(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、建機分野で用いられる圧力スイッチでは、高圧力の圧力流体が用いられることが多い。しかしながら、従来の圧力スイッチでは、耐圧性の点で改善の余地が残されているのが現状である。
【0006】
従って、本発明は、上記のような問題に着目し、耐圧性を高めることができる圧力スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の圧力スイッチは、薄板状で表裏面のうちの第1面に対する圧力変動に応じて面外方向に変位するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの前記第1面の側に圧力流体の貯留空間を区画するキャップと、前記ダイヤフラムの第2面に対して対面配置されて前記圧力変動の際の前記ダイヤフラムの位置を抑制して作動位置を決定する板状のストッパと、前記ダイヤフラム、前記キャップ、及び前記ストッパそれぞれの外周を互いに結合してダイヤフラムユニットを構成する結合部と、前記ダイヤフラムユニットにおける前記ストッパの側に配置され、前記ダイヤフラムユニットと略同径に形成された環状部材と、前記ダイヤフラムの変位を受けてオンオフするスイッチ素子と、前記ダイヤフラムユニットにおける少なくとも前記結合部を含むとともに前記ダイヤフラム、前記キャップ、及び前記ストッパが互いに接して重なり合った外周部に前記環状部材が圧接するように前記外周部を前記環状部材とともに挟持した状態で、前記環状部材、及び前記ダイヤフラムユニットを収容するボディと、を備え、前記ボディが、前記圧力流体の導入口が底壁に設けられた有底筒であって、前記環状部材、及び前記ダイヤフラムユニットを収容する第1ボディと、前記ダイヤフラムユニットにおける前記外周部及び前記環状部材を前記第1ボディの前記底壁との間に挟持するように前記第1ボディの開口側と嵌合する筒状の第2ボディと、を備えており、前記第1ボディにおける前記底壁の内面には、前記ダイヤフラムユニットにおける前記外周部を前記キャップ側から支持する第1段部を最も外周側に最上段として有する階段形状が形成され、前記環状部材は、最外縁を含む外縁部分において前記ダイヤフラムユニットの前記外周部とともに前記第2ボディ
の開口縁と前記第1ボディの前記第1段部とで挟持され、前記外縁部分が前記ダイヤフラムユニットの前記外周部よりも肉厚に形成されて
おり、前記環状部材における前記外縁部分が、前記最外縁から内周に向かって前記ダイヤフラムユニットにおける前記外周部よりも厚い肉厚を残して段差状に凹み、前記第2ボディの前記開口縁を受け入れる外周段部であり、前記ダイヤフラムユニットにおける前記外周部及び前記環状部材が、当該環状部材の前記外周段部に嵌入した前記第2ボディの前記開口縁と前記第1ボディの前記第1段部とで挟持されることを特徴とする。
【0008】
本発明の圧力スイッチによれば、ダイヤフラムユニットの外周部に環状部材が圧接するように外周部が環状部材とともにボディによって挟持されている。このため、ダイヤフラムユニットの貯留空間への圧力流体の導入によってダイヤフラムユニットの外周部においてストッパがキャップから離れる方向に変形しようとしても、環状部材によってそのような変形が抑えられる。また、本発明の圧力スイッチでは、ダイヤフラムユニットがボディに収容されるので貯留空間の内外が略同圧となり、ダイヤフラムユニットの外周部においてキャップをストッパから離す変形の原因となるような差圧の発生自体が抑えられる。このように、本発明の圧力スイッチによれば、貯留空間に圧力流体が導入されたときに上記の差圧に起因する応力が集中しがちなダイヤフラムユニットの外周部におけるストッパやキャップの変形が抑えられることから、耐圧性を高めることができる。
【0009】
ここで、本発明の圧力スイッチ
では、上述したように、前記ボディが、前記圧力流体の導入口が底壁に設けられた有底筒であって、前記環状部材、及び前記ダイヤフラムユニットを収容する第1ボディと、前記ダイヤフラムユニットにおける前記外周部及び前記環状部材を前記第1ボディの前記底壁との間に挟持するように前記第1ボディの開口側と嵌合する筒状の第2ボディと、を備えてい
る。
【0010】
この構成によれば、応力が集中しがちなダイヤフラムユニットの外周部が、環状部材とともに第1ボディの底壁と第2ボディとの間に挟持される。この挟持構造により、ダイヤフラムユニットの外周部におけるストッパやキャップの変形を一層良好に抑えることができる。
また、
本発明の圧力スイッチでは、上述したように、前記環状部材における前記外縁部分が、前記最外縁から内周に向かって前記ダイヤフラムユニットにおける前記外周部よりも厚い肉厚を残して段差状に凹み、前記第2ボディの
前記開口縁を受け入れる外周段部であり、前記ダイヤフラムユニットにおける前記外周部及び前記環状部材が、当該環状部材の前記外周段部に嵌入した前記第2ボディの前記開口縁と前記第1ボディの前記第1段部とで挟持され
