(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも3つの窒素調整器を備える窒素ガス供給マニホールドを有し、調整器の1つが窒素供給並びに前記第1及び第2のダイアフラムポンプへの圧力を制御し、調整器の1つが窒素供給及び前記液体/気体接触器膜ユニットへの圧力を制御し、調整器の1つが窒素供給及び前記加圧可能な給水容器への圧力を制御する、請求項4に記載のシステム。
前記チラーシステムまたは冷蔵システムが、少なくとも前記バッグインボックス飲料濃縮液容器を周囲温度から1.1℃(34°F)まで冷却することが可能な、請求項6に記載のシステム。
前記窒素注入飲料が、レシーバに分配されるとき、前記窒素注入飲料からのN2またはN2/CO2ガスの放出を可能とする制限ノズルまたは制限プレートが取り付けられたカランを通じて分配される、請求項13に記載の方法。
【発明の概要】
【0009】
これらの目的及び他の目的は、本発明によって達成され、その第1の実施形態は、窒素ガスを供給するシステムを含み、
圧縮空気供給部、
窒素膜分離器、
窒素貯蔵ユニット、
圧力制御ユニット、及び
窒素貯蔵ユニットからの窒素放出バルブを備えている。
【0010】
第2の実施形態は、窒素注入飲料を調製し分配するためのシステムを含み、
バッグインボックス飲料濃縮液容器と、
バッグインボックス容器から飲料ラインを通り第1の流量制御ニードルバルブへと流れる飲料濃縮液の流量、及び第1のニードルバルブから第1のチェックバルブを通り液体混合ポイントへと流れる飲料濃縮液の流量を制御する第1のダイアフラムポンプと、
給水ラインの水の流量を制御する第2のダイアフラムポンプであって、給水源から液体/気体接触器膜ユニットへの流量、及び接触器ユニットから第2の流量制御ニードルバルブへの流量、及び第2のニードルバルブから第2のチェックバルブを通る液体混合ポイントへの流量を制御する第2のダイアフラムポンプと、
液体/気体接触器膜ユニットと、
液体/気体接触器膜ユニットの半多孔性または透過性膜を通過する窒素注入をサポートするのに十分な圧力で窒素ガスを連続的に供給することができる窒素供給システムであって、
圧縮空気供給源、
窒素膜分離器、
窒素貯蔵ユニット、
圧力制御ユニット、及び
窒素を窒素貯蔵ユニットから液体/気体接触器ユニットへ放出するための放出バルブを備える窒素供給システムと、
液体混合ポイントから飲料カランへの窒素注入飲料ラインと、
を備えており、
飲料カランは、窒素注入飲料ライン内の注入飲料がカランからの飲料の分配中に加圧下に維持されるような低速注ぎカランであり、
液体/気体接触器膜ユニットへの窒素ガス供給ラインは、液体/気体接触器膜ユニットから加圧されたガス供給ラインへ入る液体の流れを防止するチェックバルブを備える。
【0011】
本発明のさらなる態様では、自己完結型ユニット内に少なくとも第2の実施形態で説明したシステムを備えた飲料分配キットが提供される。自己完結型分配キットは、壁またはパネルに設置可能であってもよく、もしくはスタンドアロン型フロアユニットまたはカウンタートップユニットであってもよい。
【0012】
本明細書に記載の分配システムまたはキットのいずれかが、少なくともバッグインボックス飲料濃縮液容器を冷却するチラーユニットまたは冷蔵ユニットを含むことができ、追加的に水、液体/気体接触器膜ユニット、及び分配タワーの少なくとも一部を冷却することができる。
【0013】
さらなる特別な態様では、窒素注入飲料用の飲料カランは、レシーバに分配されたときに飲料からN
2またはN
2/CO
2ガスの放出を可能にする制限ノズルまたは制限プレートが任意選択的に取り付けられた低速注ぎカランである。
【0014】
一実施形態では、本発明は、例えば、封止前にパッケージをフラッシュすること、または乾燥または空気除去のための装置をフラッシュすることなど、連続的窒素供給を必要とする利用設備に窒素ガスを供給するための方法を含み、当該方法は、貯蔵受容器への周囲空気を圧縮すること、微粒子を除去するために圧縮前に任意選択的に空気を濾過すること、圧縮空気から凝縮した水分を任意選択的に除去すること、窒素膜分離ユニットで圧縮空気から窒素を分離して、分離した窒素を窒素受容器で回収すること、窒素の意図された最終用途に必要な圧力以上の圧力下でレシーバ内に窒素を保持すること、及び圧力制御バルブを通じて窒素を放出することを含む。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、上記の実施形態及びさらなる態様で説明したシステムから窒素注入液体を調製及び分配する方法を含む。当該方法は、バッグインボックス容器から第1の流量制御ニードルバルブを通り、第1のチェックバルブを通じて液体混合ポイントまで第1のダイアフラムポンプからの圧力下で飲料濃縮液を移送すること、
