【実施例】
【0226】
本明細書中に記載される本発明がより充分に理解され得る目的で、以下の実施例を示す。本願に記載される合成のおよび生物学的な実施例は、本明細書中に提供される化合物、薬学的組成物および方法を例証するために提供されるものであって、決してその範囲を限定すると解釈されるべきでない。
材料および方法
【0227】
本明細書中に提供される化合物は、以下の一般的な方法および手順を使用して、容易に入手可能な出発物質から調製され得る。典型的なまたは好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応体のモル比、溶媒、圧力など)が与えられるが、別段述べられない限り、他のプロセス条件も使用することができることが理解される。最適反応条件は、使用される特定の反応体または溶媒によって変動し得るが、そのような条件は、慣用的な最適化によって当業者によって決定され得る。
【0228】
さらに、当業者には明らかであり得るように、従来の保護基は、ある特定の官能基が望まれない反応を起こすことを防ぐために必要であり得る。特定の官能基に対する好適な保護基の選択ならびに保護および脱保護に適した条件は、当該分野で周知である。例えば、数多くの保護基ならびにそれらの導入および除去は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Synthesis,第2版,Wiley,New York,1991およびその中で引用されている参考文献に記載されている。
【0229】
本明細書中に提供される化合物は、公知の標準的な手順によって単離され得、精製され得る。そのような手順としては、再結晶、カラムクロマトグラフィー、HPLC、または超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)が挙げられる(がこれらに限定されない)。以下のスキームは、本明細書中に列挙される代表的なピラゾールの調製に関して詳細に提示される。本明細書中に提供される化合物は、有機合成分野の当業者によって、公知のまたは商業的に入手可能な出発物質および試薬から調製され得る。本明細書中に提供されるエナンチオマー/ジアステレオマーの分離/精製において使用するために利用可能な例示的なキラルカラムとしては、CHIRALPAK(登録商標)AD−10、CHIRALCEL(登録商標)OB、CHIRALCEL(登録商標)OB−H、CHIRALCEL(登録商標)OD、CHIRALCEL(登録商標)OD−H、CHIRALCEL(登録商標)OF、CHIRALCEL(登録商標)OG、CHIRALCEL(登録商標)OJおよびCHIRALCEL(登録商標)OKが挙げられるが、これらに限定されない。
【0230】
分取HPLCのための例示的な一般方法:カラム:Waters RBridge prep 10μm C18、19×250mm。移動相:アセトニトリル、水(NH
4HCO
3)(30Lの水、24gのNH
4HCO
3、30mLのNH
3.H
2O)。流量:25mL/分。
【0231】
分析HPLCのための例示的な一般方法:移動相:A:水(10mMのNH
4HCO
3)、B:アセトニトリル勾配:5%〜95%のBを1.6分間または2分間。流量:1.8または2mL/分;カラム:XBridge C18、4.6×50mm、3.5μm、45C。
NMDAモジュレーション
【0232】
下記のように、ホールセルパッチクランプを使用して化合物のPAM活性を決定して、NMDAレセプターを発現した哺乳動物細胞におけるNMDA相乗作用を評価した。下記のように、自動パッチ−クランプシステムを使用して、化合物のNAM活性を決定し得る。
哺乳動物細胞のホールセルパッチクランプ(Ionworks Barracuda (IWB))
ホールセルパッチクランプ技術を使用して、哺乳動物細胞において発現されたGlunN1/GluN2AおよびGluN2Bグルタメートレセプターに対する試験化合物の正のアロステリックモジュレーション活性の効果を調査した。その結果を表1および表2に示す。
HEK293細胞を、アデノウイルス5 DNAで形質転換させ、そしてヒトGRIN1/GRIN2A遺伝子をコードするcDNAでトランスフェクトした。安定なトランスフェクション物を、発現プラスミドに組み込んだG418およびゼオシン(Zeocin)抵抗性遺伝子を使用して、そして淘汰圧を培地中のG418およびゼオシンで維持して、選択した。細胞を、10%のウシ胎仔血清、100μg/mlのペニシリンGナトリウム、100μg/mlの硫酸ストレプトマイシン、100μg/mlのゼオシン、5μg/mlのブラストサイジンおよび500μg/mlのG418を補充したダルベッコ改変イーグル培地/栄養分混合物(D−MEM/F−12)中で培養した。
試験物品の効果を、8点濃度応答フォーマット(4連のウェル/濃度)で評価した。全ての試験溶液およびコントロール溶液が、0.3%のDMSOおよび0.01%のKolliphor(登録商標)EL(C5135,Sigma)を含んだ。試験物品の処方物を、384ウェルの化合物プレートに、自動液体ハンドリングシステム(SciClone ALH3000,Caliper LifeScienses)を使用して装填した。測定を、Ion Works Barracudaプラットフォームを使用して、この手順に従って行った:
電気生理学的手順:
a)細胞内溶液(mM):50mMのCsCl、90mMのCsF、2mMのMgCl
2、5mMのEGTA、10mMのHEPES。CsOHでpH7.2に調整。
b)細胞外溶液、HB−PS(mMでの組成):NaCl,137;KCl,1.0;CaCl
2,5;HEPES,10;グルコース,10;pHをNaOHで7.4に調整(使用まで冷蔵)。
c)保持電位:−70mV、アゴニスト/PAM増幅中の電位:−40mV。
記録手順:
a)細胞外バッファは、PPCプレートウェルに装填される(1ウェルあたり11μL)。細胞懸濁物は、PPC平面電極のウェルにピペットで入れられる(1ウェルあたり9μL)。
b)ホールセル記録構成は、パッチ穿孔により確立され、膜電流は、オンボードパッチクランプ増幅器によって記録される。
c)2回の記録(走査)が行われる。1回目は、試験物品単独の増幅前の間(増幅前の持続時間−5分間)であり、そして2回目は、試験物品およびアゴニスト(EC
20 L−グルタメートおよび30μMのグリシン)の同時適用中であり、試験物品の正の調節効果を検出する。
試験物品の投与:1回目の予備適用は、20μLの、2倍に濃縮した試験物品溶液の添加からなり、そして2回目は、20μLの1倍濃度の試験物品およびアゴニストの10μL/sでの添加からなる(2秒間の全適用時間)。
チャネルに対する正のアロステリックモジュレーター(PAM)の相乗作用効果
チャネルに対する正のアロステリックモジュレーター(PAM)の相乗作用効果を以下のように計算する。
%活性化=(I
PAM/I
EC10−30)×100%−100%
式中、I
PAMは、様々な濃度の試験物品の存在下におけるL−グルタメートEC
10−30誘発電流であり、そしてI
EC20は、L−グルタメートEC
20で誘発される平均電流である。
PAM濃度応答データを以下の形の方程式に当てはめる:
%活性化=%L−グルタメートEC
20+{(%MAX−%L−グルタメートEC
20)/[1+([試験]/EC
50)
N]}
式中、[試験]は、PAM(試験物品)の濃度であり、EC
50は、半最大活性化をもたらすPAMの濃度であり、Nは、ヒル係数であり、%L−グルタメートEC
20は、L−グルタメートEC
20で誘発される電流の百分率であり、%MAXは、L−グルタメートEC
20と共に同時投与されるPAMの最高用量で活性化される電流の百分率であり、そして%活性化は、各PAM濃度においてL−グルタメートEC
10−30で誘発される電流の百分率である。
誘発電流の最大振幅を測定し、ピーク電流振幅(PCA)として定義する。
自動パッチ−クランプシステム(QPatch HTX):
この研究では、GRIN1/2Aサブタイプのグルタメート活性化チャネルで安定的にトランスフェクトしたHEK 293細胞を、最大下NMDA濃度(300μM NMDA、8μMグリシンと同時適用)と一緒に使用して、試験化合物の負のアロステリックモジュレーションを調査する。
細胞培養
一般に、約80%〜90%のコンフルエンスで、細胞を継代する。電気生理学的測定では、培養完全培地を含有する滅菌培養フラスコから、約80%〜90%のコンフルエンスで、細胞を採取する。PBS中の懸濁液として細胞を、遠心分離機/洗浄機へのQPatch 16XまたはQPatch HTXシステムに移す。
標準的な研究室条件:5%CO
2(約95%の相対湿度)を含む加湿雰囲気中で、細胞を37℃でインキュベートする。
培養培地:10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン溶液および50μM AP−5ブロッカーを補充したダルベッコ改変イーグル培地と栄養素混合物F−12との1:1混合物(D−MEM/F−12 1×、液体、L−グルタミンを含む)を含む滅菌培養フラスコ中で細胞を連続維持し、そして継代する。
抗生物質:上記に示されている完全培地に、100μg/mLハイグロマイシン、15μg/mLブラストサイジンおよび1μg/mLピューロマイシンを補充する。
発現の誘導:実験開始の24時間前に、2.5μg/mLテトラサイクリンを添加する。
投与製剤
用量レベルは、供給されるとおりの試験化合物に換算される。ビヒクルを添加して、10mMのストック濃度を達成する(−10℃〜−30℃で保存)。DMSO中で、1.0mMのさらなるストック溶液を調製する。ストック溶液の利用の詳細(解凍、投与製剤)を生データに記録する。ストック溶液の利用の時間を報告書に詳述する。
試験化合物濃度
用量レベルは、供給されるとおりの試験化合物に換算される。ビヒクルを添加して、10mMのストック濃度を達成する(−10℃〜−30℃で保存)。DMSO中で、1.0mMのさらなるストック溶液を調製する。ストック溶液の利用の詳細(解凍、投与製剤)を生データに記録する。ストック溶液の利用の時間を報告書に詳述する。
1.0μMの一試験濃度を試験する。
電気生理学的実験の直前に、Mg不含バス溶液のみ、またはNMDA(300μM)およびグリシン(8.0μM)を含有するMg不含バス溶液のいずれかでストック溶液を希釈することによって、すべての試験溶液を調製し、使用時に室温(19℃〜30℃)で保持する。ビヒクルとして0.1%DMSOを使用する。
調製頻度:各試験濃度について、試験化合物の新鮮溶液を毎日調製する。
投与製剤の安定性:すべての調製時間を生データに記録する。試験化合物の不安定性に関するあらゆる観察結果を生データに記載する。