る。
【0011】
また、この圧力スイッチにおいて、前記第1ボディ及び前記第2ボディの何れか一方に、前記第2ボディの開口縁を、当該第2ボディの軸方向に前記環状部材の外周部へと押し付けるように、前記第1ボディ及び前記第2ボディの他方へと加締められる加締め部が設けられていることが更に好適である。
【0012】
この構成によれば、第2ボディの開口縁で、ダイヤフラムユニットの外周部を、環状部材を介して集中的に押え付けつつ、第1ボディの底壁との間に挟持することができる。この集中的な押え付け構造により、ダイヤフラムユニットの外周部におけるストッパやキャップの変形を更に良好に抑えることができる。
【0013】
また、この圧力スイッチにおいて、前記第1ボディ及び前記第2ボディの何れか一方の内周面と他方の外周面との双方に密着したシール部材を備えたことも更に好適である。
【0014】
この構成によれば、第1ボディと第2ボディとの間に一つのシール部材を配置するという簡単な構成によって、これらの間からの水の浸入等を効果的に抑えることができる。
【0015】
また、本発明の圧力スイッチにおいて、前記環状部材が金属製で、前記ストッパよりも厚肉に形成された部材であることが好適である。
【0016】
この好適な圧力スイッチによれば、金属製で厚肉に形成された環状部材という強度の高い部材によって、ダイヤフラムユニットの外周部におけるストッパの上述したような変形を一層効果的に抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の圧力スイッチによれば、ダイヤフラムユニットの外周部と環状部材とのボディによる挟持、及びダイヤフラムユニットのボディへの収容により、ストッパやキャップの変形が抑えられることから、耐圧性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態にかかる圧力スイッチを示す模式図である。また、
図2は、
図1中の領域A11を、ダイヤフラムの状態を変えて示す拡大図である。
【0021】
本実施形態における圧力スイッチ1は、コネクタ110における2つの端子111の相互間を、圧力流体の圧力変動に応じて導通したり遮断したりするものであり、例えば、油圧機械における制御オイルを圧力流体として、オイル漏れ等による圧力低下の検出に利用される。尚、本実施形態の圧力スイッチ1の利用としては、例えば、パイロット油圧の状態監視等への利用も挙げられる。この場合、圧力スイッチ1の出力が、パイロット油圧が目標圧力から外れたときのアラーム発生や機器の作動停止等のトリガとして利用される。また、本実施形態では、圧力スイッチ1は、非加圧時に2つの端子111の相互間が遮断状態となるノーマルオープンタイプのスイッチとなっている。その上で、油圧機械の通常動作時には加圧状態となって2つの端子111の相互間が導通状態となる。そして、制御オイルに許容以上の圧力低下が発生すると2つの端子111の相互間が遮断される。この圧力スイッチ1は、ダイヤフラムユニット120と、作動軸130と、環状部材140と、コネクタ110と一体的に設けられたスイッチ保持部150と、継手部160と、を備えている。
【0022】
ダイヤフラムユニット120は、ダイヤフラム121と、キャップ122と、ストッパ123と、結合部124と、を備えている。
【0023】
ダイヤフラム121は、金属製で薄板状に形成され、表裏面のうちの第1面121aに対する圧力変動に応じて面外方向に変位する部材である。ダイヤフラム121は、第2面121bが凸面となる凸状態と凹面となる凹状態との2状態の間で反転するように変位する。ダイヤフラム121は、油圧機械の通常動作時には凸状態にあり、圧力流体たる制御オイルに許容以上の圧力低下が発生すると凹状態に変位する。
図1には、凹状態のダイヤフラム121が図示され、
図2には、凸状態のダイヤフラム121が図示されている。
【0024】
キャップ122は、ダイヤフラム121の第1面121aの側に圧力流体の貯留空間122aを区画する金属製で皿状の部材である。キャップ122では、皿の内側に当る部分が貯留空間122aとなる。また、キャップ122の底壁122bの中央には、圧力流体の導入口122cが形成されている。
【0025】
ストッパ123は、ダイヤフラム121の第2面121bに対して対面配置されて圧力変動の際のダイヤフラム121の凸状態への変位位置を抑制して作動位置(スイッチ素子がオンオフするダイヤフラム121の位置)を決定する。このストッパ123は、作動軸130の通過孔123aが設けられた金属製で板状の部材である。作動軸130の通過孔123aはストッパ123の中央に設けられている。そして、ストッパ123の外縁から所定程度離れた位置から通過孔123aに掛けて、凹状態のときのダイヤフラム121の第2面121bから遠ざかるようにストッパ123の厚みが漸減した形状となっている。ダイヤフラム121は、