給水源から液体/気体接触器膜ユニットの液体側を通過して、第2のダイアフラムポンプからの圧力下で同時に水を搬送し、20〜70psiの圧力で液体/気体接触器膜ユニットの気体側へ窒素ガスを供給すること、
周囲空気を圧縮して窒素膜分離器内の圧縮空気から窒素を分離することによって、周囲空気から窒素を生成すること、
生成された窒素を液体/気体接触器を作動させるのに十分な圧力下で窒素貯蔵ユニットに貯蔵すること、
窒素貯蔵ユニットから液体/気体接触器に窒素を供給すること、
液体/気体接触器の膜を通して水に窒素ガスを注入すること、
液体/気体接触器から第2の流量制御ニードルバルブを通り、第2のチェックバルブを通じて液体混合ポイントまで窒素注入水をさらに搬送すること、
窒素注入飲料を得るために液体混合ポイントで飲料濃縮液と窒素注入水とを混合すること、
窒素注入飲料を加圧下で飲料カランに供給すること、及び
窒素注入飲料を制御された流量で飲料カランを介してレシーバに分配することを含み、
液体混合ポイントで混合された飲料濃縮液及び窒素注入水の容量及び圧力は、それぞれ第1及び第2の流量制御ニードルバルブによって制御されており、
窒素注入飲料の分配の間、混合ポイントからカランまでの飲料ライン内の窒素注入飲料への圧力が保持される。
【0016】
本発明の特別な実施形態では、分配された飲料は、窒素が注入された冷たいコーヒーである。
【0017】
前述の段落は、一般的な序論の目的で提供されたものであり、以下の特許請求の範囲を限定するものではない。記載された実施形態は、さらなる利点と共に、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【0018】
本開示のより完全な理解及びそれに伴う多くの利点は、添付の図面に関連して考慮されるとき、以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されることで、容易に得られるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書を通して、記載された全ての範囲は、特に明記しない限り、その中のすべての値及び部分的範囲を含む。さらに、特に明記しない限り、不定冠詞「a」または「an」は、明細書全体を通じて「1つ以上」の意味を有する。
【0021】
本発明によれば、用語「飲料」は、溶解した成分によってフレーバーを有している、均質な液体である任意の非炭酸水性液体物質を意味する。本発明の実施形態によれば、バッグインボックス容器から濃縮液として供給される液体は、懸濁した固形物を含むことができる。本明細書で使用されるように、濃縮液という用語は、消費及び享受に適した水準まで水で希釈された高い成分含有形態のあらゆる飲料を意味する。
【0022】
本発明によれば、冷却した飲料を分配することは、システムのカランを開き、冷却されたN
2注入飲料がシステムからガラス、マグ、または他の飲料容器のようなレシーバに流れることを可能にすることを意味する。以下の説明を通して、用語「ガス注入された」は、N
2注入飲料を表すために使用される。
【0023】
ガス注入された冷却飲料を分配することは、本発明の要素であり、ガス注入飲料の圧力を低下させることにより、注入されたガスの放出を可能とし、飲料のフレーバー及び/または外観を向上させることによって分配された飲料を特徴付ける独特な特性をもたらすことになる。
【0024】
この説明を通して、窒素、窒素ガス、N
2及びN
2ガスという用語は、特に明記しない限り、同義で使用され、同じ意味を伝達する。さらに、窒素注入水は、「ニトロ水」と呼ばれ、窒素または混合ガスが注入された水のことを言う。加えて、調製された窒素注入飲料は、「ニトロ飲料」と呼ばれてもよい。
【0025】
第1の実施形態では、窒素生成システムが提供される。
図1は、空気圧縮機(1)、圧縮空気貯蔵タンク(2)、窒素膜分離器(3)、窒素貯蔵ユニット(5)、圧力制御ユニット(4)、及び窒素貯蔵ユニットからの窒素放出バルブ(6)を含むシステムの基本概略図を示す。
【0026】
この基本システムは、当業者が実施することができるように、様々な制御器、バルブ、及びチェックユニットを用いて変更することができる。
【0027】
第1の実施形態の一態様では、
図2に示すように、さらなる構造ユニットが示されている。従って、