投与製剤の保存:実験日に、投与製剤を使用時に室温(19℃〜30℃)で維持する。
バス溶液
実験の準備およびギガオームシール(giga−ohm−seal)の形成では、以下の標準的なバス溶液を使用する:
塩化ナトリウム:137mM;塩化カリウム:4mM;塩化カルシウム:1.8mM;塩化マグネシウム:1mM;HEPES:10mM;D−グルコース:10mM;Cremophor:0.02%;pH(NaOH):7.4
グルコースを含まない10×バス溶液および100×グルコース溶液を水で少なくとも7日間ごとに希釈することによって、1×バス溶液を調製する。本研究の実験開始前に両ストック溶液を調製し、そして1℃〜9℃(10×バス溶液)または−10℃〜−30°(100×グルコース溶液)で保存した。実験で使用したバス溶液のバッチ番号を生データに記録する。使用時に、1×バス溶液を室温(19℃〜30℃)で保持する。不使用時には、1×バス溶液を1℃〜9℃で保存する。
ギガシール(giga−seal)の形成後、以下のMg不含バス溶液を使用する:
塩化ナトリウム:137mM;塩化カリウム:4mM;塩化カルシウム;2.8mM;HEPES:10mM;D−グルコース:10mM;Cremophor:0.02%;pH(NaOH):7.4
このMg不含バス溶液を1×溶液として調製し、そして1℃〜9℃で保存する。それを少なくとも10日間ごとに新たに調製する。
細胞内溶液
本研究の実験開始前に調製した凍結1×細胞内溶液から、1×細胞内溶液を毎日解凍し、分注し、そして−10℃〜−30℃で保存する。使用時に、1×細胞内溶液を室温(19℃〜30℃)で保持する。残りの1×細胞内溶液を冷蔵庫(1℃〜9℃)に保存する。1×細胞内溶液は、以下に概説されている成分を含む:
塩化カリウム:130mM;塩化マグネシウム:1mM;Mg−ATP:5mM;HEPES:10mM;EGTA:5mM;pH(KOH):7.2
細胞処理
この研究では、NMDA/グリシン、試験化合物または試験化合物/NMDA/グリシンで細胞を連続灌流する。
すべての場合において、試験化合物による少なくとも30秒間の予洗工程を適用間に実施する。詳細については、以下の表Aを参照のこと。
少なくともn=3の単離された細胞において、各実験タイプを分析する。本研究の実験開始前に、NMDAおよびグリシンストック溶液を調製し、そして実験日まで凍結保存する(−10℃〜−30℃)。電気生理学的実験の直前に、凍結ストック溶液を解凍し、そして希釈する。
コントロール:NMDAレセプターの発現の成功を確実にするために、3つの細胞において、ビヒクル(0.1%DMSO)およびD−(−)−2−アミノ−5−ホスホノペンタン酸(AP−5)(100μM)の効果を2週間ごとに測定する。
本研究の実験開始前に、AP−5の50mMストック溶液を調製し、分注し、そして実験日まで凍結保存した(−10℃〜−30℃)。電気生理学的実験の直前に、凍結ストック溶液を解凍し、次いで、NMDA(300μM)およびグリシン(8.0μM)を含有するMg不含バス溶液で希釈して、100μMの最終灌流濃度を得た。
実験手順
無血清培地中の懸濁液として細胞をQPatch HTXシステムに移し、そして実験中、細胞保存タンク/スターラーで保持する。細胞内溶液を含む細胞に適用したすべての溶液を室温(19℃〜30℃)で維持する。
密封過程中、上記標準的なバス溶液を使用する。ピペット溶液を含む細胞に適用したすべての溶液を室温(19℃〜30℃)で維持する。パッチ電極と個々のトランスフェクトHEK293細胞との間のギガオームシールの形成後、Mg不含バス溶液のみを灌流させ、そして細胞膜を破裂させて、細胞内部への電気的アクセスを確実にする(ホールセルパッチ構成)。300μM NMDA(および8.0μMグリシン)をパッチクランプ細胞に5秒間適用して、内向き電流を測定する。全実験中、細胞を−80mVの保持電位に電圧クランプする。
試験化合物の分析では、300μM NMDAおよび8.0μMグリシンおよび試験化合物の下記組み合わせによって、NMDAレセプターを刺激する。試験化合物による30秒間の予洗工程を適用間に実施する。
【表A】
【表B】
合成手順
略語
THF:テトラヒドロフラン;Na
2SO
4:硫酸ナトリウム;PE:石油エーテル;DCM:ジクロロメタン;EtOAc:酢酸エチル;PCC:クロロクロム酸ピリジニウム;DMP:デス・マーチンペルヨージナン;TBDPS:t−ブチルジフェニルシリル;TBAF:テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド;Ts:p−トルエンスルホニル;Ac
2O:無水酢酸;Py:ピリジン;Me:メチル;Et:エチル;t−Bu:tert−ブチル;Ph:フェニル;9−BBN:9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン;TEA:トリエチルアミン;BHT:2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;SFC:超臨界流体クロマトグラフィー;MAD:メチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド);MS:質量分析;LCMS:液体クロマトグラフィー−質量分析;ESI:エレクトロスプレーイオン化;NMR:核磁気共鳴;TLC:薄層クロマトグラフィー;MeCN:アセトニトリル;t−BuOK:カリウムtert−ブトキシド。
【0233】
実施例1。化合物1の合成。
【化29】
【0234】
化合物A2の合成。化合物A1(40g、110mmol)の乾燥ジオキサン(1L)中の溶液に、ナトリウムメトキシド(30g、550mmol)をN
2下で添加した。この混合物を110℃で16時間撹拌し、その時点で、TLC分析により、出発物質が消費されたことが示された。この混合物を濃縮して、溶媒の約1/3の体積を除去し、そして2M HClで5〜6のpHに酸性化した。次いで、溶液をDCM(3×500mL)で抽出し、水性NaHCO
3(500mL)およびブライン(500mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そしてシリカゲル(PE:EtOAc:MeOH 3:1:0.1)で精製して、化合物A2(11g、33.1%)を固体として得た。
【0235】
化合物A3−Aおよび化合物A3−Bの合成。リチウム(2.5g、363mmol)の溶液に、液体アンモニア(1000mL)を−70℃で少しずつ添加した。すべてのリチウムが溶解するまで、この混合物を−70℃で30分間撹拌した。化合物A2(11g、36mmol)およびtert−BuOH(5.4g、72.6mmol)の無水テトラヒドロフラン(400mL)中の溶液をこの反応物に滴下により添加し、そしてこの反応混合物が淡黄色に変化するまで、この混合物を90分間撹拌し、その時点で、TLC分析により、出発物質が消費されたことが示された。次いで、塩化アンモニウム(15g)を添加し、この混合物を濃縮した。得られた残渣を0.5N HCl(500mL)およびジクロロメタン(500mL×2)で抽出し、合わせた有機層を飽和NaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、化合物A3−Aおよび化合物A3−Bの混合物(10g、不純)を得、これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0236】
化合物A4の合成。化合物A3−Aおよび化合物A3−B(10g 粗製、27.9mmol)の無水ジクロロメタン(100mL)中の溶液に、PCC(17g、66mmol)およびシリカゲル(17g)を添加した。25℃で2時間撹拌した後、TLC分析により、出発物質が消費されたことが示された。得られた溶液を濃縮し、そしてシリカゲル(PE:EtOAc5:1〜2:1)により精製して、化合物A4(4.6g、46%)を固体として得た。
【0237】
化合物A5の合成。化合物A4(4.6g、15mmol)のTHF(50mL)中の溶液に、LiAlH(t−BuO)
3(4.2mg、17mmol)のTHF(20mL)中の溶液をN
2下で−40℃でゆっくりと添加した。反応溶液を−40℃で15分間撹拌し、その時点で、TLC分析により、出発物質が消費されたことが示された。この混合物を飽和NH
4Cl溶液(50mL)でクエンチし、そしてEtOAc(50mL×2)で抽出した。その有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そしてコンビフラッシュ(PE:EA100%〜50%)により精製して、化合物A5(2.8g、61%)を固体として得た。
【0238】
化合物A6の合成。ブロモ(エチル)−トリフェニルホスホラン(17g、46mmol)の無水THF(100mL)中の懸濁液に、t−BuOK(THF中1M、46mL、46mmol)をN
2下で20℃で添加した。この混合物を60℃で1時間撹拌し、続いて、化合物A5(2.8g、9.19mmol)の無水THF(50mL)中の溶液を添加した。得られた混合物を60℃で16時間撹拌し、その時点で、TLC分析により、出発物質が消費されたことが示された。この反応混合物をNH
4Cl水溶液(100mL)でクエンチし、EtOAc(100mL×3)で抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてシリカゲル(PE:EA:DCM 10:1:1)により精製して、化合物A7(2.2g、粗製)を固体として得た。
【0239】
化合物A7の合成。化合物A6のTHF(10mL)中の溶液に、LiAlH
4(110mg、3.1mmol)を添加した。この反応混合物を15℃で30分間撹拌し、その時点で、TLC分析により、反応が完了したことが示された。飽和NH
4Cl(0.2mL)をこの反応物に添加し、そしてこの混合物を濾過した。濾液を濃縮して残渣を得、これに飽和NaCl溶液(10mL)を添加し、続いて、DCM(3×5mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、化合物A7(0.4g、80%)を固体として得た。
【0240】
化合物A8の合成。化合物A7(0.4g、1.3mmol)およびプロピオール酸メチル(260mg、3.1mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、Et
2AlCl(3.8mL、3.8mmol、ヘキサン中1M)をN