図2に示されているように第2面121bがストッパ123に当接するまで凸状態への変位が可能となっている。
【0026】
結合部124は、ダイヤフラム121、キャップ122、及びストッパ123それぞれの外周を、溶接によって互いに結合してダイヤフラムユニット120を構成する部位である。この結合部124は、ダイヤフラム121、キャップ122、及びストッパ123の三部材が重ね合わされて外周溶接されることで溶かされてリング形状に形成された部位である。
【0027】
作動軸130は、ダイヤフラム121の第2面121bに一端が当接して設けられており、絶縁部材(例えば、セラミック)で形成されている。
【0028】
環状部材140は、ダイヤフラムユニット120におけるストッパ123の側に配置され、ダイヤフラムユニット120と略同径に形成されている。この環状部材140は、ストッパ123よりも厚肉に形成されて作動軸130のガイド孔141が設けられた金属製のブロック部材である。ガイド孔141は、環状部材140の中央に、作動軸130よりも若干大径に設けられた貫通孔であり、作動軸130は、このガイド孔141の内面を摺擦しながら、その厚み方向に案内されて移動可能となっている。
【0029】
スイッチ保持部150は、ダイヤフラム121の変位を受けて、具体的には反転動作による作動軸130の動きを受けてオンオフするスイッチ素子151を保持した、上記のコネクタ110と一体的に構成された部材である。このスイッチ保持部150は、スイッチ素子151と、スイッチ保持筒152(第2ボディ)と、を備えている。
【0030】
スイッチ素子151は、コネクタ110における2つの端子111の一方の端部に固定された固定接点151aと、他方の端子111の端部に一端が固定された板バネ状の可動接点151bと、を備えている。
【0031】
このスイッチ素子151は、可動接点151bの中途部151b−1が、作動軸130におけるダイヤフラム121の側とは反対側の先端に当接されるように配置されている。ダイヤフラム121が凸状態のときには、作動軸130の先端が可動接点151bの中途部151b−1を押上げ、可動接点151bの先端部151b−2が固定接点151aに接触してスイッチ素子151がオン状態となる。他方、ダイヤフラム121が凹状態のときには、作動軸130の先端の下降に追随して可動接点151bの中途部151b−1が下がり、可動接点151bの先端部151b−2が固定接点151aから離間してスイッチ素子151がオフ状態となる。
【0032】
スイッチ保持筒152は、ダイヤフラムユニット120の側に開口し、内部にスイッチ素子151が収容された樹脂製でコネクタ110の樹脂筐体112と一体成形された有底筒状のボディ部分である。各端部にスイッチ素子151の固定接点151a及び可動接点151bが固定された2つの端子111は、スイッチ保持筒152の底壁152aを貫通してコネクタ110の樹脂筐体112の内部へと各他端が延在している。
【0033】
継手部160は、圧力流体の不図示の外部管路等を繋ぐための継手であり、作動軸130、環状部材140、及びダイヤフラムユニット120を収容する。継手部160は、筒状部161(第1ボディ)と、加締め部162と、圧力流体のポート部163と、を備えている。
【0034】
筒状部161は、圧力流体の導入口たるポート部163が底壁161aに設けられた金属製の有底筒である。筒状部161は、その開口部161bにスイッチ保持部150が進入して嵌合するように、作動軸130、環状部材140、及びダイヤフラムユニット120を収容する。スイッチ保持部150におけるスイッチ保持筒152の外径、環状部材140の外径、及びダイヤフラムユニット120の外径は、互いに略同径となっており、筒状部161の内径は、これらの外径よりも若干大径となっている。
【0035】
筒状部161における底壁161aの内面には、第1段部161a−1と、第2段部161a−2と、底面部161a−3と、を有する階段形状が形成されている。最も外縁寄りで最上段に位置する第1段部161a−1は、ダイヤフラムユニット120の外周部120aにおける結合部124寄りの一部をキャップ122の側から支持する。第1段部161a−1に隣接して中段に位置する第2段部161a−2は、外周部120aにおける導入口122c寄りの一部を、後述の第2のOリング172を介してキャップ122の側から支持する。最下段に位置する底面部161a−3は、中央にポート部163における導入路163aが開口するとともに、キャップ122との間に間隙を開けてこのキャップ122の外部を圧力流体で満たす外部貯留空間161cを区画する。
【0036】