図2では、空気圧縮機(1)と圧縮空気貯蔵タンクとの間に空気乾燥機(2)がインラインで配置されている。圧縮空気タンクには水分ドレイン(9)が装備されている。チェックバルブ(5)は、N
2分離器膜ユニットとN
2貯蔵タンク(6)との間に配置されている。圧力制御器(8)は制御パネル(番号付与されていない)上に示されており、N
2出口バルブは中間タンク位置に配置されている。
【0028】
図3に示す図に示されているように、特定の実施形態の窒素発生装置は、4平方フィート未満の設置面積及び1フィート未満の高さを有することができる。これらの寸法は、圧縮空気タンク及び窒素貯蔵ユニットの容積調整によって変化することができる。しかし、窒素発生装置が、カウンタートップや実験台のような制限された空間での使用に適合する設置面積を有することができることは明らかである。
【0029】
任意選択的な構成要素は、圧縮される空気用の微粒子フィルタ、及び圧縮空気から凝縮物を除去するためのさらなるドレインシステムを含んでもよい。システムの圧力及び温度成分は変更されてもよく、このような変更及び制御は、膜分離システムの当業者によって指示されてもよい。
【0030】
本発明者らは、驚くべきことに、膜分離器から得られたN
2ガスを回収して高圧で貯蔵ユニットに貯蔵することによって、窒素液体接触器システムを動作させるための窒素の一定かつ有効な供給が得られることを発見した。貯蔵ユニット内のN
2の圧力は、10〜100psi、好ましくは15〜80psi、最も好ましくは20〜70psiであってもよい。貯蔵ユニットの容積は、10〜100立方インチであってよく、窒素の意図された用途の要件に適合するように変更されてもよい。貯蔵ユニットは、当業者が認識する圧力容器に好適な任意の材料で製造されてもよい。ステンレス鋼は、窒素発生装置が食品または飲料用途での使用を意図しているときに選択される材料であり得る。
【0031】
窒素発生装置の実際の寸法及び構成は、意図された最終用途及び供給要件に応じて変更されてもよい。顕著な利点は、例えば
図3に示された寸法によって示されるように得られ得る。発生装置に必要な設置面積は、以下の実施形態に記載されるようにキットの一部として含まれ得るように、または作業台またはテーブルトップ用のスタンドアロンユニットであり得るように十分に狭いものである。従って、本発明の窒素発生装置は、従来の圧縮窒素シリンダが不便な、または非実用的であるような広範囲での利用に有用であり得る。さらに、窒素発生装置は、小売店舗環境で採用される場合、安全性が増し、メンテナンス要件が低減される。
【0032】
図4に概略的に示される第2の実施形態では、本発明は、窒素注入飲料を調製し分配するためのシステムを提供し、当該システムは、バッグインボックス飲料容器(20)と、飲料ライン(3)を通るバッグインボックス容器から第1の流量制御エジェクタ(17)への流れ、及び第1のエジェクタから第1のチェックバルブを通った液体混合ポイント(23)への流れを制御する第1のダイアフラムポンプ(12)、並びに水ライン(2)を通る給水源から液体/気体接触器膜ユニット(8)への水の流れ、及び接触器ユニットから第2の流量制御エジェクタ(16)への水の流れ、及び第2のエジェクタから第2のチェックバルブを通った液体混合ポイント(23)への水の流れを制御する第2のダイアフラムポンプ(11)と、制御された窒素発生装置(22)から液体/気体接触器膜ユニットへの加圧された窒素の供給と、液体/気体接触器膜ユニット(8)と、液体混合ポイントから飲料カラン(
図5を参照)への窒素注入飲料ライン(18)とを含み、飲料カランは、低速注ぎカランであり、窒素注入飲料ライン内の注入飲料がカランからの飲料の分配中に加圧下に維持され、また、液体/気体接触器膜ユニットへの窒素ガス供給ラインがチェックバルブ(10)を備え、液体/気体接触器膜ユニットから加圧ガス供給ラインへの液体の流れを防止するようになっている。
【0033】
図を簡単にするために、窒素発生装置22は、
図1の縮小版によって表されており、従って、
図1の説明に対応することに留意されたい。しかし、
図2のシステム、またはその変形は、(22)として示すことができる。
【0034】
上記の説明及び
図4に示されるように、飲料濃縮液と窒素注入水との混合は、ソーダディスペンサーまたはバーガンで通常行われるような分配ノズルではなく加圧下のライン内で行なわれる。例えば、ソーダ分配システム上の炭酸水及び濃縮液は、いずれも独立してノズルに供給され、飲料を注ぐと混合される。本発明の設計によれば、窒素含有水は濃縮液と加圧下で混合され、濃縮液がニトロ水と混合される際に濃縮液のライン内での窒素化が強制される。これは、注入を達成するのに必要なライン圧を生じさせる制限ディスクを有する低速注ぎカランからのライン内での背圧「制限」の結果として起こる。
