実に接続することが確保される。ピンが適所に保持されるのを確実にするためにRピンまたは割りピン31を提供してもよい。あるいは、ピンが押し込まれる穴が、ピンとのぴったりとした嵌め合いを提供してもよい。好ましくは、ピンは、それら夫々の穴に対して、動きばめ、位置的な適合、または干渉許容適合を有する。例えば、ピンは、木槌またはハンマーによって打ち込まれることを必要とする場合がある。好ましくは、ピンの穴は、それらが位置決めするピンより1mm大きな直径を有する。好ましくは、ピンの穴は、4mmから35mmの間の直径を有する。好ましくは、その穴の直径は18mmである。
【0198】
ピンは、3mmから30mmの間の直径を有していてもよい。好ましくは、ピンは17mmの直径を有する。当業者は、多くの異なるサイズのピンが用い得ることを理解する。ピンの寸法は、組み立て体にどれだけの圧力が加わるのか、ピン材料が何であるか、および数多くの他の要因により決定される。
【0199】
図11および図12を参照すると、ポールが特定方向に連続スパンを提供するのに十分な長さを有しない場合は、ポールは副木状アレンジメントで端から端までがつながれ得ることが分かる。副木アレンジメントは、堅くて細長く、組み立てられた状態で複合ポールの曲げに対して幾らかの抵抗を提供するサイドプレート32および33を含む場合がある。プレート32および33は、例えば2本のポール38および39の夫々を通過する締着ピン34の形で導入されることのある締着具によって、各ポールに好ましくは確実に連結される。より長い有効なスパンを提供するためにポールの端から端までを繋げる手法は他にも存在する。
【0200】
好ましい形態では各ポールが相当な幅を有する。各レベルのポールの少なくとも2本は、基礎構造の周辺領域に配置されることが好ましい。一のレベルのこの種の周辺ポール2Aの間に、他のレベルのポールの少なくとも1本がこの種の周辺ポールの間に実質的に伸びることが好ましい。これは、基礎構造の沈下に対する抵抗を提供する基礎構造を作成するのを助ける。基礎構造の下の地面の一部が沈下し、それまではその沈下箇所で垂直に支持されていたポールが、次いでその場所で支持されない状態に置かれると、そのポール自体の剛性およびその上が固定されている少なくとも一つのポールの剛性が、基礎の動きを低減させ、または防ぐのを助ける。
【0201】
ポールは100mmより大きい直径を有し、より好ましくは、一の実施形態ではそれらの直径は275mmである。ポールの直径は、組み立てにおいて存在する力に対して充分なものである必要があり、また、後述するジグは、適切に設計され、かつ適切な大きさであることが必要である。
【0202】
好ましくは、同じ層のポール間の間隔を開けた平行な距離は1〜3メートルである。ポールの間隔は、基礎がサポートする必要がある構造に依存する。構造が重いほど、狭い間隔が必要とされる。ポール間に求められる間隔は、地面のタイプ、条例、周辺、用いられる材木または材料、コストのような他の要因を考慮して決定される。
【0203】
ポールは、以下に示すような昆虫、菌類、腐敗および水分による悪化の一つ以上を防ぐために取り扱われることが好ましい。ポールは、概して恒常的な直径となるように皮を剥がれ、丸くされることが好ましい。しかしながら、材木ポールが直径および真度に偏差を有することが予測され、このことは本発明の設計において受け入れ可能であり、かつ考慮されている。いくつかの実施形態において、材木ポールは、一つ以上の平坦なまたは小面化された表面を有してもよい。上記の平坦な面は、ポールが他のポールの上に敷設される所で、互いに隣接する場合がある。あるいは、ポールは、楕円または長円形であってもよい。
【0204】
いくつかの実施形態では、図17に示されるように、基礎の組み立て体は垂直な格子でない。当業者は、このシステムは用途が広いと理解し、また、異なる場所、用途および構造に応じて多くの異なる変形物が適用可能であると認めるものと思われる。
【0205】
図4で示すように、基礎構造はピット7に配置されることが好ましい。ピット7は、望ましくは、基礎構造をその中に設立する前に設置されたピットである。
【0206】
ピットの深さは少なくとも400mmである。いくつかの実施形態では、上方層のポールの最上部は周囲の地表面より上に突出することがある。好ましくは、ピットの深さは550mmである。好ましくは、ピットの深さは800mm未満である。材木床タイプの典型的な従来の基礎(タイプ2A、2Bまたは3A)は、800mm〜1000mmの深さのピットを有する場合がある。
【0207】