加締め部162は、筒状部161における開口部161bの端縁に設けられている。そして、加締め部162は、スイッチ保持筒152の開口縁を、このスイッチ保持筒152の軸方向に環状部材140の外周部へと押し付けるようにスイッチ保持筒152へと加締められる。これにより、スイッチ保持筒152は、ダイヤフラムユニット120における外周部120a及び環状部材140を筒状部161の底壁161aとの間に挟持するように筒状部161の開口側と嵌合することとなる。このとき、環状部材140は、ダイヤフラムユニット120の外周部120aに圧接した状態となる。
【0037】
スイッチ保持筒152の外周面には、加締め部162が係止する係止段差152bが設けられている。加締め部162は、この係止段差152bに係止するとともに、
図1中の下方へとスイッチ保持筒152を押し下げるように加締められる。これにより、加締め部162は、スイッチ保持筒152の開口縁を、当該スイッチ保持筒152の軸方向に環状部材140の外周部へと押し付けるように加締められることとなる。
【0038】
また、環状部材140における、ダイヤフラムユニット120の外周部120aに対応する部分には、スイッチ保持筒152の開口縁を受け入れる外周段部142が形成されている。加締め部162が加締められると、スイッチ保持筒152の開口縁がこの環状部材140の外周段部142に押し付けられる。そして、ダイヤフラムユニット120の外周部120aにおける結合部124寄りの一部が、環状部材140の外周段部142とともに、上記の第1段部161a−1とスイッチ保持筒152の開口縁とで挟み付けられる。また、ダイヤフラムユニット120の外周部120aにおける導入口122c寄りの一部が、環状部材140の外周段部142とともに、上記の第2段部161a−2とスイッチ保持筒152の開口縁とで、第2のOリング172を介して挟み付けられる。
【0039】
本実施形態では、継手部160の筒状部161(第1ボディ)と、スイッチ保持筒152(第2ボディ)と、によって、圧力スイッチ1における次のようなボディが構成される。即ち、ダイヤフラムユニット120の外周部120aに環状部材140が圧接するように外周部120aを環状部材140とともに挟持した状態で、作動軸130、環状部材140、及びダイヤフラムユニット120を収容するボディが構成される。
【0040】
継手部160におけるポート部163は、ダイヤフラムユニット120のキャップ122における導入口122cと同軸上に圧力流体の導入路163aが並ぶように筒状部161と一体的に設けられた金属製の筒である。ポート部163の外周面には、圧力流体の不図示の外部管路等が接続されるためのネジが形成されている。このポート部163の導入路163aを通って導入される圧力流体によってキャップ122の内側の貯留空間122aと、その外側の外部貯留空間161cと、が満たされる。
【0041】
また、本実施形態では、スイッチ保持部150におけるスイッチ保持筒152の外周面と、継手部160における筒状部161の内周面と、の双方に密着した第1のOリング171(シール部材)が設けられる。スイッチ保持筒152の外周面には、この第1のOリング171のための嵌合溝152cが形成されており、第1のOリング171はこの嵌合溝152cに嵌め込まれた状態で筒状部161の内周面に密着する。
【0042】
更に、本実施形態では、ダイヤフラムユニット120の外周部120aにおける導入口122c寄りの一部におけるキャップ122の外面と、筒状部161における底壁161aの第2段部161a−2と、の間に第2のOリング172が介在する。第2のOリング172は、キャップ122の外面と第2段部161a−2との双方に密着した状態となる。
【0043】
以上に説明した実施形態の圧力スイッチ1では、ダイヤフラムユニット120における貯留空間122aに圧力流体が導入されると、ストッパ123とキャップ122とを互いに離間させて貯留空間122aを膨張させるような差圧が生じる。このような差圧に起因する応力は、ダイヤフラムユニット120における結合部124を含む外周部120aに集中しがちであり、ストッパ123とキャップ122とを互いに離間するような変形を外周部120aにもたらそうとする。このとき、本実施形態の圧力スイッチ1では、環状部材140等による後述の働きによって外周部120aでの変形が抑えられることとなる。
【0044】
以下では、本実施形態の圧力スイッチ1におけるこのような変形抑制についての説明に先立って、まず、本実施形態の圧力スイッチ1と比較するための比較例の圧力スイッチについて説明する。
【0045】
図3は、
図1及び
図2に示されている圧力スイッチと比較するための比較例の圧力スイッチを示す模式図である。また、
図4は、
図3中の領域A12を、ダイヤフラムの状態を変えて示す拡大図である。尚、
図3及び
図4では、
図1及び
図2に示されている構成要素に対して多少の形状等の違いがあっても実質的に同等な構成要素については、
図1及び
図2と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素の重複説明を省略する。
【0046】