【0035】
図4に示す実施形態では、給水は、窒素供給源(22)からのガスライン(4)を介して窒素または窒素混合ガスで加圧された加圧可能容器(21)から供給され得る。この実施形態では、窒素は、独立したガス調整器(25)のマニホールドを介して各ダイアフラムポンプ(5)、液体/気体接触器膜ユニット(6)及び加圧可能な給水容器(4)にそれぞれ供給される。(21)に示すような給水容器を使用することにより、バッグインボックス飲料濃縮液と水容器の両方を冷蔵ユニットまたはチラーユニットによって冷却することができるという利点をもたらす。あるいは、
図4に示す実施形態のすべてのまたは選択された個々の構成要素は、1つまたは複数の冷蔵ユニットまたはチラーユニット、好ましくは1つの共通の冷却ユニットによって冷却されてもよい。
【0036】
当該システムは、水中に存在し得る固形物から液体/気体接触器膜ユニットの気体透過性膜を保護するために、給水源から液体/気体接触器膜ユニットへの給水ライン内にインラインストレーナ及び/または濾過ユニット(
図4には示されていない)を任意で組み込むことができる。
【0037】
バッグインボックス容器は、幅広い容積サイズ及び構成材料で市販されている。意図される用途に都合がよい容積サイズの任意の適切な容器が使用され得る。一般に、取扱いの利便性、並びに使用される冷蔵システムのサイズ及び構造に基づいて、1〜5ガロンの容器が使用される。しかし、大量の分配のために構築されたシステムでは、例えば10ガロン以上で、より大きな場合がある。容器の箱構成要素は、波板の段ボールであってもよく、一方、袋は食品及び飲料産業において使用するために許容される任意の材料から製造されてもよい。
【0038】
図4は、本発明の分配システムの基本的構成要素の配置を概略的に示している。しかし、商用機能ユニットの構築においては、安全調整器、バルブ、結合器、ハーネス、支持構造、及び飲料分配技術の当業者に知られている他の機能的構成要素などの二次構成要素をシステムに組み込むことができる。このような商業的構成は、本明細書に開示された構造的な構成要素及び構成が存在する限り、本発明に含まれる。
【0039】
図5に示すカラン(3)は、冷却されたガス注入飲料を制御された流量で分配して、泡の形成を可能にして、本発明のシステムからの分配を介して得られる商品に関連した独特のフレーバーと外観を提供することを可能とするように設計された低速注ぎカランであってよい。ビールを注ぐために通常使用される市販のカランが、カラン(3)としての使用に適している。
【0040】
図5は、本発明の一実施形態によるカランタワー組立体(1)の概略図を示す。本発明の非常に好ましい態様では、液体分配中の泡の形成をさらに向上させるために、制限ノズル(2)がカランの先端に挿入される。様々な分配特性を提供する制限ノズルが知られており、市販されている。さらに、分配システムの発泡効果を高めるために、ノズルの代わりに、またはノズルと組み合わせて、制御プレートを使用してもよい。
図5に示す実施形態はまた、システムへの装飾的効果を高めることができるタップハンドル(4)、ドリップトレイ(5)、及び
図4に示すライン(18)へのクイック接続結合器(6)を含む。タップハンドル、ドリップトレイ及びクイック接続結合器は、システムに対する商業的な改良であり、本発明の要素ではない。
【0041】
好ましい実施形態では、システムは、特殊ガス注入冷却飲料の調製及び分配のために商業施設に都合良く輸送され、設置され得る自己完結型ユニットまたは分配キットとして配置また構成される。窒素供給源をキットの一部として含めることができ、窒素シリンダまたはタンクのようなスタンドアロンユニットを必要としないという点で独特である。当該システムは、システム構成要素及びその中の飲料濃縮液を周囲温度または室温未満の温度に冷却することができる冷却ユニットまたは冷蔵ユニットを含んでも含まなくてもよい。しかし、冷却能力がシステムに含まれていない場合、飲料濃縮液を冷却状態に維持するための設備を当業者に既知である方法に従って実施することができる。
【0042】
自己完結型ユニットは、飲料が供給されるコーヒーバー、カフェテリア、レストラン及び他の商業施設に特に適した、ユーザフレンドリで便利な冷却ガス注入飲料調製及び分配ユニットを提供する。特別な実施形態では、本発明は、壁またはパネルに装着され、システム構成要素の一部または全部を壁に取り付ける取付けパネルハウジングを含む、上記の構成要素のキットを提供する。
