【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、
− 患者に埋め込まれた体内デバイス1と、
− 外部制御デバイス2と
の間の電気的接合において起こり得る欠陥を施術者が検出することを可能にする方法およびシステムを提供することである。
【0012】
この目的のため、本発明は、
− 超音波発生デバイスと、
− 前記デバイスの操作パラメータを決定および制御し、少なくとも1つの作動サイクル(各作動サイクルは、待機サイクルの後に置かれる)中に、前記デバイスに電気を供給するための遠隔制御ユニットと、
− 前記デバイスと前記制御ユニットとを電気的に接続する手段であって、制御ユニットが、少なくとも1つの待機サイクル中に、前記デバイスと当該制御ユニットとの間の電気的接合における欠陥を検出するように構成されていることを特徴とする手段と
を備えてなる、病状の診断支援および/または治療のための装置を提案する。
【0013】
本発明に関し、「電気的接合欠陥」とは、超音波発生デバイスとプローブとの間の電気的接続における脆弱性を意味し、この脆弱性は超音波発生デバイスとプローブとの間の電流の循環を妨げる。言い換えれば、「接合欠陥」は、超音波発生デバイスとプローブとの間に電気的連結が存在しないことからなる。
【0014】
本発明の好ましいが非限定的な態様は以下の通りである:
− 制御ユニットは、
○待機サイクル中:
■少なくとも待機サイクルの第1の瞬間に少なくとも1つの制御信号をデバイスに向けて発信し、
■発信された制御信号に応答する少なくとも1つのフィードバック信号を取得し、
■デバイスと制御ユニットとの間の電気的接合における欠陥を検出するために、取得されたフィードバック信号を処理し、
○待機サイクル後の作動サイクル中:
■電気的接合欠陥が検出されなかった場合には、デバイスから作動信号を発信し、
■電気的接合欠陥が検出された場合には、作動信号を発信しない
ようにプログラム可能であり;
− 少なくとも1つの制御信号は、デバイスのトランスデューサの動作周波数範囲内で選択される周波数F1で発信される低出力電気パルス信号からなることができ;
− デバイスのインピーダンスは、制御信号の周波数に応じて変化し得;
− 有利には:
○少なくとも第1の制御信号は、デバイスのトランスデューサの動作周波数範囲内で選択される第1の周波数F1で発信される電気パルス信号からなることができ、
○少なくとも第2の制御信号は、トランスデューサの動作周波数範囲外で選択される第2の周波数F2で発信される電気パルス信号からなることができ;
− 制御ユニットは、
○待機サイクル中:
■少なくとも待機サイクルの第1の瞬間に第1の制御信号をデバイスに向けて発信し、第1のフィードバック信号を取得し、
■少なくとも待機サイクルの第2の瞬間に第2の制御信号をデバイスに向けて発信し、第2のフィードバック信号を取得し、
■デバイスと制御ユニットとの間の電気的接合における欠陥を検出するために、第1および第2のフィードバック信号と第1および第2の閾値とを比較し、
○待機サイクル後の作動サイクル中:
■電気的接合欠陥が検出されなかった場合には、作動信号をデバイスに向けて発信し、ここで、上記作動信号は、トランスデューサの動作周波数範囲内で選択される第1の周波数F1で発信される電気パルス信号からなり、その電力は制御信号の電力よりも大であり、
■電気的接合欠陥が検出された場合には、作動信号を発信しない
ようにプログラム可能であり;
− 処理ステップは、各フィードバック信号の電力と少なくとも1つの閾値とを比較することからなるサブステップを含むことができ;
− 制御ユニットは、
○待機サイクル中:
■トランスデューサの動作周波数範囲内で選択される周波数F1の低出力パルス制御信号を発信し、
■応答フィードバック信号を取得し、
■フィードバック信号を処理し、トランスデューサの振動または非振動状態を決定し、その結果から、起こり得る接合欠陥を推定し、
○待機サイクル後の作動サイクル中:
■電気的接合欠陥が検出されなかった場合には、作動信号をデバイスに向けて発信し、ここで、上記作動信号は、トランスデューサの動作周波数範囲内で選択される第1の周波数F1で発信される電気パルス信号からなり、その電力は制御信号の電力よりも大であり、
■電気的接合欠陥が検出された場合には、作動信号を発信しない
ようにプログラム可能であり;
− 制御ユニットは、フィードバック信号を取得するための方向性結合器を備えることができ、当該方向性結合器は、インピーダンス整合回路の上流に連結されている。
【0015】
本発明はまた、組織に超音波を印加することによって病状の診断支援および/または治療をするための装置の異常を検出するための方法に関し、
前記装置は、
− 超音波発生デバイスと、
− 前記デバイスに電気を供給し、かつ、前記デバイスの操作パラメータを決定および制御するための遠隔制御ユニットであって、前記デバイスを作動させるために、少なくとも1つの作動サイクル中に、前記デバイスに電気を供給するように構成され、そして各作動サイクルが待機サイクルの後に置かれてなる、遠隔制御ユニットと
を備えてなり、
前記デバイスおよび前記制御ユニットは、電気的接続手段を介して電気的に接合され、