この比較例の圧力スイッチ5も、2つの端子111の相互間を、圧力流体の圧力変動に応じて、スイッチ素子151を介して導通したり遮断したりするものである。ただし、比較例の圧力スイッチ5では、各端部にスイッチ素子151の固定接点151a及び可動接点151bが固定された2つの端子111は、スイッチ保持部550におけるスイッチ保持筒552の外部へと各他端が露出して延在している。スイッチ素子151のオンオフは、
図1及び
図2に示されている圧力スイッチ1と同様に、ダイヤフラム121、キャップ122、ストッパ123、及び結合部124、を有するダイヤフラムユニット120によって行われる。
【0047】
ここで、比較例の圧力スイッチ5では、
図1及び
図2に示されている環状部材140に替えて、作動軸130のガイド部材540が、スイッチ保持筒552の開口に嵌め込まれるように設けられている。このガイド部材540は、字義通り作動軸130の動きをガイドするための部材であって、作動軸130のガイド孔541が設けられた部分は厚肉に形成されているが、各所で厚みが薄くなっている。また、ガイド部材540は、ダイヤフラムユニット120の外周部120aに圧接しておらず、両者の間にはOリング570が介在している。
【0048】
ダイヤフラムユニット120は、その外周部120aがスイッチ保持筒552の開口縁に押し当てられるようにカバー部材580を介してスイッチ保持筒552に固定されている。カバー部材580は、金属製の筒部材であって、一方の開口にスイッチ保持筒552が嵌め込まれ、他方の開口からは、ダイヤフラムユニット120の外周部120aにおけるキャップ122の下面を保持する保持壁581が張り出している。この保持壁581でダイヤフラムユニット120の外周部120aを保持した状態で、スイッチ保持筒552が嵌め込まれた開口に設けられた加締め部582がスイッチ保持筒552の外周面へと加締められる構造となっている。
【0049】
ダイヤフラムユニット120におけるキャップ122の中央部はカバー部材580から外部に露出しており、この露出部分が、圧力流体の導入路561が設けられた継手部560にろう付けによって一体的に固定されている。継手部560の導入路561は、ダイヤフラムユニット120における圧力流体の貯留空間122aに開口しており、この導入路561を通って圧力流体が貯留空間122aへと導入される。
【0050】
以上に説明した比較例の圧力スイッチ5では、貯留空間122aに圧力流体が導入されると、貯留空間122aの内外の差圧に起因し、結合部124を含む外周部120aに集中する応力が、ストッパ123とキャップ122とを互いに離間するような変形を外周部120aにもたらそうとする。また、比較例の圧力スイッチ5では、キャップ122が大気中に露出しているため、貯留空間122aの内部における圧力流体の圧力と、貯留空間122aの外部の大気圧と、の差圧が大きくなりがちである。このとき、比較例の圧力スイッチ5では、ダイヤフラムユニット120の外周部120aは、樹脂製のスイッチ保持筒552の開口縁と、薄肉のカバー部材580における保持壁581と、で挟まれているだけである。これだけでは、圧力流体における圧力の大きさ等によっては、外周部120aにおけるストッパ123やキャップ122が変形する恐れがあり、耐圧性の点で改善の余地が残されている。
【0051】
この比較例の圧力スイッチ5に対し、
図1及び
図2に示されている実施形態の圧力スイッチ1では、ダイヤフラムユニット120の外周部120aに環状部材140が圧接するように外周部120aが環状部材140とともに挟持されている。このため、外周部120aにおいてストッパ123がキャップ122から離れる方向に変形しようとしても、環状部材140によってそのような変形が抑えられる。また、本実施形態の圧力スイッチ1では、ダイヤフラムユニット120が継手部160の筒状部161に収容されるのでキャップ122における貯留空間122aの内外が圧力流体で満たされる。このため、貯留空間122aの内外が略同圧となるので、ダイヤフラムユニット120の外周部120aにおいてキャップ122をストッパ123から離す変形の原因となるような差圧の発生自体が抑えられる。このように、本実施形態の圧力スイッチ1によれば、圧力流体が導入されたときのストッパ123やキャップ122の変形が抑えられることから、耐圧性を高めることができる。
【0052】
ここで、本実施形態では、応力が集中しがちなダイヤフラムユニット120の外周部120aが、継手部160の筒状部161の底壁161aとスイッチ保持筒152との間に挟持される。この挟持構造により、ダイヤフラムユニット120の外周部120aにおけるストッパ123やキャップ122の変形を一層良好に抑えることができる。
【0053】