【0043】
冷却システムまたは冷蔵システムは、システム及び/またはその中の飲料濃縮液を約36°Fに冷却することができるが、温度の選択は、システムで取り扱う飲料並びに求められるフレーバー及び外観に依存する。本発明のシステムに適した冷却システムまたは冷蔵システムは市販されているものである。特に好ましいシステムの1つは、好都合にシステムの構成要素を含むことができるIOWA ROTO CASTの「BREEZER」円筒形冷蔵ユニットである。
【0044】
窒素は、ガス調整バルブを介して、圧力定格供給ラインを通じて液体/気体接触器膜ユニットに供給される。液体/気体接触器膜ユニット内に圧送される水の圧力、及び液体/気体接触器膜ユニット内のN
2またはN
2/CO
2ガスの圧力は、互いに独立して制御され得る。
【0045】
ダイアフラムポンプは、人の消費のために液体を移送するように構成された任意の適切なサイズのダイアフラムポンプであってもよい。この用途に適したポンプは市販されており、一例として、「SHURFLO BEER ACE」ダイアフラムポンプが挙げられる。
【0046】
チェックバルブは、液体/気体接触器膜ユニットへのN
2供給ライン内に配置され、液体/気体接触器膜ユニットから窒素発生装置への液体「逆流」を防止する。
【0047】
液体/気体接触器膜ユニットは、液体/気体接触器膜ユニットに供給されるN
2またはN
2/CO
2混合ガスが気体透過性膜を通過して水と接触するような中空繊維を含む任意の好適な膜ユニットであり、水に溶解、及び/または分散されてN
2またはN
2/CO
2の注入水の供給を形成する。
【0048】
一般的な説明では、液体/気体接触器膜ユニットは、中空繊維膜を含む円筒形チューブから構成されてもよい。水は、中空膜の外側の周りの空間に注ぎ込まれる。供給調整器によって決定された設定圧力のN
2またはN
2/CO
2ガスは中空繊維膜の内部に通され、そこから膜を透過し、透過したN
2またはN
2/CO
2は膜外部の水に接触して水に注入される。液体/気体接触器膜ユニットの一例の概略図を
図6に示す。断面B−Bの図に示すように、接触器ユニットは、固体ケーシング(26)内に配置され流体空間(27)で囲まれた一連の中空繊維膜(25)を含む。液体/気体接触器ユニットは、従来から知られており、透過性膜を介して気体−液体接触をもたらす任意のユニットを適切に採用することができる。
図6の一実施形態では、N
2は中空膜を通過し、同時に水は中空繊維膜を取り囲む流体空間を通過する。しかし、N
2を流体空間に通すと同時に、水を中空繊維膜に通すことも可能である。中空繊維膜の外側の水圧に対する中空繊維膜の内部のガス圧力の変動及び制御によって、水へのガス注入の度合いを変えることが可能となる。
【0049】
ガス注入された水(ニトロ水)は、液体/気体接触器膜から、例えばBrix Block(登録商標)ユニットのような流量制御ニードルバルブすなわちブリックスバルブを通り、次いでチェックバルブを通り液体混合ポイントへ移送され、そこで窒素注入水を飲料濃縮液と混合する。
【0050】
同時に、飲料濃縮液は、バッグインボックス容器からダイアフラムポンプによって汲み出され、別個の飲料濃縮液流量制御ニードルバルブ、好ましくはBrix Block(登録商標)ユニットに直接的に圧送され、次いでチェックバルブを介して液体混合ポイントに圧送される。
【0051】
液体混合ポイントの構造は、窒素注入水と飲料濃縮液との完全な混合をもたらす任意の構成であってよく、2本のラインが1本のラインに融合する「Y」字型構造のような単純な設計であってもよく、または当該技術分野において周知のより洗練された受動的液体混合ユニットであってもよい。
【0052】
混合ポイントに入る飲料濃縮液及び窒素注入水の流量及び相対的比率は、各ダイアフラムポンプからの圧力の調整、及び各流量制御ニードルバルブを通る流量の調整によって制御することができる。
【0053】
液体混合ポイントで得られた窒素注入飲料は、圧力下で保持され、飲料カランを備えた分配タワーに向かって移動する。好ましい実施形態では、飲料カランは、冷却したガス注入飲料を毎秒0.1〜5オンス、好ましくは毎秒0.5〜3オンス、最も好ましくは毎秒0.8〜1.2オンスの流量で分配する低速注ぎカランである。この効果及び分配流量は、前述したように、カランの先端に制限ノズルを挿入することによってさらに向上させることができる。
【0054】
重要なことに、混合ポイントと分配カランとの間の飲料ライン内の窒素注入飲料は、窒素注入飲料がカランを通じて分配されている間でも正圧下に維持される。