ピット内に基礎を組み立てた後、ピットをつくるためにピットから除去された土/土壌は、少なくとも部分的にピットの中に戻して再導入される。この土壌40は、少なくとも部分的に、ピットの中で土壌の中に基礎構造を埋め込む。土壌の圧縮が行われてもよい。ピットをつくる際に除去された土壌の少なくともいくらかを再導入によりピットに戻し入れることの利点の1つは、処理を要する、またはどこか他の場所への移送を要する土壌の量が減ることである。
【0208】
本発明の基礎構造の格子状の構造では、そこに基礎構造が設けられた後に相当な量の容積がピット内に残り、その容積は、先にピットから取り除かれた土壌によって再び占有されることができる。従って、これは、ピットから除去された残土の減少量につき、処理が要求され、または何処かまたは他の場所で用いられることが要求されることを意味する。(もし圧縮されていたとしたら)全てでないにしても、ピットを作るために取り除かれた多くの土壌が、そこに基礎構造が設けられた後にピットに再導入され得るという事実は、他の場所に持ちされるその場所の土壌がより少なくなることを意味する。
【0209】
ジャックスタッドが提供されない本発明の基礎構造の代替バージョンは、基礎構造の上に、または基礎構造により、コンクリートパッドが支持され得るものを含む。
【0210】
図13A図13Bおよび図13Dを参照すると、各種支持の実施形態が示されている。図13Aは、ジャックスタッド9によって支持されたコンクリートスラブ81を保持する持ち上げ式の型枠80を示す。図13Bは、ジャックスタッド9によって支持された受台またはジョイストを含むフレーミングシステム82を示す。
【0211】
図13Cは、基礎により支持され、好ましくは砂利いかだ82、および/または土とコンクリートスラブの中間体ライニングを伴うコンクリートスラブ81を示す。
【0212】
更なる実施形態では、図13Dに示すように、コンクリートのスラブ81がポールの第2層を少なくとも部分的にカバーしている。
【0213】
この基礎は、好ましくは、矯正基礎または保守を必要とする建築物の下に取り付けられることができる。
【0214】
上述の通り、ジャックスタッドの最上部は構造をサポートするように構成される。一つの例において、ジャックスタッドは建築物に接続されている。ジャックスタッドは、木または鋼鉄の受台または骨組みのような様々な形の建築構造または特徴に接続している場合がある。一つの実施形態において、住宅または建築物81がジャックスタッドの上に置かれるべく、前もって建造物が建設される。前もって建設されていた建築物81は、輸送手段82を介して基礎サイトに輸送される。一般にジャックスタッドは地面上の輸送手段82の高さより地面から高く伸びているため、ジャックスタッドに当たる妨害を生じさせることなく基礎の上に輸送手段が運ばれるように、一連のジャックスタッドを取り除くことが好ましい場合がある。建築物81はサポートまたはジャッキシステム83を介してトラックから持ち上げられ、負荷を降ろしたトラックは運転されて基礎のサイトを離れる。次に、建築物81は既に存在しているジャックスタッド上に下向きに降ろされ、或いはジャックスタッドが一旦取り外されている場合にはそれらを更に装着し、そして、建築物がジャックスタッドに接続される。合釘は、図21に示すように、それらの上にトラックを運転することが可能なように十分に低いものではあるが、第1および第2層のポールと共に適当な位置に残されたままとなることがある。
【0215】
他の実施形態では、ジャックスタッドの間で輸送手段の運転が可能であるため、いかなるジャックスタッドも取り除く必要がない。
【0216】
更なる実施形態では、ジャックスタッドは、図19に示すように二つ以上のパーツを有する形式である。2パーツ形式のジャックスタッドでは、ジャックスタッドの下方部分84は、基礎に固定され、かつ、そのジャックスタッドの下方部分の上で輸送手段が運転可能となるように、構造物の負荷を受け持っている輸送手段の地面上のクリアランス高さより低い範囲で地面から伸張している。一旦輸送手段が正しい場所に建築物を設置して立ち去ると、ジャックスタッドがその有効高さまで伸びるように、ジャックスタッドの上方部分85をジャックスタッドの下方部分84に接続することができる。ジャックスタッドの下方部分は、単にジャックスタッドを取り付けるための建具である場合がある。下方部分84および上方部分86は、図20に示すようにピン85でつながれる場合がある。
【0217】
