(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6966491
(24)【登録日】2021年10月25日
(45)【発行日】2021年11月17日
(54)【発明の名称】筐体の加熱抑制機能を設けたレーザ発振器
(51)【国際特許分類】
H01S 3/042 20060101AFI20211108BHJP
H01S 3/02 20060101ALI20211108BHJP
G02B 6/46 20060101ALI20211108BHJP
G02B 6/26 20060101ALI20211108BHJP
【FI】
H01S3/042
H01S3/02
G02B6/46
G02B6/26
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-17132(P2019-17132)
(22)【出願日】2019年2月1日
(65)【公開番号】特開2020-126887(P2020-126887A)
(43)【公開日】2020年8月20日
【審査請求日】2020年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】千葉 哲也
【審査官】
村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−187100(JP,A)
【文献】
特開2010−238709(JP,A)
【文献】
特開2008−310277(JP,A)
【文献】
特開2009−115918(JP,A)
【文献】
特開2007−149932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00−3/30
H01S 5/00−5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に配置されていて融着部分又は湾曲部分を有する光ファイバと、
前記筐体と前記融着部分又は前記湾曲部分との間に位置し前記光ファイバからの漏れ光を吸収する光アブソーバと、
前記光アブソーバを支持する熱伝導性支持柱と、
前記熱伝導性支持柱を介して前記光アブソーバを冷却する冷却部と、
を備え、
前記光ファイバが前記冷却部に接触している、レーザ発振器。
【請求項2】
前記筐体と前記光アブソーバとの間に隙間が設けられている、請求項1に記載のレーザ発振器。
【請求項3】
筐体と、
前記筐体内に配置されていて融着部分又は湾曲部分を有する光ファイバと、
前記筐体と前記融着部分又は前記湾曲部分との間に位置し前記光ファイバからの漏れ光を吸収する光アブソーバと、
前記光アブソーバを支持する熱伝導性支持柱と、
前記熱伝導性支持柱を介して前記光アブソーバを冷却する冷却部と、
前記光ファイバを前記冷却部に固定する高屈折率樹脂と、
を備え、
前記高屈折率樹脂が前記光ファイバのクラッドより高く且つ空気より高い屈折率を有する、レーザ発振器。
【請求項4】
前記高屈折率樹脂は前記光アブソーバに接触している、請求項3に記載のレーザ発振器。
【請求項5】
前記光ファイバに沿って前記高屈折率樹脂内に配置された冷媒管をさらに備える、請求項3又は4に記載のレーザ発振器。
【請求項6】
筐体と、
前記筐体内に配置されていて融着部分又は湾曲部分を有する光ファイバと、
前記筐体と前記融着部分又は前記湾曲部分との間に位置し前記光ファイバからの漏れ光を吸収する光アブソーバと、
前記光アブソーバを支持する熱伝導性支持柱と、
前記熱伝導性支持柱を介して前記光アブソーバを冷却する冷却部と、
を備え、
前記光アブソーバ及び前記冷却部は前記光ファイバの方を向く内向き面に円形部分又は角形部分を有する、レーザ発振器。
【請求項7】
筐体と、
前記筐体内に配置されていて融着部分又は湾曲部分を有する光ファイバと、
前記筐体と前記融着部分又は前記湾曲部分との間に位置し前記光ファイバからの漏れ光を反射する反射材と、
前記反射材からの反射光を吸収する光アブソーバと、
前記光アブソーバに接触し前記光アブソーバを冷却する冷却部と、
を備えることを特徴とするレーザ発振器。
【請求項8】
前記反射材が前記光ファイバの方を向く内向き面に凹凸部分を有する、請求項7に記載のレーザ発振器。
【請求項9】
筐体と、
前記筐体内に配置されていて融着部分又は湾曲部分を有する光ファイバと、
少なくとも前記融着部分又は前記湾曲部分を被覆し前記光ファイバのクラッドより高く且つ空気より高い屈折率を有することにより、前記光ファイバからの漏れ光を吸収する光アブソーバと、
前記光アブソーバに接触し前記光アブソーバを冷却する冷却部と、