【0055】
別の実施形態では、本発明は、冷却したガス注入飲料を本発明のシステムから調製及び分配するための方法を提供する。当該方法は、バッグインボックス容器から第1の流量制御ニードルバルブを通り、第1のチェックバルブを通じて液体混合ポイントまで第1のダイアフラムポンプからの圧力下で飲料濃縮液を移送すること、
給水源から液体/気体接触器膜ユニットの液体側を通って、第2のダイアフラムポンプからの圧力下で同時に水を搬送し、20〜70psiの圧力で液体/気体接触器膜ユニットの気体側へ窒素ガスを供給すること、
周囲空気を圧縮して窒素膜分離器内の圧縮空気から窒素を分離することによって空気から窒素を生成すること、
生成された窒素を液体/気体接触器を作動させるのに十分な圧力下で窒素貯蔵ユニットに貯蔵すること、
窒素貯蔵ユニットから液体/気体接触器に窒素を供給すること、
液体/気体接触器の膜を通して水に窒素ガスを注入すること、
液体/気体接触器から第2の流量制御ニードルバルブを通り、第2のチェックバルブを通じて液体混合ポイントまで窒素注入水をさらに搬送すること、
窒素注入飲料を得るために液体混合ポイントで飲料濃縮液と窒素注入水とを混合すること、
窒素注入飲料を加圧下で飲料カランに供給すること、
窒素注入飲料を制御された流量で飲料カランを介してレシーバに分配することを含み、
液体混合ポイントで混合された飲料濃縮液及び窒素注入水の容量及び圧力は、それぞれ第1及び第2の流量制御エジェクタによって制御されており、
窒素注入飲料を分配する間、混合ポイントからカランまでの飲料ライン内の窒素注入飲料への圧力が保持される。
【0056】
1つの好ましい実施形態において、飲料濃縮液は、30〜40°F、好ましくは32〜38°F、最も好ましくは34〜37°Fの温度に冷却されたコーヒーである。さらに、飲料がコーヒーである場合、液体/気体接触器膜ユニット内のN
2圧力は20〜70psiであり、液体混合ポイントで注入水と混合されたときに得られる注入された冷却コーヒー内のN
2含有量は、20〜80ppm、好ましくは30〜60ppm、最も好ましくは40〜50ppmである。
【0057】
低速注ぎカランによる遅い分配の効果は、システムから放出されサービンググラスのようなレシーバへと流れる際に、グラスに流れ落ちると、冷却されたコーヒーまたは他の注入飲料からN
2ガスが逃げ出し、飲料の表面上にある気泡または泡の外観が、本発明により得られる製品に特有のフレーバー、香り及び外観をもたらすことになる。
【0058】
ダイアフラムポンプは、炭酸化液体と同様に非炭酸化液体とも適合性があるために、業界において、ビール、ソーダ、及び他の飲料をポンプで汲み上げるために従来から使用されている。これらの実施形態ではダイアフラムポンプの実用性が開示されているが、人間の摂取する液体に適した他のポンプを採用することも可能である。
【0059】
液体/気体接触器膜ユニット内のN
2ガスの相対圧力、及び液体/気体接触器膜ユニット内のダイアフラムポンプからの水圧は、液体混合ポイントで得られた分配される冷却された飲料に、より独特の外観、及び場合によってはフレーバーの改善をもたらすために変化し得る。N
2供給圧力の液体/気体接触器膜ユニット内の水圧に対する比は、20/1〜1/20であってもよい。
【0060】
当業者は、分配された冷却飲料の特性に対する、N
2ガス供給圧力の液体/気体接触器膜ユニット内の水の液体圧力に対する比率変化の影響を、実験を通して学ぶことができ、学んだ結果により設定を調整し、独特のフレーバー、香り及び外観を有するN
2注入冷却飲料を得ることができる。この研究はまた、各流量制御エジェクタの制御及び相対混合比を含むことができる。
【0061】
一実施形態では、液体混合ポイントで混合された飲料濃縮液と窒素注入水の体積比は、1/10〜10/1であり、好ましくは1/5〜5/1であり、最も好ましくは2/1〜1/2である。これらの比率には、記載された範囲内のすべての部分範囲と値が含まれる。
【0062】
さらなる実施形態では、システムは、ブラストチラーユニットをさらに含んでもよく、そこでは、淹れたコーヒー濃縮液またはティー濃縮液のような高温の液体は、まず40°F以下に急速冷却または超冷却され、次いでバッグインボックス容器に充填される。このような急速冷却は窒素注入水と混合され、飲用グラスまたは他のレシーバに分配されると、N
2またはN
2/CO
2が注入された冷却飲料のフレーバー及び香りをさらに向上させるのに役立ち得る。
【0063】
本発明は、以下の実施形態を含むが、これらに限定されない。
実施形態1.