他の実施形態では、基礎が、少なくとも部分的に傾斜7上に設置される。この角度が付けられシステムの設計は、基本的に、ジャックスタッド(もし存在するなら)を除いて、水平なシステムと同じである。ジャックスタッドが要求される場合、それらは通常通り交差箇所を外して底部層のポールと上部層のポールの間に、但し垂直に配置される。垂直なジャックスタッドは傾斜7に沿って高さが異なっており、そのため、このジャックスタッドは水平な構造を支持する水平な上部支持平面80を形成することができる。好適な実施形態における底部層のポールは図18に示すように、より効果的に傾斜からの滑落に耐えるために、その傾斜に対して直角に敷設される。
【0218】
図22に示すように、基礎構造は、段々に積み重ねられ、または壇状にされた方法で用いられる場合がある。壇状にされた方法において、基礎構造は、実質的に平行で、かつオフセットされた複数の水平基礎90から成る。基礎を設置するために、ピットayはこれらのテラスに掘り込まれる。好ましくは、これらのオフセットされた壇状の基礎90は垂直に結びつけられる。結束は、拡張ジャックスタッド91の形でされる場合がある。拡張ジャックスタッドは擁壁の一部をなす場合もある。この壁は、完全にまたは部分的に、隣接するテラス基礎90に取り付けられる場合がある。
【0219】
傾斜した擁壁については、結束が傾斜した方法でなされる場合もある。あるいは、その傾斜した壁は、上述され、かつ図18に示されるような傾斜した基礎の方法である場合がある。
【0220】
上記の実施形態の多くは、場所および構造支持要求に応じて結合される場合がある。これは、本発明の広範囲な用途適応性による。
【0221】
本願明細書に記載された基礎は、それ自身に沈下が生じた場合は移動させることができる。基礎を移動するために、少なくとも一つ以上のポールを持ち上げ、またはジャッキアップすることができる。その移動された状態の基礎を再安定させるために、次に、基礎の支持を生じさせることができる。
【0222】
図14、15および16を参照して、次に、上記の基礎構造の組み立てに用いることのできる組み立てジグについて説明する。この組み立てジグは、好ましくは移動可能な特性を持ち、かつ、上方レベルのポールと下方レベルのポールの間の各交差領域に置かれることができる。この組み立てジグは、オフサイトで事前に組み立てられ、次いでオンサイトで組み上げられるべきものというよりはむしろ、現場でポールが互いに固定されるのを可能とする。事前に組み立てる方法は、本願明細書に記載される基礎構造の技術的範囲に収まるものではあるが、穴により事前に組み立てられてから組み上げのために建設現場に提供されるまでの間に、材木ポールが例えば乾燥によりまたはより湿気を帯びることにより材木の移動を引き起こす事態が容易に起こり得るような場合には、多大な時間を要するものとなる場合がある。
【0223】
組み立てジグは、合釘が基礎構造の構成要素の交差箇所で固定されるのを可能とするため、各交差箇所に配置され、そこにおいて多くの好適なオペレーションの少なくとも1つを実行することができる。
【0224】
組み立てジグは、好ましくはサブ構造50を含む。サブ構造50は、図14および15に示されるようにフレームの様な構成である場合がある。サブ構造は、下方レベルポールと上方レベルポール4Aの間で、交差領域5において下方レベルポール3Aに固定されることができる。サブ構造50は、好ましくは、サブ構造の開口51を通って下方レベルポール3Aに入り込むコーチスクリュー52のようなねじ切りされた締着具によって下方レベルポールに固定される。好ましい形態ではサブ構造50は、開口51が下方レベルポールの夫々の側に一つ提供される2つの領域を提供する。サブ構造50は、これにより下方レベルポールに確実に係合することができるようになる。締着具またはスクリュー52は、下方レベルポール3Aとの関係で、サブ構造を安全かつ固定された方法で適当な位置に保つ。
【0225】
サブ構造自体は、2つの分離可能な構成要素部品50Aおよび50Bを備える場合がある。2つの構成要素部品は、サブ構造が交差箇所で上方レベルポール4Aについて組み立てられるのを可能にする。サブ構造50の構成要素50Aおよび50Bの間で、便利かつ迅速な解放可能なラッチ係合を可能とするために、ラッチ54が用いられる場合がある。
【0226】
好ましい形態において、サブ構造50は、好ましくは上方レベルポール4Aおよび下方レベルポール3Aの各穴15および16のために、夫々少なくとも一つのドリルガイドを提供する。図15には、上方レベルポールのドリルガイド56および下方レベルポールのドリルガイド57が示されている。好ましい形態では、各穴のためのこのようなドリルガイドは、それぞれのポールの両側に存在するように提供される。このため、図示されているように、下方レベルポール3Aの中にドリルを導くためにドリルガイド57とドリルガイド57Aが存在し、また、2つの上方レベルポール用ドリルガイド56および56Aが準備されている。これにより、ドリルビットを搬送しているハンドドリルのようなドリルのオペレータは、ポールの一方からのみではなく、ポールの両側から夫々のポールに穴16および穴15を形成することができる。