前記方法は、前記デバイスと前記制御ユニットとの間の電気的接合における欠陥を検出するために、少なくとも1つの待機サイクル中に実施される制御段階を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明による方法の好ましいが非限定的な態様は以下の通りである:
− 本方法は、
○待機サイクル中:
■待機サイクルの第1の瞬間に少なくとも1つの制御信号を、制御ユニットによって発信するステップと、
■待機サイクルの第2の瞬間に少なくとも1つのフィードバック信号を、制御ユニットによって取得するステップと、
■超音波デバイスと制御ユニットとの間の電気的接合の品質に関する情報を得るために、フィードバック信号を処理するステップと、
○待機サイクル後の作動サイクル中、電気的接合の品質に関して得た情報に基づいて信号を発信するステップであって、当該信号が、
■制御ユニットが超音波デバイスに適切に接合している場合の、作動信号と、
■制御ユニットが超音波デバイスに適切に接合していない場合の、警告信号と
からなるステップと
を含み;
− 少なくとも1つの制御信号は、デバイスのトランスデューサの動作周波数範囲内で選択される周波数で発信される低出力電気パルス信号からなることができ;
− デバイスのインピーダンスは、制御信号の周波数に応じて変化し得;
− 有利には:
○少なくとも第1の制御信号は、デバイスのトランスデューサの動作周波数範囲内で選択される第1の周波数で発信される電気パルス信号からなることができ、
○少なくとも第2の制御信号は、トランスデューサの動作周波数範囲外で選択される第2の周波数で発信される電気パルス信号からなることができ;
− より具体的には、本方法は、
○待機サイクル中:
■超音波デバイスのトランスデューサの動作周波数範囲内で選択される第1の周波数の第1の低出力パルス制御信号を制御ユニットによって発信し、第1の応答フィードバック信号を制御ユニットによって取得するステップと、
■トランスデューサの動作周波数範囲外で選択される第2の周波数の第2の低出力パルス制御信号を制御ユニットによって発信し、第2の応答フィードバック信号を制御ユニットによって取得するステップと、
■起こり得る接合欠陥を検出するために、第1および第2のフィードバック信号を処理するステップと、
○待機サイクル後の作動サイクル中:
■接合欠陥が検出された場合、警告信号を制御ユニットによって発信するステップと、
■接合欠陥が検出されなかった場合、トランスデューサの動作周波数で発信される高出力電気パルス信号からなる作動信号を制御ユニットによって発信するステップと
を含むことができ、
− 処理ステップは、各フィードバック信号の電力と少なくとも1つの閾値とを比較することからなるサブステップを含むことができ;
−さらにより具体的には、本方法は、
○待機サイクル中:
■トランスデューサの動作周波数範囲内で選択される周波数の低出力パルス制御信号を発信するステップと、
■応答フィードバック信号を取得するステップと、
■起こり得る接合欠陥を検出するためにフィードバック信号を処理するステップであって、当該処理が、制御信号の発信終了後にフィードバック信号からピークを抽出し、それからトランスデューサの振動または非振動状態を推定することからなるステップと、
○待機サイクル後の作動サイクル中:
■接合欠陥が検出された場合、警告信号を発信するステップと、
■接合欠陥が検出されなかった場合、トランスデューサの動作周波数で発信される高出力電気パルス信号からなる作動信号を発信するステップと
を含むことができ;
− 本方法は、
○待機サイクル中:
■制御ユニットによって、通信要求を超音波発生デバイスに向かって発信するステップと、
■制御ユニットによって、超音波発生デバイスによって発信される応答メッセージを取得するステップと
○作動サイクル中:
■応答メッセージが取得されなかった場合、警告信号を発信するステップと、
■応答メッセージが取得された場合、作動信号を発信するステップと
をさらに含むことができ;
− 本方法は、超音波発生デバイスと組織との間の音響結合における欠陥を検出するために、少なくとも1つの待機サイクル中に実施されるモニタリング段階をさらに含み;
− 接合欠陥および結合欠陥の複合的検出のために、本方法は、
○待機サイクル中:
■待機サイクルの第1の瞬間に少なくとも1つの制御信号を制御ユニットによって発信するステップと、
■待機サイクルの第2の瞬間に少なくとも1つのフィードバック信号を制御ユニットによって取得するステップと、
■超音波デバイスと制御ユニットとの間の電気的接合の品質に関し、およびデバイスと組織との間の音響結合の品質に関する情報を得るために、フィードバック信号を処理するステップと、
○待機サイクル後の作動サイクル中、電気的接合の品質に関して得た情報および音響結合の品質に関して得た情報に基づいて信号を発信するステップであって、当該信号が、
■制御ユニットが超音波デバイスに適切に接合しており、装置が組織に適切に結合している場合の、作動信号と、
■制御ユニットが超音波デバイスに適切に接合しておらず、または装置が組織に適切に結合していない場合の、警告信号とからなるステップと
を含むことができる。
【0017】
本発明による方法の他の利点および特徴は、添付の図面から、非限定的な実施例として示されるいくつかの変形例を含む以下の説明からより明らかになるであろう。