圧縮空気供給装置と、
好ましくは窒素膜分離器である、窒素分離器と、
窒素貯蔵ユニットと、
圧力制御ユニットと、
前記窒素貯蔵ユニットからの窒素放出バルブと、を含む、窒素ガスを供給するシステム。
【0064】
実施形態2.
空気圧縮機と、
圧縮空気乾燥機と、
圧縮空気貯蔵タンクと、
前記圧縮空気タンクからの水分ドレインと、をさらに含む、実施形態1に記載のシステム。
【0065】
実施形態3.
前記窒素貯蔵ユニットの容積が10〜100平方インチである、実施形態1または2のうち1つに記載のシステム。
【0066】
実施形態4.
前記窒素貯蔵ユニットのガス圧力が10〜100psiである、実施形態1〜3のうち1つに記載のシステム。
【0067】
実施形態5.
窒素注入飲料を調製及び分配するためのシステムであって、
バッグインボックス飲料濃縮液容器と、
好ましくは第1のダイアフラムポンプであって、前記バッグインボックス容器から飲料ラインを通り、好ましくは第1の流量制御ニードルバルブである第1の流量制御バルブへと流れる飲料濃縮液の流量、及び前記第1のバルブから第1のチェックバルブを通り、液体混合ポイントへと流れる飲料濃縮液の流量を制御する第1のポンプと、
好ましくは第2のダイアフラムポンプであって、給水源から好ましくは液体/気体接触器膜ユニットである液体/気体接触器ユニットへの、及び前記接触器から好ましくは第2の流量制御ニードルバルブである第2の流量制御バルブへの、及び前記第2のバルブから第2のチェックバルブを通り液体混合ポイントへの給水ラインの水の流量を制御する第2のポンプと、
実施形態1〜4のうち1つに記載の前記窒素発生装置と、
前記液体/気体接触器ユニットと、
前記液体混合ポイントから飲料カランへの窒素注入飲料ラインと、を含み、
前記飲料カランが、前記窒素注入飲料ライン内の前記注入飲料が前記カランからの前記飲料の分配中に加圧下に維持されるような低速注ぎカランであり、
前記液体/気体接触器ユニットへの前記窒素ガス供給ラインが、前記液体/気体接触器ユニットから前記加圧されたガス供給ラインへ入る液体の流れを防止するチェックバルブを備える前記システム。
【0068】
実施形態6.
前記給水源が前記水を供給するための加圧可能容器を含む、実施形態5に記載のシステム。
【0069】
実施形態7.
少なくとも3つの窒素調整器を備える窒素ガス供給マニホールドを有し、調整器の1つが窒素供給並びに前記第1及び第2のポンプへの圧力を制御し、調整器の1つが窒素供給及び前記液体/気体接触器ユニットへの圧力を制御し、調整器の1つが窒素供給及び前記加圧可能な給水容器への圧力を制御する、実施形態6に記載のシステム。
【0070】
実施形態8.
チラーシステムまたは冷蔵システムをさらに含む、実施形態5〜7のうち1つに記載のシステム。
【0071】
実施形態9.
少なくとも前記バッグインボックス容器が、前記チラーシステムまたは前記冷蔵システムによって冷却されている、実施形態8に記載のシステム。
【0072】
実施形態10.
前記飲料カランが、レシーバに分配されるとき前記飲料からN
2またはN
2/CO
2ガスの放出を可能とする制限ノズルまたは制限プレートが任意選択的に取り付けられた低速注ぎカランである、実施形態5〜9のうち1つに記載のシステム。
【0073】
実施形態11.