【0227】
ポールの両側を通る実質的な通路に渡って延びるか、そうでなければポールの両側の外へ、かつポールの両側から外へ突出することがピンに求められる場合に、ポールの各側に一つずつ2つのドリルガイドを有することとすれば、より短いビットの使用が可能となり、ポールの中心線および/または夫々のポールの主穴11/12に到達し得ることが必要となるだけである。
【0228】
好ましくは、上方レベルポールのドリルガイド56および56A並びに下方レベルポールのドリルガイド57および57A(図示せず)は、穿設の間にビットが合釘の穴に対してそれ自体正確に共線の位置を決めることができ、かつ逸れることのない長さと直径の交差を有する。
【0229】
サブ構造を固定する際に、望ましい水平が達成されるポールと平行の軸およびポールと垂直な軸において、下方レベルポール3Aに対するサブ構造の所望の回転方向を確実にするために水準器が利用される場合がある。これは、ドリルガイドがドリルを受けて穴をつくるために適切に整列配置されることを確実にする目的のため、ならびに合釘を受けるために主穴11および12を設ける目的のために重要である。
【0230】
サブ構造の骨組みは、好ましくは、交差箇所で下方ポールおよび上方ポールについてぴったりと適合するように適合され、かつ構成される。これは、交差箇所5での穿孔および締着のプロセスの間に下方および上方ポールを互いに相対的に閉じ込めておくのを助ける。
【0231】
サブ構造50は、マウントおよび/または少なくとも一つのアタッチメントのアタッチメント用場所と共に配給される。その少なくとも一つのアタッチメントは、好ましくはサブ構造に一時的に取り付けられる。これによりアタッチメントを取り除くことが可能になり、また、2つのアタッチメントが提供される箇所では、それら2つのアタッチメントを交換することが可能となる。あるいは、このアタッチメントは、上記の代わりに、サブ構造に対する永久的なアタッチメントである場合がある。
【0232】
次に説明する第2のアタッチメントは、穿孔用のアタッチメントである。図14に示される穿孔用のアタッチメント60は、好ましくは、合釘を受ける穴をつくるためのボーラ62の動きをガイドすることのできるガイド61を備えるものである。好ましい形態では、ボーラ62は液圧モータ63によって駆動され、この液圧モータ63も、ガイドされた動きのために、穿孔用アタッチメント60のガイド61によって支持されている。ガイド61は、好ましくは、ガイドに沿って動くようにターンハンドル65を用いて制御されるガイドトラベラ64を保持する。オペレータは、ハンドルを回すことでボーラを下方に駆動し、また、ボーラを引き上げることができる。
【0233】
液圧モータの使用は、電気モータが望ましくない環境において有利である。例えば、雨が降る場合、電気モータは用い得ない場合がある。加えて、電気モータは液圧モータと比較して相対的に重い。液圧モータを用いると、一人では難しくても二人であればサブ構造50の設置および撤収が可能となるように穿孔用アタッチメントのサイズおよび重量を収めることができる。
【0234】
サブ構造とアタッチメントの結合は、アタッチメントをサブ構造に一時的に固定するピン66を用いて確立される場合がある。好ましい形態では、穿孔用のアタッチメントは、サブ構造に固定される際に、ボーラ62を実質的に垂直方向に提供する。それは、最初に上方ポールに4Aを貫通し、そこで同ポールの径方向に進行するように提供されることが好ましい。それからそれは、合釘が、少なくとも下方ポール3Aにピン受け穴が確立される位置を越える位置まで到達するように、下方ポール3Aの中で十分な深さに駆動されることができる。
【0235】
好ましい形態では、合釘はピンを受けるために予めドリルされており、したがって、ボーラ62によって製造される下方ポールの穴の深さは、合釘が下方ポールの穴12の底部に着座した際に、合釘の穴18が下方ポールのピン穴と実質的に整合するように設けられる場合がある。穴11および12が一旦ボーラによってつくられると、合釘を穴に挿入することが可能となる。
【0236】
この段階あるいはより前の段階で、ピン13および14を受けるホールは、例えば合釘の穴に届くドリルガイドにガイドされるビットを搬送する電気ハンドドリルにより穿設されることができる。合釘の穴は、予めドリルされていたそれらと整合するピン穴を既に備えている場合があり、またはその代わりに、その後そこに受けられるピンのための合釘を通る穴がドリルビットによって同時につくられる場合がある。上方および下方ポールの合釘穴に合釘が挿入される前に、合釘を落とし込む穴へのアクセスが自由になるように、穿孔用のアタッチメントは取り除かれることができる。