2下で15℃で添加した。この反応混合物を15℃で16時間撹拌し、その時点で、TLC分析により、反応が完了したことが示された。この反応混合物をクエン酸溶液(10mL)でクエンチした。得られた溶液をDCM(10mL×2)で洗浄した。その有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そしてコンビフラッシュ(PE:EA=100%〜65%)により精製して、所望の化合物A8を固体として得た。
【0241】
化合物A9の合成。化合物A8のEtOAc(10mL)中の溶液に、Pd/C(湿潤、10%、0.02g)を添加した。H
2で3回脱気した後、この反応混合物をH
2(15psi)下で15℃で16時間撹拌し、その後、LCMS分析により、反応が完了したことが示された。この混合物を濾過し、そして濾液を濃縮して粗化合物A9を固体として得、これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0242】
化合物A10の合成。化合物A9(0.15g、0.37mmol)のTHF(10mL)中の溶液に、MeLi(1.2mL、1.8mmol、ジエチルエーテル中1.6M)を添加した。反応溶液を15℃で1時間撹拌し、その時点で、TLC分析により、反応が完了したことが示された。この混合物をNH
4Cl溶液(10mL)でクエンチし、EtOAc(10mL×2)で抽出し、続いて、合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、化合物A10(0.15g)を固体として得た。
【0243】
化合物A11の合成。化合物A10(150mg、0.37mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、シリコングリース(150mg)およびPCC(160mg、0.74mmol)を添加した。得られた反応混合物を15℃で2時間撹拌し、その後、TLC分析により、反応が完了したことが示された。この混合物を濾過し、濃縮し、そしてコンビフラッシュ(PE:EA=100%〜75%)により精製して、化合物A11(130mg、88%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 2.82-2.71 (m, 1H), 2.60-2.38 (m, 3H), 2.35-2.20 (m, 3H), 2.15-1.90 (m, 3H), 1.88-1.02 (m, 23H), 0.88 (d, J=5.8 Hz, 6H), 0.64 (s, 3H).
【0244】
化合物1の合成。MAD(0.37mmol)のトルエン(5mL)中の溶液に、化合物A11(50mg、0.12mmol)のトルエン(1mL)中の溶液をN
2下で−70℃で添加した。この混合物を−70℃で30分間撹拌し、続いて、N
2下でMeMgBr(0.12mL、0.37mmol、エーテル中3M)を添加した。得られた混合物を−70℃で1時間撹拌し、その時点で、TLCにより、反応が完了したことが示された。この混合物を飽和クエン酸溶液(10mL)でクエンチし、そしてEtOAc(5mL×2)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そしてコンビフラッシュ(PE:EtOAc=100%〜70%)により精製して、化合物1(6.5mg、13%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 2.53-2.50 (m, 1H), 2.45-2.35 (m, 1H), 2.25-2.22 (m, 2H), 2.10-1.90 (m, 2H), 1.80-1.05 (m, 26H), 1.00 (s, 3H), 0.95-0.80 (m, 8H), 0.62 (s, 3H). C
27H
47O
3 [M+H]
+のLCMS MS ESI計算値419、実測値401[M+H-18]
+.
【0245】
実施例2。化合物2の合成。
【化30】
【0246】
化合物2の合成。化合物A11(50mg、0.12mmol)のTHF(2mL)中の溶液に、LiAlH(t−BuO)
3(47.2mg、0.186mmol)を添加した。この反応混合物をN
2下で25℃で30分間撹拌し、その後、TLCにより、反応が完了したことが示された。次いで、この混合物を飽和NH
4Cl溶液(5mL)でクエンチし、そしてEtOAc(3×2mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そしてシリカゲルにより精製して、化合物2(7.5mg、15%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.65-3.49 (m, 1H), 2.50 (s, 2H), 2.29-2.15 (m, 1H), 2.09-1.90 (m, 1H), 1.85-0.97 (m, 32H), 0.93-0.76 (m, 4H), 0.62 (s, 3H). C
26H
45O
3 [M+H]
+のLCMS ESI計算値405、実測値387[M+H-18]
+.
【0247】
実施例3。化合物3の合成。
【化31】
B1の合成。A1(50g、14mmol,)のpy(500mL)中の溶液に、Ac
2O(21g、210mmol)を0℃で滴下により添加した。この反応物を25℃で24時間撹拌した。この混合物を4Lの水中に注いだ。25℃で0.5時間撹拌した後、この混合物を濾過した。固体をHCl(1L、1M)で洗浄し、そして乾燥させて、B1(55g、99%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.69 (s, 1H), 5.03 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 4.85 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 4.51-4.44 (brs, 1H), 2.85-2.70 (m, 1H), 2.55-2.40 (m, 2H), 2.39-2.32 (m, 1H), 2.30-1.95 (m, 9H), 1.91-1.79 (m, 2H), 1.75-1.66 (m, 2H), 1.52-1.40 (m, 5H), 1.20-0.97 (m, 3H), 0.97 (s, 3H).
B2の合成。B1(55g、14mmol)のpy(1000mL)中の溶液に、MgSO
4(35g、320mmol)およびPCC(35g、160mmol)を0℃で添加した。反応溶液を25℃で12時間撹拌した。この混合物をセライトで濾過した。この混合物を2Lの水に注いで、暗赤色懸濁液を得た。濾過後、フィルターケーキを1M HCl(2×500mL)およびH
2O(2×500mL)で洗浄し、そして真空下で0℃で乾燥させて、B2(38g、69%)を褐色粉末として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.73 (s, 1H), 5.13 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 3.05-2.98 (m, 1H), 2.92-2.85 (m, 1H), 2.85-2.70 (m, 2H), 2.55-2.21 (m, 5H), 2.16 (s, 3H), 2.02-1.88 (m, 3H), 1.87-1.45 (m, 5H), 1.48 (s, 3H), 1.38-1.21 (m, 1H), 0.66 (s, 3H).
LCMS Rt=0.601min(2.0分間のクロマトグラフィー)、30-90_2MIN_E.M、純度77%、C
23H
31O
6 [M+H]
+のMS ESI計算値403、実測値403.
B3の合成。B2(38g、94mmol)のAc
2O(600mL、6.3mol)中の溶液に、p−TsOH(19g、110mmol)を20℃で6時間かけて添加した。この混合物を4Lの氷水に注ぎ、そして固体が形成されるまで20℃で48時間撹拌した。濾過ケーキを真空中、80℃で濃縮して、35gの不純生成物を黄色固体として得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(PE:EA=3:1〜2:1)により精製して、B3(29.6g、64%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.70-5.65 (m, 1H), 5.39-5.33 (m, 1H), 4.81-4.68 (m 2H), 2.94-2.82 (m, 2H), 2.71-2.63 (m, 1H), 2.56-2.25 (m, 4H), 2.20-1.82 (m, 15H), 1.55-1.44 (m, 1H), 1.31-1.20 (m, 1H), 1.18 (s, 3H), 0.72 (s, 3H).
LCMS Rt=0.981min(2.0分間のクロマトグラフィー)、30-90_2MIN_E.M、純度61%、C
25H
31O
6 [M+H-HOAc]
+のMS ESI計算値427、実測値427.
B4およびB5の合成。B3(15g、31mmol)のEtOH(600mL)、MeOH(60mL)およびDCM(50mL)中の溶液に、NaBH
4(40g、1.1mol)を0℃でゆっくりと添加した。この反応混合物を0℃で1時間、次いで、20℃で15時間撹拌した。600mLの1M HClを0℃で添加することによって、この反応混合物をクエンチした。この混合物をEtOAc(2×1.5L)で抽出した。有機相を飽和NaHCO
3(300mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、9.3gの粗生成物を白色固体として得た。9.3gの粗生成物B4を400mLのMeOHに溶解させた。この溶液に、過ヨウ素酸(7g、36mmol)を0℃で添加した。20℃で6時間撹拌した後、この混合物を200mLの1M HClでクエンチし、そして1.5LのEtOAcで抽出した。有機相を500mLの飽和NaHCO
3、200mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、B5(6.3g、粗製)を発泡油状物として得、これを精製せずに次の工程に使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.42-5.23 (m, 1H), 3.57-3.48 (m, 1H), 3.39-3.32 (m, 1H), 2.78-2.41 (m, 2H), 2.37-2.10 (m, 4H), 1.95-1.62 (m, 6H), 1.46-0.72 (m, 11H).