を備えることを特徴とするレーザ発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ発振器に関し、特に筐体の加熱抑制機能を設けたレーザ発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ発振器において光ファイバを利用する場合、光ファイバの融着部分における僅かな位置ずれや、敷設した光ファイバの湾曲部分から漏れ光が発生することが知られている。斯かる漏れ光に起因した種々の問題を解決する先行技術としては、下記の文献が公知である。
【0003】
特許文献1には、光ファイバを挿通するガラスキャピラリの外周に光吸収体を設けた半導体レーザモジュールが開示されている。これにより、光ファイバを固定する接着剤や光ファイバの被覆部が光吸収に起因した発熱によって損傷するのを抑制している。
【0004】
特許文献2には、光を部分的に吸収すると共に反射する第一光吸収体と、第一光吸収体により反射された光を部分的に吸収すると共に第一光吸収体に向かって反射する第二光吸収体と、を備え、光の進行方向下流側に位置する第一光吸収体及び第二光吸収体の端部が互いに接合された光アブソーバが開示されている。光アブソーバはさらに、第一光吸収体及び第二光吸収体の少なくとも一方に配置した冷却部と、第一光吸収体及び第二光吸収体を互いに連結する連結部材と、を備えている。これにより、第一光吸収体及び第二光吸収体の発熱は連結部材を介して冷却部によって抑制される。
【0005】
特許文献3には、ダブルクラッドファイバとシングルクラッドファイバとの融着部分を、黒アルマイト処理したアルミブロックで覆った光ファイバ融着接続構造が開示されている。融着部分から放射された励起光の殆どは黒アルマイト層で吸収され、アルミブロックに放熱される。
【0006】
特許文献4には、ウェハ表面に存在する凸部を露出させた状態で反射材又は吸収材を塗布することによりウェハに印加される熱量が反射材又は吸収材に吸収され、熱量で形成される改質層がウェハ表面から浅く形成されることが開示されている。
【0007】
特許文献5には、光ファイバ端部の被覆を除去して光ファイバ同士を融着接続した光ファイバ融着部及び被覆を除去した被覆除去部の外周部に、空間を介して、光ファイバを伝送する光を吸収する光吸収部を設けると共に光吸収部にヒートシンクを取付けた光ファイバ融着部保持構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6109321号公報
【特許文献2】特許第6215860号公報
【特許文献3】特開2008−310277号公報
【特許文献4】特許第5206733号公報
【特許文献5】特開2009−116076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図8は従来のレーザ発振器8の一部断面図である。光ファイバ80の融着部分80a(又は湾曲部分)からの漏れ光82はレーザ発振器8の筐体81に照射され、漏れ光82を吸収した筐体81が加熱される。時には筐体81は100°を超える高温体となり、危険源となる。また、レーザ発振器8は複数ユニットを備えるため、周囲ユニットの温度を上昇させるリスクも発生する。
【0010】
そこで、簡易な構成で光ファイバからの漏れ光によるレーザ発振器の筐体加熱を抑制する技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一態様は、筐体と、筐体内に配置されていて融着部分又は湾曲部分を有する光ファイバと、筐体と融着部分又は湾曲部分との間に位置し光ファイバからの漏れ光を吸収する光アブソーバと、光アブソーバを支持する熱伝導性支持柱と、熱伝導性支持柱を介して光アブソーバを冷却する冷却部と、を備え
、光ファイバが冷却部に接触している、レーザ発振器を提供する。
本開示の他の態様は、
筐体と、筐体内に配置されていて融着部分又は湾曲部分を有する光ファイバと、筐体と融着部分又は湾曲部分との間に位置し光ファイバからの漏れ光を吸収する光アブソーバと、光アブソーバを支持する熱伝導性支持柱と、熱伝導性支持柱を介して光アブソーバを冷却する冷却部と、光ファイバを冷却部に固定する高屈折率樹脂と、を備え、高屈折率樹脂が光ファイバのクラッドより高く且つ空気より高い屈折率を有する、レーザ発振器を提供する。
本開示のさらに他の態様は、筐体と、筐体内に配置されていて融着部分又は湾曲部分を有する光ファイバと、筐体と融着部分又は湾曲部分との間に位置し光ファイバからの漏れ光を吸収する光アブソーバと、光アブソーバを支持する熱伝導性支持柱と、熱伝導性支持柱を介して光アブソーバを冷却する冷却部と、を備え、光アブソーバ及び冷却部は光ファイバの方を向く内向き面に円形部分又は角形部分を有する、レーザ発振器を提供する。
本開示の別の態様は、筐体と、筐体内に配置されていて融着部分又は湾曲部分を有する光ファイバと、筐体と融着部分又は湾曲部分との間に位置し光ファイバからの漏れ光を反射する反射材と、反射材からの反射光を吸収する光アブソーバと、光アブソーバに接触し光アブソーバを冷却する冷却部と、を備える、レーザ発振器を提供する。
本開示の