また、本実施形態では、加締め部162が、スイッチ保持筒152の開口縁を、当該スイッチ保持筒152の軸方向に環状部材140の外周部たる外周段部142へと押し付けるように加締められる。本実施形態によれば、スイッチ保持筒152の開口縁で、ダイヤフラムユニット120の外周部120aを、環状部材140を介して集中的に押え付けつつ、筒状部161の底壁161aとの間に挟持することができる。この集中的な押え付け構造により、ダイヤフラムユニット120の外周部120aにおけるストッパ123やキャップ122の変形を更に良好に抑えることができる。
【0054】
また、本実施形態では、スイッチ保持筒152の外周面と、継手部160における筒状部161の内周面と、の双方に密着した第1のOリング171が設けられている。本実施形態によれば、スイッチ保持筒152の外周面と筒状部161の内周面との間に第1のOリング171という一部材を配置するという簡単な構成によって、これら2つの面の間からの水の浸入等を効果的に抑えることができる。
【0055】
また、本実施形態では、ダイヤフラムユニット120の外周部120aと、筒状部161の底壁161aと、の双方に密着した第2のOリング172が設けられている。本実施形態によれば、ダイヤフラムユニット120の外周部120aと筒状部161の底壁161aとの間に第2のOリング172という一部材を配置するという簡単な構成によって、これら2つの面の間からの圧力流体の漏れ等を効果的に抑えることができる。
【0056】
また、本実施形態では、環状部材140が金属製で、ストッパ123よりも厚肉に形成された部材となっている。本実施形態によれば、金属製で厚肉に形成された環状部材140という強度の高い部材によって、ダイヤフラムユニット120の外周部120aにおけるストッパ123の上述したような変形を一層効果的に抑えることができる。
【0057】
次に、本実施形態の圧力スイッチ1に対する変形例について2例を挙げて説明する。
【0058】
図5は、
図1及び
図2に示されている圧力スイッチに対する第1変形例の圧力スイッチを示す模式図である。尚、
図5では、
図1及び
図2に示されている構成要素と同等な構成要素については、
図1及び
図2と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素の重複説明を省略する。
【0059】
この第1変形例の圧力スイッチ2は、2本の電線211の相互間を、圧力流体の圧力変動に応じて、スイッチ素子151を介して導通したり遮断したりするものである。これら2本の電線211が、スイッチ素子151の固定接点151a及び可動接点151bが各端部に固定された2つの端子111に一対一に接続されている。
【0060】
第1変形例の圧力スイッチ2では、これら2つの端子111は、スイッチ保持部250におけるスイッチ保持筒252の外部へと各他端が延在している。そして、この延出した端子111と電線211との接続部分を覆うように電線保持部210が設けられている。電線保持部210は、端子111と電線211との接続部分を囲う樹脂製の筒状筐体212と、筒状筐体212の内部に充填される絶縁樹脂の充填材213と、を備えている。
【0061】
この第1変形例の圧力スイッチ2でも、スイッチ素子151のオンオフは、ダイヤフラム121、キャップ122、ストッパ123、及び結合部124、を有するダイヤフラムユニット120によって行われる。
【0062】
また、第1変形例の圧力スイッチ2では、継手部260におけるポート部263が、
図1及び
図2に示されている圧力スイッチ1のポート部163とは異なっている。第1変形例の圧力スイッチ2のポート部263は、
図1及び
図2に示されているポート部163よりも大径で、外周面に形成されたネジのサイズも異なったものとなっている。
【0063】
このように、第1変形例の圧力スイッチ2は、耐圧性のコアを担っている継手部260の筒状部161やその内部のダイヤフラムユニット120や環状部材140等の構造を、
図1及び
図2に示されている圧力スイッチ1と共通としたものである。その一方で、スイッチ素子151の出力側が、
図1及び
図2に示されているコネクタ110から電線保持部210を介した2本の電線211に変更されている。また、圧力流体の導入側も、圧力流体の不図示の外部管路等に応じて変更されている。
【0064】
以上に説明した第1変形例の圧力スイッチ2でも、
図1及び
図2に示されている圧力スイッチ1と共通の構造により、耐圧性を高めることができることは言うまでもない。
【0065】
図6は、
図1及び
図2に示されている圧力スイッチに対する第2変形例の圧力スイッチを示す模式図である。尚、
図6でも、
図1及び
図2に示されている構成要素と同等な構成要素については、
図1及び
図2と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素の重複説明を省略する。
【0066】
この第2変形例の圧力スイッチ3は、
図1及び