LCMS Rt=0.440min(2.0分間のクロマトグラフィー)、30-90_2MIN_E.M、純度100%、C
19H
25O
2 [M+H-H
2O]
+のMS ESI計算値285、実測値285.
B6の合成。Ph
3PEtBr(23g、62mmol)のTHF(150mL)中のスラリーに、t−BuOK(7.2g、64mmol)をN
2下で添加した。添加後、この混合物を50℃で30分間撹拌した。THF(50mL)中のB5(6.3g、21mmol)を添加した。この混合物を50℃で2時間撹拌した。この混合物を飽和NH
4Cl(200mL)でクエンチし、EtOAc(2×400mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(40mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてフラッシュカラム(PE中0〜20%EtOAc)により精製して、B6(2.7g、不純)を油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.39-5.33 (m,1H), 5.24-5.16 (m, 1H), 3.56-3.46 (m, 1H), 2.98 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 2.58-2.06 (m, 6H), 1.99-0.92 (m, 17H), 0.86 (s, 3H).
B7の合成。B6(2.75g、8.74mmol)のTHF(100mL)中の溶液に、LiAlH
4(0.7g、18mmol)を少しずつ添加した。この反応混合物を20℃で30分間撹拌した。この反応を150mLの1M HClによって0℃でクエンチし、そして400mLのEtOAcで抽出した。層を分離した後、有機相を100mLの飽和NaHCO
3、100mLのブラインで洗浄し、NaSO
4で乾燥させ、そして濃縮した。残渣を、PE:EtOAc=20:1〜4:1で溶出するフラッシュカラムにより精製して、B7(1.7g、60%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.28-5.24 (m, 1H), 5.15-5.06 (m, 1H), 4.45-4.38 (m, 1H), 3.60-3.46 (m, 1H), 2.50-2.35 (m, 2H), 2.34-2.25 (m, 2H), 2.25-2.14 (m, 2H), 2.04-1.78 (m, 4H), 1.73-1.61 (m, 5H), 1.45-1.04 (m, 13H).
B8の合成。B7(1.7g、5.2mmol)およびプロピオン酸メチル(1.3g、16mmol)のDCM(70mL)中の溶液に、Et
2AlCl(16mL、16mmol、ヘキサン中1M)をN
2下で−20℃で添加した。この混合物を20℃で4時間撹拌し、20mLの飽和NaHCO
3、50mLの飽和クエン酸(saturated critic acid)によって0℃でクエンチした。この混合物を300mLのEtOAcで抽出した。有機相をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、そしてPE:EtOAc=20:1〜2:1で溶出して、B8(1.4g、67%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.92 (dd, J = 15.6, 7.9 Hz, 1H), 5.83 (dd, J = 15.7, 1.0 Hz, 1H), 5.44-5.38 (m, 1H), 5.27-5.23 (m, 1H), 4.46-4.37 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.60-3.43 (m, 1H), 3.10-2.97 (m, 1H), 2.33-2.25 (m, 2H), 2.22-1.82 (m, 8H), 1.74-1.62 (m, 3H), 1.36-1.03 (m, 13H).
B9の合成。B8(500mg、1.2mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、TBDPSCl(510mg、1.9mmol)およびイミダゾール(170mg、2.5mmol)を添加した。この混合物を15℃で16時間撹拌した。この混合物を水(20mL)でクエンチし、そしてDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてコンビフラッシュ(PE中5%EtOAc)により精製して、B9(700mg、88%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.68-7.66 (m, 4H), 7.45-7.35 (m, 6H), 6.95-6.85 (m, 1H), 5.85-5.75 (m, 1H), 5.45-5.35 (m, 1H), 5.05-4.95 (m, 1H), 4.35-4.25 (m, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.55-3.45 (m, 1H), 3.05-2.95 (m, 1H), 2.45-2.35 (m, 1H), 2.15-1.81 (m, 7H), 1.80-1.58 (m, 6H), 1.30-1.16 (m, 5H), 1.15-1.11 (m, 3H), 1.10-0.95 (m, 10H).
B10の合成。B9(700mg、1.1mmol)のMeOH(20mL)およびEtOAc(10mL)中の溶液に、Pt/C(50mg)を添加した。H
2で3回脱気した後、この反応混合物をH
2バルーン下で20℃で32時間撹拌した。この混合物を濾過し、そして濃縮して、B10(640mg、91%)を油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.68-7.66 (m, 4H), 7.45-7.35 (m, 6H), 5.07-5.04 (m, 1H), 4.27-4.24 (m, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.60-3.50 (m, 1H), 2.45-2.05 (m, 8H), 1.90-1.58 (m, 8H), 1.56-1.21 (m, 9H), 1.20-0.82 (m, 15H).
B11の合成。B10(640mg、1.0mmol)のTHF(20mL)中の溶液に、MeLi(3.1mL、5.0mmol、THF中1.6M)をN
2下で0℃で添加した。添加後、この反応混合物を20℃で30分間撹拌した。この混合物を飽和NH
4Cl溶液(30mL)でクエンチし、そしてEtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてコンビフラッシュ(PE中0〜10%EtOAc)により精製して、B11(410mg、64%)を油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.68-7.66 (m, 4H), 7.45-7.35 (m, 6H), 5.07-5.04 (m, 1H), 4.27-4.24 (m, 1H), 3.60-3.50 (m, 1H), 2.45-2.35 (m, 1H), 2.20-2.00 (m, 2H), 1.90-1.58 (m, 10H), 1.56-1.21 (m, 14H), 1.20-1.06 (m, 9H), 1.05-0.85 (m, 13H).
化合物3の合成。B11(350mg、0.54mmol)をTBAF(5mL、THF中1M)に溶解させた。この混合物を70℃で24時間撹拌した。この反応を飽和NH
4Cl溶液(10mL)でクエンチし、そしてEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてコンビフラッシュ(PE中0〜20%EtOAc)により精製して、化合物3(200mg、91%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.26-5.22 (m, 1H), 4.35-4.31 (m, 1H), 3.55-3.45 (m, 1H), 2.32-2.29 (m, 2H), 2.20-2.10 (m, 2H), 2.05-1.95 (m, 1H), 1.94-1.75 (m, 3H), 1.70-1.41 (m, 4H), 1.40-0.85 (m, 29H).
LCMS Rt=1.245min(2.0分間のクロマトグラフィー)、10-80 AB、純度100%、C
26H
44O
3Na [M+Na]
+のMS ESI計算値427、実測値427.
【0248】
実施例4。化合物4の合成。
【化32】
C1の合成。B11(60mg、0.093mmol)のDCM(5mL)中の溶液に、DMP(78mg、0.19mmol)を添加した。この混合物を20℃で16時間撹拌した。この混合物を飽和Na
2SO
3および飽和NaHCO
3(V:V=1:1、10mL)でクエンチし、そしてDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、C1(65mg、粗製)を油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.68-7.66 (m, 4H), 7.45-7.35 (m, 6H), 5.07-5.04 (m, 1H), 3.60-3.50 (m, 1H), 2.65-2.46 (m, 2H), 2.45-1.95 (m, 7H), 1.80-0.81 (m, 34H), 0.80-0.65 (m, 2H), 0.62 (s, 3H).
化合物4の合成。C1(60mg、0.094mmol)をTBAF(3mL)に溶解させ、そしてこの反応物を70℃で3時間撹拌した。この反応を飽和NH
4Cl溶液(10mL)でクエンチし、そしてEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてコンビフラッシュ(PE中0〜20%EtOAc)により精製して、化合物4(10mg、27%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.35-5.30 (m, 1H), 3.55-3.45 (m, 1H), 2.70-2.60 (m, 2H), 2.30-1.95 (m, 5H), 1.94-1.58 (m, 7H), 1.56-1.05 (m, 17H), 1.04-0.75 (m, 6H), 0.65 (s, 3H).
LCMS Rt = 1.227min(2.0分間のクロマトグラフィー)、10-80 AB、純度100%、C
26H
41O
2 [M+H-H
2O]
+のMS ESI計算値385、実測値385.
【0249】
実施例4。化合物5の合成。
【化33】
D2の合成。t−BuOH(150mL)を窒素下で35℃で三つ口丸底フラスコに入れ、そして窒素ガスバブリング下で10分間撹拌した。t−BuOK(20g、180mmol)を混合物に添加し、そして窒素ガスバブリング下で15分間撹拌した。D1(5g、17mmol)を上記混合物に添加し、そして窒素ガスバブリング下で35℃で1.5時間撹拌した。この反応混合物を10%酢酸水溶液(250mL)に注ぎ、そして15分間撹拌した。水(100mL)を添加し、そして30分間撹拌した。この混合物のpHを重炭酸ナトリウム(28g)で7〜8に調整した。この混合物を30分間撹拌した。沈殿固体を濾別し、水で洗浄し、そして吸引乾燥させた。得られた生成物をDCMに溶解させ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして40℃に維持した水浴下で濃縮して、D2(3.6g、72%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.45-5.40 (m, 1H), 4.22-4.10 (m, 1H), 3.40-3.30 (m, 1H), 2.90-2.80 (m, 2H), 2.60-2.45 (m, 2H), 2.33-2.27 (m, 1H), 2.20-2.08 (m, 3H), 2.02-1.90 (m, 1H), 1.75-1.66 (m, 2H), 1.65-1.50 (m, 2H), 1.45-1.30 (m, 5H), 1.20-1.10 (m, 2H), 0.94 (s, 3H).