さらに別の態様は、筐体と、筐体内に配置されていて融着部分又は湾曲部分を有する光ファイバと、少なくとも融着部分又は湾曲部分を被覆し光ファイバのクラッドより高く且つ空気より
高い屈折率を有することにより、光ファイバからの漏れ光を吸収する光アブソーバと、光アブソーバに接触し光アブソーバを冷却する冷却部と、を備える、レーザ発振器を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様によれば、簡易な構成で光ファイバからの漏れ光によるレーザ発振器の筐体加熱を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第一実施形態におけるレーザ発振器の一部断面図である。
【
図2】レーザ発振器の変形例を示す一部断面図である。
【
図3】レーザ発振器の他の変形例を示す一部断面図である。
【
図4】レーザ発振器の別の変形例を示す一部断面図である。
【
図5】第二実施形態におけるレーザ発振器の一部断面図である。
【
図6】レーザ発振器の変形例を示す一部断面図である。
【
図7】第三実施形態におけるレーザ発振器の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。各図面において、同一又は類似の構成要素には同一又は類似の符号が付与されている。また、以下に記載する実施形態は、特許請求の範囲に記載される発明の技術的範囲及び用語の意義を限定するものではない。
【0015】
図1は、第一実施形態におけるレーザ発振器1の一部断面図である。レーザ発振器1は、光ファイバ10、筐体11、光アブソーバ12、熱伝導性支持柱13、及び冷却部14を備えている。光ファイバ10は、筐体11内に配置されており、融着部分又は湾曲部分10aを有している(
図8を参照。)。光ファイバ10は冷却部14に接触し、冷却部14は光ファイバ10を冷却する。これにより、光ファイバ10の内部を通るレーザ光によって発生した光ファイバ10の熱が排熱される。
【0016】
光アブソーバ12は、熱伝導率の高い材料、例えば銅、アルミニウム、鉄等で板状、コ字状等に形成される。光アブソーバ12の熱伝導率は、例えば50W/m・K以上であることが好ましい。光ファイバ10の方を向く光アブソーバ12の内向き面には、光吸収率を高める表面処理、例えば黒色めっき、黒色アルマイト処理、焼入れ、黒色塗装等が施される。光アブソーバ12は、筐体11と光ファイバ10の融着部分又は湾曲部分10aとの間に位置し、融着部分又は湾曲部分10aからの漏れ光15を吸収する。筐体11と光アブソーバ12との間には、少なくとも1mm以上の隙間16が設けられることが望ましい。これにより筐体11の加熱がさらに抑制される。
【0017】
熱伝導性支持柱13は、光アブソーバ12を支持する。また、熱伝導性支持柱13は、排熱方向17で示す通り、漏れ光15の吸収によって発生した光アブソーバ12の熱を冷却部14へ伝導する。熱伝導性支持柱13は、光アブソーバ12と同一材料で形成されることが好ましく、これにより熱伝導性支持柱13と光アブソーバ12との接触界面における熱抵抗が低減する。
【0018】
冷却部14は、水冷式、空冷式等の冷却装置で構成され、例えば既存のチラー、公知のヒートシンク等を利用できる。冷却部14は、熱伝導率の高い材料、例えば銅、アルミニウム、鉄等で板状、コ字状等に形成した冷却板を備え、冷却板は光ファイバ10を挟んで光アブソーバ12と向き合う位置に配置される。冷却部14は、光ファイバ10を冷却するだけでなく、熱伝導性支持柱13を介して光アブソーバ12も冷却する。これにより、漏れ光15の吸収によって発生した光アブソーバ12の熱が排熱される。
【0019】
図2は、レーザ発振器1の変形例を示す一部断面図である。本例のレーザ発振器1は、光アブソーバ12と同一材料で板状、コ字状等に形成した別の光アブソーバ18をさらに備えている。光アブソーバ18は、光アブソーバ12と共に光ファイバ10を取り囲むように配置される。光アブソーバ18は、光アブソーバ12では覆いきれない漏れ光15を吸収し、筐体加熱をさらに抑制する。光アブソーバ18は、光アブソーバ12と同じく、熱伝導性支持柱13によって支持される。熱伝導性支持柱13は、漏れ光15の吸収によって発生した2つの光アブソーバ12、18の熱を冷却部14へ伝導する。冷却部14は、熱伝導性支持柱13を介して2つの光アブソーバ12、18を冷却する。
【0020】
図3は、レーザ発振器1の他の変形例を示す一部断面図である。本例のレーザ発振器1は、光ファイバ10を冷却部14に固定する高屈折率樹脂20をさらに備えている。高屈折率樹脂20は、光ファイバ10のクラッド10bより高く且つ空気より