前記チラーシステムまたは冷蔵システムが、少なくとも前記バッグインボックス容器を周囲温度から34°Fまで冷却することが可能な、実施形態8または9のうち1つに記載のシステム。
【0074】
実施形態12.
前記液体/気体接触器ユニットの前に前記給水ライン内にインラインストレーナ及び/または濾過ユニットをさらに含む、実施形態5〜11のうち1つに記載のシステム。
【0075】
実施形態13.
自己完結型ユニットとして実施形態1〜4のうち1つに記載の窒素発生装置を含む、飲料分配ユニット。
【0076】
実施形態14.
実施形態5〜12のうち1つに記載のシステムから窒素注入飲料を調製して分配する方法であって、
前記バッグインボックス容器から好ましくは第1の流量制御ニードルバルブである前記第1の流量制御バルブを通り、前記第1のチェックバルブを通って前記液体混合ポイントまで、好ましくは前記第1のダイアフラムポンプである前記第1のポンプからの圧力下で飲料濃縮液を移送することと、
前記給水源から前記液体/気体接触器ユニットの前記液体側を通って、前記第2のダイアフラムポンプからの圧力下で同時に水を搬送し、20〜70psiの圧力で前記液体/気体接触器膜ユニットの気体側へ前記窒素ガスを供給することと、
周囲空気を圧縮して窒素膜分離器内の前記圧縮空気から窒素を分離することによって前記空気から窒素を生成することと、
前記生成された窒素を液体/気体接触器を作動させるのに十分な圧力下で窒素貯蔵ユニットに貯蔵することと、
前記窒素貯蔵ユニットから前記液体/気体接触器へ前記窒素を供給することと、
前記液体/気体接触器の前記膜を通して前記水に前記窒素ガスを注入することと、
前記液体/気体接触器から前記第2の流量制御ニードルバルブを通り、前記第2のチェックバルブを通じて前記液体混合ポイントまで前記窒素注入水をさらに搬送することと、
前記窒素注入飲料を得るために前記液体混合ポイントで前記飲料濃縮液と窒素注入水とを混合することと、
前記窒素注入飲料を圧力下で前記飲料カランへ供給することと、
前記窒素注入飲料を制御された流量で前記飲料カランを介してレシーバに分配することと、
を含み、
前記液体混合ポイントで混合された前記飲料濃縮液及び窒素注入水の容量及び圧力は、それぞれ前記第1及び第2の流量制御ニードルバルブによって制御されており、
前記窒素注入飲料の前記分配の間、前記混合ポイントから前記カランまでの前記飲料ライン内の前記窒素注入飲料への圧力が保持される、前記方法。
【0077】
実施形態15.
前記窒素注入飲料が、レシーバに分配されるとき、前記飲料からN
2またはN
2/CO
2ガスの放出を可能とする制限ノズルまたは制限プレートが取り付けられたカランを介して分配される、実施形態14に記載の方法。
【0078】
実施形態16.
前記飲料の分配の前記制御された流量が、毎秒0.1〜5オンスの窒素注入飲料である、実施形態14または15のうち1つに記載の方法。
【0079】
実施形態17.
前記分配されるN
2注入飲料内のN
2の含有量が20〜50ppmである、実施形態14〜16のうち1つに記載の方法。
【0080】
実施形態18.
前記窒素注入飲料が窒素注入コーヒーである、実施形態14〜17のうち1つに記載の方法。
【0081】
実施形態19.
周囲空気を貯蔵受容器に圧縮することと、
微粒子を除去するために任意選択的に圧縮前に前記空気を濾過することと、
凝縮した水分を前記圧縮空気から任意選択的に除去することと、
好ましくは窒素膜分離ユニットである窒素分離ユニット内で前記圧縮空気から窒素を分離することと、
前記分離された窒素を窒素貯蔵タンク内に回収することと、
前記窒素の意図された最終用途で必要とされる圧力以上の圧力の下で前記窒素を前記レシーバ内に保持することと、
圧力制御バルブを介して前記窒素を放出することと、
を含む、窒素ガスを供給する方法。
【0082】
実施形態20.
前記窒素貯蔵タンク内の前記窒素の圧力が10〜100psiである、実施形態19に記載の方法。
【0083】
上記の説明は、当業者が本発明を製作し、使用することを可能にするために提示され、特定の用途及びその要件の文脈において提供されている。好ましい実施形態に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義される一般的な原理は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途に適用され得る。従って、本発明は、示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された原理及び特徴と一致する最も広い範囲に一致することが意図されている。この点において、本発明の特定の実施形態は、広く考えられる本発明のあらゆる利点を示すものではない。