BHT(16g、71mmol)の無水トルエン(100mL)中の溶液に、Me
3Al(トルエン中2M、18mL、36mmol)を窒素下で0℃で滴下により添加した。この混合物を20℃に段階的に温め、そして1時間撹拌した。この混合物に、D2(3.6g、12mmol)のトルエン(20mL)およびDCM(20mL)中の溶液を滴下により添加した。得られた混合物を−78℃で30分間撹拌した。EtMgBr(ジエチルエーテル中3M、12mLおよび36mmol)を上記混合物に滴下により添加し、そしてこの反応混合物を−78℃で3時間撹拌した。この反応を飽和クエン酸水溶液でクエンチし、そして水層をEtOAc(3×100mL)で洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc/THF=4/1/1)により精製して、D3(3g、76%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.40-5.38 (m, 1H), 4.20-4.10 (m, 1H), 2.55-2.40 (m, 3H), 2.20-2.05 (m, 4H), 2.00-1.90 (m, 1H), 1.75-1.65 (m, 2H), 1.64-1.60 (m, 7H), 1.29-1.16 (m, 6H), 1.15-1.05 (m, 1H), 0.95-0.87 (m, 3H), 0.86-0.80 (m, 3H).
D4の合成。ブロモ(エチル)トリフェニルホスホラン(10g、27mmol)の無水THF(100mL)中の懸濁液に、カリウムt−ブトキシド(3.0g、27mmol)を窒素下で25℃で一度に添加した。この混合物の色は、濃橙色に変化した。この混合物を40℃に温め、そしてD3(3g、9.0mmol)を混合物に一度に添加した。得られた混合物を40℃で16時間撹拌した。この反応混合物を氷水(100mL)に注ぎ、そしてEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=8/1)により精製して、D4(2.1g、68%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ5.37-5.35 (m, 1H), 5.20-5.10 (m, 1H), 4.20-4.05 (m, 1H), 2.65-2.57 (m, 1H), 2.45-2.37 (m, 3H), 2.28-2.18 (m, 1H), 2.08-1.98 (m, 2H), 1.70-1.61 (m, 8H), 1.60-1.35 (m, 3H), 1.25-1.10 (m, 7H), 1.08-0.92 (m, 2H), 0.90-0.87 (m, 3H), 0.86-0.80 (m, 3H).
D5の合成。D4(1g、2.9mmol)のDCM(15mL)中の溶液に、シリカゲル(1.4g)およびPCC(1.3mg、5.8mmol)を25℃で添加した。この反応物を25℃で3時間撹拌した。この反応物を濾過し、そして真空中で濃縮して粗生成物を得、これをコンビフラッシュ(PE中0%〜12%EtOAc)により精製して、D5(960mg、97%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.30-5.26 (m, 1H), 5.24-5.19 (m, 1H), 3.00-2.95 (m, 1H), 2.70-2.60 (m, 1H), 2.55-2.30 (m, 4H), 2.20-2.16 (m, 1H), 2.07-2.01 (m, 1H), 1.90-1.70 (m, 5H), 1.68-1.55 (m, 5H), 1.55-1.25 (m, 4H), 1.22 (s, 3H), 1.00-0.90 (m, 1H), 0.80-0.80 (m, 6H).
D6の合成。D5(870mg、2.5mmol)のTHF(30mL)中の溶液に、LiAlH
4(190mg、5.1mmol)を0℃で添加した。この反応物を20℃で20分間撹拌した。この反応をH
2O(2mL)でクエンチし、そして溶液が透明になるまでHCl(20mL、1N)で調整した。この混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和NaHCO
3(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして真空中で濃縮して、粗生成物D6(860mg)を固体として得、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。
D7の合成。D6(5.5g、16mmol)のTHF(100mL)中の溶液に、9−BBN二量体(7.8g、32mmol)をN
2下で15℃で添加した。50℃で1時間撹拌した後、この混合物を15℃に冷却した。NaOH溶液(32mL、5M、160mmol)を15℃未満で滴下により添加し、続いて、H
2O
2(18g、30%、160mmol)を添加し、その間、内部温度を15℃未満に維持した。この混合物を水(1000mL)に注ぎ、そして濾過して粗D7(10g)を固体として得て、これを次の工程で直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.21-5.15 (m, 1H), 4.40-4.29 (m, 1H), 3.77-3.66 (m, 1H), 2.46-2.38 (m, 1H), 2.29-2.12 (m, 1H), 2.09-2.00 (m, 2H), 1.98-1.78 (m, 4H), 1.77-1.68 (m, 2H), 1.62-1.53 (m, 2H), 1.47-1.32 (m, 4H), 1.31-1.27 (m, 4H), 1.26-1.18 (m, 5H), 1.17-1.09 (m, 1H), 1.08-0.99 (m, 3H), 0.97-0.89 (m, 3H), 0.88-0.82 (m, 3H).
D8の合成。D7(10g、27mmol)のDCM(500mL)中の溶液に、DMP(23g、55mmol)を添加した。15℃で10分間撹拌した後、水層のpHが約9になるまで、この反応混合物を飽和NaHCO
3溶液(500mL)でクエンチした。この混合物を濾過した。DCM層を分離し、そして水相をDCM(200mL)で洗浄した。合わせた有機層を飽和Na
2S
2O
3水溶液(3×400mL)、飽和NaHCO
3(400mL)およびブライン(400mL)で洗浄した。次いで、溶液をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して粗製物を得、これをコンビフラッシュ(PE中0〜30%EtOAc)により精製して、D8(3.5g、35%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.30-5.25 (m, 1H), 2.75-2.65 (m, 2H), 2.63-2.55 (m, 1H), 2.48-2.42 (m, 1H), 2.39-2.31 (m, 1H), 2.29-2.18 (m, 1H), 2.15-2.08 (m, 4H), 2.06-2.02 (m, 1H), 1.89-1.72 (m, 6H), 1.67-1.60 (m, 2H), 1.46-1.30 (m, 4H), 1.21 (s, 3H), 1.03-0.93 (m, 1H), 0.88-0.80 (m, 3H), 0.60 (s, 3H).
D9の合成。MePh
3PBr(6.2g、18mmol)のTHF(100mL)中の懸濁液に、t−BuOK(2.0g、18mmol)を添加した。40℃で10分間撹拌した後、ウィッティヒ試薬を、D8(3.2g、8.8mmol)のTHF(50mL)中の溶液に15℃でゆっくりと滴下により添加した。添加後、この混合物をNH
4Cl(200mL)でクエンチし、そしてEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてコンビフラッシュ(PE中0〜25%EtOAc)により精製して、D9(2.9g、92%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.36-5.18 (m, 1H), 4.89 (s, 1H), 4.71 (s, 1H), 2.65-2.46 (m, 2H), 2.40-2.31 (m, 1H), 2.30-2.20 (m, 2H), 2.16-1.98 (m, 2H), 1.91-1.98 (m, 4H), 1.76-1.62 (m, 5H), 1.51-1.32 (m, 4H), 1.31-1.13 (m, 6H), 1.04-0.93 (m, 1H), 0.88-0.82 (m, 3H), 0.55 (s, 3H).
D10の合成。D9(3.2g、9.0mmol)のTHF(80mL)中の混合物に、9−BBN二量体(4.4g、18mmol)をN
2下で15℃で添加した。50℃で1時間撹拌した後、この混合物を15℃に冷却した。NaOH溶液(18mL、5M、90mmol)を15℃未満で滴下により添加し、続いて、H
2O
2(10g、30%、90mmol)を15℃未満で添加した。この混合物をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和Na
2S
2O
3(3×100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、粗D10(6g)を固体として得、これを次の工程で直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.24-5.09 (m, 1H), 4.44-4.28 (m, 1H), 3.73-3.59 (m, 1H), 3.44-3.30 (m, 1H), 2.48-2.32 (m, 1H), 2.22-2.08 (m, 2H), 2.06-2.00 (m, 1H), 1.95-1.77 (m, 4H), 1.75-1.63 (m, 4H), 1.50-1.33 (m, 5H), 1.29-1.13 (m, 8H), 1.09-1.00 (m, 5H), 0.94 (s, 3H), 0.89-0.82 (m, 3H).