高い屈折率を有している。これにより、光ファイバ10の融着部分又は湾曲部分10aからの漏れ光だけでなく、クラッド10bの内部を通るレーザ光21が高屈折率樹脂20へ透過し易くなり、さらに高屈折率樹脂20と空気との界面で反射し易くなる。即ち、レーザ光21が高屈折率樹脂20の内部に閉じ込められることになる。これにより光ファイバ10の加熱だけでなく筐体11の加熱も抑制される。また、高屈折率樹脂20は、光ファイバ10を冷却部14に固定するため、冷却部14にも接触している。冷却部14は、高屈折率樹脂20を冷却する。
【0021】
また、光ファイバ10の方を向く光アブソーバ12及び冷却部14の内向き面には、円形部分12a、14aが夫々設けられることが望ましい。円形部分12a、14aは、光ファイバ10に沿って半円形、半楕円形等に形成される。これにより、円形部分12a、14aで反射又は輻射したレーザ光21が光ファイバ10に戻り難くなり、光ファイバ10の二次的加熱が抑制される。また、代替実施例として、円形部分12a、14aの代わりに角形部分を設けてもよい。角形部分としては、光ファイバ10に沿った三角形、半六角形等を挙げることができる。
【0022】
図4は、レーザ発振器1の別の変形例を示す一部断面図である。本例の高屈折率樹脂20は、冷却部14に接触するだけでなく、光アブソーバ12にも接触する。これにより、高屈折率樹脂20の内部を通るレーザ光21が光アブソーバ12に吸収され易くなり、レーザ光21による高屈折率樹脂20の加熱が抑制される。
【0023】
レーザ発振器1は、冷媒管22をさらに備えていてもよい。冷媒管22は、例えば銅、アルミニウム、鉄等の熱伝導率の高い材料で、又は、熱伝導率の高いフィラーを含む樹脂等で、チューブ状に形成される。冷媒管22は光ファイバ10に沿って高屈折率樹脂20内に配置され、冷媒管22には、水、アンモニア、二酸化炭素、炭化水素等の冷媒が流される。これにより、レーザ光21の吸収によって発生した高屈折率樹脂20の熱がさらに排熱される。
【0024】
図5は、第二実施形態におけるレーザ発振器2の一部断面図である。本実施形態のレーザ発振器2は、光ファイバ10、筐体11、光アブソーバ12、冷却部14、及び反射材30を備えている。反射材30は、鏡面加工されたガラス、アルミニウム、ステンレス等で形成される。反射材30は、筐体11と光ファイバ10の融着部分又は湾曲部分10aとの間に位置し、融着部分又は湾曲部分10aからの漏れ光15を光アブソーバ12の方へ反射する。光アブソーバ12は、反射材30からの反射光31を吸収するため、光ファイバ10を挟んで反射材30と向き合う位置に配置されることが望ましい。これにより筐体11の加熱が抑制される。また、光アブソーバ12は冷却部14に接触し、冷却部14は光アブソーバ12を冷却するため、反射光31の吸収によって発生した光アブソーバ12の熱が排熱される。
【0025】
図6は、レーザ発振器2の変形例を示す一部断面図である。本例の反射材30は、光ファイバ10の方を向く内向き面に凹凸部分30aを有している。凹凸部分30aは、光ファイバ10からの漏れ光15をランダムな方向に反射し、漏れ光15が筐体11の一部へ集中するのを抑制する。これにより筐体11の集中加熱が抑制される。
【0026】
図7は、第三実施形態におけるレーザ発振器3の一部断面図である。本実施形態のレーザ発振器3は、光ファイバ10、筐体11、冷却部14、及び光アブソーバ40を備えている。光アブソーバ40は、少なくとも光ファイバ10の融着部分又は湾曲部分10aを被覆する。光アブソーバ40は、例えば透明樹脂等で形成され、光ファイバ10のクラッド10bより高く且つ空気より
高い屈折率を有している。これにより、クラッド10bの内部を通るレーザ光21は概ね、クラッド10bから光アブソーバ40へ透過し、さらに光アブソーバ40と空気との界面で反射し易くなる。即ち、レーザ光21が光アブソーバ40の内部に閉じ込められることになる。また、筐体11の加熱を抑制するため、筐体11と光アブソーバ40との間には、例えば1mm以上の隙間が設けられることが望ましい。さらに、光アブソーバ40は冷却部14に接触し、冷却部14は光アブソーバ40を冷却する。これにより、レーザ光21の吸収によって発生した光アブソーバ40の熱が排熱される。
【0027】
以上の実施形態によれば、簡易な構成によって光ファイバ10からの漏れ光15によるレーザ発振器の筐体加熱が抑制される。
【0028】
本明細書において種々の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に記載された範囲内において種々の変更を行えることを認識されたい。
【符号の説明】
【0029】
1、2、3 レーザ発振器
10 光ファイバ
10a 融着部分又は湾曲部分
11 筐体
12 光アブソーバ
12a 円形部分
13 熱伝導性支持柱
14 冷却部
14a 円形部分
15 漏れ光
16 隙間
17 排熱方向
18 光アブソーバ
20 高屈折率樹脂
21 レーザ光
22 冷媒管
30 反射材
30a 凹凸部分
31 反射光
40 光アブソーバ