図2に示されている圧力スイッチ1と同様に、コネクタ310における2つの端子311の相互間を、圧力流体の圧力変動に応じて導通したり遮断したりするものである。第2変形例の圧力スイッチ3も、例えば、油圧機械における制御オイルを圧力流体として、その圧力低下の検出等に利用される。ただし、第2変形例の圧力スイッチ3では、非加圧時に2つの端子311の相互間が導通状態となるノーマルクローズタイプのスイッチとなっている。その上で、油圧機械の通常動作時には加圧状態となって2つの端子311の相互間が遮断状態となる。そして、制御オイルに許容以上の圧力低下が発生すると2つの端子311の相互間が導通される。このため、第2変形例の圧力スイッチ3では、スイッチ保持部350におけるスイッチ素子351における固定接点351a及び可動接点351bの配置が、ノーマルクローズタイプに応じた配置となっている。また、第2変形例の圧力スイッチ2では、2つの端子311を収める樹脂筐体312の形状も、第1変形例の圧力スイッチ1とは異なったものとなっている。
【0067】
他方、この第2変形例の圧力スイッチ2でも、スイッチ素子351のオンオフは、ダイヤフラム121、キャップ122、ストッパ123、及び結合部124、を有するダイヤフラムユニット120によって行われる。
【0068】
また、第2変形例の圧力スイッチ3でも、上述した第1変形例の圧力スイッチ2と同様に、継手部360におけるポート部363が、
図1及び
図2に示されている圧力スイッチ1のポート部163とは異なっている。即ち、第2変形例の圧力スイッチ3のポート部363も、
図1及び
図2に示されているポート部163よりも大径で、外周面に形成されたネジのサイズも異なったものとなっている。
【0069】
このように、第2変形例の圧力スイッチ3は、耐圧性のコアを担っている継手部360の筒状部161やその内部のダイヤフラムユニット120や環状部材140等の構造を、
図1及び
図2に示されている圧力スイッチ1と共通としたものである。その一方で、スイッチ素子351がノーマルクローズタイプに変更されている。また、圧力流体の導入側も、圧力流体の不図示の外部管路等に応じて変更されている。
【0070】
以上に説明した第2変形例の圧力スイッチ3でも、
図1及び
図2に示されている圧力スイッチ1と共通の構造により、耐圧性を高めることができることは言うまでもない。
【0071】
また、
図5及び
図6に2つの変形例を挙げて説明したように、耐圧性のコアを担っている構造を共通とすることで耐圧性を高めつつ、スイッチのタイプ、出力側やポート部の構造等を容易に変更することができる。
【0072】
尚、以上に説明した実施形態や変形例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これらに限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の圧力スイッチの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0073】
例えば、上述した実施形態や変形例では、本発明にいう圧力スイッチの一例として、スイッチ素子151,351の出力側がコネクタ110,310となった圧力スイッチ1、3や、電線211となった圧力スイッチ2が例示されている。しかしながら、本発明にいう圧力スイッチはこれらに限るものではなく、その出力側の具体的な態様を問うものではない。また、上述した実施形態や変形例では、出力側部品の一例としてのコネクタ110,310や電線保持部210と、スイッチ保持筒151,252等のボディと、が一体となった圧力スイッチ1,2,3が例示されている。しかしながら、本発明にいう圧力スイッチはこれらに限るものではなく、出力側部品とボディとが別体となったものであってもよい。
【0074】
また、上述した実施形態や変形例では、本発明にいう圧力スイッチの一例として、圧力流体の導入側が、金属製の筒の外周面にネジが形成されたポート部163,263,363となった圧力スイッチ1、2,3が例示されている。しかしながら、本発明にいう圧力スイッチはこれらに限るものではなく、圧力流体の導入側の具体的な態様を問うものではない。また、上述した実施形態や変形例では、圧力流体の導入側部品の一例としてのポート部163,263,363が継手部160,260,360の筒状部161等のボディと一体成形された圧力スイッチ1、2,3が例示されている。しかしながら、本発明にいう圧力スイッチはこれらに限るものでもなく、圧力流体の導入側部品がボディとは別体に形成されて継手部品等を介して連結されたものであってもよい。
【0075】
また、上述した実施形態や変形例では、本発明にいうダイヤフラムの一例として、第1面121aに対する圧力変動に応じて、第2面121bが凸面となる凸状態と凹面となる凹状態との間で変位するダイヤフラム121が例示されている。しかしながら、本発明にいうダイヤフラムはこれに限るものではなく、凸状態と、凹状態と、第2面が平面となる平面状態とのうちの2状態の間で変位するものであればよい。即ち、凸状態と平面状態との間で変位するものであってもよく、平面状態と凹状態との間で変位するものであってもよい。