D11の合成。D10(6g、16mmol)のDCM(200L)中の溶液に、1−メチル−1H−イミダゾール(2.0g、24mmol)およびTEA(3.2g、32mmol)を20℃で添加した。TsCl(6.1g、32mmol)を上記溶液に添加した。20℃で2時間撹拌した後、この混合物を水(2×100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてコンビフラッシュ(PE中0〜40%EtOAc)により精製して、D11(2.8g、2段階で収率59%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.81-7.74 (m, 2H), 7.38-7.31 (m, 2H), .5.21-5.14 (m, 1H), 4.35-4.29 (m, 1H), 3.97-3.92 (m, 1H), 3.84-3.76 (m, 1H), 2.49-2.35 (m, 4H), 2.18-2.00 (m, 3H), 1.91-1.73 (m, 3H), 1.72-1.58 (m, 5H), 1.50-1.31 (m, 4H), 1.28 (s, 3H), 1.26-1.09 (m, 5H), 1.05-0.92 (m, 5H), 0.91-0.80 (m, 6H).
D12の合成。D11(2.8g、5.3mmol)のDMF(20mL)中の溶液に、KI(4.4g、26mol)を15℃で添加した。60℃で1時間撹拌した後、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(5.2g、32mmol)を一度に添加し、そしてこの混合物を60℃で2時間加熱した。次いで、この混合物を飽和NH
4Cl(50mL)でクエンチし、そしてEtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相をLiCl(水中3%、2×50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてコンビフラッシュ(PE中0〜30%EtOAc)により精製して、D12(1.6g、61%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.95-7.88 (m, 2H), 7.67-7.54 (m, 3H), 5.19-5.14 (m, 1H), 4.34-4.27 (m, 1H), 3.17-3.08 (m, 1H), 2.89-2.80 (m, 1H), 2.643-2.36 (m, 1H), 2.16-2.06 (m, 3H), 2.04-1.99 (m, 1H), 1.92-1.81 (m, 2H), 1.76-1.56 (m, 4H), 1.48-1.30 (m, 3H), 1.27 (s, 3H), 1.26-1.05 (m, 9H), 1.04-0.94 (m, 3H), 0.88 (s, 3H), 0.86-0.82 (m, 3H).
D13の合成。D12(1.2g、2.4mmol)のDCM(30mL)中の溶液に、DMP(2.0g、4.8mmol)を添加した。この反応混合物を15℃で10分間撹拌した。次いで、水層のpHが約9になるまで、この反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液(50mL)でクエンチし、次いで、濾過した。その有機層を分離し、そして水相をDCM(20mL)で洗浄した。合わせた有機相を飽和Na
2S
2O
3水溶液(3×40mL)、飽和NaHCO
3(40mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、粗D13(1.1g、92%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.95-7.88 (m, 2H), 7.70-7.54 (m, 3H), 5.29-5.24 (m, 1H), 3.16-3.06 (m, 1H), 2.92-2.83 (m, 1H), 2.65-2.51 (m, 2H), 2.38-2.30 (m, 1H), 2.25-2.16 (m, 1H), 2.14-1.98 (m, 3H), 1.95-1.85 (m, 1H), 1.82-1.58 (m, 7H), 1.50-1.34 (m, 3H), 1.27-1.16 (m, 9H), 1.01-0.91 (m, 1H), 0.87-0.80 (m, 3H), 0.64 (s, 3H).
D14の合成。ジイソプロピルアミン(160mg、1.60mmol)のTHF(0.5mL)中の溶液に、n−BuLi(0.56mL、ヘキサン中2.5M,1.40mmol)をN
2下で−70℃で添加した。次いで、この混合物を15℃で10分間撹拌した。D13(200mg、0.40mmol)のTHF(1.5mL)中の溶液を−70℃で添加した。−70℃で1時間撹拌した後、2,2−ジメチルオキシラン(43mg、0.60mmol)を添加した。この混合物を−70℃でさらに1時間撹拌し、その後、この混合物を15℃に温め、そして16時間撹拌した。この混合物をNH
4Cl(30mL、飽和水溶液)でクエンチし、そしてEtOAc(2×20mL)で抽出した。その有機層を分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、D14(200mg、粗製)を固体として得、これを次の工程に直接使用した。
化合物5の合成。D14(200mg、0.35mmol)のMeOH(30mL)中の溶液に、NiCl
2(8.8mg、0.070mmol)およびMg粉末(340mg、14mmol)を65℃で一度に添加した。65℃で10分間撹拌した後、別のバッチのMg粉末(170mg、7mmol)を一度に添加した。この混合物を65℃でさらに10分間撹拌し、次いで、この反応物が透明になるまでHCl(20mL、2N)でクエンチし、そしてEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NH
4Cl(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(PE中0〜15%EtOAc)により精製して、不純な化合物5(30mg、20%)を白色固体として得、これをSFC(カラム:OD(250mm×30mm,5um))、勾配:40〜40%B(A=0.05%NH
3/H
2O、B=MeOH)、流量:50mL/分)によってさらに分離して、純粋な化合物5(10mg、7%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.31-5.25 (m, 1H), 2.67-2.52 (m, 2H), 2.38-2.32 (m, 1H), 2.25-2.18 (m, 1H), 2.15-1.94 (m, 3H), 1.87-1.55 (m, 8H), 1.54-1.27 (m, 8H), 1.26-1.21 (m, 4H), 1.20-1.11 (m, 8H), 1.03-0.88 (m, 4H), 0.87-0.81 (m, 3H), 0.65 (s, 3H).
LCMS Rt = 1.111min(2.0分間のクロマトグラフィー)、30-90AB_E、純度100%、C
28H
45O
2 [M+H-H
2O]
+のMS ESI計算値413、実測値413.
【0250】
実施例5。化合物6の合成。
【化34】
E1の合成。ジイソプロピルアミン(160mg、1.60mmol)のTHF(0.5mL)中の溶液に、n−BuLi(0.56mL、ヘキサン中2.5M,1.4mmol)をN
2下で−70℃で添加した。次いで、この混合物を15℃で10分間撹拌した。D13(200mg、0.40mmol)のTHF(1.5mL)中の溶液を−70℃で添加した。−70℃で1時間撹拌した後、(S)−2−イソプロピルオキシラン(52mg、0.60mmol)を−70℃で添加した。この混合物を−70℃でさらに1時間撹拌し、15℃に温め、そして16時間撹拌した。この反応混合物を飽和NH
4Cl(50mL、水溶液)でクエンチし、そしてEtOAc(2×30mL)で抽出した。その有機層を分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、E1(200mg、粗製)を固体として得、これを次の工程に直接使用した。
化合物6の合成。E1(250mg、0.43mmol)のMeOH(30mL)中の溶液に、NiCl
2(11mg、0.085mmol)およびMg粉末(410mg、17mmol)を65℃で一度に添加した。この混合物を65℃で10分間撹拌した。次いで、別のバッチのMg粉末(200mg、8.5mmol)を65℃で一度に添加した。この混合物を65℃でさらに10分間撹拌した。この反応物が透明になるまで、この混合物をHCl(50mL、2N)でクエンチした。この混合物をEtOAc(3×20mL)で洗浄した。合わせた有機層を飽和NH
4Cl(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(PE中0〜15%EtOAc)により精製して、不純な化合物6(40mg、21%)を得、これをSFC((カラム:AD(250mm×30mm,10um)、勾配:35〜35%B(A=0.05%NH
3/H
2O、B=MeOH)、流量:60mL/分))によりさらに精製して、純粋な化合物6(8mg、4%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.31-5.26 (m, 1H), 3.36-3.28 (m, 1H), 2.69-2.55 (m, 2H), 2.39-2.31 (m, 1H), 2.25-2.18 (m, 1H), 2.14-1.94 (m, 3H), 1.86-1.70 (m, 4H), 1.69-1.58 (m, 4H), 1.47-1.33 (m, 8H), 1.29-1.13 (m, 8H), 0.94-0.88 (m, 9H), 0.86-0.82 (m, 3H), 0.65 (s, 3H).
LCMS Rt=1.182min(2.0分間のクロマトグラフィー)、30-90AB_E、純度100%、C
29H
47O
2 [M+H-H
2O]
+のMS ESI計算値、実測値427.
【0251】
実施例6。化合物7の合成。
【化35】
F1の合成。ジイソプロピルアミン(160mg、1.60mmol)のTHF(0.5mL)中の溶液に、n−BuLi(0.56mL、ヘキサン中2.5M,1.40mmol)をN
2下で−70℃で添加した。得られた混合物を15℃で10分間撹拌した。D13(200mg、0.40mmol)のTHF(1.5mL)中の溶液を−70℃で添加した。−70℃で1時間撹拌した後、(R)−2−イソプロピルオキシラン(52mg、0.60mmol)を−70℃で添加した。この混合物を−70℃でさらに1時間撹拌し、15℃に温め、そして16時間撹拌した。この反応混合物をNH
4Cl(50mL、飽和水溶液)でクエンチし、そしてEtOAc(2×30mL)で抽出した。その有機層を分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、F1(200mg、粗製)を固体として得、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。
化合物7の合成。F1(250mg、0.43mmol)のMeOH(30mL)中の溶液に、NiCl
2(11mg、0.085mmol)およびMg粉末(410mg、17mmol)を65℃で一度に添加した。65℃で10分間撹拌した後、別のバッチのMg粉末(200mg、8.5mmol)を65℃で一度に添加し、そして65℃でさらに10分間撹拌した。この反応物が透明になるまで、この反応混合物をHCl(50mL、2N)でクエンチし、そしてEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NH
4Cl(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(PE中0〜15%EtOAc)により精製して、不純な化合物7(80mg、42%)を得、これをSFC((カラム:AD(250mm×30mm,10um)、勾配:35〜35%B(A=0.05%NH3/H2O、B=MeOH)、流量:60mL/分))によりさらに精製して、純粋な化合物7(38mg、20%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.32-5.25 (m, 1H), 3.36-3.25 (m, 1H), 2.70-2.53 (m, 2H), 2.39-2.31 (m, 1H), 2.25-2.18 (m, 1H), 2.14-1.94 (m, 3H), 1.86-1.70 (m, 4H), 1.69-1.56 (m, 5H), 1.53-1.31 (m, 6H), 1.29-1.16 (m, 7H), 1.08-0.94 (m, 2H), 0.93-0.88 (m, 9H), 0.87-0.81 (m, 3H), 0.65 (s, 3H).