【0237】
ジャックスタッドを伴わない交差箇所が作成された箇所、および/またはジャックスタッドが交差箇所に設置された箇所では、交差箇所で合釘を基礎構造に固定するためにピンが挿入される前に、上方および下方ポールが一緒に圧縮されることが望ましい。
【0238】
この圧縮を容易にするために、組み立てアタッチメント70をサブ構造50に固定する場合がある。図16において、組み立てアタッチメント70はジャックスタッド9と協働して示される。組み立てアタッチメントは、合釘が固定される前に、第1層のポールおよび第2層のポールを圧縮するように機能する。ジャックスタッド9に作用してジャックスタッドを圧縮するためのプレス71が提供される場合があり、これにより上方および下方ポール4Aおよび3Aが圧縮される。このプレスは、組み立てアタッチメントのねじ切りされた開口74によって受けられるねじ切りされたロッド73を含む場合がある。例えば、スパナまたはトルクレンチを、ねじ切りされたロッド73のヘッド75上で用いることでそれを回転させることができ、それによりプレス71でジャックスタッド9を押圧することができる。好ましくは、その圧縮により、ポールの間に(および、存在する場合はジャックスタッドに)好適な当接部が形成される。
【0239】
組み立てにおいて圧縮が用いられない実施形態においては、当接する第1および第2層のポールと第2層のポールの間が5mm以下であり、かつ、ポールとジャックスタッドの間が5mm以下であることが望ましい。
【0240】
ジャックスタッドが交差箇所に提供されない箇所では、いうまでもなく、プレスは、ピン13および14の一方または双方が打ち込まれる前に上方ポール4A上に直接、そして好ましくは合釘を通して作用することができ、これにより合釘は基礎構造の一部として固定される。ジャックスタッドが提供されない箇所では、プレスを下方に降ろすために組み立てアタッチメントが再構築される場合がある。
【0241】
ジャックスタッドが交差箇所で提供される場合、組み立てアタッチメントは、ピン23を受ける穴24を作成するためのジャックスタッド内への案内動作のためにドリルビットを受けるドリルガイド78を少なくとも一つ含んでいることが好ましい。好ましい形態では、このようなドリルガイドが2つ、すなわちポールの両側に一つずつ存在し、ポールの一方から他方まで伸びるような長いビットを必要とすることなく、オペレータはスルーホールをねじ切りすることができる。プレスによる圧縮中に、ピン14Bおよび23の一方または両方がそれぞれ下方ポール3Aおよびジャックスタッド9に挿入されることができ、これにより、合釘10Bが基礎構造の一部として固定し、かつ、ジャックスタッド9、上方ポール4Aおよび下方ポール3Aを一緒に圧縮状態とすることができる。
【0242】
穿孔用のアタッチメントがサブ構造に固着することができるのと類似の方法で、組み立てアタッチメントは、本願明細書に記載の結果を達成するために、ドリルガイド78とプレスを適切な状態に保つ方法でサブ構造に固着されるために、ピン66または他の締着具を用いて同様に固定されることができる。
【0243】
好ましくは、この基礎は、非破壊の方法で分解され、または修正されることができる。ピンは、叩き出すことができ、また、もし存在するのであればジャックスタッドはリフトオフすることができ、上方層を除去することができ、次いで底部層を除去することができる。その後、全てのパーツは再利用され、かつ再組み立てされる場合がある。
【0244】
先の記述においては、周知の均等物を有する要素または整数について参照がなされているが、この種の均等物は、それらが個々に記載されているものとして本発明の技術的範囲に含まれる。
【0245】
ここまでのところ、本発明が例証として特定の実施形態に関して説明されてきているが、本発明の技術的範囲または要旨を逸脱しない範囲で、修正および/または改善が実行され得ることが理解されるべきである。
【0246】
加えて、本発明の特徴または態様がマーカッシュグループの用語で記載されている場合には、そのマーカッシュグループのメンバーの如何なる個別のメンバーまたはサブグループの用語でも本発明が記載されていることを当業者は認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図8A
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22