【0076】
また、上述した実施形態や変形例では、本発明にいうボディの一例として、ダイヤフラムユニット120の外周部120a及び環状部材140を、筒状部161とスイッチ保持筒152,252との2つのボディ部品で挟持するボディが例示されている。しかしながら、本発明にいうボディは、ダイヤフラムユニットにおける少なくとも外周部に環状部材が圧接するように外周部を環状部材とともに挟持した状態で、環状部材やダイヤフラムユニット等を収容するものであれば、具体的なボディ構成を問うものではない。ただし、2つのボディ部品による挟持構成を採用することで、ダイヤフラムユニット120の外周部120aにおけるストッパ123やキャップ122の変形を一層良好に抑えることができる点は上述した通りである。
【0077】
また、上述した実施形態や変形例では、本発明にいう第1ボディの一例として、環状部材140やダイヤフラムユニット120を収容する筒状部161が例示されている。そして、本発明にいう第2ボディの一例として、筒状部161の開口部161bに進入して嵌合するスイッチ保持筒152,252が例示されている。しかしながら、本発明にいう第1ボディ及び第2ボディはこれらに限るものではなく、環状部材やダイヤフラムユニットを収容する第1ボディが第2ボディに進入するように、第1ボディの開口側に第2ボディが嵌合するものであってもよい。
【0078】
また、上述した実施形態や変形例では、本発明にいうボディの一例として、加締め部162での加締めによって、継手部160の筒状部161とスイッチ保持筒152,252という2つのボディ部品が一体化される構成が例示されている。しかしながら、本発明にいうボディはこれに限るものではなく、2つのボディ部品によるボディ構成を採用するとしても、加締め以外のネジ止めや溶接等によって一体化することとしてもよい。
【0079】
また、上述した実施形態や変形例では、本発明にいう加締め部の一例として、継手部160の筒状部161の開口縁に設けられてスイッチ保持筒152へと加締められる加締め部162が例示されている。しかしながら、本発明にいう加締め部は、ボディを構成する2つのボディ部品の一方に設けられて他方へと加締められるものであれば、その具体的な設置位置や加締め形態は任意に設定し得るものである。
【0080】
また、上述した実施形態や変形例では、本発明にいう圧力スイッチの一例として、第1のOリング171を備えた圧力スイッチ1,2,3が例示されている。第1のOリング171は、スイッチ保持筒152の外周面と、継手部160,260,360における筒状部161の内周面と、の双方に密着したシール部材である。しかしながら、本発明にいう圧力スイッチはこれに限るものではなく、Oリング等のシール部材の設置は任意であり、また、シール部材自体もOリングに限るものではない。ただし、上記の第1のOリング171という一部材を配置するという簡単な構成によって、スイッチ保持筒152の外周面と筒状部161の内周面との間からの水等の浸入を効果的に抑えることができる点は上述した通りである。
【0081】
また、上述した実施形態や変形例では、本発明にいうシール部材の一例として、次のような第1のOリング171が例示されている。即ち、第1のOリング171は、環状部材140やダイヤフラムユニット120を収容する第1ボディたる筒状部161の内周面と、その開口側と嵌合する第2ボディたるスイッチ保持筒152,252の外周面と、の双方に密着したものである。しかしながら、本発明にいうシール部材はこれに限るものではなく、第1ボディ及び第2ボディの何れか一方の内周面と他方の外周面との双方に密着したものであれば、具体的な密着態様を問うものではない。
【0082】
また、上述した実施形態や変形例では、本発明にいう環状部材の一例として、金属製で、ストッパ123よりも厚肉に形成されたブロック部材としての環状部材140が例示されている。しかしながら、本発明にいう環状部材は、これに限るものではなく、その材質や形状等は任意に設定し得るものである。ただし、金属製で厚肉の環状部材140を採用することで、ダイヤフラムユニット120の外周部120aにおけるストッパ123の変形を一層効果的に抑えることができる点は上述した通りである。
【0083】
また、上述した実施形態や変形例では、本発明にいうスイッチ素子の一例として、作動軸130を介してダイヤフラム121の変位を受けてオンオフするスイッチ素子151,351が例示されている。しかしながら、本発明にいうスイッチ素子は、これに限るものではなく、例えばダイヤフラムの変位を直に受けるものであってもよく、ダイヤフラムの変位を具体的にどのように受けるかを問うものではない。また、作動軸を介する場合であっても、その作動軸は、上述した実施形態や変形例における作動軸130のように、セラミック製で図示されている棒状のものに限るものではなく、その形状や材質等は任意に設定し得るものである。