LCMS Rt=1.179min(2.0分間のクロマトグラフィー)、30-90AB_E、純度100%、C
29H
47O
2 [M+H-H
2O]
+のMS ESI計算値427、実測値427.
【0252】
実施例7。化合物8の合成。
【化36】
G1の合成。ジイソプロピルアミン(320mg、3.2mmol)のTHF(0.5mL)中の溶液に、n−BuLi(1.1mL、ヘキサン中2.5M、2.8mmol)をN
2下で−70℃で添加した。添加後、この混合物を15℃で10分間撹拌した。D13(400mg、0.80mmol)のTHF(3mL)中の溶液を−70℃で添加した。−70℃で1時間撹拌した後、2−(tert−ブチル)オキシラン(120mg、1.2mmol)を−70℃で添加した。この混合物を−70℃でさらに1時間撹拌し、その後、この混合物を15℃に温め、そして16時間撹拌した。この反応混合物を飽和NH
4Cl(30mL)でクエンチし、そしてEtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、G1(400mg、粗製)を固体として得、これを次の工程に直接使用した。
化合物8の合成。G1(400mg、0.67mmol)のMeOH(40mL)中の溶液に、NiCl
2(17mg、0.13mmol)およびMg粉末(640mg、27mmol)を65℃で一度に添加した。65℃で10分間撹拌した後、別のバッチのMg粉末(320mg、13mmol)を65℃で一度に添加した。65℃でさらに10分間撹拌した後、この反応物が透明になるまで、この混合物をHCl(20mL、2N)でクエンチし、そしてEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NH
4Cl(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(PE中0〜15%EtOAc)により精製して、不純な化合物8(80mg、26%)を固体として得た。
【0253】
実施例8。化合物9および化合物10の調製。
【化37】
80mgの化合物8をSFC((カラム:AD(250mm×30mm,5um)、勾配:35〜35%B(A=0.05%NH
3/H
2O、B=MeOH)、流量:60mL/分))により分離して、化合物9(ピーク1、21mg、26%)および化合物10(ピーク2、13mg、16%)を固体として得た。
化合物8のSFC
SFCピーク1: Rt=5.107minおよびピーク2 Rt=6.110min(10分間のクロマトグラフィー)、AD_3_EtOH_DEA_5_40_25ML (「カラム: Chiralpak AD-3 150×4.6mm I.D., 3um 移動相: A: CO
2 B:エタノール(0.05% DEA) 勾配:5%〜40%のBを5分間、および40%を2.5分間保持、次いで5%のBを2.5分間、流量: 2.5mL/min、カラム温度: 35
oC」).
化合物9のデータ
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.30-5.25 (m, 1H), 3.14-3.04 (m, 1H), 2.68-2.54 (m, 2H), 2.38-2.31 (m, 1H), 2.26-2.19 (m, 1H), 2.14-1.93 (m, 3H), 1.84-1.69 (m, 5H), 1.68-1.58 (m, 4H), 1.47-1.35 (m, 4H), 1.34-1.23 (m, 3H), 1.22 (s, 3H), 1.20-1.14 (m, 1H), 1.11-0.95 (m, 3H), 0.94-0.87 (m, 12H), 0.86-0.81 (m, 3H), 0.65 (s, 3H),
LCMS Rt=1.216min(2.0分間のクロマトグラフィー)、30-90AB_E、純度100%、C
30H
49O
2 [M+H-H
2O]
+のMS ESI計算値441、実測値441.
SFC Rt=5.096min(10分間のクロマトグラフィー)、AD_3_EtOH_DEA_5_40_25ML, 100%de.
X線結晶学によって、化合物9の絶対立体化学を決定した。続いて、化合物9のX線結晶構造から、化合物10の構造を判断した。
化合物10のデータ
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.30-5.25 (m, 1H), 3.17-3.11 (m, 1H), 2.68-2.54 (m, 2H), 2.38-2.31 (m, 1H), 2.26-2.19 (m, 1H), 2.14-1.97 (m, 3H), 1.86-1.71 (m, 4H), 1.68-1.58 (m, 3H), 1.50-1.34 (m, 7H), 1.32-1.24 (m, 4H), 1.23-1.17 (m, 4H), 1.02-0.94 (m, 1H), 0.93-0.87 (m, 12H), 0.86-0.82 (m, 3H), 0.66 (s, 3H).
LCMS Rt=1.211min(2.0分間のクロマトグラフィー)、30-90AB_E、純度100%、C
30H
49O
2 [M+H-H
2O]
+のMS ESI計算値441、実測値441.
SFC Rt = 6.049min(10分間のクロマトグラフィー)、AD_3_EtOH_DEA_5_40_25ML, 100%de.
【0254】
実施例9。化合物11の合成。
【化38】
H1の合成。B8(200mg、0.5mmol)のDCM(20mL)中の溶液に、DMP(840mg、2mmol)を添加した。15℃で2時間撹拌した後、この混合物を濾過し、そしてフィルターケーキをDCM(2×10mL)で洗浄した。濾液を飽和Na
2SO
3およびNaHCO
3(50mL、v/v=1/1)でクエンチし、そして得られた溶液をDCM(2×10mL)で洗浄して、H1(220mg、粗製)を油状物として得、これを直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.91-6.85 (m, 1H), 5.88-5.84 (m, 1H), 5.55-5.50 (m, 1H), 5.40-5.39 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.35-3.25 (m, 1H), 3.02-2.82 (m, 3H), 2.60-1.82 (m, 8H), 1.49-1.15 (m, 8H), 0.90-0.72 (m, 5H).
H2の合成。2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(610mg、2.8mmol)のトルエン(20mL)中の溶液に、AlMe
3(1.40mL、トルエン中2M、2.8mmol)を0℃で滴下により添加した。15℃で1時間撹拌した後、化合物H1(220mg、0.55mmol)のトルエン(5mL)中の溶液をN
2下で−78℃で滴下により添加した。この混合物を−78℃で1時間撹拌し、そしてMeMgBr(0.92mL、エーテル中3M、2.8mmol)を−70℃で滴下により添加した。この混合物を−70℃でさらに1時間撹拌し、クエン酸溶液(30mL)でクエンチし、次いで、EtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてコンビフラッシュ(PE中0〜25%EtOAc)により精製して、H2(90mg、39%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.91-6.85 (m, 1H), 5.84-5.79 (m, 1H), 5.51-5.50 (m, 1H), 5.30-5.29 (m, 1H), 3.72 (s, 3H), 2.98-2.92 (m, 1H), 2.70-2.62 (m, 1H), 2.49-2.05 (m, 6H), 2.04-1.71 (m, 8H), 1.70-1.11 (m, 5H), 1.10-0.91 (m, 1H), 0.90-0.76 (m, 4H), 0.74 (s, 3H).
H3の合成。H2(90mg、0.22mmol)のTHF(10mL)中の溶液に、Pd/C(湿潤、200mg)を添加した。この混合物をH
2(15psi)下で15℃で16時間撹拌した。この混合物を濾過し、そして濃縮して、H3(90mg、100%)を油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.30-5.29 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 2.65-2.62 (m, 1H), 2.39-2.34 (m, 2H), 2.35-2.24 (m, 2H), 2.22-2.20 (m, 1H), 1.99-1.95 (m, 3H), 1.43 (s, 3H), 1.42-1.22 (m, 12H), 1.10 (s, 3H), 0.90-0.89 (m, 6H), 0.65 (s, 3H).
化合物11の合成。H3(90mg、0.22mmol)のTHF(10mL)中の溶液に、MeLi(0.68mL、1.1mmol、THF中1.6M)をN
2下で添加した。15℃で1時間撹拌した後、この混合物を飽和NH
4Cl(10mL)でクエンチし、そしてEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてフラッシュカラム(PE中15%EtOAc/DCM=2/1)により精製して、35mgの不純な生成物を得、これをMeCN(2mL)から3回再結晶して、純粋な化合物11(6mg、6%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.30-5.29 (m, 1H), 2.55-2.45 (m, 1H), 2.25-2.15 (m, 1H), 2.10-2.01 (m, 1H), 2.00-1.92 (m, 2H), 1.90-1.71 (m, 4H), 1.70-1.58 (m, 2H), 1.55-1.22 (m, 15H), 1.21-0.98 (m, 15H), 0.97-0.92 (m, 3H), 0.88 (s, 3H).
LCMS Rt = 1.079min(2.0分間のクロマトグラフィー)、30-90AB_ELSD、純度100%、C
28H
45O [M+H-2H
2O]
+のMS ESI計算値397、実測値397.
【表1】
表1について、「A」は、100%までの%相乗作用を示し、「B」は、「チャネルに対する正のアロステリックモジュレーター(PAM)の相乗作用効果」という表題の上記セクションに記載されているように、>100%の相乗作用を示す。
【表2-1】
【表2-2】
表2について、「C」は、1〜100nMのEC
50を示し、「D」は、100nM超から500nMまでのEC
50を示し、「E」は、500nM超から1μMまでのEC
50を示し;「F」は、1μM超から9.999μMのEC
50を示し;「G」は、10μM超またはそれに等しいEC
50を示し、「H」は、100%までのE
Maxを示し、「I」は、100%〜500%のE
Maxを示し、「J」は、500%超のE
Maxを示す。
他の実施形態
【0255】
請求項において、冠詞(例えば、「a」、「an」および「the」)は、反対のことが示されていないかまたは別段文脈から明らかでない限り、1つまたはそれより多いことを意味し得る。反対のことが示されていないかまたは別段文脈から明らかでない限り、ある群の1つ以上のメンバー間に「または」を含む請求項または説明は、1つの、1つより多いまたはすべての群メンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されているか、または別途関連していることを満たすと考えられる。本発明は、その群の厳密に1つのメンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されているか、または別途関連している実施形態を含む。本発明は、1つより多いまたはすべての群メンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されているか、または別途関連している実施形態を含む。
【0256】
さらに、本発明は、列挙される請求項の1つ以上からの1つ以上の制限、エレメント、節および記述用語が別の請求項に導入されているすべてのバリエーション、組み合わせおよび順列を包含する。例えば、別の請求項に従属している任意の請求項は、同じ基本請求項に従属している他の任意の請求項に見られる1つ以上の制限を含むように改変され得る。エレメントが、例えば、マーカッシュ群の形式でリストとして提示される場合、そのエレメントの各部分群もまた開示され、任意のエレメントが、その群から除去され得る。一般に、本発明または本発明の局面が、特定のエレメントおよび/または特徴を含むと言及される場合、本発明または本発明の局面のある特定の実施形態は、そのようなエレメントおよび/もしくは特徴からなるかまたはそれらから本質的になると理解されるべきである。単純にする目的で、それらの実施形態は、この通りの言葉で本明細書中に明確に示されていない。用語「含む(comprising)」および「含む(containing)」は、オープンであるように意図されており、さらなるエレメントまたは工程を含むことを許容することも注意されたい。範囲が与えられている場合、終点は含まれる。さらに、別段示されないかまたは別段文脈および当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表現された値は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、本発明の種々の実施形態において述べられた範囲内の任意の特定の値または部分範囲をその範囲の下限の単位の10分の1まで想定し得る。
【0257】
本願は、様々な発行済特許、公開特許出願、学術論文、および他の刊行物(これらのすべてが、参照により本明細書中に援用される)について言及する。援用される任意の参考文献と本明細書との間に矛盾が存在する場合、本明細書が支配するものとする。さらに、従来技術の範囲内に含まれる本発明の任意の特定の実施形態は、請求項の任意の1つ以上から明白に除外され得る。そのような実施形態は、当業者に公知であると見なされるので、それらは、その除外が本明細書中に明示的に示されなかったとしても、除外され得る。本発明の任意の特定の実施形態は、従来技術の存在に関係しているか否かを問わず、任意の請求項から、任意の理由で除外され得る。
【0258】
当業者は、単なる慣用的な実験法を使用して、本明細書中に記載される特定の実施形態に対する多くの等価物を認識し得るかまたは確かめることができる。本明細書中に記載される本実施形態の範囲は、上記の説明に限定されると意図されておらず、それは、添付の請求項に示されるとおりである。当業者は、以下の請求項に定義されるような本発明の精神または範囲から逸脱することなく、この説明に対する様々な変更および改変が行われ得ることを認識する。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
式(I):
【化39】
[式中、
R1は、水素またはC1−C6アルキルであり;
R2およびR3の各々は独立して、水素、C1−C6アルキルもしくはカルボシクリルであるか、または
R2およびR3は、それらが結合している炭素原子と一緒に3〜8員環を形成し;
R6は存在しないか、または水素であり;
R11aは、水素もしくはC1−C6アルキルであり、そしてR11bは、−OHもしくはC1−C6アルキルであるか、またはR11aおよびR11bは、互いに合わさってオキソを形成し;そして
【化40】
は、単結合または二重結合を表し、ここで、一方の
【化41】
が二重結合である場合、他方の
【化42】
は単結合であり;そして
【化43】
の一方が二重結合である場合、R6は存在しない]の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
(項目2)
R1はC1−6アルキルである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
R1は、水素、メチルもしくはエチル、−CHF2、−CF3、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH3である、項目1に記載の化合物。
(項目4)
R1は非置換C1−6アルキルである、項目1に記載の化合物。
(項目5)
R1は水素である、項目1に記載の化合物。
(項目6)
R1は−CH3である、項目1に記載の化合物。
(項目7)
R1は−CH2CH3である、項目1に記載の化合物。
(項目8)
R2およびR3の各々は独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、−CF3または−CH2CF3である、項目1に記載の化合物。
(項目9)
R2およびR3の各々は独立して、メチル、イソプロピルまたはtert−ブチルである、項目8に記載の化合物。
(項目10)
R2は、水素、メチル、エチルまたは−CF3である、項目8に記載の化合物。
(項目11)
R3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、−CF3または−CH2CF3である、項目1に記載の化合物。
(項目12)
R11aは水素であり、そしてR11bは−OHである、項目1に記載の化合物。
(項目13)
R11aはC1−C6アルキルであり、そしてR11bは−OHである、項目1に記載の化合物。
(項目14)
R11aおよびR11bは互いに合わさってオキソを形成する、項目1に記載の化合物。
(項目15)
式(I)の前記化合物は、式(I−A)もしくは式(I−B):
【化44】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、項目1に記載の化合物。
(項目16)
【化45】
の各々は単結合である、上記項目のいずれか1項に記載の化合物。
(項目17)
式(I)の前記化合物は、式(II):
【化46】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、項目1に記載の化合物。
(項目18)
式(II)の前記化合物は、式(II−A)もしくは式(II−B):
【化47】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、項目17に記載の化合物。
(項目19)
R1はC1−6アルキルである、項目18に記載の化合物。
(項目20)
R1は、水素、メチル、エチル、−CHF2、−CF3、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH3である、項目18に記載の化合物。
(項目21)
R2およびR3の各々は独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、−CF3または−CH2CF3である、項目17〜20のいずれか1項に記載の化合物。
(項目22)
R2は、水素、メチル、エチルまたは−CF3である、項目21に記載の化合物。
(項目23)
R3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、−CF3または−CH2CF3である、項目21または22に記載の化合物。
(項目24)
【化48】
からなる群より選択される、化合物。
(項目25)
【化49】
からなる群より選択される化合物の薬学的に受容可能な塩。
(項目26)
式(I)の前記化合物は、式(III):
【化50】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、項目1に記載の化合物。
(項目27)
R1はC1−6アルキルである、項目26に記載の化合物。
(項目28)
R1は水素である、項目26に記載の化合物。
(項目29)
R1は−CH2CH3である、項目26に記載の化合物。
(項目30)
R1は、水素、メチル、エチル、−CHF2、−CF3、−CH2OCH3または−CH2OCH2CH3である、項目26に記載の化合物。
(項目31)
R2およびR3の各々は独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、−CF3または−CH2CF3である、項目26に記載の化合物。
(項目32)
R2は、水素、メチル、エチルまたは−CF3である、項目26に記載の化合物。
(項目33)
R3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、−CF3または−CH2CF3である、項目26に記載の化合物。
(項目34)
上記項目のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、および薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物。
(項目35)
鎮静または麻酔を誘導する方法であって、被験体に、有効量の項目1〜33のいずれか1項に記載の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩、または項目34に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
(項目36)
本明細書中に記載される障害を処置するためまたは予防するための方法であって、該処置または予防を必要とする被験体に、有効量の項目1〜33のいずれか1項に記載の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩、または項目34に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
(項目37)
前記障害は、胃腸(GI)障害、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、GIに影響を及ぼす構造障害、肛門障害、大腸ポリープ、がんまたは大腸炎である、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記障害は、炎症性腸疾患である、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記障害は、がん、糖尿病またはステロール合成障害である、項目37に記載の方法。
(項目40)
状態を処置するためまたは予防するための方法であって、該処置または予防を必要とする被験体に、有効量の項目1〜33のいずれか1項に記載の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩、または項目34に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
(項目41)
前記状態は、適応障害、不安障害、認知障害、解離性障害、摂食障害、気分障害、統合失調症または他の精神病性障害、睡眠障害、物質関連障害、人格障害、自閉症スペクトラム障害、神経発達障害、多発性硬化症、ステロール合成障害、疼痛、ある医学的状態に対して二次的な脳障害、発作性障害、脳卒中、外傷性脳損傷、運動障害、視覚障害、聴覚障害、あるいは耳鳴である、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記障害は、ステロール合成障害である、項目41に記載の方法。